説明

N−シアノアルキルチオイミデート誘導体及び有害生物防除剤並びにその使用方法。

【解決手段】 一般式(I)


(式中、Arは同一又は異なっても良くハロゲン原子、ハロ(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルコキシ基等から選択される置換基を有する置換フェニル基等、Arは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ハロ(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルコキシ基等から選択される置換基を有する置換フェニル基等、GはNH、単結合等、Rは水素原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基等、Rは(C−C)アルキル基等、R、R、R及びRは水素原子等、Wは酸素原子等、nは0等)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体及び該誘導体を有効成分とする有害生物防除剤並びにその使用方法。
【効果】 農園芸分野の害虫及び家畜・ペット等に寄生する動物分野の外部寄生虫に対して顕著な防除効果を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はN−シアノアルキルチオイミデート誘導体及び該化合物を有効成分として含有する有害生物防除剤並びにその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ある種のアミノアセトニトリル誘導体が農園芸用殺虫剤や動物用外部寄生虫防除剤等の有害生物防除剤として有用であることが知られている(例えば、特許文献1乃至4参照。)。本願と類似のN−シアノアルキルチオアミドを部分骨格として開示するものとしては、動物用外部寄生虫防除剤として知られるものがある(例えば、特許文献5参照。)。しかし、いずれの文献にも本願の一般式(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート類及びその有害生物防除剤としての生物活性は開示されていない。
【0003】
【特許文献1】特開2000−26392号公報
【特許文献2】国際公開第02/049641号パンフレット
【特許文献3】国際公開第02/060257号パンフレット
【特許文献4】国際公開第02/102155号パンフレット
【特許文献5】国際公開第03/042184号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有害生物、特に農園芸分野における害虫や家畜・ペット分野における外部寄生虫の被害は今なお大きく、既存薬に対する抵抗性害虫又は外部寄生虫の発生等の要因から新規な骨格、作用特性を有する有害生物防除剤の開発が望まれている。又、これから開発される有害生物防除剤には、人畜に対する安全性が高く、より低薬量でも効果を発揮し、環境中で容易に分解し環境負荷が少ない等の性能が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は上記課題を解決する新規な有害生物防除剤を開発すべく、鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体が文献未記載の新規化合物であり、顕著な有害生物防除効果を有することを見出し、本発明を完成させたものである。
【0006】
即ち、本発明は一般式(I)
【化1】

{式中、Ar1はフェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルホニルオキシ基、ハロ(C−C)アルキルスルホニルオキシ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基、同一又は異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基、(C−C)アルキルスルホニルアミノ基、ハロ(C−C)アルキルスルホニルアミノ基、(C−C)アルキルカルボニル基、ハロ(C−C) アルキルカルボニル基、(C−C)アルキルオキシカルボニル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基又はハロ(C−C)アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、
【0007】
フェノキシ基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C) アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基又はハロ(C−C)アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェノキシ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、窒素原子1乃至2個を有する芳香族6員複素環基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1以上の置換基を有する窒素原子1乃至2個を有する置換芳香族6員複素環基を示す。
【0008】
Arはフェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルホニルオキシ基、ハロ(C−C)アルキルスルホニルオキシ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基、同一又は異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基、(C−C)アルキルスルホニルアミノ基、ハロ(C−C)アルキルスルホニルアミノ基、(C−C)アルキルカルボニル基、ハロ(C−C) アルキルカルボニル基、(C−C)アルキルオキシカルボニル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基又はハロ(C−C)アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、
【0009】
フェノキシ基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C) アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基又はハロ(C−C)アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェノキシ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、窒素原子1乃至2個を有する芳香族6員複素環基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C) アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1以上の置換基を有する窒素原子1乃至2個を有する置換芳香族6員複素環基を示す。
【0010】
GはNR(式中、Rは水素原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、ハロ (C−C)アルキニル基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C1−C6)アルキルチオ基、(C−C)アルキルカルボニル基、ハロ(C−C)アルキルカルボニル基、(C−C)アルコキシカルボニル基又ハロ(C−C)アルコキシカルボニル基を示す。)、硫黄原子又は単結合を示す。
は水素原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、シアノ(C−C)アルキル基、(C−C10)アルケニル基、ハロ(C−C10)アルケニル基、(C−C10)アルキニル基、ハロ(C−C10)アルキニル基、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル基、フェニル(C−C)アルキル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニル(C−C)アルキル基、
【0011】
窒素原子1乃至2個を有する芳香族6員複素環 (C−C)アルキル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1以上の置換基を環上に有する窒素原子1乃至2個を有する置換芳香族6員複素環(C−C)アルキル基を示す。
【0012】
は水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル基、フェニル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又はジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を有する置換フェニル基を示し、
、R、R及びRは同一又は異なっても良く、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル基、同一又は異なっても良いハロゲン原子又は (C−C)アルキル基から選択される1以上の置換基を有する置換(C−C)シクロアルキル基、フェニル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基を示し、R及びRは一緒になって(C−C)アルキレン基を形成することもできる。
Wは酸素原子、硫黄原子、SO、N(R)(式中、Rは水素原子又は(C−C)アルキル基を示す。)を示し、nは0又は1〜4の整数を示す。}
で表される新規なN−シアノアルキルチオイミデート誘導体及び該化合物を有効成分とする有害生物防除剤並びにその使用方法に関するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の新規N−シアノアルキルチオイミデート誘導体は、低薬量でも顕著な有害生物防除活性を示し、農園芸用殺虫剤又は動物用外部寄生虫防除剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明一般式(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体の一般式(I)の定義において、「ハロゲン原子」とは塩素原子、臭素原子、沃素原子又はフッ素原子を示し、「(C−C)アルキル基」とは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、「ハロ(C−C)アルキル基」とは、同一又は異なっても良い1以上のハロゲン原子により置換された直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキル基を示し、「(C−C)シクロアルキル基」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の炭素原子3〜6個の環状アルキル基を示す。
「窒素原子1乃至2個を有する芳香族6員複素環基」とは、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基又はピラジニル基を示す。
【0015】
Arとして好ましくは、ハロ(C−C)アルキル基又はハロゲン原子を置換基として有する置換フェニル基であり、具体的には、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等が例示できる。Arとして好ましくは、フェニル基又は置換フェニル基であり、特に好ましくはハロ(C−C)アルキル基又はハロゲン原子を置換基として有する置換フェニル基である。具体的には、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等が例示できる。Gとして好ましくは、NH又は単結合である。
【0016】
として好ましくは、水素原子、(C−C)アルキル基、シアノ(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、 (C−C)アルキニル基、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル基、フェニル(C−C)アルキル基、置換フェニル(C−C)アルキル基、ピリジル(C−C)アルキル基又は置換ピリジル(C−C)アルキル基である。(C−C)アルキル基、シアノ(C−C)アルキル、フェニル(C−C)アルキル基及び置換フェニル(C−C)アルキル基のアルキル基の炭素原子数は1〜3がより好ましい。置換フェニル(C−C)アルキル基の好ましい置換基としては、(C−C)アルキル基又はハロゲン原子であり、例えば、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2,3−ジクロロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基、2−(4−クロロフェニル)エチル基、2−メチルベンジル基、3−エチルベンジル基、1−(4−メチルフェニル)エチル基等が挙げられる。
【0017】
として好ましくは、水素原子又は(C−C)アルキル基であり、より好ましくは (C−C)アルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。R又はRとして好ましくは、水素原子又は(C−C)アルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。Wとして好ましくは酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは酸素原子である。
nとして好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
【0018】
本発明の一般式(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体は、その構造式中に1つ又は複数個の不斉中心に由来する2種以上の光学異性体及びジアステレオマーが存在する場合もあるが、本発明は各々の光学異性体及びジアステレオマーが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。又、本発明の一般式(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体は、その構造式中に炭素−炭素二重結合又は炭素−窒素二重結合に由来する幾何異性体が存在する場合もあるが、本発明は各々の幾何異性体及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。更に、本発明は一般式(I)から考えられうる互変異性体をも全て包含するものである。
【0019】
本発明の一般式は代表構造を示すものであるが、特に断りのある場合を除いて、各々の異性体及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも含むものであり、例えば一般式(I)におけるGがNHの場合、下記式で示される一般式(I−1)又は(I−2)で表される互変異性体を含み、更にRが水素原子の場合は一般式(I−3)で表されるチオウレア構造をも含むものである。
【化2】


