MLCC用導電性ペースト
【課題】 有機物の表面修飾剤で覆われた数nm〜数百nmの粒径範囲で粒径の揃った金属微粒子が分散するMLCC用導電性ペーストを提供する。
【解決手段】 マイクロ波照射による加熱還元処理により生成した有機物系の表面修飾材で表面が覆われたNi微粒子が分散していることを特徴とするMLCC用導電性ペースト。
【解決手段】 マイクロ波照射による加熱還元処理により生成した有機物系の表面修飾材で表面が覆われたNi微粒子が分散していることを特徴とするMLCC用導電性ペースト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属微粒子を用いた導電性ペーストに関し、特に積層セラミックコンデンサ(MLCC)用の導電性ペーストに関する。
【背景技術】
【0002】
導電性ペーストは、プリント基板における電極、配線などの回路形成や層間接合に使用する導電材料として広く知られ、用いられている。そして、近年、プリント基板が組み込まれる電子機器は、高性能化、小型化され、それに伴って、配線回路は狭ピッチ化されて、導電性ペースト内に分散される金属微粒子の粒子径もナノメートルサイズの大きさ(以下、単にナノサイズということもある)のものが求められている。
【0003】
従来、金属微粒子を製造する方法として、気相法と液相法が知られている。気相法は金属粒子の形状及び不純物の制御が比較的容易なことから広く使用されてきたが、粒子の微細化と大量生産の面では不都合があった。一方、液相法は、大量生産に適しており、製造設備の初期投資費用及び製造工程費用が低いという長所がある。
【0004】
最近の液相法によるナノサイズの粒径をもつ金属微粒子の製造方法として、特許文献1に示すものが知られている。この製造技術は、金属塩を溶解した溶液に所定時間マイクロ波を照射することによって、短時間の内にナノサイズの超微粒子を製造するようにしたものである。この方法では、数nm〜10数nmの粒径範囲の金属微粒子を精度よく製造可能であるが、数十nm〜数百nmの粒径範囲の金属粒子を精度よく製造することは困難であった。
【0005】
さらに、有機溶媒中に金属超微粒子を分散させた導電性ペーストとして、例えば特許文献2に示すものが提案されている。特許文献2に示すものは、有機溶媒に金属超微粒子を分散してなる導電性ペーストであって、脂肪酸金属塩またはアルキルスルホン酸金属塩に由来する金属成分から構成された金属コアと、金属コアの周囲を覆う表面修飾剤がその金属塩に由来する有機成分であり、有機溶媒中には、金属塩に由来し、金属超微粒子の合成後に残存する有機成分を含むようにしてある。この方法では、金属コアの周囲を覆う有機成分が金属塩に由来することから、金属コアの周囲を覆う有機成分の種類が制限されるという課題がある。
【特許文献1】特許第3005683号公報
【特許文献2】特開2007−95527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
MLCC用導電性ペーストの内部電極に使用される金属微粒子は、層間剥離やクラック、ワレ等の発生を抑える為に適した粒径がある。例えば、電極膜厚が厚い場合には平均粒径が小さい方が望ましく、電極膜厚が薄い場合には平均粒径が大きい方が望ましい。ところが、従来の製法では、数nm〜数百nmの粒径範囲内において、所定の粒径に精度よく粒径を揃えた金属微粒子を製造することが困難であった。また、金属微粒子の凝縮を抑える表面修飾剤が制限されてしまう問題もあった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑み、有機物の表面修飾剤で覆われた数nm〜数百nmの粒径範囲で粒径の揃った金属微粒子が有機溶媒に分散してなるMLCC用導電性ペーストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために請求項1に記載した本発明は、マイクロ波を照射することによって生成したNi微粒子であって、有機物の表面修飾剤により有機溶媒に高分散していることを特徴とするNi微粒子を用いることを特徴とする。
【0009】
又、請求項2に記載した本発明は、請求項1に記載の発明での有機物の表面修飾剤で覆われたNi微粒子の粒子径(r)が2nm≦r≦300nmであることを特徴とし、請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明でのNi微粒子の粒度分布が粒子径(r)と標準偏差(σ)の比率で、0.01≦σ/r≦0.5の範囲内にあることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項4に記載した発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明でのNi微粒子が、Ni金属塩と還元剤と表面修飾剤とを有機溶媒に