説明

O−デスメチルベンラファキシンの合成方法

【課題】ベンラファキシンの前駆体を用いてO−デスメチルベンラファキシンを得るための新規合成経路の提供。
【解決手段】本発明は、O−デスメチルベンラファキシン及びトリデスメチルベンラファキシンの調製方法であって、O−デスメチルベンラファキシンの調製において中間体を使用しうる方法、を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、以下の、2006年7月26日に出願した米国仮特許出願第60/833,616号;2006年8月14日に出願した米国仮特許出願第60/837,879号;2006年10月3日に出願した米国仮特許出願第60/849,216号:2006年9月11日に出願した米国仮特許出願第60/843,998号;2006年10月3日に出願した米国仮特許出願第60/849,255号;2007年3月12日に出願した米国仮特許出願第60/906,639号;及び2007年3月13日に出願した米国仮特許出願第60/906,879号の利益を主張するものである。これらの出願の内容は引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明の分野
本発明は、O−デスメチルベンラファキシンの合成方法、及び新規中間体であるトリデスメチルベンラファキシン、を包含する。
【背景技術】
【0003】
ベンラファキシン、すなわち(±)−1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノールは、第一群の抗うつ剤である。ベンラファキシンは、ノルエピネフリン及びセロトニンの再取り込みを阻害する働きをし、そして三環系抗うつ剤及び選択的再取り込み阻害剤の代用品である。ベンラファキシンは、以下の化学式、式I:
【化1】

を有する。
【0004】
O−デスメチルベンラファキシン、すなわち4−[2−(ジメチルアミノ)−1−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル]フェノールは、ベンラファキシンの代謝物であり、そしてノルエピネフリン及びセロトニンの再取り込みを阻害することが報告されている。Klamerus, K. J. et al., "Introduction of a composite parameter to the pharmacokinetics of venlafaxine and its active O-desmethyl metabolite", J. Clin. Pharmacol. 32:716-724 (1992)を参照のこと。O−デスメチルベンラファキシンは、以下の化学式、式II
【化2】

を有する。
【0005】
ベンラファキシンのメトキシ基の脱メチル化段階を含んで成るO−デスメチルベンラファキシンの合成方法が米国特許第7,026,508号及び第6,689,912号並びに米国公開公報第2005/0197392号に記載されている。
【0006】
上記引用文献で開示されている合成は、以下のスキームに従い実施される:
【化3】

(ここで、「MBC」はシアン化メチルベンジル(methyl benzyl cyanide)を指し、「CMBC」はシアン化シクロヘキシルメチルベンジルを指し、「DDMV」はジデスメチルベンラファキシンを指し、そして「ODV」はO−デスメチルベンラファキシンを指す)。
【0007】
しかしながら、上記米国特許及び米国公開公報で開示されている方法は全て、工業規模での産生に適用した場合には尚も問題がある。米国特許第7,026,508号の方法は、工業的な応用のための方法をスケールアップする場合に非常に困難な化合物である、L−セレクトリド(selectride)を使用している。更に、米国公開公報第2005/0197392号で開示されている方法は、工業規模での方法において取り扱い及び使用が極めて危険な化合物であるリチウムジフェニルホスフィンを使用している。また、米国特許第6,689,912号で開示されている方法は、溶媒としてメタノールを使用しているが、この使用は微量のメタノールが残っている場合であって、その後の過程において高温にかけられる場合に問題となる。
【0008】
従って、直接O−デスメチルベンラファキシンを直接得るためにベンラファキシンの前駆体を用いてO−デスメチルベンラファキシンを得るための新規合成経路についての要求が当業界には存在している。
【0009】
本発明の要約
1つの態様において、本発明はトリデスメチルベンラファキシンを包含する。
【0010】
別の態様において、本発明は、トリデスメチルベンラファキシンを調製する方法であって、ジデスメチルベンラファキシンを脱メチル化してトリデスメチルベンラファキシンを得ることを含んで成る方法、を包含する。ジデスメチベンラファキシンを脱メチル化する方法は、好ましくは:ジデスメチルベンラファキシン、溶媒、及びスルフィド含有脱メチル化剤を混合して混合物を形成し、当該混合物を加熱し、そして任意にトリデスメチルベンラファキシンを当該混合物から回収すること、を含んで成る。
【0011】
別の態様において、本発明は、O−デスメチルベンラファキシンを調製する方法であって、ジデスメチルベンラファキシンを脱メチル化してトリデスメチルベンラファキシンを得て、そして前記トリデスメチルベンラファキシンをO−デスメチルベンラファキシンに変換すること、を含んで成る方法、を提供する。
