説明

Qスイッチレーザ発振器

【解決手段】 Qスイッチレーザ発振器1は、Qスイッチ13を発振部3におけるフロントミラー11とリヤミラー12との間に備え、上記発振部より出射されたレーザ光Lはレーザ光を外部に出射させる出力ウィンドウ16を備えた増幅部4によって増幅される。
上記Qスイッチは、レーザ光を上記出力ウィンドウより出射させる出射状態と、レーザ光の光路を上記フロントミラーから逸らせる抑制状態(レーザ光L2)と、レーザ光の光路をフロントミラーを介して増幅部に入射させるものの上記出力ウィンドウより逸らせる非出射状態(レーザ光L3)とに切替え可能となっており、レーザ光をパルス発振する際、最初に上記Qスイッチを非出射状態に切替えて、最初のレーザ光が上記増幅部において増幅されるものの出力ウィンドウより出射されないようにする。
【効果】 簡易な構成でファーストパルス問題を解消することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はQスイッチレーザ発振器に関し、詳しくはレーザ光の光路上に設けたQスイッチによりレーザ光をパルス発振させるQスイッチレーザ発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ光をパルス発振するレーザ発振器として、Qスイッチによりフロントミラーからのレーザ光の発振を抑制する抑制状態と、レーザ光の発振を許容する発振状態とを交互に切替えてレーザ光をパルス発振させる発振部と、該発振部よりパルス発振されたレーザ光を増幅させるとともに該レーザ光を外部に出射させる出力ウィンドウを備えた増幅部とを備えたものが知られている(特許文献1)。
そしてこのようなQスイッチレーザ発振器では、最初に発振されるレーザ光の出力が2回目以降に発振されるレーザ光の出力よりも高くなるといういわゆるファーストパルス問題が指摘されている。
このファーストパルス問題を解消するため、Qスイッチレーザ発振器より発振されるレーザ光の光路上に音響光学素子を設けて、ファーストパルスだけを遮断することが行われている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−64896号公報
【特許文献2】特開平10−305384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献2の場合、Qスイッチレーザ発振器の外部に音響光学素子を設けて、Qスイッチレーザ発振器と同期するように音響光学素子の制御を行わなければならず、構成および制御が煩雑になるという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は簡易な構成でファーストパルス問題を解消することが可能なQスイッチレーザ発振器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、請求項1にかかるQスイッチレーザ発振器は、励起手段により励起される励起領域を挟んで対向配置されたフロントミラーおよびリヤミラーと、フロントミラーおよびリヤミラーとの間に設けられたQスイッチとからなり、上記Qスイッチにより上記フロントミラーからのレーザ光の発振を抑制する抑制状態と、レーザ光の発振を許容する発振状態とを交互に切替えてレーザ光をパルス発振させる発振部および、該発振部よりパルス発振されたレーザ光を増幅させる励起領域が形成されるとともに該レーザ光を外部に出射させる出力ウィンドウを備えた増幅部とを備えたQスイッチレーザ発振器において、
上記発振部の発振状態において、上記Qスイッチはレーザ光の光路を上記増幅部の出力ウィンドウから出射させる出射状態と、レーザ光の光路を上記増幅部へ入射させるものの上記出力ウィンドウから出射させない非出射状態とに切替え可能となっており、
上記発振部からレーザ光の最初のパルス発振を行う際、上記Qスイッチはレーザ光の光路を上記非出射状態とし、2回目以降のパルス発振を行う際には上記出射状態とすることを特徴としている。
【0006】
請求項2にかかるQスイッチレーザ発振器は、請求項1の発明にかかるQスイッチレーザ発振器において、上記Qスイッチは音響光学素子により構成され、