溶解させた溶液にマイクロ波照射を行い、Ni金属塩を還元することで均一な粒径を有するNi微粒子を生成する加熱・還元工程と、前記加熱・還元工程にて生成したNi微粒子を洗浄・分離することで有機溶媒からNi微粒子を収集する収集工程と、前記収集工程で収集したNi微粒子を有機溶媒に添加しNi微粒子を混練し、導電性ペーストとする混練工程とからなる製造工程により生成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、有機物の表面修飾剤で表面が覆われた数nm〜数百nmの粒径範囲で粒径の揃ったNi金属微粒子が有機溶媒に分散するMLCC用導電性ペーストを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を発明の実施形態に基づき説明する。
本発明のMLCC用導電性ペーストは、Ni金属塩と還元剤と表面修飾剤とを有機溶媒に溶解させた溶液にマイクロ波照射を行い、Ni金属塩を還元することでNi微粒子を生成する加熱・還元工程と、前記加熱・還元工程にて生成したNi微粒子を洗浄・分離することで有機溶媒からNi収集する収集工程と、前記収集工程で収集したNi微粒子を有機溶媒に添加しNi微粒子が均一となるように混練し、導電性ペーストとする混練工程とからなる製造工程により生成される。
【0013】
そして、加熱・還元工程で用いるNi金属塩としては、有機溶媒に可溶な塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル等が考えられる。
【0014】
また、加熱・還元工程で用いる有機溶媒としては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレグリコール、ヘキシレングリコールまたはブチレングリコール等のアルコール系溶媒やグリコール溶媒を用いることができる。
【0015】
加熱・還元工程で用いる還元剤としては、ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、アミンボラン、亜ニチオン酸、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛、二酸化チオ尿素、次亜リン酸、次亜リン酸アルカリ、ハイドロサルファイト等から選択された1種又はこれらの2種以上を選択して用いることができる。
【0016】
加熱・還元工程で用いる表面修飾剤としては、PVP(ポリビニルピロリドン)、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミドなどの高分子樹脂、分子量としては2,000から10,000が望ましく、ミリスチン酸、デカン酸、カプリル酸、パルミチン酸、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸及びステアリン酸、コール酸 等などの長鎖カルボン酸またはステアリン酸ナトリウムなどの長鎖カルボン酸塩が望ましい。
【0017】
加熱・還元工程でのマイクロ波による加熱は、その照射強度範囲として10W〜2450W、照射時間が1分〜60分の範囲で行うことが好ましい。
【0018】
収集工程では、加熱・還元工程で生成したNi微粒子を遠心分離機により有機溶媒から分離し、その後メタノール等を用いてNi微粒子に付着している不純物を洗い流す。
【0019】
さらに、混練工程で用いる有機溶媒としては、テルピネオール、デカノール、ヘキサノール、メタノール、エタノール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジオール類、グリコール類、ポリオール類などのアルコール類、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのアミン類、ヘキサン、トルエン、キシレン、オクタン、デカン、ウンデカン、テトラデカンなどの炭化水素類、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどのエステル類を用いることができる。
【0020】
本発明の導電性ペーストにおいて、混練するNi微粒子と有機溶媒との重量比率は1:1〜1.1程度である。また、導電性ペーストの物性安定化や品質向上のために、有機バインダーや添加剤を加えることもできる。有機バインダーとしては、例えばエチルセルロースが挙げられる。また、添加剤としては、可塑剤、増粘防止剤、分散剤等が挙げられる。
【0021】
核発生粒子成長過程を通して生成する金属微粒子において、通常の加熱合成では熱伝導ならびに対流による影響により熱勾配が生じ、反応容器壁面と中心とでは粒子の生成・成長に差があるが、マイクロ波加熱では、電磁波の一種であるマイクロ波が被加熱物内に浸透し、誘電損失により発熱する内部加熱により急速な昇温且つ均一に加熱されることから、粒子の生成・成長の差が小さく粒径制御された単分散な金属微粒子が合成できる。
