説明

R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩、その製造方法及びこれを含む抗菌用薬学的組成物

本発明は、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩、その製造方法及びこれを含む抗菌用薬学的組成物に関し、前記R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩は、従来使用された塩酸塩及び他の塩(D−アスパラギン酸塩、リン酸塩)に比べ、溶解度が高く、毒性が低くて、抗菌剤として副作用が減少され、経口用及び注射用に有用に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩、その製造方法及びこれを含む抗菌用薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
キノロンカルボキシル酸誘導体は、合成抗菌剤として強力で且つ広範囲な抗菌力を示し、人間と動物の感染疾病に非常に有用であるとよく知られている。キノロン系抗菌剤としてノルフロキサシン、オフロキサシン、シプロフロキサシンなどが、現在人間の疾病治療に非常に有用に使用されており、その効果が認められている。しかし、このような薬物は、グラム陰性菌に対しては優れた抗菌作用を示すが、グラム陽性菌に対しては、普通であるかあるいは多少低い抗菌力を示す問題点がある。したがって、既存のキノロン系抗菌剤が有しているこのような問題点を克服するための研究が多様に進行されてきて、その結果、スパルフロキサシンが、グラム陽性菌に一歩進んだ抗菌力を示す代表的な例として開発された。しかし、この化合物も、連鎖状球菌(streptococci)を始めとして、メチシリン耐性ブドウ球菌(methicillin resistant Staphylococcus aureus, MRSA)及び現在漸増しているキノロン耐性菌株には依然と弱い抗菌力を示す。前記言及された菌株は、呼吸器感染の原因菌としてよく知られている。したがって、このような菌株に対して優れた抗菌力を奏する、より改善されたキノロン系抗菌剤の必要性が台頭されている。
【0003】
前記キノロン系抗菌剤のうち、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、メチシリン耐性菌及び既存のキノロン耐性菌株に対して非常に優れた抗菌力を示す。
【0004】
一般に、薬学的組成物に使用される活性成分が水又は広範囲なpH範囲の水溶液に対する溶解度が大きくなければならないということは、当業者に周知のことである。したがって、前記R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸の生体利用率を高めるためには、より優れた溶解度を有する塩の開発が必要である。
【0005】
本発明者らは、特許文献1にR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸の多様な塩を開示している。この際使用される酸の例としては、塩酸、リン酸、硫酸などの無機酸と、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、グルタミン酸などの有機酸があり、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオンもある。しかし、一般にR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸の薬学的に許容可能な塩としては、塩酸塩を主に使用している。
【0006】
一方、L−アスパラギン酸は、食品添加物に使用可能と米国FDAから承認されて、安全に広く使用されており、安定した無色液体であって、吸湿性及び腐食性がなく、有害でないため、製造上安全性があって、取り扱いが容易であるため、大量生産にも容易に使用することができる。また、肝解毒、ミネラルの吸収補助、DNAとRNAの機能強化及び免疫能を強化すると知られている。しかし、単独投与時には、溶解度と体内吸収が低くて、このような用途で過量投与してもその効果が微弱であって、従来は薬学的に許容可能な塩として使用されなかった。
【0007】
本発明者らは、前記R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸の生体利用率を高めるためのより優れた溶解度を有する塩を開発するために研究した結果、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩を製造し、前記L−アスパラギン酸塩が、塩酸塩及びD−アスパラギン酸塩に比べて、溶解度に優れているだけではなく、安定性などの物理学的性質にも優れており、アスパラギン酸が塩の形態で容易に溶解されて体内吸収され、毒性が他の塩に比べて低いことを確認し、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報2001−0029698号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の1つの目的は、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、前記R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩の製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明のまた他の目的は、前記R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩を有効成分として含有する抗菌用薬学的組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩、その製造方法及びこれを有効成分として含む抗菌用薬学的組成物を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩は、塩酸塩に比べて溶解度が高く、他の塩(D−アスパラギン酸塩、塩酸塩、リン酸塩)に比べて毒性が低くて、抗菌剤として副作用が減少され、経口用及び注射用に有用に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、下記化学式1で表されるR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩を提供する。
【化1】

