説明

SDMAにおける肯定応答のタイムアウトを回避するための後端整合

空間分割多重接続通信を使用する基地局では、基地局から異なる複数のモバイル装置に実質的に同時に向けられた異なる長さの送信が、ほぼ同時に終了するように、その開始時刻が調整される。その後、モバイル装置は、応答期間にほぼ同時に肯定応答で応答することができる。したがって、肯定応答は、送信の終了から同じ時間間隔内に受信され、より短い送信に応答する肯定応答を見逃す可能性を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SDMAにおける肯定応答のタイムアウトを回避するための後端整合に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス・データ通信システムは、帯域幅の増加を求める要求に常に置かれており、その問題に対処するために、複数の装置に単一チャンネルを共有させることにより単一基地局と通信できる様々な技術が開発されている。そのような技術の1つは、モバイル装置が基地局から十分に異なった方角に位置している場合、基地局は同じ周波数上で同時に複数のモバイル装置と個別の信号を送受信することができる。基地局からの送信については、異なる信号が空間分離アンテナ(separate spaced-apart antenna)の各々から同時に送信され、結合された送信が方向付けられる、つまり、各モバイル装置用に向けられた信号は、そのモバイル装置の方向に対しては比較的強く、他の方角には比較的弱い。同様の方法で、基地局は、各々の空間分離アンテナを通って複数の独立したモバイル装置からの結合した信号を同時に同じ周波数上で受信し、その受信に方向性があるので、適切な信号処理を施すことにより、複数のアンテナから受信した結合信号を各モバイル装置からの個別信号に分離することができる。
【0003】
IEEE 802.11(IEEEは電気電子学会の頭文字である、3パーク・アベニュー、17階、ニューヨーク、ニューヨーク州)のような現在作成中の規格書の下では、基地局は、異なる可変長ブロックを異なるモバイル装置へ実質的に同時に送信することができ、指定されたモバイル装置がそのブロックを受信したことを示す肯定応答で応答するのを待機する。各モバイル装置はその指定の送信を基地局から受信した直後に応答することができるので、短いブロックを受信したモバイル装置は、基地局がより長いブロックを異なるモバイル装置にいまだ送信している間、その応答を送ることができる。基地局が同じ周波数上で送信しかつ受信している場合、基地局はいまだ送信中であるので、その短いブロックに対する肯定応答を欠落させるおそれがある。その後、基地局は、短いデータ・ブロックを意図したモバイル装置が受信しなかったと仮定すると、その後、それを再送信する。この不必要な再送信は、全データ通信における非効率性を導くことになり、ある状況下ではサービスの中断を引き起こす結果となる。
【0004】
本発明は、下記記述および本発明の実施例を図示するために使用される添付図面を参照することにより理解されるであろう。
【発明の開示】
【0005】
下記記述では、多くの特定の詳細事項が述べられる。しかしながら、本発明の実施例は、これらの特定の詳細事項がなくても実施できることを理解すべきである。他の実施例では、周知の方法、構造および技術は、この記述の理解を不明瞭にしないために詳細には示されていない。
【0006】
「一実施例」、「実施例」、「実施の例」、「様々な実施例」などの表示は、本発明の実施例が特定の機能、構造または特性を含むが、あらゆる実施例がその特定の機能、構造または特性を必ず含んでいるとは限らないことを示す。さらに、「ある実施例において」なる句の繰り返しの使用は必ずしも同じ実施例を参照するものではない。
【0007】
次の説明および請求項において、「結合された」、「接続された」なる用語がそれらの派生語と共に使用される。これらの用語は、互いに同義語として意図されていないことに理解しなければならない。むしろ、特定の実施例では、「接続された」は、2またはそれ以上の要素が互いに物理的または電気的な直接の接触にあることを示すために使用されることがある。「結合された」は、2またはそれ以上の要素が物理的または電気的な直接の接触にあるか、または2またはそれ以上の要素が互いに直接の接触にはないが互いに協動して相互作用を及ぼしている状態のいずれかを意味することがある。
【0008】
ここに使用されるように、別段の定めがない限り、共通の対象を表わす「第1」、「第2」、「第3」などの順序を示す形容詞の使用は、類似の対象の異なる例が引用されていることを単に示すに過ぎず、その対象が一時的にも、空間的に、格付的にも、あるいは他の方法においても、与えられた順序でなければならないことを意図するものではない。
