MEMS技術を用いた半径方向バルク環状共振器
【課題】MEMS共振器を提供する。
【解決手段】MEMS共振器は、内側半径および外側半径によって定義される環状共振器体、内側半径内に配置され、共振器体から間隔を置かれた第1電極、および環状共振器体の周りに配置され、外側半径から間隔を置かれた第2電極を含む。第1電極および前記第2電極は、共振器体の駆動および検出を提供する。ピエゾ抵抗検出およびピエゾ電気駆動/検出技術も利用されえる。全体の面積は1cm2よりも小さく、複数のアンカーによって支持基板上に配置される。基板は、駆動電極および検出電極を集積回路に接続するアンカーを持つRFトランシーバ集積回路を備えうる。共振器は、従来の半導体集積回路製造技術を用いて容易に製造される。
【解決手段】MEMS共振器は、内側半径および外側半径によって定義される環状共振器体、内側半径内に配置され、共振器体から間隔を置かれた第1電極、および環状共振器体の周りに配置され、外側半径から間隔を置かれた第2電極を含む。第1電極および前記第2電極は、共振器体の駆動および検出を提供する。ピエゾ抵抗検出およびピエゾ電気駆動/検出技術も利用されえる。全体の面積は1cm2よりも小さく、複数のアンカーによって支持基板上に配置される。基板は、駆動電極および検出電極を集積回路に接続するアンカーを持つRFトランシーバ集積回路を備えうる。共振器は、従来の半導体集積回路製造技術を用いて容易に製造される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、「MEMS共振器およびそれを作る方法」という2002年5月6日に出願された係属中の出願10/140,137に関する。
【0002】
本発明は、大きくはマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)に関し、より具体的には本発明はMEMS技術を用いた機械的共振器に関する。
【背景技術】
【0003】
機械的共振器は、VHF、UHF、およびSHF周波数帯(すなわち〜30MHzから30GHz)におけるフィルタとしておよび周波数源として働きえると知られている。そのような共振器は、超低消費電力、通信回路とのオンチップ集積を提供するためにMEMS技術を用いて作られえる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同時係属中の出願番号10/140,137は、MEMS共振器を開示し、このMEMS共振器ではバルク長手方向バー(bulk longitudinal bar)が、共振質量に容量結合された電極で電極一端における駆動電極および他端における検出電極の間で共振する。このデバイスは、半導体プロセス技術を用いて容易に製造される。しかし、共振質量の幅および容量ギャップは制限となるファクタである。
【0005】
本発明は、設計および応用に融通性を提供する環状共振器(annular resonator)に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、環状共振器が提供される。ある実施形態において、この共振器は、容量的に内側半径および環状共振器の表面に結合された内部電極、および容量的に外側半径および環状共振器の表面に結合された外部電極を有する。内側および外側電極は、それぞれ電極および環状共振器の内側および外側半径方向表面間で均一なギャップを維持する限り任意の所望の形状を有しえる。好ましい実施形態によれば、内側および外側電極は、環状の形状である。いずれかの電極が駆動電極でありえ、他方の電極が検出電極でありえる。ピエゾ実施形態においては、電極は共振器の表面上に配置されえる。
【0007】
電極および共振器は、元素、合金、または化合物半導体、金属、または圧電材料を含みえる材料を備える。共振器構造は、支持アンカーと共に基板上に位置する薄膜内で形成されえる。この基板およびサポートアンカーは、共振器の機械的支持として用いられる。エネルギー損失を減らすために、アンカーは、典型的には、中立軸、つまり環状共振器が高調波励起の下で変位を示さない軸半径に沿って配置された材料ポストである。有利な点として、基板は、共振器がフィルタまたは周波数源として機能する電子集積回路を備えうる。
【0008】
任意の与えられた周波数について、環状共振器は、所望のように大きくも小さくも作られえる。したがって、駆動電極の表面面積および検出電極の表面面積は、任意の値に設計されえる。共振器の運動抵抗は、概ね任意に小さくされえる。さらに、体積は任意に大きくされえるので、フィルタのQを増すことができる。環状共振器は、個別素子による商用フィルタに匹敵する挿入損失に作られえる。
【0009】
本発明およびその目的および特徴は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を図面と併せることで容易に明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
いくつかの図における同様の要素は同じ参照番号を有する。
【0011】
ここで図面を参照して、図1A、1Bは、本発明による半径方向バルク環状共振器(radial bulk annular resonator)(RBAR)のある実施形態を示す平面図および断面の側面図である。共振器10は、内側表面内に配置されそこから間隔を置かれた電極12、および共振器10の周りに配置され共振器の外側半径から間隔を置かれた電極14を持つ内側表面および外側表面を有する薄い環状体である。内側電極12および外側電極14は、それぞれ駆動および検出電極と表示されている。しかし、容量駆動および検出については、電極の機能は逆にされてもデバイスの動作に悪影響を及ぼさない。すなわち、外側電極14が駆動のために用いられえ、内側電極12が検出のために用いられえる。図1Bに示されるように、駆動電極12および共振器10の間のギャップは、gと表示され、共振器10の内側および外側半径は、それぞれ、riおよびroと表示される。2つの電極および共振器は、基板16上において、電極および共振器から基板16へと伸びるアンカー18によって保持される。
