説明

MRP3発現促進剤およびその使用方法

【課題】本発明はMRP3の発現を促進し、それを通じた解毒方法、グルクロン酸抱合体及び非抱合型有機アニオン系化合物排出促進方法、化合物排泄促進方法、並びにそれらに用いられる薬剤、食品、及び機能性食品を提供することを目的とする。
【解決手段】DHAを有効成分として含有する薬剤、食品、又は機能性食品を調製し、ヒト又はヒト以外の脊椎動物に投与することによって、生体組織におけるMRP3の発現を増強することができる。MRP3は、肝細胞の血管側に発現し、肝細胞内に存在する生体異物を肝細胞から血中へ排出する機能を有するので、これらの薬剤、食品、又は機能性食品を、生体内の異物に対して解毒するための解毒方法、グルクロン酸抱合体及び非抱合型有機アニオン系化合物排出促進方法、化合物排泄促進方法に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DHAを含有するMRP3発現促進剤およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肝臓における生体異物の解毒・排出は、P450酵素による代謝、抱合体形成による代謝、そして、膜輸送タンパク質による排出からなる。膜輸送タンパク質は、生体異物を振り分け、血中及び胆汁中に排出する。そのため、予想に反して生体に吸収された異物を除去する方法としては、例えば、強制的に利尿させたり、血液浄化を施行したりする方法がある。
【0003】
しかし、強制利尿法は、尿中に排出される異物に対して有効な方法であるため、尿中に排泄しない異物は除去することができず、たとえ強制利尿法を施行することが可能な場合でも、1時間に数百mlもの輸液を被験体へ投与し利尿を誘発させるため、体内の水分や電解質のバランスを厳重に監視することが必要となる。また、血液浄化法は、血中の異物を体外循環によって除去する方法で、血液透析、持続血液濾過、血液潅流、血漿交換などの方法があるが、いずれも血中に異物が存在しなければ所望の異物を除去することができない。
【0004】
現在、生体から異物を除去する方法としては、上記の方法を利用しているが、摂取した異物は、必ずしも血中に留まるとは限らず、組織へ移行する可能性もあるため、上記以外の方法を用いて、生体から異物を除去し得る手法を開発する必要性があった。
【0005】
従来、肝臓における解毒作用に関与する分子として、MRP3が知られていた。MRP3は、腎臓、腸、膵臓及び肝臓等の組織に発現しているタンパク質であり、例えば、小腸においては、小腸細胞の基底側面部に発現して胆汁酸の腸肝循環に関与し(例えば、非特許文献1参照)、肝臓においては、肝細胞の類洞側の膜に存在し、解毒作用に関与すると考えられている(例えば、非特許文献2、非特許文献3参照)。実際に、最近、抗癌剤、胆汁酸、グルクロン酸抱合物、モルヒネ化合物等との親和性が高いことが明らかにされ、これらの物質の膜内外の輸送に関わることが示唆されている(例えば、非特許文献4参照)。
【非特許文献1】Inouchi A, et al., JBC 276, 46822-46829, 2001
【非特許文献2】Ishikawa T Trends Biochem Sci 17, 463-468, 1992
【非特許文献3】鈴木洋史,ABCトランスポーター −生体防御のABC 遺伝子から疾患まで, p46-59,2002年2月20日 初版第1刷発行
【非特許文献4】Zelcer N, et al. PNAS 102, 7274-7279, 2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、MRP3の発現を促進し、それを通じて、生体内の異物に対して解毒するための解毒方法、グルクロン酸抱合体及び非抱合型有機アニオン系化合物排出促進方法、化合物排泄促進方法、ならびにそれらに用いられる薬剤、食品、及び機能性食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のMRP3発現促進剤、解毒剤、化合物排出促進剤、及び化合物排泄促進剤はDHAを有効成分として含有する。
【0008】
本発明の機能性食品は、DHAを有効成分として含有し、解毒作用を有する。なお、機能性食品とは、保健機能の用途を有する食品のことをいい、保健機能食品を含むが、これに限定されない。
【0009】
本発明の食品は、DHAを有効成分として含有し、解毒作用を有し、解毒のために用いられるものである旨の表示を付した食品である。
【0010】