【0012】
別の態様において、本発明は、O−デスメチルベンラファキシンを調製する方法であって、トリデスメチルベンラファキシンを還元的アミノ化してO−デスメチルベンラファキシンを得ること、を含んで成る方法、を提供する。トリデスメチルベンラファキシンの還元的アミノ化方法は、好ましくは:トリデスメチルベンラファキシンとホルムアルデヒド源の溶液を還元剤、好ましくは水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムと混合して反応混合物を得て、そしてO−デスメチルベンラファキシンを当該反応混合物から回収すること、を含んで成る。
【0013】
別の態様において、本発明は、O−デスメチルベンラファキシンを調製する方法であって、選択的にトリデスメチルベンラファキシンをN,N−メチル化してO−デスメチルベンラファキシンを得ること、を含んで成る方法、を提供する。トリデスメチルベンラファキシンを選択的にN,N−メチル化する方法は、好ましくは:トリデスメチルベンラファキシン、有機溶媒、及びメチル化剤を混合して混合物を得て、そしてO−デスメチルベンラファキシンを当該混合物から回収すること、を含んで成る。
【0014】
本発明の詳細な説明
本発明の態様は、ベンラファキシン中間体から直接的にO−デスメチルベンラファキシンを得るための新規合成経路を包含する。
【0015】
本発明の方法において、化学名が1−[2−アミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノールであるジデスメチルベンラファキシン(「DDMV」)を脱メチル化することで、化学名4−[2−アミノ−1−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル]フェノールである中間体トリデスメチルベンラファキシン(「TDMV」)が形成する。中間体TDMVは、続いて、選択的アミノ化又は選択的N,Nメチル化にかけられることで、O−デスメチルベンラファキシン(「ODV」)を以下のスキームに記載のように形成する:
【化4】

(ここで、「TDMV」とは、新規中間体トリデスメチルベンラファキシンを指す)。
【0016】
本明細書で使用する場合、「室温」は、典型的な研究室の周囲温度を意味し、これは通常、ほぼ標準的な温度及び圧力(STP)のものである。
【0017】
本明細書で使用する場合、用語「高圧」とは、当業者に一般的に理解されている通り、1気圧よりも高い圧力を指す。反対に、本明細書で使用する場合、用語「減圧」とは、当業者に一般的に理解されているように、1気圧未満の圧力を意味する。
【0018】
本明細書で使用する場合、用語「実質的に純粋」とは、当業者に理解されているように、非常に高純度、例えばHPLCの面積パーセントで少なくとも95%の純度の化合物を意味する。
【0019】
本明細書で使用する場合、「単離した」化合物とは、化合物を形成した反応混合物から分離された当該化合物を意味する。
【0020】
1つの態様において、本発明は、化学名が4−[2−アミノ−1−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル]フェノールであり、以下の式IIIを有するトリデスメチルベンラファキシン
を提供する:
【化5】

【0021】
本発明のトリデスメチルベンラファキシン又はその塩は、HPLC面積パーセントで75%以上の純度を有することがある。好ましくは、トリデスメチルベンラファキシン又はその塩は、実質的に純粋であり、更に好ましくはHPLC面積パーセントで少なくとも95%純粋、最も好ましくはHPLC面積パーセントで少なくとも98%純粋である。
【0022】
1つの態様において、トリデスメチルベンラファキシンは、ジデスメチルベンラファキシンを脱メチル化してトリデスメチルベンラファキシンを得ることで調製される。ジデスメチルベンラファキシンの脱メチル化は、ジデスメチルベンラファキシンをスルフィド含有脱メチル化剤と反応させることで実施されうる。この反応は、ジデスメチルベンラファキシンとスルフィド含有脱メチル化剤の混合物を、高温で、トリデスメチルベンラファキシンを形成するのに十分な時間維持することを含んで成る。
【0023】
本明細書で使用する場合、用語「高温」は、約50℃超を意味するが、約10%以上の反応物又は生成物が反応を通じて分解する温度未満である。好ましくは、本発明の方法の脱メチル化反応は、約100℃〜約300℃、更に好ましくは約120℃〜約250℃、より更に好ましくは約140℃〜約210℃で、周囲圧で実施される。あるいは、スルフィド含有脱メチル化剤の存在下でのジデスメチルベンラファキシンの脱メチル化反応は、相当のより低い温度で高圧のもと実施されうる。
【0024】
好ましくは、トリデスメチルベンラファキシンは、ジデスメチルベンラファキシン、溶媒、及びスルフィド含有脱メチル化剤を混合して混合物を形成し、当該混合物を加熱し、そして任意にトリデスメチルベンラファキシンを当該混合物から回収すること、を含んで成る方法によって調製されうる。
【0025】