【0012】
共振器および駆動電極は、多結晶シリコン(ポリSi)、多結晶シリコンカーバイド(ポリSiC)、多結晶シリコンゲルマニウム(ポリSiGe)および微小製造プロセスに使用されえる他の材料のような、微小製造施設で堆積されえる等方性線形弾性材料を含みええる。この共振器は、図2に示されるように、環状ディスクの第2半径方向モードを励起することによって動作する。このモードにおいて、共振器体は、半径方向または接線方向の変位を示さない中立軸の周りに、半径方向に伸長および圧縮する。図1Bにおいて共振器10を保持するアンカー18は、中立軸に沿って配置される。図2における破線は、歪みのない環状共振器を示す。定常的な振動において、サイクルは不確定で続く。図2で示される変位は、図示のために大きく強調されていることに注意されたい。
【0013】
環状共振器についての周波数計算はいくらか複雑だが、動作の周波数についての近似fは以下で与えられる。
【数1】
【0014】
ここでE、ρ、およびνは、それぞれ構造材料のヤング率、密度、およびポアソン比であり、riおよびroは、それぞれデバイスの内側および外側半径である。ro→∞、かつriが有限であるとき、この方程式はより正確になる。有限のroおよびriについては、この方程式は正確ではない。表1は、共振器のコンピュータモデルの結果を示す。この表は、任意の与えられたターゲット周波数について、無限の個数の異なる内側および外側半径を持ちえることを示す。よって理論上は、バルク半径方向共振器は、動作の周波数にかかわらず、所望のように大きくも、または小さくもされえる。また外側(ro)、内側(ri)、および中立半径(rn)の与えられたセットについて、周波数のスケーリングは、ro、ri、およびrnに反比例する。したがって、もし1GHzにおいてro=3μm、ri=1μm、およびrn=2μmであるなら、1/xGHzにおいてro=3xμm、ri=1xμm、およびrn=2xμmである。
【表1】
【0015】
表1:さまざまな周波数における異なる材料のRBARについての形状仕様である。rnは、中立軸の半径である。これら仕様は典型的なものであって、RBARの全ての可能な寸法を網羅するのではない。
【0016】
周波数fは、構造層の厚さtの非常に弱い関数である。tが大きく(すなわちt〜ro)なると、周波数はro、ri、およびrnの与えられたセットについて減少し始める。これはポアソン効果のためである。1GHzのポリSiGeバルク環状共振器の有限要素モデリング(FEM)分析は、数学的モデルが、t=1μmについて、実際の共振周波数の±0.5%内で予測された共振周波数fを与えることを示す。
【0017】
図3は、静電駆動および容量検出を持つ環状共振器の回路モデルである。等価インダクタンス(Leq)、等価容量(Ceq)、および等価抵抗(Req)は、以下の方程式によって与えられる。
【数2】
【0018】
運動抵抗は、RBARがその意図された共振周波数において動作されるときのReqの値である。Reqの小さい値は、RF応用例については有利だと考えられる。運動抵抗Reqを小さくするためには、容量ギャップgはしばしば30から100nmのオーダーであることに注意されたい。したがって、プルイン(pull-in)として知られる不安定性の本当の危険がありえる。ギャップを閉じるアクチュエータは、もしそれらに印加された電圧がy/g≦2/3であり、ここでyが電圧が印加された後のギャップ幅であるとき、互いにくっつく。g=30nmを持つ1GHzのポリSiGe環状共振器について、プルイン電圧Vpiは、171Vより充分に上である。自由空間の電界放射制限は、おおまかに1V/nmである。よってVbiasは30Vより小さくなければならず、プルインは問題にならない。
【0019】
共振において、LeqおよびCeqは打ち消し合い、環状共振器は電気的に抵抗Reqに等価となる。Reqは、MEMS RF共振器において重要な性能指数であり、挿入損失に直接に関係する。
【0020】
図4は、オンチップRFフィルタとしての環状共振器の動作を示す概略図である。この動作モードにおいて、容量駆動および容量検出が採用される。DCバイアスが環状共振器10へのアンカーサポートに印加され、入力信号は駆動要素12のアンカーサポートに印加される。検出電子回路は、外側環状検出電極14に接続される。駆動および検出信号を増すために、駆動および検出電極の両方について、クシ形駆動キャパシタ(comb-drive capacitors)ではなく、ギャップを閉じるキャパシタ(gap-closing capacitors)を用いるのが有利である。共振器のための最も良い構造材料は、高いヤング率および高い降伏応力を有する高Q材料(ポリSi、ポリSiGe、およびポリSiCのような)である。実際には、単結晶の固体のような、より少ない粒界を持つ材料が共振器の固有Qを高くすることが多い。改良されたQおよび動作パフォーマンスのために、環状共振器は、流体制動および原子吸収/脱ガスを少なくするために、真空中で動作されえる。
【0021】
基本的なバルク環状共振器のレイアウトのバリエーションにおいては、駆動電極30および検出電極32のセットが図5A、5Bに示されるように共振器の上下に配置されえる。これは、駆動および検出力に寄与し、共振器システムに第2の極を付加し、調節された透過帯域を持つ多極フィルタの製造を可能にする。さらに、この実施形態は、ポアソン効果のために常に存在する平面外の動きを利用する。アンカーを追加または除去することによってさまざまな変更がアンカーレイアウトにはなされえるが、これは基板上で共振器を保持するためにはたった1つのアンカーだけが必要とされるからである。さらに、1つの連続的なアンカーが共振器の中立軸全体に沿って作られえる。駆動および検出電極は、アンカーのアレイを用いることによって、より堅固にアンカーで留められえる。
