説明

SGLT2阻害剤の製造方法

本発明は、ナトリウム−依存性グルコース共輸送体SGLTに阻害効果を有する化合物の精製に有用な複合体の製造方法を提供する。該方法により、典型的には結晶形態で与えられる該方法により形成される標的化合物および複合体を得るのに必要とされる工程を大幅に減少することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2008年8月22日に出願された米国出願第61/091,248号の利益を主張するものであり、該出願の開示は参照することにより本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
世界保健機関によると、正解で約1億5千万のヒトが糖尿病を患っている。糖尿病の2つの原理型は、膵臓がインスリンを産生できない1型糖尿病、および体が産生されたインスリンに適切に応答できない(インスリン抵抗性)2型糖尿病である。2型糖尿病が圧倒的に一般的であり、すべての糖尿病の約90%である。両方のタイプの糖尿病において、インスリン作用またはインスリンへの適切な応答の欠如は、高レベルの血清グルコース(高血糖症)を引き起こす。糖尿病に付随する重大な合併症は、網膜症(視力障害または失明を誘発する)、心血管疾患、腎症、ニューロパシー、潰瘍および糖尿病性足疾患を含む。
【0003】
1型糖尿病を患っている個人は、現在、インスリン両方を必要としている。多くの場合、2型糖尿病は、食事および運動により管理することができるが、薬剤による介入もまた、頻繁に必要とする。2型糖尿病を患っている患者の約1/3が必要としているインスリン以外には、現在、抗糖尿病療法は、ビグアニド(肝臓でのグルコース産生を減少させ、インスリンへの感受性を増加させる)、スルホニルウレアおよびメグリチニド(インスリン産生を刺激する)、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤(デンプン吸収およびグルコース産生を遅らせる)、およびチアゾリジンジオン(インスリン感受性を増加させる)が挙げられる。これらの医薬はしばしば組み合わせて用いられるが、その場合でさえも、適切な血糖管理を提供することができず、あるいは望ましくない副作用が生じうる。かかる副作用は、乳酸アシドーシス(ビグアニド)、低血糖(スルホニルウレア)、および浮腫および体重増加(チアゾリジンジオン)が挙げられる。したがって、改善された血糖管理を提供し、不適切な作用を有さない新規な抗糖尿病剤が、非常に求められている。
【0004】
SGLT、特にSGLT2を阻害する化合物は、現在、抗糖尿病剤として用いられることが臨床的に評価されている。これまでにSGLTを阻害するのに有用であると記載されている化合物は、C−グリコシド誘導体(例えば、US6414126、US20040138439、US20050209166、US20050233988、WO2005085237、US7094763、US20060009400、US20060019948、US20060035841、US20060122126、US20060234953、WO2006108842、US20070049537およびWO2007136116に記載されているもの)、O−グリコシド誘導体(例えば、US6683056、US20050187168、US20060166899、US20060234954、US20060247179およびUS20070185197に記載されているもの)、スピロケタール−グリコシド誘導体(WO2006080421に記載されている)、シクロヘキサン誘導体(例えば、WO2006011469に記載されている)、およびチオ−グルコピラノシド誘導体(例えば、US20050209309およびWO2006073197に記載されているもの)を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に記載の薬剤に加え、現行の収率を改善し、結晶性形態で化合物を与えることができる合成のための新規方法が必要とされている。意外にも、本発明はこのようなニーズを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ナトリウム−依存性グルコース共輸送体SGLTに阻害効果を有する化合物の製造方法を提供する。本発明はまた、化合物の結晶形態を提供し、さらにSGLT阻害により影響を受ける疾患および症状の治療ための、独立してまたは他の治療剤と組み合わせた、医薬組成物、合成中間体および該化合物の使用方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の化合物の調製に関するスキーム1の一般合成法を示す。
【図2】図2は、本発明の実施例5Fの複合体の粉末X線回折パターンを示す。
【図3】図3は、本発明の実施例6の複合体の示唆走査熱量測定スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な記載
定義
本明細書で用いられている用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択される一価のハロゲンラジカルまたは原子を意味する。好ましいハロ基は、フルオロ、クロロおよびブロモである。
【0009】
本明細書で用いられている用語「適切な置換基」は、化学的かつ医薬的に許容される基、すなわち本発明の化合物の製造を有意に妨げることなく、また本発明の化合物の有効性を打ち消すことのない基を意味する。該適切な置換基は、通常、当業者によって選択されてよい。該適切な置換基は、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルケニル、(C−Cシクロアルキル)C−Cアルキル、(C−Cシクロアルキル)C−Cアルケニル、(C−Cシクロアルキル)C−Cアルコキシ、C−Cヘテロシクロアルキル、(C−Cヘテロシクロアルキル)C−Cアルキル、(C−Cヘテロシクロアルキル)C−Cアルケニル、(C−Cヘテロシクロアルキル)C−Cアルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、オキソ、スルファニル、C−Cアルキルスルファニル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキル、ヘテロアラルキル、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、ジ−(C−Cアルキル)アミノ、カルバモイル、(C−Cアルキル)カルボニル、(C−Cアルコキシ)カルボニル、(C−Cアルキル)アミノカルボニル、ジ−(C−Cアルキル)アミノカルボニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、(C−Cアルキル)スルホニル、およびアリールスルホニルからなる群から選択されてよい。適切な置換基としての上記の基は下記で定義されるが、ただし該適切な置換基はさらに任意に置換され得ないものとする。
【0010】
本明細書で単独または組み合わせにて用いられている用語「アルキル」は、特に示さない限り、表示された数の炭素原子を有する一価の飽和脂肪族炭化水素ラジカルを指す。該ラジカルは直鎖状または分枝鎖状であってよく、特に示す場合には、上記で定義した1〜3個の適切な置換基で任意に置換されている。アルキル基の実例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、イソペンチル、アミル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、n−エイコシルなどを含み、これらに限定されない。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルを含む。好ましい任意の適切な置換基は、ハロ、メトキシ、エトキシ、シアノ、ニトロおよびアミノを含む。
【0011】
本明細書で単独または組み合わせにて用いられている用語「アルケニル」は、特に示さない限り、表示された数の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する一価の脂肪族炭化水素ラジカルを指す。該ラジカルはEまたはZ型の直鎖状または分枝鎖状であってよく、特に示す場合には、上記で定義した1〜3個の適切な置換基で任意に置換されている。アルケニル基の実例は、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブテニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1,3−ペンタジエニル、2,4−ペンタジエニル、1,3−ブタジエニルなどを含み、これらに限定されない。好ましいアルケニル基は、ビニル、1−プロペニルおよび2−プロペニルを含む。好ましい任意の適切な置換基は、ハロ、メトキシ、エトキシ、シアノ、ニトロおよびアミノを含む。
【0012】
本明細書で単独または組み合わせにて用いられている用語「アルキニル」は、特に示さない限り、表示された数の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する一価の脂肪族炭化水素ラジカルを指す。該ラジカルは直鎖状または分枝鎖状であってよく、特に示す場合には、上記で定義した1〜3個の適切な置換基で任意に置換されている。アルキニル基の実例は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、3−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニルなどを含み、これらに限定されない。好ましいアルキニル基は、エチニル、1−プロピニルおよび2−プロピニルを含む。好ましい任意の適切な置換基は、ハロ、メトキシ、エトキシ、シアノ、ニトロおよびアミノを含む。
【0013】
本明細書で単独または組み合わせにて用いられている用語「シクロアルキル」は、特に示さない限り、炭素環を形成する3個以上の炭素を有する一価の脂環式飽和炭化水素ラジカルを指し、特に示す場合には、上記で定義した1〜3個の適切な置換基で任意に置換されている。シクロアルキル基の実例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルなどを含み、これらに限定されない。好ましい任意の適切な置換基は、ハロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シアノ、ニトロおよびアミノを含む。
