説明

MDプロジェクションディスプレー用カラーホイール

【課題】カラーフィルターを駆動モーターに確実に固定させることが可能となり組立て作業性を向上させる。
【解決手段】本発明は、光学エンジンに具備されるカラーホイールにおいて、多数の相違な色相が円周方向に分割されたカラーフィルター、光軸と並んでいる回転軸を中心としてカラーフィルターが組み立たれる回転体を回転駆動させるよう駆動源を提供する駆動モーター、回転体に一体に組み立たれるキャリアとカラーフィルターが重畳される接着面積に塗布される接着剤によりキャリアにカラーフィルターを固定する接着力を提供するフィルター接着層、及びカラーフィルターを通じフィルター接着層に印加された一定強さの外力に起因する圧縮力の印加状態を維持するよう回転体の外部面と対応する内部面に固定部を具備しフィルター接着層から発生する引長応力を相殺させる圧縮応力をフィルター接着層に提供するホルダー、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はDLP、LCDもしくはLCOSのようなMD(Micro-Device)プロジェクションディスプレーに具備されるカラーホイールに関することとして、より詳細には、カラーフィルターを接着剤として接着し固定する接着部分における引長応力を最小化し、被着材と接着剤間の接着強度を増大することが可能で、別途の接着剤を使用せずカラーフィルターを駆動モーターに確実に位置固定させることが可能な、MDプロジェクションディスプレー用カラーホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にエムディー(MD:Micro-Device)プロジェクションディスプレーはディーエルピー(DLP:Digital Light Processing)、エルシーディー(LCD:Liquid Crystal Display)若しくはエルコース(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)プロジェクションのように映像を具現する小さいチップ(Chip)を利用し鮮明な大型カラー画像を具現するプロジェクションシステム全体を総称する。
【0003】
このようなエムディープロジェクションディスプレーは図1に図示したとおり、光源であるランプ10と、上記ランプ10から発光されたビームを集束して照射する集光レンズ20と、上記集光レンズ20から集束された白色光をレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)カラーに色を分離し各フレーム当り1/3ずつ照明するカラーホイール30と、上記カラーホイール30から発光する色相別発散光を平行に照射する視準レンズ40と、上記視準レンズ40から集束された色相別光の画素別反射角を調整し画像を形成するか、もしくは画像を選択的に透過させ画像を形成するエムディー(MD:Micro-Device)50及び上記エムディー50により形成された画像をスクリーン(S)に透写する透写レンズ60を含んで構成される。
【0004】
DLPプロジェクションディスプレーの場合には上記エムディー50でディーエムディー(DMD:Digital Mirror−Device)が使用され、DMD50にはシリコンウェーハ上に微細なサイズを有する複数のマイクロ反射ミラー(未図示)を二次元的に具備し、上記反射ミラーは10μS(1/100万分の単位)の非常に速い速度でティルティングアクチュエータ(未図示)によりティルティング運動されながら入射された光の経路を2つの状態(オン(on)/オフ(off))に転換し反射することになる。
【0005】
すなわち、上記反射ミラーは1ミラー当り一つのピクセル構造を担当することになって各画素に対応され、上記反射ミラーを通し光が反射されることを制御して画像を表現することとして、所定画素に対応する反射ミラーがオン状態で上記ティルティングアクチュエータによりティルティングされると、上記反射ミラーに反射された光は上記透写レンズ60を通し拡大されスクリーン(S)に照射される反面、上記反射ミラーがオフ(off)状態でティルティングされると、上記反射ミラーに反射された光は上記透写レンズ60から外れスクリーン(S)に照射されることが不可能となる。
【0006】
これにより、上記DMD50はこれに具備される各反射ミラーを各画素に対する映像信号により独立的にティルティング駆動させ光の反射角度を変化させることにより光をオン/オフさせ、透写レンズ60を通し拡大された画像を上記スクリーン(S)に大画面で結像させる。
【0007】
一方、上記集光レンズ20から集束された白色光に色相を付与するカラーホイール30は円周方向にレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)カラーが分割された円板上のカラーフィルター31と、上記カラーフィルター31を高速回転させる駆動源を提供する駆動モーター32を含んで構成される。
【0008】
上記カラーフィルター31は中空型の円板状であるキャリア34の上部面に塗布される接着剤35を介して一側面が接着され、上記カラーフィルター31を接着固定したキャリア34は上記駆動モーター32の回転体33に挿入され固定される。