【0022】
そして、本発明が適用しようとするMLCC用の導電性ペーストに使用するNi微粒子では、その粒子径としては平均粒子径が2nm〜300nmの粒径範囲内であることが望ましい。
【0023】
本発明で製造するNi微粒子の粒径は数nm〜数百nmにわたるが、平均粒子径が数nm程度と小さいときは標準偏差の値が小さく、平均粒子径が数百nm程度まで大きくなると標準偏差の値も大きくなり、標準偏差(σ)のみでは粒子径に即した評価ができない。そこで異なる平均粒子径においても粒径分布の評価ができるようにする為に、単位平均粒径に対する標準偏差(σ)を平均粒子径(r)で除するσ/rを使用することとした。
【0024】
以下、研究室段階での実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
100ml石英製丸底フラスコに塩化ニッケル6水和物2.33g(18mmol)とポリビリルピロリドン(PVP)(Mw=10,000)0.4gをエチレングリコール50mlに加えて攪拌・溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム1.36g(36mmol)を添加し400rpmで攪拌した。それを電子レンジ型マイクロ波反応装置(四国計測工業社製、MICRO RANGE−PRO)にてマイクロ波照射により室温から120℃まで45secで急速に加熱したのち、その温度で10min保持した。なお温度の制御は、光ファイバー温度計(安立計器(株)社製「AMOTHTM-5886」)を用いて温度を測定しながらマイクロ波照射出力を制御しながら、反応を行った。得られた反応溶液を冷却した後、久保田製作所社製遠心機(KUBOTA6930)を用いて15,000GによりNi微粒子粉体とエチレングリコール溶媒を分離した。同様に50mlメタノールを用いて洗浄を2回実施し、Ni微粒子粉体と不純物を除去した。得られた黒色粉体を真空乾燥装置で40℃に加熱乾燥して、Ni微粒子粉体を取り出した。
【0026】
(評価結果)
(Ni微粒子の同定)
得られたNi微粒子の同定をX線回折(XRD)(理学電気(株)社製、MultiFlex)により評価した。
X線解析の回折角度(2θ)=44.7°、52.5°、76.6°にそれぞれニッケルの(111)、(200)、(220)面のピークを有することより、得られた粉体が面心立方構造(face-centered cubic(fcc))を有するNi微粒子であることが確認され、ニッケル酸化物は確認されなかった。このX線回折図を図1に表す。
【0027】
(表面修飾剤の量及びNi微粒子の収率)
Ni微粒子に修飾されている表面修飾剤の量は、熱重量測定(島津社製TGA−50)により評価を行った。10mgのNi微粒子を窒素雰囲気下(50ml/min)、昇温速度10℃/minで20℃から600℃まで、操作し、熱重量変化を調べたところ、約24%の重量減少が確認された。
この熱重量測定図を図2に表す。
【0028】
(Ni微粒子形状)
得られたNi微粒子粉体の形状をヘキサン・メタノール溶媒に分散した後、エラスティックカーボン支持体を貼った銅グリッドに滴下し、減圧乾燥したものを透過型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ社製、日立透過型電子顕微鏡H-9000)にて観察した。
観察試料のTEM像を図3に示す。
尚、図3のTEM像より見積もられたNi微粒子の粒径を表1に示す。
【0029】
又、図3のTEM画像より768個カウントし粒径を計測した。粒子径に対する出現頻度を図4に示す。
この結果、平均粒子径(r)が5.6nm、標準偏差(σ)が1.87nmで粒子径に対する標準偏差(σ/r)は0.33であった。
【実施例2】
【0030】
500ml石英製丸底フラスコに硫酸ニッケル六水和物2.37g(9mmol)をエチレングリコール120mlに加えて攪拌・溶解した後、ヒドラジン一水和物2.88g(90mmol)を添加し室温で30min、400rpmで攪拌した。得られた桃色溶液に10mlのイオン交換水に溶解させた水酸化ナトリウム1.5g(37.5mmol)水溶液を滴下したのち10分間室温で攪拌した。それを電子レンジ型マイクロ波反応装置(四国計測工業社製、MICRO RANGE−PRO)にてマイクロ波照射により室温から120℃まで45secで急速に加熱したのち、その温度で30min保持した。得られたNi微粒子粉体は実施例1と同様に洗浄したのち評価を行った。評価結果、X線回折図およびTEM像をそれぞれ表1、図5、図6に示す。
【実施例3】
【0031】
硫酸ニッケル六水和物をステアリン酸ニッケルとして用いた以外は実施例2と同様な方法で行った。評価結果及びTEM像をそれぞれ表1、図7に示す。
【実施例4】
【0032】
