説明

OFDMシステムのためのチャネル特性に適応したパイロットパターンの割り付け

【課題】移動局または基地局から伝送されるパイロットシステムの複数の伝送パターンを提供する。
【解決手段】移動局と基地局との間のチャネルの周波数選択性および/または時間選択性に応じて、適切なパターンが選択される。選択されたパターンによって、パイロットシンボルの受信の向上が可能になる。さらに、同じ周波数を介した、同じスロットにおける、異なる移動局からの干渉および/またはバイアスを低減するために、スクランブル符号をパターンに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書は、一般に、無線通信に関し、特に、直交周波数分割無線通信システムにおけるパイロット情報の伝送に関する。
【背景技術】
【0002】
直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムは、直交周波数分割多重方式(OFDM)を使用する。OFDMは、全システム帯域幅を複数(N個)の直交周波数サブキャリアに分割するマルチキャリア変調技術である。これらのサブキャリアは、トーン、ビン、また周波数チャネルとも呼ばれ得る。各サブキャリアは、データで変調され得る。各OFDMシンボル周期(OFDM symbol period)に、最高N個までの変調シンボルを、N個の全サブキャリアで送信することができる。これらの変調シンボルは、Nポイント逆高速フーリエ変換(IFFT)により時間領域に変換されて、N個の時間領域チップまたはサンプルを含む変換済みシンボルを生成する。
【0003】
周波数ホッピング通信システムでは、データは、「ホップ周期」と呼ばれ得る異なる時間区間で、異なる周波数サブキャリア上で伝送される。これらの周波数サブキャリアは、直交周波数分割多重、他のマルチキャリア変調技術、または他の何らかの構成体によって提供され得る。周波数ホッピングでは、データ伝送は、疑似ランダムな方法で、サブキャリアからサブキャリアにホップする。このホッピングによって、周波数ダイバーシティが提供され、データ伝送が、狭帯域干渉、ジャミング、フェージングなど、有害なパス効果により良く耐えることができるようになる。
【0004】
OFDMAシステムは、複数の移動局を同時にサポートすることができる。周波数ホッピングのOFDMAシステムの場合、所与の移動局についてのデータ伝送は、特定の周波数ホッピング(FH)シーケンスに関連付けられている「トラヒック」チャネル上で送信され得る。このFHシーケンスは、各ホップ周期おいてデータ伝送に使用する特定のサブキャリアを示す。複数の移動局についての複数のデータ伝送は、異なるFHシーケンスに関連付けられている複数のトラヒックチャネル上で同時に送信され得る。これらのFHシーケンスは、1つのトラヒックチャネルのみ、およびしたがって1つのデータ通信のみが、各ホップ周期に各サブキャリアを使用するように、互いに直交するように定義されていてもよい。直交するFHシーケンスを使用することによって、複数のデータ伝送は、一般に、周波数ダイバーシティの恩恵にあずかりながら、互いに干渉しない。
【0005】
無線チャネルを介して送信されるデータを回復するために、通常、送信機と受信機との間の無線チャネルの正確な推定が必要である。チャネル推定は、一般に、送信機からパイロットを送信し、受信機でパイロットを測定することによって行われる。パイロット信号は、送信機および受信機の両方によって先験的に知られているパイロットシンボルで構成される。したがって、受信機は、受信されたシンボルおよび既知のシンボルに基づいて、チャネル応答を推定することができる。
【0006】
ホップ周期中の、任意の特定の移動局から基地局への各伝送の部分は、しばしば「逆方向リンク(reverse link)」伝送と呼ばれ、パイロットシンボルの伝送に割り当てられる。一般に、パイロットシンボルの数は、チャネル推定の品質、およびしたがって、パケット誤り率の性能を決定する。しかし、パイロットシンボルの使用によって、達成できる有効な伝送データレートの低減がもたらされる。すなわち、より多くの帯域幅がパイロット情報に割り当てられるので、データ伝送に利用可能な帯域幅は、より少なくなる。
【0007】
FH−OFDMAシステムの1つのタイプは、複数の移動局が周波数およびシンボル周期の隣接するグループに割り当てられるブロック化されたホップシステムである。こうしたシステムでは、ブロックは、パイロットおよびデータ伝送の両方に使用できる限られた量のシンボルおよびトーンを有しているため、パイロット情報が移動局から確実に受信されると同時に、パイロット情報に割り当てられる帯域幅を低減することが重要である。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態では、移動局または基地局から伝送されるパイロットシンボルに、パイロットシンボルパターンが提供される。このパターンによって、伝送されたパイロットシンボルの改良された受信および復調が可能になる。パイロットパターンの選択は、ユーザの周波数選択性および周波数選択性閾値(frequency selective threshold)に基づいていてもよい。
【0009】
追加の実施形態では、OFDMシステムにおいて、同じ周波数を介した、同じタイムスロットにおける、ある基地局の同じセクタ内の異なる移動局からの干渉および/またはバイアスなしに、パイロットシンボルを多重化することができる能力を改善する方式が提供される。
【0010】
さらに別の実施形態では、OFDMシステムにおいて、同じ周波数を介した、同じタイムスロットにおける、隣接するセル内の異なる移動局から伝送されるパイロットシンボルのバイアスまたは干渉を低減する方式が提供される。
【0011】
他の実施形態では、パイロットシンボルパターンを変える方法が提供される。また、さらに別の実施形態では、パイロットシンボルを生成する方法が提供される。
【0012】
本実施形態の特徴、性質、および利点は、以下に記載された詳細な説明を、同様の参照文字が全体を通して同様に付されている図面と併せ読めば、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施形態による多元接続無線通信システムを示す図。
【図2】一実施形態による多元接続無線通信システムのためのスペクトル割当て方式を示す図。
【図3A】一実施形態によるパイロット割当て方式を示すブロック図。
【図3B】別の一実施形態によるパイロット割当て方式を示すブロック図。
【図3C】別の実施形態によるパイロット割当て方式を示すブロック図。
【図3D】別の実施形態によるパイロット割当て方式を示すブロック図。
【図3E】別の実施形態によるパイロット割当て方式を示すブロック図。
【図4A】一実施形態によるパイロットシンボルスクランブル方式を示す図。
【図4B】別の一実施形態によるパイロットシンボルスクランブル方式を示す図。
【図5】一実施形態による多元接続無線通信システムにおける複数セクタを含む基地局を示す図。
【図6】別の一実施形態による多元接続無線通信システムを示す図。
【図7】多入力多出力多元接続無線通信システムにおける送信機システムおよび受信機システムの一実施形態を示すブロック図。
【図8】一実施形態によるパイロットシンボル生成の方法を示すフローチャート。
【図9】一実施形態によるパイロットシンボルパターンを変える方法を示すフローチャート。
【図10】パイロットパターン選択の方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、一実施形態による多元接続無線通信システムが示されている。基地局100は、1つまたは複数のアンテナをそれぞれ含む複数のアンテナグループ102、104、および106を含んでいる。図1において、アンテナグループ102、104、および106ごとにアンテナのみが示されているが、基地局100のセクタに対応する各アンテナグループに、複数のアンテナを使用することができる。移動局108は、アンテナ104と通信し、この場合、アンテナ104は、順方向リンク(forward link)114を介して情報を移動局108に伝送し、逆方向リンク112を介して移動局108から情報を受信する。移動局110は、アンテナ106と通信し、この場合、アンテナ106は、順方向リンク118を介して情報を移動局110に伝送し、逆方向リンク116を介して移動局110から情報を受信する。
【0015】