同様にGが単結合であり、且つRが水素原子の場合、チオアミド構造をも含み、Gが硫黄原子であり、且つRが水素原子の場合、ジチオカーバメート構造をも含むものである。
【0020】
以下に本発明の代表的な製造方法を図式的に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造方法1. GがNRの場合の製造方法
【化3】

【0021】
(式中、Ar、Ar、R、R、R、R、R、W及びnは前記に同じくし、R’は(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、シアノ(C−C)アルキル基、(C−C10)アルケニル基、ハロ(C−C10)アルケニル基、(C−C10)アルキニル基、ハロ(C−C10)アルキニル基、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル基、フェニル(C−C)アルキル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニル(C−C)アルキル基、
【0022】
窒素原子1乃至2個を有する芳香族6員複素環 (C−C)アルキル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1以上の置換基を環上に有する窒素原子1乃至2個を有する置換芳香族6員複素環(C−C)アルキル基を示し、Lはハロゲン原子、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、p−ブロモベンゼンスルホニル基等の脱離基を示し、Mはリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子等のアルカリ金属原子を示す。)
【0023】
一般式(II)で表されるケトン類をアンモニウム塩の存在下、不活性溶媒の存在下又は不存在下に一般式(III)で表される金属シアン化物と反応させて一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類とした後、該アミノアセトニトリル類を単離し、又は単離せずして不活性溶媒の存在下又は不存在下に一般式(V)で表されるイソチオシアネート類と反応させて本発明化合物である一般式(I−3)で表されるチオウレア類を製造することができる。続いて該チオウレア類を単離し、又は単離せずして塩基の存在下、不活性溶媒の存在下又は不存在下に一般式(VIII)で表される化合物と反応させて本発明化合物である一般式(I−4)で表されるイソチオウレア類とし、該イソチオウレア類を単離し、又は単離せずして塩基の存在下、不活性溶媒の存在下又は不存在下に一般式(IX)で表される化合物と反応させて本発明化合物である一般式(I−5)で表されるイソチオウレア類を製造することができる。
又、一般式(I−3)で表されるチオウレア類は、不活性溶媒の存在下又は不存在下に一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類と一般式(VI)で表されるイソシアネート類とを反応させて一般式(VII)で表されるウレア類とし、該ウレア類を単離し、又は単離せずして、塩基の存在下又は不存在下、不活性溶媒の存在下又は不存在下にローソン試薬と反応させることにより製造することができる。
【0024】
1−1. 一般式(II)→一般式(IV)
本反応で使用できる金属シアン化物としては、例えば、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム等のアルカリ金属シアン化物を使用することができるが、シアン源としてトリメチルシリルシアニド、アセトンシアンヒドリン等の有機シアン化物を使用することもできる。これらシアン化物の使用量は一般式(II)で表されるケトン類に対して0.5倍〜10倍モルの範囲で用いることができるが、好ましくは等モル〜3倍モルの範囲である。アンモニウム塩としては塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩を使用することができ、これらの使用量は金属シアン化物に対して0.5倍〜10倍モルの範囲で用いることができるが、好ましくは等モル〜5倍モルの範囲である。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水、ピリジン等の極性溶媒等を挙げることができる。
【0025】
反応温度は室温〜反応溶媒の沸点域の範囲で適宜選択すれば良い。反応時間は反応スケール、反応温度により一定しないが、1時間〜48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
反応後、目的物である一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類を単離するには、水に溶解する溶媒を用いた場合は、減圧下溶媒を留去し、水を加えた後、水に不溶のベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類等で抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥し、減圧下で溶媒を留去すれば良い。溶媒留去後得られた残渣を必要に応じて再結晶、懸濁洗浄、カラムクロマトグラフィー等で精製することもできる。又、単離せずに次の反応に用いることもできる。
本反応はストレッカー反応として公知の方法であり、公知文献(例えば、Formation of C−C Bonds,Vol. 1,Georg Thieme Publishers,1973、Organic Synthesis,Coll.Vol.3,88等)に準じて反応操作を行えば良い。又、一般式(II) で表されるカルボニル化合物類は、公知の方法、例えば特開2000−26392号公報に開示された製造方法等に準じて製造することができる。
【0026】
1−2. 一般式(IV)→一般式(I−3)
本反応で使用できる塩基としては、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類等を挙げることができる。塩基の使用量は一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類に対して0.8倍〜2倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。又、塩基を使用せずに反応を行うこともできる。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水、ピリジン等の極性溶媒等を挙げることができる。
【0027】
本反応は等モル反応であるので、一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類と一般式(V)で表されるイソチオシアネート類とを等モル反応させれば良いが、どちらかを過剰量用いることもできる。
反応温度は室温〜反応溶媒の沸点域の範囲で適宜選択すれば良い。反応時間は反応スケール、反応温度により一定しないが、1時間〜48時間の範囲で適宜選択すれば良い。反応後、目的物である一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類を単離するには、1−1と同じくすれば良いが、単離せずに次の反応に用いることもできる。一般式(V)で表されるイソチオシアネート類は公知文献(例えば、Organic Synthesis,Coll.Vol.1,844、Organic Synthesis,Coll.Vol.2,323等)に準じて製造でき、又市販品としても購入することもできる。
【0028】
1−3. 一般式(I−3)→一般式(I−4)
本反応で使用できる塩基としては、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類等を挙げることができる。塩基の使用量は一般式(I−3)で表されるチオウレア類に対して0.8倍〜2倍モルの範囲で適宜選択すれば良いが、過剰量用いることが好ましい。
本反応は等モル反応であるので、一般式(I−3)で表されるチオウレア類と一般式(VIII)で表される化合物とを等モル反応させれば良いが、どちらかを過剰量用いることもできる。本反応で使用できる溶媒、反応温度、反応時間、単離方法は1−2に同じである。
【0029】
1−4. 一般式(I−4)→一般式(I−5)
本反応は1−3に同じくすれば良い。
一般式(IV)→一般式(VII)
本反応は1−2に同じくすれば良い。
1−5. 一般式(VII)→一般式(I−3)
本反応は公知文献(例えば、Tetrahedoron,第41巻,5061(1985)記載の方法に準じて行えば良い。
【0030】
製造方法2. Gが単結合の場合の製造方法
【化4】

(式中、Ar、Ar、R’、R、R、R、R、R、W、L及びnは前記に同じくし、Halはハロゲン原子を示す。)
【0031】
一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類と一般式(X)で表される酸ハロゲン化物とを塩基の存在下、不活性溶媒の存在下又は不存在下に反応させて一般式(XI)で表されるアミド類とし、該アミド類を単離又は単離せずして塩基の存在下又は不存在下、不活性溶媒の存在下又は不存在下にローソン試薬と反応させて一般式(I−6)で表される本発明化合物であるチオアミド類とし、該チオアミド類を単離又は単離せずして塩基の存在下、不活性溶媒の存在下又は不存在下に一般式(VIII)で表される化合物と反応させて一般式(I−7)で表される本発明化合物を製造することができる。
2−1. 一般式(IV)→一般式(XI)
本反応は1−2に準じて行えば良い。
2−2. 一般式(XI)→一般式(I−6)
本反応は製造方法1−5に準じて行えば良い。
2−3. 一般式(I−6)→一般式(I−7)
本反応は1−3に準じて行えば良い。
【0032】
製造方法3. Gが硫黄原子の場合の製造方法
【化5】


