説明

N−フェニルイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド誘導体、これらの調製およびこれらの治療用途

本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、Xは置換されたフェニル基であり;Rは、水素原子、ハロゲン、(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキル基、NRaRb基を表し;Rは、水素原子、任意に置換される(C−C)アルキル基、任意に置換される(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、−CO−R基、−CO−NR基、−CO−O−R基、−NR−CO−R10基、−NR1112基、−N=CH−NRaRb基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、ヒドロキシイミノアルキル、アルコキシイミノアルキル基、(C−C)アルキルチオ基、(C−C)アルキルスルフィニル基、(C−C)アルキルスルホニル基、(((C−C)アルキル))シリルエチニル基、−SO−NR10基、次の原子または基から互いに独立に選択される1つ以上の基によって任意に置換されるフェニル基:ハロゲン、(C−C)アルコキシ、シアノ、NRaRb、−CO−R、−CO−NR、−CO−O−Rまたは1つ以上のヒドロキシもしくはNRaRb基によって任意に置換される(C−C)アルキル基;Rは、水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;Rは、水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基またはフッ素原子を表し、この化合物は塩基または酸との付加塩の状態である。本発明は治療に使用できる。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド誘導体、これらの調製およびNR4A2、NOT、TINUR、RNR−1およびHZF3としても知られるNurr−1核内受容体が関わる疾患の処置または予防におけるこれらの治療用途に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の主題は、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、式(I)
【0003】
【化1】

式中:
Xは、シアノ、(C−C)アルコキシカルボニル、1つ以上のハロゲンで置換された(C−C)アルコキシまたは1つ以上のハロゲンによって置換された(C−C)アルキルによって置換されたフェニル基を表し、このフェニル基は、ハロゲンによって任意に2回目の置換が行なわれ;
は、水素原子、ハロゲン、(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキル基またはNRaRb基を表し、このアルキルおよびアルコキシ基は、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、または(C−C)アルコキシ基によって任意に置換されることができ;
は、次の基の1つを表し:
水素原子
互いに独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、NRaRb基、(C−C)アルコキシ基またはフェニル基から選択される1つ以上の基によって任意に置換される(C−C)アルキル基
互いに独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノまたはNRaRb基から選択される1つ以上の基によって任意に置換される(C−C)アルコキシ基、
(C−C)アルケニル基、
(C−C)アルキニル基、
−CO−R
−CO−NR
−CO−O−R
−NR−CO−R10
−NR1112
−N=CH−NRaRb基
ハロゲン原子
シアノ、ニトロ、ヒドロキシイミノアルキルまたはアルコキシイミノアルキル基、
(C−C)アルキルチオ基、
(C−C)アルキルスルフィニル基、
(C−C)アルキルスルホニル基、
((C−C)アルキル)シリルエチニル基、
−SO−NR10基、
互いに独立に、次の原子または基:ハロゲン、(C−C)アルコキシ、シアノ、NRaRb、−CO−R、−CO−NR、−CO−O−Rまたは1つ以上のヒドロキシルもしくはNRaRb基によって任意に置換される(C−C)アルキルから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるフェニル基;
は、水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;
は、水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基またはフッ素原子を表し;
は、水素原子、フェニル基または(C−C)アルキル基を表し;
およびRは、同一または異なって、水素原子または(C−C)アルキル基を表し、または窒素原子と共に、N、OまたはSから選択される別のヘテロ原子を任意に含む4から7員環を形成し;
は、(C−C)アルキル基を表し;
およびR10は、同一または異なって、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
11およびR12は、同一または異なって、水素原子または(C−C)アルキル基を表し、または窒素原子と共に、N、OまたはSから選択される別のヘテロ原子を任意に含む4から7員環を形成し;
RaおよびRbは、互いに独立して、水素原子または(C−C)アルキル基を表し、または窒素原子と共に、4から7員環を形成する;
の化合物であり、
がメチル基を表す、またはRが塩素原子を表す、またはRがメチル基を表す化合物を除き、
化合物:
N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
メチル3−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、