上記非出射状態の際、上記音響光学素子によりレーザ光を上記出射状態におけるレーザ光の光路に対して回折させ、該レーザ光の光路を上記出力ウィンドウから逸らせることで上記出力ウィンドウから出射させないようにすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
上記請求項1の発明によれば、発振部より発振される最初のレーザ光を、発振部のQスイッチを非出射状態とすることで、上記増幅部に入射させるものの出力ウィンドウより出射されないようにすることができる。
その結果、上記増幅部では入射したレーザ光によって蓄積されたエネルギが開放されるため、その後Qスイッチを抑制状態と出射状態とで交互に切替えることにより、2回目以降に発振される出力の安定したレーザ光を出射させることが可能となり、上記ファーストパルス問題を解消することができる。
【0008】
上記請求項2の発明によれば、上記Qスイッチを音響光学素子とすることにより、Qスイッチを非出射状態とした際にレーザ光を出射状態とした際におけるレーザ光の光路に対して容易に回折させることが可能であり、またパルス発振を行う際に上記抑制状態および出射状態へも容易に切替えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施例にかかるQスイッチレーザ発振器の斜視図
【図2】レーザ光の光路を説明するための概念図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図示実施例について説明すると、図1、図2はそれぞれQスイッチレーザ発振器1を示しており、図1はQスイッチレーザ発振器1の構成を示した斜視図を、図2はQスイッチレーザ発振器1におけるレーザ光Lの光路を説明する概念図をそれぞれ示している。
Qスイッチレーザ発振器1は、ガス状のレーザ媒質(炭酸ガス)が封入された円筒状の放電管2と、上記レーザ媒質を励起する励起手段としての図示しない電極から構成され、上記放電管2の内部には、レーザ光Lをパルス発振する発振部3と、放電管2の内部に形成されて該発振部3より出射されたレーザ光Lを増幅して出射させる増幅部4とが形成されている。
上記放電管2は円筒状を有するとともにレーザ媒質が漏出しないように密封され、また上記電極は放電管2の内部に設けられるとともに、放電によりレーザ媒質を励起させて励起領域を形成するようになっている。
【0011】
上記発振部3は、上記放電管2の中心軸上に設けられたフロントミラー11およびリヤミラー12と、フロントミラー11とリヤミラー12との間に設けられたQスイッチ13と、上記フロントミラー11から出射されたレーザ光Lを上記増幅部4に導光する導光ミラー14とを備えている。
上記フロントミラー11およびリヤミラー12は上記放電管2の内部に形成される励起領域を挟むように配置され、フロントミラー11は所定の出力を超えたレーザ光Lだけを透過させ上記リヤミラー12は上記レーザ光Lを全反射させるようになっている。
上記フロントミラー11におけるリヤミラー12側の面は球面状の凹部11aに加工され、後述するようにレーザ光Lの光路が多少回折されても、フロントミラー11とリヤミラーとの間にレーザ光Lの光路を形成させるようになっている。
上記Qスイッチ13は、後に詳述するが上記フロントミラー11からのレーザ光Lの発振を抑制する抑制状態と、レーザ光Lの発振を許容する発振状態とに切替え可能となっており、この抑制状態と発振状態とを交互に切替えることで、発振部3からはレーザ光Lがパルス発振されるようになっている。
上記導光ミラー14は放電管2におけるフロントミラー11側の端部に設けられるとともに放電管2の中心軸上に設けられており、フロントミラー11を透過したレーザ光Lを放電管2の外周側に向けて反射させるようになっている。
【0012】
上記増幅部4は、上記発振部3より出射されたレーザ光Lを反射させる第1〜第7反射ミラー15A〜15Gと、放電管2の一端に設けられてレーザ光Lを外部に透過させる出力ウィンドウ16とから構成されている。
上記第1、第3、第5、第7反射ミラー15A,15C,15E,15Gは上記放電管2における上記フロントミラー11側の端部に、上記フロントミラー11を囲繞するように設けられ、第2、第4、第6反射ミラー15B,15D,15Fおよび出力ウィンドウ16は、上記リヤミラー12側の端部に、該リヤミラー12を囲繞するように設けられている。
