説明

Janusキナーゼインヒビターとしての複素環式化合物

本発明は、下記の式(I)の化合物もしくは本明細書に記載されるその塩を提供する。本発明はまた、式(I)の化合物を含む薬学的組成物、式(I)の化合物を調製するためのプロセス、式(I)の化合物を調製するのに有用な中間体、および式(I)の化合物を使用して免疫応答を抑制するかまたは癌もしくは血液悪性疾患を処置するための治療法を提供する。本発明はまた、哺乳動物(例えば、ヒト)における免疫応答の抑制を目的とする医薬を製造するための式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の使用を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願への相互参照)
本願は、2009年12月23日に出願された米国特許出願第61/289,978号および2009年12月23日に出願された米国特許出願第61/289,975号の優先権の利益を主張する。これらの米国特許出願は、本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
Janusキナーゼ3(JAK3)は、共通γ鎖(common gamma chain)(γc)と会合した細胞質プロテインチロシンキナーゼであり、上記共通γ鎖は、種々のサイトカインレセプターの必要不可欠な成分である(非特許文献1)。
【0003】
移植拒絶の予防に有効であるものの、一般に使用される免疫抑制剤(例えば、カルシニューリンインヒビター)は、多くの顕著な用量限定の毒性を有し、それによって、新規作用機構を有する薬剤の探索が促進されている。JAK3の阻害は、その限定された組織分布、構成的な活性化の欠如および免疫細胞機能におけるその役割の証拠に基づく、免疫抑制の魅力的なストラテジーを表す。JAK3は、免疫抑制および移植拒絶の現実味のある標的である。JAK3特異的インヒビターはまた、病的JAK活性化を伴う血液悪性疾患および他の悪性疾患の処置に有用であり得る。
【0004】
現在は、病的JAK活性化と関連した疾患もしくは状態を処置するのに有用な化合物、組成物および方法が必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Elizabeth Kudlaczら、American Journal of Transplantation,2004年,4巻,51−57頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
一実施形態において、本発明は、式Iの化合物:
【0007】
【化1】

である本発明の化合物またはその塩を提供し、ここで、
Aは、1個以上(例えば、1個もしくは2個)のR基で必要に応じて置換されたフランであり;
Xは、NH、O、もしくはSであるか、または存在せず;
Yは、ヘテロアリールもしくはアリールであり、ここでヘテロアリールは、XがNH、OもしくはSである場合に、炭素原子によってXに連結され、Yの任意のヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のR基で必要に応じて置換され得;
は、−C(O)NR、−NRC(O)NR、−CHO、−C(O)R、−COH、−C(O)OR、−NRS(O)NR、−NRC(O)R、−NRS(O)、−C(O)C(O)R、−C(O)NRS(O)、−C(O)NRCHO、−C(O)NRC(O)R、−C≡CH、−C≡CR、−C(S)NR、−C(=NR)NR、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリール、もしくはアリールであるか、または存在せず、ここでRの任意のアルキル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上(例えば、1個、2個もしくは3個)のR基で必要に応じて置換され得;
は、ヘテロアリール、−NR、−OR、SRもしくはCHR10であり、ここでRの任意のヘテロアリールは、1個以上(例えば、1個、2個もしくは3個)のR11基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、ハロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−ORa2、−OC(O)Rb2、−OC(O)NRc2d2、−SRa2、−S(O)OH、−S(O)Rb2、−S(O)b2、−S(O)NRc2d2、−NRc2d2、−NRe2C(O)Rb2、−NRe2C(O)NRc2d2、NRe2S(O)b2、−NRe2S(O)NRc2d2、NO、−C(O)Ra2、−C(O)ORa2もしくは−C(O)NRc2d2であり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され、そしてRは、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上(例えば、1個、2個もしくは3個)のR11基で必要に応じて置換され得;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上(例えば、1個、2個もしくは3個)のR11基で必要に応じて置換され得;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され、そしてR10は、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびR10は、これらが結合する炭素と一緒になって、(C−C)シクロアルキル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびR10の任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、1個以上(例えば、1個、2個もしくは3個)のR11基で必要に応じて置換され得;
各R11は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−OR、−NRCOR、NR、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、ハロ、R、OH、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−CHO、−C(O)R、−C(O)OH、−C(O)ORおよび−C(O)NRから選択される1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ハロ、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−C(O)R、−C(O)ORおよび−C(O)NRから独立して選択され;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択され、ここでRもしくはRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のR基で必要に応じて置換され得、RもしくはRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルもしくは複素環は、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得るか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のR基もしくはオキソ基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のR基で必要に応じて置換され得、Rの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルもしくは複素環は、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得;
各Rは、ハロ、R、CN、OH、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−C(O)R、−C(O)ORおよび−C(O)NRから独立して選択され;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、CHOH、OH、NHおよびCONHから独立して選択される1個以上(例えば、1個もしくは2個)の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり、ここでRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールは、ORおよびNRから選択される1個以上(例えば、1個もしくは2個)の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、ハロ、ヘテロアリール、(C−C)アルキル、CN、−O(C−C)アルキル、NO、−C(O)OH、−(C−C)アルキルNH、−(C−C)アルキルOH、−NHC(O)(C−C)アルキルもしくは−NHC(O)(C−C)アルキルCNであり、ここでヘテロアリールは、−(C−C)アルキルNHもしくは−(C−C)アルキルOHで必要に応じて置換され;
各Ra2は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rb2は、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
c2およびRd2は各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRc2およびRd2は、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;そして
各Re2は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルである。
【0008】
本発明はまた、式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、および薬学的に受容可能な希釈剤もしくはキャリアを含む、薬学的組成物を提供する。
【0009】
本発明はまた、哺乳動物(例えば、ヒト)における病的JAK活性化と関連した疾患もしくは状態(例えば、癌、血液悪性疾患もしくは他の悪性疾患)を処置するための方法を提供し、上記方法は、式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を上記哺乳動物に投与する工程を包含する。
【0010】
本発明はまた、病的JAK活性化と関連した疾患もしくは状態(例えば、癌、血液悪性疾患もしくは悪性疾患)の予防的処置もしくは治療的処置における使用のための式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0011】
本発明はまた、医学的治療において使用するための(例えば、病的JAK活性化と関連した疾患もしくは状態(例えば、癌、血液悪性疾患もしくは他の悪性疾患)を処置することにおいて使用するための)式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0012】
本発明はまた、哺乳動物(例えば、ヒト)における病的JAK活性化と関連した疾患もしくは状態(例えば、癌、血液悪性疾患もしくは他の悪性疾患)の処置のための医薬の製造のための、式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0013】
本発明はまた、哺乳動物(例えば、ヒト)における免疫応答を抑制するための方法を提供し、上記方法は、式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を上記哺乳動物に投与する工程を包含する。
【0014】
本発明はまた、免疫応答の予防的抑制もしくは治療的抑制において使用するための、式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0015】
本発明はまた、哺乳動物(例えば、ヒト)における免疫応答を抑制するための医薬の製造のための式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の使用を提供する。
【0016】
本発明はまた、式Iの化合物もしくはその塩(例えば、スキーム1〜19に記載されるもの)を調製するのに有用である、本明細書で開示される新規プロセスおよび新規中間体を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
(定義)
用語「アルキル」とは、本明細書で使用される場合、直鎖もしくは分枝鎖状の一価の基であり1〜10個の炭素原子を有するアルキル基に言及する。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、およびn−ヘキシルなどのような基によって例示される。
【0018】
用語「アルケニル」もしくは「アルケン」とは、本明細書で使用される場合、直鎖もしくは分枝鎖状の一価の基でありかつ少なくとも1個の二重結合を有する、2〜10個の炭素原子を有するアルケニル基に言及する。このような基は、ビニル(エテン−1−イル)、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、1−メチルエテン−1−イル、1−ブテン−1−イル、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、1−メチル−1−プロペン−1−イル、2−メチル−1−プロペン−1−イル、1−メチル−2−プロペン−1−イル、および2−メチル−2−プロペン−1−イル、好ましくは、1−メチル−2−プロペン−1−イル、3,5−ヘキサジエン−1−イルなどによって例示される。
【0019】
用語「アルキニル」もしくは「アルキン」とは、本明細書で使用される場合、直鎖もしくは分枝鎖状の一価の基でありかつ少なくとも1個の三重結合を有する、2〜10個の炭素原子を有するアルキニル基に言及する。このような基は、エチン−1−イル、プロピン−1−イル、プロピン−2−イル、1−メチルプロパ−2−イン−1−イル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、ブチン−3−イル、3,5−ヘキサジイン−1−イルなどによって例示されるが、これらに限定されない。
【0020】
用語「ハロ」とは、本明細書で使用される場合、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードに言及する。用語「シクロアルキル」とは、本明細書で使用される場合、飽和もしくは部分不飽和の環式炭化水素環系(例えば、1〜3個の環を含みかつ環1個あたり3〜8個の炭素を含むもの)であって、ここで複数環のシクロアルキルは、互いに縮合しているか、架橋しているか、またはスピロ結合を有し得るものに言及する。例示的な基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロブテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、デカヒドロナフタレンおよびスピロ[4.5]デカンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
用語「アリール」とは、本明細書で使用される場合、1個の環(例えば、フェニル)もしくは複数縮合環(例えば、ナフチルもしくはアントリル)を有する6〜14個の炭素原子の芳香環基であって、ここで上記縮合環は、芳香族、飽和もしくは部分飽和であり得るが、ただし、上記縮合環のうちの少なくとも1個は芳香族である、芳香環基に言及する。このような複数縮合環は、上記複数縮合環の不飽和もしくは部分不飽和の環部分上で、1個もしくは2個のオキソ基で必要に応じて置換され得る。例示的なアリールとしては、フェニル、インダニルナフチル、1,2−ジヒドロナフチルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
用語「ヘテロアリール」とは、本明細書で使用される場合、上記環中に約1〜6個の炭素原子、ならびに酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される約1〜4個のヘテロ原子の、1個の芳香環に言及する。上記硫黄および窒素原子はまた、それらの酸化された形態で存在し得る。このような環としては、ピリジル、ピリミジニル、オキサゾリルもしくはフリルが挙げられるが、これらに限定されない。用語ヘテロアリールはまた、複数縮合環系であって、ここでヘテロアリール基(上記で定義されるとおり)が、別のヘテロアリール(例えば、ナフチリジニル)、シクロアルキル(例えば、5,6,7,8−テトラヒドロキノリル)、アリール(例えば、インダゾリル)もしくは複素環(1,2,3,4−テトラヒドロナフチリジン)と縮合して、複数縮合環を形成し得るものを含む。このような複数縮合環は、上記縮合環の上記シクロアルキルもしくは複素環部分上で、1個もしくは2個のオキソ基で必要に応じて置換され得る。例示的なヘテロアリールとしては、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、チエニル、インドリル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、フリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、インダゾリル、インドリル、キノキサリル、キナゾリル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリンおよび4,5,6,7−テトラヒドロインドリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
用語「複素環」もしくは「複素環式」もしくは「ヘテロシクロアルキル」とは、本明細書で使用される場合、上記環中に約1〜7個の炭素原子ならびに酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される約1〜3個のヘテロ原子の、1個の飽和もしくは部分不飽和の環(例えば、3員、4員、5員、6員、7員もしくは8員の環)に言及する。上記硫黄および窒素原子はまた、それらの酸化された形態で存在し得る。このような環としては、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、もしくはピペリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。用語複素環はまた、複数縮合環系であって、ここで複素環基(上記で定義されるとおり)が、別の複素環(例えば、デカヒドロナフチリジニル)、シクロアルキル(例えば、デカヒドロキノリル)もしくはアリール(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル)と縮合して、複数縮合環を形成し得るものを含む。例示的な複素環としては、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロオキサゾリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,2,3,4−テトラヒドロキロリル、ベンゾオキサジニルおよびジヒドロオキサゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
キラル中心を有する本発明の化合物が、光学活性な形態およびラセミ形態において存在し得、単離され得ることは、当業者によって認識される。いくつかの化合物は、多形を示し得る。本発明は、本明細書で記載される有用な特性を有する本発明の化合物の任意のラセミ形態、光学活性な形態、多形の形態、もしくは立体異性形態、またはこれらの混合物を包含し、光学活性な形態をどのように調製するか(例えば、再結晶化技術によるラセミ形態の分割によって、光学活性な出発物質からの合成によって、キラル合成によって、またはキラル固定相を使用するクロマトグラフィー分離によって)は当該分野で周知であることが理解されるべきである。
【0025】
化合物が十分に塩基性もしくは酸性である場合、式Iの化合物の塩は、式Iの化合物を単離もしくは精製するための中間体として有用であり得る。さらに、薬学的に受容可能な酸性塩もしくは塩基性塩としての式Iの化合物の投与は、適切であり得る。薬学的に受容可能な塩の例は、生理学的に受容可能なアニオン(例えば、トシル酸イオン、メタンスルホン酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、マロン酸イオン、酒石酸イオン、コハク酸イオン、安息香酸イオン、アスコルビン酸イオン、α−ケトグルタル酸イオン、およびα−グリセロリン酸イオン)を形成する酸を用いて形成される有機酸付加塩である。適切な無機塩もまた形成され得、これらとしては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、および炭酸塩が挙げられる。
【0026】
塩(薬学的に受容可能な塩を含む)は、当該分野で周知の標準的手順を使用して(例えば、十分に塩基性の化合物(例えば、アミン)と、生理学的に受容可能なアニオンを提供する適切な酸とを反応させることによって)得られ得る。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムもしくはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩もまた、作製され得る。
【0027】
ラジカル、置換基、および範囲について以下に列挙される具体的な意味は、例示目的に過ぎない;それらは、他の規定される意味も、上記ラジカルおよび置換基に関する規定された範囲内の他の意味も排除しない。以下に列挙される具体的な意味は、式Iの化合物、ならびに式IIa、式IIb、式IIc、式IId、式IIe、式IIfおよび式IIgの化合物についての具体的な意味である。
【0028】
特定の群の式Iの化合物は、式IIaの化合物:
【0029】
【化2】

