説明

III族窒化物結晶の製造装置及びそれを用いた製造方法

【課題】GaN単結晶の製造において、実時間で結晶の成長状況を把握して成長条件の最適化を図ることのできる結晶成長装置を提供する。
【解決手段】供給量を可変するバルブを備えた窒素源13から供給される窒素をフローライン3aにより結晶成長容器2が内蔵された耐圧容器1に流し込みIII族窒化物結晶を製造するIII族窒化物結晶製造装置であって、前記結耐圧容器1に前記窒素が流入する側の前記フローライン3aに設けられた前記窒素の流量を検出するための第1の流量計6aと、前記耐圧容器1に前記窒素が流出する側の前記フローライン3bに設けられた流量を検出するとともに流出量を可変するバルブとを備えた第2の流量計6bと、前記第1と第2の流量計6a、6bとの流量差を予め与えた値と一致するように前記窒素源13と前記第2の流量計6bのバルブを操作する圧力制御手段とを備えたIII族窒化物結晶の製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、III族窒化物結晶の製造装置及びそれを用いた製造方法に関するものであ
る。特に、ナトリウムフラックス法を用いて、良質なGaN結晶を得ることができる結晶成長装置とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、III族窒化物結晶、特に窒化ガリウム(GaN)結晶は、ヘテロ接合高速電子
デバイス、発光ダイオード(LED)およびレーザーダイオード(LD)など半導体デバイスへの需要が急拡大している。LDやLED等のGaN系デバイスの基板は、通常、サファイアが用いられ、同基板上に気相エピタキシャル成長法を用いてGaNをヘテロエピタキシャル成長させることによって形成されている。
【0003】
しかしながら、サファイア等の異種基板上にGaNを成長させた場合、格子定数や熱膨張係数が異なるため、成長したGaN結晶中に多くの格子欠陥が発生し、寿命や発光効率などのデバイス特性が低下するという問題が生じやすい。したがって、GaN単結晶基板上にGaNをホモエピタキシャル成長させることで良質の結晶を作製し、デバイス特性を改善させる試みがなされている。GaN単結晶基板は、GaN単結晶インゴットをスライス、研磨することにより得られる。
【0004】
このGaN単結晶インゴットの成長方法として、水素化物気相成長(HVPE)法などの気相成長の他に、近年、ナトリウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を用いたナトリウムフラックス法と呼ばれる液相成長(LPE)法が注目されている。これは、ナトリウム等のアルカリ金属溶液中で、ガリウムと窒素ガスやアンモニア等の窒素源を数十気圧、数百度で反応させ、GaN単結晶を得る方法である。ここで、フラックスとしてナトリウム、窒素源として窒素ガスを用いた場合、その反応機構は次のように考えられている。電気陰性度の小さいナトリウムから、窒素分子の反結合性軌道に電子が移動し、従来安定な窒素分子の結合力が低下する。この結果、ナトリウム―ガリウム混合融液中に窒素が原子状態で溶解し、ガリウムと原子状窒素が反応しGaNを生成する。生成したGaNが溶液中で過飽和となり、GaN結晶として析出するという機構である。本方法は、熱平衡に近い機構で結晶成長が進行していくため、前述の気相法に比べ、転移等の欠陥が比較的少ない高品質のGaN単結晶が得られる。
【特許文献1】特開2005−335983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成であるナトリウムフラックス法では、数十気圧の高圧と数百度の高温の下で反応が進行するため、耐圧耐熱性の高い金属製圧力容器を使用せねばならない。ところが、金属製圧力容器の内部を外側から直接観察することができず、その成長条件は経験的なパラメーターに基づいて定められていた。このため、結晶成長の初期、中期、末期で結晶成長の状況を把握してコントロールすることができないため、結晶インゴットの厚み方向でインクルージョンと呼ばれる不純物の取込み欠陥が生じるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ナトリウムフラックス法を用いるGaN単結晶の製造において、実時間で結晶の成長状況を把握して成長条件の最適化を図ることのできる結晶成長装置とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のIII族窒化物結晶の製造装置は、供給量を
可変するバルブを備えた窒素源から供給される窒素をフローラインにより結晶成長容器が内蔵された耐圧容器に流し込みIII族窒化物結晶を製造するIII族窒化物結晶製造装
