説明

N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2

N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2、それの製造方法、それを含む組成物およびそれを用いた疾患の治療方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2、それの製造方法、それを含む組成物およびそれを用いた疾患の治療方法に関するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
物理的および機械的特性の中で、化合物の結晶性は、それの溶解度、溶解速度、硬度、圧縮率および融点に影響し得る。従って、化学および治療の分野において、薬剤の塩の新規な結晶型やそれの再現性の良い製造方法を確認することが常に求められている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の1実施形態は、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0004】
別の実施形態は、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であることによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0005】
さらに別の実施形態は、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°あり、そしてCu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0006】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度を有し、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0007】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度を有し、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であることによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0008】
さらに別の実施形態は、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であり、そして、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0009】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度および実質的化学的純度を有し、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0010】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度および実質的化学的純度を有し、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であることによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0011】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度および実質的化学的純度を有し、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であり、そしてCu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0012】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度、実質的化学的純度および実質的幾何純度を有し、そしてCu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0013】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度、実質的化学的純度および実質的幾何純度を有し、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であることによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0014】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度、実質的化学的純度および実質的幾何純度を有し、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であり、そしてCu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0015】
さらに別の実施形態は、賦形剤および治療上許容される量のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2で製造されるかそれらを含む組成物であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられる組成物に関する。
【0016】
さらに別の実施形態は、賦形剤および治療上許容される量のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2で製造されるかそれらを含む組成物であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であることによって特徴づけられる組成物に関する。
【0017】
さらに別の実施形態は、賦形剤および治療上許容される量のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2で製造されるかそれらを含む組成物であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であり、そして粉末回折パターン、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有することによって特徴づけられる組成物に関する。
【0018】
さらに別の実施形態は、治療上有効量のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を投与する段階を有する哺乳動物での癌の治療方法であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられる方法に関する。
【0019】
さらに別の実施形態は、治療上有効量のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を投与する段階を有する哺乳動物での癌の治療方法であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であることによって特徴づけられる方法に関する。
【0020】
さらに別の実施形態は、治療上有効量のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を投与する段階を有する哺乳動物での癌の治療方法であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であり、そして粉末回折パターン、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有することによって特徴づけられる方法に関する。
【0021】
さらに別の実施形態は、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造方法であって、
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび溶媒を含む混合物を提供する段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは、前記溶媒に完全に溶解性である段階;
