説明

RFIDベースの個人の安全を強化する方法及びシステム

ユーザにより携帯されるRFIDタグの使用を通じて、1人又はそれ以上のユーザの個人の安全を強化することができる。危険に近接して設置されたRFID検出器は、RFIDタグに格納されたデータを読み取ることにより、ユーザの接近を検出することができる。ユーザの技能レベルを含むデータに基づき、1つ又はそれ以上の応答を指定することができる。1つ又はそれ以上のRFIDタグからのデータに基づいてユーザを識別し、格納されたそのユーザに関連付けられた技能レベル・データを検討することにより、ユーザの技能レベルを確定することができる。代替的に、ユーザにより携帯される1つ又はそれ以上のRFIDタグは、そのユーザの技能レベルを指定するデータを含んでもよい。応答は、他のセンサからのデータを含む多数の条件に基づくことがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、危険物の周辺における個人の安全を強化するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の家庭用設備は、特定の個人に多くの隠れた危険をもたらすことがある。例えば、一般的な家庭における物品は、探検好きであるにも拘わらず潜在的な危険に気づかない幼児や子供にとって、住宅を刺激的な場所にする。例えば、家庭周辺にある潜在的な危険障害としては、暖炉、コンロ、又は他の高温の器具による火傷、浴槽又は水泳プールでの水難事故、及び、薬品戸棚又は他の収納場所からの洗剤類又は他の危険な化学薬品の誤飲がある。さらに、水難事故は5歳未満の子供の主な事故死原因の1つであると広く見なされており、統計によれば、毎年何百人もの子供が家庭用水泳プールにおいて溺死或いは重体となっている。
【0003】
各種の家庭用品が提示する危険に対処するため、様々な試みが為されてきた。例えば、1人又はそれ以上の個人が水泳プールに接近したか又は立ち入ったことを、警報を鳴らすか、電話をかけるか、メッセージを送信するか、或いは他の形で水泳プール所有者又は責任者に警告するシステムが存在する。例えば、あるシステムは水泳プールにおける個人の存在を検出するのに超音波センサを用い、他のシステムは波の変位を検出するセンサを利用する一方、他のシステムは個人又は複数の個人がプール周りの周辺部に立ち入ったかどうかを判断するのに行動探知器を使用する。
【0004】
更なるシステムは無線周波数ベースの個人検出を用いる。例えば、特許文献1は、人が着用可能な物品と、物品に結合された、無線周波数信号を送信するための無線周波数送信装置と、ユーザが調整できる受信局の無線受信範囲内に無線周波数送信装置があるときに無線周波数送信装置から無線周波数信号を受信するためのマイクロプロセッサに制御された無線周波数受信局と、物品を着用した人が無線受信範囲内に立ち入ったときに信号通知するための警告信号通知装置と、を備えた、水泳プールでの溺死防止安全システムを論じる。
【0005】
他の従来の試みも、人物を追跡しモニタするために無線ベースのシステムを用いる。例えば、特許文献2においては、判断力の低下により特徴付けられるアルツハイマー病又は他の状態にある患者の行動や動作をモニタするためのシステムが提供される。患者又は他の監視人物は、個人識別ユニットと見なすことができる無線周波数識別装置(RFID)を備える送信機を着用する。戦略的位置、及び患者が到達可能なストーブや自動車などの危険の近傍に、又は並置して検出器が設置される。検出器は、送信機からの信号の受信強度に基づいて患者が近接していることを検出し、またそうした近接状態に基づいて、介護者に通知するなどの1つ又はそれ以上の応答を提供することもある。患者が電気器具などの危険に近づいた場合は、患者の近接に基づき、制御装置がリレースイッチを起動して電気器具を停止状態にすることもある。
【0006】
特許文献3は、ユーザの安全と健康をモニタする文脈においてRFID装置の使用を論じる。そのようなシステムは、ユーザと別のユーザ、又は定められた境界区域との間の距離を追跡し続けるための電子的境界として用いることができる。ユーザが携帯するRFID装置からの信号は、ユーザの識別情報と相関させることができ、特定の区域における識別されたユーザ又は複数のユーザの検出に基づき、立ち入り禁止区域又は他の警告状況を定めることができる。
【0007】
しかしながら、概説すると、既存の安全システムは、ユーザの技能レベルなどの要因を度外視したユーザの識別情報を基としてユーザ指定の応答を提供している。例えば、水泳プールの安全システムはプールの範囲内に人を検出した際に警報装置を起動するように構成することができる。しかしながら、プールに近接している人物が幼児であった場合に比べ、プールの範囲内にいる人に水泳能力がある場合には警報は必要ないであろう。特定の既存のシステムは、RFID(又は他の)装置から検出されるユーザの識別情報に基づく規則を定めることにより、このようなシナリオに対処する。例えば、水泳プールはユーザに関連付けられた識別子を検出し、ユーザの識別情報に基づいて1つ又はそれ以上の定められた応答を検索することができる監視装置を含むことができる。
【0008】
しかしながら、識別情報ベースのシステムは、応答とユーザの特定の識別情報との関連付けに依存している。例えば、第1の水泳プールのユーザを、第1の水泳プールの安全システムにおいて、当該プールにおける当該ユーザの存在が警報装置をトリガしないように定めることができる。しかしながら、そのユーザが第2の水泳プールに行った場合、第2の水泳プールがプールに近づくことを許されているものとしてユーザを識別するデータへのアクセスをもたない限り、当該ユーザは第2のプールの警報装置をトリガすることがある。システムの初期設定に依存することで、不明ユーザは過大に保護されたり、又は過小に保護されたりする場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,064,309号
【特許文献2】米国特許第6,753,782号
【特許文献3】米国特許第6,825,767号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、水泳プール及び他の危険の周辺における個人の安全のためのシステムの更なる改善がなおも望まれることは明白である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的及び利点は、本開示を注意深く検討することにより、当業者には明らかとなるであろう。そのような目的及び利点は、ユーザのために水泳プール又は他の危険の周辺における個人の安全を強化するシステム及び方法を提供することを含む。
個人の安全を強化する方法は、少なくとも1つのRFIDタグが近接していることを感知し、そこに格納されたデータを読み取るステップを含むことができる。例えば、1つ又はそれ以上の検出ユニットにより近接していることを感知することができる。検出ユニットは、RFIDリーダ・モジュール(単数又は複数)及びアンテナ(単数又は複数)のいかなる好適な組み合わせを含んでもよい。検出ユニット(単数又は複数)が1人又はそれ以上の保護される人物の各人に関連付けられた1つ又はそれ以上のRFIDタグを読み取ることによりその近接状態を感知できるように、1つ又はそれ以上の検出ユニットは、水泳プール、暖炉、コンロ、危険物の収納場所、又は他の家庭内の危険などの潜在的な安全上の危険の位置において、又はその近くに設置される。
【0012】
少なくとも1つのRFIDタグは、少なくとも1人の保護される人物に関連付けられる。しかしながら、いかなる特定の人物に1つ又はそれ以上のRFIDタグを関連付けてもよく、本方法は1人又はそれ以上の保護される人物の安全を強化するのに用いることができる。各々の保護される人物は1つ又はそれ以上の技能レベルに関連付けられる。技能レベルは、好適などのようなやり方で定めてもよく、汎用的な/標準化されたものであってもよく、カスタム定義されてもよく、危険に関する世界共通の定義であってもよく、又は危険に固有のものであってもよい。
