OFDMAシステムの逆方向リンク電力制御
【課題】複数の無線技術を使用して送信された複数チャネルの電力制御を実行するための技法を提供する。
【解決手段】基準伝送電力レベルを決定し、制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出し、該基準伝送電力レベルおよび該制御チャネルで検出された該エラーに基づいて該制御チャネルの伝送電力を調整するように構成された少なくとも1つのプロセッサと該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを備える装置。
【解決手段】基準伝送電力レベルを決定し、制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出し、該基準伝送電力レベルおよび該制御チャネルで検出された該エラーに基づいて該制御チャネルの伝送電力を調整するように構成された少なくとも1つのプロセッサと該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを備える装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に通信に関し、詳細には無線通信システムにおける電力制御に関する。
【0002】
本特許出願は、いずれもその内容を参照によって本明細書に援用する、譲受人に譲渡された、「Up Link Power Control For OFDMA Systems」と題する2005年8月22日に出願した米国特許仮出願第60/710,404号明細書、および「Up Link Power Control For OFDMA Systems」と題する2006年1月5日に出願した米国特許仮出願第60/756,816号明細書の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
無線多重アクセス通信システムは、順方向リンクおよび逆方向リンク上で複数の端末と通信することができる。順方向リンク(またはダウンリンク)とは、基地局から端末への通信リンクを示し、逆方向リンク(またはアップリンク)とは、端末から基地局への通信リンクを示す。
【0004】
複数の端末は、順方向リンク上でデータの受信および/または逆方向リンク上でデータの送信を同時に行うことができる。これは、各リンク上の伝送を、時間、周波数、および/または符号の領域で相互に直交するよう多重化することにより達成されうる。逆方向リンク上で、完全な直交性が達成された場合、各端末からの伝送は受信側基地局において他の端末からの伝送を干渉することはなくなる。しかし、さまざまな端末からの伝送間の完全な直交性は、チャネル状態、受信機の欠陥などのために実現されないことが多い。直交性の損失により、各端末は、同じ基地局と通信している他の端末に若干の干渉をもたらすことになる。さらに、さまざまな基地局と通信している端末からの伝送は通常、相互に直交ではない。そのため、各端末はまた、近隣の基地局と通信している他の端末にも干渉をもたらしうる。各端末のパフォーマンスは、システム内の他のすべての端末からの干渉によって低下する。
【0005】
したがって、干渉を軽減してすべての端末の良好なパフォーマンスを達成するために、端末の伝送電力を制御する技法が当技術分野において必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
無線通信システムにおいて制御チャネルおよびデータチャネルの伝送電力を制御するための技法が、本明細書において説明される。1つの態様において、電力制御(PC)は、第1の無線技術を使用して送信される基準チャネルおよび第2の無線技術を使用して送信される第2のチャネルに対して実行される。基準チャネルは、シグナリングを搬送する制御チャネルであってもよく、符号分割多重アクセス(CDMA)を使用して送信されてもよい。第2のチャネルは、トラヒックデータを搬送するデータチャネルであってもよく、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して送信されてもよい。基準チャネルの伝送電力は、基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように調整されるが、これは目標消失率によって定量化されうる。第2のチャネルの伝送電力は、基準チャネルの伝送電力に基づいて調整される。
【0007】
もう1つの態様において、電力制御は、制御チャネルの明示的なフィードバックを使用することなく、たとえば肯定確認(ACK)チャネルなどの制御チャネルに対して実行される。基準チャネルの伝送電力でありうる基準伝送電力レベルが決定される。制御チャネル上で送信されたシグナリングのエラーは、たとえばエラーを示すフィードバックを受信することなく黙示的に検出される。シグナリングはACKであってもよく、制御チャネルで送信されたACKのエラーは、データチャネルで受信されたデータパケットに基づいて検出されてもよい。制御チャネルの伝送電力は、基準伝送電力レベルおよび制御チャネルで検出されたエラーに基づいて調整される。
【0008】
さらにもう1つの態様において、電力制御は、データチャネルに対して実行される。基準電力スペクトル密度(PSD)レベルは、たとえば基準チャネルの伝送電力に基づいて決定される。データチャネルの伝送PSDデルタは、たとえば干渉推定に基づいて調整される。データチャネルの伝送PSDは、基準PSDレベルおよび伝送PSDデルタに基づいて決定される。次いで、データチャネルの伝送電力は、伝送PSDおよびデータチャネルに使用される副搬送波の数に基づいて決定されうる。
【0009】
本開示のさまざまな態様および実施形態が、以下でさらに詳細に説明される。
【0010】
本開示の特徴および特性は、同様の参照符号が全体を通じて対応して識別される図面を参照し、以下に示される詳細な説明を読めばさらに明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】無線通信システムを示す図である。
【図2】例示的なスーパーフレーム構造を示す図である。
【図3】順方向リンクのH−ARQ伝送方式を示す図である。
【図4】アップ−ダウンPC方式の電力制御機構を示す図である。
【図5】消失ベースのPC方式の電力制御機構を示す図である。
【図6】ACKチャネルの電力制御機構を示す図である。
【図7】データチャネルの電力制御機構を示す図である。
【図8】複数の無線技術を使用するシステムにおいて電力制御を行うためのプロセスを示す図である。
【図9】複数の無線技術を使用するシステムにおいて電力制御を行う装置を示す図である。
【図10】たとえばACKチャネルなどの制御チャネルの電力制御を行うためのプロセスを示す図である。
【図11】たとえばACKチャネルなどの制御チャネルの電力制御を行うための装置を示す図である。
【図12】データチャネルの電力制御を行うためのプロセスを示す図である。
【図13】データチャネルの電力制御を行うための装置を示す図である。
【図14】端末および2つの基地局を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において「exemplary(例示的)」という用語は、「例、事例、または実例としての役割を果たす」ことを意味する。本明細書において「例示的」として説明される実施形態または設計は、必ずしも、他の実施形態または設計よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0013】
図1は、複数の基地局110および複数の端末120を備える無線通信システム100を示す。基地局は、端末と通信する局である。基地局はまた、アクセスポイント、ノードB、および/またはその他のネットワークエンティティと呼ばれることもあり、それらの機能の一部または全部を含むことができる。各基地局110は、特定の地理上の地域102に通信サービス範囲を提供する。「cell(セル)」という用語は、この用語が使用される状況に応じて、基地局および/またはそのサービス対象地域を示すことができる。システム容量を増強するため、基地局サービス対象地域は、たとえば3つのより小さい地域104a、104b、および104cなど、複数のより小さい地域に分割されうる。各々のさらに小さい区域はそれぞれの基地局トランシーバサブシステム(BTS)によるサービスの提供を受ける。「sector(セクタ)」という用語は、この用語が使用される状況に応じて、BTSおよび/またはそのサービス対象地域を示すことができる。セクタ区分化されたセルの場合、そのセルのすべてのセクタのBTSは通常、セルの基地局内に共設される。
【0014】
端末120は通常、システム全体に分散しており、各端末は固定または移動体であってもよい。端末はまた、アクセス端末、移動局、ユーザ装置、および/またはその他のエンティティとも呼ばれることもあり、それらの機能の一部または全部を含むことができる。端末は、無線装置、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、ハンドヘルド装置などであってもよい。端末は、いかなる瞬間においても、順方向および/または逆方向リンク上でゼロ、1つ、または複数の基地局と通信することができる。
【0015】
集中アーキテクチャの場合、システムコントローラ130は、基地局110に結合し、これらの基地局の調整および制御を行う。システムコントローラ130は、単一のネットワークエンティティまたは複数ネットワークエンティティの集合であってもよい。分散アーキテクチャの場合、基地局は必要に応じて相互に通信することができる。
【0016】
本明細書において説明される電力制御技法は、セクタ区分化されたセルを備えるシステムおよびセクタ区分化されないセルを備えるシステムに使用されうる。明確にするため、技法は以下で、セクタ区分化されたセルを備えるシステムについて説明される。以下の説明において、「base station(基地局)」および「sector(セクタ)」という用語は、同義的に使用され、「terminal(端末)」および「user(ユーザ)」という用語もまた同義的に使用される。
【0017】
本明細書において説明される電力制御技法はまた、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC−FDMA)、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、周波数分割多重アクセス(FDMA)など、さまざまな無線通信システムおよびさまざまな無線技術にも使用されうる。OFDMAおよびSC−FDMAは、周波数帯域(たとえば、システム帯域幅)を、複数の直交副搬送波に分割するが、これらはトーン、ビンなどとも呼ばれる。各副搬送波は、データで変調することができる。一般に、変調シンボルは、周波数領域においてOFDMAで送信され、時間領域においてSC−FDMAで送信される。技法はまた、複数の無線技術を使用する無線通信システムにも使用することができる。明確にするため、以下では、データチャネルにOFDMAを使用し、一部の制御チャネルにCDMAを使用するシステムの場合について、技法が説明される。
【0018】
図2は、システム100において逆方向リンクに使用されうる例示的なスーパーフレーム構造200を示す。逆方向リンクの伝送タイムラインは、スーパーフレームの単位に分割される。各スーパーフレームは、固定または構成可能な時刻期間にわたり、M個のフレームを含む(M>1)。各フレームは、トラヒックデータおよび/またはシグナリングを搬送することができる。順方向リンクのスーパーフレーム構造は、逆方向リンクのスーパーフレーム構造と同じであっても、異なっていてもよい。
【0019】
図2はまた、4つのサブバンドに分割される1つの搬送波のCDMA制御セグメントの実施形態を示す。この実施形態において、CDMA制御セグメントは特定のタイプのシグナリングを搬送し、6つ目のフレームごとに1つのサブバンドで送信される。CDMAフレームは、CDMA制御セグメントが送信されるフレームである。CDMA制御セグメントは、Fの副搬送波をカバーしTのシンボル周期にわたる時間−周波数領域にマップされる(FおよびTは各々任意の整数値)。一般に、CDMA制御セグメントは、任意のレートで、任意の大きさの時間−周波数領域において送信されうる。CDMA制御セグメントは、図2に示されるように周波数にわたってホップすることもでき、あるいは周波数が静的であってもよい。
【0020】
図2はまた、データチャネルの例示的な周波数−ホッピング方式を示す。データチャネルは、送信機から受信機へデータを送信するための手段であり、トラヒックチャネル、物理チャネルなどと呼ばれることもある。各データチャネルは、図2に示されるように、周波数ダイバーシティを達成するためにさまざまなフレームの周波数にわたりホップする時間−周波数ブロックの特定のシーケンスにマップすることができる。1つの実施形態において、データチャネルの周波数ホッピングは、CDMA制御セグメントを回避する。副搬送波のセットは、CDMA制御セグメントに割り当てることができる。CDMA制御セグメントと衝突する各々のデータチャネルは、CDMA制御セグメントに割り当てられた副搬送波のセットにマップすることができる。
【0021】
さまざまな制御チャネルが、逆方向リンク上でさまざまなタイプのシグナリングを搬送するために定義され使用されうる。逆方向リンク制御チャネルは、以下のものを含むことができる。
・ ACKチャネル − 順方向リンクで受信されたデータパケットのACKを搬送する。
・ CQIチャネル − 順方向リンク信号品質情報を搬送する。
・ Requestチャネル − 逆方向リンクでリソースへの要求を搬送する。
・ Pilotチャネル − 逆方向リンクのブロードバンドパイロットを搬送する。
・ Accessチャネル − システムにアクセスするためのアクセスプローブを搬送する。
異なるおよび/または追加の制御チャネルもまた、逆方向リンクで送信することができる。
【0022】
一般に、さまざまなチャネル構造が、トラヒックデータおよびシグナリングを送信するために使用されうる。以下で説明される実施形態において、逆方向リンク上では、トラヒックデータを搬送するデータチャネルにOFDMAが使用され、多くの制御チャネルにCDMAが使用される。1つの実施形態において、CDMA制御セグメントはCQI、Request、Pilot、およびAccessチャネルを搬送し、ACKチャネルは逆方向リンクデータチャネルと共に送信される。制御チャネルはまた、その他の方法で送信されてもよい。
【0023】
図3は、システム100の順方向リンクの例示的な複合自動再送要求(H−ARQ;hybrid automatic retransmission request)伝送方式300を示す。端末は、基地局の順方向リンクの受信信号品質を測定し、チャネル品質表示(CQI)レポートを生成し、CQIレポートをコードワードにマップして、CQIチャネルでコードワードを送信する(図3には図示せず)。信号品質は、信号対雑音比(SNR)、信号対雑音干渉比(SINR)、搬送波対干渉比(C/I)、シンボルあたりエネルギー対雑音比(Es/No;energy-per-symbol-to-noise ratio)などにより定量化することができる。明確にするため、SNRは、以下の説明において信号品質を示すために使用される。
【0024】
基地局は、端末からCQIコードワードを受信し、端末へのデータ伝送に使用するパケットフォーマット(たとえば、データ転送速度、パケットサイズなど)を選択する。次いで基地局は、選択されたパケットフォーマットに従ってデータパケット(パケットA)を処理し(たとえば、符号化および変調し)、パケットの複数データブロックを生成する。各データブロックは、望ましいチャネル状態の下に端末がパケットを正しく復号化できるよう十分な情報を含むことができる。複数のデータブロックは通常、パケットのさまざまな冗長情報を含み、パケットが終了するまで一度に1ブロック送信することができる。各ブロック送信はまた、H−AQR試行とも呼ばれる。最初のブロックの後の各ブロック送信は、再送信とも呼ばれる。
【0025】
基地局は、フレームnでパケットAの第1のデータブロック(ブロックA1)を送信する。端末はブロックA1を受信して処理し(たとえば、復調して復号化し)、パケットAが誤って復号化されたと判別し、フレームn+3においてACKチャネルで否定応答(NAK)を送信する。基地局は、NAKを受信し、フレームn+6でパケットAの第2のデータブロック(ブロックA2)を送信する。端末はブロックA2を受信して、ブロックA1およびA2を処理し、パケットAが正しく復号化されたと判別し、フレームn+9においてACKを送信する。基地局は、ACKを受信し、パケットAの送信を終了する。基地局は、次のデータパケット(パケットB)を処理し、同様の方法でパケットBのデータブロックを送信する。
【0026】
図3は、データブロック、CQI、およびACK/NAKを送信する特定の実施形態を示す。この実施形態において、トラヒックデータは6つ目のフレームごとに送信され、CQIレポートもまた6つ目のフレームごとに送信され、パケットが正しく復号化された場合にACKが送信される。データおよびシグナリングはまた、たとえば、さまざまなレート、ブロック伝送間のさまざまな間隔、ACK/NAKのさまざまな遅延など他の方法でも送信することができる。たとえば、CQIレポートはq個のCDMAフレームごとに送信することができる。ここでqは任意の正整数値にすることができる。
【0027】
明確にするため、図3は、ACKチャネルでのNAKおよびACKの送信を示す。ACKベースの方式の場合、ACKは、パケットが正しく復号化された場合に送信され、NAKは送信されず、ACKの不在によって推定される。NAKベースの方式の場合、NAKは、パケットが誤って復号化された場合に送信され、ACKは送信されない。明確にするため、以下の説明では、ACKベースの方式を使用し、正しく復号化されたパケットに対してACKが送信されることのみを仮定する。
【0028】
データチャネルは、OFDMAを使用して送信され、周波数において相互に直交である。一般に、データチャネルは、受信基地局において相互に最小限に干渉し合い、これらのデータチャネルで送信しているユーザ間にはほとんどセクタ内の干渉はない。したがって、基地局により近い位置にあるユーザ(または「内部」ユーザ)は潜在的に、そのデータチャネルが相互に直交して「遠近」効果がないので、同じセクタ内の他のユーザにほとんど影響を与えずにより高い電力スペクトル密度(PSD)で受信されうる。内部ユーザもまた、近隣の基地局へのより高いパス損失のために、他のセクタのユーザにほんのわずかな影響しか及ぼさない。逆方向リンク電力制御の目的は、複雑さ、オーバーヘッド、および安定性の制約の下にデータ容量を最大化することである。
【0029】
1つの態様において、閉ループ電力制御は基準チャネルに対して実行され、他のデータおよび制御チャネルの電力制御は基準チャネルを参照される。基準チャネルは、基準チャネルの伝送電力の信頼できる調整を可能にするように十分なレートで送信される任意のチャネルにすることができる。以下で説明される実施形態において、基準チャネルは、図3に示されるように比較的一定した低データ速度を有するCQIチャネルである。
【0030】
1.CQIチャネルの電力制御
所定のフレームnにおいてCQIチャネルで送信されるCQIレポートまたはシグナリングは、L個のビットを含む小さいワードであってもよい。ここで一般に、L≧1(たとえば、L=10)である。このワードは、コードブックの2Lの可能なコードワードのうちの1つにマップすることができる。次いで、コードワードはフレームnにおいてCQIチャネルで送信される。同じ数のビット(たとえば、L個のビット)が、CQIレポートごとに送信されうる。この場合、同じコードブックが各CQIレポートに使用されうる。代替として、異なる数のビットが異なるCQIレポートに対して送信され、送信されるビット数に応じて異なるコードブックを使用することもできる。所定のコードブックのコードワードは、ブロックコードまたはその他のマッピング方式に基づいて生成することができる。1つの実施形態において、2Lの可能なコードワードは、長さ2Lの2Lのウォルシュコードに対応する。
【0031】
基地局は、CQIチャネルで送信されたコードワードを受信する。基地局は、受信した各コードワードに相補的な復号化を実行して復号ワードを取得するが、この復号ワードは受信したコードワードに対して送信されたものと見なされる可能性が高いワードである。復号化は、さまざまな方法で行うことができる。1つの実施形態において、基地局は、受信したコードワードと、コードブックの2Lの可能な有効コードワードの各々との間のユークリッド距離を計算する。受信したコードワードまで最短のユークリッド距離を持つ有効なコードワードは、送信されたコードワードと見なすことができる。この有効なコードワードに対応するワードは、復号ワードとして供給することができる。
【0032】
エラー検出コードは、たとえばワードサイズが小さいために、CQIチャネルに使用することができない。この場合、所定の受信したコードワードの復号化が正しいかまたは誤りであるかどうか、また復号化されたワードが確かに送信されたワードであることを判別する直接の方法はない。メトリックを定義して、復号結果の信頼性の指標として使用することができる。1つの実施形態において、メトリックは、以下のように定義される。
【数1】
【0033】
ここで、d1(n)は、フレームnで受信したコードワードとその最近の有効コードワードとの間のユークリッド距離である。
d2(n)は、フレームnで受信したコードワードと2番目に最近の有効コードワードとの間のユークリッド距離である。
M(n)は、フレームnで受信したコードワードのメトリックである。
【0034】
受信したコードワードが、2番目に最近の有効コードワードよりも最近の有効コードワードにはるかに接近している場合、メトリックM(n)は小さい値であり、復号ワードが正しいという信頼度は高い。逆に、受信したコードワードが、最近の有効コードワードおよび2番目に最近の有効コードワードとほぼ等しい距離を有する場合、メトリックM(n)は1に近づき、復号ワードが正しいという信頼度は低い。
【0035】
式(1)におけるメトリックは、所定の受信したコードワードの復号化が正しいかまたは誤りであるかどうかを判別する消失検出に使用することができる。その他のメトリックもまた、消失検出に使用することができる。一般に、メトリックは任意の信頼性関数f(r,C)に基づいて定義されうる。ここでrは受信コードワードであり、Cはすべての可能なコードワードのコードブックである。関数f(r,C)は、受信コードワードの品質/信頼性を指示するべきであり、たとえば、検出信頼性との単調など、適切な特徴を備える必要がある。