【0015】
本発明のR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩は、結晶形又は非結晶形であって、結晶形形態がさらに好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記化学式1のR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩の製造方法を提供する。
【0017】
具体的に、本発明による製造方法は、下記反応式1で表されるように、不活性有機溶媒の中でR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸とL−アスパラギン酸とを反応させる段階を含む。
【化1】

【0018】
本発明による製造方法に使用されるL−アスパラギン酸は、アステルパームの主成分原料として広く使用しており、安定した無色固体であって、吸湿性及び腐食性がなく、有害でないため、製造上安全性があり、取り扱いが容易であるため、大量生産にも容易に使用することができる。また、肝解毒、ミネラルの吸収補助、DNAとRNAの機能強化及び免疫能を強化すると知られており、抗菌剤の使用に伴われる副作用を減少させる効果を期待することができる。
【0019】
本発明の製造方法に使用される前記不活性有機溶媒としては、エチルアセテート、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、ヘキサン、イソプロピルエーテル、水などが含まれ、これらの中でも、エタノールが最も好ましい。
【0020】
以下、本発明の製造方法を具体的に説明する。
【0021】
まず、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸を不活性有機溶媒に溶かす。この際、前記不活性有機溶媒の量は、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸の重量(g)に対して、10倍〜20倍の容量(mL)に該当する量を使用することが好ましい。
【0022】
R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸1当量に対し、0.9当量〜2.5当量、好ましくは、1.0当量〜1.5当量のL−アスパラギン酸を加えて、30℃〜70℃、好ましくは、40℃〜60℃の反応温度で10分間〜5時間、好ましくは、30分間〜2時間反応し、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩を製造することができる。
【0023】
上記のような製造方法により、前記化学式1のR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩を82%〜83%以上の高い収率で製造することができる。
【0024】
また、本発明は、前記化学式1のR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩を有効成分として含有する抗菌用薬学的組成物を提供する。
【0025】
また、本発明は、前記化学式1のR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩を、患者に必要な治療的有効量を投与することを含む細菌性疾患の治療方法を提供する。
【0026】
また、本発明は、前記化学式1のR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩の抗菌剤剤形の製造における用途を提供する。
【0027】
本発明のR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩は、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸、これの塩酸塩及びD−アスパラギン酸塩より溶解度に優れていることが分かり、特に蒸留水において、塩酸塩に比べ約2倍の高い溶解度を示すことが分かった(表1参照)。また、蒸留水において室温での含量変化がほとんどなくて、化学的安定性に優れており(表2参照)、半数致死量が高く表れて、毒性が相対的に低いことが分かった(表3参照)。さらに、生体内薬物動態実験では、塩酸塩と等しい薬物動態を示した(表4参照)。
【0028】
したがって、本発明による前記L−アスパラギン酸塩は、抗菌剤として有用に使用できる。
【0029】
本発明による前記L−アスパラギン酸塩を有効成分として含有する組成物は、一般的な医薬品製剤の形態で使用できる。
【0030】
即ち、本発明による前記L−アスパラギン酸塩は、実際の臨床投与時に、経口又は非経口の様々な剤形で投与できる。また、製剤化する場合は、有効成分の他に、薬剤学的に許容可能な担体を1種以上含めて製造することができる。前記薬剤学的に許容可能な担体としては、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれらの成分の1成分以上を混合して使用することができ、必要に応じて、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤など、他の通常の添加剤を添加することができる。
【0031】
