説明

ITシステムの構成監視方法および構成監視装置と構成監視プログラム

【課題】ハードウェアの冗長構成や関連するソフトウェアをインストールしたハードウェア間の相互関係を的確に把握できるようにする。
【解決手段】対応関係抽出手段AによりITシステム11のノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、冗長構成もしくはクラスタ構成を形成するハードウェアの対応関係、ならびに、冗長構成もしくはクラスタ構成を形成するソフトウェアをインストールしたハードウェアの対応関係を抽出して対応関係記憶データベースBに記憶させ、各ハードウェアのシンボルおよび直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインをフレームメモリDに生成し、表示態様設定手段Eおよび表示制御手段FによりディスプレイGに表示してハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係のあるシンボルをグループ化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ITシステムの構成監視方法および構成監視装置と構成監視プログラムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ITシステムにインストールされた構成要素、すなわち、ソフトウェアやハードウェア等の所謂CI(configuration item)同士の関連を把握する技術としては、SNMP(Simple Network Management Protocol)等の標準プロトコルを利用して構成要素間の依存関係を検知し、これらの情報をCCMDB(IBM Tivoli Change and Configuration Management Database)等のデータベースに記憶し、CCMDBの内容を解析して構成要素間の関連を可視的に表示するものが公知である。
【0003】
更に、その応用技術である特許文献1の構成要素管理方法においては、複数の構成要素のクラスタ構成を解析し、複数の構成要素の組み合わせから成る新たな機能を有する新規の構成要素の存在を確認して、これらの構成要素の纏まりを其の属性に見合った新たな属性で管理するための仮想CIを生成する技術が提案されている。
【0004】
しかし、何れのものも、ハードウェアの使用関係やソフトウェア同士の相互関連を管理するに過ぎず、ハードウェアの冗長構成や関連するソフトウェアをインストールしたハードウェア間の相互関係を把握するには至っておらず、構成要素間のクラスタ構成や冗長構成の把握が困難であり、障害が発生して初めて重要な構成要素がシングル構成だったことが分かるといったような場合もあった。
特に、発生した障害を復旧する目的でITシステムの構成を変更した場合や、セキュリティパッチ・サービスパック等を適用して構成要素の一種であるソフトウェアに変更を加えたような場合にあっては、オペレータが手動でシステム構成の更新を把握することが困難となる問題がある。
【0005】
なお、ハードウェアを冗長的な構成としてリスクの分散を行なう点に関しては例えば特許文献2に開示されるように周知の事項であり、また、複数の構成要素を組み合わせて新たな機能を有する新規の構成要素を生成するといった点についても、所謂クラスタ化や分散処理の概念として既に公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−169860号公報(段落0002−0004,0037)
【特許文献2】特開2002−23893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、ハードウェアの冗長構成や関連するソフトウェアをインストールしたハードウェア間の相互関係を的確に把握することのできるITシステムの構成監視方法および構成監視装置と構成監視プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のITシステムの構成監視方法は、ITシステム内にインストールされたハードウェア間の相互関係およびハードウェアとソフトウェア間の相互関係を分析してディスプレイに可視表示するITシステムの構成監視方法であり、前記目的を達成するため、特に、
前記ITシステムに接続した監視用コンピュータが、前記ITシステムのノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、前記呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、前記呼び出したハードウェアと直接的に接続する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、および、前記呼び出したハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、ならびに、前記呼び出したハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係を求めて前記監視用コンピュータの対応関係記憶データベースに記憶させた後、
前記監視用コンピュータが、前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係に基いて、前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをフレームメモリの仮想2次元座標上に非重複状態で配置し、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインを前記フレームメモリに記憶させると共に、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化し、かつ、前記対応関係記憶データベースに記憶されたソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記ラインの表示属性を選択し、
前記フレームメモリに記憶された前記シンボルおよびラインの位置とグループ化の情報および選択されたラインの表示属性に基いて前記シンボルとラインおよびグループ化の情報をディスプレイ上に可視表示することを特徴とした構成を有する。
【0009】
また、本発明におけるITシステムの構成監視装置は、ITシステム内にインストールされたハードウェア間の相互関係およびハードウェアとソフトウェア間の相互関係を分析してディスプレイに可視表示するITシステムの構成監視装置であり、前記と同様の目的を達成するため、特に、
前記ITシステムのノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、前記呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、前記呼び出したハードウェアと直接的に接続する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、および、前記呼び出したハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、ならびに、前記呼び出したハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係を求めて構成監視装置内の対応関係記憶データベースに記憶させる対応関係抽出手段と、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係に基いて、前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルを構成監視装置内のフレームメモリの仮想2次元座標上に非重複状態で配置し、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインを前記フレームメモリに記憶させる表示データ生成手段と、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化し、かつ、前記対応関係記憶データベースに記憶されたソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記ラインの表示属性を選択する表示態様設定手段と、
前記フレームメモリに記憶された前記シンボルおよびラインの位置と前記表示態様設定手段で設定されたグループ化の情報およびラインの表示属性に基いて前記シンボルとラインおよびグループ化の情報をディスプレイ上に可視表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とする構成を有する。
【0010】
また、本発明におけるITシステムの構成監視プログラムは、前記と同様の目的を達成するため、
ITシステムに接続された監視用コンピュータのマイクロプロセッサを、
