LED駆動装置
【課題】本発明はLED駆動装置に関する。
【解決手段】少なくとも1つのLEDを備える発光部と、外部電源から印加された交流電圧を整流する整流部と、上記発光部に駆動電源を供給し、上記発光部の出力端と接続されるインダクターを含む電源供給部と、上記整流部から出力された電圧が印加されて上記整流部から出力された電圧に比例する基準電圧を生成し、上記基準電圧と上記インダクターに流れる電流を検出して生成された入力電圧を比較して、電圧が互いに一致した時点でスイッチをオフにし上記インダクターに流れる電流のピークを連結する波形が、上記入力電圧が示す波形と比例するようにスイッチをオン/オフ制御するスイッチ制御部と、上記スイッチ制御部と接続されて上記発光部に入力される電源を制御するスイッチとを含むLED駆動装置を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのLEDを備える発光部と、外部電源から印加された交流電圧を整流する整流部と、上記発光部に駆動電源を供給し、上記発光部の出力端と接続されるインダクターを含む電源供給部と、上記整流部から出力された電圧が印加されて上記整流部から出力された電圧に比例する基準電圧を生成し、上記基準電圧と上記インダクターに流れる電流を検出して生成された入力電圧を比較して、電圧が互いに一致した時点でスイッチをオフにし上記インダクターに流れる電流のピークを連結する波形が、上記入力電圧が示す波形と比例するようにスイッチをオン/オフ制御するスイッチ制御部と、上記スイッチ制御部と接続されて上記発光部に入力される電源を制御するスイッチとを含むLED駆動装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力率の改善が可能で、トライアック調光器に対応可能な非絶縁型のステップダウンAC−DCコンバータLED駆動装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
発光素子(LED,Light Emitting Device)とは、GaAs、AlGaAs、GaN、InGaInPなどの化合物半導体(compound semiconductor)材料の変更により発光源を構成することによって、多様な色の光を具現できる半導体素子のことをいう。このような発光素子は、優れた単色性ピーク波長を有し、光効率性に優れ、小型化が可能であるという長所と、環境にやさしく低消費という観点からTV、パソコン、照明、自動車などの様々な分野で広く使用されており、その活用分野も拡大されつつある。
【0003】
このようなLEDモジュールを駆動するためには、入力交流電圧を直流電圧に変換するためのAC−DC変換器と、変換された直流電圧をLEDモジュールの駆動に適する電流に変換して供給するDC−DC変換器がLEDモジュールと接続される。例えば、入力電圧がLED電圧より高い場合に使用される降圧型(バック;Buck)変換器、入力電圧がLED電圧より低い場合に使用される昇圧型(ブースト;Boost)変換器、入力電圧がLED電圧より高いかまたは低い場合に使用される昇降圧型のバックブースト(Buck−Boost)変換器などを使用することができる。
【0004】
比較的低コストで、力率を改善できるLED駆動回路には、従来のPFCフライバック(Flyback)方式がある。しかしながら、この方式は2次側から1次側にLEDの電流情報を伝達するためのフォトカプラー(Photo Coupler)と、1次側から2次側に電力を供給するためのトランスフォーマー(Transformer)を必要とするため、回路の小型化が困難であるという問題がある。
【0005】
また、従来の力率改善回路は、一定の電流を供給するために100Hz〜120Hzの周波数変化に応答しないように、フィードバックの帯域を10Hz〜20Hz以下に設定しているため、応答が非常に遅く、トライアック調光器対応を難しくしている要因となる。従来の力率改善回路は、回路起動時にブリッジダイオードを使って商用電源を整流した後の電圧からブリーダー(Bleeder)抵抗を通して電源を供給しているものが一般的である。しかし、この際、トライアック調光器で、輝度を低くした場合には電圧も下がるため、フリッカー(Flickering)現象が発生し、あるいは、点灯に長い時間がかかったり、点灯しない等の問題が発生する原因となる。また、トランスフォーマーは、基本的に標準部品がないため、開発コストと開発時間が多く必要になるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、非絶縁型の簡単な回路構造により力率の改善が可能で、トライアック調光器に対応でき、経済的で小型化が可能なLED駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、少なくとも1つのLEDを備える発光部と、外部電源から印加された交流電圧を整流する整流部と、上記発光部に駆動電源を供給し、上記発光部の出力端と接続されるインダクターを含む電源供給部と、上記整流部から出力された電圧が印加されて上記整流部から出力された電圧に比例する基準電圧を生成し、上記基準電圧と上記インダクターに流れる電流を検出して生成された入力電圧を比較して、電圧が互いに一致した時点でスイッチをオフにし上記インダクターに流れる電流のピークを連結する波形が、上記入力電圧が示す波形と比例するようにスイッチをオン/オフ制御するスイッチ制御部と、上記スイッチ制御部と接続されて上記発光部に入力される電源を制御するスイッチとを含むLED駆動装置を提供する。
【0008】
本発明の一実施例において、上記スイッチ制御部は、上記整流部の出力端に直列に接続された複数の抵抗を備え、上記複数の抵抗を通して電圧分配された基準電圧を生成することができる。
【0009】
この場合、上記整流部の出力端と接続され、上記複数の抵抗と並列に接続された積層セラミックキャパシター(MLCC)またはフィルムキャパシター(film capacitor)をさらに含むことができる。
【0010】
本発明の一実施例において、上記電源供給部は、ダイオード、インダクター及びキャパシターで構成されることができる。
【0011】
この場合、上記スイッチと直列に接続された電流検出部をさらに含み、上記電流検出部は、上記インダクターに流れる電流を検出して上記スイッチ制御部の入力信号を生成することができる。
【0012】
また、上記電流検出部は、一端が上記スイッチと接続され、他端が整流部のマイナス側と接続される抵抗を含むことができる。
【0013】
本発明の一実施例において、上記スイッチ制御部は、上記基準電圧入力端に接続されたツェナーダイオードをさらに含むことができる。
【0014】
本発明の一実施例において、上記発光部は複数のLEDを含み、上記複数のLEDは直列接続、並列接続及び直列と並列の接続が混用された形態のうち少なくとも何れか1つの電気的接続構造を有することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施形態によるLED駆動装置によると、非絶縁型の簡単な回路により力率を改善できるLED駆動装置を提供することができる。
【0016】
また、回路の構成が簡単なため装置の小型化が可能であり、使用部品数を減らして、より経済的で効率の良いLED駆動装置を提供することができ、かつ、応答時間が非常に速くて瞬間的であることから、トライアック調光器(Triac Dimmer)に対応できるLED駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態によるLED駆動装置の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態によるLED駆動装置の回路図である。
【図3】本発明の一実施形態によるLED駆動装置のスイッチがオン(on)状態のときの電流の流れを示す図面である。
【図4】本発明の一実施形態によるLED駆動装置のスイッチがオフ(off)状態のときの電流の流れを示す図面である。
【図5】本発明の一実施形態によるスイッチ制御部内の制御回路を示す図面である。
【図6】本発明の一実施形態によるスイッチ制御部の制御回路に入力される電圧波形とI1(=Id)とゲート波形を示す。
【図7】本発明の他の実施形態によるLED駆動装置の回路図である。
【図8】クランプがない場合の基準電圧波形の概略図である。
【図9】クランプ設定時の基準電圧波形の概略図である。
【図10】本発明の一実施形態によるLEDの電流波形を示す。
【図11】本発明の一実施形態によるLEDの電流波形を示す。
【図12】本発明の一実施形態によるLED駆動装置をトライアック調光器に適用する場合のLEDの電流波形を示す。
【図13】本発明のさらに他の実施形態によるLED駆動装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参考して、本発明のより好ましい実施形態を説明する。