アンテナ102、104、および106の各グループ、および/またはそれらが通信するように設計されているエリアは、しばしば基地局のセクタと呼ばれる。この実施形態では、アンテナグループ102、104、および106はそれぞれ、基地局100によってカバーされるエリアのセクタ、すなわちセクタ120、122、および124内の移動局とそれぞれ通信するように設計されている。
【0016】
基地局は、端末との通信に使用される固定局とすることができ、また、アクセスポイント、NodeBなどとも呼ばれ得る。移動局は、移動局、ユーザ機器(UE)、無線通信装置、端末、アクセス端末などとも呼ばれ得る。
【0017】
図2を参照すると、多元接続無線通信システムのためのスペクトル割当て方式が示されている。複数のOFDMシンボル200が、T個のシンボル周期およびS個の周波数サブキャリアにわたって割り当てられる。各OFDMシンボル200は、T個のシンボル周期のうちの1つのシンボル周期、およびS個のサブキャリアのうちの1つのトーンまたは周波数サブキャリアを備える。
【0018】
OFDM周波数ホッピングシステムでは、1つまたは複数のシンボル200が所与の移動局に割り当てられてもよい。図2に示されている割当て方式の一実施形態では、逆方向リンクを介した通信のために、1群の移動局へのシンボルの1つまたは複数のホップ領域、例えばホップ領域202。各ホップ領域内では、シンボルの割当ては、可能性としてあり得る干渉を低減し、有害なパス効果に対して周波数ダイバーシティを提供するために、ランダム化することができる。
【0019】
各ホップ領域202は、基地局のセクタと通信し、ホップ領域に割り当てられる1つまたは複数の移動局に割り当てられるシンボル204を含む。別の実施形態では、各ホップ領域が1つまたは複数の移動局に割り当てられる。各ホップ周期またはフレーム中において、T個のシンボル周期およびS個のサブキャリア内のホップ領域202の位置は、ホッピングシーケンスに応じて変わる。さらに、ホップ領域202内の個々の移動局へのシンボル204の割当ては、ホップ周期ごとに変わり得る。
【0020】
ホップシーケンスは、疑似ランダムに、ランダムに、または所定のシーケンスに従って、ホップ周期ごとにホップ領域202の位置を選択することができる。同じ基地局と通信する移動局間の「セル内」干渉を回避するために、同じ基地局の異なるセクタのホップシーケンスは、互いに直交するように設計されている。さらに、各基地局のホップシーケンスは、近くの基地局のホップシーケンスに対して疑似ランダムとすることができる。これは、異なる基地局と通信する移動局間の「セル間」干渉をランダム化するのを助けることができる。
【0021】
逆方向リンク通信の場合、ホップ領域202のシンボル204の一部は、移動局から基地局に伝送されるパイロットシンボルに割り当てられる。パイロットシンボルのシンボル204への割当ては、好ましくは、空間分割多元接続(SDMA)をサポートすべきであり、この場合、異なる移動局に対応する空間署名に十分な差があることを前提として、同じホップ領域上で重複する異なる移動局の信号は、セクタまたは基地局での複数の受信アンテナによって分離することができる。異なる移動局の信号をより正確に抽出し、復調するために、それぞれの逆方向リンクチャネルは、正確に推定されるべきである。したがって、続いて異なる移動局から受信されたパイロットシンボルにマルチアンテナ処理を適用するために、逆方向リンクにおけるパイロットシンボルが、セクタ内の各受信アンテナで、異なる移動局のパイロット署名を分離することを可能にすることが望ましい場合がある。
【0022】
ブロックホッピングは、システムに応じて、順方向リンクおよび逆方向リンクの両方に、または逆方向リンクのみに使用され得る。図2は、7シンボル周期長を有するホップ領域200を示しているが、ホップ領域200の長さは、任意の所望の量とすることができ、ホップ周期間、または所与のホップ周期における異なるホップ領域間でサイズが変わり得ることに留意されたい。
【0023】
図2の実施形態は、ブロックホッピングの使用に関して示されているが、ブロックの位置は、連続するホップ周期間で変更する必要がない、またはまったく変更する必要がないことに留意されたい。
【0024】
図3Aおよび3Bを参照すると、いくつかの実施形態によるパイロット割当て方式のブロック図が示されている。ホップ領域300および320は、T個のシンボル周期×S個のサブキャリアまたはトーンによって定義されている。ホップ領域300は、パイロットシンボル302を含み、ホップ領域320は、パイロットシンボル322を含み、残りのシンボル周期とトーンの組合せは、データシンボルおよび他のシンボルに使用可能である。一実施形態では、各ホップ領域、すなわちN個の連続するOFDMシンボルにわたるN個の隣接するトーンのグループのパイロットシンボル位置は、ホップ領域の端の近くにパイロットトーンを配置しなければならない。これは、一般に、無線アプリケーションにおける代表的なチャネルが、時間および周波数の相対的に遅い関数であるため、時間および周波数におけるホップ領域にわたるチャネルの一次近似、例えば一次テイラー展開などによって、所与の移動局についてのチャネルを推定するのに十分なチャネル状態に関する情報が提供されるからである。したがって、移動局からのシンボルの適切な受信および復調のための1対のチャネルパラメータ、すなわち、チャネルの定数成分、つまりゼロ次項のテイラー展開、およびチャネルの時間および周波数のスパンにわたるチャネルの線形成分、つまり一次項テイラー展開を推定することが好ましい。一般に、定数成分の推定精度は、パイロットの位置に依存しない。線形成分の推定精度は、一般に、パイロットトーンがホップ領域の端に配置されている状態で達成されることが好ましい。
【0025】
パイロットシンボル302および322は、隣接するパイロットシンボルクラスタ304、306、308、および310(図3A)ならびに324、326、328、および330(図3B)に配列されている。一実施形態では、ホップ領域内の各クラスタ304、306、308、および310(図3A)ならびに324、326、328、および330(図3B)は、所与のホップ領域内に、定数の、しばしば同じ数のパイロットシンボルを有している。隣接するパイロットシンボルのクラスタ304、306、308、および310(図3A)ならびに324、326、328、および330(図3B)の使用は、一実施形態では、高いドップラーおよび/またはシンボル遅延スプレッド(delay spread)に起因するキャリア間の干渉によってもたらされるマルチユーザ干渉の影響を考慮に入れる。さらに、同じホップ領域においてスケジューリングされている移動局からのパイロットシンボルが、充分に異なる電力レベルで受信される場合、より強い移動局の信号は、かなりの量の干渉をより弱い移動局に作り出す可能性がある。過剰な遅延スプレッドによって漏れがもたらされると、すなわち、OFDMシンボルの巡回プレフィックス(cyclic prefix)を超えるタップに集中したチャネルエネルギーの部分がかなり大きくなると、干渉の量は、サブキャリア1やサブキャリアSなどホップ領域の端、およびシンボル周期1やTなど端のOFDMシンボルでより高い。したがって、パイロットシンボルが専らホップ領域の端にある場合、チャネル推定精度の低下、および干渉推定におけるバイアスがあり得る。したがって、図3Aおよび3Bに示されているように、パイロットシンボルは、ホップ領域の端の近くにあるが、すべてのパイロットシンボルがホップ領域の端にある状況を避ける。
【0026】
図3Aを参照すると、ホップ領域300は、パイロットシンボル302から成る。時間選択性ではなく、顕著な周波数選択性を有するチャネルの場合、パイロットシンボル302は、隣接するパイロットシンボルクラスタ304、306、308、および310に配置されており、各パイロットシンボルクラスタ304、306、308、および310は、複数のシンボル周期および1つの周波数トーンにまたがる。周波数トーンは、好ましくは、ホップ領域300の周波数範囲の端の近くにあるように選択されるが、厳密に端ではない。図3Aの実施形態では、所与のクラスタ内のパイロットシンボル302はどれも、端の周波数トーンになく、各クラスタにおいて、パイロットシンボルのみが端のシンボル周期にあり得る。
【0027】
パイロットシンボル302の隣接するパイロットシンボルクラスタの「水平」形状の背後にある1つの根拠は、より高い周波数選択性を有するチャネルの場合、一次(線形)成分は、時間領域より周波数領域においてより強い可能性があるということである。
