説明

LEDドライバ回路、および、LEDドライバシステム

【課題】直列に接続された多段のLEDの動作をより低い耐圧で制御することが可能なLEDドライバ回路を提供する。
【解決手段】LEDドライバ回路の耐圧は、電源のLED電源電圧よりも低く設定され、且つ、直列に接続されたLED全体における第2の定電流による電圧降下を、LED電源電圧から引いた第1の電圧値よりも高く設定されている。制御回路は、制御信号に応じて、LEDの光度を高くする場合は、LEDドライブ端子と第1のスイッチ端子との間を導通して、LEDに第1の定電流が流れるようにスイッチ回路を制御し、一方、LEDの光度を低くする場合は、LEDドライブ端子と第2のスイッチ端子との間を導通して、LEDに第2の定電流が流れるようにスイッチ回路を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を制御するLEDドライバ回路、および、LEDドライバシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のLEDドライバ回路には、外部電源に接続されたLEDに定電流を供給するための定電流回路と、LEDの点灯および消灯を制御するために該定電流の導通および遮断を制御するスイッチと、を備えるものがある。
【0003】
該定電流回路は、例えば、半導体基板に形成された集積回路で構成されている。この集積回路の耐圧は例えば7Vであり、動作電圧が5Vであるものとする。この場合、LEDが点灯したとき(定電流20mAを流したとき)、LEDの動作電圧は3.5V程度になる。
【0004】
この場合、LEDが接続される外部電源は、該集積回路の動作電圧5VとLEDの動作電圧3.5Vを足した8.5V以上の電源電圧を出力する必要がある。
【0005】
例えば、該定電流回路をオフしたとき、LEDを駆動する電流が無くなるため、LEDにおける電圧降下は0Vになる。該外部電源が8.5Vの電源電圧を出力する場合、該定電流回路には、8.5Vの電圧が印加されることになる。
【0006】
該定電圧回路に印加される電圧が、LEDドライバ回路の耐圧(7V)を超え、例えば、該定電流回路の絶縁破壊が発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−134288号公報
【特許文献2】特許第4337339号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
直列に接続された多段のLEDの動作をより低い耐圧で制御することが可能なLEDドライバ回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施例に従ったLEDドライバ回路は、直列に接続され且つその一端が電源に接続された複数のLEDに流れる電流を制御することにより、前記LEDの動作を制御するLEDドライバ回路である。LEDドライバ回路は、前記直列に接続されたLEDの他端に接続されるLEDドライブ端子を備える。LEDドライバ回路は、第1のスイッチ端子と第2のスイッチ端子とを有し、前記LEDドライブ端子と前記第1のスイッチ端子との間、または、前記LEDドライブ端子と前記第2のスイッチ端子との間の何れか1つのみを導通するスイッチ回路を備える。LEDドライバ回路は、前記第1のスイッチ端子と接地との間に接続され、前記LEDに流すための第1の電流を出力する第1の電流回路を備える。LEDドライバ回路は、前記第2のスイッチ端子と接地との間に接続され、前記第1の電流よりも小さい第2の電流を出力する第2の電流回路を備える。LEDドライバ回路は、前記LEDの光度を制御するための制御信号に応じて、前記スイッチ回路を制御する制御回路を備える。前記LEDドライバ回路の耐圧は、前記電源のLED電源電圧よりも低く設定され、且つ、前記直列に接続されたLED全体における前記第2の電流による電圧降下を、前記LED電源電圧から引いた第1の電圧値よりも高く設定される。前記制御回路は、前記制御信号に応じて、前記LEDの光度を高くする場合は、前記LEDドライブ端子と第1のスイッチ端子との間を導通して、前記LEDに前記第1の電流が流れるように前記スイッチ回路を制御し、一方、前記LEDの光度を低くする場合は、前記LEDドライブ端子と第2のスイッチ端子との間を導通して、前記LEDに前記第2の電流が流れるように前記スイッチ回路を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施形態に係るLEDドライバ回路100を含むデジタルテレビ1000の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、LEDの順方向電圧VFと順方向電流IFとの関係の一例を示す図である。