もしくはその塩である。
【0030】
特定の群の式Iの化合物は、式IIbの化合物:
【0031】
【化3】

もしくはその塩である。
【0032】
特定の群の式Iの化合物は、式IIcの化合物:
【0033】
【化4】

もしくはその塩である。
【0034】
特定の群の式Iの化合物は、式IIbの化合物:
【0035】
【化5】

もしくはその塩である。
【0036】
特定の群の式Iの化合物は、式IIbの化合物:
【0037】
【化6】

もしくはその塩である。
【0038】
特定の群の式Iの化合物は、式IIbの化合物:
【0039】
【化7】

もしくはその塩である。
【0040】
特定の群の式Iの化合物は、式IIbの化合物:
【0041】
【化8】

もしくはその塩である。
【0042】
一実施形態において、Xは存在しない。
【0043】
Xの具体的な意味は、Oである。
【0044】
Xの別の具体的な意味は、NHである。
【0045】
Yの別の具体的な意味は、ヘテロアリールであって、ここでYの任意のヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る。
【0046】
Yの具体的な意味は、ヘテロアリールである。
【0047】
Yの別の具体的な意味は、ピラゾリル、ピリミジニル、チアゾリルもしくはオキサゾリルであって、ここでYの任意のピラゾリル、ピリミジニル、チアゾリルもしくはオキサゾリルは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る。
【0048】
Yの別の具体的な意味は、ピラゾリル、ピリミジニル、チアゾリルもしくはオキサゾリルである。
【0049】
Yの別の具体的な意味は、以下の
【0050】
【化9】

であって、ここで上記環は、式Iにおいていずれかの方向に配向され得る。
【0051】
Yの別の具体的な意味は、以下の
【0052】
【化10】

であって、ここで上記環は、式Iにおいていずれかの方向に配向され得る。
【0053】
Yの別の具体的な意味は、アリールであって、ここでYの任意のアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る。
【0054】
Yの別の具体的な意味は、アリールである。
【0055】
Yの別の具体的な意味は、フェニルである。
【0056】
の具体的な意味は、−C(O)NR、−NRC(O)NR、もしくは−C(O)Rであるか、またはRは、存在しない。
【0057】
の別の具体的な意味は、−C(O)NRもしくは−C(O)Rである。
【0058】
の別の具体的な意味は、−C(O)NRである。
【0059】
の具体的な意味は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールである。
【0060】
の別の具体的な意味は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであって、ここでRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得、Rの任意のアルキルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0061】
の別の具体的な意味は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールである。
【0062】
の別の具体的な意味は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであって、ここでRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得、Rの任意のアルキルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0063】
の別の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルである。
【0064】
の別の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであって、ここでRの任意のアルキルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0065】
の別の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルである。
【0066】
の別の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであって、ここでRの任意のアルキルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0067】
の別の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルである。
【0068】
の別の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであって、Rの任意のアルキルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0069】
の別の具体的な意味は、アリールであって、ここでRの任意のアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る。
【0070】
の別の具体的な意味は、ヘテロアリールであって、ここでRの任意のヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る。
【0071】
の別の具体的な意味は、アリールもしくはヘテロアリールであって、ここでRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る。
【0072】
の別の具体的な意味は、複素環であって、ここでRの任意の複素環は、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0073】
の具体的な意味は、Hもしくは(C−C)アルキルであって、Rの任意のアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0074】
の別の具体的な意味は、アリールもしくはヘテロアリールである。
【0075】
の別の具体的な意味は、アリールである。
【0076】
の別の具体的な意味は、ヘテロアリールである。
【0077】
の別の具体的な意味は、複素環である。
【0078】
の別の具体的な意味は、Hもしくは(C−C)アルキルである。
【0079】
の別の具体的な意味は、Hである。
【0080】
−X−Y−Rの具体的な意味は、以下の
【0081】
【化11】

【0082】
【化12】

【0083】
【化13】

【0084】
【化14】

【0085】
【化15】

である。
【0086】
−X−Y−Rの別の具体的な意味は、以下の
【0087】
【化16】

である。
【0088】
−X−Y−Rの別の具体的な意味は、以下の
【0089】
【化17】

【0090】
【化18】

【0091】
【化19】

である。
【0092】
の具体的な意味は、−NRもしくは−ORである。
【0093】
の別の具体的な意味は、−ORである。
【0094】
の具体的な意味は、(C−C)アルキルである。
【0095】
−NRの具体的な意味は、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノであって、ここでRおよびRの任意のピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得る。
【0096】
−NRの別の具体的な意味は、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノである。
【0097】
の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであり、ここでRの任意のアルキルもしくはシクロアルキルは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得る。
【0098】
の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルである。
【0099】
の具体的な意味は、Hである。
【0100】
別の特定の群の式Iの化合物は、−NRが、1個もしくは2個のR11基で置換されたピロリジノである化合物である。
【0101】
別の特定の群の式Iの化合物は、Rが以下の
【0102】
【化20】

である化合物である。
【0103】
11の具体的な意味は、ヘテロアリール、アリール、−CHOH、−CHNH、−NHC(O)CHおよびOHである。
【0104】
11の別の具体的な意味は、ヘテロアリールである。
【0105】
11の別の具体的な意味は、ピリジンである。
【0106】
11の別の具体的な意味は、−CHOHである。
【0107】
の別の具体的な意味は、以下の
【0108】
【化21】

である。
【0109】
の別の具体的な意味は、以下の
【0110】
【化22】

【0111】
【化23】

である。
【0112】
の別の具体的な意味は、以下の
【0113】
【化24】

【0114】
【化25】

【0115】
【化26】

である。
【0116】
一実施形態において、本発明は、特定の群の式Iの化合物またはその塩を提供し、ここで、
Aは、1個以上(例えば、1個もしくは2個)のR基で必要に応じて置換されたフランであり;
Xは、NH、O、もしくはSであるか、または存在せず;
Yは、ヘテロアリールもしくはアリールであって、ここでヘテロアリールは、XがNH、OもしくはSである場合に炭素原子によって、Xに連結され、そしてYの任意のヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のR基で必要に応じて置換され得;
は、−C(O)NR、−C(S)NR、もしくは−C(=NR)NRであり;
は、ヘテロアリール、−NR、−OR、SRもしくはCHR10であって、ここでRの任意のヘテロアリールは、1個以上(例えば、1個、2個もしくは3個)のR11基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、ハロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−ORa2、−OC(O)Rb2、−OC(O)NRc2d2、−SRa2、−S(O)OH、−S(O)Rb2、−S(O)b2、−S(O)NRc2d2、−NRc2d2、−NRe2C(O)Rb2、−NRe2C(O)NRc2d2、NRe2S(O)b2、−NRe2S(O)NRc2d2、NO、−C(O)Ra2、−C(O)ORa2もしくは−C(O)NRc2d2であり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され;そしてRは、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;ここでRおよびRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上(例えば、1個、2個もしくは3個)のR11基で必要に応じて置換され得;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上(例えば、1個、2個もしくは3個)のR11基で必要に応じて置換され得;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され;そしてR10は、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびR10は、これらが結合する炭素と一緒になって、(C−C)シクロアルキル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびR10の任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、1個以上(例えば、1個、2個もしくは3個)のR11基で必要に応じて置換され得;
各R11は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−OR、−NRCOR、NR、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、ハロ、R、OH、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、CHO、−C(O)R、COH、−C(O)ORおよび−C(O)NRから選択される1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ハロ、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−C(O)R、−C(O)ORおよび−C(O)NRから独立して選択され;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rは、アリール、複素環およびヘテロアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のR基で必要に応じて置換され得、Rの任意の複素環は、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得;
各Rは、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のR基で必要に応じて置換され得、Rの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルもしくは複素環は、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得;
は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、ハロ、R、CN、OH、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−C(O)R、−C(O)ORおよび−C(O)NRから独立して選択され;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、OH、CHOH、NHおよびCONHから独立して選択される1個以上(例えば、1個もしくは2個)の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであって、ここでRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールは、ORおよびNRから選択される1個以上(例えば、1個もしくは2個)の基で必要に応じて置換され得;
各Ra2は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rb2は、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
c2およびRd2は各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRc2およびRd2は、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;そして
各Re2は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルである。
【0117】
別の実施形態において、本発明は、特定の群の式Iの化合物またはその塩を提供し、ここで、
Aは、1個以上のR基で必要に応じて置換されたフランであり;
Xは、NH、O、もしくはSであるか、または存在せず;
Yは、ヘテロアリールもしくはアリールであって、ここでヘテロアリールは、XがNH、OもしくはSである場合に炭素原子によってXに連結され、Yの任意のヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得;
は、−C(O)NRg1h1、−NRC(O)NR、−CHO、−C(O)R、−COH、−C(O)OR、−NRS(O)NR、−NRC(O)R、−NRS(O)、−C(O)C(O)R、−C(O)NRS(O)、−C(O)NRCHO、−C(O)NRC(O)R、−C≡CH、−C≡CR、−C(S)NRg1h1、−C(=NR)NRg1h1、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリール、もしくはアリールであるか、または存在せず、そしてRの任意のアルキル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得;
は、ヘテロアリール、−NR、−OR、SRもしくはCHR10であって、ここでRの任意のヘテロアリールは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、ハロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−ORa2、−OC(O)Rb2、−OC(O)NRc2d2、−SRa2、−S(O)OH、−S(O)Rb2、−S(O)b2、−S(O)NRc2d2、−NRc2d2、−NRe2C(O)Rb2、−NRe2C(O)NRc2d2、NRe2S(O)b2、−NRe2S(O)NRc2d2、NO、−C(O)Ra2、−C(O)ORa2もしくは−C(O)NRc2d2であり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され;そしてRは、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;ここでRおよびRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され;そしてR10は、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびR10は、これらが結合する炭素と一緒になって、(C−C)シクロアルキル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびR10の任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
各R11は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−OR、−NRCOR、NR、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、ハロ、R、OH、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−CHO、−C(O)R、−C(O)OH、−C(O)ORおよび−C(O)NRから選択される1個以上の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ハロ、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−C(O)R、−C(O)ORおよび−C(O)NRから独立して選択され;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
g1は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルから選択され、ここでRg1の任意のアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得;そしてRh1は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルから選択され、ここでRh1の任意のアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得るか;またはRg1およびRh1は、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRg1およびRh1の任意のピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上のRもしくはオキソ基で必要に応じて置換され得;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択され、ここでRもしくはRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のR基で必要に応じて置換され得、そしてRもしくはRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルもしくは複素環は、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得るか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のRもしくはオキソ基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得、そしてRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルもしくは複素環は、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得;
各Rは、ハロ、R、CN、OH、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−C(O)R、−C(O)ORおよび−C(O)NRから独立して選択され;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)クロアルキルであり;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、CHOH、OH、NHおよびCONHから独立して選択される1個以上の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであって、ここでRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールは、ORおよびNRから選択される1個以上の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、ハロ、ヘテロアリール、(C−C)アルキル、CN、−O(C−C)アルキル、NO、−C(O)OH、−(C−C)アルキルNH、−(C−C)アルキルOH、−NHC(O)(C−C)アルキルもしくは−NHC(O)(C−C)アルキルCNであって、ここでヘテロアリールは、−(C−C)アルキルNHもしくは−(C−C)アルキルOHで必要に応じて置換され;
各Ra2は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rb2は、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
c2およびRd2は各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRc2およびRd2は、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;そして
各Re2は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルである。
【0118】
g1の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであって、ここでRg1の任意のアルキルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0119】
g1の別の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであって、ここでRg1の任意のアルキルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0120】
g1の別の具体的な意味は、(C−C)アルキルであって、ここでRg1の任意のアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0121】
h1の具体的な意味は、Hもしくは(C−C)アルキルであって、ここでRh1の任意のアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る。
【0122】
g1の別の具体的な意味は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールである。
【0123】
g1の別の具体的な意味は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールである。
【0124】
g1の別の具体的な意味は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルである。
【0125】
h1の別の具体的な意味は、Hもしくは(C−C)アルキルである。
【0126】
h1の別の具体的な意味は、Hである。
【0127】
別の実施形態において、本発明は、特定の群の式Iの化合物またはその塩を提供し、ここで
Aは、1個以上(例えば、1個もしくは2個)のR基で必要に応じて置換されたフランであり;
Xは、NHであり;
Yは、ヘテロアリールであり;
は、−C(O)NRであり;
は、−NRであり;
各Rは、独立して、ハロもしくは(C−C)アルキルであり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され、そしてRは、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリール、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、1個以上(例えば、1個、2個もしくは3個)のR11基で必要に応じて置換され得;
各R11は、(C−C)アルキル、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、ハロ、R、OH、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、CHO、−C(O)R、COH、−C(O)ORおよび−C(O)NRから選択される1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)の基で必要に応じて置換され得;
は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
は、Hであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;そして
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルである。
【0128】
別の実施形態において、本発明は、特定の群の式Iの化合物またはその塩を提供し、ここで、
Aはフランであり;
XはNHであり;
Yはピラゾリルであり;
は、−C(O)NRであり;
は、−NRであり;
およびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、1個のR11基で置換されたピロリジノを形成し;
11は、ヘテロアリールもしくは−CHOHであり;
は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;そして
は、Hである。
【0129】
別の実施形態において、本発明は、特定の群の式Iの化合物またはその塩を提供し、ここで、
Aはフランであり;
XはNHであり;
Yは、以下の
【0130】
【化27】