【0009】
次いで、上記カラーフィルター31とキャリア34は図2に図示された通り、中空円板状の胴体上下部面に丸リング型の上下部段差(36a)(36b)が各々突出形成されたホルダー36により上記回転体33に固定される。
【0010】
上記ホルダー36の丸リング型下部段差(36b)が回転体33の外部面に沿って挿入されながら上記下部段差(36b)の下部段が上記回転体33の外部面と上記カラーフィルター31の内側段との間の隙間に挟まれ上記キャリア34の上部面に接することになり、この際、上記カラーフィルター31の上部面一部が上記ホルダー36の胴体下部面と面接することになる。
【0011】
上記キャリア34に接着剤35を利用し単面接着方式で接着されるカラーフィルター31はMDプロジェクションディスプレーの光学エンジン内部の光源辺りに配置され80℃以上の高温環境に露出された状態で、最高10,800rpmまでの速度で高速回転するよう設計されるため、高束の回転駆動下では遠心力により上記カラーフィルター31とキャリア34との接着部位に遠心力が発生することになる。
【0012】
特に、上記カラーフィルター31が図2のように単面接着された場合には遠心力が発生するカラーフィルター31の単面中心と上記接着剤35の単面中心が同一の水平線上に相互一致しないため、上記接着剤35による接着部位では接着面の垂直方向に引長力が作用する引長応力と、水平方向にせんだん(剪断)力が作用するせんだん応力が発生され、このような引長応力とせんだん応力は上記接着剤35の接着強度を低下させ、これによりカラーホイール30の使用寿命を低下させる原因となった。
【0013】
これにより、従来には上記カラーフィルター31が上記キャリア34に接着剤35を介して接着される接着強度を増加させるために、上記カラーフィルター31とキャリア34との接着面積を増加させる方法があるが、接着面積が増加することになると、上記ホルダー36のサイズも増加することになり駆動モーター32の全体負荷も増加してしまい、上記カラーフィルター31の有効面積が減少しセット設計上の制限として作用するという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明は上記のような従来の問題点を解消するためとして、その目的は接着剤による接着部位から発生される引長応力を相殺するか最小化し被着材と接着剤との接着強度を増大させ、使用寿命を延長することが可能なMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、接着剤を使用せず、カラーフィルターを駆動モーターに確実に位置固定させることが可能となり組立て作業性を向上させるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記のような目的を達成するための技術的構成として、本発明は、
光軸に沿って透写される白色光に多数の色相を付与し照明するよう光学エンジンに具備されるカラーホイールにおいて、
多数の相違な色相が円周方向に分割されたカラーフィルター、
上記光軸と並んでいる回転軸を中心として上記カラーフィルターが組み立たれる回転体を回転駆動させるよう駆動源を提供する駆動モーター、
上記回転体に一体として組み立たれるキャリアと上記カラーフィルターが重畳される接着面積に塗布される接着剤により上記キャリアにカラーフィルターを固定する接着力を提供するフィルター接着層、及び
上記カラーフィルターを通し上記フィルター接着層に印加された一定強さの外力に起因する圧縮力の印加状態を維持するよう上記回転体の外部面に対応する内部面に固定部を具備し上記フィルター接着層から発生する引長応力を相殺させる圧縮応力を上記フィルター接着層に提供するホルダー、を含むことを特徴とするMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールを提供する。
【0017】
好ましくは上記圧縮応力は上記カラーフィルターの破壊強度よりは小さく、無圧縮時上記フィルター接着層から発生する引長応力よりは大きく設定する。
【0018】
好ましくは上記固定部は上記回転体の外部面とこれに対応するホルダーの内部面との間の間隔に塗布される接着剤により形成されるホルダー接着層に具備される。
【0019】
好ましくは上記固定部は上記回転体の外部面に熱間状態に圧入され、上記回転体の外部面に密着固定される熱間圧入面として具備される。
【0020】
好ましくは上記固定部は上記回転体の外部面に対応する内部面に広い接触面積を有するよう上記回転体の外部面に沿って延長されるコギング部として具備される。
【0021】
また、本発明は
光軸に沿って透写される白色光に多数の色相を付与し照明するよう光学エンジンに具備されるカラーホイールにおいて、
多数の相違な色相が円周方向に分割されたカラーフィルター、
上記光軸と並んでいる回転軸を中心として上記カラーフィルターが組み立たれる回転体を回転駆動させるよう駆動源を提供する駆動モーター、
上記回転体に一体に組み立たれるキャリアと上記カラーフィルターが重畳される接着面積に塗布される接着剤により上記キャリアにカラーフィルターを固定する接着力を提供するフィルター接着層、及び