【0014】
本明細書で単独または組み合わせにて用いられている用語「シクロアルケニル」は、特に示さない限り、炭素環を形成する3個以上の炭素および少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する一価の脂環式炭化水素ラジカルを指し、特に示す場合には、上記で定義した1〜3個の適切な置換基で任意に置換されている。シクロアルケニル基の実例は、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどを含み、これらに限定されない。好ましい任意の適切な置換基は、ハロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シアノ、ニトロおよびアミノを含む。
【0015】
本明細書で用いられている用語「アルキレン」、「アルケニレン」、「シクロアルキレン」および「シクロアルケニレン」は、特に示さない限り、それぞれ上記で定義したアルキル、アルケニル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルラジカルからの水素原子の除去によって形成される二価の炭化水素ラジカルを指す。
【0016】
本明細書で用いられている用語「(C−C10シクロアルキレン)(C−Cアルキレン)」は、上記で定義したC−C10シクロアルキレンラジカルとC−Cアルキレンラジカルの結合によって形成される二価の炭化水素ラジカルを指す。
【0017】
本明細書で単独または組み合わせにて用いられている用語「アリール」は、特に示さない限り、炭素環を形成する6〜10個の炭素原子を有する一価の芳香族炭化水素ラジカルを指し、特に示す場合には、上記で定義した1〜3個の適切な置換基で任意に置換されている。アリール基の実例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルなどを含み、これらに限定されない。好ましいアリール基はフェニルおよびナフチルであり、ハロ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C−Cアルコキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシから選択される同一のまたは異なる適切な置換基によって任意に一置換または二置換されている。
【0018】
本明細書で単独または組み合わせにて用いられている用語「ヘテロシクロアルキル」は、特に示さない限り、上記で定義したシクロアルキル基であって、環内の1個以上の炭素がN、SおよびOから選択されるヘテロ原子によって置き換えられている基を指す。ヘテロシクロアルキル基の実例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニルなどを含み、これらに限定されない。
【0019】
本明細書で単独または組み合わせにて用いられている用語「ヘテロアリール」は、特に示さない限り、5〜10員の単環式または縮合二環式環を形成する2〜9個の炭素ならびにN、SおよびOから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する一価の芳香族ヘテロ環ラジカルを指し、特に示す場合には、上記で定義した1〜3個の適切な置換基で任意に置換されている。ヘテロアリール基の実例は、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾトリアジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジン、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニルなどを含み、これらに限定されない。5または6員の単環式ヘテロアリール環は:ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニルなどを含む。1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環は:キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾトリアジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリルなどを含む。好ましい任意の適切な置換基は、ハロ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C−Cアルコキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシから選択される1または2個の同一のまたは異なる置換基を含む。
【0020】
本明細書で単独または組み合わせにて用いられている用語「アルコキシ」および「アルキルオキシ」は、特に示さない限り、アルキル−O−の形態の脂肪族ラジカルを指すが、該アルキルは上記で定義した通りである。アルコキシ基の実例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第3級ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、第3級ペントキシ、ヘキソキシ、イソヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシなどを含み、これらに限定されない。好ましいアルコキシ基は、メトキシおよびエトキシを含む。
【0021】
本明細書で用いられている用語「ハロアルキル」は、特に示さない限り、1個以上のハロゲンで置換されている上記のアルキルラジカルを指す。ハロアルキル基の実例は、クロロメチル、ジクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリクロロエチルなどを含み、これらに限定されない。
【0022】
本明細書で用いられている用語「ハロアルコキシ」は、特に示さない限り、1個以上のハロゲンで置換されている上記のアルコキシラジカルを指す。ハロアルコキシ基の実例は、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシなどを含み、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で用いられている用語「アラルキル」は、特に示さない限り、上記のアリール基で置換されている上記の1〜6個の炭素を有するアルキルラジカルを指す。
【0024】
本明細書で用いられている用語「ヘテロアラルキル」は、特に示さない限り、上記のヘテロアリール基で置換されている上記の1〜6個の炭素を有するアルキルラジカルを指す。
【0025】
本明細書で用いられている用語「アラルコキシ」は、特に示さない限り、上記のアリール基で置換されている上記の1〜6個の炭素を有するアルコキシラジカルを指す。
【0026】
本明細書で用いられている用語「ヘテロアラルコキシ」は、特に示さない限り、上記のヘテロアリール基で置換されている上記の1〜6個の炭素を有するアルコキシラジカルを指す。
【0027】
本明細書で用いられている用語「カルバモイル」は、特に示さない限り、−C(O)NH(R)の形態の一価のラジカルを指すが、ここでRは水素、上記で用語を定義したC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、またはアリールである。
【0028】
本明細書で単独または組み合わせにて用いられている用語「ジ−(C−Cアルキル)アミノ」および「ジ−(C−Cアルキル)アミノ」は、特に示さない限り、それぞれC−CアルキルまたはC−Cアルキルから独立して選択される2個の基で置換されているアミノ基を指す。
【0029】
本明細書で用いられている用語「治療すること」および「治療」は、該用語を適用している疾患もしくは状態、または該疾患もしくは該状態の1つ以上の症状の発症を遅延させ、その進行を遅延もしくは停止させ、またはそれらを緩和もしくは予防することを指す。
【0030】
本明細書で用いられている用語「投与すること」は、対象に対する経口投与、坐剤としての投与、局所的接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、鼻腔内もしくは皮下投与、またはミニ浸透圧ポンプなどの持続放出装置の埋め込みを意味する。投与はいずれかの経路によってなされ、非経口、および経粘膜的(例えば、経口、経鼻、膣内、直腸内、または経皮)投与を含む。非経口投与は、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、心室内、および頭蓋内投与を含む。他の送達様式は、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用を含み、これらに限定されない。
【0031】
本明細書で用いられている用語「プロドラッグ」は、投与後、いくつかの化学的または生理的プロセス(例えば、プロドラッグが、生理的pHへの到達、または酵素作用を通じて生物活性化合物へ変化させられるなど)を通じてインビボで生物活性化合物を放出する前駆体化合物を指す。プロドラッグ自体は、所望の生物活性を欠如していても有していてもよい。
【0032】
本明細書で用いられている用語「化合物」は、インビトロ合成またはインサイツもしくはインビボ産生などを含み、これらに限定されないいずれかの方法によって生じる分子を指す。
【0033】
用語「制御放出」、「持続放出(sustained release)」、「持続放出(extended release)」、および「持続放出(timed release)」は、薬物の放出が即時的ではない任意の薬物含有製剤を互換的に指すことを意図し、「制御放出」製剤については、経口投与が吸収プールへの薬物の即時放出をもたらさないことを意図する。該用語は、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21stEd.,Gennaro,Ed.,Lippencott Williams & Wilkins(2003)」にて定義されている「非即時放出」と互換的に用いられている。該文献にて考察されているように、即時および非即時放出は、下記の式を参照することによって動力学的に定義されうる:
【化1】

【0034】
「吸収プール」は、特定の吸収部位にある投与された薬物の溶液を表し、k、kおよびkはそれぞれ(1)製剤からの薬物の放出、(2)吸収、および(3)排出についての一次速度定数である。即時放出剤形については、薬物放出についての速度定数kは吸収速度定数kよりもはるかに大きい。制御放出製剤については、反対、すなわち、k<<kであり、それゆえ剤形からの薬物放出速度が標的部位への薬物の送達における律速段階である。
【0035】
用語「持続放出(sustained release)」および「持続放出(extended release)」は、これらの通常の意味で用いられており、薬物の長時間の、例えば12時間以上にわたるゆっくりとした放出を提供し、必ずしもそうなるわけではないが、好ましくは、長時間にわたって実質的に一定の薬物の血液レベルをもたらす製剤を指す。
【0036】
本明細書で用いられている用語「遅延放出」は、胃を未変化で通過し、小腸で溶解する医薬製剤を指す。
【0037】
概要
本発明は、ナトリウム依存性グルコース共輸送体SGLT、好ましくはSGLT2に対する阻害効果を有する化合物に容易に変換することができる中間体複合体の調製方法を提供する。ある具体例において、該複合体それ自体がSGLT2の阻害剤としての活性を有する。本発明の化合物のいくつかは、ナトリウム依存性グルコース共輸送体SGLT1に対しても阻害効果を示す。SGLTを阻害する能力により、本発明の化合物は、SGLT活性、特にSGLT2活性の阻害により影響を受けるありとあらゆる症状および疾患の治療および/または予防に適している。それゆえ、本発明の方法により調製された中間体複合体および化合物は、限定するものではないが、1型および2型糖尿病、高血糖症、糖尿性合併症(例えば、網膜症、腎疾患[進行性の腎疾患]、ニューロパシー、潰瘍、ミクロ−、マクロ−血管障害および糖尿性足部疾患)、インスリン抵抗性、メタボリック症候群(シンドロームX)、高インスリン血症、高血圧、高尿酸血症、肥満、浮腫、脂質異常症、慢性心疾患、アテローム性動脈硬化症および関連疾患を含む代謝障害の予防および治療に適している。
【0038】
本発明の方法は、これらがSGLT2阻害剤の効果的な調製方法を示すように特に有用である。US2004/0138439に記載の方法とは対照的に、本発明の方法は、中間体の還元、ついで、固体、典型的には結晶である、アミノ酸との複合体形成の形成を含み、途中の保護および脱保護工程なしに大規模に形成することができる。保護および脱保護工程を除くことにより、最終生成物を、高収率で、公知の方法で除去が困難な溶媒不純物(例えばピリジン)無しに製造することができる。さらに、不完全な脱保護により生じる除去が困難である不純物(例えば、モノ−アセチル化中間体)もまた回避することができる。総じて、本発明の方法は、収率、スピードを高め、かつコストを抑える(工程数の減少による)および溶媒の消費を押さえ;さらに、トラップされた溶媒および中間体由来の不純物を最小するするという利点を与える。さらに、式Iで示される複合体の形成を、式IIで示される化合物を精製することなく行うことができる。
【0039】
本発明はまた、親SGLT2阻害剤のアミノ酸複合体の結晶形態を提供する。
【0040】
本発明は、本発明の化合物もしくは化合物の混合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの有効量を、医薬的に許容される担体中に含む医薬組成物をさらに提供する。
【0041】
本発明はさらに、本発明の化合物を調製するための合成中間体および方法を提供する。
【0042】
本発明は、SGLT阻害によって影響されうる疾患および症状の治療用の、独立の、または他の治療薬と組み合わせた本発明の化合物の使用方法も提供する。
【0043】
本発明は、SGLT阻害によって影響されうる疾患および症状の治療用薬剤の製造用の本発明の化合物の使用方法も提供する。
【0044】
発明の詳細な説明
化合物および調製方法
一の態様において、本発明は、式I:
【化2】

[式中:
下付きのnは1または2であり;
AおよびBで示される環は、各々独立して、ベンゼン、ナフタレン、ピラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インドール、インダゾール、トリアゾロピリジン、トリアゾロピリミジン、プリン、キノリン、イソキノリン、シノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,5−ナフチリジン、1,6−ナフチリジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフランおよびベンゾチアゾールからなる群から選択される、芳香環またはヘテロ芳香環または縮合環系であり;
、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−Cアルキルオキシ、C−C10シクロアルキルオキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される基であり、ここに、アルキルおよびシクロアルキル基または部分は、フッ素によりモノ−またはポリ置換されていてもよく;
およびRが、2つの隣接するC原子に結合している場合、RおよびRは、一緒に結合して、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレンまたはブタジエニレンブリッジを形成してもよく、これらは、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−CアルコキシおよびC−Cアルキルから選択される同じまたは別個の置換基により一または二置換されていてもよく、ここに、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよく;あるいは1つまたはそれ以上のR、RおよびRは存在しなくてもよく;
、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−CアルキルオキシおよびC−C10シクロアルキルオキシからなる群から選択される基であり、アルキルおよびシクロアルキル基または部分は、フッ素によりモノ−またはポリ置換されていてもよく、
およびRが、2つの隣接するC原子に結合している場合、RおよびRは、一緒に結合して、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレンまたはブタジエニレンブリッジを形成してもよく、これらは、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−CアルコキシおよびC−Cアルキルからなる群から選択される同じまたは別個の置換基により一または二置換されていてもよく、ここに、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよく;あるいは、1個またはそれ以上のR、RおよびRは存在しなくてもよく;
およびRの1つは−V−W−X−Yであってもよく、ここに
Vは、酸素;硫黄;SO;SO;および単結合からなる群から選択される基であり;
Wは、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、C−Cアルキニレン、C−C10シクロアルキレン、C−C10シクロアルケニレンおよび(C−C10シクロアルキレン)(C−Cアルキレン)からなる群から選択される基であり、ここに、C−C10シクロアルキレン部分はVに結合し、C−Cアルキレン部分はXに結合し、
ここに、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレンおよびシクロアルケニレン基または部分は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−C10シクロアルケニルおよびC−C10シクロアルケニルオキシからなる群から独立して選択される基により一または二置換されていてもよく、シクロアルキレンおよびシクロアルケニレン基または部分においては、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよく;
Xは、単結合;酸素;硫黄;NR、SO;およびSOからなる群から選択される基であり;
