説明

HDDモーター用接着樹脂組成物及びこれを用いたHDD用モーター

【課題】本発明は、HDDモーター用接着樹脂組成物及びこれを用いたHDD用モーターに関する。
【解決手段】本発明によるHDDモーター用接着樹脂組成物は、ウレタンメタクリレートオリゴマー45〜55重量部と、ヒドロキシルアルキルメタクリレート35〜45重量部と、アクリル酸1〜3重量部と、有機ヒドロペルオキシド1〜2重量部と、光開始剤2〜5重量部と、を含む。本発明によると、紫外線硬化型接着剤及びプライマーの含量を調節して製造されたHDDモーター用接着樹脂組成物でHDD用モーターを製作することにより、アウトガスの発生を低減してモーターの信頼性品質を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウトガス(Out gas)の発生を防止して信頼性品質を確保することができるHDDモーター用接着樹脂組成物及びこれを用いたHDD用モーターに関する。
【背景技術】
【0002】
情報保存装置の一つであるハードディスクドライブ(HDD)は、記録再生ヘッド(read/write head)を用いてディスクに保存されたデータを再生したりディスクにデータを記録したりする装置である。
【0003】
このようなHDDは、ディスクを駆動させることができるディスク駆動装置を必要とし、当該ディスク駆動装置には、小型のスピンドルモーターが用いられる。
【0004】
上記小型のスピンドルモーターには流体動圧ベアリングアセンブリーが用いられており、当該流体動圧ベアリングアセンブリーの回転部材の一つであるシャフトと固定部材の一つであるスリーブとの間に潤滑流体が介在されて当該潤滑流体から生じる流体圧力でシャフトを支持するようになる。
【0005】
上記流体動圧ベアリングアセンブリーの製造において、固定部材であるスリーブとベース部材との接着は、紫外線(UV)硬化接着剤及びプライマー(Primer)を用いて行われている。
【0006】
しかしながら、上記紫外線硬化接着剤及びプライマーを用いた接着は、アウトガスの発生によって信頼性品質の確保に問題があることがある。
【0007】
また、硬化のための長時間の高温工程の追加による作業性効率低下の問題があることがある。
【0008】
これにより、HDD用モーターの信頼性品質の確保への顧客要求が増大している。特に、接着剤を用いて組み立てられるモーターのアウトガス発生問題によって、HDDの保存機能にエラーを引き起こす可能性があるため、接着剤のアウトガスを定量的に規格化して信頼性品質を事前に確保するための試験を製品量産前に必須に行うようにしている実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、アウトガスの発生を防止して信頼性品質を確保することができるHDDモーター用接着樹脂組成物及びこれを用いたHDD用モーターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるHDDモーター用接着樹脂組成物は、ウレタンメタクリレートオリゴマー(Urethane Methacrylate Oligomer)45〜55重量部と、ヒドロキシルアルキルメタクリレート(Hydroxylalkyl Methacrylate)35〜45重量部と、アクリル酸(Acrylic Acid)1〜3重量部と、有機ヒドロペルオキシド(Organic Hydroperoxide)1〜2重量部と、光開始剤(Photo Initiator)2〜5重量部と、を含むことができる。
【0011】
上記接着樹脂組成物は、プライマー(Primer)1〜5重量部をさらに含むことができる。
【0012】
上記プライマーは、95重量部以上のアセトン(Acetone)を含み、銅石鹸(Copper Soap)0.5〜3重量部を含むことができる。
【0013】
また、上記プライマーは、銅石鹸1〜3重量部を含むことができる。
【0014】
上記接着樹脂組成物は、上記光開始剤を3〜5重量部含むことができる。
【0015】
本発明によるHDD用モーターは、ウレタンメタクリレートオリゴマー45〜55重量部と、ヒドロキシルアルキルメタクリレート35〜45重量部と、アクリル酸1〜3重量部と、有機ヒドロペルオキシド1〜2重量部と、光開始剤2〜5重量部と、を含む接着樹脂組成物を含むことができる。
【0016】
上記接着樹脂組成物は、プライマー1〜5重量部をさらに含むことができる。
【0017】
上記プライマーは、95重量部以上のアセトンを含み、銅石鹸0.5〜3重量部を含むことができる。
【0018】
また、上記プライマーは、銅石鹸1〜3重量部を含むことができる。
【0019】
上記接着樹脂組成物は、上記光開始剤を3〜5重量部含むことができる。
【0020】
上記接着樹脂組成物は、上記HDD用モーターのベース部材とスリーブとを接着することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、紫外線硬化型接着剤及びプライマーの含量を調節して製造されたHDDモーター用接着樹脂組成物でHDD用モーターを製作することにより、アウトガスの発生を低減してモーターの信頼性品質を向上させることができる。