上記カラーフィルターの上部面と下部面から相互逆方向の引長応力が各々発生され相互相殺されるよう上記カラーフィルターとの境界面にホルダー接着層を具備し上記回転体に組み立たれるホルダー、を含むことを特徴とするMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールを提供する。
【0022】
好ましくは上記ホルダー接着層は上記フィルター接着層と同一サイズの接着面積に具備される。
【0023】
好ましくは上記ホルダー接着層は上記カラーフィルターの上部面に対応するホルダーの下部面に陥没形成される少なくとも一つの上部凹部と、上記上部凹部に埋め込まれる接着剤を含んで構成される。
【0024】
また、本発明は
光軸に沿って透写される白色光に多数の色相を付与し照明するよう光学エンジンに具備されるカラーホイールにおいて、
多数の相違な色相が円周方向に分割されたカラーフィルター、
上記光軸と並んでいる回転軸を中心として上記カラーフィルターが組み立たれる回転体を回転駆動させるよう駆動源を提供する駆動モーター、
上記回転体に一体に組み立たれるキャリアと上記カラーフィルターが重畳される接着面積に塗布される接着剤により上記キャリアにカラーフィルターを固定する接着力を提供するフィルター接着層、及び
上記カラーフィルターを通し上記フィルター接着層に圧縮力を印加するよう上記回転体の外部面に一段が固定され、自由段である他段が上記カラーフィルターの上部面に弾力的に接し上記フィルター接着層から発生する引長応力を相殺させる圧縮応力を上記フィルター接着層に提供する少なくとも一つのスプリング部材、を含むことを特徴とするMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールを提供する。
【0025】
好ましくは上記回転体に一段が固定される複数個のスプリング部材は上記回転体の回転軸を中心として左右対称構造に配置される。
好ましくは上記回転体に一段が固定される複数個のスプリング部材の他段は上記カラーフィルターの上部面と面接触になるよう具備される。
好ましくは上記回転体に一段が固定される複数個のスプリング部材の他段は上記カラーフィルターとキャリアとの間の重畳領域内に位置される。
【0026】
また、本発明は
光軸に沿って透写される白色光に多数の色相を付与し照明するよう光学エンジンに具備されるカラーホイールにおいて、
多数の相違な色相が円周方向に分割されたカラーフィルター、
上記光軸と並んでいる回転軸を中心として上記カラーフィルターが組み立たれる回転体を回転駆動させるよう駆動源を提供する駆動モーター、
上記カラーフィルターの上部面に下部面が接するよう上記回転体に固定されるホルダー、及び
上記回転体に一体に組み立たれるキャリアと上記カラーフィルターとの境界面に具備される下部摩擦材と、上記カラーフィルターとホルダーとの境界面に具備される上部摩擦材を備え、上記カラーフィルターを摩擦力により固定する摩擦部、を含むことを特徴とするMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールを提供する。
【0027】
好ましくは上記上部摩擦材は上記カラーフィルターの上部面に対応する上記ホルダーの下部面に陥没形成された少なくとも一つの上部凹部に具備され、上記下部摩擦材は上記カラーフィルターの下部面に対応する上記キャリアの上部面に陥没形成される少なくとも一つの下部凹部に具備される。
【0028】
好ましくは上記上下部摩擦材は同一の垂直線上に位置され上下重畳配置される。
好ましくは上記上下部摩擦材は上記カラーフィルターの上部面と上記ホルダーの下部面の間、そして上記カラーフィルターの下部面と上記キャリアの上部面の間の重畳部位の全体領域に具備され、上記上下部摩擦材はゴム素材からなっていることがより好ましい。
【発明の効果】
【0029】
上記構成を有する本発明によると、回転体の外部面と対応する内部面に固定部を具備するか、または、カラーフィルターを加圧するスプリング部材を具備することにより、カラーフィルターを通しフィルター接着層に印加された圧縮力の印加状態を維持することが可能なため、フィルター接着層から発生する引長応力を圧縮応力として相殺させフィルター接着層の接着強度を従来と比べ向上させ、これにより高温、高速作業条件から作動されるカラーホイールの使用寿命を延長することが可能である。
【0030】
また、カラーフィルターの上下部面に接着層を各々形成する両面接着構造を具備することにより、カラーフィルターの上下部面に相互逆方向の引長応力が発生されるため引長応力を相互相殺させフィルター接着層の接着強度を従来と比べ向上させ、これにより高温、高速の作業条件から作動されるカラーホイールの使用寿命を延長することが可能である。
【0031】
そして、ホルダーとキャリアとの間に配置されたカラーフィルターを摩擦力によって位置固定させることにより接着剤を使用せず、カラーフィルターを駆動モーターに確実に位置固定することが可能なため、組立作業性を向上させる効果を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下,添付の図面により本発明を詳しく説明する。