本発明のMRP3発現促進方法、生体異物の解毒方法、グルクロン酸抱合体または非抱合型有機アニオン系化合物排出促進方法、化合物排泄促進方法は、ヒトまたはヒト以外の脊椎動物において、DHAを投与することを特徴とする。前記生体異物が、重金属、毒物または薬物であってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、MRP3の発現を促進し、それを通じて、生体内の異物に対して解毒するための解毒方法、グルクロン酸抱合体及び非抱合型有機アニオン系化合物排出促進方法、化合物排泄促進方法、ならびにそれらに用いられる薬剤、食品、及び機能性食品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態において実施例を挙げながら具体的かつ詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】
実施の形態及び実施例に特に説明がない場合には、J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (Ed.), Molecular cloning, a laboratory manual (3rd edition), Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (2001); F. M. Ausubel, R. Brent, R. E. Kingston, D. D. Moore, J.G. Seidman, J. A. Smith, K. Struhl (Ed.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Ltd.などの標準的なプロトコール集に記載の方法、あるいはそれを修飾したり、改変した方法を用いる。また、市販の試薬キットや測定装置を用いる場合には、特に説明が無い場合、それらに添付のプロトコールを用いる。
【0014】
なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図ならびに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々に修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
【0015】
==DHAの薬理作用==
MRP3は、腎臓、腸、膵臓及び肝臓等の組織に発現しているタンパク質であり、上述したように肝細胞の類洞側に発現し、タウコール酸などの胆汁酸、ビリルビンなどの胆汁色素、グルクロン酸抱合体及び非抱合型有機アニオン系化合物を優先的に血中へ排出する。一方、発明者らが見出したように、DHAの摂取はMRP3の発現を上昇させる。従って、DHAを有効成分として含有する薬剤は、MRP3発現促進剤として有用である。
【0016】
このMRP3の発現は閉塞性黄疸発症時において増強し、MRP3が肝臓から血中へのビリルビン排出を促進することが知られている(Shoda J.et al, The expression levels of plasma membrane transporters in the cholestatic liver of patients undergoing biliary drainage and their association with the impairment of biliary secretory function., Am J Gastroenterol, 96, 3368-78, 2001)。また、MRP3が発現誘導を受けたラットでは、肝臓からのタウコール酸の血液側への排出が亢進していることが観察されている(Suzuki H. et al., Hepatocellular extrusion of bile acids by ABC transporters. Biology of bile acids in health and disease, van Berge henegouwen GP et al. eds., p. 105-109, 2001)。
【0017】
MRP3はグルクロン酸抱合体および非抱合型有機アニオン系化合物を良好な基質とするため、MRP3の発現を促進させれば、グルクロン酸抱合体(例えば、モルヒネ、ビリルビン)や非抱合型有機アニオン系化合物(例えば、メトトレキサート)の血中への排出を促進させることができる。
【0018】