【0019】
しかし、本発明の実施形態は、様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下で説明する実施形態のみに限定されるわけではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における構成要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張することもあり、図面上において同一の符号で示される構成要素は同一の構成要素である。
【0020】
図1は本発明の一実施形態によるLED駆動装置の構成図である。また、図2は本発明の一実施形態によるLED駆動装置の回路図である。図1及び図2を参照すると、一端が外部から供給される交流電源と接続され、他端がスイッチ制御部20と接続される整流部10、上記整流部10から整流された電圧が供給されるスイッチ制御部20、上記スイッチ制御部20と接続されて動作が制御されるスイッチQ1、上記スイッチQ1と接続された電源供給部30及び上記電源供給部30から複数のLED41を駆動するための電源の伝達を受けて光を放出する発光部40からなることができる。この際、上記スイッチ制御部20は第3抵抗R3から入力された電圧と基準電圧を比較してスイッチQ1の制御信号を出力する制御回路Uを含むことができる。また、図2に示すように、上記整流部10の後段で上記スイッチ制御部20と並列に接続される小容量のキャパシターC1、例えば、MLCCまたはフィルムキャパシターをさらに含むことができる。
【0021】
整流部10の一端は外部電源Vinと接続され、他端はスイッチ制御部20と接続されている。上記外部電源Vinは、例えば100VACまたは、220VACの商用交流電源であることができ、図2に示すように、整流器10としてブリッジダイオードが適用された場合、入力交流電圧は全波整流された電圧V1を出力するようになる。上記整流部10から整流された電圧V1はスイッチ制御部20に入力され、スイッチ制御部20によりスイッチQ1を制御し、発光部40に電流を適切に供給することができる。
【0022】
上記電源供給部30はその一端がスイッチQ1と接続され、他端が発光部40と接続されており、上記スイッチQ1により制御されることで出力される電流を発光部40に供給する。上記電源供給部30はダイオードD1、インダクターL及びキャパシターC2で構成されることができ、降圧型(Buck)コンバータと同じ構造を有する。
【0023】
上記電源供給部30を構成するキャパシターC2と並列に接続された発光部40は、少なくとも1つのLEDを含む光源であり、多様な個数と電気的接続関係を有するLEDを含むことができる。図2では上記発光部40を構成する複数のLEDが直列に接続された形態で示されたが、上記発光部40はLEDを適用するアプリケーションによって、直列接続または並列接続、または直列と並列の接続が混用された形態の電気的接続構造で接続された複数のLEDを含むことができる。
【0024】
上記スイッチ制御部20は、一端が整流部10の出力端と接続され、他端がスイッチQ1と接続されており、上記スイッチQ1により発光部40に入力される電流を制御する。上記スイッチ制御部20内の制御回路Uは整流部10で変換された電圧を分配して基準電圧Vrefを受ける。図1を参照すると、上記基準電圧Vrefは全波整流された電圧V1を第1及び第2の抵抗R1、R2を用いて電圧分配することで生成されることができる。上記スイッチ制御部20内の制御回路Uは、生成された基準電圧VrefとインダクターLに流れる電流により測定された電圧(IL×R3)を比較してゲートに出力することで、上記スイッチQ1をオン/オフ(on/off)制御することができる。インダクターLに流れる電流は、スイッチQ1と直列に接続された電流検出部(図示省略)に検出される。電流検出部は、インダクターLに流れた電流を検出して、スイッチ制御部20へ入力される入力信号を生成する。また、電流検出部は、一端がスイッチQ1と接続され、他端が整流部10のマイナス側と接続される第3抵抗R3を含んでいる。
【0025】
図3は本発明の一実施形態によるLED駆動装置のスイッチがオン(on)状態のときの電流の流れを示す図面であり、図4は本発明の一実施形態によるLED駆動装置のスイッチがオフ(off)状態のときの電流の流れを示す図面である。先ず、図3を参照すると、スイッチがオンのときに、上記整流部10から整流された電圧V1により発光部40側に流れる電流I1が発光部40を経て上記電源供給部30を構成するインダクターLとスイッチQ1を順に通過するようになる。この際、上記発光部40を通過する電流をIfとし、上記インダクターL及びスイッチQ1を通過する電流をIdとするとき、上記整流された電圧V1による電流I1はIdと同じ値を有するようになる。即ち、スイッチがオンのとき、I1=Idを満たす。
【0026】
IfはC2によりインダクターLに流れる電流が平滑化された波形を示す。平均値で見ると、インダクターLに流れる電流IdとIfは等しい。スイッチング周波数は、例えば、100kHzのように高周波数であるため、第2キャパシターC2は小容量であってもIfを平滑化することができる。このように小容量のMLCCが適用され得るが、120Hz(または100Hz)成分は平滑化されず、Ifのリップル(ripple)成分として残る。本実施形態によるLED駆動装置は、アルミ(Alumi)電解キャパシターを必要としないためLED駆動装置の寿命を延長する効果が得られる。
【0027】
次いで、図4を参照すると、スイッチQ1が一時的にオフになる場合、スイッチQ1がオンのときに上記電源供給部30内のインダクターLに保存された磁気電源供給部により上記電源供給部30及び発光部40に電流Ifが流れる。即ち、矢印で示すように、上記発光部40を構成する複数のLED41を介して流れる電流Ifが上記電源供給部30のインダクターL及びダイオードD1を通過する。この際、上記I1とIdに流れる電流はいずれも0になる。即ち、図3及び図4に示すように、スイッチのオン/オフ状態に関わらず、上記整流部10から出力された電圧V1により上記発光部40に向かって流れる電流I1は上記スイッチQ1に流れる電流Idと同じ大きさであることが分かる。(I1=Id)
【0028】
図5は本発明の一実施形態によるスイッチ制御部20内の制御回路Uを示す図面である。図5を参照すると、上記制御回路Uは上記整流部10から出力された電圧V1から得られた基準電圧Vrefと第3抵抗R3の両端に加わる電圧VILを比較して、基準電圧Vrefが上記第3抵抗R3に加わる電圧VILより大きい状態でゲートGATEをハイ(H)にしてスイッチQ1をオンにし、基準電圧Vrefが上記第3抵抗R3に加わる電圧VILより小さいか、または同じ場合は、次のSET信号がハイ(H)になるまでゲートにロー(L)状態を維持させ、スイッチQ1をオフにすることができる。この際、上記基準電圧Vrefは上記整流部10から出力された電圧V1から決定される。
【0029】
図3を参照すると、上記整流部10から出力された電圧V1が第1及び第2の抵抗R1、R2により分配されて上記制御回路Uに入力されるが、上記第1及び第2の抵抗R1、R2は直列に接続されているため、上記基準電圧Vref値は、
を満たすようになる。従って、上記基準電圧Vrefの波形は上記整流部10から整流された出力電圧V1の波形と比較して、その大きさが小さく、類似する形態の相似形の波形を有するようになる。但し、図5は本発明の一実施形態による制御回路Uの論理回路図であり、制御回路Uの内部の論理回路は多様に変形できる。
【0030】
図6は本発明の一実施形態によるスイッチ制御部20の制御回路Uに入力される電圧波形を示す。図6の上部に示す図面を参照すると、上記制御回路Uに入力される基準電圧Vrefは、上述したように、上記整流部10から全波整流されて出力された電圧V1と同じ形態の波形を示し、上記スイッチQ1により制御され、スイッチがオンのときにのみ出力を生成する制御回路Uのさらに他の電圧VILのピーク(peak)もこれと類似した波形を示すようになる。この際、上記整流部10から上記電源供給部30に向かって流れる電流I1はスイッチを通過する電流Idと同じ大きさを有し(I1=Id)、
を満たすため、I1はVILに比例する。従って、I1のピークを連結する波形もVref、V1と類似する形態を有するようになる。図6の下部に示す図面はVILの波形の一部を拡大した図面である。この場合、I1はVILに比例するため、ここでは図6の下部に示す波形をI1の波形と見なす。
【0031】
図6の下部に示す波形を参照すると、上記制御回路Uにより制御されるスイッチQ1がオンになる時間をTon、スイッチQ1がオフになる時間をToffとする時、Toff=k*Ton(k=定数)とする。この際、I1の平均を求めると、Tという時間のうちTonの間だけI1値が存在し、Tonの間にI1の平均値はピーク電流であるIpの1/2になるため、I1の平均値は