【図3】図3は、LEDの順方向電流IFと相対光度との関係の一例を示す図である。
【図4】図4は、図1に示すLEDドライバ回路100の構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、図4に示すLEDドライバ回路100に入力される信号とスイッチ回路SWの切替状態との関係の一例を示す図である。
【図6】図6は、実施例2に係るLEDドライバ回路200の構成の一例を示す図である。
【図7】図7は、実施例3に係るLEDドライバ回路300の構成の一例を示す図である。
【図8】図8は、実施例4に係るLEDドライバ回路400の構成の一例を示す図である。
【図9】図9は、実施例5に係るLEDドライバ回路500の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例えば、デジタルテレビのバックライト等に使用されるLEDの制御を容易にするためには、より少ない数のLEDドライバ回路でより多くのLEDを制御することが要求される。この要求に応じて、直列に接続されるLEDの段数は、増える傾向にある。
【0012】
このような多段に直列に接続されたLEDを駆動するためには、LEDの駆動電圧を供給する外部電源の電源電圧は、さらに高くなる。
【0013】
このような高い電源電圧にLEDドライバ回路を対応させるために、高耐圧の素子を適用すると、LEDドライバ回路の回路面積を増大させ、さらにはその製造コストが増加することとなる。
【0014】
そこで、各実施例では、直列に接続された多段のLEDの動作をより低い耐圧で制御することが可能なLEDドライバ回路の構成例について説明する。
【0015】
以下、各実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、実施形態に係るLEDドライバ回路100を含むデジタルテレビ1000の構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、デジタルテレビ1000は、アンテナ101と、メイン信号処理装置102と、バックライトコントローラ103と、タイミングコントローラ104と、ソースドライバ105と、ゲートドライバ106と、電源107と、液晶パネル108と、バックライト109と、を備える。
【0018】
アンテナ101は、デジタルテレビ信号を受信するようになっている。
【0019】
メイン信号処理装置102は、受信されたデジタルテレビ信号を処理して所定の信号を出力するようになっている。
【0020】
バックライトコントローラ103は、メイン信号処理装置102の出力信号に応じて、バックライト109の明るさを制御するための制御信号SPCONを出力するようになっている。
【0021】
タイミングコントローラ104は、液晶パネル108の液晶セルの動作を制御するための信号をソースドライバ105とゲートドライバ106とに出力するようになっている。
【0022】
ソースドライバ105およびゲートドライバ106は、タイミングコントローラ104が出力する信号に応じて、液晶セルの動作を制御する。
【0023】
バックライト109は、液晶パネル108に所定の光度の光を供給するようになっている。このバックライト109は、LEDドライバ回路100と、複数(n個)のLED100と、を有する。
【0024】
複数(n個)のLED110は、直列に接続され且つその一端(アノード側)が電源107に接続され、他端(カソード側)がLEDドライバ回路100に接続されている。
【0025】
なお、図1では、一例として、LEDドライバ回路100と複数(n個)のLED100との組が1つ記載されているが、複数の組が必要に応じてバックライト109に搭載される。
【0026】
また、電源107は、バックライト109のLEDドライバ回路100に供給するドライバ電圧VDR、直列に接続されたLED110に供給するためのLED電源電圧VLED、および、その他の回路ブロックに供給するための電圧を生成し、出力するようになっている。
【0027】
ここで、図2は、LEDの順方向電圧VFと順方向電流IFとの関係の一例を示す図である。なお、図2では、赤色のLEDと白色のLEDの特性について示している。
【0028】
図2に示すように、LEDに順方向電流IFが流れると、順方向電圧VFが発生する。例えば、バックライトに使用される白色LEDは、順方向電圧VFが2.8V(駆動電圧)以上で、順方向電流IFが流れる。
【0029】
また、図3は、LEDの順方向電流IFと相対光度との関係の一例を示す図である。なお、図3において、LEDの温度は25℃に設定されている。
【0030】
図3に示すように、LEDの相対光度(明るさ)は、順方向電流IFに比例する。
【0031】
なお、上記例示的な図2、図3の特性は、トランジスタ技術、2006年2月号、129ページに記載されている。