【0036】
基地局は、消失検出を実行して、受信したコードワードの復号結果が望ましい信頼性レベルを満たすかどうかを判別することができる。基地局は、受信したコードワードのメトリックを計算し、メトリックを消失しきい値と比較して、以下のように、受信したコードワードが「消失済み」または「未消失」であるかを宣言することができる。
【数2】
【0037】
ここで、THerasureは、消失検出に使用されるしきい値である。一般に、消失検出はメトリックが定義される方法に依存し、その他のメトリックの式(2)とは異なることもある。
【0038】
受信したコードワードを消失済みコードワードとして宣言する確率は、消失率と呼ばれる。消失率は、消失検出に使用されるしきい値、および受信コードワードの受信SNRなど、さまざまな要因によって異なる。所定の受信SNRについて、より低い消失しきい値は、受信コードワードが消失済みコードワードとして宣言される尤度を高め、その逆もありうる。所定の消失しきい値について、より低い受信SNRは、受信コードワードが消失済みコードワードとして宣言される尤度を高め、その逆もありうる。
【0039】
CQIチャネルの伝送電力は、さまざまな方法で調整することができる。「アップ−ダウン」PC方式と呼ばれる1つの実施形態において、基地局は、CQIチャネルの受信SNRを測定し、CQIチャネルの伝送電力を調整するよう端末に指示するためにPCビットまたはPCコマンドを送信する。「消失ベースの」PC方式と呼ばれるもう1つの実施形態において、基地局は、CQI消失指標(CEI)ビットを送信するか、または基地局における消失検出の結果を示す消失指標を送信する。端末は、CEIビットに基づいてCQIチャネルの伝送電力を調整する。いずれのPC方式の場合も、CQIチャネルの伝送電力は、CQIチャネルが望ましいパフォーマンスのレベルを達成できるように調整されうるが、これは目標消失率および/または他の何らかの測定によって定量化することができる。
【0040】
図4は、CQIチャネルのアップ−ダウンPC方式を実施する電力制御機構400の実施形態を示す。電力制御機構400は、内部ループ410、外部ループ412、および第3のループ414を含む。内部ループ410は、基地局110xと端末120xとの間で動作する。外部ループ412および第3のループ414は、基地局110xによって保持される。基地局110xは、図1の基地局110のうちのいずれか1つであってもよく、端末120xは、図1の端末120のうちのいずれか1つであってもよい。
【0041】
内部ループ410は、CQIチャネルの受信SNRを目標SNRに、またはその付近に保持するよう、CQIチャネルの伝送電力を調整する。内部ループ410の場合、基地局110xのSNR推定器420は、CQIチャネルの受信SNRを推定して、受信SNRをPCビット発生器422に供給する。PCビット発生器422はまた、CQIチャネルの目標SNRを受信し、受信SNRと目標SNRを比較して、比較結果に基づいてPCビットを生成する。各PCビットは、(1)CQIチャネルの伝送電力の増加を指示するUPコマンド、または(2)伝送電力の減少を指示するDOWNコマンドのいずれかにすることができる。基地局110xは、順方向リンク上(雲印452)でPCビットを端末120xに送信する。
【0042】
端末120xにおいて、PCビットプロセッサ460は、基地局110xによって送信されたPCビットを受信し、受信PCビットごとに決定を行う。PC決定は、受信PCビットがUPコマンドであると見なされる場合はUP決定、または受信PCビットがDOWNコマンドであると見なされる場合はDOWN決定のいずれかにすることができる。ユニット462は、以下のように、プロセッサ460からのPC決定に基づいてCQIチャネルの伝送電力を調整することができる。
【数3】
【0043】
ここでPCQI(n)は、更新間隔nにおけるCQIチャネルの伝送電力であり、ΔPCQIは、CQIチャネルの伝送電力のステップサイズである。
【0044】
伝送電力PCQI(n)およびステップサイズΔPCQIは、デシベル(dB)の単位で与えられる。式(3)に示される実施形態において、伝送電力は、たとえば0.5dB、1.0dBずつ、または他の値ずつなど、CQIチャネルの良好なパフォーマンスをもたらすように選択することができる同一のステップサイズによって増加または減少される。もう1つの実施形態において、伝送電力は、さまざまなアップおよびダウンのステップサイズによって調整される。伝送電力PCQI(n)はまた、受信PCビットの信頼度が低すぎると見なされる場合、同じレベルに保持されてもよい。送信(TX)データプロセッサ/変調器464はCQIコードワードを生成し、それらのコードワードを、逆方向リンク(雲印450)を介してCQIチャネルでPCQI(n)の伝送電力で基地局110xに送信する。
【0045】
外部ループ412は、目標消失率がCQIチャネルで達成されるように、受信コードワードに基づいて目標SNRを調整する。基地局110xにおいて、メトリック計算ユニット424は、たとえば式(1)に示されるように、CQIチャネルで受信した各コードワードに対してメトリックM(n)を計算する。消失検出器426は、たとえば式(2)に示されるように、メトリックM(n)および消失しきい値に基づいて受信コードワードごとに消失検出を実行する。目標SNR調整ユニット428は、各受信コードワードの状態(消失または未消失)を取得し、以下のようにCQIチャネルの目標SNRを調整することができる。
【数4】
【0046】
ここで、ΔSNRtarget(k)は、更新間隔kにおけるCQIチャネルの目標SNRであり、ΔSNRupは、目標SNRのアップステップサイズであり、ΔSNRdnは、目標SNRのダウンステップサイズである。目標SNRと、アップおよびダウンのステップサイズは、dBの単位で与えられる。
【0047】
ΔSNRupおよびΔSNRdnのステップサイズは、以下のように設定されうる。
【数5】
【0048】
ここで、Prerasureは、目標消失率である。たとえば、CQIチャネルの目標消失率が10%である場合、アップステップサイズはダウンステップサイズの9倍である。アップステップサイズが0.5dBである場合、ダウンステップサイズは約0.056dBである。
【0049】
1つの実施形態において、消失しきい値は、CQIチャネルの目標条件付きエラー率Prerrorを達成するように調整される。条件付きエラー率は、未消失コードワードを必要条件とするエラーの確率であり、受信コードワードが未消失コードワードであると宣言されるならば、誤って復号化される受信コードワードの確率はPrerrorであるということを意味する。低いPrerror(たとえば、1%または0.1%)は、未消失コードワードが宣言される場合、復号結果における高い信頼度に対応する。
【0050】
第3のループ414は、目標条件付きエラー率がCQIチャネルで達成されるように、受信した既知のコードワードに基づいて消失しきい値を調整する。端末120xは、定期的に、または指示されるごとに、CQIチャネルで既知のコードワードを送信することができる。基地局110xにおいて、メトリック計算ユニット424および消失検出器426は、他の受信コードワードの場合と同様の方法で、各受信既知コードワードに対して消失検出を実行する。消失検出器426は、各受信既知コードワードの状態を供給する。復号器430は、未消失であると見なされる各受信既知コードワードを復号化して、コードワード状態を供給するが、それは(1)消失済み、(2)受信既知コードワードが未消失であり正しく復号化された場合に「good(良好)」、(3)受信既知コードワードが未消失であるが、誤って復号化された場合に「bad(不良)」であってもよい。消失しきい値調整ユニット432は、以下のように、受信既知コードワードの状態に基づいて消失しきい値を調整することができる。
【数6】
【0051】
ここで、ΔTHerasure(l)は、更新間隔lにおけるCQIチャネルの消失しきい値であり、ΔTHupは、消失しきい値アップステップサイズであり、ΔTHdnは、消失しきい値のダウンステップサイズである。
【0052】
式(6)に示される実施形態において、消失しきい値は、「不良」である受信既知コードワードごとに、ΔTHdnずつ減少される。より低い消失しきい値は、より厳密な消失検出基準に対応するので、受信したコードワードが消失済みと見なされる可能性がより高くなるが、言い換えれば、受信したコードワードが未消失と見なされる場合には正しく復号化される可能性が高くなるという結果をもたらす。消失しきい値は、「良好」である受信既知コードワードごとにΔTHupずつ増加され、消失される受信既知コードワードに対して保持される。
【0053】
ΔTHupおよびΔTHdnのステップサイズは、以下のように設定されうる。
【数7】
【0054】
たとえば、制御チャネルの目標条件付きエラー率が1%である場合、ダウンステップサイズはアップステップサイズの99倍である。ΔTHupおよびΔTHdnの大きさは、第3のループおよび/またはその他の要因の望ましい収束率に基づいて選択することができる。
【0055】
消失率、条件付きエラー率、消失しきい値、および受信SNRは通常、関連している。所定の消失しきい値および所定の受信SNRの場合、特定の消失率および特定の条件付きエラー率が存在する。第3のループ414を介して消失しきい値を変更することにより、消失率と条件付きエラー率との間にトレードオフが行われうる。
【0056】
一般に、消失しきい値の調整は、消失検出に使用されるメトリックに依存する。式(6)および式(7)は、式(2)に示されるメトリックに基づく。その他のメトリックもまた消失検出に使用することができ、消失しきい値の調整は、それに応じて変更することができる。
【0057】
消失しきい値は、さまざまな方法で調整することができる。1つの実施形態において、基地局110xは、各端末の別個の第3のループを保持し、その端末の望ましいパフォーマンスを達成するように消失しきい値を調整する。もう1つの実施形態において、基地局110xは、すべての端末の単一の第3のループを保持し、すべての端末の良好なパフォーマンスを達成するように、これらの端末から受信された既知コードワードに基づいて消失しきい値を調整する。さらにもう1つの実施形態において、基地局110xは、類似するパフォーマンスを有する端末のグループごとに単一の第3のループを保持し、グループ内のすべての端末から受信した既知のコードワードに基づいて消失しきい値を調整する。
【0058】
内部ループ410、外部ループ412、および第3のループ414は、異なるレートで動作することができる。内部ループ410は通常最速のループであり、CQIチャネルの伝送電力は、CQIチャネルの受信SNRが使用可能なときはいつでも更新されうる。外部ループ412は2番目に速いループであり、目標SNRは、コードワードがCQIチャネルで受信されるときはいつでも更新されうる。第3のループ414は最も遅いループであり、消失しきい値は、既知のコードワードがCQIチャネルで受信されるときはいつでも更新されうる。3つのループの更新レートは、CQIチャネルの望ましいパフォーマンスを達成するように選択することができる。
【0059】
図5は、CQIチャネルの消失ベースのPC方式を実施する電力制御機構500の実施形態を示す。電力制御機構500は、第1のループ510および第2のループ512を含む。
【0060】
第1のループ510は、CQIチャネルの目標消失率を達成するようにCQIチャネルの伝送電力を調整する。第1のループ510の場合、メトリック計算ユニット424は、CQIチャネルで受信した各コードワードに対してメトリックM(n)を計算する。消失検出器426は、メトリックM(n)および消失しきい値に基づいて受信コードワードごとに消失検出を実行し、消失検出の結果に基づいてCEIビットを生成する。CEIビットは、受信したコードワードが消失済みであるか、または未消失であるかどうかを指示する。基地局110xは、順方向リンク上でCEIビットを端末120xに送信する。
【0061】
端末120xにおいて、CEIビットプロセッサ466は、基地局110xによって送信されたCEIビットを受信し、受信CEIビットごとに消失済みまたは未消失の決定を行う。ユニット468は、以下のように、プロセッサ466からのCEI決定に基づいてCQIチャネルの伝送電力を調整することができる。
【数8】
【0062】
ここで、ΔPCQI,upは、消失済み決定のアップステップサイズであり、ΔPCQI,dnは、未消失の決定のダウンステップサイズである。
【0063】
アップおよびダウンのステップサイズは、以下のように、目標消失率に基づいて設定されうる。
【数9】
【0064】
基地局110xは、アップおよび/またはダウンステップサイズをそのサービス対象地域内の端末にブロードキャストすることができる。所定の配置において、目標消失率は非常に遅く変化してもよい。したがって、アップおよび/またはダウンステップサイズをブロードキャストするオーバーヘッドは、オーバーヘッド全体のうちのわずかな割合となりうる。
【0065】
第2のループ512は、目標条件付きエラー率がCQIチャネルで達成されるように、受信した既知のコードワードに基づいて消失しきい値を調整する。第2のループ512は、図4において第3のループ414について上記で説明したように動作する。
【0066】
第1のループ510および第2のループ512は、異なるレートで動作することができる。第1のループ510は、コードワードがCQIチャネルで受信されるときはいつでも更新されうる。第2のループ512は、既知のコードワードがCQIチャネルで受信されるときはいつでも更新されうる。
【0067】
図4および図5において示される実施形態において、CQIチャネルのパフォーマンスは、目標消失率および目標条件付きエラー率によって定量化される。パフォーマンスはまた、その他の測定によっても定量化することができる。電力制御機構は、パフォーマンスを定量化するために使用される測定に基づいて適宜変更することができる。
【0068】
2.ACKチャネルの電力制御
1つの実施形態において、ACKチャネルは、CQIチャネルの伝送電力と相対的な固定電力オフセットで送信される。固定電力オフセットは、セクタ内のすべての端末およびさまざまな運用のシナリオ(たとえば、車両、歩行者など)に良好なパフォーマンスをもたらすように選択することができる。
【0069】
もう1つの実施形態において、各端末のACKチャネルは、その端末のCQIチャネルの伝送電力と相対的な調整可能電力オフセットで送信される。電力オフセットは、たとえば閉ループなど、さまざまな方法で調整することができる。電力オフセットは、ACKエラーがある場合にはアップステップサイズずつ増加することができ、ACKエラーがない場合にはダウンステップサイズずつ減少することができる。
【0070】
図3に示されるH−ARQ伝送方式の場合、基地局は、NAKを受信する(またはACKを受信しない)と現在のパケットの別のデータブロックを送信し、ACKを受信すると新しいパケットを送信する。端末がACKを送信したが、基地局が誤ってACKを検出した場合、基地局は現在のパケットの別のデータブロックを送信する。したがって、端末がACKを送信したが、現在のパケットの別のデータブロックを受信した場合、端末はACKエラーが発生したことを推定することができる。このようにして、ACKエラーは端末によって黙示的に推定されうるので、ACKエラーを伝達するために順方向リンク上に別個のフィードバックチャネルがある必要はない。
【0071】
図6は、ACKチャネルに使用されうる電力制御機構600の実施形態を示す。電力制御機構600は、基準ループ610および電力オフセットループ612を含む。基準ループ610は、基準伝送電力レベルを供給する。基準ループ610は、図4の内部ループ410、図5の第1のループ510、または指定されたチャネルに基づいて動作するその他のループであってもよい。図6に示される実施形態において、基準ループ610は内部ループ410で実施され、CQIチャネルの伝送電力は基準伝送電力レベルとして使用される。基準ループ610は、図4について上記で説明されるように動作するユニット420、422、460、462、および464を含む。
【0072】
電力オフセットループ612は、ACKチャネルの電力オフセットを調整する。電力オフセットループ612の場合、基地局110xのACK検出器440は、端末120xによって送信されたACKを検出して、検出されたACKを供給する。各潜在ACK伝送の場合、ACK検出器440は、ACKチャネルのエネルギーを判別し、エネルギーをしきい値と比較して、エネルギーがしきい値を上回る場合に検出したACKを宣言することができる。TXデータプロセッサ/変調器442は、端末120xのデータパケットを受信し、各データパケットを処理してデータブロックを生成する。ユニット442はまた、検出器440から検出されたACKを受信し、ACKが検出される場合は新しいパケットのデータブロックを送信し、ACKが検出されない場合は現在のパケットの別のデータブロックを送信する。
【0073】
端末120xにおいて、復調器/受信(Demod/RX)データプロセッサ470は、基地局110xからブロック伝送を受信し、各受信データブロック復調してを復号化することを試みる。プロセッサ470は最初に、端末120xによって送信されたACK(ある場合)が正しく検出されたという仮説に対して復号化を実行することができる。復号化エラーがある場合、プロセッサ470は次に、端末120xによって送信されたACK(ある場合)が検出されなかったという仮説に対して復号化を実行することができる。プロセッサ470は、送信されたACK(ある場合)についての知識および受信データブロックの復号結果に基づいて、ACKエラーが発生したかどうかを判別する。
【0074】
ユニット472は、以下のように、プロセッサ470からの検出ACKエラーに基づいてACKチャネルの電力オフセットを調整することができる。
【数10】
【0075】
ここで、ΔPACK(n)は、更新間隔nにおけるACKチャネルの電力オフセットであり、ΔPACK,upは、電力オフセットのアップステップサイズであり、ΔPACK,dnは、電力オフセットのダウンステップサイズである。
【0076】
電力オフセットΔPACK(n)と、アップステップサイズΔPACK,upおよびダウンステップサイズΔPACK,dnは、dBの単位で与えられる。アップおよびダウンのステップサイズは、たとえば式(9)に示されるように、望ましいACKエラー率を達成するよう設定されうる。1つの実施形態において、アップおよびダウンのステップサイズは、所定のパケットのすべてのデータブロックに対して固定されている。もう1つの実施形態において、アップおよび/またはダウンのステップサイズは、所定のパケットで送信されるデータブロックの数および/またはその他の要因に依存してもよい。
【0077】
計算ユニット474は、以下のように、CQIチャネルの伝送電力および電力オフセットに基づいてACKチャネルの伝送電力を計算する。
【数11】
【0078】
ここで、PACK(n)は、更新間隔nにおけるACKチャネルの伝送電力である。
【0079】
受信データブロックごとに、TXデータプロセッサ/変調器464は、パケットがプロセッサ470によって正しく復号化される場合ACKを生成し、ACKチャネルでPACK(n)の伝送電力でACKを送信する。
【0080】
3.OFDMAデータチャネルの電力制御
データチャネルは、OFDMAを使用して送信され、時間および周波数において相互に直交にすることができる。したがって、理論的には、複数の端末は、相互に干渉することなく、基地局にデータチャネルで同時に送信することができる。しかし、さまざまな端末からのデータ伝送間の完全な直交性は、チャネル状態、受信機の欠陥などのために実現されないことが多い。直交性の損失は結果として、各端末が同一の基地局と通信している他の端末に若干の干渉をもたらすことになる。セクタ内干渉は通常、OFDMAではさほど重大ではない。
【0081】
さまざまな基地局と通信している端末からのデータ伝送は通常、相互に直交ではない。そのため、各端末は、近隣の基地局と通信している他の端末に干渉をもたらすこともある。各端末のパフォーマンスは、システム内の他のすべての端末からの干渉によって低下する。所定の端末によって引き起こされるセクタ間干渉の量は、その端末に使用される伝送電力の量と、近隣の基地局に関連する端末の位置によって決まる。セクタ間干渉は、端末がそのサービス提供基地局の付近に位置する場合小さくなり、端末がサービス範囲の境界に位置する場合大きくなりうる。
【0082】
データチャネルについて、電力制御は、各端末が、セクタ内およびセクタ間の干渉を許容可能なレベル内に維持しながら、可能な限り高い電力レベルで送信できるように実行することができる。サービス提供基地局のより近くに位置する端末は、この端末が近隣の基地局にもたらす干渉がさらに小さくなる可能性が高いので、より高い電力レベルで送信できるようになる。逆に、サービス提供基地局からさらに遠く離れてサービス範囲の境界側に位置する端末は、この端末が近隣の基地局にさらに大きい干渉をもたらす可能性があるので、より低い電力レベルで送信できるようになる。このような方法で伝送電力を制御することで、各基地局に観測される干渉全体を低減し、しかも「適格な」端末がより高いSNRを達成してより高いデータ転送速度を達成することができる。データチャネルの電力制御は、前述の目標を達成するために、さまざまな方法で実行することができる。
【0083】
1つの実施形態において、端末のデータチャネルの伝送電力は、以下のように表される特定の伝送PSDを達成するように設定される。
【数12】
【0084】
ここで、PSDDCH(n)は、更新間隔nにおけるデータチャネルの伝送PSDであり、PSDREF(n)は、更新間隔nにおける基準PSDレベルであり、ΔPSD(n)は、更新間隔nにおけるデータチャネルの伝送PSDデルタである。
PSDレベルPSDDCH(n)およびPSDREF(n)は、デシベル/ヘルツ(dB/HZ)の単位で与えられ、伝送PSDデルタΔPSD(n)はdBの単位で与えられる。
【0085】
基準PSDレベルは、指定された伝送の目標SNRを達成する伝送PSDレベルである。1つの実施形態において、指定された伝送はCQIチャネルである。基準PSDレベルが目標SNRを達成することができる場合、データチャネルの受信SNRは、以下のように表すことができる。
【数13】
【0086】
ここで、SNRDCH(n)は、更新間隔nにおけるデータチャネルの受信SNRである。
【0087】
式(13)は、データチャネルおよびCQIチャネルが類似した干渉統計を有するものと仮定する。これは、たとえば、異なるセクタのCQIおよびデータチャネルが相互に干渉し合うような場合である。それ以外の場合、CQIチャネルとデータチャネル間の干渉オフセットは、(たとえば基地局、および端末へのブロードキャストによって)決まり、式(12)で考慮されうる。