上記方法で使用するのに適した溶媒は、特に当該方法が雰囲気圧で実施される場合には、高沸点溶媒でありうる。用語「高沸点溶媒」は、当業者によって使用され、そして理解されており、約100℃超の沸点を有する溶媒を指す。好ましくは、高沸点溶媒は、トルエン、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、N−メチル−2−ピリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド(「DMA」)、ポリエチレングリコール、Marlotherm、シリコン油、N,N’−ジメチルプロピレンウレア(「DMPU」)、ジメチルオレチレンウレア(「DMEU」)(dimethylolethyleneurea)、ヘキサメチルホスホラミド(「HMPA」)、ジエチルホルムアミド(「DEF」)、ジエチレンアミン(「DEA」)、モルホリン、スルホラン、フェニルエーテル及びそれらの混合物から成る群から選択される。更に好ましくは、高沸点溶媒は、ポリエチレングリコール、NMP又はDMAである。
【0026】
好ましくは、ジデスメチルベンラファキシンの出発材料は、ジデスメチルベンラファキシン遊離塩基であり、これは当業者に知られている任意の方法、例えば、米国特許第7,026,508号及び米国特許第6,689,912号(これらは引用により本明細書に組み入れられる)に記載のものによって、又は市販の塩を遊離塩基の形態に変換することによって得ることができる。かかる変換は、ジデスメチルベンラファキシンの市販の塩、例えばその塩酸塩又は酢酸塩を、有機性の溶液、好ましくはC1-4アルコール、例えばメタノールに溶解させ、そして塩基、例えば水酸化ナトリウムを当該溶液に添加すること、を含んで成る。ジデスメチルベンラファキシン遊離塩基は、続いて、溶媒を蒸発させることで回収されうる。あるいは、ジデスメチルベンラファキシンの塩が、出発材料として、その遊離塩基を予め変換することなく使用されうる。ジデスメチルベンラファキシンの遊離塩基は、塩基を添加することでin situで調製することができる。
【0027】
スルフィド含有脱メチル化剤は、−1又は−2価を有する金属スルフィド、チオラート及びチオール、から選択される。好ましくは、脱メチル化剤は、メルカプタン又はその塩、チオアルコール塩、あるいは硫化ナトリウムである。好ましいチオラートは、高分子量のチオラート又はアレーンチオラートである。更に好ましくは、スルフィド含有脱メチル化剤は、ナトリウムドデカンチオラート又はチオフェノールである。ナトリウムドデカンチオラートは、当業者に知られている方法によって、例えばナトリウムメトキシド、メタノール及びドデカンチオールを混合することによって得られる。
【0028】
チオフェノールが使用される場合、塩基触媒は、好ましくは反応混合物中で利用される。好ましくは、塩基触媒は、金属の炭酸塩、水素化物、水酸化物、アミド又はオキシドである。更に好ましくは、塩基触媒は、K2CO3, Li2CO3, Na2CO3, Cs2CO3, MgCO3, CaCO3, BaCO3, SrCO3, ZnCO3, NaHCO3, KHCO3, LiOH, NaOH, CsOH, LiH, NaH, KH, CaH2, LiNH2, NaNH2, 及びtBuOKから成る群から選択され、最も好ましくは炭酸カリウムである。
【0029】
好ましくは、前記混合物は、約100℃〜約300℃、好ましくは約140℃〜約210℃、好ましくは約155℃〜約190℃の温度に雰囲気圧で加熱される。反応混合物は、脱メチル化反応が加圧下(高い圧力のもと)実施される場合は常に、約50℃〜約200℃、好ましくは約80℃に加熱されうる。加圧下で、前記反応は、1気圧超の高い圧力のもと、好ましくは約1バール〜約10バールの圧力のもと実施されうる。混合物は、トリデスメチルベンラファキシンを得るのに十分な時間、好ましくは約1時間〜約12時間、更に好ましくは約2時間〜約6時間、より更に好ましくは約2.5時間〜約5.5時間加熱される。
【0030】
トリデスメチルベンラファキシンは、当業者に知られている任意の方法によって前記混合物から回収されうる。1つの態様において、前記混合物からのトリデスメチルベンラファキシンの回収は、当該混合物を冷却し、得られた冷却混合物を、好ましくはシリカを添加することでスラリー状にし;スラリーを濾過し、そしてC1−C4アルコール、好ましくはイソプロパノールで洗浄し;当該スラリーをC1−C4アルコール、好ましくはイソプロパノール中で懸濁し、そしてpHをpH8に調節し;当該懸濁液を濾過し;そして溶媒を濾液から蒸発させる段階、を含んで成る。
【0031】
より純粋な生成物を生成するために、上述のように回収したTDMVは、続いて、水中で、周囲温度で約10分〜約24時間、好ましくは約2時間スラリー状にされ、続いて、水が除去され、そして好ましくは得られた生成物は水で洗浄されうる。このようにして得られたTDMVは、その後、好ましくは濾過され、そして乾燥することで結晶TDMVが得られる。任意に、スラリーは約0℃に冷却されうる。
【0032】
別の態様において、本発明は、O−デスメチルベンラファキシンを調製する方法であって、ジデスメチルベンラファキシンを脱メチル化してトリデスメチルベンラファキシンを得て、そして前記トリデスメチルベンラファキシンをO−デスメチルベンラファキシンに変換すること、を含んで成る方法、を提供する。
【0033】
別の態様において、本発明は、O−デスメチルベンラファキシン又はその塩を調製する方法であって、トリデスメチルベンラファキシンを還元的アミノ化してO−デスメチルベンラファキシンを得ること、を含んで成る方法、を提供する。トリデスメチルベンラファキシンの還元的アミノ化方法は、好ましくは:トリデスメチルベンラファキシン及びホルムアルデヒド源の溶液を還元剤と混合して反応混合物を得て、O−デスメチルベンラファキシンを当該反応混合物から回収すること、を含んで成る方法、を提供する。
