POS端末装置
【課題】 施設に来訪した客に、その客が携帯する携帯電話を利用して、様々なデータ通信サービスを確実にかつ無料で提供する。
【解決手段】 POS端末装置1Aは、ブルートゥース対応の無線通信インタフェースを備え、この無線通信インタフェースの通信範囲内8Aに位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話9と無線によるデータの送受信を可能とする。そして、無線通信インタフェースの通信範囲内8Aに同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話9が位置すると、その携帯電話9に該携帯電話が実行し得る各種提供サービスのメニューを無線通信により配信する。また、各種提供サービスのメニューを配信した携帯電話9からサービスの提供要求コマンドを受けると、その携帯電話9に当該提供サービス享受用プログラムデータを無線通信によりダウンロードする。
【解決手段】 POS端末装置1Aは、ブルートゥース対応の無線通信インタフェースを備え、この無線通信インタフェースの通信範囲内8Aに位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話9と無線によるデータの送受信を可能とする。そして、無線通信インタフェースの通信範囲内8Aに同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話9が位置すると、その携帯電話9に該携帯電話が実行し得る各種提供サービスのメニューを無線通信により配信する。また、各種提供サービスのメニューを配信した携帯電話9からサービスの提供要求コマンドを受けると、その携帯電話9に当該提供サービス享受用プログラムデータを無線通信によりダウンロードする。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、百貨店,ショッピングセンター,遊園地,競技場等の施設で用いられるPOS(Point Of Sales:販売時点情報管理)端末装置に関し、特に、ブルートゥース等の近距離無線通信規格に対応した無線通信インタフェースを利用して携帯電話とデータ通信が可能なPOS端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今の携帯電話は、通常の音声通話サービス以外に、携帯電話回線を利用してインターネット上のWebサーバが提供する情報(ホームページ)を閲覧したり、メールメッセージ等の電子データを送受信したりするデータ通信サービスを可能とする等の多機能化が進んでいる。このため、多くの人が百貨店やショッピングセンター等で買物をしたり、遊園地や競技場等で娯楽を楽しんだりする際も携帯電話を携帯している。
【0003】また最近では、ブルートゥースのように携帯電話回線を利用しないで10〜100メートル程度の近距離無線通信を直接行なう規格に対応した無線通信インタフェースを内蔵し、同一仕様の無線通信インタフェースを搭載したコンピュータ機器と通信料金を要しない無線通信によりデータを送受信できるようにした携帯電話も開発されている。
【0004】そこで最近、商品販売取引の決済端末として機能するPOS端末装置に、携帯電話に内蔵された無線通信インタフェースと同一仕様の無線通信インタフェースを設け、携帯電話と携帯電話回線を介さないで行なう無線通信によるデータの送受信を可能とする一方、当該携帯電話にその内部メモリを使用して電子財布機能を持たせ、POS端末装置において、商品販売取引の代金決済方法として携帯電話による決済が指示されると、無線通信により取引相手が所有する携帯電話から商品販売取引代金に相当する電子マネーデータをPOS端末装置が取り込むことによって決済を完了させる仕組みが考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、デパートやショッピングセンターなどの商業施設の事業者や遊園地,競技場等の娯楽施設の事業者にとっては、多くの客をいかに集めることができるかが経営の安定化を図る上で大変重要なことである。そのためには、客にとって大変魅力的なサービスを施設内で実施することが、他の類似施設との差別化を図ることができるので集客効果が期待でき、望ましい。
【0006】そこで本出願人は、施設に来る多くの客が携帯電話を携帯していること、ビル内等の屋内施設内では携帯電話基地局からの電波を携帯電話で正常に受信できない場所が発生し得ること、携帯電話回線を利用してデータ通信サービスを受けると通信料金がかかるがブルートゥースのような各国で免許不要な周波数帯域ISM(Industrial Scientific Medical)を用いた近距離無線通信規格に対応した無線通信によるデータの送受信には料金がかからないこと、施設内には商品販売取引の決済端末としてPOS端末装置が点在しており、これらのPOS端末装置はLAN(Local Area Network)等のネットワークで接続されて相互間のデータ通信が可能であること、POS端末装置間を接続するネットワークに同一施設内のWebサーバ,メールサーバ等のサーバ機器を接続可能であること等に着眼し、施設に来訪した客に、その客が携帯する携帯電話を利用して、様々なデータ通信サービスを確実にかつ無料で提供できるPOS端末装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の発明は、無線通信インタフェースを備え、この無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話と無線によるデータの送受信が可能なPOS端末装置において、無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話に該携帯電話が実行し得る各種提供サービスのメニューを無線通信により配信するサービスメニュー配信手段と、このサービスメニュー配信手段により各種提供サービスのメニューを配信した携帯電話からサービスの提供要求コマンドを受けるとその携帯電話に当該提供サービス享受用プログラムデータを無線通信によりダウンロードするプログラムダウンロード手段とを備えたものである。
【0008】本願請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明のプログラムダウンロード手段を、各種提供サービスのメニューを配信した携帯電話からサービスの提供要求コマンドを受けるとこの提供要求コマンドを発信した携帯電話のメモリ空き容量が当該サービスの実行に必要な容量分確保されているかチェックし、確保されていない場合にはその携帯電話のメモリに記憶されているデータを無線通信により収集して予め用意された携帯データ保管部に保管し、その携帯電話に当該提供サービス享受用プログラムデータを無線通信によりダウンロードするようにしたものである。
【0009】本願請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明のサービスメニュー配信手段を、無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話の携帯者を判断し、売上実績管理手段により管理されている当該携帯者の売上実績に基づいて該携帯電話が実行し得る各種提供サービスを選択し、その選択した提供サービスのメニューを無線通信により配信するようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。なお、この実施の形態は、百貨店,ショッピングセンター等の商業施設において商品販売取引の決済端末として稼動しているPOS端末装置に本発明を適用した場合である。
【0011】図1はこの実施の形態の商業施設に構築されたシステムの全体図である。本実施の形態のシステムは、施設内に点在している複数台のPOS端末装置1A,1B,…,1N(なお、POS端末装置はA〜Nの18台に限定されるものではない)と、各POS端末装置1A〜1Nを集中制御するPOSサーバ2とを、LAN(Local Area Network)等の通信回線3で接続してなるPOSシステムを含むものである。すなわち、各POS端末装置1A〜1Nで登録された商品販売取引に関するデータをPOSサーバ2が通信回線3を介して収集し集計して、施設全体の売上等を管理するものとなっている。
【0012】また本実施の形態のシステムは、ファイアウォールサーバ4を備え、このファイアウォールサーバ4を介して通信回線3とインターネット5とを接続するとともに、Web情報を発信することに特化したWebサーバ6と、電子化されたメールメッセージの送信及び受信に特化したメールサーバ7とを通信回線3に接続して、Webサーバ6から発信されるWeb情報を外部からインターネット5を使用して閲覧したり、インターネット5を経由して外部と電子メールを送受信したりすることを可能にしている。
【0013】各POS端末装置1A〜1Nは、10〜100メートル程度の近距離無線通信規格としてブルートゥースに対応した無線通信インタフェース25(図2参照)を搭載しており、それぞれ無線通信インタフェース25の通信距離によって定まる通信範囲8A,8B,…,8N内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる機器(携帯電話9を含む)と無線通信によるデータの送受信を可能にしている。そして各POS端末装置1A〜1Nは、商品販売取引の代金決済方法として携帯電話9による決済が指示されると、無線通信インタフェース25を使用した無線通信により取引相手が携帯する所定の携帯電話9から商品販売取引代金に相当する電子マネーデータを取り込むことによって決済を完了させるものとなっている。
【0014】図2は各POS端末装置1(以下、各POS端末装置1A〜1Nを総称する場合は符号を1とする)の一例を示す外観図であり、図3はこのPOS端末装置1の内部構成を示すブロック図である。
【0015】このPOS端末装置1は、装置本体10の上面手前側にキーボード11とオペレータ用のディスプレイ12を設け、背面側に顧客用のディスプレイ13を設けている。また、装置本体10内にプリンタ14(図3R>3のみに図示)を設け、このプリンタ14によって印字されたレシートを装置本体10の上面左側に形成したレシート発行口15(図2のみに図示)から排出するようになっている。また、キーボード11の側部に形成したカード読取用スリット16(図2のみに図示)に挿入された磁気カードのカードデータを読み取るカードリーダ17(図3のみに図示)を装置本体10内に設けている。さらに、現金等を収容するためのドロワ18を装置本体10の下方部に設けるとともに、バーコードを光学的に読み取るためのスキャナ19を装置本体10に接続している。