【0022】
また、上記接着剤の加熱硬化時間を短縮することにより、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態によるHDDモーター用接着樹脂組成物の塗布部位を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるHDDモーター用接着樹脂組成物を含むHDD用モーターを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。但し、本発明の実施形態は、多様な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が後述する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当業界における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張されることがある。なお、図面上において同一符号で表示される要素は、同一の要素である。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態によるHDDモーター用接着樹脂組成物の塗布部位を示す概略斜視図である。
【0026】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるHDDモーター用接着樹脂組成物は、ウレタンメタクリレートオリゴマー45〜55重量部と、ヒドロキシルアルキルメタクリレート35〜45重量部と、アクリル酸1〜3重量部と、有機ヒドロペルオキシド1〜2重量部と、光開始剤2〜5重量部と、を含むことができる。
【0027】
以下では、上記構成に関して詳細に説明する。
【0028】
本発明の一実施形態によるHDDモーター用接着樹脂組成物は、ウレタンメタクリレートオリゴマー45〜55重量部を含むことができる。
【0029】
上記ウレタンメタクリレートオリゴマーは、後述するHDD用モーターのベース部材1の内側とスリーブ2の外面との接着時に接着樹脂硬化物の皮膜物性に影響を及ぼす役割をすることができる。
【0030】
上記ウレタンメタクリレートオリゴマーは、45〜55重量部で含まれることができ、45重量部未満の場合は接着力が弱化し、55重量部を超える場合は接着樹脂硬化物の皮膜物性が低下することがある。
【0031】
また、上記HDDモーター用接着樹脂組成物は、ヒドロキシルアルキルメタクリレート35〜45重量部を含むことができる。
【0032】
上記ヒドロキシルアルキルメタクリレートは、接着樹脂硬化物の皮膜物性に影響を及ぼす役割をすることができる。
【0033】
上記ヒドロキシルアルキルメタクリレートは、35〜45重量部で含まれることができ、35重量部未満の場合及び45重量部を超える場合は接着樹脂硬化物の皮膜物性が低下することがある。
【0034】
本発明の一実施形態によるHDDモーター用接着樹脂組成物は、アクリル酸1〜3重量部を含むことができる。
【0035】
上記アクリル酸は、HDDモーター用接着樹脂組成物の粘度及び作業性を調節し、上記組成物に機能性を与える役割をすることができる。
【0036】
上記アクリル酸は、1〜3重量部で含まれることができ、1重量部未満の場合は上記接着樹脂組成物の粘度及び作業性の調節が困難で添加の効果が小さくなり、3重量部を超える場合は過量添加による接着樹脂組成物の物性低下が生じることがある。
【0037】
本発明の一実施形態によるHDDモーター用接着樹脂組成物は、有機ヒドロペルオキシド1〜2重量部を含むことができる。
【0038】
上記有機ヒドロペルオキシドは、HDDモーター用接着樹脂組成物の接着性を向上させ、上記組成物に機能性を与える役割をすることができる。
【0039】
上記有機ヒドロペルオキシドは、1〜2重量部で含まれることができ、1重量部未満の場合は上記接着樹脂組成物の接着性向上効果が弱くなり、2重量部を超える場合は過量添加による接着樹脂組成物の物性低下が生じることがある。
【0040】
また、本発明の一実施形態によるHDDモーター用接着樹脂組成物は、光開始剤2〜5重量部を含み、特に、3〜5重量部を含むことができる。
【0041】
上記光開始剤は、紫外線照射によって上記接着樹脂組成物を分解し活性化して重合反応を誘発することにより硬化させる役割をすることができる。
【0042】
本発明の一実施形態によると、上記光開始剤を2〜5重量部、特に、3〜5重量部含むことにより、アウトガスの発生を低減してモーターの信頼性品質を向上させることができる。
【0043】
また、上記接着樹脂組成物の加熱硬化時間を短縮することにより、作業性を向上させることができる。
【0044】