を満たすようになり、よって、I1の平均はIpに比例することが分かる。即ち、Toff=k*TonになるようToffの時間を制御することで、I1の平均値もIpと類似する波形を示すようになる。
【0032】
本実施形態の場合、Tonは定められた値ではなく、上記電源供給部30を構成するインダクターLに流れる電流により決定される。Toffは多様な方法により決定されることができ、例えば、スイッチや電流源を用いたり、発光部40に加わる電圧Vfが整流部10から整流された電圧V1ピークより極めて小さい場合、外部の抵抗を通して独立に調整してToffを一定時間に制御しても、近似的にほぼ同一効果を得ることができ、力率を改善できる。
【0033】
具体的には、整流部10の後段に小容量のキャパシター(Film capacitorまたは、MLCC)を使用するため、整流部10により整流された電圧V1は全波整流された波形とほぼ同一である。従来の降圧型コンバータ(Buck converter)は整流部10の後段に大容量のアルミ電解キャパシターを使用して全波整流された波形のリップルを小さくしているが、高容量キャパシターにより力率が悪くなる。また、高容量のアルミ電解キャパシターを使用する場合、LED駆動回路の寿命が低下する問題が発生するが、本発明はこのような問題を解決することができる。
【0034】
本実施形態によると、整流部10により整流された電圧V1に比例する電圧を基準電圧Vrefとし、スイッチQ1がオンのときに電源供給部30を構成するインダクターLに流れる電流に比例する電圧(Id×R3)を比較し、一致したタイミング(timing)でスイッチQ1をオフすることで、上記インダクターLに流れる電流のピークを連結した波形(envelope)を全波整流された波形に比例させる。一致したタイミングでスイッチQ1をオフすることは集積回路ICの特性であり、従来から用いられていたが、従来の降圧型コンバータにおいて基準電圧Vrefが時間的に変化せず一定である点で本発明とは異なる。従って、従来はインダクターLの電流ピークが示される波形も一定になり、力率を改善する効果が得られなかった。
【0035】
スイッチ制御部20ではToff=k*Tonを満たすように制御し、上記整流部10から整流された電圧V1により発光部40側に流れる電流I1も上記整流部10から整流された電圧V1の波形に比例するようになるため、力率が改善され得る。従来は、スイッチ制御の方式を「T=Ton+Toff=一定」にすることが一般的であり、試作に使用したICは「Toff=一定」であるが、本実施形態では、LEDを含む発光部40の駆動電圧Vfが整流された電圧V1のピークに比べて非常に小さい場合は近似でToff=k*Tonと等価に近い状態になる。このように、Toff=k*Tonにすれば、さらに精度良く、力率が改善できる。
【0036】
即ち、本発明の一実施形態によると、上記電源供給部30を構成するインダクターLに流れる電流のピークを連結した波形を、整流部10から出力された電圧V1の波形に一致させることで発光部40に流れる電流は入力電圧と同じ形態を有するようになり、力率を改善できる。また、トランスフォーマーを含まない非絶縁型回路により力率の改善が可能であるため、回路構成が簡単で装置の小型化が可能であり、LEDの電流情報を2次側から1次側に絶縁された状態で伝達するためのフォトカプラーを用いてフィードバックすることで力率を改善するフライバックコンバータに比べて使用部品数を減らして、より経済的で効率の良いAC−DCコンバータを提供することができる。
【0037】
従来のPFC(Power Factor Correction)回路、即ち、力率改善回路は、力率を改善するために100Hzまたは120Hzに応答しないようにフィードバックループ(Feedback loop)の帯域が約10Hz〜20Hz以下であり、応答速度が遅い。また、電圧印加の初期にブリーダー抵抗(Bleeder resistor)から制御回路に電源を供給する構造からなるため、トライアック調光器対応が難しいという問題がある。トライアック調光器とは、電流の供給を調節して使用者の便宜に適うように明るさを設定するデバイスのことで、従来の一般的な照明製品は、LED照明に換える場合、トライアックの動作特性上LEDの明るさを低くしたときにフリッカー(flicker)現象が発生したり、回路が駆動しなかったり、駆動に長時間かかる問題があったため、既存のトライアック調光器に接続された照明器具をLEDに換えることが困難であった。
【0038】
しかし、本実施形態では、制御回路UによりインダクターLに流れる電流ILにより測定された電圧と基準電圧Vrefを比較してスイッチのオン/オフ時間を決定し、上記インダクターLの電流検出は第3抵抗R3だけで可能であるため、回路の構成が簡単になる。また、本実施形態によると、応答時間がマイクロ秒(microsec)単位またはそれ以下であり、応答が非常に速くて瞬間的である。よって、トライアック調光器とのマッチング性も優れる。
【0039】
本発明の一実施形態において、上記制御回路Uの内部ではクランプレベル(clamp level)を設定することができる。図7は本発明の他の実施形態による回路図である。図7を参照すると、制御回路Uの内部でクランプレベルを設定するためのツェナーダイオードDzをさらに含むことができる。上記ツェナーダイオードDzの一端は整流部のマイナス側と接続され、他端は基準電圧Vref及び制御回路Uと接続されることができる。上記ツェナーダイオードDzは逆方向に一定値以上の降伏電圧が加わると、逆方向に電流が流れるようになる。即ち、上記ツェナーダイオードDzのツェナー電圧Vz以上の電圧が加わると、逆方向に電流が流れるようになり、上記制御回路U内の比較器にクランプレベル以下の値のみが入力され得る。一方、図7では、説明の便宜上、入力部の比較器以外の回路は省略した。
【0040】
具体的には、上記ツェナーダイオードDzのツェナー電圧をVzとするとき、
である時
になり、
である時
になり、基準電圧VrefはVzにクランプされる。この際、Vzは、入力電圧とは無関係に一定の値を有するため、入力電源の変動に対する発光部40のレギュレーション(regulation)を改善することができる。このとき、クランプする電圧の大きさ及びクランプするか否かは第1及び第2の抵抗R1、R2の大きさを調節することで制御できる。例えば、
になるように設定すると、基準電圧Vrefは常にツェナー電圧Vzより小さい値を有するためクランプ作用をしなくなる。クランプレベルを設定しない場合は、入力電源の電圧変動が発光部40に流れる電流Ifにそのまま反映されるが、この場合でも、実用的な目的として大きく問題にならない範囲内の変動に該当する。
【0041】
しかし、Ifレギュレーションを改善しようとする場合、制御回路Uの内部でクランプレベルを設定することができる。上記クランプレベルは、入力電圧Vinの電源電圧変動とは無関係な基準電圧Vrefから定められるため、Ifレギュレーションを改善し得る。また、クランプレベルを設定しない場合、発光部40に流れる電流IfのピークがLEDの絶対最大定格電流を超えると、発光部40に並列に大容量のアルミ電解キャパシターを配置して電流Ifのリップルを減少させなければならないが、クランプレベルを設定する場合、同一の平均電流If(average)に対してもピークレベル(peak level)が減少するためIfピーク値がLEDの絶対最大定格以下になるように小容量のMLCCを使うことができるため、回路の小型化及び経済的に有利である。
【0042】
一方、発光部40を構成するLED41に流れる電流Ifの大きさは第3抵抗R3により制御できる。即ち、第3抵抗R3の値を大きくすると、LEDに流れる電流Ifは小さくなり、第3抵抗R3の値を小さくすると、LEDに流れる電流Ifは大きくなる。この際、電源供給部30を構成するインダクターLに流れる電流ILは電源供給部30を構成する第2キャパシターC2により平滑化されて発光部40に供給されるため、上記発光部40に流れる電流IfはインダクターLに流れる電流より滑らかな電流波形を示すようになる。
【0043】
図8は、クランプがない場合の基準電圧とインダクターLに流れる電流ILの波形の概略図である。ILはVrefとの関係を示すために、ここではIL×R3で演算して、電圧単位に変換した。ここで、インダクターLに流れる電流ILは、Q1のoff期間が図6のI1とIdの波形とは異なる。上述したように、
になるように第1及び第2の抵抗R1、R2の値を設定すると、クランプ作用はしなくなる。従って、図8に示すように、基準電圧Vrefは
