説明

LED回路、照明器具、植物栽培用照明方法、照明システム、植物生産システム、植物栽培方法、照明装置用基板、水耕栽培用フローティングマット、および水耕栽培用空間構造

【課題】 植物工場の省電力化、生産効率・生産性の向上を可能とする照明器具用LED回路を提供すること
【解決手段】 交流電源に直接接続でき、複数のLEDが直列接続された順方向部1a、1b等と、順方向部1a等とは逆方向に複数のLEDが直列接続された逆方向部2a、2b等とが並列接続されてなる基本回路3a、3b等を備え、基本回路3a等が複数接続されることでLED回路が構成されており、構成するn個のLEDは下記回路式〔I〕を満たすものとする。
〔I〕119(V)≦ LEDnV + ZDnV + RnV ≦128(V)
ただし、LEDnV:n個のLEDの電圧の総和
ZDnV:回路中に含まれる全ツェナーダイオードの電圧の総和
RnV:回路中に含まれる全電流微調整抵抗の電圧の総和

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED回路、照明器具、植物栽培用照明方法、照明システム、植物生産システム、植物栽培方法、照明装置用基板、水耕栽培用フローティングマット、および水耕栽培用空間構造に係り、特に、新規なLED回路に基づいて、植物工場における生産性を高めることを可能とする、LED回路、照明器具、照明システムおよび植物生産システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
植物工場に関しては従来、複数の技術的提案がなされている。このうち後掲特許文献1には、従前の植物工場では栽培植物と同じ環境に光源を設置することに起因する光源の性能・信頼性が低下や故障時等の保守対応の問題を解決するものとして、光源と植物を別の部屋に分離し、光源は集約して設置し、光源からの光を光ファイバで植物栽培の場所に導くという技術が開示されている。
【0003】
また特許文献2には、植物を効率よくかつ優れた形状となるように生育させ、さらに硝酸態窒素濃度を露地栽培並みに低減することを目的として、栽培架台に複数の栽培ベッドを多段配置し、栽培ベッドに保持された栽培コンテナ内には、モンモリロナイトを含む有機培地を入れ、栽培ベッドの上方には植物の生育に最も有効な波長の光を放射するLEDと、植物体を優れた形状となるように生育させることができるFL(蛍光ランプ)とを配置するという技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−178682号公報「植物工場」
【特許文献2】特開2008−118957号公報「完全制御型有機栽培式植物工場」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、LEDは本質的に低電圧で動作する電流駆動ディバイスであるため、低電圧大電流型であるといえる。そのため、大型で重量のあるトランスや大容量のキャパシターが必要となり、サイズ、重量、効率、およびコスト面の問題がLED照明装置全体の構成に大きな影響を及ぼしている。この点、上記各開示技術においても共通する課題である。この問題を解決できれば、植物工場・植物生産システムのさらなる省電力化、生産効率・生産性の向上、導入の容易化、適用範囲拡大を図ることができる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点を除き、照明として全面的にLEDを用いることを前提とし、植物工場におけるさらなる省電力化、生産効率・生産性の向上、それによる導入の容易化等を可能とする、LED回路、照明器具、照明システムおよび植物生産システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者は上記課題について検討した結果、解決手段として商用交流電源に直接接続可能なLED回路を構成することに想到し、さらに以下の各内容にも想到した。
a)植物栽培用LED照射装置はLED駆動電源として交流電源配線への直接接続を可能とし、商用周波数を交流パルス発光源として活用すること。
b)交流パルス発光は必要な波長の光(380nm〜740nm)を集中的に、かつバランスよく近接照射することによって、植物の生長、光合成反応に対しての光の効率を高められること。全体照射だけでなく、たとえば局所照射、ラッピング照射も可能であること。
【0008】
c)近接照射の局所照射光は着脱可能なLED電球によって、自由自在な混合色照射を可能とすること。
d)全体照射の照射光をより有効活用するため、育苗用マット・フローティングマットに太陽光パネルを使用して、電力帰還を可能とすること。
e)播種から育成出荷までの標準時間ST、リードタイムを設定し、デイリー(日毎)収穫を可能とする植物栽培の連続生産システムを構成すること。
【0009】
すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
《1》 交流電源に直接接続できるLED回路であって、複数のLEDが直列接続された順方向部と、該順方向部とは逆方向に複数のLEDが直列接続された逆方向部とが並列接続されてなる基本回路を備え、該基本回路が複数接続されることで該LED回路は構成され、該LED回路を構成するn個のLEDは下記回路式〔I〕を満たすことを特徴とする、LED回路。
〔I〕119(V)≦ LEDnV + ZDnV + RnV ≦128(V)
ただし、LEDnV:n個のLEDの電圧の総和
ZDnV:回路中に含まれる全ツェナーダイオードの電圧の総和
RnV:回路中に含まれる全電流微調整抵抗の電圧の総和
《2》 前記基本回路〔1〕と、別の2つの基本回路〔2〕ならびに〔3〕が相互に並列接続された基本回路並列部〔23〕と、および別の基本回路〔4〕とが、〔1〕−〔23〕−〔4〕のように直列接続されてなる領域が含まれており、各基本回路〔1〕〜〔4〕はそれぞれ、任意の一または複数の特定波長のLED複数個から構成されており、さらに該〔1〕−〔23〕−〔4〕のように直列接続されてなる領域を構成するn個のLEDは下記回路式〔II〕を満たし、これにより任意の色を混合して発光させることすなわち混合色の発光が可能であることを特徴とする、《1》に記載のLED回路。
〔II〕119(V)≦ LEDnV + ZDnV + RnV ≦128(V)
ただし、LEDnV:n個のLEDの電圧の総和
ZDnV:回路中に含まれる全ツェナーダイオードの電圧の総和
RnV:回路中に含まれる全電流微調整抵抗の電圧の総和
【0010】
《3》 前記基本回路〔1〕−基本回路並列部〔23〕−基本回路〔4〕が直列接続されてなる領域に加え、さらに、別の基本回路〔5〕と、該基本回路並列部〔23〕と、および別の基本回路〔6〕とが、〔5〕−〔23〕−〔6〕のように直列接続されてなる領域が含まれており、各基本回路〔1〕〜〔6〕はそれぞれ、任意の一または複数の特定波長のLED複数個から構成されていることを特徴とする、《2》に記載のLED回路。
《4》 前記基本回路には、立ち上がり電圧(閾値電圧ともいう。)までの不感帯を少なくするためのコンデンサーが設けられていることを特徴とする、《1》ないし《3》のいずれかに記載のLED回路。
《5》 交流電源への直接接続により得られるパルス発光を利しての植物栽培用光源に用いられることを特徴とする、《1》ないし《4》のいずれかに記載のLED回路。
【0011】
《6》 《1》ないし《5》のいずれかに記載のLED回路を用いた、照明器具。
《7》 《1》ないし《5》のいずれかに記載のLED回路を用いた照明器具であって、栽培植物の任意の局所における照射もしくは生育ステージに合わせた局所照射が可能なよう設置位置変更自在な仕様を備えていることを特徴とする、照明器具。
《8》 《7》に記載の照明器具を用いた植物栽培用照明方法であって、該照明器具が栽培植物の任意の局所に対して照射されるか、または生育ステージに合わせて局所に対して照射されることを特徴とする、植物栽培用照明方法。
《9》 《6》または《7》に記載の照明器具と、該照明器具からの光を受光可能かつ該照明器具への電源供給可能な有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池とを備えた、照明システム。
【0012】
《10》 《6》または《7》に記載の照明器具を用いた照明システムであって、混合色の発光照射を制御可能に形成されていることを特徴とする、照明システム。
《11》 植物栽培用照明として用いることができ、栽培植物が植栽ないしは載置される基盤上に前記太陽電池が設けられることを特徴とする、《9》または《10》に記載の照明システム。
《12》 《9》ないし《11》のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、該植物生産はフローティングマットを用いた水耕栽培によるものであり、該フローティングマット上に前記太陽電池が設けられていることを特徴とする、植物生産システム。