【0028】
図3Aの実施形態における各クラスタ内の1つまたは複数のパイロットシンボルが異なるクラスタ内の1つまたは複数のパイロットシンボルとは異なるトーンにあり得ることに留意されたい。例えば、クラスタ304は、トーンSにあり、クラスタ306は、トーンS−1にある場合もある。
【0029】
図3Bを参照すると、周波数選択性ではなく、顕著な時間選択性を有するチャネルの場合、パイロットシンボル322は、それぞれ複数の周波数トーンにまたがるが、ホップ領域320の同じシンボル周期を有する隣接するパイロットシンボルのクラスタ324、326、328、および330に配列されている。ホップ領域320の端のOFDMシンボルは、S個のサブキャリアを定義する周波数範囲の最大トーン、例えばトーンSなど、または最小トーン、例えばトーン1などを有するものであり、パイロットシンボルの一部として含まれ得る。というのは、ホップ領域320の端にあるパイロットシンボル322が存在し得るからである。しかし、図3Bに示されている実施形態では、各クラスタにおけるパイロットシンボル1つのみを、最大または最小の周波数サブキャリアに割り当てることができる。
【0030】
図3Bに示されている実施形態において、より高い時間選択性を有するチャネルは、より高い周波数選択性(図3A)を有するチャネルのために選択されたパターンの90度の回転によって得られ得る代表的なパターンを有し得る。
【0031】
図3Bの実施形態における各クラスタ内の1つまたは複数のパイロットシンボルが異なるクラスタ内の1つまたは複数のパイロットシンボルとは異なるシンボル周期に割り当てられ得ることに留意されたい。例えば、クラスタ324は、クラスタ326とは異なるシンボル周期Tにあり得る。
【0032】
さらに、図3Aおよび3Bの実施形態で示されているように、クラスタ304、306、308、および310(図3A)ならびに324、326、328、および330(図3B)が、好ましくはホップ領域の中心に関して対称であるように、パイロットパターンが提供される。ホップ領域の中心に関するクラスタの対称性は、チャネルの時間および周波数の応答に関するチャネルの改良された同時推定を提供することができる。
【0033】
図3Aおよび3Bは、ホップ領域当たり4つのパイロットシンボルのクラスタを示しているが、各ホップ領域において、より少ないまたはより多い量のクラスタが使用されてもよいことに留意されたい。さらに、パイロットシンボルクラスタ当たりのパイロットシンボルの数が異なっていてもよい。パイロットシンボルおよびパイロットシンボルクラスタの合計数は、逆方向リンク上で受信されたデータシンボルを正常に復調し、基地局と移動局との間のチャネルを推定するために基地局によって必要とされるパイロットシンボルの数に応じて決まる。また、各クラスタが同じ数のパイロットシンボルを有している必要はない。単一のホップ領域にわたって多重化することができる移動局の数は、一実施形態では、ホップ領域内のパイロットシンボルの数に等しくてもよい。
【0034】
さらに、図3Aおよび3Bは、周波数選択性を有するチャネルまたは時間選択性を有するチャネルのために設計されたパイロットシンボルクラスタを示しているが、パイロットパターンは、例えば、クラスタ304、306、308、または310のパターンに配列されたいくつかのクラスタ、およびクラスタ324、326、328、または330のパターンに配列されたいくつかのクラスタなど、同じパイロットパターン内に周波数選択性チャネルのクラスタ、および時間選択性チャネルのクラスタが存在するようにすることができる。
【0035】
一部の実施形態では、使用されるために選択されたパイロットパターンは、チャネルが最適化されている状態に基づいていてもよい。例えば、車両など高速移動の移動局を有する可能性のあるチャネルの場合、時間選択性パイロットパターンが好ましい場合があり、一方、歩行者など低速移動の移動局の場合、周波数選択性パイロットパターンが使用されてもよい。他の実施形態では、パイロットパターンは、所定の数のホップ周期の後に決定されるチャネル状態に基づいて選択することができる。
【0036】
図3C〜3Eを参照すると、追加のパイロットパターンが示されている。図3Cで、例えば9個など、より多くの数のクラスタがあること、およびブロックのサイズが変わったことを除いて、ブロックが、3Bのものと同様のパイロットパターンを有するものとして示されている。追加のパイロットは、チャネル推定特性を向上させるために使用され得る。例えば、より速いユーザは、あまり速くないユーザより多くのクラスタおよび/またはクラスタ当たりのパイロットを有するなど、クラスタおよびクラスタ当たりのパイロットの数がユーザの測定された速度に応じて変わり得ることに留意されたい。
【0037】
図3Dでは、周波数選択性状態のための追加のパイロットを備えるパイロットパターンが含まれている。これは、いくつかの態様において、ユーザの遅延スプレッド推定値に基づいて検出され得る高度な周波数選択性チャネルを有するユーザには有用であり得る。また、追加のパイロットを備えるこれらのパターンに切り替えるために、セル、セクタ、またはユーザ固有の閾値を計算するための、セクタまたはセルまたはユーザセッション情報についてのある時間にわたるチャネル統計。追加のパイロットは、例えば、より大きい周波数選択性を有する移動体ユーザなど、周波数の変動や、異なる周波数における異なるチャネル状態により変わるマルチパスのため、かなり有用である。
【0038】
図3Eにおいて、複数の層を伝送している多入力多出力(multi-input multi-output:MIMO)移動局のパイロットクラスタが示されている。ここでは4つの各送信アンテナは、クラスタ内にいくつかのパイロットシンボルを含む。したがって、全アンテナより少ないアンテナが使用されている場合、より少ないパイロットを各クラスタに含めることができる。
【0039】
図4Aおよび4Bを参照すると、別の実施形態によるパイロット割当て方式が示されている。図4Aでは、ホップ領域400は、クラスタ402に配列されているパイロットシンボルC1,q、C2,q、およびC3,q、クラスタ404に配列されているC4,q、C5,q、およびC6,q、クラスタ406に配列されているC7,q、C8,q、およびC9,q、ならびにクラスタ408に配列されているC10,q、C11,q、およびC12,qを含む。一実施形態では、複数の移動局が重複するパイロットシンボルを提供するホップ領域における空間ダイバーシティを向上させるために、基地局のクラスタのアンテナで受信したときに、パイロットシンボルが充分に直交するように、異なる移動局のパイロットシンボルは、同じOFDMシンボル周期およびトーンにわたって多重化されるべきである。
【0040】
図4Aにおいて、パイロットシンボルC1,q、C2,q、C3,q、C4,g、C5,q、C6,q、C7,q、C8,q、C9,q、C10,q、C11,q、およびC12,qのそれぞれは、ホップ領域400の複数の移動局に割り当てられ、すなわち、各シンボル周期は、いくつかの異なる移動局からの複数のパイロットシンボルを含む。例えばクラスタ402、404、406、および408などのパイロットシンボルクラスタ内のパイロットシンボルのそれぞれは、同じクラスタ内の他の各移動局からのパイロットシンボルに対して直交するように、例えば基地局などクラスタ内のパイロットシンボルの受信機がそれらを受信するように生成され、伝送される。これは、例えば、移動局のそれぞれによって伝送されるパイロットシンボルを構成するサンプルのそれぞれに掛けるスカラ関数など、所定の位相偏移を適用することによって行うことができる。直交性を提供ために、各移動局の各クラスタにおけるスカラ関数のシーケンスを表すベクトルの内積は、ゼロであり得る。
【0041】
さらに、一部の実施形態では、各クラスタのパイロットシンボルがホップ領域の他の各クラスタのパイロットシンボルに直交することが好ましい。これは、パイロットシンボルの各クラスタ内の各移動局のパイロットシンボルに、スカラ関数の異なるシーケンスを使用することによって、異なる移動局からの各クラスタ内のパイロットシンボルに直交性が提供されるのと同じ方法で提供することができる。直交性の数学的決定は、すべてのクラスタ内の他の移動局および他のクラスタ内の同じ移動局のパイロットシンボルに使用されるスカラ倍のシーケンスを表すベクトルに対して、例えば、内積がゼロであるなど、そのベクトルが直交する、特定の移動局の特定のクラスタに関する各パイロットシンボルのスカラ倍のシーケンスを選択することによって行うことができる。