置であって、前記結耐圧容器に前記窒素が流入する側の前記フローラインに設けられた前記窒素の流量を検出するための第1の流量計と、前記耐圧容器に前記窒素が流出する側の前記フローラインに設けられた流量を検出するとともに流出量を可変するバルブとを備えた第2の流量計と、前記第1と第2の流量計との流量差を予め与えた値と一致するように前記窒素源と前記第2の流量計のバルブを操作する圧力制御手段とを備えたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のIII族窒化物結晶の製造装置及び製造方法によれば、実時間で結晶の成長状
況を把握できるので、結晶成長条件の最適化を図ることが可能となる。すなわち、単一の結晶インゴットにおいて、結晶の厚み方向において非常に均質なインゴットを製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明のIII族窒化物結晶の製造装置及びそれを用いた製造方法に関する実
施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1に、本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造装置を示す。耐圧容器1、耐圧容器
1内に設けられた結晶成長容器2、窒素源フローライン3、ヒーター4、排気ポンプ5からなり、窒素源フローライン3のイン側、アウト側各々に流量計6が具備されている。耐圧容器1はステンレス等の金属材料から構成され、本プロセスの常用圧である数十気圧から百気圧程度までの耐圧性を有する。ヒーター4は、耐圧容器1内部に設置され、本プロセスの常用温度である数百度から千度程度までの加熱性能を有し、高圧下においても本製造装置の温度を精密に制御できるものを使用する。排気ポンプ5は、結晶成長前における結晶成長容器2内の真空ベークに使用されるものである。結晶成長容器2内へのオイル成分等の飛散防止のためには、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ等のオイルフリーポンプを使用することが望ましい。窒素源フローライン3は、III族窒化物結晶が成長する坩
堝10内にその窒素源を供給し、また装置の加圧にも用いられるものであるが、窒素源としては、窒素ガス、アンモニアガス等があげられる。
【0011】
図2に示すように、結晶成長容器2はインコネル等の耐熱性金属材料から構成され、さらにその内部にアルミナ坩堝10が備えられている。坩堝の構成素材としてアルミナの他に、サファイア、窒化ホウ素、ジルコニアなどを用いることができる。
【0012】
アルミナ坩堝10の内部には、III族窒化物結晶の種結晶9があり、その上部をナト
リウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属7、又はガリウム等のIII族元素8の化
合物で覆われている。ナトリウムは、他のアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはその混合物でもよく、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が用いられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等を用いることができる。また、III族元素8としては、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ホウ素もしくはその混合物等を用いることができる。また、ドーパント11としてゲルマニウム、マグネシウムもしくはシリコン等を坩堝内にあらかじめ添加しておくこともできる。
【0013】
さて、III族窒化物結晶の生成は、次式に示すようにIII族元素8と窒素源ガスの
反応によるものである。Ga+1/2N2→GaN したがって、III族窒化物結晶の
生成に比例して窒素源ガスは消費される。図3に、種結晶として直径2インチのGaN基板を3枚仕込んだ場合における、窒素ガス流量差と結晶成長速度の関係を示す。図3の縦軸は結晶成長速度で横軸は流量差である。窒素ガス流量差は、図1で示した窒素源フローライン3のイン側とアウト側に各々接続した流量計6aと6bとの流量差を測定して求めたものである。ここで、GaNの密度6.1g/cm3、GaNの分子量69.72、窒素の原子量14.01より、GaN中の窒素原子の密度は1.02g/cm3となる。すなわち、図3で示すように、窒素ガス流量差とGaN結晶の成長速度とは正比例の関係が有るので、予めこの関係を求めれば、窒素ガス流量差を制御することで、GaN結晶の成長速度を制御することが出来る。
【0014】
本発明はこの原理を利用したものであり、従来経験的に行われてきたアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いるIII族窒化物結晶の成長状況を把握し、成長条件の最適化を図