【0034】
トリデスメチルベンラファキシン出発材料は、適当な溶媒、好ましくは有機溶媒、例えばC1-4アルコール、好ましくはメタノール又はイソプロパノール、あるいはC1-6カルボン酸、好ましくは酢酸又はギ酸、あるいはC6−C8芳香族炭化水素、好ましくはトルエン、あるいはC3−C5ケトン、好ましくはアセトン及びそれらの混合物との溶液で提供されうる。使用されうる追加の溶媒には、NMP及びDMFもある。あるいは、適当な溶媒は水であることもある。
【0035】
任意に、前記方法は酸性条件下で実施される。使用する溶媒が既に酸性でない場合、無機酸、例えばHCl、又は有機酸、好ましくはC1-6カルボン酸、更に好ましくはギ酸又は酢酸が添加される。
【0036】
トリデスメチルベンラファキシンの所望とするN,N−ジメチル化はアルデヒドを用いて実施してもよく、好ましいアルデヒドはホルムアルデヒドである。任意のホルムアルデヒド源を使用してもよく、例えば、当業者に知られているものを幾つか挙げると、気体のホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド(「パラホルム」)、ホルマリン溶液、及びトリオキサンがある。
【0037】
適当な還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムから成る群から選択される。還元剤を混合する前に、前記溶液を、約10℃未満、好ましくは約5℃未満、更に好ましくは約0℃〜約5℃の温度に冷却することがある。
【0038】
O−デスメチルベンラファキシンは、当業者に知られている任意の方法によって反応混合物から回収することができる。
【0039】
別の態様において、本発明は、O−デスメチルベンラファキシンを調製する方法であって、トリデスメチルベンラファキシンを選択的にN,N−メチル化してO−デスメチルベンラファキシンを得ること、を含んで成る方法、を提供する。トリデスメチルベンラファキシンを選択的にN,Nメチル化する方法は、好ましくは:トリデスメチルベンラファキシン及びメチル化剤を、好ましくは有機溶媒と混合して混合物を形成し、そしてO−デスメチルベンラファキシンを当該混合物から回収すること、を含んで成る方法、を提供する。
【0040】
好ましい有機溶媒は、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、及びヘキサン、から成る群から選択される。
【0041】
任意に、前記方法は塩基性条件下で実施される。好ましくは、塩基性反応を提供するための供給源は、ブチルリチウム、トリエチルアミン、及び水素化ナトリウム、から成る群から選択されうる。
【0042】
好ましいメチル化剤は、ハロゲン化メチル、好ましくはヨウ化メチル、及び硫酸ジメチルから成る群から選択される。
【0043】
前記反応は、O−デスメチルベンラファキシンを得るのに十分な時間実施されうる。「十分な」時間は、所望とする反応の程度及び反応条件、例えば温度に一部依存する。当業者は、いつ十分な時間になったかについて決定するのを容易にモニタリングすることができる。好ましい時間は、概して約30分〜約24時間、好ましくは約18時間である。
【0044】
O−デスメチルベンラファキシンは、当業者に知られている任意の方法によって前記混合物から回収することができる。
【0045】
幾つかの好ましい態様を参照して本発明を説明してきたが、他の態様は、本明細書を考慮することで当業者は容易に理解されるであろう。本発明は更に、化合物トリデスメチルベンラファキシンの合成及び更にO−デスメチルベンラファキシンへのその変換を詳細に説明する以下の実施例を参照することで更に定義される。当業者にとっては、材料及び方法の両方に対する多数の修飾が、本発明の範囲を逸脱することなく実施されうることは自明であろう。
【実施例】
【0046】
実施例1:HPLCによるトリデスメチルベンラファキシン及びO−デスメチルベンラファキシンの純度/不純物プロファイルの決定
HPLC
カラム及びパッキング: Zorbax SB C-18 4.6*250mm Part No.28105-020又は同等のカラム
カラム温度: 25℃
バッファー: 4.0mlのトリフルオロ酢酸及び7.0mlのトリエチルアミンを1Lの水に添加してpHをトリエチルアミンで3.0に調節する。
溶出液:
容器A 30%アセトニトリル及び70%バッファー
容器B 700mlのアセトニトリル及び300mlのバッファーに対し、1.6mlのトリフルオロ酢酸及び2.9mlのトリエチルアミンを添加し、pHを測定する。pHは約3.0であるべきである(必要により、pHをトリエチルアミン又はトリフルオロ酢酸で修正する)。
【0047】
【表1】

【0048】
流速: 1.0ml/分
検出器: 230nm
試料容積: 10μl
希釈剤: 溶出液A
【0049】
移動相の組成及び流速を変更することで、必要なシステムの適合性を達成することができる。
【0050】
試料の調製
正確に約10mgの試料を20mlの琥珀色の容量フラスコに秤量する。溶出液Aで溶解させる。
【0051】
方法
試料溶液をクロマトグラフィーに注入し、試料のクロマトグラムをグラジエントの終わりまで取り続ける。各溶液中の各ピークについて、適当な積分器を用いて面積を決定する。
