説明

PHBおよびその共重合体の物理機械的性質および加工性を改善するための可塑剤としての脂肪アルコールの使用

本発明は、(i)PHB(但し、PHBおよびそのPHB共重合体は、予め乾燥しまたは乾燥していない濃縮セル材料を、十分な溶媒、特に、高級アルコール(好ましくは炭素数が3個より多い鎖を有するもの)、またはその任意の他の酢酸塩、好ましくはイソアミルアルコール、酢酸アミル、イソ酢酸アミルまたはブラジル特許PI9302312−0(2002年4月30日公開)に記載されたようなフーゼル油、に混合することを特徴とする、バイオポリマー抽出法によって製造される)と、(ii)a)飽和またはオレフィン性不飽和の直鎖状または分枝状であってよい、鎖長が炭素数6〜30(C6〜C30)の脂肪アルコール、および、b)飽和またはオレフィン性不飽和の直鎖状または分枝状であってよい炭素数6〜24の脂肪酸のグリセロールエステルと、必要に応じ、(iii)ヒンダードフェノールとしての第一抗酸化剤;有機ホスファイトとしての第二抗酸化剤;ラクトンとしての熱安定剤;核剤としてのソルビトールおよび安息香酸ナトリウム、並びに充填剤としてデンプン、木粉、ケーンバガス繊維、米鞘繊維およびサイザル繊維により構成される熱安定化系によって構成される添加剤を含んでなる可塑化ポリマー組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
加工性と物理機械的性質を改善するために、PHBおよびその共重合体組成物中の可塑剤として、脂肪アルコールをグリセロール脂肪エステルと共にまたはこれを伴わずに使用する。ドライブレンド系中で混合することにより、該可塑剤をPHBおよびその共重合体中に組み込む。
【背景技術】
【0002】
現在、世界中の産業において、環境に悪性の方法によらずに再生可能な原材料とエネルギー源を使用する生分解性および生体適合性の材料を製造する必要が知られている。
【0003】
市場でより成功している生分解性の生体高分子の用途は、農薬および化粧品の包装、並びに薬剤用途のような使い捨て材料である。
【0004】
重要な生分解性生体高分子の群はポリヒドロキシアルカン酸(PHA)である。それらは多くの微生物天然合成によって作られるポリエステルである。文献には170を超える微生物が存在し、PHAの商業上の長所は、生分解の品質だけでなく熱力学的性質と低い製造コストにも関連する。
【0005】
最も代表的なPHA:PHB(ポリ−3−ヒドロキシ絡酸)、PHB−V(ポリ(ヒドロキシ絡酸−co−ヒドロキシ吉草酸))、P4HB(ポリ−4−ヒドロキシ絡酸)、P3HB4HB(ポリ(3−ヒドロキシ絡酸−co−4−ヒドロキシ絡酸))および任意のPHAmcl(中鎖ポリヒドロキシアルカン酸)、並びにPHHx(ポリヒドロキシヘキサン酸)は、上記群の典型的な生体高分子である。PHAの化学構造は、下記の反復単位:
【化1】