【0013】
本方法は、安全応答モデルを定め、潜在的な安全上の危険の範囲内において保護される人物が検出された時に安全応答モデルを用いて少なくとも1つの実施されるべきアクションを指定するステップをさらに含む。アクションは、保護される人物の技能レベルを判断することに少なくとも部分的に基づいて決定される。検出された人物の識別情報を、その人物の技能レベルを示す格納済データと相互参照することにより、技能レベルを判断してもよく、検出された人物の識別情報は1つ又はそれ以上のRFIDタグの読み取りにより判断される。代替的に、又は付加的に、技能レベル・データはRFIDタグ(単数又は複数)に直接格納してもよく、潜在的な安全上の危険の範囲内において保護される人物を検出することの一部としてRFIDタグ(単数又は複数)から技能レベル・データを読み取ることに基づき、技能レベルを判断してもよい。
【0014】
本方法は、安全応答モデルにより、警報を鳴らす、有害物質又は危険物の収容区域の安全を確保する、又は権限者にメッセージを送信するといった少なくとも1つのアクションを実施させる少なくとも1つの信号を送信するステップをさらに含む。
【0015】
上述されたように、本方法は、複数の保護される人物の各々に1つ又はそれ以上のRFIDタグを関連付けることを含んでもよく、このとき保護される人物のうちの少なくとも何人かは互いに異なる技能レベルを有する。この場合、安全応答モデルは、同一の潜在的な安全上の危険に関して複数の異なるアクションを含んでもよく、このとき異なるアクションは異なる技能レベルに関して指定される。多数ユーザのうちの少なくとも2人が異なる技能レベルを有するときには、安全応答モデル(単数又は複数)は、同一の潜在的な危険(単数又は複数)の近くに同時に多数のユーザを検出することに基づいて指定されたアクションを含んでもよい。
【0016】
保護される人物が危険の近くにいることに反応して取られるアクションは、可聴警報を鳴らすこと、及び/又は、電話、インターネット、ファクス、電子メール、テキスト・メッセージ、ページャなどの通信システムを介して予め定められたメッセージを送信することを含むことができる。他のアクションは、キャビネット上のソレノイドなどのロック機構を係合させる(又は外す)こと、又は例えば継電器の電源を投入するか又は切断して家庭用電気器具への電流の流れを中断させるなどにより、電気回路の電源を切断することを含む。安全応答モデルは、反応(又は反応の欠如)及び追加のセンサ・データに基づき、警報が組み合わされること、変更されること、及び強度を増大させることを提供することができる。
【0017】
安全応答モデルは、1つ又はそれ以上の二次的センサ又は警報システムからのセンサ・データに基づいてアクションを定めるようにさらに構成してもよい。例えば、二次的警報システムは又は付加的なセンサは、行動探知器又は光検出器などにより、ある区域に人が存在することを検出することができる。二次的警報システムは、戸棚又は扉の開放を検出することができ、又は水泳プールにおける波又は水飛沫センサを含んでもよい。
【0018】
潜在的な危険が水泳プールからなる場合には、プールを囲む周辺部を形成するように複数の検出ユニットを提供することができる。各ユーザに関連付けられた技能レベル情報は、各々の保護される人物の水泳能力を指定してもよく、このとき安全応答モデルは、異なる人物が検出されたときに、そのような人物の水泳能力に基づき実施される異なるアクションを指定する。本方法は、保護される人物が水泳プールの中にいるかどうかを判断するステップをさらに含むことができ、このとき安全応答モデルは保護される人物が水泳プールの中にいると判断されたときに実施される少なくとも1つのアクションを含む。例えば、二次的警報システムにより、人が水泳プールの中にいると判断されることができる。
【0019】
個人の安全システムは、ユーザにより携帯されるように構成された少なくとも1つのRFIDタグと、少なくとも1つのRFIDタグの近接状態を感知し、そこに格納されたデータを読み取ることができる少なくとも1つの検出ユニットと、コンピュータ可読ストレージ媒体を処理する能力及びこれにアクセスする能力を含む少なくとも1つのコンピューティング装置と、を備えることができる。コンピューティング装置は、ストレージ媒体に組み込まれた、少なくとも1つの検出ユニットからデータを受信すること及び安全応答モデルにアクセスすることを含むアクションを実行させるための命令により構成してもよい。安全応答モデルは、危険に近接してRFIDが検出された際に実施される1つ又はそれ以上のアクションを定めることができ、このときアクションはユーザの技能レベルを含むデータに基づき定められる。コンピューティング装置は、安全応答モデル及び受信されたデータに基づき、安全上の危険に近接してユーザが検出された際に実施される少なくとも1つのアクションを決定し、その少なくとも1つのアクションを実施させる1つ又はそれ以上の信号を送信するようにさらに構成してもよい。RFIDタグはユーザの技能レベルを示すデータを含むデータを格納してもよく、このとき技能レベル・データは検出ユニットによりコンピューティング装置に与えられる。
【0020】
本システムは、同一のコンピューティング装置に接続された複数の検出ユニットを備えてもよく、このときコンピューティング装置は、ユーザと対話し、ユーザの入力に基づき安全応答モデルを定めるようにコンピューティング装置を構成する命令にさらにアクセスする。コンピューティング装置は、RFIDタグを読み取り、ユーザの技能レベルなどのデータをこれにプログラムするためのハードウェア及びソフトウェアをさらに含んでもよい。複数の検出ユニット及びコンピューティング装置は、ローカル・エリア・ネットワーク又はいずれかの他の好適な接続方法論により互いに接続されていてもよい。
【0021】
添付の特許請求の範囲を実施する最適な様式を含み、当業者に向けられた、十分な及び本発明を実施可能にする開示は、本明細書の残りの部分でさらに具体的に説明される。本明細書は添付の図面の参照を行う。
【0022】
異なる特徴における同一参照符号の使用は、同一の又は類似の構成要素を図示することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】例示的な危険、及び、危険に対する個人の安全を強化するためのシステムの例示的な構成要素の図である。
【図2】個人の安全を強化するためのシステムの1つの例示的な実施形態における構成要素の配置を示す機能的ブロック図である。
【図3】個人の安全を強化するためのシステムの代替的な例示的な実施形態における構成要素の配置を示す機能的ブロック図である。
【図4】個人の安全を強化するためのシステムの別の例示的な実施形態における構成要素の配置を示す機能的ブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
これより本開示は、種々の並びに代替的な例示的な実施形態への詳細な参照、及び、同一符号は実質的に同一の構造的要素を表している図面への参照を行う。各実施例は説明として提供され、限定としては提供されない。実際に、本開示及び特許請求の範囲の範囲又は精神から逸脱することなく修正及び変形が可能であることは当業者には明らかであろう。例を挙げれば、1つの実施形態の一部として図示された又は説明された特徴を、別の実施形態に用いて、さらなる実施形態を得ることがある。よって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある修正及び変形を含むことが意図される。
【0025】