【0016】また、POS端末装置1は、主制御部としてCPU(Central Processing Unit)20を搭載し、このCPU20に、プログラム等の固定的データを予め格納したROM(Read Only Memory)21、各種データを書き換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)22、日時を計時する時計部23、前記通信回線3を介して接続される各部とのデータ通信を制御する通信コントローラ24及び前記ブルートゥース対応の無線通信インタフェース25の他、キーボードコントローラ26、表示コントローラ27、プリンタコントローラ28、カードリーダコントローラ29、スキャナインタフェース30、I/Oポート31等をバスライン32で接続してなるPOS端末装置制御回路を、装置本体10に内蔵している。
【0017】そして、キーボードコントローラ26により前記キーボード11を制御して、操作キーに対応したキー信号を取込み、CPU20に送信するようになっている。また、表示コントローラ27により前記オペレータ用ディスプレイ12及び客用ディスプレイ13をそれぞれ制御して、商品名,金額,メッセージ等を表示させる。また、プリンタコントローラ28により前記プリンタ14を制御してレシートの印字,発行等を行なわせる。また、カードリーダコントローラ29によりカードリーダ17を制御して磁気カードから読み取ったカードデータを取り込む。また、スキャナインタフェース30を介して前記スキャナ19で読み取られたバーコード信号を取り込む。また、CPU20からの指令に応じてI/Oポート31からドロワ18にオープン信号を送信するものとなっている。因みに、ドロワ18はオープン信号が与えられると装置本体10の正面側に自動的に開放動作する。
【0018】かかる構成の各POS端末装置1は、それぞれ図4に示すように、無線通信インタフェース25を介した無線通信により当該POS端末装置1と接続状態にある携帯電話9を特定するデータである携帯電話番号を一括して記憶する接続携帯テーブル33をRAM22に形成している。
【0019】図5はPOS端末装置1が有する無線通信インタフェース25と同一規格の無線通信インタフェースを内蔵した携帯電話9の一例を示す外観図であり、図6R>6はこの携帯電話9の内部構成を示すブロック図である。
【0020】この携帯電話9は、電話機本体90の正面上部に受話器91(図6)の受話口91aを設け、正面下部に送話器92(図6)の送話口92aを設けている。また、受話口91aと送話口92aとの間に、液晶ディスプレイ等の表示部93と、ダイヤルボタン,オンフックボタン,オフフックボタン,ファンクションボタン等を配設した入力部94とを設けている。さらに、電話機本体90の頂部に送受信アンテナ95を設けている。そして、マイコンを主体にした電話回路96を電話機本体90に内蔵し、この電話回路96によって前記受話器91,送話器92,表示部93,入力部94及び送受信アンテナ95の各部を制御して電話機能を実現している。また、前記ブルートゥース対応の無線通信インタフェース97を電話回路96に接続している。
【0021】電話回路96のメモリ98は、書き換え不能なROM領域と書き換え可能なRAM領域とがあり、ROM領域には携帯電話固有の端末識別情報として機能する携帯電話番号が格納されている。一方、RAM領域には、プリセットされたダイヤルデータや、発信・着信の履歴データ、着信音その他の音楽データ、表示部93に表示するイメージデータ等、種々のデータを記憶するためのエリアが確保されている。
【0022】さて、本実施の形態は、上記無線通信インタフェース97内蔵型の携帯電話9を携帯して来店した客が、その携帯電話9を用いて、インターネット上のWebサーバ(Webサーバ6を含む)が提供するホームページの閲覧サービス、電子化されたメールメッセージの送信サービス、商業施設内で使用可能なクーポン券の配信サービス等を無料で利用できるようにしている。以下、このサービス提供機能について具体的に説明する。
【0023】はじめに、本実施の形態では、上記サービス提供機能を実現するために、各POS端末装置1は携帯電話9から要求されたURLに基づいてWebサーバ6に当該Webのデータ取得を要求し、この要求に基づいてWebサーバ6から送られたWebデータを当該携帯電話9に送ったり、携帯電話9から送られてきたメールアドレスに基づいて該メールアドレスとともに送られてきたメール本文をメールサーバ7に送ったりする。また、POSサーバ2には、各POS端末装置1から通信回線3を通じてそれぞれアクセス可能な会員データファイル40、サービスデータファイル50、携帯データ保管ファイル60、サービスメニュー選択テーブル70及びサービスメニュー設定テーブル80の各記憶領域を形成している。
【0024】会員データファイル40は、図7に示すように、会員番号、この会員番号に対応付けられた氏名,住所等の会員個人情報、携帯電話番号、売上実績金額及び最終売上日付からなる売上実績データ及び売上実績ランクからなる会員データレコードを蓄積記憶するデータファイルである。ここで、会員番号は、携帯電話特別サービス会員として契約をした客に対して割り当てられる一意の番号で、各会員にはそれぞれその会員固有の会員番号が磁気記録された磁気カードが会員カードとして配布されている。会員個人情報及び携帯電話番号は、当該会員が契約時またはその後に申請した氏名,住所及び携帯電話番号である。売上実績金額は、当該会員の当該商業施設内での商品購入等に伴う売上金額の累計であり、売上実績ランクは、その売上実績金額の大小により段階的に定められたランクである。
【0025】サービスデータファイル50は、図8に示すように、サービス番号、サービス名称、メモリ使用容量及び提供サービス享受用プログラムデータからなるサービスデータレコードを蓄積記憶するデータファイルである。ここで、サービス番号は、無線通信インタフェース97内蔵型の携帯電話9を所持して来店した客がその携帯電話9を用いて享受することができる各種の提供サービスに対して一意に割り当てられた番号であり、サービス名称は、携帯電話9の表示部93等に表示されるサービスメニュー上に表示させる名称であり、メモリ使用容量は、そのサービスを享受する際に必要なメモリの使用容量であり、提供サービス享受用プログラムデータは、その提供サービスを享受する際に携帯電話9で実行されるプログラムデータである。因みに、この提供サービス享受用プログラムデータは携帯電話9に前記無線通信インタフェース25を介してダウンロードされる。
【0026】携帯データ保管ファイル60は、図9に示すように、携帯電話9のメモリ98に記憶されているデータの一部または全部を、その携帯電話9の携帯電話番号と任意に設定されたパスワードとをキーにして一時的に記憶する領域であって、携帯データ保管部を構成する。
【0027】サービスメニュー選択テーブル70は、図1010に示すように、売上実績ランク別に、そのランクに対応する売上実績金額の範囲と、そのランクの客に提供可能なサービスメニューを特定するランク別サービスメニュー情報とが設定されるテーブルである。
【0028】サービスメニュー設定テーブル80は、図1111に示すように、売上実績ランクにそれぞれ対応したランク別サービスメニュー毎にそのメニューに含まれるサービスのサービス番号を設定するテーブルである。
【0029】そして、本実施の形態では、非会員の売上実績ランクを「F」とし、この売上実績ランク「F」に属する客に対して提供されるサービスメニュー情報を「サービスメニュー1」としている。また、会員の売上実績ランクを「A」,「B」,「C」の3ランクに区分し、売上実績金額Mが[0≦M<X1]の範囲内にある売上実績ランク「C」に属する客に対して提供されるサービスメニュー情報を「サービスメニュー2」、売上実績金額Mが[X1≦M<X2]の範囲内にある売上実績ランク「B」に属する客に対して提供されるサービスメニュー情報を「サービスメニュー3」、売上実績金額Mが[X2≦M]の範囲内にある売上実績ランク「A」に属する客に対して提供されるサービスメニュー情報を「サービスメニュー4」としている。なお、売上実績金額Mの範囲において、0<X1<X2の関係がある。
【0030】また、本実施の形態では、ランク別サービスメニュー情報「サービスメニュー1」のサービスメニューにサービス番号「1」〜「3」までの3種類のサービスを設定し、ランク別サービスメニュー情報「サービスメニュー2」のサービスメニューにサービス番号「1」〜「5」までの5種類のサービスを設定し、ランク別サービスメニュー情報「サービスメニュー3」のサービスメニューにサービス番号「1」〜「7」までの7種類のサービスを設定し、ランク別サービスメニュー情報「サービスメニュー4」のサービスメニューにサービス番号「1」〜「10」までの10種類のサービスを設定している。
【0031】すなわち、売上実績ランク「F」の非会員客に対してはサービス番号「1」〜「3」までの3種類のサービスが提供され、売上実績ランク「C」の会員客に対してはサービス番号「1」〜「5」までの5種類のサービスが提供され、売上実績ランク「B」の会員客に対してはサービス番号「1」〜「7」までの7種類のサービスが提供され、売上実績ランク「A」の会員客に対してはサービス番号「1」〜「10」までの10種類のサービスが提供されるようになっている。
【0032】しかして、本実施の形態において、各POS端末装置1は、カードリーダ17により会員カードのカードデータが読み取られた状態で、キーボード11のキー入力あるいはスキャナ19のスキャニング入力により商品の販売登録が行なわれ、続いて締めキーの入力により商品販売登録の終了が宣言されると、販売登録された商品の合計金額を当該会員カードのカードデータ中の会員番号で特定される会員客の売上金額としてPOSサーバ2に送信する。これに応じて、POSサーバ2は、会員データファイル40を検索し、該当会員番号を含む会員データレコードの売上実績金額に上記売上金額を加算し、最終売上日付を本日の日付に更新するものとなっている。ここに、POSサーバ2は、携帯電話9携帯者の売上実績を会員データファイル40を用いて管理する売上実績管理手段を構成する。
【0033】また、POSサーバ2は、1日の営業終了後に会員データファイル40の各会員データレコードを1レコードずつチェックする。そして、最終売上日付が当日のレコードを取得する毎に、そのレコードの売上実績金額Mが属する売上実績ランクを、サービスメニュー選択テーブル70を参照して判定し、当該レコードの売上実績ランクと異なっていた場合には更新する。また、最終売上日付からの経過日数が予め設定された日数を経過していた場合には、当該レコードの売上実績ランクを「C」に戻す。
【0034】また、各POS端末装置1は、通常のPOS端末装置としての各種業務と並行して、図12の流れ図に示す携帯サービス提供業務をCPU20が繰返し実行するようになっている。