【0088】
データチャネルの伝送PSDは、(1)端末が近隣セクタ内の他の端末に引き起こすセクタ間干渉の量、(2)端末が同じセクタ内の他の端末に引き起こすセクタ内干渉の量、(3)端末に許容される最大電力レベル、および(4)おそらくはその他の要因など、さまざまな要因に基づいて設定されうる。
【0089】
端末が引き起こす可能性のあるセクタ間干渉の量は、さまざまな方法で決めることができる。1つの実施形態において、端末によって引き起こされるセクタ間干渉の量は、各々の基地局によって推定され、適宜その伝送電力を調整することができる端末に送信されうる。この個別化された干渉レポートには、広範囲のオーバーヘッドシグナリングが必要となる。もう1つの実施形態において、端末が引き起こす可能性のあるセクタ間干渉の量は、(1)各々の近隣基地局によって観察される干渉の合計、(2)サービス提供および近隣の基地局のチャネルゲイン、および(3)端末によって使用される伝送電力レベルに基づいて大まかに推定される。この実施形態は、以下で説明される。
【0090】
各基地局は、その基地局によって観察される干渉の合計または平均量を推定することができる。干渉は、熱に対する干渉(interference−over−thermal)(IOT)またはその他の数量によって定量化することができる。IOTは、熱雑音電力に対する基地局によって観察される合計干渉電力の比である。1つの実施形態において、基地局は、以下のように、その他のセクタ干渉(other−sector interference)(OSI)値またはレポートを生成する。
【数14】
【0091】
ここで、IOTmea,m(n)は、更新間隔nにおけるセクタmの測定IOTであり、IOTtargetは、システムの目標動作ポイントであり、IOThighは、セクタ間干渉の上限しきい値であり、OSIm(n)は、更新間隔nにおけるセクタmのOSI値である。
【0092】
式(14)に示される実施形態において、OSI値は、低セクタ間干渉を示すために「0」、高セクタ間干渉を示すために「1」、および過剰なセクタ間干渉を示すために「2」に設定される。OSI値はまた、その他の方法で送信されてもよい。基地局は、OSI値を他のセクタの端末にブロードキャストすることができる。
【0093】
端末は、端末からの逆方向リンク伝送を受信することができる基地局ごとにチャネルゲイン(またはパス損失)を推定することができる。各基地局のチャネルゲインは、基地局から受信されたパイロットに基づいて推定することができる。チャネルゲイン比は、以下のように、各近隣基地局に対して計算されうる。
【数15】
【0094】
ここで、gs(n)は、サービス提供基地局のチャネルゲインであり、gm(n)は、近隣基地局mのチャネルゲインであり、rm(n)は、近隣基地局mのチャネルゲイン比である。
【0095】
各近隣基地局のチャネルゲイン比は、サービス提供基地局までの距離に対する近隣基地局までの距離を示す相対距離と見なすことができる。一般に、近隣基地局のチャネルゲイン比は、端末がサービス提供基地局に接近するにつれて増大し、端末がサービス範囲の境界に近づくにつれて減少する。
【0096】
端末は、近隣基地局によってブロードキャストされたOSI値を監視することができる。1つの実施形態において、端末は、最も強い近隣基地局のOSI値のみを考慮するが、これは最小のチャネルゲイン比を有する。端末は、その伝送PSDデルタを以下のように調整することができる。
【数16】
【0097】
ここで、δupは、伝送PSDデルタのアップステップサイズであり、δdnは、伝送PSDデルタのダウンステップサイズである。
【0098】
式(16)において、最も強い近隣基地局のOSI値が、公称セクタ間干渉よりも高いセクタ間干渉を観察するその基地局のために「1」または「2」に設定される場合、伝送PSDデルタは下方に調整されうる。逆に、OSI値が「0」に設定される場合、伝送PSDデルタは上方に調整されうる。δupおよびδdnは、伝送PSDデルタの調整の量を決定する。1つの実施形態において、δupおよびδdnは固定値である。もう1つの実施形態において、δupおよびδdnは、現在の伝送電力レベルまたは端末の現在の伝送PSDデルタ、最も強い近隣基地局のチャネルゲイン比、および/またはその他の要因に依存することができる変数値である。
【0099】
もう1つの実施形態において、端末は、複数の近隣基地局のOSI値を考慮することができる。いずれの場合も、近隣基地局からのOSI値は、伝送PSDデルタを調整する方向を決定する。
【0100】
以上、セクタ間干渉を許容可能レベルの範囲内に維持するための特定の実施形態について説明してきた。セクタ間干渉はまた、その他のパラメータに基づいておよび/またはその他の方法で、許容可能レベルの範囲内に維持することもできる。
【0101】
各セクタのデータチャネルは相互に直交となるよう設計されているが、直交性の何らかの損失は、インターキャリア干渉(ICI)、シンボル間干渉(ISI)などに起因することもある。この直交性の損失は、セクタ内干渉を引き起こす。セクタ内干渉を軽減するため、各端末の伝送PSDは、端末が同じセクタ内の他の端末に引き起こす可能性のあるセクタ内干渉の量が許容可能レベルの範囲内に維持されるように制御することができる。1つの実施形態において、許容可能セクタ内干渉は、以下のように、伝送PSDデルタをあらかじめ定められた範囲内に制約することにより達成される。
【数17】
【0102】
ここで、ΔPSDmaxは、最大伝送PSDデルタであり、ΔPSDminは、データチャネルに許容可能な最小伝送PSDデルタである。
【0103】
図7は、データチャネルに使用されうる電力制御機構700の実施形態を示す。端末120xは、サービス提供基地局110xと通信し、近隣基地局110aから110mに干渉をもたらすこともある。電力制御機構700は、(1)端末120xとサービス提供基地局110xとの間で動作する基準ループ710、および(2)端末120xと近隣基地局110aから110mとの間で動作するデータ外部ループ712を含む。基準ループ710およびデータ外部ループ712は、並行して動作することができるが、たとえば基準ループ710がデータ外部ループ712よりも頻繁に更新されうるなど、異なるレートで更新されてもよい。簡単にするために、図7は、端末120xに常駐するループ710および712の部分のみを示す。
【0104】
基準ループ710は、式(12)における基準PSDレベルを供給する。基準ループ710は、図4の内部ループ410、図5の第1のループ510、または指定されたチャネルに基づいて動作するその他のループであってもよい。図7に示される実施形態において、基準ループ710は内部ループ410で実施され、CQIチャネルの伝送PSDは基準PSDレベルとして使用される。
【0105】
データ外部ループ712は、セクタ内干渉およびセクタ間干渉を許容可能レベルの範囲内に維持しながら、データチャネルの伝送PSDを可能な限り高くするよう調整する。データ外部ループ712の場合、各近隣基地局110は逆方向リンクで伝送を受信し、他のセクタ内の端末から基地局によって観察されるセクタ間干渉を推定し、たとえば式(14)に示されるように干渉推定に基づいてOSI値を生成して、OSI値を他のセクタ内の端末にブロードキャストする。
【0106】
端末120xにおいて、OSIプロセッサ480は、近隣基地局によってブロードキャストされたOSI値を受信し、検出したOSI値を伝送PSDデルタ計算ユニット484に供給する。チャネル推定器482は、サービス提供および近隣の基地局からパイロットを受信し、各基地局のチャネルゲインを推定して、すべての基地局の推定チャネルゲインをユニット484に供給する。ユニット484は、近隣基地局のチャネルゲイン比を決定し、前述のように、検出したOSI値、チャネルゲイン比、最大および最小伝送PSDデルタに基づいて伝送PSDデルタをさらに調整する。
【0107】
計算ユニット486は、以下のように、CQIチャネルの伝送電力に基づいて基準PSDレベルを決定することができる。
【数18】
【0108】
ここで、NCQIは、CQIチャネルが送信されるCDMA制御セグメントに使用される副搬送波の数である。次いで、ユニット486は、たとえば式(12)に示されるように、基準PSDレベルおよび伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを計算する。ユニット486は、以下のように、伝送PSDに基づいてデータチャネルの伝送電力を計算することができる。
【数19】
【0109】
ここで、NDCHは、データチャネルに使用される副搬送波の数であり、PDCH(n)は、更新間隔nにおけるデータチャネルの伝送電力である。
TXデータプロセッサ/変調器464は、サービス提供基地局110xへのデータ伝送に伝送電力PDCH(n)を使用する。
【0110】
端末120xは、さまざまなタイプのフィードバック情報をサービス提供基地局110xに送信することができる。たとえば、端末120xは、伝送PSDデルタ、端末が現在の伝送PSDデルタでサポートできる最大副搬送波数、望ましいサービス品質(QoS)、バッファサイズなどを送信してもよい。端末120xは、わずかな更新間隔ごとにフィードバック情報(たとえば、伝送PSDデルタおよび/またはサポートされる最大副搬送波数)を送信してシグナリングの量を軽減することができ、さらにデータチャネルで帯域内シグナリングを介して情報を送信することもできる。端末120xが低伝送PSDデルタを有する場合、端末は、さらに多くまたはすべての使用可能な伝送電力を使用するために、さらに多くの副搬送波を割り当てられてもよい。
【0111】
4.システム安定性
逆方向リンク上のDCMA制御チャネルの場合、各端末からのCDMA伝送は、基地局において他の端末からのCDMA伝送への干渉として動作する。本明細書において説明される電力制御技法は、各端末の伝送電力を調整して、他の端末への干渉を最小化しながら、望ましいレベルのパフォーマンスを達成する。CDMA制御チャネルの容量および安定性は、rise−over−thermal ratio(RoT)によって定量化されうるが、これは熱雑音電力を介して基地局において受信される合計電力の割合である。一般に、容量は、より高いRoTに対して増大する。しかし、容量ゲインは、RoTの特定の値を超えると最小になる。
【0112】
端末は通常、所定の最大伝送電力Pmaxを有するが、これは規制要件によって指定されうる。端末は通常、目標SNRを達成するために、より大きいパス損失およびより高いRoTのより高い電力レベルで送信する。パス損失が大きすぎるおよび/またはRoTが高すぎる場合、端末は、最大伝送電力で目標SNRを達成することができなくなる。
【0113】
基地局は、高いパス損失を備える端末が停止しないようにするため、またシステム安定性を保証するために、RoTを制限することができる。基地局はそのRoTを推定して、推定RoTをしきい値と比較することができる。推定RoTがしきい値を超える場合、基地局はRoTを減少させる修正処置をとることができる。修正処置は、以下の事項を含むことができる。
・ 新しいユーザがシステムにアクセスしないよう拒否する。
・ システムへのアクセスをすでに許可されている一部のユーザを割り当て解除する。
・ 目標消失/エラー率を増加させる。
・ 制御チャネルに追加のリソースを割り当てる。
基地局はさらに、上記の処置に加えて他の修正処置をとることもできる。
逆方向リンク上のOFDMAデータチャネルの場合、セクタ内干渉は最小であり、基地局の容量および安定性はIOTによって決定される。したがって、OFDMAデータチャネルの場合、RoTではなくIOTが制御されうる。
IOTは、不利な条件のユーザの停止を回避するため、限度を超えた場合に低減されてもよい。過剰なIOTが生じた基地局は、無線で「2」のOSI値をブロードキャストすることができる。このOSI値を受信できるユーザは、その伝送PSDデルタをより迅速および/またはより大きいステップで軽減することができる。ネットワークベースの干渉制御の場合、過剰なIOTを生じている基地局はそのIOTを近隣基地局にレポートすることができる。セクタ間OSIレポートは、無線のOSIレポートと同様であるか、またはさらに広範囲のものであってもよい。基地局はまた、そのRoTおよび/または他の情報を近隣基地局にレポートすることもできる。近隣基地局は、そのセクタへの新しいユーザの許可を制御し、すでに許可されているユーザを割り当て解除し、近隣基地局への干渉を軽減するような方法でそのセクタのユーザをスケジューリングし、近隣基地局に生じる干渉がより少ないデータチャネルをそのセクタのユーザに割り当て、ユーザの伝送電力を調整することによりデータ伝送を規制し、および/または過剰なIOTまたはRoTを生じている基地局の劣化を軽減するためにその他の処置を行うことができる。たとえば、その他の基地局は、過剰なIOTまたはRoTが別の基地局によってレポートされると必ずそのセクタ内のユーザの伝送電力を低減することができる。
【0114】
電力制御方式はまた、すべての端末を所定のRpoT目標に制御することもできる。しかし、この電力制御方式は、異なる場所にある端末がさまざまな量のセクタ間干渉を生じることを無視し、このことを無視することでシステム容量を減少させることになる。さらに、同等のRpoT電力制御方式によって同等グレードのサービススループットがシステムで達成されうるが、図7に示されるデルタベースの電力制御方式によって、比例的に適正なスループットも達成されうる。
【0115】
基地局は同期化され、そのCDMA制御セグメントを同じ時間−周波数領域で送信することができる。この場合、各セクタのCDMA制御チャネルは、近隣セクタのOFDMAデータチャネルと直交にすることもできる。したがって、CDMA制御チャネルのRoTベースの制御は、OFDMAデータチャネルのIOTベースの制御に影響を及ぼすことはなく、またその逆の場合も影響は及ぼさない。
【0116】
基地局は同期化されず、そのCDMA制御セグメントを異なる時間−周波数領域で送信することができる。この場合、各セクタのCDMA制御チャネルは、近隣セクタのOFDMAデータチャネルからのより高い干渉を受け、制御チャネルのパフォーマンスが低下することがある。この低下は、データチャネルの目標干渉レベルが、制御チャネルの目標干渉レベルに接近して設定される場合に軽減されうる。しかし、この制約は、データチャネルの容量を減少させる場合もある。データ容量は、データチャネルからのセクタ間干渉による制御チャネルの低下が、たとえばCDMA制御セグメントの寸法を増加することにより、許容されるかまたは軽減されうる場合に、改善することができる。
【0117】
5.システム
図8は、複数の無線技術を使用してシステムの電力制御を行うためのプロセス800の実施形態を示す。プロセス800は、端末によって実行されうる。基準チャネルは、たとえばCDMAなど、第1の無線技術を使用して送信される(ブロック812)。第2のチャネルは、たとえばOFDMAなど、第2の無線技術を使用して送信される(ブロック814)。基準チャネルは、たとえばCQI情報など、制御チャネル搬送シグナリングであってもよい。第2のチャネルは、トラヒックデータを搬送するデータチャネルであってもよい。基準チャネルの伝送電力は、基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように調整される(ブロック816)。第2のチャネルの伝送電力は、基準チャネルの伝送電力に基づいて調整される(ブロック818)。
【0118】
基準チャネルの伝送電力は、受信基地局において基準チャネルの目標受信信号品質を達成するように生成されうるPCコマンドに基づいて調整することができる。基準チャネルの伝送電力はまた、基準チャネルで送信されるコードワードの消失指標に基づいて調整されてもよい。基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルは、目標消失率および/またはその他の測定によって定量化することができる。目標受信信号品質は、目標消失率を達成するように調整されうる。基準チャネルの伝送電力のアップおよびダウンのステップサイズもまた、目標消失率を達成するように設定することができる。
【0119】
第2のチャネルの伝送電力デルタまたは伝送PSDデルタは、たとえば干渉推定に基づいて調整することができる。次いで、第2のチャネルの伝送電力は、基準チャネルの伝送電力および伝送電力デルタまたは伝送PSDデルタに基づいて決定することができる。
【0120】
図9は、複数の無線技術を使用してシステムの電力制御を行うための装置900の実施形態を示す。装置900は、たとえばCDMAなど第1の無線技術を使用して基準チャネルを送信するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック912)と、たとえばOFDMAなど第2の無線技術を使用して第2のチャネルを送信するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック914)と、基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように基準チャネルの伝送電力を調整するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック916)と、基準チャネルの伝送電力に基づいて第2のチャネルの伝送電力を調整するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック918)とを含む。
【0121】
図10は、たとえばACKチャネルなどの制御チャネルの電力制御を行うためのプロセス1000の実施形態を示す。基準伝送電力レベルが決定される(ブロック1012)。基準伝送電力レベルは、基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように電力制御されうる基準チャネルの伝送電力であってもよい。制御チャネル上で送信されたシグナリングのエラーは、たとえばエラーを示すフィードバックを受信することなく黙示的に検出される(ブロック1014)。シグナリングはACKであってもよく、制御チャネルで送信されたACKのエラーは、データチャネルで受信されたデータパケットに基づいて検出されてもよい。制御チャネルの伝送電力は、基準伝送電力レベルおよび制御チャネルで検出されたエラーに基づいて調整される(ブロック1016)。
【0122】
図11は、たとえばACKチャネルなどの制御チャネルの電力制御を行うための装置1100の実施形態を示す。装置1100は、基準伝送電力レベルを決定するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1112)と、たとえばエラーを示すフィードバックを受信することなく黙示的に、制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1114)と、基準伝送電力レベルおよび制御チャネルで検出されたエラーに基づいて制御チャネルの伝送電力を調整するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1116)とを含む。
【0123】
図12は、データチャネルの電力制御を行うためのプロセス1200の実施形態を示す。基準PSDレベルは、たとえば基準チャネルのパフォーマンスの望ましいレベルを達成するように電力制御されうる基準チャネルの伝送電力に基づいて決定される(ブロック1212)。伝送PSDデルタは、たとえば干渉推定に基づいて調整される(ブロック1214)。データチャネルの伝送PSDは、基準PSDレベルおよび伝送PSDデルタに基づいて決定される(ブロック1216)。次いで、データチャネルの伝送電力は、伝送PSDおよびデータチャネルに使用される副搬送波の数に基づいて決定されうる(ブロック1218)。基準チャネルはCDMAを使用して送信され、データチャネルはOFDMAを使用して送信されうる。基準およびデータチャネルはまた、他の無線技術を使用して送信することもできる。
【0124】
ブロック1214の場合、干渉レポートは、基地局から受信されうる。基地局のチャネルゲインは、たとえば基地局から受信されたパイロットに基づいて推定することができる。次いで、伝送PSDデルタは、基地局で推定されたチャネルゲインおよび基地局から受信された干渉レポートに基づいて調整することができる。たとえば、伝送PSDデルタは、少なくとも1つの(たとえば、最も強い)近隣基地局が高い干渉を示す場合に減少され、少なくとも1つの近隣基地局が高い干渉を示さない場合に増加されうる。伝送PSDデルタは、データチャネルに許容される最大および最小のPSDデルタによって決まる値の範囲内になるように制限することができる。
【0125】
図13は、データチャネルの電力制御を行うための装置1300の実施形態を示す。装置1300は、たとえば基準チャネルの伝送電力に基づいて基準PSDレベルを決定するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1312)と、たとえば干渉推定に基づいて伝送PSDデルタを調整するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1314)と、基準PSDレベルおよび伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを決定するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1316)と、伝送PSDおよびデータチャネルに使用される副搬送波の数に基づいてデータチャネルの伝送電力を決定するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1318)とを含む。
【0126】
図14は、システム100における端末120x、サービス提供基地局110x、および近隣基地局110mの実施形態のブロック図を示す。明確にするため、以下の説明では、それぞれ図4、図6、および図7における電力制御機構400、600、および700の使用を仮定する。
【0127】
サービス提供基地局110xにおいて、TXデータプロセッサ1414xは、データソース1412xからトラヒックデータを受信し、コントローラ/プロセッサ1430xおよびスケジューラ1434xからシグナリングを受信する。たとえば、コントローラ/プロセッサ1430xは、基地局120xと通信する端末の伝送電力を調整するためのPCコマンドを供給することができ、スケジューラ1434xは、端末のデータチャネルおよび/または副搬送波の割り当てを行うことができる。TXデータプロセッサ1414xは、トラヒックデータおよびシグナリングを処理して(たとえば、符号化、インターリーブ、およびシンボルマップ)、シンボルを供給する。変調器(Mod)1416xは、OFDMAを使用して送信されたデータチャネルのOFDM変調を実行し、CDMAを使用して送信された制御チャネルのCDMA変調を実行して、複合値チップのシーケンスを供給する。送信機(TMTR)1418xは、チップシーケンスを調整(たとえば、アナログ変換、増幅、フィルタ、および周波数アップコンバート)し、アンテナ1420xを介して送信される順方向リンク信号を生成する。