500ml石英製丸底フラスコに硫酸ニッケル六水和物2.37g(9mmol)とポリビリルピロリドン(PVP)(Mw=10,000)0.8gをエチレングリコール120mlに加えて攪拌・溶解した後、ヒドラジン一水和物2.88g(90mmol)を添加し室温で30min、400rpmで攪拌した。その後の操作は実施例3と同様な方法で行った。評価結果及びTEM像をそれぞれ表1、図8に示す。
【実施例5】
【0033】
500ml石英製丸底フラスコに硫酸ニッケル六水和物2.37g(9mmol)とコール酸7.35g(18mmol)をエチレングリコール120mlに加えて攪拌・溶解した後、ヒドラジン一水和物2.88g(90mmol)を添加し室温で30min、400rpmで攪拌した。その後の操作は実施例3と同様な方法で行った。評価結果及びTEM像をそれぞれ表1、図9に示す。
【0034】
又、図3のTEM画像より33サンプルを抽出しその粒子径を計測した。粒子径に対する出現頻度を図10に示す。
この結果、平均粒子径(r)が260nm、標準偏差(σ)が33.4nmで粒子径に対する標準偏差(σ/r)は0.13であった。
【0035】
実施例1及び5の粒度分布から、平均粒子径が5nm程度と小さい時には、標準偏差の値は小さいが、平均粒子径が260nm程度まで大きくなると、標準偏差の値も大きくなる。
そこで、単位平均粒径に対する標準偏差を求めると、前記したように、0.33と0.13となる。平均粒子径が260nmで単位平均粒径に対する標準偏差が0.4とすると、260±100nm程度の分布となることから、Ni微粒子の粒度分布が粒子径(r)と標準偏差(σ)の比率で、0.01≦σ/r≦0.5の範囲内にあることが望ましい。
[比較例1]
【0036】
100ml石英製丸底フラスコに塩化ニッケル6水和物2.33g(18mmol)をエチレングリコール50mlに加えて攪拌・溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム1.36g(36mmol)を添加し、70℃のオイルバスにおいて400rpmで30min攪拌した。得られたNi微粒子粉体は実施例1と同様に洗浄したのち評価を行った。評価結果、X線回折図及びTEM像をそれぞれ表1、図11、図12に示す。
【0037】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、積層セラミックコンデンサに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1で得られたNi微粒子でのX線回折図である。
【図2】実施例1で得られたNi微粒子での熱重量測定図である。
【図3】実施例1で得られたNi微粒子でのTEM像である。
【図4】実施例1で得られたNi微粒子での粒子径に対する出現頻度を示すグラフである。
【図5】実施例2で得られたNi微粒子でのX線回折図である。
【図6】実施例2で得られたNi微粒子でのTEM像である。
【図7】実施例3で得られたNi微粒子のTEM像である。
【図8】実施例4で得られたNi微粒子でのTEM像である。
【図9】実施例5で得られたNi微粒子でのTEM像である。
【図10】実施例5で得られたNi微粒子での粒子径に対する出現頻度を示すグラフである。
【図11】比較例で得られたNi微粒子でのX線回折図である。
【図12】比較例で得られたNi微粒子でのTEM像である。
【技術分野】
【0001】
本発明は金属微粒子を用いた導電性ペーストに関し、特に積層セラミックコンデンサ(MLCC)用の導電性ペーストに関する。
【背景技術】
【0002】
導電性ペーストは、プリント基板における電極、配線などの回路形成や層間接合に使用する導電材料として広く知られ、用いられている。そして、近年、プリント基板が組み込まれる電子機器は、高性能化、小型化され、それに伴って、配線回路は狭ピッチ化されて、導電性ペースト内に分散される金属微粒子の粒子径もナノメートルサイズの大きさ(以下、単にナノサイズということもある)のものが求められている。
【0003】
従来、金属微粒子を製造する方法として、気相法と液相法が知られている。気相法は金属粒子の形状及び不純物の制御が比較的容易なことから広く使用されてきたが、粒子の微細化と大量生産の面では不都合があった。一方、液相法は、大量生産に適しており、製造設備の初期投資費用及び製造工程費用が低いという長所がある。
【0004】
最近の液相法によるナノサイズの粒径をもつ金属微粒子の製造方法として、特許文献1に示すものが知られている。この製造技術は、金属塩を溶解した溶液に所定時間マイクロ波を照射することによって、短時間の内にナノサイズの超微粒子を製造するようにしたものである。この方法では、数nm〜10数nmの粒径範囲の金属微粒子を精度よく製造可能であるが、数十nm〜数百nmの粒径範囲の金属粒子を精度よく製造することは困難であった。
【0005】