〔式中、Rは鎖長が可変のアルキル基である。上記ポリマー中のmおよびnは整数であり、RおよびMは下記の値を有する。
PHB:R=CH3,m=1
PHB−V:R=CH3またはCH3−CH2−,m=1
P4HB:R=H,m=2
P3HB−4HB:R=HまたはCH3,m=1または2
PHHx:R=CH3−CH2−CH2−,m=1〕
で作られるポリマー鎖として記述できる。
【0006】
多くのPHAは、良好な加工性のための多すぎる改質剤がなくても、押出機、通常の射出成形で加工できる。また、食品産業用包装のような用途のためのキャストおよび被覆フィルム系でこれらのポリマーを加工することが可能である。
【0007】
開発レベルに応じて、個人衛生用の高速排出および厚みの小さなパックを作るために、これらのポリマーを使用することができる。本質的な生分解性を要する場合でさえ、PHAが、コンポステージパック、ゴルフトップ、釣り物品および他の物のように、限定されない分野で取り扱われるプラスチック材料において、直接、技術的および商業ベースの適用態様を有していることは明らかである。
【0008】
農産業において、フラワーポット、森林再生用小管、プランテーション被覆フィルムおよび主として栄養素、除草剤、殺虫剤その他のための放出系を制御に、PHAを適用できる。
【0009】
生物医学的用途に関しては、放出を制御する化合物用のマイクロカプセル封入、医療縫合および骨折固定ピンにおいて、PHAを使用できる。
過去20年における自然科学とりわけ生命工学の偉大なる発展により、PHAの商業生産において、天然または遺伝子的に改質された多くの微生物を使用できるようになった。
【0010】
米国特許US−3107172号に説明されたように、細菌性セル「インナチュラ」(PHA溶剤なし)を用いて、成形材料のように多くの応用がなされてきたが、PHAの商業的用途には、ほとんどの場合、良好なプラスチック特性のために高純度レベルを要した。PHA抽出のための溶媒の利用、および十分な加工性純度レベルのための残存バイオマスの回復は、極めて重要である。
【0011】
特許EP−A−01455233A2号には、非PHA物質可溶化のために酵素または界面活性剤を用いて、PHA水性懸濁液によりセルを消化し得る手順がいくつか記載されている。この特許は、溶媒抽出法に関して、高騰する製造コストのため制約の可能性を示している。しかし、高純度の生成物が必要な場合、溶媒工程を省いていない。
【0012】
PHA抽出および細菌バイオマス回復のための文献に頻出する有機溶媒抽出法では、クロロホルム(特許US−3275610号)、エタノール/メタノール塩素(US−3044942号)、沸点が65〜170℃のクロロエタンおよびクロロプロパン、1,2−ジクロロエタンおよび1,2,3−トリクロロプロパン(特許EP−0014490B1号およびEP2446859号)のような、部分ハロゲン化炭化水素溶媒を利用する。
【0013】
ジクロロメタン、ジクロロエタンおよびジクロロプロパンのような、やはりハロゲン化された他の資源は、米国特許US−4.562.245(1985)、US−4.310.684(1982)、US−4.705.604(1987)および欧州特許O36.699(1981)およびドイツ特許239.609(1986)に挙げられている。
【0014】
ハロゲン化溶媒を用いるバイオマスの生体高分子抽出および精製法は、今日、完全に禁止されている。それらはヒトの健康と環境に対して極めて攻撃的である。従って、PHA抽出および精製のための溶媒は、第一に、環境に優しくなければならない。
【0015】
従って、どの製造段階においても、環境に有害な資源の使用は避けなくてはならない。また、製造工程で用いられるエネルギー源は、再生可能なエネルギー源に起因しなければならない。環境影響の小さいプラスチックが無意味であるのは、例えば、再生可能でない資源しか製造に使用しない場合である。この問題への大変興味深い取り組みは、農産業、とりわけ糖およびアルコール産業にとってのバイオプラスチック産生鎖の全取り込みである(Nonato,R.V.,Mantelatto,P.E.,Rossell,C.E.V.,「生分解性プラスチック(PHB)、糖およびエタノールの一貫生産」,Appl.Microbiol.Biotechnology.57巻:1−5頁,2001年)。
【0016】
米国特許第6,127,512号は、約470,000より大きな分子量(Mw)を有するポリヒドロキシアルカン酸(PHA)と、下記からなる群から選択される可塑化量の少なくとも1つの可塑剤を含んでなるポリエステルペレット組成物を開示する。
【0017】
A.高沸点エステルであって、下記から選択されるもの
・式:
【化2】