【0042】
一実施形態では、クラスタのそれぞれにわたるパイロットシンボルの直交性が提供される場合、サポートされ得る移動局の数は、パイロットシンボルクラスタ当たり提供されるパイロットシンボルの数に等しい。
【0043】
図4Aおよび4Bの実施形態では、1≦q≦Qである場合、Q人の重複するユーザのうちのq番目のユーザは、Nがパイロットトーンの合計数である(図4Aおよび4Bでは、N=12)である場合、サイズNのシーケンスSを使用し、
【数1】

【0044】
となり、ここで、()は、シーケンスを含む行列の転置を示す。上述したように、パイロットシンボルの各クラスタにおけるスカラ関数のシーケンスは、パイロットシンボル間の干渉の低減を通じて、それぞれのチャネルの整合性のある推定値を得るために、異なる移動局において異なるはずである。さらに、シーケンスは、線形独立でなければならず、したがって、シーケンスまたはベクトルが、残りのシーケンスの線形結合ではないことが好ましい。数学的に、これは、N×Qの行列、
【数2】

【0045】
がフル列ランク(full column rank)のものであるということで定義され得る。上記の式(2)において、行列Q≦Nであることに留意されたい。すなわち、重複する移動局の数は、ホップ領域内の合計パイロットシンボルの数を超えないはずである。
【0046】
上記に基づいて、フルランクSを備えるシーケンスQの任意の組は、整合性のあるチャネル推定を可能にする。しかし、他の実施形態において、実際の推定精度は、Sの相関特性に依存し得る。一実施形態では、式(1)を使用して決定できるように、チャネルの存在下で任意の2つのシーケンスが相互に(準)直交するとき、性能は向上し得る。数学的に、この条件は、
【数3】

【0047】
によって定義することができ、式中、Hは、1≦k≦Nであるとき、k番目のパイロットシンボルに対応する複素チャネル利得である。時間および周波数不変チャネルH=H=・・・HNP)では、条件(3)は、相互に直交するシーケンスの要件に帰着する。
【数4】

【0048】
代表的な1組のチャネルからの任意の可能なチャネルの実現のために、この条件を実施することは、非現実的であり得る。実際に、式(3)は、比較的小さい遅延スプレッドを有する歩行者のチャネルの場合のような、チャネルが限られた時間および周波数の選択性を示すときに満たされ得る。しかし、これらの条件は、車両のチャネルおよび/または著しい遅延スプレッドを有するチャネル上ではかなり異なり、それによって性能の低下がもたらされる。
【0049】
図3Aおよび3Bを参照して説明したように、パイロットの割当てパターンは、ホップ領域の端の近くに配置されているパイロットシンボルの2〜3のクラスタから成り、この場合、各クラスタは、時間(図3A)および/または周波数(図3B)において隣接する。すべてのクラスタ内のチャネルの変動は、時間および周波数のパイロットシンボルの隣接性および、時間および周波数のチャネルの連続性のため、一般的に限られているからである。したがって、異なるシーケンスを各クラスタにわたって直交させることによって、条件(3)を満たすことができる。この解決策の可能性としてあり得る欠点は、すべてのクラスタにわたって直交し得る重複する移動局の数は、ここではNと示される、クラスタのサイズに限定されることである。図4Aおよび4Bに示されている例では、N=3であり、したがって、こうした実施形態では、最高Q=3までの移動局を、直交して分離することができる。実際に、多くの実際のシナリオでは、かなり小さい数のQで十分である。Q>Nであるとき、何らかのシンボル間干渉が存在する可能性があるので、すべてのクラスタにわたってすべての移動局を直交させておくことは難しい場合がある。したがって、Q>Nである場合、時間および/または周波数が変動するチャネルの性能の多少の損失が伴うものの、近似の直交性で十分であり得る。
【0050】
一実施形態では、スカラ関数のシーケンスS=[S・・・S]についての1組の設計パラメータは、以下によって定義され得る。
【0051】
・任意の2つのシーケンスは、パイロットシンボルの組全体にわたって直交し、それによって、
【数5】

【0052】
を満たす。
【0053】
・Nシーケンスに後続する複数のグループは、あるグループ内の任意の2つのシーケンスが、パイロットの任意のクラスタにわたって相互に直交するようになっている。
【数6】

【0054】
・すべてのシーケンスのすべての要素Sk,qは、例えばほぼ同じ電力など、実質的に等しい絶対値を有する。
【0055】
ここでは、Mは、パイロットの数がN=MであるようなサイズNのクラスタの合計数を示す。
【0056】
一実施形態では、シーケンスS=[S・・・S]は、シンボル当たり同じエネルギーが各シーケンスによって提供されるように、指数関数を使用して作成される。さらに、この実施形態では、(i)各クラスタ内の指数シーケンスを定義し、(ii)複数のクラスタにわたってクラスタ内の部分を埋めることによって、Nのシーケンスのグループを、指数が特定の倍数に制限されないので、クラスタのサイズにかかわらず、各クラスタ内で相互に、また、パイロットシンボルのすべてにわたる他のすべてのクラスタに使用されるシーケンスに直交させることができる。これは、N×N離散型フーリエ変換(DFT)の基礎が定義される式(7)からわかる。
【数7】

【0057】
上記の式(7)は、以下のようなコンパクトなブロック形式で書くことができる。
【数8】

【0058】
式中、<・>:,1:Qは、元の行列の1からQまでの列がまたぐ行列ブロックを示す。Sのより一般的な形は、以下によって得られる。
【数9】

【0059】
式中、Uは、任意のN×Nユニタリ行列(UU=INP)であり、Vは、任意のM×Mユニタリ行列(UU=IMC)である。
【0060】
一実施形態では、クラスタのそれぞれにわたるパイロットシンボルの直交性が提供される場合、サポートされ得る移動局の数は、パイロットシンボルクラスタ当たり提供されるパイロットシンボルの数に等しい。
【0061】
一実施形態では、パイロットシンボルのサンプルに乗算するために使用される指数関数は、よく知られている離散型フーリエ変換関数を使用して生成される。伝送のためのシンボルの生成に離散型フーリエ変換関数が使用される実施形態では、シンボルの形成中に、伝送のためのシンボルを生成する際に離散型フーリエ変換関数を使用することによって、余分な位相偏移が適用される。
【0062】
図4Aおよび4Bの実施形態では、各移動局の各クラスタにおけるスカラ関数のシーケンスを表すベクトルの内積は、ゼロであり得る。しかし、他の実施形態では、これは当てはまらない。各移動局の各クラスタにおけるスカラ関数のシーケンス間の準直交性のみが提供されるように配列され得る。
【0063】
さらに、ホップ領域に割り当てられた移動局の数が、ホップ領域に割り当てられたパイロットシンボルの数より少ない状況では、スカラシフトは、干渉推定を行うために使用されるように、基地局において依然として復号され得る。したがって、これらのパイロットシンボルは、干渉推定に使用され得る。というのは、これらは、ホップ領域に割り当てられた他の移動局によるパイロットシンボルに対して直交または準直交であるからである。
【0064】
図4Aおよび4Bを参照して説明した手法は、図3C〜3Eに示されているクラスタおよび構造に適用され得る。これらの場合、シーケンスの長さおよび数は、クラスタの数およびクラスタ当たりのパイロットシンボルの数をサポートするために変動する必要がある場合がある。
【0065】
図5を参照すると、一実施形態による多元接続無線通信システムにおける複数セクタを含む基地局が示されている。基地局500は、アンテナの複数のアンテナグループ502、504、および506を含む。図5では、アンテナグループ502、504、および506ごとにアンテナ1つのみが示されているが、複数のアンテナが使用されてもよい。各アンテナグループ502、504、および506の複数のアンテナは、異なる移動局の異なる物理的な場所に提供される空間ダイバーシティに加えて、対応するセクタ内の移動局から伝送される信号に、基地局における空間ダイバーシティを提供するために使用され得る。
【0066】