Yは、水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、(C−C10シクロアルキル)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルケニル)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルキル)C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキリデンメチル、(C−C10シクロアルケニル)C−Cアルケニル、(C−Cアルキルオキシ)C−Cアルキル、(C−Cアルケニルオキシ)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルキルオキシ)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルケニルオキシ)C−Cアルキル、(アミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキルアミノ)C−Cアルキル、ジ−(C−Cアルキルアミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキル)カルボニル(C−C)アルキル、(C−Cアルケニル)カルボニル(C−C)アルキル、(C−Cアルキニル)カルボニル(C−C)アルキル、(アリールカルボニル)C−Cアルキル、(ヘテロアリールカルボニル)C−Cアルキル、(C−Cアルキルスルホニル)C−Cアルキル、(C−Cアルケニルスルホニル)C−Cアルキル、(C−Cアルキニルスルホニル)C−Cアルキル、(アリールスルホニル)C−Cアルキル、(ヘテロアリールスルホニル)C−Cアルキル、(C−Cアルキル)アミノカルボニル(C−C)アルキル、(C−Cアルケニル)アミノカルボニル(C−C)アルキル、(C−Cアルキニル)アミノカルボニル(C−C)アルキル、(アリールアミノカルボニル)C−Cアルキル、(ヘテロアリールアミノカルボニル)C−Cアルキル、(C−Cアルキル)カルボニル、(C−Cアルケニル)カルボニル、(C−Cアルキニル)カルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、(C−Cアルキル)スルホニル、(C−Cアルケニル)スルホニル、(C−Cアルキニル)スルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、C−Cアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、(C−Cアルキル)アミノカルボニル、(C−Cアルケニル)アミノカルボニル、(C−Cアルキニル)アミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、(C−Cアルキルスルフィニル)C−Cアルキル、(アリールスルフィニル)C−Cアルキル、(ヘテロアリールスルフィニル)C−Cアルキルからなる群から選択される基であり;
ここに、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルおよびシクロアルケニル基または部分は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルケニルオキシ、およびNRからなる群から選択される同じまたは別個の置換基により一または二置換されていてもよく、シクロアルキルおよびシクロアルケニル基または部分においては、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよく、ここに、該置換により形成されるヘテロサイクルは、ヘテロアリール以外であり;
Zは、酸素;硫黄;SO;SO;1,1−シクロプロピレン;カルボニル;およびメチレンからなる群から選択される基であり、これらはハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CシクロアルキルおよびC−Cシクロアルキルオキシから独立して選択される1〜2個の置換基により置換されていてもよく;
は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキルおよび(C−Cアルキル)カルボニルからなる群から独立して選択される基であり、ここに、アルキルおよびシクロアルキル基または部分は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく;
は、各々独立して、H、C−Cアルキルおよび(C−Cアルキル)カルボニルからなる群から選択される基であり、ここに、アルキル基または部分は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく;
は、各々独立して、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、CHR、SO、C(O)ORおよびC(O)NRからなる群から選択され、ここに、アルキルおよびシクロアルキル基は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく;
およびRは、各々独立して、HまたはC−Cアルキルであり、ここに、アルキル基は、部分的または完全にフッ素化されていてもよい]
で示される複合体またはその医薬上許容される塩の製造方法であって:
(a) 式II:
【化3】

で示される化合物を、還元剤と、活性化基の存在下で反応させて、式III:
【化4】

で示される化合物を形成すること;および
(b)式IIIで示される化合物を、アミノ酸と接触させて、式Iで示される複合体を形成すること;
を含み、ここに、工程(a)および(b)は、式IIIで示される化合物を精製することなく行われ、工程(a)および(b)は、介入する保護または脱保護工程を行うことなく連続して行われる、方法を提供する。
【0045】
フェニル基上の置換基の結合がフェニル環の中心付近で途切れている上記および下記で用いられている様式は、特に示さない限り、この置換基が水素原子を有するフェニル基の任意の位置に結合してよいことを意味する。
【0046】
本発明は、混合物または純粋もしくは実質的に純粋な形態にある式Iの化合物の全ての互変異性体および立体異性体を含む。本発明の化合物は炭素原子で不斉中心を有し得、それゆえ式I、IIおよびIIIの化合物はジアステレオマーもしくはエナンチオマー形態またはその混合物にて存在しうる。全ての立体配座異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)ならびに全ての光学異性体(例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマー)、該異性体のラセミ、ジアステレオマーならびに他の混合物、ならびに溶媒和物、水和物、同形体、多形体ならびに互変異性体は、本発明の範囲内に含まれる。本発明により調製される化合物は、出発物質としてジアステレオマー、エナンチオマーまたはラセミ混合物を用いて製造されうる。さらに、ジアステレオマーおよびエナンチオマー生成物は、クロマトグラフィー、分別結晶法または当業者に周知の他の方法によって分離されうる。
【0047】
本発明は、式Iの化合物のプロドラッグの製造方法も提供する。本発明の化合物のプロドラッグは、カルボン酸エステル、炭酸エステル、ヘミ−エステル、リンエステル、ニトロエステル、硫酸エステル、スルホキシド、アミド、カルバミン酸エステル、アゾ化合物、ホスファミド、グリコシド、エーテル、アセタール、およびケタールを含み、これらに限定されない。プロドラッグエステルおよび炭酸エステルは、例えば、当業者に周知の方法を用いて、式Iの化合物の1個以上のヒドロキシル基を、アルキル、アルコキシまたはアリール置換アシル化試薬と反応させることによって形成され得、炭酸メチル、酢酸エステル、安息香酸エステル、ピバル酸エステルなどが生成する。本発明の化合物のプロドラッグエステルの実例は、カルボキシル基を有する式Iの化合物であり、該カルボキシル基の遊離水素がC−Cアルキル、C−Cアルカノイルオキシメチル、1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)−エチル、C−Cアルコキシカルボニルオキシメチル、1−((C−C)アルコキシカルボニルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルコキシカルボニルオキシ)エチル、N−((C−C)アルコキシカルボニル)アミノメチル、1−(N−((C−C)アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(例えば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C−C)アルキル、N,N−ジ(C−C)アルキルカルバモイル−(C−C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C−C)アルキルによって置き換えられている化合物を含み、これらに限定されない。オリゴペプチド修飾および生分解性ポリマー誘導体(例えば、「Int.J.Pharm.115,61−67,1995」に記載されている誘導体など)は、本発明の範囲内に含まれる。適切なプロドラッグを選択し、製造する方法は、例えば下記の文献に提供されている:T.Higuchi and V.Stella,「Prodrugs as Novel Delivery Systems」、Vol.14,ACS Symposium Series,1975;H.Bundgaard,「Design of Prodrugs」Elsevier,1985;および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、ed.Edward Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987。
【0048】
本発明の方法は、式Iで示されるアミノ酸複合体を、式IIで示される化合物を式IIIで示される化合物に還元した後に、保護および脱保護工程を行うことなく、典型的には結晶性固体として調製し、単離することができるという驚くべき知見に基づく。さらに、該方法は粗反応混合物に適用することができ、式IIIで示される化合物を精製することなく、式IIIで示される化合物をアミノ酸で処理して、所望の複合体を形成することができる。
【0049】
本発明の方法に関して、式IIで示される化合物は出発物質として提供され、当業者に公知の方法により得ることができる(例えば、US2008/0004336、WO2008/002824、US2006/0258749、US2005/0209166、US2004/0138439、US2003/0064935、USSN12/060、767、およびUS2009/0118201および下記実施例を参照)。好ましくは、式IIで示される化合物は固体として提供されるが、油および化合物の溶液でも適当である。
【0050】
工程(a)において、式IIで示される化合物を、活性基の存在下で還元剤と反応させて、式IIIで示される化合物を形成する。一般的に、還元剤はシラン還元剤、より具体的には、アルキルシリルハライド、例えばトリエチルシランまたはトリイソプロピルシランである。反応は、典型的には、活性化剤、例えばルイス酸の存在下で行われ、BF・EtO(三フッ化ホウ素エーテル)と一緒に行うことが好ましい。
【0051】
