LEDディスプレーの製造方法
【課題】従来のLEDディスプレーにおけるワイヤボンディングすることによる色のバラツキの問題を解消することができる新規なLEDディスプレーを製造する。更に、樹脂の自然沈降によらず極めて短時間で新規なLEDディスプレーを製造する。
【解決手段】発光ダイオード本体1の相対向する両側面に表面側から裏面側に通ずる凹部2、2を設けると共に該凹部2、2の表面に絶縁層3、3を形成する。次に該発光ダイオード本体1の裏面に再配線回路4、4とバンプ5、5を形成する。次に該発光ダイオード本体1の表面側の電極1a、1aと裏面側の再配線回路4、4とを前記凹部2、2内に形成した導電体6、6をもって接続する。最後に該発光ダイオード本体1の表面に蛍光体の層7を形成する。
【解決手段】発光ダイオード本体1の相対向する両側面に表面側から裏面側に通ずる凹部2、2を設けると共に該凹部2、2の表面に絶縁層3、3を形成する。次に該発光ダイオード本体1の裏面に再配線回路4、4とバンプ5、5を形成する。次に該発光ダイオード本体1の表面側の電極1a、1aと裏面側の再配線回路4、4とを前記凹部2、2内に形成した導電体6、6をもって接続する。最後に該発光ダイオード本体1の表面に蛍光体の層7を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLEDディスプレーの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードと該発光ダイオードの発光色と異なる色の蛍光体とを組み合わせ、両者の色を混合して適宜の色に発光させるLEDディスプレーが種々の分野において用いられている。尚、発光する色については、例えば青色の発光色を出力する発光ダイオード上に黄色の蛍光体を配すると白色の混合色となり、また赤色の発光色を出力する発光ダイオード上に黄色の蛍光体を配するとオレンジ色の混合色となる等、異なる色を適宜に組み合わせることによって所望の混合色を得るようにしている。
【0003】
そして、斯かる従来のLEDディスプレーは、図7に示す如く構成されている。即ち、該LEDディスプレー100は、ケース101の底部に、発光ダイオード102をワイヤボンディングしたリードフレーム103を収め、該ケース101内に、蛍光体粉末を混入した樹脂104を注入して固化させてなるものである。尚、図中102a、102aはボンディングワイヤである。
【0004】
また、発光ダイオードをリードフレームや配線パターンにワイヤボンディングによって電気的に接続することは、例えば特許文献1、2に示す如く周知である。
【0005】
【特許文献1】特開2007−234470号公報
【特許文献2】実用新案登録第3114129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、斯かる従来のLEDディスプレー100の場合には、実際の使用時において発光ダイオード102が発光したとき、ワイヤボンディング用のワイヤの影が出ることにより、色のバラツキが生ずるという問題点がある。更に、発光ダイオード102をワイヤボンディングしたリードフレーム103を収め、該ケース101内に、蛍光体粉末を混入した樹脂104を注入して固化させてなるものであるが、この樹脂104は自然沈降によっているため、相当な長時間を要するため製造効率が悪く、これがLEDディスプレーの値段を高価にしている。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、従来のLEDディスプレーの如く発光ダイオードの実装基板の配線パターン等への接合をワイヤボンディングによる接合によることなく、発光ダイオード本体の側面に設けた凹部内に形成した導電体によって該発光ダイオード本体の表面側の電極と裏面側に形成した再配線回路及びバンプとを接続して行うようになし、そして斯かる発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成するようになし、もってボンディングワイヤの存在による上記従来のLEDディスプレーの問題点を悉く解消することができるようになし、更には樹脂の自然沈降によらず極めて短時間で製造することができる新規なLEDディスプレーの製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
而して、本発明に係るLEDディスプレーの製造方法は、発光ダイオード本体の側面に表面側から裏面側に通ずる凹部を設けると共に該凹部の表面に絶縁層を形成し、次に該発光ダイオード本体の裏面に再配線回路とバンプを形成し、次に該発光ダイオード本体の表面側の電極と裏面側の再配線回路とを前記凹部内に形成した導電体をもって接続し、最後に該発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成したことを特徴とするものである。
【0009】
また、上記製造方法において、凹部は発光ダイオード本体の相対向する両側面に設けるようにしてもよい。
【0010】
また、上記製造方法において、蛍光体を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上下に透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に貼着することによって蛍光体の層を形成するようになしてもよい。
【0011】
また、上記製造方法において、透明な樹脂フィルムの上面に印刷によって蛍光体粉末を混入した樹脂を塗布し、更に該蛍光体粉末を混入した樹脂の上面に透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に貼着することによって蛍光体の層を形成するようになしてもよい。
【0012】
また、上記製造方法において、透明な樹脂を印刷によって発光ダイオード本体の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入した樹脂を印刷によって前記透明な樹脂の上面に塗布し、更に透明な樹脂を印刷によって前記蛍光体粉末を混入した樹脂の上面に塗布することによって蛍光体の層を形成するようになしてもよい。