経口投与のための固形製剤としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれる。このような固形製剤は、化合物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、カルシウムカーボネート、スクロース、ラクトース、ゼラチンなどを混ぜて調製される。また、単純な賦形剤の他に、ステアリン酸マグネシウム、タルクのような潤滑剤も使用される。
【0032】
また、経口投与のための液状製剤は、懸濁剤、溶液、乳剤、シロップ剤などを含む。また、前記液状製剤は、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィンの他に、様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などを含む。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤、坐剤が含まれる。前記非水性溶剤、前記懸濁溶剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性オイル、エチルオレートのような注射可能なエステルなどが使用できる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが使用できる。
【0033】
さらに、本発明の薬学的組成物は、非経口で投与でき、非経口投与は、皮下注射、静脈注射又は筋肉内注射がある。非経口投与用剤形として製剤化するためには、前記化合物を安定剤又は緩衝剤と共に水で混合し、溶液又は懸濁液に製造し、これをアンプル又はバイアルの単位投与形に製剤する。
【0034】
本発明による前記L−アスパラギン酸塩は、組成物総重量に対して、0.1重量%〜50重量%含まれることが好ましい。しかし、上記のような組成は、必ずこれに限定されるものではなく、患者の状態、疾患の種類及び進行程度によって変わる。
【0035】
本発明による前記L−アスパラギン酸塩の好ましい投与量は、患者の状態及び体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び期間によって変わるが、当業者により適宜選択できる。しかし、好ましい効果のために、1日0.01mg/kg〜10g/kg、好ましくは、1mg/kg〜1g/kg投与することが好ましい。投与は、一日一回投与しても、数回分けて投与してもよい。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
(実施例1) R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩の製造
R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸7.8gにメタノール23mLと水23mLとを加えて、更にL−アスパラギン酸2.57gを加えた後、45℃で1時間攪拌した。反応混合物の固体をろ過した後、固体にエタノール78mLを添加して、5℃〜10℃で2時間攪拌した後、ろ過及び乾燥して目的化合物8.5gを得た(収率:82%)。
H−NMR(DO, ppm): 1.03(d, 2H, J=4.00Hz), 1.27(m, 2H), 1.47(s, 3H), 2.67(dd, 1H, J=17.59Hz, J=8.80Hz), 2.77(dd, 1H, J=22.03Hz, J=3.64Hz), 3.34(s, 2H), 3.63(m, 1H), 3.86(m, 1H), 3.96(m, 5H), 4.67(s, 2H), 7.66(d, 1H, J=12.43Hz), 8.54(s, 1H).
融点(m.p.): 164.2℃
【0038】
(比較例1) R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸D−アスパラギン酸塩の製造
R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸10gにメタノール30mLと蒸留水30mLとを加えて、更にD−アスパラギン酸3.3gを添加した後、45℃で1時間攪拌した。反応混合物の固体をろ過した後、エタノール100mLを添加して、室温で3時間攪拌して生成された固体をろ過及び乾燥して目的化合物8.67gを得た(収率:65%)。
H−NMR(DO, ppm): 1.06(2H, d, J=4.04Hz), 1.32(2H, d, J=6.96Hz), 1.51( 3H, s), 2.73(1H, dd, J=17.59Hz, J=8.80Hz), 2.83(1H, dd, J=22.03Hz, J=3.64Hz), 3.38(1H, s), 3.65(2H, m), 3.90(1H, m), 3.99(4H, m), 4.10(1H, m), 4.71(2H, s), 7.68(1H, d, J=12.27Hz), 8.57(1H, s).
融点(m.p.): 163.3℃
【0039】
(比較例2) R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸の製造
大韓民国公開特許公報2001−0029698号に記載の方法によって、(+)−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸を製造した。
【0040】
(比較例3) R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸塩酸塩の製造