であり;
は、−C(O)NRであり;
は、−NRであり;
およびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、1個のR11基で置換されたピロリジノを形成し;
11は、ピリジルもしくは−CHOHであり;
は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;そして
は、Hである。
【0131】
本発明はまた、上記に列挙した具体的な意味および/もしくは実施形態のうちの1つ以上が式Iの化合物から排除される式Iの化合物を包含する。
【0132】
(ピラゾールの互変異性体)
【0133】
【化28】

ピラゾールは、互変異性体といわれる異性形態を示し得る。互変異性体は、互いと平衡状態にある化合物の異性形態である。上記異性形態の濃度は、上記化合物が見出される環境に依存し、そして上記化合物が固体であるか、または有機溶液もしくは水溶液中にあるかに依存して異なり得る。
【0134】
広範で多様な官能基および他の構造は、互変異性を示し、式Iの化合物のすべての互変異性体は、本発明の範囲内にある。
【0135】
式Iの化合物、および式1の化合物を調製するのに有用な中間体を調製するために使用され得るプロセスは、スキーム1〜19に示される。
【0136】
(本発明の化合物を調製するための一般的方法)
一般に、複素環およびヘテロアリールは、文献中で報告されるように公知の方法から調製され得る(a.Ring system handbook,American Chemical Society発行、1993年版およびその後の補遺。b.The Chemistry of Heterocyclic Compounds;Weissberger,A.,Ed.;Wiley:New York,1962。c.Nesynov,E.P.;Grekov,A.P. The chemistry of 1,3,4−oxadiazole derivatives、Russ.Chem.Rev.1964,33,508−515。d.Advances in Heterocyclic Chemistry; Katritzky,A.R.,Boulton,A.J.,Eds.;Academic Press:New York,1966。e.In Comprehensive Heterocyclic Chemistry; Potts,K.T.,Ed.; Pergamon Press: Oxford,1984。f.Eloy,F. A review of the chemistry of 1,2,4−oxadiazoles.Fortschr.Chem.Forsch.1965,4,pp 807−876。g.Adv.Heterocycl.Chem.1976。h.Comprehensive Heterocyclic Chemistry; Potts,K.T.,Ed.; Pergamon Press: Oxford,1984。i.Chem.Rev.1961 61,87−127。j.1,2,4−Triazoles; John Wiley & Sons: New York,1981; Vol 37)。官能基のうちのいくつかは、合成の間に、保護され、その後、脱保護される必要があり得る。適切な保護基の例は、「Protective groups in organic synthesis」 第4版、Greene and Wuts編に見いだされ得る。
【0137】
スキーム1は、式Iの化合物を合成するために使用した一般的方法を概説する一方で、スキーム2およびスキーム11は、式Iの化合物を調製するために使用され得る代替方法を概説する。スキーム7は、式Iの化合物を調製するために使用した中間体を調製する経路を示す;スキーム3〜6およびスキーム8〜10は、式Iの化合物を調製するのに有用な中間体を調製するために使用され得る代替の経路を示す。スキーム12〜19は、式Iの化合物を調製するために使用した方法を示す。スキーム12〜19において調製した中間体はまた、さらなる式Iの化合物を調製するのに有用であり得る。
【0138】
式1の代表的化合物を、スキーム1に従って調製した。適切な脱離基(ハロ、スルホネートもしくは文献中で公知の他の基)を有する適切なフロピリミジン化合物1Aを、塩基(例えば、トリエチルアミンが挙げられるが、これらに限定されない)の存在下で適切な溶媒(例えば、アルコール)中、適切に置換されたアミノ化合物で処理して、一般式1Bの化合物を得た。第2の脱離基を、適切に置換されたアミンで、熱的にもしくはマイクロ波条件下のいずれかで、塩基もしくはアミンを使用し、かつ適切な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドもしくは1−メチル−2−ピロリジノン(NMP))中、遷移金属触媒(当業者に公知)の存在下もしくは非存在下で置換して、式1の化合物を得た。
【0139】
【化29】

スキーム2は、式1の化合物を得るために使用され得る一般的方法論を示す。グアニジン2Aと、適切に置換されたアルキル3−アミノフラン−2−カルボキシレート、2−アミノフラン−3−カルボキシレートもしくは4−アミノフラン−3−カルボキシレート2Bとの反応は、適切に置換されたヒドロキシ−フロ[3,2−d]ピリミジン、ヒドロキシ−フロ[2,3−d]ピリミジンもしくはヒドロキシル−フロ[3,4−d]ピリミジン2Dを提供し得る。ピリミジン2D上のヒドロキシルは、リンオキシハライドを使用して、ハロピリミジン2Eに変換され得る。2E上のハロ基は、適切に置換されたアミンで、熱的にもしくはマイクロ波条件下のいずれかで、塩基もしくはアミンを使用し、かつ適切な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドもしくは1−メチル−2−ピロリジノン(NMP))中、遷移金属触媒(当業者に公知)の存在もしくは非存在下で置換されて、式1の化合物を与え得る。同様に、グアニジン2Aは、適切に置換された3−アミノフラン−2−カルボニトリル、2−アミノフラン−3−カルボニトリルもしくは4−アミノフラン−3−カルボニトリル2Cと反応して、適切に置換されたアミノ−フロ[3,2−d]ピリミジン、アミノ−フロ[2,3−d]ピリミジンもしくはアミノ−フロ[3,4−d]ピリミジン2Fを与え得る。標題化合物1は、遷移金属触媒および文献中で公知の条件を使用して、アミン2Fおよび2G上の適切な脱離基を伴うクロスカップリング反応により得られ得る(遷移金属が触媒するクロスカップリング反応の文献例については、以下を参照のこと: a. Y.Monguchiら, Advanced Synthesis & Catalysis,2008,350,2767−2777; b.T.Watanabeら, Chemical Communications (Cambridge,United Kingdom),2007,43,4516−4518; c.M.Kienleら, European Journal of Organic Chemistry,2007,25,4166−4176; d. H.−Z.Zhangら,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2008,16,222−231; e. J.P.Schulte IIら,Synlett.2007,15,2331−2336; f. C.Yangら, CN 101475493 A 20090708; g. S.−E.Parkら, Synthesis,2009,5,815−823; h. L.Routら, Advanced Synthesis & Catalysis,2008,350,395−398; i. H.Huangら, Journal of Organic Chemistry,2008,73,6037−6040. j. J.Liら,Journal of Organometallic Chemistry,2007,692,3732−3742. k. C.Chenら, Journal of Organic Chemistry,2007,72,6324−6327; l. L.Routら,Organic Letters,2007,9,3397−3399; m. C.Xuら,Tetrahedron Letters,2007,48,1619−1623; n. X.Xieら, Journal of Organic Chemistry,2006,71,6522−6529; o. S.Harkalら, Advanced Synthesis & Catalysis,2004,346,1742−1748. p. Yuki Gosei Kagaku Kyokaishi.,Synlett,2005,63,80−81; q. L.J.Goossenら, Synlett.,2005,2,275−278; r. F.Rataboulら,Chemistry−−A European Journal,2004,10,2983−2990; s. A.S.Gajareら,Chemical Communications(Cambridge,United Kingdom),2004,17,1994−1995; t. C.Desmaretsら,Journal of Organic Chemistry,2002,67,3029−3036; u. C.F.Allen, Chemical Reviews(Washington,DC,United States),1959,59,983−1030; v. ら, Journal of Organic Chemistry,2001,66,1403−1412; w. N.Kataokaら, Journal of Organic Chemistry,2002,67,5553−5566; x. J.P.Wolfeら, J.Am.Chem.Soc.,1996,118,7215−7216. y. S.Wagawら, J.Am.Chem.Soc.,1997,119,8451−8458; z. J.−F.Marcoux,Sら, J.Org.Chem.,1997,62,1568−1569; aa. J.P.Wolfe,Sら, J.Org.Chem.,1997,62,6066−6068; ab. J.P.Wolfeら, J.Am.Chem.Soc.1997,119,6054−6058; ac. R.Kuwanoら, J.Org.Chem.2002,67,6479−6486)。
【0140】
【化30】

適切に置換されたヒドロキシ−フロ[3,2−d]ピリミジン、ヒドロキシ−フロ[2,3−d]ピリミジンもしくはヒドロキシル−フロ[3,4−d]ピリミジン2Dはまた、スキーム3に示される方法によって得られ得る。シアノ基は、化合物3Bを得るために、臭化シアンもしくは文献中の他の公知の方法を使用して、アミン3A上に導入され得る。アルコールでの酸性条件下でのニトリル3Bの処理は、イミデート3Cをもたらし得る。イミデート3Cと、適切に置換されたアルキル3−アミノフラン−2−カルボキシレート、2−アミノフラン−3−カルボキシレートもしくは4−アミノフラン−3−カルボキシレート2Bとの反応は、適切に置換されたヒドロキシ−フロ[3,2−d]ピリミジン、ヒドロキシ−フロ[2,3−d]ピリミジンもしくはヒドロキシル−フロ[3,4−d]ピリミジン2Dをもたらし得る。
【0141】
【化31】

スキーム4は、中間体4Bおよび4Dを調製するために使用され得る方法を示す。適切に置換された3−アミノフラン−2−カルボニトリル、2−アミノフラン−3−カルボニトリルもしくは4−アミノフラン−3−カルボニトリル2Cのニトリルの酸化は、アミド4Aをもたらし得る。アミド4Aは、適切に置換されたヒドロキシ−フロ[3,2−d]ピリミジン、ヒドロキシ−フロ[2,3−d]ピリミジンもしくはヒドロキシル−フロ[3,4−d]ピリミジングアニン4Bへと、スキーム4に示される条件を使用して環化され得る。化合物4Bのヒドロキシルは、適切な脱離基(通常は、ハライド)へと変換されて、化合物4Cを与え得る。ジアゾ化、続いて、ハロゲン化から、化合物4Dが与えられる。同様に、適切に置換されたアルキル3−アミノフラン−2−カルボキシレート、アルキル2−アミノフラン−3−カルボキシレートもしくはアルキル4−アミノフラン−3−カルボキシレート2Bは、適切に置換されたヒドロキシ−フロ[3,2−d]ピリミジングアニン、ヒドロキシ−フロ[2,3−d]ピリミジングアニン、もしくはヒドロキシル−フロ[3,4−d]ピリミジングアニン4Bへと、スキーム4に示される条件を使用して、環化され得る。
【0142】
【化32】