【0013】
また、上記製造方法において、透明な樹脂を印刷によって発光ダイオード本体の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムを前記透明な樹脂の上面に重合貼着し、更に透明な樹脂を印刷によって前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上面に塗布することによって蛍光体の層を形成するようになしてもよい。
【0014】
また、上記製造方法において、蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの裏面に、紫外線を照射することによって硬化する透明な接着剤を塗布し、更に前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上面に、透明な樹脂を印刷によって塗布するか、又は透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に載せ、紫外線を照射することによって前記接着剤を硬化させて前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムを接着し、もって蛍光体の層を形成するようになしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来のLEDディスプレーの如く発光ダイオードの実装基板の配線パターン等への接合をワイヤボンディングによる接合によることなく、発光ダイオード本体の側面に設けた凹部内に形成した導電体によって該発光ダイオード本体の表面側の電極と裏面側に形成した再配線回路及びバンプとを接続して行うようになし、そして斯かる発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成するようになし、もってボンディングワイヤの存在による上記従来のLEDディスプレーの問題点を解消することができるようになし、更には樹脂の自然沈降によらないために極めて短時間で新規なLEDディスプレーを製造することができるものである。
【0016】
特に、本発明の製造方法にあっては、発光ダイオード本体の表面に形成する透明な樹脂、蛍光体粉末を混入した樹脂及び表面側の透明な樹脂の形成を全てウエハ上において行うことができ、また、発光ダイオード本体の側面に設ける凹部は、ウエハのダイシングラインに透孔を穿孔することによって容易に形成することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るLEDディスプレーの製造方法を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の第1実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法の説明図、図2は同製造方法によって製造したLEDディスプレーの発光ダイオード本体の内部機構を省略して示した中央縦断正面図である。
【0019】
本実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法は、発光ダイオード本体1の相対向する両側面に表面側から裏面側に通ずる凹部2、2を設けると共に該凹部2、2の表面に絶縁層3、3を形成し、次に該発光ダイオード本体1の裏面に再配線回路4、4とバンプ5、5を形成し、次に該発光ダイオード本体1の表面側の電極1a、1aと裏面側の再配線回路4、4とを前記凹部2、2内にメッキ又はスルーホール印刷により形成した導電体6、6をもって接続し、最後に該発光ダイオード本体1の表面に蛍光体の層7を形成したことを特徴とするものである。尚、本実施形態においては、青色に発光する発光ダイオード本体を用い、そしてまた蛍光体の層7の色は黄色としている。また、発光ダイオード本体1の側面に設ける凹部4、4は、例えばウエハのダイシングラインに透孔を穿孔することによって形成することができる。
【0020】
また、上記製造方法において、絶縁層3、3は、本実施形態ではスルーホール印刷によりポリイミド等の樹脂の薄膜としている。尚、スルーホール印刷に代えてメッキによって金属薄膜としてもよい。また、再配線回路4、4とバンプ5、5はスクリーン印刷によって形成している。
【0021】
また、本実施形態においては、蛍光体粉末、例えば黄色の蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム8の上下に透明な樹脂フィルム9、10を重合貼着し、これらを発光ダイオード本体1の表面に貼着することによって蛍光体の層7を形成している。
【0022】
而して、本実施形態によって製造したLEDディスプレーは、発光ダイオード本体1からの青色の発光と蛍光体の層7の黄色との混合により白色に発光するものであり、そして従来の如きボンディングワイヤは用いられていないことから、ボンディングワイヤの影による色のバラツキの問題は全く起こらないものである。
【0023】
次に、図3に示した本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態と前記第1実施形態とは、蛍光体の層7の形成方法において相違するものであり、本実施形態においては、透明な樹脂フィルム11の上面に印刷によって蛍光体粉末を混入した樹脂12を塗布し、更に該蛍光体粉末を混入した樹脂12の上面に透明な樹脂フィルム13を重合貼着し、これらを発光ダイオード本体1の表面に貼着することによって蛍光体の層7を形成している。尚、その他の点においては前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0024】
