説明

RFIDタグ及びその製造方法

【課題】RFIDタグを複数密集させて配置した場合でも、RFIDタグの相互の干渉による通信特性の低下を防止し、複数密集したRFIDタグをリーダ装置により一括読取りを可能とするRFIDタグを提供する。
【解決手段】本発明のRFIDタグは、ICチップ3とICチップ3に接続される第1のアンテナ1を有するRFIDタグであって、ICチップ3と第1のアンテナ1のインピーダンス整合を行うインピーダンスマッチング回路を備え、さらに、絶縁体基材2を介して導電体4によりインピーダンス整合回路を覆うように重ねて配置する構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を無線で送信または受信するRFIDタグ、及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、物品の情報管理や物流管理などに、情報の読み取り、書き込みが可能な半導体チップを用いたRFID(Radio Frequency Identification)タグの利用が進んでいる。
【0003】
このRFIDタグは、情報を記録するメモリを有するICチップと、このICチップのメモリに記録された情報を無線で送信し、また、情報や伝送される電力を受信するアンテナと、アンテナが搭載される基材とにより構成されている。ICチップに記録されている情報はリーダ・ライタと通信できるので、リーダ・ライタによってICチップに記録されている情報を非接触で読取ることができる。また、逆にICチップに書き込むことができる。
【0004】
UHF(Ultra High Frequency)帯やSHF(Super High Frequency)帯のRFIDタグのアンテナは、主に、帯状のダイポールアンテナが用いられている。このアンテナは、例えば、導体を長方形の板状にして形成したり、基材にAgペーストのような導体を塗布することにより形成する。ここで、アンテナには、アンテナとICチップとのインピーダンスの整合をとるためのインピーダンスマッチング機構として、L字状などのスリットを形成する。
【0005】
RFIDタグのICチップにリーダ装置により複数のRFIDタグを一括して読取ることができる輻輳制御機能を備えることもできる。これにより、RFIDタグが取り付けられた複数の書類を一括管理する事例がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−157918号公報 (図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
書類にRFIDタグを取り付ける場合、書類のフォーマットの都合上、同じような場所に取り付けられることが一般的である。しかしながら、RFIDタグの取り付けられた書類が薄い場合、これらを束ねるとRFIDタグが接近し重なったような状態となる。このような状態になると、RFIDタグのICチップとアンテナとのインピーダンスマッチングが、孤立した状態のRFIDタグで調整された値から変化する。このインピーダンスの変化はRFIDタグの通信距離の極端な減少、場合によっては通信することを困難にする。この結果、RFIDタグが密集した状態では使えなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に関わるRFIDタグは、ICチップとタグアンテナとのインピーダンスマッチングを行うためのインピーダンスマッチング回路について、その回路を覆うように導電体を重ねるように配置する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、RFIDタグを接近させて配置してもRFIDタグの通信距離を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1(a)】第1の実施形態のRFIDタグを示す図。
【図1(b)】図1(a)のA−A’線断面図。
【図1(c)】図1(a)のB−B’線断面図。
【図2】導電体4の幅と本実施形態のRFIDタグの通信距離の関係を示す図。
【図3】導電体4の長さと通信距離の関係を示す図。
【図4】導電体4を第1のアンテナ1の長手方向に沿って移動させそのときの通信距離の変化を示す図。
【図5】絶縁体基材2の厚さとRFIDタグ単体の通信距離の関係を示す図。
【図6】絶縁体基材2の厚さと0.3mm間隔に配置されたRFIDタグの通信距離の関係を示す図。
【図7(a)】第2の実施形態のRFIDタグを示す図。
【図7(b)】図7(a)のA−A’線断面図。
【図7(c)】図7(b)の応用図。
【図8(a)】第2の実施形態のRFIDタグ示す図。
【図8(b)】図8(a)の上面図。
【図8(c)】導電体4aとスリット5との位置関係の変形例を示した図。
【図9】導電体4aの長さと通信距離の関係を示す図。
【図10】第1のアンテナ11と通信距離の関係を示す図。
【図11】2つの導電体4aが形成する、隙間(Gap)とICチップの位置関係による通信距離の変化を示す図。
【図12(a)】第3の実施形態のRFIDタグを示す図。