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を前記混合物中に存在させる段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単離およびCu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられる段階;ならびに
前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を単離する段階
を有する方法に関する。
【0022】
さらに別の実施形態は、上記実施形態に記載の方法に従って製造されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0023】
さらに別の実施形態は、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造方法であって、
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび溶媒を含む混合物を提供する段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドが前記溶媒に完全に溶解性である段階;
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を前記混合物中に存在させる段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単離およびMo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、単斜晶系で、a、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°である個々の格子パラメータによって特徴づけられる段階;ならびに
前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を単離する段階
を有する方法に関する。
【0024】
さらに別の実施形態は、上記実施形態に記載の方法に従って製造されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0025】
さらに別の実施形態は、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造方法であって、
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび溶媒を含む混合物を提供する段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドが前記溶媒に完全に溶解性である段階;
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を前記混合物中に存在させる段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単離およびMo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、単斜晶系で、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であり、そしてCu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられる段階;ならびに
前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を単離する段階
を有する方法に関する。
【0026】
さらに別の実施形態は、上記実施形態に記載の方法に従って製造されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0027】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度を有するN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造方法であって、
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび溶媒を含む混合物を提供する段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が前記溶媒に部分的に可溶である段階;
実質的な結晶純度を有するN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を前記混合物中で成長させる段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単離およびCu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられる段階;ならびに
前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を単離する段階
を有する方法に関する。
【0028】
さらに別の実施形態は、上記実施形態に記載の方法に従って製造されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0029】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度を有するN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造方法であって、
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび溶媒を含む混合物を提供する段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドが前記溶媒に部分的に可溶である段階;
実質的な結晶純度を有するN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を前記混合物中で成長させる段階であって、前記結晶性N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単離およびMo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、単斜晶系で、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であることで特徴づけられる段階;ならびに
前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を単離する段階
を有する方法に関する。
【0030】
さらに別の実施形態は、上記実施形態に記載の方法に従って製造されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0031】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度を有するN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造方法であって、
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび溶媒を含む混合物を提供する段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドが前記溶媒に部分的に可溶である段階;
実質的な結晶純度を有するN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を前記混合物中で製造させる段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単離およびMo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、単斜晶系で、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であり、そして粉末回折パターン、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有することによって特徴づけられる段階;ならびに
前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を単離する段階
を有する方法に関する。
【0032】
