説明

MFP機器への代行方式

【課題】 FAX機能を使用する場合にFAX機能のステータスを確認することによる代行機能を構成するMFP機器への代行方式を得る。
【解決手段】 プリンタ機能、FAX機能、HDD機能のいずれかもしくはその組み合わせを選択することができるPDL生成部からPDL入力部201がデータを受け取り、PDL解析部202が受け取ったデータを解析しそのデータが使用する機能を得る。PDL出力部203がネットワークを介してデータをMFPへ転送し、ステータス取得部205が各機能のステータス取得部にステータス取得要求を出し、その結果をまとめる。代行処理部204が、PDL解析部202から得た結果とPDL出力部203が持っている通常転送するアドレスを基に、ステータス取得部205へMFP側のステータス取得を依頼し、その結果に基づきデータ転送するMFPを決定する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MFP機器への代行方式に関し、例えば、ネットワーク・システム管理としてネットワーク・MFP管理を実行するMFP機器への代行方式に関する。なお、ここでのMFPとは、複合機、プリンタ機器、FAX機器、HDD機器を総称したものとする。
【0002】
【従来の技術】従来、MFP機器への代行方式は一般に、PC側からMFPのそれぞれの機能のステータスがSNMPを使用して個々に取得できる方式として構成される。この代行印刷機能は、プリンタに障害があった時に他のプリンタを使用して印刷を行う。なお、この他のプリンタとは、登録してあるプリンタもしくはその時に検索したプリンタからUIを表示してユーザが選択したプリンタもしくは自動的に選択したプリンタである。
【0003】PCからのMFPへ印刷のためにデータ転送する場合、MFPのプリンタ機能がエラー時は、他のMFPを選択・印刷することが可能であった。いわゆるこれは代行機能であり、本実施形態中では、ジョブの途中からの代行機能も含むものとする。
【0004】また、最近PCからMFPへデータを転送する場合、印刷するためではなくFAX機能を使用する場合がある。この時に、従来の代行機能の方式は、MFP内のプリンタ機能のステータスを確認するだけである。
【0005】ネットワーク上のMFPは、プリンタ機能のステータス、FAX機能のステータスをSNMP等を使用して取得できるようになっている。また、PCからMFPへ転送するデータはプリンタ機能を使用するかFAX機能を使用するかを必ず判断できる。このため転送するデータがFAX機能を使用する場合は、MFPのFAX機能のステータスを確認し、代行機能を行う/行わない、の判断を行う。また、代行機能を行う場合に他のMFPを選択する場合も、FAX機能が正常なものを選択する。これにより、MFP用の代行機能を提供する。
【0006】代行機能を行う場合、実際に使用する機能(プリンタまたはFAX)のステータスを確認することにより行われる。このため、FAX機能を使用する場合でも代行機能が可能になる。
【0007】PCからのMFPへ印刷のためにデータ転送する場合、MFPのプリンタ機能がエラー時は、他のMFPを選択・印刷する(以下代行機能とする)ことが、ジョブの途中からの代行機能も含めて可能であった。
【0008】また、最近PCからMFPへデータを転送する場合、印刷するためではなくMFP内のHDDへの蓄積機能を使用する場合がある。この時に、従来の代行機能の方式は、MFP内のプリンタ機能のステータスを確認するだけである。
【0009】ネットワーク上のMFPは、プリンタ機能のステータス、HDDへの蓄積機能のステータスを、SNMP等を使用して取得できるようになっている。また、PCからMFPへ転送するデータは、プリンタ機能を使用するかHDDへの蓄積機能を使用するかを必ず判断できる。
【0010】このため、転送するデータがHDDへの蓄積機能を使用する場合は、MFPのHDDへの蓄積機能のステータスを確認し、代行機能を行う/行わない、の判断を行う。また、代行機能を行う場合に、他のMFPを選択する場合もHDDへの蓄積機能が正常なものを選択する。これにより、MFP用の代行機能を提供する。
【0011】PCからMFPへ転送するデータは、プリンタ機能、FAX機能、HDDへの蓄積機能それぞれに対して使用するかを個別に必ず判断できる。
【0012】このため、転送するデータが使用する機能のデータから取得し、MFP側に対して使用する機能全てのステータスを確認し、全てが正常かそうでないかにより代行機能を行う/行わない、の判断を行う。また、代行機能を行う場合に、他のMFPを選択する場合も使用する機能全てのステータスを確認し、全ての機能が正常なものを選択する。これにより、MFP用の代行機能を提供する。