【0052】
計算
不純物プロファイルの決定
【数1】

【0053】
実施例2:トリデスメチルベンラファキシンの調製
1)ジデスメチルベンラファキシン塩酸塩(「DDMVxHCl」)の中和
DDMVxHCl(5.73g、20ミリモル)を最小量のメタノールに溶解させ、そして水酸化ナトリウム(0.88g、22ミリモル)を添加して混合物を形成させた。当該混合物を室温で15分間攪拌した。溶媒を続いて減圧下90℃で蒸発させた。
1)ジデスメチルベンラファキシン塩酸塩(「DDMVxHCl」)の中和
DDMVxHCl(5.73g、20ミリモル)を最小量のメタノールに溶解させ、そして水酸化ナトリウム(0.88g、22ミリモル)を添加して混合物を形成させた。当該混合物を室温で15分間攪拌した。溶媒を続いて減圧下90℃で蒸発させた。
【0054】
2)ナトリウムドデカンチオラートの調製
別のフラスコ内で、ナトリウムメトキシド(1,43g、26ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させ、そしてドデカンチオール(6.5ml、27ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で15分攪拌した。溶媒を続いて減圧下90℃で蒸発させた。
【0055】
3)脱メチル化
ステップ1)で生成したDDMV遊離塩基をポリエチレングリコール(「PEG」)400(5ml)に投入し、そしてステップ2)のナトリウムドデカンチオラートを含むフラスコに添加した。追加のPEG400(3ml)を使用してステップ1)のフラスコを洗浄した。生じた混合物を砂浴内で190℃で窒素を流しながら加熱した。フラスコの内部温度は155℃に達した。反応は、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)でモニタリングして、2.5時間後に完了していることを確認した。
【0056】
実施例3:トリデスメチルベンラファキシンの調製
1)ジデスメチルベンラファキシン塩酸塩(「DDMVxHCl」)の中和
DDMVxHCl(30g、105ミリモル)を最小量のメタノールに溶解させ、そして水酸化ナトリウム(6.24g、115ミリモル)を添加して混合物を形成させた。当該混合物を室温で15分間攪拌した。溶媒を続いて減圧下90℃で蒸発させた。メタノールの残りはトルエンを添加してそれを減圧下100℃で一晩蒸発させることで蒸発させた。
【0057】
2)ナトリウムドデカンチオラートの調製
別のフラスコ内で、ナトリウムメトキシド(8.1g、150ミリモル)を10mlのメタノールに溶解させ、そしてドデカンチオール(32.8ml、136.6ミリモル)を添加した。生じた溶液を室温で15分攪拌した。溶媒を続いて減圧下90℃で蒸発させた。メタノールの残りはトルエンを添加してそれを減圧下100℃で2時間蒸発させることで蒸発させた。
【0058】
3)脱メチル化
ステップ1)で生成したDDMV遊離塩基をポリエチレングリコール(「PEG」)400(30ml)に投入し、そしてステップ2)のナトリウムドデカンチオラートを含むフラスコに添加した。追加のPEG400(3ml)を使用してステップ1)のフラスコを洗浄した。生じた混合物を砂浴内で190℃で窒素を流しながら加熱した。フラスコの内部温度は190℃に達した。反応は、薄層クロマトグラフィーでモニタリングして、3時間後に完了していることを確認した。
【0059】
4)ワークアップ
反応混合物を冷却させた。温度が110℃に達したら、トルエン(100ml)を添加した。温度が室温に達したら、シリカ(30g)を添加し、そして生じたスラリーを1時間攪拌した。続いて、シリカを濾過した。濾液は、TLC解析でドデカンチオール(及びメチルドデカンチオエーテル)を含んでいることを確認した。生成物を含むシリカを、続いてイソプロパノール(100mL)中で懸濁してスラリーを形成させた。生じたスラリーを60℃で1時間攪拌した。続いて、当該スラリーを濾過し、濾液がODV、DDMV、及び不純物を含んでいるかどうかを確認した。シリカを再びイソプロパノール(100ml)中で懸濁し、そして塩酸のイソプロパノール溶液をpHが8になるまで添加した。続いて、シリカを濾過し、そして濾液から溶媒を蒸発させて、HPLC面積パーセントで100%の純度を有する純粋なTDMVを回収した(収率52%)。
【0060】
実施例4:トリデスメチルベンラファキシンの調製
DDMVxHCl(2g、7ミリモル)、NaOMe(0.96g、17.7ミリモル)、ドデカンチオール(2.3ml=1.84g、9ミリモル)及びDMA(4ml)を一緒に混合し、そして減圧下のrotovapor内に据えることで、NaOMeとドデカンチオール及びDDMV.HClとを接触している間に形成したMeOHの全ての残りを蒸発させた。混合物を続いて砂浴内で180℃に加熱した。(Tin=135℃)。2.5時間後、試料をHPLCによって解析した結果、36%のTDMVを含んでいた。
【0061】
実施例5:トリデスメチルベンラファキシンの調製
DDMVxHCl(1g、4ミリモル)、K2CO3(0.6g、4.4ミリモル)、チオフェノール(0.8ml、6ミリモル)及びNMP(4ml)を50mlのフラスコに充填し、そして砂浴で加熱した。砂浴の温度は210℃で6時間維持した。HPLC解析により、DDMVが全て消費されていることが確認された。TDMVは、HPLCの面積パーセントにより83.5%の純度で得られた。