(式中、Ar、Ar、R’、R、R、R、R、R、M、W、L、Hal及びnは前記に同じ。)
【0033】
一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類を塩基の存在下、式(XII)で表される二硫化炭素と反応させてジチオレートとし、単離することなく一般式(VIII)で表される化合物と反応させて一般式(XIII)で表される化合物とし、該化合物を単離し、又は単離せずして一般式(XIV)で表されるメルカプタン金属塩と反応させて一般式(I−9)で表される本発明化合物を製造することができる。又、反応性の高い一般式(XV)で表されるアリールハライドを用いる場合は、一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類に塩基の存在下二硫化炭素を反応させてジチオレートとし、段階的に置換基を導入することにより一般式(I−8)で表されるジチオカーバメート類又はその塩を経て、一般式(I−9)で表される本発明化合物を製造することができる。
【0034】
3−1. 一般式(IV)→一般式(XIII)
本反応で使用できる塩基としては、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基類等を挙げることができる。塩基の使用量は一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類に対して2倍〜5倍モルの範囲で適宜選択すれば良い。
本反応で使用できる溶媒としては、本反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水、ピリジン等の極性溶媒等を挙げることができる。
本反応においては、一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類に対して、二硫化炭素は等モル〜2倍モルの範囲で、一般式(VIII)で表される化合物は2倍モル〜4倍モルの範囲で適宜選択して使用すれば良い。
反応温度は室温〜反応溶媒の沸点域の範囲で適宜選択すれば良い。反応時間は反応スケール、反応温度により一定しないが、1時間〜48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
反応終了後、目的物を単離するには1−1に同じくすれば良い。
【0035】
3−2. 一般式(XIII)→一般式(I−9)
本反応で使用できる溶媒としては、本反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水、ピリジン等の極性溶媒等を挙げることができるが、メルカプタン金属塩に対する溶解力の高い溶媒、例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドが好ましい。
本反応は等モル反応であるので、一般式(XIII)で表される化合物と一般式(XIV)で表されるメルカプタン金属塩とを等モル反応させれば良いが、どちらかを過剰量用いることもできる。
反応温度は室温〜反応溶媒の沸点域の範囲で適宜選択すれば良い。反応時間は反応スケール、反応温度により一定しないが、1時間〜48時間の範囲で適宜選択すれば良い。
反応終了後、目的物を単離するには1−1に同じくすれば良い。
【0036】
3−3. 一般式(IV)→一般式(I−8)
本反応は一般式(XIII)で表される化合物を一般式(IV)で表されるアミノアセトニトリル類に対して0.8倍モル〜1.2倍モルの範囲で使用する以外は3−1に同じくすれば良い。
3−4. 一般式(I−8)→一般式(I−9)
本反応で使用できる一般式(XV)で表されるアリールハライドとしては、反応性の高いもの、即ち電子吸引性の置換基を環上に有し、ハライドとしてフッ素原子又は塩素原子を有するものが好ましい。塩基、溶媒、反応温度、反応時間、単離方法は3−1に同じくすれば良い。
【0037】
前記製造方法により製造できる本発明の一般式(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体の代表的な化合物を第1表に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、第1表中、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「Pr」はプロピル基を、「Bu」はブチル基を、「CN」はシアノ基を、「Ph」はフェニル基を、「Py」はピリジル基を、「i−」はイソを、「s−」はセカンダリーを、「c−」はシクロを、「−」は単結合を示す。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
【表3】