【図12(b)】図8(a)の上面図。
【図13(a)】第4の実施形態のRFIDタグを示す面図。
【図13(b)】図13(a)の上面図。
【図13(c)】図13(a)の変形例を示す図。
【図14(a)】第5の実施形態のRFIDタグを示す面図。
【図14(b)】図14(a)の上面図。
【図14(c)】図14(b)のA−A’線断面図。
【図15(a)】本発明のRFIDタグを製造する1例を示す図。
【図15(b)】図15(a)の上面図。
【図15(c)】図15(a)の裏面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態における、RFIDタグの構成について詳細に説明する。
<RFIDタグ>
図1に示すRFIDタグは、リーダ・ライタ(図示せず)で読み取られる情報が記録されるICチップ3と、ICチップ3が端子を介して接続される第1のアンテナ1と、第1のアンテナ1が搭載される絶縁体の基材2と、第1のアンテナ1上にこの第1のアンテナ1とICチップ3とのインピーダンス整合を行うT型のインピーダンス整合回路5を有し、インピーダンス整合回路5を覆おうようにして配置される導電性を有する導電体4で構成されている。
【0012】
<RFIDタグのICチップ3>
RFIDタグのICチップ3は、例えば、第1のアンテナ1に入力された交流を直流に変換する整流回路と、リーダ・ライタから送信されるコマンド、データ等を「1」、「0」の信号列に戻す復調回路と、リーダ・ライタへ送信データで搬送波を変調する変調回路と、情報の送受信、内部メモリへのリード、ライト等の制御を行うための制御回路と、情報を記憶するメモリとを有している。
【0013】
<RFIDタグの第1のアンテナ1>
RFIDタグの第1のアンテナ1は、絶縁体基材2上にアルミニウム、銅等の箔を固着させエッチングにより形成、または、絶縁体基材2上に導電性を有する金属の蒸着膜や、銀などの導電性ペーストの印刷等により形成され、その後ICチップが搭載される。この構成により、リーダ/ライタ (図示せず)を用いて、無線によって、第1のアンテナ1を介して、ICチップ3のメモリに記憶される情報を読み取り、または、ICチップ3のメモリに情報を記録する。
【0014】
また、アンテナがダイポールアンテナである場合は、図1(a)に示すように、第1のアンテナ1にはインピーダンス整合を行うためのT字状のスリット5がある。スリット5はアンテナ材であるアルミ等をエッチングすることにより、または、アンテナを形成するアルミ等を蒸着する際にマスキングすることにより形成されている。ここで、T型スリット5の一端は、第1のアンテナ1の短辺方向の一方の端縁部まで延在し、アンテナ1の短辺方向の一方端を分離している。そして、T型スリット5におけるアンテナ1の短辺方向の一方の端縁部まで延在する箇所を跨いだ態様で、ICチップ3の2つの端子3a,3b(図示しない)が第1のアンテナ1に接続されている。なお、T型スリット5は、L型スリットでもよく、その他インピーダンスマッチングを行える形状であれば良いのは勿論である。
【0015】
<ICチップ3の輻輳制御機能>
複数のRFIDタグに書き込まれている情報を一括して読取る機能は輻輳制御と呼ばれその制御方法は色々な方法がある。良く用いられる方法として、ICチップに予め固有の番号が付与されていて、リーダ装置がこれを逐次呼び出す方法により複数のタグを順番に呼び出していく方法である。一括読取りされるRFIDタグはすべてのタグが読取れるまでリーダ装置より照射される電磁波のエネルギにより動作状態保持しなければならない。
【0016】
<近接するRFIDタグ相互作用の低減>
RFIDタグを効率よく動作させるためにはタグアンテナとICチップのインピーダンス整合を十分に行う必要がある。また、RFIDタグのアンテナ部に金属片を近づけた場合、インピーダンスの変化が最も大きいのはインピーダンス整合回路部分に金属片を近づけたときであることが本発明者の実験により確認できている。
【0017】
本実施形態ではこのインピーダンス整合回路部に着目し、この部分を導電体で保護し、他のRFIDタグのアンテナなどの金属体が接近してもインピーダンスの変化が小さくなるような形態とした。本実施形態のRFIDタグはICチップが実装されたアンテナに形成されたICチップとアンテナとのインピーダンス整合回路部分に絶縁体を介して導電体を覆いかぶせる構造とした。この導電体によりアンテナのインピーダンス整合回路部に導電体面より、例えば金属片が接近した場合、インピーダンス整合回路部にはあらかじめ導電性の導電体が配置されているので、金属片の影響はほぼ無い。導電体の無い面(導電体が配置されているのとは逆側の面)より同様に金属片が接近した場合は、インピーダンスの変化は大きいが、基材の厚さが薄い場合、すなわちアンテナと導電体の距離が近ければ裏面の導電体の効果でインピーダンス変化を小さくできる。
【0018】
すなわち、本実施形態ではICチップとのインピーダンス整合回路を有するアンテナとそのインピーダンス整合回路を覆う導電体との間隔を小さくする。
【0019】