メチル2−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、
N−[2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、および
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
を除く。
【0004】
国際公開第2008/003856号には、上述の受容体に関する活性を有する化合物が開示されている。化合物N−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド(実施例76)、N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド(実施例82)、およびN−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド(実施例83)は、特に、本発明に従う一般式(I)から除かれる。
【0005】
さらに、化合物N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド(データベース加入番号924038−88−0)、メチル3−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート(番号924031−00−5)、メチル2−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート(番号924102−15−8)およびN−[2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド(番号924040−86−8)は、医薬または治療活性は示されていないが、これらも本発明に従う上記式(I)から特に排除される。
【0006】
式(I)の化合物は、1つ以上の非対照炭素原子を含むことができる。故に、これらはエナンチオマーまたはジアステレオマーの形態で存在できる。これらのエナンチオマーまたはジアステレオマー、およびラセミ混合物を含むこれらの混合物は本発明の範囲内である。
【0007】
式(I)の化合物は、塩基または酸との付加塩の形態で存在できる。こうした付加塩は本発明の範囲内である。
【0008】
これらの塩は、薬学的に許容される酸を用いて調製されることができるが、例えば式(I)の化合物の精製または単離に使用する他の酸の塩も本発明の範囲内である。
【0009】
式(I)の化合物はまた、水和物または溶媒和物の形態、即ち1つ以上の水分子または溶媒との組み合わせまたは会合体の形態で存在することもできる。こうした水和物または溶媒和物も本発明の範囲内である。
【0010】
本発明の内容において:
−ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味するものと理解され;
−アルキル基は、飽和の、直鎖、分枝または環状脂肪族基を意味するものと理解され、これは飽和の、直鎖、分枝または環状アルキル基によって任意に置換される。例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはメチルシクロプロピル基などを挙げることができ;
−アルケニル基は、例えば、1つまたは2つのエチレン性不飽和を含む一価または多価不飽和の、直鎖または分枝脂肪族基を意味するものと理解され;
−アルコキシ基は、アルキル基が上記で定義された通りである、−O−アルキル基を意味するものと理解され;
−アルキニル基は、例えば、1つまたは2つのエチレン性不飽和を含む一価または多価不飽和の、直鎖または分枝脂肪族基を意味するものと理解される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、本発明の主題は、R、R、RおよびRの少なくとも1つは水素原子以外であることが理解されるが、XおよびRからRが上記で定義された通りである、塩基または酸との付加塩の形態である式(I)の化合物であり、
がメチル基を表す、またはRが塩素原子を表す、またはRがメチル基を表す化合物を除き、化合物:
N−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、および
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド
を除く。
【0012】
本発明の別の態様によれば、本発明の主題は、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、水素原子以外であることが理解されるが、XおよびRからRが上記で定義された通りである、塩基または酸との付加塩の形態である式(I)の化合物であり、
がメチル基を表す、またはRが塩素原子を表す、またはRがメチル基を表す化合物を除き、
がN−ジメチル基を表し、Xが:
2つまたは3つのフッ素原子によって置換されたメトキシ基自体によって置換されたフェニル基、または
3つのフッ素原子によって置換されたメチル基自体によって置換されたフェニル基
を表す化合物を除く。
【0013】
本発明の別の態様によれば、本発明の別の主題は、塩基の形態または酸との付加塩の形態であり:
Xが、シアノ、(C−C)アルコキシカルボニル、または数個のハロゲンによって置換された(C−C)アルコキシによって置換されたフェニル基を表し、このフェニル基は、ハロゲンによって任意に2回目の置換が行われ;
が、ヒドロキシル基によって置換された(C−C)アルキル基自体によって置換された−NR1112基またはフェニル基を表し;
、RおよびRが、水素原子を表し;
11およびR12が、同一または異なって、(C−C)アルキル基を表す;
式(I)の第1群の化合物であり、
がメチル基を表す、またはRは塩素原子を表す、またはRはメチル基を表す化合物を除き、
化合物:
N−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、および
N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
を除く。
【0014】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明の主題は、塩基の形態または酸との付加塩の形態であり:
Xが、シアノ、COMeまたはOCHFによって置換され、フッ素原子によって任意に2回目の置換が行われるフェニル基を表し;
、RおよびRが、水素原子を表し;
が、ヒドロキシメチル基によって置換されたN−ジメチル基またはフェニル基を表す;
式(I)の第2群の化合物であり、
N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミドを除く。
【0015】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、特に次の化合物を挙げることができる:
N−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−(3−シアノフェニル)−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
メチル3−({[6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、
N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−(3−シアノフェニル)−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−(2−シアノ−3−フルオロフェニル)−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−(2−シアノ−3−フルオロフェニル)−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
およびこれらの酸との付加塩。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明によれば、一般式(I)の化合物は、スキーム1に記載のプロセスに従って調製することができる。
【0017】
【化2】

経路Aは、当業者に公知の方法に従って式(II)の2−アミノピリジンを調製し、例えば、J−J.Bourguignonら、Aust.J.Chem.50,719(1997)およびJ.G.Lombardino,J.Org.Chem.,30,2403(1965)に記載の方法に類似して、2−オキソ−N−アリールプロピオンアミド誘導体(III)(式中、Halは、塩素、臭素またはヨウ素原子を表し、Xは、上記で定義された通りである)との縮合によりイミダゾ[1,2−α]ピリジン環を形成することにある。2−オキソ−N−アリールプロピオンアミド(III)のハロゲン化誘導体を、R.Klugerら、J.Am.Chem.Soc.,106,4017(1984)に記載の方法に従って得ることができる。
【0018】
2番目の合成経路のBおよびCは、当業者に公知の方法に従って、イミダゾピリジン−2−カルボン酸または式(IV)(式中、Yは、ヒドロキシル基、ハロゲン原子または(C−C)アルコキシを表す)のこの誘導体のうちの1種を、アリールアミンX−NH(VI)(式中、Xは、上記で定義された通りである)とカップリングさせることにある。従って、この酸を、酸ハロゲン化物、酸無水物、混合酸無水物または活性化エステルのようなこの反応誘導体のうちの1つに前もって転位させ、その後、THF、DMFまたはジクロロメタンなどの不活性溶媒中で、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンまたはピリジンなどの塩基の存在下で、アミン(VI)と反応させることができる。また、カップリングは、反応中間体の単離なしに同じ条件下で、CDI、EDCI、HATUまたはHBTUなどのカップリング剤の存在下で行うことができる。または、アミン(VI)を、Weinreb,S.ら(Tet.Lett.18,4171(1977))の方法に従ったトリメチルアルミニウムまたはジルコニウムtert−ブトキシドなどの触媒の存在下で、式(IV)の酸のエステルと反応させることができる。イミダゾピリジン−2−カルボン酸および式(IV)のこれらの誘導体は、J.G.LombardinoのJ.Org.Chem.,30(7),2403(1965)に記載の方法に従って、3−ハロ−2−オキソプロピオン酸のエステルと適切な2−アミノピリジンを縮合させ、次にこのエステルを脱保護し、酸を得て、必要に応じて、この酸をこの誘導体のうちの1つに転位することによって得ることができる。
【0019】
式(I)の生成物および式(II)または(IV)のこれらの前駆体を、所望および必要に応じて、式(I)の生成物を得るために、または式(I)の他の生成物に転位させるために、任意の順番で、以下の1つ以上の転換反応に供することができ:
a)酸官能基のエステル化またはアミド化反応、
b)アミン官能基のアミド化反応、
c)酸官能基を得るためのエステル官能基の加水分解反応、
d)アルコキシ官能基へのヒドロキシル官能基の転換反応、
e)アルデヒドまたはケトン官能基を得るためのアルコール官能基の酸化反応、
f)還元または有機マグネシウム化合物などの有機金属化合物の作用によってアルコール官能基を得るためのアルデヒドまたはケトン官能基の転換反応、
g)アルデヒドまたはケトン官能基のオキシム誘導体への転化反応、
h)アルデヒド官能基を得るためのニトリルラジカルの転換反応、
i)ケトン官能基を得るためのニトリルラジカルの転換反応、
j)アルデヒドまたはケトン官能基を得るためのアルケニル基の酸化反応、
k)アルケニル基を得るためのアルデヒドまたはケトン官能基のオレフィン化反応、
l)アルケニル基を得るためのヒドロキシアルキル基の脱水反応、
m)アルケニルまたはアルキル基を得るためのアルケニルまたはアルキニル基の全体的または部分的な水素添加反応、
n)アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリール置換基を導入するために、ホウ素、スズまたはケイ素誘導体のような有機金属誘導体のハロゲン化誘導体との触媒カップリング反応、
o)第一級アミノ基を得るためのニトロ基の還元反応、
p)還元的アミノ化またはアルキル化による第二級または第三級アミノ基への第一級または第二級アミノ基への転化反応、