《13》 《9》ないし《11》のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化されていることを特徴とする、植物生産システム。
【0013】
《14》 《1》ないし《5》のいずれかに記載のLED回路を用いた照明器具であって、該LED回路がフレキシブルプリント基板(FPC)上に設けられていることを特徴とする、照明器具。
《15》 前記FPCは一株もしくは複数株の栽培植物単位を被覆もしくは包囲して照射可能な仕様を備えていることを特徴とする、《14》に記載の照明器具。
《16》 前記FPCは、照明対象を被覆もしくは包囲する形状に形成可能であり、その際の内外通気が可能なように開閉手段が設けられていることを特徴とする、《14》または《15》に記載の照明器具。
《17》 《14》ないし《16》のいずれかに記載の照明器具を用いた植物栽培方法であって、該照明器具によって一株もしくは複数株の栽培植物単位を被覆または包囲して該栽培植物単位を照射することを特徴とする、植物栽培方法。
【0014】
《18》 《14》ないし《16》のいずれかに記載の照明器具と、該照明器具からの光を受光可能かつ該照明器具への電源供給可能な有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池とを備えた、照明システム。
《19》 栽培植物が植栽ないしは載置される基盤上に前記太陽電池が設けられることを特徴とする、《18》に記載の照明システム。
《20》 混合色の発光照射を制御可能に形成されていることを特徴とする、《18》または《19》に記載の照明システム。
《21》 《18》ないし《20》のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、該植物生産はフローティングマットを用いた水耕栽培によるものであり、該フローティングマット上に前記太陽電池が設けられていることを特徴とする、植物生産システム。
《22》 《18》ないし《20》のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化されていることを特徴とする、植物生産システム。
【0015】
《23》 《1》ないし《5》のいずれかに記載のLED回路を用いた照明器具であって、光源が凸形曲面上に設けられていることを特徴とする、照明器具。
《24》 《23》に記載の照明器具と、該照明器具からの光を受光可能かつ該照明器具への電源供給可能な有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池とを備えた、照明システム。
《25》 栽培植物が植栽ないしは載置される基盤上に前記太陽電池が設けられることを特徴とする、《24》に記載の照明システム。
《26》 混合色の発光照射を制御可能に形成されていることを特徴とする、《24》または《25》に記載の照明システム。
《27》 《24》ないし《26》のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、該植物生産はフローティングマットを用いた水耕栽培によるものであり、該フローティングマット上に前記太陽電池が設けられていることを特徴とする、植物生産システム。
《28》 《24》ないし《26》のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化されていることを特徴とする、植物生産システム。
【0016】
《29》 《1》ないし《5のいずれかに記載のLED回路を用いた照明器具であって、ソケットに差し込み可能な電球形に形成されていることを特徴とする、照明器具。
《30》 《29》に記載の照明器具を複数差し込み可能なソケットを備えた、照明装置用基板。
《31》 《30》に記載の照明器具および、これを複数差し込み可能なソケットを備えた照明装置用基板とからなる複合型であることを特徴とする、照明器具。
《32》 前記照明器具ごとの呈色仕様が自在であり、色の混合その他全体的な呈色デザインを自在に設計可能であることを特徴とする、《31》に記載の照明器具。
《33》 《29》、《31》または《32》のいずれかに記載の照明器具と、該照明器具からの光を受光可能かつ該照明器具への電源供給可能な有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池とを備えた、照明システム。
【0017】
《34》 栽培植物が植栽ないしは載置される基盤上に前記太陽電池が設けられることを特徴とする、《33》に記載の照明システム。
《35》 混合色の発光照射を制御可能に形成されていることを特徴とする、《33》または《34》に記載の照明システム。
《36》 《33》ないし《35》のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、該植物生産はフローティングマットを用いた水耕栽培によるものであり、該フローティングマット上に前記太陽電池が設けられていることを特徴とする、植物生産システム。
《37》 《33》ないし《35》のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化されていることを特徴とする、植物生産システム。
【0018】
《38》 前記播種・育成(育苗を含む。)播種・育成(育苗を含・出荷の各段階を構成するブロックにおける標準時間を設定することによりリードタイムを設定し、前記自動搬送ラインにおける搬送スピードを該リードタイムのスピードに調整することにより、栽培植物の連続生産を可能とすることを特徴とする、《13》、《22》、《28》または《37》のいずれかに記載の植物生産システム。
《39》 混合色の発光照射を制御可能に形成されており、前記各段階からなる植物生産過程において、赤(R)・緑(G)・青(B)各色を所定の混合比率で混合照射する照射工程、赤(R)・白色(W)各色を所定の混合比率で混合照射する照射工程、または赤(R)単色のみを照射する照射工程の全部またはいずれか一つもしくは二つの照射工程が設けられていることを特徴とする、《13》、《22》、《28》、《37》または《38》のいずれかに記載の植物生産システム。
【0019】
《40》 生育ステージに合わせて植物の占有面積が適正化されるよう、少なくとも前記播種段階と前記育成(育苗を含む。)段階との間においては、これらに係る各ブロックにおける植物栽培用ポットのサイズを異なったものとすることを特徴とする、《13》、《22》、《28》、《37》、《38》または《39》のいずれかに記載の植物生産システム。
《41》 生育ステージに合わせて植物の占有面積が適正化されるよう、前記各ブロックの面積が設定されることを特徴とする、《40》に記載の植物生産システム。
《42》 前記自動搬送ラインは二階層以上に立体化されていることを特徴とする、《13》、《22》、《28》、《37》、《38》、《39》、《40》または《41》のいずれかに記載の植物生産システム。
【0020】
《43》 有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池を備えた、水耕栽培用フローティングマット。
【0021】
《44》 有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池を備えた水耕栽培用フローティングマットと、該フローティングマットの上方に設けられた光源と、該フローティングマットを浮かべるための水耕栽培用水槽とからなる、水耕栽培用空間構造。
《45》 有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池を備えた水耕栽培用フローティングマットと、該フローティングマットの上方に設けられた光源と、該フローティングマットを浮かべるための水耕栽培用水槽とからなり、該光源には《1》ないし《5》のいずれかに記載のLED回路が用いられていることを特徴とする、水耕栽培用空間構造。
【発明の効果】
【0022】
本発明のLED回路、照明器具、植物栽培用照明方法、照明システム、植物生産システム、植物栽培方法、照明装置用基板、水耕栽培用フローティングマット、および水耕栽培用空間構造は上述のように構成されるため、これによれば、照明として全面的にLEDを用いることを前提とした植物工場あるいは植物生産システムにおいて、画期的な省電力化効果を得、生産効率・生産性の向上効果を得、それによる導入の容易化効果および適用対象の拡大効果を得ることができる。
【0023】