アンテナと金属体との関係は次のような例を挙げることができる。金属に貼付しても利用可能なRFIDタグでは、RFIDタグと金属面の間に数ミリの厚みを有するスペーサを挿入して、金属面とRFIDタグを離すことでRFIDタグを動作させている。しかし、これらのRFIDタグではタグアンテナ面に金属体を近づけるとRFIDタグが動作しなくなる。これは、アンテナと金属体との距離が数ミリ程度離れているため、この金属体を本実施形態の導電体のように利用することができないためである。
【0020】
また、リーダアンテナなどに使用されるパッチアンテナも放射アンテナ部の裏面に大きなグランド電極を有しているが、放射アンテナとグランド電極との間隔が数10mmあるので放射アンテナ面に他の金属体が接近するとアンテナのインピーダンスが変化し、アンテナの特性が劣化する。これらの例ではアンテナの裏面に金属体が配置されているが、アンテナと金属体の間隔が広い(数ミリ程度)ため、本発明のようなインピーダンス整合部の裏面に配置した導電体による効果が得られずアンテナ特性が変化してしまう。
≪第1の実施形態≫
図1(a)は、第1の実施形態におけるRFIDタグを示す図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A’線断面図、図1(c)は、図1(a)のB−B’線断面図である。
【0021】
第1の実施形態のRFIDタグは、ICチップ1のメモリに記録される情報を、リーダ/ライタ(図示せず)で読み取ることにより、情報の管理を行うものであり、例えばラベルやシール化などされ物品に取り付けられ使用される。
【0022】
本発明のRFIDタグは、ICチップ3とICチップ3と接続される第1のアンテナ1とを有しており、ICチップ3には金製の信号入出力用の端子3a及び3bの2つの端子(図示せず)を有している。2つの端子は第1のアンテナ1内にあるインピーダンス整合回路であるT型のスリット5の両端に接続されている。また、ICチップには2つのダミー端子があり、ICチップとアンテナが平行になるようにICチップの四隅に各々の端子が配置されている(以下本実施形態では、端子とは電気が通じる端子を指し、ダミー端子のことは指さないものとする)。ICチップ3の2つの端子は第1のアンテナ1に超音波接合や金属共晶や導電性接着材などにより低電気抵抗で接続されている。さらに、ICチップ3と第1のアンテナ1は図示していない接着材で固定されている。図1(b)に示すように、第1のアンテナ1に隣接して、第1のアンテナ1を保持するように絶縁体基材2が積層され、さらに絶縁体基材2を介し第1のアンテナ1と反対面に導電性を有する導電体4が、インピーダンス整合を行うT型のスリット5を覆うように形成されている。また、第1のアンテナ1及び導電体4と絶縁体基材2は図示しない接着材によって固着されている。図1(c)に示すようにT型スリット5は絶縁体基材2を介して導電体4により覆いかぶされ、T型スリットで形成されたスリットは塞がれた状態となっている。
【0023】
絶縁体基材2はPET(PolyEthylene Terephthalate),PEN(PolyEthylene naphthalate),PP(Polypropylene)などで構成される。本実施形態では絶縁体基材2の材料としては0.03mm厚のPENを使用した。
【0024】
第1のアンテナ1は長さ90mm、幅3.5mm、T型スリットの長手方向の長さは20mmである。なお、アンテナの長さとは図1(c)の横方向を指し、アンテナの幅とは図1(b)の横方向を指す。第1のアンテナの長手方向に対応する導電体4は長さ26mm、第1のアンテナ1の短辺方向に対応する導電体4の幅は4mmである。この構成で第1のアンテナ1上に形成されたインピーダンス整合回路であるT型スリット5を、絶縁体基材2を介して完全に覆う形状とした。第1のアンテナ1と導電体4は0.012mm厚のアルミ箔を使用し、絶縁体基材2の両面に接着材により固着させ、その両面をエッチングにより第1のアンテナ1及び導電体4を形成した。
【0025】
導電体4の幅の最適化を図2によって説明する。図2は導電体4の幅と本実施形態のRFIDタグの通信距離の関係を示したもので、導電体4の幅方向の中心と第1のアンテナ1の短辺方向の中心を一致させ、第1のアンテナ1の長さ方向も同様に一致させる。T型スリット5を完全に覆った状態で導電体4の幅を4〜50mmに広げてもRFIDタグの通信距離は大きく変化しないことを示している。したがって、RFIDタグの小型の観点からも第1のアンテナと等幅もしくは絶縁体基材2と等幅とすることが製造上有利である。
【0026】
次に、導電体4の長さと通信距離の関係について図3を用いて説明する。図3は導電体長と通信距離の関係を示したもので、導電体4の長手方向の中心と第1のアンテナ1の長手方向の中心を一致させ、短辺方向の中心も同様に一致させる。T型スリット5の中心から長手方向に導電体4が延長するように導電体4の長さを変え、導電体4の長さを14〜50mmにしたときの通信距離を示す。導電体4の長さが20mmのとき調度T型スリット5を完全に覆う状態となる。これより導電体4の長さが26〜28mmで最大通信距離が得られる。インピーダンス整合回路のT型スリットの長さが20mmであり、これを覆うように導電体を配置するためには導電体長は20〜28mmである必要がある。