さらに別の実施形態は、上記実施形態に記載の方法に従って製造されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0033】
さらに別の実施形態は、実質的な結晶純度を有するN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造方法であって、
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび溶媒を含む混合物を提供する段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドが前記溶媒に部分的に可溶である段階;
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が成長するまで前記混合物を約25℃に存在させておく段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単離された時に実質的な結晶純度を有する段階;ならびに
前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を単離する段階
を有する方法に関する。
【0034】
さらに別の実施形態は、上記実施形態に記載の方法に従って製造されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2に関する。
【0035】
さらに別の実施形態は、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造で使用されるN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型1に関する。
【0036】
さらに別の実施形態は、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造で使用される非晶質N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドに関する。
【0037】
さらに別の実施形態は、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造で使用される非晶質または結晶性N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド塩酸塩に関する。
【0038】
さらに別の実施形態は、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造で使用される結晶性または非結晶性N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドメタノレートに関する。
【0039】
さらに別の実施形態は、N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造で使用される結晶性または非結晶性N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドエタノレートに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明は、新たな結晶型のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の発見、それが実質的な結晶的、化学的および幾何的純度を有するようにする方法、それの特性決定方法、それを含む組成物、ならびにそれを用いる疾患の治療方法に関するものである。
【0041】
本明細書で使用される「結晶性」という用語は、分子または外部面平面の規則的に繰り返す配置を有することを意味する。
【0042】
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2は、約25℃で熱力学的に安定な結晶である。
【0043】
本明細書で使用される「熱力学的に安定な」という用語は、特定の温度で準安定安定結晶型以外を意味する。
【0044】
4−メトキシフェニルおよび(2Z)−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルは、本明細書では、それぞれRおよびRによって表すことができる。
【0045】
本明細書で使用される「実質的な結晶純度」という用語は、少なくとも約95%結晶純度、好ましくは約97%結晶純度、より好ましくは約99%結晶純度、最も好ましくは約100%結晶純度を意味する。
【0046】
本明細書で使用される「結晶純度」という用語は、同一化合物の別の結晶型またはそれの互変異体を含み得るサンプル中でのN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2のパーセントを意味する。
【0047】
本明細書で使用される「実質的な化学的純度」という用語は、約95%化学的純度、好ましくは約97%化学的純度、より好ましくは約98%化学的純度、最も好ましくは約100%化学的純度を意味する。
【0048】
本明細書で使用される「化学的純度」という用語は、サンプル中のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドのパーセントを意味する。N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドのサンプルは、例えば酢酸、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソプロピルエーテル、メタノール、n−プロパノール、ピリジン、ピリジン塩酸塩、水、4−アミノフェノール、多様な幾何純度の3,4−ビス(4−ヒドロキシアニリノ)−6−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−2,4−シクロヘキサジエン−1−オン、2−クロロ−3−ニトロピリジンまたはそれの位置異性体、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−((3−ニトロ−2−ピリジニル)オキシ)アニリン、p−メトキシベンゼンスルホニルクロライド、4−((3−(((4−メトキシフェニル)スルホニル)アミノ)ピリジン−2−イル)アミノ)フェニル4−メトキシベンゼンスルホネートまたはそれらの混合物を含むことができる。
【0049】
本明細書で使用される「実質的な幾何純度」という用語は、約95%超、好ましくは約97%超、より好ましくは約99%超、最も好ましくは約100%の幾何異性過剰を意味し、不純物はRSONHRであり、式中においてRは4−メトキシフェニルであり、Rは(2E)−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロピリジン−3−イルである。
【0050】
本明細書で使用される「幾何異性過剰」という用語は、混合物中の同一化合物の別の幾何異性体を有し得る混合物中の化合物の一つの幾何異性体の量を意味する。
【0051】
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2は、幾何異性体として存在し得るものであり、その場合に炭素−窒素二重結合はZ配置、E配置またはZおよびE配置の混合であり、「Z」という用語は相対的に大きい2個の置換基が炭素−窒素二重結合の同じ側にあることを意味し、「E」という用語は相対的に大きい2個の置換基が炭素−窒素二重結合の反対側にあることを意味する。
【0052】
別段の断りがない限り、本明細書におけるパーセントは、重量(w/w)パーセントである。
【0053】
本明細書で使用される「非晶質」という用語は、固体のように見えるが長期にわたって維持される規則的に繰り返す分子配置を持たず、融点を持つのではなく、ガラス転移温度を超えると軟化または流動化する過冷却液体または粘稠液体を意味する。
【0054】
本明細書で使用される「混合物」という用語は、2種類以上の物質の組み合わせを意味する。N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2および溶媒を含む混合物の場合、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2は、その溶媒に完全可溶、部分可溶または実質的に不溶であることができる。
【0055】