【0041】
以下に第1表の化合物のうちペースト状化合物の物性を第2表に示す。

【表4】

【0042】
本発明の一般式(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体を有効成分として含有する有害生物防除剤は、農園芸用殺虫剤又は動物用外部寄生虫防除剤として有用である。
農園芸用殺虫剤として使用する場合、水稲、果樹、野菜、その他の作物、芝、樹木及び花卉に加害する各種農林、園芸、貯穀害虫や衛生害虫或いは線虫等の害虫防除に適しており、例えばリンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、リンゴコシンクイ(Grapholita inopinata)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、モモシンクイガ(Carposina niponensis)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella) 、クワハマキ(Olethreutes mori)、チャノホソガ(Caloptilia thevivora)、リンゴホソガ(Caloptilia zachrysa)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)、ナシホソガ(Spulerrina astaurota)、モンシロチョウ(Piers rapae crucivora)、オオタバコガ類(Heliothis sp.)、コドリンガ(Laspey resia pomonella)、コナガ(Plutella xylostella)、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、チャマダラメイガ(Ephestia elutella)、クワノメイガ(Glyphodes pyloalis)、サンカメイガ(Scirpophaga incertulas)、イチモンジセセリ(Parnara guttata)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、イネヨトウ(Sesamia inferens)、ハイマダラノメイガ(Hellulla undalis)、アゲハ(Papilio xuthus)、オビカレハ(Malacosoma neustria testacea)、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、シバツトガ(Parapediasia teterrella)、ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria)、グレイプベリーモス(Endopiza viteana)、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella malinella)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna) 、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、
【0043】
ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)等の鱗翅目害虫、フタテンヨコバイ(Macrosteles fascifrons)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)、ブドウコナジラミ(Aleurolobus taonabae)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus)、ミカンワタカイガラムシ(Pulvinaria aurantii)、ミカンマルカイガラムシ(Pseudaonidia duplex) 、ナシマルカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)等の半翅目害虫、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus sp.)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、マメコガネ(Popilla japonica)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintiotopunctata)、
【0044】
アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、ヤサイゾウムシ(Listroderes costirostris)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、ワタミゾウムシ(Anthonomus gradis gradis)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)、コロラドポテトビートル(Leptinotarsa decemlineata)、メキシカンビーンビートル(Epilachna varivestis)、コーンルートワーム類(Diabrotica sp.)等の甲虫目害虫、ウリミバエ(Dacus(Zeugodacus)cucurbitae)、ミカンコミバエ(Dacus(Bactrocera)dorsalis)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、タマネギバエ(Delia antiqua)、タネバエ(Dalia platura)、ダイズサヤタマバエ(Asphondylis sp.)、イエバエ(Musca domestica)、アカイエカ(Culex pipiens pipiens)等の双翅目害虫、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、ジャガイモシストセンチュウ(Glabodera rostchiensis)、ネコブセンチュウ類(Meloidogyne sp.)、ミカンネセンチュウ(Tylenchulus semipenetrans)、ニセネグサレセンチュウ(Aphelenchus avenae)、ハガレセンチュウ(Aphelenchoides ritzemabosi)等のハリセンチュウ目害虫等に対して強い殺虫効果を有するものである。本発明の一般式(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体を有効成分とする有害生物防除剤は鱗翅目害虫に対して特に高い活性を示す。
【0045】
使用の際は、農薬製剤上の常法に従い、使用上都合の良い形状に製剤して使用するのが一般的である。即ち、一般式(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体はこれらを適当な不活性担体に、又は必要に応じて補助剤と一緒に適当な割合に配合して溶解、粉砕、分離、懸濁、乳化、混合、含浸、吸着、包接、カプセル化若しくは付着させ、適宜の剤形、例えば懸濁剤、乳剤、液剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、粉剤、錠剤、ペースト剤、ベイト剤、薫煙剤等に製剤して使用すれば良く、これらを水溶性ポリマー等の適当な材質に包装した形態、例えば、パック剤やジャンボ剤の形で用いることもできる。
【0046】