になるため、整流部10から整流された電圧V1に比べて大きさのみ異なるだけで、形態は類似した波形を示すようになる。また、上記スイッチ制御部20に入力される電圧はIL×R3になり、(スイッチQ1がオンのときにId=IL、スイッチQ1がオフのときにId=0)、そのピークは基準電圧Vrefと同じ形態の波形を有する。但し、図8では説明の便宜上、基準電圧Vrefの1周期T0当たりの電圧IL×R3は6パルス(pulse)のみを示したが、実際に基準電圧Vrefと電圧IL×R3の周期Tを、例えば、
とすると、基準電圧Vrefの1周期当たりの電圧IL×R3のパルスは、電源周波数が50Hzであるときに1000個になる。
【0044】
図9は、クランプ設定時の基準電圧とインダクターに流れる電流ILの波形の概略図である。即ち、
になるように第1及び第2の抵抗R1、R2を設定した場合に該当する。図9を参照すると、
を満たす区間で
になり、
を満たす区間で
になる。図9に示す波形も、図8と同様に説明の便宜上波形の形態を簡略に示したもので、実際にILの波形はV1<Vfの区間(V1が0になる付近)で整流部10のダイオードによりIL=0になるが、電流全体に比べて小さい部分を占めるため力率に及ぼす影響は少ない。また、図1及び図2に示すように、整流部10とスイッチ制御部20の間、第1及び第2の抵抗R1、R2と並列に接続された小容量のキャパシターC1が配置されることができるため、上記インダクターLに流れる電流ILが0になる区間で、全波整流された電圧V1は発光部40に加わる電圧Vfにクランプされることができる。
【0045】
図10及び図11は本発明の一実施形態による電流波形を示す。具体的には、図2に示すLED駆動装置100において、複数のLED41を含む発光部40の電流Ifの波形を示す。この際、スイッチのTonは入力電圧VrefとインダクターLに流れる電流ILを検出して測定された電圧VILを比較して決定され、Toffは一定である。また、制御回路Uの内部にツェナーダイオードDzを用いてクランプレベルを設定した。先ず、図10を参照すると、入力外部電源はAC100V、50Hzであり、発光部40を構成する複数のLED41を通過する電流Ifの平均は239mA、上記LED41に加わる電圧Vfは25.8Vである。図10に示すように、電流クランプ部分は、回路に理想的でない部分があり、僅かな変化を示すが、大体一定であることが分かる。本実施形態によると、回路効率は87.5%、交流入力外部電源(AC100V)が+/−10%変化する場合に、LEDを通過する電流Ifの平均レギュレーションは+6.4%から−7.5%になり、力率PFは0.91以上である。
【0046】
図11は、図10に示す実施形態において、クランプレベルのみを変更した電流波形を示す。即ち、図10に示す実施形態と同様に、入力外部電源はAC100V、50Hz、発光部40に流れる電流Ifの平均は240mA、発光部40に加わる電圧Vfは25.9Vに設定した。本実施形態によると、回路効率は88.3%、交流入力電源(AC100V)が+/−10%変動する場合、LEDに流れる電流Ifの平均レギュレーションは+4.2%から−4.7%になる。即ち、図10に示す実施形態と比較すると、LEDに流れる電流Ifのレギュレーションが改善されたことが分かる。但し、力率PFが0.81以上とやや低いが、高調波電流に対するEMI規格EN61000−3−2(25W以下)で検証すると、電源電流の3次高調波は50%(規格は86%以下)、5次高調波は23%(規格は61%以下)と、実用上の規格を十分に満たす。
【0047】
図12は、本発明の一実施形態によるLED駆動装置をトライアック調光器に適用する場合の電流波形を示す。図12(a)はトライアック調光器に適用しない状態の電流波形であり、図12(b)はトライアック調光器に適用した後の電流波形を示す。図12(b)の緑色波形はトライアック調光器対応時に発光部40に流れる電流Ifを示し、赤色波形はトライアック調光器の出力電圧を示す。本発明の一実施形態によると、ブリッジダイオードで構成された整流部10の前端に抵抗とキャパシターを追加するだけで簡単にトライアック調光器に対応可能なLED駆動回路を提供することができる。
【0048】
図13は本発明のさらに他の実施形態によるLED駆動装置の電流の流れを示す図面である。前述した実施形態では、基本的に電圧供給部30を降圧型コンバータと想定しているため、V1<Vfの区間でIf=0になり、理想的な状態でも力率PFは1.0になれない。但し、25W以下でEN61000−3−2を満たすには十分である。力率PFをさらに改善するために、図13に示すように、電圧供給部31を反転形のバックブーストコンバータ(Buck−Boost converter)で構成することができる。この場合、降圧型コンバータに比べて高耐圧の部品を必要とするが、V1<Vfの区間でも、即ち、全区間でインダクターLの電流ピークは整流部で全波整流された波形に比例し、回路が理想的ならば、原理的に、力率が1.0になることができる。
【0049】
本実施形態において、力率を改善する原理は、上述したように、基準電圧Vrefにクランプレベルを設定することで電源電圧変動に対するIfレギュレーションを改善できる。具体的には、整流部で全波整流された電圧V1を分割して基準電圧Vrefとする。この際、基準電圧Vrefは全波整流された電圧波形に比例する。上記インダクターLの電流ILを第3抵抗R3により電圧値に変換した後に基準電圧Vrefと比較することでスイッチQ1のオフタイミングを決定し、インダクターLに流れる電流ILのピークを連結した波形を全波整流された波形と同じ波形になるようにする。この際、Toff=k*Ton(k:整数)になるようにToffを制御すれば、さらに精度良く力率を改善することができる。ここで、IonはスイッチQ1がオンのときの電流を、IoffはスイッチQ1がオフのときの電流を示す。
【0050】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、添付の請求範囲により限定する。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者により多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0051】
100:LED駆動装置
10:整流部
20:スイッチ制御部
30:電源供給部
40:発光部
41:LED
U:制御回路
Q1:スイッチ
R1、R2、R3:第1、第2、第3抵抗
D1:ダイオード
L:インダクター
C1、C2:第1、第2キャパシター
【技術分野】
【0001】
本発明は、力率の改善が可能で、トライアック調光器に対応可能な非絶縁型のステップダウンAC−DCコンバータLED駆動装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
発光素子(LED,Light Emitting Device)とは、GaAs、AlGaAs、GaN、InGaInPなどの化合物半導体(compound semiconductor)材料の変更により発光源を構成することによって、多様な色の光を具現できる半導体素子のことをいう。このような発光素子は、優れた単色性ピーク波長を有し、光効率性に優れ、小型化が可能であるという長所と、環境にやさしく低消費という観点からTV、パソコン、照明、自動車などの様々な分野で広く使用されており、その活用分野も拡大されつつある。
【0003】
このようなLEDモジュールを駆動するためには、入力交流電圧を直流電圧に変換するためのAC−DC変換器と、変換された直流電圧をLEDモジュールの駆動に適する電流に変換して供給するDC−DC変換器がLEDモジュールと接続される。例えば、入力電圧がLED電圧より高い場合に使用される降圧型(バック;Buck)変換器、入力電圧がLED電圧より低い場合に使用される昇圧型(ブースト;Boost)変換器、入力電圧がLED電圧より高いかまたは低い場合に使用される昇降圧型のバックブースト(Buck−Boost)変換器などを使用することができる。
【0004】
比較的低コストで、力率を改善できるLED駆動回路には、従来のPFCフライバック(Flyback)方式がある。しかしながら、この方式は2次側から1次側にLEDの電流情報を伝達するためのフォトカプラー(Photo Coupler)と、1次側から2次側に電力を供給するためのトランスフォーマー(Transformer)を必要とするため、回路の小型化が困難であるという問題がある。
【0005】