【0128】
近隣基地局110mは、その基地局のサービスを受ける端末のトラヒックデータおよびシグナリングを同様に処理する。基地局110mはまた、基地局によって観察される干渉の量を示すOSIレポートを送信する。トラヒックデータおよびシグナリングは、TXデータプロセッサ1414mによって処理され、変調器1416mによって変調され、送信機1418mによって調整され、アンテナ1420mを介して送信される。
【0129】
端末120xにおいて、アンテナ1452は、基地局110xと110m、およびおそらくは他の基地局からの順方向リンク信号を受信する。受信機(RCVR)1454は、アンテナ1452からの受信信号を調整(たとえば、フィルタ、増幅、周波数ダウンコンバート、およびデジタル化)し、サンプルを供給する。復調器(Demod)1456は、データチャネルのOFDM復調を実行し、制御チャネルのCDMA復調を実行して、シンボル推定を供給する。RXデータプロセッサ1458は、シンボル推定を処理し(たとえば、シンボルマップ解除、デインターリーブ、および復号化)、復号データをデータシンク1460に供給して、検出したシグナリング(たとえば、PCコマンド、OSIレポートなど)をコントローラ/プロセッサ1470に供給する。
【0130】
逆方向リンク上で、TXデータプロセッサ1482は、データソース1480からトラヒックデータを受信して処理し、コントローラ/プロセッサ1470からシグナリング(たとえば、ACK、CQIコードワード)を受信して処理する。変調器1484は、OFDMAを使用して送信されたデータチャネルのOFDM変調を実行し、CDMAを使用して送信された制御チャネルのCDMA変調を実行して、チップのシーケンスを供給する。送信機1486は、チップシーケンスを調整し、アンテナ1452から送信される逆方向リンク信号を生成する。
【0131】
サービス提供基地局110xにおいて、端末120xおよびその他の端末からの逆方向リンク信号は、アンテナ1420xによって受信され、受信機1440xによって調整され、復調器1442xによって復調されて、RXデータプロセッサ1444xによって処理される。プロセッサ1444xは、復号データをデータシンク1446xに供給し、検出されたシグナリングをコントローラ/プロセッサ1430xに供給する。受信機1440xは、各端末の基準チャネル(たとえばCQIチャネル)の受信信号品質を推定することができ、この情報をコントローラ/プロセッサ1430xに供給することができる。コントローラ/プロセッサ1430xは、前述のように、PCコマンドおよび/または各端末の消失指標を導き出すことができる。
【0132】
コントローラ/プロセッサ1430x、1430m、および1470はそれぞれ、基地局110xと110m、および端末120xにおいてさまざまな処理装置の動作を指示する。これらのコントローラ/プロセッサはまた、電力制御のさまざまな機能を実行することができる。たとえば、コントローラ/プロセッサ1430xは、基地局110xについて図4から図7に示されるユニット420から442の一部またはすべてを実施することができる。コントローラ1470は、端末120xについて図4から図7に示されるユニット460から486の一部またはすべてを実施することができる。コントローラ1470はまた、それぞれ図8、図10、および図12に示されるプロセス800、1000および/または1200を実施することができる。メモリ1432x、1432m、および1472はそれぞれ、基地局110xと110m、および端末120xのデータおよびプログラムコードを格納する。スケジューラ1434xは、基地局110xと通信する端末をスケジュールし、データチャネルおよび/または副搬送波をスケジュール済みの端末に割り当てる。
【0133】
本明細書に説明される電力制御技法は、さまざまな手段によって実施されうる。たとえば、これらの技法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせで実施されうる。ハードウェア実施については、電力制御を行うために使用される処理装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書に説明される機能を実行するように設計されたその他の電子装置、またはその組み合わせの中で実施されうる。
【0134】
ファームウェアおよび/またはソフトウェア実施については、電力制御技法は、本明細書に説明される機能を実行するために1つまたは複数のプロセッサによって使用されうる命令(たとえば、手順、関数など)により実施することができる。ファームウェアおよび/またはソフトウェアコードは、メモリ(たとえば、図14のメモリ1432xまたは1472)に格納され、プロセッサ(たとえば、プロセッサ1430xまたは1470)によって実行されてもよい。メモリは、プロセッサ内で実施されても、またはプロセッサの外部で実施されてもよい。
【0135】
本明細書において、見出しは参照のために含まれ、特定のセクションを見つけ出す際に役立つように含まれている。これらの見出しは、その下に説明される概念の範囲を限定することを意図しておらず、それらの概念は本明細書全体を通じて他のセクションにも適用範囲である。
【0136】
開示される実施形態についての前述の説明は、当業者が本開示を実施または使用することができるようにするために提供される。これらの実施形態に対するさまざまな変更は、当業者には容易に明らかとなろう。また、本明細書に定義される一般的な原理は、本開示の精神または範囲を逸脱することなくその他の実施形態に適用されうる。したがって、本開示は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されていないが、本明細書に開示される原理および新規な特徴に合致する最も広い範囲が許容されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に通信に関し、詳細には無線通信システムにおける電力制御に関する。
【0002】
本特許出願は、いずれもその内容を参照によって本明細書に援用する、譲受人に譲渡された、「Up Link Power Control For OFDMA Systems」と題する2005年8月22日に出願した米国特許仮出願第60/710,404号明細書、および「Up Link Power Control For OFDMA Systems」と題する2006年1月5日に出願した米国特許仮出願第60/756,816号明細書の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
無線多重アクセス通信システムは、順方向リンクおよび逆方向リンク上で複数の端末と通信することができる。順方向リンク(またはダウンリンク)とは、基地局から端末への通信リンクを示し、逆方向リンク(またはアップリンク)とは、端末から基地局への通信リンクを示す。
【0004】
複数の端末は、順方向リンク上でデータの受信および/または逆方向リンク上でデータの送信を同時に行うことができる。これは、各リンク上の伝送を、時間、周波数、および/または符号の領域で相互に直交するよう多重化することにより達成されうる。逆方向リンク上で、完全な直交性が達成された場合、各端末からの伝送は受信側基地局において他の端末からの伝送を干渉することはなくなる。しかし、さまざまな端末からの伝送間の完全な直交性は、チャネル状態、受信機の欠陥などのために実現されないことが多い。直交性の損失により、各端末は、同じ基地局と通信している他の端末に若干の干渉をもたらすことになる。さらに、さまざまな基地局と通信している端末からの伝送は通常、相互に直交ではない。そのため、各端末はまた、近隣の基地局と通信している他の端末にも干渉をもたらしうる。各端末のパフォーマンスは、システム内の他のすべての端末からの干渉によって低下する。
【0005】
したがって、干渉を軽減してすべての端末の良好なパフォーマンスを達成するために、端末の伝送電力を制御する技法が当技術分野において必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
無線通信システムにおいて制御チャネルおよびデータチャネルの伝送電力を制御するための技法が、本明細書において説明される。1つの態様において、電力制御(PC)は、第1の無線技術を使用して送信される基準チャネルおよび第2の無線技術を使用して送信される第2のチャネルに対して実行される。基準チャネルは、シグナリングを搬送する制御チャネルであってもよく、符号分割多重アクセス(CDMA)を使用して送信されてもよい。第2のチャネルは、トラヒックデータを搬送するデータチャネルであってもよく、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して送信されてもよい。基準チャネルの伝送電力は、基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように調整されるが、これは目標消失率によって定量化されうる。第2のチャネルの伝送電力は、基準チャネルの伝送電力に基づいて調整される。
【0007】
もう1つの態様において、電力制御は、制御チャネルの明示的なフィードバックを使用することなく、たとえば肯定確認(ACK)チャネルなどの制御チャネルに対して実行される。基準チャネルの伝送電力でありうる基準伝送電力レベルが決定される。制御チャネル上で送信されたシグナリングのエラーは、たとえばエラーを示すフィードバックを受信することなく黙示的に検出される。シグナリングはACKであってもよく、制御チャネルで送信されたACKのエラーは、データチャネルで受信されたデータパケットに基づいて検出されてもよい。制御チャネルの伝送電力は、基準伝送電力レベルおよび制御チャネルで検出されたエラーに基づいて調整される。
【0008】
さらにもう1つの態様において、電力制御は、データチャネルに対して実行される。基準電力スペクトル密度(PSD)レベルは、たとえば基準チャネルの伝送電力に基づいて決定される。データチャネルの伝送PSDデルタは、たとえば干渉推定に基づいて調整される。データチャネルの伝送PSDは、基準PSDレベルおよび伝送PSDデルタに基づいて決定される。次いで、データチャネルの伝送電力は、伝送PSDおよびデータチャネルに使用される副搬送波の数に基づいて決定されうる。
【0009】
本開示のさまざまな態様および実施形態が、以下でさらに詳細に説明される。
【0010】
本開示の特徴および特性は、同様の参照符号が全体を通じて対応して識別される図面を参照し、以下に示される詳細な説明を読めばさらに明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】無線通信システムを示す図である。
【図2】例示的なスーパーフレーム構造を示す図である。
【図3】順方向リンクのH−ARQ伝送方式を示す図である。
【図4】アップ−ダウンPC方式の電力制御機構を示す図である。
【図5】消失ベースのPC方式の電力制御機構を示す図である。
【図6】ACKチャネルの電力制御機構を示す図である。
【図7】データチャネルの電力制御機構を示す図である。
【図8】複数の無線技術を使用するシステムにおいて電力制御を行うためのプロセスを示す図である。
【図9】複数の無線技術を使用するシステムにおいて電力制御を行う装置を示す図である。
【図10】たとえばACKチャネルなどの制御チャネルの電力制御を行うためのプロセスを示す図である。
【図11】たとえばACKチャネルなどの制御チャネルの電力制御を行うための装置を示す図である。
【図12】データチャネルの電力制御を行うためのプロセスを示す図である。
【図13】データチャネルの電力制御を行うための装置を示す図である。
【図14】端末および2つの基地局を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において「exemplary(例示的)」という用語は、「例、事例、または実例としての役割を果たす」ことを意味する。本明細書において「例示的」として説明される実施形態または設計は、必ずしも、他の実施形態または設計よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0013】
図1は、複数の基地局110および複数の端末120を備える無線通信システム100を示す。基地局は、端末と通信する局である。基地局はまた、アクセスポイント、ノードB、および/またはその他のネットワークエンティティと呼ばれることもあり、それらの機能の一部または全部を含むことができる。各基地局110は、特定の地理上の地域102に通信サービス範囲を提供する。「cell(セル)」という用語は、この用語が使用される状況に応じて、基地局および/またはそのサービス対象地域を示すことができる。システム容量を増強するため、基地局サービス対象地域は、たとえば3つのより小さい地域104a、104b、および104cなど、複数のより小さい地域に分割されうる。各々のさらに小さい区域はそれぞれの基地局トランシーバサブシステム(BTS)によるサービスの提供を受ける。「sector(セクタ)」という用語は、この用語が使用される状況に応じて、BTSおよび/またはそのサービス対象地域を示すことができる。セクタ区分化されたセルの場合、そのセルのすべてのセクタのBTSは通常、セルの基地局内に共設される。
【0014】
端末120は通常、システム全体に分散しており、各端末は固定または移動体であってもよい。端末はまた、アクセス端末、移動局、ユーザ装置、および/またはその他のエンティティとも呼ばれることもあり、それらの機能の一部または全部を含むことができる。端末は、無線装置、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、ハンドヘルド装置などであってもよい。端末は、いかなる瞬間においても、順方向および/または逆方向リンク上でゼロ、1つ、または複数の基地局と通信することができる。
【0015】
集中アーキテクチャの場合、システムコントローラ130は、基地局110に結合し、これらの基地局の調整および制御を行う。システムコントローラ130は、単一のネットワークエンティティまたは複数ネットワークエンティティの集合であってもよい。分散アーキテクチャの場合、基地局は必要に応じて相互に通信することができる。
【0016】
本明細書において説明される電力制御技法は、セクタ区分化されたセルを備えるシステムおよびセクタ区分化されないセルを備えるシステムに使用されうる。明確にするため、技法は以下で、セクタ区分化されたセルを備えるシステムについて説明される。以下の説明において、「base station(基地局)」および「sector(セクタ)」という用語は、同義的に使用され、「terminal(端末)」および「user(ユーザ)」という用語もまた同義的に使用される。
【0017】
本明細書において説明される電力制御技法はまた、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC−FDMA)、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、周波数分割多重アクセス(FDMA)など、さまざまな無線通信システムおよびさまざまな無線技術にも使用されうる。OFDMAおよびSC−FDMAは、周波数帯域(たとえば、システム帯域幅)を、複数の直交副搬送波に分割するが、これらはトーン、ビンなどとも呼ばれる。各副搬送波は、データで変調することができる。一般に、変調シンボルは、周波数領域においてOFDMAで送信され、時間領域においてSC−FDMAで送信される。技法はまた、複数の無線技術を使用する無線通信システムにも使用することができる。明確にするため、以下では、データチャネルにOFDMAを使用し、一部の制御チャネルにCDMAを使用するシステムの場合について、技法が説明される。
【0018】
図2は、システム100において逆方向リンクに使用されうる例示的なスーパーフレーム構造200を示す。逆方向リンクの伝送タイムラインは、スーパーフレームの単位に分割される。各スーパーフレームは、固定または構成可能な時刻期間にわたり、M個のフレームを含む(M>1)。各フレームは、トラヒックデータおよび/またはシグナリングを搬送することができる。順方向リンクのスーパーフレーム構造は、逆方向リンクのスーパーフレーム構造と同じであっても、異なっていてもよい。
【0019】
図2はまた、4つのサブバンドに分割される1つの搬送波のCDMA制御セグメントの実施形態を示す。この実施形態において、CDMA制御セグメントは特定のタイプのシグナリングを搬送し、6つ目のフレームごとに1つのサブバンドで送信される。CDMAフレームは、CDMA制御セグメントが送信されるフレームである。CDMA制御セグメントは、Fの副搬送波をカバーしTのシンボル周期にわたる時間−周波数領域にマップされる(FおよびTは各々任意の整数値)。一般に、CDMA制御セグメントは、任意のレートで、任意の大きさの時間−周波数領域において送信されうる。CDMA制御セグメントは、図2に示されるように周波数にわたってホップすることもでき、あるいは周波数が静的であってもよい。
【0020】
図2はまた、データチャネルの例示的な周波数−ホッピング方式を示す。データチャネルは、送信機から受信機へデータを送信するための手段であり、トラヒックチャネル、物理チャネルなどと呼ばれることもある。各データチャネルは、図2に示されるように、周波数ダイバーシティを達成するためにさまざまなフレームの周波数にわたりホップする時間−周波数ブロックの特定のシーケンスにマップすることができる。1つの実施形態において、データチャネルの周波数ホッピングは、CDMA制御セグメントを回避する。副搬送波のセットは、CDMA制御セグメントに割り当てることができる。CDMA制御セグメントと衝突する各々のデータチャネルは、CDMA制御セグメントに割り当てられた副搬送波のセットにマップすることができる。
【0021】
さまざまな制御チャネルが、逆方向リンク上でさまざまなタイプのシグナリングを搬送するために定義され使用されうる。逆方向リンク制御チャネルは、以下のものを含むことができる。
・ ACKチャネル − 順方向リンクで受信されたデータパケットのACKを搬送する。
・ CQIチャネル − 順方向リンク信号品質情報を搬送する。
・ Requestチャネル − 逆方向リンクでリソースへの要求を搬送する。
・ Pilotチャネル − 逆方向リンクのブロードバンドパイロットを搬送する。
・ Accessチャネル − システムにアクセスするためのアクセスプローブを搬送する。
異なるおよび/または追加の制御チャネルもまた、逆方向リンクで送信することができる。
【0022】
一般に、さまざまなチャネル構造が、トラヒックデータおよびシグナリングを送信するために使用されうる。以下で説明される実施形態において、逆方向リンク上では、トラヒックデータを搬送するデータチャネルにOFDMAが使用され、多くの制御チャネルにCDMAが使用される。1つの実施形態において、CDMA制御セグメントはCQI、Request、Pilot、およびAccessチャネルを搬送し、ACKチャネルは逆方向リンクデータチャネルと共に送信される。制御チャネルはまた、その他の方法で送信されてもよい。
【0023】
図3は、システム100の順方向リンクの例示的な複合自動再送要求(H−ARQ;hybrid automatic retransmission request)伝送方式300を示す。端末は、基地局の順方向リンクの受信信号品質を測定し、チャネル品質表示(CQI)レポートを生成し、CQIレポートをコードワードにマップして、CQIチャネルでコードワードを送信する(図3には図示せず)。信号品質は、信号対雑音比(SNR)、信号対雑音干渉比(SINR)、搬送波対干渉比(C/I)、シンボルあたりエネルギー対雑音比(Es/No;energy-per-symbol-to-noise ratio)などにより定量化することができる。明確にするため、SNRは、以下の説明において信号品質を示すために使用される。
【0024】
基地局は、端末からCQIコードワードを受信し、端末へのデータ伝送に使用するパケットフォーマット(たとえば、データ転送速度、パケットサイズなど)を選択する。次いで基地局は、選択されたパケットフォーマットに従ってデータパケット(パケットA)を処理し(たとえば、符号化および変調し)、パケットの複数データブロックを生成する。各データブロックは、望ましいチャネル状態の下に端末がパケットを正しく復号化できるよう十分な情報を含むことができる。複数のデータブロックは通常、パケットのさまざまな冗長情報を含み、パケットが終了するまで一度に1ブロック送信することができる。各ブロック送信はまた、H−AQR試行とも呼ばれる。最初のブロックの後の各ブロック送信は、再送信とも呼ばれる。
【0025】
基地局は、フレームnでパケットAの第1のデータブロック(ブロックA1)を送信する。端末はブロックA1を受信して処理し(たとえば、復調して復号化し)、パケットAが誤って復号化されたと判別し、フレームn+3においてACKチャネルで否定応答(NAK)を送信する。基地局は、NAKを受信し、フレームn+6でパケットAの第2のデータブロック(ブロックA2)を送信する。端末はブロックA2を受信して、ブロックA1およびA2を処理し、パケットAが正しく復号化されたと判別し、フレームn+9においてACKを送信する。基地局は、ACKを受信し、パケットAの送信を終了する。基地局は、次のデータパケット(パケットB)を処理し、同様の方法でパケットBのデータブロックを送信する。
【0026】
図3は、データブロック、CQI、およびACK/NAKを送信する特定の実施形態を示す。この実施形態において、トラヒックデータは6つ目のフレームごとに送信され、CQIレポートもまた6つ目のフレームごとに送信され、パケットが正しく復号化された場合にACKが送信される。データおよびシグナリングはまた、たとえば、さまざまなレート、ブロック伝送間のさまざまな間隔、ACK/NAKのさまざまな遅延など他の方法でも送信することができる。たとえば、CQIレポートはq個のCDMAフレームごとに送信することができる。ここでqは任意の正整数値にすることができる。
【0027】