図1は、ここで開示される方法及びシステムの実施形態によりその危険性を減少させることができる、3つの例示的な家庭内の危険を示す。しかしながら、ここで論じられる技術はいかなる数及び種類の家庭内の危険並びに危険性、及び家庭外に位置する危険並びに危険性にも適用可能であることは当業者には明らかとなろう。例えば、このような付加的な危険には、暖炉、グリル、並びに浴槽のような他の局所的な危険性、及び/又は車庫、作業所のような危険区域などがあるだろう。ここで論じられる例はユーザと保護される人物とを交換可能に指し、一般には子供を指す。しかしながら、当業者であれば、本発明の内容はいかなる個人の安全の強化にも用いることが可能であり、且つ人間以外に適用してもよいことを認識するであろう(例えばペットなど)。
【0026】
図1は、3つの危険、即ち水泳プール10、家庭用レンジ20、及び危険物34を収容する戸棚30を示す。危険物34は、子供(又は他の個人)に対し危険を提示し得るいずれかの材料又は物質、例えば家庭用クリーナー、殺虫剤などの化学物質を表し、又はアルコールのような物質さえも表す。戸棚30は、付加的に又は代替的に、工具及び鋭利な刃物、火器、又は他の危険な道具といった他の危険な物品を収納することがある。
【0027】
図1は、さらに、水泳プール10、レンジ20、及び戸棚30の内容物により提示される危険に対し個人の安全を強化するための例示的なシステムにおける構成要素を図示する。このような構成要素は、以下で提供される実施例においてより詳細に論じられるが、危険10の周りに周辺部P1を構築するRFIDセンサD1、20の周りにP2を構築するD2、及び30の周りにP3を構築するD3を含む。各々の周辺部は、本例においては、それぞれの検出器に接続された複数のアンテナAにより構築される。例を挙げれば、UHF式RFIDタグが用いられる場合には、アンテナは、UHF周波数帯域(902−236MHz)を含む周波数で作動する円偏光パッチ・アンテナを備えることができる。しかしながら、アンテナの配列及び配置は、本技術の精神及び範囲から逸脱することなく変えることができる。検出器D1、D2、及びD3は、各々の人物に関連付けられた1つ又はそれ以上のRFIDタグを読み取ることにより、RFIDタグに関連付けられた1人又はそれ以上の人物が周辺部P1、P2、及びP3に立ち入った時点を検出するように構成される。以下で注記されるように、タグ又は複数のタグは、各々の人物により直接的に携帯されるか又は着用されてもよく、及び/又は各々の人物により携帯されるか又は着用される物品に組み込んでもよい。
【0028】
例示として、好適な検出器は、システムと共に用いられるRFIDタグの型式又は複数の型式をサポートするRFIDリーダ・モジュール又は複数のモジュールの組み合わせを含む。例を挙げれば、好適なリーダは、マサチューセッツ州ケンブリッジ所在のThingmagic,Inc.から入手可能なThingmagic Mercury 4e/hリーダのようなEPC第2世代プロトコルをサポートするいずれかのリーダを含むことができる。当業者であれば、本発明の内容との関連で用いられるRFIDリーダ(単数又は複数)及びアンテナ(単数又は複数)は、リーダ(単数又は複数)、アンテナ(単数又は複数)、及びタグ(単数又は複数)が適切に構成されるか又は他の形で両立可能となる限り、いかなる好適なサイズ、形状、種類、又は源であってもよいことを理解するであろう。
【0029】
検出器及び1つ又はそれ以上の予め定められた安全応答モデルから獲得されたデータに基づき、危険10、20、及び30により提示される危険からユーザを保護するために種々の動作を行うことができる。ここで論じられる例においては、これらのアクションは、警報12を起動すること、回路ブレーカ22によりレンジ20の電源を切断すること、及び、ソレノイド32を係合させて戸棚30をロックし、それにより危険物品34へのアクセスを防止することを含む。しかしながら、安全応答モデルにおいては、いかなる数及び組み合わせの好適な動作を定めてもよく、適切なハードウェア及びソフトウェアを用いてこれを実施させてもよい。
【0030】
図1は、プロセッサ・ユニット40、ユーザ端末42、及びRFID読み取り/書き込み装置44をさらに示す。これらの構成要素は、ユーザがRFIDタグを走査し、ここで論じられる個人の安全を強化する方法及びシステムを実装するのに用いられる情報を使ってRFIDタグをプログラムできるようにする、ハードウェア及びソフトウェアのいずれかの組み合わせを表す。この例においては、プロセッサ・ユニット40は、システムの中の他の構成要素とインタフェースし、安全応答モデル(単数又は複数)を定めるデータを含むデータを格納する、1つ又はそれ以上のコンピューティング装置を備える。プロセッサ・ユニット40は、例えばユーザの技能レベルなどのユーザ・データを含むデータをさらに格納してもよい。しかしながら、以下の実施例において論じられるように、ユーザの技能レベル・データは、各ユーザに関連付けられる1つ又はそれ以上のRFIDタグ(単数又は複数)に格納されるデータに含めてもよい。従って、幾つかの実施形態においては、安全応答モデル(単数又は複数)をユーザの技能レベル(単数又は複数)ベースに限って最小限に定めることができるので、必ずしもプロセッサ・ユニット40があらゆるユーザ固有のデータを格納する必要はない。
【0031】
プロセッサ・ユニット40は、システムの残りの構成要素と同一の場所に設置してもよく、又は離れて設置してもよい。例を挙げれば、幾つかの実施形態においては、プロセッサ・ユニット40は、1つ又はそれ以上の安全応答モデルを格納するためのメモリを含むリモート・サーバ・ユニットを備えてもよく、1つ又はそれ以上のローカルの処理ユニットとインタフェースするリモート・サーバは、種々のRFID及び他のセンサとの接続と、安全応答アクションを実施するための機構への出力接続とを提供する。
【0032】
ユーザ端末42は、ユーザが周辺部P1、P2、及びP3の広がりを指定し、ユーザが危険10、20、及び30に接近したときに取るべき応答を定め、ユーザの技能レベルを含むユーザ情報を提供することができるように構成された、コンピューティング装置を表す。ユーザ端末42は、上記のように現場にもユーザ端末42から離れたところにも設置することができるプロセッサ・ユニット40にインタフェースするローカルのコンピュータを備えてもよい。ユーザ端末42は、例えば、監督者ユーザが1つ又はそれ以上の安全応答モデルに関するパラメータを定められるようにするユーザ・インタフェースを含んだ、デスクトップ型、ラップトップ型、タブレット型、又は携帯型(例えばPDA)のコンピュータを表すことができる。例えば、ユーザ端末42がインタフェースを提供し、プロセッサ・ユニット40との間でデータを中継してもよい。
【0033】
幾つかの実施形態においては、プロセッサ・ユニット40及びユーザ端末42は同一の装置、例えばデスクトップ型又はラップトップ型のコンピュータのような汎用コンピュータなどを備えてもよい。このような実施形態においては、コンピュータは、センサ及び応答機構への適切なハードウェア接続を含むことができ、さらにまた、安全応答モデル(単数又は複数)を格納及び実装し、監督者ユーザ(単数又は複数)と対話するためのソフトウェアを含むことができる。
【0034】
下記でより詳細に論じられるように、ここで開示される技術の種々の実施形態は、図1に示された構成要素の異なる組み合わせ及び構成を用いる。