さらに、有機溶媒中に金属超微粒子を分散させた導電性ペーストとして、例えば特許文献2に示すものが提案されている。特許文献2に示すものは、有機溶媒に金属超微粒子を分散してなる導電性ペーストであって、脂肪酸金属塩またはアルキルスルホン酸金属塩に由来する金属成分から構成された金属コアと、金属コアの周囲を覆う表面修飾剤がその金属塩に由来する有機成分であり、有機溶媒中には、金属塩に由来し、金属超微粒子の合成後に残存する有機成分を含むようにしてある。この方法では、金属コアの周囲を覆う有機成分が金属塩に由来することから、金属コアの周囲を覆う有機成分の種類が制限されるという課題がある。
【特許文献1】特許第3005683号公報
【特許文献2】特開2007−95527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
MLCC用導電性ペーストの内部電極に使用される金属微粒子は、層間剥離やクラック、ワレ等の発生を抑える為に適した粒径がある。例えば、電極膜厚が厚い場合には平均粒径が小さい方が望ましく、電極膜厚が薄い場合には平均粒径が大きい方が望ましい。ところが、従来の製法では、数nm〜数百nmの粒径範囲内において、所定の粒径に精度よく粒径を揃えた金属微粒子を製造することが困難であった。また、金属微粒子の凝縮を抑える表面修飾剤が制限されてしまう問題もあった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑み、有機物の表面修飾剤で覆われた数nm〜数百nmの粒径範囲で粒径の揃った金属微粒子が有機溶媒に分散してなるMLCC用導電性ペーストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために請求項1に記載した本発明は、マイクロ波を照射することによって生成したNi微粒子であって、有機物の表面修飾剤により有機溶媒に高分散していることを特徴とするNi微粒子を用いることを特徴とする。
【0009】
又、請求項2に記載した本発明は、請求項1に記載の発明での有機物の表面修飾剤で覆われたNi微粒子の粒子径(r)が2nm≦r≦300nmであることを特徴とし、請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明でのNi微粒子の粒度分布が粒子径(r)と標準偏差(σ)の比率で、0.01≦σ/r≦0.5の範囲内にあることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項4に記載した発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明でのNi微粒子が、Ni金属塩と還元剤と表面修飾剤とを有機溶媒に溶解させた溶液にマイクロ波照射を行い、Ni金属塩を還元することで均一な粒径を有するNi微粒子を生成する加熱・還元工程と、前記加熱・還元工程にて生成したNi微粒子を洗浄・分離することで有機溶媒からNi微粒子を収集する収集工程と、前記収集工程で収集したNi微粒子を有機溶媒に添加しNi微粒子を混練し、導電性ペーストとする混練工程とからなる製造工程により生成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、有機物の表面修飾剤で表面が覆われた数nm〜数百nmの粒径範囲で粒径の揃ったNi金属微粒子が有機溶媒に分散するMLCC用導電性ペーストを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を発明の実施形態に基づき説明する。
本発明のMLCC用導電性ペーストは、Ni金属塩と還元剤と表面修飾剤とを有機溶媒に溶解させた溶液にマイクロ波照射を行い、Ni金属塩を還元することでNi微粒子を生成する加熱・還元工程と、前記加熱・還元工程にて生成したNi微粒子を洗浄・分離することで有機溶媒からNi収集する収集工程と、前記収集工程で収集したNi微粒子を有機溶媒に添加しNi微粒子が均一となるように混練し、導電性ペーストとする混練工程とからなる製造工程により生成される。
【0013】
そして、加熱・還元工程で用いるNi金属塩としては、有機溶媒に可溶な塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル等が考えられる。
【0014】
また、加熱・還元工程で用いる有機溶媒としては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレグリコール、ヘキシレングリコールまたはブチレングリコール等のアルコール系溶媒やグリコール溶媒を用いることができる。
【0015】