図3は本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第1実施例を図示した構成図として、本発明のカラーホイール100は光軸に沿って透写される白色光に多数の色相を付与するようMDプロジェクションディスプレーの光学エンジンに具備されることとして、これはカラーフィルター110、駆動モーター120、フィルター接着層130及びホルダー140を含んで構成される。
【0033】
すなわち、上記カラーフィルター110は白色光に色相を付与するよう円周方向にレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)カラーが分割配置された円板状の回転部材である。
【0034】
そして、上記駆動モーター120は電源印加時上記光軸と並んでいる回転軸を中心として回転体122を高速回転駆動させることが可能な駆動源を提供する駆動手段であり、円筒状の回転体122には上記カラーフィルター110を接着し固定するよう中空円板状のキャリア124が組み立たれ固定されるか、もしくは円筒状の回転体122と一体型に構成される。
【0035】
また、上記キャリア124にカラーフィルター110を固定する一定強さの接着力を提供するフィルター接着層130は上記キャリア124とカラーフィルター110が相互重畳される接着面積に満遍なく塗布される接着剤により上記キャリア124の上部面と上記カラーフィルター110の下部面の間に具備される。
【0036】
上記フィルター接着層130を構成する接着剤としてはガラス材質からなるカラーフィルター110と硬い材質からなるキャリア122との接着面積から安定された接着力を得られるようエポキシ樹脂と同じ樹脂材を使用することが一般的である。
【0037】
一方、上記ホルダー140は上記キャリア124にフィルター接着層130を介して接着されたカラーフィルター110の上部面に下部面が接し積層されるよう上記回転体122に具備される固定部材である。
【0038】
このようなホルダー140は上記フィルター接着層130から発生する引長応力に対応し、これを相殺させる圧縮応力を上記フィルター接着層130に提供するよう上記回転体122の外部面に対応する内部面に別途の固定部141を具備し、上記固定部141により上記ホルダー140は上記回転体122に一体に確実に固定される。
【0039】
胴部中央に一定サイズの中央孔を貫通形成した中空円板型の胴部を上記回転体122に挿入配置した状態で、上部面に丸リング型上部段140aを有するホルダー140を上記フィルター接着層130と直交する方向に外力を印加し一定強さで加圧すると、上記カラーフィルター110とキャリア124との間のフィルター接着層130には単面中心を基準として両側に広がる引長応力とは反対に単面中心側に圧縮する荷重である圧縮応力が発生する。
【0040】
そして、上記フィルター接着層130から発生される圧縮力が事前に設定された値になる時、上記フィルター接着層130に外力により加圧されるホルダー140の加圧状態は上記固定部141を介して上記ホルダー140を回転体の外部面に固定することにより一定に維持することが可能である。
【0041】
この際、上記カラーフィルター110とキャリア124の間のフィルター接着層130に印加される圧縮力は全体接着面積に満遍なく分布されることが好ましく、上記フィルター接着層130から発生される圧縮応力は過度な圧縮によりガラス素材からなっているカラーフィルター110破損されないよう、上記カラーフィルター110の破壊強度よりは小さく、無圧縮時上記フィルター接着層130から発生する引長応力よりは大きく設定することが好ましい。
【0042】
ここで、上記フィルター接着層130に圧縮応力が発生されるよう外力により光軸方向に加圧されたホルダー140の圧縮印加状態を維持するよう固定力を提供する固定部141は、図3に図示した通り、上記回転体122の外部面とこれに対応するホルダー140の内部面との間の間隔に塗布される接着剤により形成されるホルダー接着層142に具備される。
【0043】
また、上記ホルダー140を固定する固定力を提供する固定部141は図4に図示した通り、中空円板型胴部に提供される熱により体積膨張された状態で、上記カラーフィルター110の上部面に接するよう回転体122に挿入された後、冷却され体積収縮されながら、上記回転体122の外部面に確実に密着される熱間圧入面142aに具備される。
【0044】
そして、外力により光軸方向に加圧されたホルダー140の印加状態を維持するよう固定力を提供する固定部141は図5に図示した通り、上記カラーフィルター110の上部面に接するよう回転体122に挿入され上記回転体122の外部面と対応する内部面に広い接触面積を有するよう上記回転体122の外部面を沿って延長されるコギング部142cに具備されることもあり得る。
【0045】
このような場合、上記カラーフィルター110とキャリア124の重畳部分には接着剤を介在しフィルター接着層130を形成し上記キャリア124にカラーフィルター110を接着固定し、上記カラーフィルター110が接着されたキャリア124を上記駆動モーター120の回転体122に挿入し組み立てる。
