説明

ICタグ

【課題】外力に対する強度及び耐久性が高く、接着強度も高く、耐熱性、耐水性、耐薬品性、耐環境性、耐候性にも優れた、可撓性を有するICタグを提供する。
【解決手段】ICチップ11とアンテナ12とを備えてなるインレット2を、補強材としての繊維素材を配向してなる繊維構成体シート3,4を上下に配設して挟持する。さらに、保護材としてのゴム材料からなる弾性体シート5,6を上下に配設して被覆する。そして、インレット2、繊維構成体シート3,4及び弾性体シート5,6を弾性接着剤によって接着し、積層体として、可撓性を有するICタグを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折曲げ及び引張りに強く、接着強度も高い可撓性を有するICタグ、さらには、耐熱性、耐水性、耐薬品性、耐環境性及び耐候性にも優れたICタグに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信によって外部から情報を読み書きすることのできる電子タグ、いわゆるICタグが様々な用途に使用されている。ICタグは、一般に、メモリ機能を備えたICチップとアンテナとから構成されるインレットを有し、用途に応じて二次加工された形態で使用される。例えば、インレットをABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂に封入してハード加工されたものが、商品タグやID(IDentifier)カード等として実用化されている。
【0003】
ここで、ICタグを書類、衣類等の柔軟性を有する物品の表面に装着したり、豚、牛等の脚部等にバンドの如く巻き回して装着し、それらの個体情報管理を行う場合には、ICタグの二次加工品は、可撓性を有する、すなわちフレキシブルなものである必要がある。
このようなICタグとして、従来、柔軟性を有する合成樹脂又はゴム等の弾性体中にインレットを封入したもの、薄肉の合成樹脂シートによってインレットを挟持してラミネート(パウチ)加工したもの(特許文献1参照。)が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−341903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のように、インレットを弾性体中に封入したもの、合成樹脂シートによってラミネート加工したものは、何れも、ICタグに折曲げ、引張り等の強い外力が加わると、又、頻繁に加わると、インレットが容易に破損してしまう等、外力に対する強度及び耐久性に問題があった。
【0006】
又、ICタグを物品の表面に貼着して使用する場合、従来のICタグは、その表面が平滑であるために、接着強度を高めることが難しく、長期間使用するうちに、物品との接着力が低下し、剥離してしまう、という問題があった。
【0007】
さらに、衣類等を殺菌、洗浄等する蒸気、薬品等に曝される場合には、高い耐熱性、耐水性、耐薬品性が、豚舎、牛舎等の飼料、糞尿等に触れる環境に曝される場合には、高い耐環境性が、又、屋外で使用される場合には、紫外線やオゾンに対する耐候性が要求される。しかし、従来のICタグは、PET等の合成樹脂又はゴムで被覆されているため、耐熱性、耐薬品性、耐環境性、耐候性等に問題があった。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて為されたものであり、折曲げ、引張り等の外力に対する強度及び耐久性が高く、接着強度も高いと共に、耐熱性、耐水性、耐薬品性、耐環境性、耐候性にも優れた、可撓性を有するICタグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、先ず、折曲げ、引張り等の外力に対する強度及び耐久性に優れ、耐熱性、耐水性、耐薬品性、耐環境性、耐候性にも優れた、可撓性を有するICタグの新規な構成について鋭意検討した。
【0010】
その結果、本発明者は、可撓性を有するものとして、耐熱性、耐薬品性に優れる弾性体シートに着目し、インレットの保護材としてその適用を検討した。
一方、外力に対する強度及び耐久性を向上するという観点から、弾性体シートに対して補強材を設けることに想到し、その補強材として繊維構成体シートの採用を検討した。
【0011】