加熱・還元工程で用いる還元剤としては、ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、アミンボラン、亜ニチオン酸、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛、二酸化チオ尿素、次亜リン酸、次亜リン酸アルカリ、ハイドロサルファイト等から選択された1種又はこれらの2種以上を選択して用いることができる。
【0016】
加熱・還元工程で用いる表面修飾剤としては、PVP(ポリビニルピロリドン)、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミドなどの高分子樹脂、分子量としては2,000から10,000が望ましく、ミリスチン酸、デカン酸、カプリル酸、パルミチン酸、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸及びステアリン酸、コール酸 等などの長鎖カルボン酸またはステアリン酸ナトリウムなどの長鎖カルボン酸塩が望ましい。
【0017】
加熱・還元工程でのマイクロ波による加熱は、その照射強度範囲として10W〜2450W、照射時間が1分〜60分の範囲で行うことが好ましい。
【0018】
収集工程では、加熱・還元工程で生成したNi微粒子を遠心分離機により有機溶媒から分離し、その後メタノール等を用いてNi微粒子に付着している不純物を洗い流す。
【0019】
さらに、混練工程で用いる有機溶媒としては、テルピネオール、デカノール、ヘキサノール、メタノール、エタノール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジオール類、グリコール類、ポリオール類などのアルコール類、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのアミン類、ヘキサン、トルエン、キシレン、オクタン、デカン、ウンデカン、テトラデカンなどの炭化水素類、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどのエステル類を用いることができる。
【0020】
本発明の導電性ペーストにおいて、混練するNi微粒子と有機溶媒との重量比率は1:1〜1.1程度である。また、導電性ペーストの物性安定化や品質向上のために、有機バインダーや添加剤を加えることもできる。有機バインダーとしては、例えばエチルセルロースが挙げられる。また、添加剤としては、可塑剤、増粘防止剤、分散剤等が挙げられる。
【0021】
核発生粒子成長過程を通して生成する金属微粒子において、通常の加熱合成では熱伝導ならびに対流による影響により熱勾配が生じ、反応容器壁面と中心とでは粒子の生成・成長に差があるが、マイクロ波加熱では、電磁波の一種であるマイクロ波が被加熱物内に浸透し、誘電損失により発熱する内部加熱により急速な昇温且つ均一に加熱されることから、粒子の生成・成長の差が小さく粒径制御された単分散な金属微粒子が合成できる。
【0022】
そして、本発明が適用しようとするMLCC用の導電性ペーストに使用するNi微粒子では、その粒子径としては平均粒子径が2nm〜300nmの粒径範囲内であることが望ましい。
【0023】
本発明で製造するNi微粒子の粒径は数nm〜数百nmにわたるが、平均粒子径が数nm程度と小さいときは標準偏差の値が小さく、平均粒子径が数百nm程度まで大きくなると標準偏差の値も大きくなり、標準偏差(σ)のみでは粒子径に即した評価ができない。そこで異なる平均粒子径においても粒径分布の評価ができるようにする為に、単位平均粒径に対する標準偏差(σ)を平均粒子径(r)で除するσ/rを使用することとした。
【0024】
以下、研究室段階での実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
100ml石英製丸底フラスコに塩化ニッケル6水和物2.33g(18mmol)とポリビリルピロリドン(PVP)(Mw=10,000)0.4gをエチレングリコール50mlに加えて攪拌・溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム1.36g(36mmol)を添加し400rpmで攪拌した。それを電子レンジ型マイクロ波反応装置(四国計測工業社製、MICRO RANGE−PRO)にてマイクロ波照射により室温から120℃まで45secで急速に加熱したのち、その温度で10min保持した。なお温度の制御は、光ファイバー温度計(安立計器(株)社製「AMOTHTM-5886」)を用いて温度を測定しながらマイクロ波照射出力を制御しながら、反応を行った。得られた反応溶液を冷却した後、久保田製作所社製遠心機(KUBOTA6930)を用いて15,000GによりNi微粒子粉体とエチレングリコール溶媒を分離した。同様に50mlメタノールを用いて洗浄を2回実施し、Ni微粒子粉体と不純物を除去した。得られた黒色粉体を真空乾燥装置で40℃に加熱乾燥して、Ni微粒子粉体を取り出した。
【0026】
(評価結果)