前記ITシステムのノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、前記呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、前記呼び出したハードウェアと直接的に接続する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、および、前記呼び出したハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、ならびに、前記呼び出したハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係を求めて前記監視用コンピュータの対応関係記憶データベースに記憶させる対応関係抽出手段、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係に基いて、前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルを前記監視用コンピュータのフレームメモリの仮想2次元座標上に非重複状態で配置し、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインを前記フレームメモリに記憶させる表示データ生成手段、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化し、かつ、前記対応関係記憶データベースに記憶されたソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記ラインの表示属性を選択する表示態様設定手段、および、
前記フレームメモリに記憶された前記シンボルおよびラインの位置と前記表示態様設定手段で設定されたグループ化の情報およびラインの表示属性に基いて前記シンボルとラインおよびグループ化の情報をディスプレイ上に可視表示する表示制御手段として機能させることを特徴とした構成を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のITシステムの構成監視方法および構成監視装置と構成監視プログラムは、ITシステムのノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、直接的に接続するハードウェアの対応関係、および、冗長構成もしくはクラスタ構成を形成するハードウェアの対応関係、ならびに、冗長構成もしくはクラスタ構成を形成するソフトウェアをインストールしたハードウェアの対応関係を抽出し、各ハードウェアのシンボルおよび直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインをディスプレイに表示し、更に、ハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いてハードウェアのシンボルをグループ化すると共に、ソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いてラインの表示属性を変更するようにしたので、ディスプレイを参照するだけでハードウェアの冗長構成や関連するソフトウェアをインストールしたハードウェア間の相互関係を的確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した一実施形態のITシステムの構成監視装置として機能する監視用コンピュータの構成の概略について示したブロック図である。
【図2】同実施形態の監視用コンピュータの構成について簡略化して示した機能ブロック図である。
【図3】同実施形態のITシステムを構成する各種のハードウェアの電気的な接続関係を簡略化して示した概念図である。
【図4】同実施形態のITシステムのハードウェアの配置状況について示した概念図である。
【図5】同実施形態の監視用コンピュータによって実行される構成監視プログラムを簡略化して示したフローチャートである。
【図6】構成監視プログラムを簡略化して示したフローチャートの続きである。
【図7】構成監視プログラムを簡略化して示したフローチャートの続きである。
【図8】構成監視プログラムを簡略化して示したフローチャートの続きである。
【図9】同実施形態の監視用コンピュータが備える対応関係記憶データベースの論理的な構成例について一例を示した概念図である。
【図10】同実施形態の監視用コンピュータにおけるディスプレイ表示の一例について示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態について一例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明を適用した一実施形態のITシステムの構成監視装置として機能する監視用コンピュータ1の構成の概略について示したブロック図である。
【0015】
図1に示される通り、この監視用コンピュータ1は、通常のワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等によって構成されるもので、図1に示される通り、演算処理用のマイクロプロセッサ2(以下、単にCPU2という)と、CPU2の基本的な制御プログラムを格納したリード・オンリー・メモリ3(以下、単にROM3という)と、各種のパラメータ等を記憶するための不揮発性メモリ4と、演算データの一時記憶等に利用されるランダム・アクセス・メモリ5(以下、単にRAM5という)と、大容量記憶装置として利用されるハードディスク6と、ネットワークへの接続等に利用されるインターフェイス7を備え、CPU2からの入出力回路8には、マン・マシン・インターフェイスとして機能するキーボード9とマウス10およびマシン・マン・インターフェイスとして機能するディスプレイGが接続されている。
【0016】
図2は監視用コンピュータ1の構成について簡略化して示した機能ブロック図、図3はハードウェア間の相互関係およびハードウェアとソフトウェア間の相互関係の分析対象となるITシステム11を構成する各種のハードウェアの電気的な接続関係を簡略化して示した概念図、また、図4は当該ITシステム11のハードウェアの配置状況について示した概念図である。
【0017】
この実施形態のITシステム11は複数のサーバ、例えば、ウェブサーバWeb01,ウェブサーバWeb02,アプリケーションサーバAP01,アプリケーションサーバAP02・・・等をネットワーク12もしくは各ハードウェア同士のインターフェイスを利用して接続して構成される。図3ではネットワーク12とITシステム11の代表的なハードウェアのみを示し、全体的なハードウェアの配置に関しては図4で示している。図4中のWeb01,Web02は何れもウェブサーバ、AP01,AP02,AP03は何れもアプリケーションサーバ、DB01はデータベースサーバ、STO01はストレージ、L2_1,L2_2,L2_3,L2_4は中継機として機能するL2スイッチ、LB01,LB02,LB03,LB04はロードバランサ、UPSは非常電源、また、符号13はこれらのハードウェアを格納するためのラックであり、監視用コンピュータ1は其のインターフェイス7を介してITシステム11のネットワーク12に接続される。
【0018】
図2に示されるように、監視用コンピュータ1は、ITシステム11のノードとなるハードウェア、例えば、ウェブサーバWeb01,Web02やアプリケーションサーバAP01,AP02,AP03等の各々を順に呼び出し、呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、呼び出したハードウェアと電気的に直接的に接続する他のハードウェアと呼び出したハードウェアとの対応関係、および、呼び出したハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアと呼び出したハードウェアとの対応関係、ならびに、呼び出したハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアと呼び出したハードウェアとの対応関係を求めて監視用コンピュータ1の対応関係記憶データベースBに記憶させる対応関係抽出手段Aと、対応関係記憶データベースBに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係に基いて、対応関係記憶データベースBに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルを監視用コンピュータ1のフレームメモリDの仮想2次元座標上に非重複状態で配置し、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインをフレームメモリDに記憶させる表示データ生成手段Cと、対応関係記憶データベースBに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて対応関係記憶データベースBに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化し、かつ、対応関係記憶データベースBに記憶されたソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いてラインの表示属性を選択する表示態様設定手段Eと、フレームメモリDに記憶されたシンボルおよびラインの位置と表示態様設定手段Eで設定されたグループ化の情報およびラインの表示属性に基いてシンボルとラインおよびグループ化の情報をディスプレイG上に可視表示する表示制御手段Fを備える。