ここで論じられる技術は、サーバ、データベース、ソフトウェア・アプリケーション、及び他のコンピュータ・ベースのシステムへの参照と、実行されるアクション及びこのようなシステムとの間で送信される情報への参照を行う。当業者であれば、多種多様な構成、組み合わせ、並びにタスク及び構成要素間の機能性分割の可能性を許容する、コンピュータ・ベースのシステムに特有の融通性を認識するであろう。例を挙げれば、ここで論じられるプロセスは、単一のコンピューティング装置を用いて実装してもよく、又は組み合わされて動作する多数のコンピューティング装置を用いて実装することができる。データベース及びアプリケーションは、単一のシステムに実装してもよく、又は多数のシステムにわたり分散させてもよい。分散された構成要素は、逐次的に作動してもよく、又は並列に作動してもよい。第1のコンピュータ・システムと第2のコンピュータ・システム、又はそれらの構成要素との間でデータが獲得されるか、又はアクセスされる際には、実際のデータは直接的にシステム間を移動してもよく、又は間接的に移動してもよい。例えば、第1のコンピュータが第2のコンピュータのファイル又はデータにアクセスする場合には、そのアクセスは、1つ又はそれ以上の介在するコンピュータ、プロキシ、などを含んでもよい。実際のファイル又はデータは、コンピュータ間を動いてもよく、又は、一方のコンピュータはポインタ又はメタファイルを提供し、第2のコンピュータはそれを使って、例えば第1のコンピュータ以外のコンピュータからの実際のデータにアクセスするようにしてもよい。
【0035】
本開示は、インターネットのような通信ネットワーク上で通信されるデータの中継への参照をさらに行う。そのようなネットワーク通信は、さらにダイアルイン式ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域エリア・ネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット、イントラネット、又はイーサネット(登録商標)式のネットワークといった代替的なネットワーク上でも行うことができ、また他の通信は有線又は無線の通信リンクのいずれかの組み合わせの上で行えることが認識されるべきである。
【0036】
ここで論じられる種々のシステムは、いかなる特定のハードウェア・アーキテクチャ又は構成にも限定されることはない。いかなる好適なプログラム言語、スクリプト言語、又は他のタイプの言語、或いは言語の組み合わせであっても、ここに含まれる教示を実施するのに用いることができる。好適なコンピューティング装置は、格納されたソフトウェアにアクセスする多目的マイクロプロセッサ・ベースのコンピュータ・システム、アプリケーション指定の集積回路、及び他のプログラマブル・ロジック、及びその組み合わせを含む。
【0037】
一般的な原理として、本システム及び方法の実施形態において用いられるRFIDタグは、いかなる構成であってもよい。例えば、タグは、能動、半能動、又は受動RFIDタグを備えることができる。タグは、腕輪又は足輪タグのような着用可能な物品として構成することができる。タグは、個人の安全を強化するシステムに初めから関連付けられていない他の製品に組み込むことができる。例えば、好適なRFIDタグは、例えば元々物品に含まれている、物品を在庫、セール、又は他の目的に関して識別するためのタグのような、衣料品又は他の個人用物品に埋め込まれる受動RFIDタグを含むことができる。一例として、好適なRFIDタグは、サウスカロライナ州クリントン所在のAvery Denison Corporation RFID Divisionにより販売される、例えばAD−220 Gen2 UHF RFIDタグのようなものを含む。しかしながら、当業者であれば、本発明の内容との関連で用いられるRFIDタグは、そのようなタグが本システムを構成するRFIDリーダ(単数又は複数)及びアンテナ(単数又は複数)の配列及び構成と両立可能である限り、いかなる好適なサイズ、形状、種類、又は源であってもよいことを認識するであろう。
【0038】
源に拘わりなく、RFIDタグは最初に、個人の安全を強化するシステムと共に用いるためにプログラムされる。タグは、RFID読み取り/書き込み装置44及び端末42及び処理装置40を用いる監督者ユーザが、「チェックイン」プロセスの一部としてプログラム又は再プログラムしてもよい。しかしながら、検出器D1、D2、及びD3のうちの少なくとも1つがRFIDタグの読み書きを行う能力をもつ場合には、RFID読み取り/書き込み装置44は省略できることが認識されるであろう。そのような場合には、チェックイン・プロセスは適切なコンピュータ端末において行うことができ、このときRFIDタグ読み取り及び再プログラムは検出器D1、D2、又はD3のうちの1つが処理装置40及び/又は端末42と協働して行うことができる。代替的に、監督者ユーザは、例えば「汎用の」安全応答モデルと併せて用いるためのデータをもつタグのような予めプログラムされたタグを使えるようにしてもよい。
【0039】
幾つかの実施形態においては、システムの設定の一部として、監督者ユーザは少なくとも1つの安全応答モデルをさらに定める必要があるだろう。安全応答モデルは、保護される人物が安全上の危険の範囲内において検出された際に実施される、1つ又はそれ以上のアクションを含む。安全応答モデルは、条件及び、そのような条件が満たされた場合に取るべきアクションを指示するあらゆる好適な手法で実装することができる。例えば、安全応答モデルは1つ又はそれ以上の特定のセンサと関連付けられた1つ又はそれ以上の危険区域を定めてもよい。モデルは、危険又は危険の近辺において特定のユーザが検出された際に、RFIDタグ・データからそのユーザを識別し、ユーザの技能レベルを指定するデータベース又は他の情報記録を調査することに基づいて取るべき1つ又はそれ以上のアクションをさらに提供することができる。代替的に、アクションは、RFIDタグ(単数又は複数)に格納され、ここから読み取られる技能レベル・データの読み取りに基づく、技能レベルと危険との直接的な相関に基づいてもよい。
【0040】
例えば、安全応答モデルは、水泳プール10の範囲内においてユーザが検出された際に取るべき複数のアクションを定めることができる。アクションは、警報12を鳴らすこと、又は、監督者ユーザ又は救急機関に通知を送信することを含んでもよい。レンジ20の近くにおいてユーザを検出したことに応答して取るべきアクションは、回路ブレーカ22に信号を送信してレンジ20に流れる電流を切断することを含むことができる。戸棚30の近くにユーザを検出することに応答して実施することができるアクションは、戸棚30がロックされて物品34へのアクセスが防止されるようにソレノイド32に信号を送信することを含むことができる。
【0041】
安全対応モデルは、特定のユーザの技能レベルに対する応答を調整するように構成してもよい。例えば、監督者ユーザが2人の子供の安全を強化することを望む場合には、特定のアクションの適切さは、各々の子供の年齢及び技能レベルに依存することがある。例えば、水泳プール10に関しては、幼児は少なくとも幾らかの水泳能力を有する児童よりも、一般に大きな保護を必要とすることがある。従って、安全応答モデルは、水泳能力を有する児童が周辺部P1に立ち入ったときには、警報12が児童にプールから離れるように指示する予め録音された警告の音声を流すように構成してもよい。しかしながら、周辺部P1の範囲内において幼児が検出された場合には、何人かの監督者ユーザにメッセージを送信し、警報12を起動して警戒サイレンを送らせることができる。プール10の近くで水泳の熟練者が検出された場合には、監督者ユーザに通知メッセージだけが送信されるか、又はさらなる条件が満たされるまでどのようなアクションも取られないように、安全応答モデルを構成することができる。
【0042】