(Ni微粒子の同定)
得られたNi微粒子の同定をX線回折(XRD)(理学電気(株)社製、MultiFlex)により評価した。
X線解析の回折角度(2θ)=44.7°、52.5°、76.6°にそれぞれニッケルの(111)、(200)、(220)面のピークを有することより、得られた粉体が面心立方構造(face-centered cubic(fcc))を有するNi微粒子であることが確認され、ニッケル酸化物は確認されなかった。このX線回折図を図1に表す。
【0027】
(表面修飾剤の量及びNi微粒子の収率)
Ni微粒子に修飾されている表面修飾剤の量は、熱重量測定(島津社製TGA−50)により評価を行った。10mgのNi微粒子を窒素雰囲気下(50ml/min)、昇温速度10℃/minで20℃から600℃まで、操作し、熱重量変化を調べたところ、約24%の重量減少が確認された。
この熱重量測定図を図2に表す。
【0028】
(Ni微粒子形状)
得られたNi微粒子粉体の形状をヘキサン・メタノール溶媒に分散した後、エラスティックカーボン支持体を貼った銅グリッドに滴下し、減圧乾燥したものを透過型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ社製、日立透過型電子顕微鏡H-9000)にて観察した。
観察試料のTEM像を図3に示す。
尚、図3のTEM像より見積もられたNi微粒子の粒径を表1に示す。
【0029】
又、図3のTEM画像より768個カウントし粒径を計測した。粒子径に対する出現頻度を図4に示す。
この結果、平均粒子径(r)が5.6nm、標準偏差(σ)が1.87nmで粒子径に対する標準偏差(σ/r)は0.33であった。
【実施例2】
【0030】
500ml石英製丸底フラスコに硫酸ニッケル六水和物2.37g(9mmol)をエチレングリコール120mlに加えて攪拌・溶解した後、ヒドラジン一水和物2.88g(90mmol)を添加し室温で30min、400rpmで攪拌した。得られた桃色溶液に10mlのイオン交換水に溶解させた水酸化ナトリウム1.5g(37.5mmol)水溶液を滴下したのち10分間室温で攪拌した。それを電子レンジ型マイクロ波反応装置(四国計測工業社製、MICRO RANGE−PRO)にてマイクロ波照射により室温から120℃まで45secで急速に加熱したのち、その温度で30min保持した。得られたNi微粒子粉体は実施例1と同様に洗浄したのち評価を行った。評価結果、X線回折図およびTEM像をそれぞれ表1、図5、図6に示す。
【実施例3】
【0031】
硫酸ニッケル六水和物をステアリン酸ニッケルとして用いた以外は実施例2と同様な方法で行った。評価結果及びTEM像をそれぞれ表1、図7に示す。
【実施例4】
【0032】
500ml石英製丸底フラスコに硫酸ニッケル六水和物2.37g(9mmol)とポリビリルピロリドン(PVP)(Mw=10,000)0.8gをエチレングリコール120mlに加えて攪拌・溶解した後、ヒドラジン一水和物2.88g(90mmol)を添加し室温で30min、400rpmで攪拌した。その後の操作は実施例3と同様な方法で行った。評価結果及びTEM像をそれぞれ表1、図8に示す。
【実施例5】
【0033】
500ml石英製丸底フラスコに硫酸ニッケル六水和物2.37g(9mmol)とコール酸7.35g(18mmol)をエチレングリコール120mlに加えて攪拌・溶解した後、ヒドラジン一水和物2.88g(90mmol)を添加し室温で30min、400rpmで攪拌した。その後の操作は実施例3と同様な方法で行った。評価結果及びTEM像をそれぞれ表1、図9に示す。
【0034】
又、図3のTEM画像より33サンプルを抽出しその粒子径を計測した。粒子径に対する出現頻度を図10に示す。
この結果、平均粒子径(r)が260nm、標準偏差(σ)が33.4nmで粒子径に対する標準偏差(σ/r)は0.13であった。
【0035】
実施例1及び5の粒度分布から、平均粒子径が5nm程度と小さい時には、標準偏差の値は小さいが、平均粒子径が260nm程度まで大きくなると、標準偏差の値も大きくなる。
そこで、単位平均粒径に対する標準偏差を求めると、前記したように、0.33と0.13となる。平均粒子径が260nmで単位平均粒径に対する標準偏差が0.4とすると、260±100nm程度の分布となることから、Ni微粒子の粒度分布が粒子径(r)と標準偏差(σ)の比率で、0.01≦σ/r≦0.5の範囲内にあることが望ましい。
[比較例1]
【0036】
100ml石英製丸底フラスコに塩化ニッケル6水和物2.33g(18mmol)をエチレングリコール50mlに加えて攪拌・溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム1.36g(36mmol)を添加し、70℃のオイルバスにおいて400rpmで30min攪拌した。得られたNi微粒子粉体は実施例1と同様に洗浄したのち評価を行った。評価結果、X線回折図及びTEM像をそれぞれ表1、図11、図12に示す。