【0035】すなわちCPU20は、ST(ステップ)1として無線通信インタフェース25の通信範囲内に位置し接続状態にある携帯電話9に対してサービスメニューを受信しているか否かを各携帯電話9と無線通信を行なって確認する。これにより、接続状態にある携帯電話9が全てサービスメニューを受信済であることを確認した場合には、ST9の処理に進む。
【0036】これに対し、ST2としてサービスメニューを受信していない携帯電話9が存在する場合には、ST3としてその携帯電話9に設定されている携帯電話番号を当該携帯電話9と無線通信を行なって取得する。次に、ST4としてPOSサーバ2の会員データファイル40に蓄積されている会員データレコードの中に当該携帯電話9から取得した携帯電話番号が設定されたレコードが存在するか否かを調べる。そして、該当する会員データレコードが存在しなかった場合には、当該携帯電話9を携帯する客は非会員とみなし、ST5として当該客の売上実績ランクを「F」とする。一方、該当する会員データレコードが存在した場合には、当該携帯電話9を携帯する客は会員とみなし、ST6としてその会員データレコード中の売上実績ランク「A」,「B」または「C」を取得する。
【0037】こうして、当該携帯電話9を携帯する客の売上実績ランクを決定したならば、次に、ST7としてその売上実績ランクに対応したサービスメニューを作成する。具体的には、POSサーバ2のサービスメニュー選択テーブル70を参照して、当該客の売上実績ランクに対応したランク別サービスメニュー情報を取得し、次いで、POSサーバ2のサービスメニュー設定テーブル80を参照して、サービスメニュー選択テーブル70から取得したランク別サービスメニュー情報に対してデータ[1]が設定されたサービス番号を取得したならば、このサービス番号で識別されるサービスの名称をPOSサーバ2のサービスデータファイル50から取得し、その取得したサービス名称でサービスメニューを作成する。
【0038】こうして、当該携帯電話9を携帯する客の売上実績ランクに対応したサービスメニューを作成したならば、ST8としてこのサービスメニューのデータを当該携帯電話9に無線通信によって送信する。その後、ST9の処理に進む。
【0039】ここに、POS端末装置1のCPU20は、携帯サービス提供業務のST3乃至ST8の各処理を実行する手段によりサービスメニュー配信手段を構成している。
【0040】ST9では、接続状態にある携帯電話9からサービス要求コマンドを受信していないかチェックする。そして、無線通信インタフェース25において、いずれかの携帯電話9からサービス要求コマンドを受信していた場合には、ST10として図13に具体的に示すサービス要求受信処理を実行する。
【0041】先ず、ST21として携帯電話9から受信したサービス要求コマンドに含まれるサービス番号でPOSサーバ2のサービスデータファイル50を検索して、携帯電話9から要求があったサービスのメモリ使用容量Aを取得する。次に、ST22としてサービス要求元の携帯電話9に無線通信を利用してメモリ98の空き容量を問い合わせる。そして、ST23として当該携帯電話9からメモリ空き容量Bの応答があったならば、ST24としてそのメモリ空き容量BがST21にて取得したメモリ使用容量Aより少ないか判定する。
【0042】ここで、メモリ空き容量Bがメモリ使用容量A以上ある場合には、当該携帯電話9の現存のメモリ98をそのまま使って要求があったサービスを提供することができるのでST28の処理に進み、要求があったサービスを提供する際に必要な提供サービス享受用プログラムデータを当該携帯電話9に無線通信を利用してダウンロードする。
【0043】一方、メモリ空き容量Bがメモリ使用容量Aより少ない場合には、当該携帯電話9の現存のメモリ98の状態では要求があったサービスを提供することができないので、ST25としてサービス要求元の携帯電話9に無線通信を利用してメモリデータ収集コマンドを送信する。これに応じて、ST26として当該携帯電話9からメモリ98に記憶されているデータを収集できたならば、ST27としてこの携帯電話9から収集したメモリ98のデータをPOSサーバ2の携帯データ保管ファイル60に携帯電話データとして保管する。このとき、当該携帯電話9の携帯電話番号と当該携帯電話携帯者が携帯電話9の入力部94を操作して設定したパスワードとを対応付けて保管する。その後、ST28の処理に進み、要求があったサービスを提供する際に必要な提供サービス享受用プログラムデータを当該携帯電話9に無線通信を利用してダウンロードする。
【0044】ST28にて提供サービス享受用プログラムデータの携帯電話9に対するダウンロードが終了すると、次に、ST29として当該ダウンロードが正常に行なわれたか否かを判断する。そして、正常に行なわれたと判断した場合には、ST30としてそのダウンロードした提供サービス享受用プログラムの起動コマンドを当該携帯電話9に無線通信を利用して送信して、このサービス要求受信処理を終了する。
【0045】なお、ST23にてメモリ空き容量Bの応答がなかった場合、ST26にてメモリデータを収集できなかった場合、及びST29にてサービスプログラムのダウンロードが正常に完了しなかった場合には、それぞれその時点でこのサービス要求受信処理を終了する。
【0046】ここに、POS端末装置1のCPU20は、携帯サービス提供業務のST10の処理を実行する手段によりプログラムダウンロード手段を構成している。
【0047】図12に説明を戻す。CPU20は、ST9にて接続状態にある携帯電話9からサービス要求コマンドを受信していなかった場合、あるいはST10のサービス要求受信処理を終了した場合には、ST11として接続状態にある携帯電話9からサービス終了コマンドを受信していないかチェックする。そして、無線通信インタフェース25において、いずれかの携帯電話9からサービス終了コマンドを受信していた場合には、ST12として図14に具体的に示すサービス終了受信処理を実行する。
【0048】先ず、ST31としてサービス終了コマンド送信元の携帯電話9に無線通信を利用してサービスプログラムデータの削除コマンドを送信する。次に、ST32として当該携帯電話9から取得した携帯電話番号を検索キーにしてPOSサーバ2の携帯データ保管ファイル60を検索し、当該携帯電話9のメモリデータを保管しているか否かを判断する。そして、当該携帯電話9から取得した携帯電話番号が設定された携帯電話データが携帯データ保管ファイル60に保管されていない場合には、このサービス終了受信処理を終了する。
【0049】これに対し、当該携帯電話9から取得した携帯電話番号が設定された携帯電話データが携帯データ保管ファイル60に保管されていた場合には、ST33として当該携帯電話9に無線通信を利用してパスワードの入力要求コマンドを送信する。これに応じて、ST34として当該携帯電話9の入力部94を介して入力されたパスワードを無線通信インタフェース25により受信したならば、ST35としてそのパスワードが当該携帯電話9の携帯電話データに対応するパスワードと一致するかチェックする。そして一致する場合には、携帯電話9の入力部94を介して入力されたパスワードは当該携帯電話9の携帯者しか知り得ない正当なものであるので、ST37として携帯データ保管ファイル60からその携帯電話データを読込み、無線通信を利用して当該携帯電話9に転送して、当該携帯電話9のメモリ98をサービスプログラムダウンロード前の状態に復元させる。以上で、このサービス終了受信処理を終了するものとなっている。
【0050】なお、ST35にてパスワードが一致しない場合にはST33の処理に戻り、パスワードの入力要求コマンドを携帯電話9に再度送信してパスワードの再入力を促す。また、ST34にて一定時間を経過してもサービス終了コマンド送信元の携帯電話9からパスワードが無線送信されてこなかった場合も、その時点でこのサービス終了受信処理を終了するものとなっている。
【0051】図12に説明を戻す。CPU20は、ST11にて接続状態にある携帯電話9からサービス終了コマンドを受信していなかった場合、あるいはST12のサービス終了受信処理を終了した場合には、携帯サービス提供業務の1回の処理を終了する。そして、再びST1の処理を開始し、無線通信インタフェース25の通信範囲内に位置し接続状態にある携帯電話9に対してサービスメニューを受信しているか否かを確認するものとなっている。
【0052】このような構成の携帯サービス提携業務を実行可能なCPU20を搭載するとともに、近距離無線通信規格としてブルートゥースに対応した無線通信インタフェース25を内蔵してなる各POS端末装置1A,1B,…,1Nと、会員データファイル40、サービスデータファイル50、携帯データ保管ファイル60、サービスメニュー選択テーブル70及びサービスメニュー設定テーブル80の各記憶領域を備えてなるPOSサーバ2とを含む本実施の態のシステムが構築された百貨店,ショッピングセンター等の商業施設においては、同じく近距離無線通信規格としてブルートゥースに対応した無線通信インタフェース97内蔵の携帯電話9を携帯した客が施設内に入り、はじめに、例えばPOS端末装置1Aの無線通信範囲8A内に入ると、当該客の携帯電話9と当該POS端末装置1Aとが無線通信により自動的に接続される。
【0053】ここで、当該客が携帯電話特別サービス会員でない場合には、サービス番号「1」〜「3」までの3種類のサービスを選択可能なサービスメニューデータがPOS端末装置1Aから当該客が携帯している携帯電話9に無線通信により送信される。また、当該客が携帯電話特別サービス会員であり、売上実績ランクが「A」の客の場合には、サービス番号「1」〜「10」までの10種類のサービスを選択可能なサービスメニューデータがPOS端末装置1Aから当該客の携帯電話9に無線通信により送信される。
【0054】一方、サービスメニューデータを受信した携帯電話9においては、その表示部93に各サービスメニューのサービス番号と名称とが一覧表示される。そこで、このメニューの中のサービスを受けたい携帯電話携帯者は、入力部94を操作して所望するサービスのサービス番号または名称を選択する。
【0055】今、携帯電話携帯者がサービス番号「1」のサービスを選択操作したとする。そうすると、携帯電話9からPOS端末装置1Aにサービス要求コマンドが送信される。これにより、POS端末装置1Aにおいては、サービス番号「1」のサービスを提供するのに必要なメモリの使用容量Aが取得される。また、当該携帯電話9の電話回路96に実装されているメモリ98の空き容量Bがチェックされる。
