説明

NIR計測ユニットを有するドラム式被覆装置

穿孔付きドラムを有するフィルム被覆装置において、回転ドラム壁の外部に固定したNIR計測ユニットが配設してある。計測は、ドラム壁を介して行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿孔付き円筒壁を有する回転ドラムと被覆のNIRスペクトル計測ユニットとを備えたフィルム被覆装置に関する。本説明の目的に合わせ、フィルム被覆装置なる用語は、錠剤等に機能的被覆を適用する装置もまた含むものである。この種の装置は、当分野ではドラム式被覆装置なる用語でも知られている。
【背景技術】
【0002】
医薬品の品質制御の分野では、ドラム式被覆装置での被覆工程中の被覆監視時に、近赤外分光法(NIR spectroscopy)によることは好都合である。スプレー缶と、さらにしかるべき場合には計測ユニットとは通常、前部にあるドラムの開口を介してドラム内部に突出させる、かつ/または後退させるか退出させることができる静止ブラケットあるいは支柱に取り付けられる。さらに、この開口は被覆工程中は開いたままであり、ドラムの荷積みと荷降ろしにも用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
開口が役立つに違いない多くの機能において、利用可能な空間は限界に達しており、それが追加の機能、例えば追加的に所望される計測を阻止することになる。さらに、スプレーユニットに起因する計測不全の問題が存在する。
【0004】
本発明は、この障害を取り除く目的に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、NIRスペクトル計測はドラム式被覆装置の穿孔付きドラム壁を介して可能であり、高品質の定性的計測結果をもたらすことが分かった。
【0006】
本発明によれば、課題が解決され、それによってNIR計測ユニットは回転ドラム壁の外側に静止装着され、ドラム壁を介して計測が行なえるようになる。
【0007】
下記において、一実施形態の好適な例を同封図面と併せ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】錠剤を被覆するドラム式被覆装置の概略斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示すドラム式被覆装置の典型的なドラム1は、実質的には円筒壁2と、この円筒壁2に取り付けられる円錐側壁4とで構成され、かくして前部にある側壁には開口5が設けられている。円筒壁は、図面中に概略的に示した穿孔3を有する。開口5は、ドラムの荷積みと荷降ろしのためのものであり、さらに例えばスプレーユニットに加え、恐らくはドラム内部での錠剤ベッド(bed)12の処置と計測のための他の装置等もまた含む静止ユニットの装着に用いられる。
【0010】
ドラムの外側にて、ほぼドラム軸の高さに、NIR計測ユニット7が静止ブラケット6に取り付けてある。ブラケット6は、図面中に概略的に示してある。具体的実施形態では、それは、ドラムが装着される筺体(図示せず)の一部である。
【0011】
NIR計測ユニット7は、光源8と計測ヘッド9とで構成される。本実施形態では、7.5ワットのタングステンハロゲンランプを光源8として用い、計測ヘッドとしてアイリス7(Iris 7)と呼ばれる市販の装置を用いる。ランプの照光は、照射された光がドラム上に垂直に入射し、時として穿孔を通ってドラム内と錠剤ベッドとに達するよう、本実施形態ではドラム表面からほぼ10mmの距離に配置してある。本実施形態に使用する装置に代え、他の市販の光源や計測ヘッドも無論同様に用いることができる。
【0012】
被覆工程中、すなわち錠剤ベッドをドラム内に配置し、そこで回転させているときに、光の一部がスペクトル的に分解されて反射され、次に時として穿孔を通って外部へ到達し、そこで計測ヘッド9に対し入射する。計測ヘッドの入力窓は、ここでは同様にドラム表面からほぼ10mmの距離に配置してある。
【0013】
計測ヘッド9が捕捉する光信号は、光導波路10により分光計11へ搬送される。分光計として、チーダスII(Tidas II)の名称による市販の装置が本実施形態に用いられる。それは、1100〜2100nmのスペクトルを捕捉するのに適している。無論、他の同等の装置もまた用いることができる。それによって、捕捉することのできるスペクトルは他の帯域で構成することができる。
【0014】
実験では、錠剤ベッドで反射されて計測ヘッドに達してそこで捕捉される光の一部が、使用可能信号の生成に依然として十分であり、この信号から錠剤ベッドのスペクトルを確実に特定できることが最初に判った。さらなる実験から、ドラム壁の影響は錠剤ベッドのスペクトルに干渉しない、あるいは簡単に補正できることが判った。
【0015】
一例として、アセチルサリチル酸錠剤に対して比較計測を行った。具体的には穿孔付きドラム壁を介する第1の計測と錠剤ベッドと計測ヘッドの間に障害物を伴わない第2の計測とを行った。2つの異なる計測状況において得られたスペクトルは、基準線補正により取り除くことのできる線形変位を除いて本質的に一致するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔付き円筒壁を有するドラムとNIRスペクトル計測ユニットとを用いるフィルム被覆装置であって、NIR計測ユニットを回転ドラム壁の外部に静止装着し、ドラム壁を介して計測を行う、フイルム被覆装置。
【請求項2】
NIR計測ユニットは、個々の計測装置に応じてドラム壁から所定距離に配置した光源と計測ヘッドとを備える、請求項1に記載のフィルム被覆装置。

【図1】
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【公表番号】特表2011−523896(P2011−523896A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512969(P2011−512969)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057139
【国際公開番号】WO2009/150166
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(595114931)グラット マシーネン− ウント アパラーテバウ アクチエンゲゼルシャフト (2)
【氏名又は名称原語表記】Glatt Maschinen− und Apparatebau AG
【住所又は居所原語表記】Kraftwerkstrasse 6,CH−4133 Pratteln,Switzerland
【Fターム(参考)】