理解すべき点として、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドからの溶媒分子を、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造における溶媒として用いることができる。
【0056】
本明細書で使用される「溶媒和物」とう用語は、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、エタノール、酢酸エチル、ブタノール、tert−ブタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ギ酸、ヘプタン、ヘキサン、イソプロパノール、メタノール、1−メチル−2−ピロリジノン、メシチレン、ニトロメタン、ポリエチレングリコール、プロパノール、2−プロパノン、ピリジン、テトラヒドロフラン、トルエン、水、キシレンまたはそれらの混合物などの溶媒を含有することを含む。
【0057】
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2および溶媒を含む混合物中にN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を存在させることは(N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2は溶媒に完全に溶解性である)、核形成として知られている。
【0058】
核形成は、溶媒除去、温度変化、溶媒混和性の逆溶媒添加、溶媒非混和性逆溶媒添加、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2のシード結晶添加、容器(好ましくはガラス容器)内部の摩擦もしくは引っ掻き(その場合、核形成は、ガラス棒またはガラス玉もしくはビーズまたはそれらの組み合わせなどの道具を用いることで起こる)などの手段によって行うことができる。本発明の実施においては、核形成の次に結晶成長があるか、核形成と結晶成長が一緒に起こるか、核形成後および核形成と同時に結晶成長が起こり得るものであり、その間にN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2のパーセントが上昇する。
【0059】
本明細書で使用される「溶媒」という用語は、物質、好ましくは液体または別の物質、好ましくは固体もしくは固体混合物を完全溶解、部分溶解、分散または部分分散することができる混和性、部分混和性もしくは実質的非混和性の2種類以上の液体の混合物を意味する。
【0060】
N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型1は、共有米国特許出願第__号に記載されている。
【0061】
非晶質N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドN−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドは、共有米国特許出願第__号に記載されている。
【0062】
非晶質N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド塩酸塩は、共有米国特許出願第__号に記載されている。
【0063】
結晶性N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド塩酸塩は、共有米国特許出願第__号に記載されている。
【0064】
N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドエタノレートは、共有米国特許出願第__号に記載されている。
【0065】
N−(2−((4−ヒドロキシフェニル)アミノ)ピリジン−3−イル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドメタノレートは、共有米国特許出願第__号に記載されている。
【0066】
本明細書で使用される「混和性」という用語は、相の分離を起こすことなく組み合わせることができることを意味する。
【0067】
本明細書で使用される「逆溶媒」という用語は、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が実質的に不溶である溶媒を意味する。
【0068】
理解すべき点として、多くの溶媒および逆溶媒が不純物を含むことから、存在する場合、本発明の実施における溶媒および逆溶媒中の不純物のレベルは、それらが存在する溶媒の所期の用途を妨害しないだけの低いパーセントである。
【0069】
さらに理解すべき点として、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の空中浮遊シード結晶が、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび溶媒の混合物中で核形成を生じさせる可能性もある。
【0070】
本明細書で使用される「シード結晶」という用語は、質量を有するN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を意味する。理解すべき点として、そのような結晶は空中浮遊性または肉眼観察されないほど小さいものであることもできる。
【0071】
本明細書で使用される「単離する」または「単離」という用語は、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2と不純物を分離することを意味し、その場合に不純物は溶媒、逆溶媒、固体またはそれらの混合物であることができる。N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の単離は代表的には、遠心、真空下もしくは非真空下での濾過、陽圧下での濾過、蒸留、留去またはそれらの組み合わせなどの手段によって行われる。
【0072】
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2は、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび1:1アセトン/水の混合物(N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶は溶媒に完全に可溶である)を提供し、その混合物をシリンジポンプを用いて2.5時間にわたって水逆溶媒で処理して、混合物の溶媒部分を50%アセトンから10%アセトンに変えることで、N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を混合物中に存在させ、混合物を24時間攪拌し、濾過し、乾燥させることで製造した。
【0073】
下記に記載の手順によっても、実質的に化学的および幾何的に純粋なN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を製造することができる。
【実施例1】
【0074】
2−クロロ−3−ニトロピリジン(2C3NP、138.1kg)、4−アミノフェノール(2.5〜3当量)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、4.8mL/g2C3NP)の混合物を均一になるまで攪拌し、50℃で加熱したところ、その間に発熱によって溶液温度は70℃となり、それを昇温させて80〜85℃とし、2−クロロ−3−ニトロピリジンの残留がなくなるまで攪拌し、冷却して30℃とし、水(10.6mL/g2C3NP)で処理して生成物を沈殿させ、次に酢酸(1.2mL/g2C3NP)で処理し、次に酢酸エチル(0.5mL/g2C3NP)で処理し、冷却して5℃とし、2時間攪拌し、濾過した。濾過物を蒸留水(1.6mL/g2C3NP)、冷エタノール(1.2mL/g2C3NP)および冷イソプロピルエーテル(1.2mL/g2C3NP)の順で洗浄し、減圧下に乾燥させた。この方法の好ましい実施形態では、4−アミノフェノール(1当量)を、メタノールまたはDMF中にて4−メチルモルホリン(1.5当量)とともに用い、10%酢酸水溶液を用いて沈殿させた。
【実施例2】
【0075】