スキーム5は、ジハロ フロ[3,2−d]ピリミジン化合物5Fの調製のために使用され得る方法論を図示する。出発物質である3−ヨードフラン−2−カルボン酸5Aは、以下の文献の手順によって調製され得る(a. T.G.Hamillら, Journal of Labelled Compounds & Radiopharmaceuticals,2001,44,61−72; b. J.−M.Duffaultら, Synthetic Communications,1998,28,2467−2481; c. M.Takahashiら, Heterocycles,1993,36,1867−82; d. R.Sornayら, Bulletin de la Societe Chimique de France,1971,3,990−1000)。化合物5Aは、アジ化ナトリウムと反応して、化合物5Bを与え得、これは、還元の際に、化合物5Cを生じ得る。化合物5Cから5Dへのさらなる環化は、グアニジンを使用して達成され得る。化合物5Dのヒドロキシルは、適切な脱離基(例えば、ハライド)に変換されて、化合物5Eを与え得る。ジアゾ化、および続くハロゲン化は、化合物5Fをもたらし得る。
【0143】
【化33】

あるいは、化合物5Dは、スキーム6において概説されるように、メチル3−ニトロフラン−2−カルボキシレート(6A)から調製され得る。出発物質であるメチル3−ニトロフラン−2−カルボキシレートは、文献の方法(S.A.Shackelfordら, Journal of Organic Chemistry,2003,68,267−275)によって調製され得る。6A上のニトロの、アミン6Bへの還元、続いてのメチル化チオウレアを使用する環化は、フロ[3,2−d]ピリミジン5Dをもたらし得る。アミン6Bをグアニンフロ[3,2−d]ピリミジン5Dへ還元するための反応条件は、文献中に見いだされ得る(a. R.Nigelら,Eur.Pat.Appl.,2009,19 pp,EP 2020412 A1 20090204; b. Y.S.Babu,P.ら, PCT Int.Appl.,2006,152 pp, WO 2006050161)。
【0144】
【化34】

スキーム7は、化合物 2,4−ハロフロ[3,2−d]ピリミジン7Kならびにいくつかの代替の調製物を調製するために使用した方法を概説する。出発物質である3−ハロ−アクリロニトリル7A(J.Org.Chem.,1992,57,708−713)は、2−ヒドロキシアセトニトリルのナトリウム塩で処理されて、化合物7Bを与え得る。これは、J.Med.Chem.,2000,43,4288−4312に記載される反応に類似である。ハロアセトニトリルで処理した際の3−ヒドロキシプロペンニトリル(J.Org.Chem.,1991,56,970−975)はまた、7Bを生じる。化合物7Bは、強塩基(例えば、リチウム−N,N−ジイソプロピルアミドもしくはナトリウムエトキシド)で処理されて、化合物7Cを生じ得る(Tetrahedron Lett.,1986,27,815−818)。化合物7C上のシアノ基は変換されて、エステル化合物7Eを与え得る。同様に、ブロモジエチルマロネートでの化合物7Aの処理は、化合物7Dをもたらし得、これは、塩基での環化により、エステル化合物7Eを生じる。あるいは、化合物7Eを、3−フル酸7Fから調製した。溶媒としてのtert−ブタノールおよび塩基の存在下でジフェニルホスホリルアジドを使用する化合物7Fのクルチウス転位は、boc保護されたアミノ化合物7Gを与えた。メトキシカルボニル基を、塩基および炭酸ジメチルを使用して導入して、化合物7Hを得た。化合物7H上のBoc基の加水分解から、所望の化合物7Eを得た。化合物7Eとクロロスルホニルイソシアネートとの反応から、ウレア化合物7Iを得、これを、塩基性条件下でジヒドロキシフロ[3,2−d]ピリミジン7Jへと環化させた。化合物7JとPOClとの反応から、化合物7Kを得た(代わりのリンオキシハライドは、他のジハロフロ[3,2−d]ピリミジン1Aをもたらし得る)。あるいは、ジヒドロキシフロ[3,2−d]ピリミジン7Jは7Eから、ベンゾイルイソシアネートを使用し、続く塩基での加水分解により得られ得る。
【0145】
【化35】

スキーム8は、フロ[2,3−d]ピリミジンタイプの化合物の調製を図示する。塩基性条件下での1,4−ジオキサン−2,5−ジオール8Aの、マロノニトリルでの処理は、2−アミノフラン−3−カルボニトリル化合物8Bをもたらし得る。化合物8Bは、イミデートを経由するエステルの変換、その後のエステル8Cへのイミデートの加水分解を含む公知の手順によって、メチル2−アミノフラン−3−カルボキシレート8Cへ変換され得る。化合物8Cから8Fへの変換のための工程の残りは、7Eから7Kへの変換についてスキーム7に示したものと同様であり、ジハロフロ[2,3−d]ピリミジンタイプ化合物8Fをもたらす。化合物8Bは、グアニジンもしくは他の方法でグアニン8Gへと環化され、続いて、8Gのジアゾ化およびハロゲン化から、化合物8Fをもたらし得る。
【0146】
【化36】

スキーム9は、フロ[2,3−d]ピリミジン中間体8Fの代替調製を図示する。2,4,6−ハロピリミジン9Aを、水素化ナトリウムのような塩基の存在下で2,2−ジエトキシエタノールと反応させて、化合物9Bが得られ得、これは、リン酸で環化されて、所望のフロ[2,3−d]ピリミジンタイプ化合物8Fをもたらし得る。
【0147】
【化37】

スキーム10は、フロ[3,4−d]ピリミジン中間体(10G)の調製法を示す。市販のジエチルフラン−3,4−ジカルボキシレートもしくはジメチルフラン−3,4−ジカルボキシレートを、文献中に記載される手順を使用して、モノエステル10Bへと加水分解し得る(a. K.Yabuら,Tetrahedron Letters,2002,43,2923−2926; b. D.J.Agerら,Synthetic Communications,1995,25,739−42; c. W.Loeselら, Ger.Offen.,1983,21 pp,DE 3143876; d. S.P.Tanis,Tetrahedron Letters,1982,23,3115−18; e. S.Kakimotoら,Hokkaido Daigaku Men’eki Kagaku Kenkyusho Kiyo,1976,36,13−16; f. M.R.Boydら,Synthesis,1971,10,545−6; g. R.R.Doyleら,Journal of the Scientific Laboratories,Denison University,1971,52(Art.1−5),5−8; h. K.Galuszkoら,Univ.Warsaw,Roczniki Chemii,1964,38,511−13; i. M.R.Boydら.Nature(London),New Biology,1972,236,158−9; J.R.Andrisanoら,Gazzetta Chimica Italiana,1953,83,340−6)。
【0148】
化合物10Bと過剰のヒドラジン水和物との反応は、ヒドラジド10Cをもたらし得る。ヒドラジド10Cを、亜硝酸水溶液を使用して、アシルアジド10Dへと変換し得る。適切な溶媒中でアシルアジドの溶液を加熱すると、1H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン10Eがもたらされ得る(1H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−2,4−ジオン10Eの調製についての参考文献としては、以下が挙げられる:a. C.Zhanら,2008,23 pp,CN 101293909; b. T.O.Olagbemiro,Bulletin des Societes Chimiques Belges,1981,90,1067−72; c. J.B.Pressら,Journal of Organic Chemistry,1981,46,3853−6)。化合物10Eは、10Eとアンモニアを反応させ、続いて、カルボニルジイミダゾールを使用して環化することによって、フロ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン10Fへと変換され得る(フロ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン10Fの調製についての参考文献としては、以下が挙げられる: a. S.Butiniら,Journal of Medicinal Chemistry,2008,51,6614−6618; b. R.G.Jones,Journal of Organic Chemistry,1960,25,956−9)。化合物10Fと、リンオキシハライドとの反応から、ジハロフロ[3,4−d]ピリミジン10Gが与えられ得る。
【0149】
【化38】

式11Gの化合物は、スキーム11に従って調製され得る。アミノ(イミノ)メタンスルホン酸11Bでのアミン11Aのグアニル化は、式2Aのグアニジンをもたらし得る。グアニジン2Aとジアルキルマロネートとの縮合は、ジヒドロキシピリミジン11Cをもたらし得る。ピリミジン11C上のヒドロキシルは、リンオキシハライドを使用して、ハロピリミジン11Dへ変換され得る。ジブロモピリミジン11Dと、2,2−ジエトキシエタノールとの反応は、化合物11Eをもたらし得、これは、PPAもしくは他の酸を使用して、ブロモ−フロ[2,3−d]ピリミジン11Fへと環化され得る。11F上のハロ基は、適切に置換されたアミンで、熱的にもしくはマイクロ波条件下のいずれかで、塩基もしくはアミンを使用しかつ適切な溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドもしくは1−メチル−2−ピロリジノン(NMP))中、遷移金属触媒(当業者に公知)の存在下もしくは非存在下で置換されて、式11Gの化合物をもたらし得る。
【0150】
【化39】

【0151】
【化40】

【0152】
【化41】

【0153】
【化42】

【0154】
【化43】

【0155】
【化44】

【0156】
【化45】

【0157】
【化46−1】

【0158】
【化46−2】

式Iの化合物は、式1Bの化合物:
【0159】
【化47】

から、脱離基を置換して対応する式Iの化合物を提供することによって、例えば、式1Bの脱離基を、求核剤(例えば、アミン、アルコール、チオールもしくはカルボアニオン)で置換して式Iの化合物を提供することによって、調製され得る。従って、式1Bの中間体は、式Iの化合物を調製するのに有用である。
【0160】
式Iの化合物は、式1B’の化合物:
【0161】
【化48】