つまり本発明LED回路においては、照明用LED駆動電源として交流電源配線への直接接続を可能であり、これを供給電源として活用することができる。したがって本発明LED回路等では、交流を直流に変換する電源や定電流駆動する電源が不要となり、極めて簡便に、パルス回路を不要とする照射光源の実現が可能である。また、直流電源部の損失を皆無とすることができるため、総合的に効率が良い。また、電源部での発熱がないので、低発熱であるLED本来の特徴を最大限発揮させ、最大限利用することができる。
【0024】
また本発明LED回路等によれば、回路の力率が良いために、大構成として大量に使用する場合であっても、送電インフラにかかる負担を無くす、または最小限とすることができる。さらに本発明LED回路等は、高電圧のまま使用することができるため、抵触部や摺動部に抵抗を設ける必要がなく、金などの貴金属・レアメタルの使用量を削減することができる。また本発明のLED回路はSW回路を内在していないため、無用なノイズ発生がなく、電力系統や通信系統に悪影響を与えることもない。
【0025】
さらに本発明の照明器具、植物栽培用照明方法および照明システム等によれば、配色の配置を自由自在に設計でき、また照明器具の着脱を自由自在に行うことも可能である。また本発明によれば、LEDを用いることによって、植物栽培に必要な波長の光(380nm〜740nm)を集中的に、かつバランスよく混合照射したり、その比率の設定を容易に行うことができる。さらに特定の本発明照明器具等によれば、栽培植物に対して局部照射することによって、部分的な光合成効果を高めることが可能である。
【0026】
なお、植物の生長・光合成反応に対しては、連続光よりもパルス光の方が、植物体における光の利用効率が高い。本発明に係るLED回路は、交流電源に直接接続して用いるものであるため、光合成に必要なパルス照射として商用周波数を直接活用することができる。
【0027】
さらに本発明の植物生産システム、水耕栽培用フローティングマット等によれば、植物栽培用のマットに太陽光パネルを使って電力をフィードバックすることができるため、省電力化となる。また、本発明によれば、リードタイムと標準時間STを設定して連続生産する、実用的な植物生産システム、植物工場を構築することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明LED回路の基本構成を示す回路図である。
【図2】本発明LED回路の別の基本構成を示す回路図である。
【図3】本発明LED回路の別の基本構成を示す回路図である。
【図4】立ち上がり電圧(閾値電圧)における不感帯の存在を示すグラフである。
【図5】本発明LED回路における不感帯低減用構成の基本を示す回路図である。
【図6】図6は、本発明LED回路によるパルス発光生成を示す説明図である。
【図7】本発明LED回路の植物栽培用光源としての利用例を示す説明図である。
【図8】本発明照明器具の一形態を示す側面視の説明図である。
【図9】本発明植物生産システムの構成例を示す説明図である。
【図10】インライン化された本発明植物生産システムの構成例を示す平面視の説明図である。
【図11】FPC利用の本発明照明器具の構成例を示す説明図である。
【図12】図11に示す照明器具の使用例を示す説明図である。
【図13】曲面型の本発明照明器具の構成を示す説明図である。
【0029】
【図14】電球形の本発明照明器具の基本構成を示す説明図である。
【図15】図14に示す照明器具の実態図である。
【図16】図14に示した本発明照明器具に適用可能な照明装置用基板の例を示す写真である。
【図17A】本発明の複合型の照明器具の配色配置構成例を示す説明図である(RGB(赤・緑・青色)混合照射パネル)。
【図17B】本発明の複合型の照明器具の配色配置構成例を示す説明図である(R−W(赤・白色)二色照射パネル)。
【図17C】本発明の複合型の照明器具の配色配置構成例を示す説明図である(R(赤色)単色照射パネル)。
【図18】連続生産可能な本発明植物生産システムにおける栽培プロセスを説明する説明図である。
【図19】本発明植物生産システムをレタス栽培に適用する場合における、適性面積検討結果の一例を示す表である。
【図20】本発明植物生産システムに使用可能な各成長段階用の植物栽培用ポットの構成例を示す平面図である。
【図21】植物栽培用ポットを複数配置して形成する苗床(マット)の構成例を示す平面図である。
【図22】立体化した本発明植物生産システムの構成例を示す説明図である。
【図23】本発明水耕栽培用空間構造の基本構成を示す説明図である。
【図24】本発明水耕栽培用空間構造の応用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明LED回路の基本構成を示す回路図である。図示するように本LED回路は交流電源に直接接続できるLED回路であって、複数のLEDが直列接続された順方向部1a、1b等と、該順方向部1a等とは逆方向に複数のLEDが直列接続された逆方向部2a、2b等とが並列接続されてなる基本回路3a、3b等を備え、基本回路3a等が複数接続されることで構成されており、かつ本LED回路を構成するn個のLEDが、下記回路式〔I〕を満たすことを、主たる構成とする。
〔I〕119(V)≦ LEDnV + ZDnV + RnV ≦128(V)
ただし、LEDnV:n個のLEDの電圧の総和
ZDnV:回路中に含まれる全ツェナーダイオードの電圧の総和
RnV:回路中に含まれる全電流微調整抵抗の電圧の総和
【0031】
かかる構成により本LED回路においては、これが交流(AC)電源に直接接続されることによって、商用周波数を直接活用したパルス発光を得ることができる。パルス発光は、植物の光合成に必要なものである。つまり、植物の生長・光合成反応を促進するためには、連続光よりもパルス光の方が、植物による光の利用効率が高くなり、有利である。したがって本発明LED回路は、植物栽培の用に供する光源として適しているものである。
【0032】
本発明LED回路によれば、交流を直流に変換する電源や定電流駆動するための電源は全く不要である。したがって、極めて簡便な構成によって、パルス回路を不要とする照射光源とすることができる。また、直流電源部の損失を皆無とすることができるため、総合的に効率が良い。また、電源部での発熱がないため、本発明によってこそ低発熱であるLED本来の特徴を最大限発揮させることができ、最大限利用することができる。
【0033】
また本発明LED回路は回路の力率が良いために、LEDを多数用いた大構成として大量に使用する場合であっても、上記式〔I〕の条件を満たすものである限り回路が切断することがなく、送電インフラにかかる負担を無くすかあるいは最小限なものとすることができる。さらに本発明LED回路は、高電圧のまま使用可能であるため、抵触部や摺動部に抵抗を設ける必要がない。したがって、金などの貴金属やレアメタルの使用量を削減することができ、コスト低減につながる。さらにまた本発明のLED回路はSW回路を内在していないため、無用なノイズが発生せず、電力系統や通信系統に悪影響を与えることもないなど、従来にはない効果を多く有するものである。
【0034】
たとえば本LED回路を、100V、周波数50hz、20msecの商用交流電源に接続して用いることにより、順方向10msec、逆方向10msecの安定的なパルス発光を得ることができ、これは直ちに植物栽培における照明用の光源として、つまり光合成反応に十分な光を生成する光源として供することができる。もちろん周波数60hzの交流電源でも、あるいはその他の周波数の交流電源であっても、本発明は適用可能である。
【0035】
なお本LED回路においては、回路の切断を防止して安定的な使用に供するために、上述の式〔I〕の条件を満たすように接続するLED数を設定し、それに基づく基本回路を設けて構成することが必要である。この条件を満たす限り、十分に実用的な照明用の光源として機能させることができる。
【0036】
なお図において、各LEDのハッチング等の相違は、R・G・B・Wの色などLEDの種類もしくは仕様の相違を表しているが、図示するものはあくまで例示であり、本LED回路全体を構成する個々のLEDの種類・仕様の異同の如何、また相違する場合の具体的な配置設計などは、式〔I〕の条件を満たすものであるかぎり、全く自由自在に行うことができる。
【0037】
図2は、本発明LED回路の別の基本構成を示す回路図である。図示するように本LED回路は、基本回路231(以下、「基本回路〔1〕」ともいう。)と、別の2つの基本回路232ならびに基本回路233(同じく、それぞれ「基本回路〔2〕」、「基本回路〔3〕」ともいう。)が相互に並列接続されてなるところの基本回路並列部2230(同じく、「基本回路並列部〔23〕」ともいう。)と、および別の基本回路234(同じく、「基本回路〔4〕」ともいう。)とが、
基本回路〔1〕−基本回路並列部〔23〕−基本回路〔4〕
のように直列接続されてなる領域が含まれているものであり、かつ各基本回路〔1〕〜〔4〕はそれぞれが、任意の一または複数の特定波長のLED複数個から構成されていて、さらにLED回路全体を構成するn個のLEDが下記回路式〔II〕を満たしていることを主たる構成として備えたものとすることができる。