q)一級アミノ基のアミジン基への転化反応、
r)スルホキシドまたはスルホン官能基を得るためのチオエーテル官能基の酸化反応、
s)反応官能基の保護反応、
t)保護反応官能基が担持し得る保護基の除去反応、
u)対応する塩を得るための無機もしくは有機酸、または塩基による塩化反応、
v)エナンチオマーを得るためのラセミ体の分解反応、
このようにして得られた式(I)の生成物は、適切ならば、あらゆる可能な異性体の形態、ラセミ、エナンチオマーおよびジアステレオマー、互変異性である。
【0020】
スキーム1において、出発化合物および反応体は、これらの調製方法が記載されていないとき、市販されている、もしくは文献に記載されている、またはこれらの中に記載されている方法もしくは当業者に公知の方法に従って調製することができる。
【0021】
以下の実施例では、本発明に従った幾つかの化合物の調製について記載している。これらの実施例は、本発明を制限するものでなく、例証するだけに用いられるものである。例証された化合物の番号は、以下の表に示した番号を指し、本表では、本発明に従った幾つかの化合物の化学構造および物理的性質が例証されている。
【実施例1】
【0022】
N−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド
トルエン中のトリメチルアルミニウムの2M溶液253μlを、トルエン1ml中の3−アミノ−5−フルオロベンゾニトリル55mgの0℃に冷却された溶液に滴下し、続いて20℃に戻した後、エチル6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート100mgを添加する。反応混合物を30時間還流加熱し、次いで冷却し、水2mlで希釈し、N塩酸でpH3に酸性化し、酢酸エチル5ml、次いでジクロロメタン5mlで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。界面にて単離された不溶性物質と合わせて残渣を、エチルエーテル、エチルエーテル/ジクロロメタン(1/1)およびジクロロメタン/メタノール(99/1)混合物およびメタノールで連続的に洗浄し、白色固体の形態にて、N−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド63mgを得る。
【実施例2】
【0023】
N−(3−シアノフェニル)−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド
3−アミノベンゾニトリル147mg、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム1−オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)474mg、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)169mgおよびジイソプロピルエチルアミン424μlを、N,N−ジメチルホルムアミド4ml中の6−ジメチルアミノイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボン酸200mgの溶液に添加する。反応混合物を50℃にて48時間加熱し、水3mlおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液5mlで希釈し、30分間攪拌し、次いで酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカ上のクロマトグラフィによって精製するが、溶出は、ヘキサン、酢酸エチルおよびメタノールの勾配(60/37/3から0/85/15)で行い、N−(3−シアノフェニル)−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド61mgを得る。
【実施例3】
【0024】
メチル3−({[6−[ジメチルアミノ]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート
メチル3−アミノベンゾアート265mgを、無水ピリジン2ml中の6−ジメチルアミノイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボン酸120mgおよび1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩224mgのアルゴン下に置いた懸濁液に添加する。反応混合物を、50℃にて48時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮して乾固する。残渣をクロロホルム5ml中に取り、水2mlで洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮して乾固する。残渣を、シリカ上のクロマトグラフィによって精製するが、溶出は、ヘキサン、酢酸エチルおよびメタノールの勾配(85/15/0から0/85/15)で行い、メチル3−({[6−[ジメチルアミノ]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート105mgを得る。
【0025】
以下に記載する中間体は、本発明の化合物の調製にて有用である。
エチル6−ジメチルアミノイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート
エチルブロモピルバート26.2mlを、ジメトキシエタン380ml中の5−ジメチルアミノピリジン−2−アミン19.05gの溶液(J.Chem.Soc.Perkin 1,68(1973))に添加する。反応混合物を20℃で6時間攪拌し、次いでエタノール380mlの添加後、20時間還流し、最後に冷却後、減圧下で濃縮する。固体を還流下にてエチルエーテル350mlで2回とり、熱いままろ過し、次いで還流下酢酸エチル350mlで2回とり、熱いままろ過して、粗エチル6−ジメチルアミノイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート臭化水素酸塩39.66gを得る。この塩を800ml中の水にとり、激しく攪拌しながら、pHが8から9に到達するまで固体の炭酸ナトリウムで処理する。水相をジクロロメタン500mlで3回抽出して、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して乾固させる。残渣をシリカカラム上のフラッシュクロマトグラフィによって精製するが、溶出はヘキサンおよび酢酸エチルの混合物(5/1から1/1まで)で行い、エチル6−ジメチルアミノイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート16.7gを緑色油の形態で得る。
【0026】
H NMRスペクトル(d−DMSO,δ ppm単位):8.35(s,1H),7.81(d,J=2.2,1H),7.45(d,J=10,1H),7.34(dd,J=2.4,10,1H),4.27(q,J=7.1,2H),2.84(s,6H),1.31(t,J=7.1,3H)。
6−ジメチルアミノイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボン酸
2Nの水酸化リチウム水溶液107mlを、0℃にて、テトラヒドロフラン220mlおよびメタノール9.5mlの混合物中にエチル6−ジメチルアミノイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート16.7gの懸濁液に添加する。反応混合物を、続けて20℃まで再加熱し、4時間攪拌する。2Nの塩酸を、pHが4から5に到達するまで0℃に冷却された反応混合物に滴下する。沈殿物を濾去し、エチルエーテル50mlで2回洗浄し、6−ジメチルアミノイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボン酸14.8gを黄色固体の形態で得る。
【0027】
H NMRスペクトル(d−DMSO,δ ppm単位):8.67(s,1H),8.18(d,J=2,1H),7.88(dd,J=2.4,10,1H),7.75(d,J=10,1H),2.96(s,6H),(1酸Hはあまり視覚可能ではない)
エチル6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート
予め脱気されたトルエンおよび水(5/1)混合物475mlを、アルゴン雰囲気下、エチル6−ブロモイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート25g、3−(ヒドロキシメチル)フェニル臭素酸13g、2−(ジクロロヘキシルホスフィノ)ビフェニル5g、酢酸パラジウム1.6gおよびリン酸カリウム19gの混合物に添加する。反応混合物を80℃で16時間攪拌し、次いで冷却し、水で希釈する。ジクロロメタン200mlで2回抽出した後、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して乾固する。残渣を、シリカカラム上のフラッシュクロマトグラフィによって精製するが、溶出は酢酸エチルおよびメタノールの混合物(100/0から96/4まで)で行い
エチル6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート16.1gを淡黄色固体の形態で得る。
【0028】
H NMRスペクトル(d−DMSO,δ ppm単位)8.93(s,1H),8.55(s,1H),7.71−7.66(m,3H),7.57(d,J=7.7,1H),7.48(t,J=7.6,1H),7.39(d,J=7.5,1H),5.29(t,J=5.7,1H),4.61(d,5.66,2H),4.32(q,J=7.1,2H),1.34(t,J=7.1,3H)
6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボン酸
2Nの水酸化リチウム水溶液90mlを、テトラヒドロフラン180mlおよびメタノール9mlの混合物中にエチル6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート17.9gの懸濁液に添加する。反応混合物を、続けて20℃で30分間攪拌する。2Nの塩酸を、pHが4から5に到達するまで0℃に冷却された反応混合物に滴下する。沈殿物を濾去し、エチルエーテル50mlで2回洗浄し、6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボン酸15.3gを白色固体の形態で得る。
【0029】
H NMRスペクトル(d−DMSO,δ ppm単位):8.97(s,1H),8.52(s,1H),7.77−7.67(m,3H),7.57(d,J=7.7,1H),7.48(t,J=7.6,1H),7.39(d,J=7.5,1H),5.7−4.8(広幅,s,1H),4,60(s,2H),(1酸Hはあまり視覚可能ではない)
本発明による化合物の幾つかの実施例の化学構造(表1)および分光学的特性(表2)について、以下の表において例証する。
【0030】
【表1】

【0031】
【表2】


本発明による化合物は、NOTに対するこれらの修飾作用を測定することを可能にする薬理学的トライアルの主題をなす。
【0032】
N2A細胞に対するインビトロ活性の評価
マウスNurr1受容体を内因的に発現し、ルシフェラーゼレポーター遺伝子に結合したNOT結合反応性エレメント(NBRE)を安定的にトランスフェクトした細胞系(N2A)について本発明に従う化合物の活性を評価した。EC50値は、0.01から1000nMである。本アッセイを後述する手順に従って実施した。
【0033】