【0013】本発明と技術分野の類似する先願発明例として、特開平6−35634号公報の「印刷装置」、特開平7−281850号公報の「プリンタシステムおよびプリンタシステムの代替印刷方法」、特開平8−293984号公報の「ファクシミリ装置」、特開平11−53140号公報の「プリンタ」、等がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術では、PCからMFPへデータを転送する場合、印刷するためではなくFAX機能を使用する場合がある。この時に、従来の代行機能の方式は、MFP内のプリンタ機能のステータスを確認するだけであるため、MFP内のFAX機能は正常であっても代行機能が行われることがあった。
【0015】また、PCからMFPへデータを転送する場合、印刷するためではなくMFP内のHDDへの蓄積機能を使用する場合がある。この時に、従来の代行機能の方式は、MFP内のプリンタ機能のステータスを確認するだけであるため、MFP内のHDDへの蓄積機能は正常であっても代行機能が行われることがあった。
【0016】本発明は、FAX機能を使用する場合にFAX機能のステータスを確認することによる代行機能を構成する、MFP機器への代行方式を提供することを目的とする。
【0017】さらに、本発明は、HDDへの蓄積機能を使用する場合はHDDへの蓄積機能のステータスを確認することにより代行機能を構成する、MFP機器への代行方式を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、本発明のMFP機器への代行方式は、プリンタ機能、FAX機能、HDD機能のいずれかもしくはその組み合わせを選択することができるPDL生成部と、PDL生成部からデータを受け取るPDL入力部と、受け取ったデータを解析しそのデータが使用する機能を得るPDL解析部と、ネットワークを介してデータをMFPへ転送する部分であるPDL出力部と、各機能のステータス取得部にステータス取得要求を出し、その結果をまとめる部分であるステータス取得部と、PDL解析部から得た結果とPDL出力部が持っている通常転送するアドレスを元にステータス取得部へMFP側のステータス取得を依頼し、その結果に基づきデータ転送するMFPを決定する部分である代行処理部とを有し、FAX機能を使用する場合にFAX機能のステータスを確認することによる代行機能を構成することを特徴とする。
【0019】また、上記のプリンタ機能のステータスを取得し、テータス取得部へ結果を返すプリンタステータス取得部をさらに有するか、FAX機能のステータスを取得し、送信機能部分のステータスをステータス取得部へ返すFAXステータス取得部を有するか、HDD機能のステータスを取得しステータス取得部へ結果を返すHDDステータス取得部をさらに有するとよい。
【0020】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明によるMFP機器への代行方式の実施の形態を詳細に説明する。図1から図6を参照すると本発明のMFP機器への代行方式の一実施形態が示されている。
【0021】OS:Windowsを使用するパーソナルコンピュータ(PC)1、PC1よりネットワークを介して共有使用できる複数のMFP2、MFP2を使用できる環境において、以下の項目を請求範囲とする。但しここでMFP2とは複合機、プリンタ機器、FAX機器、HDD機器を総称してMFPとする。
【0022】図1のように、複数のパーソナルコンピュータがネットワークを介して複数のMFP2を共用する。なお、各パーソナルコンピュータ1にはネットワークを介して、MFP2の各機能のステータスをみることができる。また、パーソナルコンピュータ上での構成、MFP上での構成を図2に示す。
【0023】(PC側)PDL生成部200は、例えばアプリケーションもしくはプリンタドライバにあたる。PDL生成部では、プリンタ機能、FAX機能、HDD機能のいずれかもしくはその組み合わせを選択することができる。もしくは、各機能専用のPDL生成部がそれぞれの機能毎に存在することもある。
【0024】PDL入力部201は、PDL生成部からデータを受け取る部分である。PDL解析部202は、受け取ったデータを解析しそのデータが使用する機能を得る部分である。
【0025】PDL出力部203は、ネットワークを介してデータをMFPへ転送する部分である。転送するデータは、PDL入力部もしくはPDL解析部から得る。転送するMFPのアドレスは、通常転送するアドレスを保持している。最終的に転送するアドレスは、代行処理部から得る。