【0032】
ここで、図4は、図1に示すLEDドライバ回路100の構成の一例を示す図である。
【0033】
図4に示すように、LEDドライバ回路100は、直列に接続され且つその一端(アノード側)が電源107に接続された複数のLED110に流れる電流を制御することにより、LED110の動作を制御するようになっている。
【0034】
このLEDドライバ回路100は、電源端子TVDRと、接地端子TGNDと、制御信号端子TSPCONと、LEDドライブ端子TLEDと、スイッチ回路SWと、第1の電流回路I1と、第2の電流回路I2と、制御回路SCと、を備える。
【0035】
電源端子TVDRは、電源107に接続され、この電源107からドライバ電源電圧VDRが供給されるようになっている。このドライバ電源電圧VDRによりLEDドライバ回路100が駆動するようになっている。
【0036】
接地端子TGNDは、接地に接続されている。
【0037】
制御信号端子TSPCONは、バックライトコントローラ103に接続され、このバックライトコントローラ103が出力した明るさを制御するための制御信号SPCONが入力されるようになっている。
【0038】
LEDドライブ端子TLEDは、直列に接続されたLED110の他端(カソード側)に接続されている。
【0039】
スイッチ回路SWは、第1の電流回路I1の一端に接続された第1のスイッチ端子aと、第2の電流回路I2の一端に接続された第2のスイッチ端子bと、フローティング状態の第3のスイッチ端子cと、を有する。
【0040】
なお、フローティング状態とは、他の回路素子や配線に接続されていない(絶縁された)状態をいう。
【0041】
このスイッチ回路SWは、LEDドライブ端子TLEDと第1のスイッチ端子aとの間、LEDドライブ端子TLEDと第2のスイッチ端子bとの間、または、LEDドライブ端子TLEDと第3のスイッチ端子cとの間、の何れか1つのみを導通するようになっている。
【0042】
第1の電流回路(定電流源)I1は、第1のスイッチ端子aと接地(接地端子TGND)との間に接続されている。この第1の電流回路I1は、LED110に流すための第1の電流(定電流)i1を、出力するようになっている。
【0043】
この第1の電流回路I1は、例えば、第1のスイッチ端子aに一端(ソース)が接続され、接地(接地端子TGND)に他端(ドレイン)が接続され、第1の電流i1が流れるように、制御電圧がゲートに印加された、MOSトランジスタである。
【0044】
第2の電流回路(定電流源)I2は、第2のスイッチ端子bと接地(接地端子TGND)との間に接続されている。この第2の電流回路I2は、第1の電流i1よりも小さい、LED110に流すための第2の電流(定電流)i2を、出力するようになっている。
【0045】
この第2の電流回路I2は、例えば、第2のスイッチ端子bに一端(ソース)が接続され、接地(接地端子TGND)に他端(ドレイン)が接続され、第2の電流i2が流れるように、制御電圧がゲートに印加された、MOSトランジスタである。
【0046】
制御回路SCは、LED110の光度を制御するための制御信号SPCONに応じて、スイッチ回路SWを制御するようになっている。
【0047】
制御回路SCは、例えば、制御信号SPCONに応じて、LED110の光度を高くする場合は、LEDドライブ端子TLEDと第1のスイッチ端子aとの間を導通して、LED110に第1の電流i1が流れるようにスイッチ回路SWを制御する。
【0048】
一方、制御回路SCは、例えば、制御信号SPCONに応じて、LED110の光度を低くする場合は、LEDドライブ端子TLEDと第2のスイッチ端子bとの間を導通して、LED110に第2の電流i2が流れるようにスイッチ回路SWを制御する。
【0049】
ここで、LEDドライバ回路100の耐圧は、電源107のLED電源電圧VLEDよりも低く設定されている。さらに、LEDドライバ回路100の耐圧は、直列に接続されたLED110全体における第2の電流i2による電圧降下を、LED電源電圧VLEDから引いた第1の電圧値よりも高く設定されている。
【0050】
なお、LEDドライブ端子TLEDの耐圧およびスイッチ回路SWの耐圧は、LED電源電圧VLEDよりも低く設定されている。さらに、LEDドライブ端子TLEDの耐圧およびスイッチ回路SWの耐圧は、該第1の電圧値よりも高く設定されている。
【0051】
また、制御回路SCは、電源107がLED電源電圧VLEDの供給を停止(オフ)した場合に、LEDドライブ端子TLEDと第3のスイッチ端子cとの間を導通するようにスイッチ回路SWを制御して、LED110に流れる電流を処断してLEDをオフさせる。
【0052】