【0022】
図6A、6Bは、共振器のピエゾ抵抗効果を利用する環状共振器の動作の他のモードを示す概略図および等価回路である。動作中において、環状共振器は、圧縮または引張応力をそのバルク全体にわたって受ける。もし構造材料がピエゾ抵抗的であるなら、圧縮状態から引張状態へと変わるにつれて、バルク共振器の抵抗における実質的な変化が存在することになる。この可変抵抗器は、図6Bに示されるように信号を出力するために用いられえる。この出力は、この動作モードにおける電流に対して、電圧であることに注意されたい。
【0023】
環状共振器を安定な周波数源として動作させる一つの方法は、電圧パルスを駆動端子に印加することである。共振器の高調波、特に第1および第2半径方向モードが励起される。第2電極からの電流信号は、それからオンチップ、低Qフィルタを通されえ、所望のもの以外の全ての高調波を濾過しえる。信号が減衰するに従い、別のパルスが共振器に印加されえる。このようにして連続的な周波数源が作られる。
【0024】
バルク環状共振器は、従来の半導体集積回路処理技術を用いて容易に製造される。さまざまなプロセスが採用されえ、図7A〜7Eは、ある実施形態による環状共振器の製造を示す断面の側面図である。図示を促すために、駆動電極の中心から検出電極を通る共振器の部分である、共振器の半分しか示されない。この実施形態において、構造は高抵抗単結晶シリコン(SCS)50の基板上に製造される。低温酸化膜(LTO)52が基板50の表面上に堆積され、それから1000オングストロームの定比窒化シリコン54が酸化物層52上に堆積される。その後、ドーピングされた低応力ポリシリコン56(ポリ0と表示される)の0.5ミクロン層が堆積され、共振器のためのグランドマスクを形成するようにそれからパターン付けされエッチングされる。その後、低温酸化膜(LTO)58の1ミクロン厚の層が低圧力化学気相成長(LPCVD)技術によってポリシリコン56の第1層の上に堆積される。
【0025】
次に図7Bに示されるように、酸化物層58は、中間のポリ0層56の上でエッチングされ除去され、それからポリシリコンの第2層(ポリ1)60が、ポリ1層がポリ0層56に接触するように、酸化物層58の上に堆積される。ポリ1層60は、1ミクロン厚のドーピングされた低応力ポリシリコン層である。その後、0.5ミクロンの低温酸化膜62が堆積され、パターン付けされエッチングされる。これはポリ1をパターン付けするためのハードマスクとして用いられ、ポリ1は、図7Bに示されるように環状共振器60を形成する。ポリ1 60は、連続的なリングであるが、この限定された断面図ではリングの断面しか示されないことがわかるだろう。
【0026】
その後、図7Cに示されるように、30から100ナノメートルのスペーサ二酸化ケイ素64が構造体の表面上に堆積される。図7Dに示されるように、ポリ0 56の層への開口部が形成され、それから開口部内でポリ0層56に接触するドーピングされたポリシリコン層66(ポリ2)が堆積される。ポリ2は、1ミクロンのドーピングされた低応力ポリシリコンである。
【0027】
その後、ポリ2層66は、図7Eに示されるようにエッチングされ、バルク環状共振器の検出電極14(図1)および駆動電極12(図1)が形成される。最後に、検出電極14および駆動電極12は、二酸化ケイ素58、酸化物マスク62および二酸化ケイ素64の薄膜を除去するために、フッ化水素酸のような選択性二酸化ケイ素エッチングを適用することによって、環状共振器10から解放される。窒化シリコン層54は、下層の酸化物層52のエッチングを防止する。アンカー18は、共振器10、検出電極14および駆動電極18を下層の基板から支持するようその場所に留まる。
【0028】
本発明によるMEMS半径方向バルク環状共振器は、無線RF通信システムのためのフィルタのオンチップ集積の役に立つ。この共振器は、非常に低い電力消費および非常に低い挿入損失でVHF、UHF、およびSHF周波数帯における周波数で動作しえる。フィルタを半導体CMOS集積回路と直接に集積することによって、製造コストと共に寄生効果が劇的に減少される。
【0029】
本発明は、特定の実施形態を参照して記載されてきたが、記載は本発明を例示的に示し、本発明を限定するよう解釈されるべきではない。さまざまな改変および応用が添付の特許請求の範囲によって規定された本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、当業者には考えられるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1Aは、本発明のある実施形態による環状共振器の平面図である。図1Bは、本発明のある実施形態による環状共振器の断面の側面図である。
【図2】図1の環状共振器の振動の第2半径方向モードを概略的に示す図である。
【図3】静電駆動および容量検出を持つ環状共振器の回路モデルの図である。
【図4】環状共振器の動作のある実施形態を示す概略図である。
【図5A】本発明の他の実施形態による環状共振器の平面図である。
【図5B】本発明の他の実施形態による環状共振器の断面の側面図である。
【図6A】環状共振器の動作の他の実施形態を示す概略図である。
【図6B】環状共振器の動作の他の実施形態を示す概略図である。
【図7A】製造中の環状共振器の一部の断面の側面図である。
【図7B】製造中の環状共振器の一部の断面の側面図である。
【図7C】製造中の環状共振器の一部の断面の側面図である。
【図7D】製造中の環状共振器の一部の断面の側面図である。
【図7E】製造中の環状共振器の一部の断面の側面図である。
【図1A】
【図1B】
【技術分野】
【0001】
本発明は、「MEMS共振器およびそれを作る方法」という2002年5月6日に出願された係属中の出願10/140,137に関する。