本発明で使用できる不活性担体としては固体又は液体の何れであっても良く、固体の担体になりうる材料としては、例えばダイズ粉、穀物粉、木粉、樹皮粉、鋸粉、タバコ茎粉、クルミ殻粉、ふすま、繊維素粉末、植物エキス抽出後の残渣、粉砕合成樹脂等の合成重合体、粘土類(例えばカオリン、ベントナイト、酸性白土等)、タルク類(例えばタルク、ピロフィライト等)、シリカ類{例えば珪藻土、珪砂、雲母、ホワイトカーボン(含水微粉珪素、含水珪酸ともいわれる合成高分散珪酸で、製品により珪酸カルシウムを主成分として含むものもある。)}、活性炭、イオウ粉末、軽石、焼成珪藻土、レンガ粉砕物、フライアッシュ、砂、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム等の無機鉱物性粉末、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチック担体、硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等の化学肥料、堆肥等を挙げることができ、これらは単独で若しくは二種以上の混合物の形で使用される。
【0047】
液体の担体になりうる材料としては、それ自体溶媒能を有するものの他、溶媒能を有さずとも補助剤の助けにより有効成分化合物を分散させうることとなるものから選択され、例えば代表例として次に挙げる担体を例示できるが、これらは単独で若しくは2種以上の混合物の形で使用され、例えば水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(例えばエチルエーテル、ジオキサン、セロソルブ、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(例えばケロシン、鉱油等)、芳香族炭化水素類(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、アルキルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、塩素化ベンゼン等)、エステル類(例えば酢酸エチル、ジイソプロピルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル等)、ジメチルスルホキシド類等を挙げることができる。
【0048】
他の補助剤としては次に例示する代表的な補助剤を挙げることができ、これらの補助剤は目的に応じて使用され、単独で、ある場合は2種以上の補助剤を併用し、又ある場合には全く補助剤を使用しないことも可能である。有効成分化合物の乳化、分散、可溶化及び/又は湿潤の目的のために界面活性剤が使用され、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、アルキルアリールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル等の界面活性剤を例示することができる。又、有効成分化合物の分散安定化、粘着及び/又は結合の目的のために、次に例示する補助剤を使用することもでき、例えばカゼイン、ゼラチン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、松根油、糠油、ベントナイト、リグニンスルホン酸塩等の補助剤を使用することもできる。
【0049】
固体製品の流動性改良のために次に挙げる補助剤を使用することもでき、例えばワックス、ステアリン酸塩、燐酸アルキルエステル等の補助剤を使用できる。懸濁性製品の解こう剤として、例えばナフタレンスルホン酸縮合物、縮合燐酸塩等の補助剤を使用することもできる。消泡剤としては、例えばシリコーン油等の補助剤を使用することもできる。有効成分化合物の配合割合は必要に応じて加減することができ、例えば粉剤或いは粒剤とする場合は0.01〜50重量%、又乳剤或いは水和剤とする場合も同様0.01〜50重量%が適当である。
【0050】
上記のようにして製剤した本発明の有害生物防除剤は、各種害虫を防除するためにそのまま、又は水等で適宜希釈し、若しくは懸濁させた形で病害防除にに有効な量を当該害虫の発生が予測される作物若しくは発生が好ましくない場所に適用して使用すれば良い。害虫の発生が予測される時期に合わせて、害虫の発生前又は発生が確認された時点でセルトレー、育苗箱、水田、畑、果樹、野菜、その他の作物、花卉等の水田水、土壌等の植物栽培担体、種子、茎、葉、花等の植物体、或いは、害虫が訪れると想定される通路や誘引剤、色素等で処理したトラップ等に処理することにより、本発明の有害生物防除剤の所期の効果が奏せられるものである。施用する植物は従来種であっても交配等の通常の品種改良を加えた植物であっても良く、また、遺伝子組み替え植物(例えば、除草剤耐性遺伝子、病虫害耐性遺伝子、殺虫性ペプチド遺伝子などの機能性ペプチドの生産遺伝子、油脂成分など特定成分の収量を増加させる遺伝子等を導入した植物。)、食味改良作物、プロトプラストの融合等により複合品種が融合させた植物(例えば、ポマト−トマトとジャガイモを融合したもの)、弱毒株や遺伝子の接種等により病害耐性処理を施したもの等であっても良い。それらの特性によっては、本発明化合物との相乗効果も期待できる。本発明の有害生物防除剤の使用量は種々の因子、例えば目的、対象害虫、作物の生育状況、害虫の発生傾向、天候、環境条件、剤型、施用方法、施用場所、施用時期等により変動するが、有効成分化合物として10アール当たり0.1g〜10kgの範囲から目的に応じて適宜選択すれば良い。本発明の有害生物防除剤は、更に防除対象病害虫、防除適期の拡大のため、或いは薬量の低減をはかる目的で他の農園芸用病虫害防除剤と混合して使用することも可能である。
【0051】
動物用外部寄生虫防除剤として使用する場合は、牛、馬、羊等の家畜、犬、猫等のペットの他、マウス、ラット、ハムスター、リス等のげっ歯目動物、ウサギ目動物、フェレット等の食肉目動物、アヒル、ニワトリ、ハト等の鳥類に対して使用でき、動物の外部寄生虫としては、例えばネコノミ(Ctenocephalides felis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)等のノミ目害虫、フタトゲチマダニ(Haemaphyxalis longicornis)、オウシマダニ(Boophilus microplus)等のダニ目害虫、ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)、ヒツジジラミ(Damalinia ovis)等のシラミ目害虫等の外部寄生虫を例示することができる。
【0052】
本発明の(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体を有効成分とする動物用外部寄生虫防除剤を効率的に使用するには、一般的に通常使用される製剤処方に従って適当な固体担体及び/又は液体担体等及び必要に応じて補助剤等と共に適当な割合に配合して溶解、懸濁、混合、含浸、吸着若しくは付着させ、使用目的に応じて適当な剤形、例えば液剤、乳化剤、クリーム、軟膏、懸濁剤、エアゾール剤に調製して使用すれば良い。
【0053】