【0019】
このうち、対応関係抽出手段A,表示データ生成手段C,表示態様設定手段E,表示制御手段Fの各々は、ハードディスク6にインストールされた構成監視プログラム(図5〜図8参照)と監視用コンピュータ1のCPU2によって構成される。また、対応関係記憶データベースBはハードディスク6の記憶領域の一部を利用して構築され、フレームメモリDはRAM5の記憶領域の一部を利用して構築される。
【0020】
図9は対応関係記憶データベースBの論理的な構成例について一例を示した概念図である。この実施形態ではITシステム11を形成する個々のハードウェアを各ハードウェアに固有のIPアドレスIP(i)を利用して管理しており、ハードウェア間の相互関係およびハードウェアとソフトウェア間の相互関係の分析対象とするノードを構成するハードウェアに関しては其の全てについてIPアドレスIP(i)を予め対応関係記憶データベースBに登録しておくものとする。無論、IPアドレスに代えてノードを構成するハードウェアに固有のMACアドレスを利用しても構わない。
なお、図9では様々な情報が対応関係記憶データベースBに記憶された状態について示しているが、監視用コンピュータ1のCPU2によって「情報収集処理」が実行される前の段階で対応関係記憶データベースBに予め登録されているのは、ノードを構成するハードウェアのIPアドレスIP(i)もしくはMACアドレスの値と、これに対応する識別ID(i)の値と、IPアドレスIP(i)の総数(n)のみである(但しi=1,2,3,・・・n)。識別ID(i)は対応関係記憶データベースB内で1セットのレコードを特定するための値、つまり、データアドレスと同等の値である。
【0021】
次に、図5〜図8のフローチャートを参照して本実施形態におけるITシステムの構成監視方法および構成監視装置として機能する監視用コンピュータ1の処理動作と構成監視プログラムについて具体的に説明する。
【0022】
構成監視装置として機能する監視用コンピュータ1のCPU2は、電源投入後、ユーザによるキーボード9やマウス10の操作によって、ITシステム11を構成するハードウェアの冗長構成や関連するソフトウェアをインストールしたハードウェア間の相互関係を抽出するための「情報収集処理」の実行命令が入力されているか否かの判定処理(ステップs1)、および、抽出されたハードウェアの冗長構成や関連するソフトウェアをインストールしたハードウェア間の相互関係を表示するための「情報出力処理」の実行命令が入力されているか否かの判定処理(ステップs13)を所定周期毎に繰り返し実行しており、これらの実行命令が検出されなければ、一般的なコンピュータと同様に、ハードディスク6にインストールされた各種のアプリケーションプログラムからユーザが選択したプログラムを実行する(ステップs14)。
【0023】
ここで、キーボード9やマウス10の操作により「情報収集処理」の実行命令が入力された場合には、この実行命令がステップs1の判定処理で、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2によって検出される。
【0024】
対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、まず、図9に示されるような対応関係記憶データベースBにアクセスして対応関係記憶データベースBに記憶されている全てのハードウェアのIPアドレスIP(1)〜IP(n)と其の総数nの値を読み込んでRAM5に記憶し(ステップs2)、ノードとして呼び出すハードウェアのIPアドレスIP(i)を特定するための指標iの値を一旦0に初期化した後(ステップs3)、該指標iの値を1インクリメントする(ステップs4)。
【0025】
次いで、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、指標iの現在値が対応関係記憶データベースBに記憶されている全てのハードウェアのIPアドレスIP(i)の総数nの値を超えているか否かを判定する(ステップs5)。
【0026】
ステップs5の判定結果が真となって指標iの現在値がIPアドレスIP(i)の総数nの範囲内にあることが明らかとなった場合には、ノードとして呼び出すべきハードウェアが未だあることを意味するので、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、指標iの値で特定されるIPアドレスIP(i)のハードウェアをターゲットにしてネットワーク12を経由してICMPプロトコル(Internet Control Message Protocol)を送信し(ステップs6)、呼び出すべきハードウェアから応答があるか否か、即ち、呼び出すべきハードウェアが起動しているか否かを判定する(ステップs7)。
【0027】
ここで、呼び出すべきハードウェアから応答がなく、ステップs7の判定結果が真となった場合には、呼び出しの対象としたハードウェアが起動していないことを意味するので、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、ステップs4の処理に移行して指標iの値を改めて1インクリメントし、更新された指標iの現在値で特定されるIPアドレスIP(i)のハードウェアをターゲットにして前記と同様の処理を繰り返し実行し、対応関係記憶データベースBにノードとして登録されている別のハードウェアの呼び出しを試みる(ステップs5〜ステップs7)。
【0028】
一方、呼び出すべきハードウェアから応答があり、ステップs7の判定結果が偽となった場合には、呼び出しの対象としたハードウェアが起動していることを意味するので、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、更に、このハードウェアがSSH(Secure Shell)つまり遠隔コマンドによるログインが可能なものであるか否かを判定する(ステップs8)。
【0029】
ここで、ステップs8の判定結果が偽となった場合、つまり、SSHによるログインが不能な場合にあっては、格別なエージェント機能を利用しない限り、このハードウェアから情報を収集することはできないので、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、このハードウェアからの情報の収集を取り止めてステップs4の処理に移行し、指標iの値を改めて1インクリメントし、更新された指標iの現在値で特定されるIPアドレスIP(i)のハードウェアをターゲットにして前記と同様の処理を繰り返し実行し、対応関係記憶データベースBにノードとして登録されている別のハードウェアの呼び出しを試み(ステップs5〜ステップs7)、そのハードウェアの呼び出しに成功した場合には、前記と同様にして、遠隔コマンドによるログインの可否を判定する(ステップs8)。
【0030】
一方、ステップs8の判定結果が真となった場合、つまり、SSHによるログインが可能な場合には、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、SSHの遠隔コマンドを利用して当該ハードウェアにログオンし(ステップs9)、このハードウェアに保存されている情報を参照して、このハードウェアつまりIPアドレスIP(i)を有するハードウェアの構成情報を、対応関係記憶データベースB内において指標iの現在値で特定される識別ID(i)のレコードに記憶させる(ステップs10)。
【0031】
この実施形態でいう構成情報とは、ハードウェアの情報であるかソフトウェアの情報であるかを問わず、呼び出されたハードウェアそれ自体に密接に関連する情報であり、例えば、ハードウェアの名称つまり「ノード名」と、ハードウェアの構造を特定する「機種」と、このハードウェアに固有の「MACアドレス」(但し、ハードウェアをハードウェアに固有のIPアドレスで管理している場合)と、オペレーションシステムを特定する「OS」と、当該ハードウェアにインストールされているソフトウェアの種別を表す「ソフトウェア」等といったもの(以上、図9参照)、および、このハードウェアつまりIPアドレスIP(i)を有するハードウェアと電気的に直接的に接続する他のハードウェアとIPアドレスIP(i)の当該ハードウェアとの対応関係が此れに相当する。
なお、「背景技術」の欄でも述べた通り、ハードウェア同士の電気的な接続関連を把握する技術に関しては既に公知であり、IPアドレスIP(i)を有するハードウェアと電気的に直接的に接続する他のハードウェアとIPアドレスIP(i)のハードウェアとの対応関係の情報については、ハードウェア同士の接続関連を把握するための情報に過ぎず、既に公知の部分である。
