説明

ID照合構造及びドア施解錠装置

【課題】防犯性に優れ、キーの作製が容易なID照合構造及びドア施解錠装置を提供する。
【解決手段】キー200が、キー挿入口211に挿入され、キー200のIDと車両1のIDが一致するとき、IDピン206の先端206aがピン241の突出部242を矢印C方向に押す。このとき、ロックピン240とピン241の境界がすべて揃うので、スライド230とスリーブ210の固定が解除され、バネ220による矢印A方向の弾性力によって、スライダ230は、矢印A方向に移動してL型リンク125に接し、L型リンク125を矢印I方向に押し動かす。続いて、L型リンク125の矢印I方向の移動が、リンク機構250を介しレバー271に伝わり、レバー271を矢印G方向に移動させ、その矢印G方向の移動に基づいてスイッチ272は、アンロック用電磁石274を制御し、ドア11のロックを解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ID照合構造及びドア施解錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、キーと、キーが差し込まれるキー穴を有し、車両のドアに設けられたキーシリンダと、後端が、このキーシリンダの回転軸線に対し直角方向に向けてキーシリンダに回転可能に固定され、先端が、ドアロック装置を施錠並びに解錠作動するリンクが結合されたシリンダレバーとを有する自動車ドアキーシリンダ錠が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この自動車ドアキーシリンダ錠によると、操作者が、キーをキー穴に差し込み、キーが有するIDと、キーシリンダが有するIDとが一致したとき、キーを所定の方向に回転させることが可能になる。このとき、キーシリンダと連動してキーシリンダに設けられたシリンダレバーも同方向に回転し、その回転によるシリンダレバーの変位に基づいてドアロック装置は、車両のドアの施錠及び解錠を制御する。
【特許文献1】特開平8−260775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の自動車ドアキーシリンダ錠は、例えば、キーの形状を模したものを用いて、キー穴に挿入し、IDが照合されない場合であっても、力を加えてキーシリンダを回転させ、シリンダレバーを所定の方向に変位させることができるため、防犯上問題があった。
【0005】
また、キーのIDは、キー毎に形成される山部及び谷部の形状の組合せによって生成され、シーシリンダは、キー毎の山部及び谷部の形状の組合せに基づいて加工及び組立てをしなければならず、キー及びキーシリンダの作製が困難であった。更に、キーをキー穴に差し込んでキーシリンダを回転させるので、キーは、硬質な材料が求められ、そのため、山部及び谷部の作製が困難であった。
【0006】
従って、本発明の目的は、防犯性に優れ、キーの作製が容易なID照合構造及びドア施解錠装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は上記目的を達成するため、所定のIDを有し、前記所定のIDを生成する複数のIDピンを有するキーと、前記キーが挿入され、挿入方向の面にピン開口が設けられたキー挿入口、及び、前記ピン開口が貫通する側面を有する凹部を設けたスリーブと、前記スリーブの前記凹部に挿入され、前記ピン開口に対向する位置にロックピン開口を有するスライダと、前記ロックピン開口に挿入されるとともに前記スリーブの前記ピン開口にも挿入され、前記スライダを前記スリーブに固定するロックピンと、前記ロックピンと接触し、前記キー挿入口内に突き出るように前記ピン開口に挿入され、前記キーの有する前記所定のIDに基づいた長さを有するピンとを備え、前記キーが前記キー挿入口に挿入され、前記IDピンと前記ピンが接触し、前記ピンを介して前記ロックピンが挿入方向に押されることによって所定のIDが照合され、前記ロックピンによる前記スライダ及び前記スリーブの固定が解除されることを特徴とするID照合構造を提供する。
【0008】
(2)本発明は上記目的を達成するため、車両のドアに設けられ、リンクを有するドアハンドルと、前記リンクと前記リンクに接続されたロッドを介して接続されるドアロック機構と、前記車両に設けられ、前記ドアロック機構と結合することによって前記ドアをロックするストライカと、前記(1)に記載のID照合構造を有するキー装置とを備え、前記キー装置は、前記キーが前記キー挿入口に挿入されて前記所定のIDが照合され、前記スライダの固定が解除され、前記スライダの所定の方向への移動が可能になったとき、前記ハンドルの移動による前記スライダの前記所定の方向への移動によって前記リンクが移動し、前記ドアロック機構は、前記リンクの移動による前記ロッドの移動に基づいて前記ストライカとの結合、又は、結合解除を制御することを特徴するドア施解錠装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