なお、既述のLEDドライバ回路100と複数(n個)のLED110とは、LEDドライバシステム1100を構成する。また、スイッチ回路SWと、第1の電流回路I1と、第2の電流回路I2と、制御回路SCとは、電流スイッチ回路100aを構成する。
【0053】
ここで、以上のようなLEDドライバ回路100の動作電圧を5Vとし且つ耐圧を7Vとし、LED110が4個直列接続されている場合について具体的に検討する。
【0054】
例えば、点灯制御時、20mAの第1の電流i1を流した場合、直列に接続されたLED110全体の電圧降下は、3.5V×4個=14Vとなる。したがって、LEDドライブ端子TLEDの電圧が0Vでも、LED電源電圧VLEDは14Vとなる。
【0055】
一方、従来技術のように、消灯制御時、LED110に流れる電流を遮断すると、直列に接続されたLED110全体の電圧降下も0Vとなり、LEDドライブ端子TLEDの電圧は14Vとなる。すなわち、LEDドライバ回路100の耐圧7Vを超えてしまう。
【0056】
しかし、本実施例1においては、消灯制御時、第1の電流i1よりも小さい第2の電流i2をLED110に流すことにより、1つのLED110の電圧降下を2.5Vにすることができる。
【0057】
このため、直列に接続されたLED110全体の電圧降下は2.5V×4個=10Vとなる。すなわち、LED電源電圧VLEDが14Vでも、LEDドライブ端子TLEDの電圧を4V(該第1の電圧値)に抑えることができる。
【0058】
このLEDドライブ端子TLEDの電圧(4V(該第1の電圧値))は、LEDドライバ回路100の耐圧7Vより低い電圧である。このため、LEDドライバ回路100は、絶縁破壊されない。
【0059】
次に、以上のような構成を有するLEDドライバ回路100の動作の一例について説明する。
【0060】
ここで、図5は、図4に示すLEDドライバ回路100に入力される信号とスイッチ回路SWの切替状態との関係の一例を示す図である。なお、図5において、LEDの明るさ制御として、既述の点灯制御と消灯制御とが記載されている。点灯制御は、LEDの光度を所定値にするために、LEDに第1の電流i1を流す制御である。また、消灯制御には、LEDに流れる電流を遮断し、LEDを完全にオフする制御(1)と、LEDに流れる電流を非常に小さくし(第2の電流i2を流す)、LEDの光度を非常に低くする制御(2)との二通りがある。
【0061】
図5に示すように、時間t1以前(消灯制御(1))は、電源107がドライバ電源電圧VDRおよびLED電源電圧VLEDの供給を停止(オフ)している。これにより、LEDドライバ回路100は、動作を停止しており、スイッチ回路SWの切替状態は不定状態である。
【0062】
ここで、電源107は、LED電源電圧VLEDの供給を停止(オフ)しているので、LEDドライブ端子TLEDには、例えば、接地電圧(0V)が印加されることになる。
【0063】
次に、時間t1〜t2(消灯制御(1))において、電源107がドライバ電源電圧VDRの供給を開始(オン)する。これにより、制御回路SCは、動作を開始する。しかし、電源107はLED電源電圧VLEDの供給を停止(オフ)したままであるので、制御回路SCは、制御信号SCONに応じて、LEDドライブ端子TLEDと第3のスイッチ端子cとの間を導通するようにスイッチ回路SWを制御する。
【0064】
すなわち、LED110には電流が流れず、LED110はオフしたままである(発光していない)。
【0065】
ここで、電源107は、LED電源電圧VLEDの供給を停止(オフ)しているので、LEDドライブ端子TLEDには、例えば、接地電圧(0V)が印加されることになる。
【0066】
次に、時間t2〜t3(消灯制御(2))において、電源107がLED電源電圧VLEDの供給を開始(オン)する。このとき、制御回路SCは、制御信号SCONに応じて、LEDドライブ端子TLEDと第2のスイッチ端子bとの間を導通するようにスイッチ回路SWを制御する。
【0067】
ここで、第2の電流i2は、LED110の光度が非常に小さいレベルになる値が選択される。したがって、LEDドライブ端子TLEDと第2のスイッチ端子bとの間が導通して、LED110には第2の電流i2が流れるが、LED110は殆ど発光していない。
【0068】
ここで、LED電源電圧VLEDの供給を開始(オン)しているので、LEDドライブ端子TLEDには、既述の該第1の電圧値が印加されることになる。このLEDドライブ端子TLEDの電圧(該第1の電圧値)は、LEDドライバ回路100の耐圧より低い電圧である。このため、LEDドライバ回路100は、絶縁破壊されない。
【0069】
次に、時間t3〜t4(点灯制御)において、制御回路SCは、制御信号SCONに応じて、LEDドライブ端子TLEDと第1のスイッチ端子aとの間を導通するようにスイッチ回路SWを制御する。