本発明で使用する固体担体又は液体担体としては、通常動物用薬剤に使用される担体を使用すれば良く、対象動物への処理のし易さから液体担体を使用するのが良く、液体担体としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ターシャリーブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、炭酸プロピレン、N−メチル−2−ピロリドン、水等を例示することができる。本発明の防除剤は必要の応じて補助剤を使用することができ、補助剤として界面活性剤、酸化防止剤、乳化剤等を使用することができ、例えばポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アルキルアリルソルビタンモノラウレート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩高級アルコール硫酸エステル塩、グリコールモノアルキルエーテル、グリコール類等の界面活性剤、モノオイレン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、カプリル酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、イソステアリン酸モノグリセライド、モノカプリル酸プロピレングリコール等の乳化剤、BHA、BHT等の酸化防止剤を例示することができる。本発明の防除剤は、防除剤100重量部中に有効成分として0.01〜80.0重量部の範囲で配合することができる。
【0054】
上記のようにして製剤した本発明の動物用外部寄生虫防除剤は、通常、対象動物体の肩甲背部の皮膚等に液状の薬剤を滴下することにより、外部寄生性害虫を防除するスポットオン処理、対象動物体の背中線に沿って液状の薬剤を処理し、処理された薬剤が体表面に拡散することにより、外部寄生性害虫を防除するポアオン処理等の局所処理法の他に、首輪等に薬剤を担持させ、薬剤を放出する処理法、直接体表面に液体又は軟膏の薬剤を塗布する処理法、スプレー等で液体のエアゾール薬剤を処理する方法等があり、その施用量は、対象動物の体重1kg当たり、有効成分化合物として、通常約0.1〜500mg、本発明防除剤として、通常約0.01〜20mlの範囲から適宜選択して処理すれば良い。本発明の動物用外部寄生性害虫防除剤は、必要の応じて他の活性成分を併用することができ、例えばペルメトリン、フェノトリン、アレスリン、ピレトリン、プラレトリン、シフェノトリン、シフルトリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、トランスフルスリン等のピレスロイド系化合物、ジクロルボス、テトラクロロビンホス、フェンチオン、クロルピリホス、ダイアジノン等の有機リン系化合物、フィプロニル等のN−フェニルピラゾール系化合物、プロポキスル、カルバリル、メトキサジアゾン、フェノカルブ等のカーバメート系化合物、ネオニコチノイド系化合物等を例示することができる。
【実施例】
【0055】
以下に本発明の代表的な実施例、処方例及び試験例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、処方例中、部とあるのは重量部を示す。
実施例1. 1−[2−(4−クロロフェノキシ)−1−シアノ−1−メチルエチル]−3−(4−クロロフェニル)チオウレア(化合物No.7)の製造
2−アミノ−3−(4−クロロフェノキシ)−2−メチルプロパンニトリル2.0g(9.5ミリモル)、イソチオシアン酸p−クロロフェニル1.6g(9.5ミリモル)をアセトニトリル10mlに加え、一夜室温にて攪拌した。反応液を濃縮し、得られた個体をジエチルエーテルにて洗浄し、目的化合物2.7gを得た。
収率:74%
物性:融点 104〜105℃
【0056】
実施例2. 1−[2−(4−クロロフェノキシ)−1−シアノ−1−メチルエチル]−3−(4−クロロフェニル)−2−メチルイソチオウレア(化合物No.9)の製造
1−[2−(4−クロロフェノキシ)−1−シアノ−1−メチルエチル]−3−(4−クロロフェニル)チオウレア0.50g(1.3ミリモル)、よう化メチル0.22g(1.6ミリモル)、無水炭酸カリウム0.18g(1.3ミリモル)をジメチルホルムアミド10mlに加え、室温にて8時間攪拌した。反応液を水に加え、酢酸エチルにて抽出し、溶媒を溜去した後、得られた固体をジエチルエーテルにて洗浄して、目的化合物0.27gを得た。
収率:52%
物性:融点 127〜128℃
【0057】
実施例3. N−[2−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)−1−シアノ−1−メチルエチル]−2,4−ジクロロベンズチオアミド(化合物No.31)の製造
N−[2−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)−1−シアノ−1−メチルエチル]−2,4−ジクロロベンズアミド0.84g(2.0ミリモル)、ローソン試薬0.50g(1.2ミリモル)をジオキサン20mlに溶解し、室温にて一昼夜攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去し、酢酸エチルにて抽出後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル‐ヘキサン)にて精製し、目的化合物0.36gを得た。
収率:41%
物性:H−NMR(CDCl/TMS,δ値ppm)
7.63(1H,d),7.50(2H,d),7.49(1H,s),
7.35(1H,d),6.91(2H,d),4.95(1H,d),
4.22(1H,d),1.68(3H,s)
【0058】
実施例4. 3−(4−クロロフェノキシ)−2−(4−クロロ−α−メチルチオベンジリデン)アミノ−2−メチルプロパンニトリル(化合物No.32)の製造
N−[2−(4−クロロフェノキシ)−1−シアノ−1−メチルエチル]−4−クロロベンズチオアミド0.73g(2.0ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶かし、炭酸カリウム0.28g(2.0ミリモル)、よう化メチル0.30g(2.1ミリモル)を加え、室温にて一昼夜攪拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルにて抽出後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル‐ヘキサン)にて精製し、目的化合物0.32gを得た。
収率:43%
物性:H−NMR(CDCl/TMS,δ値ppm)
8.23(2H,d),7.45(2H,d),7.20(2H,d),
6.79(2H,d),4.15(1H,d),4.10(1H,d),
2.71(3H,s),1.54(3H,s)
【0059】
製剤例1.
本発明化合物 10部
キシレン 70部
N−メチルピロリドン 10部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムとの混合物 10部
以上を均一に混合溶解して乳剤とする。
製剤例2.
本発明化合物 3部
クレー粉末 82部
珪藻土粉末 15部
以上を均一に混合粉砕して粉剤とする。
製剤例3.
本発明化合物 5部
ベントナイトとクレーの混合粉末 90部
リグニンスルホン酸カルシウム 5部
以上を均一に混合し、適量の水を加えて混練し、造粒、乾燥して粒剤とする。
製剤例4.
本発明化合物 20部
カオリンと合成高分散珪酸 75部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムとの混合物 5部
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
【0060】
試験例1.コナガ(Plutella xylostella) に対する殺虫試験。
ハクサイ実生にコナガの成虫を放飼して産卵させ、放飼2日後に産下卵の付いたハクサイ実生を第1表及び第2表に記載の化合物を有効成分とする薬剤を1000ppmに希釈した薬液に約30秒間浸漬し、風乾後に25℃の恒温室に静置した。薬液浸漬6日後に孵化虫数を調査し、下記の式により死虫率を算出し、下記基準に従って判定を行った。1区10頭3連制。
[数1]
無処理区孵化虫数−処理区孵化虫数
死虫率(%)= ―――――――――――――――――― ×100
無処理区孵化虫数