〔式中、R1はC1〜20アルキル、シクロアルキルまたはベンジルである〕
のフタレートおよびイソフタレート;
(ii)式:
【化3】

〔式中、R1は水素またはC1〜10アルキルであり、R2はC1〜10アルキル、C1〜10アルコキシまたはC1〜10アルコキシアルキルである〕
のシトレート;
【0018】
・式:R1−O−C(O)−(CH2)4−C(O)−OR2
〔式中、R1およびR2は、同一または異なっていてよく、C2〜12アルキルまたはC2〜12アルコキシアルキルである〕
のアジペート;
・式:
R1−C(O)−(CH2)8−C(O)−O−R1
〔式中、R1はC2〜15アルキルまたはC2〜15アルコキシアルキルである〕
のセバケート;
・式:
R1−O−C(O)−(CH2)7−C(O)−R1
〔式中、R1はC2〜12アルキル、ベンジルまたはC2〜12アルコキシアルキルである〕
のアゼレート;
【0019】
B.式:
R2−(O)−CH2−CH2)n−O−R1
〔式中、R1はアルキルまたは−C(O)−アルキルであり、R2はアルキルであり、nは2〜100であるか;または
式中、R1は水素であり、以下のいずれかである:R2はアルキルフェニル(アルキルはC2〜12アルキルである)であり、nは1〜100であるか;またはR2はCH3−(CH2)10−C(O)−であり、nは5,10であるか、またはR2はCH3−(CH2)7CH=CH−(CH2)7−C(O)−であり、nは5または15である〕
のアルキルエーテル/エステル;
【0020】
C.式:
CH3−(CH2)n−A−(CH2)n−R
〔式中、Aは一以上の二重結合(即ち不飽和脂肪酸)を含有するアルケンであり、nは1〜25であり、RはC2〜15アルキルである〕
のエポキシ誘導体;または
鎖長C6〜26の脂肪酸鎖あたり一以上の二重結合を含有するトリグリセリドのエポキシ誘導体。
【0021】
D.ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノラウレート、ポリ(オキシエチレン)(4)ラウリルエーテル、およびブチルアセチルリシノレートからなる群から選択される置換脂肪酸;および
【0022】
E.式:
−O−C(O)−R1−C(O)−O−R2−O−
〔式中、R1およびR2は、いずれも独立して、C2〜12アルキレンであるか、またはR2はジオールに由来してよい〕
のポリマーエステル。
【0023】
この上記特許に関係する他の特許:WO9923146A1、AU1281499A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の目的は、PHBおよびその共重合体用の可塑剤組成物を提供し、加工されたPHBおよびその共重合体の物理/機械的性質を改善することである。PHBは、ポリヒドロキシ絡酸樹脂、生分解性ポリマーと定義される。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明によると、この目的は、
(i)PHB(但し、PHBおよびそのPHB共重合体は、予め乾燥しまたは乾燥していない濃縮セル材料(cellular material)を、十分な溶媒、特に、高級アルコール(好ましくは炭素数が3個より多い鎖を有するもの)、またはその任意の他の酢酸塩、好ましくはイソアミルアルコール、酢酸アミル、イソ酢酸アミルまたはブラジル特許PI9302312−0(2002年4月30日公開)に記載されたようなフーゼル油、に混合することを特徴とする、バイオポリマー抽出法によって製造される)と、
(ii)a)飽和またはオレフィン性不飽和の直鎖状または分枝状であってよい、鎖長が炭素数6〜30(C6〜C30)の脂肪アルコール、および、b)飽和またはオレフィン性不飽和の直鎖状または分枝状であってよい炭素数6〜24の脂肪酸のグリセロールエステルと
を含んでなる可塑剤組成物によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
PHBおよびその共重合体と可塑剤として使用する脂肪アルコールおよびグリセロールエステルとのドライブレンド組成物は、撹拌下で可塑剤をゆっくり添加しながら、PHBおよびその共重合体をドライブレンド混合機中、90℃で5分間混合することによって容易に調製される。
【0027】
ある態様では、本発明の可塑剤組成物は、化合物(i)および(ii)を、化合物(i)と(ii)の重量比が95:5〜50:50の範囲内、特に90:10〜75:25の範囲内である量で含有する。
【0028】
本発明はまた、
a)鎖長が炭素数6〜30(C6〜C30)の飽和またはオレフィン性不飽和の直鎖状または分枝状である脂肪アルコールと、
b)飽和またはオレフィン性不飽和の直鎖状または分枝状であってよい炭素数6〜24の脂肪酸のグリセロールエステル
によって構成される可塑剤(ii)を含んでなる組成物の使用にも関する。
【0029】
上記にも述べたように、本発明の組成物は、好ましくは化合物(a)と(b)を、化合物(a)と(b)の重量比が100:0または95:5または75:25ないし50:50の範囲内、とりわけ100:0ないし75:25の範囲内である量で含有する。もっぱら化合物(a)と(b)のみを含有する上記可塑剤組成物が好ましい。
【0030】
本発明に提供されるPHBおよびその共重合体は、一般式:
【化4】