【0070】
したがって、LEDドライブ端子TLEDと第1のスイッチ端子aとの間が導通して、LED110には第1の電流i1が流れて、LED110が所定の光度で発光する。
【0071】
既述のように、第1の電流I1は、第2の電流I2よりも大きいため、直列に接続されたLED110全体の電圧降下が大きくなるため、LEDドライブ端子TLEDには、LEDドライバ回路100の耐圧以上の電圧は印加されない。
【0072】
以降、同様に、時間t4〜t11の間、点灯制御と消灯制御が実行される。
【0073】
そして、時間t11〜t12(消灯制御(1))において、電源107がLED電源電圧VLEDの供給を停止(オフ)する。このとき、制御回路SCは、制御信号SCONに応じて、LEDドライブ端子TLEDと第3のスイッチ端子cとの間を導通するようにスイッチ回路SWを制御する。
【0074】
すなわち、LED110には電流が流れず、LED110はオフする(発光していない)。
【0075】
ここで、電源107は、LED電源電圧VLEDの供給を停止(オフ)しているので、LEDドライブ端子TLEDには、例えば、接地電圧(0V)が印加されることになる。
【0076】
最後に、時間t12以降(消灯制御(1))は、電源107がドライバ電源電圧VDRおよびLED電源電圧VLEDの供給を停止(オフ)する。これにより、LEDドライバ回路100は、動作を停止し、スイッチ回路SWの切替状態が不定状態になる。
【0077】
ここで、電源107は、LED電源電圧VLEDの供給を停止(オフ)しているので、LEDドライブ端子TLEDには、例えば、接地電圧(0V)が印加されることになる。
【0078】
以上のように、本実施例に係るLEDドライバ回路によれば、直列に接続された多段のLEDの動作をより低い耐圧で制御することができる。
【0079】
すなわち、直列に接続された多段のLEDの制御に、低耐圧のデバイス構造を有するLEDドライバ回路を用いることができるため、LEDドライバ回路のコストを削減することができる。
【実施例2】
【0080】
本実施例2では、LEDドライバ回路が、LEDドライブ端子と電流スイッチ回路との組を複数個備える構成の一例について説明する。
【0081】
ここで、図6は、実施例2に係るLEDドライバ回路200の構成の一例を示す図である。この図6において、図1の符号と同じ符号は、実施例1と同様の構成を示す。
【0082】
なお、この図6に示すLEDドライバ回路200は、実施例1に示すLEDドライバ回路100と同様に、図1に示すデジタルテレビ1000に適用される。
【0083】
図6に示すように、LEDドライバ回路200は、電源端子TVDRと、接地端子TGNDと、制御信号端子TSPCONと、複数(図6の例では、例えば4個)のLEDドライブ端子TLEDと、複数(図6の例では、例えば4個)の電流スイッチ回路100aと、を備える。
【0084】
このLEDドライバ回路200は、直列に接続された複数のLED110の複数の組に流れる電流を、対応する電流スイッチ回路100aでそれぞれ制御することにより、各LED110の動作を制御するようになっている。
【0085】
なお、このLEDドライバ回路200は、LEDドライブ端子TLEDと電流スイッチ回路100aとの組を複数個備える以外は、実施例1のLEDドライバ回路100と同様である。
【0086】
また、LEDドライバ回路200と複数のLED110とは、LEDドライバシステム1200を構成する。
【0087】
また、このLEDドライバ回路200の1つの組の電流スイッチ回路100aの動作は、実施例1と同様である。
【0088】
以上のように、本実施例に係るLEDドライバ回路によれば、実施例1と同様に、直列に接続された多段のLEDの動作をより低い耐圧で制御することができる。
【0089】
すなわち、実施例1と同様に、直列に接続された多段のLEDの制御に、低耐圧のデバイス構造を有するLEDドライバ回路を用いることができるため、LEDドライバ回路のコストを削減することができる。
【実施例3】
【0090】
本実施例3では、LEDドライバ回路が、第2の電流回路I2として微少電流が流れる抵抗を備える構成の一例について説明する。
【0091】
ここで、図7は、実施例3に係るLEDドライバ回路300の構成の一例を示す図である。この図7において、図1の符号と同じ符号は、実施例1と同様の構成を示す。
【0092】
なお、この図7に示すLEDドライバ回路300は、実施例1に示すLEDドライバ回路100と同様に、図1に示すデジタルテレビ1000に適用される。
【0093】
LEDドライバ回路300は、直列に接続され且つその一端(アノード側)が電源107に接続された複数のLED110に流れる電流を制御することにより、LED110の動作を制御するようになっている。
【0094】