このような構成によれば、防犯性に優れ、キーの作製が容易なID照合構造及びドア施解錠装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明のID照合構造及びドア施解錠装置の実施の形態を図面を参考にして詳細に説明していく。
【0011】
[実施の形態]
(車両1の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る車両の概略図である。車両1は、図示しないエンジン等を搭載する車両本体10と、車両本体10に開閉自由に設けられたドア11と、ドアロック機構270の図示しないフックと結合することによってドア11を車両本体10に固定(ロック)するストライカ13とを有し、ドア11には、後述するドアハンドル12、ドアロック機構270、キー挿入口211を備えたドア施解錠装置2が設けられている。
【0012】
(ドア施解錠装置2の構成)
図2は、本発明の実施の形態に係るドア施解錠装置の概略図であり、図3(a)は、本発明の実施の形態に係るキーの斜視図であり、図3(b)は、本発明の実施の形態に係るIDピンの斜視図であり、図3(c)は、本発明の実施の形態に係るIDピンを組付けた後のキーの斜視図であり、図4は、本発明の実施の形態に係るスライダの概略図である。ドア施解錠装置2は、キーのIDと車両1のIDを照合するID照合部20と、ID照合部20のIDの照合の結果に基づいてドア11の施錠及び解錠を制御するドア施解錠機構部25とで概略構成されている。
【0013】
(ID照合部20の構成)
ID照合部20は、矩形状を有するキー200と、スリーブ210と、スライダ230と、ロックピン240と、ピン241とで概略構成され、スライダ230は、ロックピン240によってスリーブ210に固定されている。以下にそれぞれの詳細な説明を行う。
【0014】
(キー200の構成)
キー200は、矩形状を有するキー本体201と、キー本体201のキー200の差込み方向の外面に設けられ、操作者が持つ部分である取手201aと、キー本体201に設けられた凹部202と、キー本体201の上部に備えられた凸部203とを有し、キー本体201の側面には、固定ピン205を挿入する固定ピン穴204が複数設けられている。
【0015】
IDピン206は、IDピン206の先端の面で、後述するピン241の先端とキー200をキー挿入口211に挿入したときに接する先端206aと、キー200の側面に設けられた固定ピン穴204に対応する位置に固定ピン穴207を備え、本実施の形態においては、4本のIDピン206を1組として凹部202に挿入し、固定ピン205をキー200の固定ピン穴204とIDピン206の固定ピン穴207に挿入することによってキー本体201にIDピン206を容易に固定し、所定のIDを生成している。
【0016】
IDピン206は、幅Wが、例えば2mmの矩形状を有し、その長さLは、必要なIDの数に応じて決められる。例えば、一般に1つの車種に対するIDの数は、1000以上であることが望ましい。本実施の形態においては、IDピン206の数は、16個であるから、長さがx通りあるとすると、IDは、x16通りあると考えることができる。今、IDピン206の長さLが2通りあるとすると、IDは、65536通りとなり、実用上十分なIDの数を確保することができる。また、例えば、IDピン206の数を4個に減らし、長さLがx通りあるとき、IDの数は、x通りとなり、長さLを10通り用意した場合、IDの数は、10000通りとなり、十分なIDの数を確保できる。
【0017】
更に、IDピン206の異なる長さLの作製は、非常に容易であり、また、組付けも容易であるので、従来のキーシリンダ錠のように、キーに山部や谷部を切削やプレス等により作製する方法に比べて作製コストを大幅に削減することができる。なお、キー200を左右90°、又は180°回転させたIDピン206の組合わせは、同じものである組合わせが存在するが、凸部203がキー本体201に設けられているので、同じ組合せとはならない。
【0018】
また、従来のキーシリンダ錠は、IDが照合された後、キーシリンダを回転させる必要があるため、キーの素材は、鉄やそれに準じた高硬度な素材を使用しなければならなかったが、本実施の形態におけるドア施解錠装置2は、キー200をキー挿入口211に挿入し、ドアハンドルを操作するのみであるので、素材に自由度があり、また、小さくすることも可能である。
【0019】
キー200は、アルミやステンレス等の金属によって作製されるが、例えば、樹脂を用いて作製されても良く、また、例えば、IDピン206を用いず、複数のIDピン206が作る形状の型を作製し、その型を樹脂に押し付けることによって、キー200を作製するようにしても良く、また、これに限定されない。
【0020】
更に、従来のキーシリンダ錠は、「ピッキング」及び「こじ開け」等の犯罪行為に弱く、防犯に問題があることが指摘されている。しかし、本実施の形態におけるドア施解錠装置2は、例えば、「ピッキング」に対しては、ピン241をどこまで押し込めば、スリーブ210とスライダ230との固定が解除されるかが分からず、また、複数のピン241を同時に押し込んだ状態で固定しなければ、スリーブ210とスライダ230との固定が解除されないので、防犯性に非常に優れていると言える。更に、例えば、「こじ開け」と同様の行為を行ったとき、キー挿入口211にキー200を模したものを挿入したとしても、後述するように、空振り動作を行うだけであるので、防犯性に非常に優れていると言える。