から、脱離基を置換して対応する式Iの化合物を提供することによって、例えば、式1B’の脱離基を、求核剤(例えば、アミン、アルコール、チオールもしくはカルボアニオン)で置換して式Iの化合物を提供することによって、調製され得る。従って、式1B’の中間体は、式Iの化合物を調製するのに有用である。
【0162】
よって、本発明は、以下の方法を提供する:
a)式Iの化合物を調製するための方法であって、式1Bの対応する化合物を、適切な求核剤(例えば、アミン、アルコール、チオールもしくはカルボアニオン)で処理して、式Iの化合物を提供する工程を包含する方法
b)式Iの化合物を調製するための方法であって、式1B’の対応する化合物を、適切な求核剤(例えば、アミン、アルコール、チオールもしくはカルボアニオン)で処理して、式Iの化合物を提供する工程を包含する方法
c)式Iの化合物を調製するための方法であって、1個以上の保護基を有する対応する化合物を脱保護して、式Iの化合物を提供する工程を包含する方法
d)式Iの化合物の塩を調製するための方法であって、式Iの対応する化合物を、酸(例えば、有機酸もしくは無機酸)または塩基(例えば、アルカリ塩基もしくはアルカリ性塩基)で処理して、式Iの化合物の塩を提供する工程を包含する方法。
【0163】
一実施形態において、本発明は、式Iの化合物の塩を調製するための方法を提供し、上記方法は、式Iの化合物と、上記塩を提供するのに適した条件下で酸と反応させる工程を包含する。
【0164】
一実施形態において、本発明は、式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を、薬学的に受容可能な希釈剤もしくはキャリアと組み合わせて含む薬学的組成物を調製するための方法を提供し、上記方法は、式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩と、上記薬学的に受容可能な希釈剤もしくはキャリアとを合わせて、上記薬学的組成物を提供する工程を包含する。
【0165】
上記式Iの化合物は、薬学的組成物として配合され得、哺乳動物宿主(例えば、ヒト患者)に、選択された投与経路(すなわち、経口的にもしくは非経口的に、静脈内経路、筋肉内経路、局所的経路もしくは皮下経路によって)に適合した種々の形態で投与され得る。
【0166】
従って、本発明の化合物は、薬学的に受容可能なビヒクル(例えば、不活性希釈剤もしくは同化可能な食用キャリア)と組み合わせて、全身に(例えば、経口的に)投与され得る。それらは、硬質殻もしくは軟質殻のゼラチンカプセル中に閉じ込められ得るか、錠剤へと圧縮され得るか、または患者の食事の食品とともに直接組み込まれ得る。経口治療投与のために、上記活性化合物は、1種以上の賦形剤と合わせられ得、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェハなどの形態で使用され得る。このような組成物および調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。上記組成物および調製物のパーセンテージは、当然のことながら、異なり得、便宜的には、所定の単位剤形の重量の約2〜約60%の間であり得る。このような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、有効な投薬レベルが得られるような量である。
【0167】
上記錠剤、トローチ、丸剤、カプセル剤などはまた、以下の希釈剤およびキャリアを含み得る:結合剤(例えば、トラガカントガム、アカシアガム、コーンスターチもしくはゼラチン);賦形剤(例えば、第二リン酸カルシウム);崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸など);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);および甘味剤(例えば、スクロース、フルクトース、ラクトースもしくはアスパルテーム)または矯味矯臭剤(例えば、ペパーミント、ウィンターグリーンオイル、もしくはサクランボ調味料)が添加され得る。単位剤形がカプセル剤である場合、それは、上記タイプの材料に加えて、液体キャリア(例えば、植物性油もしくはポリエチレングリコール)を含み得る。種々の他の材料は、コーティングとして、もしくは上記固体単位剤形の物理的形態を別の方法で改変するために存在し得る。例えば、錠剤、丸剤、もしくはカプセル剤は、ゼラチン、ワックス、シェラックもしくは糖などでコーティングされ得る。シロップ剤もしくはエリキシル剤は、上記活性化合物、甘味剤としてのスクロースもしくはフルクトース、保存剤としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、染料および矯味矯臭剤(例えば、サクランボフレーバーもしくはオレンジフレーバー)を含み得る。当然のことながら、任意の単位剤形を調製するにあたって使用される任意の材料は、使用される量において薬学的に受容可能でかつ実質的に非毒性であるべきである。さらに、上記活性化合物は、徐放性調製物およびデバイスへと組み込まれ得る。
【0168】
上記活性化合物はまた、注入もしくは注射によって、静脈内にもしくは腹腔内に投与され得る。上記活性化合物もしくはその塩の溶液は、水中に、必要に応じて、非毒性界面活性剤と混合して調製され得る。分散物はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、およびその混合物中に、ならびに油中に、調製され得る。貯蔵および使用の通常の条件下で、これら調製物は、微生物の増殖を妨げるために、保存剤を含む。
【0169】
注射もしくは注入に適した医薬剤形は、滅菌注射用もしくは注入用の溶液もしくは分散物(必要に応じて、リポソーム中に被包される)の即座の調製に適合した、活性成分を含む滅菌散剤、または滅菌水溶液もしくは滅菌水性分散物を含み得る。すべての場合において、最終剤形は、製造および貯蔵の条件下で、無菌で、流体および安定であるべきである。上記液体キャリアもしくはビヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物性油、非毒性グリセリルエステル、およびそれらの適切な混合物を含む溶媒もしくは液体分散媒であり得る。適切な流動性が、例えば、リポソームの形成によって、分散物の場合には必要とされる粒径の維持によって、もしくは界面活性剤の使用によって、維持され得る。微生物活動の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)によってもたらされ得る。多くの場合において、等張剤(例えば、糖、緩衝液もしくは塩化ナトリウム)を含むことは好ましい。上記注射用組成物の長期の吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の組成物中での使用によってもたらされ得る。
【0170】
滅菌注射用溶液は、上記活性化合物を、上に挙げられる種々の他の成分とともに、適切な溶媒中で必要とされる量で組み込み、必要な場合には続いて、濾過滅菌することによって調製される。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌散剤の場合には、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術である。これらは、上記活性成分と予め滅菌濾過した溶液中に存在する任意のさらなる所望の成分との粉末を生じる。
【0171】
局所投与のために、本発明の化合物は、純粋形態で、すなわち、それらが液体である場合に、塗布され得る。しかし、皮膚科的に受容可能なキャリア(これらは、固体もしくは液体であり得る)と組み合わせて、組成物もしくは処方物としてそれらを皮膚に投与することは一般に望ましい。
【0172】
有用な固体キャリアとしては、細かく分割された固体(例えば、タルク、粘土、微結晶性セルロース、シリカ、アルミナなど)を含む。有用な液体キャリアは、水、アルコール、もしくはグリコール、または水−アルコール/グリコールブレンドを含み、ここで本発明の化合物は、必要に応じて、非毒性界面活性剤の助けを借りて、有効レベルで溶解もしくは分散させられ得る。補助剤(例えば、芳香剤およびさらなる抗菌剤)が添加されて、所定の使用のために特性を最適化し得る。得られた液体組成物は、吸収パッドから塗布され得るか、包帯および他の外傷用医薬材料に含浸するために使用され得るか、またはポンプタイプもしくはエアロゾルスプレーを使用して、罹患領域にスプレーされ得る。
【0173】
増粘剤(例えば、合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩および脂肪酸エステル、脂肪アルコール、改変セルロースもしくは改変ミネラル材料)もまた、使用者の皮膚に直接適用するために、拡げられるパスタ剤、ゲル剤、軟膏剤、石けんなどを形成するための液体キャリアとともに使用され得る。
【0174】
式Iの化合物を皮膚に送達するために使用され得る有用な皮膚科学的組成物の例は、当該分野で公知である;例えば、Jacquetら(米国特許第4,608,392号)、Geria(米国特許第4,992,478号)、Smithら(米国特許第4,559,157号)およびWortzman(米国特許第4,820,508号)を参照のこと。
【0175】
式Iの化合物の有用な投与量は、それらのインビトロ活性、および動物モデルにおけるインビボ活性を比較することによって決定され得る。マウス、および他の動物における有効投与量を、ヒトに外挿するための方法は、当該分野で公知である;例えば、米国特許第4,938,949号を参照のこと。
【0176】
処置における使用に必要とされる化合物、またはその活性な塩もしくは誘導体の量は、選択された特定の塩だけでなく、投与経路、処置される状態の性質、ならびに患者の性別および状態に伴っても変わり、最終的には、主治医もしくは臨床医の裁量である。
【0177】
しかし、一般に、適切な用量は、約0.5〜約100mg/kgの範囲(例えば、約10〜約75mg/kg体重/日(例えば、レシピエントの体重1kgあたり3〜約50mg/日、好ましくは、6〜90mg/kg/日の範囲、最も好ましくは、15〜60mg/kg/日の範囲))にある。
【0178】
上記化合物は、単位剤形において便宜的に投与される;例えば、単位剤形あたり5〜1000mg、便宜的には、10〜750mg、最も便宜的には、50〜500mgの活性成分を含む。一実施形態において、本発明は、このような単位剤形で処方された本発明の化合物を含む組成物を提供する。
【0179】
所望の用量は、便宜上、単一用量においてもしくは適切な間隔で投与される分割用量として(例えば、2つの下位用量(sub−dose)、3つの下位用量、4つの下位用量もしくはそれより多い下位用量として)与えられ得る。上記下位用量自体は、例えば、多くの別個のゆるく間隔を空けた投与へと(例えば、吸入器からの複数回の吸入もしくは眼への複数の液滴の適用によって)さらに分割され得る。
【0180】
本発明の化合物はまた、他の治療剤(例えば、免疫抑制に有用な他の薬剤)と組み合わせて投与され得る。よって、一実施形態において、本発明はまた、式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、少なくとも1種の他の治療剤、および薬学的に受容可能な希釈剤もしくはキャリアを含む組成物を提供する。本発明はまた、式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、少なくとも1種の他の治療剤、パッケージング材料、ならびに式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、および他の治療剤を、動物における免疫応答を抑制するために上記動物に投与するための指示書を含むキットを提供する。
【0181】
本発明の化合物はまた、キナーゼ(例えば、Janusキナーゼ(例えば、JAK1、JAK2もしくはTYK2))の機能と関連した他の疾患、状態もしくは障害(Janusキナーゼ(例えば、JAK1、JAK2もしくはTYK2)のようなキナーゼの病的活性化を含む)の処理において有用であり得る。従って、一実施形態において、本発明は、キナーゼ(例えば、Janusキナーゼ(例えば、JAK1、JAK2もしくはTYK2))関連疾患、状態もしくは障害の処置のための式Iの化合物を提供する。
【0182】
本発明の化合物がJAK3に結合する能力は、当該分野で周知の薬理学的モデルを使用して、もしくは以下に記載される試験Aを使用して、決定され得る。
【0183】
(試験A)
阻害定数(IC50)を、JAK3(JH1ドメイン触媒性)キナーゼおよびJAKファミリーの他のメンバーに対して決定した。Fabianら(2005)Nature Biotechnology,vol.23,p.329およびKaramanら(2008)Nature Biotechnology,vol.26,p.127に記載されるように、アッセイを行った。阻害定数を、三連で行った11点の用量応答曲線を使用して決定した。以下に示される表1は、本発明の化合物およびそれら各々のIC50値を列挙する。
【0184】
本発明の化合物が免疫調節効果を提供する能力はまた、当該分野で周知の薬理学的モデルを使用して決定され得る。本発明の化合物が抗癌効果を提供する能力はまた、当該分野で周知の薬理学的モデルを使用して決定され得る。
【0185】
本発明は、ここで、本発明の化合物および中間体の調製について以下の非限定的な実施例によって図示される。
【実施例】
【0186】
実施例1: N−シクロプロピル−5−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド (12E)
【0187】
【化49】