図7に示すように、このLEDドライバ回路300は、電源端子TVDRと、接地端子TGNDと、制御信号端子TSPCONと、LEDドライブ端子TLEDと、スイッチ回路SWと、第1の電流回路I1と、第2の電流回路に相当する抵抗Rと、制御回路SCと、を備える。
【0095】
スイッチ回路SWは、第1の電流回路I1の一端に接続された第1のスイッチ端子aと、第2の電流回路に相当する抵抗Rの一端に接続された第2のスイッチ端子bと、フローティング状態の第3のスイッチ端子cと、を有する。
【0096】
抵抗Rは、第2のスイッチ端子bと接地(接地端子TGND)との間に接続されている。この抵抗Rは、LED電源電圧VLEDが供給されている状態で、スイッチ回路SWがLEDドライブ端子TLEDと第2のスイッチ端子bとの間を導通すると、第1の電流i1よりも小さい第2の電流i2を流すようになっている。
【0097】
なお、このLEDドライバ回路300は、第2の電流回路が抵抗Rである以外は、実施例1のLEDドライバ回路100と同様である。
【0098】
なお、LEDドライバ回路300と複数のLED110とは、LEDドライバシステム1300を構成する。
【0099】
また、このLEDドライバ回路300の動作は、実施例1と同様である。
【0100】
以上のように、本実施例に係るLEDドライバ回路によれば、実施例1と同様に、直列に接続された多段のLEDの動作をより低い耐圧で制御することができる。
【0101】
すなわち、実施例1と同様に、直列に接続された多段のLEDの制御に、低耐圧のデバイス構造を有するLEDドライバ回路を用いることができるため、LEDドライバ回路のコストを削減することができる。
【実施例4】
【0102】
本実施例4では、第2の電流回路I2の機能がLEDドライバ回路の外部に備えられた構成の一例について説明する。
【0103】
ここで、図8は、実施例4に係るLEDドライバ回路400の構成の一例を示す図である。この図8において、図1の符号と同じ符号は、実施例1と同様の構成を示す。
【0104】
なお、この図8に示すLEDドライバ回路400は、実施例1に示すLEDドライバ回路100と同様に、図1に示すデジタルテレビ1000に適用される。
【0105】
LEDドライバ回路400は、直列に接続され且つその一端(アノード側)が電源107に接続された複数のLED110に流れる電流を制御することにより、LED110の動作を制御するようになっている。
【0106】
図8に示すように、このLEDドライバ回路400は、電源端子TVDRと、接地端子TGNDと、制御信号端子TSPCONと、LEDドライブ端子TLEDと、スイッチ回路SWと、第1の電流回路I1と、制御回路SCと、を備える。
【0107】
ここで、第2の電流回路の機能を有する抵抗Rzは、直列に接続されたLED110の他端(カソード側)と接地(接地端子TGND)との間に接続されている。この抵抗Rzは、LEDドライバ回路400の外部に設けられている。
【0108】
スイッチ回路SWは、第1の電流回路I1の一端に接続された第1のスイッチ端子aと、フローティング状態の第3のスイッチ端子cと、を有する。すなわち、スイッチ回路SWの第2のスイッチ端子bは必要なくなり、実施例1で示すような第2のスイッチ端子bとLEDドライブ端子TLEDが導通している状態は、本実施例4では、第3のスイッチ端子cとLEDドライブ端子TLEDが導通している状態と等しくなる。
【0109】
なお、このLEDドライバ回路400は、その他の構成は、実施例1のLEDドライバ回路100と同様である。
【0110】
なお、LEDドライバ回路400と、複数のLED110と、抵抗Rzとは、LEDドライバシステム1400を構成する。
【0111】
また、このLEDドライバ回路400の動作は、実施例1で示すような第2のスイッチ端子bとLEDドライブ端子TLEDが導通している状態は、本実施例4では、第3のスイッチ端子cとLEDドライブ端子TLEDが導通している状態と等しくなる以外は、実施例1と同様である。
【0112】
以上のように、本実施例に係るLEDドライバ回路によれば、実施例1と同様に、直列に接続された多段のLEDの動作をより低い耐圧で制御することができる。
【0113】
すなわち、実施例1と同様に、直列に接続された多段のLEDの制御に、低耐圧のデバイス構造を有するLEDドライバ回路を用いることができるため、LEDドライバ回路のコストを削減することができる。
【実施例5】
【0114】
本実施例5では、LEDドライブ端子TLEDの耐圧を超えないように、LEDドライブ端子TLEDの電圧に応じて、第2の電流回路I2の第2の電流i2を制御する構成の一例について説明する。
【0115】
ここで、図9は、実施例5に係るLEDドライバ回路500の構成の一例を示す図である。この図9において、図1の符号と同じ符号は、実施例1と同様の構成を示す。