また、従来の力率改善回路は、一定の電流を供給するために100Hz〜120Hzの周波数変化に応答しないように、フィードバックの帯域を10Hz〜20Hz以下に設定しているため、応答が非常に遅く、トライアック調光器対応を難しくしている要因となる。従来の力率改善回路は、回路起動時にブリッジダイオードを使って商用電源を整流した後の電圧からブリーダー(Bleeder)抵抗を通して電源を供給しているものが一般的である。しかし、この際、トライアック調光器で、輝度を低くした場合には電圧も下がるため、フリッカー(Flickering)現象が発生し、あるいは、点灯に長い時間がかかったり、点灯しない等の問題が発生する原因となる。また、トランスフォーマーは、基本的に標準部品がないため、開発コストと開発時間が多く必要になるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、非絶縁型の簡単な回路構造により力率の改善が可能で、トライアック調光器に対応でき、経済的で小型化が可能なLED駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、少なくとも1つのLEDを備える発光部と、外部電源から印加された交流電圧を整流する整流部と、上記発光部に駆動電源を供給し、上記発光部の出力端と接続されるインダクターを含む電源供給部と、上記整流部から出力された電圧が印加されて上記整流部から出力された電圧に比例する基準電圧を生成し、上記基準電圧と上記インダクターに流れる電流を検出して生成された入力電圧を比較して、電圧が互いに一致した時点でスイッチをオフにし上記インダクターに流れる電流のピークを連結する波形が、上記入力電圧が示す波形と比例するようにスイッチをオン/オフ制御するスイッチ制御部と、上記スイッチ制御部と接続されて上記発光部に入力される電源を制御するスイッチとを含むLED駆動装置を提供する。
【0008】
本発明の一実施例において、上記スイッチ制御部は、上記整流部の出力端に直列に接続された複数の抵抗を備え、上記複数の抵抗を通して電圧分配された基準電圧を生成することができる。
【0009】
この場合、上記整流部の出力端と接続され、上記複数の抵抗と並列に接続された積層セラミックキャパシター(MLCC)またはフィルムキャパシター(film capacitor)をさらに含むことができる。
【0010】
本発明の一実施例において、上記電源供給部は、ダイオード、インダクター及びキャパシターで構成されることができる。
【0011】
この場合、上記スイッチと直列に接続された電流検出部をさらに含み、上記電流検出部は、上記インダクターに流れる電流を検出して上記スイッチ制御部の入力信号を生成することができる。
【0012】
また、上記電流検出部は、一端が上記スイッチと接続され、他端が整流部のマイナス側と接続される抵抗を含むことができる。
【0013】
本発明の一実施例において、上記スイッチ制御部は、上記基準電圧入力端に接続されたツェナーダイオードをさらに含むことができる。
【0014】
本発明の一実施例において、上記発光部は複数のLEDを含み、上記複数のLEDは直列接続、並列接続及び直列と並列の接続が混用された形態のうち少なくとも何れか1つの電気的接続構造を有することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施形態によるLED駆動装置によると、非絶縁型の簡単な回路により力率を改善できるLED駆動装置を提供することができる。
【0016】
また、回路の構成が簡単なため装置の小型化が可能であり、使用部品数を減らして、より経済的で効率の良いLED駆動装置を提供することができ、かつ、応答時間が非常に速くて瞬間的であることから、トライアック調光器(Triac Dimmer)に対応できるLED駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態によるLED駆動装置の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態によるLED駆動装置の回路図である。
【図3】本発明の一実施形態によるLED駆動装置のスイッチがオン(on)状態のときの電流の流れを示す図面である。
【図4】本発明の一実施形態によるLED駆動装置のスイッチがオフ(off)状態のときの電流の流れを示す図面である。
【図5】本発明の一実施形態によるスイッチ制御部内の制御回路を示す図面である。
【図6】本発明の一実施形態によるスイッチ制御部の制御回路に入力される電圧波形とI1(=Id)とゲート波形を示す。
【図7】本発明の他の実施形態によるLED駆動装置の回路図である。
【図8】クランプがない場合の基準電圧波形の概略図である。
【図9】クランプ設定時の基準電圧波形の概略図である。
【図10】本発明の一実施形態によるLEDの電流波形を示す。
【図11】本発明の一実施形態によるLEDの電流波形を示す。
【図12】本発明の一実施形態によるLED駆動装置をトライアック調光器に適用する場合のLEDの電流波形を示す。
【図13】本発明のさらに他の実施形態によるLED駆動装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参考して、本発明のより好ましい実施形態を説明する。
【0019】
しかし、本発明の実施形態は、様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下で説明する実施形態のみに限定されるわけではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における構成要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張することもあり、図面上において同一の符号で示される構成要素は同一の構成要素である。
【0020】
図1は本発明の一実施形態によるLED駆動装置の構成図である。また、図2は本発明の一実施形態によるLED駆動装置の回路図である。図1及び図2を参照すると、一端が外部から供給される交流電源と接続され、他端がスイッチ制御部20と接続される整流部10、上記整流部10から整流された電圧が供給されるスイッチ制御部20、上記スイッチ制御部20と接続されて動作が制御されるスイッチQ1、上記スイッチQ1と接続された電源供給部30及び上記電源供給部30から複数のLED41を駆動するための電源の伝達を受けて光を放出する発光部40からなることができる。この際、上記スイッチ制御部20は第3抵抗R3から入力された電圧と基準電圧を比較してスイッチQ1の制御信号を出力する制御回路Uを含むことができる。また、図2に示すように、上記整流部10の後段で上記スイッチ制御部20と並列に接続される小容量のキャパシターC1、例えば、MLCCまたはフィルムキャパシターをさらに含むことができる。
【0021】
整流部10の一端は外部電源Vinと接続され、他端はスイッチ制御部20と接続されている。上記外部電源Vinは、例えば100VACまたは、220VACの商用交流電源であることができ、図2に示すように、整流器10としてブリッジダイオードが適用された場合、入力交流電圧は全波整流された電圧V1を出力するようになる。上記整流部10から整流された電圧V1はスイッチ制御部20に入力され、スイッチ制御部20によりスイッチQ1を制御し、発光部40に電流を適切に供給することができる。
【0022】
上記電源供給部30はその一端がスイッチQ1と接続され、他端が発光部40と接続されており、上記スイッチQ1により制御されることで出力される電流を発光部40に供給する。上記電源供給部30はダイオードD1、インダクターL及びキャパシターC2で構成されることができ、降圧型(Buck)コンバータと同じ構造を有する。
【0023】
上記電源供給部30を構成するキャパシターC2と並列に接続された発光部40は、少なくとも1つのLEDを含む光源であり、多様な個数と電気的接続関係を有するLEDを含むことができる。図2では上記発光部40を構成する複数のLEDが直列に接続された形態で示されたが、上記発光部40はLEDを適用するアプリケーションによって、直列接続または並列接続、または直列と並列の接続が混用された形態の電気的接続構造で接続された複数のLEDを含むことができる。
【0024】
上記スイッチ制御部20は、一端が整流部10の出力端と接続され、他端がスイッチQ1と接続されており、上記スイッチQ1により発光部40に入力される電流を制御する。上記スイッチ制御部20内の制御回路Uは整流部10で変換された電圧を分配して基準電圧Vrefを受ける。図1を参照すると、上記基準電圧Vrefは全波整流された電圧V1を第1及び第2の抵抗R1、R2を用いて電圧分配することで生成されることができる。上記スイッチ制御部20内の制御回路Uは、生成された基準電圧VrefとインダクターLに流れる電流により測定された電圧(IL×R3)を比較してゲートに出力することで、上記スイッチQ1をオン/オフ(on/off)制御することができる。インダクターLに流れる電流は、スイッチQ1と直列に接続された電流検出部(図示省略)に検出される。電流検出部は、インダクターLに流れた電流を検出して、スイッチ制御部20へ入力される入力信号を生成する。また、電流検出部は、一端がスイッチQ1と接続され、他端が整流部10のマイナス側と接続される第3抵抗R3を含んでいる。