次に、図4に示した本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態と前記第1実施形態とは、蛍光体の層7の形成方法において相違するものであり、本実施形態においては、透明な樹脂14を印刷によって発光ダイオード本体1の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入した樹脂15を印刷によって前記透明な樹脂14の上面に塗布し、更に透明な樹脂16を印刷によって前記蛍光体粉末を混入した樹脂15の上面に塗布することによって蛍光体の層7を形成している。尚、その他の点においては前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
次に、図5に示した本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態と前記第1実施形態とは、蛍光体の層7の形成方法において相違するものであり、本実施形態においては、透明な樹脂17を印刷によって発光ダイオード本体1の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム18を前記透明な樹脂17の上面に重合貼着し、更に透明な樹脂19を印刷によって前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム18の上面に塗布することによって蛍光体の層7を形成している。尚、その他の点においては前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0026】
次に、図6に示した本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態と前記第1実施形態とは、蛍光体の層7の形成方法において相違するものであり、本実施形態においては、蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム20の裏面に、紫外線を照射することによって硬化する透明な接着剤21を塗布し、更に前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム20の上面に、透明な樹脂22を印刷によって塗布するか、又は透明な樹脂フィルム(図示せず。)を重合貼着し、これらを発光ダイオード本体1の表面に載せ、紫外線を照射することによって前記接着剤21を硬化させて前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム20を接着し、もって蛍光体の層7を形成している。尚、その他の点においては前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】
尚、本発明のLEDディスプレーは、必要に応じ蛍光体の層の表面側に凹レンズ又は凸レンズの層を形成し、その形成の仕方としては、シリコンペースト又はガラスペースト等の透明な材料による印刷、又は樹脂が柔らかいうちに型押し等によりレンズ機能を持ったレンズ層を形成したフィルムとしてこれを貼着することによって行えばよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法の説明図である。
【図2】同製造方法によって製造したLEDディスプレーの発光ダイオード本体の内部機構を省略して示した中央縦断正面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法によって製造したLEDディスプレーの中央縦断正面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法によって製造したLEDディスプレーの中央縦断正面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法によって製造したLEDディスプレーの中央縦断正面図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法によって製造したLEDディスプレーの中央縦断正面図である。
【図7】従来のLEDディスプレーの説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 発光ダイオード本体
2、2 凹部
3、3 絶縁層
4、4 再配線回路
5、5 バンプ
6、6 導電体
7 蛍光体の層
8 蛍光体粉末を混入又は塗布した樹脂フィルム
9、10 透明な樹脂フィルム
11 透明な樹脂フィルム
12 蛍光体粉末を混入した樹脂
13 透明な樹脂フィルム
14 透明な樹脂
15 蛍光体粉末を混入した樹脂
16 透明な樹脂
17 透明な樹脂
18 蛍光体粉末を混入又は塗布した樹脂フィルム
19 透明な樹脂
20 蛍光体粉末を混入又は塗布した樹脂フィルム
21 紫外線の照射によって硬化する透明な接着剤
22 透明な樹脂
【技術分野】
【0001】
本発明はLEDディスプレーの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードと該発光ダイオードの発光色と異なる色の蛍光体とを組み合わせ、両者の色を混合して適宜の色に発光させるLEDディスプレーが種々の分野において用いられている。尚、発光する色については、例えば青色の発光色を出力する発光ダイオード上に黄色の蛍光体を配すると白色の混合色となり、また赤色の発光色を出力する発光ダイオード上に黄色の蛍光体を配するとオレンジ色の混合色となる等、異なる色を適宜に組み合わせることによって所望の混合色を得るようにしている。
【0003】
そして、斯かる従来のLEDディスプレーは、図7に示す如く構成されている。即ち、該LEDディスプレー100は、ケース101の底部に、発光ダイオード102をワイヤボンディングしたリードフレーム103を収め、該ケース101内に、蛍光体粉末を混入した樹脂104を注入して固化させてなるものである。尚、図中102a、102aはボンディングワイヤである。
【0004】
また、発光ダイオードをリードフレームや配線パターンにワイヤボンディングによって電気的に接続することは、例えば特許文献1、2に示す如く周知である。
【0005】