【0009】
他に特に述べられない限り、次の議論から明らかなように、「処理する」、「演算する」、「計算する」などのような用語を利用する議論は、明細書全体にわたって、コンピュータ、コンピュータ・システムまたは類似の電子計算機装置の動作または処理に関連するものであり、それは電子、量子などの物理量として表わされるデータを物理量として同じように表わされる他のデータへ操作または変換することとして理解される。
【0010】
同様に、「プロセッサ」なる用語は、任意の装置またはレジスタおよび/またはメモリからの電子データを処理し、その電子データをレジスタおよび/またはメモリに格納できる他の電子データに変形するあらゆる装置または装置の一部に関するものである。「コンピューティング・プラットフォーム」は、1またはそれ以上のプロセッサを含んでいてもよい。
【0011】
この文書の内容において、用語「ワイヤレス」およびその派生語は、回路、装置、システム、方法、技術、通信チャンネルなどを表し、それは非固体の媒体を経由し変調された電磁放射の使用を通じてデータを通信する。その用語は、関連する装置がいかなる有線をも含まないことを暗示するものではなく、いくつかの実施例において含まれていないだけである。
【0012】
共通の産業用語に準拠して、「基地局」、「アクセス・ポイント」、および「AP」なる用語は、複数の他の電子装置とワイヤレスにかつ同時に通信することができる電子装置を記述するために互換的に使用されるものであり、「モバイル装置」および「STA」なる用語は、移動が要件ではないが、移動しても依然として通信する能力を有するこれら複数の他のあらゆる電子装置を表わすために互換的に用いられる。しかしながら、本発明の範囲は、これらの用語が付された装置に制限されるものではない。同様に、「空間分割多重接続」なる用語およびSDMAは互換的に使用される。ここに使用されるように、これらの用語は、異なる信号がアンテナの組合せによって同じ装置から実質的に同時に送信され、その結果その結合した送信信号は同じ周波数上で実質的に異なる方向へ異なる装置に向けて送信される異なる信号となるあらゆる通信技術を、および/または、異なる信号が同じ周波数で複数のアンテナを通して異なる方向の異なる装置から実質的に同時に受信され、かつその異なる信号が適切な処理を通して互いに分離される技術を包含するように意図さる。「同じ周波数」なる用語は、ここに使用される場合、帯域幅許容差、ドップラーシフト順応、パラメータ・ドリフトなどによる正確な周波数からの僅かの変分を含んでいてもよい。異なる装置への各送信の少なくとも一部が同時に生じる場合、異なる装置への2またはそれ以上の送信は実質的に同時であると考えられるが、異なる送信が同時に開始しおよび/または終了しなければならないことを暗示するものではない。同様に、異なる装置からの各受信の少なくとも一部が同時に生じる場合、異なる装置からの2またはそれ以上の受信は実質的に同時であると考えられるが、異なる送信が同時に開始しおよび/または終了しなければならないことを暗示するものではない。SDMAなる用語に使用される単語における相違は、他の単語によってしばしば使用されることがあり、例えば、「空間の」の代わりに「空間」を、あるいは「分割」の代わりに「ダイバーシティ」を用いることに制限されることはない。本発明の様々な実施例の範囲は、用語のそのような差を包含するものと意図される。
【0013】
図1は、本発明の実施例に従う通信網のダイヤグラムを示す。図示されたSDMAに基づくネットワークの実施例は、異なるSTAへ送信された異なる長さに対応する肯定応答のタイムアウトを回避する一方、APからの異なる方角に設置された複数のSTA131−134と通信するAP110を示す。AP110は一度に4台までのSTAと同時に通信するために4本のアンテナ120を有するものとして示されるが、他の実施例は他の構成(例えば、AP110は2本、3本または4本を超えるアンテナを具備する)を有してもよい。各STAは、AP110と通信するために1本以上のアンテナを有する。いくつかの実施例では、1本以上のSTAアンテナが全方向性アンテナとして動作するために適合するが、他の実施例では、1本以上のSTAアンテナが指向性アンテナとして動作するように適合していてもよい。いくつかの実施例では、STAは、固定位置にあるが、他の実施例ではSTAの少なくとも何台かは通信シーケンス中および/または間に移動していてもよい。いくつかの実施例では、AP110は固定位置にあるが、他の実施例では、AP110は移動できてもよい。
【0014】