次に、インレットに対して、弾性体シートと繊維構成体シートをどのように適用して、可撓性を有するICタグを構成するかについて、さらなる検討を行った。
【0012】
その結果、本発明者は、弾性接着剤(結合剤)がその特有の濡れ性によって、繊維構成体シートの空隙に染み込み、インレットを好適に被覆すると共に、弾性体シートと繊維構成体シートとを好適に接着することを知見し、インレット−繊維構成体シート−弾性体シートを積層してなる一体成形品を作製できることを見出し、本発明を想到するに至ったのである。
【0013】
すなわち、本発明のICタグは、インレットを補強材としての繊維構成体シート、保護材としての弾性体シートによって被覆し、それらを弾性接着剤(結合剤)によって互いに接着、積層して、一体成形品を構成したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明のICタグの好適な実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0015】
本発明の一実施例のICタグ1は、図1乃至3に示すように、インレット2、繊維構成体シート3,4、弾性体シート5,6及び接着剤層7,8,9,10から構成される。
【0016】
インレット2は、図2に示すように、メモリ機能を備えたICチップ11と、銅等の導電性の高い導線13をコイル状に巻き回したアンテナ12とから構成され、導線13の一端部及び他端部を内側に折曲げて、そこにICチップ11を固着してある。
【0017】
繊維構成体シート3,4は、図2乃至4に示すように、複数本の繊維素材を束ねた繊維束15を縦横に織成して構成した織物シート材14を、円形状に裁断したものである。
繊維構成体シート3,4は、同様の構成のものであるが、ICタグ1を構成した時、図5に示すように、各繊維構成体シート3,4を構成する繊維素材の配向方向は45°ずれるようにしてある。
【0018】
織物シート材14を構成する繊維材料としては、非弾性体であるポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維等を使用することができるが、特には、アラミド繊維、ガラス繊維を使用することが好ましい。又、これら繊維の中の1種のみならず、複数種を混合して使用してもよい。
【0019】
弾性体シート5,6は、図2、3及び6に示すように、弾性体シート材16を円板状に裁断したものである。
【0020】
弾性体シート材16としては、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレン共重合体エラストマ、スチレンブタジエンエラストマ等の熱可塑性エラストマ等の耐熱性、耐水性、耐薬品性、耐環境性、耐候性等に優れたゴム材料を使用することができるが、特には、シリコンゴムを使用することが好ましい。
【0021】
接着剤層7,8,9,10は、図3に示すように、弾性接着剤(結合剤)を硬化させ、インレット2、繊維構成体シート3,4、弾性体シート5,6間を接着させることによって形成されるものである。
【0022】
弾性接着剤(結合剤)としては、クロロプレンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤等の合成ゴム系接着剤、シリコンゴム系接着剤等を使用することができるが、特には、シリコンゴム系接着剤を使用することが好ましい。
【0023】
本発明のICタグ1は、以上のような構成であって、以下のようにして製造することができる。
【0024】
先ず、図7に示すように、インレット2の上方及び下方から、当接する側の表面に弾性接着剤を塗布した織物シート材141,142を当接させ、インレット2を織物シート材141,142で挟持する。
【0025】
次に、図7に示すように、織物シート材141の上方から、当接する側の表面に弾性接着剤を塗布した弾性体シート材161を、織物シート材142の下方から、当接する側の表面に弾性接着剤を塗布した弾性体シート材162を当接させ、織物シート材141,142を弾性体シート材161,162で挟持し、図8に示すように、ICタグ用積層シート材17を構成する。
【0026】
最後に、抜き型によって、ICタグ用積層シート材17を円板状に打ち抜けば、図9に示すように、ICタグ1を製造することができる。
【0027】
