ICカード、駐車場システム、クレジットシステム、駐車料金サービスシステム
【課題】駐車場システムにおいて、専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができるようにする。
【解決手段】
駐車場入場についての処理の過程で駐車場システムの入場ゲート端末が送信する駐車場への入場日時をICカードのメモリに記憶する。クレジット取引についての処理の過程でクレジットシステムのクレジット端末が送信する取引金額と取引日時とを含む取引情報をICカードのメモリに記憶する。駐車場システムの退場ゲート端末における駐車料金精算の処理の過程で、ICカードは入場日時の後においてメモリに記憶された取引金額の累積を演算し、退場ゲート端末に対してその累積取引金額と駐車料金の割引請求を送信する。退場ゲート端末から割引が実行されたことを示すデータを受信したときに、メモリに記憶された入場日時と取引情報のすべてを消去する。
【解決手段】
駐車場入場についての処理の過程で駐車場システムの入場ゲート端末が送信する駐車場への入場日時をICカードのメモリに記憶する。クレジット取引についての処理の過程でクレジットシステムのクレジット端末が送信する取引金額と取引日時とを含む取引情報をICカードのメモリに記憶する。駐車場システムの退場ゲート端末における駐車料金精算の処理の過程で、ICカードは入場日時の後においてメモリに記憶された取引金額の累積を演算し、退場ゲート端末に対してその累積取引金額と駐車料金の割引請求を送信する。退場ゲート端末から割引が実行されたことを示すデータを受信したときに、メモリに記憶された入場日時と取引情報のすべてを消去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場を利用する顧客が店舗にて買い物を行ったときに、クレジットカード(ICカード)で取引した金額に応じて、駐車料金の割引を受けることができるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの大型店舗では、車で来店する顧客のための駐車場を備えており、顧客が買い物した金額に応じて駐車料金の割引券(専用の金券、等)が発券され、その割引券を駐車料金の精算時に顧客が使用することで、駐車料金が割引かれるようにするシステムを導入している。このようなシステムにおいては、駐車場を利用するために、駐車券、購入明細(レシート)、割引券、等の複数種類複数枚数の券類をなくさないように保有し携帯しなければならないという問題がある。
そこで、携帯する券類は1枚の駐車カードをだけでよく、駐車料金精算機における取扱いが用意で、駐車料金サービスの適正化が図れる駐車カードシステムの提案がある(特許文献1)。
また、鉄道等の利用客が定期券や回数券を利用して駐車場を利用できるとともに、利用客以外の者による駐車場の目的外使用を制限することができる駐車場システムの提案がある(特許文献2)。
【特許文献1】特開平8−77402号公報
【特許文献2】特開2004−30084号公報
【0003】
しかしながら、特許文献1の提案においては、駐車場専用の単一目的の駐車カードを使用するときには、カードを作るためのコストがかさむという問題がある。また、特許文献2の提案においては専用のカードを作る必要性はないが、鉄道の利用客に限定されており、一般の店舗に来店する顧客が利用することができないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、駐車場システムにおいて、専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るICカードは、外部装置との間でデータを通信する通信手段と、前記外部装置が駐車場システムの入場ゲート端末であるときの前記データに基づく駐車場入場についての処理の過程で、前記入場ゲート端末が送信する駐車場への入場日時をメモリに記憶する入場日時記憶手段と、前記外部装置がクレジットシステムのクレジット端末であるときの前記データに基づくクレジット取引についての処理の過程で、前記クレジット端末が送信する取引金額と取引日時とを含む取引情報をメモリに記憶する取引情報記憶手段と、前記外部装置が前記駐車場システムの退場ゲート端末であるときの前記データに基づく駐車料金精算の処理の過程で、前記入場日時の後において前記メモリに記憶された取引金額の累積を演算する累積取引金額演算手段と、前記退場ゲート端末に対して前記通信手段を通じて前記累積取引金額を送信する累積取引金額送信手段とを備えるようにしたものである。
また本発明の請求項2に係るICカードは、請求項1記載のICカードにおいて、前記入場日時記憶手段が前記駐車場への入場日時をメモリに記憶する直前または記憶した直後において、前記入場日時よりも前の入場日時と取引情報のすべてを前記メモリから消去する取引情報消去手段を備えるようにしたものである。
また本発明の請求項3に係るICカードは、請求項1または2に係るICカードにおいて、前記累積取引金額を送信した後に、前記通信処理部が前記駐車場システムの端末装置から駐車料金の割引が実行されたことを示す割引完了のデータを受信したときに、前記メモリに記憶された入場日時と取引情報のすべてを消去する取引情報消去手段を備えるようにしたものである。
また本発明の請求項4に係るICカードは、請求項1〜3のいずれかに係るICカードにおいて、前記クレジット取引についての処理はEMV仕様に準じたクレジット取引についての処理であるようにしたものである。
また本発明の請求項5に係る駐車場システムは、入場ゲート端末と退場ゲート端末とを備える駐車場システムであって、前記入場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて前記ICカードに駐車場への入場日時を送信する入場日時送信手段と、前記退場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて前記ICカードから前記入場日時を受信する入場日時受信手段と、前記受信した入場日時と現在日時に基づいて駐車料金を演算する駐車料金演算手段と、前記通信手段を通じて前記ICカードからクレジット取引についての累積取引金額を受信したときには、前記駐車料金について割引する処理を実行する駐車料金割引手段と、前記割引する処理が実行されたことを示すデータを前記通信手段を通じて前記ICカードに送信する割引完了送信手段とを備えるようにしたものである。
また本発明の請求項6に係るクレジットシステムは、クレジット端末を備えるクレジットシステムであって、前記クレジット端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて、前記データに基づくクレジット取引についての処理の過程で、取引金額と取引日時とを含む取引情報を前記ICカードに送信する取引情報送信手段を備えるようにしたものである。
また本発明の請求項7に係る駐車料金サービスシステムは、請求項1記載のICカードと請求項5記載の駐車場システムと請求項6記載のクレジットシステムを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に係るICカードによれば、通信手段により外部装置との間でデータが通信され、外部装置が駐車場システムの入場ゲート端末であるときのデータに基づく駐車場入場についての処理の過程で、入場日時記憶手段により入場ゲート端末が送信する駐車場への入場日時がメモリに記憶され、外部装置がクレジットシステムのクレジット端末であるときのデータに基づくクレジット取引についての処理の過程で、取引情報記憶手段によりクレジット端末が送信する取引金額と取引日時とを含む取引情報がメモリに記憶され、外部装置が駐車場システムの退場ゲート端末であるときのデータに基づく駐車料金精算の処理の過程で、累積取引金額演算手段により入場日時の後においてメモリに記憶された取引金額の累積が演算され、累積取引金額送信手段により退場ゲート端末に対して通信手段を通じて累積取引金額が送信される。すなわち、ICカードは駐車場の入場券と割引券とクレジットカードの機能を有している。したがって、駐車場システムにおいて、専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができる。
また本発明の請求項2に係るICカードによれば、入場日時記憶手段が前記駐車場への入場日時をメモリに記憶する直前または記憶した直後において、取引情報消去手段により入場日時よりも前の入場日時と取引情報のすべてがメモリから消去される。したがって、不必要な記憶データが消去されメモリを有効利用することができ、セキュリティも向上する。
また本発明の請求項3に係るICカードによれば、累積取引金額を送信した後に、通信処理部が駐車場システムの端末装置から駐車料金の割引が実行されたことを示す割引完了のデータを受信したときに、取引情報消去手段によりメモリに記憶された入場日時と取引情報のすべてが消去される。したがって、不必要な記憶データが消去されメモリを有効利用することができ、セキュリティも向上する。
また本発明の請求項4に係るICカードによれば、クレジット取引についての処理はEMV仕様に準じたクレジット取引についての処理である。したがって、EMV仕様の処理と同様の流れで、クレジット取引及び駐車料金サービスについての処理を行うことができ、処理の高速化、効率化が可能となる。
また本発明の請求項5に係る駐車場システムによれば、駐車場システムは入場ゲート端末と退場ゲート端末とを備えており、入場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて入場日時送信手段によりICカードに駐車場への入場日時が送信され、退場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じてICカードから前記入場日時を受信し、その入場日時と現在日時に基づいて駐車料金演算手段により駐車料金が演算され、その通信手段を通じてICカードから入場日時を受信し、その入場日時と現在日時に基づいて駐車料金演算手段により駐車料金が演算され、その通信手段を通じて前記ICカードからクレジット取引についての累積取引金額を受信したときには、駐車料金割引手段により駐車料金について割引する処理が実行され、割引完了送信手段によりその割引する処理が実行されたことを示す割引完了のデータが通信手段を通じてICカードに送信される。すなわち、駐車場システムは駐車場の入場券の機能をクレジット取引用のICカードに持たせることができる。したがって、駐車場システムにおいて、駐車券の発行や専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができる。
また本発明の請求項6に係るクレジットシステムによれば、クレジットシステムはクレジット端末を備えており、そのクレジット端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて、そのデータに基づくクレジット取引についての処理の過程で、取引情報送信手段により取引金額と取引日時とを含む取引情報がICカードに送信される。すなわち、クレジットシステムは駐車料金の割引券の機能をクレジット取引用のICカードに持たせることができる。したがって、駐車場システムにおいて、割引券の発行や専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができる。
また本発明の請求項7に係る駐車料金サービスシステムによれば、請求項1記載のICカードと請求項5記載の駐車場システムと請求項6記載のクレジットシステムを備える。
したがって、駐車場の入場券や割引券の発行、または専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができる駐車料金サービスシステムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の駐車料金サービスシステムは、ICカード、駐車場システム、クレジットシステムによって構成される。すなわち、ICカード、駐車場システム、クレジットシステムについては駐車料金サービスシステムの実施の形態を説明することによって、その特徴的は部分が明確になる。したがって、本発明の駐車料金サービスシステムを主とし実施の形態を説明する。
本発明による駐車料金サービスシステムが備える構成の一例をブロック図として図1に示す。また、駐車料金サービスシステムにおけるクレジット処理に係わる機能の一例をブロック図として図2に示す。
図1に示すように、駐車料金サービスシステムは、利用者に携帯されているICカード10と、ICカード10と通信を行うことが可能なレジシステム2と、レジシステム2と接続されているストアコントローラ40、レジシステム2と電話回線、光ケーブルその他の有線、又は、赤外線その他の無線の通信回線60を介して接続され、ICカード10を所持する利用者の情報(利用者情報)を管理するイシュアホスト50と、駐車場ゲート70などとを備え、たとえばEMV仕様に準じてクレジットサービスなどについての処理を行うコンピュータシステムである。
【0008】