【特許文献1】特開2007−234470号公報
【特許文献2】実用新案登録第3114129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、斯かる従来のLEDディスプレー100の場合には、実際の使用時において発光ダイオード102が発光したとき、ワイヤボンディング用のワイヤの影が出ることにより、色のバラツキが生ずるという問題点がある。更に、発光ダイオード102をワイヤボンディングしたリードフレーム103を収め、該ケース101内に、蛍光体粉末を混入した樹脂104を注入して固化させてなるものであるが、この樹脂104は自然沈降によっているため、相当な長時間を要するため製造効率が悪く、これがLEDディスプレーの値段を高価にしている。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、従来のLEDディスプレーの如く発光ダイオードの実装基板の配線パターン等への接合をワイヤボンディングによる接合によることなく、発光ダイオード本体の側面に設けた凹部内に形成した導電体によって該発光ダイオード本体の表面側の電極と裏面側に形成した再配線回路及びバンプとを接続して行うようになし、そして斯かる発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成するようになし、もってボンディングワイヤの存在による上記従来のLEDディスプレーの問題点を悉く解消することができるようになし、更には樹脂の自然沈降によらず極めて短時間で製造することができる新規なLEDディスプレーの製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
而して、本発明に係るLEDディスプレーの製造方法は、発光ダイオード本体の側面に表面側から裏面側に通ずる凹部を設けると共に該凹部の表面に絶縁層を形成し、次に該発光ダイオード本体の裏面に再配線回路とバンプを形成し、次に該発光ダイオード本体の表面側の電極と裏面側の再配線回路とを前記凹部内に形成した導電体をもって接続し、最後に該発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成したことを特徴とするものである。
【0009】
また、上記製造方法において、凹部は発光ダイオード本体の相対向する両側面に設けるようにしてもよい。
【0010】
また、上記製造方法において、蛍光体を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上下に透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に貼着することによって蛍光体の層を形成するようになしてもよい。
【0011】
また、上記製造方法において、透明な樹脂フィルムの上面に印刷によって蛍光体粉末を混入した樹脂を塗布し、更に該蛍光体粉末を混入した樹脂の上面に透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に貼着することによって蛍光体の層を形成するようになしてもよい。
【0012】
また、上記製造方法において、透明な樹脂を印刷によって発光ダイオード本体の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入した樹脂を印刷によって前記透明な樹脂の上面に塗布し、更に透明な樹脂を印刷によって前記蛍光体粉末を混入した樹脂の上面に塗布することによって蛍光体の層を形成するようになしてもよい。
【0013】
また、上記製造方法において、透明な樹脂を印刷によって発光ダイオード本体の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムを前記透明な樹脂の上面に重合貼着し、更に透明な樹脂を印刷によって前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上面に塗布することによって蛍光体の層を形成するようになしてもよい。
【0014】
また、上記製造方法において、蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの裏面に、紫外線を照射することによって硬化する透明な接着剤を塗布し、更に前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上面に、透明な樹脂を印刷によって塗布するか、又は透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に載せ、紫外線を照射することによって前記接着剤を硬化させて前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムを接着し、もって蛍光体の層を形成するようになしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来のLEDディスプレーの如く発光ダイオードの実装基板の配線パターン等への接合をワイヤボンディングによる接合によることなく、発光ダイオード本体の側面に設けた凹部内に形成した導電体によって該発光ダイオード本体の表面側の電極と裏面側に形成した再配線回路及びバンプとを接続して行うようになし、そして斯かる発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成するようになし、もってボンディングワイヤの存在による上記従来のLEDディスプレーの問題点を解消することができるようになし、更には樹脂の自然沈降によらないために極めて短時間で新規なLEDディスプレーを製造することができるものである。
【0016】