【0027】
さらにインピーダンス整合回路のT型スリット5と導電体4との位置合わせ精度の関係を図4により説明する。例えば、長さ20mm、幅4mmの導電体4を第1のアンテナ1の長手方向に沿って移動させそのときの通信距離の変化を図4に示す。このとき導電体4がT型スリット5を覆うように配置し、導電体4の長さ方向の中心及びT型スリット5の長手方向の中心を原点とする。グラフの横軸は導電体4の位置示し、スリット5の長手方向の中心を原点とした導電体4の中心位置を示している。これより導電体4の位置が−4〜+3mmであれば通信距離に変化がない。したがって、位置合わせ精度を考慮する導電体長は26mmが最適値となる。
【0028】
本発明のRFIDタグで重要な要素として絶縁体基材2の厚さがある。絶縁体基材2の厚さと通信距離の関係を図5により説明する。尚、第1のアンテナ1と導電体4は0.012mm厚のアルミ箔を使用し、絶縁体基材2はPETを使用した。絶縁体基材2の厚さが0.3〜0.9mmでは通信距離の変化はなく、0.3mm以下になると通信距離が長くなる特性を示す。ここでの下限値は0.005mmである。つまり、絶縁体基材2の厚さは0.005mm以上、0.3mm以下において、通信距離が長くなる特性が読み取れる。そして、図5の実験結果では0.06mmのとき通信距離が最大となった。汎用的に使用されるRFIDタグのアンテナを保持する基材であるPET、PENなどの厚さは0.02〜0.06mmであるのでこの基材の両面に第1のアンテナ1と導電体4を形成すことが部材の追加等がなく生産上有利である。
【0029】
図6を用いて、他のRFIDタグが近接する場合における、第1のアンテナ1と導電体4の距離による影響について説明する。図6は第1の実施形態のRFIDタグを0.3mm間隔に3枚重ね合わせた状態で、RFIDタグの絶縁体基材2の厚さを変えたときの中心に配置されたRFIDタグの通信距離を測定した結果である。図6より絶縁体基材2の厚さが0.005mm以上であれば400mmの通信距離が得られることが確認できる。絶縁体基材4が0.9mm厚のときでもその通信距離は560mmであり、絶縁体基材2を厚くすることによる利点はなく、絶縁体基材2を薄くした方がRFIDタグ自身を薄くできる利点があり、利便性を向上させることができる。
【0030】
また、RFIDタグ単体での通信距離は図5に示したように絶縁体基材4の厚さが0.3mmより薄くすることによりその通信距離を長くすることができる。したがって、絶縁体基材4の厚さを0.005〜0.3mmに設定することにより、RFIDタグ単体での通信特性と、RFIDタグを重ね合わせて配置した場合でも優れた通信特性が得られ、2つの状態でRFIDタグの利便性を両立させることができる。
【0031】
図6での測定結果では、RFIDタグの配置間隔0.3mmよりも第1のアンテナと導電体4の間隔をより接近させた状態、すなわち絶縁体基材2の厚さを0.2mmとすることにより最大通信距離が得られる。これより、複数のRFIDタグを重ね合わせて配置した場合、RFIDタグの間隔よりも絶縁体基材2の厚さを薄くすることにより最大通信距離が得られることを示している。
【0032】
この現象は次のように説明できる。RFIDタグの第1のアンテナと導電体4の間隔をt1とし、前記同構造の複数のRFIDタグが距離t2で配置され、この状態でRFIDタグが動作可能な状態であるとする。このとき、あるRFIDタグの第1のアンテナに他のRFIDタグのアンテナが接近してもt1<t2であれば、第1のアンテナに最も近い金属体は自らのRFIDタグの構成部材である導電体4となるので接近して来る他の金属体の影響はより小さく見える。したがて、第1のアンテナの特性変化は小さなものとなりその通信距離の低下は小さなものとなる。逆に、t1>t2であれば接近してくる他の金属体の影響が顕著となり、第1のアンテナの特性変化が大きくなる。
【0033】
つまり、絶縁体基材が厚い場合は、その厚みよりもインピーダンス整合回路と他の金属体との距離の方が近づくためインピーダンスの変化が大きくなりRFIDタグの性能が低下する。
【0034】
上記の結果より絶縁体基材2の厚さが0.02mm、導電体4(長さ26mm、幅4mm)からなるRFIDタグを50本使用し、これらRFIDタグを一般的な0.1mm厚の用紙に0.03mm厚の粘着付きシールにより固定した。用紙へのRFID取り付け場所を一定として、この用紙を重ね合わせるとRFIDタグも略重ね合わさった状態となる。このときのRFIDタグの間隔は用紙、導電体4、絶縁体基材2、第1のアンテナ1、絶縁体基材2と導電体4の接着材、絶縁体基材2と第1のアンテナの接着材、及び粘着つきシールの総和で約0.2mmとなる。したがって、絶縁体基材4(0.02mm)<RFIDタグ間隔(0.2mm)の関係となりる。この状態において、高周波出力500mWの950MHz帯リーダ装置により読取り実験を行った結果、50本すべてのRFIDタグを一括読取りすることが可能となった。このように、アンテナのインピーダンス整合回路を覆うように導電体を配置することは、非常に近接したRFIDタグの一括読み取り性能を改善する顕著な効果が得られる。