本発明のICタグ1は、インレット2を繊維構成体シート3,4及び弾性体シート5,6によって被覆した構造であるから、弾性体シート5,6によって十分に可撓性を確保することができると共に、繊維構成体シート3,4によって十分に外力に対する補強をすることができる。
よって、折曲げ、引張り等の外力が加わった場合にも、応力が分散されて、外力に対して最も弱いICチップ11にかかる力を緩和することができ、外力や衝撃に対する強度及び耐久性を大幅に向上させることができる。
【0028】
織物は、繊維の配向方向の外力に対しては伸び率が小さいが、繊維の配向方向に対して45°の方向の外力に対しては、織りがずれるために変形を生じる。この欠点を解決するために、伸び率の小さい繊維素材でできた縦糸と横糸を織って作製した上下2枚の繊維構成体シート3,4において、各繊維構成体シート3,4を構成する繊維素材の配向方向を45°ずれるように構成した。かかる構成によって、縦方向、横方向、斜め45°方向に繊維素材が配向していることになり、何れの方向への引張力に対しても、伸びを小さくすることができて、ICタグ1の伸びを最小限に抑えることができる。
よって、インレット2に引張力が加わって、インレット2が容易に破損してしまう、という事態は発生しない。
【0029】
図10に示すように、本発明のICタグ1を折り曲げた時、繊維構成体シート3,4及び弾性体シート5,6は十分な可撓性を有し、それらの肉厚による効果をも併せて、折曲部の曲率半径は十分に大きなものとなる。そのため、中心部に配置したインレット2の最小曲げ半径rは、ICタグ1の厚みdのほぼ半分に抑えることができ、インレット2には許容範囲内の曲げ応力が発生するだけである。
よって、ICチップ11とアンテナ12との結合部に過大な応力が加わって、結合が切断されてしまうことはなく、インレット2を破損から守ることができる。
【0030】
上述した効果は、特に、ICチップ11と巻線型アンテナ12とを結合した形態のインレット2において著しい。巻線型アンテナ12を有するインレット2は、ICチップ11及びアンテナ12を固定するための基材が存在しないために、ICチップ11とアンテナ12との結合部分に外力が加わると、容易に結合部分が引き剥がされて、切断してしまうからである。
【0031】
本発明のICタグ1は、繊維構成体シート3,4と弾性体シート5,6を弾性接着剤によって接着したから、繊維構成体シート3,4の織目間の空間に弾性接着剤が染み込み、繊維構成体シート3,4と弾性体シート5,6とが完全に一体化され、各層が剥離してしまうことはない。
【0032】
上記実施例のICタグ1は、インレット2、繊維構成体シート3,4及び弾性体シート5,6を積層して構成したが、図11に示すように、一方の弾性体シート5を使用せず、インレット2、繊維構成体シート3,4、弾性体シート6を積層してICタグ21を構成してもよい。
【0033】
ICタグ21では、表面に露出する繊維構成体シート3の織目間の空間に弾性接着剤を完全に染み込ますことなく硬化させ、後に表面に接着剤を塗布した場合に、繊維構成体シート3の織目間の空間に容易に接着剤が染み込む余地を残しておくようにしてもよい。
【0034】
これによれば、ICタグ21を被着体である物品の表面に弾性接着剤によって貼着する際に、繊維構成体シート3の織目間の空間に容易に弾性接着剤が染み込むから、ICタグ21と被着体である物品との接着強度を高めることができる。
【0035】
又、図12に示すように、両方の弾性体シート5,6を使用せず、インレット2、繊維構成体シート3、4を積層してICタグ31を構成してもよい。
【0036】
ICタグ31では、少なくとも一方の繊維構成体シート3,4の織目間の空間に弾性接着剤を完全に染み込ますようにすることが好ましく、さらには、少なくとも一方の繊維構成体シート3,4の表面に弾性体接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0037】
これによれば、弾性体シート5,6の存在に代えて、繊維構成体シート3,4の織目間の空間に染み込んだ、又は、繊維構成体シート3,4の表面に塗布した弾性体接着剤の存在によって、ICタグ31に可撓性を付与することができる。
【0038】
又、図13に示すように、両方の弾性体シート5,6を使用せず、インレット2、織目の粗い繊維構成体シート3A、4A、織目の細かい繊維構成体シート3B、4Bを積層してICタグ41を構成してもよい。