【0002】
本発明は、大きくはマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)に関し、より具体的には本発明はMEMS技術を用いた機械的共振器に関する。
【背景技術】
【0003】
機械的共振器は、VHF、UHF、およびSHF周波数帯(すなわち〜30MHzから30GHz)におけるフィルタとしておよび周波数源として働きえると知られている。そのような共振器は、超低消費電力、通信回路とのオンチップ集積を提供するためにMEMS技術を用いて作られえる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同時係属中の出願番号10/140,137は、MEMS共振器を開示し、このMEMS共振器ではバルク長手方向バー(bulk longitudinal bar)が、共振質量に容量結合された電極で電極一端における駆動電極および他端における検出電極の間で共振する。このデバイスは、半導体プロセス技術を用いて容易に製造される。しかし、共振質量の幅および容量ギャップは制限となるファクタである。
【0005】
本発明は、設計および応用に融通性を提供する環状共振器(annular resonator)に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、環状共振器が提供される。ある実施形態において、この共振器は、容量的に内側半径および環状共振器の表面に結合された内部電極、および容量的に外側半径および環状共振器の表面に結合された外部電極を有する。内側および外側電極は、それぞれ電極および環状共振器の内側および外側半径方向表面間で均一なギャップを維持する限り任意の所望の形状を有しえる。好ましい実施形態によれば、内側および外側電極は、環状の形状である。いずれかの電極が駆動電極でありえ、他方の電極が検出電極でありえる。ピエゾ実施形態においては、電極は共振器の表面上に配置されえる。
【0007】
電極および共振器は、元素、合金、または化合物半導体、金属、または圧電材料を含みえる材料を備える。共振器構造は、支持アンカーと共に基板上に位置する薄膜内で形成されえる。この基板およびサポートアンカーは、共振器の機械的支持として用いられる。エネルギー損失を減らすために、アンカーは、典型的には、中立軸、つまり環状共振器が高調波励起の下で変位を示さない軸半径に沿って配置された材料ポストである。有利な点として、基板は、共振器がフィルタまたは周波数源として機能する電子集積回路を備えうる。
【0008】
任意の与えられた周波数について、環状共振器は、所望のように大きくも小さくも作られえる。したがって、駆動電極の表面面積および検出電極の表面面積は、任意の値に設計されえる。共振器の運動抵抗は、概ね任意に小さくされえる。さらに、体積は任意に大きくされえるので、フィルタのQを増すことができる。環状共振器は、個別素子による商用フィルタに匹敵する挿入損失に作られえる。
【0009】
本発明およびその目的および特徴は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を図面と併せることで容易に明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
いくつかの図における同様の要素は同じ参照番号を有する。
【0011】
ここで図面を参照して、図1A、1Bは、本発明による半径方向バルク環状共振器(radial bulk annular resonator)(RBAR)のある実施形態を示す平面図および断面の側面図である。共振器10は、内側表面内に配置されそこから間隔を置かれた電極12、および共振器10の周りに配置され共振器の外側半径から間隔を置かれた電極14を持つ内側表面および外側表面を有する薄い環状体である。内側電極12および外側電極14は、それぞれ駆動および検出電極と表示されている。しかし、容量駆動および検出については、電極の機能は逆にされてもデバイスの動作に悪影響を及ぼさない。すなわち、外側電極14が駆動のために用いられえ、内側電極12が検出のために用いられえる。図1Bに示されるように、駆動電極12および共振器10の間のギャップは、gと表示され、共振器10の内側および外側半径は、それぞれ、riおよびroと表示される。2つの電極および共振器は、基板16上において、電極および共振器から基板16へと伸びるアンカー18によって保持される。
【0012】
共振器および駆動電極は、多結晶シリコン(ポリSi)、多結晶シリコンカーバイド(ポリSiC)、多結晶シリコンゲルマニウム(ポリSiGe)および微小製造プロセスに使用されえる他の材料のような、微小製造施設で堆積されえる等方性線形弾性材料を含みええる。この共振器は、図2に示されるように、環状ディスクの第2半径方向モードを励起することによって動作する。このモードにおいて、共振器体は、半径方向または接線方向の変位を示さない中立軸の周りに、半径方向に伸長および圧縮する。図1Bにおいて共振器10を保持するアンカー18は、中立軸に沿って配置される。図2における破線は、歪みのない環状共振器を示す。定常的な振動において、サイクルは不確定で続く。図2で示される変位は、図示のために大きく強調されていることに注意されたい。
【0013】
環状共振器についての周波数計算はいくらか複雑だが、動作の周波数についての近似fは以下で与えられる。
【数1】
【0014】
ここでE、ρ、およびνは、それぞれ構造材料のヤング率、密度、およびポアソン比であり、riおよびroは、それぞれデバイスの内側および外側半径である。ro→∞、かつriが有限であるとき、この方程式はより正確になる。有限のroおよびriについては、この方程式は正確ではない。表1は、共振器のコンピュータモデルの結果を示す。この表は、任意の与えられたターゲット周波数について、無限の個数の異なる内側および外側半径を持ちえることを示す。よって理論上は、バルク半径方向共振器は、動作の周波数にかかわらず、所望のように大きくも、または小さくもされえる。また外側(ro)、内側(ri)、および中立半径(rn)の与えられたセットについて、周波数のスケーリングは、ro、ri、およびrnに反比例する。したがって、もし1GHzにおいてro=3μm、ri=1μm、およびrn=2μmであるなら、1/xGHzにおいてro=3xμm、ri=1xμm、およびrn=2xμmである。