【0056】ここで、メモリ98の空き容量Bがサービス番号「1」のサービスを実行するのに必要なメモリの使用容量Aに対して不足している場合には、POS端末装置1Aから当該携帯電話9にメモリデータ収集要求コマンドが送信される。これに応じて、当該携帯電話9においては、パスワードの入力が要求される。そこで、携帯電話携帯者は、入力部94を操作して任意のパスワードを入力する。そうすると、当該携帯電話9のメモリ98に記憶されているデータのうちRAM領域のデータが、入力されたパスワード及び携帯電話番号とともに無線通信によりPOS端末装置1Aに伝送され、さらに通信回線3を通じてPOSサーバ2に転送されて、携帯データ保管ファイル60に保管される。
【0057】こうして、携帯電話9のメモリ98にサービスの提供に際し必要な空き容量が確保されたならば、POS端末装置1Aから当該携帯電話9にサービス番号「1」の提供サービス享受用プログラムが無線通信によりダウンロードされる。そして、ダウンロードを正常に完了すると、この提供サービス享受用プログラムの起動コマンドがPOS端末装置1Aから当該携帯電話9に無線通信により送信される。これにより、当該携帯電話9において提供サービス享受用プログラムが実行され、携帯電話携帯者が当該携帯電話9の機能を利用して所望するサービスを受けられるようになる。
【0058】例えば、ホームページの閲覧サービスを選択した携帯電話携帯者は、携帯電話9の入力部94を操作してホームページのURL(Uniform Resource Locator)を入力する。そうすると、このURLが無線通信によりPOS端末装置1Aに送信される。これにより、POS端末装置1Aは、Webサーバ6及びファイアウォールサーバ4を介してインターネット5上の該当URLで識別されるホームページがダウンロードし、そのホームページのデータが無線通信により当該携帯電話9に送信される。かくして、携帯電話携帯者は、携帯電話9の表示部93で所望するホームページを閲覧することができる。
【0059】また、メールメッセージの送信サービスを選択した携帯電話携帯者は、携帯電話9の入力部94を操作してメールアドレスとメール本文とを入力する。そうすると、このメールアドレスとメール本文とがPOS端末装置1Aに送信される。これにより、POS端末装置1Aは、Webサーバ6及びファイアウォールサーバ4を介してインターネット5上のメールサーバにメール本文が伝送される。かくして、携帯電話携帯者は、携帯電話9を利用して電子化されたメールメッセージを送信することができる。
【0060】また、クーポン券の配信サービスを選択した携帯電話携帯者は、携帯電話9の入力部94を操作してクーポン券の取得要求を指令する。そうすると、このクーポン件取得要求コマンドがPOS端末装置1Aに送信される。これにより、POS端末装置1Aは、通信回線3で接続されたWebサーバ6から当該POS端末装置1Aが設置されている売場で使用可能なクーポン券のホームページがダウンロードされ、このクーポン券のホームページが無線通信により当該携帯電話9に送信される。かくして、携帯電話携帯者は、携帯電話9の表示部93に表示されるクーポン券を用いて、当該売場にてクーポン対象商品の特典を受けることができる。
【0061】また、同一施設内にいる他の携帯電話携帯者への伝言サービスを選択した場合には、携帯電話9の入力部94を操作して相手方の携帯電話番号と伝言とを入力する。そうすると、この携帯電話番号と伝言とがPOS端末装置1Aに送信される。これにより、POS端末装置1Aはその携帯電話番号が自己の接続携帯テーブル33にて管理している番号か否かを判断し、管理している番号であればその携帯電話番号が設定された携帯電話9に伝言を無線送信する。また、管理していない番号の場合には、通信回線3を介して接続携帯テーブル33で当該携帯電話番号を管理しているPOS端末装置を探す。ここで、例えばPOS端末装置2Bが該当する携帯電話番号を管理していたとすると、該POS端末装置2Bに携帯電話番号と伝言とを転送する。これにより、POS端末装置1Bは、該当携帯電話番号が設定された携帯電話9に伝言を無線通信により送信する。かくして、携帯電話9の携帯者どうしが携帯電話9を利用して伝言を行なうことができる。
【0062】サービスの享受を受けた携帯電話携帯者は、携帯電話9の入力部94を操作してサービスの終了を選択する。そうすると、携帯電話9からPOS端末装置1Aにサービス終了コマンドが送信される。これに応じて、POS端末装置1Aから携帯電話9に提供サービス享受用プログラムの削除コマンドが送信される。これにより、当該携帯電話9のメモリ98にダウンロードされていた提供サービス享受用プログラム及びこのプログラムで使用していたメモリ領域のデータがクリアされる。
【0063】また、POS端末装置1Aにおいては、当該携帯電話9のメモリデータを携帯データ保管ファイル60で保管しているか否かが携帯電話番号に基づいて判断される。そして、保管している場合には、そのメモリデータが携帯データ保管ファイル60から読み出され、無線通信により当該携帯電話9に送信されて、当該携帯電話9のメモリ98がサービスを受ける前の状態に復元される。
【0064】このように本実施の形態によれば、百貨店,ショッピングセンター等の商業施設において、客が携帯電話9を利用してホームページの閲覧サービス、メールメッセージの送信サービス、クーポン券の配信サービス、同一施設内にいる他の携帯電話携帯者への伝言サービス等、携帯電話9の機能を利用して実行し得る各種の提供サービスを受けることができる。この場合において、いずれの提供サービスを受ける際にも携帯電話回線を全く使用しないので、インターネット使用料を施設側が負担することによってサービスの提供を無料にできる。しかも、施設内のどの場所であっても携帯電話9といずれかのPOS端末装置1A,1B,…,1Nとが接続状態となるように各POS端末装置1A,1B,…,1Nを施設内の各所に点在させることによって、携帯電話携帯者が施設内のどの場所にいても上記のサービスを確実に受けられるようになる。したがって、客にとって大変魅力的なサービスを実施することができるので、集客効果が期待できる。
【0065】また、本実施の形態では、当該商業施設内での売上貢献度が高い客ほどより多くのサービスが受けられるようになるので、客の商品購買意欲が高められ、売上の増加も期待できる。
【0066】また、本実施の形態では、携帯電話9に実装されているメモリ98の空き容量がサービスプログラムを実行するのに必要なメモリ容量に対して不足する場合には、メモリ98内のデータの一部をPOSサーバ2の携帯データ保管ファイル60にて一時的に保管し、メモリ容量の不足を解消するようにしたので、メモリ容量が少ない携帯電話9であっても確実にサービスプログラムをメモリ98にダウンロードして所望するサービスを受けることができる。
【0067】なお、本発明は、デパートやショッピングセンターなどの商業施設に用いられるPOS端末装置に限定されるものではなく、遊園地や競技場等の娯楽施設に用いられるPOS端末装置にも同様に適用できるものである。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように本願請求項1乃至3記載の発明によれば、施設に来訪した客に、その客が携帯する携帯電話を利用して、様々なデータ通信サービスを確実にかつ無料で提供できるPOS端末装置を提供できる。
【0069】また、請求項2記載の発明によれば、客が携帯する携帯電話のメモリに空き容量が不足していても対応できる効果を奏する。
【0070】また、請求項3記載の発明によれば、客の売上実績に応じて提供可能なサービスの内容を変えることが可能となり、客の商品購買意欲を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態として商業施設に構築されるシステムの全体図。
【図2】 同実施の形態におけるPOS端末装置の外観斜視図。
【図3】 同POS端末装置の要部構成を示すブロック図。
【図4】 同POS端末装置のRAMに形成される接続形態テーブルを示す図。
【図5】 同実施の形態における携帯電話の外観図。
【図6】 同携帯電話の要部構成を示すブロック図。
【図7】 同実施の形態においてPOSサーバに設けられる会員データファイルの構成図。
【図8】 同実施の形態においてPOSサーバに設けられるサービスデータファイルの構成図。
【図9】 同実施の形態においてPOSサーバに設けられる携帯データ保管ファイルの構成図。
【図10】同実施の形態においてPOSサーバに設けられるサービスメニュー選択テーブルの構成図。
【図11】同実施の形態においてPOSサーバに設けられるサービスメニュー設定テーブルの構成図。
【図12】同実施の形態においてPOS端末装置のCPUが実行する携帯サービス提供業務の要部処理手順を示す流れ図。
【図13】図12におけるサービス要求受信処理を具体的に示す流れ図。
【図14】図12におけるサービス終了受信処理を具体的に示す流れ図。
【符号の説明】
1(1A,1B,…,1N)…POS端末装置
2…POSサーバ
9…携帯電話
25,97…無線通信インタフェース
33…接続携帯テーブル
40…会員データファイル
50…サービスデータファイル
60…携帯データ保管ファイル
70…サービスメニュー選択テーブル
80…サービスメニュー設定テーブル
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、百貨店,ショッピングセンター,遊園地,競技場等の施設で用いられるPOS(Point Of Sales:販売時点情報管理)端末装置に関し、特に、ブルートゥース等の近距離無線通信規格に対応した無線通信インタフェースを利用して携帯電話とデータ通信が可能なPOS端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今の携帯電話は、通常の音声通話サービス以外に、携帯電話回線を利用してインターネット上のWebサーバが提供する情報(ホームページ)を閲覧したり、メールメッセージ等の電子データを送受信したりするデータ通信サービスを可能とする等の多機能化が進んでいる。このため、多くの人が百貨店やショッピングセンター等で買物をしたり、遊園地や競技場等で娯楽を楽しんだりする際も携帯電話を携帯している。
【0003】また最近では、ブルートゥースのように携帯電話回線を利用しないで10〜100メートル程度の近距離無線通信を直接行なう規格に対応した無線通信インタフェースを内蔵し、同一仕様の無線通信インタフェースを搭載したコンピュータ機器と通信料金を要しない無線通信によりデータを送受信できるようにした携帯電話も開発されている。