基地局500の各アンテナグループ502、504、および506は、基地局500によってカバーされるためにセクタ内の移動局と通信するように構成される。図5の実施形態では、アンテナグループ502は、セクタ514をカバーし、アンテナグループ504は、セクタ516をカバーし、アンテナグループ506は、セクタ518をカバーする。各セクタ内で、図4を参照して説明したように、セクタ間のすべてのパイロットシンボルクラスタの間の直交性およびおおよその直交性のため、移動局から伝送されるパイロットシンボルは、正確に復調され、基地局でのチャネル推定および他の機能に使用される。
【0067】
しかし、セクタ内干渉は、例えば、セクタ514および516の境界に近い移動局510など、セクタの境界近くの移動局に存在し得る。こうした場合、移動局510からのパイロットシンボルは、セクタ514および516の両方における他の移動局からのパイロットシンボルより低い電力であり得る。こうした状況では、移動局510は、特に、アンテナ504からの電力が増加する場合、サービス提供側セクタ、すなわちセクタ516の信号へのそのチャネルが衰える可能性があるとき、最終的には、両方のセクタアンテナでの受信の恩恵を得ることができることになる。セクタ514のアンテナ502からの受信の利益を十分得るには、セクタ514のアンテナ502間の移動局510のチャネルの正確な推定が提供されなければならない。しかし、同じまたは実質的に同じシーケンスが本パイロット設計を備える異なるセクタにおけるパイロットシンボルのスカラ倍に使用される場合、移動局510によって伝送されるパイロットシンボルは、移動局510がセクタ516においてスケジューリングされているのと同じホップ領域上のセクタ514でスケジューリングされている移動局508によって伝送されるパイロットシンボルと衝突する可能性がある。さらに、一部の場合、移動局を制御するために基地局によって使用される電力制御戦略に応じて、移動局508からのシンボルの電力レベルは、特に移動局508が基地局500に近いとき、セクタ514のアンテナグループ502で、移動局510の信号レベルを充分に超える可能性がある。
【0068】
生じる可能性のあるセクタ内干渉に対処するために、スクランブル符号(scrambling codes)が移動局に使用されてもよい。スクランブル符号は、個々の移動局に一意であるか、個々のセクタと通信する移動局ごとに同じとすることができる。一実施形態では、こうした特定のスクランブル符号によって、アンテナグループ502は、移動局508および510の複合チャネルを認識することができる。
【0069】
単一の移動局がホップ領域全体に割り当てられる場合、所与のセクタ内のすべての移動局が、同じパイロットシーケンスを使用するように、ユーザ固有のスクランブルシーケンスが提供され得る。こうしたシーケンスの構成は、図4Aおよび4Bを参照して説明されている。図5の例では、移動局508、510、および512は、異なるユーザ固有のスクランブルシーケンスを有していてもよく、したがって、十分なチャネル推定が達成され得る。
【0070】
複数の移動局が同じホップ領域に割り当てられる場合、または割り当てられる可能性がある場合、クラスタ内干渉を低減するために、2つの手法を使用することができる。第1に、クラスタサイズNが、各セクタ内の重複する移動局の数Qにセル内のセクタの数を掛けた数より大きいまたは等しい場合、ユーザ固有のスクランブルシーケンスが使用され得る。これが当てはまる場合、Q個の異なるユーザ固有のスクランブル符号の別個の組を、異なるセクタに割り当てることができる。
【0071】
しかし、クラスタサイズNCが、各セクタ内の重複する移動局の数Qにセル内のセクタの数を掛けた数より少ない場合、システム設計の目標が限られたパイロットオーバーヘッドを維持するためにNCを維持することだとしたら、これは、重要であり、ユーザ固有のスクランブル符号は、セル間の干渉を低減するのに有効でない場合がある。こうした場合、セクタ固有のスクランブルシーケンスは、ユーザ固有のスクランブルシーケンスとともに使用することができる。
【0072】
セクタ固有のスクランブルシーケンスは、同じセクタ内のすべての移動局について、シーケンスS=[S・・・S]のそれぞれの要素に乗算する、N個の複素関数のシーケンスX=[X1,s,・・・,XNP,sである。S個のセクタから成るセルにおいて、1組のS個のセクタ固有のスクランブルシーケンスX,・・・Xは、移動局のシーケンスS=[S・・・S]に乗算するために使用され得る。こうした場合、同じユーザ固有のスクランブルシーケンスS=[S・・・S]を使用する移動局を有し得る例えばセクタ514や516などの異なるセクタ内の移動局は、異なるセクタ固有のスクランブルシーケンスXs1、およびXs2がユーザ固有のスクランブルシーケンスに乗算するために使用されるため、異なり得る。
【0073】
ユーザ固有のスクランブルと同様に、X,・・・Xのすべての入力は、パイロットシンボル間でほぼ等しい電力を維持するために、ほぼ等しい絶対値を有することが好ましい。他の実施形態では、X,・・・Xの入力は、ユーザ固有およびセクタ固有のスクランブルシーケンスの任意の2つの組合せに対応するパイロットシンボルクラスタ内のパイロットシンボルの任意の対が条件(3)を満たすようなものであることが好ましい。各セクタ固有のシーケンスX,・・・Xの内容の選択に対処する1つの方法は、すべてのシーケンスの要素を、QPSK、8−PSKなどの何らかの定数モジュラス(constant modulus)(PSK)のコンステレーション(constellation)から取るなど、シーケンスの徹底的な検索を行うことから成る。選択基準は、可能性としてあり得るチャネル環境に基づく異なるセクタおよび異なるユーザ固有のスクランブルからの移動局の「最悪の」組合せに対応する「最悪の場合」のチャネル推定誤差分散に基づき得る。チャネル推定誤差は、チャネルの統計的な特性に基づいて分析的に計算され得る。具体的には、予想されるフェージングモデル、および時間選択性を定義する移動局の速度や、周波数選択性を定義する伝搬遅延スプレッドなどのパラメータに基づいてチャネル相関構造を想定するチャネル推定値の分散行列の追跡。真のチャネルの所与の相関構造を対象とする最小限の達成可能なチャネル推定誤差の解析式が当該技術分野において知られている。X,・・・Xの選択を最適にするために、他の類似の基準が使用されてもよい。
【0074】
変調方式として直交振幅変調が使用される一実施形態では、使用され得る1組のセクタ固有のスクランブルシーケンスX,・・・Xが、以下の表1に示されている。表の各入力は、1≦s≦S、および1≦k≦N、S=3およびN=12の場合のすべてのXk,sのIおよびQ成分を指定する。
【表1】

【0075】
変調方式として直交振幅変調が使用される一実施形態では、使用され得る1組のセクタ固有のスクランブルシーケンスX,・・・Xが、以下の表1に示されている。表の各入力は、1≦s≦S、および1≦k≦N、S=3およびN=12の場合のすべてのXk,sのIおよびQ成分を指定する。
【0076】
一部の実施形態では、通信ネットワークにおける各セルは、セクタ固有のスクランブルシーケンスに同じシーケンスを使用することができる。
【0077】
図6を参照すると、別の一実施形態による多元接続無線通信システム600が示されている。ユーザ固有のスクランブルシーケンスおよびセクタ固有のスクランブルシーケンスの同じ組が複数のセル、例えばセル602、604、606などで使用される場合、隣接するセルから来る干渉は、パイロットシンボルの衝突によるチャネル推定精度の低下をもたらし得る。例えば、対象のセクタ内のチャネル推定値は、移動局が同じユーザ固有およびセクタ固有のスクランブルを有している隣接するセルからの移動局のチャネルによってバイアスがかけられ得る。こうしたバイアスを回避するために、ユーザ固有のスクランブルおよびセクタ固有のスクランブルに加えて、セル固有のスクランブルが使用されてもよい。セル固有のスクランブル方式は、セル内のすべての移動局のパイロットシンボルのそれぞれのシーケンスに乗算するスカラ関数のベクトルであるY=[Yl,c・・・YNP,Sによって定義され得る。c番目のセルのs番目のセクタ内のq番目のユーザ固有のスクランブルを有する移動局に対応するパイロットシンボルの全体的なシーケンスZ(q,s,c)=[Z1,(q,s,c)・・・,ZNP,(q,s,c)は、以下のように定義され得る。セクタ固有のスクランブルが使用されている場合、以下の通りである。
【数10】

【0078】
セクタ固有のスクランブルが使用されていない場合、以下の通りである。
【数11】

【0079】
すでに述べたように、セクタ固有のスクランブルの使用は、Q>1のときは推奨され、Q=1のときは推奨されない。
【0080】