【表1】
【0015】
表1:さまざまな周波数における異なる材料のRBARについての形状仕様である。rnは、中立軸の半径である。これら仕様は典型的なものであって、RBARの全ての可能な寸法を網羅するのではない。
【0016】
周波数fは、構造層の厚さtの非常に弱い関数である。tが大きく(すなわちt〜ro)なると、周波数はro、ri、およびrnの与えられたセットについて減少し始める。これはポアソン効果のためである。1GHzのポリSiGeバルク環状共振器の有限要素モデリング(FEM)分析は、数学的モデルが、t=1μmについて、実際の共振周波数の±0.5%内で予測された共振周波数fを与えることを示す。
【0017】
図3は、静電駆動および容量検出を持つ環状共振器の回路モデルである。等価インダクタンス(Leq)、等価容量(Ceq)、および等価抵抗(Req)は、以下の方程式によって与えられる。
【数2】
【0018】
運動抵抗は、RBARがその意図された共振周波数において動作されるときのReqの値である。Reqの小さい値は、RF応用例については有利だと考えられる。運動抵抗Reqを小さくするためには、容量ギャップgはしばしば30から100nmのオーダーであることに注意されたい。したがって、プルイン(pull-in)として知られる不安定性の本当の危険がありえる。ギャップを閉じるアクチュエータは、もしそれらに印加された電圧がy/g≦2/3であり、ここでyが電圧が印加された後のギャップ幅であるとき、互いにくっつく。g=30nmを持つ1GHzのポリSiGe環状共振器について、プルイン電圧Vpiは、171Vより充分に上である。自由空間の電界放射制限は、おおまかに1V/nmである。よってVbiasは30Vより小さくなければならず、プルインは問題にならない。
【0019】
共振において、LeqおよびCeqは打ち消し合い、環状共振器は電気的に抵抗Reqに等価となる。Reqは、MEMS RF共振器において重要な性能指数であり、挿入損失に直接に関係する。
【0020】
図4は、オンチップRFフィルタとしての環状共振器の動作を示す概略図である。この動作モードにおいて、容量駆動および容量検出が採用される。DCバイアスが環状共振器10へのアンカーサポートに印加され、入力信号は駆動要素12のアンカーサポートに印加される。検出電子回路は、外側環状検出電極14に接続される。駆動および検出信号を増すために、駆動および検出電極の両方について、クシ形駆動キャパシタ(comb-drive capacitors)ではなく、ギャップを閉じるキャパシタ(gap-closing capacitors)を用いるのが有利である。共振器のための最も良い構造材料は、高いヤング率および高い降伏応力を有する高Q材料(ポリSi、ポリSiGe、およびポリSiCのような)である。実際には、単結晶の固体のような、より少ない粒界を持つ材料が共振器の固有Qを高くすることが多い。改良されたQおよび動作パフォーマンスのために、環状共振器は、流体制動および原子吸収/脱ガスを少なくするために、真空中で動作されえる。
【0021】
基本的なバルク環状共振器のレイアウトのバリエーションにおいては、駆動電極30および検出電極32のセットが図5A、5Bに示されるように共振器の上下に配置されえる。これは、駆動および検出力に寄与し、共振器システムに第2の極を付加し、調節された透過帯域を持つ多極フィルタの製造を可能にする。さらに、この実施形態は、ポアソン効果のために常に存在する平面外の動きを利用する。アンカーを追加または除去することによってさまざまな変更がアンカーレイアウトにはなされえるが、これは基板上で共振器を保持するためにはたった1つのアンカーだけが必要とされるからである。さらに、1つの連続的なアンカーが共振器の中立軸全体に沿って作られえる。駆動および検出電極は、アンカーのアレイを用いることによって、より堅固にアンカーで留められえる。
【0022】
図6A、6Bは、共振器のピエゾ抵抗効果を利用する環状共振器の動作の他のモードを示す概略図および等価回路である。動作中において、環状共振器は、圧縮または引張応力をそのバルク全体にわたって受ける。もし構造材料がピエゾ抵抗的であるなら、圧縮状態から引張状態へと変わるにつれて、バルク共振器の抵抗における実質的な変化が存在することになる。この可変抵抗器は、図6Bに示されるように信号を出力するために用いられえる。この出力は、この動作モードにおける電流に対して、電圧であることに注意されたい。
【0023】
環状共振器を安定な周波数源として動作させる一つの方法は、電圧パルスを駆動端子に印加することである。共振器の高調波、特に第1および第2半径方向モードが励起される。第2電極からの電流信号は、それからオンチップ、低Qフィルタを通されえ、所望のもの以外の全ての高調波を濾過しえる。信号が減衰するに従い、別のパルスが共振器に印加されえる。このようにして連続的な周波数源が作られる。
【0024】
バルク環状共振器は、従来の半導体集積回路処理技術を用いて容易に製造される。さまざまなプロセスが採用されえ、図7A〜7Eは、ある実施形態による環状共振器の製造を示す断面の側面図である。図示を促すために、駆動電極の中心から検出電極を通る共振器の部分である、共振器の半分しか示されない。この実施形態において、構造は高抵抗単結晶シリコン(SCS)50の基板上に製造される。低温酸化膜(LTO)52が基板50の表面上に堆積され、それから1000オングストロームの定比窒化シリコン54が酸化物層52上に堆積される。その後、ドーピングされた低応力ポリシリコン56(ポリ0と表示される)の0.5ミクロン層が堆積され、共振器のためのグランドマスクを形成するようにそれからパターン付けされエッチングされる。その後、低温酸化膜(LTO)58の1ミクロン厚の層が低圧力化学気相成長(LPCVD)技術によってポリシリコン56の第1層の上に堆積される。