大韓民国公開特許公報2001−0029698号に記載の方法によって、(+)−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸塩酸塩を製造した。
【0041】
(比較例4) R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸メタンスルホン酸塩の製造
トリフルオロ酢酸40mLを5℃〜10℃に冷却させて、これに7−[3−(t−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸20gを添加した後、1時間30分間攪拌した。この反応混合物にイソプロパノール140mLとメタンスルホン酸3.1mLとを添加して、同じ温度で2時間攪拌した。反応混合物の生成された固体をろ過及び乾燥し、目的化合物10.2gを得た(収率:51%)。
H−NMR(DO, ppm): 1.05(2H, d, J=3.84Hz), 1.32(2H, d, J=7.16Hz), 1.51(s, 3H), 2.80(3H, s), 3.38(2H, s), 3.67(1H, m), 3.98(4H, m), 4.10(1H, m), 4.70(2H, s), 7.65(2H, d, J=12.27Hz), 8.54(1H, s).
融点(m.p.): 193.3℃
【0042】
(比較例5) R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸ギ酸塩の製造
R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸10gに精製水50mL、エタノール50mL及びギ酸1.1mLを加えて、55℃〜60℃で1時間攪拌した。その後、反応混合物をろ過して、ろ液にエタノール40mLを添加して室温に冷却させた後、室温で4時間攪拌し、生成された固体をろ過した後、乾燥して、目的化合物6.4gを得た(収率:57%)。
H−NMR(DO, ppm): 1.03(2H, d, J=4.04Hz), 1.31(2H, m), 1.49(3H, s), 3.37(2H, s), 3.62(1H, m), 3.95(4H, m), 4.03(1H, m), 4.66(1H, s), 7.61(2H, d, J=12.43Hz), 8.45(1H, s), 8.50(1H, s).
融点(m.p.): 195.4℃
【0043】
(比較例6) R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸リン酸塩の製造
リン酸41mL、及び蒸留水41mLに、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸8.04gを加えて、55℃〜60℃で2時間攪拌した。その後、反応混合物をろ過して、ろ液を室温に冷却させた後、エタノール33mLを添加して5℃〜10℃で1時間攪拌した後、生成された固体をろ過して、乾燥し、目的化合物8.54gを得た(収率:85%)。
H−NMR(DO, ppm): 1.06(2H, d, J=6.04Hz), 1.32(2H, d, J=6.96Hz), 1.51(3H, s), 3.38(2H, s), 3.66(1H, m), 3.99(4H, s), 4.10(1H, d, J=12.27Hz), 4.70(2H, s), 7.65(1H, d, J=12.23Hz), 8.54(1H, s).
融点(m.p.): 165.4℃
【0044】
(比較例7) R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸p−トルエンスルホン酸塩の製造
p−トルエンスルホン酸6gをエタノール53mL及び蒸留水53mLに添加した後、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸10.51gを加えて、55℃〜58℃で2時間攪拌した。その後、反応混合物をろ過して、ろ液を5℃〜10℃に冷却させた後、エタノール52mLを添加して1時間攪拌した。生成された固体をろ過して、乾燥し、目的化合物8.24gを得た(収率:55%)。
H−NMR(DO, ppm): 1.06(2H, d, J=6.44Hz), 1.31(2H, d, J=6.96Hz), 1.50(3H, s), 2.35(3H, s), 3.37(2H, s), 3.66(1H, m), 3.99(4H, s), 4.11(1H, d, J=12.1Hz), 4.70(2H, s), 7.31(2H, d, J=8.44Hz), 7.63(2H, d, J=8.04Hz), 7.68(1H, d, J=12.2Hz), 8.58(1H, s).
融点(m.p.): 187.2℃
【0045】
(実験例1) 溶解度試験
前記実施例及び比較例で製造したR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩、D−アスパラギン酸塩、メタンスルホン酸塩、ギ酸塩、リン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及び塩酸塩、並びにR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸に対して、室温で溶解度(mg/mL)を測定した。結果を表1に示した。
【0046】
【表1】