一方、生体は、解毒作用を有し、抱合体を形成した胆汁色素や胆汁酸などの胆汁の構成成分や、グルクロン酸抱合体及び非抱合型有機アニオン系化合物等の薬物や有毒物が血液中に入ると、腎臓を通して、体外に排泄する。従って、DHAの摂取により、これらの化合物の血中への排出が促進されると、結果的に体外への排泄も促進されることになる。従って、DHAを有効成分として含有する薬剤は、胆汁色素や胆汁酸などの胆汁の構成成分や、肝細胞内のグルクロン酸抱合体または非抱合型有機アニオン系化合物の体外への排泄を促進する化合物排泄促進剤や解毒剤として有用である。
【0019】
例えば、DHAを有効成分として含有する解毒剤を薬物性肝障害やアルコール性肝障害の患者に対して投与すると、肝臓からの生体異物の排出が促進されるので、症状憎悪因子の除去を促進することができる。ここで、解毒剤とは、必ずしも有害物質を除去する薬剤だけではなく、重金属または薬物など、生物体にとって異物となる生体異物を除去する薬剤を広く意味する。
【0020】
本発明の薬剤の投与量は、年齢、体重、適応症または投与・摂取経路によって異なるが、上記作用が発揮でき、かつ、生じる副作用が許容し得る範囲内であれば特に限定されない。
【0021】
==DHAを含有する薬剤==
本発明の薬剤に含有するDHAは、公知の方法を用いて製造することができる。
また、DHAを有効成分として含有する薬剤に用いられ得る薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質を用いてもよく、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤、あるいは液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤および無痛化剤等を含有してもよい。さらに必要に応じて、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量含有してもよい。また、剤形としては、経口剤は、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、シロップ剤、徐放性錠・カプセル・顆粒剤、カシュー剤、咀嚼錠剤またはドロップ剤等が、注射剤は、例えば、溶液性注射剤、乳濁性注射剤、または、固形注射剤等が挙げられる。
【0022】
==DHAを含有する食品または機能性食品==
上記薬理作用より、DHAを含有する食品または機能性食品は、体内の解毒について有効に作用し、ヒト及びヒト以外の脊椎動物に対し、DHAを有効成分として含有する食品または機能性食品を与えることは、体内の解毒を可能にする。ここで、食品または機能性食品は、DHAを高濃度含有する飲食品(例えば、精製魚油等)であることが好ましい。また、これらの食品または機能性食品には、体内の解毒のために用いられるものである旨の表示を付しておくことが好ましい。
【0023】
DHAを含有する食品または機能性食品が経口から摂取される場合は、固形状または液状等の任意の形態で構わないが、経鼻投与する場合は、液状化されていることが好ましい。
【0024】
なお、本発明の食品または機能性食品の投与量は、年齢、体重、適応症または投与・摂取経路によって異なるが、体内の解毒作用が発揮でき、かつ、生じる副作用が許容し得る範囲内であれば特に限定されない。
【0025】
==他の実施形態==
本発明の薬剤、食品、または機能性食品に含有しているDHAは、過酸化脂質・フリーラジカルを生成しやすく、またそれ自身フリーラジカルになりやすい物質であるため、本発明の薬剤、食品、または機能性食品に抗酸化薬を併用させてもよい。ここで、抗酸化薬としては、例えば、アロプリノール、オキシプリノール、インドメサシン、α−トコフェロール(ビタミンE)、コエンザイムQ、又はアスコルビン酸(ビタミンC)等が挙げられる。
【0026】
また、本発明の薬剤、食品、または機能性食品の投与・摂取を、強制利尿法または血液浄化法等の療法と組み合わせてもよい。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を用いて、以上に説明した実施態様を具体的に説明するが、これは例示であって、本発明をこの実施例に限定するものではない。
【0028】
==動物及びその動物への食餌方法==
本実施例において用いた動物実験は、独立行政法人国立健康・栄養研究所の動物委員会のガイドラインに従った。すなわち、5週齢(体重:100〜124g)Sprague-Dawley 系統雄ラット(日本クレア株式会社(日本、大阪府))を、明暗サイクルを12時間とし、ステンレス製ワイヤーケージ(温度22±1℃、湿度50〜60%)にて、個別に飼育した。
【0029】