【0035】
比較として従来の汎用的なRFIDタグでは、このような約0.2mmという非常に狭い間隔でRFIDタグ配置した場合、RFIDタグを動作させることはできない。RFIDタグ間隔を5mm程度に広げたとしてもリーダ装置に近い側の数個のRFIDタグが読み取れる程度であることを付記する。
【0036】
さらに、第1の実施形態では第1のアンテナ1の長さを動作周波数950MHzの約λ/4長に短縮形としたが、より通信距離を必要とする場合はアンテナ長を一般的な電気的λ/2と長くすることにより達成できる。
≪第2の実施形態≫
第2の実施形態は第1の実施形態の変形例である。図7(a)は、第2の実施形態におけるRFIDタグを示す図であり、(b)は(a)のA−A’線断面図、(c)は(b)の応用を示す図である。第1の実施形態では絶縁体基材2を介して、第1のアンテナ1の裏面に導電体4を配置した。第2の実施形態では、図7(a)に示すように第1のアンテナ14のICチップ3が実装される面に0.005〜0.02mm程度の接着材や粘着材(図示せず)を用いて導電体4eを重ね合せる構造となっている。導電体4eはICチップ3をよけるように円形の切抜きがある。この切抜きは円形に限らず、任意形状の切抜きや、切り欠きであっても良い。本実施形態では、第1のアンテナ14と導電体4eの間の絶縁体として接着材や粘着材を利用することで、第1のアンテナと導電体4eを任意厚の絶縁体で構成できる。これにより、絶縁体基材4の厚さよりも第1のアンテナ11と導電体4eを近接させることができる。先に説明した絶縁体厚さと近接するRFIDタグの関係より、RFIDタグが極めて接近するような場合、すなわち、薄い紙1枚1枚にRFIDを実装したような場合に有効となる。
【0037】
さらに、図7(b)に示すように、導電体4eに形成した切抜き内にICチップ3が入るため、RFIDタグの表面にICチップ3が突出することなく、RFIDタグの表面が平坦化される効果、及びICチップの脱落防止のための強度的保護がなされる効果が得られる。図7(c)は更にその効果を向上させることを目的とし、導電体4eの切抜きとICチップ3の間にできた隙間にエポキシ樹脂15を充填し、平坦化と強度を向上させた。
≪第3の実施形態≫
第1の実施形態で導電体4に最適長が存在することを示したが、第3の実施形態では任意長の導電体で課題である近接するRFIDタグの相互作用を低減する構造を図8によって説明する。図8(a)は本実施形態のRFIDタグ示す図であり、(b)は図8(a)の上面図、(c)は導電体4aとスリット5との位置関係の変形例を示したものである。
【0038】
本実施形態で示す平面状のダイポールアンテナはそのアンテナ長が電気的λ/2のとき最もアンテナ効率が良い。しかし、この最良状態のアンテナ近傍に他のRFIDタグなどの金属体等が接近した場合、アンテナ端部に接近すると金属体と容量結合しアンテナ長が長くなったような効果になり、アンテナのインピーダンスが変化する。また、アンテナの中央部にあるインピーダンス整合部の近傍にくると前述の如く、インピーダンスが大きく変化し、通信距離の変動が大きくなる。したがって、アンテナ長が電気的λ/2長であればRFIDタグのどこの部位に金属体が接近してもインピーダンスの変化が大きいことになる。
【0039】
次に、第1のアンテナ11が電気的λ/2長よりも短い場合、他のRFIDタグなどの金属体等がアンテナ端部に接近すると、金属体と容量結合し実効的アンテナ長が長くなったような効果になり、アンテナのインピーダンス変化よりもアンテナが長くなりアンテナ効率が向上した効果の方が大きくなる。この場合でもアンテナ中央のインピーダンス整合部に金属体が接近するとインピーダンス変化が大きくなる課題は同様である。以上より第1のアンテナ11は電気的λ/2長よりも短い方が有利であり、発明者の実験によりλ/6〜λ/4長が良好なアンテナ長であることを確認している。
【0040】
第3の実施形態では図8(a)に示すように第1のアンテナ11のT型スリット5のインピーダンス整合回路を覆う導電体4aを2つ配置した形態の構造である。(b)にRFIDタグの上面図を示す。導電体4aはT型スリット5で形成されたインピーダンス整合部の中央で2分割し、導電体4aは第1のアンテナ11の長辺方向に延在された形態で構成されている。(c)は導電体4aのT型スリットで形成されたインピーダンス整合部の分割位置を左右不等長とした例である。導電体4aの分割位置をICチップ3の直下からずらした場合、ICチップ3は第1のアンテナ11と絶縁体基材2と導電体4aが重なり合った部分に実装するため(b)の形態でICチップ3を実装する場合よりも平坦な面に実装することができる利点がある。
【0041】