ICカード10は、リーダライタ(以下、「R/W」という。)24を備える情報処理装置である端末装置20と通信することが可能であって、端末装置20からコマンド(命令)を受信し、このコマンドに応じて処理を行い、処理結果をレスポンス(応答)として端末装置20へ返信する携帯型の情報処理装置である。ICカード10は、CPU11と、CPU11にシステムバス15を介して接続されているコプロセッサ12、メモリ13及びI/F14などとを備えている。CPU11は、ICカード10全体を制御する中央処理演算装置である。コプロセッサ12は、CPU11の性能を強化するための補助プロセッサであって、CPU11からの命令に応じて暗号演算などの演算処理を行う。
【0009】
メモリ13は、CPU11が処理を行う作業領域として使用される揮発性メモリであるRAM、CPU11の動作のもととなるオペレーティングシステムなどの基本プログラムを記憶する不揮発性の読み出し専用メモリであるROM、アプリケーションなどのプログラム、利用者の個人情報などのプログラムの実行に必要なデータを記憶する随時書き換え可能な不揮発性メモリなどを備える記憶装置である。メモリ13は、クレジット及び駐車料金サービスについての処理を行う場合にCPU11が実行する駐車料金サービス機能付きクレジットアプリケーションを記憶している。I/F14は、外部との信号の入出力を行い、端末装置20及びCPU11間の通信を媒介する通信インターフェースである。I/F14は、例えば、ICカード10が接触式の通信を行う場合には、端末装置20との接触式通信における接点となる接触端子、ICカード10が非接触式の通信を行う場合には、電磁波の送受信を行うアンテナ、信号の変調/復調を行う変復調回路などである。なお、ICカード10は、接触式ICカード、非接触式ICカード、接触/非接触式ICカードのいずれであってもよく、その通信方式は、限定されない。
【0010】
図2に示すように、ICカード10は、外部装置と通信を行う通信機能、たとえばEMV仕様に準じてクレジット取引についての処理(クレジット処理)を行うクレジット処理機能、駐車料金サービスについての処理(駐車料金サービス処理)を行う駐車料金サービス処理機能などの諸機能を備えている。各機能は、CPU11が端末装置20から受信するコマンドに応じてメモリ13に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。
【0011】
図1及び図2に示すように、レジシステム2は、互いに接続されているPOSレジ30及び端末装置20などを備え、ICカードシステム1に加盟している各加盟店のレジカウンタなどの精算場所に設置され、利用者の商取引の精算を行うコンピュータシステムである。
図1に示すように、端末装置20は、CPU21と、CPU21とシステムバス27を介して接続されているメモリ22、I/F23、R/W24、表示部25及び入力部26などとを備えている。CPU21は、端末装置20全体を制御する中央処理演算装置であり、メモリ22は、CPU21の動作のもととなるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している記憶装置である。I/F23は、POSレジ30、イシュアホスト50などの他の装置と通信を行うための通信インターフェースであり、R/W24は、ICカード10と通信を行うためのリーダライタである。表示部25は、ディスプレイなど、加盟店の店員、利用者に対して情報を表示するための表示装置であり、入力部26は、キーボードなど、店員、利用者が端末装置20に対して情報を入力する入力装置である。
【0012】
また図2に示すように、端末装置20は、ICカード10との通信機能、たとえばEMV仕様に準じてクレジット処理を行うクレジット処理機能、駐車料金サービス処理を行う駐車料金サービス処理機能、クレジットデータなどのクレジット取引関連情報を保管するクレジット取引データ保管機能、イシュアホスト50などの他の装置との通信機能などの諸機能を備えている。各機能は、I/F23を介してPOSレジ30から入力される情報、入力部26から入力される情報に応じて、CPU21がメモリ22に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。端末装置20は、POSレジ30から、クレジットによる精算金額(クレジット精算金額)などの精算要求(クレジット精算要求)を受信し、要求に応じてICカード10と通信を行うことによって処理を行い、処理結果をPOSレジ30に返す。
【0013】
POSレジ30は、装置全体を制御するCPU、CPUの動作のもととなるプログラムなどを記憶している記憶装置、ディスプレイなどの表示装置、キーボード、バーコードスキャナなどの入力装置、他の装置と通信を行うためのインターフェース、レシート(領収書)を発行するプリンタなど(図示しない。)を備える商取引精算のためのレジスタである。記憶装置は、各商品の価格などの商品情報を記憶している。なお、商品情報は、ストアコントローラ40など店舗の他の装置が記憶し、通信によってPOSレジ30が取得してもよい。
【0014】
図2に示すように、POSレジ30は、レジ処理機能、精算機能、金額表示機能、レシート出力機能、販売情報保管機能などの諸機能を備えている。レジ処理機能は、入力装置から商品の識別情報や購買個数などの購買情報を入力し、この購買情報と、記憶装置に記憶されている商品情報などとに基づいて、商品の合計金額を算出する機能である。精算機能は、利用者が選択した精算方法によって、レジ処理機能によって算出された合計金額について精算を行う機能、その合計金額を端末装置20に通知する機能である。金額表示機能は、商品の合計金額を表示する機能であり、レシート出力機能は、精算内容をレシートとして出力する機能である。販売情報保管機能は、販売商品名、売り上げデータなどの販売内容や処理履歴を示す販売情報を保管する機能である。POSレジ30は、販売情報をストアコントローラ40に送信する。
【0015】
現金、クレジット、商品券などのなかから利用者が代金の精算方法を選択し、POSレジ30は、商品の合計金額と、精算方法の選択情報を関連づけて入力する。POSレジ30は、クレジット精算が選択された場合には、クレジット精算金額を端末装置20に通知してクレジット精算を要求する。また、POSレジ30は、精算後に、商品の合計金額を端末装置20へ通知し、駐車料金サービスに用いる累積取引金額の更新を要求する(後述する図4参照。)。ここで、累積取引金額とは、ICカード10の利用者が商品などを購入した場合の当日の取引額を累積させた金額である。
【0016】
ストアコントローラ40は、POSレジ30、発注端末(図示しない。)などの加盟店舗内の各端末や、本社のホストコンピュータ(図示しない。)などに接続され、店舗事務所などに設置され、店舗内のシステムを管理するコンピュータであり、販売情報をPOSレジ30から、発注データを発注端末(図示しない。)からなど、販売関連情報を各端末から受信し、管理する。ストアコントローラ40は、売り上げ分析、商品管理、仕入れ管理、在庫管理、データバックアップ、通信などの諸機能を有している。
イシュアホスト50は、ICカード10のイシュア(発行者)であるクレジットカード会社のホストコンピュータであって、氏名、会員番号、クレジット利用履歴など、ICカード10を所持する利用者の情報(利用者情報)を管理している。
【0017】
入場ゲート端末70は、駐車場の入口に設置され、車の入庫を管理する駐車場システムの端末装置であり、CPU71と、CPU71とシステムバス75を介して接続されているメモリ72、R/W73、表示部74などとを備えている。CPU71は、入場ゲート端末70の全体を制御する中央処理演算装置であり、メモリ72は、CPU71の動作のもととなるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している記憶装置である。R/W73は、ICカード10と通信を行うためのリーダライタである。表示部74は、利用者に対して駐車料金などの情報を表示するための表示装置である。
同様に、退場ゲート端末80は、駐車場の出口に設置され、車の出庫を管理する駐車場システムの端末装置であり、CPU81と、CPU81とシステムバス85を介して接続されているメモリ82、R/W83、表示部84などとを備えている。CPU81は、退場ゲート端末80の全体を制御する中央処理演算装置であり、メモリ82は、CPU81の動作のもととなるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している記憶装置である。R/W83は、ICカード10と通信を行うためのリーダライタである。表示部84は、利用者に対して駐車料金などの情報を表示するための表示装置である。
駐車システムホスト90は車の入出庫を管理する駐車場システムのホストコンピュータシステムである。入場ゲート端末70と退場ゲート端末80における処理は駐車システムホスト90によって統合管理される。
【0018】
駐車料金サービスシステムにおける駐車料金サービス処理に係わる機能の一例をブロック図として図3に示す。図3に示すように、駐車場システムは、入場ゲート端末70、退場ゲート端末80、駐車場システム90を備えている。
入場ゲート端末70は、車両検知部、表示部、ICカード処理部、駐車券発行部、ゲート開放部、記憶部、等を有している。駐車場に入庫する車が入場ゲート端末70に接近すると、まず車両検知部が車を検知し、次に表示部が入庫案内を表示する。利用者は、その入庫案内に従って、駐車券を発行する一般の発券入庫処理を行うか、ICカード10を使用し駐車券を発行しないカード入庫処理を行うかを決める。
発券入庫処理は利用者が発券ボタンを押すことにより選択され、利用者は駐車券発行部が発行した駐車券を受け取る。
一方、カード入庫処理は利用者がICカード10をR/W73に挿入(接触型ICカード)または近接(近接型ICカード)することにより選択され、利用者は入場ゲート端末70がカード入庫処理を済ませたことを表示部の表示、音声出力部の音声、等により確認し、ICカード10を受け取る。
続いて、ゲート開放部がゲートを開く信号を出力し、ゲートが開いたところで、利用者は車を入庫させる。
このときカード入庫処理においては、ICカード10と入場ゲート端末70との相互認証が行われ、さらに、ICカード10の店舗コードが適正なものであることの認証を経て、入場ゲート端末70が入場日時を送信し、ICカード10がその入場日時を受信してメモリに記憶する処理が行われる。
【0019】
また、退場ゲート端末80は、車両検知部、表示部、ICカード処理部、駐車券回収部、駐車料金回収部、駐車料金精算部、紙幣硬貨処理部、ゲート開閉部、記憶部、等を有している。駐車場から出庫する車が退場ゲート端末80に接近すると、まず車両検知部が車を検知し、次に表示部が出庫案内を表示する。利用者は、その入庫案内に従い、駐車券による一般の券投入出庫処理かまたはICカード10を使用するカード出庫処理のいずれかの処理、すなわち入庫したときの形態によって決められている処理を行う。
券投入出庫処理は利用者が駐車券を駐車券回収口に投入することにより選択される。駐車券精算部が演算し表示部が表示する精算金額を超える金額を利用者が紙幣硬貨投入口に投入すると駐車券精算部が釣銭を演算して、釣銭受取口に釣銭が排出する。利用者はその釣銭を受け取る。
一方、カード出庫処理は利用者がICカード10をR/W83に挿入または近接することにより選択される。駐車券精算部が演算し表示部が表示する精算金額を超える金額を利用者が紙幣硬貨投入口に投入すると駐車券精算部が釣銭を演算して、釣銭受取口に釣銭が排出する。利用者はその釣銭とICカード10を受け取る。
利用者は退場ゲート端末80がカード出庫処理を済ませたことを表示部の表示、音声出力部の音声、等により確認する。続いて、ゲート開放部がゲートを開く信号を出力し、ゲートが開いたところで、利用者は車を出庫させる。
このときカード出庫処理においては、ICカード10と退場ゲート端末80との相互認証が行われ、さらに、ICカード10の店舗コードが適正なものであることの認証を経て、ICカード処理部は退場ゲート端末80はICカード10からクレジット取引における累積取引金額を受信する。ICカード処理部は累積取引金額に応じて駐車料金を割り引く駐車料金割引処理を行う。駐車料金精算部はその駐車料金割引処理を行った後の精算金額を演算する。駐車料金割引処理を含む駐車料金精算の処理がすべて完了すると、ICカード処理部は割引完了をICカード10に送信する。ICカード10は割引完了を受信すると、取引金額、決算日時、等の取引情報をメモリから消去する処理が行われる。
【0020】
これまでの説明を整理し、ICカード10の内部で処理されるデータ(ICカード内データ)と、端末装置(端末装置20、入場ゲート端末70、退場ゲート端末)の内部で処理されるデータ(端末装置内データ)とを表形式で図4に示す。
ICカード内データとしては、図4に示すように、ICカード内に保持するデータ、店舗端末から受信するデータ、駐車場端末から受信するデータ、等が存在する。
ICカード内に保持するデータとして認証用暗号鍵と認証用暗号鍵IDと店舗コードがある。認証用暗号鍵と認証用暗号鍵IDは、ICカード10と端末装置とが互いに正当性を有するものであることを証明する、すなわち相互認証を行うときに使用する。認証用暗号鍵は外部に読み出すことができないデータである。また認証用暗号鍵IDは認証用暗号鍵を特定するためのデータである。店舗コードはICカード10の発行者、すなわちデパート等の店舗を特定するコードである。店舗コードはカード10を発行するときにカード10に書込まれる。
