説明

PHA接着組成物

PHA接着組成物、ならびに関連する方法および物品を開示する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、本願と同日付けで出願した「PHAブレンド(PHA Blends)」と題された米国特許出願[代理人整理番号14074−014001]の一部継続であり、そして2003年2月21日付けで出願された「PHA接着組成物(PHA Adhesive Compositions)」と題された米国仮特許出願第60/449,187号の利益を請求する。これらの両出願の内容は、全体として、本明細書に参照により援用される。
【技術分野】
【0002】
技術分野
本発明は、少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含有する接着組成物、ならびに関連する方法および物品に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
接着組成物を使用して、2つの表面、たとえば、木材、金属、プラスチック、紙、布、哺乳類の皮膚および/または組織の表面間に結合を形成することができる。
【0004】
特定の用途においては、一般的に感圧接着剤と呼ばれる、相対的に粘着性の接着組成物によって表面をコートすることができる。相対的に軽い圧力を使用して、コートされた表面を、第2のコートされていない表面と接触させて、2つの表面間に接着結合を形成することができる。
【0005】
いくつかの用途においては、一般的にコンタクト接着剤と呼ばれる、表面との接触前は相対的に非粘着性である接着剤によって表面の一方または両方をコートすることができる。適切な温度および/または圧力条件下で表面を接触させた時に、表面間に接着結合が形成し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
概要
本発明は、PHA接着組成物、ならびに関連する方法および物品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一の態様において、本発明は、PHAを含有する接着組成物を特徴とする。この接着組成物は、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この接着組成物は、表面またはそれ自体と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0008】
もう1つの態様において、本発明は、基板と、基板の表面によって支持された組成物とを含む物品を特徴とする。この組成物はPHAを含有し、そして多くとも約15秒の表面タックタイム値を有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この組成物は、もう1つの基板の表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0009】
さらなる態様において、本発明は、基板と、基板の表面によって支持された組成物とを含む物品を特徴とする。この組成物はPHAを含有する。この組成物は、多くとも約15秒の表面タックタイム値と、少なくとも約70分のオープンタイムとを有する。
【0010】
一の態様において、本発明は、基板と、基板の表面によって支持された組成物とを含む物品を特徴とする。この組成物は、約1,000ダルトン〜約900,000ダルトンの重量平均分子量を有するPHAを含有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この接着組成物は表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0011】
もう1つの態様において、本発明は、基板と、基板の表面によって支持された組成物とを含む物品を特徴とする。この組成物は、約5%〜約65%の結晶化度を有するPHAを含有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この接着組成物は表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0012】
さらなる態様において、本発明は、基板と、基板の表面によって支持された組成物とを含む物品を特徴とする。この組成物は、約−40℃〜約20℃のガラス転移温度を有するPHAを含有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この接着組成物は表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0013】
一の態様において、本発明は、組成物を物品の表面に接触させる工程と、組成物を加工して、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有する層を形成する工程とを含む方法を特徴とする。この組成物は、PHAと、PHAに対する溶媒とを含有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この層は、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0014】
組成物を加工する工程は、少なくともいくつかの溶媒を組成物から除去する工程、たとえば、層においてPHAがその最終結晶化度に到達する期間よりも層のオープンタイムが短いような速度で溶媒を組成物から除去する工程を含み得る。層は、たとえば、多くとも約95重量%の接着剤添加剤を含有し得る。層は、たとえば、多くとも約40重量%の溶媒を含有し得る。層は、たとえば、少なくとも約5重量%のPHAを含有し得る。層の剥離結合強度は、少なくとも約100Nm−2であり得る。圧力は、多くとも約50psigであり得る。層は、少なくとも約70分のオープンタイムを有し得る。PHAは、約1,000ダルトン〜約900,000ダルトンの重量平均分子量を有し得る。層中のPHAは、約5%〜約65%の結晶化度を有し得る。層中のPHAは、約−40℃〜約20℃のガラス転移温度を有する。組成物は、少なくとも2つの異なるPHAを含み得、たとえば、1つのPHAは第1の重量平均分子量を有し得、そして異なるPHAは第2の重量平均分子量を有し得、第1の重量平均分子量と第2の重量平均分子量との間の差異は、少なくとも約1,000ダルトンである。
【0015】
もう1つの態様において、本発明は、少なくとも2つの表面間でPHAをプレスして、プレス加工PHAを形成する工程と、表面を分離して、プレス加工PHAを暴露する工程とを含む方法を特徴とする。このプレス加工PHAは、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、このプレス加工PHAは表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0016】
多くとも約150℃の温度でプレスを実行することができる。多くとも約100psigの圧力でプレスを実行することができる。PHAは、約1,000ダルトン〜約900,000ダルトンの重量平均分子量を有し得る。プレス加工PHAは、約5%〜約65%の結晶化度を有し得る。プレス加工PHAは、約−10℃〜約−30℃のガラス転移温度を有し得る。
【0017】
さらなる態様において、本発明は、2つの異なるPHAを含む接着組成物を特徴とする。2つのPHAの重量平均分子量における差異は、少なくとも約1,000ダルトンである。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この接着組成物は表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0018】
一の態様において、本発明は、基板と、基板によって支持された接着組成物とを含む物品を特徴とする。この接着組成物は、2つの異なるPHAを含む。2つのPHAの重量平均分子量における差異は、少なくとも約1,000ダルトンである。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この接着組成物は表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0019】
もう1つの態様において、本発明は、2つの異なるPHAを含む接着組成物を特徴とする。少なくとも1つのPHAは、少なくとも約2の多分散性インデックスを有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この接着組成物は表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0020】