明確にするため、図3は、ACKチャネルでのNAKおよびACKの送信を示す。ACKベースの方式の場合、ACKは、パケットが正しく復号化された場合に送信され、NAKは送信されず、ACKの不在によって推定される。NAKベースの方式の場合、NAKは、パケットが誤って復号化された場合に送信され、ACKは送信されない。明確にするため、以下の説明では、ACKベースの方式を使用し、正しく復号化されたパケットに対してACKが送信されることのみを仮定する。
【0028】
データチャネルは、OFDMAを使用して送信され、周波数において相互に直交である。一般に、データチャネルは、受信基地局において相互に最小限に干渉し合い、これらのデータチャネルで送信しているユーザ間にはほとんどセクタ内の干渉はない。したがって、基地局により近い位置にあるユーザ(または「内部」ユーザ)は潜在的に、そのデータチャネルが相互に直交して「遠近」効果がないので、同じセクタ内の他のユーザにほとんど影響を与えずにより高い電力スペクトル密度(PSD)で受信されうる。内部ユーザもまた、近隣の基地局へのより高いパス損失のために、他のセクタのユーザにほんのわずかな影響しか及ぼさない。逆方向リンク電力制御の目的は、複雑さ、オーバーヘッド、および安定性の制約の下にデータ容量を最大化することである。
【0029】
1つの態様において、閉ループ電力制御は基準チャネルに対して実行され、他のデータおよび制御チャネルの電力制御は基準チャネルを参照される。基準チャネルは、基準チャネルの伝送電力の信頼できる調整を可能にするように十分なレートで送信される任意のチャネルにすることができる。以下で説明される実施形態において、基準チャネルは、図3に示されるように比較的一定した低データ速度を有するCQIチャネルである。
【0030】
1.CQIチャネルの電力制御
所定のフレームnにおいてCQIチャネルで送信されるCQIレポートまたはシグナリングは、L個のビットを含む小さいワードであってもよい。ここで一般に、L≧1(たとえば、L=10)である。このワードは、コードブックの2Lの可能なコードワードのうちの1つにマップすることができる。次いで、コードワードはフレームnにおいてCQIチャネルで送信される。同じ数のビット(たとえば、L個のビット)が、CQIレポートごとに送信されうる。この場合、同じコードブックが各CQIレポートに使用されうる。代替として、異なる数のビットが異なるCQIレポートに対して送信され、送信されるビット数に応じて異なるコードブックを使用することもできる。所定のコードブックのコードワードは、ブロックコードまたはその他のマッピング方式に基づいて生成することができる。1つの実施形態において、2Lの可能なコードワードは、長さ2Lの2Lのウォルシュコードに対応する。
【0031】
基地局は、CQIチャネルで送信されたコードワードを受信する。基地局は、受信した各コードワードに相補的な復号化を実行して復号ワードを取得するが、この復号ワードは受信したコードワードに対して送信されたものと見なされる可能性が高いワードである。復号化は、さまざまな方法で行うことができる。1つの実施形態において、基地局は、受信したコードワードと、コードブックの2Lの可能な有効コードワードの各々との間のユークリッド距離を計算する。受信したコードワードまで最短のユークリッド距離を持つ有効なコードワードは、送信されたコードワードと見なすことができる。この有効なコードワードに対応するワードは、復号ワードとして供給することができる。
【0032】
エラー検出コードは、たとえばワードサイズが小さいために、CQIチャネルに使用することができない。この場合、所定の受信したコードワードの復号化が正しいかまたは誤りであるかどうか、また復号化されたワードが確かに送信されたワードであることを判別する直接の方法はない。メトリックを定義して、復号結果の信頼性の指標として使用することができる。1つの実施形態において、メトリックは、以下のように定義される。
【数1】
【0033】
ここで、d1(n)は、フレームnで受信したコードワードとその最近の有効コードワードとの間のユークリッド距離である。
d2(n)は、フレームnで受信したコードワードと2番目に最近の有効コードワードとの間のユークリッド距離である。
M(n)は、フレームnで受信したコードワードのメトリックである。
【0034】
受信したコードワードが、2番目に最近の有効コードワードよりも最近の有効コードワードにはるかに接近している場合、メトリックM(n)は小さい値であり、復号ワードが正しいという信頼度は高い。逆に、受信したコードワードが、最近の有効コードワードおよび2番目に最近の有効コードワードとほぼ等しい距離を有する場合、メトリックM(n)は1に近づき、復号ワードが正しいという信頼度は低い。
【0035】
式(1)におけるメトリックは、所定の受信したコードワードの復号化が正しいかまたは誤りであるかどうかを判別する消失検出に使用することができる。その他のメトリックもまた、消失検出に使用することができる。一般に、メトリックは任意の信頼性関数f(r,C)に基づいて定義されうる。ここでrは受信コードワードであり、Cはすべての可能なコードワードのコードブックである。関数f(r,C)は、受信コードワードの品質/信頼性を指示するべきであり、たとえば、検出信頼性との単調など、適切な特徴を備える必要がある。
【0036】
基地局は、消失検出を実行して、受信したコードワードの復号結果が望ましい信頼性レベルを満たすかどうかを判別することができる。基地局は、受信したコードワードのメトリックを計算し、メトリックを消失しきい値と比較して、以下のように、受信したコードワードが「消失済み」または「未消失」であるかを宣言することができる。
【数2】
【0037】
ここで、THerasureは、消失検出に使用されるしきい値である。一般に、消失検出はメトリックが定義される方法に依存し、その他のメトリックの式(2)とは異なることもある。
【0038】
受信したコードワードを消失済みコードワードとして宣言する確率は、消失率と呼ばれる。消失率は、消失検出に使用されるしきい値、および受信コードワードの受信SNRなど、さまざまな要因によって異なる。所定の受信SNRについて、より低い消失しきい値は、受信コードワードが消失済みコードワードとして宣言される尤度を高め、その逆もありうる。所定の消失しきい値について、より低い受信SNRは、受信コードワードが消失済みコードワードとして宣言される尤度を高め、その逆もありうる。
【0039】
CQIチャネルの伝送電力は、さまざまな方法で調整することができる。「アップ−ダウン」PC方式と呼ばれる1つの実施形態において、基地局は、CQIチャネルの受信SNRを測定し、CQIチャネルの伝送電力を調整するよう端末に指示するためにPCビットまたはPCコマンドを送信する。「消失ベースの」PC方式と呼ばれるもう1つの実施形態において、基地局は、CQI消失指標(CEI)ビットを送信するか、または基地局における消失検出の結果を示す消失指標を送信する。端末は、CEIビットに基づいてCQIチャネルの伝送電力を調整する。いずれのPC方式の場合も、CQIチャネルの伝送電力は、CQIチャネルが望ましいパフォーマンスのレベルを達成できるように調整されうるが、これは目標消失率および/または他の何らかの測定によって定量化することができる。
【0040】
図4は、CQIチャネルのアップ−ダウンPC方式を実施する電力制御機構400の実施形態を示す。電力制御機構400は、内部ループ410、外部ループ412、および第3のループ414を含む。内部ループ410は、基地局110xと端末120xとの間で動作する。外部ループ412および第3のループ414は、基地局110xによって保持される。基地局110xは、図1の基地局110のうちのいずれか1つであってもよく、端末120xは、図1の端末120のうちのいずれか1つであってもよい。
【0041】
内部ループ410は、CQIチャネルの受信SNRを目標SNRに、またはその付近に保持するよう、CQIチャネルの伝送電力を調整する。内部ループ410の場合、基地局110xのSNR推定器420は、CQIチャネルの受信SNRを推定して、受信SNRをPCビット発生器422に供給する。PCビット発生器422はまた、CQIチャネルの目標SNRを受信し、受信SNRと目標SNRを比較して、比較結果に基づいてPCビットを生成する。各PCビットは、(1)CQIチャネルの伝送電力の増加を指示するUPコマンド、または(2)伝送電力の減少を指示するDOWNコマンドのいずれかにすることができる。基地局110xは、順方向リンク上(雲印452)でPCビットを端末120xに送信する。
【0042】
端末120xにおいて、PCビットプロセッサ460は、基地局110xによって送信されたPCビットを受信し、受信PCビットごとに決定を行う。PC決定は、受信PCビットがUPコマンドであると見なされる場合はUP決定、または受信PCビットがDOWNコマンドであると見なされる場合はDOWN決定のいずれかにすることができる。ユニット462は、以下のように、プロセッサ460からのPC決定に基づいてCQIチャネルの伝送電力を調整することができる。
【数3】
【0043】
ここでPCQI(n)は、更新間隔nにおけるCQIチャネルの伝送電力であり、ΔPCQIは、CQIチャネルの伝送電力のステップサイズである。
【0044】
伝送電力PCQI(n)およびステップサイズΔPCQIは、デシベル(dB)の単位で与えられる。式(3)に示される実施形態において、伝送電力は、たとえば0.5dB、1.0dBずつ、または他の値ずつなど、CQIチャネルの良好なパフォーマンスをもたらすように選択することができる同一のステップサイズによって増加または減少される。もう1つの実施形態において、伝送電力は、さまざまなアップおよびダウンのステップサイズによって調整される。伝送電力PCQI(n)はまた、受信PCビットの信頼度が低すぎると見なされる場合、同じレベルに保持されてもよい。送信(TX)データプロセッサ/変調器464はCQIコードワードを生成し、それらのコードワードを、逆方向リンク(雲印450)を介してCQIチャネルでPCQI(n)の伝送電力で基地局110xに送信する。
【0045】
外部ループ412は、目標消失率がCQIチャネルで達成されるように、受信コードワードに基づいて目標SNRを調整する。基地局110xにおいて、メトリック計算ユニット424は、たとえば式(1)に示されるように、CQIチャネルで受信した各コードワードに対してメトリックM(n)を計算する。消失検出器426は、たとえば式(2)に示されるように、メトリックM(n)および消失しきい値に基づいて受信コードワードごとに消失検出を実行する。目標SNR調整ユニット428は、各受信コードワードの状態(消失または未消失)を取得し、以下のようにCQIチャネルの目標SNRを調整することができる。
【数4】
【0046】
ここで、ΔSNRtarget(k)は、更新間隔kにおけるCQIチャネルの目標SNRであり、ΔSNRupは、目標SNRのアップステップサイズであり、ΔSNRdnは、目標SNRのダウンステップサイズである。目標SNRと、アップおよびダウンのステップサイズは、dBの単位で与えられる。
【0047】
ΔSNRupおよびΔSNRdnのステップサイズは、以下のように設定されうる。
【数5】
【0048】
ここで、Prerasureは、目標消失率である。たとえば、CQIチャネルの目標消失率が10%である場合、アップステップサイズはダウンステップサイズの9倍である。アップステップサイズが0.5dBである場合、ダウンステップサイズは約0.056dBである。
【0049】
1つの実施形態において、消失しきい値は、CQIチャネルの目標条件付きエラー率Prerrorを達成するように調整される。条件付きエラー率は、未消失コードワードを必要条件とするエラーの確率であり、受信コードワードが未消失コードワードであると宣言されるならば、誤って復号化される受信コードワードの確率はPrerrorであるということを意味する。低いPrerror(たとえば、1%または0.1%)は、未消失コードワードが宣言される場合、復号結果における高い信頼度に対応する。
【0050】
第3のループ414は、目標条件付きエラー率がCQIチャネルで達成されるように、受信した既知のコードワードに基づいて消失しきい値を調整する。端末120xは、定期的に、または指示されるごとに、CQIチャネルで既知のコードワードを送信することができる。基地局110xにおいて、メトリック計算ユニット424および消失検出器426は、他の受信コードワードの場合と同様の方法で、各受信既知コードワードに対して消失検出を実行する。消失検出器426は、各受信既知コードワードの状態を供給する。復号器430は、未消失であると見なされる各受信既知コードワードを復号化して、コードワード状態を供給するが、それは(1)消失済み、(2)受信既知コードワードが未消失であり正しく復号化された場合に「good(良好)」、(3)受信既知コードワードが未消失であるが、誤って復号化された場合に「bad(不良)」であってもよい。消失しきい値調整ユニット432は、以下のように、受信既知コードワードの状態に基づいて消失しきい値を調整することができる。
【数6】
【0051】
ここで、ΔTHerasure(l)は、更新間隔lにおけるCQIチャネルの消失しきい値であり、ΔTHupは、消失しきい値アップステップサイズであり、ΔTHdnは、消失しきい値のダウンステップサイズである。
【0052】
式(6)に示される実施形態において、消失しきい値は、「不良」である受信既知コードワードごとに、ΔTHdnずつ減少される。より低い消失しきい値は、より厳密な消失検出基準に対応するので、受信したコードワードが消失済みと見なされる可能性がより高くなるが、言い換えれば、受信したコードワードが未消失と見なされる場合には正しく復号化される可能性が高くなるという結果をもたらす。消失しきい値は、「良好」である受信既知コードワードごとにΔTHupずつ増加され、消失される受信既知コードワードに対して保持される。
【0053】
ΔTHupおよびΔTHdnのステップサイズは、以下のように設定されうる。
【数7】
【0054】
たとえば、制御チャネルの目標条件付きエラー率が1%である場合、ダウンステップサイズはアップステップサイズの99倍である。ΔTHupおよびΔTHdnの大きさは、第3のループおよび/またはその他の要因の望ましい収束率に基づいて選択することができる。
【0055】
消失率、条件付きエラー率、消失しきい値、および受信SNRは通常、関連している。所定の消失しきい値および所定の受信SNRの場合、特定の消失率および特定の条件付きエラー率が存在する。第3のループ414を介して消失しきい値を変更することにより、消失率と条件付きエラー率との間にトレードオフが行われうる。
【0056】
一般に、消失しきい値の調整は、消失検出に使用されるメトリックに依存する。式(6)および式(7)は、式(2)に示されるメトリックに基づく。その他のメトリックもまた消失検出に使用することができ、消失しきい値の調整は、それに応じて変更することができる。
【0057】
消失しきい値は、さまざまな方法で調整することができる。1つの実施形態において、基地局110xは、各端末の別個の第3のループを保持し、その端末の望ましいパフォーマンスを達成するように消失しきい値を調整する。もう1つの実施形態において、基地局110xは、すべての端末の単一の第3のループを保持し、すべての端末の良好なパフォーマンスを達成するように、これらの端末から受信された既知コードワードに基づいて消失しきい値を調整する。さらにもう1つの実施形態において、基地局110xは、類似するパフォーマンスを有する端末のグループごとに単一の第3のループを保持し、グループ内のすべての端末から受信した既知のコードワードに基づいて消失しきい値を調整する。
【0058】
内部ループ410、外部ループ412、および第3のループ414は、異なるレートで動作することができる。内部ループ410は通常最速のループであり、CQIチャネルの伝送電力は、CQIチャネルの受信SNRが使用可能なときはいつでも更新されうる。外部ループ412は2番目に速いループであり、目標SNRは、コードワードがCQIチャネルで受信されるときはいつでも更新されうる。第3のループ414は最も遅いループであり、消失しきい値は、既知のコードワードがCQIチャネルで受信されるときはいつでも更新されうる。3つのループの更新レートは、CQIチャネルの望ましいパフォーマンスを達成するように選択することができる。
【0059】
図5は、CQIチャネルの消失ベースのPC方式を実施する電力制御機構500の実施形態を示す。電力制御機構500は、第1のループ510および第2のループ512を含む。
【0060】
第1のループ510は、CQIチャネルの目標消失率を達成するようにCQIチャネルの伝送電力を調整する。第1のループ510の場合、メトリック計算ユニット424は、CQIチャネルで受信した各コードワードに対してメトリックM(n)を計算する。消失検出器426は、メトリックM(n)および消失しきい値に基づいて受信コードワードごとに消失検出を実行し、消失検出の結果に基づいてCEIビットを生成する。CEIビットは、受信したコードワードが消失済みであるか、または未消失であるかどうかを指示する。基地局110xは、順方向リンク上でCEIビットを端末120xに送信する。
【0061】
端末120xにおいて、CEIビットプロセッサ466は、基地局110xによって送信されたCEIビットを受信し、受信CEIビットごとに消失済みまたは未消失の決定を行う。ユニット468は、以下のように、プロセッサ466からのCEI決定に基づいてCQIチャネルの伝送電力を調整することができる。
【数8】
【0062】
ここで、ΔPCQI,upは、消失済み決定のアップステップサイズであり、ΔPCQI,dnは、未消失の決定のダウンステップサイズである。
【0063】
アップおよびダウンのステップサイズは、以下のように、目標消失率に基づいて設定されうる。
【数9】
【0064】
基地局110xは、アップおよび/またはダウンステップサイズをそのサービス対象地域内の端末にブロードキャストすることができる。所定の配置において、目標消失率は非常に遅く変化してもよい。したがって、アップおよび/またはダウンステップサイズをブロードキャストするオーバーヘッドは、オーバーヘッド全体のうちのわずかな割合となりうる。
【0065】
第2のループ512は、目標条件付きエラー率がCQIチャネルで達成されるように、受信した既知のコードワードに基づいて消失しきい値を調整する。第2のループ512は、図4において第3のループ414について上記で説明したように動作する。
【0066】
第1のループ510および第2のループ512は、異なるレートで動作することができる。第1のループ510は、コードワードがCQIチャネルで受信されるときはいつでも更新されうる。第2のループ512は、既知のコードワードがCQIチャネルで受信されるときはいつでも更新されうる。
【0067】
図4および図5において示される実施形態において、CQIチャネルのパフォーマンスは、目標消失率および目標条件付きエラー率によって定量化される。パフォーマンスはまた、その他の測定によっても定量化することができる。電力制御機構は、パフォーマンスを定量化するために使用される測定に基づいて適宜変更することができる。
【0068】
2.ACKチャネルの電力制御
1つの実施形態において、ACKチャネルは、CQIチャネルの伝送電力と相対的な固定電力オフセットで送信される。固定電力オフセットは、セクタ内のすべての端末およびさまざまな運用のシナリオ(たとえば、車両、歩行者など)に良好なパフォーマンスをもたらすように選択することができる。
【0069】
もう1つの実施形態において、各端末のACKチャネルは、その端末のCQIチャネルの伝送電力と相対的な調整可能電力オフセットで送信される。電力オフセットは、たとえば閉ループなど、さまざまな方法で調整することができる。電力オフセットは、ACKエラーがある場合にはアップステップサイズずつ増加することができ、ACKエラーがない場合にはダウンステップサイズずつ減少することができる。
【0070】
図3に示されるH−ARQ伝送方式の場合、基地局は、NAKを受信する(またはACKを受信しない)と現在のパケットの別のデータブロックを送信し、ACKを受信すると新しいパケットを送信する。端末がACKを送信したが、基地局が誤ってACKを検出した場合、基地局は現在のパケットの別のデータブロックを送信する。したがって、端末がACKを送信したが、現在のパケットの別のデータブロックを受信した場合、端末はACKエラーが発生したことを推定することができる。このようにして、ACKエラーは端末によって黙示的に推定されうるので、ACKエラーを伝達するために順方向リンク上に別個のフィードバックチャネルがある必要はない。
【0071】
図6は、ACKチャネルに使用されうる電力制御機構600の実施形態を示す。電力制御機構600は、基準ループ610および電力オフセットループ612を含む。基準ループ610は、基準伝送電力レベルを供給する。基準ループ610は、図4の内部ループ410、図5の第1のループ510、または指定されたチャネルに基づいて動作するその他のループであってもよい。図6に示される実施形態において、基準ループ610は内部ループ410で実施され、CQIチャネルの伝送電力は基準伝送電力レベルとして使用される。基準ループ610は、図4について上記で説明されるように動作するユニット420、422、460、462、および464を含む。
【0072】
電力オフセットループ612は、ACKチャネルの電力オフセットを調整する。電力オフセットループ612の場合、基地局110xのACK検出器440は、端末120xによって送信されたACKを検出して、検出されたACKを供給する。各潜在ACK伝送の場合、ACK検出器440は、ACKチャネルのエネルギーを判別し、エネルギーをしきい値と比較して、エネルギーがしきい値を上回る場合に検出したACKを宣言することができる。TXデータプロセッサ/変調器442は、端末120xのデータパケットを受信し、各データパケットを処理してデータブロックを生成する。ユニット442はまた、検出器440から検出されたACKを受信し、ACKが検出される場合は新しいパケットのデータブロックを送信し、ACKが検出されない場合は現在のパケットの別のデータブロックを送信する。
【0073】
端末120xにおいて、復調器/受信(Demod/RX)データプロセッサ470は、基地局110xからブロック伝送を受信し、各受信データブロック復調してを復号化することを試みる。プロセッサ470は最初に、端末120xによって送信されたACK(ある場合)が正しく検出されたという仮説に対して復号化を実行することができる。復号化エラーがある場合、プロセッサ470は次に、端末120xによって送信されたACK(ある場合)が検出されなかったという仮説に対して復号化を実行することができる。プロセッサ470は、送信されたACK(ある場合)についての知識および受信データブロックの復号結果に基づいて、ACKエラーが発生したかどうかを判別する。