【0047】
表1に示したように、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のフリー形態は、溶解度が2.79mg/mLであって、水にほとんど溶解されないが、本発明によるL−アスパラギン酸塩は、溶解度が189.78mg/mLであって、優れた溶解度を示した。特に、本発明によるL−アスパラギン酸塩は、光学異性体であるD−アスパラギン酸塩の溶解度(118.64mg/mL)よりも高い溶解度を示した。また、塩酸塩の溶解度(93.30mg/mL)より約2倍高い溶解度を示し、また、比較例の他の塩よりも優れた溶解度を示した。したがって、本発明によるL−アスパラギン酸塩は、溶解度に優れており、医薬品として有用に使用できる。
【0048】
(実験例2) 安定性試験
前記実施例及び比較例で製造したR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のそれぞれの塩を30mgずつ蒸留水100mLに溶かした後、室温と60℃とで安定性試験を行った。結果を表2に示した。
【0049】
【表2】

【0050】
表2に示されたように、本発明によるL−アスパラギン酸塩は、室温における含量変化がほとんどなく、化学的に安定であった。
【0051】
(実験例3) 毒性試験
本発明によるL−アスパラギン酸塩の毒性程度を調べるために、下記のような実験を行った。
【0052】
実験動物としては、雄のICRマウスを使用した。雄性ICRマウスを5匹ずつ6回投与容量群に分株して、24時間水を除いては断食させた後、前記実施例1で製造したR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸L−アスパラギン酸塩、及び比較例で製造した他の塩(D−アスパラギン酸塩、リン酸塩、塩酸塩)を、それぞれ500、250、125及び0mg/kgを単回腹腔投与(10mL/kg)して14日間で半数致死量(LD50)を観察した。結果を表3に示した。
【0053】
【表3】

【0054】
表3に示されたように、本発明のL−アスパラギン酸塩は、他の塩(D−アスパラギン酸塩、リン酸塩、塩酸塩)に比べて、半数致死量が高く表れて、毒性が少ないことが分かる。
【0055】
(実験例4) 生体内遺伝毒性試験
生体内遺伝毒性を分析するために、L−アスパラギン酸塩及び塩酸塩の微小核試験を雄性マウスで以下のように行った。
【0056】
L−アスパラギン酸塩を2回腹腔内投与して24時間後、又は、シクロホスファミド(CPA)を1回腹腔内投与して24時間後に、全ての動物を犠牲させて、500個の赤血球からPCE/((PCE+正常体赤血球(NCE))比率を計算して、2,000PCEsから一つ又はそれ以上の核のある多染性赤血球(MNPCE)数の変化を計算した。担体としての蒸留水20mLに溶解された60mg/kgの容量を本実験で最も高い容量として選択したが、これは、マウス微小核試験でキノロン系抗生剤が陽性の結果を示したからであり、2倍の比率として30、15及び7.5mg/kgを投与した。また、正常対照群及び陽性対照群(CPA 70mg/kg)を追加した。
【0057】
その結果、30、15及び7.5mg/kg L−アスパラギン酸塩処理群でMNPCE数は、正常対照群に比べ、有意な変化を示さなかった。しかし、7.5mg/kg塩酸塩を処理した群では、MNPCEの数が有意に増加した。
【0058】
(実験例5) 生体内薬物動態試験
本発明によるL−アスパラギン酸塩及び塩酸塩をSDラットにそれぞれ経口又は静脈内投与して、定められた時間に採血し、生体内薬物動態を比較した。薬物動態学的パラメーターを表4に示した。
【0059】
この際、Cmax:最高血中濃度、Tmax:最高血中濃度到達時間、T1/2:薬物の生体内半減期、AUC0−t:測定時間までの血中濃度−時間曲線下面積、AUC0−inf:血中濃度−時間曲線下面積である。
【0060】
【表4】

後外挿による推定値(C
本結果は、AUC0−T比率で計算される。
【0061】
塩酸塩及びL−アスパラギン酸塩の薬物動態学的パラメーターが表4に記載されている。統計的有意性はなかったが、本発明のL−アスパラギン酸塩の平均経口生体利用率(BA、%)は、相対的に塩酸塩より高かった。塩酸塩と本発明のL−アスパラギン酸塩のBA値は、それぞれ50.96%及び70.05%であった。
【0062】
(実験例6) 生体内組織分布試験
本発明によるL−アスパラギン酸塩と塩酸塩の臓器別薬物の分布程度を確認するために、生体内組織分布試験を行った。8週齢のICRマウスを購入して、実験室で適応させた後、それぞれの塩を100mg/kg容量で経口投与した後、定められた時間に放血致死させて、各臓器を摘出し、臓器別に濃度を測定した。塩酸塩及びL−アスパラギン酸塩の投与後、時間別の各臓器の濃度及びこれによる時間−濃度曲線下面積(AUC)と組織透過比を表5及び6にそれぞれ示した。
【0063】
ここで、「P ratio」は、筋肉透過率であって、筋肉内AUC/血漿内AUCで計算される。
【0064】
【表5】