図2は、本発明の実施例に従って、APおよび2台のSTA(STA1およびSTA2とラベルされた)を含む通信シーケンスのタイミング・ダイヤグラムを示す。図示された実施例は2台のSTAのみを示すが、他の実施例ではより多くのSTAを含んでもよい。図2のAP部において、1と付されたラインは、APからSTA1へ向けられた送信を示し、2と付されたラインは、APからSTA2へ向けられた送信を示す。ラインSTA1およびSTA2は、STA1からAPへ、およびSTA2からAPへの送信をそれぞれ示す。いくつかの実施例では、STA1およびSTA2からの送信は名目上全方向性(例えば、意図的な方向性は好まれず、STAの周囲360度の円内からの受信が意図される)であるが、他の実施例では、STA1とSTA2からの送信は指向性があってもよい。
【0015】
APとSTAとの間の通信は、図2には示されていないが、例えば、図示されたシーケンスの前後に生じる通信のような他の通信シーケンスを含んでいてもよい。そのようなシーケンスには、トレーニング(SDMA技術をイネーブルにするために必要とされるパラメータを導き出す通信)、ポーリング(応答を求める要求)、データ(実体的な情報)、肯定応答(前の送信が正しく受信された検査)などが含んでいてもよいが、しかしこれらに制限されることはない。
【0016】
図2では、複数のSTAへ異なるデータを実質的に同時に送信し、かつ複数のSTAから異なるデータを実質的に同時に受信するためにどのようなSDMAパラメータが必要とされようとも、APは既に確立していると仮定されている。この能力を使用して、APは時間間隔t1にSTA1とSTA2の両方に送信することができる。図示された実施例では、APは、STA1からのPOLL1にデータ(どのようなデータでも利用可能)および肯定応答(ACK1)を含む応答を要求して、STA1にポーリング(POLL1)を送信する。同様に、APは、STA2からのPOLL2にデータ(どのようなデータでも利用可能)および肯定応答(ACK2)を含む応答を要求して、STA2へのポーリング(POLL2)をSTA1へのポーリングと実質的に同時に送信する。図2に図示する実施例では、APは、さらに、STA2への送信をSTA1への送信より長くして、POLL2に加えてSTA2にデータを送信する。両方のSTAへの送信が同時に開始した場合、STA1への送信はSTA2への送信より早く終了するかもしれないし、また、APがその応答中にSTA2に依然として送信しているので、STA1からの応答が直ちにAPによって受信されないことがある。APは、続いてSTA1からの応答のために受信待機を始めることがあるが、それがあまりにも早く送信されたならば、その応答を受信できないことがある。
【0017】
このようなタイムアウト条件を回避するために、図2中で示されるように、STA1とSTA2への送信が両方ともほぼ同時に終了するように、STA1への送信の開始が所定時間だけ遅延される。したがって、たとえ規定時間がSTA1とSTA2からの送信期間における起りうる差より実質的に短くても、STA1とSTA2の両方は各ポーリング後に規定時間内に応答して、タイムアウト問題を回避することができる。図示された実施例は、ポーリングされた各STAの個別のタイムアウト期間を示し、その個別のタイムアウト期間は同じか異なる期間を有する(同じ期間が示されている)。あるいは、単一のタイムアウト期間が維持され、その期間内にポーリングされた全てのSTAが肯定応答を送るように期待されてもよい。図示された実施例は、また応答期間tより短い肯定応答タイムアウト期間を示し、その期間中に所与のSTAは残りの応答から別々に検証可能なタイムアウト期間内に肯定応答を伝えることができるが(例えば、肯定応答は、たとえ残余の応答が破損していても、APによって正確に受信されたものとして検証されてもよい)、しかし、他の実施例は、他の技術(例えば、肯定応答のタイムアウト期間は、期間tと同じかまたはより長くてもよく、あらゆる応答の開始は肯定応答などとして解釈されてもよい)を用いることがある。応答は、別々に検証可能な(例えば、CRCチェックを使用して)1またはそれ以上の送信を含んでいてもよい。
【0018】
タイムアウト期間の制御は、あらゆる実現可能な方法(例えばハードウェア・カウンタ、ソフトウェア・カウンタなど)で実行される。図2に図示される実施例は、AP送信直後に開始し、APによって制御されるタイムアウト期間を示す。他の実施例は、他の技術(例えば、タイムアウト期間は送信開始または終了の後の所定時間で開始してもよく、タイムアウト期間はSTAなどによって制御されてもよい)を使用することがある。
【0019】