【0074】
ユニット472は、以下のように、プロセッサ470からの検出ACKエラーに基づいてACKチャネルの電力オフセットを調整することができる。
【数10】
【0075】
ここで、ΔPACK(n)は、更新間隔nにおけるACKチャネルの電力オフセットであり、ΔPACK,upは、電力オフセットのアップステップサイズであり、ΔPACK,dnは、電力オフセットのダウンステップサイズである。
【0076】
電力オフセットΔPACK(n)と、アップステップサイズΔPACK,upおよびダウンステップサイズΔPACK,dnは、dBの単位で与えられる。アップおよびダウンのステップサイズは、たとえば式(9)に示されるように、望ましいACKエラー率を達成するよう設定されうる。1つの実施形態において、アップおよびダウンのステップサイズは、所定のパケットのすべてのデータブロックに対して固定されている。もう1つの実施形態において、アップおよび/またはダウンのステップサイズは、所定のパケットで送信されるデータブロックの数および/またはその他の要因に依存してもよい。
【0077】
計算ユニット474は、以下のように、CQIチャネルの伝送電力および電力オフセットに基づいてACKチャネルの伝送電力を計算する。
【数11】
【0078】
ここで、PACK(n)は、更新間隔nにおけるACKチャネルの伝送電力である。
【0079】
受信データブロックごとに、TXデータプロセッサ/変調器464は、パケットがプロセッサ470によって正しく復号化される場合ACKを生成し、ACKチャネルでPACK(n)の伝送電力でACKを送信する。
【0080】
3.OFDMAデータチャネルの電力制御
データチャネルは、OFDMAを使用して送信され、時間および周波数において相互に直交にすることができる。したがって、理論的には、複数の端末は、相互に干渉することなく、基地局にデータチャネルで同時に送信することができる。しかし、さまざまな端末からのデータ伝送間の完全な直交性は、チャネル状態、受信機の欠陥などのために実現されないことが多い。直交性の損失は結果として、各端末が同一の基地局と通信している他の端末に若干の干渉をもたらすことになる。セクタ内干渉は通常、OFDMAではさほど重大ではない。
【0081】
さまざまな基地局と通信している端末からのデータ伝送は通常、相互に直交ではない。そのため、各端末は、近隣の基地局と通信している他の端末に干渉をもたらすこともある。各端末のパフォーマンスは、システム内の他のすべての端末からの干渉によって低下する。所定の端末によって引き起こされるセクタ間干渉の量は、その端末に使用される伝送電力の量と、近隣の基地局に関連する端末の位置によって決まる。セクタ間干渉は、端末がそのサービス提供基地局の付近に位置する場合小さくなり、端末がサービス範囲の境界に位置する場合大きくなりうる。
【0082】
データチャネルについて、電力制御は、各端末が、セクタ内およびセクタ間の干渉を許容可能なレベル内に維持しながら、可能な限り高い電力レベルで送信できるように実行することができる。サービス提供基地局のより近くに位置する端末は、この端末が近隣の基地局にもたらす干渉がさらに小さくなる可能性が高いので、より高い電力レベルで送信できるようになる。逆に、サービス提供基地局からさらに遠く離れてサービス範囲の境界側に位置する端末は、この端末が近隣の基地局にさらに大きい干渉をもたらす可能性があるので、より低い電力レベルで送信できるようになる。このような方法で伝送電力を制御することで、各基地局に観測される干渉全体を低減し、しかも「適格な」端末がより高いSNRを達成してより高いデータ転送速度を達成することができる。データチャネルの電力制御は、前述の目標を達成するために、さまざまな方法で実行することができる。
【0083】
1つの実施形態において、端末のデータチャネルの伝送電力は、以下のように表される特定の伝送PSDを達成するように設定される。
【数12】
【0084】
ここで、PSDDCH(n)は、更新間隔nにおけるデータチャネルの伝送PSDであり、PSDREF(n)は、更新間隔nにおける基準PSDレベルであり、ΔPSD(n)は、更新間隔nにおけるデータチャネルの伝送PSDデルタである。
PSDレベルPSDDCH(n)およびPSDREF(n)は、デシベル/ヘルツ(dB/HZ)の単位で与えられ、伝送PSDデルタΔPSD(n)はdBの単位で与えられる。
【0085】
基準PSDレベルは、指定された伝送の目標SNRを達成する伝送PSDレベルである。1つの実施形態において、指定された伝送はCQIチャネルである。基準PSDレベルが目標SNRを達成することができる場合、データチャネルの受信SNRは、以下のように表すことができる。
【数13】
【0086】
ここで、SNRDCH(n)は、更新間隔nにおけるデータチャネルの受信SNRである。
【0087】
式(13)は、データチャネルおよびCQIチャネルが類似した干渉統計を有するものと仮定する。これは、たとえば、異なるセクタのCQIおよびデータチャネルが相互に干渉し合うような場合である。それ以外の場合、CQIチャネルとデータチャネル間の干渉オフセットは、(たとえば基地局、および端末へのブロードキャストによって)決まり、式(12)で考慮されうる。
【0088】
データチャネルの伝送PSDは、(1)端末が近隣セクタ内の他の端末に引き起こすセクタ間干渉の量、(2)端末が同じセクタ内の他の端末に引き起こすセクタ内干渉の量、(3)端末に許容される最大電力レベル、および(4)おそらくはその他の要因など、さまざまな要因に基づいて設定されうる。
【0089】
端末が引き起こす可能性のあるセクタ間干渉の量は、さまざまな方法で決めることができる。1つの実施形態において、端末によって引き起こされるセクタ間干渉の量は、各々の基地局によって推定され、適宜その伝送電力を調整することができる端末に送信されうる。この個別化された干渉レポートには、広範囲のオーバーヘッドシグナリングが必要となる。もう1つの実施形態において、端末が引き起こす可能性のあるセクタ間干渉の量は、(1)各々の近隣基地局によって観察される干渉の合計、(2)サービス提供および近隣の基地局のチャネルゲイン、および(3)端末によって使用される伝送電力レベルに基づいて大まかに推定される。この実施形態は、以下で説明される。
【0090】
各基地局は、その基地局によって観察される干渉の合計または平均量を推定することができる。干渉は、熱に対する干渉(interference−over−thermal)(IOT)またはその他の数量によって定量化することができる。IOTは、熱雑音電力に対する基地局によって観察される合計干渉電力の比である。1つの実施形態において、基地局は、以下のように、その他のセクタ干渉(other−sector interference)(OSI)値またはレポートを生成する。
【数14】
【0091】
ここで、IOTmea,m(n)は、更新間隔nにおけるセクタmの測定IOTであり、IOTtargetは、システムの目標動作ポイントであり、IOThighは、セクタ間干渉の上限しきい値であり、OSIm(n)は、更新間隔nにおけるセクタmのOSI値である。
【0092】
式(14)に示される実施形態において、OSI値は、低セクタ間干渉を示すために「0」、高セクタ間干渉を示すために「1」、および過剰なセクタ間干渉を示すために「2」に設定される。OSI値はまた、その他の方法で送信されてもよい。基地局は、OSI値を他のセクタの端末にブロードキャストすることができる。
【0093】
端末は、端末からの逆方向リンク伝送を受信することができる基地局ごとにチャネルゲイン(またはパス損失)を推定することができる。各基地局のチャネルゲインは、基地局から受信されたパイロットに基づいて推定することができる。チャネルゲイン比は、以下のように、各近隣基地局に対して計算されうる。
【数15】
【0094】
ここで、gs(n)は、サービス提供基地局のチャネルゲインであり、gm(n)は、近隣基地局mのチャネルゲインであり、rm(n)は、近隣基地局mのチャネルゲイン比である。
【0095】
各近隣基地局のチャネルゲイン比は、サービス提供基地局までの距離に対する近隣基地局までの距離を示す相対距離と見なすことができる。一般に、近隣基地局のチャネルゲイン比は、端末がサービス提供基地局に接近するにつれて増大し、端末がサービス範囲の境界に近づくにつれて減少する。
【0096】
端末は、近隣基地局によってブロードキャストされたOSI値を監視することができる。1つの実施形態において、端末は、最も強い近隣基地局のOSI値のみを考慮するが、これは最小のチャネルゲイン比を有する。端末は、その伝送PSDデルタを以下のように調整することができる。
【数16】
【0097】
ここで、δupは、伝送PSDデルタのアップステップサイズであり、δdnは、伝送PSDデルタのダウンステップサイズである。
【0098】
式(16)において、最も強い近隣基地局のOSI値が、公称セクタ間干渉よりも高いセクタ間干渉を観察するその基地局のために「1」または「2」に設定される場合、伝送PSDデルタは下方に調整されうる。逆に、OSI値が「0」に設定される場合、伝送PSDデルタは上方に調整されうる。δupおよびδdnは、伝送PSDデルタの調整の量を決定する。1つの実施形態において、δupおよびδdnは固定値である。もう1つの実施形態において、δupおよびδdnは、現在の伝送電力レベルまたは端末の現在の伝送PSDデルタ、最も強い近隣基地局のチャネルゲイン比、および/またはその他の要因に依存することができる変数値である。
【0099】
もう1つの実施形態において、端末は、複数の近隣基地局のOSI値を考慮することができる。いずれの場合も、近隣基地局からのOSI値は、伝送PSDデルタを調整する方向を決定する。
【0100】
以上、セクタ間干渉を許容可能レベルの範囲内に維持するための特定の実施形態について説明してきた。セクタ間干渉はまた、その他のパラメータに基づいておよび/またはその他の方法で、許容可能レベルの範囲内に維持することもできる。
【0101】
各セクタのデータチャネルは相互に直交となるよう設計されているが、直交性の何らかの損失は、インターキャリア干渉(ICI)、シンボル間干渉(ISI)などに起因することもある。この直交性の損失は、セクタ内干渉を引き起こす。セクタ内干渉を軽減するため、各端末の伝送PSDは、端末が同じセクタ内の他の端末に引き起こす可能性のあるセクタ内干渉の量が許容可能レベルの範囲内に維持されるように制御することができる。1つの実施形態において、許容可能セクタ内干渉は、以下のように、伝送PSDデルタをあらかじめ定められた範囲内に制約することにより達成される。
【数17】
【0102】
ここで、ΔPSDmaxは、最大伝送PSDデルタであり、ΔPSDminは、データチャネルに許容可能な最小伝送PSDデルタである。
【0103】
図7は、データチャネルに使用されうる電力制御機構700の実施形態を示す。端末120xは、サービス提供基地局110xと通信し、近隣基地局110aから110mに干渉をもたらすこともある。電力制御機構700は、(1)端末120xとサービス提供基地局110xとの間で動作する基準ループ710、および(2)端末120xと近隣基地局110aから110mとの間で動作するデータ外部ループ712を含む。基準ループ710およびデータ外部ループ712は、並行して動作することができるが、たとえば基準ループ710がデータ外部ループ712よりも頻繁に更新されうるなど、異なるレートで更新されてもよい。簡単にするために、図7は、端末120xに常駐するループ710および712の部分のみを示す。
【0104】
基準ループ710は、式(12)における基準PSDレベルを供給する。基準ループ710は、図4の内部ループ410、図5の第1のループ510、または指定されたチャネルに基づいて動作するその他のループであってもよい。図7に示される実施形態において、基準ループ710は内部ループ410で実施され、CQIチャネルの伝送PSDは基準PSDレベルとして使用される。
【0105】
データ外部ループ712は、セクタ内干渉およびセクタ間干渉を許容可能レベルの範囲内に維持しながら、データチャネルの伝送PSDを可能な限り高くするよう調整する。データ外部ループ712の場合、各近隣基地局110は逆方向リンクで伝送を受信し、他のセクタ内の端末から基地局によって観察されるセクタ間干渉を推定し、たとえば式(14)に示されるように干渉推定に基づいてOSI値を生成して、OSI値を他のセクタ内の端末にブロードキャストする。
【0106】
端末120xにおいて、OSIプロセッサ480は、近隣基地局によってブロードキャストされたOSI値を受信し、検出したOSI値を伝送PSDデルタ計算ユニット484に供給する。チャネル推定器482は、サービス提供および近隣の基地局からパイロットを受信し、各基地局のチャネルゲインを推定して、すべての基地局の推定チャネルゲインをユニット484に供給する。ユニット484は、近隣基地局のチャネルゲイン比を決定し、前述のように、検出したOSI値、チャネルゲイン比、最大および最小伝送PSDデルタに基づいて伝送PSDデルタをさらに調整する。
【0107】
計算ユニット486は、以下のように、CQIチャネルの伝送電力に基づいて基準PSDレベルを決定することができる。
【数18】
【0108】
ここで、NCQIは、CQIチャネルが送信されるCDMA制御セグメントに使用される副搬送波の数である。次いで、ユニット486は、たとえば式(12)に示されるように、基準PSDレベルおよび伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを計算する。ユニット486は、以下のように、伝送PSDに基づいてデータチャネルの伝送電力を計算することができる。
【数19】
【0109】
ここで、NDCHは、データチャネルに使用される副搬送波の数であり、PDCH(n)は、更新間隔nにおけるデータチャネルの伝送電力である。
TXデータプロセッサ/変調器464は、サービス提供基地局110xへのデータ伝送に伝送電力PDCH(n)を使用する。
【0110】
端末120xは、さまざまなタイプのフィードバック情報をサービス提供基地局110xに送信することができる。たとえば、端末120xは、伝送PSDデルタ、端末が現在の伝送PSDデルタでサポートできる最大副搬送波数、望ましいサービス品質(QoS)、バッファサイズなどを送信してもよい。端末120xは、わずかな更新間隔ごとにフィードバック情報(たとえば、伝送PSDデルタおよび/またはサポートされる最大副搬送波数)を送信してシグナリングの量を軽減することができ、さらにデータチャネルで帯域内シグナリングを介して情報を送信することもできる。端末120xが低伝送PSDデルタを有する場合、端末は、さらに多くまたはすべての使用可能な伝送電力を使用するために、さらに多くの副搬送波を割り当てられてもよい。
【0111】
4.システム安定性
逆方向リンク上のDCMA制御チャネルの場合、各端末からのCDMA伝送は、基地局において他の端末からのCDMA伝送への干渉として動作する。本明細書において説明される電力制御技法は、各端末の伝送電力を調整して、他の端末への干渉を最小化しながら、望ましいレベルのパフォーマンスを達成する。CDMA制御チャネルの容量および安定性は、rise−over−thermal ratio(RoT)によって定量化されうるが、これは熱雑音電力を介して基地局において受信される合計電力の割合である。一般に、容量は、より高いRoTに対して増大する。しかし、容量ゲインは、RoTの特定の値を超えると最小になる。
【0112】
端末は通常、所定の最大伝送電力Pmaxを有するが、これは規制要件によって指定されうる。端末は通常、目標SNRを達成するために、より大きいパス損失およびより高いRoTのより高い電力レベルで送信する。パス損失が大きすぎるおよび/またはRoTが高すぎる場合、端末は、最大伝送電力で目標SNRを達成することができなくなる。
【0113】
基地局は、高いパス損失を備える端末が停止しないようにするため、またシステム安定性を保証するために、RoTを制限することができる。基地局はそのRoTを推定して、推定RoTをしきい値と比較することができる。推定RoTがしきい値を超える場合、基地局はRoTを減少させる修正処置をとることができる。修正処置は、以下の事項を含むことができる。
・ 新しいユーザがシステムにアクセスしないよう拒否する。
・ システムへのアクセスをすでに許可されている一部のユーザを割り当て解除する。
・ 目標消失/エラー率を増加させる。
・ 制御チャネルに追加のリソースを割り当てる。
基地局はさらに、上記の処置に加えて他の修正処置をとることもできる。
逆方向リンク上のOFDMAデータチャネルの場合、セクタ内干渉は最小であり、基地局の容量および安定性はIOTによって決定される。したがって、OFDMAデータチャネルの場合、RoTではなくIOTが制御されうる。
IOTは、不利な条件のユーザの停止を回避するため、限度を超えた場合に低減されてもよい。過剰なIOTが生じた基地局は、無線で「2」のOSI値をブロードキャストすることができる。このOSI値を受信できるユーザは、その伝送PSDデルタをより迅速および/またはより大きいステップで軽減することができる。ネットワークベースの干渉制御の場合、過剰なIOTを生じている基地局はそのIOTを近隣基地局にレポートすることができる。セクタ間OSIレポートは、無線のOSIレポートと同様であるか、またはさらに広範囲のものであってもよい。基地局はまた、そのRoTおよび/または他の情報を近隣基地局にレポートすることもできる。近隣基地局は、そのセクタへの新しいユーザの許可を制御し、すでに許可されているユーザを割り当て解除し、近隣基地局への干渉を軽減するような方法でそのセクタのユーザをスケジューリングし、近隣基地局に生じる干渉がより少ないデータチャネルをそのセクタのユーザに割り当て、ユーザの伝送電力を調整することによりデータ伝送を規制し、および/または過剰なIOTまたはRoTを生じている基地局の劣化を軽減するためにその他の処置を行うことができる。たとえば、その他の基地局は、過剰なIOTまたはRoTが別の基地局によってレポートされると必ずそのセクタ内のユーザの伝送電力を低減することができる。
【0114】
電力制御方式はまた、すべての端末を所定のRpoT目標に制御することもできる。しかし、この電力制御方式は、異なる場所にある端末がさまざまな量のセクタ間干渉を生じることを無視し、このことを無視することでシステム容量を減少させることになる。さらに、同等のRpoT電力制御方式によって同等グレードのサービススループットがシステムで達成されうるが、図7に示されるデルタベースの電力制御方式によって、比例的に適正なスループットも達成されうる。
【0115】
基地局は同期化され、そのCDMA制御セグメントを同じ時間−周波数領域で送信することができる。この場合、各セクタのCDMA制御チャネルは、近隣セクタのOFDMAデータチャネルと直交にすることもできる。したがって、CDMA制御チャネルのRoTベースの制御は、OFDMAデータチャネルのIOTベースの制御に影響を及ぼすことはなく、またその逆の場合も影響は及ぼさない。
【0116】
基地局は同期化されず、そのCDMA制御セグメントを異なる時間−周波数領域で送信することができる。この場合、各セクタのCDMA制御チャネルは、近隣セクタのOFDMAデータチャネルからのより高い干渉を受け、制御チャネルのパフォーマンスが低下することがある。この低下は、データチャネルの目標干渉レベルが、制御チャネルの目標干渉レベルに接近して設定される場合に軽減されうる。しかし、この制約は、データチャネルの容量を減少させる場合もある。データ容量は、データチャネルからのセクタ間干渉による制御チャネルの低下が、たとえばCDMA制御セグメントの寸法を増加することにより、許容されるかまたは軽減されうる場合に、改善することができる。
【0117】
5.システム
図8は、複数の無線技術を使用してシステムの電力制御を行うためのプロセス800の実施形態を示す。プロセス800は、端末によって実行されうる。基準チャネルは、たとえばCDMAなど、第1の無線技術を使用して送信される(ブロック812)。第2のチャネルは、たとえばOFDMAなど、第2の無線技術を使用して送信される(ブロック814)。基準チャネルは、たとえばCQI情報など、制御チャネル搬送シグナリングであってもよい。第2のチャネルは、トラヒックデータを搬送するデータチャネルであってもよい。基準チャネルの伝送電力は、基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように調整される(ブロック816)。第2のチャネルの伝送電力は、基準チャネルの伝送電力に基づいて調整される(ブロック818)。
【0118】
基準チャネルの伝送電力は、受信基地局において基準チャネルの目標受信信号品質を達成するように生成されうるPCコマンドに基づいて調整することができる。基準チャネルの伝送電力はまた、基準チャネルで送信されるコードワードの消失指標に基づいて調整されてもよい。基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルは、目標消失率および/またはその他の測定によって定量化することができる。目標受信信号品質は、目標消失率を達成するように調整されうる。基準チャネルの伝送電力のアップおよびダウンのステップサイズもまた、目標消失率を達成するように設定することができる。
【0119】
第2のチャネルの伝送電力デルタまたは伝送PSDデルタは、たとえば干渉推定に基づいて調整することができる。次いで、第2のチャネルの伝送電力は、基準チャネルの伝送電力および伝送電力デルタまたは伝送PSDデルタに基づいて決定することができる。
【0120】
図9は、複数の無線技術を使用してシステムの電力制御を行うための装置900の実施形態を示す。装置900は、たとえばCDMAなど第1の無線技術を使用して基準チャネルを送信するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック912)と、たとえばOFDMAなど第2の無線技術を使用して第2のチャネルを送信するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック914)と、基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように基準チャネルの伝送電力を調整するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック916)と、基準チャネルの伝送電力に基づいて第2のチャネルの伝送電力を調整するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック918)とを含む。