店舗端末から受信するデータ、すなわちICカードが端末装置20(クレジット端末)から受信するデータとしてPOS乱数データと認証用暗号データと取引日時と商品金額とがある。POS乱数データと認証用暗号データはICカード10の利用者が正当性を有する利用者(所有者)であることを照明する、すなわち本人認証のために使用されるデータである。取引日時と商品金額とは店舗においてICカード10を使用して商品のクレジット取引を行ったときの取引日時と商品金額のデータである。そのデータは退場ゲート端末70において駐車料金を精算するときの割引金額を演算するために使用する。商品金額については、メモリ使用量を減らすために累積取引金額として記憶しておくこともできる。
駐車場端末、すなわち入場ゲート端末80から受信するデータとして入庫日時と割引完了がある。入庫日時は、顧客が車で駐車場に入場した日時(入場日時)である。入庫日時は退場ゲート端末70において駐車料金を精算するためと、駐車中に限ってクレジット取引が行われた金額を累積し累積取引金額を演算するために使用する。割引完了は駐車場システムの退場ゲート端末80からICカード10に送信される駐車料金の割引が実行されたことを示すデータである。
【0021】
また、端末装置内データとしては、図4に示すように、端末装置(端末装置20、入場ゲート端末70、退場ゲート端末80)に保持するデータ、店舗端末(端末装置20すなわちクレジット端末)が取引ごとに生成するデータ、駐車場端末(場ゲート端末70、退場ゲート端末80)が生成するデータ、等が存在する。
端末装置に保持するデータとしては認証用暗号鍵と認証用暗号鍵IDと店舗コードがある。認証用暗号鍵と認証用暗号鍵IDは、端末装置とICカード10とが互いに正当性を有するものであることを証明する、すなわち相互認証を行うときに使用する。認証用暗号鍵は外部に読み出すことができないデータである。また認証用暗号鍵IDは認証用暗号鍵を特定するためのデータである。店舗コードはICカード10の発行者、すなわちデパート、ショッピングモール等の店舗を特定するコードである。店舗コードは駐車場システムが割引対象とする店舗が発行したICカード10であるか否かを判定するために記憶される。割引対象の店舗として店舗コードがメモリに記憶されているときには駐車場システムがそのICカード10の利用者に対して駐車料金の割引を実行する、そうでないときには割引を実行しない。
店舗端末が取引ごとに生成するデータとしてはPOS側乱数データと認証用暗号データと取引日時と商品金額がある。POS乱数データと認証用暗号データは、店舗においてクレジット取引をするICカード10の利用者が正当性を有する利用者(所有者)であることを照明する、すなわち本人認証のために使用されるデータである。
駐車場端末が生成するデータとしては入庫日時と割引完了がある。入庫日時は入場ゲート端末70からICカード10に送信される。割引完了は退場ゲート端末80からICカード10に送信される。入庫日時は顧客が車で駐車場に入場した日時(入場日時)である。割引完了は駐車料金の割引が実行されたことを示すデータである。
【0022】
以上、構成について説明した。次に、本発明の駐車料金サービスシステムにおける動作について説明する。駐車料金サービスシステムにおける入退場時の処理の過程を図5に示す。図5に示すように、店舗における利用者のショッピングを挟んで入場時の処理と退場時の処理が行われる。
本発明の駐車料金サービスシステムを利用する場合には、利用者は、駐車場に入場するときに、駐車場システムの入場ゲート端末70のR/W73にICカード10を挿入または近接させる。図5に示すように、入場ゲート端末70はICカード10から店舗コード、識別番号、等を読取る。入場ゲート端末70は店舗コード等に基づいてICカード10が駐車場において利用可能なICカードであることを確認する処理を行う。確認できたときには、入場ゲート端末70の入場日時送信手段はICカード10に入場日時を送信し、ICカード10の入場日時記憶手段は入場日時を受信してメモリに記憶する。入場日時記憶手段が前記駐車場への入場日時をメモリに記憶する直前または記憶した直後において、ICカード10の取引情報消去手段はその入場日時よりも前の入場日時と取引情報のすべてをICカード10のメモリから消去する。一方、確認できないときには、その旨を入場ゲート端末70の表示部に表示する。利用者は、ICカード10での入場はできないが、発券入庫処理により入場することはできる。駐車場に入場し車を駐車させた後に、利用者はデパート等の店舗に買い物をするために移動する。
【0023】
図5に示す入場時の処理と退場時の処理の間におけるショッピングの処理について説明する。POSレジ30の動作を示すフローチャートを図6に示す。以下、図6を参照して、POSレジ30のCPUの動作を中心に説明する。
まず、図6のS100において、店員は、POSレジ30のバーコードで利用者が購入する商品をスキャンし、POSレジ30は、入力装置から商品の識別情報や購買個数などの購買情報を入力し、処理を開始する。POSレジ30は、購買情報に基づいて商品の合計金額を算出し(S120)、表示装置に表示する(S130)。利用者は、精算方法を選択し、POSレジ30は、その選択情報を入力装置から入力する(S140)。現金や、商品券での精算を選択した場合には、それに応じた処理を行い(S190)、S200へ進む。
【0024】
クレジットによる精算を選択した場合には(S150)、POSレジ30は、精算額を端末装置20へ送信し、クレジット精算を要求する(S160)。
POSレジ30は、処理結果を端末装置20から受信し(S170)、エラーの旨を示すNGの処理結果を受信した場合には(S180)、S140から同様の処理を繰り返す(S140〜S190)。
POSレジ30は、商品の合計金額を端末装置20へ通知し、取引日時と取引金額と累積取引金額の更新を要求する(S200)。POSレジ30は、端末装置20から処理結果を受信し(S210)、精算結果をレシートとして出力するとともに(S220)、表示装置へ表示し(S230)、処理を終了する(S240)。
【0025】
本発明によるICカードの動作、プログラムをフローチャートとして図7に示す。また、POSレジ30、端末装置20及びICカード10間で授受される情報の流れを図8に示す。また、ICカードのカードアクション分析(図7のS550’,S570’)における駐車料金サービスについての処理をフローチャートとして図9に示す。なお、図7において、本発明に特有の処理ステップについては、「S510’」のように「’」をステップ番号に附記して表示する。以下、端末装置20、ICカード10のCPU11,21の処理を中心に説明する。
図7に示すように、S300、S500において、ICカード10は、端末装置20から電力の供給を受けてコマンド待ちの状態にある。端末装置20は、POSレジ30からクレジット精算要求、取引日時と取引金額と累積取引金額の更新要求を受信し、処理を開始する。
【0026】
端末装置20は、POSレジ30からクレジット精算要求、取引日時と取引金額と累積取引金額の更新要求を受信した場合に、駐車料金サービス機能付きクレジットアプリケーションの選択を要求するSELECTコマンドをICカード10へ送信する(S310’)。ICカード10は、このコマンドを受信し、駐車料金サービス機能付きクレジットアプリケーションを選択する。また、ICカード10は、選択対象のアプリケーションが駐車料金サービス付きクレジットアプリケーションである場合に、乱数を生成し、生成した乱数データを応答に含めて端末装置20へ送信する(S510’)。なお、EMV仕様において、ICカード10内のアプリケーションは、初期化命令を受けるとその応答文中に発行者の任意データを端末装置20に返送することができ、このデータ名は、Issuer Discretionary Data(tag;BF0C(h))という。本実施例において、ICカード10は、この値として乱数データをセットして応答する。例えば、乱数データが「01 02 03 04 05 06 07 08(h)」である場合には、「C1 08 01 02 03 04 05 06 07 08(h)」が応答のデータフィールドにセットされる。
【0027】
端末装置20は、この応答を受信し、受信した乱数をメモリ22に保持しておく(S310’)。S320からS370まで、S520及びS530において、端末装置20及びICカード10は、周知の処理を行う。なお、端末装置20がICカード10から読み出すCDOLには、クレジット処理に必要な取引関連情報などのデータに加え、駐車料金サービス処理に必要なデータが指定されている。
CDOLに指定されている駐車料金サービス処理に必要なデータとは、図6に示すように、駐車処理許可情報、認証鍵ID、認証用暗号データ、POS側乱数データなどである。
図6に示すように、端末装置20は、CDOLで指定されているデータを含むGENERATE ACコマンドをICカード10に送信し、端末アクション分析(S370)においてオフライン取引を承認した場合には、オフライン取引の承認を要求し、オンライン処理に決定した場合には、オンライン処理の承認を要求する(S380’)。
【0028】
端末装置20は、POSレジ30からクレジット精算要求、取引日時と取引金額と累積取引金額の更新要求を受信するが、端末装置20は、受信した要求に応じたデータをGENERATE ACコマンドに含めてICカード10に送信する。以下、具体的に説明する。
図7に示すように、端末装置20は、その取引における取引日時と取引金額(商品の合計金額)を含む累積取引金額の更新要求をPOSレジ30から受信した場合には、この取引日時と取引金額と、メモリ22に記憶されている認証鍵ID、生成した認証用暗号データ及びPOS側乱数データなどを含むGENERATE ACコマンドをICカード10へ送信する。認証用暗号データは、図7のS310’においてICカード10から受信した乱数データと、メモリ22に記憶されている認証鍵とに基づいて生成される。
【0029】
図9に示すように、ICカード10は、GENERATE ACコマンドを端末装置20から受信した場合には、このコマンドを解釈し(S610、図7のS550’)、カードリスク管理及びアクション分析を行い、オフライン取引(又はオンライン処理)を承認するかを決定する(S620,S630)。ICカード10は、オフライン取引を承認する場合には、端末装置20から受信した認証鍵IDが示す認証鍵をメモリ13から読み出して、受信した認証用暗号データを検証し、端末装置20の認証を行う(S640,S650)。オフライン取引が承認されない場合は、オンライン取引が選択されるかオフライン取引が拒否されるかのいずれかである。
検証の結果、認証できた場合には、ICカード10は、メモリ13に記憶されている取引情報(取引日時、取引金額、等)を更新する処理を行う。すなわち、取引日時、取引金額、累積取引金額、等の更新処理を行う(S660,S670)。更新処理は、例えば、記憶されている取引日時と取引金額に対して新たな取引日時と取引金額を付け加える。また、端末装置20から受信した「商品の合計金額」を、メモリ13に記憶されている累積取引金額に加算することによって行う。なお、合計金額の累積は、駐車場への入場日時より後で退場日時より前であれば当日分に限定されない。駐車場への入場日時より前の取引日時、取引金額、累積取引金額については、一度ゼロに初期化してから取引情報を書き込む。取引情報の更新が終了したら、メモリ13の累積取引金額における「前回の処理の日付」のデータを「当日の日付」に更新する。なお、オンライン取引の場合には、取引情報の更新のタイミングは、「カードアクション分析時」でなく、「セカンドカードアクション分析時」になる。
【0030】
また、ICカード10は、取引日時、取引金額、累積取引金額、等の取引情報の更新処理が正常に終了した場合には、取引関連情報に基づいて、メモリ13に記憶している履歴情報などを更新するなど、クレジット取引についての処理を行う。累積取引金額の更新処理が正常に終了せず、累積取引金額の更新ができない場合には、その旨を示す応答を端末装置20へ送信し、GENERATE ACコマンドについての処理を終了する(S680,S690)。この場合には、再度精算方法を選択することとなる(図6のS160,S170,S180,S140)。
ICカード10は、クレジット処理の処理結果及び累積取引金額の更新処理の処理結果を含む応答を端末装置20へ送信し、GENERATE ACコマンドについての処理を終了する(S680,S690)。
【0031】
端末装置20は、クレジット処理、累積取引金額の更新処理の処理結果を保管し、バッチ処理で、クレジット処理の処理結果をイシュアホスト50に送信する。
一方、ICカード10は、カードリスク管理とアクション分析において、オンライン処理を行うことを選択した場合には、図7に示すように、その旨を示す応答を返す(S640,S680)。
【0032】
図7に示すように、ICカード10がオンライン処理を選択した場合には、端末装置20は、オンライン処理を行う(S380’,S390,S400)。端末装置20は、イシュアホスト50から判断結果を含む応答を受信し、EXTERNAL AUTHENTICATEコマンドを作成してICカード10に送信する(S410)。ICカード10は、受信したEXTERNAL AUTHENTICATEコマンドに基づいてイシュアホスト50の正当性を検証するイシュア認証処理を行い、検証結果(OK又はNG)を端末装置20に返す(S560)。なお、このイシュア認証処理は省略してもよい。
【0033】
