説明

POSレジスタ装置による商品/ヘルプ情報の変更方法、プログラム、及び商品/ヘルプ情報を変更可能なPOSレジスタ装置

【課題】POSレジスタから、商品の価格情報の変更やヘルプ情報等の変更を迅速に行えるようにし、店舗内の他のPOSレジスタに通知可能とする。
【解決手段】POSレジスタに商品の価格情報又はヘルプ情報に関する情報の変更を入力する(ステップS402〜S407、S409〜S412)。POSレジスタから、情報の変更に基づく情報変更依頼が、ストアシステムからそのストアシステムに対応するストアサーバに送信される。ストアサーバは、情報変更依頼に対応する情報変更のメンテナンスデータが作成し、そのメンテナンスデータが、ストアサーバからストアシステム内の全てのPOSレジスタに送信される(ステップS408、S413)。POSレジスタでは、メンテナンスデータを自装置が管理するローカルデータベース内の、メンテナンスデータが指示するレコードの情報を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSレジスタ装置における商品情報やヘルプ情報の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
小売店舗等において物品販売の売上実績を単品単位で集計する装置として、販売時点情報管理(POS:Point Of Sale、以下「POS」と呼ぶ)システムが広く利用されている。
【0003】
POSシステムでは、商品名や価格、数量、日時などの販売実績情報が収集されることにより、商品の販売日、種類、価格、売上数を容易に把握することが可能となり、商品の経営分析が容易となる。
【0004】
POSシステムは主に、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、外食産業(ファミリーレストラン、居酒屋等)、ガソリンスタンド、ホテル、ドラッグストア(薬局)などのチェーンストア等で導入される。
【0005】
POSシステムでは、バーコードなどによって商品にマーキングされた商品情報が、商品の購入時に、POSレジスタやポータブルデータ端末に装備されたバーコードスキャナ装置やタッチパネル入力装置によって登録される。その後、その登録されたマーキング情報が、ストアサーバ又はストアコンピュータと呼ばれるコンピュータ(以下、「ストアサーバ」と呼ぶ)に送られ、そのストアサーバによって電子ジャーナルデータとして集計管理される。
【0006】
POSレジスタでは、例えばスーパーマーケットなどにおいて、一度に大量に購入され得る商品のマーキング情報が、バーコードスキャナ装置やタッチパネルキーボード装置によって次々に登録される。
【0007】
ここで、店舗によっては、商品の価格情報を、緊急に変更したいというケースが生ずる場合がある。また、店舗によっては、営業等に関する各種メッセージや、会員デーのお知らせやタイムセールのお知らせ等の営業に関する各種ヘルプ情報を、店舗内の全POSレジスタに通知したいというケースが生ずる場合もある。
【0008】
このような場合、従来は、店舗事務室等に設置されているバックヤードのメンテナンス用のクライアントパソコンを用いて、ストアサーバに商品の価格変更情報やヘルプ画面情報等を設定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−269461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、メンテナンス用のクライアントパソコンを用いて商品の価格変更情報やヘルプ画面情報等を設定するのでは、販売スタッフや管理者は事務室まで戻らねばならず、設定作業が繁雑になってしまうという問題点を有していた。
【0011】
このような設定作業は、販売スタッフがPOSレジスタから迅速に行えるようにするのが望ましいが、従来のPOSレジスタでは、店舗内の他のPOSレジスタに情報を設定して配信する仕組みが備わっていなかったため、そのようなニーズに対応することができないという問題点を有していた。
【0012】
そこで、本発明は、POSレジスタから、商品の価格情報の変更やヘルプ情報等の変更を迅速に行えるようにし、店舗内の他のPOSレジスタに通知可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
態様の一例では、販売時点情報を入力する販売時点情報入力方法として実現され、以下の構成を有する。