当業者には、式IIで示される化合物を式IIIで示される化合物に還元するのに、種々の条件を用いることができることは明らかだろう。一般的には、反応は、適合する非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタン、アセトニトリル、ジクロロエタン、クロロホルムおよびトルエンならびに溶媒混合物中で行われる。ある好ましい具体例において、溶媒中の出発物質(式IIで示される化合物)は、0℃以下に冷却され、還元剤および活性化剤を、出発物質にゆっくりと加える。還元剤および活性化剤は、過剰に(式IIで示される化合物の量に基づいて1.1当量〜6当量)、典型的には、20%、40%、80%、100%、200%、300%または400%過剰またはそれ以上加える。反応は、冷却しながら撹拌することができ、または、ゆっくりと加温することができ(一般的には室温に)、出発物質のさらなる消費が観察されなくなるまでモニターすることができる。
【0052】
反応が十分に完了した場合、過剰の還元剤は、例えば、炭酸水素ナトリウムを注意深く加えることによりクエンチする。失活剤は固体として添加することができるが、試薬(炭酸水素ナトリウム)の水溶液が一般的に用いられる。処理方法(溶媒の蒸発、有機溶媒での抽出/分配、洗浄、乾燥)を、通常、適用して、式IIIで示される粗生成物を得、これをさらなる精製(例えば、クロマトグラフィー、再結晶)なく、式Iで示される複合体に変換することができる。
【0053】
次に、工程(b)に関して、式IIIで示される化合物を、アミノ酸と、式Iで示される複合体を形成するのに十分な量で接触させる。種々のアミノ酸は、本発明に有用であり、例えば、天然アミノ酸、好ましくは、キラル形態の天然アミノ酸を含む。ある好ましい具体例において、アミノ酸は、D−プロリン、L−プロリン、D−フェニルアラニン、L−フェニルアラニン、D−アスパルタミンおよびL−アスパルタミンから選択される。複合体形成に用いられるアミノ酸の量は、所望の複合体における化合物に対するアミノ酸の割合に依存するだろう。一般的に、わずかに過剰のアミノ酸が用いられる。例えば、nが2である式Iで示される複合体の調製のためには、約2.0〜3.0当量のアミノ酸(式IIIで示される化合物に対して)が用いられる。好ましくは、約2.0〜2.5当量のアミノ酸が用いられる。工程(b)は、一般的に、溶媒または溶媒混合物中で行われる。一の適当な溶媒混合物は、ヘキサンまたはヘプタンを添加したエタノールおよび水を含む。
【0054】
本発明は、式Iの化合物の医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグも提供する。本発明の塩基性化合物の医薬的に許容される酸付加塩を製造する試薬として用いられうる酸は、無毒性酸付加塩、すなわち、薬理学的に許容されるアニオンを含む塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、過リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、過クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(1,1'−メチレン−ビス−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩)など)を形成する酸である。本発明の酸性化合物の医薬的に許容される塩基性塩を製造する試薬として用いられうる塩基は、該化合物と無毒性塩基性塩、例えばアルカリ金属カチオン(カリウム、リチウムおよびナトリウムなど)ならびにアルカリ土類金属カチオン(カルシウムおよびマグネシウムなど)などの薬理学的に許容されるカチオン由来の塩、アンモニウムまたはN−メチルグルカミン(メグルミン)などの水溶性アミン付加塩、ならびに低級アルカノールアンモニウムならびに他の医薬的に許容される有機アミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミン、t−ブチルアミン、t−オクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ヒドロキシエチルアミン、モルホリン、ピペラジン、デヒドロアビエチルアミン、リジンおよびグアニジン)の塩基性塩を含み、これらに限定されない無毒性塩基性塩を形成する塩基である。
【0055】
本発明は、1個以上の原子が特定の原子質量または質量数を有する1個以上の原子によって置き換えられている同位体標識された式Iの化合物も含む。本発明の化合物に組み込まれうる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、硫黄、および塩素の同位体(H、H、13C、14C、15N、18O、17O、18F、35Sおよび36Clなど)を含み、これらに限定されない。同位体標識された式Iの化合物およびそのプロドラッグ、ならびに同位体標識された式Iの化合物の医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。同位体標識された本発明の化合物は、化合物およびそれらのプロドラッグならびに代謝物の組織分布のアッセイにおいて有用である;該アッセイ用に好ましい同位体は、Hおよび14Cを含む。さらに、ある特定の状況では、重水素(H)などのより重い同位体での置換は、代謝安定性の増加を提供しうるが、これはインビボでの半減期の増加または必要用量の減少などの治療上の利点を提供する。同位体標識された本発明の化合物およびそのプロドラッグは、一般的に本明細書で記載されている方法に従って製造され得、同位体標識された試薬を同位体標識されていない試薬の代わりに用いることによって製造されうる。
【0056】
好ましい具体例において、RおよびRの1つは−V−W−X−Yであり、ここにVは、酸素、硫黄または単結合を意味する。特定の好ましい具体例において、RおよびRの1つは−V−W−X−Yであり、ここにVは酸素または単結合を意味する。
【0057】
好ましい具体例において、RおよびRの1つは−V−W−X−Yであり、ここにWは、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、C−Cアルキニレン、C−C10シクロアルキレン、または(C−C10シクロアルキレン)(C−Cアルキレン)を意味する。特定の好ましい具体例において、RおよびRの1つは−V−W−X−Yであり、ここにWはC−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、C−Cアルキニレン、またはC−C10シクロアルキレンを意味する。具体例の個々の基において、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレンおよびシクロアルケニレン基またはその部分は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−C10シクロアルケニルおよびC−C10シクロアルケニルオキシからなる群から独立して選択される置換基により一または二置換されていてもよく、シクロアルキレンおよびシクロアルケニレン基またはその部分においては、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよい。
【0058】
好ましい具体例において、RおよびRの1つは−V−W−X−Yであり、ここにXは、酸素、硫黄、単結合またはNRを意味する。
【0059】
好ましい具体例において、RおよびRの1つは−V−W−X−Yであり、ここにYは、水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、(C−C10シクロアルキル)C−Cアルキル、(C−Cアルキルオキシ)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルキルオキシ)C−Cアルキル、(アミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキルアミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキル)カルボニル、(C−Cアルケニル)カルボニル、(C−Cアルキニル)カルボニル、(C−Cアルキル)スルホニル、(C−Cアルケニル)スルホニル、または(C−Cアルキニル)スルホニルを意味し、ここにアルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基またはその部分は、部分的にまたは完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、およびC−Cシクロアルキルから選択される同じまたは異なる置換基により一または二置換されていてもよく、シクロアルキル基または部分において、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよい。特に好ましい具体例において、RおよびRの1つは−V−W−X−Yであり、ここにYは、水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、または(C−Cアルキルオキシ)C−Cアルキルを意味する。
【0060】
好ましい具体例において、RおよびRの1つは−V−W−X−Yであり、Zは、酸素、硫黄、または、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CシクロアルキルおよびC−Cシクロアルキルオキシから独立して選択される1〜2個の置換基により置換されていてもよいメチレンである。特に好ましい具体例において、Zはメチレンを意味する。
【0061】
好ましい具体例において、R、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−Cアルキルオキシ、またはシアノを意味する。特に好ましい具体例において、R、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロまたはC−Cアルキルを意味する。さらに特に好ましい具体例において、Rは、水素、ハロまたはC−Cアルキルを意味し、RおよびRは両方とも水素を意味する。
【0062】