判定基準. A・・・死虫率100%
B・・・死虫率99%〜90%
C・・・死虫率89%〜80%
D・・・死虫率79%〜50%

上記試験の結果、B以上の殺虫活性を示した化合物は化合物No.7、9、12〜20、22、23、30〜32、51,52であった。
【0061】
試験例2.ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)に対する殺虫試験。
第1表及び第2表記載の化合物を有効成分とする薬剤を1000ppmに希釈した薬液にキャベツ葉片(品種:四季穫)を約30秒間浸漬し、風乾後に直径9cmのプラスチックシャーレに入れ、ハスモンヨトウ2令幼虫を接種した後、蓋をして25℃の恒温室に静置した。接種8日後に生死虫数を調査し、下記の式により死虫率を算出し、判定基準は試験例1に従って行った。1区10頭3連制。
[数2]
無処理区生存虫数−処理区生存虫数
死虫率(%)= ―――――――――――――――――― ×100
無処理区生存虫数

上記試験の結果、B以上の殺虫活性を示した化合物は化合物No.7、9、12〜20、22、23、30〜32、51,52であった。
【0062】
試験例3.チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)に対する殺虫試験。
第1表及び第2表記載の化合物を有効成分とする薬剤を1000ppmに希釈した薬液にチャ葉を約30秒間浸漬し、風乾後に直径9cmのプラスチックシャーレに入れ、チャノコカクモンハマキ幼虫を接種した後、25℃、湿度70%の恒温室に静置した。接種8日後に生死虫数を調査し、試験例2と同様に判定を行った。1区10頭3連制。
上記試験の結果、B以上の殺虫活性を示した化合物は化合物No.7、9、12〜20、22、23、30〜32、51,52であった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の一般式(I)で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体を有効成分として含有する有害生物防除剤は農園芸用殺虫剤又は動物用外部寄生虫防除剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】