上記第1反射ミラー15Aは上記発振部3の導光ミラー14によって導光されたレーザ光Lをリヤミラー12側の第2反射ミラー15Bへと反射させ、その後第2〜第7反射ミラー15B〜15Gもレーザ光Lを放電管2の反対側の端部に向けて反射させ、これによりレーザ光Lは第1〜第7反射ミラー15A〜15Gの順序で反射しながら導光されて、最終的に出力ウィンドウ16を透過するようになっている。
以上の構成により、上記第1、第3、第5、第7反射ミラー15A,15C,15E,15Gと第2、第4、第6反射ミラー15B,15D,15Fおよび出力ウィンドウ16とは、上記放電管2の内部に形成された励起領域を挟むように配置され、レーザ光Lが励起領域を複数回通過して増幅されることから、増幅部4をコンパクトに構成することができる。
さらに本実施例のQスイッチレーザ発振器1の場合、上記第1〜第7反射ミラー15A〜15Gおよび出力ウィンドウ16からなる増幅部4は、上記フロントミラー11およびリヤミラー12からなる発振部3を囲繞するように構成されていることから、上記発振部3の励起領域と上記増幅部4の励起領域とを上記放電管2の内部に一体的に形成することができ、Qスイッチレーザ発振器1をコンパクトに構成することができる。
【0013】
本実施例において上記発振部3を構成するQスイッチ13は、上記フロントミラー11とリヤミラー12との間に設けられるとともに、上記リヤミラー12に近接した位置に配置されている。
また上記Qスイッチ13は、レーザ光Lの光路上に設けた2つの第1、第2音響光学素子13A,13Bによって構成され、本実施例では第1音響光学素子13Aが上記リヤミラー12側に配置されている。
各音響光学素子は、強誘電性を有する二酸化テルルやモリブデン酸鉛などの結晶と、該結晶に接着されるとともに図示しない制御手段によって制御される圧電素子とから構成され、上記制御手段が圧電素子に電気信号を加えて超音波を発生させることにより、上記結晶を通過するレーザ光Lを回折させるものとなっている。
そして本実施例のQスイッチ13は、上記発振部3からのレーザ光Lの発振を抑制する抑制状態と、発振部3からのレーザ光Lの発振を許容する発振状態とに切替え可能であるのに加え、上記発振状態において、上記発振部3より発振されたレーザ光Lを上記増幅部4の出力ウィンドウ16より出射させる出射状態と、レーザ光Lを増幅部4に入射させるものの上記出力ウィンドウ16より逸らせる非出射状態とに切替え可能となっている。
【0014】
上記各状態について具体的に説明すると、まず上記抑制状態では、レーザ光Lの光路を上記発振部3のフロントミラー11から逸らせるよう、レーザ光Lを光路に対して第1角度に回折させるようになっており、このとき上記第1、第2音響光学素子13A,13Bの両方を作動させるようになっている(図2のレーザ光L2の状態)。
このように抑制状態としてレーザ光Lの光路を第1角度に回折させてフロントミラー11より逸らせると、フロントミラー11とリヤミラー12との間でレーザ光Lが形成されず、上記発振部3からはレーザ光Lが発振されないようになっている。
次に上記発振状態における出射状態では、レーザ光Lを回折させることなく光路に沿って通過させるよう、上記第1、第2音響光学素子13A,13Bの両方を非作動とするようになっており、その結果レーザ光Lは発振部3から出射されるようになっている。
そして光路の回折されていないレーザ光Lは、その後上記増幅部4に入射した後、増幅部4の第1〜第7反射ミラー15A〜15Gで順次反射した後、出力ウィンドウ16より出射されるようになっている。
【0015】
そして上記発振状態における非出射状態では、レーザ光Lを光路に対して第2角度に回折させ、これによりレーザ光Lの光路をフロントミラー11を介して増幅部4に入射させるものの、上記出力ウィンドウ16からは逸らせるようになっており、このとき上記第2音響光学素子13Bだけを作動させるようになっている(図2のレーザ光L3の状態)。
上記第2角度は上記抑制状態における第1角度よりも小さく設定されており、これにより回折されたレーザ光Lは上記フロントミラー11から逸れず、またフロントミラー11のリヤミラー12側には球面状の凹部11aが形成されていることから、フロントミラー11とリヤミラー12との間でレーザ光L3が形成されるようになっている。