【0032】
次いで、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、IPアドレスIP(i)を有するハードウェアから抽出して対応関係記憶データベースB内の識別ID(i)のレコードに記憶した「ソフトウェア」の項目を参照し、予め定義された特定のソフトウェア、つまり、其れ自体が他のソフトウェアとクラスタ構成を形成するソフトウェア(例えば、トランザクションの一部を実現するためにモジュール化されたプログラムであって当該ソフトウェアをインストールしたハードウェアが必然的に他のハードウェアと直列的な処理を行なうようになるもの等)、もしくは、此のソフトウェアをインストールしたハードウェアが冗長構成を形成するソフトウェア(例えば、負荷分散やリスク軽減のために複数のハードウェアで同等の処理を実行することを前提としたソフトウェア等)であって、例えば、ウェブサーバ運営ソフト,アプリケーションサーバ運営ソフト,データベースサーバ運営ソフト,クラスタソフト等といったものが記憶されているか否かを判定する(ステップs11)。
【0033】
ここで、ステップs11の判定結果が偽となった場合、つまり、予め定義された特定のソフトウェアがIPアドレスIP(i)を有するハードウェアにインストールされていないことが明らかとなった場合には、このハードウェアは専ら他のハードウェアと電気的に接続して情報の遣り取りを行なうだけであって、冗長化やクラスタ化の機能とは格別の関係がないことを意味するので、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、このハードウェアからの更なる情報の収集を取り止めてステップs4の処理に移行し、指標iの値を改めて1インクリメントして、更新された指標iの現在値で特定されるIPアドレスIP(i)のハードウェアをターゲットにして前記と同様の処理を繰り返し実行し、対応関係記憶データベースBにノードとして登録されている別のハードウェアの呼び出しを試み(ステップs5〜ステップs7)、そのハードウェアの呼び出しに成功した場合には、前記と同様にして、遠隔コマンドによるログインの可否を判定し(ステップs8)、ログインが可能であればログインし(ステップs9)、このハードウェアに保存されている情報を参照し、このハードウェアつまりIPアドレスIP(i)を有するハードウェアの構成情報を、対応関係記憶データベースB内において指標iの現在値で特定される識別ID(i)のレコードに記憶させる(ステップs10)。
【0034】
一方、ステップs11の判定結果が真となった場合、つまり、予め定義された特定のソフトウェアがIPアドレスIP(i)を有するハードウェアにインストールされていることが明らかとなった場合には、IPアドレスIP(i)を有する当該ハードウェアが冗長化やクラスタ化の機能と関係していることを意味するので、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、冗長化やクラスタ化に関連する情報を得るために更なる処理を実行する。
【0035】
この場合、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、まず、対応関係記憶データベースB内の識別ID(i)のレコードに記憶した「ソフトウェア」の項目を参照し、このハードウェアつまりIPアドレスIP(i)を有するハードウェアの役割を特定し、その役割を対応関係記憶データベースB内の識別ID(i)のレコードにおける「役割」の欄に記憶させる(ステップs12)。
例えば、ウェブサーバ運営ソフトとウイルスソフトが共に対応関係記憶データベースB内の識別ID(i)のレコードに記憶されていた場合では、ウイルスソフトに比べてウェブサーバ運営ソフトの方が優先度が高いので、このハードウェアの役割はウェブサーバとして認識され、「役割」の欄にはウェブサーバが記憶されることになる。なお、インストールされているソフトウェアの種類や其の組み合わせによってハードウェアの役割をどのように規定するかは予めルールとして定め、構成監視装置として機能する監視用コンピュータ1のハードディスク6に登録しておくものとする。
【0036】
次いで、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、対応関係記憶データベースB内の識別ID(i)のレコードに記憶した「ソフトウェア」の項目からソフトウェアを1つ選択し(ステップs15)、このソフトウェアが前述の予め定義された特定のソフトウェアに相当するものであるか否かを判定する(ステップs16)。
【0037】
そして、ステップs16の判定結果が真となった場合、つまり、選択されたソフトウェアが予め定義された特定のソフトウェアに相当するものであった場合は、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、更に、このハードウェアのミドルウェアに書き込まれている情報を参照して、IPアドレスIP(i)の当該ハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアの識別IDと、IPアドレスIP(i)の当該ハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアの識別IDを求め、IPアドレスIP(i)のハードウェアに関る情報として、対応関係記憶データベースB内において指標iの現在値で特定される識別ID(i)のレコードに記憶させる(ステップs17)。
【0038】
例えば、選択されたソフトウェアがウェブサーバ運営ソフトであった場合には、このソフトウェアをインストールしたIPアドレスIP(i)の当該ハードウェアが冗長構成を有するものであることとIPアドレスIP(i)の当該ハードウェアと共に負荷の分散を行なうための他のウェブサーバの識別IDがミドルウェアに書き込まれているので、これらの値が、IPアドレスIP(i)のハードウェアに関る情報として、対応関係記憶データベースB内において指標iの現在値で特定される識別ID(i)のレコードに記憶されることになる。図4の例では識別ID(i)が1でIPアドレスIP(i)が10.00.11でノード名がWeb01のウェブサーバが、識別ID(i)が2でIPアドレスIP(i)が10.00.12でノード名がWeb02のウェブサーバと負荷分散のための冗長構成を形成しているので、仮に、この時点において、対応関係記憶データベースBにおける識別ID(i)の値が1のレコードの「ソフトウェア」の項目からウェブサーバ運営ソフトが選択されているとすれば、図9に示されるような対応関係記憶データベースBにおける識別ID(i)=1の「冗長構成」の欄に冗長構成の意味合いを特定する「負荷分散」の名称が記憶され、また、識別ID(i)=1の「関連要素」の欄には、ウェブサーバWeb01と共に「負荷分散」の「冗長構成」を形成するノード名がWeb02のウェブサーバの識別IDの値2が記憶されることになる。以上は一例であり、これと同様に、モジュール化されたソフトウェアの場合には、このソフトウェアがモジュール化されたプログラムの一部であることと当該ソフトウェアと共にトランザクション実現等のための一連のプログラムの一部を成す他のソフトウェアをインストールした他のハードウェアの識別IDがミドルウェアに書き込まれているので、これらの値が、IPアドレスIP(i)のハードウェアに関る情報として、対応関係記憶データベースB内における指標iの現在値で特定される識別ID(i)のレコードに記憶されることになる。この場合は、「冗長構成」の欄に冗長構成の意味合いを特定する「クラスタ」の名称が記憶され、また、「関連要素」の欄には、当該ソフトウェアと共にトランザクション実現等のための一連のプログラムの一部を構成する他のソフトウェアをインストールした他のハードウェアの識別IDが記憶されることになる。
なお、IPアドレスIP(i)のハードウェアに関る情報としては、この他に、このハードウェアつまりIPアドレスIP(i)を有するハードウェアと電気的に直接的に接続する他のハードウェアとIPアドレスIP(i)の当該ハードウェアとの対応関係を表すための情報として、IPアドレスIP(i)を有する当該ハードウェアと電気的に直接的に接続する他のハードウェアの識別IDが、図9に示されるようにして、対応関係記憶データベースBにおける識別ID(i)「接続先情報」の欄に記憶されることになるが、この点に関しては、「背景技術」の欄でも述べた通り、既に公知である。
【0039】
次いで、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、対応関係記憶データベースB内の識別ID(i)のレコードの「ソフトウェア」の項目に記憶されたソフトウェアが一巡して全て選択されているか否か、つまり、「接続先情報」や「冗長構成」や「関連要素」の有無を調べるべきソフトウェアが他にも残っているか否かを判定し(ステップs18)、残っている場合には、対応関係記憶データベースB内の識別ID(i)のレコードに記憶した「ソフトウェア」の項目から他のソフトウェアを改めて1つ選択し(ステップs15)、前記と同様にして、IPアドレスIP(i)の当該ハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアの識別IDを求め、IPアドレスIP(i)のハードウェアに関る情報として、対応関係記憶データベースB内において指標iの現在値で特定される識別ID(i)のレコードに記憶させる処理を繰り返し実行する(ステップs16〜ステップs17)。