DHA含有飼料の調整に用いたDHAは、マグロ眼窩油から精製されたDHAエチルエステル(純度:91.9%)(マルハ株式会社(日本、つくば市))を用いた。DHAの酸化を防止するために、DHA含有飼料は、−20℃で保存したDHAを含有しない飼料と−80℃で保存したDHAを、ラットへ与える直前に混合して調製した。DHA群には、このようにして調製したDHAを含有する飼料を与えたのに対し、コントロールのリノール酸(LA)群には、DHAの代わりにLAを含有する飼料を与えた。各群に与えた食餌中の基礎配合と脂質の配合率は、表1に示す通りである。(米国国立栄養研究所(AIN)から1977年(AIN-76)に発表されたラットを用いた栄養研究のための標準精製飼料(AIN 1977及び1980)に基づく)。なお、DHA群及びLA群の飼料中のビタミンE濃度(RRR−α−トコフェロール等量として)を68mg/kgとした。
【0030】
[表1]

【0031】
まず、ラットに対して基礎飼料(1kgあたり50gの高オレイン酸サフラワー油及び950gの基礎配合を含有する)を5日間与えた後、各群の6匹のラットに対して、表1に示した実験飼料を14日間与えた。なお、各食餌を夕方にラットに与え、翌朝その食餌を取り除いたが、その間ラットには食餌及び水を自由に消費させた。
【0032】
==リアルタイムPCRによるRNAの定量==
ラットに食餌を一晩与えず、翌朝、心臓穿刺によってラットを屠殺した。直ちに解剖して各組織(肝臓、腎臓、及び、心臓)を取り出し、等張の生理食塩水で洗浄し、RNA安定化溶液であるRNAlater (Ambion社、アメリカ、テキサス州)へ移した。
【0033】
TRIZOL試薬(Life technologies社、ロックヴィル、MD、USA)を用いてラットの組織から総RNAを抽出し、これらの総RNAを−80℃にて保存した。総RNAの濃度は、GeneQuant pro(Amersham Biosciences、Piscataway、USA)を用いて測定した。RNAの純度は260/280比で確認したが、全て1.8〜2.0であり、高い純度で抽出されたことがわかった。
【0034】
抽出したRNAに対し、以下のようにRT−PCRを行った。
まず、第1鎖cDNA合成キット(AMV)(Roche Diagnostics社、インディアナ州、USA)を用い、ランダムヘキサマー(random hexamers)を用いて、2μgの総RNAを逆転写させ、40μlのcDNAを合成した。
【0035】
プライマーは、ラットMRP1、MRP2、MRP3、GSTM2、RLIP76、及び、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の各遺伝子のcDNA配列から設計した。用いたプライマーの塩基配列を表2に示す。
【0036】
[表2]

【0037】
Taq DNAポリメラーゼ及びSYBR−Green I デオキシリボヌクレオシド三リン酸(Light Cycler Fast Start DNA master SYBR Green I)を含有するMaster mix(Roche Diagnostics GmbH、Penzberg、ドイツ)を用いて、Light Cycler(Roche Diagnostic GmbH、Mannheim、ドイツ)を用いてリアルタイムPCRを実施した。Master mixにプライマー(最終濃度:0.5μM)、MgCl2(3mM(RLIP76に対しては2mM))、及び、テンプレートDNAを添加後、変性(94℃、10秒)、アニーリング(68℃から58℃へ(−0.5℃/サイクル)、10秒)、及び、伸長(72℃、13秒)を40サイクル実施した。なお、PCR産物は、Light Cycler Software version3.5を用いて、Light Cycler ROCHEプログラムで解析した。なお、MRP1、MRP2、MRP3、GSTM2、及びRLIP76のmRNAレベルは、GAPDH mRNAの濃度で補正して表した。
【0038】
==ウエスタンブロットによるタンパク質の定量==
タンパク質の濃度は、Protein Assay Rapid kit Wako(和光純薬工業株式会社、日本、大阪府)を用いて測定した。
【0039】