好ましい具体例において、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−Cアルキルオキシ、またはシアノを意味する。特に好ましい具体例において、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロまたはC−Cアルキルを意味する。より特に好ましい具体例において、RおよびRは両方とも水素である。
【0063】
式IAは、別の好ましい具体例を意味する:
【化5】

[式中:
は、水素、ハロまたはC−Cアルキルを意味し;Vは、酸素または単結合を意味し;Wは、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、C−Cアルキニレン、C−C10シクロアルキレン、または(C−C10シクロアルキレン)(C−Cアルキレン)を意味し;Xは、酸素、単結合、またはNRを意味し;Yは、水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、(C−C10シクロアルキル)C−Cアルキル、(C−Cアルキルオキシ)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルキルオキシ)C−Cアルキル、(アミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキルアミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキル)カルボニル、(C−Cアルケニル)カルボニル、(C−Cアルキニル)カルボニル、(C−Cアルキル)スルホニル、(C−Cアルケニル)スルホニル、または(C−Cアルキニル)スルホニルを意味し、ここに、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基またはその部分は、部分的にまたは完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、およびC−Cシクロアルキルから選択される同じまたは別個の置換基により一または二置換されていてもよく、シクロアルキル基またはその部分において、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよい]。
【0064】
別の態様において、本発明は、式Iで示される化合物および医薬上許容される塩、そのプロドラッグおよび/または同位体標識化化合物を含み、ここに、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリールおよびヘテロアリール基またはその部分は、上記した適当な置換基の1〜3個に置換されていてもよい。
【0065】
上記したプロセスおよび方法に加え、さらに詳細で具体的な例を、以下の実施例を記載する実験項に与える。一般調製法に従うことにより、またはその変法を用いることにより、当業者は、式Iで示される化合物を容易に調製することが出来る。
【0066】
当業者であれば、各々記載された官能基を有する本発明の化合物は、下記の一般的方法のわずかな変法を用いて一般的に製造されることを認識できるであろう。各方法の範囲内で、反応条件に適切な官能基が用いられる。特定の反応を妨げうる官能基が必要に応じて保護形態にて存在し、該保護基の除去が適切な段階で当業者に周知の方法によって完了する。
【0067】
特定の場合には、本発明の化合物は他の本発明の化合物から、存在する官能基の同化、変換、交換などによって製造されうる。該同化は、加水分解、還元、酸化、アルキル化、アシル化、エステル化、アミド化および脱水を含み、これらに限定されない。該変換は、場合によっては、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis;Wiley:NewYork,(1999)に開示されている方法による保護基の使用が必要でありうるが、文献の内容は参照することによって本明細書に援用される。該方法は、所望の化合物の合成後または合成経路内の別の段階で開始されるであろうが、これは当業者であれば容易に理解できるであろう。
【0068】
別の態様では、下記で論じる一般的製造方法および当業者に周知の他の工程に従って、本発明は式Iの化合物、ならびにその医薬的に許容される塩およびプロドラッグの製造用に有用な合成中間体を提供する。
【0069】
本開示を通じて下記の略語および頭字語が用いられている場合、それらは下記の意味を有する:AcO,無水酢酸;AcOEt,酢酸エチル;AcOH,酢酸;AIBN,アゾビス(イソブチロニトリル);AlBr,臭化アルミニウム;AlCl,塩化アルミニウム;BBr,三臭化ホウ素;BF・EtO,三フッ化ホウ素エーテル;BTEAC,ベンジルトリエチル塩化アンモニウム;n−BuLi,n−ブチルリチウム;s−BuLi,s−ブチルリチウム;t−BuLi,t−ブチルリチウム;t−BuOK,カリウムtert−ブトキシド;CaCl,塩化カルシウム;calc.,濃縮;CCl,四塩化炭素;CDOD,メタノール−d;CDCl,クロロホルム−d;CFSOH,トリフルオロメタンスルホン酸;CHCl,塩化メチレン;CH,ヨウ化メチレン;CHCN,アセトニトリル;(COCl),塩化オキサリル;CsCO,炭酸セシウム;DAST,三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄;DCM,ジクロロメタン;DMAP,4−ジメチルアミノピリジン;DMEM,ダルベッコ修飾イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle Medium);DMF,N,N−ジメチルホルムアミド;DMP,デス−マーティンペルヨウジナン;DMSO,ジメチルスルホキシド;EA,酢酸エチル;EDCI,1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩;eq,当量;Et,エチル;EtN,トリエチルアミン;EtSiH,トリエチルシラン;EtSiO,トリエチルシリルオキシ;EtOAc,酢酸エチル;EtOH,エタノール;FBS,ウシ胎児血清;FSOCFCOH,2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)酢酸;h,時間;H,水素ガス;HSO,硫酸;Hepes,4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸;;H NMR,プロトン核磁気共鳴;HOBt,1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HPLC,高速液体クロマトグラフィー;KCO,炭酸カリウム;KCrO,二クロム酸カリウム;KN(TMS),カリウムビス(トリメチルシリル)アミド;KOH,水酸化カリウム;LC−ESI−MS,液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化質量スペクトル;LC−MS,液体クロマトグラフィー−質量分析;Lg,脱離基;LiOH・HO,水酸化リチウム一水和物;Me,メチル;MeCN,アセトニトリル;MeOH,メタノール;MeSOH,メタンスルホン酸;Mg,マグネシウム;MgCl,塩化マグネシウム;min.,分;MS ESI,エレクトロスプレーイオン化質量分析;MsOH,メタンスルホン酸;NaBHCN,シアノボロヒドリドナトリウム;NaH,水素化ナトリウム;NaHCO,炭酸水素ナトリウム;NaHSO,重亜硫酸ナトリウム;NaOAc,酢酸ナトリウム;NaOH,水酸化ナトリウム;NaSO,硫酸ナトリウム;NBS,N−ブロモスクシニミド;NCS,N−クロロスクシニミド;NHCl,塩化アンモニウム;NIS,N−ヨウドスクシニミド;O,オゾン;Pd/C,炭素担持パラジウム;PdCl,塩化パラジウム(II);PE,石油エーテル;Ph,フェニル;PhPCHI(またはPhPMeI),メチルトリフェニルホスホニウムヨウダイド;POCl,オキシ塩化リン;PPh,トリフェニルホスフィン;R,保持因子;SnBu,トリブチルスズ;SOCl,塩化チオニル;TBAI,テトラブチルアンモニウムヨウダイド;TFA,トリフルオロ酢酸;THF,テトラヒドロフラン;TLC,薄層クロマトグラフィー;TMS,トリメチルシリル;TMSCN,シアン化トリメチルシリル;Tris,トリスヒドロキシメチルアミノメタン(または、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−diol);TsCl,トルエンスルホニルクロライド;TsOH,トルエンスルホン酸;ZnEt,ジエチル亜鉛。
【0070】
重水素原子は、構造式および化学式において「D」の文字で示され、化合物名においては、バウトンシステムに従って小文字の「d」で示される。
【0071】
スキームIの一般的合成方法
式12で示される本発明の化合物は、有利には、スキームI(図1)に示されるように反応式に従って調製することができる。市販されているか、当業者に公知の慣用的な方法により調製することができる酸1は、塩化オキサリル、SOCl、POCl等の試薬により酸クロライドに変換される。中間体2を、アルコキシベンゼン3と、AlClまたはAlBrのようなルイス酸の補助条件下で反応させて、ケトン4を得る。中間体4のケトン基は、EtSiHのような還元剤で、BF・EtOまたはTFAのようなルイス酸の存在下でメチレンに還元され、BBrのようなルイス酸で処理して、フェノール5を得る。中間体6を、Lg−W−X−Y(式中、Lgは、適当な脱離基を示す)と、KCO、CsCO、NaOH等の塩基の存在下で、求電子試薬とカップリングさせることにより得られる。
【0072】
別法として、酸1を、ワインレブアミド7または別の同等のアミドに、NHMe(OMe)または別の同等のアミンとカップリングさせることにより変換することができる。ついで、中間体4を、グリニャール試薬のような金属カップリング剤を用いて、得られたアミド7を中間体8で処理して得ることができる。
【0073】
別法として、中間体6もまた、アミド7をグリニャール試薬9とカップリングさせ、ついで、生成物10のケトン基をEtSiHで、BF・EtOまたはTFAのようなルイス酸の存在下で還元して得ることができる。
【0074】