ICカード10によるイシュア認証処理が行われた後、端末装置20は、S310’で読み出したCDOLで指定されている情報を含むGENERATE ACコマンドをICカード10に送り、完了処理を行う(S420’)。ICカード10は、S550’と同様に、端末装置20から受信した認証鍵IDが示す認証鍵をメモリ13から読み出して、受信した認証用暗号データを検証し、端末装置20の認証を行う。端末装置20を認証した場合には、メモリ13に記憶されている取引日時、取引金額、累積取引金額、等の取引情報のデータを更新する(S570’)。
【0034】
また、ICカード10は、取引日時と取引金額と累積取引金額の更新処理が正常終了した場合には、メモリ13に記憶している履歴情報などを取引関連情報に基づいて更新するなど、クレジット取引についての処理を行う(S570’)。
取引日時と取引金額と累積取引金額の更新処理及びクレジット処理終了後、ICカード10は、クレジット処理の処理結果及び取引日時と取引金額と累積取引金額の更新処理の処理結果を含む応答を端末装置20へ送信する(S570’)。端末装置20及びICカード10は、スクリプト処理を行い(S430,S580)、端末装置20及びICカード10間における処理を終了する(S440,S590)。端末装置20は、処理結果(OK/NGなど)をPOSレジ30に返して処理を終了する(図5のS170、S210参照。)。なお、このスクリプト処理は省略してもよい。
【0035】
この一連の流れで図5に示すショッピングは終了し、利用者は、駐車場に戻り退場時の処理に進む。利用者は、駐車場を退出するときには、退場ゲート端末80のR/W83に、ICカード10を挿入または近接させる。図5に示すように、退場ゲート端末80の入場日時受信手段は、ICカード10が記憶している入場日時をICカード10から受信する。または、退場ゲート端末80は、ICカード10の識別番号と関係付けて記憶している入場日時を、ICカード10から受信した識別番号に基づいて読み出すこともできる。また、ICカード10の累積取引金額演算手段は入場日時の後において自身のメモリに記憶されている取引金額の累積を演算する。この累積取引金額を演算する処理は勿論、前述したようにクレジット処理の過程で累積取引金額が演算されているときには不要である。ICカード10にクレジット取引の経過を残す必要性がないときにはクレジット処理の過程で累積取引金額を演算することによりメモリの使用量を節約することができる。そして、ICカード10の累積取引金額送信手段は退場ゲート端末80に対して累積取引金額を送信する。退場ゲート端末80の駐車料金演算手段は受信した入場日時と現在日時に基づいて駐車料金を演算する。また、退場ゲート端末80の駐車料金割引手段はICカード10から受信した累積取引金額に応じた駐車料金の割引を実行する。退場ゲート端末80は、その表示部に駐車料金と割引金額と、それらの差引き金額である請求金額を表示する。それを確認した利用者は退場ゲート端末80の紙幣硬貨処理部の紙幣硬貨投入口に紙幣または硬貨を投入して請求金額を精算する。退場ゲート端末80の割引完了送信手段は、割引する処理が実行されたことを示すデータをICカード10に送信する。そのデータを受信して、ICカード10の取引情報消去手段はメモリに記憶された、入場日時と取引情報のすべてを消去する。さらに、退場ゲート端末80のゲート開閉部が退場ゲートを開く。なお、現金で精算する代わりにクレジットで支払いをするように構成することができる。
【0036】
次に、駐車料金を割引く処理の具体的な一例について図10、図11を参照して説明する。図10に示す一例おいて、利用者が駐車場へ入場した時刻は2006年10月1日9:00(午前9時)である。利用者がクレジットカードによるショッピングを行う度に、取引日時と取引金額がICカード10のメモリに記憶される。1回目のクレジット取引において、取引日時2006年10月1日10:00(午前10時)と取引金額5000円がメモリに記憶される。その後2回目のクレジット取引において、取引日時2006年10月1日12:00(正午)と取引金額5000円がメモリに記憶される。そして、利用者が退場する時刻は2006年10月1日15:00(午後3時)である。すなわち、駐車場の利用時間は6時間、クレジット取引の累積取引金額は10000円である。
図10に示す一例では、駐車料金は0.5時間(30分)ごとに300円である。駐車料金の割引は3000円以上の買い物により1時間無料、5000円以上の買い物により2時間無料、30000以上の買い物により3時間無料となっている。したがって、駐車料金の2時間分が割り引きされ、4時間分の駐車料金として2400円が利用者に対して請求される。
【0037】
図11に示す一例において、利用者が駐車場へ入場した時刻は2006年10月1日9:00(午前9時)である。利用者がクレジットカードによるショッピングを行う度に、取引日時と取引金額がICカード10のメモリに記憶される。1回目のクレジット取引において、取引日時2006年10月1日10:00(午前10時)と取引金額5000円がメモリに記憶される。その後2回目のクレジット取引において、取引日時2006年10月1日12:00(正午)と取引金額5000円がメモリに記憶される。その後3回目のクレジット取引において、取引日時2006年10月2日10:00(午前10時)と取引金額20000円がメモリに記憶される。そして、利用者が退場する時刻は2006年10月2日16:00(午後4時)である。すなわち、駐車場の利用時間は30時間、クレジット取引の累積取引金額は30000円である。
図11に示す一例では、駐車料金は0.5時間(30分)ごとに300円である。駐車料金の割引は3000円以上の買い物により1時間無料、5000円以上の買い物により2時間無料、30000以上の買い物により3時間無料となっている。したがって、駐車料金の3時間分が割り引きされ、27時間分の駐車料金として16200円が利用者に対して請求される。
【0038】
このように本実施例によれば、クレジット取引についての機能と駐車料金サービスについての機能とを1つのアプリケーションにまとめているので、1つのICカードがあれば、紙の駐車券を発行しなくてもよくなり、駐車場のスムーズな出入りが可能となり、顧客へのサービスアップ、コスト削減を狙うことができる。しかも、クレジット取引の処理中の「カードアクション分析」プロセスにおいて、駐車券処理も同時に行ってしまうことができるので、手続きにかかる時間を短縮することができ顧客の利便性が高まるとともに、駐車券に印鑑を押したりする手間が省け、人員に関しても資材に関してもコストダウンを図ることができる。
また、ICカード10及び端末装置20は、EMV仕様のクレジット取引についての処理内容を多少変更するだけで(図7のS310’,S380’,S420’,S510’,S550’,S570’)、EMV仕様の処理と同様の流れで、クレジット取引及び駐車料金サービスについての処理を行うことができ、容易に、処理の高速化、効率化を図ることが可能である。
更に、ICカード10は、駐車料金サービス処理(S550’,S570’)において必要なデータをタグ値などの識別情報で指定したCDOLを保持し、EMV仕様の処理に従って端末装置20へ提供するため、EMV仕様のアプリケーションに新たな改変を加えることなく、端末装置20から駐車料金サービス処理に必要なデータを容易に得ることができ(図7のS380’,S420’)、容易に、処理の高速化、効率化を図ることが可能となった。
更にまた、ICカード10は、GENERATE ACコマンドを受信した場合に、クレジット取引及び駐車料金サービスについての処理を行うため、一のコマンドによってICカード10に対してクレジット取引についての処理、駐車料金サービスについての処理を命令することができ、通信回数を低減し、処理の迅速化を図ることが可能となった。
【0039】
また、ICカード10は、クレジット取引についてのアプリケーション及び駐車料金サービスアプリケーションを統合した駐車料金サービス機能付きクレジットアプリケーションを搭載しているため、従来では重複していたプログラム(READコマンド、SELECTコマンドに対する処理プログラム、暗号処理プログラムなど)を削減するなど、メモリ領域の効率的な使用が可能となった。端末装置20についても同様である。
更にまた、ICカード10及び端末装置20は、SELECTコマンドで改めて他のアプリケーションを選択しなくてもクレジット取引及び駐車料金サービスについて処理を行うことができ、処理の迅速化及び効率化を図ることが可能となった。
【0040】
特に、EMV仕様のコマンドに応じて、クレジット取引及び駐車料金サービスについての処理を行うことによって、EMV仕様のクレジット取引のための端末装置用のプログラムに大きな改変をせずとも、端末装置20を実現することができた。
更に、ICカード10は、クレジット取引についての処理結果及び駐車料金サービスについての処理結果をGENERATE ACコマンドの応答として端末装置20へ送信するため、EMV仕様と同様の流れで処理を行うことができ、処理の迅速化及び効率化を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】駐車料金サービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】駐車料金サービスシステムが備えるクレジット取引に関する機能を示すブロック図である。
【図3】駐車料金サービスシステムが備える駐車場利用に関する機能を示すブロック図である。の
【図4】ICカード10及び端末装置20が記憶しているデータ、生成するデータを 説明するための図である。
【図5】駐車料金サービスシステムにおける入退場の処理の過程を示す説明図である。
【図6】POSレジ30の動作を示すフローチャートである。
【図7】ICカードの動作、プログラムを示すフローチャートである。
【図8】POSレジ30、端末装置20及びICカード10間で授受される情報の流 れを示す図である。
【図9】ICカードのカードアクション分析における駐車料金サービスについての処 理を示すフローチャートである。
【図10】駐車料金を割引く処理の具体的な一例(その1)についての説明図である。
【図11】駐車料金を割引く処理の具体的な一例(その2)についての説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ICカードシステム
2 レジシステム
10 ICカード
11 CPU
13 メモリ
20 端末装置
21 CPU
22 メモリ
30 POSレジ
40 ストアコントローラ
50 イシュアホスト
60 通信回線
70 入場ゲート端末
80 退場ゲート端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場を利用する顧客が店舗にて買い物を行ったときに、クレジットカード(ICカード)で取引した金額に応じて、駐車料金の割引を受けることができるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの大型店舗では、車で来店する顧客のための駐車場を備えており、顧客が買い物した金額に応じて駐車料金の割引券(専用の金券、等)が発券され、その割引券を駐車料金の精算時に顧客が使用することで、駐車料金が割引かれるようにするシステムを導入している。このようなシステムにおいては、駐車場を利用するために、駐車券、購入明細(レシート)、割引券、等の複数種類複数枚数の券類をなくさないように保有し携帯しなければならないという問題がある。
そこで、携帯する券類は1枚の駐車カードをだけでよく、駐車料金精算機における取扱いが用意で、駐車料金サービスの適正化が図れる駐車カードシステムの提案がある(特許文献1)。
また、鉄道等の利用客が定期券や回数券を利用して駐車場を利用できるとともに、利用客以外の者による駐車場の目的外使用を制限することができる駐車場システムの提案がある(特許文献2)。
【特許文献1】特開平8−77402号公報
【特許文献2】特開2004−30084号公報
【0003】
しかしながら、特許文献1の提案においては、駐車場専用の単一目的の駐車カードを使用するときには、カードを作るためのコストがかさむという問題がある。また、特許文献2の提案においては専用のカードを作る必要性はないが、鉄道の利用客に限定されており、一般の店舗に来店する顧客が利用することができないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、駐車場システムにおいて、専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係るICカードは、外部装置との間でデータを通信する通信手段と、前記外部装置が駐車場システムの入場ゲート端末であるときの前記データに基づく駐車場入場についての処理の過程で、前記入場ゲート端末が送信する駐車場への入場日時をメモリに記憶する入場日時記憶手段と、前記外部装置がクレジットシステムのクレジット端末であるときの前記データに基づくクレジット取引についての処理の過程で、前記クレジット端末が送信する取引金額と取引日時とを含む取引情報をメモリに記憶する取引情報記憶手段と、前記外部装置が前記駐車場システムの退場ゲート端末であるときの前記データに基づく駐車料金精算の処理の過程で、前記入場日時の後において前記メモリに記憶された取引金額の累積を演算する累積取引金額演算手段と、前記退場ゲート端末に対して前記通信手段を通じて前記累積取引金額を送信する累積取引金額送信手段とを備えるようにしたものである。