30μgの粗タンパク質(MRP1およびMRP2)または50μgの粗タンパク質(MRP3)を7.5%ポリアクリルアミドスラブゲル(ReadyGel J(Bio−Rad Laboratories社、CA、USA))にて分離し、電気的ブロットによってPVDF(polyvibylidene difluoride)メンブレン(Immobilon-P(Millipore Corporation、MA、USA))にトランスファーした。このメンブレンをブロッキングした後、一次抗体(抗MRP1(N-19)(1:10,000希釈)(Santa Cruz Biotechnology社、CA、USA)、抗cMOAT/MRP2 Mab(M2III-6)(1:40希釈)(Alexis、Grunberg、ドイツ)、及び、抗MRP3(C-18)(1:5,000希釈)(Santa Cruz Biotechnology社、CA、USA))と共に、室温で2時間インキュベートした。このメンブレンを洗浄した後、対応するホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)結合型二次抗体(MRP1およびMRP3に対してウサギ抗ヤギIgG(1:10,000希釈)(Sigma-Aldrich、MO、アメリカ)、MRP2に対してヤギ抗マウスIgG(1:40,000希釈)(Sigma-Aldrich、MO、アメリカ)と共に、室温で1時間インキュベートした。発色には、化学発光試薬であるECL Plusウエスタンブロッティング検出システム(Amersham、 Buckinghamshire、イギリス)を用いた。
【0040】
==肝臓組織におけるMRPファミリーのタンパク質およびmRNAの発現==
肝臓におけるMRP1、MRP2及びMRP3の発現をタンパク質レベル及びmRNAレベルで解析した結果を図1に示す。
図1に示すように、MRP1、MRP2の発現レベルは、何れの飼料においても変化しなかったが、MRP3のタンパク質レベル及びmRNAレベルは、LA群に対し、DHA群で増加した。以上の結果より、DHAの投与によってMRP3の発現レベルが上昇することが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施例において、SD系統雄ラットの肝臓における多剤耐性関連タンパク質の発現をタンパク質レベル及びmRNAレベルで解析した結果を示す図である。検定は、スチューデントのt検定を用いた(p<0.05)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドコサヘキサエン酸(DHA)を有効成分として含有するMRP3発現促進剤。
【請求項2】
DHAを有効成分として含有する解毒剤。
【請求項3】
肝細胞内のグルクロン酸抱合体または非抱合型有機アニオン系化合物を血管側へ排出する化合物排出促進剤であって、
DHAを有効成分として含有することを特徴とする化合物排出促進剤。
【請求項4】
肝細胞内のグルクロン酸抱合体または非抱合型有機アニオン系化合物の体外への排泄を促進する化合物排泄促進剤であって、
DHAを有効成分として含有することを特徴とする化合物排泄促進剤。
【請求項5】
DHAを有効成分として含有し、解毒作用を有する機能性食品。
【請求項6】
DHAを有効成分として含有し、解毒作用を有し、解毒のために用いられるものである旨の表示を付した食品。
【請求項7】
ヒト以外の脊椎動物において、該脊椎動物にDHAを投与することを特徴とする、MRP3発現促進方法。
【請求項8】
ヒト以外の脊椎動物において、該脊椎動物にDHAを投与することを特徴とする、生体異物の解毒方法。
【請求項9】
前記生体異物が、重金属、毒物または薬物であることを特徴とする、請求項8に記載の解毒方法。
【請求項10】
ヒト以外の脊椎動物において、肝細胞内のグルクロン酸抱合体または非抱合型有機アニオン系化合物を血管側へ排出する化合物排出促進方法であって、
該脊椎動物にDHAを投与することを特徴とする、化合物排出促進方法。
【請求項11】
ヒト以外の脊椎動物において、肝細胞内のグルクロン酸抱合体または非抱合型有機アニオン系化合物の体外への排泄を促進する化合物排泄促進方法であって、
該脊椎動物にDHAを投与することを特徴とする、化合物排泄促進方法。


【図1】
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【公開番号】特開2006−342117(P2006−342117A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170481(P2005−170481)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年4月1日 日本栄養・食糧学会発行の「第59回 日本栄養・食糧学会大会 講演要旨集」に発表
【出願人】(803000056)財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 (341)
【Fターム(参考)】