【0040】
そして、ステップs18の判定結果が偽となり、対応関係記憶データベースB内の識別ID(i)のレコードの「ソフトウェア」の項目に記憶されたソフトウェアが一巡して全て選択され、新たに選択すべきソフトウェアが当該ハードウェア内には他に残っていないことが明らかとなると、対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2は、ステップs4の処理に移行して指標iの値を改めて1インクリメントし、更新された指標iの現在値に基いて、ノードを構成する全てのハードウェアに対して前記と同様の処理を繰り返し実行する(ステップs4〜ステップs12,ステップS15〜ステップS18)。
【0041】
そして、最終的にステップs5の判定結果が偽となり、対応関係記憶データベースBに記憶されている全てのハードウェアつまりIPアドレスIP(1)〜IP(n)のハードウェアについての処理が終ると、この「情報収集処理」が完了する。
【0042】
結果の一例を図9の対応関係記憶データベースBに示す。
【0043】
一方、キーボード9やマウス10の操作により「情報出力処理」の実行命令が入力された場合には、この実行命令がステップs13の判定処理で、表示データ生成手段Cとして機能するCPU2によって検出される。
【0044】
表示データ生成手段Cとして機能するCPU2は、まず、対応関係記憶データベースBに記憶されている全ての情報を読み出し(ステップs19)、ハードウェアの識別ID(i)を特定するための指標iの値を一旦0に初期化した後(ステップs20)、該指標iの値を1インクリメントする(ステップs21)。
【0045】
次いで、表示データ生成手段Cとして機能するCPU2は、指標iの現在値が対応関係記憶データベースBに記憶されている全てのハードウェアのIPアドレスIP(i)の総数nの値を超えているか否かを判定する(ステップs22)。
【0046】
ステップs22の判定結果が真となって指標iの現在値がIPアドレスIP(i)の総数nの範囲内にあることが明らかとなった場合には、ディスプレイG上にシンボルを表示すべきハードウェアがあることを意味するので、表示データ生成手段Cとして機能するCPU2は、指標iの値で特定される識別ID(i)のハードウェアつまりIPアドレスIP(i)を有するハードウェアのシンボルをフレームメモリDの仮想2次元座標上に非重複状態つまり以前に表示したシンボルと重複しないようにして配置し、表示制御手段Fとして機能するCPU2が、フレームメモリDに記憶されたシンボルの形状と位置情報とに基いて、識別ID(i)のハードウェアのシンボルをディスプレイG上に表示する(ステップs23)。
【0047】
以下、表示データ生成手段Cおよび表示制御手段Fとして機能するCPU2は、指標iの現在値がIPアドレスIP(i)の総数nの値に達するまでの間、前記と同様にしてステップs21〜ステップs23の処理を繰り返し実行し、対応関係記憶データベースBに記憶されている全てのハードウェアつまりノードを構成する全てのハードウェアを重複させることなくシンボルによってディスプレイG上に表示していく。
【0048】
図10にディスプレイG上に表示されるシンボルの表示態様の一例を示す。但し、この段階で表示されるのは識別ID(i)のハードウェアつまりIPアドレスIP(i)を有するハードウェアを表す「ノード名」と「ノード名」を囲む小さな矩形枠とによって構成されるシンボルのみである。
【0049】
そして、ステップs22の判定結果が偽となり、ノードを構成する全てのハードウェアのシンボル表示が完了したことが確認されると、表示データ生成手段Cとして機能するCPU2が、ハードウェアの識別ID(i)を特定するための指標iの値を改めて0に初期化し(ステップs24)、該指標iの値を1インクリメントする(ステップs25)。
【0050】
次いで、表示データ生成手段Cとして機能するCPU2は、指標iの現在値が対応関係記憶データベースBに記憶されている全てのハードウェアのIPアドレスIP(i)の総数nの値を超えているか否かを判定する(ステップs26)。
【0051】
ステップs26の判定結果が真となった場合、つまり、指標iの現在値がハードウェアのIPアドレスIP(i)の総数nの値を超えていなければ、他のハードウェアとの関連を示すラインや囲み線を表示すべきハードウェアが他にもあることを意味するので、表示データ生成手段Cとして機能するCPU2は、指標iの現在値に基いて、対応関係記憶データベースBに記憶された識別ID(i)のハードウェアと直接的に接続するハードウェアを特定する情報、つまり、対応関係記憶データベースBにおける識別ID(i)のレコードにおける「接続先情報」の欄から情報を読み込み(ステップs27)、この「接続先情報」の欄に識別IDの値が少なくとも1つ記憶されているか否かを判定する(ステップs28)。
【0052】
そして、ステップs28の判定結果が真となり、対応関係記憶データベースBにおける識別ID(i)のレコードにおける「接続先情報」の欄に識別IDの値が記憶されていることが明らかになった場合には、指標iの現在値に対応する識別ID(i)のハードウェアと直接的に接続するハードウェアがあることを意味するので、表示データ生成手段Cとして機能するCPU2は、指標iの現在値で特定される識別ID(i)のハードウェアのシンボルと識別ID(i)のレコードの「接続先情報」の欄から読み出された識別IDに対応するハードウェアのシンボルとをフレームメモリDの仮想2次元座標上でラインによって接続し、表示制御手段Fとして機能するCPU2が、フレームメモリDに記憶されたラインの位置情報に基いて、識別ID(i)のハードウェアのシンボルと識別ID(i)のレコードの「接続先情報」の欄から読み出された識別IDに対応するハードウェアのシンボルとをディスプレイG上でラインによって接続する(ステップs29)。
【0053】
次いで、表示態様設定手段Eとして機能するCPU2は、指標iの現在値に基いて、対応関係記憶データベースBに記憶された識別ID(i)のハードウェアつまりIPアドレスIP(i)を有するハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアやIPアドレスIP(i)を有するハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアを特定する情報、つまり、対応関係記憶データベースBにおける識別ID(i)のレコードにおける「冗長構成」の欄から情報を読み込み(ステップs30)、この「冗長構成」の欄に識別IDの値が少なくとも1つ記憶されているか否かを判定する(ステップs31)。
【0054】
そして、ステップs31の判定結果が真となり、対応関係記憶データベースBにおける識別ID(i)のレコードにおける「冗長構成」の欄に識別IDの値が記憶されていることが明らかになった場合には、指標iの現在値に対応する識別ID(i)のハードウェアと「負荷分散」や「リスク分散」や「クラスタ」のかたちで冗長構成を形成するハードウェアが存在することを意味するので、表示態様設定手段Eとして機能するCPU2は、更に、対応関係記憶データベースBにおける識別ID(i)のレコードにおける「関連要素」の欄から情報を読み込み、この「関連要素」の欄に記憶された識別ID(i)のハードウェアのシンボルと識別ID(i)のレコードにおける「関連要素」の欄から読み出された識別IDに対応するハードウェアのシンボルとをグループ化し、表示制御手段Fとして機能するCPU2が、このグループ化の情報に基いて、グループ化されたシンボルの周りをディスプレイG上で囲み線で表示する(ステップs32)。
【0055】
図10にディスプレイG上におけるグループ化の表示の一例を示す。図9の対応関係記憶データベースBの例では、例えば、識別ID(i)が1でIPアドレスIP(i)が10.00.11でノード名がWeb01のウェブサーバが、識別ID(i)が2でIPアドレスIP(i)が10.00.12でノード名がWeb02のウェブサーバと負荷分散のための冗長構成を形成しているので、小さな矩形枠を伴うWeb01で示されるウェブサーバWeb01のシンボルと小さな矩形枠を伴うWeb02で示されるウェブサーバWeb02のシンボルとが図10に破線で示すようにして囲み線でグループ表示されることになる。
この際、本実施形態にあっては、表示態様設定手段Eとして機能するCPU2が「冗長構成」の種別、つまり、「負荷分散」や「リスク分散」や「クラスタ」といった種別毎に異なる囲み線の表示色を選択するので、ユーザは、ディスプレイGの表示を参照するだけで、グループとして機能するハードウェアが成す「冗長構成」の機能、つまり、負荷分散のための冗長構成であるのかRAID1等のリスク分散のための冗長構成であるのかクラスタのための冗長構成であるのかを容易に識別することができる。