図9は導電体4aの長さと通信距離の関係を示している。第1のアンテナ11の長さを90mm、幅を3.5mmとし、導電体4aは幅4mmである。この2つの導電体4aの長さを変えて時の通信距離を測定したものである。ここでの導電体長さとは2つの導電体4aと、それら2つの導電体の隙間(Gap)を加算した長さである。ここで、導電体長が30〜85mmまで特徴的なピークが存在せず概ね一定の通信距離が得られる。ここでは2つの導電体4aの隙間は1mmと固定した。インピーダンス整合回路のT型スリット5の長さが30mmの第1のアンテナ11を使用した測定結果であるので、導電体4aがスリットの両端以上に延在されていればインピーダンス整合回路の保護機能を得られる。導電体4aの長さが第1のアンテナ11のインピーダンスに影響を与えないので、第1のアンテナ11は第1のアンテナ11に形成したインピーダンス整合回路のスリット長だけで調整が可能となる利点がある。
【0042】
図10は第1のアンテナ11(アンテナ幅3.5mm)のアンテナ長と通信距離の関係を示した図で、アンテナ長40〜90mmで概ね一定の通信距離が得られるので、第1のアンテナ11を小型することが可能であることを示している。このときの2つの導電体4eとGapの総和は85mmである。
【0043】
図11はICチップ3の第1のアンテナ11上の位置を原点とし、この点からの2つの導電体4eが形成するGapの中心までの距離における通信距離を示したものである。第1のアンテナ11は長さ60mm、幅3.5mm。導電体4eは幅4mm、Gapを含む長さの総和は85mm。絶縁体基材2の厚さは0.02mm、Gapは1mmの構造である。これよりICチップの実装位置に隙間(Gap)を一致させることにより最大通信距離が得られることが確認できる。
【0044】
ICチップ3をアンテナに実装する場合、導電体4aの端部の位置によりICチップ3の実装位置が凹んだような形態となるため、ICチップの実装信頼性が低下する可能性がある。これを回避するためには2つの導電体4aの間隔を広くする必要があるが、この間隔を広げると、インピーダンス整合回路を覆う面積が小さくなり、導電体4aの効果が低減する。そこで図8(c)のように導電体4aを不等長とし、分割位置を左右にオフセットすることによりICチップ3の実装部の平坦性が確保することができる効果がある。ただし、図11に示す特性より、例えばICチップ3の中心からGap中心を1mmオフセットするとその通信距離は約30%低下することになるが、ICチップ3の実装信頼性が向上すること、及び製造時の歩留まりが向上する点などの利点が多い。
≪第4の実施形態≫
図12(a)は本実施形態のRFIDタグを示す図であり、(b)は図12(a)の上面図を示したものである。絶縁体基材2に形成された導電体4を延長する必要は無く図12に示すように絶縁体基材2を介して第2のアンテナ9を別材料として接続しても良い。第1のアンテナと第2のアンテナは絶縁体を介して、各々の重なりによる静電容量結合をさせる。第2のアンテナ9は金属箔など使用すれば良く、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムとアルミなどの金属箔、または樹脂フィルム上に金属蒸着膜を形成したフィルム等を積層したフィルムを第2のアンテナ9として使用しても良い。積層フィルムを使用した場合、絶縁体基材2と第2のアンテナ9をヒートシール方により熱溶着することができるので低コストで信頼性の高い接合ができる。
≪第5の実施形態≫
第5の実施形態は本発明のRFIDタグに不正持ち出し防止用に良く用いられる磁気タグ機能を持たせたRFIDタグについて説明する。
【0045】
図13(a)は本実施形態のRFIDタグを示す図であり、(b)はその上面図、(c)は導電体4b上に部材6cを積載することにより機能を付加した形態を示している。図13(a)に示すようにL字型のスリット5aであるインピーダンス整合回路を覆う導電体4cを片側に延在された形態で、導電体4cの材料として導電性を有する軟磁性体を使用する。ここで、インピーダンス整合回路のスリット形状を第1のアンテナ12の長手方向に対して非対称とすることにより、全体としてのタグ長を短くすることができる。従来、磁気タグとRFIDタグを併用する場合はこれら2つを直列に配置いた。磁気タグとRFIDタグのアンテナとの干渉により、並列に配置することが容易ではない。そのため直列に配置することにより全長が長くなり利便性を低下させる問題がある。本実施形態のようにRFIDタグのアンテナ材と磁気タグの部材を共用することによりタグ全体の長さを短縮できる効果が得られる。本実施形態では1のアンテナ12に形成されているインピーダンス整合回路を導電体4cに重ねてしまうことができるためである。第1のアンテナ12の大きさや材料は実施形態1と同様のものを使用し、ICチップ3の実装位置をスリット端部の方向にオフセットしている。導電体4cは導電性を有しているので先に示した実施形態と同様に、L型スリット5aのインピーダンス整合回路を絶縁体基材2を介して導電体4cで覆うことにより、インピーダンス整合回路の近傍に接近する金属片等の影響によるインピーダンス変化を低減する効果をもたらす。これと同時に軟磁性体の特性である交流磁場が与えられた場合、磁気共鳴による磁気タグ効果を利用することができる。これによりRFIDによる情報管理と同時に不正持ち出し防止タグの2つの機能を有するRFIDタグが得られる効果がある。同様に図8の実施形態においても2つの4aを6cの部材に置き換えることにより同様の効果が得られる。