〔II〕119(V)≦ LEDnV + ZDnV + RnV ≦128(V)
ただし、LEDnV:n個のLEDの電圧の総和
ZDnV:回路中に含まれる全ツェナーダイオードの電圧の総和
RnV:回路中に含まれる全電流微調整抵抗の電圧の総和
【0038】
このような構成とすることによって本発明LED回路は、図1にて示した各作用および効果に加え、用いる個々のLED固有の特定波長によりそれぞれを発光させて、照明用光源として使用に供することができる。各基本回路231等におけるLED配列構成は適宜任意に設計可能であることから、任意の複数の色を同時に発光させる照明用光源を得ることが可能となる。すなわち本発明によれば、任意の混合色の発光、照射が可能な光源を得ることができる。
【0039】
なお図において、各LEDのハッチング等の相違は、R・G・B・Wの色などLEDの種類もしくは仕様の相違を表しているが、図示するものはあくまで例示であり、本LED回路全体を構成する個々のLEDの種類・仕様の異同の如何、また相違する場合の具体的な配置設計などは、式〔II〕の条件を満たすものであるかぎり、全く自由自在に行うことができる。
【0040】
図3は、本発明LED回路の別の基本構成を示す回路図である。図示するように本発明LED回路は、
基本回路331(本図による説明の限りにおいて、「基本回路〔1〕」ともいう。)、基本回路並列部3230(同じく「基本回路並列部〔23〕ともいう。」、基本回路334(同じく「基本回路〔4〕」ともいう。)とが、
基本回路〔1〕−基本回路並列部〔23〕−基本回路〔4〕
のように直列接続されてなる領域に加え、さらに、
別の基本回路335(同じく「基本回路〔5〕」ともいう。)と、前記基本回路並列部3230(基本回路並列部〔23〕)と、および別の基本回路336(同じく「基本回路〔6〕」ともいう。)とが、
基本回路〔5〕−基本回路並列部〔23〕−基本回路〔6〕
のように直列接続されてなる領域も含まれていて、かつ各基本回路〔1〕〜〔6〕がそれぞれ、任意の一または複数の特定波長のLED複数個から構成されており、さらに
基本回路〔1〕−基本回路並列部〔23〕−基本回路〔4〕 の領域を構成するn個のLEDが上述の回路式〔II〕を満たし、かつ、
基本回路〔5〕−基本回路並列部〔23〕−基本回路〔6〕 の領域を構成するn個のLEDも上述の回路式〔II〕を満たしていることを、主たる構成として備えたものとすることができる。
【0041】
このような構成とすることによって本発明LED回路は、図1にて示した各作用および効果に加え、用いる個々のLED固有の特定波長によりそれぞれを発光させて、照明用光源として使用に供することができる。各基本回路331等におけるLED配列構成は適宜任意に設計可能であることから、任意の複数の色を同時に発光させる照明用光源を得ることが可能となる。すなわち本発明によれば、任意の混合色の発光、照射が可能な光源を得ることができる。
【0042】
なお図において、各LEDのハッチング等の相違は、R・G・B・Wの色などLEDの種類もしくは仕様の相違を表しているが、図示するものはあくまで例示であり、本LED回路全体を構成する個々のLEDの種類・仕様の異同の如何、また相違する場合の具体的な配置設計などは、式〔II〕の条件を満たすものであるかぎり、全く自由自在に行うことができる。
【0043】
図4は、立ち上がり電圧(閾値電圧)における不感帯の存在を示すグラフである。また、
図5は、本発明LED回路における不感帯低減用構成の基本を示す回路図である。これらに図示するように、上述した各本発明のLED回路にはいずれも、その基本回路に、立ち上がり電圧までの不感帯を少なくするためのコンデンサーを設けるものとすることができる。つまり、本発明LED回路の基本回路3a等の構成が、単にLEDが直列接続しただけの構成であると、立ち上がり電圧(閾値電圧)までの間に存在する不感帯により回路効率が低下する。しかし、コンデンサーを接続する構成とすることによって、閾値電圧を改善でき、回路効率の低下を防止ないしは低減することができる。
【0044】
<照明器具>
図6は、本発明LED回路によるパルス発光生成を示す説明図である。また、
図7は、本発明LED回路の植物栽培用光源としての利用例を示す説明図である。これらに図示するように本LED回路は、交流電源への直接接続によってパルス発光を得られることを活かして、植物Dを栽培するための光源Kとして用いることができる。既に述べたとおりパルス発光は、植物の生長・光合成反応促進効果の点で連続光に優るため、本発明LED回路は、植物栽培の用に供する光源として適するものである。
【0045】
図7に示すように本発明LED回路を用いて照明器具18を構成し、これを栽培対象の植物Dに対する照射可能な箇所に設置して光源として用いる。それにより、植物Dは十分なパルス光を照明器具18から得、生長・光合成反応が促進され、良好に栽培されることができる。なお図中の符号17は太陽電池であり、照明器具18からの照射光を有効再利用するためのものであるが、その詳細は後述する。また、太陽電池17の設置は任意であり、必須事項ではない。
【0046】
図7は、植物栽培用光源としての本発明LED回路の利用を示すものであるが、上述した各本発明LED回路の用途がこれに限られないことは、いうまでもない。たとえば、居住空間用、種々の作業空間用、屋内外照明用、表示灯・表示装置用、装飾用、芸術・イベント用など、特に限定されずあらゆる用途に、光源・照明器具として用いることができる。
【0047】
<局所的な照明>
図8は、本発明照明器具の一形態を示す側面視の説明図である。図示するように本照明器具48は、上述したいずれか記載のLED回路を用いたものであって、栽培植物Dの任意の局所における照射、もしくは生育ステージに合わせた局所照射が可能なように、設置位置を自在に変更可能な仕様を備えていることを、特徴的な構成とする。図では、植物Dの側方や上方に設置した例を示しているが、本発明はこれに限定されない。植物Dの栽培において有意義である限り、その周辺のあらゆる方位および距離によるあらゆる位置範囲において、具体的な設置位置変更可能対象位置を設計可能である。
【0048】
つまり、照明器具48は植物Dとの位置関係において、栽培期間の全体に亘って、適宜の移動が困難となる程度に特定の位置に固設されてしまうのではなく、むしろ植物Dの生育状況や生育ステージなど栽培状況に応じて、植物Dの周辺のいかなる位置(方位、距離)にも自在に設置位置を変更可能なように、照明器具48は形成される。具体的には、たとえば、照明器具本体とこれを取り付けて支持する任意の位置に設置するための可動式の支持構造、屈曲自在のアームに取り付けられた照明器具など、設計はいかようにも自由である。
【0049】
かかる構成により、本照明器具48によれば植物Dに対する局所照射が可能となり、植物Dの栽培状況に応じた照射条件の適正化・最適化を図ることができる。一般に植物においては、葉、茎、根、果実などの諸器官が互いに比例的に成長するものであるが、各器官が協調関係をもって成長する場合と、競合関係に入る場合がある。その代表的なものは、栄養成長から生殖成長への転換であるが、このような場合において光合成速度や転流速度を適正化・最適化して栽培目的を効率的・効果的に達成するために、本発明に係る局所照射による植物栽培照明方法、植物栽培方法は利用性が高い。なお局所照射は、図7に示した通常の全体照射と併用して、補助光源的に使用してもよい。
【0050】
<電力帰還式の照明>
図7に示したように、照明器具18と、そこからの光を受光可能かつ照明器具18への電源供給可能な太陽電池17とによって、本発明の照明システムを構成することができる。これは、図8に示した局所照射用の照明器具の場合においても同様である。太陽電池17は、栽培植物Dが照明器具18からの照射光を受光する障害とならず、かつ自身も受光可能な位置に設けられる。たとえば各図に示すように植物Dの植えられるポットPの設置面などである。
【0051】
また太陽電池17としては、有機薄膜太陽電池などの有機系太陽電池を特に用いるものとすることができる。有機系太陽電池は微弱光の下でも光電返還効率の低下が少ないからである。しかしながら本発明はそれに限定されず、その他照明器具18等からの受光が可能でかつ照明器具18等への電源供給機能を十分に果たせるものであれば、いかなるものも用いることができる。
【0052】
なお図7、8に示した例は、それぞれ全体照射あるいは局所照射の照射光をより有効活用するために、育苗用マットあるいはフローティングマットに太陽電池17等を敷設した太陽光パネルを使用し、照明器具18等への電力帰還を可能とした構成例である。このように本発明の照明システムは、栽培植物Dが植栽ないしは載置される基盤上に太陽電池17等が設けられる構成とすることができる。これにより、太陽電池を設ける目的を良好に達成できる。