【0116】
なお、この図9に示すLEDドライバ回路500は、実施例1に示すLEDドライバ回路100と同様に、図1に示すデジタルテレビ1000に適用される。
【0117】
図9に示すように、LEDドライバ回路500は、直列に接続され且つその一端(アノード側)が電源107に接続された複数のLED110に流れる電流を制御することにより、LED110の動作を制御するようになっている。
【0118】
このLEDドライバ回路500は、電源端子TVDRと、接地端子TGNDと、制御信号端子TSPCONと、LEDドライブ端子TLEDと、スイッチ回路SWと、第1の電流回路I1と、第2の電流回路I2と、制御回路SCと、電圧検出回路501と、を備える。
【0119】
電圧検出回路501は、LEDドライブ端子TLEDの電圧を検出し、この検出結果に応じて第2の定電流回路I2が出力する第2の定電流i2の大きさを制御するようになっている。すなわち、電圧検出回路501は、LEDドライブ端子TLEDの電圧が、LEDドライバ回路100の耐圧より低くなるように、第2の定電流i2の大きさを制御する。
【0120】
これにより、LEDドライバ回路500の絶縁破壊を防止することができる。
【0121】
なお、このLEDドライバ回路500は、電圧検出回路501がさらに備えられている以外は、実施例1のLEDドライバ回路100と同様である。
【0122】
なお、LEDドライバ回路500と複数のLED110とは、LEDドライバシステム1500を構成する。
【0123】
また、このLEDドライバ回路500の動作は、電圧検出回路501の動作以外は、実施例1と同様である。
【0124】
以上のように、本実施例に係るLEDドライバ回路によれば、実施例1と同様に、直列に接続された多段のLEDの動作をより低い耐圧で制御することができる。
【0125】
すなわち、実施例1と同様に、直列に接続された多段のLEDの制御に、低耐圧のデバイス構造を有するLEDドライバ回路を用いることができるため、LEDドライバ回路のコストを削減することができる。
【0126】
なお、実施形態は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。
【符号の説明】
【0127】
100 LEDドライバ回路
101 アンテナ
102 メイン信号処理装置
103 バックライトコントローラ
104 タイミングコントローラ
105 ソースドライバ
106 ゲートドライバ
107 電源
108 液晶パネル
109 バックライト
110 LED
1000 LEDドライバシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続され且つその一端が電源に接続された複数のLEDに流れる電流を制御することにより、前記LEDの動作を制御するLEDドライバ回路であって、
前記直列に接続されたLEDの他端に接続されるLEDドライブ端子と、
第1のスイッチ端子と第2のスイッチ端子とを有し、前記LEDドライブ端子と前記第1のスイッチ端子との間、または、前記LEDドライブ端子と前記第2のスイッチ端子との間の何れか1つのみを導通するスイッチ回路と、
前記第1のスイッチ端子と接地との間に接続され、前記LEDに流すための第1の定電流を出力する第1の定電流回路と、
前記第2のスイッチ端子と接地との間に接続され、前記第1の定電流よりも小さい第2の定電流を出力する第2の定電流回路と、
前記LEDの光度を制御するための制御信号に応じて、前記スイッチ回路を制御する制御回路と、を備え、
前記LEDドライバ回路の耐圧は、前記電源のLED電源電圧よりも低く設定され、且つ、前記直列に接続されたLED全体における前記第2の定電流による電圧降下を、前記LED電源電圧から引いた第1の電圧値よりも高く設定され、
前記制御回路は、前記制御信号に応じて、
前記LEDの光度を高くする場合は、前記LEDドライブ端子と第1のスイッチ端子との間を導通して、前記LEDに前記第1の定電流が流れるように前記スイッチ回路を制御し、
一方、前記LEDの光度を低くする場合は、前記LEDドライブ端子と第2のスイッチ端子との間を導通して、前記LEDに前記第2の定電流が流れるように前記スイッチ回路を制御する
ことを特徴とするLEDドライバ回路。
【請求項2】
前記スイッチ回路は、
フローティング状態の第3のスイッチ端子をさらに有し、前記LEDドライブ端子と前記第1のスイッチ端子との間、前記LEDドライブ端子と前記第2のスイッチ端子との間、または、前記LEDドライブ端子と前記第3のスイッチ端子との間の何れか1つのみを導通するものであり、
前記制御回路は、前記制御信号に応じて、