【0121】
図10は、たとえばACKチャネルなどの制御チャネルの電力制御を行うためのプロセス1000の実施形態を示す。基準伝送電力レベルが決定される(ブロック1012)。基準伝送電力レベルは、基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように電力制御されうる基準チャネルの伝送電力であってもよい。制御チャネル上で送信されたシグナリングのエラーは、たとえばエラーを示すフィードバックを受信することなく黙示的に検出される(ブロック1014)。シグナリングはACKであってもよく、制御チャネルで送信されたACKのエラーは、データチャネルで受信されたデータパケットに基づいて検出されてもよい。制御チャネルの伝送電力は、基準伝送電力レベルおよび制御チャネルで検出されたエラーに基づいて調整される(ブロック1016)。
【0122】
図11は、たとえばACKチャネルなどの制御チャネルの電力制御を行うための装置1100の実施形態を示す。装置1100は、基準伝送電力レベルを決定するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1112)と、たとえばエラーを示すフィードバックを受信することなく黙示的に、制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1114)と、基準伝送電力レベルおよび制御チャネルで検出されたエラーに基づいて制御チャネルの伝送電力を調整するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1116)とを含む。
【0123】
図12は、データチャネルの電力制御を行うためのプロセス1200の実施形態を示す。基準PSDレベルは、たとえば基準チャネルのパフォーマンスの望ましいレベルを達成するように電力制御されうる基準チャネルの伝送電力に基づいて決定される(ブロック1212)。伝送PSDデルタは、たとえば干渉推定に基づいて調整される(ブロック1214)。データチャネルの伝送PSDは、基準PSDレベルおよび伝送PSDデルタに基づいて決定される(ブロック1216)。次いで、データチャネルの伝送電力は、伝送PSDおよびデータチャネルに使用される副搬送波の数に基づいて決定されうる(ブロック1218)。基準チャネルはCDMAを使用して送信され、データチャネルはOFDMAを使用して送信されうる。基準およびデータチャネルはまた、他の無線技術を使用して送信することもできる。
【0124】
ブロック1214の場合、干渉レポートは、基地局から受信されうる。基地局のチャネルゲインは、たとえば基地局から受信されたパイロットに基づいて推定することができる。次いで、伝送PSDデルタは、基地局で推定されたチャネルゲインおよび基地局から受信された干渉レポートに基づいて調整することができる。たとえば、伝送PSDデルタは、少なくとも1つの(たとえば、最も強い)近隣基地局が高い干渉を示す場合に減少され、少なくとも1つの近隣基地局が高い干渉を示さない場合に増加されうる。伝送PSDデルタは、データチャネルに許容される最大および最小のPSDデルタによって決まる値の範囲内になるように制限することができる。
【0125】
図13は、データチャネルの電力制御を行うための装置1300の実施形態を示す。装置1300は、たとえば基準チャネルの伝送電力に基づいて基準PSDレベルを決定するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1312)と、たとえば干渉推定に基づいて伝送PSDデルタを調整するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1314)と、基準PSDレベルおよび伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを決定するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1316)と、伝送PSDおよびデータチャネルに使用される副搬送波の数に基づいてデータチャネルの伝送電力を決定するための1つまたは複数のプロセッサ(ブロック1318)とを含む。
【0126】
図14は、システム100における端末120x、サービス提供基地局110x、および近隣基地局110mの実施形態のブロック図を示す。明確にするため、以下の説明では、それぞれ図4、図6、および図7における電力制御機構400、600、および700の使用を仮定する。
【0127】
サービス提供基地局110xにおいて、TXデータプロセッサ1414xは、データソース1412xからトラヒックデータを受信し、コントローラ/プロセッサ1430xおよびスケジューラ1434xからシグナリングを受信する。たとえば、コントローラ/プロセッサ1430xは、基地局120xと通信する端末の伝送電力を調整するためのPCコマンドを供給することができ、スケジューラ1434xは、端末のデータチャネルおよび/または副搬送波の割り当てを行うことができる。TXデータプロセッサ1414xは、トラヒックデータおよびシグナリングを処理して(たとえば、符号化、インターリーブ、およびシンボルマップ)、シンボルを供給する。変調器(Mod)1416xは、OFDMAを使用して送信されたデータチャネルのOFDM変調を実行し、CDMAを使用して送信された制御チャネルのCDMA変調を実行して、複合値チップのシーケンスを供給する。送信機(TMTR)1418xは、チップシーケンスを調整(たとえば、アナログ変換、増幅、フィルタ、および周波数アップコンバート)し、アンテナ1420xを介して送信される順方向リンク信号を生成する。
【0128】
近隣基地局110mは、その基地局のサービスを受ける端末のトラヒックデータおよびシグナリングを同様に処理する。基地局110mはまた、基地局によって観察される干渉の量を示すOSIレポートを送信する。トラヒックデータおよびシグナリングは、TXデータプロセッサ1414mによって処理され、変調器1416mによって変調され、送信機1418mによって調整され、アンテナ1420mを介して送信される。
【0129】
端末120xにおいて、アンテナ1452は、基地局110xと110m、およびおそらくは他の基地局からの順方向リンク信号を受信する。受信機(RCVR)1454は、アンテナ1452からの受信信号を調整(たとえば、フィルタ、増幅、周波数ダウンコンバート、およびデジタル化)し、サンプルを供給する。復調器(Demod)1456は、データチャネルのOFDM復調を実行し、制御チャネルのCDMA復調を実行して、シンボル推定を供給する。RXデータプロセッサ1458は、シンボル推定を処理し(たとえば、シンボルマップ解除、デインターリーブ、および復号化)、復号データをデータシンク1460に供給して、検出したシグナリング(たとえば、PCコマンド、OSIレポートなど)をコントローラ/プロセッサ1470に供給する。
【0130】
逆方向リンク上で、TXデータプロセッサ1482は、データソース1480からトラヒックデータを受信して処理し、コントローラ/プロセッサ1470からシグナリング(たとえば、ACK、CQIコードワード)を受信して処理する。変調器1484は、OFDMAを使用して送信されたデータチャネルのOFDM変調を実行し、CDMAを使用して送信された制御チャネルのCDMA変調を実行して、チップのシーケンスを供給する。送信機1486は、チップシーケンスを調整し、アンテナ1452から送信される逆方向リンク信号を生成する。
【0131】
サービス提供基地局110xにおいて、端末120xおよびその他の端末からの逆方向リンク信号は、アンテナ1420xによって受信され、受信機1440xによって調整され、復調器1442xによって復調されて、RXデータプロセッサ1444xによって処理される。プロセッサ1444xは、復号データをデータシンク1446xに供給し、検出されたシグナリングをコントローラ/プロセッサ1430xに供給する。受信機1440xは、各端末の基準チャネル(たとえばCQIチャネル)の受信信号品質を推定することができ、この情報をコントローラ/プロセッサ1430xに供給することができる。コントローラ/プロセッサ1430xは、前述のように、PCコマンドおよび/または各端末の消失指標を導き出すことができる。
【0132】
コントローラ/プロセッサ1430x、1430m、および1470はそれぞれ、基地局110xと110m、および端末120xにおいてさまざまな処理装置の動作を指示する。これらのコントローラ/プロセッサはまた、電力制御のさまざまな機能を実行することができる。たとえば、コントローラ/プロセッサ1430xは、基地局110xについて図4から図7に示されるユニット420から442の一部またはすべてを実施することができる。コントローラ1470は、端末120xについて図4から図7に示されるユニット460から486の一部またはすべてを実施することができる。コントローラ1470はまた、それぞれ図8、図10、および図12に示されるプロセス800、1000および/または1200を実施することができる。メモリ1432x、1432m、および1472はそれぞれ、基地局110xと110m、および端末120xのデータおよびプログラムコードを格納する。スケジューラ1434xは、基地局110xと通信する端末をスケジュールし、データチャネルおよび/または副搬送波をスケジュール済みの端末に割り当てる。
【0133】
本明細書に説明される電力制御技法は、さまざまな手段によって実施されうる。たとえば、これらの技法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせで実施されうる。ハードウェア実施については、電力制御を行うために使用される処理装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書に説明される機能を実行するように設計されたその他の電子装置、またはその組み合わせの中で実施されうる。
【0134】
ファームウェアおよび/またはソフトウェア実施については、電力制御技法は、本明細書に説明される機能を実行するために1つまたは複数のプロセッサによって使用されうる命令(たとえば、手順、関数など)により実施することができる。ファームウェアおよび/またはソフトウェアコードは、メモリ(たとえば、図14のメモリ1432xまたは1472)に格納され、プロセッサ(たとえば、プロセッサ1430xまたは1470)によって実行されてもよい。メモリは、プロセッサ内で実施されても、またはプロセッサの外部で実施されてもよい。
【0135】
本明細書において、見出しは参照のために含まれ、特定のセクションを見つけ出す際に役立つように含まれている。これらの見出しは、その下に説明される概念の範囲を限定することを意図しておらず、それらの概念は本明細書全体を通じて他のセクションにも適用範囲である。
【0136】
開示される実施形態についての前述の説明は、当業者が本開示を実施または使用することができるようにするために提供される。これらの実施形態に対するさまざまな変更は、当業者には容易に明らかとなろう。また、本明細書に定義される一般的な原理は、本開示の精神または範囲を逸脱することなくその他の実施形態に適用されうる。したがって、本開示は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されていないが、本明細書に開示される原理および新規な特徴に合致する最も広い範囲が許容されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線技術を使用して基準チャネルを送信し、第2の無線技術を使用して第2のチャネルを送信し、該基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように該基準チャネルの伝送電力を調整し、該基準チャネルの該伝送電力に基づいて該第2のチャネルの伝送電力を調整するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを備える装置。
【請求項2】
前記第1の無線技術は符号分割多重アクセス(CDMA)であり、前記第2の無線技術は直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記基準チャネルはシグナリングを搬送し、前記第2のチャネルはトラヒックデータを搬送する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記基準チャネルの電力制御(PC)コマンドを受信し、前記受信したPCコマンドに基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記PCコマンドは前記基準チャネルの目標受信信号品質を達成するように生成される請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記基準チャネルのパフォーマンスの前記目標レベルは、前記基準チャネルで送信されたコードワードの目標消失率である請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記基準チャネルで送信されたコードワードの消失指標を受信し、前記受信した消失指標に基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記基準チャネルで送信されたコードワードが消失として検出された場合にアップステップによって前記基準チャネルの前記伝送電力を増加し、送信された該コードワードが未消失として検出された場合にダウンステップによって前記基準チャネルの前記伝送電力を減少するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記アップステップおよびダウンステップは前記基準チャネルの目標消失率に基づいて選択される請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、干渉推定に基づいてデルタを調整し、前記基準チャネルの前記伝送電力および該デルタに基づいて前記第2のチャネルの前記伝送電力を設定するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、干渉推定に基づいて伝送電力スペクトル密度(PSD)デルタを調整し、前記基準チャネルの該伝送PSDデルタおよび伝送PSDに基づいて前記第2のチャネルの伝送PSDを決定し、前記第2のチャネルの該伝送PSDを達成するように前記第2のチャネルの前記伝送電力を設定するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記基準チャネルはチャネル品質表示(CQI)情報を搬送する請求項1に記載の装置。
【請求項13】
第1の無線技術を使用して基準チャネルを送信することと、
第2の無線技術を使用して第2のチャネルを送信することと、
該基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように該基準チャネルの伝送電力を調整することと、
該基準チャネルの該伝送電力に基づいて該第2のチャネルの伝送電力を調整することとを備える方法。
【請求項14】
前記基準チャネルの前記伝送電力を調整することは、
前記基準チャネルの電力制御(PC)コマンドを受信することと、
該受信したPCコマンドに基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整することとを備える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基準チャネルの前記伝送電力を調整することは、
前記基準チャネルで送信されたコードワードの消失指標を受信することと、
該受信した消失指標に基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整することとを備える請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のチャネルの前記伝送電力を調整することは、
干渉推定に基づいてデルタを調整することと、
前記基準チャネルの前記伝送電力および該デルタに基づいて前記第2のチャネルの前記伝送電力を設定することとを備える請求項13に記載の方法。
【請求項17】
第1の無線技術を使用して基準チャネルを送信するための手段と、
第2の無線技術を使用して第2のチャネルを送信するための手段と、
該基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように該基準チャネルの伝送電力を調整するための手段と、
該基準チャネルの該伝送電力に基づいて該第2のチャネルの伝送電力を調整するための手段とを備える装置。
【請求項18】
前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するための手段は、
前記基準チャネルの電力制御(PC)コマンドを受信するための手段と、
該受信したPCコマンドに基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するための手段とを備える請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するための手段は、
前記基準チャネルで送信されたコードワードの消失指標を受信するための手段と、
該受信した消失指標に基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するための手段とを備える請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記第2のチャネルの前記伝送電力を調整するための手段は、
干渉推定に基づいてデルタを調整するための手段と、
前記基準チャネルの前記伝送電力および該デルタに基づいて前記第2のチャネルの前記伝送電力を設定するための手段とを備える請求項17に記載の装置。
【請求項21】
1つまたは複数のプロセッサによって使用されうる命令を含むプロセッサ可読媒体であって、該命令は、
基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように第1の無線技術を使用して送信された該基準チャネルの伝送電力を調整するための命令と、
該基準チャネルの該伝送電力に基づいて第2の無線技術を使用して送信された第2のチャネルの伝送電力を調整するための命令とを備えるプロセッサ可読媒体。
【請求項22】
基準伝送電力レベルを決定し、制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出し、該基準伝送電力レベルおよび該制御チャネルで検出された該エラーに基づいて該制御チャネルの伝送電力を調整するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを備える装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記エラーを示すフィードバックを受信することなく前記制御チャネルで送信された前記シグナリングの前記エラーを黙示的に検出するように構成される請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記シグナリングは肯定応答(ACK)を備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、データチャネルでデータパケットを受信し、前記データチャネルで受信された前記データパケットの前記制御チャネルでACKを送信し、前記データチャネルで受信された前記データパケットに基づいて前記制御チャネルで送信された前記ACKのエラーを検出するように構成される請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つのプロセッサは、ACKが前記制御チャネルで送信され、データパケットの再送信が前記データチャネルで受信される場合にACKエラーを宣言するように構成される請求項24に記載の装置。
【請求項26】
基準伝送電力レベルを決定することと、
制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出することと、
該基準伝送電力レベルおよび該制御チャネルで検出された該エラーに基づいて該制御チャネルの伝送電力を調整することとを備える方法。
【請求項27】
前記制御チャネルで送信された前記シグナリングのエラーを検出することは、
データチャネルでデータパケットを受信することと、
前記データチャネルで受信された前記データパケットの前記制御チャネルでACKを送信することと、
前記データチャネルで受信された前記データパケットに基づいて前記制御チャネルで送信された前記ACKのエラーを検出することとを備える請求項26に記載の方法。
【請求項28】
基準伝送電力レベルを決定するための手段と、
制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出するための手段と、
該基準伝送電力レベルおよび該制御チャネルで検出された該エラーに基づいて該制御チャネルの伝送電力を調整するための手段とを備える装置。
【請求項29】
前記制御チャネルで送信された前記シグナリングのエラーを検出するための手段は、
データチャネルでデータパケットを受信するための手段と、
前記データチャネルで受信された前記データパケットの前記制御チャネルでACKを送信するための手段と、
前記データチャネルで受信された前記データパケットに基づいて前記制御チャネルで送信された前記ACKのエラーを検出するための手段とを備える請求項28に記載の装置。
【請求項30】
1つまたは複数のプロセッサによって使用されうる命令を含むプロセッサ可読媒体であって、該命令は、
基準伝送電力レベルを決定するための命令と、
制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出するための命令と、
該基準伝送電力レベルおよび該制御チャネルで検出された該エラーに基づいて該制御チャネルの伝送電力を調整するための命令とを備えるプロセッサ可読媒体。
【請求項31】
基準電力スペクトル密度(PSD)レベルを決定し、伝送電力スペクトル密度(PSD)デルタを調整し、該基準PSDレベルおよび該伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを備える装置。
【請求項32】