【0053】
なお、前掲図2、3を用いて説明した混合色発光可能な本発明LED回路を用いることによって、本照明システムは、混合色の発光照射を制御可能なものとすることができる。混合色照射の具体例については、後に詳述する。
【0054】
<植物生産システム>
図9は、本発明植物生産システムの構成例を示す説明図である。図示するように本植物生産システムは、上述の太陽電池を構成要素として備える照明システムを用いるものであって、フローティングマット50を栽培用の水溶液M上に浮かべて植物Dを栽培する水耕栽培方式を採り、フローティングマット50上には照明器具58(光源5K)による照射光を受光して電力帰還するための太陽電池57が設けられていることを、主たる構成とする。太陽電池57と照明器具58とはコントロールボックス53によって、照射・光電変換・送電・蓄電といった必要な制御がなされる。
【0055】
なお、本植物生産システムにおける制御手段は、図示するような回路構成要素としてのコントロールボックス53に限定されない。たとえば、照明器具58と太陽電池57に対して有線ないし無線にて接続する制御手段であってもよい。あるいはまた、中継ボックスのような中継手段、およびネットワークを介して、遠隔設置される制御装置等の制御手段を設けることとしてもよい。
【0056】
かかる構成により本植物生産システムにおいては、照明器具58(光源5K)による照射光を植物Dが受光して生育し、植物Dには利用されなかった照射光は太陽電池57によって受光されて電力帰還し、光源5Kに循環利用される。これらの制御がコントロールボックス53その他の制御手段によってなされる。
【0057】
上述の本発明植物生産システムは、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化された構成とすることができる。かかる構成とすることによって、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階のブロックごとに各段階に適した方法による生産管理を行って、次段階へと送出し、かつ全体的な生産管理を効率的に実施することが可能となる。
【0058】
なお図10は、インライン化された本発明植物生産システムの構成例を示す平面視の説明図である。図中にあるように、植物生産システムは本発明に係るいずれかのLED回路を用いてなる照明器具もしくは照明システムを用いたLED播種装置、LED育苗装置、およびLED栽培装置によって担当される各段階のブロックが連続して設けられることにより構成されており、植物が載置または植え付けられたポットもしくはそれが複数載置されたマットが、各段階のブロックを順に搬送されていく構成である。そして最後には、梱包・出荷のエリアに搬送され、処理される。
【0059】
<FPCを用いたラッピング照射>
図11は、FPC利用の本発明照明器具の構成例を示す説明図である。また、
図12は、図11に示す照明器具の使用例を示す説明図である。これらに図示するように本照明器具68は、上述のいずれかの本発明LED回路がフレキシブルプリント基板(FPC)60上に設けられていることを、特徴的な構成とする。図示するように本照明器具68においては、複数のLEDが設けられた形態となる。
【0060】
かかる構成により、基盤がFPCであることを活かして、曲げたり、折ったり、凹凸をつけたりすることを自在に行えるシート状光源、シート状照明器具を提供することができる。本照明器具68は、照明対象を包囲したり、被覆したりすることも、また、曲げ・折り・凹凸形成等を自在に行うことによって、照明方向や照度を調節したり、その他様々な照明効果を実現することができる。
【0061】
なお、上述の本発明LED回路を用いずに、単一または複数のLEDをFPC上に設けたシート状照明器具とすることも可能である。たとえば、照明対象が小面積であったり、狭所であったり、照明対象の空間のプライベート性が高かったりする場合の小規模照明用途に、有用である。
【0062】
図11に示すように本照明器具68のFPC60には、チャッキング等の開閉手段61を設けるものとすることができる。かかる構成により、照明対象を包囲したり被覆するために本照明器具68で覆いを形成する状態とした場合であっても、内外における適宜の通気を可能とすることができる。
【0063】
図12に示すように、本発明照明器具68は、FPC60によって一株もしくは複数株の栽培植物D単位を被覆、もしくは包囲して、光を照射可能な仕様にて形成するものとすることができる。かかる構成により、照明器具68によって植物Dの葉、茎、根、果実などの諸器官を包み込むようにして、いわば「ラッピング照射」ともいうべき状態で光を照射することができる。なお、開閉手段61が設けられている場合は、これを開閉することによって照射対象植物Dへの通気を適宜行うことができる。
【0064】
図示するように、照明器具68を用いてこれによって一株もしくは複数株の栽培植物D単位を被覆するかまたは包囲して、栽培植物単位を照射する植物栽培方法を採ることができる。上述のとおり、植物Dの葉、茎、根、果実などの諸器官を包み込む「ラッピング照射」により、生育状況や生育ステージに応じた局所的な照射を、一層柔軟に、自在に行うことができる。また、照射方向や照度など照射条件の設定も、一層柔軟かつ自在に行うことができる。
【0065】
FPCを用いた照明器具68と、照明器具68からの光を受光可能かつ照明器具68への電源供給可能な太陽電池67とによって、本発明の照明システムを構成することができる。太陽電池67は、栽培植物Dが照明器具68からの照射光を受光する障害とならず、かつ自身も受光可能な位置に設けられる。たとえば図示するように植物Dの植えられるポットPの設置面などである。
【0066】
また太陽電池67としては、有機薄膜太陽電池などの有機系太陽電池を特に用いるものとすることができる。有機系太陽電池は微弱光の下でも光電返還効率の低下が少ないからである。しかしながら本発明はそれに限定されず、その他照明器具68からの受光が可能でかつ照明器具68への電源供給機能を十分に果たせるものであれば、いかなるものも用いることができる。
【0067】
また本照明システムにおいては、太陽電池67は、栽培植物Dが植栽ないしは載置される基盤上に設けられる構成とすることができる。たとえば基盤としては、育苗用マットあるいはフローティングマットを用い、この上面に太陽電池67を敷設した太陽光パネルを使用し、照明器具68に電力帰還する構成とすることもできる。なお、水耕栽培方式とかかる太陽電池敷設フローティングマット等によって、植物生産システムを構成することもできる。
【0068】
なおまた、混合色発光可能な本発明LED回路を用いて、混合色の発光照射を制御可能に本照明システムを構成できること、および以上述べたFPC利用照明器具に係る照明システムによって、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化された植物生産システムを構築できることは、既に述べた局所照射可能な照明器具等における場合と同様である。
【0069】
<曲面型の照明器具>
図13は、曲面型の本発明照明器具の構成を示す説明図である。図示するように本照明器具78は、上述したいずれかの本発明LED回路を用い、光源として複数のLED71、71、・・・が凸形曲面70上に設けられている構成である。特にLED71、71、・・・は、凸形曲面70上に面に対して同一の角度をもって設ける仕様とするなど、凸形曲面上の設置を活かし多方向に対してLED71、71、・・・による光が照射できるように設置すればよい。
【0070】
かかる構成により本照明器具78によれば、LEDの短所であるところの光の拡散性の低さを解消し、広範な角度範囲、方向に対して照射・照明を行うことができる。なお、図の凸形曲面の構造はあくまでも一例であり、曲率やサイズなど仕様・設計は適宜のものとすることができる。
【0071】
本発明の凸形曲面を用いた照明器具78に基づいて、これと電力帰還用太陽電池とを備えた照明システムを構成できること、そしてその場合、栽培植物が植栽ないしは載置される基盤上に太陽電池を設けたり、あるいはまた混合色の発光照射を制御可能に形成できることは、既に述べた局所照射可能な照明器具等やFPC利用の照明器具等における場合と同様である。
【0072】
また、凸形曲面利用の照明器具に係る照明システムによって、フローティングマットを用いた水耕栽培方式により、フローティングマット上に太陽電池を設けた植物生産システムを構築できること、さらに、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化された植物生産システムを構築できることも、既に述べた局所照射可能な照明器具等やFPC利用の照明器具等における場合と同様である。
【0073】
<電球形照明器具および複合型照明器具>