また本発明の請求項2に係るICカードは、請求項1記載のICカードにおいて、前記入場日時記憶手段が前記駐車場への入場日時をメモリに記憶する直前または記憶した直後において、前記入場日時よりも前の入場日時と取引情報のすべてを前記メモリから消去する取引情報消去手段を備えるようにしたものである。
また本発明の請求項3に係るICカードは、請求項1または2に係るICカードにおいて、前記累積取引金額を送信した後に、前記通信処理部が前記駐車場システムの端末装置から駐車料金の割引が実行されたことを示す割引完了のデータを受信したときに、前記メモリに記憶された入場日時と取引情報のすべてを消去する取引情報消去手段を備えるようにしたものである。
また本発明の請求項4に係るICカードは、請求項1〜3のいずれかに係るICカードにおいて、前記クレジット取引についての処理はEMV仕様に準じたクレジット取引についての処理であるようにしたものである。
また本発明の請求項5に係る駐車場システムは、入場ゲート端末と退場ゲート端末とを備える駐車場システムであって、前記入場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて前記ICカードに駐車場への入場日時を送信する入場日時送信手段と、前記退場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて前記ICカードから前記入場日時を受信する入場日時受信手段と、前記受信した入場日時と現在日時に基づいて駐車料金を演算する駐車料金演算手段と、前記通信手段を通じて前記ICカードからクレジット取引についての累積取引金額を受信したときには、前記駐車料金について割引する処理を実行する駐車料金割引手段と、前記割引する処理が実行されたことを示すデータを前記通信手段を通じて前記ICカードに送信する割引完了送信手段とを備えるようにしたものである。
また本発明の請求項6に係るクレジットシステムは、クレジット端末を備えるクレジットシステムであって、前記クレジット端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて、前記データに基づくクレジット取引についての処理の過程で、取引金額と取引日時とを含む取引情報を前記ICカードに送信する取引情報送信手段を備えるようにしたものである。
また本発明の請求項7に係る駐車料金サービスシステムは、請求項1記載のICカードと請求項5記載の駐車場システムと請求項6記載のクレジットシステムを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に係るICカードによれば、通信手段により外部装置との間でデータが通信され、外部装置が駐車場システムの入場ゲート端末であるときのデータに基づく駐車場入場についての処理の過程で、入場日時記憶手段により入場ゲート端末が送信する駐車場への入場日時がメモリに記憶され、外部装置がクレジットシステムのクレジット端末であるときのデータに基づくクレジット取引についての処理の過程で、取引情報記憶手段によりクレジット端末が送信する取引金額と取引日時とを含む取引情報がメモリに記憶され、外部装置が駐車場システムの退場ゲート端末であるときのデータに基づく駐車料金精算の処理の過程で、累積取引金額演算手段により入場日時の後においてメモリに記憶された取引金額の累積が演算され、累積取引金額送信手段により退場ゲート端末に対して通信手段を通じて累積取引金額が送信される。すなわち、ICカードは駐車場の入場券と割引券とクレジットカードの機能を有している。したがって、駐車場システムにおいて、専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができる。
また本発明の請求項2に係るICカードによれば、入場日時記憶手段が前記駐車場への入場日時をメモリに記憶する直前または記憶した直後において、取引情報消去手段により入場日時よりも前の入場日時と取引情報のすべてがメモリから消去される。したがって、不必要な記憶データが消去されメモリを有効利用することができ、セキュリティも向上する。
また本発明の請求項3に係るICカードによれば、累積取引金額を送信した後に、通信処理部が駐車場システムの端末装置から駐車料金の割引が実行されたことを示す割引完了のデータを受信したときに、取引情報消去手段によりメモリに記憶された入場日時と取引情報のすべてが消去される。したがって、不必要な記憶データが消去されメモリを有効利用することができ、セキュリティも向上する。
また本発明の請求項4に係るICカードによれば、クレジット取引についての処理はEMV仕様に準じたクレジット取引についての処理である。したがって、EMV仕様の処理と同様の流れで、クレジット取引及び駐車料金サービスについての処理を行うことができ、処理の高速化、効率化が可能となる。
また本発明の請求項5に係る駐車場システムによれば、駐車場システムは入場ゲート端末と退場ゲート端末とを備えており、入場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて入場日時送信手段によりICカードに駐車場への入場日時が送信され、退場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じてICカードから前記入場日時を受信し、その入場日時と現在日時に基づいて駐車料金演算手段により駐車料金が演算され、その通信手段を通じてICカードから入場日時を受信し、その入場日時と現在日時に基づいて駐車料金演算手段により駐車料金が演算され、その通信手段を通じて前記ICカードからクレジット取引についての累積取引金額を受信したときには、駐車料金割引手段により駐車料金について割引する処理が実行され、割引完了送信手段によりその割引する処理が実行されたことを示す割引完了のデータが通信手段を通じてICカードに送信される。すなわち、駐車場システムは駐車場の入場券の機能をクレジット取引用のICカードに持たせることができる。したがって、駐車場システムにおいて、駐車券の発行や専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができる。
また本発明の請求項6に係るクレジットシステムによれば、クレジットシステムはクレジット端末を備えており、そのクレジット端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて、そのデータに基づくクレジット取引についての処理の過程で、取引情報送信手段により取引金額と取引日時とを含む取引情報がICカードに送信される。すなわち、クレジットシステムは駐車料金の割引券の機能をクレジット取引用のICカードに持たせることができる。したがって、駐車場システムにおいて、割引券の発行や専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができる。
また本発明の請求項7に係る駐車料金サービスシステムによれば、請求項1記載のICカードと請求項5記載の駐車場システムと請求項6記載のクレジットシステムを備える。
したがって、駐車場の入場券や割引券の発行、または専用のカードを作る必要性がなく、一般の店舗に来店する顧客が利用することができる駐車料金サービスシステムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の駐車料金サービスシステムは、ICカード、駐車場システム、クレジットシステムによって構成される。すなわち、ICカード、駐車場システム、クレジットシステムについては駐車料金サービスシステムの実施の形態を説明することによって、その特徴的は部分が明確になる。したがって、本発明の駐車料金サービスシステムを主とし実施の形態を説明する。
本発明による駐車料金サービスシステムが備える構成の一例をブロック図として図1に示す。また、駐車料金サービスシステムにおけるクレジット処理に係わる機能の一例をブロック図として図2に示す。
図1に示すように、駐車料金サービスシステムは、利用者に携帯されているICカード10と、ICカード10と通信を行うことが可能なレジシステム2と、レジシステム2と接続されているストアコントローラ40、レジシステム2と電話回線、光ケーブルその他の有線、又は、赤外線その他の無線の通信回線60を介して接続され、ICカード10を所持する利用者の情報(利用者情報)を管理するイシュアホスト50と、駐車場ゲート70などとを備え、たとえばEMV仕様に準じてクレジットサービスなどについての処理を行うコンピュータシステムである。
【0008】
ICカード10は、リーダライタ(以下、「R/W」という。)24を備える情報処理装置である端末装置20と通信することが可能であって、端末装置20からコマンド(命令)を受信し、このコマンドに応じて処理を行い、処理結果をレスポンス(応答)として端末装置20へ返信する携帯型の情報処理装置である。ICカード10は、CPU11と、CPU11にシステムバス15を介して接続されているコプロセッサ12、メモリ13及びI/F14などとを備えている。CPU11は、ICカード10全体を制御する中央処理演算装置である。コプロセッサ12は、CPU11の性能を強化するための補助プロセッサであって、CPU11からの命令に応じて暗号演算などの演算処理を行う。
【0009】
メモリ13は、CPU11が処理を行う作業領域として使用される揮発性メモリであるRAM、CPU11の動作のもととなるオペレーティングシステムなどの基本プログラムを記憶する不揮発性の読み出し専用メモリであるROM、アプリケーションなどのプログラム、利用者の個人情報などのプログラムの実行に必要なデータを記憶する随時書き換え可能な不揮発性メモリなどを備える記憶装置である。メモリ13は、クレジット及び駐車料金サービスについての処理を行う場合にCPU11が実行する駐車料金サービス機能付きクレジットアプリケーションを記憶している。I/F14は、外部との信号の入出力を行い、端末装置20及びCPU11間の通信を媒介する通信インターフェースである。I/F14は、例えば、ICカード10が接触式の通信を行う場合には、端末装置20との接触式通信における接点となる接触端子、ICカード10が非接触式の通信を行う場合には、電磁波の送受信を行うアンテナ、信号の変調/復調を行う変復調回路などである。なお、ICカード10は、接触式ICカード、非接触式ICカード、接触/非接触式ICカードのいずれであってもよく、その通信方式は、限定されない。
【0010】
図2に示すように、ICカード10は、外部装置と通信を行う通信機能、たとえばEMV仕様に準じてクレジット取引についての処理(クレジット処理)を行うクレジット処理機能、駐車料金サービスについての処理(駐車料金サービス処理)を行う駐車料金サービス処理機能などの諸機能を備えている。各機能は、CPU11が端末装置20から受信するコマンドに応じてメモリ13に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。
【0011】
図1及び図2に示すように、レジシステム2は、互いに接続されているPOSレジ30及び端末装置20などを備え、ICカードシステム1に加盟している各加盟店のレジカウンタなどの精算場所に設置され、利用者の商取引の精算を行うコンピュータシステムである。
図1に示すように、端末装置20は、CPU21と、CPU21とシステムバス27を介して接続されているメモリ22、I/F23、R/W24、表示部25及び入力部26などとを備えている。CPU21は、端末装置20全体を制御する中央処理演算装置であり、メモリ22は、CPU21の動作のもととなるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している記憶装置である。I/F23は、POSレジ30、イシュアホスト50などの他の装置と通信を行うための通信インターフェースであり、R/W24は、ICカード10と通信を行うためのリーダライタである。表示部25は、ディスプレイなど、加盟店の店員、利用者に対して情報を表示するための表示装置であり、入力部26は、キーボードなど、店員、利用者が端末装置20に対して情報を入力する入力装置である。
【0012】
また図2に示すように、端末装置20は、ICカード10との通信機能、たとえばEMV仕様に準じてクレジット処理を行うクレジット処理機能、駐車料金サービス処理を行う駐車料金サービス処理機能、クレジットデータなどのクレジット取引関連情報を保管するクレジット取引データ保管機能、イシュアホスト50などの他の装置との通信機能などの諸機能を備えている。各機能は、I/F23を介してPOSレジ30から入力される情報、入力部26から入力される情報に応じて、CPU21がメモリ22に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。端末装置20は、POSレジ30から、クレジットによる精算金額(クレジット精算金額)などの精算要求(クレジット精算要求)を受信し、要求に応じてICカード10と通信を行うことによって処理を行い、処理結果をPOSレジ30に返す。
【0013】
POSレジ30は、装置全体を制御するCPU、CPUの動作のもととなるプログラムなどを記憶している記憶装置、ディスプレイなどの表示装置、キーボード、バーコードスキャナなどの入力装置、他の装置と通信を行うためのインターフェース、レシート(領収書)を発行するプリンタなど(図示しない。)を備える商取引精算のためのレジスタである。記憶装置は、各商品の価格などの商品情報を記憶している。なお、商品情報は、ストアコントローラ40など店舗の他の装置が記憶し、通信によってPOSレジ30が取得してもよい。