【0026】代行処理部204は、PDL解析部から得た結果とPDL出力部が持っている通常転送するアドレスを元にステータス取得部へMFP側のステータス取得を依頼し、その結果に基づきデータ転送するMFPを決定する部分である。ステータス取得部205は、各機能のステータス取得部にステータス取得要求を出し、その結果をまとめる部分である。
【0027】プリンタステータス取得部206は、プリンタ機能のステータスを取得しステータス取得部へ結果を返す。FAXステータス取得部207は、FAX機能のステータスを取得し、送信機能部分のステータスをステータス取得部へ返す。HDDステータス取得部208は、HDD機能のステータスを取得しステータス取得部へ結果を返す。
【0028】(MFP側)MFP側は、プリンタ機能、FAX機能、HDD機能のいずれかもしくは全てを持ち、データ入力部209、データ処理部211、213、215、ステータス出力部210、212、214、216からなる。
【0029】(動作例)一般的な代行印刷処理例を図3に示す。PDL入力部でPDL生成部が生成したデータを受け取る(ステップS1)。データを受け取ると代行処理部はPDL出力部から通常出力するプリンタのアドレスを取得する(ステップS2)。
【0030】代行処理部は、通常出力するプリンタのステータスをステータス取得部へ依頼し得る(ステップS3)。得られたステータスを判断し(ステップS4)、正常なら通常出力するプリンタのアドレスをPDL出力部へセットする(ステップS5)。エラーならすでに登録してあるプリンタもしくはネットワーク上を検索し得られたプリンタから、自動的にもしくはユーザが選択して出力するプリンタを決定し(ステップS6)、アドレスをPDL出力部へセットする(ステップS7)。PDL出力部はアドレスがセットされるとPDLを転送する(ステップS8)。
【0031】(動作例1)動作例1を説明する。処理を図4に示す。PDL入力部でPDL生成部が生成したデータを受け取る(ステップS11)。受け取ったデータをPDL解析部へ渡す。PDL解析部ではPDLを解析し(ステップS12)、プリンタ機能を使用するのかFAX機能を使用するのかを取得する(ステップS13)。
【0032】使用する機能がプリンタの場合は、プリンタ機能のステータスを得る(ステップS14、ステップS15)。使用する機能がFAXの場合は、FAX機能のステータスを得る(ステップS14、ステップS16)。FAX機能には送信、受信があるが、PCからデータを転送してFAX機能を使用する場合は、送信であるので送信機能部分のステータスを抽出する(ステップS17)。
【0033】プリンタ機能もしくはFAX機能のステータスが得られると、ステータスにより正常の場合は(ステップS18、ステップS19)、現在の設定通りデータを転送する(ステップS22)。エラーの場合は、登録してあるMFPもしくはネットワーク上を検索しMFPの候補を得る(ステップS20)。得られた候補のMFPを自動選択もしくはユーザ選択によりデータ転送を行うMFPを決定しアドレスをPDL出力部へセットする(ステップS21)。PDL出力部はアドレスがセットされるとPDLを転送する(ステップS22)。
【0034】(動作例2)動作例2を説明する。処理を図5に示す。PDL入力部でPDL生成部が生成したデータを受け取る(ステップS31)。受け取ったデータをPDL解析部へ渡す(ステップS32)。PDL解析部ではPDLを解析し、プリンタ機能を使用するのかHDD機能を使用するのかを取得する(ステップS33)。
【0035】使用する機能がプリンタの場合は、プリンタ機能のステータスを得る(ステップS34、ステップS35)。使用する機能がHDDの場合は、HDD機能のステータスを得る(ステップS34、ステップS36)。
【0036】プリンタ機能もしくはHDD機能のステータスが得られると、ステータスにより正常の場合は、現在の設定通りデータを転送する(ステップS36、ステップS37、ステップS40)。エラーの場合は、登録してあるMFPもしくはネットワーク上を検索しMFPの候補を得る(ステップS36、ステップS38)。得られた候補のMFPを自動選択もしくはユーザ選択によりデータ転送を行うMFPを決定しアドレスをPDL出力部へセットする(ステップS39)。PDL出力部は、アドレスがセットされるとPDLを転送する(ステップS40)。
【0037】(動作例3)動作例3を説明する。処理手順を図6に示す。PDL入力部でPDL生成部が生成したデータを受け取る(ステップS41)。受け取ったデータをPDL解析部へ渡す。PDL解析部ではPDLを解析し、使用する機能を判断する(ステップS42)。使用する機能それぞれについてステータスを得る(ステップS43)。