【0046】
さらに、(c)に示すように軟磁性体からなる導電体4b上に硬磁性体の小片からなる硬磁性体6cを配置することにより、硬磁性体6cの磁化/消磁化により磁気タグ機能の有効/無効を制御することができる。例えば、ゲートなどに取付けた検出器により磁気タグ機能の有効/無効を検出することにより、不正持ち出しの場合にはブザー等の警告音を発報することができる。これにより、正規持ち出しか不正持ち出しかを判別することができる。
≪第6の実施形態≫
第5の実施形態の変形例として、図14に示すような軟磁性体と硬磁性体を重ねるような構造とすることにより先の実施形態と同様の効果がえられる。図14(a)はRFIDタグの構成を示す図、(b)はその上面図、(c)は(b)のA−A’線断面図を示している。図14(a)に示すように第1のアンテナ14に形成されたT型スリット5であるインピーダンス整合回路を覆う導電体4dが硬磁性体からなる構造とする。その下に樹脂性のケースに収められた軟磁性体の部材である軟磁性体13aを配置する。インピーダンス整合部5を覆う導電体材料は導電性を有していれば効果があるので、導電体4dの材料としては軟磁性体であっても硬磁性体であっても良い。また、磁気タグの効果を上げるために軟磁性体13bを追加し積層しても良い。導電体4dを硬磁性体とすることにより、硬磁性体6dの磁化/消磁化により磁気タグ機能の有効/無効を制御することができる。これにより第5の実施形態と同様にゲートなどに取付けた検出器により磁気タグ機能の有効/無効を検出することにより、不正持ち出しの場合にはブザー等の警告音を発報することができる。これにより、正規持ち出しか不正持ち出しかを判別することができる。
≪第7の実施形態≫
図15を用いてRFIDタグの製造方法について説明する。図15(a)はテープ状の絶縁体基材2aの片面に第1のアンテナ1と他の片面に導電体4を形成したテープの外観図、(b)はそのアンテナ2の面、(c)は導電体4の面を示している。RFIDタグで汎用的に使われているPETやPENなどのテープ状の絶縁体基材2aの両面にアルミ、銅などの金属箔を貼り付ける、もしくは金属蒸着膜を形成する。この両面金属のフィルムに片面に所望のアンテナパターンをエッチングにより形成する。別方法としてはマスクを用いて基材2aに直接金属蒸着しても良い。導電体4dは図15(c)に示すように所望の幅の導電性材料を絶縁体基材2aに貼り付けたり、蒸着により形成しても良い。導電体4dを一葉のテープ状にすることにより、絶縁体基材2aの反対面に形成されているアンテナとの位置合わせを不要にする効果がある、製造時のスループットの向上や歩留まりの向上に効果がある。この導電体付きアンテナテ基材にICチップ3を実装し、図15(a)で示す切断位置8で各タグを切り出すことにより所望のRFIDタグを製造することができる。
【符号の説明】
【0047】
1,11,12,13,14: 第1のアンテナ
2: 絶縁体基材
2a: テープ状基材
3: ICチップ
4,4a,4b,4c,4d,4e: 導電体
5: スリット(インピーダンス整合回路)
6c: 硬磁性体
7: 樹脂製ケース
8: 切断位置
9: 第2のアンテナ
15: 樹脂
16a,16b: 軟磁性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の物品に貼付するRFIDタグであって、
前記RFIDタグは、
情報を格納するICチップと、
前記ICチップの2端子を介して接続し、前記ICチップに格納された情報を電波により送信する第1のアンテナと、
前記第1のアンテナに備えられた、前記ICチップと当該第1のアンテナのインピーダンス整合を行うスリットと、
前記スリットを覆うように重ねられた、導電性を有する導電体と、
前記導電体と、前記第1のアンテナの間にある絶縁体と、
を備え、前記絶縁体の厚さが前記シート状の物品の厚さよりも薄いことを特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
無線で情報を送信するRFIDタグであって、
前記情報を格納するICチップと、
前記ICチップの2端子を介して接続し、前記ICチップに格納された情報を電波により送信する第1のアンテナと、
前記第1のアンテナに備えられた、前記ICチップと当該第1のアンテナのインピーダンス整合を行うスリットと、
前記スリットを覆うように重ねられた、導電性を有する導電体と、
前記導電体と、前記第1のアンテナの間にある絶縁体と、
を備え、前記絶縁体の厚さが0.005mm以上0.3mm以下であることを特徴とするRFIDタグ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のRFIDタグにおいて、
前記第1のアンテナが電気的1/2λ長以下であること特徴とするRFIDタグ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のRFIDタグにおいて、