さらなる態様において、本発明は、基板と、基板によって支持された接着組成物とを含む物品を特徴とする。この接着組成物は、2つの異なるPHAを含む。少なくとも1つのPHAは、少なくとも約2の多分散性インデックスを有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この接着組成物は表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0021】
実施形態は、1以上の以下の特徴を含み得る。
【0022】
PHAは、たとえば、約1,000ダルトン〜約900,000ダルトンの重量平均分子量を有し得る。
【0023】
PHAは、たとえば、約−40℃〜約20℃のガラス転移温度を有し得る。
【0024】
PHAは、たとえば、約5%〜約65%の結晶化度を有し得る。
【0025】
PHAは、たとえば、少なくとも約2、少なくとも約2.5の多分散性インデックスを有し得る。
【0026】
組成物は、たとえば、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有し得る。
【0027】
組成物は、たとえば、少なくとも約10分のオープンタイムを有し得る。
【0028】
組成物は、1以上の溶媒をさらに含み得る。
【0029】
組成物は、1以上の接着剤添加剤(たとえば、1以上の粘着付与剤、架橋剤、開始剤、着色剤、ワックス、安定剤および/または可塑剤)を含有し得る。
【0030】
組成物は、少なくとも2つの異なるPHAを含有し得る。2つのPHAの重量平均分子量における差異は、たとえば、少なくとも約1,000ダルトン、少なくとも約50,000ダルトン、少なくとも約100,000ダルトンであり得る。
【0031】
圧力は、たとえば、多くとも約50psigであり得る。
【0032】
剥離結合強度は、たとえば、少なくとも約100Nm−2であり得る。
【0033】
本発明の他の特徴、目的および利点は、明細書および特許請求の範囲から明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
詳細な説明
一般的に、PHA接着組成物は、1以上のPHA、および任意に1以上の追加成分(たとえば、1以上の溶媒、1以上の接着剤添加剤)を含有する。
【0035】
特定の実施形態において、PHA接着組成物は、相対的に低い表面タックを有し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、PHA接着組成物は、2つの表面間に接着結合を形成させるために使用される前に、触れるほど実質的に非粘着性であり得る。特定の実施形態において、PHA接着組成物は、2つの表面間に接着結合を形成させるために使用される前に、多くとも約15秒(たとえば、多くとも約12秒、多くとも約10秒、多くとも約9秒、多くとも約8秒、多くとも約7秒、多くとも約6秒、多くとも約5秒、多くとも約4秒、多くとも約3秒、多くとも約2秒、多くとも約1秒、多くとも0.5秒、多くとも0.1秒、0秒)の表面タックタイム値を有し得る。
【0036】
本明細書で言及される場合、PHA接着組成物の表面タックタイム値は、以下の通り決定される。13.85グラム(g)の質量を有する外径38.17ミリメートル(mm)および内径13.41ミリメートル(mm)の亜鉛めっき鋼洗浄機を、水平移動された、PHA接着組成物によってコートされた表面上に置く。次いで、物体上の引力と、物体上の組成物の接着力とが互いに反対するように、表面を反転させる。物体が表面から落下するために必要とされる時間が、PHA組成物の表面タックタイム値である。一般的に、より低い表面タックを有するPHA接着組成物は、より高い表面タックを有するPHA接着組成物よりも短い表面タックタイム値を有する。
【0037】
いくつかの実施形態において、PHA組成物は、相対的に低い積層化圧力に暴露された時に、2つの表面間に相対的に強力な結合を形成し得る。例えば、特定の実施形態において、PHA組成物が、多くとも約100ポンド/平方インチゲージ(psig)(たとえば、多くとも約90psig、多くとも約80psig、多くとも約70psig、多くとも約60psig、多くとも約50psig、多くとも約40psig、多くとも約30psig、多くとも約20psig、多くとも約15psig、多くとも約10psig、多くとも約5psig、多くとも約1psig)の積層化圧力に暴露された時に、PHA接着組成物は、少なくとも約10ニュートン/平方メートル(N/m)(たとえば、少なくとも約50N/m、少なくとも約100N/m、少なくとも約250N/m、少なくとも約500N/m、少なくとも約1000N/m)の剥離結合強度によって、2つの表面間に接着結合を形成し得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、積層化圧力は、組成物が両表面と接触する時に組成物に適用される圧力を指す。
【0039】
本明細書で言及される場合、2つの表面間の結合の剥離結合強度は、インストロン(Instron)引張試験機に結合表面を配置し、そして90度の剥離角度および25ミリメートル/分のクロスヘッド速度を使用して表面を分離するために必要とされる力を評価することによって、ASTM 1995−92試験法に従って決定される。
【0040】
いくつかの実施形態において、PHA組成物は、相対的に長いオープンタイムを有し得る。たとえば、特定の実施形態において、PHA接着組成物は、少なくとも約10分(たとえば、少なくとも約50分、少なくとも約70分、少なくとも約100分、少なくとも約200分、少なくとも約3時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約48時間、少なくとも約96時間、少なくとも約120時間)のオープンタイムを有し得る。本明細書で使用される場合、PHA組成物のオープンタイムとは、PHA接着組成物が、接着結合を形成させるために使用される前に周囲環境条件(たとえば、周囲温度、圧力、湿度)に暴露され得る時間の最大量を指す。いくつかの実施形態において、オープンタイムとは一般的に、PHA組成物が非接着組成物になる前のPHA組成物の上限の許容暴露および/または貯蔵時間である。特定の実施形態において、組成物が多くとも約100psigの積層化圧力に暴露された時に、PHA接着組成物が、少なくとも約10N/mの剥離結合強度によって2つの表面間で接着結合を形成できない場合、オープンタイムを超える。
【0041】
PHAは、以下の構造を有するモノマー単位を少なくとも1以上有する。
【化1】

式中、nは、0または整数(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15等)である。R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素ラジカルである。炭化水素ラジカルは、少なくとも1個の炭素原子(たとえば、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、6個の炭素原子、7個の炭素原子、8個の炭素原子等)を含有する。炭化水素ラジカルは、飽和または不飽和、置換または未置換、分枝鎖状または直鎖状、および/あるいは環式または非環式であり得る。置換炭化水素ラジカルの例としては、ハロ−置換炭化水素ラジカル、ヒドロキシ−置換炭化水素ラジカル、窒素−置換炭化水素ラジカルおよび酸素−置換炭化水素ラジカルが挙げられる。炭化水素ラジカルの例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチルおよびデシルが挙げられる。
【0042】
モノマー単位の例としては、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシバレエート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナオエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエート、3−ヒドロキシテトラデカノエート、3−ヒドロキシヘキサデカノエート、3−ヒドロキシオクタデカノエート、3−ヒドロキシ−4−ペンテノエート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレエート、5−ヒドロキシバレエートおよび6−ヒドロキシヘキサノエートが挙げられる。
【0043】
いくつかの実施形態において、PHAはホモポリマーであり得る(全てのモノマー単位が同一である)。PHAホモポリマーの例としては、ポリ3−ヒドロキシアルカノエート(たとえば、ポリ3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ3−ヒドロキシブチレート、ポリ3−ヒドロキシヘキサノエート、ポリ3−ヒドロキシヘプタノエート、ポリ3−ヒドロキシオクタノエート、ポリ3−ヒドロキシデカノエート、ポリ3−ヒドロキシドデカノエート)、ポリ4−ヒドロキシアルカノエート(たとえば、ポリ4−ヒドロキシブチレート)、ポリ5−ヒドロキシアルカノエート(たとえば、ポリ5−ヒドロキシペンタノエート)、ポリ6−ヒドロキシアルカノエート(たとえば、ポリ6−ヒドロキシヘキサノエート)およびポリ乳酸が挙げられる。興味深いホモポリマーのもう1つの例は、ポリグリコール酸である(モノマー構造中にカルボニル炭素以外に1個のみの炭素があることから)。