【0046】
そして、上記回転体122には上記ホルダー140が挿入され積層し、これを上記フィルター接着層130側に加圧し、これに圧縮力が発生されるようにする。
【0047】
この際、上記圧縮力に起因する圧縮応力が上記カラーフィルター110の破壊強度よりは小さく、無圧縮時上記フィルター接着層130から発生する引長応力より小さくなる設定範囲から、上記ホルダー140の加圧状態は上記ホルダー接着層142a、熱間圧入面142b及びコギング部142cのような固定部141により維持されることによって、上記カラーフィルター110の回転駆動時上記フィルター接着層130から発生される引長応力は、上記フィルター接着層130から発生される圧縮応力と相殺され除去されるか最小化され、上記フィルター接着層130における接着強度を高めることが可能である。
【0048】
図6は本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第4実施例を図示した構成図であり、図7は本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第5実施例の要部詳細図である。
【0049】
本発明のカラーホイール200は図6と図7に図示された通り、第1、2及び3実施例のカラーホイール100と同様にカラーフィルター210、駆動モーター220、フィルター接着層230及びホルダー240を含んで構成され、これらは上記と同一構成を有しているため、同一部材に対して200番代の図面符号として示し、これに対する詳細な説明は省略することとする。
【0050】
上記駆動モーター220の回転体222に挿入組み立たれるよう中空円板型の胴部を有するホルダー240は上記カラーフィルター210の上部面と下部面から同時に相互逆方向の引長応力が発生されこれらが相互相殺され除去されるよう上記カラーフィルター210との境界面にホルダー接着層241を具備する。
【0051】
ここで、上記ホルダー接着層241は上記フィルター接着層230から発生される引長応力に対応される他の引長応力を発生させるよう上記フィルター接着層230の接着剤と同一の素材にして同一の面積及び厚さに具備されるのが好ましい。
【0052】
また、上記ホルダー接着層241は上記カラーフィルター210の上部面に対応するホルダー240の下部面に陥没形成される少なくとも一つの上部凹部242と、上記上部凹部242に埋め込められる接着剤243を含んで構成されることがあり得る。
【0053】
このような場合、上記カラーフィルター210とキャリア224の重畳部分にはこれに介在される接着剤によりフィルター接着層230を形成し上記キャリア224にカラーフィルター210を接着固定し、上記カラーフィルター210が接着されたキャリア224を上記駆動モーター220の回転体222に挿入し組み立てる。
【0054】
そして、上記カラーフィルター210の上部面には上記フィルター接着層230を構成する接着剤と同一材質の他の接着剤を塗布した後、上部段240aを有するホルダー240を上記回転体222に沿って挿入し上記カラーフィルター210上に加圧積層することにより、上記カラーフィルター210とホルダー240との間に形成されるホルダー接着層241により上記ホルダー240は上記回転体222に挿入されたまま固定される。
【0055】
このような状態から、上記駆動モーター220の駆動により上記カラーフィルター210が回転駆動されると、上記フィルター接着層230から発生される引長応力は上記ホルダー接着層241から発生される他の引長応力と相互相殺され除去されるか最小化されるため、上記フィルター、ホルダー接着層230、241での接着強度を高めることが可能である。
【0056】
図8は本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第6実施例を図示した構成図である。
【0057】
本発明のカラーホイール300は図8に図示した通り、第1、2、3、4及び5実施例のカラーホイール100、200と同様にカラーフィルター310、駆動モーター320及びフィルター接着層330を含んで構成され、これらは上記と同一構成を有するため同一部材に対して300番代の図面符号として示し、詳細な説明は省略することとする。
【0058】
すなわち、上記フィルター接着層330から発生する引長応力を相殺可能な圧縮応力を上記フィルター接着層330に提供するよう少なくとも一つのスプリング部材350を具備する。
【0059】
上記スプリング部材350は図8に図示した通り、上記駆動モーター320の回転体322の外部面に一段が固定され、自由段である他段が上記カラーフィルター310の上部面に弾力的に接する弾性部材として構成される。
【0060】
これにより、上記フィルター接着層330には上記スプリング部材350から提供される弾力性により上記カラーフィルター310を通し一定強さの圧縮力が印加されることである。
【0061】