ユーザ固有およびセクタ固有のスクランブルとは異なり、セル固有のスクランブルシーケンスの特定の最適化を使用する必要は全くない。使用できる2つの設計パラメータは、以下の通りである。
【0081】
・セル固有のスクランブルシーケンスのすべての要素は、等しい係数を有している。
【0082】
・セル固有のスクランブルシーケンスは、異なるセルについて充分に異なる。
【0083】
基地局のネットワークを介したセル固有のスクランブルシーケンスの所定の割当てがないとき、QPSKや8−PSKなどの何らかの定数係数(PSK)のコンステレーションからの(疑似)ランダムのセル固有のスクランブルシーケンスを、Y個のセル固有のシーケンスの形成に使用してもよい。セル固有のスクランブルのランダム化をさらに強化し、スクランブルシーケンスの悪い定常的な組合せを避けるために、セル固有のスクランブルが、(疑似)ランダムに、定期的に変更されてもよい。一部の実施形態では、定期的な変更は、各フレーム、スーパーフレーム、または複数のフレームやスーパーフレームとすることができる。
【0084】
図7は、MIMOシステム700における送信機システム710および受信機システム750の一実施形態のブロック図である。送信機システム710で、いくつかのデータストリーム(data stream)のトラヒックデータが、データソース712から送信(TX)データプロセッサ714に提供される。一実施形態では、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して伝送される。TXデータプロセッサ714は、符号化されたデータを提供するために、そのデータストリームのために選択された特定の符号化方式に基づいて、各データストリームのトラヒックデータをフォーマットし、符号化し、インタリーブする。
【0085】
各データストリームの符号化データは、OFDM技術を使用して、パイロットデータと多重化され得る。パイロットデータは、一般に、既知の方法で処理される既知のデータパターンであり、チャネル応答を推定するために、受信機システムで使用され得る。次いで、多重化されたパイロットおよび各データストリームの符号化データは、変調シンボルを提供するために、そのデータストリームのために選択された特定の変調方式(BPSK、QSPK、M−PSK、M−QAMなど)に基づいて変調(すなわちシンボルマッピング)される。各データストリームのデータレート、符号化、および変調は、コントローラ130によって実行される、または提供される命令によって決定され得る。
【0086】
次いで、すべてのデータストリームの変調シンボルがTXプロセッサ720に提供され、TXプロセッサ720は、(例えばOFDM用に)変調シンボルをさらに処理することができる。次いでTXプロセッサ720は、N個の変調シンボルストリームをN個の送信機(TMTR)722aから722tまでに提供する。各送信機722は、それぞれのシンボルストリームを受信し、1つまたは複数のアナログ信号を提供するように処理し、さらに、MIMOチャネルを介した伝送に適した変調信号を提供するために、アナログ信号を調整(増幅、フィルタリング、アップコンバートなど)する。次いで、送信機722aから722tまでのN個の変調信号は、N個のアンテナ124aから124tにそれぞれ伝送される。
【0087】
受信機システム750で、伝送された変調信号は、N個のアンテナ752aから752rによって受信され、各アンテナ752からの受信信号は、それぞれの受信機(RCVR)754に提供される。各受信機754は、それぞれの受信信号を調整(フィルタリング、増幅、およびダウンコンバートなど)し、サンプルを提供するために調整済み信号をディジタル化し、さらに、対応する「受信済み」シンボルストリームを提供するために、サンプルを処理する。
【0088】
次いで、RXデータプロセッサ760は、N個の受信機754からN個の受信済みシンボルストリームを受信し、特定の受信機処理技術に基づいて処理して、N個の「検出された」シンボルストリームを提供する。RXデータプロセッサ760による処理について、以下でさらに詳しく説明する。検出された各シンボルストリームは、対応するデータストリームのために伝送された変調シンボルの推定値であるシンボルを含む。次いで、RXデータプロセッサ760は、検出された各シンボルストリームを復調し、逆インタリーブし、復号化して、データストリームのトラヒックデータを復元する。RXデータプロセッサ760による処理は、送信機システム710でTXプロセッサ720およびTXデータプロセッサ714によって実行されたものと相補的な関係にある。
【0089】
RXプロセッサ760は、例えばトラヒックデータと多重化されたパイロット情報に基づいて、N個の送信アンテナとN個の受信アンテナとの間のチャネル応答の推定値を導出することができる。RXプロセッサ760は、各パイロットシンボルに割り当てられた周波数サブキャリアおよびシンボル周期を識別する、例えばメモリ772などのメモリに格納されているパイロットパターンに従って、パイロットシンボルを識別することができる。さらに、ユーザ固有、セクタ固有、およびセル固有のスクランブルシーケンスは、適切な復号化が行われ得るように受信されたシンボルに乗算するために、RXプロセッサ760によって使用され得るように、メモリに格納されてもよい。
【0090】
RXプロセッサ760によって生成されたチャネル応答推定値は、受信機での空間、時空間処理を行う、電力レベルを調整する、変調レートまたは方式を変更する、または他のアクションのために使用され得る。RXプロセッサ760は、さらに、検出されたシンボルストリームの信号対干渉雑音比(signal-to-noise-and-interference ratios:SNR)、および場合によっては他のチャネルの特性を推定することができ、これらの量をコントローラ770に提供する。RXデータプロセッサ760またはコントローラ770は、さらに、システムの「動作」SNRの推定値を導出することができる。次いでコントローラ770は、通信リンクおよび/または受信されたデータストリームに関する様々なタイプの情報を備え得るチャネル情報(channel state information:CSI)を提供する。例えば、CSIは、動作SNRのみを備え得る。次いでCSIは、データソース776からいくつかのデータストリームのトラヒックデータも受信するTXデータプロセッサ778によって処理され、変調器780によって変調され、送信機754aから754rによって調整され、送信機システム710に戻される。
【0091】
送信機システム710で、受信機システム750からの変調信号は、アンテナ724によって受信され、受信機722によって調整され、復調器740によって復調され、RXデータプロセッサ742によって、受信機システムによって報告されたCSIを復元するように処理される。次いで報告されたCSIは、コントローラ730に提供され、(1)データストリームに使用されるデータレート、符号化方式、および変調方式を決定し、(2)TXデータプロセッサ714およびTXプロセッサ720の様々な制御を生成するために使用される。
【0092】
コントローラ730および770は、それぞれ送信機システムおよび受信機システムでの動作を指示する。メモリ732および772は、それぞれコントローラ730および770によって使用されるプログラムコードおよびデータの格納域を提供する。メモリ732および772は、クラスタ位置、ユーザ固有のスクランブルシーケンス、使用される場合はセクタ固有のスクランブルシーケンス、および使用される場合はセル固有のスクランブルシーケンスに関して、パイロットパターンを格納する。一部の実施形態では、複数のパイロットパターンは、周波数選択性パイロットパターンおよび時間選択性パイロットパターンの両方を送信機が送信し、受信機が受信するように、各メモリに格納される。また、時間選択性チャネルおよび周波数選択性チャネルに対応するクラスタを有する組合せパイロットパターンを使用してもよい。これによって、送信機は、パラメータ、こうしたランダムなシーケンスに基づいて、または基地局からの命令に応答して、特定のパターンを伝送することができる。
【0093】
次いで、プロセッサ730および770は、パイロットパターン、ユーザ固有のスクランブルシーケンス、セクタ固有のスクランブルシーケンス、およびセル固有のスクランブルシーケンスのどれがパイロットシンボルの伝送に使用されるべきかを選択することができる。
【0094】