【0004】そこで最近、商品販売取引の決済端末として機能するPOS端末装置に、携帯電話に内蔵された無線通信インタフェースと同一仕様の無線通信インタフェースを設け、携帯電話と携帯電話回線を介さないで行なう無線通信によるデータの送受信を可能とする一方、当該携帯電話にその内部メモリを使用して電子財布機能を持たせ、POS端末装置において、商品販売取引の代金決済方法として携帯電話による決済が指示されると、無線通信により取引相手が所有する携帯電話から商品販売取引代金に相当する電子マネーデータをPOS端末装置が取り込むことによって決済を完了させる仕組みが考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、デパートやショッピングセンターなどの商業施設の事業者や遊園地,競技場等の娯楽施設の事業者にとっては、多くの客をいかに集めることができるかが経営の安定化を図る上で大変重要なことである。そのためには、客にとって大変魅力的なサービスを施設内で実施することが、他の類似施設との差別化を図ることができるので集客効果が期待でき、望ましい。
【0006】そこで本出願人は、施設に来る多くの客が携帯電話を携帯していること、ビル内等の屋内施設内では携帯電話基地局からの電波を携帯電話で正常に受信できない場所が発生し得ること、携帯電話回線を利用してデータ通信サービスを受けると通信料金がかかるがブルートゥースのような各国で免許不要な周波数帯域ISM(Industrial Scientific Medical)を用いた近距離無線通信規格に対応した無線通信によるデータの送受信には料金がかからないこと、施設内には商品販売取引の決済端末としてPOS端末装置が点在しており、これらのPOS端末装置はLAN(Local Area Network)等のネットワークで接続されて相互間のデータ通信が可能であること、POS端末装置間を接続するネットワークに同一施設内のWebサーバ,メールサーバ等のサーバ機器を接続可能であること等に着眼し、施設に来訪した客に、その客が携帯する携帯電話を利用して、様々なデータ通信サービスを確実にかつ無料で提供できるPOS端末装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の発明は、無線通信インタフェースを備え、この無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話と無線によるデータの送受信が可能なPOS端末装置において、無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話に該携帯電話が実行し得る各種提供サービスのメニューを無線通信により配信するサービスメニュー配信手段と、このサービスメニュー配信手段により各種提供サービスのメニューを配信した携帯電話からサービスの提供要求コマンドを受けるとその携帯電話に当該提供サービス享受用プログラムデータを無線通信によりダウンロードするプログラムダウンロード手段とを備えたものである。
【0008】本願請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明のプログラムダウンロード手段を、各種提供サービスのメニューを配信した携帯電話からサービスの提供要求コマンドを受けるとこの提供要求コマンドを発信した携帯電話のメモリ空き容量が当該サービスの実行に必要な容量分確保されているかチェックし、確保されていない場合にはその携帯電話のメモリに記憶されているデータを無線通信により収集して予め用意された携帯データ保管部に保管し、その携帯電話に当該提供サービス享受用プログラムデータを無線通信によりダウンロードするようにしたものである。
【0009】本願請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明のサービスメニュー配信手段を、無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話の携帯者を判断し、売上実績管理手段により管理されている当該携帯者の売上実績に基づいて該携帯電話が実行し得る各種提供サービスを選択し、その選択した提供サービスのメニューを無線通信により配信するようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。なお、この実施の形態は、百貨店,ショッピングセンター等の商業施設において商品販売取引の決済端末として稼動しているPOS端末装置に本発明を適用した場合である。
【0011】図1はこの実施の形態の商業施設に構築されたシステムの全体図である。本実施の形態のシステムは、施設内に点在している複数台のPOS端末装置1A,1B,…,1N(なお、POS端末装置はA〜Nの18台に限定されるものではない)と、各POS端末装置1A〜1Nを集中制御するPOSサーバ2とを、LAN(Local Area Network)等の通信回線3で接続してなるPOSシステムを含むものである。すなわち、各POS端末装置1A〜1Nで登録された商品販売取引に関するデータをPOSサーバ2が通信回線3を介して収集し集計して、施設全体の売上等を管理するものとなっている。
【0012】また本実施の形態のシステムは、ファイアウォールサーバ4を備え、このファイアウォールサーバ4を介して通信回線3とインターネット5とを接続するとともに、Web情報を発信することに特化したWebサーバ6と、電子化されたメールメッセージの送信及び受信に特化したメールサーバ7とを通信回線3に接続して、Webサーバ6から発信されるWeb情報を外部からインターネット5を使用して閲覧したり、インターネット5を経由して外部と電子メールを送受信したりすることを可能にしている。
【0013】各POS端末装置1A〜1Nは、10〜100メートル程度の近距離無線通信規格としてブルートゥースに対応した無線通信インタフェース25(図2参照)を搭載しており、それぞれ無線通信インタフェース25の通信距離によって定まる通信範囲8A,8B,…,8N内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる機器(携帯電話9を含む)と無線通信によるデータの送受信を可能にしている。そして各POS端末装置1A〜1Nは、商品販売取引の代金決済方法として携帯電話9による決済が指示されると、無線通信インタフェース25を使用した無線通信により取引相手が携帯する所定の携帯電話9から商品販売取引代金に相当する電子マネーデータを取り込むことによって決済を完了させるものとなっている。
【0014】図2は各POS端末装置1(以下、各POS端末装置1A〜1Nを総称する場合は符号を1とする)の一例を示す外観図であり、図3はこのPOS端末装置1の内部構成を示すブロック図である。
【0015】このPOS端末装置1は、装置本体10の上面手前側にキーボード11とオペレータ用のディスプレイ12を設け、背面側に顧客用のディスプレイ13を設けている。また、装置本体10内にプリンタ14(図3R>3のみに図示)を設け、このプリンタ14によって印字されたレシートを装置本体10の上面左側に形成したレシート発行口15(図2のみに図示)から排出するようになっている。また、キーボード11の側部に形成したカード読取用スリット16(図2のみに図示)に挿入された磁気カードのカードデータを読み取るカードリーダ17(図3のみに図示)を装置本体10内に設けている。さらに、現金等を収容するためのドロワ18を装置本体10の下方部に設けるとともに、バーコードを光学的に読み取るためのスキャナ19を装置本体10に接続している。
【0016】また、POS端末装置1は、主制御部としてCPU(Central Processing Unit)20を搭載し、このCPU20に、プログラム等の固定的データを予め格納したROM(Read Only Memory)21、各種データを書き換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)22、日時を計時する時計部23、前記通信回線3を介して接続される各部とのデータ通信を制御する通信コントローラ24及び前記ブルートゥース対応の無線通信インタフェース25の他、キーボードコントローラ26、表示コントローラ27、プリンタコントローラ28、カードリーダコントローラ29、スキャナインタフェース30、I/Oポート31等をバスライン32で接続してなるPOS端末装置制御回路を、装置本体10に内蔵している。
【0017】そして、キーボードコントローラ26により前記キーボード11を制御して、操作キーに対応したキー信号を取込み、CPU20に送信するようになっている。また、表示コントローラ27により前記オペレータ用ディスプレイ12及び客用ディスプレイ13をそれぞれ制御して、商品名,金額,メッセージ等を表示させる。また、プリンタコントローラ28により前記プリンタ14を制御してレシートの印字,発行等を行なわせる。また、カードリーダコントローラ29によりカードリーダ17を制御して磁気カードから読み取ったカードデータを取り込む。また、スキャナインタフェース30を介して前記スキャナ19で読み取られたバーコード信号を取り込む。また、CPU20からの指令に応じてI/Oポート31からドロワ18にオープン信号を送信するものとなっている。因みに、ドロワ18はオープン信号が与えられると装置本体10の正面側に自動的に開放動作する。
【0018】かかる構成の各POS端末装置1は、それぞれ図4に示すように、無線通信インタフェース25を介した無線通信により当該POS端末装置1と接続状態にある携帯電話9を特定するデータである携帯電話番号を一括して記憶する接続携帯テーブル33をRAM22に形成している。
【0019】図5はPOS端末装置1が有する無線通信インタフェース25と同一規格の無線通信インタフェースを内蔵した携帯電話9の一例を示す外観図であり、図6R>6はこの携帯電話9の内部構成を示すブロック図である。
【0020】この携帯電話9は、電話機本体90の正面上部に受話器91(図6)の受話口91aを設け、正面下部に送話器92(図6)の送話口92aを設けている。また、受話口91aと送話口92aとの間に、液晶ディスプレイ等の表示部93と、ダイヤルボタン,オンフックボタン,オフフックボタン,ファンクションボタン等を配設した入力部94とを設けている。さらに、電話機本体90の頂部に送受信アンテナ95を設けている。そして、マイコンを主体にした電話回路96を電話機本体90に内蔵し、この電話回路96によって前記受話器91,送話器92,表示部93,入力部94及び送受信アンテナ95の各部を制御して電話機能を実現している。また、前記ブルートゥース対応の無線通信インタフェース97を電話回路96に接続している。
【0021】電話回路96のメモリ98は、書き換え不能なROM領域と書き換え可能なRAM領域とがあり、ROM領域には携帯電話固有の端末識別情報として機能する携帯電話番号が格納されている。一方、RAM領域には、プリセットされたダイヤルデータや、発信・着信の履歴データ、着信音その他の音楽データ、表示部93に表示するイメージデータ等、種々のデータを記憶するためのエリアが確保されている。