Neuro−2A細胞系は、標準の市販の供給源(ATCC)から入手する。Neuro−2Aクローンは、R.J Klebeらによるアルビノマウス系由来の自然発生腫瘍から得た。続いて、このNeuro−2A系に、8NBRE−ルシフェラーゼを安定的にトランスフェクトする。N2A−8NBRE細胞を、10%ウシ胎児血清、グルコース4.5g/lおよびジェネテシン0.4mg/mlを補充したDMEMを含む75cm培養フラスコ内で集密になるまで培養する。1週間の培養後、0.25%トリプシンで30秒間回収し、次にグルコース4.5g/lおよび10%Hyclone脱脂血清を含むフェノールレッド不含DMEMに再懸濁し、透明底96ウェル白色プレートに沈殿させる。細胞を、24時間で75μlのウェルあたり60000の速度で沈殿させた後、生成物を添加する。生成物を25μlで適用し、さらに24時間温置する。測定の日に、等量(100μl)のSteadyliteを各ウェルに加え、次に30分間放置し、完全な細胞溶解および最大シグナル発生を得る。プレートを、接着フィルムで封をした後、続いてマイクロプレート用ルミネセンスカウンターで測定する。生成物を、10−2Mの原液の形態で調製し、次に100%DMSOで希釈する。各生成物濃度を、培養液で前もって希釈した後、このように最終濃度0.625%のDMSOを含む細胞を温置する。
【0034】
例えば、化合物番号5および8は、それぞれ27nMおよび0.4nMのEC50値を示した。
【0035】
従って、本発明による化合物がNOTに対する修飾作用を有することは明白である。
【0036】
従って、本発明による化合物を、NOT受容体が関わる疾患の処置または予防における、これらの治療的用途のための薬物の調製に使用することができる。
【0037】
従って、本発明の別の態様によれば、本発明の主題は、式(I)の化合物または薬学的に許容される酸による式(I)の化合物の付加塩を含む薬物である。
【0038】
本発明の別の態様によれば、本発明の主題は、上記で定義されたような式(I)の化合物、およびさらにN−(3−クロロ−4−シアノフェニル)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、メチル3−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、メチル2−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、およびN−[2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、ならびにこれらの化合物の薬学的に許容される酸との付加塩から選択される化合物を含む薬物である。
【0039】
これらの薬物は、例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、またはタウオパチー(例えば、進行性核上性麻痺、前頭側頭型痴呆症、皮質基底核変性症、またはピック病);脳外傷、例えば虚血および頭蓋外傷ならびにてんかん;精神疾患、例えば統合失調症、うつ病、物質依存症または注意欠陥多動障害;中枢神経系の炎症疾患、例えば多発性硬化症、馬脳症、脊髄炎および脳脊髄炎、ならびにその他の炎症疾患、例えば血管症状、アテローム性動脈硬化症、関節の炎症、関節症、慢性関節リウマチ;変形性関節症、クローン病、潰瘍性大腸炎;アレルギー炎症性疾患、例えば喘息;自己免疫疾患、例えばI型糖尿病、ループス、強皮症、ギランバレー症候群、アジソン病およびその他の免疫媒介疾患;骨粗しょう症;または癌の処置および予防において、治療的に使用する。
【0040】
従って、本発明は、上述の疾患、障害または状態の1つを処置する際の、上記で定義されたような式(I)の化合物、およびさらにN−(3−クロロ−4−シアノフェニル)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、メチル3−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、メチル2−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、およびN−[2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、ならびにこれらの化合物の薬学的に許容される酸との付加塩から選択される化合物を対象とする。
【0041】
本発明の別の態様によれば、本発明は、上述の疾患、障害または状態の1つを処置および予防することを目的とする薬物の調製において、上述の化合物から選択された化合物の使用に関する。
【0042】
これらの化合物は、幹細胞移植および/または移植片と関連した処置として使用することもできる。
【0043】
本発明の別の態様によれば、本発明は、上記で定義された化合物の群から選択される化合物を、有効成分として含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、有効量の、上記で定義された化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物およびさらには少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0044】
前記賦形剤は、当業者に公知の通常の賦形剤から、薬剤形状および所望の投与法によって選択される。
【0045】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、表皮、局所、気管内、鼻腔内、経皮または直腸投与のための本発明の医薬組成物において、上記の障害または疾患の予防または治療のために、上述の化合物から選択される有効成分またはこの塩の有効成分を、従来の医薬品賦形剤との混合物として単位投与形態で、動物またはヒトに投与することができる。
【0046】
適切な単位投与形態は、錠剤、軟または硬ゼラチンカプセル、粉末、顆粒、および経口溶剤または懸濁剤などの経口形態、舌下、口腔、気管内、眼内もしくは鼻腔内投与または吸入投与の形態、表皮、経皮、皮下、筋肉内または静脈内投与の形態、直腸内投与およびインプラントの形態を含む。表皮適用では、本発明による化合物を、クリーム、ゲル、軟膏またはローションで使用することができる。
【0047】
例として、錠剤形態における本発明による化合物の単位投与形態は、以下の成分を含むことができる。
【0048】
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
コーンスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