ストアシステム内の販売時点情報入力装置において、商品情報又はヘルプ情報に関する情報の変更が受け付けられる。次に、販売時点情報入力装置から、商品情報又はヘルプ情報に関する情報の変更に基づく情報変更依頼が、その販売時点情報入力装置が属するストアシステムからそのストアシステムに対応するストアサーバに送信される。次に、そのストアサーバにおいて、情報変更依頼に対応する情報変更のメンテナンスデータが作成され、そのメンテナンスデータが、そのストアサーバからそのストアサーバが管理するストアシステム内の全ての販売時点情報入力装置に送信される。メンテナンスデータを受信した販売時点情報入力装置において、販売時点情報入力装置が管理するローカルデータベース内の、メンテナンスデータが指示するレコードの情報が変更される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、任意のPOSレジスタから、商品の価格情報の変更やヘルプ情報等の変更を迅速に行うことが可能となり、その変更情報を同一店舗内の全POSレジスタ又は他の店舗内の全POSレジスタに迅速に反映させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態の全体システム構成である。
【図2】POSレジスタとローカルデータベースを実現するハードウェア構成図である。
【図3】実施形態の制御動作を示す動作フローチャート(その1)である。
【図4】実施形態の制御動作を示す動作フローチャート(その2)である。
【図5】実施形態の制御動作を示す動作フローチャート(その3)である。
【図6】実施形態の制御動作を示す動作フローチャート(その4)である。
【図7】実施形態のデータ構成例を示す図である。
【図8】実施形態の画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、POSシステムの実施形態の全体構成図である。
実施形態のシステムは、店舗毎に設置されるストアシステム101と、本部システム102と、ストアシステム101及び本部システム102を接続するブロードバンドネットワーク103とから構成される。
【0017】
ストアシステム101は、図1では例えば#1〜#5として示されるように各店舗に設置される。1つの本部システム102が収容可能なストアシステム101は、最大で10程度である。
【0018】
ストアシステム101には、レーンPOSレジスタ104(#1)及びそれに接続されるローカルデータベース105(#1)、カウンタPOSレジスタ104(#2)及びそれに接続されるローカルデータベース105(#2)、対面POSレジスタ104(#3)及びそれに接続されるローカルデータベース105(#3)、SCO POSレジスタ104(#4)及びそれに接続されるローカルデータベース105(#4)、マルチパッド端末106、クライアントパソコン107が設置される。
【0019】
レーンPOSレジスタ104(#1)は、スーパーマーケットなどの商品精算レーンに設置されるPOSレジスタである。カウンタPOSレジスタ104(#2)は、コンビニエンスストアなどの商品精算カウンタに設置されるPOSレジスタである。対面POSレジスタ104(#3)は、カウンタPOSレジスタ104(#2)の機能に袋詰め機能も併せて備えたPOSレジスタである。SCO POSレジスタ104(#4)は、顧客自身が商品登録から支払いまで行うことのできるセルフチェックアウト機能を備えたPOSレジスタである。以下の説明では、これらの各種POSレジスタを総称してPOSレジスタ104と呼ぶ。POSレジスタ104にはそれぞれ、商品マスタデータベースや売上データベースなどを含むローカルデータベース105が接続される。
【0020】
マルチパッド端末106は、店舗管理者が、商品の価格チェック、価格変更、発注登録等を行うことができる。
クライアントパソコン107は、店舗管理者が、店舗の売上げを確認したり、商品の価格変更を把握したりすることができる。
【0021】
各POSレジスタ104及びクライアントパソコン107は、無線アクセスポイント108と無線接続され、LANケーブル110、ルータ109、ブロードバンドネットワーク103を介して、本部システム102内の各店舗に対応したストアサーバ111と通信を行う。
【0022】
本部システム102には、各店舗のストアシステム101に対向して、各店舗対応のストアサーバ111及びそれに接続されるストアデータベース112が設置される。各ストアサーバ111は、LANケーブル115に接続されるルータ114、及びブロードバンドネットワーク103を介して、それぞれに対応するストアシステム101内の各POSレジスタ104と通信する。なお、店舗対応のストアサーバ111及びそれに接続されるストアデータベース112は、図1の破線部分として示されるように、各ストアシステム101内に設置されてもよい。
【0023】