特に、本発明の製造方法にあっては、発光ダイオード本体の表面に形成する透明な樹脂、蛍光体粉末を混入した樹脂及び表面側の透明な樹脂の形成を全てウエハ上において行うことができ、また、発光ダイオード本体の側面に設ける凹部は、ウエハのダイシングラインに透孔を穿孔することによって容易に形成することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るLEDディスプレーの製造方法を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明の第1実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法の説明図、図2は同製造方法によって製造したLEDディスプレーの発光ダイオード本体の内部機構を省略して示した中央縦断正面図である。
【0019】
本実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法は、発光ダイオード本体1の相対向する両側面に表面側から裏面側に通ずる凹部2、2を設けると共に該凹部2、2の表面に絶縁層3、3を形成し、次に該発光ダイオード本体1の裏面に再配線回路4、4とバンプ5、5を形成し、次に該発光ダイオード本体1の表面側の電極1a、1aと裏面側の再配線回路4、4とを前記凹部2、2内にメッキ又はスルーホール印刷により形成した導電体6、6をもって接続し、最後に該発光ダイオード本体1の表面に蛍光体の層7を形成したことを特徴とするものである。尚、本実施形態においては、青色に発光する発光ダイオード本体を用い、そしてまた蛍光体の層7の色は黄色としている。また、発光ダイオード本体1の側面に設ける凹部4、4は、例えばウエハのダイシングラインに透孔を穿孔することによって形成することができる。
【0020】
また、上記製造方法において、絶縁層3、3は、本実施形態ではスルーホール印刷によりポリイミド等の樹脂の薄膜としている。尚、スルーホール印刷に代えてメッキによって金属薄膜としてもよい。また、再配線回路4、4とバンプ5、5はスクリーン印刷によって形成している。
【0021】
また、本実施形態においては、蛍光体粉末、例えば黄色の蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム8の上下に透明な樹脂フィルム9、10を重合貼着し、これらを発光ダイオード本体1の表面に貼着することによって蛍光体の層7を形成している。
【0022】
而して、本実施形態によって製造したLEDディスプレーは、発光ダイオード本体1からの青色の発光と蛍光体の層7の黄色との混合により白色に発光するものであり、そして従来の如きボンディングワイヤは用いられていないことから、ボンディングワイヤの影による色のバラツキの問題は全く起こらないものである。
【0023】
次に、図3に示した本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態と前記第1実施形態とは、蛍光体の層7の形成方法において相違するものであり、本実施形態においては、透明な樹脂フィルム11の上面に印刷によって蛍光体粉末を混入した樹脂12を塗布し、更に該蛍光体粉末を混入した樹脂12の上面に透明な樹脂フィルム13を重合貼着し、これらを発光ダイオード本体1の表面に貼着することによって蛍光体の層7を形成している。尚、その他の点においては前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0024】
次に、図4に示した本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態と前記第1実施形態とは、蛍光体の層7の形成方法において相違するものであり、本実施形態においては、透明な樹脂14を印刷によって発光ダイオード本体1の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入した樹脂15を印刷によって前記透明な樹脂14の上面に塗布し、更に透明な樹脂16を印刷によって前記蛍光体粉末を混入した樹脂15の上面に塗布することによって蛍光体の層7を形成している。尚、その他の点においては前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
次に、図5に示した本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態と前記第1実施形態とは、蛍光体の層7の形成方法において相違するものであり、本実施形態においては、透明な樹脂17を印刷によって発光ダイオード本体1の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム18を前記透明な樹脂17の上面に重合貼着し、更に透明な樹脂19を印刷によって前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム18の上面に塗布することによって蛍光体の層7を形成している。尚、その他の点においては前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0026】
次に、図6に示した本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態と前記第1実施形態とは、蛍光体の層7の形成方法において相違するものであり、本実施形態においては、蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム20の裏面に、紫外線を照射することによって硬化する透明な接着剤21を塗布し、更に前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム20の上面に、透明な樹脂22を印刷によって塗布するか、又は透明な樹脂フィルム(図示せず。)を重合貼着し、これらを発光ダイオード本体1の表面に載せ、紫外線を照射することによって前記接着剤21を硬化させて前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルム20を接着し、もって蛍光体の層7を形成している。尚、その他の点においては前記第1実施形態と同様であるから、同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0027】