【0038】それぞれのステータスが得られると、すべてのステータスが正常か判断し正常の場合は現在の設定通りデータを転送する(ステップS44〜ステップS48、ステップS54)。エラーの場合は、登録してあるMFPもしくはネットワーク上を検索しMFPの候補を得る(ステップS49〜ステップS52)。得られた候補のMFPを自動選択もしくはユーザ選択によりデータ転送を行うMFPを決定し、アドレスをPDL出力部へセットする(ステップS53)。PDL出力部はアドレスがセットされるとPDLを転送する(ステップS54)。
【0039】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明のMFP機器への代行方式は、プリンタ機能、FAX機能、HDD機能のいずれかもしくはその組み合わせを選択し、データを受け取り、受け取ったデータを解析しそのデータが使用する機能を得る。また、ネットワークを介してデータをMFPへ転送する。各機能のステータス取得部にステータス取得要求を出し、その結果をまとめて得た結果と通常転送するアドレスを元にMFP側のステータス取得を依頼し、その結果に基づきデータ転送するMFPを決定する。FAX機能を使用する場合にFAX機能のステータスを確認する。
【0040】代行機能を行う場合、実際に使用する機能(プリンタまたはHDD)のステータスを確認することにより行われる。このため、HDDへの蓄積機能を使用する場合でも代行機能が可能になる。また、MFPでは複数の機能を同時に使用することが可能である。さらに、代行機能を行う場合、実際に使用する機能(プリンタまたはFAX)のステータスを確認することにより行われるため、FAX機能を使用する場合でも代行機能が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMFP機器への代行方式の実施形態が適用されるシステム行成図である。
【図2】パーソナルコンピュータ上での構成、MFP上での構成を示す図である。
【図3】一般的な代行印刷処理例を示すフローチャートである。
【図4】動作例1を示すフローチャートである。
【図5】動作例2を示すフローチャートである。
【図6】動作例3を示すフローチャートである。
【符号の説明】
201 PDL入力部
202 PDL解析部
203 PDL出力部
204 代行処理部
205 ステータス取得部
206 プリンタステータス取得部
207 FAXステータス取得部
208 HDDステータス取得部
209 データ入力部
211、213、215 データ処理部
210、212、214、216 ステータス出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリンタ機能、FAX機能、HDD機能のいずれかもしくはその組み合わせを選択することができるPDL生成部と、前記PDL生成部からデータを受け取るPDL入力部と、前記受け取ったデータを解析しそのデータが使用する機能を得るPDL解析部と、ネットワークを介してデータをMFPへ転送する部分であるPDL出力部と、各機能のステータス取得部にステータス取得要求を出し、その結果をまとめる部分であるステータス取得部と、前記PDL解析部から得た結果と前記PDL出力部が持っている通常転送するアドレスを元に前記ステータス取得部へMFP側のステータス取得を依頼し、その結果に基づきデータ転送するMFPを決定する部分である代行処理部とを有し、前記FAX機能を使用する場合に該FAX機能のステータスを確認することによる代行機能を構成することを特徴とするMFP機器への代行方式。
【請求項2】 前記プリンタ機能のステータスを取得しス前記テータス取得部へ結果を返すプリンタステータス取得部を、さらに有することを特徴とする請求項1記載のMFP機器への代行方式。
【請求項3】 前記FAX機能のステータスを取得し、送信機能部分のステータスを前記ステータス取得部へ返すFAXステータス取得部を、さらに有することを特徴とする請求項1記載のMFP機器への代行方式。
【請求項4】 前記HDD機能のステータスを取得し前記ステータス取得部へ結果を返すHDDステータス取得部を、さらに有することを特徴とする請求項1記載のMFP機器への代行方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2002−215558(P2002−215558A)
【公開日】平成14年8月2日(2002.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−9467(P2001−9467)
【出願日】平成13年1月17日(2001.1.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】