上記光開始剤は、2〜5重量部で含まれることができ、2重量部未満の場合はアウトガスが発生し、5重量部を超える場合は過量の開始剤によって上記接着樹脂組成物の物性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0045】
本発明の一実施形態によるHDDモーター用接着樹脂組成物は、プライマー1〜5重量部をさらに含むことができる。
【0046】
上記プライマーは、接着樹脂組成物の前処理過程に用いられ、当該プライマーで前処理された接着樹脂組成物は、表面塗布後に硬化速度を促進させる役割をすることができる。
【0047】
上記プライマーは、95重量部以上のアセトンを含むことができるが、その含量に特別な制限はない。
【0048】
また、上記プライマーは、銅石鹸0.5〜3重量部を含み、特に、1〜3重量部を含むことができる。
【0049】
本発明の一実施形態によると、上記プライマーが銅石鹸を0.5〜3重量部含むことにより、アウトガスの発生を低減してモーターの信頼性品質を向上させることができる。
【0050】
また、上記銅石鹸が接着樹脂の硬化速度を促進するため、接着樹脂組成物の加熱硬化時間を短縮させることができる。
【0051】
上記プライマーに含まれる上記銅石鹸の含量が0.5重量部未満の場合は、接着樹脂組成物の加熱硬化時間の短縮に問題が生じることがある。
【0052】
上記プライマーに含まれる上記銅石鹸の含量が3重量部を超える場合は、接着樹脂組成物の物性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0053】
図2は、本発明の一実施形態によるHDDモーター用接着樹脂組成物を含むHDD用モーターを示す概略断面図である。
【0054】
図2を参照すると、本発明の他の実施形態によるHDD用モーター400は、ウレタンメタクリレートオリゴマー45〜55重量部と、ヒドロキシルアルキルメタクリレート35〜45重量部と、アクリル酸1〜3重量部と、有機ヒドロペルオキシド1〜2重量部と、光開始剤2〜5重量部と、を含む接着樹脂組成物170を含むことができる。
【0055】
上記接着樹脂組成物170は、プライマー1〜5重量部をさらに含むことができる。
【0056】
上記プライマーは、95重量部以上のアセトンを含み、銅石鹸0.5〜3重量部、特に、1〜3重量部を含むことができる。
【0057】
上記接着樹脂組成物は、上記光開始剤を3〜5重量部含むことができる。
【0058】
以下では、本発明の他の実施形態によるHDD用モーターに関して詳細に説明するが、上述した本発明の一実施形態と重なる説明に関しては省略する。
【0059】
上記HDD用モーター400では、固定部材120、140と回転部材110、130、212との間、特に、スリーブ120とスラストプレート130とキャップ140との間にオイルシーリング部160が形成されることができる。
【0060】
上記キャップ140は、上記スラストプレート130の上側から圧入されて当該スラストプレート130との間で潤滑流体がシーリングされるようにする部材であり、上記スラストプレート130と上記スリーブ120に圧入されるように外径方向に周方向の溝が形成されることができる。
【0061】
上記キャップ140は、潤滑流体がシーリングされるようにするために、下面に突出部が形成されることができる。これは、モーターの駆動時に潤滑流体が外部に漏れることを防止するために毛細管現象及び潤滑流体の表面張力を利用したものである。
【0062】
一方、本発明の他の実施形態によるHDD用モーター400は、シャフト110と、スリーブ120と、スラストプレート130と、キャップ140と、オイルシーリング部160と、を含むことができる。
【0063】
上記スリーブ120は、上記シャフト110の上端が軸方向上側に突出されるように当該シャフト110を支持し、銅(Cu)又はアルミニウム(Al)を鍛造するか又は銅−鉄(Cu−Fe)系合金粉末やSUS系粉末を焼結して形成されることができる。
【0064】
ここで、上記シャフト110は、上記スリーブ120の軸穴と微小間隙を有するように挿入され、当該微小間隙には潤滑流体が充填され、当該シャフト110の外径及び当該スリーブ120の内径の少なくとも一つに形成されるラジアル動圧溝によってローター200の回転をよりスムーズに支持することができる。
【0065】
上記ラジアル動圧溝は、上記スリーブ120の軸穴の内部である当該スリーブ120の内側面に形成され、上記シャフト110の回転時に一方に偏向されるように圧力を形成させることができる。
【0066】
上記ラジアル動圧溝は、上述したように上記スリーブ120の内側面に形成されることができるが、これに限定されず、上記シャフト110の外径部に形成されることもでき、個数にも制限がない。
【0067】
上記スリーブ120は、当該スリーブ120の上部と下部とを連通するように形成されるバイパスチャンネル125を備えることにより、流体動圧ベアリングアセンブリー100の内部の潤滑流体の圧力を分散させて平衡を維持できるようにし、上記流体動圧ベアリングアセンブリー100の内部に存在する気泡等を循環によって排出するように移動させることができる。