中間体6は、活性化剤、例えばn−BuLiまたはt−BuOKで処理した後、ケトン11(式中、R、R、RおよびRは−OTMS)と縮重させて、一般式IIで示される化合物を得、ついで、アルキルシランまたは他の還元剤で、TFA、MeSOHまたはBF・EtOのような酸の存在下で還元して、式IIIで示される化合物(例えば、R、R、RおよびRが−OHである12)を得ることができる。
【0075】
医薬組成物および使用方法
本発明は、式Iの化合物もしくは化合物の混合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの有効量を医薬的に許容される担体中に含む医薬組成物をさらに提供する。
【0076】
本発明の化合物は、治療的投与用にさまざまな製剤に組み込まれうる。特に、本発明の化合物は、適切な医薬的に許容される担体もしくは希釈剤と一緒に、または別々に製剤化されることによって医薬組成物に製剤化され得、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、糖衣錠、ゲル剤、スラリー、軟膏剤、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤およびエアロゾルなどの固体、半固体、液体または気体形態にある製剤に製剤化されうる。それ自体、本発明の化合物の投与は、経口、頬側、非経口、静脈内、皮内(例えば、皮下、筋肉内)、経皮投与などを含むさまざまな方法にて達成されうる。さらに、化合物は全身的様式よりもむしろ局所的様式にて投与され得、例えば、デポーまたは持続放出製剤にて投与されうる。
【0077】
本発明の使用に適切な製剤は、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21stEd.,Gennaro,Ed.,Lippencott Williams & Wilkins(2003)」に見られるが、該文献に記載の内容は参照することによって本明細書に援用される。本明細書に記載されている医薬組成物は、当業者に周知の様式、すなわち、通常の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠形成(dragee-making)、微粒子化(levigating)、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥工程によって製造されうる。下記の方法および賦形剤は例示する目的のためにのみ示し、決して発明を限定する目的で示しているわけではない。
【0078】
1つの好ましい実施態様では、本発明の化合物は送達用に、持続放出(sustained-release)、制御放出、持続放出(extended-release)、持続放出(timed-release)または遅延放出製剤、例えば、治療薬を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスに製造される。さまざまな型の持続放出物質が確立され、当業者に周知である。現在の持続放出製剤は、フィルムコーティング錠剤、多粒子またはペレット系、親水性または親油性物質を用いたマトリックス技術およびポア形成賦形剤を有するワックスベース錠剤を含む(例えば、Huang,et al.Drug Dev.Ind.Pharm.29:79(2003);Pearnchob,et al.Drug Dev.Ind.Pharm.29:925(2003);Maggi,et al.Eur.J.Pharm.Biopharm.55:99(2003);Khanvilkar,et al.,Drug Dev.Ind.Pharm.228:601(2002);およびSchmidt,et al.,Int.J.Pharm.216:9(2001)を参照のこと)。持続放出送達系は、それらの設計に依存して、数時間または数日間にわたって、例えば、4、6、8、10、12、16、20、24時間またはそれ以上にわたって化合物を放出しうる。通常、持続放出製剤は、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)などのポリマー性ビニルピロリドン;カルボキシビニルなどの親水性ポリマー;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの疎水および/または親水コロイド;ならびにカルボキシポリメチレンなどの天然または合成ポリマーを用いて製造されうる。
【0079】
持続放出(sustained or extended-release)製剤は、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、および粘土を含むミネラルなどの天然成分を用いることによっても製造されうる(米国特許第6,638,521号を参照のこと。その内容は参照することによって本明細書に援用される)。本発明の化合物の送達に用いられうる持続放出製剤の例は、米国特許第6,635,680号;第6,624,200号;第6,613,361号;第6,613,358号、第6,596,308号;第6,589,563号;第6,562,375号;第6,548,084号;第6,541,020号;第6,537,579号;第6,528,080号および第6,524,621号に記載されている製剤を含むが、そのそれぞれは参照することによって本明細書に援用される。特に興味深い制御放出製剤は、米国特許第6,607,751号;第6,599,529号;第6,569,463号;第6,565,883号;第6,482,440号;第6,403,597号;第6,319,919号;第6,150,354号;第6,080,736号;第5,672,356号;第5,472,704号;第5,445,829号;第5,312,817号および第5,296,483号に記載されている製剤を含むが、そのそれぞれは参照することによって本明細書に援用される。当業者であれば、他の適用可能な持続放出製剤を容易に認識することができるであろう。
【0080】
本発明の化合物は、経口投与用に、当該技術分野で周知の医薬的に許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化されうる。該担体は、化合物が、治療される患者による経口摂取用に、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、乳剤、親油性および親水性懸濁液、液体、ゲル剤、シロップ、スラリー、懸濁液などに製剤化されることを可能にする。経口用の医薬製剤は、化合物を固体賦形剤と混合することによって得られうるが、必要であれば、適切な助剤を加えた後に、生じた混合物を任意に粉砕し、顆粒の混合物を処理することによって、錠剤または糖衣錠コアを得る。適切な賦形剤は、具体的には、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース製剤である。必要であれば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤を加えてよい。
【0081】
経口的に用いられうる医薬製剤は、ゼラチン製の押し込み型カプセル剤のみならず、ゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤でできたソフト密封カプセル剤を含む。該押し込み型カプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ならびに任意に安定剤と混合した活性成分を含みうる。ソフトカプセル剤においては、活性化合物は、脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解または懸濁させてよい。さらに、安定剤が加えられてよい。経口投与用の全製剤は、該投与に適切な投与量になくてはならない。
【0082】
糖衣錠コアは、適切なコーティングをされて提供される。この目的のために、濃縮した糖溶液が用いられうるが、該溶液は任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル(carbopol gel)、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適切な有機溶媒もしくは溶媒混合液を含みうる。同定のために、または異なる組み合わせの活性化合物用量を特徴付けるために、錠剤または糖衣錠コーティングに染料または色素が加えられてよい。
【0083】
化合物は、例えば、ボーラス注射または持続注入などの注射による非経口投与用に製剤化されうる。注射用に、化合物はそれらを植物油もしくは他の類似の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステルまたはプロピレングリコールなどの水性溶媒または非水溶媒に溶解、懸濁または乳化することによって製剤に製剤化されうる;必要であれば、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤および防腐剤などの通常の添加剤が加えられてよい。好ましくは、本発明の化合物は水溶液中にて、好ましくはハンクス溶液、リンガー溶液、または生理食塩水緩衝液などの生理的に適合する緩衝液中にて製剤化されうる。注射用製剤は、単位剤形、例えば、防腐剤を加えたアンプルまたは多用量容器(multi-dose containers)にて存在しうる。組成物は油性または水性ビヒクル中にて懸濁液、溶液または乳液などの形態をとり得、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤化剤(formulatory agents)を含みうる。
【0084】
非経口投与用の医薬製剤は、水溶性形態にある活性化合物の水溶液を含む。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として製造されうる。適切な親油性溶媒またはビヒクルは、ゴマ油などの脂肪油、もしくはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームを含む。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁液の粘性を増加させる物質を含みうる。任意に、懸濁液は、適切な安定剤または化合物の溶解度を増加させる薬剤も含み得、高濃縮溶液の製造を可能にする。あるいは、活性成分は、使用前に、適切なビヒクル、例えば、無菌パイロジェンフリー水と共に構成用の粉末形態にあってよい。