【0025】
図3は本発明の一実施形態によるLED駆動装置のスイッチがオン(on)状態のときの電流の流れを示す図面であり、図4は本発明の一実施形態によるLED駆動装置のスイッチがオフ(off)状態のときの電流の流れを示す図面である。先ず、図3を参照すると、スイッチがオンのときに、上記整流部10から整流された電圧V1により発光部40側に流れる電流I1が発光部40を経て上記電源供給部30を構成するインダクターLとスイッチQ1を順に通過するようになる。この際、上記発光部40を通過する電流をIfとし、上記インダクターL及びスイッチQ1を通過する電流をIdとするとき、上記整流された電圧V1による電流I1はIdと同じ値を有するようになる。即ち、スイッチがオンのとき、I1=Idを満たす。
【0026】
IfはC2によりインダクターLに流れる電流が平滑化された波形を示す。平均値で見ると、インダクターLに流れる電流IdとIfは等しい。スイッチング周波数は、例えば、100kHzのように高周波数であるため、第2キャパシターC2は小容量であってもIfを平滑化することができる。このように小容量のMLCCが適用され得るが、120Hz(または100Hz)成分は平滑化されず、Ifのリップル(ripple)成分として残る。本実施形態によるLED駆動装置は、アルミ(Alumi)電解キャパシターを必要としないためLED駆動装置の寿命を延長する効果が得られる。
【0027】
次いで、図4を参照すると、スイッチQ1が一時的にオフになる場合、スイッチQ1がオンのときに上記電源供給部30内のインダクターLに保存された磁気電源供給部により上記電源供給部30及び発光部40に電流Ifが流れる。即ち、矢印で示すように、上記発光部40を構成する複数のLED41を介して流れる電流Ifが上記電源供給部30のインダクターL及びダイオードD1を通過する。この際、上記I1とIdに流れる電流はいずれも0になる。即ち、図3及び図4に示すように、スイッチのオン/オフ状態に関わらず、上記整流部10から出力された電圧V1により上記発光部40に向かって流れる電流I1は上記スイッチQ1に流れる電流Idと同じ大きさであることが分かる。(I1=Id)
【0028】
図5は本発明の一実施形態によるスイッチ制御部20内の制御回路Uを示す図面である。図5を参照すると、上記制御回路Uは上記整流部10から出力された電圧V1から得られた基準電圧Vrefと第3抵抗R3の両端に加わる電圧VILを比較して、基準電圧Vrefが上記第3抵抗R3に加わる電圧VILより大きい状態でゲートGATEをハイ(H)にしてスイッチQ1をオンにし、基準電圧Vrefが上記第3抵抗R3に加わる電圧VILより小さいか、または同じ場合は、次のSET信号がハイ(H)になるまでゲートにロー(L)状態を維持させ、スイッチQ1をオフにすることができる。この際、上記基準電圧Vrefは上記整流部10から出力された電圧V1から決定される。
【0029】
図3を参照すると、上記整流部10から出力された電圧V1が第1及び第2の抵抗R1、R2により分配されて上記制御回路Uに入力されるが、上記第1及び第2の抵抗R1、R2は直列に接続されているため、上記基準電圧Vref値は、
を満たすようになる。従って、上記基準電圧Vrefの波形は上記整流部10から整流された出力電圧V1の波形と比較して、その大きさが小さく、類似する形態の相似形の波形を有するようになる。但し、図5は本発明の一実施形態による制御回路Uの論理回路図であり、制御回路Uの内部の論理回路は多様に変形できる。
【0030】
図6は本発明の一実施形態によるスイッチ制御部20の制御回路Uに入力される電圧波形を示す。図6の上部に示す図面を参照すると、上記制御回路Uに入力される基準電圧Vrefは、上述したように、上記整流部10から全波整流されて出力された電圧V1と同じ形態の波形を示し、上記スイッチQ1により制御され、スイッチがオンのときにのみ出力を生成する制御回路Uのさらに他の電圧VILのピーク(peak)もこれと類似した波形を示すようになる。この際、上記整流部10から上記電源供給部30に向かって流れる電流I1はスイッチを通過する電流Idと同じ大きさを有し(I1=Id)、
を満たすため、I1はVILに比例する。従って、I1のピークを連結する波形もVref、V1と類似する形態を有するようになる。図6の下部に示す図面はVILの波形の一部を拡大した図面である。この場合、I1はVILに比例するため、ここでは図6の下部に示す波形をI1の波形と見なす。
【0031】
図6の下部に示す波形を参照すると、上記制御回路Uにより制御されるスイッチQ1がオンになる時間をTon、スイッチQ1がオフになる時間をToffとする時、Toff=k*Ton(k=定数)とする。この際、I1の平均を求めると、Tという時間のうちTonの間だけI1値が存在し、Tonの間にI1の平均値はピーク電流であるIpの1/2になるため、I1の平均値は
を満たすようになり、よって、I1の平均はIpに比例することが分かる。即ち、Toff=k*TonになるようToffの時間を制御することで、I1の平均値もIpと類似する波形を示すようになる。
【0032】
本実施形態の場合、Tonは定められた値ではなく、上記電源供給部30を構成するインダクターLに流れる電流により決定される。Toffは多様な方法により決定されることができ、例えば、スイッチや電流源を用いたり、発光部40に加わる電圧Vfが整流部10から整流された電圧V1ピークより極めて小さい場合、外部の抵抗を通して独立に調整してToffを一定時間に制御しても、近似的にほぼ同一効果を得ることができ、力率を改善できる。
【0033】
具体的には、整流部10の後段に小容量のキャパシター(Film capacitorまたは、MLCC)を使用するため、整流部10により整流された電圧V1は全波整流された波形とほぼ同一である。従来の降圧型コンバータ(Buck converter)は整流部10の後段に大容量のアルミ電解キャパシターを使用して全波整流された波形のリップルを小さくしているが、高容量キャパシターにより力率が悪くなる。また、高容量のアルミ電解キャパシターを使用する場合、LED駆動回路の寿命が低下する問題が発生するが、本発明はこのような問題を解決することができる。
【0034】
本実施形態によると、整流部10により整流された電圧V1に比例する電圧を基準電圧Vrefとし、スイッチQ1がオンのときに電源供給部30を構成するインダクターLに流れる電流に比例する電圧(Id×R3)を比較し、一致したタイミング(timing)でスイッチQ1をオフすることで、上記インダクターLに流れる電流のピークを連結した波形(envelope)を全波整流された波形に比例させる。一致したタイミングでスイッチQ1をオフすることは集積回路ICの特性であり、従来から用いられていたが、従来の降圧型コンバータにおいて基準電圧Vrefが時間的に変化せず一定である点で本発明とは異なる。従って、従来はインダクターLの電流ピークが示される波形も一定になり、力率を改善する効果が得られなかった。
【0035】
スイッチ制御部20ではToff=k*Tonを満たすように制御し、上記整流部10から整流された電圧V1により発光部40側に流れる電流I1も上記整流部10から整流された電圧V1の波形に比例するようになるため、力率が改善され得る。従来は、スイッチ制御の方式を「T=Ton+Toff=一定」にすることが一般的であり、試作に使用したICは「Toff=一定」であるが、本実施形態では、LEDを含む発光部40の駆動電圧Vfが整流された電圧V1のピークに比べて非常に小さい場合は近似でToff=k*Tonと等価に近い状態になる。このように、Toff=k*Tonにすれば、さらに精度良く、力率が改善できる。
【0036】
即ち、本発明の一実施形態によると、上記電源供給部30を構成するインダクターLに流れる電流のピークを連結した波形を、整流部10から出力された電圧V1の波形に一致させることで発光部40に流れる電流は入力電圧と同じ形態を有するようになり、力率を改善できる。また、トランスフォーマーを含まない非絶縁型回路により力率の改善が可能であるため、回路構成が簡単で装置の小型化が可能であり、LEDの電流情報を2次側から1次側に絶縁された状態で伝達するためのフォトカプラーを用いてフィードバックすることで力率を改善するフライバックコンバータに比べて使用部品数を減らして、より経済的で効率の良いAC−DCコンバータを提供することができる。
【0037】