以上のようにして、ストアシステム101内の各POSレジスタ104とそのストアシステム101(店舗)に対応するストアサーバ111とが通信を行う。この結果、ストアシステム101内の各POSレジスタ104において登録された商品の売上情報は、ほぼリアルタイム(数秒遅れ程度)で、そのストアシステム101(店舗)に対応したストアサーバ111に接続されるストアデータベース112に反映される。また、商品の価格情報等が変更されストアデータベース112内の商品マスタデータベース等が更新されると、その更新内容がほぼリアルタイムで、対応する店舗内の各POSレジスタ104に接続される各ローカルデータベース105に反映される。このようにして、ストアシステム101内の各POSレジスタ104に接続される各ローカルデータベース105と、そのストアシステム101(店舗)に対応したストアサーバ111に接続されるストアデータベース112は、常に同期が取られる。
【0024】
本部システム102において、LANケーブル115に接続される各種管理サーバ113は、クレジットカードの管理や、FSP(Frequent Shoppers Program)による顧客管理、ポイント管理、全店の商品管理、全店への速報管理などを個別に行うサーバである。各種管理サーバ113は、各店舗毎のストアサーバ111と通信を行って、各ストアデータベース112の登録内容(商品情報、ポイント情報、顧客情報等)を管理したり、各ストアシステム101内の各POSレジスタ104に速報情報を通知したりする。
【0025】
図2は、図1の各POSレジスタ104とそれに接続されるローカルデータベース105を実現するハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されるコンピュータは、CPU201、メモリ202、外部記憶装置203、可搬記録媒体206が挿入される可搬記録媒体駆動装置205、及びネットワーク接続装置204を有し、これらがバス215によって相互に接続された構成を有する。
【0026】
また、POSレジスタ104独自の入力デバイスとして、キーボード207、タッチパネル電子多項目キーボード208、固定スキャナ209、タッチスキャナ210、磁気カードリーダ211、電子マネーリーダ212、ピンパッド213などが、バス215に接続される。キーボード207及びタッチパネル電子多項目キーボード208は、商品情報の登録などを行う。固定スキャナ209は、購入商品のバーコードをかざすことにより、購入商品のマーキング情報を読み取る。タッチスキャナ210は、固定スキャナ209と同じ機能を有するハンディタイプのスキャナである。磁気カードリーダ211は、クレジットカード情報や会員カード/ポイントカード情報を入力する。電子マネーリーダ212は、電子マネー情報を入力する。ピンパッド213は、クレジットカードなどの暗証番号をタイプ入力する。
【0027】
更に、POSレジスタ104独自の出力デバイスとして、商品登録情報を表示するディスプレイ214、レシートを印字するプリンタ215、及び自動釣銭札機216などが、バス215に接続される。
【0028】
図2に示される構成は、図1の各POSレジスタ104を実現できるコンピュータの一例であり、そのようなコンピュータはこの構成に限定されるものではない。
CPU201は、POSレジスタ104全体の制御を行う。メモリ202は、プログラムの実行、データ更新等の際に、外部記憶装置203(或いは可搬記録媒体206)に記憶されているプログラム又はデータを一時的に格納するRAM等のメモリである。CPU201は、プログラムをメモリ202より読み出して実行することにより、POSレジスタ104全体の制御を行う。
【0029】
外部記憶装置203は、例えばハードディスク記憶装置である。主に各種データやプログラムの保存に用いられるほか、図1のローカルデータベース105を記憶する。
可搬記録媒体駆動装置205は、光ディスクやSDRAM、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の可搬記録媒体206を収容するもので、外部記憶装置203の補助の役割を有する。
ネットワーク接続装置204は、図1の無線アクセスポイント108と通信を行うことのできる無線接続装置である。
【0030】
以下に説明する本実施形態によるシステムは、それに必要な機能を搭載した制御プログラムをCPU201が実行することで実現される。そのプログラムは、例えば外部記憶装置203や可搬記録媒体206に記録して配布してもよく、或いはネットワーク接続装置204によりネットワークから取得できるようにしてもよい。CPU201は、その制御プログラムに従って、207〜213の各入力デバイスを制御して、各入力デバイスからの商品登録情報等を入力する。また、CPU201は、その制御プログラムに従って、214〜215の各出力デバイスを制御して、商品登録情報等を表示又は印字する。更に、CPU201は、自動釣銭札機216を制御して、釣銭の自動払い出しを行う。加えて、CPU201は、制御プログラムに従って、ネットワーク接続装置204を制御して、図1のストアサーバ111との通信を実行する。