【0044】
特定の実施形態において、PHAはコポリマーであり得る(2以上の異なるモノマー単位を含有する)。PHAコポリマーの例としては、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシペンテノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシバレエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−6−ヒドロキシヘキサノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘプタノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシオクタノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシデカノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシドデカノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシオクタノエート−コ−3−ヒドロキシデカノエート、ポリ3−ヒドロキシデカノエート−コ−3−ヒドロキシオクタノエートおよびポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシオクタデカノエートが挙げられる2つの異なるモノマー単位を有するPHAコポリマーの例が提供されているが、PHAは、2より多い異なるモノマー単位(たとえば、3つの異なるモノマー単位、4つの異なるモノマー単位、5つの異なるモノマー単位、6つの異なるモノマー単位、7つの異なるモノマー単位、8つの異なるモノマー単位、9つの異なるモノマー単位等)を有し得る。
【0045】
特定の実施形態において、PHAは、植物バイオマスおよび/または微生物バイオマス(たとえば、細菌バイオマス、酵母バイオマス、真菌バイオマス)のようなバイオマスから誘導され得る。たとえば、モノマー単位の酵素的重合によって、バイオマス誘導PHAを形成することができる。バイオマスは、1以上の様々な実体の形態であり得る。かかる実体としては、たとえば、PHAを産生する微生物株(たとえば、アルカリゲネス ユウトロファス(Alcaligenes eutrophus)(ラルストニア ユウトロファと改名されている)、バシラス(Bacillus)、アルカリゲネス ラタス(Alcaligenes latus)、アゾトバクター(Azotobacter)、アエロモナス(Aeromonas)、コマモナス(Comamonas)、シュードモナス(Pseudomonads))、好ましくは組換えプラスミドを含有しないPHAを産生する遺伝子改変生物(たとえば、シュードモナス(Pseudomonas)、ラルストニア(Ralstonia)、大腸菌(Escherichia coli)、クレブシェラ(Klebsiella))、PHAを産生する酵母、およびPHAを産生する植物系が挙げられる。かかる実体は、たとえば、リー(Lee)、バイオテクノロジー&バイオエンジニアリング(Biotechnology & Bioengineering)49:1−14(1996);ブローネグ(Braunegg)ら、(1998)、ジャーナル オブ バイオテクノロジー(J.Biotechnology)65:127−161;マディソン L.L.(Madison,L.L.)およびユイスマン G.W.(Huisman,G.W.)(1999)、メタボリック エンジニアリング オブ ポリ(3−ヒドロキシアルカノエーツ):フローム DNA トゥ プラスチック)(Metabolic Engineering of Poly(3−Hydroxyalkanoates):From DNA to Plastic.)マイクロバイオロジー アンド モレキュラー バイオロジー レビューズ(Microbiol.Mol.Biol.Rev.)63,21−53;ならびにスネル(Snell)およびピープルズ(Peoples)2002、メタボリック エンジニアリング(Metabolic Engineering)4:29−40に開示されており、これらは本明細書に参照により援用される。
【0046】
特定の実施形態において、PHAは、アルミノキサン、ジスタノキサン、またはアルコキシ亜鉛およびアルコキシアルミニウム化合物のような様々な触媒または開始剤を使用するβ−ラクトンモノマーの開環重合によるような化学合成によって誘導され得る(アゴスティニ D.E.(Agostini,D.E.)ら、ジャーナル オブ ポリマー サイエンス パート A−1(Polym.Sci.,Part A−1)、9:2775−2787(1971);グロス R.A.(Gross,R.A.)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、21:2657−2668(1988);デュボイス P.I.(Dubois,P.I.)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、26:4407−4412(1993);ラボーグン A.(LeBorgne,A.)およびスパスキー N.(Spassky,N.)、ポリマー(Polymer)、30:2312−2319(1989);タナハシ N.(Tanahashi,N.)およびドイ Y.(Doi,Y.)、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、24:5732−5733(1991);ホリ Y.M.(Hori,Y.M.)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、26:4388−4390(1993);ケムニッツア J.E.(Kemnitzer,J.E.)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、26:1221−1229(1993);ホリ Y.M.(Hori,Y.M.)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、26:5533−5534(1993);ホッキング P.J.(Hocking,P.J.)およびマーチェスソルト R.H.(Marchessault,R.H.)、ポリマー ブリティン(Polym Bull.)、30:163−170(1993)を参照のこと)。また、エステルの縮合重合(ハブス J.C.(Hubbs,J.C.)およびハリソン M.N.(Harrison,M.N.)、米国特許第5,563,239号明細書を参照のこと)、または化学酵素法(シエ(Xie)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、30:6997−6998(1997)を参照のこと)によってPHAを得ることもできる。
【0047】
PHAは、約1,000ダルトン〜約900,000ダルトン(たとえば、約10,000ダルトン〜約500,000ダルトン、約50,000ダルトン〜約250,000ダルトン、約75,000ダルトン〜約150,000ダルトン、約95,000ダルトン〜約115,000ダルトン)の重量平均分子量を有し得る。本明細書で使用される場合、重量平均分子量は、たとえば、PHA試料の溶出剤および希釈剤の両方としてクロロホルムを使用するゲル透過クロマトグラフィーによって決定される。ポリスチレン分子量標準を使用して、分子量を決定するための検量線を作成することができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、相対的に低い分子量のPHAを以下の通りに得ることができる。少なくとも約80,000ダルトン(たとえば、少なくとも約100,000ダルトン、少なくとも約150,000ダルトン、少なくとも約200,000ダルトン、少なくとも約300,000ダルトン、調製された、少なくとも約400,000ダルトン、少なくとも約500,000ダルトン、少なくとも約600,000ダルトン、少なくとも約700,000ダルトン、少なくとも約800,000ダルトン、少なくとも約900,000ダルトン、少なくとも約1,000,000ダルトン、少なくとも約1,500,000ダルトン、少なくとも約2,000,000ダルトン)の重量平均分子量のPHAを調製する(たとえば、上記方法の1つによって)。次いで、PHAからの1以上のモノマー単位の加水分解性開裂が生じ得る間、PHAに酸加水分解反応を受けさせる。1以上のモノマー単位の損失によって、より低分子量のPHA(加水分解反応の開始時に導入されたPHAよりも少ないモノマー単位を有するPHA)の製造が結果として生じ得る。強酸触媒、たとえば、硫酸または塩酸の存在下で、酸加水分解反応を実行することができる。周囲温度、または少なくとも約70℃(たとえば、少なくとも約80℃、少なくとも約90℃、少なくとも約100℃、少なくとも約110℃、少なくとも約120℃、少なくとも約130℃、少なくとも約140℃)の高温で、この反応を実行することができる。任意に、アルコール、ジオールまたはポリオールの存在下で反応を実行することができ、それによって、低分子量のPHAを得ることができる。ここでは、PHAの末端カルボニル基がエステル化され得る。PHAの加水分解反応については、共有の同時係属中の米国特許出願第09/999,782号明細書(発行日:2002年6月6日;米国特許出願公開第2002/0068810A1号明細書)に記載されており、これは本明細書に参照により援用される。