【0039】
ICタグ41では、織目の粗い繊維構成体シート3A、4Aの織目間の空間に弾性接着剤を完全に染み込ますようにすることが好ましく、さらには、少なくとも一方の織目の細かい繊維構成体シート3B、4Bの表面に弾性体接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0040】
これによれば、弾性体シート5,6の存在に代えて、織目の粗い繊維構成体シート3A、4Aの織目間の空間に染み込んだ、又は、織目の細かい繊維構成体シート3B、4Bの表面に塗布した弾性体接着剤の存在によって、ICタグ41に可撓性を付与することができる。
【0041】
本発明の他実施例のICタグ51は、図14及び15に示すように、インレット52、繊維構成体シート53,54、弾性体シート55,56及びこれらの間に介在する接着剤層から構成される。
【0042】
インレット52は、図15に示すように、メモリ機能を備えたICチップ57と、アルミニウム等の導電性の高い配線パターン59をPET等の合成樹脂フィルム60に印刷したアンテナ58とから構成され、配線パターン59の一端部及び他端部にICチップ57を固着してある。
【0043】
繊維構成体シート53,54は、図15に示すように、ICタグ1と同様の構成を有する織物シート材14を帯体状に裁断したものである。ICタグ1と同様に、ICタグ51を構成した時、各繊維構成体シート53,54を構成する繊維素材の配向方向は45°ずれるようにしてある。
【0044】
弾性体シート55,56は、図15に示すように、ICタグ1と同様の構成を有する弾性体シート材16を帯体状に裁断したものである。
【0045】
接着剤層は、弾性接着剤を硬化させ、インレット52、繊維構成体シート53,54、弾性体シート55,56間を接着させることによって形成されるものである。
【0046】
本発明のICタグ51は、以上のような構成であって、上記ICタグ1と同様の工程を経て製造することができる。
【0047】
本発明のICタグ51も、上記ICタグ1と同様の作用、効果を奏することができ、ICタグ1と同様な変形例を構成することができる。
【0048】
合成樹脂フィルム60に配線パターン59からなるアンテナ58を印刷すると共にICチップ57を搭載した帯体状を呈するインレット52は、長手方向の引張力に弱いという欠点があるから、繊維構成体シート53,54に代えて、非弾性体からなる繊維素材を長手方向に配向すれば十分である。
しかし、ICタグ51の製造上の容易性を考慮すれば、繊維構成体シート53,54を使用するのが好ましい。
【0049】
尚、繊維構成体シート3,4も、必ずしも、複数本の繊維素材を束ねた繊維束15を縦横に織成して構成した織物シート材14から形成する必要はなく、例えば、非弾性体からなる繊維素材を一方向に配向したものに合成樹脂を含浸させて硬化させた開繊シート材から形成するようにしてもよい。
【0050】
さらに、インレット2,52に当接する弾性体シートを追加し、この弾性体シートにICチップ2,57が収納される凹部を形成すれば、さらに外力に対する耐性を高める構造とすることが可能である。
【0051】
又、インレット2,52の識別番号をICタグ1,51の表面に刻印しておけば、万一インレット2,52が破損して、内部のデータが読み出せない状態になったとしても、ICタグ1,51の特定が可能となる。
新たなICタグと交換した際にも、サーバー上の該当するデータに新しいICタグの識別番号を紐付けすることによって、データの復旧が可能となる。
【0052】
尚、製造メーカーによって、ICチップの製造時に、ICタグを一意に識別するための読み取り専用のIDであるUID(Unique IDentifier:固有識別子)が付与される。このUIDを識別番号とすれば、この番号は世の中に一つしか存在しない番号であるので、好都合である。
【0053】
[実施例1]
被試験品Eとして、図13に示すように、インレット2、織目の粗い繊維構成体シート3A,4A、織目の細かい繊維構成体シート3B,4Bを弾性接着剤によって結合、積層した、直径18mm、厚さ1.2mmのICタグ41を作製した。