DMF(0.5mL)中の5−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(12D)(0.115g,0.36mmol)の溶液に、2−(ピロリジン−2−イル)ピリジンヒドロクロリド(12F)(0.067g,0.36mmol)、DIPEA(0.157mL,0.9mmol)を添加し、1時間にわたって180℃にマイクロ波で加熱した。上記反応混合物を、減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,ヘキサン中0〜100%(9:1の)酢酸エチル/メタノールで溶出]によって精製して、N−シクロプロピル−5−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(12E)(0.038g,25%)を灰白色固体として得た;mp 238.4℃; H NMR (300 MHz, MeOD) δ 8.62−8.42 (m, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.78−7.63 (m, 1H), 7.22 (m, 2H), 6.66 (s, 1H), 6.30 (bs, 1H), 5.51−5.25 (m, 1H), 4.08−3.95 (m, 1H), 3.88−3.72 (m, 1H), 2.97−2.75 (m, 1H), 2.63−2.41 (m, 1H), 2.08 (s, 3H), 0.84 (s, 4H); H NMR (300 MHz, DMSO/DO) δ 8.61−8.39 (m, 1H), 8.20−7.94 (m, 1H), 7.76−7.60 (m, 1H), 7.20 (m, 3H), 6.88−6.62 (m, 1H), 5.42−5.16 (m, 1H), 4.02−3.82 (m, 1H), 3.78−3.61 (m, 1H), 2.95−2.75 (m, 1H), 2.47−2.31 (m, 1H), 1.97 (s, 3H), 0.64 (s, 4H). MS (ES+) 431.9 (M+1), 883.15 (2M+Na), (ES−) 429.19 (M−1), 465.20 (M+Cl)。
【0188】
中間化合物5−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(12D)の調製
工程1:
2Mの塩化オキサリル(ジクロロメタン溶液,7mL,14mmol)の溶液を、0℃において、ジクロロメタン(25mL)およびTHF(0.7mL)中の5−ニトロ−3−ピラゾカルボン酸(12A)(1.10g,7mmol)の懸濁液に添加した。1滴のDMFを、上記反応混合物に添加し、3時間にわたって室温において撹拌した。上記反応混合物を、減圧下で乾固するまでエバポレートし、得られた残渣を、ジクロロメタン(35mL)中に溶解させた。上記溶液に、シクロプロパンアミン(0.6mL,8.5mmol)、ピリジン(1.13mL)、およびジクロロメタン(2mL)の混合物を、10分間にわたって添加した。室温において一晩撹拌した後、上記反応混合物を減圧下で乾固するまで濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル 0〜100%で溶出)によって精製して、N−シクロプロピル−5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(12B)(0.93g,68%)を灰白色固体として得た;mp 206.5℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 14.80 (s, 1H), 8.76 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 2.96−2.70 (m, 1H), 0.75 (td, J = 4.7, 7.1 Hz, 2H), 0.58 (dt, J = 4.5, 7.3 Hz, 2H)。
【0189】
工程2:
エタノール(20mL)中のN−シクロプロピル−5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(12B)(0.9g,4.6mmol)の溶液に、白金酸化物(125mg)を添加し、60psiにおいて3時間にわたって水素化した。上記触媒を、セライトのパッドに通す濾過によって除去し、上記濾液を、減圧下で濃縮して、5−アミノ−N−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(12C)(0.8g,100%)をオリーブ色の固体として得た;mp>246℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 12.20−11.68 (bs, 1H), 8.39−7.62 (bs, 1H), 6.12−5.41 (bs, 1H), 5.32−4.49 (bs, 2H), 2.74 (m, 1H), 0.64 (m, 2H), 0.54 (m, 2H)。
【0190】
工程3:
イソプロパノール(10mL)中の2,4−ジクロロフロ[3,2−d]ピリミジン(7K)(0.19g,1mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.21mL,1.5mmol)、5−アミノ−N−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(12C)(0.2g,1.2mmol)を添加し、48時間にわたって還流しながら加熱した。上記反応混合物を、減圧下で乾固するまで濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー[シリカゲル24g,ヘキサン中0〜100%(9:1の)酢酸エチル/メタノールで溶出]によって精製して、5−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(12D)(0.12g,38%)を淡黄色固体として得た;mp 246.8℃. H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.26 (s, 1H), 10.77 (s, 1H), 8.60 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.04 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 2.82 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 0.76−0.68 (m, 2H), 0.60 (m, 2H). MS (ES−) 316.91 (M−1)。
【0191】
中間化合物2,4−ジクロロフロ[3,2−d]ピリミジン(7K)の調製:
工程1:
ジフェニルホスホリルアジド(50g)を、トルエン(800mL)中の3−フル酸7F(54.4g)、トリエチルアミン(108mL)およびt−BuOH(78mL)の溶液に45分間にわたって滴下した。上記溶液を、6時間にわたって還流しながら加熱し、次いで、室温に一晩おいた。上記反応物を水(1000mL)でクエンチし、得られた溶液を、酢酸エチルで抽出した(3×1000mL)。合わせた有機相を、水(800mL)、ブライン(800mL)で洗浄し、活性炭で脱色し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、褐色の半固体を得、これを、CHCl(300mL)およびヘキサン(600mL)で処理した。上記固体を濾過して、tert−ブチルフラン−3−イルカルバメート(7G)(48.7g,60%)を白色の針状物として得た;mp 136.5℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 9.24 (s, 1H), 7.64(s, 1H), 7.46 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 6.33 (s, 1H), 1.44 (s, 9H). MS (ES) 184.20 (M+1).
工程2:
THF(800mL)中のtert−ブチルフラン−3−イルカルバメート(7G)(21g,114.65mmol)の溶液に、N,N,N’,N’−テトラメチレンエチレンジアミン(21.5mL,142.45mmol)を添加した。得られた橙色溶液を、−30℃へと冷却し、その後、n−BuLi(ヘキサン中1.6M,157mL,250mmol)を滴下して処理し、n−BuLiの添加後に0℃へと1時間にわたって加温した。上記溶液を再び−30℃へと冷却し、炭酸ジメチル(28.75mL,341mmol)で処理し、0℃へと45分間にわたって加温した。上記反応物を、2M HCl(400mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(800mL、600mL,400mL)。その合わせた有機相を、MgSOで乾燥させ、乾固するまで濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル 0〜100%で溶出)によって精製して、メチル3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フラン−2−カルボキシレート(7H)(13.5g,49%)を淡褐色油状物として得た。H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.32 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 3.83 (s, 3H), 1.50 (s, 9H); MS (ES+) 264.1 (M+Na)。
【0192】
工程3:
ジクロロメタン(100mL)中のメチル3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フラン−2−カルボキシレート(7H)(13.5g,55.96mmol)の溶液に、TFA(50mL)を添加し、得られた溶液を、室温において5時間にわたって撹拌した。その粗製反応混合物を、減圧下で乾固するまで濃縮した。得られた残渣を、ジクロロメタン(200mL)中に溶解させ、飽和NaHCOで洗浄した(3×100mL)。その有機層を、MgSOで乾燥させ、減圧下で乾固するまで濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,MeOH/CHCl 0〜20%で溶出)によって精製して、メチル3−アミノフラン−2−カルボキシレート(7E)(7.89g,100%)を淡黄色油状物として得た; H NMR (300 MHz, CDCl) δ 7.26 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.13 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.51 (s, 2H), 3.88 (s, 3H). MS (ES+): 164.2 (M+Na)。
【0193】
工程4:
ジクロロメタン(10mL)中のメチル3−アミノフラン−2−カルボキシレート(7E)(0.35g,2.5mmol)の溶液に、0℃においてイソシアン酸クロロスルホニル(sulfurisocyanatidic chloride)(0.26mL,3.0mmol)を添加し、0℃において45分間にわたって撹拌した。上記反応混合物を減圧下で乾固するまで濃縮し、得られた残渣に、酢酸(0.5mL)、水(1mL)を添加し、室温において1時間にわたって撹拌した。上記反応混合物を、pH8へと飽和NaHCO水溶液を使用して中和し、得られた固体を、濾過によって集め、減圧下で乾燥させて、メチル3−ウレイドフラン−2−カルボキシレート(7I)(0.29g,63%)を白色固体として得た; mp 208.1℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.46 (s, 1H), 7.73 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.70 (s, 2H), 3.82 (s, 3H)。
【0194】
工程5:
メチル3−ウレイドフラン−2−カルボキシレート(7I)(7.37g,40mmol)の溶液に、NaOH水溶液(1.5N,210mL,315mmol)を添加し、還流しながら1.5時間にわたって加熱した。上記反応混合物のpHを、HCl水溶液(6N)を使用して4〜5の間に調節し、(100mL)容積へと濃縮した。得られた固体を濾過によって集め、減圧下で乾燥させて、フロ[3,2−d]ピリミジン−2,4−ジオール(7J)(4.56g,75%)を褐色固体として得た;mp 232.9℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 11.23 (s, 1H), 11.09 (s, 1H), 8.04 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 2.0 Hz, 1H)。
【0195】
工程6:
フロ[3,2−d]ピリミジン−2,4−ジオール(7J)(1.52g,10mmol)に、ジメチルアニリン(1mL,8mmol)、オキシ塩化リン(0.9mL,9.65mmol)を添加し、130℃において3時間にわたって加熱した。上記反応混合物を室温へと冷却し、氷で注意深くクエンチした。得られた固体を濾過によって集め、水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、2,4−ジクロロフロ[3,2−d]ピリミジン(7K)(1.02g,54%)を淡褐色固体として得た; mp 107.3℃; H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.08 (d, J = 2.2, 1H), 7.02 (d, J = 2.2, 1H)。
【0196】
実施例2:N−シクロブチル−5−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13E):
【0197】
【化50】

DMF(0.5mL)中の5−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−シクロブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13D)(0.124g,0.37mmol)の溶液に、2−(ピロリジン−2−イル)ピリジンヒドロクロリド(12F)(0.086g,0.47mmol)、DIPEA(0.18mL,1.88mmol)を添加し、マイクロ波で2時間180℃に加熱した。上記反応混合物を減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,ヘキサン中の0〜100%(9:1の)酢酸エチル/メタノールで溶出]によって精製して、N−シクロブチル−5−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13E)(0.05g,30%)を灰白色固体として得た; mp 250.1℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.05−12.87 (bs, 0.67H), 12.87−12.70 (bs, 0.33H), 10.58−10.39 (bs, 0.33H), 10.12−9.92 (bs, 0.67H), 8.64−8.39 (m, 1.67H), 8.35−8.17 (m, 0.33H), 8.15−7.97 (m, 1H), 7.73−7.57 (m, 1H), 7.20 (m, 2H), 6.87−6.65 (m, 1H), 5.48−5.15 (m, 1H), 4.54−4.33 (m, 1H), 4.00−3.83 (m, 1H), 3.80−3.64 (m, 1H), 2.45−2.07 (m, 6H), 2.04−1.85 (m 3H),1.81−1.56 (m, 2H). MS (ES+) 445.10 (M+1), ES(−) 479.1 (M+Cl)。
【0198】
中間化合物5−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−シクロブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13D)の調製:
工程1:
2Mの塩化オキサリル(ジクロロメタン溶液,7mL,14mmol)の溶液を、0℃において、ジクロロメタン(25mL)、THF(0.7mL)中の5−ニトロ−3−ピラゾカルボン酸(12A)(1.10g,7mmol)の懸濁物に添加した。1滴のDMFを上記反応混合物に添加し、室温において3時間にわたって撹拌した。上記反応混合物を、減圧下で乾固するまでエバポレートし、得られた残渣をジクロロメタン(35mL)中に溶解させた。上記溶液に、シクロブチルアミン(0.72mL,8.5mmol)、ピリジン(1.13mL)、およびジクロロメタン(2mL)の混合物を10分間にわたって添加した。室温において一晩撹拌した後、上記反応混合物を減圧下で乾固するまで濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル 0〜100%で溶出)によって精製して、N−シクロブチル−5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13B)(0.927g,67.5%)を灰白色固体として得た; mp 240.1℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 14.77 (s, 1H), 8.92 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 4.55−4.24 (m, 1H), 2.33−2.15 (m, 2H), 2.13−1.95 (m, 2H), 1.79−1.60 (m, 2H). MS (ES−): 209.0 M−1。
【0199】
工程2:
エタノール(20mL)中のN−シクロブチル−5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13B)(0.77g,3.7mmol)の溶液に、白金酸化物(125mg)を添加し、60psiにおいて3時間にわたって水素化した。上記触媒を、セライトのパッドに通す濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮して、5−アミノ−N−シクロブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13C)(0.578g,87%)を暗桃色固体として得た;mp 147.0℃; H NMR (300 MHz, MeOD) δ 5.87 (s, 1H), 4.44 (m, 1H), 2.32 (m, 2H), 2.15−1.97 (m, 2H), 1.75 (m, 2H); HNMR (300 MHz, DMSO) δ 11.87 (s, 1H), 8.47−7.81 (m, 1H), 6.16−5.42 (m, 1H), 5.07 (bs, 2H), 4.34 (dd, J = 8.3, 16.6 Hz, 1H), 2.06 (m, 4H), 1.61 (m, 2H). MS (ES−) 215.0 (M+Cl)。
【0200】
工程3:
イソプロパノール(10mL)中の2,4−ジクロロフロ[3,2−d]ピリミジン(7K)(0.19g,1mmol)の溶液に、ジイソプロピルアミン(0.231mL,1.33mmol)、5−アミノ−N−シクロブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13C)(0.21g,1.1mmol)を添加し、還流しながら72時間にわたって加熱した。上記反応混合物を減圧下で乾固するまで濃縮し、得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー[シリカゲル24g,クロロホルム中0〜100%CMA−80(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア 80:18:2)で溶出]によって精製して、5−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−シクロブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13D)(0.2g,57%)を灰白色固体として得た;mp 277.1℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.24 (s, 1H), 10.78 (s, 1H), 8.75 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.38 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.04 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.41 (dd, J = 8.2, 16.3 Hz, 1H), 2.21 (m, 2H), 2.15−2.02 (m, 2H), 1.68 (m, 2H). MS (ES−) 330.90 (M−1)。
【0201】
実施例3: N−シクロブチル−3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(14F):
【0202】
【化51】