【0056】
一方、ステップs31の判定結果が偽となり、対応関係記憶データベースBにおける識別ID(i)のレコードにおける「冗長構成」の欄に識別IDの値が何ら記憶されていないとが明らかになった場合には、指標iの現在値に対応する識別ID(i)のハードウェアと冗長構成を形成するハードウェアが如何なるかたちでも存在しないことを意味するので、表示態様設定手段Eとして機能するCPU2は、識別ID(i)のハードウェアつまりIPアドレスIP(i)を有するハードウェアがシングル構成であるものと見做し、識別ID(i)のハードウェアつまりハードウェアIPアドレスIP(i)のハードウェアと接続するラインの表示属性としてシングル構成であることを示すための強調表示の属性を再選択し、表示制御手段Fとして機能するCPU2が、この表示属性に基いて、IPアドレスIP(i)を有するハードウェアと接続するラインの表示色を変更してディスプレイG上に更新表示する(ステップs33)。
なお、この実施形態ではラインに加え、シンボルを構成する矩形枠の表示色も併せて強調表示の表示色に変更するようにしている。
【0057】
図10にディスプレイG上におけるラインの強調表示の一例を示す。図9の対応関係記憶データベースBの例では、「冗長構成」の欄に識別IDの値が何ら記憶されていないのは、識別ID(i)が6でIPアドレスIP(i)が10.00.201でノード名がDB01のデータベースサーバと識別ID(i)が9でIPアドレスIP(i)が10.00.55でノード名がSTO01のストレージであるから、これらのハードウェアと接続するラインの表示色、および、DB01やSTO01のシンボルを構成する矩形枠それ自体が、例えば、赤といったような強調表示に変更されることになる。
このように、シングル構成であるハードウェアのシンボルと此れに接続するラインが共に強調表示の属性に対応する色のライン例えば赤等で表示されるので、ユーザは、ディスプレイGの表示を参照するだけで、シングル構成となっているハードウェアを容易に識別することができる。
【0058】
このようにして、対応関係記憶データベースBに記憶された1つのハードウェアに着目して行われるシンボル同士のラインの接続処理とグループ化の状態を視覚化するための囲み線の表示処理および着目したハードウェアがシングル構成であることを示すためのラインやシンボルの強調表示の処理が1つのハードウェアについて終ると、CPU2は、ハードウェアの識別ID(i)を特定するための指標iの値を改めて1インクリメントし(ステップs25)、指標iの現在値が対応関係記憶データベースBに記憶されている全てのハードウェアのIPアドレスIP(i)の総数nの値を超えているか否かを判定し(ステップs26)、超えていなければ、更新された指標iの値に基いて次のハードウェアに関連するデータを対応関係記憶データベースBから読み込み、前記と同様にして、ステップs27〜ステップs32もしくはステップs27〜ステップs31およびステップs33の処理を繰り返し実行する。
【0059】
そして、最終的に、ステップs26の判定結果か偽となり、全てのハードウェアについて、シンボル同士のラインの接続処理とグループ化の状態を視覚化するための囲み線の表示処理および着目したハードウェアがシングル構成であることを示すためのラインやシンボルの強調表示の処理が終ったことが確認された時点で、この「情報出力処理」が完了する。
【0060】
以上に述べた通り、この実施形態では、ITシステム11のノードとなるハードウェアつまりi=1〜nのIPアドレスIP(i)を有するハードウェアの各々を、構成監視装置として機能する監視用コンピュータ1の対応関係抽出手段Aとして機能するCPU2が順に呼び出し、呼び出したハードウェアつまりIPアドレスIP(i)を有するハードウェアに保存されている情報を参照して、“IPアドレスIP(i)を有するハードウェアと直接的に接続する他のハードウェア”と“IPアドレスIP(i)を有するハードウェア”との対応関係(図9中の「接続先情報」で示される関係)、および、“IPアドレスIP(i)を有するハードウェアと冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェア”と“IPアドレスIP(i)を有するハードウェア”との対応関係ならびに“IPアドレスIP(i)のハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェア”と“IPアドレスIP(i)のハードウェア”との対応関係(以上、図9中の「冗長構成」と「関連要素」で示される関係)を抽出して監視用コンピュータ1におけるハードディスク6の記憶領域の一部を利用して構築される対応関係記憶データベースBに記憶させる(ステップs1〜ステップs12,ステップs15〜ステップs18)。
【0061】
そして、対応関係記憶データベースBに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係つまり“識別ID(i)のレコードに記憶されたIPアドレスIP(i)のハードウェア”と“識別ID(i)のレコードの「接続先情報」に記憶されたハードウェアの識別ID”との対応関係に基いて、表示データ生成手段Cとして機能するCPU2が、対応関係記憶データベースBに記憶されているi=1〜nのIPアドレスIP(i)を有するハードウェアの各々を示すシンボルを監視用コンピュータ1のRAM5の記憶領域の一部を利用して構築されるフレームメモリDの仮想2次元座標上に非重複状態で配置すると共に、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインをフレームメモリDに記憶させ、更に、表示態様設定手段Eとして機能するCPU2が、対応関係記憶データベースBに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係つまり“識別ID(i)のレコードに記憶されたIPアドレスIP(i)のハードウェア”と“識別ID(i)のレコードに記憶された「冗長構成」”との対応関係および“識別ID(i)のレコードに記憶されたIPアドレスIP(i)のハードウェア”と“識別ID(i)のレコードの「関連要素」の欄に当該IPアドレスIP(i)のハードウェアにインストールされた各「ソフトウェア」毎に細分化して記憶されたハードウェアの識別ID”との対応関係に基いて、i=1〜nのIPアドレスIP(i)のハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化すると共に、これらの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて、特に、シングル構成のハードウェアに接続するラインの表示属性を目立つ色に変更し、更に、表示制御手段Fとして機能するCPU2が、フレームメモリDに記憶されたシンボルおよびラインの位置と表示態様設定手段Eで設定されたグループ化の情報およびラインの表示属性に基いて、i=1〜nのIPアドレスIP(i)を有するハードウェアの各々の情報をシンボルやグループ化を示す囲み線および冗長化の有無、特に、シングル構成のハードウェアを明確に識別できる表示属性(強調表示)で明確にディスプレイG上に可視表示するようになっている。
【0062】
従って、ユーザは、構成監視装置として機能する監視用コンピュータ1のディスプレイGを参照するだけで、ハードウェアの冗長構成(主に、負荷分散やリスク軽減のためのハードウェアの多重化の構成)や関連するソフトウェアをインストールしたハードウェア間の相互関係(主に、モジュール化されたプログラムで処理を実行するためのハードウェアのクラスタ構成)を的確に把握することができる。
【0063】
特に、この実施形態にあっては、表示態様設定手段Eが「冗長構成」の種別、つまり、「負荷分散」や「リスク分散」や「クラスタ」といった種別毎に異なる囲み線の表示色を選択するようにしているので、ユーザは、ディスプレイGの表示を参照するだけで、グループとして機能するハードウェアが成す「冗長構成」の機能、つまり、負荷分散のための冗長構成であるのかリスク分散のための冗長構成であるのかクラスタのための冗長構成であるのかを容易に識別することができる。
また、シングル構成のハードウェアと接続するラインの表示属性として強調表示の属性を選択すると共に、特に、この実施形態では、シングル構成のハードウェアのシンボルを構成する矩形枠それ自体も強調表示するようにしているので、ユーザは、現在のシステムが冗長構成になっているかどうかを予め容易に確認することができ、冗長構成になっていない機器についてはシステム障害が発生する前に対策を検討することが可能となる。
【0064】