【0049】
いくつかの実施形態において、PHAは、少なくとも約2.0(たとえば、少なくとも約2.1、少なくとも約2.2、少なくとも約2.3、少なくとも約2.4、少なくとも約2.5、少なくとも約2.6、少なくとも約2.7、少なくとも約2.8、少なくとも約2.9)の多分散性度インデックス(PDI)を有し得る。本明細書で言及される場合、PHAの重量平均分子量をPHAの数平均分子量で除算することによって、PHAのPDIを算出する。ゲル透過クロマトグラフィーを使用することによって、PHAの数平均分子量を測定することができる。
【0050】
PHAは、たとえば、約−40℃〜約20℃(たとえば、約−35℃〜約0℃、約−30℃〜約−5℃、約−25℃〜約−10℃)のガラス転移温度(Tg)を有し得る。本明細書で言及される場合、以下の通り、示差走査熱量測定法(DSC)を使用して、PHAのTgを決定する。示差走査熱量測定計において、たとえば、試料を10℃/分で−50℃〜+100℃に加熱する。ガラス転移温度は、DSCの熱容量対温度曲線における屈曲である。
【0051】
PHAは、約5%〜約65%(たとえば、約20%〜約60%、約30%〜約55%、約40%〜約50%)の体積パーセント結晶化度を有し得る。本明細書で言及される場合、PHAの体積結晶化度は、DSCの熱容量対温度曲線に含まれるデータから決定され、PHA試料の結晶質量をPHA試料の全質量で除算することによって算出される。
【0052】
PHA接着組成物は、複数の異なるPHAを含有し得る。いくつかの実施形態において、組成物は、異なるPHA(たとえば、2つの異なるPHA、3つの異なるPHA、4つの異なるPHA、5つの異なるPHA)を含有し得、ここでは、2つのPHAの重量平均分子量の差異が、少なくとも1,000ダルトン(たとえば、少なくとも25,000ダルトン、少なくとも50,000ダルトン、少なくとも75,000ダルトン、少なくとも100,000ダルトン)である。
【0053】
いくつかの実施形態において、PHA接着組成物は、異なるPHA(たとえば、2つの異なるPHA、3つの異なるPHA、4つの異なるPHA、5つの異なるPHA)を含有し得、ここでは、2つのPHAのPDIの差異が、少なくとも0.05(たとえば、少なくとも0.10、少なくとも0.15、少なくとも0.20、少なくとも0.25、少なくとも0.30、少なくとも0.35、少なくとも0.40、少なくとも0.45、少なくとも0.50)である。
【0054】
特定の実施形態において、PHA接着組成物は、PHAに加えて1以上の成分を含有し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、PHA組成物は、多くとも約95重量%(たとえば、多くとも約90重量%、多くとも約80重量%、多くとも約70重量%、多くとも約60重量%、多くとも約50重量%、多くとも約40重量%、多くとも約30重量%、多くとも約20重量%、多くとも約10重量%、多くとも約5重量%、多くとも約2重量%)の1以上の追加成分および/または少なくとも約5重量%のPHA(例えば、少なくとも約10重量%のPHA、少なくとも約20重量%のPHA、少なくとも約30重量%のPHA、少なくとも約40重量%のPHA、少なくとも約50重量%のPHA、少なくとも約60重量%のPHA、少なくとも約70重量%のPHA、少なくとも約80重量%のPHA、少なくとも約90重量%のPHA、少なくとも約95重量%のPHA、少なくとも約98重量%のPHA)を含有し得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、PHA組成物は、1以上の溶媒を含有し得る。たとえば、特定の実施形態において、PHA接着組成物は、多くとも約90重量%の溶媒(たとえば、多くとも約80重量%の溶媒、多くとも約75重量%の溶媒、多くとも約70重量%の溶媒、多くとも約65重量%の溶媒、多くとも約60重量%の溶媒、多くとも約55重量%の溶媒、多くとも約50重量%の溶媒、多くとも約45重量%の溶媒、多くとも約40重量%の溶媒、多くとも約35重量%の溶媒、多くとも約30重量%の溶媒、多くとも約25重量%の溶媒、多くとも約20重量%の溶媒、多くとも約15重量%の溶媒、多くとも約10重量%の溶媒、多くとも約5重量%の溶媒、多くとも約2重量%の溶媒、多くとも約1重量%の溶媒)を含有し得る。
【0056】
一般的に、所望の通りに溶媒を選択することができる。溶媒の例としては、水および有機溶媒が挙げられる。有機溶媒の例としては、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、エーテル、メチル第三級ブチルエーテル(MTBE)、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび2,2,2−トリフルオロエタノールが挙げられる。
【0057】
特定の実施形態において、溶媒は、2以上の溶媒を含む混合溶媒系であり得る。かかる溶媒系としては、均質混合水性溶媒混合物(たとえば、アセトニトリル/水)、均質混合有機溶媒混合物(たとえば、MTBE/酢酸ブチル)、不均質混合有機溶媒混合物(たとえば、ヘプタン/アセトニトリル)、または不均質混合有機溶媒/水混合物(たとえば、コアレッシング溶媒、たとえば、トルエン/水)が挙げられる。
【0058】
特定の実施形態において、PHA接着組成物は、1以上の接着剤添加剤を含有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、PHA接着組成物は、多くとも約95重量%の接着剤添加剤(たとえば、多くとも約90重量%の接着剤添加剤、多くとも約85重量%の接着剤添加剤、多くとも約80重量%の接着剤添加剤、多くとも約75重量%の接着剤添加剤、多くとも約70重量%の接着剤添加剤、多くとも約65重量%の接着剤添加剤、多くとも約60重量%の接着剤添加剤、多くとも約55重量%の接着剤添加剤、多くとも約50重量%の接着剤添加剤、多くとも約45重量%の接着剤添加剤、多くとも約40重量%の接着剤添加剤、多くとも約35重量%の接着剤添加剤、多くとも約30重量%の接着剤添加剤、多くとも約25重量%の接着剤添加剤、多くとも約20重量%の接着剤添加剤、多くとも約15重量%の接着剤添加剤、多くとも約10重量%の接着剤添加剤、多くとも約5重量%の接着剤添加剤、多くとも約1重量%の接着剤添加剤、多くとも0.5重量%の接着剤添加剤)を含有し得、その残部は、1以上のPHA、および任意に1以上の溶媒である。
【0059】
接着剤添加剤の例としては、粘着付与剤(たとえば、炭化水素粘着付与樹脂)が挙げられる。炭化水素粘性付与樹脂は、たとえば、テルペン型樹脂(商品名、ゾノレックス(ZONOREX)、アリゾナ ケミカル カンパニー(Arizona Chemical Company))またはフェノール変性テルペン樹脂(商品名、ピコテックス(PICOTEX)、ヘラクレス コーポレイション(Hercules Corporation))として市販品として入手可能である。
【0060】
特定の実施形態において、PHA接着組成物は、接着組成物の初期強度を改善するために架橋され得る。いくつかの実施形態において、PHA組成物は、架橋剤、および任意に熱または光化学開始剤(たとえば、過酸化ベンゾイル、ベンゾフェノン)を含有し得る。
【0061】
特定の実施形態において、PHA接着組成物は、ワックス(たとえば、12−ヒドロキシステアルアミド)、安定剤(たとえば、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三級ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)ベンゼン)、可塑剤(たとえば、フタレート)、および/または着色剤(たとえば、二酸化チタン)を含有し得る。
【0062】