前記導電体は磁性体であることを特徴とするRFIDタグ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のRFIDタグにおいて、
前記導電体は、前記第1のアンテナの片端方向に延在していることを特徴とするRFIDタグ。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のRFIDタグにおいて、
前記導電体は、2つ以上に分割されていることを特徴とするRFIDタグ。
【請求項7】
請求項6に記載のRFIDタグにおいて、
前記複数の導電体の間にICチップが位置することを特徴とするRFIDタグ。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のRFIDタグにおいて、
前記導電体は、前記第1のアンテナの両端方向に延在していることを特徴とするRFIDタグ。
【請求項9】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のRFIDタグにおいて、
前記第1のアンテナの方端もしくは両端に第2のアンテナを有することを特徴とするRFIDタグ。
【請求項10】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のRFIDタグにおいて、
前記導電体は、前記ICチップより大きな切り抜き部を備えることを特徴とするRFIDタグ。
【請求項11】
請求項1に記載のRFIDタグにおいて、
前記絶縁体の厚さが0.005mm以上0.3mm以下であることを特徴とするRFIDタグ。
【請求項12】
無線でICチップの情報を送信する第1のアンテナを備えるRFIDタグを製造するRFIDタグ製造方法において、
絶縁体基材の片面に一定間隔で前記第1のアンテナを形成し、
他の面の絶縁体基材に対し一葉となるように導電体を形成した、厚みが0.005mm以上0.3mm以下であるテープ状の絶縁体基材にICチップを実装し、
前記絶縁体基材テープを一定間隔の切断位置で分断することを特徴とするRFIDタグ製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載のRFIDタグ製造方法において、
前記前期第1のアンテナ及び導電体は、エッチングにより形成されることを特徴とするRFIDタグ製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載のRFIDタグ製造方法において、
前記導電体は、金属箔の貼り付、金属蒸着、またはスパッタリングにより形成されることを特徴とするRFIDタグ製造方法。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図1(c)】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図7(c)】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図8(c)】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12(a)】
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【図12(b)】
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【図13(a)】
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【図13(b)】
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【図13(c)】
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【図14(a)】
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【図14(b)】
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【図14(c)】
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【図15(a)】
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【図15(b)】
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【図15(c)】
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【公開番号】特開2011−186966(P2011−186966A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53942(P2010−53942)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】