ここで、上記回転体322に一段が固定される複数個のスプリング部材350は上記フィルター接着層330の全体面積に圧着力を均一に印加するよう上記回転体322の回転軸を中心として左右対称構造に配置されることが好ましい。
【0062】
また、上記回転体322に一段が固定されるスプリング部材350の他段はガラス部材からなるカラーフィルター310の損傷を防止するよう上記カラーフィルター310の上部面と面接触されるよう具備されることが好ましい。
【0063】
このような場合、上記カラーフィルター310がフィルター接着層330を介して接着されたキャリア324を上記駆動モーター320の回転体322に挿入して組み立てた状態から、上記回転体322の外部面に一段が固定されるスプリング部材350の自由段である他段を上記カラーフィルター310の上部面に弾力的に接するようになると、上記カラーフィルター310を通し上記フィルター接着層330に圧着力が伝達されるため、上記カラーフィルター310の回転駆動時上記フィルター接着層330から発生される引長応力は上記スプリング部材350から提供される圧着力により相殺され除去されるか最小化され上記フィルター接着層330における接着強度を高めることが可能である。
【0064】
図9は本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第7実施例を図示した構成図である。
【0065】
本発明のカラーホイール400は図9に図示された通り、第1、2、3、4、5及び6実施例のカラーホイール100、200、300と同様にカラーフィルター410、駆動モーター420及びホルダー440を含んで構成され、上記カラーフィルター410、駆動モーター420及びホルダー440は上記と同一構成を有しているため同一部材に対して400番代の図面符号を有し、詳細な説明は省略することとする。
【0066】
上記ホルダー440は、上記カラーフィルター410の上部面に下部面が接するよう上記駆動モーター420の回転体422に挿入されその外部面に固定される固定部材である。
【0067】
そして、上記カラーフィルター410に摩擦力により固定する摩擦部450を具備し、上記摩擦部450は下部摩擦材451と上部摩擦材452に構成される。
【0068】
上記下部摩擦材451は上記回転体422に挿入され、その外部面に一体に組み立たれるキャリア424の上部面と上記カラーフィルター410の下部面との境界面に具備される摩擦部材であり、上記上部摩擦材452は上記カラーフィルター410の上部面と上記ホルダー440の下部面との境界面に具備される摩擦部材である。
【0069】
ここで、上記上部摩擦材452は上記カラーフィルター410の上部面に対応する上記ホルダー440の下部面に陥没形成された少なくとも一つの上部凹部452aに具備され、上記下部摩擦材451は上記カラーフィルター410の下部面に対応する上記キャリア424の上部面に陥没形成される少なくとも一つの下部凹部451aに具備されるのが好ましい。
【0070】
そして、上記上下部摩擦材451、452はガラス部材からなるカラーフィルター410の上下部面における摩擦力を最大化するために同一の垂直線上に位置され上下重畳配置されるべきである。
【0071】
また、上記上下部摩擦材451、452は上記カラーフィルター410の上下部面における摩擦力を最大に発生させるよう上記カラーフィルター410の上部面と上記ホルダー440の下部面の間、そして上記カラーフィルター410の下部面と上記キャリア424の上部面との重畳部分の全体領域に具備されるのが好ましい。
【0072】
この際、上記上下部摩擦材451、452はガラス部材からなるカラーフィルター410と接触面積から高い摩擦力を発生させるようゴム素材からなっているのがより好ましい。
【0073】
このような場合、上部面に陥没形成された下部凹部451aにゴム素材からなる下部摩擦材451を装着したキャリア424は上記駆動モーター420の回転体422に挿入され位置固定された状態から、上記カラーフィルター410も上記回転体422を通して挿入し上記キャリア424の上部面に積層される。
【0074】
そして、下部面に陥没形成された上部凹部452aにゴム素材からなる上部摩擦材452を装着したホルダー440が上記回転体422に挿入し組み立たれながら、上記カラーフィルター410の上部面に接触される時、上記カラーフィルター410の上下部面とこれに接する上下部摩擦材451、452の間から一定大きさ以上の摩擦力を発生させるよう上記ホルダー440を加圧し、上記上下部摩擦材451,452を圧着し、圧着力を長時間維持するよう上記ホルダー440を上記駆動モーター420の回転体422に一体に固定する。
【0075】
これにより、上記カラーフィルター410の回転駆動時上記摩擦部450に対応するカラーフィルター410の上下部面から各々発生される摩擦力により上記カラーフィルター410のスリップを防止しつつこれを上記キャリア424とホルダー440との間に確実に位置固定することが可能である。
【0076】