【0025】
次に図7Bに示されるように、酸化物層58は、中間のポリ0層56の上でエッチングされ除去され、それからポリシリコンの第2層(ポリ1)60が、ポリ1層がポリ0層56に接触するように、酸化物層58の上に堆積される。ポリ1層60は、1ミクロン厚のドーピングされた低応力ポリシリコン層である。その後、0.5ミクロンの低温酸化膜62が堆積され、パターン付けされエッチングされる。これはポリ1をパターン付けするためのハードマスクとして用いられ、ポリ1は、図7Bに示されるように環状共振器60を形成する。ポリ1 60は、連続的なリングであるが、この限定された断面図ではリングの断面しか示されないことがわかるだろう。
【0026】
その後、図7Cに示されるように、30から100ナノメートルのスペーサ二酸化ケイ素64が構造体の表面上に堆積される。図7Dに示されるように、ポリ0 56の層への開口部が形成され、それから開口部内でポリ0層56に接触するドーピングされたポリシリコン層66(ポリ2)が堆積される。ポリ2は、1ミクロンのドーピングされた低応力ポリシリコンである。
【0027】
その後、ポリ2層66は、図7Eに示されるようにエッチングされ、バルク環状共振器の検出電極14(図1)および駆動電極12(図1)が形成される。最後に、検出電極14および駆動電極12は、二酸化ケイ素58、酸化物マスク62および二酸化ケイ素64の薄膜を除去するために、フッ化水素酸のような選択性二酸化ケイ素エッチングを適用することによって、環状共振器10から解放される。窒化シリコン層54は、下層の酸化物層52のエッチングを防止する。アンカー18は、共振器10、検出電極14および駆動電極18を下層の基板から支持するようその場所に留まる。
【0028】
本発明によるMEMS半径方向バルク環状共振器は、無線RF通信システムのためのフィルタのオンチップ集積の役に立つ。この共振器は、非常に低い電力消費および非常に低い挿入損失でVHF、UHF、およびSHF周波数帯における周波数で動作しえる。フィルタを半導体CMOS集積回路と直接に集積することによって、製造コストと共に寄生効果が劇的に減少される。
【0029】
本発明は、特定の実施形態を参照して記載されてきたが、記載は本発明を例示的に示し、本発明を限定するよう解釈されるべきではない。さまざまな改変および応用が添付の特許請求の範囲によって規定された本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、当業者には考えられるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1Aは、本発明のある実施形態による環状共振器の平面図である。図1Bは、本発明のある実施形態による環状共振器の断面の側面図である。
【図2】図1の環状共振器の振動の第2半径方向モードを概略的に示す図である。
【図3】静電駆動および容量検出を持つ環状共振器の回路モデルの図である。
【図4】環状共振器の動作のある実施形態を示す概略図である。
【図5A】本発明の他の実施形態による環状共振器の平面図である。
【図5B】本発明の他の実施形態による環状共振器の断面の側面図である。
【図6A】環状共振器の動作の他の実施形態を示す概略図である。
【図6B】環状共振器の動作の他の実施形態を示す概略図である。
【図7A】製造中の環状共振器の一部の断面の側面図である。
【図7B】製造中の環状共振器の一部の断面の側面図である。
【図7C】製造中の環状共振器の一部の断面の側面図である。
【図7D】製造中の環状共振器の一部の断面の側面図である。
【図7E】製造中の環状共振器の一部の断面の側面図である。
【図1A】
【図1B】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MEMS共振器であって、
a)内側半径および外側半径によって定義される環状共振器体、
b)前記内側半径内に配置され、前記共振器体から間隔を置かれた第1電極、および
c)前記環状共振器体の周りに配置され、前記外側半径から間隔を置かれた第2電極
を備え、前記第1電極および前記第2電極は、前記共振器体の駆動および検出を提供するMEMS共振器。
【請求項2】
請求項1に記載のMEMS共振器であって、支持基板および前記電極および共振器体を前記基板上で支持する複数のアンカーをさらに含むMEMS共振器。
【請求項3】
請求項2に記載のMEMS共振器であって、前記基板は集積回路を備え、前記アンカーは、前記駆動電極および前記検出電極を前記集積回路に接続する、MEMS共振器。
【請求項4】
請求項3に記載のMEMS共振器であって、前記共振器体へのそれぞれのアンカーは、第2半径方向モードの高調波励起の下で、前記共振器体が半径方向または接線方向の変位を生じない中立軸に沿って前記共振器体に接触するMEMS共振器。
【請求項5】
請求項4に記載のMEMS共振器であって、前記環状共振器体は、高ヤング率および高降伏応力を持つ材料であるMEMS共振器。
【請求項6】
請求項5に記載のMEMS共振器であって、前記環状共振器体の前記材料は、ポリSi、ポリSiGe、ポリSiC、Al、Cu、AlN、ZnO、およびPZTからなるグループから選択される、MEMS共振器。
【請求項7】
請求項1に記載のMEMS共振器であって、前記環状共振器体は、高ヤング率および高降伏応力を持つ材料であるMEMS共振器。
【請求項8】
請求項7に記載のMEMS共振器であって、前記半導体材料は、Si、SiGe、SiC、Al、Cu、AlN、ZnO、およびPZTからなるグループから選択される、MEMS共振器。