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール酸化防止剤を含有させたまたは含有させない実施例1(41.05kg)およびギ酸アンモニウム(5当量)の混合物を、50%湿5%水酸化パラジウム/炭素(実施例1の重量当たり7重量%)のDMF中混合物(6mL/g触媒)、次にDMF(総DMF容量:5mL/g実施例1)で処理し、最初は緩やかな攪拌を行って発熱を制御し(代表的には85℃をピークとする)、次に攪拌を強めて1時間経過させ(反応が完結しなかった場合は、追加の触媒/DMF混合物で処理した)、冷却して10℃とし、濾過した。濾過物をDMF(0.4mL/g実施例1)で洗浄し、濾液を10℃の水(29.4mL/g実施例1)に加えて固体を沈殿させ、それを濾過し、水(7.5mL/g実施例1)で洗浄し、窒素気流下に部分乾燥し、減圧下に50℃でさらに乾燥させて含水率約0.5%とした。
【実施例3】
【0076】
実施例2のピリジン(9mL/g)中混合物に0℃で、反応温度を5℃以下に維持する速度にて、0℃のパラ−メトキシベンゼンスルホニルクロライド(1.05当量)のTHF(1.4mL/g)中混合物を加え、昇温させてとし25℃、15分間攪拌し、濃縮した。濃縮物をn−プロパノールで処理して、9%ピリジンを溶媒混合物中に含む組成を得て、固体を沈殿させた。混合物を冷却して0℃とし、濾過した。濾過物を酢酸エチルで洗浄し(5〜7mL/g原料)、45℃で乾燥させた。
【実施例4】
【0077】
実施例3および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2当量)の混合物を酢酸エチルで抽出した(6mL/g実施例3)。抽出液をブラインで洗浄し(4mL/g実施例3)、n−プロパノールで処理し(2mL/g実施例4)、酢酸エチルの存在量が1%未満となるまで濃縮した。濃縮液を70:30n−プロパノール:水(実施例4 150〜180mg/g溶液)に調節し、その熱溶液を0.2μmフィルターで濾過した。濾液を60:40n−プロパノール:水の溶媒組成に調節し、生成物約130mg/g溶液の濃度とし、冷却して60℃とし、4%N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2のシード結晶の60:40n−プロパノール:水で処理し、約12時間かけて放物線冷却曲線を用いて冷却して0℃とし、濾過した。濾液を40:60n−プロパノール:水(1.8kg/kg生成物)で洗浄し、45℃で乾燥させた。
【0078】
粉末回折分析用のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2のサンプルを、事前の研磨を行わずに、X線源:Cu−Kα;範囲:2.00°〜40.00° 2θ;走査速度:1.00°/分;刻み幅:0.02°;温度:約25℃;波長:1.54178Åというパラメータを有するシンタグ(Scintag)XDS2000回折計の分析ウェルに薄層として入れた。
【0079】
2θに対する角度として表現されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の粉末回折パターンでの代表的な特徴的ピーク位置は、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、約8.6°(0,0,2)、10.1°(1,1,−1)、11.7°(1,1,1)、11.9°(1,1,−2)、13.4°(2,0,−2)、18.3°、(2,0,−4)、20.0°(0,2,3)、20.2°(2,2,0)、20.3°(2,2,−2)、21.5°(2,2,1)、25.2°(4,0,−2)および26.5°(0,2,5)である。各ピーク位置は、それのミラー指数(h,k,l)値を添えて示してある。
【0080】
一連のピーク位置の前にある「約」という用語は、その用語の後に来る群のピーク位置全てを含むものである。
【0081】
理解すべき点として、ピーク高さは変動するものであり、温度、結晶の大きさおよび形態、サンプル製造または回折計の分析ウェルでのサンプル高さなどの可変要素によって決まる。
【0082】
さらに理解すべき点として、異なる放射線源を用いて測定すると、ピーク位置は変動し得る。例えば、波長がそれぞれ1.54060Å、0.7107Å、1.7902Åおよび1.9373ÅであるCu−Kα、Mo−Kα、Co−KαおよびFe−Kα放射線は、Cu−Kα放射線で測定されるものと異なるピーク位置を与え得る。
【0083】
粉末X線回折計からのデジタル出力を小数点以下1/100〜1/1000°までピーク位置を表すように設定することができるが、回折計は1/10°を超えて正確な実験測定を行うことができない。従って、本明細書で報告のピーク位置は、小数点以下1/10°に四捨五入されている。
【0084】
ピーク位置は、粉末X線回折計間の差ならびにCu−Kα放射線源間のバラツキ、同じ回折計でのサンプル間のバラツキならびに分析ウェルでのサンプル高さにおける差を考慮したバラツキとともに表してある。このバラツキは好ましくは、約±0.2°、約±0.1°またはそれらの組み合わせとして表している。
【0085】
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドの治療用途は、2004年5月28日の共同所有の米国特許出願第10/857235号および2004年5月28日の米国特許出願第60/575577号(これらの明細書は、参照によって本願に組み込まれるものとする)に示されている。
【0086】
本明細書で使用される「哺乳動物」という用語は、特定の種類の脊椎動物、好ましくはヒトを意味する。
【0087】
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を用いて製造されるかそれを含む組成物は、例えば口腔投与、点眼投与、経口投与、浸透圧投与、非経口投与(筋肉投与、腹腔内投与、胸骨内投与、静脈投与、皮下投与)、直腸投与、局所投与、経皮投与または膣投与することができる。点眼投与製剤は、例えばエリキシル剤、乳濁液、微細乳濁液、軟膏、液剤、懸濁液またはシロップとして投与することができる。経口投与固体製剤は、例えばカプセル、糖衣錠、乳濁液、粒剤、丸薬、粉剤、液剤、懸濁液、錠剤、微細乳濁液、エリキシル剤、シロップまたは再生用粉剤として投与することができる。浸透圧投与および局所投与製剤は、例えばクリーム、ゲル、吸入剤、ローション、軟膏、ペーストまたは粉剤として投与することができる。非経口投与製剤は、例えば水系もしくは油系液剤または懸濁液として投与することができる。直腸および膣投与製剤は、例えばクリーム、ゲル、ローション、軟膏またはペーストとして投与することができる。
【0088】
本発明実施のための好ましい製剤を表1に示してある。
【0089】
【表1】

【0090】
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の治療上許容される量は、治療を受ける対象、疾患およびそれの重度、それを含む組成物、投与時刻、投与経路、治療期間、それの効力、それのクリアランス速度および別の薬剤の併用投与の有無によって決まる。単一用量または分割用量で患者に対して1日に投与される組成物を製造するのに用いられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の量は、約0.03〜約200mg/kgである。単一用量組成物は、これらの量またはそれの約数の組み合わせを含む。
【0091】
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2は、賦形剤とともにまたはそれを用いずに投与することができる。賦形剤には、封入材料ならびに吸収促進剤、酸化防止剤、結合剤、緩衝剤、コーティング剤、着色剤、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、増量剤、充填剤、香味剤、保湿剤、潤滑剤、芳香剤、保存剤、推進剤、離型剤、滅菌剤、甘味剤、可溶化剤、湿展剤およびそれらの混合物などの添加剤などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