図14は、電球形の本発明照明器具の基本構成を示す説明図である。また、
図15は、図14に示す照明器具の実態図である。これらに示すように本照明器具88は、上述したいずれかの本発明LED回路を用いた器具であって、各LED89、89、・・・が面上に配置されて一種の電球形状が形成されており、かつ所定のソケットに差し込み可能な仕様にて、いわばモジュール化されたものとして形成されていることを、特徴的な構成とするものである。
【0074】
かかる構成により本照明器具88によれば、準備される所定のソケットへの着脱を自由自在に行うことができ、照明システムを構築するのに便利である。またモジュール化された形態であるため、照明システムの変更などにも自在に対応できる。さらに必要な波長の光(380nm〜740nm)を集中的に照射せしめることができる。また、混合色発光可能な本発明LED回路を用いることで、配色の配置も自由自在に行え、必要な波長の光(380nm〜740nm)を集中的に、かつバランスよく混合照射したり、その配色比率も容易に設定することが可能である。
【0075】
図16は、図14に示した本発明照明器具に適用可能な照明装置用基板の例を示す写真である。図示するように本照明装置用基板80は、照明器具88を複数差し込み可能なソケット81、81、・・・を備えた構成である。図示した例のように、本基板80はソケット81を多数備えたものとしてもよく、その数は限定されない。また、ソケット81の配置方法も、図示するものに限定されず、自由自在に配置構成することができる。
【0076】
図示するように、電球形の照明器具88、88、・・・および、これを複数差し込み可能なソケット81、81、・・・を備えた照明装置用基板80とから、複合型の照明器具89Cを構成することができる。これに取り付けられる照明器具88、88、・・・は、全て同じ発光色のものとしても、また、二種類以上の異なる発光色のものを適宜に配置構成することとしてもよい。
【0077】
図17A、17B、17Cは、本発明の複合型の照明器具の配色配置構成例を示す説明図である。このうち、図17AはRGB(赤・緑・青色)混合照射パネル、図17BはR−W(赤・白色)二色照射パネル、そして図17CはR(赤色)単色照射パネルを示す。配色配置はあくまでも例であり、本発明がこれに限定されるものではなく、用途に応じ適宜の配色配置とすることができる。図に例示したものはいずれも、植物栽培において有用な照射光構成を考慮して設計されたものである。
【0078】
これらの図に例示するように、本発明の複合型の照明器具89C(照明パネル)においては、照明器具88、88、・・・ごとの呈色仕様を自由自在なものとし、色の混合その他全体的な呈色デザインを、目的に応じて自由自在に設計可能とするように構成することができる。具体的には、電圧制御回路によって単一基板上に任意灯数で搭載された電球形の照明器具88、88、・・・の自由自在な抜き差し操作によって、R、G、B、Wなどの発光色の混合照射比率を、容易に設定可能とすることができる。
【0079】
本発明の電球形照明器具88や複合型の照明器具89Cに基づいて、これと電力帰還用太陽電池とを備えた照明システムを構成できること、そしてその場合、栽培植物が植栽ないしは載置される基盤上に太陽電池を設けたり、あるいはまた混合色の発光照射を制御可能に形成できることは、既に述べた局所照射可能な照明器具等やFPC利用の照明器具等、凸形曲面利用の照明器具等における場合と同様である。
【0080】
また、電球形照明器具88に係る照明システムや複合型の照明器具89Cに係る照明システムによって、フローティングマットを用いた水耕栽培方式により、フローティングマット上に太陽電池を設けた植物生産システムを構築できること、さらに、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化された植物生産システムを構築できることも、既に述べた局所照射可能な照明器具等やFPC利用の照明器具等、凸形曲面利用の照明器具等における場合と同様である。
【0081】
<リードタイム設定による植物生産システム>
図18は、連続生産可能な本発明植物生産システムにおける栽培プロセスを説明する説明図である。図は、葉菜類(レタス)の例を示す。図示するように、既に述べた本発明植物生産システムにおいては、播種・育成(育苗を含む。)播種・育成(育苗を含・出荷の各段階を構成するブロックにおける標準時間STを設定することによりリードタイムを設定し、さらに自動搬送ラインにおける搬送スピードをリードタイムのスピードに調整することに基づいて、栽培植物の連続生産体制を構築することができる。
【0082】
図示するレタスの例では、播種から発芽を経て二葉展開期に至り、間引きが完了されるまでの育苗ステップの標準時間STを6日、本葉3枚期に至る第一定植ステップの標準時間STを10日、本葉6枚に至る第二定植ステップの標準時間STを10日、そして本葉9枚に至り収穫・出荷されるまでの最終ステップの標準時間STを14日、と設定している。各標準時間STおよび下記算出式から、リードタイムは決定される。
リードタイム=成長工数(標準時間ST)+搬送工数+停滞工数
【0083】
本植物生産システムにおける自動搬送ラインにおいては、栽培対象植物や品種その他の栽培条件に応じて、播種時における適正な所要面積(播種面積)、育成期(育苗期を含む)における適正な所要面積(育成面積)、出荷時における適性は所要面積(出荷面積)等を予め設定し、これらに対応して播種・育成・出荷の各段階の単位たるブロックを構成して、これをインライン化するものとすることができる。これにより、生産速度を自動制御して面積生産性を高めることが可能となる。
【0084】
なお、植物栽培用の照射方法としては、混合色照射を大いに利用することができる。葉菜類の場合について図に例示するように、本葉3枚期においてはR・W(赤・白色)の二色混合照射、本葉6枚期においてはR・G・B(赤・緑、青色)の三色混合照射、また本葉9枚期においてはR(赤色)単色照射が、それぞれ最適である。したがって、植物の成長過程に応じて最適な、かかる配色構成により各ステップの照射光の混合比率を設定、制御し、照射すればよい。
【0085】
レタスの場合は、三色混合比率および二色混合比率を下記のように設定して照射すれば、二葉の展開期における花芽形成の品質を高め、生産性を十分に高めることができる。
R:G:B=8:1:1
R:W=7:3
以上述べたリードタイム設定による本発明植物生産システムにより、葉菜類であればデイリー収穫体制を無理なく実現することが可能となる。以上の考え方は、基本的に、本発明を葉菜類以外の植物栽培に適用する場合においても共通するものである。
【0086】
<面積生産性重視の植物生産システム>
図19は、本発明植物生産システムをレタス栽培に適用する場合における、適性面積検討結果の一例を示す表である。また、
図20は、本発明植物生産システムに使用可能な各成長段階用の植物栽培用ポットの構成例を示す平面図、
図21は、植物栽培用ポットを複数配置して形成する苗床(マット)の構成例を示す平面図である。なお図20、21は、図19や図18同様、葉菜類(レタス)栽培を前提とするものであり、各図中の寸法単位はmmである。
【0087】
これらに図示するように本植物生産システムにおいては、生育ステージに合わせて植物の占有面積が適正化されるように、少なくとも播種段階と育成(育苗を含む。)段階との間においては、これらに係る各ブロックにおける植物栽培用ポットのサイズを異なったものとすることができる。つまり図20に例示するように、育苗ポットP1、本葉3〜6枚期における本葉ポットP2、本葉6〜9枚期における育成ポットP3を、それぞれ異なるサイズとすることができる。本例では、育苗ポットP1に対して本葉ポットP2は2倍、育成ポットP3は3倍のサイズである。
【0088】
かかる構成により本植物生産システムにおいては、生育ステージに合わせた植物の占有面積の適正化を図ることができる。少なくとも、播種段階と育成(育苗を含む。)段階との間における植物の占有面積の適正化を図ることができる。なお、各ポットP1、P2、P3、および図21に示す苗床(マット)P10の仕様はいずれも一例であり、本発明はこれらの仕様に限定されず、適宜の仕様のものとすることができる。また、生育ステージに合わせた植物の占有面積適正化のために、前記各ブロックの面積を設定するものとすることができる。
【0089】
図22は、立体化した本発明植物生産システムの構成例を示す説明図である。図示するように本植物生産システムは、自動搬送ラインFLが二階層以上に立体化されたものに構築することができる。図では五階層の例を示すが、本発明はこれに限定されず、より低層であっても、より高層化されたものであってもよい。また、植物の成長ステージによって立体駐車場のように上方から下方、あるいは下方から上方へ搬送させる方式、あるいは一階層内で全ステージを完了させる方式など、搬送方式は自由自在に設定可能である。