【0068】
ここで、上記スリーブ120の下部には、間隙を維持した状態で当該スリーブ120と結合し当該間隙に潤滑流体を収容するカバープレート150が結合されることができる。
【0069】
上記カバープレート150は、上記スリーブ120との間隙に潤滑流体を収容することにより、それ自体で上記シャフト110の下面を支持するベアリングとしての機能を行うことができる。
【0070】
上記スラストプレート130は、上記スリーブ120の軸方向上部に配置され、中央に上記シャフト110の断面に相応するホールを備えることにより当該ホールに当該シャフト110が挿入されるようにすることができる。
【0071】
この際、上記スラストプレート130は、別途に製造されて上記シャフト110と結合することもでき、製造時から上記シャフト110と一体的に形成されることもでき、上記シャフト110の回転時に当該シャフト110に沿って回転するようになる。
【0072】
また、上記スラストプレート130の上面には、上記シャフト110にスラスト動圧を提供するスラスト動圧溝が形成されることができる。
【0073】
上記スラスト動圧溝は、上述したように上記スラストプレート130の上面に形成されることができるが、これに限定されず、上記スラストプレート130の下面に対応するスリーブ120の上面にも形成されることができる。
【0074】
ステータ300は、コイル320と、コア330と、ベース部材310と、を含むことができる。
【0075】
即ち、上記ステータ300は、電源の印加時に一定の大きさの電磁気力を発生させるコイル320と、当該コイル320が巻線される複数のコア330と、を備える固定構造物であることができる。
【0076】
上記コア330は、パターン回路が印刷された印刷回路基板(図示せず)が備えられるベース部材310の上部に固定配置され、上記コイル320に対応するベース部材310の上部面には、当該コイル320を下部に露出させるように一定サイズのコイル孔が複数貫通形成されることができる。上記コイル320は、外部電源が供給されるように上記印刷回路基板(図示せず)と電気的に連結されることができる。
【0077】
上記ベース部材310には、上記スリーブ120の外周面が圧入されて固定され、上記コイル320が巻線されるコア330が挿入され、当該ベース部材310の内面又は当該スリーブ120の外面に接着剤を塗布して組み立てられることができる。
【0078】
本発明の一実施形態によると、上記ベース部材310の内面又は上記スリーブ120の外面に塗布される接着樹脂組成物170は、ウレタンメタクリレートオリゴマー45〜55重量部と、ヒドロキシルアルキルメタクリレート35〜45重量部と、アクリル酸1〜3重量部と、有機ヒドロペルオキシド1〜2重量部と、光開始剤2〜5重量部と、を含むことができる。
【0079】
また、上記接着樹脂組成物170は、プライマー1〜5重量部をさらに含むことができる。
【0080】
上記プライマーは、95重量部以上のアセトンを含み、銅石鹸0.5〜3重量部、特に、1〜3重量部を含むことができる。
【0081】
上述したように、本発明の一実施形態によると、上記接着樹脂組成物170が、光開始剤2〜5重量部と、95重量部以上のアセトンと0.5〜3重量部の含量を有する銅石鹸とを含むプライマーと、を含むことにより、アウトガスの発生を低減してモーターの信頼性品質を向上させることができる。
【0082】
また、上記接着剤の加熱硬化時間を短縮することにより、作業性を向上させることができる。
【0083】
上記ローター200は、上記ステータ300に対して回転可能に備えられる回転構造物であり、上記コア330と一定の間隔をおいて対応する環状のマグネット220を内周面に備えるローターケース210を含むことができる。
【0084】
上記マグネット220は、周方向にN極とS極とが交互に着磁されて一定の強さの磁気力を発生させる永久磁石として備えられることができる。
【0085】
ここで、上記ローターケース210は、上記シャフト110の上端に圧入されて固定されるようにするハブベース212と、当該ハブベース212から外径方向に伸び軸方向下側に折れ曲がって上記マグネット220を支持するマグネット支持部214とからなることができる。
【0086】
上記HDD用モーター400の製造方法は、当該HDD用モーター400の上記ベース部材310の内面又は上記スリーブ120の外面に本発明の一実施形態による接着樹脂組成物170を塗布して接着することを除いては一般的な製造方法と同じであることができる。
【実施例】
【0087】
下記表1は、本発明の一実施形態による接着樹脂組成物を用いて製造されたHDD用モーターの各成分含量及びアウトガス含量と従来の接着樹脂組成物を用いて製造されたHDD用モーターの各成分含量及びアウトガス含量とを比較したものである。
【0088】
具体的には、実施例1〜5は、ウレタンメタクリレートオリゴマー50重量部と、ヒドロキシルアルキルメタクリレート40重量部と、アクリル酸2重量部と、有機ヒドロペルオキシド2重量部と、を含んで製作されたものである。