固体製剤で経口投与されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を含む組成物を製造するための賦形剤には、例えば寒天、アルギン酸、水酸化アルミニウム、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、1,3−ブチレングリコール、カルボマー類、ヒマシ油、セルロース、酢酸セルロース、カカオバター、トウモロコシデンプン、コーン油、綿実油、クロス−ポビドン、ジグリセリド類、エタノール、エチルセルロース、ラウリン酸エチル、オレイン酸エチル、脂肪酸エステル類、ゼラチン、胚芽油、グルコース、グリセリン、落花生油、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、イソプロパノール、等張性生理食塩水、乳糖、水酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、麦芽、マニトール、モノグリセリド類、オリーブ油、ピーナツ油、リン酸カリウム塩類、ジャガイモデンプン、ポビドン、プロピレングリコール、リンゲル液、紅花油、ゴマ油、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、リン酸ナトリウム塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムソルビトール、大豆油、ステアリン酸類、フマル酸ステアリル、ショ糖、界面活性剤、タルク、トラガカント、テトラヒドロフルフリルアルコール、トリグリセリド類、水ならびにそれらの混合物などがある。液体製剤で点眼または経口投与されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を用いて作られる組成物を製造するための賦形剤には、例えば1,3−ブチレングリコール、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、エタノール、ソルビタンの脂肪酸エステル類、胚芽油、落花生油、グリセリン、イソプロパノール、オリーブ油、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ゴマ油、水およびそれらの混合物などがある。浸透圧投与されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を用いて作られる組成物を製造するための賦形剤には、例えばクロロフルオロ炭化水素、エタノール、水およびそれらの混合物などがある。非経口投与されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を用いて作られる組成物を製造するための賦形剤には、例えば1,3−ブタンジオール、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、ブドウ糖、胚芽油、落花生油、リポソーム類、オレイン酸、オリーブ油、ピーナツ油、リンゲル液、紅花油、ゴマ油、大豆油、U.S.P.または等張性塩化ナトリウム溶液、水ならびにそれらの混合物などがある。直腸投与または膣投与されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2で作られるまたはそれを含む組成物を製造するための賦形剤には、例えばカカオバター、ポリエチレングリコール、ロウおよびそれらの混合物などがある。
【0093】
以上の説明は、本発明を例証するためのものであり、本発明を本明細書に開示の実施形態に限定するものではない。当業者には明らかである改変および変更は、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲および性質の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2。
【請求項2】
単斜晶系で、Mo−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の格子パラメータa、bおよびcが約14.1153ű0.0003Å、11.6272ű0.0003Åおよび21.5959ű0.0001Åであり、βが107.692°であることによって特徴づけられるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2。
【請求項3】
賦形剤および治療上許容される量のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2で製造されるかそれらを含む組成物であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられる組成物。
【請求項4】
治療上有効量のN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を投与する段階を有する哺乳動物での癌の治療方法であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、Cu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられる方法。
【請求項5】
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造方法において、
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび溶媒を含む混合物を提供する段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドが前記溶媒に完全に溶解性である段階;
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を前記混合物中に存在させる段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単離およびCu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられる段階;ならびに
前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を単離する段階
を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法に従って製造されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2。
【請求項7】
実質的な結晶純度を有するN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2の製造方法において、
N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミドおよび溶媒を含む混合物を提供する段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が前記溶媒に部分的に可溶である段階;
実質的な結晶純度を有するN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を前記混合物中で成長させる段階であって、前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2が、単離およびCu−Kα放射線を用いて約25℃で測定した場合に、個々の2θ値が約8.6°、10.1°、11.7°、11.9°、13.4°、18.3°、20.0°、20.2°、21.5°、25.2°または26.5°である少なくとも3つのピークを有する粉末回折パターンによって特徴づけられる段階;ならびに
前記N−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2を単離する段階
を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法に従って製造されるN−((2Z)−2−((4−ヒドロキシフェニル)イミノ)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド結晶型2。

【公表番号】特表2008−526992(P2008−526992A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551422(P2007−551422)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/001324
【国際公開番号】WO2006/076630
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】