DMF(1mL)中の3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(14E)(0.065g,0.16mmol)の溶液に、HATU(0.076g,0.2mmol)、DIPEA(0.069mL,0.4mmol)およびシクロブチルアミン(0.018mL,0.21mmol)を添加した。上記反応混合物を、70℃に2時間にわたってマイクロ波で加熱し、減圧下で乾固するまで濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって2回精製して[第1のカラム:シリカゲル12g,クロロホルム中0〜100%CMA−80で溶出し、続いてCMA−80中0〜100% CMA−50で溶出、第2のカラム:シリカゲル12g、クロロホルム中0〜100%CMA−80で溶出]、N−シクロブチル−3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(14F)(17mg,23%)を灰白色物質として得た;mp 274.3℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.04−12.86 (bs, 0.64 H), 12.85−12.69 (bs, 0.36H), 10.57−10.37 (m, 0.36H), 10.09−9.93 (bs, 0.64H), 8.63−8.39 (m, 1.67H), 8.33−8.18 (m, 0.33H), 8.16−7.99 (m, 1H), 7.74−7.57 (m, 1H), 7.20 (m, 2H), 6.86−6.62 (m, 1H), 5.45−5.17 (m, 1H), 4.55−4.35 (m, 1H), 4.01−3.84 (m, 1H), 3.80−3.66 (m, 1H), 2.44−2.06 (m, 6H), 2.05−1.86 (m, 3H), 1.80−1.58 (m, 2H); MS (ES+) 445.16 (M+1), 911.34 (2M+Na), ES(−) 443.1 (M−1)。
【0203】
中間化合物3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(14E)の調製:
工程1:
メタノール(75mL)中のメチル3−ニトロ−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(14A)(5g,29.22mmol)の溶液に、Pd/C(C上に10%,0.6g)を添加した。得られた混合物を、50psiにおいて24時間にわたって水素化した。セライトのパッドを通して上記触媒を濾過した後、その濾液を、減圧下で乾固するまで濃縮し、その残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,MeOH/CHCl 0〜20%で溶出)によって精製して、メチル3−アミノ−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(14B)(4.4g,100%)を灰白色固体として得た; mp 134.1℃; H NMR(300 MHz, DMSO) δ 12.99−11.69(bs, 1H), 5.77 (s, 1H), 5.03 (bs, 2H), 3.74 (s, 3H). MS (ES+) 142.2 (M+1)。
【0204】
工程2:
イソプロパノール(15mL)中の2,4−ジクロロフロ[3,2−d]ピリミジン(7K)(0.28g,1.5mmol)の溶液に、ジイソプロピルアミン(0.653mL,3.75mmol)、メチル3−アミノ−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(14B)(0.25g,1.8mmol)を添加し、還流しながら48時間にわたって加熱した。上記反応混合物を、減圧下で乾固するまで濃縮し、得られた残渣を、水と共に摩砕した。得られた固体を濾過によって集めて、減圧下で乾燥させて、メチル3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(14C)(0.23g,52%)を灰白色固体として得た; mp 274.9℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.78 (s, 1H), 11.06 (s, 1H), 8.40 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.07 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H). MS ES(−) 292.2 (M−1)。
【0205】
工程3:
エタノール(1.25mL)中のメチル3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(14C)(0.357g,1.22mmol)の溶液に、1N NaOH水溶液(1.25mL,1.25mmol)を添加し、還流しながら24時間にわたって加熱した。上記反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を水と共に摩砕した。その固体を濾過によって集め、減圧下で乾燥させて、ナトリウム3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(14D)(0.3g,83%)をベージュ色の固体として得た; mp 274.3℃; H NMR(300 MHz, DMSO) δ 12.42(s, 1H), 10.61(s, 1H), 8.32(s, 1H), 7.00(s, 1H), 6.63(s, 1H). MS(ES−) 277.7(M−Na)。
【0206】
工程4:
キシレン(0.4mL)中の2−(ピロリジン−2−イル)ピリジンヒドロクロリド(12F)(0.101g,0.547mmol)に、DIPEA(0.095mL,0.547mmol)を添加し、室温にて15分間にわたって撹拌した。上記反応混合物に、ナトリウム3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(14D)(0.083g,0.274mmol)を添加し、5時間にわたって170℃にマイクロ波で加熱した。上記反応混合物を、酢酸(0.25mL,4.25mmol)でクエンチし、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー[シリカゲル,クロロホルム中0〜100%CMA−80(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア 80:18:2)で溶出し、続いて、CMA−80中0〜100%CMA−50(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア 50:40:10)で溶出]によって精製して、3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(14E)(77mg,72%酢酸アンモニアを添加)を得、これを、そのまま次の工程に使用した。MS(ES+) 392.1(M+1)。
【0207】
実施例4:(S)−N−シクロプロピル−3−(2−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(15C):
【0208】
【化52】

DMF(2mL)中の(S)−3−(2−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(15B)(0.11g,0.33mmol)の溶液に、HATU(0.16g,0.42mmol)、DIPEA(0.072mL,0.42mmol)およびシクロプロピルアミン(0.116mL,1.65mmol)を添加した。上記反応混合物を室温において一晩撹拌し、減圧下で乾固するまで濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって2回精製して[第1のカラム:シリカゲル24g、クロロホルム中0〜100%CMA−80で、第2のカラム:シリカゲル12g、クロロホルム中0〜100%CMA−80で溶出]、(S)−N−シクロプロピル−3−(2−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(15C)(18mg,15%)をベージュ色の固体として得た;mp 96.8℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.07 (s, 0.7H), 12.91−12.65 (bs, 0.3H), 10.60−10.38 (bs, 0.3H), 10.34−10.04 (bs, 0.7H), 8.05 (m, 2H), 7.25 (s, 0.7H), 6.75 (m, 1H), 6.57−6.36 (m, 0.3H), 5.63−5.24 (m, 0.7H), 5.16−4.97 (m, 0.3H), 4.28−4.00 (m, 1H), 3.89−3.69 (m, 1H), 3.56−3.45 (m, 1H), 3.30−3.21 (m, 1H), 2.81 (m, 1H), 1.92 (m, 4H), 1.23 (m, 1H), 0.63 (m, 4H). MS (ES+) 384.1 (M+1), ES (−) 382.3 (M−1)。
【0209】
中間化合物(S)−3−(2−(2−(ヒドロキシメチル)−ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(15B)の調製:
キシレン(0.8mL)中の(S)−ピロリジン−2−イルメタノール(15A)(0.17mL,1.75mmol)に、ナトリウム3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(14D)(0.212g,0.7mmol)を添加し、マイクロ波で4時間にわたって200℃で加熱した。上記反応混合物を、酢酸(0.4mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー[シリカゲル12g,クロロホルム中の0〜100%CMA−80(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア 80:18:2)で溶出し、続いて、CMA−80中の0〜100%CMA−50(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア 50:40:10)で溶出]によって精製して、(S)−3−(2−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(15B)(11mg,45%)を得た。MS(ES+) 345.1(M+1),(ES−) 343.02(M−1)。
【0210】
実施例5: N−(3−メトキシフェニル)−3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(16D):
【0211】
【化53】

NMP(0.5mL)中の3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(16C)(0.043g,0.11mmol)の溶液に、2−(ピロリジン−2−イル)ピリジンヒドロクロリド(12F)(0.050g,0.22mmol)、DIPEA(0.078mL,0.444mmol)を添加し、マイクロ波で3時間にわたって200℃に加熱した。上記反応混合物を室温へと冷却し、水(5mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×5mL)。その有機層を合わせ、水(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって2回精製して[シリカゲル12gおよび4g,ヘキサン中0〜100%(9:1の)酢酸エチル/メタノールで希釈]、N−(3−メトキシフェニル)−3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(16D)(0.02g,36%)を灰白色固体として得た; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.31−13.14 (m, 0.6H), 13.06−12.88 (m, 0.4H), 10.66−10.43 (m, 0.4H), 10.26−10.08 (m, 1.2H), 10.04−9.88 (m, 0.4H), 8.61−8.45 (m, 0.6H), 8.39−8.20 (m, 0.4H), 8.19−8.00 (m, 1H), 7.72−7.42 (m, 3H), 7.18 (s, 3H), 6.86−6.63 (m, 2H), 5.59−5.36 (m, 0.4H), 5.35−5.20 (m, 0.6H), 4.03−3.85 (m, 1H), 3.76 (s, 4H), 3.31 (s, 1H), 2.43−2.31 (m, 1H), 1.98 (s, 3H). MS (ES(−) 495.0 (M−1)。
【0212】
中間化合物 3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(16C)の調製:
工程1:
エタノール(2mL)中のメチル3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(14C)(0.55g,1.87mmol)の溶液に、1N NaOH水溶液(2mL,2mmol)を添加し、還流しながら48時間にわたって加熱した。上記反応混合物を酢酸(0.6mL)でクエンチし、減圧下で乾固するまで濃縮した。得られた残渣を水(5mL)およびIPA(5mL)と共に摩砕した。得られた固体を濾過によって集め、減圧下で乾燥させて、3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(16A)(0.34g,60%)を灰白色固体として得た; HNMR (300 MHz, DMSO) δ 13.87 − 13.22 (m, 1H), 10.99 (s, 1H), 8.39 (d, J = 2.1, 1H), 7.08 (s, 1H), 7.06 (d, J = 2.2, 1H); MS (ES−) 278.3(M−1)。
【0213】
工程2:
DMF(5mL)中の3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸((16A)(0.38g,1.36mmol)の溶液に、HATU(0.91g,2.4mmol)、DIPEA(0.627mL,3.6mmol)および3−メトキシアニリン(16B)(0.27mL,2.4mmol)を添加した。上記反応混合物を、室温において一晩撹拌し、水(15mL)で希釈した。上記反応混合物を、酢酸エチルで抽出した(3×10mL)。その有機層を合わせ、水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー[シリカゲル24g、ヘキサン中0〜100%(9:1の)酢酸エチル/メタノールで溶出]によって精製して、−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(16C)(0.043g,18%)を灰白色固体として得た;MS(ES−) 383.2(M−1)。
【0214】
実施例6:3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(17C):
【0215】
【化54】

NMP(0.5mL)中の3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(17B)(0.102g,0.29mmol)の溶液に、2−(ピロリジン−2−イル)ピリジンヒドロクロリド(12F)(0.127g,0.574mmol)、DIPEA(0.2mL,1.15mmol)を添加し、マイクロ波で3時間にわたって200℃に加熱した。上記反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×5mL)。その有機層を合わせ、水(5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって2回精製して[シリカゲル12gおよび4g、ヘキサン中0〜100%(9:1の)酢酸エチル/メタノールで溶出]、3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(17C)(0.01g,8%)を灰白色固体として得た; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.47−13.24 (m, 0.5H), 13.22−13.00 (m, 0.5H), 10.67−10.37 (m, 1.5H), 10.29−10.12 (m, 0.5H), 8.49 (s, 3H), 8.23−8.05 (m, 1H), 7.88 (s, 2H), 7.74−7.59 (m, 1H), 7.19 (s, 2H), 6.88−6.66 (m, 1H), 5.56−5.20 (m, 1H), 3.99−3.85 (m, 1H), 3.82−3.69 (m, 1H), 3.29−3.22 (m, 1H), 2.39−2.33 (m, 1H), 1.99 (s, 3H). MS ES (+) 468.03, ES (−) 466.1 (M−1)。
【0216】
中間化合物3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(17B)の調製:
DMF(2mL)中の3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(16A)(0.17g,0.6mmol)の溶液に、HATU(0.464g,1.22mmol)、DIPEA(0.212mL,1.22mmol)およびピリジン−4−アミン(17A)(0.115g,1.22mmol)を添加した。上記反応混合物を、室温において一晩撹拌し、水(10mL)で希釈した。上記反応混合物を、酢酸エチルで抽出した(3×10mL)。その有機層を得られ、水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー[シリカゲル12g、ヘキサン中0〜100%(9:1の)酢酸エチル/メタノールで溶出]によって精製して、3−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(17B)(0.102g,47%)を灰白色固体として得た; MS(ES+) 356.0(M+1),(ES−) 353.8(M−1)。
【0217】
実施例7:3−アミノ−1−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−N−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(18A):
【0218】
【化55】

イソプロパノール(10mL)中の2,4−ジクロロフロ[3,2−d]ピリミジン(7K)(0.19g,1mmol)の溶液に、固体NaHCO(1.68g,2mmol)、5−アミノ−N−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(12C)(0.2g,1.2mmol)を添加し、還流しながら48時間にわたって加熱した。上記反応混合物を、減圧下で乾固するまで濃縮し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[シリカゲル、24g、ヘキサン中0〜100%(9:1の)酢酸エチル/メタノールで溶出]によって精製して、5−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(12D)および3−アミノ−1−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−N−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(18A)(0.02g,6%)を黄色固体として得た;mp 218.8℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.73 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.92 (s, 2H), 5.82 (s, 1H), 2.81 (dt, J = 5.6, 11.3 Hz, 1H), 0.75−0.66 (m, 2H), 0.64−0.56 (m, 2H); H NMR (300 MHz, MeOD) δ 8.45 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 5.91 (s, 1H), 2.89−2.76 (m, 1H), 0.84 (m, 2H), 0.73−0.63 (m, 2H)。
【0219】
実施例8:N−シクロブチル−5−(2−(ジメチルアミノ)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(19A):
【0220】
【化56】

DMF(0.5mL)中の5−(2−クロロフロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−シクロブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13D)(0.124g,0.37mmol)の溶液に、2−(ピロリジン−2−イル)ピリジンヒドロクロリド(12F)(0.086g,0.47mmol)、DIPEA(0.18mL,1.88mmol)を添加し、マイクロ波で2時間にわたって180℃に加熱した。上記反応混合物を減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー[シリカゲル、ヘキサン中0〜100%(9:1の)酢酸エチル/メタノールで溶出]によって精製して、N−シクロブチル−5−(2−(ジメチルアミノ)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(19A)(0.052g,41%)を灰白色固体として得た; mp 270.8℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.12−12.88 (bs, 0.7H), 12.85−12.56 (bs, 0.3H), 10.43−10.14 (bs, 0.3H), 10.08−9.78 (s, 0.7H), 8.69−8.44 (m, 0.7H), 8.28−8.17 (m, 0.3H), 8.15−7.96 (m, 1H), 7.18 (s, 0.7H), 6.73 (m, 1H), 6.57−6.40 (m, 0.3H), 4.37 (m, 1H), 3.11 (s, 6H), 2.20 (m, 4H), 1.67 (m, 2H). MS (ES−) 339.99 (M−1)。N−シクロブチル−5−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13E)(0.05g,30%)を灰白色固体として得た; mp 250.1℃; H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.05−12.87 (bs, 0.67H), 12.87−12.70 (bs, 0.33H), 10.58−10.39 (bs, 0.33H), 10.12−9.92 (bs, 0.67H), 8.64−8.39 (m, 1.67H), 8.35−8.17 (m, 0.33H), 8.15−7.97 (m, 1H), 7.73−7.57 (m, 1H), 7.20 (m, 2H), 6.87−6.65 (m, 1H), 5.48−5.15 (m, 1H), 4.54−4.33 (m, 1H), 4.00−3.83 (m, 1H), 3.80−3.64 (m, 1H), 2.45−2.07 (m, 6H), 2.04−1.85 (m 3H),1.81−1.56 (m, 2H). MS (ES+) 445.10 (M+1), ES(−) 479.1 (M+Cl)。
【0221】
実施例9.
以下は、ヒトにおける治療的使用もしくは予防的使用のための、式Iの化合物(「化合物X」)を含む、代表的医薬剤形を示す。
【0222】
【数1】