特定の実施形態において、溶媒にPHAを溶解して、多くとも約50重量%のPHA(例えば、多くとも約45重量%のPHA、多くとも約40重量%のPHA、多くとも約35重量%のPHA、多くとも約30重量%のPHA、多くとも約25重量%のPHA、多くとも約20重量%のPHA、多くとも約15重量%のPHA、多くとも約14重量%のPHA、多くとも約13重量%のPHA、多くとも約12重量%のPHA、多くとも約11重量%のPHA、多くとも約10重量%のPHA、多くとも約9重量%のPHA、多くとも約8重量%のPHA、多くとも約7重量%のPHA、多くとも約6重量%のPHA、多くとも約5重量%のPHA、多くとも約2.5重量%のPHA、多くとも約1重量%のPHA)を含有する溶液を形成することによって、PHA接着組成物を調製することができる。溶媒は、単独溶媒でも、混合溶媒でもあり得る。
【0063】
PHA溶液を基板表面に、(たとえば、機械で、または手で)適用して、基板表面上にPHA溶液の層(たとえば、実質的に均一な層)を形成することができる。いくつかの実施形態において、層は、多くとも約300ミクロン(μ)(たとえば、多くとも約275μ、多くとも約250μ、多くとも約225μ、多くとも約200μ、多くとも約175μ、多くとも約150μ)の厚さを有し得る。
【0064】
次いで、いくつかまたは全ての溶媒を除去し、基板表面上にPHA接着組成物の層を残すことができる。特定の実施形態において、自然エバポレーションによって溶媒除去を実行することができる(たとえば、基板付近から溶媒蒸気の意図的な置換、または強制的なエバポレーションが実質的にない周囲条件下で)。いくつかの実施形態において、基板付近からの溶媒蒸気の意図的な置換によって溶媒の除去を実行することができる(たとえば、空気、または窒素もしくはアルゴンのような不活性気体の直接流によって)。たとえば、多くとも約40℃(たとえば、多くとも約35℃、多くとも約30℃、多くとも約25℃、多くとも約20℃、多くとも約15℃)の温度で、溶媒除去を実行することができる。
【0065】
溶媒除去の範囲を、重量方法(たとえば、基板表面が一定重量に達成するまで、基板表面を乾燥させる)または分光技術(たとえば、基板表面から接着組成物の試料を除去し、そして試料のH NMRスペクトルを得て、溶媒を検出する)によってモニターすることができる。いくつかの実施形態において、PHA接着組成物が、多くとも約10重量%(たとえば、多くとも約9重量%、多くとも約8重量%、多くとも約7重量%、多くとも約6重量%、多くとも約5重量%、多くとも約4重量%、多くとも約3重量%、多くとも約2重量%、多くとも約1重量%、多くとも0.5重量%、多くとも0.1重量%)の溶媒を含有する場合、第2の基板表面との接着結合を形成するために、PHA接着組成物の層を含有する基板表面を使用することができる。
【0066】
特定の実施形態において、2つの基板表面間にPHAを配置し、そして圧力(たとえば、多くとも約10psig、多くとも約5psig、多くとも約1psig)によって、所望の温度(たとえば、多くとも約130℃(例えば、多くとも約120℃、多くとも約110℃、多くとも約100℃、多くとも約90℃、多くとも約80℃)で、ある期間(たとえば、多くとも約30秒、多くとも約20秒、多くとも約15秒、多くとも約10秒、多くとも約5秒、多くとも約1秒)で、表面をプレスすることによって、PHA接着組成物を形成することができる。たとえば、このプロセス間に家庭用アイロンを使用することができる。次いで、プレス加工された基板表面を、ある期間(たとえば、少なくとも約5分、少なくとも約10分、少なくとも約15分)で、冷却(たとえば、多くとも約20℃、多くとも約15℃、多くとも約10℃まで)することができる。次いで、基板表面を分離し、所望の温度(たとえば、少なくとも約20℃、少なくとも約23℃、少なくとも約25℃、少なくとも約27℃)で、ある期間(たとえば、少なくとも約60分、少なくとも約70分、少なくとも約80分、少なくとも約90分、少なくとも約100分)で貯蔵することができる。
【0067】
特定の実施形態において、2つの表面が互いに接着される場合、1つの基板表面を接着組成物によってコートすることができ、そして第2の表面をコートしないことができる。他の実施形態において、両表面を接着組成物によってコートすることができる。
【0068】
特定の実施形態において、水平プラットホームに配置される接触基板表面の領域上に圧力を適用することによって、積層化を実行することができる。例えば、人間の手のひら、手動ローラーまたは機械プレスによって、積層化圧力を適用することができる。
【0069】
それぞれの基板表面は、いずれの物品の上部、側部、底部等に相当し得る。特定の実施形態において、基板表面は、いずれの物品の上部、側部、底部等に固定されるオーバーレイ表面となり得る(たとえば、ボール箱内部または外部をライニング被覆するプラスチックフィルム)。いくつかの実施形態において、積層化される2つの基板表面を同一物品上に配置することができる(たとえば、箱または同様の容器の内容物を封着するために使用される2つのオーバーラップフラップ)。他の実施形態において、積層化される2つの基板表面を2つの別々の物品上に配置することができる。
【0070】
たとえば、マイラ(Mylar)、紙、コート紙、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、PHAフィルム、繊維、不織物または他の物品、ポリ乳酸フィルム、不織物、フードトレーまたは容器、合成生分解性ポリエステルフィルムまたは物品、セロファン、あるいはアルミホイルを含み得る材料によって、基板表面を構成することができる。特定の実施形態において、積層化される2つの基板表面を同一材料から製造することができる。他の実施形態において、2つの基板表面を、異なる材料から製造することができる。
【0071】
以下の実施例は例示であり、限定的に解釈されない。
【実施例】
【0072】
実施例1
表面タックタイム値の決定
アセトンを使用して、13.85gの質量を有する外径38.17mmおよび内径13.41mmの亜鉛めっき鋼洗浄機を溶媒洗浄して表面グリースを除去し、続いて乾燥させた。20℃〜25℃に調節された水平なPHA表面上に鋼洗浄機を静置し、そして60秒間表面上に置いたままにし、その後、PHA表面を反転し、そして洗浄機に関する脱結合に要する時間を測定した。
【0073】
実施例2
PHA接着組成物溶液の調製
1リットルのガラスビーカーにオーバーヘッド撹拌機を備え、そして450gの酢酸ブチルを充填し、次いで25℃で強力に撹拌しながら50gのポリ(R−3−ヒドロキシブチレート コ33.5%4−ヒドロキシブチレート)(Mw=110,000)を数部分に分けて添加する。全てのPHAの溶解が観察されるまで撹拌を続ける。
【0074】
実施例3
DSC(加熱速度、10℃/分)によって測定した場合に+2℃のガラス転移温度および約54%のDSC結晶化度を有するポリR−3−ヒドロキシブチレート コ8%R−3−ヒドロキシバレエート(PHA1)を、ジクロロメタンに溶解し、そしてマイラ(Mylar)ポリエステルフィルム上にキャストし、そして強制エバポレーションによって溶媒を除去した。60分後、100psiの圧力下で10秒間、2枚のPHA1フィルムを一緒に積層化した。積層化温度を60℃まで高めた場合でさえも、2枚のフィルム間に接着が観察されなかった。
【0075】
PHA1の表面タックタイム値は、0秒であった。最初の接触期間に、洗浄機に50gを追加配置して試験を繰返したが、表面タックタイム値は依然として0秒であった。
【0076】
実施例4〜7
ポリR−3−ヒドロキシブチレート コ8%R−3−ヒドロキシバレエート(PHA1)をジクロロメタンに溶解した。この溶液の部分に、50phr(PHAの百分率)および100phrのフォラル(Foral)85(ヘラクレス パウダー カンパニー(Hercules Powder Co))、水素化木材ロジンのグリセロールエステル、ならびにフォラル(Foral)105(ヘラクレス パウダー カンパニー(Hercules Powder Co))、水素化木材ロジンのペンタエリスリトールエステルを添加した。マイラ(Mylar)ポリエステルフィルム上にフィルムをキャストし、そして強制エバポレーションによって溶媒を除去した。これらをそれぞれ実施例4、5、6および7と指定した。60分後、100psiの圧力下で10秒間、25℃で、2枚のフィルムを一緒に積層化した。これらの組成物のいずれに関しても、無視できる接着が観察された。
【0077】
PHA1の表面タックタイム値は、0秒であった。最初の接触期間に、洗浄機に50gを追加配置して試験を繰返したが、表面タックタイム値は依然として0秒であった。
【0078】
実施例8〜9