本発明は特定の実施例と関連し図示され説明されているが、以下の特許請求の範囲により備えられる本発明の精神や分野等を離れていない限度内で本発明が多様に改造及び変化されることが可能ということを当業者で通常の知識を有している者は容易に分かることが可能ということを明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】一般的なMDプロジェクションディスプレーの作動を説明する作動状態図である。
【図2】図1のMDプロジェクションディスプレーに具備される従来のカラーホイールの構成図である。
【図3】本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第1実施例を図示している構成図である。
【図4】本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第2実施例の要部詳細図である。
【図5】本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第3実施例の要部詳細図である。
【図6】本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第4実施例を図示している構成図である。
【図7】本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第5実施例の要部詳細図である。
【図8】本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第6実施例を図示している構成図である。
【図9】本発明によるMDプロジェクションディスプレー用カラーホイールの第7実施例を図示している構成図である。
【符号の説明】
【0078】
110、210、310、410 カラーフィルター
120、220、320、420 駆動モーター
122、222、322、422 回転体
124、224、324、424 キャリア
130、230、330 フィルター接着層
140、240、440 ホルダー
141 固定部 142a、241 ホルダー接着層
142b 熱間圧入面 143c コギング部
350 スプリング部材 450 摩擦部
451、452 上下部摩擦材 451a、452a 上下凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に沿って透写される白色光に多数の色相を付与して照明するよう光学エンジンに具備されるカラーホイールにおいて、
多数の相違な色相が円周方向に分割されたカラーフィルター、
上記光軸と並んでいる回転軸を中心として上記カラーフィルターが組み立たれる回転体を回転駆動させるよう駆動源を提供する駆動モーター、
上記回転体に一体に組み立たれるキャリアと上記カラーフィルターが重畳される接着面積に塗布される接着剤により上記キャリアにカラーフィルターを固定する接着力を提供するフィルター接着層、及び
上記カラーフィルターを通し上記フィルター接着層に印加された一定強さの外力に起因する圧縮力の印加状態を維持するよう上記回転体の外部面に対応する内部面に固定部を具備し上記フィルター接着層から発生する引長応力を相殺させる圧縮応力を上記フィルター接着層に提供するホルダー、を含むことを特徴とするMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項2】
上記圧縮応力は上記カラーフィルターの破壊強度よりは小さく、無圧縮時上記フィルター接着層から発生する引長応力よりは大きく設定することを特徴とする請求項1に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項3】
上記固定部は上記回転体の外部面とこれに対応するホルダーの内部面との間の間隔に塗布される接着剤により形成されるホルダー接着層に具備されることを特徴とする請求項1に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項4】
上記固定部は上記回転体の外部面に熱間状態で圧入され冷却時上記回転体の外部面に密着固定される熱間圧入面に具備されることを特徴とする請求項1に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項5】
上記固定部は上記回転体の外部面と対応する内部面に広い接触面積を有するよう上記回転体の外部面に沿って延長されるコギング部に具備されることを特徴とする請求項1に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項6】
光軸に沿って透写される白色光に多数の色相を付与し照明するよう光学エンジンに具備されるカラーホイールにおいて、
多数の相違な色相が円周方向に分割されたカラーフィルター、
上記光軸と並んでいる回転軸を中心として上記カラーフィルターが組み立たれる回転体を回転駆動させるよう駆動源を提供する駆動モーター、
上記回転体に一体に組み立たれるキャリアと上記カラーフィルターが重畳される接着面積に塗布される接着剤により上記キャリアにカラーフィルターを固定する接着力を提供するフィルター接着層、及び
上記カラーフィルターの上部面と下部面から相互逆方向の引長応力が各々発生され相互相殺されるよう上記カラーフィルターとの境界面にホルダー接着層を具備し上記回転体に組み立たれるホルダー、を含むことを特徴とするMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項7】