前記LEDをオフする場合は、前記LEDドライブ端子と前記第3のスイッチ端子との間を導通するように前記スイッチ回路を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のLEDドライバ回路。
【請求項3】
前記LEDドライブ端子の電圧を検出し、この検出結果に応じて前記第2の定電流回路が出力する前記第2の定電流の大きさを制御する電圧検出回路をさらに備え、
前記電圧検出回路は、前記LEDドライブ端子の電圧が、前記LEDドライバ回路の耐圧より低くなるように、前記第2の定電流の大きさを制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のLEDドライバ回路。
【請求項4】
前記LEDドライブ端子の耐圧および前記スイッチ回路の耐圧は、前記LED電源電圧よりも低く設定され、且つ、前記第1の電圧値よりも高く設定されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のLEDドライバ回路。
【請求項5】
複数のLEDの動作を制御するLEDドライバシステムであって、
直列に接続され且つ一端が電源に接続された複数のLEDと、
前記LEDに流れる電流を制御することにより、前記LEDの動作を制御するLEDドライバ回路と、を備え、
前記LEDドライバ回路は、
前記直列に接続されたLEDの他端に接続されるLEDドライブ端子と、
第1のスイッチ端子と第2のスイッチ端子とを有し、前記LEDドライブ端子と前記第1のスイッチ端子との間、または、前記LEDドライブ端子と前記第2のスイッチ端子との間の何れか1つのみを導通するスイッチ回路と、
前記第1のスイッチ端子と接地との間に接続され、前記LEDに流すための第1の定電流を出力する第1の定電流回路と、
前記第2のスイッチ端子と接地との間に接続され、前記第1の定電流よりも小さい第2の定電流を出力する第2の定電流回路と、
前記LEDの光度を制御するための制御信号に応じて、前記スイッチ回路を制御する制御回路と、を備え、
前記LEDドライバ回路の耐圧は、前記電源のLED電源電圧よりも低く設定され、且つ、前記直列に接続されたLED全体における前記第2の定電流による電圧降下を、前記LED電源電圧から引いた第1の電圧値よりも高く設定され、
前記制御回路は、前記制御信号に応じて、
前記LEDの光度を高くする場合は、前記LEDドライブ端子と第1のスイッチ端子との間を導通して、前記LEDに前記第1の定電流が流れるように前記スイッチ回路を制御し、
一方、前記LEDの光度を低くする場合は、前記LEDドライブ端子と第2のスイッチ端子との間を導通して、前記LEDに前記第2の定電流が流れるように前記スイッチ回路を制御する
ことを特徴とするLEDドライバシステム。
【請求項6】
複数のLEDの動作を制御するLEDドライバシステムであって、
直列に接続され且つ一端が電源に接続された複数のLEDと、
前記直列に接続されたLEDの他端と接地との間に接続された抵抗と、
前記LEDに流れる電流を制御することにより、前記LEDの動作を制御するLEDドライバ回路と、を備え、
前記LEDドライバ回路は、
前記直列に接続されたLEDの他端に接続されるLEDドライブ端子と、
第1のスイッチ端子とフローティング状態の第2のスイッチ端子とを有し、前記LEDドライブ端子と前記第1のスイッチ端子との間、または、前記LEDドライブ端子と前記第2のスイッチ端子との間の何れか1つのみを導通するスイッチ回路と、
前記第1のスイッチ端子と接地との間に接続され、前記LEDに流すための第1の定電流を出力する第1の定電流回路と、
前記LEDの光度を制御するための制御信号に応じて、前記スイッチ回路を制御する制御回路と、を備え、
前記LEDドライバ回路の耐圧は、前記電源のLED電源電圧よりも低く設定され、且つ、前記直列に接続されたLED全体における前記第2の定電流による電圧降下を、前記LED電源電圧から引いた第1の電圧値よりも高く設定され、
前記制御回路は、前記制御信号に応じて、
前記LEDの光度を高くする場合は、前記LEDドライブ端子と第1のスイッチ端子との間を導通して、前記LEDに前記第1の定電流が流れるように前記スイッチ回路を制御し、
一方、前記LEDの光度を低くする場合は、前記LEDドライブ端子と第2のスイッチ端子との間を導通して、前記LEDに前記第2の定電流が流れるように前記スイッチ回路を制御する
ことを特徴とするLEDドライバシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−124581(P2012−124581A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271672(P2010−271672)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】