〔式中、Rは可変長のアルキル基であり、mおよびnは整数であり、PHBおよびその共重合体について、Rおよびmは下記値を有する:
PHB:R=CH,m=1
PHB−V:R=CHまたはCH−CH−,m=1
P4HB:R=H,m=2
P3HB〜4HB:R=HまたはCH,m=1または2
PHHx:R=CH−CH−CH−,m=1〕
で示され、300,000〜1,000,000のMwを有する。
【0031】
本発明に従って用いられる好適なポリマーは、400,000〜800,000の分子量を有する純粋なPHBである。
【0032】
本発明によると、PHBおよびその共重合体は、ハロゲン化溶媒を使用せずに溶媒抽出法を利用する方法に由来する(ブラジル特許PI9302312−0)。
【0033】
抽出法では、炭素数が3個より多い鎖長を有する高級アルコールまたはアセテート誘導体を利用する。好ましくは、イソアミルアルコール(3−メチル−1−ブタノール)、酢酸アミルおよびフーゼル油またはアルコール発酵法からの副生成物(主成分はイソアミルアルコールである)としての高級アルコール混合物である。
【0034】
プロセスは連続法または断続法で行うことができ、いずれの場合も、バイオポリマー含有セルは、一段階法を特徴とする単一溶媒による方法である。
【0035】
この方法では、予め乾燥しまたは乾燥していない濃縮セル材料を、十分な溶媒、高級アルコールおよび/またはそのエステルによる抽出に付する。その後、通常の機械的手法(沈殿、浮遊、濾過、遠心、またはこれらの方法を組み合わせることもできる)によってセル残渣を分離して、ケークおよびポリマー含有溶液を得る。後者を、溶解を妨げる剤が存在しなくてもポリマーが溶媒中に溶解しなくなる結晶化段階に付する。結晶化は、溶媒を除去すること(例えば、蒸発)によって、該方法の温度低下による溶液の飽和に関連して或いはこれと関連せずに、溶液中のポリマー濃度の上昇によって起こり得る。いずれの場合でも、溶解防止剤を添加せることなく、ポリマーは溶液中に凝固し、次いで、上述したような通常の機械的分離によって溶液から回収できる。従って、分離された溶液を、抽出段階へ直接再利用してよい。
【0036】
ポリマーの乾燥および抽出は、十分な溶媒を選択する場合には、単一段階で行うことができるが、そのような溶媒は水に不溶であるか、または部分的に水に不溶であって、例えばイソアミルアルコールが挙げられる;混合物をその沸点で抽出中に蒸留することによって水を除去し得る。その後、蒸留した材料を冷却して2相を形成し得る。水相は廃棄し、溶媒は直接抽出工程へ還る。
【0037】
上記系に従って操作するには、ポリマーの熱分解を避けるため、適切な圧力と温度の条件を選択しなくてはならない。
【0038】
粒度の増加と結晶化を容易に行うため、結晶化胚(germs)として作用する選択された粒(グレイン)を材料に植え付けてよい。
【0039】
ポリマー抽出にとってより十分な温度範囲は、通常、40℃より高く、溶媒沸点(乾燥セルの場合)または水性混合物の沸点(湿潤セルの場合)である。
【0040】
いったん熱溶解を行うと、周囲温度まで溶液を冷却することによって、生成物の沈殿が起こる。最終的には、この冷却に先立って不純物パージを行ってよい。
【0041】
加熱、冷却およびパージの操作は、同一容器内、または直列に設置された2つの容器内で行われ、系の温度を制御しこれに従って作用するための装置を特徴とする。該容器は、抽出を加速させる撹拌系と沈殿を増進する流れ指向板の系にとっても重要であり得る。また、溶媒中のセル懸濁液を熱交換器によって連続流で加熱し、その後に、冷却沈殿容器へ移送してよい。
【0042】
用いる溶媒の量は、セル中のバイオポリマー含有量と抽出時間に依存する。溶媒質量とセル質量の比率は、2.5〜200、好ましくは10〜150の間で変化する。
【0043】
ヒンダードフェノールとしての第一抗酸化剤(含有量は0.02%および0.5%、質量%はPHBおよび可塑剤を含む全量に関するものである);有機ホスファイトとしての第二抗酸化剤(含有量は0.02%および0.5%、質量%はPHBおよび可塑剤を含む全量に関するものである);ラクトンとしての熱安定剤(含有量は0.02%および0.5%、PHBおよび可塑剤を含む全量に関するものである)によって構成される熱安定化系の使用を提供することも、本発明の目的である。
【0044】
ソルビトールおよび安息香酸ナトリウムの核剤としての使用を提供することも、本発明の別の目的である。この核剤は、ポリマー組成物でのPHB結晶化(造核および成長)の熱力学的および動的なプロセス制御のために用いられる。所望の結晶モルフォロジーと結晶化度に従い、その最終段階工程中にポリマー材料に与えられる冷却勾配と組み合わせた形で、核剤含有量を変化させなければならない。
【0045】
本発明はまた、デンプン、木粉、ケーンバガス繊維、米鞘繊維およびサイザル繊維により構成され得る充填剤の可塑剤組成物における使用にも関する。これらの充填剤は、PHB/可塑剤/添加剤において部エースとするポリマー組成物で作られる特定の生成物に要求される特定のプロセス/構造/性質/コストの関係に関わって用いられる。
【0046】
本発明の別の態様は、射出成形品(pieces)および/または包装用フィルムとしての、特許請求された組成物の使用である。
【実施例】
【0047】
純粋なPHBと6つの異なる可塑剤組成物によって、技術検討を行った。100℃〜110℃で5分間、混合機中で混合し、5分間で50℃へ冷却することにより、PHBと可塑剤組成物のドライブレンド混合物を製造した。
【0048】
ドライブレンドを押出によってペレット化し、下記のように試験体を射出成形によって作製した。
押出:
-共回転式二軸スクリュー押出機−Werner & Pfleiderer ZSK−30(30mm)
-条件:
【0049】
【表1】