【0021】
(スリーブ210の構成)
スリーブ210は、キー200が挿入されるキー挿入口211を有し、キー挿入口211には、塵、ほこり及び雨等の進入を防ぐシャッター212が設けられている。また、スリーブ210は、スライダ230が挿入されている凹部213を有し、凹部213は、バネ220を備えた底面214と、後述するロックピン240とピン241が挿入されるピン開口216、及びピン穴217を備えた側面215とを有している。また、スリーブ210は、ドアハンドル12の取手120が、矢印E及びF方向に自在に移動可能な開口218を備えている。
【0022】
(スライダ230の構成)
スライダ230は、図4に示すように、側面231と、曲面232と、底面233と、先端234とを有し、側面231には、矩形状を有するロックピン240が挿入される断面円形状のロックピン開口235が複数設けられ、図2に示すバネ220が、矢印A方向の弾性力を底面233に与えている。スリーブ210の側面215には、複数のロックピン開口235に対応した位置にピン開口216が設けられている。また、スライダ230の先端付近には、凹部236が設けられ、その形状によって、ID照合後のL型リンク125と接するタイミングを調整することができる。なお、スライダ230及びロックピン開口235の形状は、これに限定されず、用途に応じて様々な形状が考えられる。
【0023】
スライダ230のロックピン開口235には、バネ221及びロックピン240が挿入され、スリーブ210のピン開口216及びピン穴217に挿入されたピン241の底面と接しており、ロックピン240及びピン241は、図2に示す矢印Dの方向にバネ221の弾性力を受けている。そのため、ピン241の先端が、突出部242として、キー挿入口211に突出している。ここで、ピン241は、略T字形状を有しており、その先端は、円柱形状を有しているが、これに限定されない。
【0024】
(ドア施解錠機構部25の構成)
図5(a)は、本発明の実施の形態に係るリンク機構の概略図であり、図5(b)は、本発明の実施の形態に係る図5(a)のA−A線断面図である。ドア施解錠機構部25は、ドアハンドル12と、ドアハンドル12の凸部123にナット124を介して支持されたL型リンク125と、L型リンク125にナット126を介して支持された上ロッド127と、上ロッド127に接続された後述するリンク機構250とを有している。
【0025】
(リンク機構250の構成)
リンク機構250は、ドアハンドル12の矢印E又は、矢印F方向の操作を図5(a)に示すドアロック機構270に伝達させる役割を有し、スリット252及び開口253を有するケース251と、開口253に挿入され、矢印G及び矢印H方向に自在に移動する可動部材254と、可動部材254に矢印H方向の弾性力を与えるバネ256と、図5(b)に示すように、スリット252を介して可動部材254に設けられた下ロッド257とを有する。下ロッド257は、ナット258を介してドアロック機構270のレバー271と接続している。また、可動部材254は、空洞254aを有し、この空洞254aにより、例えば、図6(b)における上ロッド125の矢印E方向の移動が可能になっている。
【0026】
(ドアロック機構270の構成)
ドアロック機構270は、下ロッド257と接続するレバー271と、レバー271の移動した方向に基づいてロック用電磁石273及びアンロック用電磁石274のオン/オフを制御するスイッチ272と、レバー271が矢印H方向に移動したとき、図示しないフックに作用して、車両1に設けられたストライカ13と図示しないフックと結合させて、ドア11をロックするロック用電磁石273と、レバー271が矢印G方向に移動したとき、ストライカ13と図示しないフックとの結合を解除してドア11をアンロックするアンロック用電磁石274とを有する。ロック用電磁石273及びアンロック用電磁石274は、ストライカ13と結合する図示しない磁性体であるフックを引き寄せることによってストライカ13との結合及び結合の解除を行う。なお、ドア施解錠機構部25は、上記に限定されず、例えば、特開平5−25967号公報に開示されているものを採用しても良いし、他の周知の方法を採用することもできる。
【0027】
(動作)
以下に本実施の形態におけるドア施解錠装置2の動作について、前述した図1から図5、及び、後述する図6から図7を参照しつつ、詳細に説明する。
【0028】
(IDが照合されない場合のドアハンドル12の空振り動作について)
図6(a)は、本発明の実施の形態に係るドアハンドルを引く前のドア施解錠装置の概略図であり、図6(b)は、本発明の実施の形態に係るドアハンドルを引いた後のドア施解錠装置の概略図であり、いずれもIDが照合されない場合について表している。