図2に図示される実施例では、STA1およびSTA2への送信の各々は、ポーリングを含んでおり、その一方の1つだけにデータを含んでいるが、他の実施例は、他の技術を使用してもよい。例えば:1)APからの送信のすべて、またはいくつかにポールを含んでもよく、あるいは全く含まなくてもよく、2)APからの送信のすべて、またはいくつかにデータを含んでもよく、あるいは全く含まなくてもよく、3)APからの送信のすべて、またはいくつかにトレーニング要求を含んでもよく、あるいは全く含まなくてもよく、4)その他がある。様々な実施例において、異なる長さを有し、かつSTAからの肯定応答を期待するAPからSTAへのあらゆる送信は、ここに説明された技術を使用することができる。
【0020】
図3は、本発明の実施例に従って、送信をほぼ同時に終了するための調整方法を示すフローチャートである。フローチャート300において、310で実質的に同時に送信されるべき送信用の予測期間のインディケータが決定される。決定の際に、送信は開始しなかったかもしれず、それ故、決定した期間は予測期間と呼ばれることがある。このようなインディケータは、あらゆる実現可能な単位、例えば、時間、バイト、クロック・サイクルなどで決定でき、それはインディケータに共通の基礎を提供し、その結果、送信をほぼ同時に終了させるために、開始時間がどのように調整されるべきかをインディケータによって比較される。異なる送信が異なるデータ速度を有する場合、データ速度は送信の予測期間を決定する要因となる。いくつかの実施例では、送信のために割当てられた時間(例えば図2中のt)は、予測される最長の送信期間に基づいて、決定され、その場合には、その予測される最長の送信期間は320で決定され、330で送信期間の長さが設定される。他の実施例では、送信のために割当てられた時間期間は、固定されてもよく、またここで記述されない他のパラメータによって設定されてもよい。340で、開始遅延が様々な送信の各々のために計算され、その結果、各送信の開始がそれに関連する遅延時間により遅らされ、送信はすべてほぼ同時に終了することになる。開始遅延時間は、あらゆる実現可能な共通の基準点から測定することができる。実際の送信は、350で、それらの開始時刻に示された遅延を使用して開始され、その結果その送信は360でほぼ同時に終了する。その送信を受信すると、モバイル装置は各々応答し、その応答は370で受信される。
【0021】
送信のために固定時間が割当てられた実施例のいくつかでは、記述されたプロセスが最長送信のための遅延時間を計算することおよび使用することを含む。送信のために割当てられた時間が最長の送信長と一致するいくつかの実施例では、最長送信のための遅延時間の計算および使用が除かれてもよい。
【0022】
図2に戻って、時間間隔t中に、STA1とSTA2は、APに対する応答を実質的に同時に送信する。図示する実施例では、これらの応答は各々データおよびそれぞれのポーリングに対する肯定応答を含む。しかし、他の実施例は他のタイプの反応を起こすことがある。例えば:1)特定のSTAからの応答のすべて、またはいくつかは肯定応答を含んでいてもよく、あるいは肯定応答を含んでいなくてもよく、2)特定のSTAからの応答のすべて、またはいくつかはデータを含んでいてもよく、あるいはデータを含んでいなくてもよく、3) 正確に受信したあらゆる応答の存在は、肯定応答として解釈されてもよく、4)その他がある。
【0023】
時間間隔tにおいて、STAがすべて送信を終了した後、図示されるように、APは実質的に同時にこれらの応答に対する肯定応答を個々に行なう。ACK2がSTA2からの応答に対する肯定応答として示されている一方、ACK1はSTA1からの応答に対する肯定応答として示される。所与のSTAが定義された時間間隔内の肯定応答を受信しない場合、その応答がAPによって正確に受信されなかったと仮定し、再びポーリングされた場合にその応答を再送信してもよい。様々な技術がこの定義された時間間隔を設定するために使用されてもよい。
【0024】
時間間隔t1とt2とt3との間で、図2の実施例は、フレーム間スペース(IFS)を示す。様々な実施例では、図示された場所のすべて、またはいくつかにこのような時間間隔を使用することができ、全くなくてもよい。IFSは一定の期間を有していてもよいし、様々な基準に従って異なる期間を有することもできる。例えば、これらの時間間隔は様々な目的に役立つことがあり、 例えば、1)APと様々なSTAのタイミングの差を考慮に入れること、2)送信と受信との間に必要とされるあらゆる処理のための時間を許容すること、3)送受信機が送信モードと受信モードとの間で切り替わる時間を許容すること、4)などである。
【0025】
いくつかの実施例では、基地局から送信する際の開始時間の遅延は、送信に先立ってフレーム間スペースから直ちに求められてもよい。他の実施例では、最長の送信以外の全ての開始時間の遅延は、最長の送信開始から求められてもよい。
【0026】