従来のPFC(Power Factor Correction)回路、即ち、力率改善回路は、力率を改善するために100Hzまたは120Hzに応答しないようにフィードバックループ(Feedback loop)の帯域が約10Hz〜20Hz以下であり、応答速度が遅い。また、電圧印加の初期にブリーダー抵抗(Bleeder resistor)から制御回路に電源を供給する構造からなるため、トライアック調光器対応が難しいという問題がある。トライアック調光器とは、電流の供給を調節して使用者の便宜に適うように明るさを設定するデバイスのことで、従来の一般的な照明製品は、LED照明に換える場合、トライアックの動作特性上LEDの明るさを低くしたときにフリッカー(flicker)現象が発生したり、回路が駆動しなかったり、駆動に長時間かかる問題があったため、既存のトライアック調光器に接続された照明器具をLEDに換えることが困難であった。
【0038】
しかし、本実施形態では、制御回路UによりインダクターLに流れる電流ILにより測定された電圧と基準電圧Vrefを比較してスイッチのオン/オフ時間を決定し、上記インダクターLの電流検出は第3抵抗R3だけで可能であるため、回路の構成が簡単になる。また、本実施形態によると、応答時間がマイクロ秒(microsec)単位またはそれ以下であり、応答が非常に速くて瞬間的である。よって、トライアック調光器とのマッチング性も優れる。
【0039】
本発明の一実施形態において、上記制御回路Uの内部ではクランプレベル(clamp level)を設定することができる。図7は本発明の他の実施形態による回路図である。図7を参照すると、制御回路Uの内部でクランプレベルを設定するためのツェナーダイオードDzをさらに含むことができる。上記ツェナーダイオードDzの一端は整流部のマイナス側と接続され、他端は基準電圧Vref及び制御回路Uと接続されることができる。上記ツェナーダイオードDzは逆方向に一定値以上の降伏電圧が加わると、逆方向に電流が流れるようになる。即ち、上記ツェナーダイオードDzのツェナー電圧Vz以上の電圧が加わると、逆方向に電流が流れるようになり、上記制御回路U内の比較器にクランプレベル以下の値のみが入力され得る。一方、図7では、説明の便宜上、入力部の比較器以外の回路は省略した。
【0040】
具体的には、上記ツェナーダイオードDzのツェナー電圧をVzとするとき、
である時
になり、
である時
になり、基準電圧VrefはVzにクランプされる。この際、Vzは、入力電圧とは無関係に一定の値を有するため、入力電源の変動に対する発光部40のレギュレーション(regulation)を改善することができる。このとき、クランプする電圧の大きさ及びクランプするか否かは第1及び第2の抵抗R1、R2の大きさを調節することで制御できる。例えば、
になるように設定すると、基準電圧Vrefは常にツェナー電圧Vzより小さい値を有するためクランプ作用をしなくなる。クランプレベルを設定しない場合は、入力電源の電圧変動が発光部40に流れる電流Ifにそのまま反映されるが、この場合でも、実用的な目的として大きく問題にならない範囲内の変動に該当する。
【0041】
しかし、Ifレギュレーションを改善しようとする場合、制御回路Uの内部でクランプレベルを設定することができる。上記クランプレベルは、入力電圧Vinの電源電圧変動とは無関係な基準電圧Vrefから定められるため、Ifレギュレーションを改善し得る。また、クランプレベルを設定しない場合、発光部40に流れる電流IfのピークがLEDの絶対最大定格電流を超えると、発光部40に並列に大容量のアルミ電解キャパシターを配置して電流Ifのリップルを減少させなければならないが、クランプレベルを設定する場合、同一の平均電流If(average)に対してもピークレベル(peak level)が減少するためIfピーク値がLEDの絶対最大定格以下になるように小容量のMLCCを使うことができるため、回路の小型化及び経済的に有利である。
【0042】
一方、発光部40を構成するLED41に流れる電流Ifの大きさは第3抵抗R3により制御できる。即ち、第3抵抗R3の値を大きくすると、LEDに流れる電流Ifは小さくなり、第3抵抗R3の値を小さくすると、LEDに流れる電流Ifは大きくなる。この際、電源供給部30を構成するインダクターLに流れる電流ILは電源供給部30を構成する第2キャパシターC2により平滑化されて発光部40に供給されるため、上記発光部40に流れる電流IfはインダクターLに流れる電流より滑らかな電流波形を示すようになる。
【0043】
図8は、クランプがない場合の基準電圧とインダクターLに流れる電流ILの波形の概略図である。ILはVrefとの関係を示すために、ここではIL×R3で演算して、電圧単位に変換した。ここで、インダクターLに流れる電流ILは、Q1のoff期間が図6のI1とIdの波形とは異なる。上述したように、
になるように第1及び第2の抵抗R1、R2の値を設定すると、クランプ作用はしなくなる。従って、図8に示すように、基準電圧Vrefは
になるため、整流部10から整流された電圧V1に比べて大きさのみ異なるだけで、形態は類似した波形を示すようになる。また、上記スイッチ制御部20に入力される電圧はIL×R3になり、(スイッチQ1がオンのときにId=IL、スイッチQ1がオフのときにId=0)、そのピークは基準電圧Vrefと同じ形態の波形を有する。但し、図8では説明の便宜上、基準電圧Vrefの1周期T0当たりの電圧IL×R3は6パルス(pulse)のみを示したが、実際に基準電圧Vrefと電圧IL×R3の周期Tを、例えば、
とすると、基準電圧Vrefの1周期当たりの電圧IL×R3のパルスは、電源周波数が50Hzであるときに1000個になる。
【0044】
図9は、クランプ設定時の基準電圧とインダクターに流れる電流ILの波形の概略図である。即ち、
になるように第1及び第2の抵抗R1、R2を設定した場合に該当する。図9を参照すると、
を満たす区間で
になり、
を満たす区間で
になる。図9に示す波形も、図8と同様に説明の便宜上波形の形態を簡略に示したもので、実際にILの波形はV1<Vfの区間(V1が0になる付近)で整流部10のダイオードによりIL=0になるが、電流全体に比べて小さい部分を占めるため力率に及ぼす影響は少ない。また、図1及び図2に示すように、整流部10とスイッチ制御部20の間、第1及び第2の抵抗R1、R2と並列に接続された小容量のキャパシターC1が配置されることができるため、上記インダクターLに流れる電流ILが0になる区間で、全波整流された電圧V1は発光部40に加わる電圧Vfにクランプされることができる。
【0045】
図10及び図11は本発明の一実施形態による電流波形を示す。具体的には、図2に示すLED駆動装置100において、複数のLED41を含む発光部40の電流Ifの波形を示す。この際、スイッチのTonは入力電圧VrefとインダクターLに流れる電流ILを検出して測定された電圧VILを比較して決定され、Toffは一定である。また、制御回路Uの内部にツェナーダイオードDzを用いてクランプレベルを設定した。先ず、図10を参照すると、入力外部電源はAC100V、50Hzであり、発光部40を構成する複数のLED41を通過する電流Ifの平均は239mA、上記LED41に加わる電圧Vfは25.8Vである。図10に示すように、電流クランプ部分は、回路に理想的でない部分があり、僅かな変化を示すが、大体一定であることが分かる。本実施形態によると、回路効率は87.5%、交流入力外部電源(AC100V)が+/−10%変化する場合に、LEDを通過する電流Ifの平均レギュレーションは+6.4%から−7.5%になり、力率PFは0.91以上である。
【0046】
図11は、図10に示す実施形態において、クランプレベルのみを変更した電流波形を示す。即ち、図10に示す実施形態と同様に、入力外部電源はAC100V、50Hz、発光部40に流れる電流Ifの平均は240mA、発光部40に加わる電圧Vfは25.9Vに設定した。本実施形態によると、回路効率は88.3%、交流入力電源(AC100V)が+/−10%変動する場合、LEDに流れる電流Ifの平均レギュレーションは+4.2%から−4.7%になる。即ち、図10に示す実施形態と比較すると、LEDに流れる電流Ifのレギュレーションが改善されたことが分かる。但し、力率PFが0.81以上とやや低いが、高調波電流に対するEMI規格EN61000−3−2(25W以下)で検証すると、電源電流の3次高調波は50%(規格は86%以下)、5次高調波は23%(規格は61%以下)と、実用上の規格を十分に満たす。
【0047】
図12は、本発明の一実施形態によるLED駆動装置をトライアック調光器に適用する場合の電流波形を示す。図12(a)はトライアック調光器に適用しない状態の電流波形であり、図12(b)はトライアック調光器に適用した後の電流波形を示す。図12(b)の緑色波形はトライアック調光器対応時に発光部40に流れる電流Ifを示し、赤色波形はトライアック調光器の出力電圧を示す。本発明の一実施形態によると、ブリッジダイオードで構成された整流部10の前端に抵抗とキャパシターを追加するだけで簡単にトライアック調光器に対応可能なLED駆動回路を提供することができる。
【0048】