【0029】
IDが照合されていないとき、図6(a)に示すように、スリーブ210とスライダ230とにロックピン240が挿入されているので、スライダ230は、スリーブ210に固定された状態となる。
【0030】
上記の状態において、操作者が、ドアハンドル12の取手120を矢印E方向に引いたとき、スライダ230は、スリーブ210に固定されているので、図6(b)に示すように、L型リンク125にナット126を介して接続された上ロッド127が矢印E方向に引かれ、上ロッド127にナット255を介して接続された可動部材254は、矢印H方向に移動する。このとき下ロッド257は、矢印H方向に移動し、レバー271も矢印H方向に移動するので、スイッチ272は、ロック状態を保持するよう制御する。そのため、ドア11のロック(施錠)は解除されず、操作者は、空振り動作を行うことになる。なお、IDが異なるキー200を挿入した場合についても、同様の空振り動作を行うので、防犯性に非常に優れている。
【0031】
(IDが照合された場合のドア11の開閉動作について)
図7(a)は、本発明の実施の形態に係るドアハンドルを引く前のドア施解錠装置の概略図であり、図7(b)は、本発明の実施の形態に係るドアハンドルを引いた後のドア施解錠装置の概略図であり、いずれもIDが照合された場合について表している。
【0032】
操作者が、キー200をキー挿入口211に挿入する。キー200のIDピン206は、キー挿入口211に突出するピン241の突出部242を矢印C方向に押す。このとき、車両1に割り当てられたIDとキー200のIDが一致するとき、それぞれのピン241が、対応するIDピン206によって、適正な距離、矢印C方向に押し込まれるので、図7(a)に示すように、スリーブ210の側面215とスライダ230の側面231との境界と、ロックピン240とピン241の境界が一致するので、スライダ230のスリーブ210に対する固定が解除され、スライダ230は、バネ220によって矢印A方向に弾性力を受ける。
【0033】
続いて、操作者が、ドアハンドル12の取手120を矢印E方向に引き始めたとき、ドアハンドル12の側面121に接していたスライダ230の先端234は、ドアハンドル12の矢印E方向の移動が徐々に大きくなってくると、ドアハンドル12の曲面122にスライダ230の先端234が接するようになり、やがてスライダ230の先端234は、図7(b)に示すように、L型リンク125を、ナット124を支点にして矢印I方向に回転運動させる。
【0034】
この矢印I方向の回転運動によって、上ロッド127が、L型リンク125によってナット126を介して矢印I方向に押され、ナット255を介して上ロッド127から力を受けた可動部材254は、ケース251の中を矢印G方向に移動する。この移動にともなって、図5(a)に示す下ロッド257が、矢印G方向に移動し、その移動が、ナット258を介してレバー271を矢印G方向に変位させる。
【0035】
スイッチ272は、レバー271の矢印G方向の変位を受けて、ドア11をアンロック(解錠)するため、アンロック用電磁石274を制御し、車両1に設けられたストライカ13と図示しないフックとの結合を解除させる。
【0036】
操作者が、ドアハンドル12の取手120を、更に矢印E方向に引くと、ストライカ13とドアロック機構270との結合は、解除されているので、ドア11を開くことができる。
【0037】
操作者が、ドアハンドル12を矢印F方向に戻す、または、取手120から手を離すと、図示しない弾性体の弾性力によってドアハンドル12は、矢印F方向に変位する。このとき、ドアハンドル12の曲面122が、スライダ230の曲面232を矢印B方向に押し戻すので、リンク機構250のバネ256によって矢印H方向に弾性力を受けていた可動部材254は、ナット255、上ロッド127及びナット126を介して、L型リンク125に矢印J方向の弾性力を与える。同時に可動部材254に接続された下ロッド257は、矢印H方向に変位するので、ナット258を介してレバー271は矢印H方向に変位し、スイッチ272は、レバー271の矢印H方向の変位を受けて、ロック用電磁石273を制御して、図示しないフックを磁力によって引き寄せ、ロック準備状態になり、ドア11が閉められたとき、フックが車両1のストライカ13に一度接触して結合し、ドア11がロック(施錠)される。なお、ドアハンドル12を引き、ドア11のロック(施錠)が解除された後は、キー200をキー挿入口211から抜いても、その後の動作は同じである。また、キー200をキー挿入口211に挿入したままドア11を閉めたとき、本実施の形態においては、ドア11はロック(施錠)されるが、これに限定されず、ドア施解錠機構部25は、周知の方法を用いて変更することができる。
【0038】
(効果)
上記した実施の形態によると、IDの数を容易に増やすことができ、また、構造的に「ピッキング」及び「こじ開け」等をされにくいため、防犯性に優れている。また、IDピン206の長さLの違いによって、複数のIDを作ることができるので、キー200の作製が容易になる。