本発明の様々な実施例は、ハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアの1つまたは組合せで実行することができる。本発明の実施例も、機械読取り可能媒体上に格納された命令として実行され、それはここに記述された動作を行なうためにコンピューティング・プラットフォームによって読取られかつ実行され、例えば、これらの動作は図2および図3、および関連する文章に記述されている。機械読取り可能媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって判読可能な形式で情報を格納または送信するためのあらゆるメカニズムを含む。例えば、機械読取り可能媒体は、リード・オンリー・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気ディスク記憶装置媒体、光記憶媒体、フラッシュ・メモリ装置、伝播信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)の電気的、光学的、音響的、または他の形式のものを含む。
【0027】
図4は、本発明の実施例に従って、基地局のブロック図を示す。コンピューティング・プラットフォーム450は、1またはそれ以上のプロセッサを含み、いくつかの実施例では、1またはそれ以上のプロセッサの少なくとも1つはデジタル信号プロセサ(DSP)である。図示された実施例では、AP110は4本のアンテナ120を有しているが、しかし、他の実施例は2,3,または4本を越えるアンテナ有していてもよい。各アンテナに対して、基地局110は、変復調装置420、アナログ・デジタル変換器(ADC)430およびデジタル・アナロク変換器(DAC)440を具備する。復調器−ADCの組合せは、アンテナから受信した無線周波数信号をコンピューティング・プラットフォーム450によって処理するために適したデジタル信号に変換する。同様に、DAC−変調器の組合せは、コンピューティング・プラットフォーム450からのデジタル信号をアンテナによる送信に適する無線周波数信号に変換する。図示されない他のコンポーネントは、必要に応じて図示されたブロック内に含まれており、増幅器、フィルタ、発振器などに制限されることはない。
【0028】
前出した記述は、実施例のために意図されており、制限的なものではない。当業者による変更が行なわれ得る。これらの変更は、本発明の様々な実施例に含まれると意図され、それは添付された請求項の思想および範囲によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例に従う通信網のダイヤグラムを示す。
【図2】本発明の実施例に従う基地局および複数のモバイル装置を含む通信シーケンスのタイミング・ダイヤグラムを示す。
【図3】本発明の実施例に従うほぼ同時に送信を終了するように調整する方法のフローチャートを示す。
【図4】本発明の実施例に従う基地局のブロック図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電子装置を含む装置において、前記第1電子装置は、
第2電子装置への第1送信の予測期間の第1インディケータを第3電子装置への第2送信の予測期間の第2インディケータと比較し、
前記第1および第2送信をほぼ同じ時刻で終了させるために前記第1および第2送信の少なくとも1つの開始時間を調整し、
前記調整された開始時間を用いて、前記第1および第2送信を送信する、
ために適合していることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1電子装置は、前記第2電子装置からの前記第1送信に対する第1肯定応答を含む第1応答を受信し、かつ第3電子装置からの前記第2送信に対する第2肯定応答を含む第2応答を受信するために適合していることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1電子装置は、前記第1送信にポーリングを含み、かつ前記第2送信にポーリングおよび他のデータを含めるためにさらに適合していることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記第1電子装置は、前記第1および第2送信の前記予測期間の長い方に基づいて前記第1および第2送信のための送信期間を設定するために適合した請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記第1送信および前記第2送信は、異なるデータ速度を有し、