【0031】
以上の図1及び図2の構成を有する本実施形態の動作について、以下に詳細に説明する。
図3は、各POSレジスタ104(図1)内のCPU201(図2)が、メモリ202に記憶された制御プログラムを実行する動作として実現される、商品情報登録時の制御動作を示す動作フローチャートである。
【0032】
まず、図3の動作フローチャートに対応する制御プログラムは、前の顧客のレシートがプリンタ215により印刷し終わると商品登録可能状態になり(ステップS301)、続いて、次の顧客の商品が固定スキャナ209やタッチスキャナ210などによって読み取られると、商品登録の動作を開始する。
【0033】
購入商品の商品情報の登録は、図3のステップS302からからS305までの繰返し処理によって行われる。
まず、商品登録が行われる(ステップS302)。商品登録は、JAN(Japanese Article Number)コード等のスキャンコードの入力により行う。この入力操作は、図2の固定スキャナ209又はタッチスキャナ210による商品に貼付されたバーコードの読取り、キーボード207やタッチパネル電子多項目キーボード208によるコード又は短縮コードの手入力、ワンタッチキー入力等によって行われる。なお、この商品登録の前又は後に、キーボード207等から商品の数量を登録することが可能である。
【0034】
次に、POS画面に登録商品が表示される(ステップS303)。
続いて、販売スタッフ等により、図2のキーボード207又はタッチパネル電子多項目キーボード208上のヘルプ登録ボタンが押下されたか否かが判定される(ステップS304)。
【0035】
ヘルプ登録ボタンが押下されておらずステップS304の判定がNOならば、未登録商品があるか否かが判定される(図3のステップS305)。これは例えば、販売員が小計ボタンを押下したか否かを判定する処理である。
【0036】
ステップS305にて小計ボタンの押下等が行われておらず未登録商品があると判定された場合には、図3のステップS302の処理に戻って、新たな商品の登録処理が繰り返される。
【0037】
ステップS305にて小計ボタンの押下等が行われて未登録商品がないと判定された場合には、図2のメモリ202上のワークエリアに登録されている商品の明細合計額の小計額が算出された後、預り金が入力される(図3のステップS306)。
【0038】
そして、釣銭が排出された後、ステップS306にて算出された小計額が、メモリ202上のワークエリアの全登録情報と共に、図1のローカルデータベース105内の売上データベースに登録されて、支払い登録が完了する(図3のステップS307)。
【0039】
以上の一連の商品登録処理の最中に、POS画面が表示されてきるときに(ステップS303)、販売スタッフ等が図2のキーボード207又はタッチパネル電子多項目キーボード208上のヘルプ登録ボタンを押下すると、ステップS304の判定がYESとなって、図4の動作フローチャートで示される制御動作が実行される。
【0040】
ここではまず、図2のディスプレイ214上に、図8(a)に例示されるようなヘルプ登録画面が表示される(ステップS401)。販売スタッフ等は、このヘルプ登録画面から、店舗内の全POSレジスタ104を対象として、「1.価格変更」「2.緊急商品登録」「3.タイムセール」「4.売り切れ」「5.値引/割引」「6.会員情報」「7.シフト変更」「8.定型文」等の登録処理を実行することができる。
【0041】
以下の実施形態では、これらの操作のうち特に、「1.価格変更」「8.定型文」の各ボタンが押下された場合の処理について、図4の動作フローチャートに従って説明する。
図8(a)に例示されるヘルプ登録画面が表示されている状態で「1.価格変更」ボタンが押下されると、その押下の操作がステップS402にて検出される。
【0042】
その結果、図2のディスプレイ214に、図8(b)に例示されるような価格変更情報登録画面が表示される(ステップS403)。
販売スタッフ等は、この画面が表示された後、図2のキーボード207等から、スキャンコードを入力する(ステップS404)。
【0043】
この結果、入力されたスキャンコードをキーとして特に図示しない図1のローカルデータベース105内の商品マスタDBが検索され、入力されたスキャンコードに対応する商品名と標準価格が取得され、それらが図8(b)に例示される価格変更情報登録画面に表示される(ステップS405)。
【0044】