【0039】
なお、本発明は、上記の実施の形態によって限定されず、また車両以外の用途にも適用でき、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形が可能であるのは、言うまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るドア施解錠装置の概略図である。
【図3】(a)は、本発明の実施の形態に係るキーの斜視図であり、(b)は、本発明の実施の形態に係るIDピンの斜視図であり、(c)は、本発明の実施の形態に係るIDピンを組付けた後のキーの斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るスライダの概略図である。
【図5】(a)は、本発明の実施の形態に係るリンク機構の概略図であり、(b)は、本発明の実施の形態に係る図5(a)のA−A線断面図である。
【図6】(a)は、本発明の実施の形態に係るドアハンドルを引く前のドア施解錠装置の概略図であり、(b)は、本発明の実施の形態に係るドアハンドルを引いた後のドア施解錠装置の概略図である。
【図7】(a)は、本発明の実施の形態に係るドアハンドルを引く前のドア施解錠装置の概略図であり、(b)は、本発明の実施の形態に係るドアハンドルを引いた後のドア施解錠装置の概略図である。
【符号の説明】
【0041】
1…車両
2…ドア施解錠装置
10…車両本体
11…ドア
12…ドアハンドル
13…ストライカ
20…照合部
25…ドア施解錠機構部
120…取手
121…側面
122…曲面
123…凸部
124…ナット
125…型リンク
126…ナット
127…上ロッド
200…キー
201…キー本体
201a…取手
202…凹部
203…凸部
204…固定ピン穴
205…固定ピン
206…IDピン
206a…先端
207…固定ピン穴
210…スリーブ
211…キー挿入口
212…シャッター
213…凹部
214…底面
215…側面
216…ピン開口
217…ピン穴
218…開口
220…バネ
221…バネ
230…スライダ
231…側面
232…曲面
233…底面
234…先端
235…ロックピン開口
236…凹部
240…ロックピン
241…ピン
242…突出部
250…リンク機構
251…ケース
252…スリット
253…開口
254…可動部材
254a…空洞
255…ナット
256…バネ
257…下ロッド
258…ナット
270…ドアロック機構
271…レバー
272…スイッチ
273…ロック用電磁石
274…アンロック用電磁石
A〜J…矢印
W…幅




【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のIDを有し、前記所定のIDを生成する複数のIDピンを有するキーと、
前記キーが挿入され、挿入方向の面にピン開口が設けられたキー挿入口、及び、前記ピン開口が貫通する側面を有する凹部を設けたスリーブと、
前記スリーブの前記凹部に挿入され、前記ピン開口に対向する位置にロックピン開口を有するスライダと、
前記ロックピン開口に挿入されるとともに前記スリーブの前記ピン開口にも挿入され、前記スライダを前記スリーブに固定するロックピンと、
前記ロックピンと接触し、前記キー挿入口内に突き出るように前記ピン開口に挿入され、前記キーの有する前記所定のIDに基づいた長さを有するピンと、
を備え、
前記キーが前記キー挿入口に挿入され、前記IDピンと前記ピンが接触し、前記ピンを介して前記ロックピンが挿入方向に押されることによって所定のIDが照合され、前記ロックピンによる前記スライダ及び前記スリーブの固定が解除されることを特徴とするID照合構造。
【請求項2】
前記IDピンは、挿入方向の長さの違いによって複数の前記所定のIDを生成することを特徴とする請求項1に記載のID照合構造。
【請求項3】
車両のドアに設けられ、リンクを有するドアハンドルと、
前記リンクと前記リンクに接続されたロッドを介して接続されるドアロック機構と、
前記車両に設けられ、前記ドアロック機構と結合することによって前記ドアをロックするストライカと、
請求項1に記載のID照合構造を有するキー装置と、
を備え、
前記キー装置は、前記キーが前記キー挿入口に挿入されて前記所定のIDが照合され、前記スライダの固定が解除され、前記スライダの所定の方向への移動が可能になったとき、前記ハンドルの移動による前記スライダの前記所定の方向への移動によって前記リンクが移動し、
前記ドアロック機構は、前記リンクの移動による前記ロッドの移動に基づいて前記ストライカとの結合、又は、結合解除を制御することを特徴するドア施解錠装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−46922(P2009−46922A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215649(P2007−215649)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】