【0022】さて、本実施の形態は、上記無線通信インタフェース97内蔵型の携帯電話9を携帯して来店した客が、その携帯電話9を用いて、インターネット上のWebサーバ(Webサーバ6を含む)が提供するホームページの閲覧サービス、電子化されたメールメッセージの送信サービス、商業施設内で使用可能なクーポン券の配信サービス等を無料で利用できるようにしている。以下、このサービス提供機能について具体的に説明する。
【0023】はじめに、本実施の形態では、上記サービス提供機能を実現するために、各POS端末装置1は携帯電話9から要求されたURLに基づいてWebサーバ6に当該Webのデータ取得を要求し、この要求に基づいてWebサーバ6から送られたWebデータを当該携帯電話9に送ったり、携帯電話9から送られてきたメールアドレスに基づいて該メールアドレスとともに送られてきたメール本文をメールサーバ7に送ったりする。また、POSサーバ2には、各POS端末装置1から通信回線3を通じてそれぞれアクセス可能な会員データファイル40、サービスデータファイル50、携帯データ保管ファイル60、サービスメニュー選択テーブル70及びサービスメニュー設定テーブル80の各記憶領域を形成している。
【0024】会員データファイル40は、図7に示すように、会員番号、この会員番号に対応付けられた氏名,住所等の会員個人情報、携帯電話番号、売上実績金額及び最終売上日付からなる売上実績データ及び売上実績ランクからなる会員データレコードを蓄積記憶するデータファイルである。ここで、会員番号は、携帯電話特別サービス会員として契約をした客に対して割り当てられる一意の番号で、各会員にはそれぞれその会員固有の会員番号が磁気記録された磁気カードが会員カードとして配布されている。会員個人情報及び携帯電話番号は、当該会員が契約時またはその後に申請した氏名,住所及び携帯電話番号である。売上実績金額は、当該会員の当該商業施設内での商品購入等に伴う売上金額の累計であり、売上実績ランクは、その売上実績金額の大小により段階的に定められたランクである。
【0025】サービスデータファイル50は、図8に示すように、サービス番号、サービス名称、メモリ使用容量及び提供サービス享受用プログラムデータからなるサービスデータレコードを蓄積記憶するデータファイルである。ここで、サービス番号は、無線通信インタフェース97内蔵型の携帯電話9を所持して来店した客がその携帯電話9を用いて享受することができる各種の提供サービスに対して一意に割り当てられた番号であり、サービス名称は、携帯電話9の表示部93等に表示されるサービスメニュー上に表示させる名称であり、メモリ使用容量は、そのサービスを享受する際に必要なメモリの使用容量であり、提供サービス享受用プログラムデータは、その提供サービスを享受する際に携帯電話9で実行されるプログラムデータである。因みに、この提供サービス享受用プログラムデータは携帯電話9に前記無線通信インタフェース25を介してダウンロードされる。
【0026】携帯データ保管ファイル60は、図9に示すように、携帯電話9のメモリ98に記憶されているデータの一部または全部を、その携帯電話9の携帯電話番号と任意に設定されたパスワードとをキーにして一時的に記憶する領域であって、携帯データ保管部を構成する。
【0027】サービスメニュー選択テーブル70は、図1010に示すように、売上実績ランク別に、そのランクに対応する売上実績金額の範囲と、そのランクの客に提供可能なサービスメニューを特定するランク別サービスメニュー情報とが設定されるテーブルである。
【0028】サービスメニュー設定テーブル80は、図1111に示すように、売上実績ランクにそれぞれ対応したランク別サービスメニュー毎にそのメニューに含まれるサービスのサービス番号を設定するテーブルである。
【0029】そして、本実施の形態では、非会員の売上実績ランクを「F」とし、この売上実績ランク「F」に属する客に対して提供されるサービスメニュー情報を「サービスメニュー1」としている。また、会員の売上実績ランクを「A」,「B」,「C」の3ランクに区分し、売上実績金額Mが[0≦M<X1]の範囲内にある売上実績ランク「C」に属する客に対して提供されるサービスメニュー情報を「サービスメニュー2」、売上実績金額Mが[X1≦M<X2]の範囲内にある売上実績ランク「B」に属する客に対して提供されるサービスメニュー情報を「サービスメニュー3」、売上実績金額Mが[X2≦M]の範囲内にある売上実績ランク「A」に属する客に対して提供されるサービスメニュー情報を「サービスメニュー4」としている。なお、売上実績金額Mの範囲において、0<X1<X2の関係がある。
【0030】また、本実施の形態では、ランク別サービスメニュー情報「サービスメニュー1」のサービスメニューにサービス番号「1」〜「3」までの3種類のサービスを設定し、ランク別サービスメニュー情報「サービスメニュー2」のサービスメニューにサービス番号「1」〜「5」までの5種類のサービスを設定し、ランク別サービスメニュー情報「サービスメニュー3」のサービスメニューにサービス番号「1」〜「7」までの7種類のサービスを設定し、ランク別サービスメニュー情報「サービスメニュー4」のサービスメニューにサービス番号「1」〜「10」までの10種類のサービスを設定している。
【0031】すなわち、売上実績ランク「F」の非会員客に対してはサービス番号「1」〜「3」までの3種類のサービスが提供され、売上実績ランク「C」の会員客に対してはサービス番号「1」〜「5」までの5種類のサービスが提供され、売上実績ランク「B」の会員客に対してはサービス番号「1」〜「7」までの7種類のサービスが提供され、売上実績ランク「A」の会員客に対してはサービス番号「1」〜「10」までの10種類のサービスが提供されるようになっている。
【0032】しかして、本実施の形態において、各POS端末装置1は、カードリーダ17により会員カードのカードデータが読み取られた状態で、キーボード11のキー入力あるいはスキャナ19のスキャニング入力により商品の販売登録が行なわれ、続いて締めキーの入力により商品販売登録の終了が宣言されると、販売登録された商品の合計金額を当該会員カードのカードデータ中の会員番号で特定される会員客の売上金額としてPOSサーバ2に送信する。これに応じて、POSサーバ2は、会員データファイル40を検索し、該当会員番号を含む会員データレコードの売上実績金額に上記売上金額を加算し、最終売上日付を本日の日付に更新するものとなっている。ここに、POSサーバ2は、携帯電話9携帯者の売上実績を会員データファイル40を用いて管理する売上実績管理手段を構成する。
【0033】また、POSサーバ2は、1日の営業終了後に会員データファイル40の各会員データレコードを1レコードずつチェックする。そして、最終売上日付が当日のレコードを取得する毎に、そのレコードの売上実績金額Mが属する売上実績ランクを、サービスメニュー選択テーブル70を参照して判定し、当該レコードの売上実績ランクと異なっていた場合には更新する。また、最終売上日付からの経過日数が予め設定された日数を経過していた場合には、当該レコードの売上実績ランクを「C」に戻す。
【0034】また、各POS端末装置1は、通常のPOS端末装置としての各種業務と並行して、図12の流れ図に示す携帯サービス提供業務をCPU20が繰返し実行するようになっている。
【0035】すなわちCPU20は、ST(ステップ)1として無線通信インタフェース25の通信範囲内に位置し接続状態にある携帯電話9に対してサービスメニューを受信しているか否かを各携帯電話9と無線通信を行なって確認する。これにより、接続状態にある携帯電話9が全てサービスメニューを受信済であることを確認した場合には、ST9の処理に進む。
【0036】これに対し、ST2としてサービスメニューを受信していない携帯電話9が存在する場合には、ST3としてその携帯電話9に設定されている携帯電話番号を当該携帯電話9と無線通信を行なって取得する。次に、ST4としてPOSサーバ2の会員データファイル40に蓄積されている会員データレコードの中に当該携帯電話9から取得した携帯電話番号が設定されたレコードが存在するか否かを調べる。そして、該当する会員データレコードが存在しなかった場合には、当該携帯電話9を携帯する客は非会員とみなし、ST5として当該客の売上実績ランクを「F」とする。一方、該当する会員データレコードが存在した場合には、当該携帯電話9を携帯する客は会員とみなし、ST6としてその会員データレコード中の売上実績ランク「A」,「B」または「C」を取得する。
【0037】こうして、当該携帯電話9を携帯する客の売上実績ランクを決定したならば、次に、ST7としてその売上実績ランクに対応したサービスメニューを作成する。具体的には、POSサーバ2のサービスメニュー選択テーブル70を参照して、当該客の売上実績ランクに対応したランク別サービスメニュー情報を取得し、次いで、POSサーバ2のサービスメニュー設定テーブル80を参照して、サービスメニュー選択テーブル70から取得したランク別サービスメニュー情報に対してデータ[1]が設定されたサービス番号を取得したならば、このサービス番号で識別されるサービスの名称をPOSサーバ2のサービスデータファイル50から取得し、その取得したサービス名称でサービスメニューを作成する。
【0038】こうして、当該携帯電話9を携帯する客の売上実績ランクに対応したサービスメニューを作成したならば、ST8としてこのサービスメニューのデータを当該携帯電話9に無線通信によって送信する。その後、ST9の処理に進む。
【0039】ここに、POS端末装置1のCPU20は、携帯サービス提供業務のST3乃至ST8の各処理を実行する手段によりサービスメニュー配信手段を構成している。
【0040】ST9では、接続状態にある携帯電話9からサービス要求コマンドを受信していないかチェックする。そして、無線通信インタフェース25において、いずれかの携帯電話9からサービス要求コマンドを受信していた場合には、ST10として図13に具体的に示すサービス要求受信処理を実行する。
【0041】先ず、ST21として携帯電話9から受信したサービス要求コマンドに含まれるサービス番号でPOSサーバ2のサービスデータファイル50を検索して、携帯電話9から要求があったサービスのメモリ使用容量Aを取得する。次に、ST22としてサービス要求元の携帯電話9に無線通信を利用してメモリ98の空き容量を問い合わせる。そして、ST23として当該携帯電話9からメモリ空き容量Bの応答があったならば、ST24としてそのメモリ空き容量BがST21にて取得したメモリ使用容量Aより少ないか判定する。