インレット2は、巻線型アンテナを有し、発信周波数13.56MHz、直径12.7mmのRFIDインレットを使用した。織目の粗い繊維構成体シート3A,4Aは、ガラス繊維を縦横に織成した、厚さ0.24mm、質量198g/mのもの、織目の細かい繊維構成体シート3B,4Bは、ガラス繊維を縦横に織成した、厚さ0.18mm、質量203g/mのものを使用した。又、弾性接着剤は、RTV型シリコンゴム系接着剤を使用した。
【0054】
[比較例1]
被試験品Cとして、インレット2、弾性体シート5,6を接着剤によって結合、積層した、直径18mm、厚さ1.2mmのICタグを作製した。
インレット2は、巻線型アンテナを有し、発信周波数13.56MHz、直径12.7mmのRFIDインレットを使用した。弾性体シート5,6は、厚さ0.5mmのウレタンゴムを使用した。又、接着剤は、ウレタンゴム系接着剤を使用した。
【0055】
[引張強度試験]
被試験品Eを引張試験機によって引っ張ったところ、縦方向には343N/25mmまで、横方向には294N/25mmまで破損することはなかった。又、タグリーダーによって被試験品Eの通信可能距離を測定したところ、試験前後の何れにおいても、53mmで良好であった。
被試験品Cも同様にして引っ張ったが、上記荷重に到達する前に破損した。
【0056】
[屈曲強度試験]
被試験品Eを、図14に示すように、左右に折り曲げたところ、左右各250回折り曲げても、破損することはなかった。又、タグリーダーによって被試験品Eの通信可能距離を測定したところ、試験前後の何れにおいても、53mmで良好であった。
被試験品Cも同様にして折り曲げたところ、左右各250回折り曲げても、破損することはなかった。しかし、タグリーダーによって被試験品Cの通信可能距離を測定したところ、試験後には通信をすることができなかった。
【0057】
[耐熱性試験]
被試験品Eを200℃の空気中に200時間放置したところ、溶融、変形等することなく、外観上に特に問題はなかった。又、タグリーダーによって被試験品Eの通信可能距離を測定したところ、試験前後の何れにおいても、53mmで良好であった。
被試験品Cも同様にして200℃の空気中に放置したところ、間もなく溶融、変形等して、使用することができなくなった。
【0058】
[耐水性試験]
被試験品Eを純水を満たした容器内に浸漬し、超音波洗浄器によって1時間洗浄したところ、溶融、変形等することなく、外観上に特に問題はなかった。又、タグリーダーによって被試験品Eの通信可能距離を測定したところ、試験前後の何れにおいても、53mmで良好であった。
被試験品Cも同様にして超音波洗浄器によって1時間洗浄したところ、表面が崩壊等して、使用することができなくなった。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施例のICタグの(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図2】図1に示すICタグを各構成部材に分解した平面図である。
【図3】図1に示すICタグの一部拡大断面図である。
【図4】ICタグの構成材料である織物シート材の一部拡大平面図である。
【図5】上下に配置された繊維構成体シートにおける繊維素材の配向方向の関係を示す一部拡大平面図である。
【図6】ICタグの構成材料である弾性体シート材の斜視図である。
【図7】図1に示すICタグを製造する際に必要な各構成材料に分解した斜視図である。
【図8】図1に示すICタグを製造する際の材料となるICタグ用積層シート材の斜視図である。
【図9】図1に示すICタグの斜視図である。
【図10】図1に示すICタグを中央で折曲げた状態の断面図である。
【図11】図1に示すICタグにおいて、一方の弾性体シートを使用せずに構成したICタグの(A)は平面図、(B)は各構成部材に分解した平面図である。
【図12】図1に示すICタグにおいて、両方の弾性体シートを使用せずに構成したICタグの(A)は平面図、(B)は各構成部材に分解した平面図である。
【図13】図1に示すICタグにおいて、両方の弾性体シートを使用せず、網目の粗さの相違する繊維構成体シートを積層して構成したICタグの(A)は平面図、(B)は各構成部材に分解した平面図である。
【図14】本発明の他実施例のICタグの(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図15】図14に示すICタグを各構成部材に分解した平面図である。