【0050】
射出成形:
・射出成形機−ARBURG 270 V−30トン
・金型(試験体用)、ASTM D 638(引張強度I)およびASTM D 256(Izod衝撃)。
【0051】
【表2】

【0052】
【表3】

【0053】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)PHB(但し、PHBおよびそのPHB共重合体は、予め乾燥しまたは乾燥していない濃縮セル材料(cellular material)を、十分な溶媒、特に、高級アルコール(好ましくは炭素数が3個より多い鎖を有するもの)、またはその任意の他の酢酸塩、好ましくはイソアミルアルコール、酢酸アミル、イソ酢酸アミルまたはブラジル特許PI9302312−0(2002年4月30日公開)に記載されたようなフーゼル油、に混合することを特徴とする、バイオポリマー抽出法によって製造される)と、
(ii)a)飽和またはオレフィン性不飽和の直鎖状または分枝状であってよい、鎖長が炭素数6〜30(C6〜C30)の脂肪アルコール、および、b)飽和またはオレフィン性不飽和の直鎖状または分枝状であってよい炭素数6〜24の脂肪酸のグリセロールエステルと
を含んでなる可塑化ポリマー組成物。
【請求項2】
(iii)ヒンダードフェノールとしての第一抗酸化剤;有機ホスファイトとしての第二抗酸化剤;ラクトンとしての熱安定剤;核剤(nucleants)としてのソルビトールおよび安息香酸ナトリウム、並びに充填剤としてデンプン、木粉、ケーンバガス繊維、米鞘繊維およびサイザル繊維により構成される熱安定化系によって構成される添加剤
をさらに含んでなる請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
化合物(i)と(ii)の重量比は90:10〜75:25の範囲内である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
化合物(i)は、下記式:
【化1】

〔式中、Rは可変長のアルキル基であり、mおよびnは整数であり、PHBおよびその共重合体について、Rおよびmは下記値を有する:
PHB:R=CH,m=1
PHB−V:R=CHまたはCH−CH−,m=1
P4HB:R=H,m=2
P3HB〜4HB:R=HまたはCH,m=1または2
PHHx:R=CH−CH−CH−,m=1〕
で示される、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
PHB分子量は300.000〜1.000.000の範囲内である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
可塑剤(ii)は、
a)鎖長が炭素数6〜30(C6〜C30)の飽和またはオレフィン性不飽和の直鎖状または分枝状である脂肪アルコールと、
b)飽和またはオレフィン性不飽和の直鎖状または分枝状であってよい炭素数6〜24の脂肪酸のグリセロールエステル
によって構成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
化合物a)とb)の重量比は100:0〜75:25の範囲内である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
射出成形品および/または包装用フィルムとしての、請求項1〜7に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2008−509234(P2008−509234A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524183(P2007−524183)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008874
【国際公開番号】WO2006/012917
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(507040356)
【氏名又は名称原語表記】PHB Industrial S/A
【Fターム(参考)】