同様にして、安全応答モデルは、レンジ20及び/又は戸棚30については、異なるユーザに関して異なるアクションを指定してもよい。例えば、好適な年齢の子供には、料理及び清掃といった家事に寄与することを許してもよい。このような状況に対応するために、技能のある子供がレンジ20及び戸棚30の範囲内にいるときには監督者ユーザにメッセージを送信するが、尚もレンジ及び戸棚へのアクセスは許容するように、安全応答モデルを構成してもよい。例えば、所定の期間のあいだ(例えば親の在宅時など)はレンジ20及び戸棚30へのアクセスを許容するが、その他の期間においてはアクセスを拒否するように、安全応答モデルを構成してもよい。しかしながら、幼児に関しては、安全応答モデルはレンジ20及び戸棚30が常に危険を提示するとしてもよく、従ってシステムは、そのような危険の範囲内において幼児が検出された時にはいつでもレンジ20の電源を切断し、戸棚30をロックするように構成される。
【0043】
幾つかの実施形態においては、安全応答モデルは、1つ又はそれ以上の危険に近接した、互いに近接する多数のユーザを検出することに基づくアクションを指定してもよい。例えば、第1の技能レベルを有する保護対象ユーザが別の技能レベルを有する別のユーザに伴われて危険に接近する場合に1つ又はそれ以上の異なるアクションを実施するように、安全応答モデルを構成してもよい。家事を手伝う子供に関する上記の例を用い、その子供が、親の監督下であればレンジ及び化学物質を取り扱うのに十分に習熟していると仮定する。所定の期間を指定することに加えて、又は代替的に、レンジ20及び/又は戸棚30に近接してさらに親(又は十分に高い技能レベルを有する他のユーザ)が検出される場合に、子供にレンジ20及び/又は戸棚30へのアクセスを許容するように、安全応答モデルを構成してもよい。このような実施形態においては、システムが危険に対する親(又は他のユーザ)の技能レベル(単数又は複数)を判断できるように、親(又は他のユーザ)は当然ながら、システムに関連付けられた1つ又はそれ以上のRFIDタグを携帯する。当業者であれば、1つ又はそれ以上の危険に近接して多数のユーザを検出することに基づき、その多数のユーザの技能レベル(単数又は複数)に基づいて、広範囲にわたるアクションを指定することができると認識するであろう。
【0044】
安全応答モデルはここでの実施例において論じられたもの以外のパラメータを含んでもよいことがさらに認識されるであろう。例えば、ユーザの技能レベルに加え、時刻、曜日、ユーザ識別情報などを含む他の要因ベースでアクションを定めてもよい。検出器D1、D2、及びD3以外のセンサ及びソースからの入力、例えば各々の危険に関連付けられた1つ又はそれ以上の二次的警報システムの状態に基づくアクションをさらに指定してもよい。安全応答モデルはまた、条件付き例外又は全体的例外を指定してもよい。
【0045】
例えば、水泳プール10は、プールの中の人の有無を検出するように構成された波又は水飛沫センサなどの付加的なセンサを含むことができる。周辺部P1の範囲内において保護対象ユーザが検出され、且つ水飛沫又は波センサが15ポンドを超える物体がプール10に入ったことを示した場合には、周辺部の範囲内においてユーザが検出されたがプール内での活動は検出されなかった場合よりも、応答の強度が高くなることがある。例えば、保護対象ユーザがプールに転落したことを二次的警報システムが示した場合には、システムは、911に通報して予め録音されたメッセージを提供するなどして、救急機関に直ちに連絡してもよい。
【0046】
同様にして、レンジ20及び/又は戸棚30に二次的警報システムを関連付けてもよい。例を挙げれば、高温センサは周辺部P2の範囲内にいるユーザによってレンジ20が通電されたかどうかを判断することができ、及び/又は、ドアセンサはレンジのドアが開けられたかどうかを示すことができる。そのような活動が生じた場合には、応答の強度を増大させてもよい。戸棚30もまた、危険物34にアクセスするドアをユーザが開けたかどうかを判断するためにドアセンサと関連付けることができる。付加的に、危険10、20、及び30のいずれか又は全てに関して、赤外線センサ又は他のモーションセンサのような付加的なセンサにより、周辺部P1、P2、及びP3をさらにモニタしてもよい。このような二次的センサは、ユーザが各々の危険を囲む立ち入り禁止区域に立ち入ったのか、それとも、例えば周辺部の近くにはいるが真に危険な状態ではないのかを確認するのに用いることができる。
【0047】
初期応答を提供し、次いでRFID検出器及び他の二次的センサのモニタを継続することに基づき1つ又はそれ以上のさらなる応答を増幅させていくように、安全応答モデルを構成してもよい。プール10の近くに半習熟者の子供がいる例に戻ると、その子供が初期応答(予め録音された警告)を無視した場合、その子供が尚もプール近くに留まっているならば再度警告を再生するように、システムを構成することができる。子供がプールに入った場合(例えば波/水飛沫センサ及び/又はモーションセンサにより示される)には、監督者ユーザにメッセージを送信することができる。
【0048】
本開示は、安全応答モデルという用語を定冠詞付きで用いるが、安全応答モデルは複数論理形態を取ることができることが理解されよう。例えば、安全応答モデルは、個別の危険に関して定めてもよく、単一の位置における複数の危険に関して定めてもよく、又は危険の種類別に全般的に定めてもよい。具体的なシステムは1つの安全応答モデルを用いてもよく、又は幾つかのモデルを組み合わせて用いてもよい。同様にして、ユーザの技能レベルはカスタム定義してもよく、危険別にしてもよく、又は危険一般に関してもよい。幾つかの実施形態においては、標準化された形でユーザの技能レベルを定めてもよい。ユーザの技能レベルはいかなる適切な手法で定めてもよく、例を挙げれば、システムは、ユーザの年齢、能力、判断能力などに関するデータ入力ベースでユーザの技能レベルを定めてもよい。システムは、作動/停止時間のような全般的な構成パラメータを有してもよく、又は予め設定されたスケジュール・ベースと、及び/又はユーザ入力に対する応答との間で、安全応答モデルを切り換えてもよい。例えば、監督者ユーザが水泳プール10にいるときには、ユーザは全ての警報を機能停止してもよく、このことは手動による介入を通じて行うことができ、又はモデルの一部として指定することもできる。
【0049】
安全応答モデルは、ハードウェア及び/又はソフトウェアのあらゆる好適な組み合わせを用いて実装してもよい。例えば、安全応答モデル(単数又は複数)及びユーザ特徴を定めるパラメータ及び条件は、1つ又はそれ以上のデータベース、コンピュータ・ファイル、及び/又は他の機械可読フォーマット(単数又は複数)に格納することができる。安全応答モデル(単数又は複数)を実装するための機能性は、例えば、実行可能なファイル、スクリプト、ドライバ、又はそのような構成要素の組み合わせを経由することを含むいずれかの好適な手法で実装された、1つ又はそれ以上のアプリケーション又はプロセスにより提供することができる。
【0050】
例えば、RFID及び他のセンサの状態をモニタするか、又はセンサからのアクティブなメッセージを待つように、1つ又はそれ以上のプロセス又はアプリケーションを構成することができる。このようなプロセス又はアプリケーションは、一定の又は不定の間隔を空けてセンサに能動的にポーリングしてもよく、又は状態変化に関してセンサを継続的にモニタしてもよい。付加的なアプリケーション及び/又はプロセスは、センサのデータを獲得するか又は受信し、安全応答モデル(単数又は複数)にアクセスして1つ又はそれ以上のアクションを実施するかどうかを評価することができ、そのような評価(単数又は複数)は継続的に生じてもよく、一定の又は不定の間隔を空けて生じてもよく、又はセンサからのデータ(例を挙げれば、センサ状態の変更を示す中断又は他のメッセージなど)の受信に際して生じてもよい。さらに別のアプリケーション及び/又はプロセスは、種々の応答システム及び機構(警報12、回路ブレーカ22、及びロック32など)の状態をモニタし、安全応答モデル及びセンサ・データを評価した結果に基づき、応答機構及びシステムに適切な信号を提供してもよい。付加的なソフトウェアは、ネットワークの接続性並びにユーザ・インタフェース及び対話を提供してもよい。前述されたように、ここで論じられるソフトウェア機能性は、アプリケーション、プロセスなどのいかなる好適な組み合わせを用いて実装することができる。例えば、上述されたプロセス/アプリケーションは、単一のアプリケーションに組み入れてもよく、モジュール構成要素を備えてもよく、又は他の形で、いずれかの適切な手法により分散するか又は組み合わせてもよい。