続いて、販売スタッフ等は、図2のキーボード207等から、変更後の価格を入力する(ステップS406)。この結果、図7(a)に例示されるような価格変更データが作成される。この価格変更データは例えば、商品のスキャンコードを示すPLUコード(プライスルックアップコード)、商品の所属部門を示す部門コード、商品名、現在価格、変更金額等のデータ項目を有する。
【0045】
その後、何れかのボタンが押下されるまで待機状態となる(ステップS407)。
ここで、販売スタッフ等が図2のキーボード207のOKボタンを押下すると、図2のネットワーク接続装置204から図1の無線アクセスポイント108、ルータ109、ブロードバンドネットワーク103、及びルータ114を介して、本部システム102内の自ストアシステム101に対応するストアサーバ111に対して、価格反映依頼データが送信される。この価格反映依頼データには、図7(b)に例示されるように、価格変更情報登録画面から生成された図7(a)に示される価格変更データと同様のデータ項目が格納されて送信される。
【0046】
図5(a)は、上述の価格反映依頼データを受信したストアサーバ111が実行する制御処理を示す動作フローチャートである。
ストアサーバ111は、図7(b)に例示される価格反映依頼データを受信すると、それに含まれるPLUコード、部門コード、商品名、及び変更金額に基づいて、価格変更のメンテナンスデータ(図5中では「メンテデータ」と表記)を作成する(ステップS501)。
【0047】
そして、ストアサーバ111は、そのメンテナンスデータを、そのストアサーバ111が管理するストアシステム101内の全てのPOSレジスタ104に向けて配信する(ステップS502)。このメンテナンスデータは、図1のルータ114、ブロードバンドネットワーク103、ルータ109、無線アクセスポイント108を介して、ストアサーバ111が管理するストアシステム101内の全てのPOSレジスタ104内のネットワーク接続装置204にて受信される。
【0048】
各POSレジスタ104では、図2のネットワーク接続装置204を介してCPU201が、上記メンテナンスデータを受信する。
図5(b)は、価格変更のメンテナンスデータを受信した各POSレジスタ104内のCPU201が実行する制御処理を示す動作フローチャートである。
【0049】
まず、価格変更のメンテナンスデータが受信される(ステップS503)。
次に、図2の外部記憶装置203内に構成されている図1のローカルデータベース105に、価格変更のメンテナンスデータが取り込まれる(ステップS504)。
【0050】
そして、ローカルデータベース105内の商品マスタデータベース等の該当するデータベースの、価格変更のメンテナンスデータに含まれるスキャンコードに対応する商品レコード等において、例えば図7(c)に示されるようなデータ形式で、そのメンテナンスデータに含まれる変更後の価格データが登録される。これにより、各POSレジスタ104に変更価格が反映される(ステップS505)。
以上により、各POSレジスタ104において設定の反映処理が完了する。
【0051】
図8(a)に例示されるヘルプ登録画面が表示されている状態で「8.定型文」ボタンが押下されると、その押下の操作がステップS409にて検出される。
その結果、POSレジスタ104内のローカルデータベース105に保持されているヘルプ定型文テーブルが参照される(ステップS410)。
【0052】
この結果、図2のディスプレイ214に、図8(c)に例示されるような定型文一覧画面が表示される。販売スタッフ等は、この画面が表示された後、図2のキーボード207等から、定型文を修正又は新規入力する(ステップS411)。この結果、図7(d)に例示されるような定型文変更データが作成される。
【0053】
その後、何れかのボタンが押下されるまで待機状態となる(ステップS412)。
ここで、販売スタッフ等が図2のキーボード207のOKボタンを押下すると、図2のネットワーク接続装置204から図1の無線アクセスポイント108、ルータ109、ブロードバンドネットワーク103、及びルータ114を介して、本部システム102内の自ストアシステム101に対応するストアサーバ111に対して、メッセージ発行依頼データが送信される。このメッセージ発行依頼データは、図7(d)に例示される定型文変更データと同様のデータ形式を有する。
【0054】
図6(a)は、上述のメッセージ発行依頼データを受信したストアサーバ111が実行する制御処理を示す動作フローチャートである。
ストアサーバ111は、メッセージ発行依頼データを受信すると、それに基づいて、メッセージメンテナンスデータ(図6中では「メンテデータ」と表記)を作成する(ステップS601)。
【0055】