【図16】ICタグの屈曲強度試験の方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1 ICタグ
2 インレット
3,4 繊維構成体シート
5,6 弾性体シート
7,8,9,10 接着剤層
11 ICチップ
12 アンテナ
14 織物シート材
15 繊維束
21 ICタグ
31 ICタグ
41 ICタグ
3A,4A 織目の粗い繊維構成体シート
3B,4B 織目の細かい繊維構成体シート
51 ICタグ
52 インレット
53,54 繊維構成体シート
55,56 弾性体シート
57 ICチップ
58 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップとアンテナとを備えてなるインレットを、繊維素材を配向してなる繊維構成体シートを上下に配設して挟持し、さらに、ゴム材料からなる弾性体シートを上下に配設して被覆し、前記インレット、前記繊維構成体シート及び前記弾性体シートを弾性接着剤によって接着して、積層体を構成したことを特徴とするICタグ。
【請求項2】
ICチップとアンテナとを備えてなるインレットを、繊維素材を配向してなる繊維構成体シートを上下に配設して挟持し、さらに、ゴム材料からなる弾性体シートを上下何れか一方に配設して被覆し、前記インレット、前記繊維構成体シート及び前記弾性体シートを弾性接着剤によって接着して、積層体を構成したことを特徴とするICタグ。
【請求項3】
ICチップとアンテナとを備えてなるインレットを、繊維素材を配向してなる繊維構成体シートを上下に配設して挟持し、前記インレット及び前記繊維構成体シートを弾性接着剤によって接着して、積層体を構成したことを特徴とするICタグ。
【請求項4】
前記繊維構成体シートは、複数本の繊維素材を束ねた繊維束を縦横に織成して構成した織物シート材からなることを特徴とする請求項1乃至3に記載のICタグ。
【請求項5】
前記繊維素材は、耐熱性、耐薬品性、耐環境性、耐候性等に優れた弾性係数の小さい繊維材料であることを特徴とする請求項1乃至4に記載のICタグ。
【請求項6】
前記繊維素材は、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維又は炭素繊維の中の1種、又は、複数種を混合したものであることを特徴とする請求項5に記載のICタグ。
【請求項7】
前記ゴム材料は、耐熱性、耐薬品性、耐環境性、耐候性等に優れたゴム材料であることを特徴とする請求項1乃至6に記載のICタグ。
【請求項8】
前記ゴム材料は、シリコンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム又はエチレンプロピレン共重合体エラストマ、スチレンブタジエンエラストマ等の熱可塑性エラストマであることを特徴とする請求項7に記載のICタグ。
【請求項9】
前記弾性接着剤は、シリコンゴム系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤又はニトリルゴム系接着剤等の合成ゴム系接着剤であることを特徴とする請求項1乃至8に記載のICタグ。
【請求項10】
前記繊維構成体シートは、上下に配設された各繊維構成体シートを構成する繊維素材の配向方向を45°ずれるように配置したことを特徴とする請求項1乃至9に記載のICタグ。
【請求項11】
前記繊維構成体シートは、上下に各2枚配設され、その各2枚の繊維構成体シートの織目の粗さを相違させたことを特徴とする請求項1乃至10に記載のICタグ。
【請求項12】
表面に露出する繊維構成体シートの織目間の空間に弾性接着剤を完全に染み込ますことなく硬化させ、後に表面から接着剤を塗布した場合に、繊維構成体シートの織目間の空間に接着剤が染み込む余地を残したことを特徴とする請求項2乃至11に記載のICタグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−122783(P2009−122783A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293791(P2007−293791)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(391035902)ケイ・アール・ディコーポレーション株式会社 (9)
【Fターム(参考)】