【0014】
図2に示すように、POSレジ30は、レジ処理機能、精算機能、金額表示機能、レシート出力機能、販売情報保管機能などの諸機能を備えている。レジ処理機能は、入力装置から商品の識別情報や購買個数などの購買情報を入力し、この購買情報と、記憶装置に記憶されている商品情報などとに基づいて、商品の合計金額を算出する機能である。精算機能は、利用者が選択した精算方法によって、レジ処理機能によって算出された合計金額について精算を行う機能、その合計金額を端末装置20に通知する機能である。金額表示機能は、商品の合計金額を表示する機能であり、レシート出力機能は、精算内容をレシートとして出力する機能である。販売情報保管機能は、販売商品名、売り上げデータなどの販売内容や処理履歴を示す販売情報を保管する機能である。POSレジ30は、販売情報をストアコントローラ40に送信する。
【0015】
現金、クレジット、商品券などのなかから利用者が代金の精算方法を選択し、POSレジ30は、商品の合計金額と、精算方法の選択情報を関連づけて入力する。POSレジ30は、クレジット精算が選択された場合には、クレジット精算金額を端末装置20に通知してクレジット精算を要求する。また、POSレジ30は、精算後に、商品の合計金額を端末装置20へ通知し、駐車料金サービスに用いる累積取引金額の更新を要求する(後述する図4参照。)。ここで、累積取引金額とは、ICカード10の利用者が商品などを購入した場合の当日の取引額を累積させた金額である。
【0016】
ストアコントローラ40は、POSレジ30、発注端末(図示しない。)などの加盟店舗内の各端末や、本社のホストコンピュータ(図示しない。)などに接続され、店舗事務所などに設置され、店舗内のシステムを管理するコンピュータであり、販売情報をPOSレジ30から、発注データを発注端末(図示しない。)からなど、販売関連情報を各端末から受信し、管理する。ストアコントローラ40は、売り上げ分析、商品管理、仕入れ管理、在庫管理、データバックアップ、通信などの諸機能を有している。
イシュアホスト50は、ICカード10のイシュア(発行者)であるクレジットカード会社のホストコンピュータであって、氏名、会員番号、クレジット利用履歴など、ICカード10を所持する利用者の情報(利用者情報)を管理している。
【0017】
入場ゲート端末70は、駐車場の入口に設置され、車の入庫を管理する駐車場システムの端末装置であり、CPU71と、CPU71とシステムバス75を介して接続されているメモリ72、R/W73、表示部74などとを備えている。CPU71は、入場ゲート端末70の全体を制御する中央処理演算装置であり、メモリ72は、CPU71の動作のもととなるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している記憶装置である。R/W73は、ICカード10と通信を行うためのリーダライタである。表示部74は、利用者に対して駐車料金などの情報を表示するための表示装置である。
同様に、退場ゲート端末80は、駐車場の出口に設置され、車の出庫を管理する駐車場システムの端末装置であり、CPU81と、CPU81とシステムバス85を介して接続されているメモリ82、R/W83、表示部84などとを備えている。CPU81は、退場ゲート端末80の全体を制御する中央処理演算装置であり、メモリ82は、CPU81の動作のもととなるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している記憶装置である。R/W83は、ICカード10と通信を行うためのリーダライタである。表示部84は、利用者に対して駐車料金などの情報を表示するための表示装置である。
駐車システムホスト90は車の入出庫を管理する駐車場システムのホストコンピュータシステムである。入場ゲート端末70と退場ゲート端末80における処理は駐車システムホスト90によって統合管理される。
【0018】
駐車料金サービスシステムにおける駐車料金サービス処理に係わる機能の一例をブロック図として図3に示す。図3に示すように、駐車場システムは、入場ゲート端末70、退場ゲート端末80、駐車場システム90を備えている。
入場ゲート端末70は、車両検知部、表示部、ICカード処理部、駐車券発行部、ゲート開放部、記憶部、等を有している。駐車場に入庫する車が入場ゲート端末70に接近すると、まず車両検知部が車を検知し、次に表示部が入庫案内を表示する。利用者は、その入庫案内に従って、駐車券を発行する一般の発券入庫処理を行うか、ICカード10を使用し駐車券を発行しないカード入庫処理を行うかを決める。
発券入庫処理は利用者が発券ボタンを押すことにより選択され、利用者は駐車券発行部が発行した駐車券を受け取る。
一方、カード入庫処理は利用者がICカード10をR/W73に挿入(接触型ICカード)または近接(近接型ICカード)することにより選択され、利用者は入場ゲート端末70がカード入庫処理を済ませたことを表示部の表示、音声出力部の音声、等により確認し、ICカード10を受け取る。
続いて、ゲート開放部がゲートを開く信号を出力し、ゲートが開いたところで、利用者は車を入庫させる。
このときカード入庫処理においては、ICカード10と入場ゲート端末70との相互認証が行われ、さらに、ICカード10の店舗コードが適正なものであることの認証を経て、入場ゲート端末70が入場日時を送信し、ICカード10がその入場日時を受信してメモリに記憶する処理が行われる。
【0019】
また、退場ゲート端末80は、車両検知部、表示部、ICカード処理部、駐車券回収部、駐車料金回収部、駐車料金精算部、紙幣硬貨処理部、ゲート開閉部、記憶部、等を有している。駐車場から出庫する車が退場ゲート端末80に接近すると、まず車両検知部が車を検知し、次に表示部が出庫案内を表示する。利用者は、その入庫案内に従い、駐車券による一般の券投入出庫処理かまたはICカード10を使用するカード出庫処理のいずれかの処理、すなわち入庫したときの形態によって決められている処理を行う。
券投入出庫処理は利用者が駐車券を駐車券回収口に投入することにより選択される。駐車券精算部が演算し表示部が表示する精算金額を超える金額を利用者が紙幣硬貨投入口に投入すると駐車券精算部が釣銭を演算して、釣銭受取口に釣銭が排出する。利用者はその釣銭を受け取る。
一方、カード出庫処理は利用者がICカード10をR/W83に挿入または近接することにより選択される。駐車券精算部が演算し表示部が表示する精算金額を超える金額を利用者が紙幣硬貨投入口に投入すると駐車券精算部が釣銭を演算して、釣銭受取口に釣銭が排出する。利用者はその釣銭とICカード10を受け取る。
利用者は退場ゲート端末80がカード出庫処理を済ませたことを表示部の表示、音声出力部の音声、等により確認する。続いて、ゲート開放部がゲートを開く信号を出力し、ゲートが開いたところで、利用者は車を出庫させる。
このときカード出庫処理においては、ICカード10と退場ゲート端末80との相互認証が行われ、さらに、ICカード10の店舗コードが適正なものであることの認証を経て、ICカード処理部は退場ゲート端末80はICカード10からクレジット取引における累積取引金額を受信する。ICカード処理部は累積取引金額に応じて駐車料金を割り引く駐車料金割引処理を行う。駐車料金精算部はその駐車料金割引処理を行った後の精算金額を演算する。駐車料金割引処理を含む駐車料金精算の処理がすべて完了すると、ICカード処理部は割引完了をICカード10に送信する。ICカード10は割引完了を受信すると、取引金額、決算日時、等の取引情報をメモリから消去する処理が行われる。
【0020】
これまでの説明を整理し、ICカード10の内部で処理されるデータ(ICカード内データ)と、端末装置(端末装置20、入場ゲート端末70、退場ゲート端末)の内部で処理されるデータ(端末装置内データ)とを表形式で図4に示す。
ICカード内データとしては、図4に示すように、ICカード内に保持するデータ、店舗端末から受信するデータ、駐車場端末から受信するデータ、等が存在する。
ICカード内に保持するデータとして認証用暗号鍵と認証用暗号鍵IDと店舗コードがある。認証用暗号鍵と認証用暗号鍵IDは、ICカード10と端末装置とが互いに正当性を有するものであることを証明する、すなわち相互認証を行うときに使用する。認証用暗号鍵は外部に読み出すことができないデータである。また認証用暗号鍵IDは認証用暗号鍵を特定するためのデータである。店舗コードはICカード10の発行者、すなわちデパート等の店舗を特定するコードである。店舗コードはカード10を発行するときにカード10に書込まれる。
店舗端末から受信するデータ、すなわちICカードが端末装置20(クレジット端末)から受信するデータとしてPOS乱数データと認証用暗号データと取引日時と商品金額とがある。POS乱数データと認証用暗号データはICカード10の利用者が正当性を有する利用者(所有者)であることを照明する、すなわち本人認証のために使用されるデータである。取引日時と商品金額とは店舗においてICカード10を使用して商品のクレジット取引を行ったときの取引日時と商品金額のデータである。そのデータは退場ゲート端末70において駐車料金を精算するときの割引金額を演算するために使用する。商品金額については、メモリ使用量を減らすために累積取引金額として記憶しておくこともできる。
駐車場端末、すなわち入場ゲート端末80から受信するデータとして入庫日時と割引完了がある。入庫日時は、顧客が車で駐車場に入場した日時(入場日時)である。入庫日時は退場ゲート端末70において駐車料金を精算するためと、駐車中に限ってクレジット取引が行われた金額を累積し累積取引金額を演算するために使用する。割引完了は駐車場システムの退場ゲート端末80からICカード10に送信される駐車料金の割引が実行されたことを示すデータである。
【0021】
また、端末装置内データとしては、図4に示すように、端末装置(端末装置20、入場ゲート端末70、退場ゲート端末80)に保持するデータ、店舗端末(端末装置20すなわちクレジット端末)が取引ごとに生成するデータ、駐車場端末(場ゲート端末70、退場ゲート端末80)が生成するデータ、等が存在する。
端末装置に保持するデータとしては認証用暗号鍵と認証用暗号鍵IDと店舗コードがある。認証用暗号鍵と認証用暗号鍵IDは、端末装置とICカード10とが互いに正当性を有するものであることを証明する、すなわち相互認証を行うときに使用する。認証用暗号鍵は外部に読み出すことができないデータである。また認証用暗号鍵IDは認証用暗号鍵を特定するためのデータである。店舗コードはICカード10の発行者、すなわちデパート、ショッピングモール等の店舗を特定するコードである。店舗コードは駐車場システムが割引対象とする店舗が発行したICカード10であるか否かを判定するために記憶される。割引対象の店舗として店舗コードがメモリに記憶されているときには駐車場システムがそのICカード10の利用者に対して駐車料金の割引を実行する、そうでないときには割引を実行しない。
店舗端末が取引ごとに生成するデータとしてはPOS側乱数データと認証用暗号データと取引日時と商品金額がある。POS乱数データと認証用暗号データは、店舗においてクレジット取引をするICカード10の利用者が正当性を有する利用者(所有者)であることを照明する、すなわち本人認証のために使用されるデータである。
駐車場端末が生成するデータとしては入庫日時と割引完了がある。入庫日時は入場ゲート端末70からICカード10に送信される。割引完了は退場ゲート端末80からICカード10に送信される。入庫日時は顧客が車で駐車場に入場した日時(入場日時)である。割引完了は駐車料金の割引が実行されたことを示すデータである。
【0022】
以上、構成について説明した。次に、本発明の駐車料金サービスシステムにおける動作について説明する。駐車料金サービスシステムにおける入退場時の処理の過程を図5に示す。図5に示すように、店舗における利用者のショッピングを挟んで入場時の処理と退場時の処理が行われる。
本発明の駐車料金サービスシステムを利用する場合には、利用者は、駐車場に入場するときに、駐車場システムの入場ゲート端末70のR/W73にICカード10を挿入または近接させる。図5に示すように、入場ゲート端末70はICカード10から店舗コード、識別番号、等を読取る。入場ゲート端末70は店舗コード等に基づいてICカード10が駐車場において利用可能なICカードであることを確認する処理を行う。確認できたときには、入場ゲート端末70の入場日時送信手段はICカード10に入場日時を送信し、ICカード10の入場日時記憶手段は入場日時を受信してメモリに記憶する。入場日時記憶手段が前記駐車場への入場日時をメモリに記憶する直前または記憶した直後において、ICカード10の取引情報消去手段はその入場日時よりも前の入場日時と取引情報のすべてをICカード10のメモリから消去する。一方、確認できないときには、その旨を入場ゲート端末70の表示部に表示する。利用者は、ICカード10での入場はできないが、発券入庫処理により入場することはできる。駐車場に入場し車を駐車させた後に、利用者はデパート等の店舗に買い物をするために移動する。
【0023】
図5に示す入場時の処理と退場時の処理の間におけるショッピングの処理について説明する。POSレジ30の動作を示すフローチャートを図6に示す。以下、図6を参照して、POSレジ30のCPUの動作を中心に説明する。