上記ホルダー接着層は上記フィルター接着層と同一サイズの接着面積に具備されることを特徴とする請求項6に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項8】
上記ホルダー接着層は上記カラーフィルターの上部面に対応するホルダーの下部面に陥没形成される少なくとも一つの上部凹部と、上記上部凹部に埋め込まれる接着剤を含んで構成されることを特徴とする請求項6に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項9】
光軸に沿って透写される白色光に多数の色相を付与し照明するよう光学エンジンに具備されるカラーホイールにおいて、
多数の相違な色相が円周方向に分割されたカラーフィルター、
上記光軸と並んでいる回転軸を中心として上記カラーフィルターが組み立たれる回転体を回転駆動させるよう駆動源を提供する駆動モーター、
上記回転体に一体に組み立たれるキャリアと上記カラーフィルターが重畳される接着面積に塗布される接着剤により上記キャリアにカラーフィルターを固定する接着力を提供するフィルター接着層、及び
上記カラーフィルターを通し上記フィルター接着層に圧縮力を印加するよう上記回転体の外部面に一段が固定され、自由段である他段が上記カラーフィルターの上部面に弾力的に接し上記フィルター接着層から発生する引長応力を相殺させる圧縮応力を上記フィルター接着層に提供する少なくとも一つのスプリング部材、を含むことを特徴とするMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項10】
上記回転体に一段が固定される複数個のスプリング部材は上記回転体の回転軸を中心として左右対称構造に配置されることを特徴とする請求項9に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項11】
上記回転体に一段が固定される複数個のスプリング部材の他段は上記カラーフィルターの上部面と面接触になるよう具備されることを特徴とする請求項9に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項12】
上記回転体に一段が固定される複数個のスプリング部材の他段は上記カラーフィルターとキャリアとの重畳領域内に位置されることを特徴とする請求項9に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項13】
光軸に沿って透写される白色光に多数の色相を付与し照明するよう光学エンジンに具備されるカラーホイールにおいて、
多数の相違な色相が円周方向に分割されたカラーフィルター、
上記光軸と並んでいる回転軸を中心として上記カラーフィルターが組み立たれる回転体を回転駆動させるよう駆動源を提供する駆動モーター、
上記カラーフィルターの上部面に下部面が接するよう上記回転体に固定されるホルダー、及び
上記回転体に一体に組み立たれるキャリアと上記カラーフィルターとの境界面に具備される下部摩擦材と、上記カラーフィルターとホルダーとの境界面に具備される上部摩擦材を具備し上記カラーフィルターを摩擦力により固定する摩擦部、を含むことを特徴とするMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項14】
上記上部摩擦材は上記カラーフィルターの上部面に対応する上記ホルダーの下部面に陥没形成された少なくとも一つの上部凹部に具備され、上記下部摩擦材は上記カラーフィルターの下部面に対応する上記キャリアの上部面に陥没形成される少なくとも一つの下部凹部に具備されることを特徴とする請求項13に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項15】
上記上下部摩擦材は同一の垂直線上に位置され上下重畳配置されることを特徴とする請求項13に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項16】
上記上下部摩擦材は上記カラーフィルターの上部面と上記ホルダーの下部面の間、そして上記カラーフィルターの下部面と上記キャリアの上部面の間の重畳部位の全体領域に具備されることを特徴とする請求項13に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。
【請求項17】
上記上下部摩擦材はゴム素材からなっていることを特徴とする請求項13に記載のMDプロジェクションディスプレー用カラーホイール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−259693(P2006−259693A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378383(P2005−378383)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】