【0062】
実施例6:トリデスメチルベンラファキシンの調製
DDMVxHCl(10g、40ミリモル)、K2CO3(6g、44ミリモル)、及びNMP(40ml)を、マグネットスターラー、凝縮器、及び窒素注入口を備えた250mlのフラスコに充填し、そして砂浴で加熱した。砂浴の温度は210℃で5.5時間維持した。HPLC解析により、DDMVの全ての消費が確認された。TDMVは、HPLCの面積パーセントにより、95%の純度で得られた。
【0063】
実施例7:DDMVからのTDMVの調製
1)DDMVxHClの中和
DDMVxHCl(10g、0.034ミリモル)及びMeOH(15ml)に溶解し、そしてNaOMe(2.07g、0.038モル)を添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、そして溶媒を減圧下90℃で蒸発させた。
【0064】
2)脱メチル化
DDMV遊離塩基(ステップ1で調製したもの)をNMP(15ml)に投入し、そしてNa2S(4.3g、0.035ミリモル)を、メカニカルスターラー、凝縮器、及び窒素注入口を備えた250mlのフラスコに添加した。反応混合物を砂浴で230℃に加熱し、そして反応をHPLCでモニタリングした。
【0065】
実施例8:加圧下でのTDMVの調製
250mlのオートクレーブに5gのDDMV塩基(0.020モル)、4.41gチオフェノール(0.040モル、2当量)及び溶媒(10ml)及び触媒量のK2CO3を充填する。反応混合物を40℃〜220℃で、1〜10バールの圧力で4時間攪拌する。混合物を続いて室温に冷却する。周囲温度で、溶媒(10ml)及び水(10ml)を添加し、そして生成物を回収することでTDMVが得られる。
【0066】
実施例9:DDMVからのTDMVの調製
DDMV.HCl(10g、35ミリモル)、K2CO3(5.1g、38.4ミリモル)、チオフェノール(6.2ml、52.5ミリモル)及びNMP(20ml)を、メカニカルスターラー、凝縮器、及び窒素注入口を備えた100mlのフラスコに充填し、そして砂浴で加熱した。反応混合物の温度は約125℃±10℃で4時間であった。当該反応混合物を90℃に冷却し、そしてH2O(50ml)を一滴ずつ添加して沈殿を誘導させた。スラリーを25℃に冷却し、そして約80分間攪拌した。固体を濾過し、H2O(20ml)で洗浄し、そしてフィルター上に一晩放置し、そして定量になるまで40℃で減圧下乾燥させることで、白色の結晶生成物が生じた(HPLCで98.5%の面積の純度)。このようにして得られた化合物を水(50ml)中周囲温度で2時間スラリー状にした。固体を濾過し、H2O(20ml)で洗浄し、そしてフィルター上で一晩放置し、40℃で真空下乾燥させることで結晶性の生成物が生じた。
【0067】
実施例10:DMA中でのDDMVからのTDMVの調製:
DDMV.HCl(10g、35ミリモル)、K2CO3(5.1g、38.4ミリモル)、チオフェノール(6.2ml、52.5ミリモル)及びDMA(20ml)を、メカニカルスターラー、凝縮器、及び窒素注入口を備えた100mlのフラスコに充填し、そして砂浴で加熱した。反応混合物の温度は約110℃±10℃で3時間であった。当該反応混合物を90℃に冷却し、そしてH2O(50ml)を一滴ずつ添加して沈殿を誘導させた。スラリーを25℃に冷却し、そして約4時間攪拌した。固体を濾過し、H2O(20ml)で洗浄し、そしてフィルター上に一晩放置した(HPLCで95%の面積の純度)。このようにして得られた化合物を水(50ml)中周囲温度で2時間スラリー状にし、濾過し、H2O(20ml)で洗浄し、そして40℃で真空下乾燥させることで結晶性の生成物が生じた。
【0068】
実施例11:O−デスメチルベンラファキシンの調製:
TDMV(0.2g、0.85ミリモル)をメタノールに溶解させた。ホルマリン溶液(0.4ml、5ミリモル)を添加し、そして生じた溶液を氷浴内で冷却した。冷たい溶液に対し、NaBH4(65mg、1.7ミリモル)を添加した。15分後、試料をHPLCで解析し、そしてHPLC面積パーセントにより85%のODVを含むことを確認した。
【0069】
実施例12:O−デスメチルベンラファキシンの調製
TDMV(0.2g、0.85ミリモル)を酢酸(1ml)に溶解させた。ホルマリン溶液(1.5ml、17ミリモル)を添加し、そして生じた溶液を氷浴内で冷却した。冷たい溶液に対し、NaBH(OAc)3(65mg、1.7ミリモル)を添加することで、攪拌できないようなスラリーが形成した。15分後、試料をHPLCで解析し、そしてHPLC面積パーセントにより36%のODVを含むことを確認した。
【0070】
実施例13:O−デスメチルベンラファキシンの調製
TDMV(0.2g、0.85ミリモル)をジメチルスルホキシド(2.5ml)に溶解させた。生じた溶液を氷浴で冷却することで固化を生じさせた。1.6Mのブチルリチウムのヘキサン溶液(1.1ml、1.7ミリモル)を添加し、そして温度を室温にまで上昇させた。続いて、ヨウ化メチル(0.13ml、2.04ミリモル)を添加した。30分後、HPLC解析によりODVの存在が示された。
【0071】
実施例14:O−デスメチルベンラファキシンの調製