【0037】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、積層セラミックコンデンサに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1で得られたNi微粒子でのX線回折図である。
【図2】実施例1で得られたNi微粒子での熱重量測定図である。
【図3】実施例1で得られたNi微粒子でのTEM像である。
【図4】実施例1で得られたNi微粒子での粒子径に対する出現頻度を示すグラフである。
【図5】実施例2で得られたNi微粒子でのX線回折図である。
【図6】実施例2で得られたNi微粒子でのTEM像である。
【図7】実施例3で得られたNi微粒子のTEM像である。
【図8】実施例4で得られたNi微粒子でのTEM像である。
【図9】実施例5で得られたNi微粒子でのTEM像である。
【図10】実施例5で得られたNi微粒子での粒子径に対する出現頻度を示すグラフである。
【図11】比較例で得られたNi微粒子でのX線回折図である。
【図12】比較例で得られたNi微粒子でのTEM像である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波を照射することによって生成したNi微粒子であって、有機物の表面修飾剤により有機溶媒に高分散していることを特徴とするNi微粒子を用いることを特徴とするMLCC用導電性ペースト。
【請求項2】
Ni微粒子の粒子径(r)が2nm≦r≦300nmである請求項1に記載したMLCC用導電性ペースト。
【請求項3】
Ni微粒子の粒度分布が粒子径(r)と標準偏差(σ)の比率で、0.01≦σ/r≦0.5の範囲内にある請求項1又は2に記載したMLCC用導電性ペースト。
【請求項4】
Ni微粒子が、以下の3つの工程により生成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載したMLCC用導電ペースト。
a.Ni金属塩と還元剤と表面修飾剤とを有機溶媒に溶解させた溶液にマイクロ波照射を行い、Ni金属塩を還元することで均一な粒径を有するNi微粒子を生成する加熱・還元工程。、
b.前記加熱・還元工程にて生成したNi微粒子を洗浄・分離することで有機溶媒からNi微粒子を収集する収集工程。
c.前記収集工程で収集したNi微粒子を有機溶媒に添加しNi微粒子を混練し、導電性ペーストとする混練工程。
【請求項1】
マイクロ波を照射することによって生成したNi微粒子であって、有機物の表面修飾剤により有機溶媒に高分散していることを特徴とするNi微粒子を用いることを特徴とするMLCC用導電性ペースト。
【請求項2】
Ni微粒子の粒子径(r)が2nm≦r≦300nmである請求項1に記載したMLCC用導電性ペースト。
【請求項3】
Ni微粒子の粒度分布が粒子径(r)と標準偏差(σ)の比率で、0.01≦σ/r≦0.5の範囲内にある請求項1又は2に記載したMLCC用導電性ペースト。
【請求項4】
Ni微粒子が、以下の3つの工程により生成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載したMLCC用導電ペースト。
a.Ni金属塩と還元剤と表面修飾剤とを有機溶媒に溶解させた溶液にマイクロ波照射を行い、Ni金属塩を還元することで均一な粒径を有するNi微粒子を生成する加熱・還元工程。、
b.前記加熱・還元工程にて生成したNi微粒子を洗浄・分離することで有機溶媒からNi微粒子を収集する収集工程。
c.前記収集工程で収集したNi微粒子を有機溶媒に添加しNi微粒子を混練し、導電性ペーストとする混練工程。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図10】
【図11】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【図2】
【図4】
【図5】
【図10】
【図11】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【公開番号】特開2009−64603(P2009−64603A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229759(P2007−229759)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000158312)岩谷産業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000158312)岩谷産業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]