尚、本発明のLEDディスプレーは、必要に応じ蛍光体の層の表面側に凹レンズ又は凸レンズの層を形成し、その形成の仕方としては、シリコンペースト又はガラスペースト等の透明な材料による印刷、又は樹脂が柔らかいうちに型押し等によりレンズ機能を持ったレンズ層を形成したフィルムとしてこれを貼着することによって行えばよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法の説明図である。
【図2】同製造方法によって製造したLEDディスプレーの発光ダイオード本体の内部機構を省略して示した中央縦断正面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法によって製造したLEDディスプレーの中央縦断正面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法によって製造したLEDディスプレーの中央縦断正面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法によって製造したLEDディスプレーの中央縦断正面図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係るLEDディスプレーの製造方法によって製造したLEDディスプレーの中央縦断正面図である。
【図7】従来のLEDディスプレーの説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 発光ダイオード本体
2、2 凹部
3、3 絶縁層
4、4 再配線回路
5、5 バンプ
6、6 導電体
7 蛍光体の層
8 蛍光体粉末を混入又は塗布した樹脂フィルム
9、10 透明な樹脂フィルム
11 透明な樹脂フィルム
12 蛍光体粉末を混入した樹脂
13 透明な樹脂フィルム
14 透明な樹脂
15 蛍光体粉末を混入した樹脂
16 透明な樹脂
17 透明な樹脂
18 蛍光体粉末を混入又は塗布した樹脂フィルム
19 透明な樹脂
20 蛍光体粉末を混入又は塗布した樹脂フィルム
21 紫外線の照射によって硬化する透明な接着剤
22 透明な樹脂
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード本体の側面に表面側から裏面側に通ずる凹部を設けると共に該凹部の表面に絶縁層を形成し、次に該発光ダイオード本体の裏面に再配線回路とバンプを形成し、次に該発光ダイオード本体の表面側の電極と裏面側の再配線回路とを前記凹部内に形成した導電体をもって接続し、最後に該発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成したことを特徴とするLEDディスプレーの製造方法。
【請求項2】
発光ダイオード本体の相対向する両側面に表面側から裏面側に通ずる凹部を設けると共に該凹部の表面に絶縁層を形成し、次に該発光ダイオード本体の裏面に再配線回路とバンプを形成し、次に該発光ダイオード本体の表面側の電極と裏面側の再配線回路とを前記凹部内に形成した導電体をもって接続し、最後に該発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成したことを特徴とするLEDディスプレーの製造方法。
【請求項3】
蛍光体を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上下に透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオードの表面に貼着することによって蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項4】
透明な樹脂フィルムの上面に印刷によって蛍光体粉末を混入した樹脂を塗布し、更に該蛍光体粉末を混入した樹脂の上面に透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に貼着することによって蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項5】
透明な樹脂を印刷によって発光ダイオード本体の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入した樹脂を印刷によって前記透明な樹脂の上面に塗布し、更に透明な樹脂を印刷によって前記蛍光体粉末を混入した樹脂の上面に塗布することによって蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項6】
透明な樹脂を印刷によって発光ダイオード本体の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムを前記透明な樹脂の上面に重合貼着し、更に透明な樹脂を印刷によって前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上面に塗布することによって蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項7】
蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの裏面に、透明な接着剤を塗布し、更に前記蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上面に、透明な樹脂を印刷によって塗布するか又は透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に載せ、前記接着剤をもって前記蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムを接着し、もって発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項8】
蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの裏面に、紫外線を照射することによって硬化する透明な接着剤を塗布し、更に前記蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上面に、透明な樹脂を印刷によって塗布するか又は透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に載せ、紫外線を照射することによって前記接着剤を硬化させて前記蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムを接着し、もって発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項1】
発光ダイオード本体の側面に表面側から裏面側に通ずる凹部を設けると共に該凹部の表面に絶縁層を形成し、次に該発光ダイオード本体の裏面に再配線回路とバンプを形成し、次に該発光ダイオード本体の表面側の電極と裏面側の再配線回路とを前記凹部内に形成した導電体をもって接続し、最後に該発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成したことを特徴とするLEDディスプレーの製造方法。
【請求項2】
発光ダイオード本体の相対向する両側面に表面側から裏面側に通ずる凹部を設けると共に該凹部の表面に絶縁層を形成し、次に該発光ダイオード本体の裏面に再配線回路とバンプを形成し、次に該発光ダイオード本体の表面側の電極と裏面側の再配線回路とを前記凹部内に形成した導電体をもって接続し、最後に該発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成したことを特徴とするLEDディスプレーの製造方法。
【請求項3】
蛍光体を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上下に透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオードの表面に貼着することによって蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項4】
透明な樹脂フィルムの上面に印刷によって蛍光体粉末を混入した樹脂を塗布し、更に該蛍光体粉末を混入した樹脂の上面に透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に貼着することによって蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項5】
透明な樹脂を印刷によって発光ダイオード本体の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入した樹脂を印刷によって前記透明な樹脂の上面に塗布し、更に透明な樹脂を印刷によって前記蛍光体粉末を混入した樹脂の上面に塗布することによって蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項6】
透明な樹脂を印刷によって発光ダイオード本体の表面に塗布し、次に蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムを前記透明な樹脂の上面に重合貼着し、更に透明な樹脂を印刷によって前記蛍光体粉末を混入し、又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上面に塗布することによって蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項7】
蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの裏面に、透明な接着剤を塗布し、更に前記蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上面に、透明な樹脂を印刷によって塗布するか又は透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に載せ、前記接着剤をもって前記蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムを接着し、もって発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【請求項8】
蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの裏面に、紫外線を照射することによって硬化する透明な接着剤を塗布し、更に前記蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムの上面に、透明な樹脂を印刷によって塗布するか又は透明な樹脂フィルムを重合貼着し、これらを発光ダイオード本体の表面に載せ、紫外線を照射することによって前記接着剤を硬化させて前記蛍光体粉末を混入し又は印刷によって塗布した樹脂フィルムを接着し、もって発光ダイオード本体の表面に蛍光体の層を形成してなる請求項1又は2記載のLEDディスプレーの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2009−99590(P2009−99590A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266729(P2007−266729)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(396026248)ミナミ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(396026248)ミナミ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
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