前記第1および第2送信の前記予測期間は、部分的に異なるデータ速度に基づくことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記第1電子装置は、前記比較を実行するためのコンピューティング・プラットフォームを含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記コンピューティング・プラットフォームに結合された少なくとも4つの変復調装置をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項8】
少なくとも4本のアンテナをさらに含み、前記少なくとも4本のアンテナの各々は前記少なくとも4つの変復調装置の少なくとも1つに結合されることを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記第1電子装置は、基地局を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記第2および第3電子装置は、モバイル装置を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記第1電子装置は、空間分割多重接続技術を使用して、前記第1および第2送信を送信するためにさらに適合していることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項12】
第1電子装置への第1送信の予測期間の第1インディケータを第2電子装置への第2送信の予測期間の第2インディケータと比較する段階と、
前記第1および第2送信の長い方の送信を開始する段階と、
前記第1送信の前記予測期間と前記第2送信の前記予測期間との間の差にほぼ等しい遅延の後に前記第1および第2送信の短い方の送信を開始する段階と、を含み、
前記第1および第2送信は空間分割多重接続技術を使用することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記第1および第2送信をほぼ同じ時刻に終了する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2送信を終了する段階後に肯定応答のタイムアウト期間を開始する段階をさらに含むこと請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第1電子装置からの第1応答を受信する段階、および、前記第2電子装置からの第2応答を実質的に同時に受信する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記第1および第2応答を受信する前記段階は、前記第1および第2応答の開始を前記第1および第2送信の終了後のほぼフレーム間スペースで受信する段階を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記予測期間を決定するためにデータ速度を使用する段階をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項18】
処理プラットフォームによって実行されるとき、前記処理プラットフォームに、
電子装置から送信されるべき複数の送信の予測期間を決定し、
前記複数の送信をほぼ同じ時刻で終了させるために少なくとも前記送信のうちのいくつかの開始時刻を調整し、
前記調整された開始時刻を使用し、かつ空間分割多重接続技術を使用して、前記複数の送信を実質的に同時に送信する、
動作を行なわせる命令を提供することを特徴とする機械読取り可能媒体。
【請求項19】
前記決定は、前記予測期間を決定するためにデータ速度を使用することを特徴とする請求項18記載の媒体。
【請求項20】
前記動作は、前記複数の送信に対する応答を実質的に同時に受信することをさらに含むことを特徴とする請求項18記載の媒体。
【請求項21】
前記動作は、前記複数の送信の少なくとも1つに対する肯定応答の受信のためのタイムアウト期間を開始することをさらに含むことを特徴とする請求項20記載の媒体。
【請求項22】
前記受信は、前記第1および第2応答の開始を前記第1および第2送信の終了後のほぼフレーム間スペースで受信することをさらに含むことを特徴とする請求項20記載の媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−502078(P2007−502078A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523268(P2006−523268)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/025709
【国際公開番号】WO2005/015848
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】