【0090】
かかる構成により、植物生産システムにおける植物生産体制を二次元生産から三次元生産へと高密度化することができ、土地生産性を高めることにつながる。
【0091】
<フローティングマットおよび水耕栽培用空間構造>
なお、図7等により既に説明した有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池を備えた、水耕栽培用フローティングマット自体も、本発明の範囲に含まれる。
【0092】
図23は、本発明水耕栽培用空間構造の基本構成を示す説明図である。図示するように本水耕栽培用空間構造9Sは、有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池97を備えた水耕栽培用フローティングマット90と、フローティングマット90の上方に設けられた光源9Kと、フローティングマット90を浮かべるための水耕栽培用水槽9Vとからなることを、主たる構成とする。
【0093】
かかる構成により、本水耕栽培用空間構造9Sにおいては、植物Dはフローティングマット90上に取り付けられているポット9Pに載置または植付けされた状態で水耕栽培用水槽9Vに浮かべられている。本空間構造9Sの植物D上方には光源9Kが設けられているため、光源9Kからの照射光により植物Dは成長する。また光源9Kからの照射光はフローティングマット90上の太陽電池97にも到達して受光され、光電返還されて光源9Kへと電力帰還すなわち電力供給される。
【0094】
なお、本水耕栽培用空間構造9Sの光源9Kは、LED照明器具に限定されず従来公知の照明器具や照明システムを適宜用いることができる。上述した本発明のいずれかのLED回路、あるいはそれに基づく照明器具や照明システムを用いることも、もちろん可能である。
【0095】
図24は、本発明水耕栽培用空間構造の応用例を示す説明図である。図示するように本水耕栽培用空間構造10Sには、図23にて説明した各要素に加え、本発明のいずれかのLED回路を利用した照明器具108を光源10Kとして用い、また水耕栽培用水槽10Vには液肥自動供給や溶液中酸素濃度自動測定用の供給・測定手段103、溶液殺菌システムによる溶液殺菌手段104、超音波等によるバブル供給手段105を設けたり、また空気清浄化用のエアーフィルター10Aを設けたり、さらには空気中の二酸化炭素濃度、気温、湿度等を検知するセンサー(群)102を設けたりすることができる。
【0096】
また、水耕栽培に必要な液肥その他の供給物の供給や、空気中の二酸化炭素濃度・水中の酸素濃度の検知を、無線または有線のネットワークによって行い、制御するシステムを構築することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明のLED回路、照明器具、照明システムおよび植物生産システム等によれば、照明として全面的にLEDを用いることを前提とした植物工場あるいは植物生産システムにおいて、画期的な省電力化効果を得、生産効率・生産性の向上効果を得、それによる導入の容易化効果および適用対象の拡大効果を得ることができる。
【0098】
交流電源に直接接続して交流パルスを光源とすることができ、全体照射だけでなく局所照射あるいはラッピング照射といった照射方法によって植物の生長・光合成反応に対する光の利用効率を高めることができ、デイリーの収穫も可能な連続型の植物生産システムを実現できる。したがって、産業上利用性が極めて高い発明である。
【符号の説明】
【0099】
1a、1b…順方向部
2a、2b…逆方向部
3a、3b、231、232、233、234、331、334、335、336…基本回路
2230、3230…基本回路並列部
17、47、57、67…太陽電池
18、48、58、68、78、88、89C…照明器具
50…フローティングマット
53…コントロールボックス
60…FPC
61…開閉手段
70…凸形曲面
71、89…LED(光源)
80…照明装置用基板
81…ソケット
【0100】
D…植物
FL…自動搬送ライン
K、5K…光源
M…栽培用の水溶液
P…ポット
P1…育苗ポット
P2…本葉ポット
P3…育成ポット
P10…苗床(マット)
【0101】
90、100…フローティングマット
97、107…太陽電池
9K、10K…光源
9P、10P…ポット
9S、10S…水耕栽培用空間構造
9V、10V…水耕栽培用水槽
102…センサー(群)
103…供給・測定手段
104…溶液殺菌手段
105…バブル供給手段
108…照明器具
10A…エアーフィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源に直接接続できるLED回路であって、複数のLEDが直列接続された順方向部と、該順方向部とは逆方向に複数のLEDが直列接続された逆方向部とが並列接続されてなる基本回路を備え、該基本回路が複数接続されることで該LED回路は構成され、該LED回路を構成するn個のLEDは下記回路式〔I〕を満たすことを特徴とする、LED回路。
〔I〕119(V)≦ LEDnV + ZDnV + RnV ≦128(V)
ただし、LEDnV:n個のLEDの電圧の総和
ZDnV:回路中に含まれる全ツェナーダイオードの電圧の総和
RnV:回路中に含まれる全電流微調整抵抗の電圧の総和
【請求項2】
前記基本回路〔1〕と、別の2つの基本回路〔2〕ならびに〔3〕が相互に並列接続された基本回路並列部〔23〕と、および別の基本回路〔4〕とが、〔1〕−〔23〕−〔4〕のように直列接続されてなる領域が含まれており、各基本回路〔1〕〜〔4〕はそれぞれ、任意の一または複数の特定波長のLED複数個から構成されており、さらに該〔1〕−〔23〕−〔4〕のように直列接続されてなる領域を構成するn個のLEDは下記回路式〔II〕を満たし、これにより任意の色を混合して発光させることすなわち混合色の発光が可能であることを特徴とする、請求項1に記載のLED回路。
〔II〕119(V)≦ LEDnV + ZDnV + RnV ≦128(V)
ただし、LEDnV:n個のLEDの電圧の総和
ZDnV:回路中に含まれる全ツェナーダイオードの電圧の総和
RnV:回路中に含まれる全電流微調整抵抗の電圧の総和
【請求項3】
前記基本回路〔1〕−基本回路並列部〔23〕−基本回路〔4〕が直列接続されてなる領域に加え、さらに、別の基本回路〔5〕と、該基本回路並列部〔23〕と、および別の基本回路〔6〕とが、〔5〕−〔23〕−〔6〕のように直列接続されてなる領域が含まれており、各基本回路〔1〕〜〔6〕はそれぞれ、任意の一または複数の特定波長のLED複数個から構成されていることを特徴とする、請求項2に記載のLED回路。
【請求項4】
前記基本回路には、立ち上がり電圧(閾値電圧ともいう。)までの不感帯を少なくするためのコンデンサーが設けられていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のLED回路。
【請求項5】
交流電源への直接接続により得られるパルス発光を利しての植物栽培用光源に用いられることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のLED回路。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のLED回路を用いた、照明器具。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載のLED回路を用いた照明器具であって、栽培植物の任意の局所における照射もしくは生育ステージに合わせた局所照射が可能なよう設置位置変更自在な仕様を備えていることを特徴とする、照明器具。
【請求項8】
請求項7に記載の照明器具を用いた植物栽培用照明方法であって、該照明器具が栽培植物の任意の局所に対して照射されるか、または生育ステージに合わせて局所に対して照射されることを特徴とする、植物栽培用照明方法。
【請求項9】
請求項6または7に記載の照明器具と、該照明器具からの光を受光可能かつ該照明器具への電源供給可能な有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池とを備えた、照明システム。
【請求項10】
請求項6または7に記載の照明器具を用いた照明システムであって、混合色の発光照射を制御可能に形成されていることを特徴とする、照明システム。
【請求項11】
植物栽培用照明として用いることができ、栽培植物が植栽ないしは載置される基盤上に前記太陽電池が設けられることを特徴とする、請求項9または10に記載の照明システム。
【請求項12】
請求項9ないし11のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、該植物生産はフローティングマットを用いた水耕栽培によるものであり、該フローティングマット上に前記太陽電池が設けられていることを特徴とする、植物生産システム。