図13は本発明のさらに他の実施形態によるLED駆動装置の電流の流れを示す図面である。前述した実施形態では、基本的に電圧供給部30を降圧型コンバータと想定しているため、V1<Vfの区間でIf=0になり、理想的な状態でも力率PFは1.0になれない。但し、25W以下でEN61000−3−2を満たすには十分である。力率PFをさらに改善するために、図13に示すように、電圧供給部31を反転形のバックブーストコンバータ(Buck−Boost converter)で構成することができる。この場合、降圧型コンバータに比べて高耐圧の部品を必要とするが、V1<Vfの区間でも、即ち、全区間でインダクターLの電流ピークは整流部で全波整流された波形に比例し、回路が理想的ならば、原理的に、力率が1.0になることができる。
【0049】
本実施形態において、力率を改善する原理は、上述したように、基準電圧Vrefにクランプレベルを設定することで電源電圧変動に対するIfレギュレーションを改善できる。具体的には、整流部で全波整流された電圧V1を分割して基準電圧Vrefとする。この際、基準電圧Vrefは全波整流された電圧波形に比例する。上記インダクターLの電流ILを第3抵抗R3により電圧値に変換した後に基準電圧Vrefと比較することでスイッチQ1のオフタイミングを決定し、インダクターLに流れる電流ILのピークを連結した波形を全波整流された波形と同じ波形になるようにする。この際、Toff=k*Ton(k:整数)になるようにToffを制御すれば、さらに精度良く力率を改善することができる。ここで、IonはスイッチQ1がオンのときの電流を、IoffはスイッチQ1がオフのときの電流を示す。
【0050】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、添付の請求範囲により限定する。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者により多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0051】
100:LED駆動装置
10:整流部
20:スイッチ制御部
30:電源供給部
40:発光部
41:LED
U:制御回路
Q1:スイッチ
R1、R2、R3:第1、第2、第3抵抗
D1:ダイオード
L:インダクター
C1、C2:第1、第2キャパシター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのLEDを備える発光部と、
外部電源から印加された交流電圧を整流する整流部と、
前記発光部に駆動電源を供給し、前記発光部の出力端と接続されるインダクターを含む電源供給部と、
前記電源供給部と接続されて、前記発光部に入力される電流を制御するスイッチと、
前記スイッチと接続されて、前記整流部から出力された電圧が印加されて当該電圧に比例する基準電圧を生成し、前記インダクターに流れる電流を検出して生成された入力電圧と前記基準電圧とを比較して、当該入力電圧と当該基準電圧とが一致した時点で前記スイッチをオフにし、前記スイッチがオンの期間の前記インダクターに流れる電流のピークを連結した波形が、前記基準電圧の波形と比例するように前記スイッチをオン/オフ制御するスイッチ制御部と
を含むLED駆動装置。
【請求項2】
前記スイッチ制御部は、前記整流部の出力端に直列に接続された複数の抵抗を備え、前記複数の抵抗を通して電圧分配された基準電圧を生成することを特徴とする請求項1に記載のLED駆動装置。
【請求項3】
前記整流部の出力端と接続され、前記複数の抵抗と並列に接続された積層セラミックキャパシター(MLCC)またはフィルムキャパシターをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のLED駆動装置。
【請求項4】
前記電源供給部は、ダイオード、インダクター及びキャパシターで構成されたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のLED駆動装置。
【請求項5】
前記スイッチと直列に接続された電流検出部をさらに含み、前記電流検出部は、前記インダクターに流れる電流を検出して前記スイッチ制御部に入力される入力信号を生成することを特徴とする請求項4に記載のLED駆動装置。
【請求項6】
前記電流検出部は、一端が前記スイッチと接続され、他端が整流部のマイナス側と接続される抵抗を含むことを特徴とする請求項5に記載のLED駆動装置。
【請求項7】
前記スイッチ制御部は、前記基準電圧の入力端に接続されたツェナーダイオードをさらに含むことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のLED駆動装置。
【請求項8】
前記発光部は複数のLEDを含み、
前記複数のLEDは直列接続、並列接続及び直列と並列の接続が混用された形態のうち少なくとも何れか1つの電気的接続構造を有することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のLED駆動装置。
【請求項1】
少なくとも1つのLEDを備える発光部と、
外部電源から印加された交流電圧を整流する整流部と、
前記発光部に駆動電源を供給し、前記発光部の出力端と接続されるインダクターを含む電源供給部と、
前記電源供給部と接続されて、前記発光部に入力される電流を制御するスイッチと、
前記スイッチと接続されて、前記整流部から出力された電圧が印加されて当該電圧に比例する基準電圧を生成し、前記インダクターに流れる電流を検出して生成された入力電圧と前記基準電圧とを比較して、当該入力電圧と当該基準電圧とが一致した時点で前記スイッチをオフにし、前記スイッチがオンの期間の前記インダクターに流れる電流のピークを連結した波形が、前記基準電圧の波形と比例するように前記スイッチをオン/オフ制御するスイッチ制御部と
を含むLED駆動装置。
【請求項2】
前記スイッチ制御部は、前記整流部の出力端に直列に接続された複数の抵抗を備え、前記複数の抵抗を通して電圧分配された基準電圧を生成することを特徴とする請求項1に記載のLED駆動装置。
【請求項3】
前記整流部の出力端と接続され、前記複数の抵抗と並列に接続された積層セラミックキャパシター(MLCC)またはフィルムキャパシターをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のLED駆動装置。
【請求項4】
前記電源供給部は、ダイオード、インダクター及びキャパシターで構成されたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のLED駆動装置。
【請求項5】
前記スイッチと直列に接続された電流検出部をさらに含み、前記電流検出部は、前記インダクターに流れる電流を検出して前記スイッチ制御部に入力される入力信号を生成することを特徴とする請求項4に記載のLED駆動装置。
【請求項6】
前記電流検出部は、一端が前記スイッチと接続され、他端が整流部のマイナス側と接続される抵抗を含むことを特徴とする請求項5に記載のLED駆動装置。
【請求項7】
前記スイッチ制御部は、前記基準電圧の入力端に接続されたツェナーダイオードをさらに含むことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のLED駆動装置。
【請求項8】
前記発光部は複数のLEDを含み、
前記複数のLEDは直列接続、並列接続及び直列と並列の接続が混用された形態のうち少なくとも何れか1つの電気的接続構造を有することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のLED駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図13】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図13】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−114410(P2012−114410A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202300(P2011−202300)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(509156538)サムソン エルイーディー カンパニーリミテッド. (114)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(509156538)サムソン エルイーディー カンパニーリミテッド. (114)
【Fターム(参考)】
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