【0223】
【数2】

上記処方物は、製薬分野で周知の従来手順によって得られ得る。
【0224】
表I
酵素のJAKファミリーに関する本発明の代表的化合物の活性
【0225】
【表1】

すべての刊行物、特許、および特許文書は、個々に援用されるかのように、本明細書に参考として援用される。本発明は、種々の具体的かつ好ましい実施形態および技術を参照しながら記載してきた。しかし、多くのバリエーションおよび改変が行われ得ると同時に、本発明の趣旨および範囲内にあることは、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化57】

またはその塩であって、ここで
Aは、1個以上のR基で必要に応じて置換されたフランであり;
Xは、NH、O、もしくはSであるか、または存在せず;
Yは、ヘテロアリールもしくはアリールであり、ここでヘテロアリールは、XがNH、OもしくはSである場合に炭素原子によってXに連結され、Yの任意のヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得;
は、−C(O)NR、−C(S)NR、もしくは−C(=NR)NRであり;
は、ヘテロアリール、−NR、−OR、SRもしくはCHR10であり、ここでRの任意のヘテロアリールは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、ハロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−ORa2、−OC(O)Rb2、−OC(O)NRc2d2、−SRa2、−S(O)OH、−S(O)Rb2、−S(O)b2、−S(O)NRc2d2、−NRc2d2、−NRe2C(O)Rb2、−NRe2C(O)NRc2d2、NRe2S(O)b2、−NRe2S(O)NRc2d2、NO、−C(O)Ra2、−C(O)ORa2もしくは−C(O)NRc2d2であり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され、そしてRは、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され、そしてR10は、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびR10は、これらが結合する炭素と一緒になって、(C−C)シクロアルキル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびR10の任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
各R11は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−OR、−NRCOR、NR、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、ハロ、R、OH、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、CHO、−C(O)R、COH、−C(O)ORおよび−C(O)NRから選択される1個以上の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ハロ、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−C(O)R、−C(O)ORおよび−C(O)NRから独立して選択され;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rは、アリール、複素環およびヘテロアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得、そしてRの任意の複素環は、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得;
各Rは、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得、そしてRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルもしくは複素環は、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得;
は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、ハロ、R、CN、OH、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−C(O)R、−C(O)ORおよび−C(O)NRから独立して選択され;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、OH、CHOH、NHおよびCONHから独立して選択される1個以上の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり、ここでRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールは、ORおよびNRから選択される1個以上の基で必要に応じて置換され得;
各Ra2は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rb2は、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
c2およびRd2は各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRc2およびRd2は、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;そして
各Re2は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルである、
化合物またはその塩。
【請求項2】
式IIbの化合物:
【化58】

である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
式IIaの化合物:
【化59】

である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
式IIcの化合物:
【化60】

である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
は−C(O)NRである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
は、アリールであり、Rの任意のアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
はヘテロアリールであり、Rの任意のヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
はHもしくは(C−C)アルキルであり、Rの任意のアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
はHである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
−X−Y−Rは、以下の:
【化61】

【化62】

である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
式Iの化合物:
【化63】

またはその塩であって、ここで、
Aは、1個以上のR基で必要に応じて置換されたフランであり;
Xは、NH、O、もしくはSであるか、または存在せず;
Yは、ヘテロアリールもしくはアリールであり、ここでヘテロアリールは、XがNH、OもしくはSである場合に炭素原子によってXに連結され、そしてYの任意のヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得;
は、−C(O)NRg1h1、−NRC(O)NR、−CHO、−C(O)R、−COH、−C(O)OR、−NRS(O)NR、−NRC(O)R、−NRS(O)、−C(O)C(O)R、−C(O)NRS(O)、−C(O)NRCHO、−C(O)NRC(O)R、−C≡CH、−C≡CR、−C(S)NRg1h1、−C(=NR)NRg1h1、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリール、もしくはアリールであるか、または存在せず、ここでRの任意のアルキル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得;
は、ヘテロアリール、−NR、−OR、SRもしくはCHR10であり、ここでRの任意のヘテロアリールは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、ハロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−ORa2、−OC(O)Rb2、−OC(O)NRc2d2、−SRa2、−S(O)OH、−S(O)Rb2、−S(O)b2、−S(O)NRc2d2、−NRc2d2、−NRe2C(O)Rb2、−NRe2C(O)NRc2d2、NRe2S(O)b2、−NRe2S(O)NRc2d2、NO、−C(O)Ra2、−C(O)ORa2もしくは−C(O)NRc2d2であり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され、そしてRは、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環およびアリールから選択され、そしてR10は、Hおよび(C−C)アルキルから選択されるか;またはRおよびR10は、これらが結合する炭素と一緒になって、(C−C)シクロアルキル、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびR10の任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、1個以上のR11基で必要に応じて置換され得;
各R11は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、−OR、−NRCOR、NR、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリールもしくはアリールは、ハロ、R、OH、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−CHO、−C(O)R、−C(O)OH、−C(O)ORおよび−C(O)NRから選択される1個以上の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、ハロ、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−C(O)R、−C(O)ORおよび−C(O)NRから独立して選択され;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
g1は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルから選択され、ここでRg1の任意のアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得、そしてRh1は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルから選択され、ここでRh1の任意のアルキル、アルケニル、アルキニルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得るか;またはRg1およびRh1は、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRg1およびRh1の任意のピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上のRもしくはオキソ基で必要に応じて置換され得;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択され、ここでRもしくはRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のR基で必要に応じて置換され得、そしてRもしくはRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルもしくは複素環は、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得るか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノもしくはチオモルホリノは、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個)のRもしくはオキソ基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択され、ここでRの任意のアリールもしくはヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得、そしてRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルもしくは複素環は、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得;
各Rは、ハロ、R、CN、OH、−OR、−OC(O)R、−OC(O)NR、SH、−SR、−S(O)R、−S(O)OH、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−NRS(O)、−NRS(O)NR、NO、−C(O)R、−C(O)ORおよび−C(O)NRから独立して選択され;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
およびRは各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRおよびRは、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し、ここでRおよびRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、アリールピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノは、CHOH、OH、NHおよびCONHから独立して選択される1個以上の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルであり;
各Rは、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり、ここでRの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールは、ORおよびNRから選択される1個以上の基で必要に応じて置換され得;
各Rは、独立して、ハロ、ヘテロアリール、(C−C)アルキル、CN、−O(C−C)アルキル、NO、−C(O)OH、−(C−C)アルキルNH、−(C−C)アルキルOH、−NHC(O)(C−C)アルキルもしくは−NHC(O)(C−C)アルキルCNであり、ここでヘテロアリールは、−(C−C)アルキルNHもしくは−(C−C)アルキルOHで必要に応じて置換され;
各Ra2は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
各Rb2は、独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールもしくはアリールであり;
c2およびRd2は各々独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、複素環、ヘテロアリールおよびアリールから選択されるか;またはRc2およびRd2は、これらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノを形成し;そして
各Re2は、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルもしくは(C−C)シクロアルキルである、
化合物またはその塩。
【請求項12】
式IIaの化合物:
【化64】

である、請求項11に記載の化合物またはその塩。
【請求項13】
式IIbの化合物:
【化65】

である、請求項11に記載の化合物またはその塩。
【請求項14】
式IIcの化合物:
【化66】

である、請求項11に記載の化合物またはその塩。
【請求項15】
が、−C(O)NRg1h1、−NRC(O)NRg1h1、もしくは−C(O)Rであるか、または存在しない、請求項11〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
は、−C(O)NRg1h1もしくは−C(O)Rである、請求項11〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
は、−C(O)NRg1h1である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
g1は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであり、Rg1の任意のアルキルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る、請求項11〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
g1は、(C−C)アルキルもしくは(C−C)シクロアルキルであり、Rg1の任意のアルキルもしくはシクロアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る、請求項11〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
g1は、(C−C)アルキルであり、Rg1の任意のアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る、請求項11〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
h1は、Hもしくは(C−C)アルキルであり、Rh1の任意のアルキルは、1個以上のオキソ(C=O)もしくはR基で必要に応じて置換され得る、請求項11〜20のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
h1はHである、請求項11〜20のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
−X−Y−Rは、以下の
【化67】

【化68】

【化69】

【化70】

である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
Xは存在しない、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
XはOである、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
XはNHである、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
Yは、ヘテロアリールであり、ここでYの任意のヘテロアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
Yは、ピラゾリル、ピリミジニル、チアゾリルもしくはオキサゾリルであり、Yの任意のピラゾリル、ピリミジニル、チアゾリルもしくはオキサゾリルは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
Yは、以下の
【化71】

である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
Yは、以下の
【化72】

である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
Yは、アリールであり、Yの任意のアリールは、1個以上のR基で必要に応じて置換され得る、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
Yはフェニルである、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
は−NRである、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
は−ORである、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
は(C−C)アルキルである、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
−NRは、1個もしくは2個のR11基で置換された、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノである、請求項33に記載の化合物。
【請求項37】
−NRは、1個もしくは2個のR11基で置換されたピロリジノである、請求項33に記載の化合物。
【請求項38】
は、
【化73】

である、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項39】
11は、ヘテロアリール、アリール、−CHOH、−CHNH、−NHC(O)CHおよびOHから選択される、請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
11はヘテロアリールである、請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項41】
11はピリジンである、請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
11は−CHOHである、請求項1〜38のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項43】
は、以下の
【化74】

である、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項44】
は、以下の
【化75】

【化76】

である、請求項1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項45】
N−(3−メトキシフェニル)−3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;もしくは
3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−N−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
である、請求項1に記載の化合物またはこれらの塩。
【請求項46】
N−シクロプロピル−5−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−シクロブチル−5−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(13E);
N−シクロブチル−3−(2−(2−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
(S)−N−シクロプロピル−3−(2−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;もしくは
N−シクロブチル−5−(2−(ジメチルアミノ)フロ[3,2−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
である、請求項11に記載の化合物またはこれらの塩。
【請求項47】
請求項1〜46のいずれか1項に記載される式Iの化合物、もしくはその薬学的に受容可能な塩を、薬学的に受容可能な希釈剤もしくはキャリアと組み合わせて含む、薬学的組成物。
【請求項48】
医学的治療における使用のための、請求項1〜46のいずれか1項に記載される式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項49】
哺乳動物における病的JAK活性化と関連した疾患もしくは状態を処置するための方法であって、該方法は、請求項1〜46のいずれか1項に記載される式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を、該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項50】
病的JAK活性化と関連した疾患もしくは状態の予防的処置もしくは治療的処置における使用のための、請求項1〜46のいずれか1項に記載される式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項51】
哺乳動物における病的JAK活性化と関連した疾患もしくは状態の処置のための医薬の製造のための、請求項1〜46のいずれか1項に記載される式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項52】
前記病的JAK活性化と関連した疾患もしくは状態は、癌である、請求項49〜51のいずれか1項。
【請求項53】
前記病的JAK活性化と関連した疾患もしくは状態は、血液悪性疾患もしくは他の悪性疾患である、請求項49〜51のいずれか1項。
【請求項54】
哺乳動物における免疫応答を抑制するための方法であって、該方法は、請求項1〜46のいずれか1項に記載される式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を、該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項55】
免疫応答の予防的抑制もしくは治療的抑制における使用のための、請求項1〜46のいずれか1項に記載される式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項56】
哺乳動物における免疫応答を抑制するための医薬の製造のための、請求項1〜46のいずれか1項に記載される式Iの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の使用。

【公表番号】特表2013−515740(P2013−515740A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546214(P2012−546214)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/061912
【国際公開番号】WO2011/079230
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(512021368)バイオクライスト ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】