−60℃のガラス転移温度および50%のDSC結晶化度を有する、ユニオン カーバイド(Union Carbide)からのトーン(Tone)85、ポリカプロラクトンポリマー(PHA2)をジクロロメタンに溶解した。この溶液の部分に、0phrおよび50phrのフォラル(Foral)105(ヘラクレス パウダー カンパニー(Hercules Powder Co))、水素化木材ロジンのペンタエリスリトールエステルを添加した。マイラ(Mylar)ポリエステルフィルム上にフィルムをキャストし、そして強制エバポレーションによって溶媒を除去した。これらをそれぞれ実施例8および9と指定した。60分後、50psiの圧力下で10秒間、25℃で、2枚のフィルムを一緒に積層化した。これらの組成物のいずれに関しても、無視できる接着が観察された。
【0079】
PHA2の表面タックタイム値は、0秒であった。最初の接触期間に、洗浄機に50gを追加配置して試験を繰返したが、表面タックタイム値は依然として0秒であった。
【0080】
実施例10
DSCによって測定した場合に−35℃のガラス転移温度および15%のDSC結晶化度を有するポリR−3−ヒドロキシオクタノエート(PHA3)を、ジクロロメタンに溶解し、そしてマイラ(Mylar)ポリエステルフィルム上にキャストし、そして強制エバポレーションによって溶媒を除去した。指で触れた時に、フィルム表面に粘着性はなかった。60分後、100psiの圧力下で10秒間、2枚のPHA3フィルムを一緒に積層化し、適度に強力な結合が形成された。積層化前にフィルムを2時間乾燥させた後でさえも、容認できる結合を形成することができた。
【0081】
PHA3の表面タックタイム値は、2.5秒であった。
【0082】
実施例11
−35℃のガラス転移温度を有するポリR−3ヒドロキシオクタノエート(PHA4)の乳濁液を、紙上にキャストし、そして強制エバポレーションによって水を除去した。指で触れた時に、フィルム表面に粘着性はなかった。2時間後、100psiの圧力下で10秒間、2枚のPHA4フィルムを一緒に積層化した。強力な結合が形成して、紙の破損が生じた。
【0083】
PHA4の表面タックタイム値は、1.5秒であった。
【0084】
実施例12
90℃で5秒間、2枚のPTFEシート間でポリマーをプレスして、続いて15℃で10分間冷却することによって、ポリR−3−ヒドロキシオクタノエート(PHA5)のフィルムを得た。指で触れた時に、フィルム表面に粘着性はなかった。100psiの圧力下で10秒間、一緒に積層化する前に、さらに60分間、25℃でPHA5フィルムを貯蔵した。フィルムを分離することはできなかった。
【0085】
PHA5の表面タックタイム値は、1.7秒であった。
【0086】
実施例13
120℃で5秒間、2枚のPTFEシート間でポリマーをプレスして、続いて15℃で10分間冷却することによって、DSCによって測定した場合に−14℃のガラス転移温度および36%のDSC結晶化度を有するポリR−3−ヒドロキシブチレート コ20%4−ヒドロキシブチレート(PHA6)のフィルムを得た。指で触れた時に、フィルム表面に粘着性はなかった。50psiの圧力下で10秒間、一緒に積層化する前に、さらに60分間、25℃でPHA6フィルムを貯蔵した。フィルムを分離することはできなかった。
【0087】
PHA6の表面タックタイム値は、2秒であった。
【0088】
実施例14
100℃で5秒間、2枚のPTFEシート間でポリマーをプレスして、続いて15℃で10分間冷却することによって、DSCによって測定した場合に−26℃のガラス転移温度および15%のDSC結晶化度を有するポリR−3−ヒドロキシブチレート コ35%4−ヒドロキシブチレート(PHA7)のフィルムを得た。最初に指で触れた時に、フィルムは極めてわずかに粘着性を有したが、次の15分間でこれは消滅した。軽い手の圧力下で10秒間、一緒に積層化する前に、さらに60分間、25℃でPHA7フィルムを貯蔵した。フィルムを分離することはできなかった。
【0089】
PHA7の表面タックタイム値は、1秒であった。
【0090】
実施例15
DSCによって測定した場合に−26℃のガラス転移温度を有する、ポリR−3−ヒドロキシブチレート コ35%4−ヒドロキシブチレート(PHA8)を酢酸エチルに溶解し、そしてマイラ(Mylar)ポリエステルフィルム上にキャストし、そして強制エバポレーションによって溶媒を除去した。60分後、50psiの圧力下で10秒間、2枚のPHA8フィルムを一緒に積層化した。フィルムを分離することはできなかった。
【0091】
PHA8の表面タックタイム値は、3.5秒であった。
【0092】
実施例16
140℃で5秒間、2枚のPTFEシート間でポリマーをプレスして、続いて15℃で10分間冷却することによって、DSCによって測定した場合に−10℃のガラス転移温度およびGPCによって測定した場合に352,000のポリスチレン当量重量平均分子量を有するポリR−3−ヒドロキシブチレート コ14%4−ヒドロキシブチレート(PHA9)のフィルムを得た。最初に指で触れた時に、フィルムは極めてわずかに粘着性を有したが、次の15分間でこれは消滅した。100psiの圧力下で10秒間、一緒に積層化する前に、さらに60分間、25℃でPHAフィルムを貯蔵した。フィルムを分離することはできなかった。20psiの圧力下で5秒間、PHAを積層化した場合、フィルムを分離することができた。
【0093】
PHA9の表面タックタイム値は、0.5秒であった。
【0094】
実施例17
140℃で5秒間、2枚のPTFEシート間でポリマーをプレスして、続いて15℃で10分間冷却することによって、DSCによって測定した場合に−10℃のガラス転移温度およびGPCによって測定した場合に98,000のポリスチレン当量重量平均分子量を有するポリR−3−ヒドロキシブチレート コ14%4−ヒドロキシブチレート(PHA10)のフィルムを得た。最初に指で触れた時に、フィルムは極めてわずかに粘着性を有したが、次の15分間でこれは消滅した。20psiの圧力下で5秒間、一緒に積層化する前に、さらに60分間、25℃でPHAフィルムを貯蔵した。フィルムを分離することはできなかった。
【0095】
PHA10の表面タックタイム値は、1秒であった。
【0096】
実施例18
分子量(Mw)110,000の、66.5%の3Rヒドロキシブチレートと33.5%の4ヒドロキシブチレートとを含むPHAポリマーを、酢酸ブチルに溶解して、13%w/wポリマー含有量の溶液を作製した。きざみ付きバーを使用して、溶液を未処理PETフィルムに適用し、均一な200ミクロン湿潤フィルムを提供した。20℃〜25℃で自然エバポレーションによって溶媒を除去した。24時間後、コートされたPET試料において溶媒を検出することはできなかった。触ってみると、PHAフィルムは粘着性がなかった。PHAがコートされたPETフィルム2枚を穏やかに接触させた(接触圧力は<1psiと推測される)直後に、PHAフィルム間の接着が観察された。フィルムを10日間老化させた後さえも、良好な自着性が観察された。
【0097】
実施例19
実施例18の通りであるが、分子量(Mw)350,000の、70%の3Rヒドロキシブチレートと30%の4ヒドロキシブチレートとを含むPHAを、酢酸ブチルに溶解して、10%固体含有量の溶液を作製した。フィルムを20℃〜25℃で24時間老化させた後、PHAフィルム間の良好な自着性が観察された。
【0098】
実施例20
実施例18の通りであるが、分子量(Mw)850,000の、78%の3Rヒドロキシブチレートと22%の4ヒドロキシブチレートとを含むPHAを、アセトンに溶解して、8%固体含有量の溶液を作製した。フィルムを60分間乾燥させた後、自着性が観察されたが、24時間後に試験した時には自着性が失われていた。
【0099】
実施例21
実施例18の通りであるが、PETフィルムをUCBによって供給されたセロファンフィルムに置き換えた。フィルムを20℃〜25℃で10日間老化させた後、優れた自着性が観察された。
【0100】
実施例22
分子量(Mw)110,000の、66.5%の3Rヒドロキシブチレートと33.5%の4ヒドロキシブチレートとを含むPHAポリマーを、酢酸ブチルに溶解して、13%w/wポリマー含有量の溶液を作製した。きざみ付きバーを使用して、溶液をプラスチックフィルムに適用し、均一な200ミクロン湿潤フィルムを提供した。20℃〜25℃で自然エバポレーションによって溶媒を除去した。
【0101】
コールドシール接着:非常に軽い手の圧力(<2psi)を使用する、未コートフィルムの一片への、接着剤がコートされたフィルムの積層化。積層化の直後、接着結合の強度を評価した。結果を表1にまとめる。
【0102】
【表1】

【0103】
実施例23
分子量(Mw)110,000の、66.5%の3Rヒドロキシブチレートと33.5%の4ヒドロキシブチレートとを含むPHAポリマーを、酢酸ブチルに溶解して、13%w/wポリマー含有量の溶液を作製した。きざみ付きバーを使用して、溶液をプラスチックフィルムに適用し、均一な200ミクロン湿潤フィルムを提供した。20℃〜25℃で自然エバポレーションによって溶媒を除去した。ヒートシール接着:セッティング2(表面温度70℃〜80℃)に設定された家庭用アイロンおよび軽い手の圧力(<5psi)を使用する、未コートフィルムの一片への、接着剤がコートされたフィルムの積層化。積層化の直後、接着結合の強度を評価した。結果を表2にまとめる。