【0051】
プール10、レンジ20、及び戸棚30のような安全上の危険を囲む周辺部は、いずれかの好適なセンサ構成及び配置を用いて構築することができる。図1においては長方形の周辺部として図示されているが、当業者であれば、周辺部はいかなる好適な大きさ又は形状であってもよいと認識するであろう。周辺部P1、P2、及びP3を調整可能とするために、検出器D1、D2、及びD3は、範囲感知式としてもよく、又は他の形で範囲を検出するように構成してもよい。さらなる例として、多数のセンサに基づく多数の周辺部を定めることができる。固定された周辺部と調整可能な周辺部との組み合わせを用いることもできる。例えば、周辺部P1は、水泳プールの周りに戦略的に配置された複数の検出器ユニットによって構築してもよく、このとき危険区域は各検出器を囲む区域を含む。代替的に、周辺部を定めるように誘導ループアンテナを埋設するか又は配置してもよい。
【0052】
図2は、図1に図示された構成要素の例示的な配置を示すブロック図である。図2の配置においては、センサD1、D2、及びD3は共通の通信バスにより互いにリンクされ、プロセッサ・ユニット40に接続される。しかしながら、多数の通信バスを用いてもよく、又は各センサを直接プロセッサ・ユニット40に接続してもよい。好適な接続は、USB、IEEE1394、又は他のコンピュータ・インタフェース及び接続プロトコルなどの規格に準拠させてもよい。代替的に、カスタマイズされたインタフェース・ハードウェア及び通信プロトコルを用いてもよい。例えば、センサは、プロセッサ・ユニット40にインタフェースする、カスタマイズされた又は規格に準拠するハブに接続してもよい。
【0053】
図2はまた、本例示において論じられるよりも多くのセンサと共にシステムを用いてもよいことを指摘するためにDNと表記されるセンサを図示する。プロセッサ・ユニット40は、例えばプール10と関連付けられた波センサ及び戸棚30と関連付けられた戸棚ドアセンサなどの二次的警報システムを含むことができる他のセンサ50と、さらにリンクさせてもよい。プロセッサ・ユニット40は、RFID読み取り/書き込み装置44にリンクされるユーザ端末42とさらにリンクさせてもよい。プロセッサ・ユニット40は、回路ブレーカ22、警報12、及びロック・ソレノイド32と、例えばカスタムの又は標準化された通信インタフェースのようないずれかの好適ハードウェア部品(単数又は複数)によってさらにリンクされてもよい。例えば、コンピュータ・ハードウェアに関する標準的な通信及びインタフェース・プロトコルの代替物として、ホーム・オートメーション・プロトコルが好適な場合もある。代替的に、システムは、標準化された又は専用の工業用オートメーション・インタフェース・プロトコル及びハードウェア規格を用いてもよい。
【0054】
プロセッサ・ユニット40はまた、それによりプロセッサ・ユニット40がデータを送受信することができる、インターネット、電話システム、又はいずれかの他の適切な媒体を含むことができる通信ネットワーク100にも接続される。例えば、通信ネットワーク100は、プロセッサ・ユニット40によりプール10内における保護対象ユーザの存在を報告するために用いられる電話接続を含むことができる。プロセッサ・ユニット40は当然ながら、同時に多数の通信媒体に接続することができる。
【0055】
図3は、図1に図示された例示的な危険10、20、及び30をモニタするために用いられる構成要素の代替的な配置を図示する。この実施例においては、各々の危険に関連付けられたセンサは、安全応答アクションを実施するために用いられる機構に直接リンクされる。例を挙げれば、各センサは、適切な応答を評価及び判断する最小限の処理能力及びメモリ能力と、適切な応答を直接実施するための付加的なハードウェア及び/又はロジックと、をさらに含むことができる。例えば、安全応答モデルを格納するマイクロコントローラ及びメモリに各センサを関連付けてもよい。各センサの範囲内においてユーザを検出すると、各センサはそれぞれの応答機構に直接信号を送信することができる。図3は、安全応答モデルを定め、好適なデータを用いてRFIDタグを再プログラムするのに用いることができるユーザ端末42及びRFID読み取り/書き込み装置44をさらに図示する。ユーザ端末42は、センサの各々に安全応答モデルを提供するのに用いることができる。例えば、有線又は無線のリンクにより、端末42(又はこの例において図示されない処理ユニット40)を各センサに接続してもよい。
【0056】
代替的に、各センサは、特定の技能レベルに関連付けられた幾つかのアクションを含む一般的な安全応答モデルへのアクセスを有してもよい。ユーザ端末42は、ユーザの選択に基づき、一般的な安全応答モデルにおいて指定されたものに対応する技能レベルを用いてRFIDタグをプログラムするように構成することができる。上記のように、一般的な安全応答レベルに対応する予めプログラムされたタグが利用可能であり、システムでの使用に適している場合もある。当業者であれば「一般的な」安全応答モデル及び/又は「一般的な」RFIDタグは、ここで論じられるどの実施形態(或いはその組み合わせ又は変形)においても好適となり得ることに気づくであろう。
【0057】
図4は、個人の安全を強化するためのシステムと共に用いるのに適した構成要素の別の例示的な配置を図示する。図4に示された実施形態においては、センサ、アクション機構、プロセッサ・ユニット、及びユーザ端末は全て通信ネットワーク102に接続される。通信ネットワーク102は、例えば、ローカル・エリア・ネットワークを含むことができる。代替的に、通信ネットワーク102はインターネットのような広域エリア・ネットワークを含んでもよい。安全応答システムの構成要素の各々は、IPアドレスなどのネットワーク識別子に関連付けることができ、有線又は無線のリンクによりネットワークに接続することができる。
【0058】
ネットワーク102がローカルのネットワークである実施形態においては、図4に図示された1つ又はそれ以上の構成要素は、上記の実施形態と併せて論じられた通信ネットワーク100などの外部の通信ネットワークにさらに接続してもよい。
【実施例】
【0059】
以下の実施例は、説明する目的でのみ提供される。この例においては、監督者ユーザPは、水泳プール、レンジ、及び洗浄用化学物質を収容した収納戸棚に関し、2人の子供、即ち幼児Iと子供Cの家庭内での安全を強化することを望む。
【0060】
最初に、個人の安全を強化するシステムは、RFIDアンテナをPのプールの周辺部の周りに戦略的に配置することによって設定される。アンテナは、コンピュータに接続されたRFIDリーダにリンクされる。この例においては、Pはシステムを監督するのに家庭用コンピュータを用いるが、前述されたように、システムはネットワーク・ベースの構成要素のうちの幾つか又は全てを用いて構成することもできる。コンピュータにはさらに警報が接続され、プールの近くに設置される。Pはまた、戸棚を購入するか、又は既存の戸棚を改装して、リモート・トリガ式の電磁ロックを含むようにする。Pは第2のRFIDアンテナ及びリーダを戸棚の近くに設置し、電磁ロックと第2のRFIDリーダとをコンピュータに接続する。
【0061】