以上に開示した実施形態の一部または全部は、以下の付記に示す記載によって適切に表現され得るが、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。例えば、SSHによるログインが不能なハードウェアやセキュリティポリシー上の問題でセキュアポートの開放ができない場合であっても、エージェント機能を利用してアクセスを実現することで、このハードウェアから必要な情報を収集することが可能となる。
【0065】
〔付記1〕
ITシステム内にインストールされたハードウェア間の相互関係およびハードウェアとソフトウェア間の相互関係を分析してディスプレイに可視表示するITシステムの構成監視方法であって、
前記ITシステムに接続した監視用コンピュータが、前記ITシステムのノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、前記呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、前記呼び出したハードウェアと直接的に接続する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、および、前記呼び出したハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、ならびに、前記呼び出したハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係を求めて前記監視用コンピュータの対応関係記憶データベースに記憶させた後、
前記監視用コンピュータが、前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係に基いて、前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをフレームメモリの仮想2次元座標上に非重複状態で配置し、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインを前記フレームメモリに記憶させると共に、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化し、かつ、前記対応関係記憶データベースに記憶されたソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記ラインの表示属性を選択し、
前記フレームメモリに記憶された前記シンボルおよびラインの位置とグループ化の情報および選択されたラインの表示属性に基いて前記シンボルとラインおよびグループ化の情報をディスプレイ上に可視表示することを特徴としたITシステムの構成監視方法。
【0066】
〔付記2〕
ハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係を備えないハードウェアのシンボルと当該シンボルに接続するラインを強調表示することを特徴とした付記1記載のITシステムの構成監視方法。
【0067】
〔付記3〕
シンボルのグループ化を表す情報を、グループ化されたシンボルを囲む囲み線によって表示することを特徴とした付記1または付記2記載のITシステムの構成監視方法。
【0068】
〔付記4〕
前記グループ化の属性に応じて表示色を選択することを特徴とした付記1,付記2または付記3のうち何れか一項記載のITシステムの構成監視方法。
【0069】
〔付記5〕
ITシステム内にインストールされたハードウェア間の相互関係およびハードウェアとソフトウェア間の相互関係を分析してディスプレイに可視表示するITシステムの構成監視装置であって、
前記ITシステムのノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、前記呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、前記呼び出したハードウェアと直接的に接続する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、および、前記呼び出したハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、ならびに、前記呼び出したハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係を求めて構成監視装置内の対応関係記憶データベースに記憶させる対応関係抽出手段と、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係に基いて、前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルを構成監視装置内のフレームメモリの仮想2次元座標上に非重複状態で配置し、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインを前記フレームメモリに記憶させる表示データ生成手段と、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化し、かつ、前記対応関係記憶データベースに記憶されたソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記ラインの表示属性を選択する表示態様設定手段と、
前記フレームメモリに記憶された前記シンボルおよびラインの位置と前記表示態様設定手段で設定されたグループ化の情報およびラインの表示属性に基いて前記シンボルとラインおよびグループ化の情報をディスプレイ上に可視表示する表示制御手段とを備えることを特徴としたITシステムの構成監視装置。
【0070】
〔付記6〕
前記表示制御手段が、ハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係を備えないハードウェアのシンボルと当該シンボルに接続するラインを強調表示する強調表示機能を備えることを特徴とした付記5記載のITシステムの構成監視装置。
【0071】
〔付記7〕
ITシステムに接続された監視用コンピュータのマイクロプロセッサを、
前記ITシステムのノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、前記呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、前記呼び出したハードウェアと直接的に接続する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、および、前記呼び出したハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、ならびに、前記呼び出したハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係を求めて前記監視用コンピュータの対応関係記憶データベースに記憶させる対応関係抽出手段、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係に基いて、前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルを前記監視用コンピュータのフレームメモリの仮想2次元座標上に非重複状態で配置し、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインを前記フレームメモリに記憶させる表示データ生成手段、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化し、かつ、前記対応関係記憶データベースに記憶されたソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記ラインの表示属性を選択する表示態様設定手段、および、
前記フレームメモリに記憶された前記シンボルおよびラインの位置と前記表示態様設定手段で設定されたグループ化の情報およびラインの表示属性に基いて前記シンボルとラインおよびグループ化の情報をディスプレイ上に可視表示する表示制御手段として機能させることを特徴としたITシステムの構成監視プログラム。
【0072】
〔付記8〕
前記表示制御手段に、ハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係を備えないハードウェアのシンボルと当該シンボルに接続するラインを強調表示する強調表示機能を持たせることを特徴とした付記7記載のITシステムの構成監視プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、ITシステム内にインストールされたハードウェア間の相互関係およびハードウェアとソフトウェア間の相互関係を分析する必要のあるITシステム一般に適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 監視用コンピュータ(構成監視装置)
2 CPU
3 ROM
4 不揮発性メモリ
5 RAM
6 ハードディスク
7 インターフェイス
8 入出力回路
9 キーボード
10 マウス
11 ITシステム
12 ネットワーク
13 ラック