【0104】
【表2】

【0105】
実施例24
分子量(Mw)110,000の、66.5%の3Rヒドロキシブチレートと33.5%の4ヒドロキシブチレートとを含むPHAポリマーを、酢酸ブチルに溶解して、13%w/wポリマー含有量の溶液を作製した。きざみ付きバーを使用して、溶液を架橋ポリシロキサンコートリリース紙に適用し、均一な200ミクロン湿潤フィルムを提供した。20℃〜25℃で自然エバポレーションによって溶媒を除去した。温アイロンを使用して乾燥フィルムを紙ホイルに積層化し、そしてリリース紙を取外して、接着剤がコートされた紙基板を作製した。次いで、ラベリングプロセスを真似て、未処理PET、セロファン、PLA、アルミホイル、ガラスを含む様々な基板に、コート紙を加熱積層化した。全ての場合において、良好な接着が観察され、15〜30分間で結合が仕上げられた後に粘着性が喪失した。分解された試料の紙表面に温アイロンを適用することによって、2枚の基板間に再接着が生じ、これは最初の結合と同等の接着性を有した。
【0106】
他の実施形態は、特許請求の範囲にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多くとも約15秒の表面タックタイム値を有するPHAを含む接着組成物であって、多くとも約100psigの圧力に暴露された時、表面またはそれ自体と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る接着組成物。
【請求項2】
前記接着組成物は、多くとも約5秒の表面タックタイム値を有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項3】
前記接着組成物は、多くとも約1秒の表面タックタイム値を有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項4】
前記圧力は、多くとも約50psigである、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項5】
前記圧力は、多くとも約10psigである、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項6】
前記圧力は、多くとも約1psigである、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項7】
前記剥離結合強度は、少なくとも約100Nm−2である、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項8】
前記剥離結合強度は、少なくとも約500Nm−2である、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項9】
PHAに対する溶媒をさらに含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項10】
前記接着組成物は、多くとも約90重量%の溶媒を含む、請求項9に記載の接着組成物。
【請求項11】
前記接着組成物は、多くとも約80重量%の溶媒を含む、請求項9に記載の接着組成物。
【請求項12】
前記接着組成物は、多くとも約75重量%の溶媒を含む、請求項9に記載の接着組成物。
【請求項13】
前記接着組成物は、多くとも約50重量%の溶媒を含む、請求項9に記載の接着組成物。
【請求項14】
前記接着組成物は、多くとも約35重量%の溶媒を含む、請求項9に記載の接着組成物。
【請求項15】
前記接着組成物は、多くとも約1重量%の溶媒を含む、請求項9に記載の接着組成物。
【請求項16】
前記溶媒は、有機溶媒を含む、請求項9に記載の接着組成物。
【請求項17】
前記溶媒は、水性溶媒を含む、請求項9に記載の接着組成物。
【請求項18】
混合溶媒系をさらに含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項19】
前記混合溶媒系は、水と水非混和性有機溶媒とを含む、請求項18に記載の接着組成物。
【請求項20】
前記PHAは、約1,000ダルトン〜約900,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項21】
前記PHAは、約−40℃〜約20℃のガラス転移温度を有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項22】
前記PHAは、約5%〜約65%の結晶化度を有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項23】
前記組成物は、少なくとも約10分のオープンタイムを有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項24】
前記組成物は、少なくとも約100分のオープンタイムを有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項25】
前記組成物は、少なくとも約200分のオープンタイムを有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項26】
前記接着組成物は、接着剤添加剤を実質的に含まない、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項27】
前記接着組成物は、多くとも約95重量%の接着剤添加剤を含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項28】
前記接着組成物は、多くとも約50重量%の接着剤添加剤を含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項29】
前記接着組成物は、多くとも約10重量%の接着剤添加剤を含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項30】
前記接着組成物は、多くとも約1重量%の接着剤添加剤を含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項31】
前記接着添加剤は、粘着付与剤、架橋剤、開始剤、着色剤、ワックス、安定剤および可塑剤よりなる群から選択される、請求項26に記載の接着組成物。
【請求項32】
前記接着組成物は、少なくとも約5重量%のPHAを含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項33】
前記接着組成物は、少なくとも約10重量%のPHAを含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項34】
前記接着組成物は、少なくとも約25重量%のPHAを含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項35】
前記接着組成物は、少なくとも約50重量%のPHAを含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項36】
前記接着組成物は、少なくとも2つの異なるPHAを含む、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項37】
前記PHAの一つは、第1の重量平均分子量を有し、異なるPHAは、第2の重量平均分子量を有し、第1の重量平均分子量と第2の重量平均分子量との間の差異が、少なくとも約1,000ダルトンである、請求項36に記載の接着組成物。
【請求項38】
前記第1の重量平均分子量と前記第2の重量平均分子量との間の差異は、少なくとも約50,000ダルトンである、請求項37に記載の接着組成物。
【請求項39】
前記第1の重量平均分子量と前記第2の重量平均分子量との間の差異は、少なくとも約100,000ダルトンである、請求項37に記載の接着組成物。
【請求項40】
前記PHAは、少なくとも約2の多分散性インデックスを有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項41】
前記PHAは、少なくとも約2.2の多分散性インデックスを有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項42】
前記PHAは、少なくとも約2.5の多分散性インデックスを有する、請求項1に記載の接着組成物。
【請求項43】
表面を有する基板と、
PHAを含む組成物と
を含む物品であって、
前記組成物は、基板の表面によって支持されており、前記組成物は、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有し、そして多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、前記組成物は、第2の基板の表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る物品。