Pはシステムをさらに構成するために、コンピュータを用いて、1つ又はそれ以上のソフトウェア・アプリケーションを作動させる。Pは最初に保護対象ユーザI及びCを定める。ソフトウェア・アプリケーションはPが技能レベルを含むI及びCについての種々の情報を提供できるようにする。例えば、ソフトウェアはPに、この例においてはそれぞれ2歳と11歳であるI及びCの年齢を入力するように指示する。年齢及び他の情報に基づき、システムは自動的にI及びCのプロファイルを作成し、幼児Iに(IV−最小技能)の技能レベルを割り当て、子供Cに(III−下級)の技能レベルを割り当てる。
【0062】
Pは自分の裁量で技能レベルを調整してもよい。例えば、Cは水泳レッスンを受けたか又は他の形で、Pにより追加の技能を有すると見られている場合があり、従ってPがCの技能レベルを(II−中級)に変更する場合がある。本システムは、各ユーザに関して全体的な技能レベルをサポートしてもよく、及び/又は監督者ユーザが特定の危険に関して技能レベルを指定できるようにしてもよい。この例においては、Pは、初期設定の技能レベルと、必要であれば危険を指定した技能レベルとの両方を指定してもよい。PはCの初期設定の技能レベルを(III−下級)として指定するが、Cのプールに関する技能レベルを(II−中級(プール限定))として示す付加的データを追加する。Pは自分自身に(I−上級)の技能レベルを割り当てる。
【0063】
システムを構成する一環として、Pは、1つ又はそれ以上の安全応答モデルを定めてもよい。この例においては、単一のモデルが用いられることになる。Pは、特定の危険、及びその危険に接近する人物の技能レベルに基づき、所望の応答を指定する。
【0064】
この例においては、Pは、幼児Iのように技能レベルの低い人物がプールに接近した場合にいかなる状況であっても警報を鳴らすようにシステムを構成する。しかしながら、子供Cがプールに接近した場合には、本システムはまずPの声などの録音を再生して子供にプールから離れるように指示してもよい。この例においては、上記のように、システムはCを、プールに関して(II−中級)の技能レベルをもつものとして扱うが、他の危険に関しては(III−下級)の技能レベルをもつものとして扱う。録音は、子供Cを指定するものであってもよいし、全体的なものであってもよい。Pは、設定プロセスの一部として、録音を行うか又は選択することができる。Pは、子供C(又は他の接近中の人物)が立ち入り禁止警告を聞き入れなかった場合(即ち引き続き検出された場合)には、監督者ユーザに通知することをさらに指定する。
【0065】
化学物質の戸棚Pに関して、Pは(I−上級)の技能レベルを有する者以外のいずれかのユーザが戸棚に接近した場合に、戸棚のドアがロックするように指定する。しかしながら、Pの監督下でCが土曜日の午前中に清掃を手伝えるようにするために、Pは例外を指定する。Pの例示的なエントリは以下の表において提供されるが、応答モデル(単数又は複数)に関するパラメータを入力し表示するためには、いかなる具体的なフォーマットを用いてもよい。レンジに関しては、Pは、Pの料理をCが手伝う場合にのみ(即ちPも近接している場合にのみ)、Cはレンジを用いてもよいと指定する。

表1:Pの安全応答モデル

【0066】
安全を強化するシステムは、例えば侵入警報又は他の従来の安全システム(単数又は複数)の一部にするなど、他のシステムと並べて実装してもよい。例を挙げれば、システムは、モーションセンサに基づき、いずれかの人物が夜間にプールに接近した場合、又は、プール内において水飛沫が検出されたがその後何の動きも検出されず、水の事故が示唆されるような場合に、警報を鳴らすことをさらに提供してもよい。
【0067】
当業者であれば、条件及びアクションはあらゆる好適な手法で指定してもよいことを認識するであろう。例を挙げれば、この実施例においては、条件のうちの幾つかは、条件1と2との間のブーリアン「AND」関係と、条件1内でのブーリアン「OR」関係を用いて指定される。しかしながら、他の好適な論理演算子を用いてもよい。さらにまた、他の論理規則セット及び規則定義を用いて、安全応答モデルにおける種々の条件及びアクションを指定してもよい。
【0068】
Pが保護対象ユーザと、ユーザの技能レベルに少なくとも部分的に基づく少なくとも幾つかの応答とを指定すると、次いでPはRFIDタグと保護対象ユーザとの関連付けに進むことができる。例えば、Pは、子供C及び幼児I(及びP自身)が携帯するか又は着用するための腕輪又は足輪などの1つ又はそれ以上のRFIDタグ装着物品をプログラムしてもよい。代替的に、Pは、予めプログラムされたRFID物品を購入してもよい。RFIDタグにプログラムされる具体的なデータは、システムの実施形態により変わるであろう。
【0069】
例えば、RFIDタグ(単数又は複数)に格納された識別データを読み取り、識別データを特定のユーザに関する格納された情報と相互参照することにより特定のユーザを認識するように、システムを構成してもよい。例えば、システムは、ユーザID番号に基づき、データベース又は他のユーザ・プロファイルのストアにアクセスしてもよい。ユーザ・プロファイルに基づき、ユーザの技能レベル(単数又は複数)を判断することができ、安全応答モデルを実施することができる。代替的に、RFIDタグ(単数又は複数)は、ユーザの技能レベル(単数又は複数)を指定するデータを含んでもよい。その場合には、システムは技能レベル・ベースの安全応答モデルに直接アクセスしてもよい。上記のように、応答は、ユーザ識別情報などの他の要因と並べて、技能レベルに基づいてもよい。
【0070】
Pは、RFID在庫照会又は他の識別タグを含む物品を付加的に「チェックイン」して、そのようなタグを子供C及び幼児Iに関連付けてもよい。例えば、Pは、幼児Iのために、RFIDタグを収容したおむつを有するおむつパックを購入してもよい。Pは、RFID読み取り/書き込み装置を用い、幼児Iに固有のデータに関してタグを再プログラムしてもよい。例えば、RFIDタグは、(III−下級)である幼児Iの技能レベルを識別するデータを格納するようにプログラムすることができよう。Pは、同様にして、衣類又はアクセサリといったRFIDタグを収容する他の物品を、I及びCのそれぞれのデータに関してプログラムしてもよい。
【0071】
汎用又は標準化された技能レベル仕様に基づくユーザの技能レベルを含むデータに関してRFIDタグをプログラムすることは、1つのシステムのユーザが第2のシステムと対話する際に利点があることを実証することができる。例えば、Pの隣人Nにも幼児と水泳プールがあり、ユーザの技能レベルに基づいて応答するようにプログラムされた個人の安全システムがあると仮定する。さらに、Nは自分のシステムの作動時間中は、以下のように応答する「警戒度・高」モードであるように構成すると仮定する(作動時間外のNのモデルはこの例示においては図示されない)。

表2:Nの安全応答モデル(作動時間中のみ)

【0072】
作動時間中にPの幼児Iが徘徊してNの庭に入り込んだ場合に、IがNのプールに近づけば、Iは危険な状態にあることになる。しかしながら、Iの技能レベルはRFIDおむつタグにより指定されているので、Nの安全応答システムが(この例示において)Iを個別に認識するように具体的にプログラムされていなくても、Iの接近はNの安全応答システムにより検出される。当業者であれば、規格に準拠した技能レベルとシステム指定の技能レベルとの両方に関してRFIDタグをプログラムすることができることを認識するであろう。例えば、上述されたように、Pは、Cが水泳指定の技能レベルIIを有することを指定することができる。CのRFIDタグは、標準化された技能レベル(レベルIII−下級)と、Pのカスタム技能レベル(レベルII−中級(プール限定))との両方を含むデータに関してプログラムされることがある。しかしながら、Nのシステムはプールに関する技能レベルの変種を認識しない場合があり、従って、Cが技能レベル(III−下級)を有するとして扱う場合がある。同様にして、Nの子供たちがPにより指定されるいずれかの危険に近づいた場合、PのシステムはNの子供たちの技能レベルに基づく不特定の応答を実施することができる。