そして、ストアサーバ111は、そのメンテナンスデータを、そのストアサーバ111が管理するストアシステム101内の全てのPOSレジスタ104に向けて配信する(ステップS602)。このメンテナンスデータは、図1のルータ114、ブロードバンドネットワーク103、ルータ109、無線アクセスポイント108を介して、ストアサーバ111が管理するストアシステム101内の全てのPOSレジスタ104内のネットワーク接続装置204にて受信される。
【0056】
各POSレジスタ104では、図2のネットワーク接続装置204を介してCPU201が、上記メンテナンスデータを受信する。
【0057】
図6(b)は、メッセージメンテナンスデータを受信した各POSレジスタ104内のCPU201が実行する制御処理を示す動作フローチャートである。
まず、メッセージメンテナンスデータが受信される(ステップS603)。
次に、図2の外部記憶装置203内に構成されている図1のローカルデータベース105に、メッセージメンテナンスデータが取り込まれる(ステップS604)。
【0058】
そして、ローカルデータベース105内の商品マスタデータベース等の該当するデータベースに保持されている図7(e)に例示されるヘルプ定型文テーブルに、メッセージメンテナンスデータに含まれる定型文が登録される。これにより、各POSレジスタ104に新たな定型文が反映される(ステップS605)。
以上により、各POSレジスタ104において設定の反映処理が完了する。
【0059】
上述の実施形態において、 図8(a)に例示されるヘルプ登録画面が表示されている状態で「1.価格変更」ボタン又は「8.定型文」ボタンが押下された場合の具体的な処理について説明した。その他、「2.緊急商品登録」「3.タイムセール」「4.売り切れ」「5.値引/割引」「6.会員情報」「7.シフト変更」等の各ボタンが押下された場合の処理(図4のステップS414等)も、特には図示しないが、「1.価格変更」ボタン又は「8.定型文」ボタンが押下された場合の処理とほぼ同様の処理として実現できる。即ち、POSレジスタ104において、変更データが作成され、それに基づく変更依頼データがストアサーバ111に送信される。ストアサーバ111では、変更依頼データに基づいてメンテナンスデータが作成され、そのメンテナンスデータがそのストアサーバ111が管理するストアシステム101内の全てのPOSレジスタ104に送信される。各POSレジスタ104では、そのメンテナンスデータに基づいてローカルデータベース105内の対応するデータベースのレコードが更新される。
【0060】
前述した図4のステップS407又はS412のボタン押下待機状態において、販売スタッフ等が図2のキーボード207等のキャンセルボタンを押下すると、価格変更や定型文変更の処理がキャンセルされ、図8(a)に例示されるヘルプ登録画面の表示に戻る(ステップS407→S401、S412→S401)。また、価格変更情報登録画面の表示(ステップS403)、スキャンコードの入力(ステップS404)、又は商品名と標準価格の表示(ステップS405)等が行われている最中の任意のタイミングでキャンセルボタンが押下された場合も、上記と同様にヘルプ登録画面の表示に戻る(ステップS416→S401)。
【0061】
図8(a)に例示されるヘルプ登録画面上のキャンセルボタンがタッチされ又はキーボード207等のキャンセルボタンが押下されると、図4のヘルプ登録の処理が終了し、商品登録の処理に戻る(図4のステップS401→S415→図3のステップS302。
【0062】
上述したように、本実施形態では、特定の店舗のストアシステム101内の1つのPOSレジスタ104において、価格情報やヘルプ情報が変更されると、その変更依頼データがそのPOSレジスタ104が属するストアシステム101からそのストアシステム101に対応するストアサーバ111に通知される。次に、そのストアサーバ111から上記ストアシステム101内の全POSレジスタ104に、変更のメンテナンスデータが通知される。そして、各POSレジスタ104において、ローカルデータベース105内の該当するデータベースのレコードが変更される。これにより、1つのPOSレジスタ104において価格情報やヘルプ情報が変更されると、そのPOSレジスタ104と同一の店舗内の全POSレジスタ104に、変更情報が反映される。
【0063】
このほか、1つのPOSレジスタ104において特定の商品の価格情報や特定のヘルプ情報が変更されると、そのPOSレジスタ104と同一の店舗だけではなく、他の全店舗内の全POSレジスタ104に変更情報が反映されるように構成されてもよい。この場合には、変更依頼が発生したストアシステム101に対応するストアサーバ111から、他の店舗のストアシステム101を管理する他の各ストアサーバ111にメンテナンスデータが送信され、各ストアサーバ111からそれぞれが管理するストアシステム101内の全POSレジスタ104にメンテナンスデータが送信される。
【0064】