まず、図6のS100において、店員は、POSレジ30のバーコードで利用者が購入する商品をスキャンし、POSレジ30は、入力装置から商品の識別情報や購買個数などの購買情報を入力し、処理を開始する。POSレジ30は、購買情報に基づいて商品の合計金額を算出し(S120)、表示装置に表示する(S130)。利用者は、精算方法を選択し、POSレジ30は、その選択情報を入力装置から入力する(S140)。現金や、商品券での精算を選択した場合には、それに応じた処理を行い(S190)、S200へ進む。
【0024】
クレジットによる精算を選択した場合には(S150)、POSレジ30は、精算額を端末装置20へ送信し、クレジット精算を要求する(S160)。
POSレジ30は、処理結果を端末装置20から受信し(S170)、エラーの旨を示すNGの処理結果を受信した場合には(S180)、S140から同様の処理を繰り返す(S140〜S190)。
POSレジ30は、商品の合計金額を端末装置20へ通知し、取引日時と取引金額と累積取引金額の更新を要求する(S200)。POSレジ30は、端末装置20から処理結果を受信し(S210)、精算結果をレシートとして出力するとともに(S220)、表示装置へ表示し(S230)、処理を終了する(S240)。
【0025】
本発明によるICカードの動作、プログラムをフローチャートとして図7に示す。また、POSレジ30、端末装置20及びICカード10間で授受される情報の流れを図8に示す。また、ICカードのカードアクション分析(図7のS550’,S570’)における駐車料金サービスについての処理をフローチャートとして図9に示す。なお、図7において、本発明に特有の処理ステップについては、「S510’」のように「’」をステップ番号に附記して表示する。以下、端末装置20、ICカード10のCPU11,21の処理を中心に説明する。
図7に示すように、S300、S500において、ICカード10は、端末装置20から電力の供給を受けてコマンド待ちの状態にある。端末装置20は、POSレジ30からクレジット精算要求、取引日時と取引金額と累積取引金額の更新要求を受信し、処理を開始する。
【0026】
端末装置20は、POSレジ30からクレジット精算要求、取引日時と取引金額と累積取引金額の更新要求を受信した場合に、駐車料金サービス機能付きクレジットアプリケーションの選択を要求するSELECTコマンドをICカード10へ送信する(S310’)。ICカード10は、このコマンドを受信し、駐車料金サービス機能付きクレジットアプリケーションを選択する。また、ICカード10は、選択対象のアプリケーションが駐車料金サービス付きクレジットアプリケーションである場合に、乱数を生成し、生成した乱数データを応答に含めて端末装置20へ送信する(S510’)。なお、EMV仕様において、ICカード10内のアプリケーションは、初期化命令を受けるとその応答文中に発行者の任意データを端末装置20に返送することができ、このデータ名は、Issuer Discretionary Data(tag;BF0C(h))という。本実施例において、ICカード10は、この値として乱数データをセットして応答する。例えば、乱数データが「01 02 03 04 05 06 07 08(h)」である場合には、「C1 08 01 02 03 04 05 06 07 08(h)」が応答のデータフィールドにセットされる。
【0027】
端末装置20は、この応答を受信し、受信した乱数をメモリ22に保持しておく(S310’)。S320からS370まで、S520及びS530において、端末装置20及びICカード10は、周知の処理を行う。なお、端末装置20がICカード10から読み出すCDOLには、クレジット処理に必要な取引関連情報などのデータに加え、駐車料金サービス処理に必要なデータが指定されている。
CDOLに指定されている駐車料金サービス処理に必要なデータとは、図6に示すように、駐車処理許可情報、認証鍵ID、認証用暗号データ、POS側乱数データなどである。
図6に示すように、端末装置20は、CDOLで指定されているデータを含むGENERATE ACコマンドをICカード10に送信し、端末アクション分析(S370)においてオフライン取引を承認した場合には、オフライン取引の承認を要求し、オンライン処理に決定した場合には、オンライン処理の承認を要求する(S380’)。
【0028】
端末装置20は、POSレジ30からクレジット精算要求、取引日時と取引金額と累積取引金額の更新要求を受信するが、端末装置20は、受信した要求に応じたデータをGENERATE ACコマンドに含めてICカード10に送信する。以下、具体的に説明する。
図7に示すように、端末装置20は、その取引における取引日時と取引金額(商品の合計金額)を含む累積取引金額の更新要求をPOSレジ30から受信した場合には、この取引日時と取引金額と、メモリ22に記憶されている認証鍵ID、生成した認証用暗号データ及びPOS側乱数データなどを含むGENERATE ACコマンドをICカード10へ送信する。認証用暗号データは、図7のS310’においてICカード10から受信した乱数データと、メモリ22に記憶されている認証鍵とに基づいて生成される。
【0029】
図9に示すように、ICカード10は、GENERATE ACコマンドを端末装置20から受信した場合には、このコマンドを解釈し(S610、図7のS550’)、カードリスク管理及びアクション分析を行い、オフライン取引(又はオンライン処理)を承認するかを決定する(S620,S630)。ICカード10は、オフライン取引を承認する場合には、端末装置20から受信した認証鍵IDが示す認証鍵をメモリ13から読み出して、受信した認証用暗号データを検証し、端末装置20の認証を行う(S640,S650)。オフライン取引が承認されない場合は、オンライン取引が選択されるかオフライン取引が拒否されるかのいずれかである。
検証の結果、認証できた場合には、ICカード10は、メモリ13に記憶されている取引情報(取引日時、取引金額、等)を更新する処理を行う。すなわち、取引日時、取引金額、累積取引金額、等の更新処理を行う(S660,S670)。更新処理は、例えば、記憶されている取引日時と取引金額に対して新たな取引日時と取引金額を付け加える。また、端末装置20から受信した「商品の合計金額」を、メモリ13に記憶されている累積取引金額に加算することによって行う。なお、合計金額の累積は、駐車場への入場日時より後で退場日時より前であれば当日分に限定されない。駐車場への入場日時より前の取引日時、取引金額、累積取引金額については、一度ゼロに初期化してから取引情報を書き込む。取引情報の更新が終了したら、メモリ13の累積取引金額における「前回の処理の日付」のデータを「当日の日付」に更新する。なお、オンライン取引の場合には、取引情報の更新のタイミングは、「カードアクション分析時」でなく、「セカンドカードアクション分析時」になる。
【0030】
また、ICカード10は、取引日時、取引金額、累積取引金額、等の取引情報の更新処理が正常に終了した場合には、取引関連情報に基づいて、メモリ13に記憶している履歴情報などを更新するなど、クレジット取引についての処理を行う。累積取引金額の更新処理が正常に終了せず、累積取引金額の更新ができない場合には、その旨を示す応答を端末装置20へ送信し、GENERATE ACコマンドについての処理を終了する(S680,S690)。この場合には、再度精算方法を選択することとなる(図6のS160,S170,S180,S140)。
ICカード10は、クレジット処理の処理結果及び累積取引金額の更新処理の処理結果を含む応答を端末装置20へ送信し、GENERATE ACコマンドについての処理を終了する(S680,S690)。
【0031】
端末装置20は、クレジット処理、累積取引金額の更新処理の処理結果を保管し、バッチ処理で、クレジット処理の処理結果をイシュアホスト50に送信する。
一方、ICカード10は、カードリスク管理とアクション分析において、オンライン処理を行うことを選択した場合には、図7に示すように、その旨を示す応答を返す(S640,S680)。
【0032】
図7に示すように、ICカード10がオンライン処理を選択した場合には、端末装置20は、オンライン処理を行う(S380’,S390,S400)。端末装置20は、イシュアホスト50から判断結果を含む応答を受信し、EXTERNAL AUTHENTICATEコマンドを作成してICカード10に送信する(S410)。ICカード10は、受信したEXTERNAL AUTHENTICATEコマンドに基づいてイシュアホスト50の正当性を検証するイシュア認証処理を行い、検証結果(OK又はNG)を端末装置20に返す(S560)。なお、このイシュア認証処理は省略してもよい。
【0033】
ICカード10によるイシュア認証処理が行われた後、端末装置20は、S310’で読み出したCDOLで指定されている情報を含むGENERATE ACコマンドをICカード10に送り、完了処理を行う(S420’)。ICカード10は、S550’と同様に、端末装置20から受信した認証鍵IDが示す認証鍵をメモリ13から読み出して、受信した認証用暗号データを検証し、端末装置20の認証を行う。端末装置20を認証した場合には、メモリ13に記憶されている取引日時、取引金額、累積取引金額、等の取引情報のデータを更新する(S570’)。
【0034】
また、ICカード10は、取引日時と取引金額と累積取引金額の更新処理が正常終了した場合には、メモリ13に記憶している履歴情報などを取引関連情報に基づいて更新するなど、クレジット取引についての処理を行う(S570’)。
取引日時と取引金額と累積取引金額の更新処理及びクレジット処理終了後、ICカード10は、クレジット処理の処理結果及び取引日時と取引金額と累積取引金額の更新処理の処理結果を含む応答を端末装置20へ送信する(S570’)。端末装置20及びICカード10は、スクリプト処理を行い(S430,S580)、端末装置20及びICカード10間における処理を終了する(S440,S590)。端末装置20は、処理結果(OK/NGなど)をPOSレジ30に返して処理を終了する(図5のS170、S210参照。)。なお、このスクリプト処理は省略してもよい。
【0035】
この一連の流れで図5に示すショッピングは終了し、利用者は、駐車場に戻り退場時の処理に進む。利用者は、駐車場を退出するときには、退場ゲート端末80のR/W83に、ICカード10を挿入または近接させる。図5に示すように、退場ゲート端末80の入場日時受信手段は、ICカード10が記憶している入場日時をICカード10から受信する。または、退場ゲート端末80は、ICカード10の識別番号と関係付けて記憶している入場日時を、ICカード10から受信した識別番号に基づいて読み出すこともできる。また、ICカード10の累積取引金額演算手段は入場日時の後において自身のメモリに記憶されている取引金額の累積を演算する。この累積取引金額を演算する処理は勿論、前述したようにクレジット処理の過程で累積取引金額が演算されているときには不要である。ICカード10にクレジット取引の経過を残す必要性がないときにはクレジット処理の過程で累積取引金額を演算することによりメモリの使用量を節約することができる。そして、ICカード10の累積取引金額送信手段は退場ゲート端末80に対して累積取引金額を送信する。退場ゲート端末80の駐車料金演算手段は受信した入場日時と現在日時に基づいて駐車料金を演算する。また、退場ゲート端末80の駐車料金割引手段はICカード10から受信した累積取引金額に応じた駐車料金の割引を実行する。退場ゲート端末80は、その表示部に駐車料金と割引金額と、それらの差引き金額である請求金額を表示する。それを確認した利用者は退場ゲート端末80の紙幣硬貨処理部の紙幣硬貨投入口に紙幣または硬貨を投入して請求金額を精算する。退場ゲート端末80の割引完了送信手段は、割引する処理が実行されたことを示すデータをICカード10に送信する。そのデータを受信して、ICカード10の取引情報消去手段はメモリに記憶された、入場日時と取引情報のすべてを消去する。さらに、退場ゲート端末80のゲート開閉部が退場ゲートを開く。なお、現金で精算する代わりにクレジットで支払いをするように構成することができる。
【0036】
次に、駐車料金を割引く処理の具体的な一例について図10、図11を参照して説明する。図10に示す一例おいて、利用者が駐車場へ入場した時刻は2006年10月1日9:00(午前9時)である。利用者がクレジットカードによるショッピングを行う度に、取引日時と取引金額がICカード10のメモリに記憶される。1回目のクレジット取引において、取引日時2006年10月1日10:00(午前10時)と取引金額5000円がメモリに記憶される。その後2回目のクレジット取引において、取引日時2006年10月1日12:00(正午)と取引金額5000円がメモリに記憶される。そして、利用者が退場する時刻は2006年10月1日15:00(午後3時)である。すなわち、駐車場の利用時間は6時間、クレジット取引の累積取引金額は10000円である。
図10に示す一例では、駐車料金は0.5時間(30分)ごとに300円である。駐車料金の割引は3000円以上の買い物により1時間無料、5000円以上の買い物により2時間無料、30000以上の買い物により3時間無料となっている。したがって、駐車料金の2時間分が割り引きされ、4時間分の駐車料金として2400円が利用者に対して請求される。