このようにして上記フロントミラー11より出射されたレーザ光L3の光路は、上記出射状態におけるレーザ光Lの光路に比べて出射角度がずれるものの、上記導光ミラー14によって上記増幅部4に導光されるようになっている。
しかしながら、その後レーザ光L3は増幅部4を構成する第1〜第7反射ミラー15A〜15Gで反射するたびに出射状態におけるレーザ光Lの光路よりずれてゆき、第5反射ミラー14Eで反射したレーザ光L3は第6反射ミラー14Fから逸れて放電管2の側面で吸収される。
つまり、上記Qスイッチ13を非出射状態としてレーザ光Lを第2角度に回折させると、レーザ光L3は発振部3より発振されて上記増幅部4に入射するものの、上記出力ウィンドウ16からは逸れて増幅部4より出射されないようになっている。
【0016】
上記構成を有するQスイッチレーザ発振器1の動作について説明する。
上記Qスイッチレーザ発振器1は例えば電子部品等の被加工物の表面に凹部を形成する加工装置に設けられており、レーザ光Lをパルス発振することで、被加工物の表面の一部を溶融させ、上記凹部を形成するものとなっている。
最初に、上記電極に電流を流していない状態から、電極に連続的に電流を流すと、該電極により放電管2内部に放電が生じてレーザガスが励起され、放電管2の内部に発振部3および増幅部4に励起領域が形成される。
このとき制御手段は、レーザ媒質の励起開始から所定時間が経過するまで、Qスイッチを抑制状態としており、これにより上記発振部3においてレーザ光Lの光路が第1角度に回折される。
上記第1角度に回折されたレーザ光Lの光路はフロントミラー11から逸れることとなり、レーザ光Lがフロントミラー11とリヤミラー12との間に形成されないため、レーザ光Lは発振部3より発振されることはない。
しかし、この間も上記電極の放電によるレーザ媒質の励起が継続されているので、上記発振部3および増幅部4における励起領域の励起エネルギ蓄積量が飽和レベルまで高められることとなる。
この励起エネルギ蓄積量が飽和レベルに達した状態でQスイッチレーザ発振器1よりレーザ光Lが発振されると、そのレーザ光Lの出力が所望の出力を超過してしまい、該レーザ光Lによって所望の加工状態が得られないという、いわゆるファーストパルス問題が発生する。
【0017】
そこで本実施例では、励起の開始から所定時間の経過後、最初にレーザ光を発振する際には、制御手段は上記Qスイッチ13を上記抑制状態から第2音響光学素子13Bを作動させた上記非出射状態とする。
これにより上記発振部3においてはQスイッチ13によってレーザ光L3の光路が上記第2角度に回折され、該レーザ光L3はフロントミラー11から逸れずに該フロントミラー11の凹部11aで反射して元の光路に戻るため、光路が回折されているものの、レーザ光Lはフロントミラー11とリヤミラー12との間に形成されることとなる。
そして形成されたレーザ光Lが一定の出力を超えると、該レーザ光Lは上記フロントミラー11から発振され、導光ミラー14によって上記増幅部4へと導光される。
しかしながら、レーザ光Lは上記発振部3より出射される際にQスイッチ13によって第2角度に回折されているため、増幅部4ではレーザ光Lは上記第1〜第5反射ミラー14A〜14Eで反射するものの、第6反射ミラー14Fから逸れ、放電管2の内壁によって吸収され、上記出力ウィンドウ16からは出射されないこととなる。
つまり、励起開始後に最初に発振される高出力のレーザ光3が増幅部4より出射されないようにして、該高出力のレーザ光Lによって被加工物が加工されないようにしている。
さらにQスイッチ13を非出射状態とすることにより、発振部3より増幅部4にはレーザ光Lが入射されるため、このレーザ光Lによって増幅部4の励起領域に蓄積された励起エネルギが開放されるようになっている。
【0018】
このように励起開始後、Qスイッチ13を非出射状態として発振部3より最初のレーザ光Lを発振した後は、再びQスイッチ13を抑制状態として、増幅部4の励起領域にエネルギを再度蓄積する。
そして増幅部4の励起エネルギが飽和レベルに達する前に、Qスイッチ13を発振状態における出射状態とすることで、発振部3からは2回目のレーザ光Lが発振され、このレーザ光Lは上記増幅部4の第1〜第7反射ミラー14A〜14Gで反射した後、上記出力ウィンドウ16から出射される。