前記少なくとも1つのプロセッサは、基準チャネルの伝送電力を決定し、前記基準チャネルの前記伝送電力および前記基準チャネルに使用される副搬送波の数に基づいて前記基準PSDレベルを決定するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように前記基準チャネルの伝送電力を調整するように構成される請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記データチャネルの前記伝送PSDおよび前記データチャネルに使用される前記副搬送波の数に基づいて前記データチャネルの伝送電力を決定するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つのプロセッサは、基地局から干渉レポートを受信し、該干渉レポートに基づいて前記伝送PSDデルタを調整するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項36】
前記少なくとも1つのプロセッサは、基地局から干渉レポートを受信し、該基地局のチャネルゲインを推定して、該基地局の推定された該チャネルゲインおよび該基地局から受信された該干渉レポートに基づいて前記伝送PSDデルタを調整するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの近隣基地局が高干渉を示す場合に前記伝送PSDデルタを減少し、少なくとも1つの近隣基地局が高干渉を示さない場合に前記伝送PSDデルタを増加するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項38】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記伝送PSDデルタを値の範囲内に制限するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項39】
前記少なくとも1つのプロセッサは、符号分割多重アクセス(CDMA)を使用して前記基準チャネルを送信し、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して前記データチャネルを送信するように構成される請求項32に記載の装置。
【請求項40】
基準電力スペクトル密度(PSD)レベルを決定することと、
伝送電力スペクトル密度(PSD)デルタを調整することと、
該基準PSDレベルおよび該伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを決定することとを備える方法。
【請求項41】
前記基準PSDレベルを決定することは、
基準チャネルの伝送電力を決定することと、
前記基準チャネルの前記伝送電力および前記基準チャネルに使用される前記副搬送波の数に基づいて前記基準PSDレベルを決定することとを備える請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記伝送PSDデルタを調整することは、
基地局から干渉レポートを受信することと、
該基地局のチャネルゲインを推定することと、
該基地局で推定された該チャネルゲインおよび該基地局から受信された該干渉レポートに基づいて前記伝送PSDデルタを調整することとを備える請求項40に記載の方法。
【請求項43】
符号分割多重アクセス(CDMA)を使用して前記基準チャネルを送信することと、
直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して前記データチャネルを送信することとをさらに備える請求項41に記載の方法。
【請求項44】
基準電力スペクトル密度(PSD)レベルを決定するための手段と、
伝送電力スペクトル密度(PSD)デルタを調整するための手段と、
該基準PSDレベルおよび該伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを決定するための手段とを備える装置。
【請求項45】
前記基準PSDレベルを決定するための手段は、
基準チャネルの伝送電力を決定するための手段と、
前記基準チャネルの前記伝送電力および前記基準チャネルに使用される副搬送波の数に基づいて前記基準PSDレベルを決定するための手段とを備える請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記伝送PSDデルタを調整するための手段は、
基地局から干渉レポートを受信するための手段と、
該基地局のチャネルゲインを推定するための手段と、
該基地局で推定された該チャネルゲインおよび該基地局から受信された該干渉レポートに基づいて前記伝送PSDデルタを調整するための手段とを備える請求項44に記載の装置。
【請求項47】
符号分割多重アクセス(CDMA)を使用して前記基準チャネルを送信するための手段と、
直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して前記データチャネルを送信するための手段とをさらに備える請求項45に記載の装置。
【請求項48】
1つまたは複数のプロセッサによって使用されうる命令を含むプロセッサ可読媒体であって、該命令は、
基準電力スペクトル密度(PSD)レベルを決定するための命令と、
伝送電力スペクトル密度(PSD)デルタを調整するための命令と、
該基準PSDレベルおよび該伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを決定するための命令とを備えるプロセッサ可読媒体。
【請求項1】
第1の無線技術を使用して基準チャネルを送信し、第2の無線技術を使用して第2のチャネルを送信し、該基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように該基準チャネルの伝送電力を調整し、該基準チャネルの該伝送電力に基づいて該第2のチャネルの伝送電力を調整するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを備える装置。
【請求項2】
前記第1の無線技術は符号分割多重アクセス(CDMA)であり、前記第2の無線技術は直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記基準チャネルはシグナリングを搬送し、前記第2のチャネルはトラヒックデータを搬送する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記基準チャネルの電力制御(PC)コマンドを受信し、前記受信したPCコマンドに基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記PCコマンドは前記基準チャネルの目標受信信号品質を達成するように生成される請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記基準チャネルのパフォーマンスの前記目標レベルは、前記基準チャネルで送信されたコードワードの目標消失率である請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記基準チャネルで送信されたコードワードの消失指標を受信し、前記受信した消失指標に基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記基準チャネルで送信されたコードワードが消失として検出された場合にアップステップによって前記基準チャネルの前記伝送電力を増加し、送信された該コードワードが未消失として検出された場合にダウンステップによって前記基準チャネルの前記伝送電力を減少するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記アップステップおよびダウンステップは前記基準チャネルの目標消失率に基づいて選択される請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、干渉推定に基づいてデルタを調整し、前記基準チャネルの前記伝送電力および該デルタに基づいて前記第2のチャネルの前記伝送電力を設定するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、干渉推定に基づいて伝送電力スペクトル密度(PSD)デルタを調整し、前記基準チャネルの該伝送PSDデルタおよび伝送PSDに基づいて前記第2のチャネルの伝送PSDを決定し、前記第2のチャネルの該伝送PSDを達成するように前記第2のチャネルの前記伝送電力を設定するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記基準チャネルはチャネル品質表示(CQI)情報を搬送する請求項1に記載の装置。
【請求項13】
第1の無線技術を使用して基準チャネルを送信することと、
第2の無線技術を使用して第2のチャネルを送信することと、
該基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように該基準チャネルの伝送電力を調整することと、
該基準チャネルの該伝送電力に基づいて該第2のチャネルの伝送電力を調整することとを備える方法。
【請求項14】
前記基準チャネルの前記伝送電力を調整することは、
前記基準チャネルの電力制御(PC)コマンドを受信することと、
該受信したPCコマンドに基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整することとを備える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基準チャネルの前記伝送電力を調整することは、
前記基準チャネルで送信されたコードワードの消失指標を受信することと、
該受信した消失指標に基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整することとを備える請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のチャネルの前記伝送電力を調整することは、
干渉推定に基づいてデルタを調整することと、
前記基準チャネルの前記伝送電力および該デルタに基づいて前記第2のチャネルの前記伝送電力を設定することとを備える請求項13に記載の方法。
【請求項17】
第1の無線技術を使用して基準チャネルを送信するための手段と、
第2の無線技術を使用して第2のチャネルを送信するための手段と、
該基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように該基準チャネルの伝送電力を調整するための手段と、
該基準チャネルの該伝送電力に基づいて該第2のチャネルの伝送電力を調整するための手段とを備える装置。
【請求項18】
前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するための手段は、
前記基準チャネルの電力制御(PC)コマンドを受信するための手段と、
該受信したPCコマンドに基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するための手段とを備える請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するための手段は、
前記基準チャネルで送信されたコードワードの消失指標を受信するための手段と、
該受信した消失指標に基づいて前記基準チャネルの前記伝送電力を調整するための手段とを備える請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記第2のチャネルの前記伝送電力を調整するための手段は、
干渉推定に基づいてデルタを調整するための手段と、
前記基準チャネルの前記伝送電力および該デルタに基づいて前記第2のチャネルの前記伝送電力を設定するための手段とを備える請求項17に記載の装置。
【請求項21】
1つまたは複数のプロセッサによって使用されうる命令を含むプロセッサ可読媒体であって、該命令は、
基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように第1の無線技術を使用して送信された該基準チャネルの伝送電力を調整するための命令と、
該基準チャネルの該伝送電力に基づいて第2の無線技術を使用して送信された第2のチャネルの伝送電力を調整するための命令とを備えるプロセッサ可読媒体。
【請求項22】
基準伝送電力レベルを決定し、制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出し、該基準伝送電力レベルおよび該制御チャネルで検出された該エラーに基づいて該制御チャネルの伝送電力を調整するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを備える装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記エラーを示すフィードバックを受信することなく前記制御チャネルで送信された前記シグナリングの前記エラーを黙示的に検出するように構成される請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記シグナリングは肯定応答(ACK)を備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、データチャネルでデータパケットを受信し、前記データチャネルで受信された前記データパケットの前記制御チャネルでACKを送信し、前記データチャネルで受信された前記データパケットに基づいて前記制御チャネルで送信された前記ACKのエラーを検出するように構成される請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つのプロセッサは、ACKが前記制御チャネルで送信され、データパケットの再送信が前記データチャネルで受信される場合にACKエラーを宣言するように構成される請求項24に記載の装置。
【請求項26】
基準伝送電力レベルを決定することと、
制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出することと、
該基準伝送電力レベルおよび該制御チャネルで検出された該エラーに基づいて該制御チャネルの伝送電力を調整することとを備える方法。
【請求項27】
前記制御チャネルで送信された前記シグナリングのエラーを検出することは、
データチャネルでデータパケットを受信することと、
前記データチャネルで受信された前記データパケットの前記制御チャネルでACKを送信することと、
前記データチャネルで受信された前記データパケットに基づいて前記制御チャネルで送信された前記ACKのエラーを検出することとを備える請求項26に記載の方法。
【請求項28】
基準伝送電力レベルを決定するための手段と、
制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出するための手段と、
該基準伝送電力レベルおよび該制御チャネルで検出された該エラーに基づいて該制御チャネルの伝送電力を調整するための手段とを備える装置。
【請求項29】
前記制御チャネルで送信された前記シグナリングのエラーを検出するための手段は、
データチャネルでデータパケットを受信するための手段と、
前記データチャネルで受信された前記データパケットの前記制御チャネルでACKを送信するための手段と、
前記データチャネルで受信された前記データパケットに基づいて前記制御チャネルで送信された前記ACKのエラーを検出するための手段とを備える請求項28に記載の装置。
【請求項30】
1つまたは複数のプロセッサによって使用されうる命令を含むプロセッサ可読媒体であって、該命令は、
基準伝送電力レベルを決定するための命令と、
制御チャネルで送信されたシグナリングのエラーを検出するための命令と、
該基準伝送電力レベルおよび該制御チャネルで検出された該エラーに基づいて該制御チャネルの伝送電力を調整するための命令とを備えるプロセッサ可読媒体。
【請求項31】
基準電力スペクトル密度(PSD)レベルを決定し、伝送電力スペクトル密度(PSD)デルタを調整し、該基準PSDレベルおよび該伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを備える装置。
【請求項32】
前記少なくとも1つのプロセッサは、基準チャネルの伝送電力を決定し、前記基準チャネルの前記伝送電力および前記基準チャネルに使用される副搬送波の数に基づいて前記基準PSDレベルを決定するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記基準チャネルのパフォーマンスの目標レベルを達成するように前記基準チャネルの伝送電力を調整するように構成される請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記データチャネルの前記伝送PSDおよび前記データチャネルに使用される前記副搬送波の数に基づいて前記データチャネルの伝送電力を決定するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つのプロセッサは、基地局から干渉レポートを受信し、該干渉レポートに基づいて前記伝送PSDデルタを調整するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項36】
前記少なくとも1つのプロセッサは、基地局から干渉レポートを受信し、該基地局のチャネルゲインを推定して、該基地局の推定された該チャネルゲインおよび該基地局から受信された該干渉レポートに基づいて前記伝送PSDデルタを調整するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの近隣基地局が高干渉を示す場合に前記伝送PSDデルタを減少し、少なくとも1つの近隣基地局が高干渉を示さない場合に前記伝送PSDデルタを増加するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項38】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記伝送PSDデルタを値の範囲内に制限するように構成される請求項31に記載の装置。
【請求項39】
前記少なくとも1つのプロセッサは、符号分割多重アクセス(CDMA)を使用して前記基準チャネルを送信し、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して前記データチャネルを送信するように構成される請求項32に記載の装置。
【請求項40】
基準電力スペクトル密度(PSD)レベルを決定することと、
伝送電力スペクトル密度(PSD)デルタを調整することと、
該基準PSDレベルおよび該伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを決定することとを備える方法。
【請求項41】
前記基準PSDレベルを決定することは、
基準チャネルの伝送電力を決定することと、
前記基準チャネルの前記伝送電力および前記基準チャネルに使用される前記副搬送波の数に基づいて前記基準PSDレベルを決定することとを備える請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記伝送PSDデルタを調整することは、
基地局から干渉レポートを受信することと、
該基地局のチャネルゲインを推定することと、
該基地局で推定された該チャネルゲインおよび該基地局から受信された該干渉レポートに基づいて前記伝送PSDデルタを調整することとを備える請求項40に記載の方法。
【請求項43】
符号分割多重アクセス(CDMA)を使用して前記基準チャネルを送信することと、
直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して前記データチャネルを送信することとをさらに備える請求項41に記載の方法。
【請求項44】
基準電力スペクトル密度(PSD)レベルを決定するための手段と、
伝送電力スペクトル密度(PSD)デルタを調整するための手段と、
該基準PSDレベルおよび該伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを決定するための手段とを備える装置。
【請求項45】
前記基準PSDレベルを決定するための手段は、
基準チャネルの伝送電力を決定するための手段と、
前記基準チャネルの前記伝送電力および前記基準チャネルに使用される副搬送波の数に基づいて前記基準PSDレベルを決定するための手段とを備える請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記伝送PSDデルタを調整するための手段は、
基地局から干渉レポートを受信するための手段と、
該基地局のチャネルゲインを推定するための手段と、
該基地局で推定された該チャネルゲインおよび該基地局から受信された該干渉レポートに基づいて前記伝送PSDデルタを調整するための手段とを備える請求項44に記載の装置。
【請求項47】
符号分割多重アクセス(CDMA)を使用して前記基準チャネルを送信するための手段と、
直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を使用して前記データチャネルを送信するための手段とをさらに備える請求項45に記載の装置。
【請求項48】
1つまたは複数のプロセッサによって使用されうる命令を含むプロセッサ可読媒体であって、該命令は、
基準電力スペクトル密度(PSD)レベルを決定するための命令と、
伝送電力スペクトル密度(PSD)デルタを調整するための命令と、
該基準PSDレベルおよび該伝送PSDデルタに基づいてデータチャネルの伝送PSDを決定するための命令とを備えるプロセッサ可読媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−244443(P2011−244443A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−104650(P2011−104650)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【分割の表示】特願2008−528099(P2008−528099)の分割
【原出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104650(P2011−104650)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【分割の表示】特願2008−528099(P2008−528099)の分割
【原出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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