【0042】ここで、メモリ空き容量Bがメモリ使用容量A以上ある場合には、当該携帯電話9の現存のメモリ98をそのまま使って要求があったサービスを提供することができるのでST28の処理に進み、要求があったサービスを提供する際に必要な提供サービス享受用プログラムデータを当該携帯電話9に無線通信を利用してダウンロードする。
【0043】一方、メモリ空き容量Bがメモリ使用容量Aより少ない場合には、当該携帯電話9の現存のメモリ98の状態では要求があったサービスを提供することができないので、ST25としてサービス要求元の携帯電話9に無線通信を利用してメモリデータ収集コマンドを送信する。これに応じて、ST26として当該携帯電話9からメモリ98に記憶されているデータを収集できたならば、ST27としてこの携帯電話9から収集したメモリ98のデータをPOSサーバ2の携帯データ保管ファイル60に携帯電話データとして保管する。このとき、当該携帯電話9の携帯電話番号と当該携帯電話携帯者が携帯電話9の入力部94を操作して設定したパスワードとを対応付けて保管する。その後、ST28の処理に進み、要求があったサービスを提供する際に必要な提供サービス享受用プログラムデータを当該携帯電話9に無線通信を利用してダウンロードする。
【0044】ST28にて提供サービス享受用プログラムデータの携帯電話9に対するダウンロードが終了すると、次に、ST29として当該ダウンロードが正常に行なわれたか否かを判断する。そして、正常に行なわれたと判断した場合には、ST30としてそのダウンロードした提供サービス享受用プログラムの起動コマンドを当該携帯電話9に無線通信を利用して送信して、このサービス要求受信処理を終了する。
【0045】なお、ST23にてメモリ空き容量Bの応答がなかった場合、ST26にてメモリデータを収集できなかった場合、及びST29にてサービスプログラムのダウンロードが正常に完了しなかった場合には、それぞれその時点でこのサービス要求受信処理を終了する。
【0046】ここに、POS端末装置1のCPU20は、携帯サービス提供業務のST10の処理を実行する手段によりプログラムダウンロード手段を構成している。
【0047】図12に説明を戻す。CPU20は、ST9にて接続状態にある携帯電話9からサービス要求コマンドを受信していなかった場合、あるいはST10のサービス要求受信処理を終了した場合には、ST11として接続状態にある携帯電話9からサービス終了コマンドを受信していないかチェックする。そして、無線通信インタフェース25において、いずれかの携帯電話9からサービス終了コマンドを受信していた場合には、ST12として図14に具体的に示すサービス終了受信処理を実行する。
【0048】先ず、ST31としてサービス終了コマンド送信元の携帯電話9に無線通信を利用してサービスプログラムデータの削除コマンドを送信する。次に、ST32として当該携帯電話9から取得した携帯電話番号を検索キーにしてPOSサーバ2の携帯データ保管ファイル60を検索し、当該携帯電話9のメモリデータを保管しているか否かを判断する。そして、当該携帯電話9から取得した携帯電話番号が設定された携帯電話データが携帯データ保管ファイル60に保管されていない場合には、このサービス終了受信処理を終了する。
【0049】これに対し、当該携帯電話9から取得した携帯電話番号が設定された携帯電話データが携帯データ保管ファイル60に保管されていた場合には、ST33として当該携帯電話9に無線通信を利用してパスワードの入力要求コマンドを送信する。これに応じて、ST34として当該携帯電話9の入力部94を介して入力されたパスワードを無線通信インタフェース25により受信したならば、ST35としてそのパスワードが当該携帯電話9の携帯電話データに対応するパスワードと一致するかチェックする。そして一致する場合には、携帯電話9の入力部94を介して入力されたパスワードは当該携帯電話9の携帯者しか知り得ない正当なものであるので、ST37として携帯データ保管ファイル60からその携帯電話データを読込み、無線通信を利用して当該携帯電話9に転送して、当該携帯電話9のメモリ98をサービスプログラムダウンロード前の状態に復元させる。以上で、このサービス終了受信処理を終了するものとなっている。
【0050】なお、ST35にてパスワードが一致しない場合にはST33の処理に戻り、パスワードの入力要求コマンドを携帯電話9に再度送信してパスワードの再入力を促す。また、ST34にて一定時間を経過してもサービス終了コマンド送信元の携帯電話9からパスワードが無線送信されてこなかった場合も、その時点でこのサービス終了受信処理を終了するものとなっている。
【0051】図12に説明を戻す。CPU20は、ST11にて接続状態にある携帯電話9からサービス終了コマンドを受信していなかった場合、あるいはST12のサービス終了受信処理を終了した場合には、携帯サービス提供業務の1回の処理を終了する。そして、再びST1の処理を開始し、無線通信インタフェース25の通信範囲内に位置し接続状態にある携帯電話9に対してサービスメニューを受信しているか否かを確認するものとなっている。
【0052】このような構成の携帯サービス提携業務を実行可能なCPU20を搭載するとともに、近距離無線通信規格としてブルートゥースに対応した無線通信インタフェース25を内蔵してなる各POS端末装置1A,1B,…,1Nと、会員データファイル40、サービスデータファイル50、携帯データ保管ファイル60、サービスメニュー選択テーブル70及びサービスメニュー設定テーブル80の各記憶領域を備えてなるPOSサーバ2とを含む本実施の態のシステムが構築された百貨店,ショッピングセンター等の商業施設においては、同じく近距離無線通信規格としてブルートゥースに対応した無線通信インタフェース97内蔵の携帯電話9を携帯した客が施設内に入り、はじめに、例えばPOS端末装置1Aの無線通信範囲8A内に入ると、当該客の携帯電話9と当該POS端末装置1Aとが無線通信により自動的に接続される。
【0053】ここで、当該客が携帯電話特別サービス会員でない場合には、サービス番号「1」〜「3」までの3種類のサービスを選択可能なサービスメニューデータがPOS端末装置1Aから当該客が携帯している携帯電話9に無線通信により送信される。また、当該客が携帯電話特別サービス会員であり、売上実績ランクが「A」の客の場合には、サービス番号「1」〜「10」までの10種類のサービスを選択可能なサービスメニューデータがPOS端末装置1Aから当該客の携帯電話9に無線通信により送信される。
【0054】一方、サービスメニューデータを受信した携帯電話9においては、その表示部93に各サービスメニューのサービス番号と名称とが一覧表示される。そこで、このメニューの中のサービスを受けたい携帯電話携帯者は、入力部94を操作して所望するサービスのサービス番号または名称を選択する。
【0055】今、携帯電話携帯者がサービス番号「1」のサービスを選択操作したとする。そうすると、携帯電話9からPOS端末装置1Aにサービス要求コマンドが送信される。これにより、POS端末装置1Aにおいては、サービス番号「1」のサービスを提供するのに必要なメモリの使用容量Aが取得される。また、当該携帯電話9の電話回路96に実装されているメモリ98の空き容量Bがチェックされる。
【0056】ここで、メモリ98の空き容量Bがサービス番号「1」のサービスを実行するのに必要なメモリの使用容量Aに対して不足している場合には、POS端末装置1Aから当該携帯電話9にメモリデータ収集要求コマンドが送信される。これに応じて、当該携帯電話9においては、パスワードの入力が要求される。そこで、携帯電話携帯者は、入力部94を操作して任意のパスワードを入力する。そうすると、当該携帯電話9のメモリ98に記憶されているデータのうちRAM領域のデータが、入力されたパスワード及び携帯電話番号とともに無線通信によりPOS端末装置1Aに伝送され、さらに通信回線3を通じてPOSサーバ2に転送されて、携帯データ保管ファイル60に保管される。
【0057】こうして、携帯電話9のメモリ98にサービスの提供に際し必要な空き容量が確保されたならば、POS端末装置1Aから当該携帯電話9にサービス番号「1」の提供サービス享受用プログラムが無線通信によりダウンロードされる。そして、ダウンロードを正常に完了すると、この提供サービス享受用プログラムの起動コマンドがPOS端末装置1Aから当該携帯電話9に無線通信により送信される。これにより、当該携帯電話9において提供サービス享受用プログラムが実行され、携帯電話携帯者が当該携帯電話9の機能を利用して所望するサービスを受けられるようになる。
【0058】例えば、ホームページの閲覧サービスを選択した携帯電話携帯者は、携帯電話9の入力部94を操作してホームページのURL(Uniform Resource Locator)を入力する。そうすると、このURLが無線通信によりPOS端末装置1Aに送信される。これにより、POS端末装置1Aは、Webサーバ6及びファイアウォールサーバ4を介してインターネット5上の該当URLで識別されるホームページがダウンロードし、そのホームページのデータが無線通信により当該携帯電話9に送信される。かくして、携帯電話携帯者は、携帯電話9の表示部93で所望するホームページを閲覧することができる。
【0059】また、メールメッセージの送信サービスを選択した携帯電話携帯者は、携帯電話9の入力部94を操作してメールアドレスとメール本文とを入力する。そうすると、このメールアドレスとメール本文とがPOS端末装置1Aに送信される。これにより、POS端末装置1Aは、Webサーバ6及びファイアウォールサーバ4を介してインターネット5上のメールサーバにメール本文が伝送される。かくして、携帯電話携帯者は、携帯電話9を利用して電子化されたメールメッセージを送信することができる。
【0060】また、クーポン券の配信サービスを選択した携帯電話携帯者は、携帯電話9の入力部94を操作してクーポン券の取得要求を指令する。そうすると、このクーポン件取得要求コマンドがPOS端末装置1Aに送信される。これにより、POS端末装置1Aは、通信回線3で接続されたWebサーバ6から当該POS端末装置1Aが設置されている売場で使用可能なクーポン券のホームページがダウンロードされ、このクーポン券のホームページが無線通信により当該携帯電話9に送信される。かくして、携帯電話携帯者は、携帯電話9の表示部93に表示されるクーポン券を用いて、当該売場にてクーポン対象商品の特典を受けることができる。