【請求項9】
請求項1に記載のMEMS共振器であって、前記共振器は、レイアウト面積が1cm2より小さいMEMS共振器。
【請求項10】
請求項9に記載のMEMS共振器であって、前記共振器はVHF、UHF、およびSHF周波数帯における周波数において動作するMEMS共振器。
【請求項11】
請求項10に記載のMEMS共振器であって、前記駆動および検出電極は容量的に前記共振器体に結合されるMEMS共振器。
【請求項12】
請求項11に記載のMEMS共振器であって、前記共振器体は、上部および底部表面を有し、前記上部および底部表面に近接し間隔を置かれた複数の第2駆動電極および前記上部および底部表面に近接し間隔を置かれた複数の第2検出電極をさらに含むMEMS共振器。
【請求項13】
請求項1に記載のMEMS共振器であって、前記駆動および検出電極は容量的に前記共振器体に結合されるMEMS共振器。
【請求項14】
請求項13に記載のMEMS共振器であって、前記共振器はVHF、UHF、およびSHF周波数帯における周波数において動作するMEMS共振器。
【請求項15】
請求項14に記載のMEMS共振器であって、前記共振器は、レイアウト面積が1cm2より小さいMEMS共振器。
【請求項16】
請求項15に記載のMEMS共振器であって、前記環状共振器体は、高ヤング率および高降伏応力を持つ材料であるMEMS共振器。
【請求項17】
請求項16に記載のMEMS共振器であって、前記環状共振器体の前記材料は、ポリSi、ポリSiGe、ポリSiC、Al、Cu、AlN、ZnO、およびPZTからなるグループから選択される、MEMS共振器。
【請求項18】
MEMS共振器回路であって、
a)内側半径および外側半径によって定義される半導体材料の環状共振器体、
b)前記内側半径内に配置され、前記共振器体から間隔を置かれた第1電極、および
c)前記環状共振器体の周りに配置され、前記外側半径から間隔を置かれた第2電極、
d)ある電極に結合されたRF信号入力、
e)前記共振器体に接続されたバイアス電圧端子、および
f)他の電極から出力される信号を受け取るよう結合された検出端子
を備えるMEMS共振器回路。
【請求項19】
請求項18に記載のMEMS共振器回路であって、前記共振器はVHF、UHF、およびSHF周波数帯における周波数において動作するMEMS共振器。
【請求項20】
請求項19に記載のMEMS共振器回路であって、前記回路は、RF送信機/受信機(「トランシーバ」)においてフィルタとして機能するMEMS共振器回路。
【請求項21】
請求項20に記載のMEMS共振器回路であって、前記環状共振器体は、高ヤング率および高降伏応力を持つ材料であるMEMS共振器回路。
【請求項22】
請求項21に記載のMEMS共振器回路であって、前記環状共振器体の前記材料は、ポリSi、ポリSiGe、ポリSiC、Al、Cu、AlN、ZnO、およびPZTからなるグループから選択される、MEMS共振器回路。
【請求項23】
請求項22に記載のMEMS共振器回路であって、さらに支持基板を含み、前記基板は前記共振器回路に結合されたRFトランシーバ集積回路を備える、MEMS共振器回路。
【請求項24】
請求項20に記載のMEMS共振器回路であって、さらに支持基板を含み、前記基板は前記共振器回路に結合されたRFトランシーバ集積回路を備える、MEMS共振器回路。
【請求項25】
MEMS共振器であって、
a)内側半径および外側半径によって定義されるピエゾ抵抗材料の環状共振器体、
b)前記内側半径内に配置され、前記共振器体から間隔を置かれた駆動電極、および
c)前記環状共振器体の表面上に配置され、前記ピエゾ抵抗材料の抵抗の変化を検出する複数の検出電極
を備えるMEMS共振器。
【請求項26】
MEMS共振器において、機械共振周波数に容量的に駆動されえる環状材料を備える共振器体。
【請求項27】
請求項26に記載の共振器体であって、前記材料は、ポリSi、ポリSiGe、ポリSiC、Al、Cu、AlN、ZnO、およびPZTからなるグループから選択される、共振器体。
【請求項28】
請求項27に記載の共振器体であって、前記共振器はVHF、UHF、およびSHF周波数帯における周波数において動作する共振器体。
【請求項1】
MEMS共振器であって、
a)内側半径および外側半径によって定義される環状共振器体、
b)前記内側半径内に配置され、前記共振器体から間隔を置かれた第1電極、および
c)前記環状共振器体の周りに配置され、前記外側半径から間隔を置かれた第2電極
を備え、前記第1電極および前記第2電極は、前記共振器体の駆動および検出を提供するMEMS共振器。
【請求項2】
請求項1に記載のMEMS共振器であって、支持基板および前記電極および共振器体を前記基板上で支持する複数のアンカーをさらに含むMEMS共振器。
【請求項3】
請求項2に記載のMEMS共振器であって、前記基板は集積回路を備え、前記アンカーは、前記駆動電極および前記検出電極を前記集積回路に接続する、MEMS共振器。
【請求項4】
請求項3に記載のMEMS共振器であって、前記共振器体へのそれぞれのアンカーは、第2半径方向モードの高調波励起の下で、前記共振器体が半径方向または接線方向の変位を生じない中立軸に沿って前記共振器体に接触するMEMS共振器。
【請求項5】
請求項4に記載のMEMS共振器であって、前記環状共振器体は、高ヤング率および高降伏応力を持つ材料であるMEMS共振器。
【請求項6】
請求項5に記載のMEMS共振器であって、前記環状共振器体の前記材料は、ポリSi、ポリSiGe、ポリSiC、Al、Cu、AlN、ZnO、およびPZTからなるグループから選択される、MEMS共振器。
【請求項7】
請求項1に記載のMEMS共振器であって、前記環状共振器体は、高ヤング率および高降伏応力を持つ材料であるMEMS共振器。
【請求項8】