TDMV(0.5g、2.12ミリモル)をCH2Cl2中で懸濁した。ヨウ化メチル(0.26ml、4.3ミリモル)及びトリエチルアミン(0.66ml、4.73ミリモル)を添加した。反応混合物を窒素雰囲気のもと室温で6時間攪拌した。この時点で、ヨウ化メチル(0.5ml)及びNEt3(1.2ml)及び添加した。この添加により温度を上昇させた。16時間後、HPLC解析により、ODVの存在が示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリデスメチルベンラファキシン。
【請求項2】
単離されている、請求項1に記載のトリデスメチルベンラファキシン。
【請求項3】
実質的に純粋な、請求項1又は2に記載のトリデスメチルベンラファキシン。
【請求項4】
純度が重量当たり約75%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリデスメチルベンラファキシン。
【請求項5】
純度が重量当たり約95%以上である、請求項4に記載のトリデスメチルベンラファキシン。
【請求項6】
ジデスメチルベンラファキシンを脱メチル化することを含んで成る、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトリデスメチルベンラファキシンを調製する方法。
【請求項7】
脱メチル化が、ジデスメチルベンラファキシンをスルフィド含有脱メチル化剤と反応させることを含んで成る、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ジデスメチルベンラファキシンと脱メチル化剤の反応が、ジデスメチルベンラファキシン及び脱メチル化剤の混合物を、溶媒中、高温で、トリデスメチルベンラファキシンが形成するのに十分な時間維持することを含んで成る、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ジデスメチルベンラファキシン、高沸点溶媒、及び脱メチル化剤を混合して混合物を形成させ、そして当該混合物を約100℃〜約300℃の温度に加熱すること、を更に含んで成る、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
温度が約140℃〜約210℃である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
温度が約155℃〜約190℃である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
混合物が高温で約1〜約12時間維持される、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
高沸点溶媒が、トルエン、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、N−メチル−2−ピリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド(「DMA」)、ポリエチレングリコール、Marlotherm、シリコン油、N,N’−ジメチルプロピレンウレア(「DMPU」)、ジメチルオレチレンウレア(「DMEU」)(dimethylolethyleneurea)、ヘキサメチルホスホラミド(「HMPA」)、ジエチルホルムアミド(「DEF」)、ジエチレンアミン(「DEA」)、モルホリン、スルホラン、フェニルエーテル及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
高沸点溶媒がポリエチレングリコール、NMP又はDMAである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
混合物が約50℃〜約200℃の温度に約1バール〜約10バールの圧力のもと加熱される、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
温度が約80℃である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
スルフィド含有脱メチル化剤が、−1又は−2価を有する金属スルフィド、チオラート及びチオール、から選択される、請求項7〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
脱メチル化剤がメルカプタン、チオアルコール塩、又は硫化ナトリウムである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
脱メチル化剤が高分子量のチオラート又はアレーンチオラート又はチオールである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
脱メチル化剤がナトリウムドデカンチオラート又はチオフェノールである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
脱メチル化剤がチオフェノールであり、そして触媒を前記混合物に添加すること、を更に含んで成る、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
触媒が、金属炭酸塩、金属水素化物、金属水酸化物、金属アミド、及び金属オキシドから成る群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