【0073】
当業者であれば、上記で具体的に示され、説明されたことは、限定的であることを意図するものではなく、寧ろ本発明の内容の種々の例示的な実施形態を図示し教示する役目を果たしていることが認識される。添付の特許請求の範囲に示されるように、本発明の範囲は、ここで論じられた種々の特徴の組み合わせと下位組み合わせとの両方を含み、加えて、当業者であれば気づくような変形及び修正も含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の安全を強化するための方法であって、
少なくとも1人の保護される人物に関連付けられた少なくとも1つのRFIDタグを読み取ることにより、前記少なくとも1人の保護される人物が潜在的な安全上の危険に近接していることを感知し、
前記潜在的な安全上の危険の範囲内において前記少なくとも1人の保護される人物を検出した際に、前記少なくとも1人の保護される人物の技能レベルの判断に少なくとも部分的に基づき実施される少なくとも1つのアクションを含む安全応答モデルを定め、
前記潜在的な安全上の危険の範囲内において前記少なくとも1人の保護される人物が感知された後で、前記安全応答モデルにより、少なくとも1つのアクションを実施させる少なくとも1つの信号を送信する、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1人の保護される人物の前記技能レベルを判断する前記ステップは、前記人物に関連付けられ、前記人物の技能レベルを示す少なくとも1つのRFIDタグから読み取られたデータを受信するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の保護される人物のそれぞれに複数のRFIDタグが関連付けられ、前記保護される人物のうちの少なくとも数人は互いに異なる技能レベルを有し、
前記安全応答モデルは同一の潜在的な安全上の危険に関して複数の異なるアクションを含み、前記異なるアクションは異なる技能レベルに少なくとも部分的に基づいて指定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記安全応答モデルは、同時に同一の危険に近接している複数のユーザを検出することに基づき、少なくとも1つのアクションを指定し、前記複数のユーザのうちの少なくとも2人は前記危険に関して異なる技能レベルを有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアクションは可聴警報を鳴らすことを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのアクションは通信システムを介し、予め定められたメッセージを送信することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアクションはロック機構を係合させることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのアクションは電気回路の電源を切断することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記安全応答モデルは少なくとも1つの二次センサから受信したデータに基づき、実施されるアクションをさらに定めることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記二次センサは行動探知器を備えることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記二次センサは波又は水飛沫センサを備えることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記潜在的な安全上の危険は水泳プールを含み、
前記少なくとも1人のユーザの技能レベルは水泳能力を含み、
前記安全応答モデルは前記保護される人物の水泳能力に少なくとも部分的に基づき、前記保護される人物に関して異なるアクションの実施を指定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
保護される人物が水泳プールの中にいるかどうかを判断するステップ、
をさらに含み、前記安全応答モデルは、保護される人物が水泳プールの中にいると判断されたときに実施される少なくとも1つのアクションを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
個人の安全システムであって、
ユーザにより携帯されるように構成された少なくとも1つのRFIDタグと、
前記少なくとも1つのRFIDが潜在的な安全上の危険に近接していることを感知する能力をもち、前記少なくとも1つのRFIDタグに格納されたデータを読み取る能力をさらにもつ、少なくとも1つの検出ユニットと、
少なくとも1つのコンピュータ可読ストレージ媒体を処理する能力及び該媒体に対するアクセスを含む少なくとも1つのコンピューティング装置、
を含み、前記コンピューティング装置は、前記コンピュータ可読ストレージ媒体にアクセスし、前記ストレージ媒体に組み込まれたコンピュータ可読命令を実行するように構成されるものであり、前記命令は、
前記少なくとも1つの検出ユニットからデータを受信することと、
RFIDタグが前記危険に近接していることを検出した際に実施され、ユーザの技能レベルを含むデータに基づき定められる1つ又はそれ以上のアクションを定める、安全応答モデルにアクセスすることと、
前記安全応答モデル及び受信されたデータに基づき、ユーザが特定の安全上の危険に近接していることを検出した際に実施する少なくとも1つのアクションを判断することと、
前記少なくとも1つのアクションを実施する1つ又はそれ以上の信号を送信することと、
を含むアクションを前記コンピューティング装置が実行するように構成することを特徴とするシステム。
【請求項15】
前記RFIDタグはユーザの技能レベルを示すデータを含むデータを格納し、前記データは前記少なくとも1つの検出ユニットにより、前記少なくとも1つのコンピューティング装置に与えられることを特徴とする、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムは同じコンピューティング装置に接続された複数の検出ユニットをさらに含み、
前記コンピュータ可読命令は、
ユーザ入力を受信することと、
前記ユーザ入力に基づき安全応答モデルを定めることと、
前記入力に基づくユーザの技能レベル・データを含むデータを用いてRFIDタグをプログラムすることと、
を含むアクションを前記コンピューティング装置が実行するようにさらに構成することを特徴とする、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の検出ユニット及び前記少なくとも1つのコンピューティング装置はローカル・エリア・ネットワークによって互いに接続されることを特徴とする、請求項14に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−506286(P2010−506286A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530974(P2009−530974)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053153
【国際公開番号】WO2008/041143
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】