【0065】
【表6】

【0066】
表5及び6に示されたように、本発明によるL−アスパラギン酸及び塩酸塩を経口投与した結果、臓器組織内に分布される薬物の濃度及びAUCは、塩の形態によって大きい差がなく、本発明によるL−アスパラギン酸がよく透過される臓器は、肝臓、腎臓、脳、脾臓、肺、胸腺、心臓、筋肉及び睾丸の順に確認された。
【0067】
(製剤例) 薬学的製剤の製造
(1−1)散剤の製造
化学式1の化合物 2g
乳糖 1g
上記の成分を混合した後、気密布に充填して散剤を製造した。
【0068】
(1−2)錠剤の製造
化学式1の化合物 100
玉蜀黍デンプン 100
乳糖 100
ステアリン酸マグネシウム 2
上記の成分を混合した後、通常の錠剤の製造方法によって打錠し、錠剤を製造した。
【0069】
(1−3)カプセル剤の製造
化学式1の化合物 100
玉蜀黍デンプン 100
乳糖 100
ステアリン酸マグネシウム 2
上記の成分を混合した後、通常のカプセル剤の製造方法によってゼラチンカプセルに充填し、カプセル剤を製造した。
【0070】
(1−4)注射液剤の製造
化学式1の化合物 10/
薄い塩酸BP pH3.5になるまで
注射用塩化ナトリウムBP 最大1
【0071】
適切な容積の注射用塩化ナトリウムBPに化学式1の化合物を溶解させて、生成された溶液のpHを、薄い塩酸BPを使用してpH3.5に調節し、注射用塩化ナトリウムBPを使用して容積を調節して、十分混合した。溶液を、透明ガラスの5タイプIアンプルに充填して、ガラスを溶解させることにより、空気の上部格子下に封入させて、120℃で15分間以上オートクレーブさせて殺菌し、注射液剤を製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表されることを特徴とするR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩。
【化1】

【請求項2】
結晶形形態である請求項1に記載のL−アスパラギン酸塩。
【請求項3】
下記反応式1で表されるように、不活性有機溶媒の中でR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸とL−アスパラギン酸とを反応させる段階を含むことを特徴とするR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩の製造方法。
【化2】

【請求項4】
不活性有機溶媒が、エチルアセテート、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、ヘキサン、イソプロピルエーテル及び水からなる群から選択される請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
不活性有機溶媒が、エタノールである請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
不活性有機溶媒の使用量が、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸の重量(g)に対し、10倍〜20倍の容量(mL)に該当する量である請求項3に記載の製造方法。
【請求項7】
L−アスパラギン酸を、R−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸1当量に対し、0.9当量〜2.5当量添加する請求項3に記載の製造方法。
【請求項8】
反応が、30℃〜70℃で10分間〜5時間行われる請求項3に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1に記載のR−7−(3−アミノメチル−4−メトキシイミノ−3−メチル−ピロリジン−1−イル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボキシル酸のL−アスパラギン酸塩を有効成分として含有することを特徴とする抗菌用薬学的組成物。
【請求項10】
組成物が、経口用又は注射用に剤形化される請求項9に記載の抗菌用薬学的組成物。

【公表番号】特表2013−500251(P2013−500251A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521587(P2012−521587)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【国際出願番号】PCT/KR2010/004938
【国際公開番号】WO2011/013992
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(511286333)アリメド インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】