以上説明したように、本実施形態では、任意のPOSレジスタから、商品の価格情報の変更やヘルプ情報等の変更を迅速に行うことが可能となり、その変更情報を同一店舗内の全POSレジスタ又は他の店舗内の全POSレジスタに迅速に反映させることが可能となる。
【符号の説明】
【0065】
101 ストアシステム
102 本部システム
103 ブロードバンドネットワーク
104 POSレジスタ
104(#1) レーンPOSレジスタ
104(#2) カウンタPOSレジスタ
104(#3) 対面POSレジスタ
104(#4) SCO POSレジスタ
105 ローカルデータベース
106 マルチパッド端末
107 クライアントパソコン
108 無線アクセスポイント
109、114 ルータ
110、115 LANケーブル
111 ストアサーバ
112 ストアデータベース
113 各種管理サーバ
201 CPU
202 メモリ
203 外部記憶装置
204 ネットワーク接続装置
205 可搬記録媒体駆動装置
206 可搬記録媒体
207 キーボード
208 タッチパネル電子多項目キーボード
209 固定スキャナ
210 タッチスキャナ
211 磁気カードリーダ
212 電子マネーリーダ
213 ピンパッド
214 ディスプレイ
215 プリンタ
216 自動釣銭札機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売時点情報を入力する販売時点情報入力方法において、
ストアシステム内の販売時点情報入力装置において、商品情報又はヘルプ情報に関する情報の変更を受け付け、
前記販売時点情報入力装置から、前記商品情報又はヘルプ情報に関する情報の変更に基づく情報変更依頼を、該販売時点情報入力装置が属するストアシステムから該ストアシステムに対応するストアサーバに送信し、
該ストアサーバにおいて、前記情報変更依頼に対応する情報変更のメンテナンスデータを作成し、該メンテナンスデータを、該ストアサーバから該ストアサーバが管理するストアシステム内の全ての販売時点情報入力装置に送信し、
前記メンテナンスデータを受信した販売時点情報入力装置において、販売時点情報入力装置が管理するローカルデータベース内の、前記メンテナンスデータが指示するレコードの情報を変更する、
ことを特徴とするPOSレジスタ装置による商品/ヘルプ情報の変更方法。
【請求項2】
前記ストアサーバにおいて、前記情報変更依頼に対応する情報変更のメンテナンスデータを作成し、該メンテナンスデータを、他の店舗のストアシステムを管理する他のストアサーバに送信し、
前記メンテナンスデータを、前記他の各ストアサーバから該各ストアサーバが管理する各ストアシステム内の全ての販売時点情報入力装置に送信し、
前記メンテナンスデータを受信した各販売時点情報入力装置において、販売時点情報入力装置が管理するローカルデータベース内の、前記メンテナンスデータが指示するレコードの情報を変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載のPOSレジスタ装置による商品/ヘルプ情報の変更方法。
【請求項3】
販売時点情報を入力する販売時点情報入力装置において、
ストアシステム内の販売時点情報入力装置において、商品情報又はヘルプ情報に関する情報の変更を受け付ける情報変更受付部と、
前記商品情報又はヘルプ情報に関する情報の変更に基づく情報変更依頼を、自装置が属するストアシステムから該ストアシステムに対応するストアサーバに送信する情報変更依頼送信部と、
前記ストアサーバから、情報変更のメンテナンスデータを受信するメンテナンスデータ受信部と、
自装置が管理するローカルデータベース内の、前記メンテナンスデータが指示するレコードの情報を変更する情報変更部と、
を含むことを特徴とする商品/ヘルプ情報を変更可能なPOSレジスタ装置。
【請求項4】
販売時点情報を入力するコンピュータに、
ストアシステム内の販売時点情報入力装置において、商品情報又はヘルプ情報に関する情報の変更を受け付け、
前記商品情報又はヘルプ情報に関する情報の変更に基づく情報変更依頼を、自装置が属するストアシステムから該ストアシステムに対応するストアサーバに送信し、
前記ストアサーバから、情報変更のメンテナンスデータを受信し、
自装置が管理するローカルデータベース内の、前記メンテナンスデータが指示するレコードの情報を変更する、
ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−53800(P2011−53800A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200408(P2009−200408)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】