{式中、Ar1はフェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルホニルオキシ基、ハロ(C−C)アルキルスルホニルオキシ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基、同一又は異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基、(C−C)アルキルスルホニルアミノ基、ハロ(C−C)アルキルスルホニルアミノ基、(C−C)アルキルカルボニル基、ハロ(C−C) アルキルカルボニル基、(C−C)アルキルオキシカルボニル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基又はハロ(C−C)アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、フェノキシ基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C) アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基又はハロ(C−C)アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェノキシ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、窒素原子1乃至2個を有する芳香族6員複素環基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1以上の置換基を有する窒素原子1乃至2個を有する置換芳香族6員複素環基を示す。
Arはフェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルホニルオキシ基、ハロ(C−C)アルキルスルホニルオキシ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基、同一又は異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基、(C−C)アルキルスルホニルアミノ基、ハロ(C−C)アルキルスルホニルアミノ基、(C−C)アルキルカルボニル基、ハロ(C−C) アルキルカルボニル基、(C−C)アルキルオキシカルボニル基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基又はハロ(C−C)アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、フェノキシ基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C) アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基又はハロ(C−C)アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェノキシ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、窒素原子1乃至2個を有する芳香族6員複素環基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C) アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1以上の置換基を有する窒素原子1乃至2個を有する置換芳香族6員複素環基を示す。
GはNR(式中、Rは水素原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、ハロ (C−C)アルキニル基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C1−C6)アルキルチオ基、(C−C)アルキルカルボニル基、ハロ(C−C)アルキルカルボニル基、(C−C)アルコキシカルボニル基又ハロ(C−C)アルコキシカルボニル基を示す。)、硫黄原子又は単結合を示す。
は水素原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、シアノ(C−C)アルキル基、(C−C10)アルケニル基、ハロ(C−C10)アルケニル基、(C−C10)アルキニル基、ハロ(C−C10)アルキニル基、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル基、フェニル(C−C)アルキル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニル(C−C)アルキル基、窒素原子1乃至2個を有する芳香族6員複素環 (C−C)アルキル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1以上の置換基を環上に有する窒素原子1乃至2個を有する置換芳香族6員複素環(C−C)アルキル基を示す。
は水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル基、フェニル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又はジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を有する置換フェニル基を示し、
、R、R及びRは同一又は異なっても良く、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル基、同一又は異なっても良いハロゲン原子又は (C−C)アルキル基から選択される1以上の置換基を有する置換(C−C)シクロアルキル基、フェニル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基を示し、R及びRは一緒になって(C−C)アルキレン基を形成することもできる。
Wは酸素原子、硫黄原子、SO、N(R)(式中、Rは水素原子又は(C−C)アルキル基を示す。)を示し、nは0又は1〜4の整数を示す。}
で表されるN−シアノアルキルチオイミデート誘導体。
【請求項2】
Arがフェニル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基又はハロ(C−C)アルコキシ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基を示し、Arがフェニル基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基、同一又は異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基又はハロ(C−C)アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、フェノキシ基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C) アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基又はハロ(C−C)アルキルスルホニル基から選択される1以上の置換基を有する置換フェノキシ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基を示し、GがNR(式中、Rは水素原子又は(C−Cアルキル基を示す。)、硫黄原子又は単結合を示し、Rが水素原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、シアノ(C−C)アルキル基、(C−C10)アルケニル基、ハロ(C−C10)アルケニル基、(C−C10)アルキニル基、ハロ(C−C10)アルキニル基、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル基、フェニル(C−C)アルキル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキルチオ基、ハロ(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルケニルチオ基、ハロ(C−C)アルケニルチオ基、(C−C)アルケニルスルフィニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、ハロ(C−C)アルキルスルホニル基、(C−C)アルケニルスルホニル基、ハロ(C−C)アルケニルスルホニル基、モノ(C−C)アルキルアミノ基又は同一若しくは異なっても良いジ(C−C)アルキルアミノ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニル(C−C)アルキル基、ピリジル(C−C)アルキル基又は同一若しくは異なっても良く1〜2個のハロゲン原子を環上に有するピリジル(C−C)アルキル基を示し、Rが水素原子又は (C−C)アルキル基を示し、R及びRが同一又は異なっても良く、水素原子又は(C−C)アルキル基を示し、Wが酸素原子又は硫黄原子を示し、nが0である請求項1記載のN−シアノアルキルチオイミデート誘導体。
【請求項3】
Arが同一又は異なっても良くハロゲン原子、ハロ(C−C)アルキル基又はハロ(C−C)アルコキシ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基を示し、Arが同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ハロ(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルコキシ基、フェニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基又はハロ(C−C)アルコキシ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基、フェノキシ基又は同一若しくは異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基又はハロ(C−C)アルコキシ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェノキシ基から選択される1以上の置換基を有する置換フェニル基を示し、GがNH又は単結合を示し、Rが水素原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C10)アルケニル基、ハロ(C−C10)アルケニル基、(C−C10)アルキニル基、ハロ(C−C10)アルキニル基、(C−C)アルコキシカルボニル(C−C)アルキル基、フェニル(C−C)アルキル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニル(C−C)アルキル基、ピリジル(C−C)アルキル基又は同一若しくは異なっても良く1〜2個のハロゲン原子を環上に有するピリジル(C−C)アルキル基を示し、Rが(C−C)アルキル基を示し、R及びRが水素原子を示し、Wが酸素原子を示し、nが0である請求項1又は2いずれか1項記載のN−シアノアルキルチオイミデート誘導体。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか1項記載のN−シアノアルキルチオイミデート誘導体を有効成分として含有することを特徴とする有害生物防除剤。
【請求項5】
請求項1乃至3いずれか1項記載のN−シアノアルキルチオイミデート誘導体を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用殺虫剤。
【請求項6】
請求項1乃至3いずれか1項記載のN−シアノアルキルチオイミデート誘導体を有効成分として含有することを特徴とする動物用外部寄生虫防除剤。
【請求項7】
請求項5記載の農園芸用殺虫剤の有効量を土壌、害虫又は有用植物に処理することを特徴とする有害生物防除剤の使用方法。
【請求項8】
請求項6記載の寄生虫防除剤の有効量を動物の体表面に処理することを特徴とする動物用外部寄生虫防除剤の使用方法。




【公開番号】特開2006−117603(P2006−117603A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308668(P2004−308668)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000232623)日本農薬株式会社 (97)
【Fターム(参考)】