より高用量またはより低用量が適切である特定の症例が存在することがあり;このような用量は、本発明の範囲を逸脱しない。一般の慣例によれば、各患者に適した用量は、投与方法、ならびに前記患者の体重および反応に従って医師により決定される。
【0049】
また、別の態様によれば、本発明はまた、上記の病態の処置方法に関し、この処置方法は、本発明による化合物、または薬学的に許容されるこの塩のうちの1つの有効用量の患者への投与を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基の形態または酸との付加塩の形態である、式(I)
【化1】

式中、
Xは、シアノ、(C−C)アルコキシカルボニル、1つ以上のハロゲンによって置換された(C−C)アルコキシまたは1つ以上のハロゲンによって置換された(C−C)アルキルによって置換されたフェニル基を表し、このフェニル基は、ハロゲンによって任意に2回目の置換が行なわれ:
は、水素原子、ハロゲン、(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキル基またはNRaRb基を表し、このアルキルおよびアルコキシ基は、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、または(C−C)アルコキシ基によって任意に置換されることができ、
は、次の基の1つを表し:
水素原子
互いに独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、NRaRb基、(C−C)アルコキシ基またはフェニル基から選択される1つ以上の基によって任意に置換される(C−C)アルキル基
互いに独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノまたはNRaRb基から選択される1つ以上の基によって任意に置換される(C−C)アルコキシ基、
(C−C)アルケニル基、
(C−C)アルキニル基、
−CO−R
−CO−NR
−CO−O−R
−NR−CO−R10
−NR1112
−N=CH−NRaRb基
ハロゲン原子
シアノ、ニトロ、ヒドロキシイミノアルキルまたはアルコキシイミノアルキル基、
(C−C)アルキルチオ基
(C−C)アルキルスルフィニル基、
(C−C)アルキルスルホニル基、
((C−C)アルキル)シリルエチニル基、
−SO−NR10基、
互いに独立に、次の原子または基:ハロゲン、(C−C)アルコキシ、シアノ、NRaRb、−CO−R、−CO−NR、−CO−O−Rまたは1つ以上のヒドロキシルまたはNRaRb基によって任意に置換される(C−C)アルキルから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるフェニル基;
は、水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;
は、水素原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基またはフッ素原子を表し;
は、水素原子、フェニル基または(C−C)アルキル基を表し;
およびRは、同一または異なって、水素原子または(C−C)アルキル基を表し、または窒素原子と共に、N、OまたはSから選択される別のヘテロ原子を任意に含む4から7員環を形成し;
は、(C−C)アルキル基を表し;
およびR10は、同一または異なって、水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
11およびR12は、同一または異なって、水素原子または(C−C)アルキル基を表し、または窒素原子と共に、N、OまたはSから選択される別のヘテロ原子を任意に含む4から7員環を形成し;
RaおよびRbは、互いに独立して、水素原子または(C−C)アルキル基を表し、または窒素原子と共に、4から7員環を形成する;
の化合物であって、
がメチル基を表す、またはRが塩素原子を表す、またはRがメチル基を表す化合物を除き、
化合物:
N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
メチル3−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、
メチル2−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、
N−[2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、および
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
を除く、化合物。
【請求項2】
、R、RおよびRの少なくとも1つは、水素原子以外であることが理解されるが、XおよびRからRが請求項1に記載される通りであることを特徴とする、塩基または酸との付加塩の形態である請求項1に記載の式(I)の化合物であって、
がメチル基を表す、またはRが塩素原子を表す、またはRがメチル基を表す化合物を除き、化合物:
N−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、および
N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド
を除く、化合物。
【請求項3】
塩基の形態または酸との付加塩の形態であり、
Xが、シアノ、(C−C)アルコキシカルボニル、または数個のハロゲンで置換された(C−C)アルコキシによって置換されたフェニル基を表し、前記フェニル基は、ハロゲンによって任意に2回目の置換が行われ;
は、ヒドロキシル基によって置換された(C−C)アルキル基自体によって置換される−NR1112基またはフェニル基を表し;
、RおよびRは、水素原子を表し;
11およびR12は、同一または異なって、(C−C)アルキル基を表す;
ことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項に記載の式(I)の第1の化合物であって、
がメチル基を表す、またはRは塩素原子を表す、またはRはメチル基を表す化合物を除き、
化合物:
N−[3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、および
N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
を除く、化合物。
【請求項4】
塩基の形態または酸との付加塩の形態であり、
Xが、シアノ、COMeまたは−OCHFによって置換され、フッ素原子によって任意に2回目の置換が行なわれるフェニル基を表し;
、RおよびRは、水素原子を表し;
は、ヒドロキシメチル基によって置換されたN−ジメチル基またはフェニル基を表すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物であって;
N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミドを除く、化合物。
【請求項5】
・N−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
・N−(3−シアノフェニル)−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
・メチル3−({[6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、
・N−[3−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
・N−(3−シアノフェニル)−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
・N−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
・N−(2−シアノ−3−フルオロフェニル)−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
・N−(2−シアノ−3−フルオロフェニル)−6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
・N−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−6−(ジメチルアミノ)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、
から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、およびさらにN−(3−クロロ−4−シアノフェニル)イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、メチル3−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、メチル2−({[イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−イル]カルボニル}アミノ)ベンゾアート、およびN−[2−(ジフルオロメトキシ)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキサミド、ならびにこれらの化合物の薬学的に許容される酸との付加塩から選択される化合物を含むことを特徴とする薬物。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはこれらの化合物の薬学的に許容される酸との付加塩を含むことを特徴とする、薬物。
【請求項8】
請求項6および7のいずれか一項に記載の化合物およびさらに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項9】
請求項6および7のいずれか一項に記載の化合物の、神経変性疾患の処置および予防を目的とする薬物の調製における使用。
【請求項10】
請求項6および7のいずれか一項に記載の化合物の、脳外傷およびてんかんの処置および予防を目的とする薬物の調製における使用。
【請求項11】
請求項6および7のいずれか一項に記載の化合物の、精神疾患の処置および予防を目的とする薬物の調製における使用。
【請求項12】
請求項6および7のいずれか一項に記載の化合物の、炎症性疾患の処置および予防を目的とする薬物の調製における使用。
【請求項13】
請求項6および7のいずれか一項に記載の化合物の、骨粗しょう症および癌の処置および予防を目的とする薬物の調製における使用。
【請求項14】
請求項6および7のいずれか一項に記載の化合物の、パーキンソン病、アルツハイマー疾患、タウオパチー、および多発性硬化症の処置および予防を目的とする薬物の調製における使用。
【請求項15】
請求項6および7のいずれか一項に記載の化合物の、統合失語症、うつ病、物質依存症、注意疾患多動性障害の処置および予防を目的とする薬物の調製における使用。
【請求項16】
化合物:
エチル6−ジメチルアミノイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート
6−ジメチルアミノイミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボン酸
エチル6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボキシラート
6−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]イミダゾ[1,2−α]ピリジン−2−カルボン酸。
【請求項17】
請求項16に記載の化合物の、請求項1に記載の一般式(I)の生成物の合成における使用。

【公表番号】特表2011−508758(P2011−508758A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541082(P2010−541082)
【出願日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001833
【国際公開番号】WO2009/106748
【国際公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】