【請求項13】
請求項9ないし11のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化されていることを特徴とする、植物生産システム。
【請求項14】
請求項1ないし5のいずれかに記載のLED回路を用いた照明器具であって、該LED回路がフレキシブルプリント基板(FPC)上に設けられていることを特徴とする、照明器具。
【請求項15】
前記FPCは一株もしくは複数株の栽培植物単位を被覆もしくは包囲して照射可能な仕様を備えていることを特徴とする、請求項14に記載の照明器具。
【請求項16】
前記FPCは、照明対象を被覆もしくは包囲する形状に形成可能であり、その際の内外通気が可能なように開閉手段が設けられていることを特徴とする、請求項14または15に記載の照明器具。
【請求項17】
請求項14ないし16のいずれかに記載の照明器具を用いた植物栽培方法であって、該照明器具によって一株もしくは複数株の栽培植物単位を被覆または包囲して該栽培植物単位を照射することを特徴とする、植物栽培方法。
【請求項18】
請求項14ないし16のいずれかに記載の照明器具と、該照明器具からの光を受光可能かつ該照明器具への電源供給可能な有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池とを備えた、照明システム。
【請求項19】
栽培植物が植栽ないしは載置される基盤上に前記太陽電池が設けられることを特徴とする、請求項18に記載の照明システム。
【請求項20】
混合色の発光照射を制御可能に形成されていることを特徴とする、請求項18または19に記載の照明システム。
【請求項21】
請求項18ないし20のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、該植物生産はフローティングマットを用いた水耕栽培によるものであり、該フローティングマット上に前記太陽電池が設けられていることを特徴とする、植物生産システム。
【請求項22】
請求項18ないし20のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化されていることを特徴とする、植物生産システム。
【請求項23】
請求項1ないし5のいずれかに記載のLED回路を用いた照明器具であって、光源が凸形曲面上に設けられていることを特徴とする、照明器具。
【請求項24】
請求項23に記載の照明器具と、該照明器具からの光を受光可能かつ該照明器具への電源供給可能な有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池とを備えた、照明システム。
【請求項25】
栽培植物が植栽ないしは載置される基盤上に前記太陽電池が設けられることを特徴とする、請求項24に記載の照明システム。
【請求項26】
混合色の発光照射を制御可能に形成されていることを特徴とする、請求項24または25に記載の照明システム。
【請求項27】
請求項24ないし26のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、該植物生産はフローティングマットを用いた水耕栽培によるものであり、該フローティングマット上に前記太陽電池が設けられていることを特徴とする、植物生産システム。
【請求項28】
請求項24ないし26のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化されていることを特徴とする、植物生産システム。
【請求項29】
請求項1ないし5のいずれかに記載のLED回路を用いた照明器具であって、ソケットに差し込み可能な電球形に形成されていることを特徴とする、照明器具。
【請求項30】
請求項29に記載の照明器具を複数差し込み可能なソケットを備えた、照明装置用基板。
【請求項31】
請求項30に記載の照明器具および、これを複数差し込み可能なソケットを備えた照明装置用基板とからなる複合型であることを特徴とする、照明器具。
【請求項32】
前記照明器具ごとの呈色仕様が自在であり、色の混合その他全体的な呈色デザインを自在に設計可能であることを特徴とする、請求項31に記載の照明器具。
【請求項33】
請求項29、31または32のいずれかに記載の照明器具と、該照明器具からの光を受光可能かつ該照明器具への電源供給可能な有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池とを備えた、照明システム。
【請求項34】
栽培植物が植栽ないしは載置される基盤上に前記太陽電池が設けられることを特徴とする、請求項33に記載の照明システム。
【請求項35】
混合色の発光照射を制御可能に形成されていることを特徴とする、請求項33または34に記載の照明システム。
【請求項36】
請求項33ないし35のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、該植物生産はフローティングマットを用いた水耕栽培によるものであり、該フローティングマット上に前記太陽電池が設けられていることを特徴とする、植物生産システム。
【請求項37】
請求項33ないし35のいずれかに記載の照明システムを用いた植物生産システムであって、播種・育成(育苗を含む。)・出荷の各段階を構成するブロックが自動搬送ラインによってインライン化されていることを特徴とする、植物生産システム。
【請求項38】
前記播種・育成(育苗を含む。)播種・育成(育苗を含・出荷の各段階を構成するブロックにおける標準時間を設定することによりリードタイムを設定し、前記自動搬送ラインにおける搬送スピードを該リードタイムのスピードに調整することにより、栽培植物の連続生産を可能とすることを特徴とする、請求項13、22、28または37のいずれかに記載の植物生産システム。
【請求項39】
混合色の発光照射を制御可能に形成されており、前記各段階からなる植物生産過程において、赤(R)・緑(G)・青(B)各色を所定の混合比率で混合照射する照射工程、赤(R)・白色(W)各色を所定の混合比率で混合照射する照射工程、または赤(R)単色のみを照射する照射工程の全部またはいずれか一つもしくは二つの照射工程が設けられていることを特徴とする、請求項13、22、28、37または38のいずれかに記載の植物生産システム。
【請求項40】
生育ステージに合わせて植物の占有面積が適正化されるよう、少なくとも前記播種段階と前記育成(育苗を含む。)段階との間においては、これらに係る各ブロックにおける植物栽培用ポットのサイズを異なったものとすることを特徴とする、請求項13、22、28、37、38または39のいずれかに記載の植物生産システム。
【請求項41】
生育ステージに合わせて植物の占有面積が適正化されるよう、前記各ブロックの面積が設定されることを特徴とする、請求項40に記載の植物生産システム。
【請求項42】
前記自動搬送ラインは二階層以上に立体化されていることを特徴とする、請求項13、22、28、37、38、39、40または41のいずれかに記載の植物生産システム。
【請求項43】
有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池を備えた、水耕栽培用フローティングマット。
【請求項44】
有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池を備えた水耕栽培用フローティングマットと、該フローティングマットの上方に設けられた光源と、該フローティングマットを浮かべるための水耕栽培用水槽とからなる、水耕栽培用空間構造。
【請求項45】
有機薄膜太陽電池またはその他の太陽電池を備えた水耕栽培用フローティングマットと、該フローティングマットの上方に設けられた光源と、該フローティングマットを浮かべるための水耕栽培用水槽とからなり、該光源には請求項1ないし5のいずれかに記載のLED回路が用いられていることを特徴とする、水耕栽培用空間構造。

【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図10】
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【図13】
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【図16】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−130312(P2012−130312A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286517(P2010−286517)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(510338318)
【Fターム(参考)】