【0061】また、同一施設内にいる他の携帯電話携帯者への伝言サービスを選択した場合には、携帯電話9の入力部94を操作して相手方の携帯電話番号と伝言とを入力する。そうすると、この携帯電話番号と伝言とがPOS端末装置1Aに送信される。これにより、POS端末装置1Aはその携帯電話番号が自己の接続携帯テーブル33にて管理している番号か否かを判断し、管理している番号であればその携帯電話番号が設定された携帯電話9に伝言を無線送信する。また、管理していない番号の場合には、通信回線3を介して接続携帯テーブル33で当該携帯電話番号を管理しているPOS端末装置を探す。ここで、例えばPOS端末装置2Bが該当する携帯電話番号を管理していたとすると、該POS端末装置2Bに携帯電話番号と伝言とを転送する。これにより、POS端末装置1Bは、該当携帯電話番号が設定された携帯電話9に伝言を無線通信により送信する。かくして、携帯電話9の携帯者どうしが携帯電話9を利用して伝言を行なうことができる。
【0062】サービスの享受を受けた携帯電話携帯者は、携帯電話9の入力部94を操作してサービスの終了を選択する。そうすると、携帯電話9からPOS端末装置1Aにサービス終了コマンドが送信される。これに応じて、POS端末装置1Aから携帯電話9に提供サービス享受用プログラムの削除コマンドが送信される。これにより、当該携帯電話9のメモリ98にダウンロードされていた提供サービス享受用プログラム及びこのプログラムで使用していたメモリ領域のデータがクリアされる。
【0063】また、POS端末装置1Aにおいては、当該携帯電話9のメモリデータを携帯データ保管ファイル60で保管しているか否かが携帯電話番号に基づいて判断される。そして、保管している場合には、そのメモリデータが携帯データ保管ファイル60から読み出され、無線通信により当該携帯電話9に送信されて、当該携帯電話9のメモリ98がサービスを受ける前の状態に復元される。
【0064】このように本実施の形態によれば、百貨店,ショッピングセンター等の商業施設において、客が携帯電話9を利用してホームページの閲覧サービス、メールメッセージの送信サービス、クーポン券の配信サービス、同一施設内にいる他の携帯電話携帯者への伝言サービス等、携帯電話9の機能を利用して実行し得る各種の提供サービスを受けることができる。この場合において、いずれの提供サービスを受ける際にも携帯電話回線を全く使用しないので、インターネット使用料を施設側が負担することによってサービスの提供を無料にできる。しかも、施設内のどの場所であっても携帯電話9といずれかのPOS端末装置1A,1B,…,1Nとが接続状態となるように各POS端末装置1A,1B,…,1Nを施設内の各所に点在させることによって、携帯電話携帯者が施設内のどの場所にいても上記のサービスを確実に受けられるようになる。したがって、客にとって大変魅力的なサービスを実施することができるので、集客効果が期待できる。
【0065】また、本実施の形態では、当該商業施設内での売上貢献度が高い客ほどより多くのサービスが受けられるようになるので、客の商品購買意欲が高められ、売上の増加も期待できる。
【0066】また、本実施の形態では、携帯電話9に実装されているメモリ98の空き容量がサービスプログラムを実行するのに必要なメモリ容量に対して不足する場合には、メモリ98内のデータの一部をPOSサーバ2の携帯データ保管ファイル60にて一時的に保管し、メモリ容量の不足を解消するようにしたので、メモリ容量が少ない携帯電話9であっても確実にサービスプログラムをメモリ98にダウンロードして所望するサービスを受けることができる。
【0067】なお、本発明は、デパートやショッピングセンターなどの商業施設に用いられるPOS端末装置に限定されるものではなく、遊園地や競技場等の娯楽施設に用いられるPOS端末装置にも同様に適用できるものである。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように本願請求項1乃至3記載の発明によれば、施設に来訪した客に、その客が携帯する携帯電話を利用して、様々なデータ通信サービスを確実にかつ無料で提供できるPOS端末装置を提供できる。
【0069】また、請求項2記載の発明によれば、客が携帯する携帯電話のメモリに空き容量が不足していても対応できる効果を奏する。
【0070】また、請求項3記載の発明によれば、客の売上実績に応じて提供可能なサービスの内容を変えることが可能となり、客の商品購買意欲を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態として商業施設に構築されるシステムの全体図。
【図2】 同実施の形態におけるPOS端末装置の外観斜視図。
【図3】 同POS端末装置の要部構成を示すブロック図。
【図4】 同POS端末装置のRAMに形成される接続形態テーブルを示す図。
【図5】 同実施の形態における携帯電話の外観図。
【図6】 同携帯電話の要部構成を示すブロック図。
【図7】 同実施の形態においてPOSサーバに設けられる会員データファイルの構成図。
【図8】 同実施の形態においてPOSサーバに設けられるサービスデータファイルの構成図。
【図9】 同実施の形態においてPOSサーバに設けられる携帯データ保管ファイルの構成図。
【図10】同実施の形態においてPOSサーバに設けられるサービスメニュー選択テーブルの構成図。
【図11】同実施の形態においてPOSサーバに設けられるサービスメニュー設定テーブルの構成図。
【図12】同実施の形態においてPOS端末装置のCPUが実行する携帯サービス提供業務の要部処理手順を示す流れ図。
【図13】図12におけるサービス要求受信処理を具体的に示す流れ図。
【図14】図12におけるサービス終了受信処理を具体的に示す流れ図。
【符号の説明】
1(1A,1B,…,1N)…POS端末装置
2…POSサーバ
9…携帯電話
25,97…無線通信インタフェース
33…接続携帯テーブル
40…会員データファイル
50…サービスデータファイル
60…携帯データ保管ファイル
70…サービスメニュー選択テーブル
80…サービスメニュー設定テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無線通信インタフェースを備え、この無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話と無線によるデータの送受信が可能なPOS端末装置において、前記無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話に該携帯電話が実行し得る各種提供サービスのメニューを無線通信により配信するサービスメニュー配信手段と、このサービスメニュー配信手段により各種提供サービスのメニューを配信した携帯電話からサービスの提供要求コマンドを受けるとその携帯電話に当該提供サービス享受用プログラムデータを無線通信によりダウンロードするプログラムダウンロード手段と、を具備したことを特徴とするPOS端末装置。
【請求項2】 プログラムダウンロード手段は、各種提供サービスのメニューを配信した携帯電話からサービスの提供要求コマンドを受けるとこの提供要求コマンドを発信した携帯電話のメモリ空き容量が当該サービスの実行に必要な容量分確保されているかチェックし、確保されていない場合にはその携帯電話のメモリに記憶されているデータを無線通信により収集して予め用意された携帯データ保管部に保管し、その携帯電話に当該提供サービス享受用プログラムデータを無線通信によりダウンロードすることを特徴とする請求項1記載のPOS端末装置。
【請求項3】 サービスメニュー配信手段は、無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話の携帯者を識別し、売上実績管理手段により管理されている当該携帯者の売上実績に基づいて該携帯電話が実行し得る各種提供サービスを選択し、その選択した提供サービスのメニューを無線通信により配信することを特徴とする請求項1記載のPOS端末装置。
【請求項1】 無線通信インタフェースを備え、この無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話と無線によるデータの送受信が可能なPOS端末装置において、前記無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話に該携帯電話が実行し得る各種提供サービスのメニューを無線通信により配信するサービスメニュー配信手段と、このサービスメニュー配信手段により各種提供サービスのメニューを配信した携帯電話からサービスの提供要求コマンドを受けるとその携帯電話に当該提供サービス享受用プログラムデータを無線通信によりダウンロードするプログラムダウンロード手段と、を具備したことを特徴とするPOS端末装置。
【請求項2】 プログラムダウンロード手段は、各種提供サービスのメニューを配信した携帯電話からサービスの提供要求コマンドを受けるとこの提供要求コマンドを発信した携帯電話のメモリ空き容量が当該サービスの実行に必要な容量分確保されているかチェックし、確保されていない場合にはその携帯電話のメモリに記憶されているデータを無線通信により収集して予め用意された携帯データ保管部に保管し、その携帯電話に当該提供サービス享受用プログラムデータを無線通信によりダウンロードすることを特徴とする請求項1記載のPOS端末装置。
【請求項3】 サービスメニュー配信手段は、無線通信インタフェースの通信範囲内に位置する同一仕様の無線通信インタフェースを搭載してなる携帯電話の携帯者を識別し、売上実績管理手段により管理されている当該携帯者の売上実績に基づいて該携帯電話が実行し得る各種提供サービスを選択し、その選択した提供サービスのメニューを無線通信により配信することを特徴とする請求項1記載のPOS端末装置。
【図4】
【図5】
【図6】
【図1】
【図2】
【図3】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図5】
【図6】
【図1】
【図2】
【図3】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2003−85651(P2003−85651A)
【公開日】平成15年3月20日(2003.3.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−273961(P2001−273961)
【出願日】平成13年9月10日(2001.9.10)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成15年3月20日(2003.3.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成13年9月10日(2001.9.10)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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