【請求項44】
前記剥離結合強度は、少なくとも約100Nm−2である、請求項43に記載の物品。
【請求項45】
前記圧力は、多くとも約50psigである、請求項43に記載の物品。
【請求項46】
前記組成物は、少なくとも2つの異なるPHAを含む、請求項43に記載の物品。
【請求項47】
前記PHAの一つは、第1の重量平均分子量を有し、異なるPHAが第2の重量平均分子量を有し、第1の重量平均分子量と第2の重量平均分子量との間の差異が、少なくとも約1,000ダルトンである、請求項46に記載の物品。
【請求項48】
前記組成物は、少なくとも約70分のオープンタイムを有する、請求項43に記載の物品。
【請求項49】
前記PHAは、約1,000ダルトン〜約900,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項43に記載の物品。
【請求項50】
前記PHAは、約−40℃〜約20℃のガラス転移温度を有する、請求項43に記載の物品。
【請求項51】
前記PHAは、約5%〜約65%の結晶化度を有する、請求項43に記載の物品。
【請求項52】
表面を有する基板と、
PHAを含む組成物と
を含む物品であって、
前記組成物は、基板の表面によって支持されており、前記組成物は、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有し、前記組成物は少なくとも約70分のオープンタイムを有する物品。
【請求項53】
前記組成物は、少なくとも約100分のオープンタイムを有する、請求項52に記載の物品。
【請求項54】
前記組成物は、少なくとも約200分のオープンタイムを有する、請求項52に記載の物品。
【請求項55】
前記組成物は、少なくとも2つの異なるPHAを含む、請求項52に記載の物品。
【請求項56】
前記PHAの一つは第1の重量平均分子量を有し、異なるPHAが第2の重量平均分子量を有し、第1の重量平均分子量と第2の重量平均分子量との間の差異が、少なくとも約1,000ダルトンである、請求項55に記載の物品。
【請求項57】
前記PHAは、約1,000ダルトン〜約900,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項52に記載の物品。
【請求項58】
前記PHAは、約−40℃〜約20℃のガラス転移温度を有する、請求項52に記載の物品。
【請求項59】
前記PHAは、約5%〜約65%の結晶化度を有する、請求項52に記載の物品。
【請求項60】
表面を有する基板と、
約1,000ダルトン〜約900,000ダルトンの重量平均分子量を有するPHAを含む接着組成物と
を含む物品であって、
前記組成物は、基板の表面によって支持されており、多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、前記接着組成物は、表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る物品。
【請求項61】
前記PHAの重量平均分子量が、約10,000ダルトン〜約500,000ダルトンである、請求項60に記載の物品。
【請求項62】
前記PHAの重量平均分子量が、約50,000ダルトン〜約250,000ダルトンである、請求項60に記載の物品。
【請求項63】
前記PHAの重量平均分子量が、約75,000ダルトン〜約115,000ダルトンである、請求項60に記載の物品。
【請求項64】
表面を有する基板と、
約5%〜約65%の結晶化度を有するPHAを含む組成物と
を含む物品であって、
前記組成物は基板の表面によって支持されており、多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、前記接着組成物は表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る物品。
【請求項65】
前記PHAは、約45%未満の結晶化度を有する、請求項64に記載の物品。
【請求項66】
前記PHAは、約5%〜約40%の結晶化度を有する、請求項64に記載の物品。
【請求項67】
表面を有する基板と、
約−40℃〜約20℃のガラス転移温度を有する少なくとも1つのPHAを含む組成物と、
を含む物品であって、
前記組成物は基板の表面によって支持されており、多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、前記接着組成物が表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る物品。
【請求項68】
前記PHAのガラス転移温度が、約−10℃〜約−35℃である、請求項67に記載の物品。
【請求項69】
前記PHAのガラス転移温度が、約−10℃〜約−25℃である、請求項67に記載の物品。
【請求項70】
PHAとPHAに対する溶媒とを含有する組成物を、物品の表面に接触させる工程と、
前記組成物を処理して、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有する層を形成する工程と
を含む方法であって、
多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、前記層は、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る方法。
【請求項71】
プレス加工PHAを形成するように、少なくとも2つの表面間でPHAをプレスする工程と、
多くとも約15秒の表面タックタイム値を有するプレス加工PHAを暴露するように、表面を分離する工程と
を含む方法であって、
多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、前記プレス加工PHAは表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る方法。
【請求項72】
第1の重量平均分子量を有する第1のPHAと、
第2の重量平均分子量を有する第2のPHAと
を含む接着組成物であって、
第1の重量平均分子量と第2の重量平均分子量との間の差異が、少なくとも約1,000ダルトンであり、多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、前記接着組成物が表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る接着組成物。
【請求項73】
表面を有する基板と、
基板の表面によって支持された接着組成物と
を含む物品であって、
前記接着組成物は、
第1の重量平均分子量を有する第1のPHAと、
第2の重量平均分子量を有する第2のPHAと
を含み、
第1の重量平均分子量と第2の重量平均分子量との間の差異が、少なくとも約1,000ダルトンであり、そして多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、前記接着組成物は表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る物品。
【請求項74】
第1のPHAと、
第2のPHAと
を含む接着組成物であって、
第1のPHAが、少なくとも約2の多分散性インデックスを有し、多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、前記接着組成物は表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る接着組成物。
【請求項75】
表面を有する基板と、
基板の表面によって支持された接着組成物と
を含む物品であって、
前記接着組成物は、
第1のPHAと、
第2のPHAと
を含み、
第1のPHAが、少なくとも約2の多分散性インデックスを有し、多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、前記接着組成物は、表面と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る物品。

【公表番号】特表2006−519293(P2006−519293A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503727(P2006−503727)
【出願日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/004992
【国際公開番号】WO2004/076583
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505045469)メタボリックス インコーポレイティッド (7)
【Fターム(参考)】