請求項7に記載のMEMS共振器であって、前記半導体材料は、Si、SiGe、SiC、Al、Cu、AlN、ZnO、およびPZTからなるグループから選択される、MEMS共振器。
【請求項9】
請求項1に記載のMEMS共振器であって、前記共振器は、レイアウト面積が1cm2より小さいMEMS共振器。
【請求項10】
請求項9に記載のMEMS共振器であって、前記共振器はVHF、UHF、およびSHF周波数帯における周波数において動作するMEMS共振器。
【請求項11】
請求項10に記載のMEMS共振器であって、前記駆動および検出電極は容量的に前記共振器体に結合されるMEMS共振器。
【請求項12】
請求項11に記載のMEMS共振器であって、前記共振器体は、上部および底部表面を有し、前記上部および底部表面に近接し間隔を置かれた複数の第2駆動電極および前記上部および底部表面に近接し間隔を置かれた複数の第2検出電極をさらに含むMEMS共振器。
【請求項13】
請求項1に記載のMEMS共振器であって、前記駆動および検出電極は容量的に前記共振器体に結合されるMEMS共振器。
【請求項14】
請求項13に記載のMEMS共振器であって、前記共振器はVHF、UHF、およびSHF周波数帯における周波数において動作するMEMS共振器。
【請求項15】
請求項14に記載のMEMS共振器であって、前記共振器は、レイアウト面積が1cm2より小さいMEMS共振器。
【請求項16】
請求項15に記載のMEMS共振器であって、前記環状共振器体は、高ヤング率および高降伏応力を持つ材料であるMEMS共振器。
【請求項17】
請求項16に記載のMEMS共振器であって、前記環状共振器体の前記材料は、ポリSi、ポリSiGe、ポリSiC、Al、Cu、AlN、ZnO、およびPZTからなるグループから選択される、MEMS共振器。
【請求項18】
MEMS共振器回路であって、
a)内側半径および外側半径によって定義される半導体材料の環状共振器体、
b)前記内側半径内に配置され、前記共振器体から間隔を置かれた第1電極、および
c)前記環状共振器体の周りに配置され、前記外側半径から間隔を置かれた第2電極、
d)ある電極に結合されたRF信号入力、
e)前記共振器体に接続されたバイアス電圧端子、および
f)他の電極から出力される信号を受け取るよう結合された検出端子
を備えるMEMS共振器回路。
【請求項19】
請求項18に記載のMEMS共振器回路であって、前記共振器はVHF、UHF、およびSHF周波数帯における周波数において動作するMEMS共振器。
【請求項20】
請求項19に記載のMEMS共振器回路であって、前記回路は、RF送信機/受信機(「トランシーバ」)においてフィルタとして機能するMEMS共振器回路。
【請求項21】
請求項20に記載のMEMS共振器回路であって、前記環状共振器体は、高ヤング率および高降伏応力を持つ材料であるMEMS共振器回路。
【請求項22】
請求項21に記載のMEMS共振器回路であって、前記環状共振器体の前記材料は、ポリSi、ポリSiGe、ポリSiC、Al、Cu、AlN、ZnO、およびPZTからなるグループから選択される、MEMS共振器回路。
【請求項23】
請求項22に記載のMEMS共振器回路であって、さらに支持基板を含み、前記基板は前記共振器回路に結合されたRFトランシーバ集積回路を備える、MEMS共振器回路。
【請求項24】
請求項20に記載のMEMS共振器回路であって、さらに支持基板を含み、前記基板は前記共振器回路に結合されたRFトランシーバ集積回路を備える、MEMS共振器回路。
【請求項25】
MEMS共振器であって、
a)内側半径および外側半径によって定義されるピエゾ抵抗材料の環状共振器体、
b)前記内側半径内に配置され、前記共振器体から間隔を置かれた駆動電極、および
c)前記環状共振器体の表面上に配置され、前記ピエゾ抵抗材料の抵抗の変化を検出する複数の検出電極
を備えるMEMS共振器。
【請求項26】
MEMS共振器において、機械共振周波数に容量的に駆動されえる環状材料を備える共振器体。
【請求項27】
請求項26に記載の共振器体であって、前記材料は、ポリSi、ポリSiGe、ポリSiC、Al、Cu、AlN、ZnO、およびPZTからなるグループから選択される、共振器体。
【請求項28】
請求項27に記載の共振器体であって、前記共振器はVHF、UHF、およびSHF周波数帯における周波数において動作する共振器体。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【公表番号】特表2007−503185(P2007−503185A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533276(P2006−533276)
【出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/015967
【国際公開番号】WO2005/001948
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(501035077)ザ・リージェンツ・オブ・ジ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア (6)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/015967
【国際公開番号】WO2005/001948
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(501035077)ザ・リージェンツ・オブ・ジ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア (6)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【Fターム(参考)】
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