ることができる。また、これにより、単一の結晶インゴットにおいて、成長初期、成長中期、成長末期で成長状況を把握、コントロールできるため、結晶の厚み方向において均質なインゴットを製造することができる。
【0015】
本実施例では、図3の値を用いて、2インチ基板3枚の表面積を58.89cm2とし、標準状態(0度、1気圧)での値を算出した。具体的な装置の構成を図4に示す。バルブにより供給量が可変できる窒素源13を用意し、この窒素源13から耐圧容器1に供給するフローラインのイン側にバルブ付きの流量計6aを設置する。また、耐圧容器1から流出するフローラインのアウト側にバルブ付きの流量計6bを設け、この流量計6aと6bとの流量差を、例えばワークステーションを用いて測定し、その流量差が予め設定された値と同一になるように、流量計6aと6bのバルブを制御する指示を圧力制御系に送る。圧力制御系は、ワークステーションからの指示に従い流量計6aと6bのバルブの操作を行う。また、結晶成長の期間によって、予め設定された値を変えるような流量差プロファイルがある場合には、ワークステーションは、そのプロファイルに応じて流量計6aと6bのバルブの操作を行う。
【0016】
ここで、インアウトの流量計6a、6b間に用いる部材においては、窒素吸着性がないものを使用することでより正確に結晶の成長状況を把握することができる。部材が窒素吸着性を有する場合においては、窒素が結晶成長だけではなく部材への吸着にも消費されるため、成長速度の正確な評価の妨げとなる。しかしながら、事前に前記部材を表面窒化処理しておくことにより、前記部材の窒素吸着による窒素の消費を防止できる。部材の窒化条件は、結晶成長に使用するガスと同種のものを使用し、処理温度、圧力は成長条件と同程度かそれ以上が好ましい。窒化条件が不十分である場合、結晶成長中に部材の窒化が起こりうるため、前記条件で十分に処理することが必要である。これにより、結晶成長時における部材の窒素吸着をより厳密に防止することができる。
【0017】
(実施の形態2)
次に、本発明のIII族窒化物結晶の製造装置の他の実施の形態を、図5に示す。第1
の実施の形態と異なるのは、バルブ付き窒素源14が追加されたことである。また、第1の実施の形態で使用されたバルブ付き窒素源13は、バルブ無し窒素源13に変更されている。すなわち、結晶成長容器2のみに独立に接続された窒素源13と、耐圧容器1に対しては加圧用ガスラインとして接続された窒素源12とに、分離して窒素源が設けられている。これにより、窒素源ガスが耐圧容器1を介さず直接結晶成長容器2に供給されるため、窒素源ガス中に不純物が混入する危険性を低減できる。
【0018】
(実施の形態3)
次に、本発明のIII族窒化物結晶の製造装置の他の実施の形態を図6に示す。第1の
実施の形態と異なるのは、耐圧容器1の内部に流量計6aと6bとを設置したことにある。このように、イン、アウトの流量計間の距離を短くすると、流量計間に存在する構成部材の量が減少し、部材窒化による窒素消費が生じる可能性を低減できる。
【0019】
(実施の形態4)
次に、本発明の第4の実施の形態を詳細に説明する。III族窒化物結晶の製造方法に
ついて説明する点が、第1から第3の実施の形態と異なる。
【0020】
本製造方法は先に説明した製造装置を用いて実施するものであり、次の5工程から構成される。(1)装置ベーキング工程(2)材料仕込み工程(3)加圧、加熱、揺動工程(4)成長工程(5)結晶取出し工程である。各工程を以下に説明する。
【0021】
(1)の装置ベーキング工程を説明する。本製造方法は、非常に酸化しやすいアルカリ金属、アルカリ土類金属を使用する。したがって、事前に装置のベーキングを実施することにより、装置内に存在する水分や酸素を除去し、前記金属の酸化を防ぐ狙いがある。まず、製造に用いる結晶成長容器2、アルミナ坩堝10等を耐圧容器1内に装填する。装置に具備されたターボ分子ポンプ5を用い、数時間装置の真空引きを行うことで装置内に残存する空気を排除し、装置内を真空状態にする。装置に具備されたヒーター4にて装置を加熱し、加熱下さらに数時間真空引きをする。装置を冷却後、装置内に窒素ガスを導入し常圧に戻す。
【0022】
(2)の材料仕込み工程について説明する。本工程は、アルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化を防ぐため、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガスで置換されたグローブボックス内にて実施することが望ましい。まず、アルミナ坩堝10に種結晶9として窒化ガリウム単結晶、アルカリ金属7としてナトリウム、III族元素8としてガリウムを入れる