触媒が炭酸カリウムである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
トリデスメチルベンラファキシンを前記混合物から回収すること、を更に含んで成る、請求項7〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のトリデスメチルベンラファキシン(「TDMV」)を還元的アミノ化してO−デスメチルベンラファキシン(「ODV」)を生成させること、を含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項26】
トリデスメチルベンラファキシン及びホルムアルデヒド源を還元剤と混合してO−デスメチルベンラファキシンを形成させること、を含んで成る、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
トリデスメチルベンラファキシンが、C1-4アルコール、C1-6カルボン酸、C6−C8芳香族炭化水素、C3−C5ケトン、NMP、DMF、及びそれらの混合物から成る群から選択される溶媒の溶液中に存在している、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
酸性条件下で実施される、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
有機酸の存在下で実施される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
有機酸がギ酸又は酢酸である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ホルムアルデヒド源が、気体のホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ホルマリン溶液、及びトリオキサン、から成る群から選択される、請求項26〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムから成る群から選択される、請求項26〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
トリデスメチルベンラファキシン及びホルムアルデヒド源の混合物を約10℃未満の温度に冷却し、続いて、当該混合物を還元剤と混合すること、を更に含んで成る、請求項26〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
トリデスメチルベンラファキシンを選択的にN,N−メチル化することでO−デスメチルベンラファキシンを調製する方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトリデスメチルベンラファキシン及びメチル化剤を混合してO−デスメチルベンラファキシンを形成させること、を含んで成る、方法。
【請求項35】
トリデスメチルベンラファキシン及びメチル化剤が、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、及びヘキサン、から成る群から選択される有機溶媒と混合される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
塩基性条件下で実施される、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項37】
塩基性条件がブチルリチウム、トリエチルアミン、及び水素化ナトリウム、から成る群から選択される塩基によって提供される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
メチル化剤が、ハロゲン化メチル、及び硫酸ジメチルから成る群から選択される、請求項34〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
O−デスメチルベンラファキシンを調製する方法であって、請求項6〜24のいずれか1項に従いジデスメチルベンラファキシンを脱メチル化してトリデスメチルベンラファキシンを得て、そしてトリデスメチルベンラファキシンをO−デスメチルベンラファキシンに変換すること、を含んで成る方法。
【請求項40】
変換段階が、請求項25〜33のいずれか1項に従い、トリデスメチルベンラファキシンを選択的アミノ化してO−デスメチルベンラファキシンを形成させることを含んで成る、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
変換段階が、請求項34〜38のいずれか1項に従い、トリデスメチルベンラファキシンをメチル化剤で選択的にN,Nメチル化してO−デスメチルベンラファキシンを形成すること、を含んで成る、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
O−デスメチルベンラファキシンを製造する方法におけるトリデスメチルベンラファキシンの使用。

【公開番号】特開2008−44936(P2008−44936A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−194720(P2007−194720)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】