受信機で、N個の受信信号を処理して、N個の伝送済みシンボルストリームを検出するために、様々な処理技術を使用することができる。これらの受信機処理技術は、(i)空間、および時空間受信機処理技術(等化技術とも呼ばれる)、および(ii)「逐次ヌル処理/等化および干渉除去(successive nulling/equalization and interference cancellation)」受信機処理技術(「逐次干渉除去」または「逐次除去」受信機処理技術とも呼ばれる)の2つの主要なカテゴリにグループ分けすることができる。
【0095】
図7は、MIMOシステムを示しているが、このシステムは、例えば基地局のものなど複数の送信アンテナが、1つまたは複数のシンボルストリームを、例えば移動局など信号アンテナ装置に伝送する多入力単一出力システム(multi-input single-output system)に適用されてもよい。また、図7を参照して説明したのと同じ方法で、単一出力−単一入力アンテナシステム(single output to single input antenna system)が使用されてもよい。
【0096】
図8を参照すると、一実施形態によるパイロットシンボル生成の方法のフローチャートが示されている。ブロック800で、複数のパイロットシンボルクラスタが、ホップ領域中に、特定の移動局から伝送されるように選択される。これらのパイロットシンボルクラスタはすべて、周波数選択性(図3A)、時間選択性のチャネル(図3B)における伝送のために調整されたもの、またはクラスタの組合せであり、その一部が周波数選択性および時間選択性のチャネルでの伝送のために調整されたものであってもよい。さらに、パイロットクラスタは、ユーザの高度の移動度があるかどうかに基づいて選択されてもよい。これは、基地局でチャネル推定を向上させるために行われ得る。また、移動局での伝送に使用されるアンテナの数、およびこれらのアンテナから伝送されている情報ストリームの数が使用され得る。選択されたクラスタの数およびクラスタ当たりのパイロットシンボルの数。
【0097】
パイロットシンボルクラスタが一旦選択されると、ブロック802で、移動局が通信している基地局のクラスタが複数の移動局をサポートしているか、複数の移動局と通信しているかに関する決定が行われる。この決定は、移動局におけるネットワークの所定の知識に基づいていてもよい。または、この情報は、そのパイロット情報またはブロードキャストメッセージの一部として、基地局のセクタから伝送されてもよい。
【0098】
クラスタが複数の移動局との通信をサポートしていない場合、または現在複数の移動局と通信していない場合、ブロック804で、移動局が通信しているクラスタに一意のパイロットシンボルにスカラ関数が適用される。一実施形態で、各セクタのスカラ関数は、移動局に格納され、そのパイロット情報またはブロードキャストメッセージの一部であるセクタ識別信号に基づいて使用され得る。
【0099】
クラスタが複数の移動局との通信をサポートする場合、ブロック806で、移動局に一意のパイロットシンボルにスカラ関数が適用される。一部の実施形態では、各移動局のスカラ関数は、登録に使用される、または製造時に装置に提供されるその一意の識別子に基づき得る。
【0100】
移動局が通信しているセクタまたは移動局自体のいずれかに一意のスカラ関数がパイロットシンボルに適用された後、ブロック808で、別のスカラ関数のシーケンスがパイロットシンボルに適用される。このスカラ関数のシーケンスは、移動局が通信しているセルに関連する。移動局に知られている、または移動局に提供されたスカラ関数が各セルに特に割り当てられていない場合、このスカラ関数は、時間が経つにつれて変わる可能性がある。この操作後、パイロットシンボルは、移動局から基地局に送信され得る。
【0101】
図8を参照して説明したスカラ関数は、一実施形態では、パイロットシンボルを構成するサンプルのそれぞれの位相偏移を伴う場合がある。図4A、4B、5、および6を参照して説明したように、スカラ関数は、パイロットシンボルの各クラスタが、他のパイロットシンボルクラスタ内の同じ移動局からのパイロットシンボルの他の各組に直交になり、基地局の同じセクタの他の移動局については、同じまたは他のパイロットシンボルクラスタ内のものに直交になるように選択される。
【0102】
さらに、図8を参照して説明したブロックはそれぞれ、プロセッサ、コントローラまたは他の電子回路によって実施される、メモリなどのコンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令として実施され得る。
【0103】
図9を参照すると、一実施形態によるパイロットシンボルパターンを変える方法のフローチャートが示されている。ブロック900で、チャネル状態に関する情報が取得される。この情報は、1つまたは複数の移動局でのSNR比、チャネルの選択性、トラヒックタイプ、歩行者または車両、遅延スプレッド、またはチャネルの他の特徴を備え得る。この情報は、基地局によって決定されるか、移動局から提供されたチャネル品質情報フィードバックとして提供され得る。
【0104】
この情報は、ブロック902で、チャネル状態を決定するために分析される。分析は、チャネルが周波数選択性か、時間選択性か、またはその組合せであるかの決定であり得る。次いで、この分析は、ブロック904で、セクタまたは基地局と通信し得る移動局から伝送されることになっているパイロットシンボルパターンを決定するために使用される。これらのパイロットシンボルクラスタはすべて、周波数選択性(図3A)、時間選択性のチャネル(図3B)における伝送のために調整されたもの、またはクラスタの組合せであり、その一部が周波数選択性および時間選択性のチャネルでの伝送のために調整されたものであってもよく、車両または他の移動トラヒックに使用される(図3D)、MIMOシステムのために最適化される(図3E)、またはその組合せであってもよい。次いで、選択された固有のパイロットパターンは、基地局またはセクタのために再度診断が行われるようなときまで、基地局またはセクタと通信するすべての移動局によって使用され得る。
【0105】
基地局または基地局セクタで通信する移動局で特定のパイロットパターンを実施するために、初期化またはセットアップ手順の一部として、基地局またはセクタから移動局に、命令が送信され得る。一部の実施形態では、パイロットパターン、ユーザ固有のスクランブルシーケンス、セクタ固有のスクランブルシーケンス、および/またはセル固有のスクランブルシーケンスのどれが使用されるべきかに関する情報は、定期的に、または初期化またはセットアップ中に、基地局から移動局に伝送される1つまたは複数のデータパケットのプリアンブルで伝送され得る。
【0106】
パイロットシンボルの各クラスタおよびパイロットシンボルのグループで伝送されるべきパイロットシンボルの数を決定するために、分析が使用されてもよいことに留意されたい。また、図9を参照して説明したブロックはそれぞれ、プロセッサ、コントローラまたは他の電子回路によって実施される、メモリや取外し式媒体などのコンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令として実施され得る。
【0107】
図10を参照すると、パイロットパターン選択の方法のフローチャートが示されている。ブロック1000で、所与のユーザの周波数選択性に関する決定が行われる。これは、例えば、ユーザの速度、ユーザのドップラースプレッド(doppler spread)、ユーザの遅延スプレッド、または使用された移動度関連のユーザの状態であり得る他のチャネル情報に基づいて行われてもよい。次いでこの情報は、ブロック1002で、基地局へのユーザによる伝送のために、複数のパイロットパターンのうちの1つまたは複数を選択するために使用され得る。この選択には、例えば、伝送するいくつかのパイロット、および合計とクラスタごとのパイロットの数が含まれていてもよい。さらに、選択は、ユーザがMIMOユーザであるか否か、およびユーザの移動度についての情報を含み得る。この選択は、ユーザの周波数選択性と、1回以上の周期にわたってユーザ、セクタ、またはセルについてチャネル統計によって決定される何らかの周波数選択性閾値との関係を決定することによって行ってもよい。次いで、ユーザが、基地局への後の伝送にパイロットパターンを使用できるように、ブロック1004で、パイロットパターンの表示がユーザに伝送される。
【0108】