その後、Qスイッチ13を上記抑制状態と発振状態における出射状態とを所定の周波数で繰り返し切替えることにより、Qスイッチレーザ発振器1からはレーザ光Lがパルス照射されることとなる。
【0019】
このように上記実施例では、最初に上記Qスイッチ13を非出射状態として、レーザ光Lの光路をフロントミラー11を介して増幅部4に入射させるものの上記出力ウィンドウ16より逸らせるようにしている。
このようなQスイッチレーザ発振器1を用いることで、いわゆるQスイッチレーザ発振器1におけるファーストパルス問題を解消することができ、加工当初から被加工物に対して安定した加工を行うことが可能となっている。
上記ファーストパルス問題とは、Qスイッチレーザ発振器1の作動直後やパルス発振を再開させる際に最初に発振されるレーザ光Lの出力が、その後の2回目以降に発振されるレーザ光Lの出力よりも異常に高くなり、加工当初における加工精度が落ちてしまうという問題である。
詳しく説明すると、2回目以降のレーザ光Lがパルス発振される際、上記増幅部4の励起領域に蓄積される励起エネルギは、飽和値に達する前に発振部3より間欠的に発振させることで開放される。
これに対し、最初のレーザ光Lが発振される際、増幅部4の励起領域に蓄積される励起エネルギは飽和レベルに達していることから、初めて発振部3より発振されるレーザ光Lをより強く増幅してしまうため、出力ウィンドウ16からは高出力のレーザ光Lが出射されてしまい、所要の加工結果が得られないものとなっている。
このようなファーストパルス問題に対し、本実施例では最初にQスイッチ13を非出射状態として、レーザ光Lを発振部3より出射させて上記増幅部4において増幅させるものの、該レーザ光Lを出力ウィンドウ16より出射させないようにしており、これにより増幅部4の励起領域に蓄積される励起エネルギを一旦開放し、その後Qスイッチ13を抑制状態と出射状態とに交互に切替えることによって、出力の安定したレーザ光Lをパルス発振するものとなっている。
【符号の説明】
【0020】
1 Qスイッチレーザ発振器 2 放電管
3 発振部 4 増幅部
11 フロントミラー 12 リヤミラー
13 Qスイッチ 15A〜15G 第1〜第7反射ミラー
16 出力ウィンドウ L レーザ光(出射状態)
L2 レーザ光(抑制状態) L3 レーザ光(非出射状態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起手段により励起される励起領域を挟んで対向配置されたフロントミラーおよびリヤミラーと、フロントミラーおよびリヤミラーとの間に設けられたQスイッチとからなり、上記Qスイッチにより上記フロントミラーからのレーザ光の発振を抑制する抑制状態と、レーザ光の発振を許容する発振状態とを交互に切替えてレーザ光をパルス発振させる発振部および、該発振部よりパルス発振されたレーザ光を増幅させる励起領域が形成されるとともに該レーザ光を外部に出射させる出力ウィンドウを備えた増幅部とを備えたQスイッチレーザ発振器において、
上記発振部の発振状態において、上記Qスイッチはレーザ光の光路を上記増幅部の出力ウィンドウから出射させる出射状態と、レーザ光の光路を上記増幅部へ入射させるものの上記出力ウィンドウから出射させない非出射状態とに切替え可能となっており、
上記発振部からレーザ光の最初のパルス発振を行う際、上記Qスイッチはレーザ光の光路を上記非出射状態とし、2回目以降のパルス発振を行う際には上記出射状態とすることを特徴とするQスイッチレーザ発振器。
【請求項2】
上記Qスイッチは音響光学素子により構成され、
上記非出射状態の際、上記音響光学素子によりレーザ光を上記出射状態におけるレーザ光の光路に対して回折させ、該レーザ光の光路を上記出力ウィンドウから逸らせることで上記出力ウィンドウから出射させないようにすることを特徴とする請求項1に記載のQスイッチレーザ発振器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−238635(P2012−238635A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104935(P2011−104935)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】