。次に、この坩堝10を結晶成長容器2にいれ、結晶成長容器2の蓋をした後、ボルトを用い所定のトルクで蓋を固定する。本結晶成長容器2をグローブボックスから取り出し、耐圧容器1に装填し、耐圧容器1の蓋をした後、ボルトを用い所定のトルクで耐圧容器1の蓋を固定する。ここで、ナトリウムの他に、アルカリ金属としてリチウム、カリウム等が用いられ、アルカリ土類金属としてベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等を用いることができる。また、III族元素8としてはガリウムの他
に、アルミニウム、インジウム、ホウ素もしくはそれらの混合物等を用いることもできる。また、ドーパント11としてゲルマニウム、マグネシウムもしくはシリコン等を坩堝内にあらかじめ添加しておくこともできる。また、坩堝材として、アルミナの他にサファイア、窒化ホウ素、ジルコニアもしくはイットリアを用いることもできる。
【0023】
(3)の加圧、加熱、揺動工程について説明する。窒素源ガスを供給する窒素ボンベのバルブを開け、装置圧力を35気圧に昇圧する。昇圧後、ヒーターを用い850度に加熱する。加圧、加熱工程の順序は前記の限りではなく、加熱の後加圧を行ってもよく、また、加圧と加熱を同時並行で行ってもよい。また、装置圧力、温度は、前記値に限定されるものではなく、使用する原料の仕込み量、成長条件に合わせて任意に調整することができる。次に、前記圧力、温度に到達した後、装置を一軸方向に装置を揺動させる。揺動は、坩堝内の融液に適度な流れをおこし、結晶成長を促進させるために行うものである。なお、融液に流れをおこす方法は上記限るものではなく、坩堝内に攪拌プロペラを設置する方法、坩堝自身を回転させる方法あるいは坩堝内に温度勾配を与え、熱対流を起こす方法などがある。
【0024】
(4)の成長工程について説明する。窒素源フローライン3のイン側流量計6aとしてマスフローコントローラーを、アウト側流量計6bとしてマスフローメーターを設置する。窒素源フローライン3のイン側から200sccmの窒素ガスを流し、イン側アウト側の流量差、すなわち窒素ガスの消費量を測定し、この値からGaN単結晶の成長速度を算出する。成長速度が一定となるよう装置圧力を適宜漸増しながら150時間結晶を成長させる。成長速度を一定にすることは、得られる結晶インゴットの品質を一定にする上で非常に重要である。成長速度が経時で異なる場合、例えば過剰に速い成長速度の場合には、ナトリウムなどの不純物が結晶中に取り込まれ、インクルージョンと呼ばれるマクロ欠陥や転移欠陥等の原因となる。したがって、一定かつ適切な成長速度で結晶を成長させることで、成長初期から成長末期まで均質に成長した品位の高い結晶インゴットが得られる。しかしながら、高温、高圧下で成長反応を行うため、肉厚な金属製圧力容器、結晶成長容器を使用せねばならず、従来の方法では、結晶の成長状況を観察、把握することができなかった。したがって、適切な成長条件で結晶を製造することができず、前記のような結晶欠陥が結晶インゴット内に多数存在していた。本発明は、そのような課題を解決するものであり、窒素源フローライン3のイン側アウト側各々に流量計6を設置し、結晶成長に伴い消費される窒素を検出し、結晶成長速度に換算、成長状況をリアルタイムで把握するものである。把握した結晶成長速度を基に、温度圧力等の結晶成長条件を成長状況にあわせ随時最適化し、良質な結晶インゴットを得るものである。原料であるガリウムは、結晶成長に伴い消費されるため、成長開始直後は高濃度で存在し、経時的にその濃度は減少する。したがって、結晶成長速度は成長開始直後においては非常に速く、ガリウム濃度の減少にしたがい低下する。したがって、成長開始直後は雰囲気圧力を比較的低く抑え、徐々に圧力を漸増させることで、検出している成長速度を一定にし、均質なインゴットを得ることが可能となる。また、本結晶成長は、熱平衡に近いプロセスで進行するものである。したがって、原料濃度が比較的高く成長速度が速い成長初期は温度を比較的高く設定し、GaNの析出、すなわち結晶成長速度を抑え、徐々に温度を漸減させることでも、成長速度を一定にし、均質なインゴットを得ることが可能となる。また、当然ながら、圧力と温度の両方を制御しても良い。
【0025】
(5)の結晶取り出し工程について説明する。装置を冷却した後、装置を常圧に戻し結晶成長容器2を耐圧容器1から取り出す。次に、アルミナ坩堝10を結晶成長容器2から取り出し、エタノールに浸漬することでナトリウムを除去し、GaN単結晶インゴットを得る。本実施例では、GaN単結晶の製造方法について説明したが、それに限るものではなく、高温高圧下で結晶製造をおこなうフラックス法全般において本発明は適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造装置及びそれを用いた製造方法は、III族
窒化物結晶の製造において、結晶インゴットの厚み方向において均質な製品を製造することができるため、GaN単結晶の製造装置および製造方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1におけるIII族窒化物結晶の製造装置の図