【0089】
特に、実施例1〜5で用いられる接着樹脂組成物は、光開始剤2〜5重量部及びプライマーに含まれる銅石鹸0.5〜3重量部の数値範囲内で当該光開始剤と当該銅石鹸とを含むように製作された。
【0090】
一方、比較例1〜5で用いられる接着樹脂組成物は、光開始剤1〜2重量部及びプライマーに含まれる銅石鹸0.5重量部以下の数値範囲内で当該光開始剤と当該銅石鹸とを含むように製作されたことを除いては、上記実施例1〜5と同じ方法で製作された。
【0091】
各成分の分析は、GC−MS(Gas Chromatography−Mass Spectroscopy)分析により行われた。そのデータを下記表1に示した。
【0092】
【表1】

【0093】
上記表1を参照すると、実施例1〜5は、比較例1〜5に比べ、アクリレート(Acrylate)及びメタクリレート(Methacrylate)が4〜5倍水準に低減し、アウトガスの総検出量も低減したことが分かる。
【0094】
以上のことから、本発明の一実施形態による接着樹脂組成物を用いて製造されたHDD用モーターは、アウトガスの発生が低減して信頼性品質に優れ、作業性も向上することが分かる。
【0095】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されることなく添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載の本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当該技術分野における通常の知識を有する者による多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これもまた本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0096】
1、310 ベース部材
2、120 スリーブ
100 流体動圧ベアリングアセンブリー
110 シャフト
125 バイパスチャンネル
130 スラストプレート
140 キャップ
150 カバープレート
160 オイルシーリング部
170 接着樹脂組成物
200 ローター
210 ローターケース
212 ハブベース
214 マグネット支持部
220 マグネット
300 ステータ
320 コイル
330 コア
400 HDD用モーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタンメタクリレートオリゴマー45〜55重量部と、
ヒドロキシルアルキルメタクリレート35〜45重量部と、
アクリル酸1〜3重量部と、
有機ヒドロペルオキシド1〜2重量部と、
光開始剤2〜5重量部と、
を含む、HDDモーター用接着樹脂組成物。
【請求項2】
前記接着樹脂組成物は、プライマー1〜5重量部をさらに含む、請求項1に記載のHDDモーター用接着樹脂組成物。
【請求項3】
前記プライマーは、95重量部以上のアセトンを含む、請求項2に記載のHDDモーター用接着樹脂組成物。
【請求項4】
前記プライマーは、銅石鹸0.5〜3重量部を含む、請求項2に記載のHDDモーター用接着樹脂組成物。
【請求項5】
前記プライマーは、銅石鹸1〜3重量部を含む、請求項2に記載のHDDモーター用接着樹脂組成物。
【請求項6】
前記接着樹脂組成物は、前記光開始剤を3〜5重量部含む、請求項1に記載のHDDモーター用接着樹脂組成物。
【請求項7】
ウレタンメタクリレートオリゴマー45〜55重量部と、
ヒドロキシルアルキルメタクリレート35〜45重量部と、
アクリル酸1〜3重量部と、
有機ヒドロペルオキシド1〜2重量部と、
光開始剤2〜5重量部と、
を含む接着樹脂組成物を含む、HDD用モーター。
【請求項8】
前記接着樹脂組成物は、プライマー1〜5重量部をさらに含む、請求項7に記載のHDD用モーター。
【請求項9】
前記プライマーは、95重量部以上のアセトンを含む、請求項8に記載のHDD用モーター。
【請求項10】
前記プライマーは、銅石鹸0.5〜3重量部を含む、請求項8に記載のHDD用モーター。
【請求項11】
前記プライマーは、銅石鹸1〜3重量部を含む、請求項8に記載のHDD用モーター。
【請求項12】
前記接着樹脂組成物は、前記光開始剤を3〜5重量部含む、請求項7に記載のHDD用モーター。
【請求項13】
前記接着樹脂組成物は、前記HDD用モーターのベース部材とスリーブとを接着する、請求項7に記載のHDD用モーター。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−79359(P2013−79359A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−281031(P2011−281031)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】