A 対応関係抽出手段
B 対応関係記憶データベース
C 表示データ生成手段
D フレームメモリ
E 表示態様設定手段
F 表示制御手段
G ディスプレイ
Web01,Web02 ウェブサーバ
AP01,AP02,AP03 アプリケーションサーバ
DB01 データベースサーバ
STO01 ストレージ
L2_1,L2_2,L2_3,L2_4 L2スイッチ
LB01,LB02,LB03,LB04 ロードバランサ
UPS 非常電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ITシステム内にインストールされたハードウェア間の相互関係およびハードウェアとソフトウェア間の相互関係を分析してディスプレイに可視表示するITシステムの構成監視方法であって、
前記ITシステムに接続した監視用コンピュータが、前記ITシステムのノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、前記呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、前記呼び出したハードウェアと直接的に接続する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、および、前記呼び出したハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、ならびに、前記呼び出したハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係を求めて前記監視用コンピュータの対応関係記憶データベースに記憶させた後、
前記監視用コンピュータが、前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係に基いて、前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをフレームメモリの仮想2次元座標上に非重複状態で配置し、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインを前記フレームメモリに記憶させると共に、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化し、かつ、前記対応関係記憶データベースに記憶されたソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記ラインの表示属性を選択し、
前記フレームメモリに記憶された前記シンボルおよびラインの位置とグループ化の情報および選択されたラインの表示属性に基いて前記シンボルとラインおよびグループ化の情報をディスプレイ上に可視表示することを特徴としたITシステムの構成監視方法。
【請求項2】
ハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係を備えないハードウェアのシンボルと当該シンボルに接続するラインを強調表示することを特徴とした請求項1記載のITシステムの構成監視方法。
【請求項3】
シンボルのグループ化を表す情報を、グループ化されたシンボルを囲む囲み線によって表示することを特徴とした請求項1または請求項2記載のITシステムの構成監視方法。
【請求項4】
前記グループ化の属性に応じて表示色を選択することを特徴とした請求項1,請求項2または請求項3のうち何れか一項記載のITシステムの構成監視方法。
【請求項5】
ITシステム内にインストールされたハードウェア間の相互関係およびハードウェアとソフトウェア間の相互関係を分析してディスプレイに可視表示するITシステムの構成監視装置であって、
前記ITシステムのノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、前記呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、前記呼び出したハードウェアと直接的に接続する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、および、前記呼び出したハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、ならびに、前記呼び出したハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係を求めて構成監視装置内の対応関係記憶データベースに記憶させる対応関係抽出手段と、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係に基いて、前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルを構成監視装置内のフレームメモリの仮想2次元座標上に非重複状態で配置し、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインを前記フレームメモリに記憶させる表示データ生成手段と、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化し、かつ、前記対応関係記憶データベースに記憶されたソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記ラインの表示属性を選択する表示態様設定手段と、
前記フレームメモリに記憶された前記シンボルおよびラインの位置と前記表示態様設定手段で設定されたグループ化の情報およびラインの表示属性に基いて前記シンボルとラインおよびグループ化の情報をディスプレイ上に可視表示する表示制御手段とを備えることを特徴としたITシステムの構成監視装置。
【請求項6】
前記表示制御手段が、ハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係を備えないハードウェアのシンボルと当該シンボルに接続するラインを強調表示する強調表示機能を備えることを特徴とした請求項5記載のITシステムの構成監視装置。
【請求項7】
ITシステムに接続された監視用コンピュータのマイクロプロセッサを、
前記ITシステムのノードとなるハードウェアの各々を順に呼び出し、前記呼び出したハードウェアに保存されている情報を参照して、前記呼び出したハードウェアと直接的に接続する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、および、前記呼び出したハードウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係、ならびに、前記呼び出したハードウェアにインストールされているソフトウェアと共に冗長構成もしくはクラスタ構成を形成する他のソフトウェアをインストールされた他のハードウェアと前記呼び出したハードウェアとの対応関係を求めて前記監視用コンピュータの対応関係記憶データベースに記憶させる対応関係抽出手段、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの直接的な接続関係に基いて、前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルを前記監視用コンピュータのフレームメモリの仮想2次元座標上に非重複状態で配置し、直接的な接続関係にあるハードウェアのシンボル同士を接続するラインを前記フレームメモリに記憶させる表示データ生成手段、
前記対応関係記憶データベースに記憶されたハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記対応関係記憶データベースに記憶されているハードウェアの各々を示すシンボルをグループ化し、かつ、前記対応関係記憶データベースに記憶されたソフトウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係に基いて前記ラインの表示属性を選択する表示態様設定手段、および、
前記フレームメモリに記憶された前記シンボルおよびラインの位置と前記表示態様設定手段で設定されたグループ化の情報およびラインの表示属性に基いて前記シンボルとラインおよびグループ化の情報をディスプレイ上に可視表示する表示制御手段として機能させることを特徴としたITシステムの構成監視プログラム。
【請求項8】
前記表示制御手段に、ハードウェアの冗長構成およびクラスタ構成の対応関係を備えないハードウェアのシンボルと当該シンボルに接続するラインを強調表示する強調表示機能を持たせることを特徴とした請求項7記載のITシステムの構成監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−243001(P2011−243001A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114583(P2010−114583)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】