【0037】
図11に示す一例において、利用者が駐車場へ入場した時刻は2006年10月1日9:00(午前9時)である。利用者がクレジットカードによるショッピングを行う度に、取引日時と取引金額がICカード10のメモリに記憶される。1回目のクレジット取引において、取引日時2006年10月1日10:00(午前10時)と取引金額5000円がメモリに記憶される。その後2回目のクレジット取引において、取引日時2006年10月1日12:00(正午)と取引金額5000円がメモリに記憶される。その後3回目のクレジット取引において、取引日時2006年10月2日10:00(午前10時)と取引金額20000円がメモリに記憶される。そして、利用者が退場する時刻は2006年10月2日16:00(午後4時)である。すなわち、駐車場の利用時間は30時間、クレジット取引の累積取引金額は30000円である。
図11に示す一例では、駐車料金は0.5時間(30分)ごとに300円である。駐車料金の割引は3000円以上の買い物により1時間無料、5000円以上の買い物により2時間無料、30000以上の買い物により3時間無料となっている。したがって、駐車料金の3時間分が割り引きされ、27時間分の駐車料金として16200円が利用者に対して請求される。
【0038】
このように本実施例によれば、クレジット取引についての機能と駐車料金サービスについての機能とを1つのアプリケーションにまとめているので、1つのICカードがあれば、紙の駐車券を発行しなくてもよくなり、駐車場のスムーズな出入りが可能となり、顧客へのサービスアップ、コスト削減を狙うことができる。しかも、クレジット取引の処理中の「カードアクション分析」プロセスにおいて、駐車券処理も同時に行ってしまうことができるので、手続きにかかる時間を短縮することができ顧客の利便性が高まるとともに、駐車券に印鑑を押したりする手間が省け、人員に関しても資材に関してもコストダウンを図ることができる。
また、ICカード10及び端末装置20は、EMV仕様のクレジット取引についての処理内容を多少変更するだけで(図7のS310’,S380’,S420’,S510’,S550’,S570’)、EMV仕様の処理と同様の流れで、クレジット取引及び駐車料金サービスについての処理を行うことができ、容易に、処理の高速化、効率化を図ることが可能である。
更に、ICカード10は、駐車料金サービス処理(S550’,S570’)において必要なデータをタグ値などの識別情報で指定したCDOLを保持し、EMV仕様の処理に従って端末装置20へ提供するため、EMV仕様のアプリケーションに新たな改変を加えることなく、端末装置20から駐車料金サービス処理に必要なデータを容易に得ることができ(図7のS380’,S420’)、容易に、処理の高速化、効率化を図ることが可能となった。
更にまた、ICカード10は、GENERATE ACコマンドを受信した場合に、クレジット取引及び駐車料金サービスについての処理を行うため、一のコマンドによってICカード10に対してクレジット取引についての処理、駐車料金サービスについての処理を命令することができ、通信回数を低減し、処理の迅速化を図ることが可能となった。
【0039】
また、ICカード10は、クレジット取引についてのアプリケーション及び駐車料金サービスアプリケーションを統合した駐車料金サービス機能付きクレジットアプリケーションを搭載しているため、従来では重複していたプログラム(READコマンド、SELECTコマンドに対する処理プログラム、暗号処理プログラムなど)を削減するなど、メモリ領域の効率的な使用が可能となった。端末装置20についても同様である。
更にまた、ICカード10及び端末装置20は、SELECTコマンドで改めて他のアプリケーションを選択しなくてもクレジット取引及び駐車料金サービスについて処理を行うことができ、処理の迅速化及び効率化を図ることが可能となった。
【0040】
特に、EMV仕様のコマンドに応じて、クレジット取引及び駐車料金サービスについての処理を行うことによって、EMV仕様のクレジット取引のための端末装置用のプログラムに大きな改変をせずとも、端末装置20を実現することができた。
更に、ICカード10は、クレジット取引についての処理結果及び駐車料金サービスについての処理結果をGENERATE ACコマンドの応答として端末装置20へ送信するため、EMV仕様と同様の流れで処理を行うことができ、処理の迅速化及び効率化を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】駐車料金サービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】駐車料金サービスシステムが備えるクレジット取引に関する機能を示すブロック図である。
【図3】駐車料金サービスシステムが備える駐車場利用に関する機能を示すブロック図である。の
【図4】ICカード10及び端末装置20が記憶しているデータ、生成するデータを 説明するための図である。
【図5】駐車料金サービスシステムにおける入退場の処理の過程を示す説明図である。
【図6】POSレジ30の動作を示すフローチャートである。
【図7】ICカードの動作、プログラムを示すフローチャートである。
【図8】POSレジ30、端末装置20及びICカード10間で授受される情報の流 れを示す図である。
【図9】ICカードのカードアクション分析における駐車料金サービスについての処 理を示すフローチャートである。
【図10】駐車料金を割引く処理の具体的な一例(その1)についての説明図である。
【図11】駐車料金を割引く処理の具体的な一例(その2)についての説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ICカードシステム
2 レジシステム
10 ICカード
11 CPU
13 メモリ
20 端末装置
21 CPU
22 メモリ
30 POSレジ
40 ストアコントローラ
50 イシュアホスト
60 通信回線
70 入場ゲート端末
80 退場ゲート端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置との間でデータを通信する通信手段と、
前記外部装置が駐車場システムの入場ゲート端末であるときの前記データに基づく駐車場入場についての処理の過程で、前記入場ゲート端末が送信する駐車場への入場日時をメモリに記憶する入場日時記憶手段と、
前記外部装置がクレジットシステムのクレジット端末であるときの前記データに基づくクレジット取引についての処理の過程で、前記クレジット端末が送信する取引金額と取引日時とを含む取引情報をメモリに記憶する取引情報記憶手段と、
前記外部装置が前記駐車場システムの退場ゲート端末であるときの前記データに基づく駐車料金精算の処理の過程で、前記入場日時の後において前記メモリに記憶された取引金額の累積を演算する累積取引金額演算手段と、
前記退場ゲート端末に対して前記通信手段を通じて前記累積取引金額を送信する累積取引金額送信手段と、
を備えることを特徴とするICカード。
【請求項2】
請求項1記載のICカードにおいて、前記入場日時記憶手段が前記駐車場への入場日時をメモリに記憶する直前または記憶した直後において、前記入場日時よりも前の入場日時と取引情報のすべてを前記メモリから消去する取引情報消去手段を備えることを特徴とするICカード。
【請求項3】
請求項1または2記載のICカードにおいて、前記累積取引金額を送信した後に、前記通信処理部が前記駐車場システムの端末装置から駐車料金の割引が実行されたことを示す割引完了のデータを受信したときに、前記メモリに記憶された入場日時と取引情報のすべてを消去する取引情報消去手段を備えることを特徴とするICカード。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のICカードにおいて、前記クレジット取引についての処理はEMV仕様に準じたクレジット取引についての処理であることを特徴とするICカード。
【請求項5】
入場ゲート端末と退場ゲート端末とを備える駐車場システムであって、
前記入場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて前記ICカードに駐車場への入場日時を送信する入場日時送信手段と、
前記退場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて前記ICカードから前記入場日時を受信する入場日時受信手段と、
前記受信した入場日時と現在日時に基づいて駐車料金を演算する駐車料金演算手段と、
前記通信手段を通じて前記ICカードからクレジット取引についての累積取引金額を受信したときには、前記駐車料金について割引する処理を実行する駐車料金割引手段と、
前記割引する処理が実行されたことを示すデータを前記通信手段を通じて前記ICカードに送信する割引完了送信手段と、
を備えることを特徴とする駐車場システム。
【請求項6】
クレジット端末を備えるクレジットシステムであって、前記クレジット端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて、前記データに基づくクレジット取引についての処理の過程で、取引金額と取引日時とを含む取引情報を前記ICカードに送信する取引情報送信手段を備えることを特徴とするクレジットシステム。
【請求項7】
請求項1記載のICカードと請求項5記載の駐車場システムと請求項6記載のクレジットシステムを備えることを特徴とする駐車料金サービスシステム。
【請求項1】
外部装置との間でデータを通信する通信手段と、
前記外部装置が駐車場システムの入場ゲート端末であるときの前記データに基づく駐車場入場についての処理の過程で、前記入場ゲート端末が送信する駐車場への入場日時をメモリに記憶する入場日時記憶手段と、
前記外部装置がクレジットシステムのクレジット端末であるときの前記データに基づくクレジット取引についての処理の過程で、前記クレジット端末が送信する取引金額と取引日時とを含む取引情報をメモリに記憶する取引情報記憶手段と、
前記外部装置が前記駐車場システムの退場ゲート端末であるときの前記データに基づく駐車料金精算の処理の過程で、前記入場日時の後において前記メモリに記憶された取引金額の累積を演算する累積取引金額演算手段と、
前記退場ゲート端末に対して前記通信手段を通じて前記累積取引金額を送信する累積取引金額送信手段と、
を備えることを特徴とするICカード。
【請求項2】
請求項1記載のICカードにおいて、前記入場日時記憶手段が前記駐車場への入場日時をメモリに記憶する直前または記憶した直後において、前記入場日時よりも前の入場日時と取引情報のすべてを前記メモリから消去する取引情報消去手段を備えることを特徴とするICカード。
【請求項3】
請求項1または2記載のICカードにおいて、前記累積取引金額を送信した後に、前記通信処理部が前記駐車場システムの端末装置から駐車料金の割引が実行されたことを示す割引完了のデータを受信したときに、前記メモリに記憶された入場日時と取引情報のすべてを消去する取引情報消去手段を備えることを特徴とするICカード。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のICカードにおいて、前記クレジット取引についての処理はEMV仕様に準じたクレジット取引についての処理であることを特徴とするICカード。
【請求項5】
入場ゲート端末と退場ゲート端末とを備える駐車場システムであって、
前記入場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて前記ICカードに駐車場への入場日時を送信する入場日時送信手段と、
前記退場ゲート端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて前記ICカードから前記入場日時を受信する入場日時受信手段と、
前記受信した入場日時と現在日時に基づいて駐車料金を演算する駐車料金演算手段と、
前記通信手段を通じて前記ICカードからクレジット取引についての累積取引金額を受信したときには、前記駐車料金について割引する処理を実行する駐車料金割引手段と、
前記割引する処理が実行されたことを示すデータを前記通信手段を通じて前記ICカードに送信する割引完了送信手段と、
を備えることを特徴とする駐車場システム。
【請求項6】
クレジット端末を備えるクレジットシステムであって、前記クレジット端末とICカードとの間でデータを通信する通信手段を通じて、前記データに基づくクレジット取引についての処理の過程で、取引金額と取引日時とを含む取引情報を前記ICカードに送信する取引情報送信手段を備えることを特徴とするクレジットシステム。
【請求項7】
請求項1記載のICカードと請求項5記載の駐車場システムと請求項6記載のクレジットシステムを備えることを特徴とする駐車料金サービスシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−130052(P2008−130052A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317925(P2006−317925)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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