図10には、基地局がユーザの移動度に関する決定を行い得ることを示しているが、同じ手法が移動局によって使用されてもよいことに留意されたい。この場合、ブロック1000は、基地局によって伝送された順方向リンクパイロットに基づいて行われ、ブロック1004は省略されてもよい。
【0109】
本明細書に記載された技術は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの技術は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその組合せに実装されてもよい。ハードウェア実装の場合、基地局または移動局内の処理装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理装置(DSPD)、プログラム可能論理装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書に記載された機能を実行するように設計されている他の電子装置、またはその組合せ内に実装され得る。
【0110】
ソフトウェア実装の場合、本明細書に記載された技術は、本明細書に記載された機能を実行するモジュール(手順、関数など)により実装され得る。ソフトウェアコードは、メモリ装置に格納され、プロセッサによって実行されてもよい。メモリ装置は、プロセッサ内に実装されるか、プロセッサの外部に実装されてもよく、この場合、当分野で使用されているような様々な手段を介してプロセッサに通信可能に結合することができる。
【0111】
開示された実施形態の上記の説明は、当業者が本発明を作成し、または使用できるように提供されている。これらの実施形態への様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義された一般的な原理は、本発明の意図または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示された実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示された原理および新規の特徴と合致する最も広い範囲が与えられるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を備える無線通信装置
少なくとも1つのアンテナ;
複数のクラスタをそれぞれ備える複数のパイロットシンボルのパターンを格納するメモリ;および、
前記少なくとも1つのアンテナおよび前記メモリと結合されているプロセッサであって、周波数選択性閾値に基づいて、ユーザによる伝送のために、前記複数のパイロットパターンのうちの少なくとも1つのパイロットパターンを選択するように構成されているプロセッサ。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記無線通信装置がMIMOモードで伝送を受信することになっているかどうかに基づいて、前記プロセッサは、前記少なくとも1つのパイロットパターンを選択するようにさらに構成されている。
【請求項3】
請求項1に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記周波数選択性閾値がユーザの移動度の関数である。
【請求項4】
請求項1に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのパイロットパターンが、移動体ユーザのための周波数選択性パイロットパターンを備える。
【請求項5】
請求項1に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記メモリが、複数のスカラ関数を備え、前記プロセッサが、前記パイロットに前記複数のスカラ関数のうちの少なくとも1つを乗算することを指示するようにさらに構成されている。
【請求項6】
請求項5に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記複数のスカラ関数が、スカラ関数のベクトルを備え、各ベクトルが他の各ベクトルに直交する。
【請求項7】
請求項1に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記無線通信装置が、最大周波数と最小周波数との間の周波数範囲内の複数の周波数サブキャリアを使用して信号を受信し、前記パイロットシンボルクラスタがそれぞれ複数のパイロットシンボルを備え、前記複数のクラスタのそれぞれの前記複数のパイロットシンボルの少なくとも1つが、前記最大周波数または前記最小周波数以外の周波数サブキャリアを使用して伝送されるようにする。
【請求項8】
請求項1に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記周波数レンジが、時間周波数ブロックの周波数レンジを備える。
【請求項9】
請求項1に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記プロセッサが、前記ユーザの遅延スプレッドと前記周波数選択性閾値との関係に基づいて、前記少なくとも1つのパイロットパターンを選択するようにさらに構成されている。
【請求項10】
下記を備える無線通信装置:
前記無線装置から伝送され、複数のクラスタをそれぞれ備える複数のパイロットシンボルのパターンを格納するメモリと、
前記メモリに結合されており、周波数選択性閾値に基づいて、ユーザによる伝送のために、前記複数のパイロットパターンのうちの少なくとも1つのパイロットパターンを選択するための手段。
【請求項11】
請求項10に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記手段が、前記無線通信装置がMIMOモードで伝送を受信することになっているかどうかに基づいて、前記少なくとも1つのパイロットパターンを選択するための手段をさらに備える。
【請求項12】
請求項10に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記手段が、前記ユーザの速度に基づいて、前記少なくとも1つのパイロットパターンを選択するための手段をさらに備える。
【請求項13】
請求項10に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記無線通信装置が、最大周波数と最小周波数との間の周波数範囲内の複数の周波数サブキャリアを使用して信号を受信し、前記クラスタがそれぞれ複数のパイロットシンボルを備え、前記複数のクラスタのそれぞれの前記複数のパイロットシンボルの少なくとも1つが、前記最大周波数または前記最小周波数以外の周波数サブキャリアを使用して伝送されるようにする。
【請求項14】
請求項13に記載の無線通信装置、ここにおいて、
前記選択するための手段が、前記ユーザの遅延スプレッドと前記周波数選択性閾値との関係に基づいて選択するための手段をさらに備える。
【請求項15】
無線通信システムにおいてパイロットを伝送するための方法、該方法は下記を備える:
ユーザの周波数選択性を決定すること;および、
周波数選択性閾値に基づいて、前記ユーザのためにパイロットパターンを選択すること。
【請求項16】
決定することが、前記ユーザの速度に基づいて決定することを備える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
選択することが、前記周波数選択性閾値に対する前記速度に基づいて選択することを備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
選択することが、前記速度に基づいてパイロットの数を選択することを備える請求項17に記載の方法。
【請求項19】
決定することが、前記ユーザの遅延スプレッドに基づいて決定することを備える請求項15に記載の方法。
【請求項20】
決定することが、ドップラースプレッドに基づいて決定することを備える請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−81211(P2013−81211A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−262436(P2012−262436)
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【分割の表示】特願2008−538201(P2008−538201)の分割
【原出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】