【図2】本発明の実施の形態1における坩堝の図
【図3】本発明の実施の形態1における窒素源ガス流量差と結晶成長速度の関係を示す図
【図4】本発明の実施の形態1におけるIII族窒化物結晶の製造装置の図
【図5】本発明の実施の形態2におけるIII族窒化物結晶の製造装置の図
【図6】本発明の実施の形態3におけるIII族窒化物結晶の製造装置の図
【符号の説明】
【0028】
1 耐圧容器
2 結晶成長容器
3a窒素源フローライン(イン側)
3b窒素源フローライン(アウト側)
4 ヒーター
5 排気ポンプ
6a流量計(イン側)
6b流量計(アウト側)
7 アルカリ金属、アルカリ土類金属
8 III族元素
9 種結晶
10アルミナ坩堝
11ドーパント
12加圧用ガスライン
13窒素源ボンベ
14加圧用ガスボンベ
15圧力調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給量を可変するバルブを備えた窒素源から供給される窒素をフローラインにより結晶成長容器が内蔵された耐圧容器に流し込みIII族窒化物結晶を製造するIII族窒化物結晶製造装置であって、
前記結耐圧容器に前記窒素が流入する側の前記フローラインに設けられた前記窒素の流量を検出するための第1の流量計と、
前記耐圧容器に前記窒素が流出する側の前記フローラインに設けられた流量を検出するとともに流出量を可変するバルブとを備えた第2の流量計と、
前記第1と第2の流量計との流量差を予め与えた値と一致するように前記窒素源と前記第2の流量計のバルブを操作する圧力制御手段とを備えたIII族窒化物結晶の製造装置。
【請求項2】
第1の窒素源と供給量を可変するバルブを備えた第2の窒素源との両方から供給される窒素をフローラインにより結晶成長容器が内蔵された耐圧容器に流し込みIII族窒化物結晶を製造するIII族窒化物結晶製造装置であって、
前記結耐圧容器に前記窒素が流入する側の前記フローラインに設けられた前記窒素の流量を検出するための第1の流量計と、
前記耐圧容器に前記窒素が流出する側の前記フローラインに設けられた流量を検出するとともに流出量を可変するバルブとを備えた第2の流量計と、
前記第1と第2の流量計との流量差を予め与えた値と一致するように前記第2の窒素源と前記第2の流量計のバルブを操作する圧力制御手段とを備えたIII族窒化物結晶の製造装置。
【請求項3】
供給量を可変するバルブを備えた窒素源から供給される窒素をフローラインにより結晶成長容器が内蔵された耐圧容器に流し込みIII族窒化物結晶を製造するIII族窒化物結晶製造装置であって、
前記耐圧容器内で前記結晶成長容器に前記窒素が流入する側の前記フローラインに設けられた前記窒素の流量を検出するための第1の流量計と、
前記耐圧容器内で前記結晶成長容器に窒素が流出する側の前記フローラインに設けられた流量を検出するための第2の流量計と、
前記耐圧容器内のガスを流出させるためのバルブを備えた排気管と、
前記第1と第2の流量計との流量差を予め与えた値と一致するように前記窒素源と前記排気管とのバルブを操作する圧力制御手段とを備えたIII族窒化物結晶の製造装置。
【請求項4】
前記III族窒化物結晶は、窒化ガリウムである請求項1から3に記載のIII族窒化物結晶の製造装置。
【請求項5】
前記フローラインの内部表面が、窒化処理されている請求項1から3に記載のIII族窒化物結晶の製造装置。
【請求項6】
前記フローラインの内部表面が、窒化化合物および窒素吸着しない材料から構成されている請求項1から3に記載のIII族窒化物結晶の製造装置。
【請求項7】
窒素ガスの供給量を可変するバルブを備えた窒素源から供給される窒素をフローラインにより結晶成長容器が内蔵された耐圧容器に流し込みIII族窒化物結晶を製造するIII族窒化物結晶の製造方法であって、
前記フローラインにおける前記結晶成長容器に前記窒素が流入する流入量を検出する流入量検出ステップと、
前記フローラインにおける前記結晶成長容器から前記窒素が流出する流出量を検出する流出量検出ステップと、
前記流入量と前記流出量との差である流量差を演算する流量演算ステップと、
前記流量差を一定にするように前記耐圧容器の圧力を調整する圧力調整ステップとからなるIII族窒化物結晶の製造方法。
【請求項8】
前記III族窒化物結晶は、窒化ガリウムである請求項7に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−263169(P2009−263169A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115058(P2008−115058)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】