【0085】
全身投与は、経粘膜的または経皮的方法によってもなされうる。経粘膜的または経皮投与用に、透過しなければならない障壁に対して適切な浸透剤が製剤において用いられる。局所投与用に、薬剤は軟膏剤(ointments)、クリーム剤、軟膏剤(salves)、散剤およびゲル剤に製剤化される。1つの実施態様では、経皮送達剤はDMSOであってよい。経皮送達系は、例えばパッチを含みうる。経粘膜的投与用に、透過しなければならない障壁に対して適切な浸透剤が製剤において用いられる。該浸透剤は、当該技術分野で一般的に周知である。本発明において利用法が見出されうる経皮送達製剤の例は、米国特許第6,589,549号;第6,544,548号;第6,517,864号;第6,512,010号;第6,465,006号;第6,379,696号;第6,312,717号および第6,310,177号に記載されている製剤を含むが、そのそれぞれは参照することによって本明細書に援用される。
【0086】
頬側投与用に、組成物は、通常の様式にて製剤化された錠剤またはトローチ剤の形態をとりうる。
【0087】
前記の製剤に加えて、本発明の化合物はデポー製剤としても製剤化されうる。該長時間作用型製剤は、埋め込み(例えば皮下もしくは筋肉内に)または筋肉内注射によって投与されうる。それゆえ、例えば、化合物は適切なポリマー性もしくは疎水性物質(例えば、許容される油中の乳剤として)もしくはイオン交換樹脂と共に、または難溶性誘導体、例えば難溶性塩として製剤化されうる。
【0088】
医薬組成物は、適切な固体もしくはゲル相担体または賦形剤も含みうる。該担体または該賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーを含み、これらに限定されない。
【0089】
本発明における使用に適切な医薬組成物は、活性成分が治療上の有効量にて含まれる組成物を含む。本発明は、組み合わせの相手として有効量の他の治療薬、特に、抗糖尿病薬、脂質低下/脂質調節薬、糖尿病性合併症の治療薬、抗肥満薬、降圧薬、尿酸降下薬、および慢性心不全、アテローム性動脈硬化症または関連疾患の治療薬などの、SGLT阻害によって影響されうる疾患および症状の治療用に用いられる治療薬と混合した式Iの化合物を含む医薬組成物も意図する。化合物および/または組み合わせの相手の有効量は、当然ながら、治療される対象、苦痛の重症度および投与様式に依存するであろう。有効量の決定は、特に本明細書で提供されている詳細な開示を考慮すれば、十分に当業者の能力の範囲内である。一般的に、化合物の有効量は、最初に低用量または少量を投与し、次いで治療される対象において最小限の副作用のみを伴い、または有毒な副作用を伴わない所望の治療効果が観察されるまで、投与される用量または投与量を徐々に増加させることによって決定される。本発明の投与用の適切な用量および服薬スケジュールを決定する適用可能な方法は、例えば「Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,11thEd.,Brunton,Lazo and Parker,Eds.,McGraw−Hill(2006)」、および「Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21stEd.,Gennaro,Ed.,Lippencott Williams & Wilkins(2003)」に記載されているが、これらは共に参照することによって本明細書に援用される。
【0090】
本発明は、疾患の予防および治療用の式Iの化合物の使用方法をさらに提供する。1つの実施態様では、本発明は、式Iの化合物もしくは化合物の混合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの有効量を、それを必要とする対象へ投与することを含む、1型および2型糖尿病、高血糖、糖尿病性合併症(網膜症、腎障害、神経障害、潰瘍、微小血管障害および大血管障害、痛風ならびに糖尿病性足部疾患など)、インスリン抵抗性、代謝症候群(シンドロームX)、高インスリン血症、高血圧症、高尿酸血症、肥満症、浮腫、脂質異常症、慢性心不全、アテローム性動脈硬化症ならびに関連疾患を治療する方法を提供する。別の実施態様では、本発明は、1型および2型糖尿病、高血糖、糖尿病性合併症、インスリン抵抗性、代謝症候群、高インスリン血症、高血圧症、高尿酸血症、肥満症、浮腫、脂質異常症、慢性心不全、アテローム性動脈硬化症ならびに関連疾患の治療用薬剤の製造用の式Iの化合物もしくは化合物の混合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用方法を提供する。
【0091】
本発明は、他の治療薬、特に、抗糖尿病薬、脂質低下/脂質調節薬、糖尿病性合併症の治療薬、抗肥満薬、降圧薬、尿酸降下薬、および慢性心不全、アテローム性動脈硬化症または関連疾患の治療薬などの上記の疾患および症状の治療用に用いられる治療薬と組み合わせた式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用も意図する。当業者であれば、下記で論じる他の治療薬が複数の治療上の使用方法を有しうること、および1つの特定のカテゴリーにおける薬剤のリストは本発明の化合物との併用療法においてその有効性を限定すると解釈されるべきでは決してないことは理解できるであろう。
【0092】
本発明の化合物と組み合わせた使用に適切な抗糖尿病薬の例は、インスリンおよびインスリン模倣薬、スルホニル尿素(アセトヘキサミド、カルブタミド、クロロプロパミド、グリベンクラミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブリド、グリクロピラミド、トラザミド、トルシクラミド、トルブタミドなど)、インスリン分泌エンハンサー(JTT−608、グリブゾールなど)、ビグアナイド(メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミンなど)、スルホニル尿素/ビグアナイド併用(グリブリド/メトホルミンなど)、メグリチナイド(レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニドなど)、チアゾリジンジオン(ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、イサグリタゾン、ネトグリタゾン、リボグリタゾン、バラグリタゾン、ダルグリタゾン、CLX−0921など)、チアゾリジンジオン/ビグアナイド併用(ピオグリタゾン/メトホルミンなど)、オキサジアゾリジンジオン(YM440など)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)−γアゴニスト(ファルグリタザール、メタグリダセン、MBX−2044、GI262570、GW1929、GW7845など)、PPAR−α/γデュアルアゴニスト(ムラグリタザール、ナベグリタザール、テサグリタザール、ペリグリタザール、JTT−501、GW−409544、GW−501516など)、PPAR−α/γ/δパンアゴニスト(PLX204、GlaxoSmithKline 625019、GlaxoSmithKline 677954など)、レチノイドX受容体アゴニスト(ALRT−268、AGN−4204、MX−6054、AGN−194204、LG−100754、ベキサロテンなど)、αグルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ミグリトールなど)、インスリン受容体チロシンキナーゼの刺激剤(TER−17411、L−783281、KRX−613など)、トリペプチジルペプチダーゼII阻害剤(UCL−1397など)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(シタグリプチン、ビルダグリプチン、デナグリプチン、サクサグリプチン、NVP−DPP728、P93/01、P32/98、FE99901、TS−021、TSL−225、GRC8200、米国特許第6,869,947号;第6,727,261号;第6,710,040号;第6,432,969号;第6,172,081号;第6,011,155号に記載されている化合物など)、タンパク質チロシンホスファターゼ−1B阻害剤(KR61639、IDD−3、PTP−3848、PTP−112、OC−86839、PNU−177496、「Vats,R.K.,et al.,Current Science,Vol.88,No.2,25 January 2005,pp.241−249」に記載されている化合物など)、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤(NN−4201、CP−368296など)、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、フルクトース1,6−ビスホスファターゼ阻害剤(CS−917、MB05032など)、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(AZD−7545など)、イミダゾリン誘導体(BL11282など)、肝糖新生阻害剤(FR−225659など)、D−カイロイノシトール、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3阻害剤(「Vats,R.K.,et al.,Current Science,Vol.88,No.2,25 January 2005,pp.241−249」に記載されている化合物など)、インクレチン模倣薬(エクセナチドなど)、グルカゴン受容体アンタゴニスト(BAY−27−9955、NN−2501、NNC−92−1687など)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、GLP−1類似体(リラグルチド、CJC−1131、AVE−0100など)、GLP−1受容体アゴニスト(AZM−134、LY−315902、GlaxoSmithKline 716155など)、アミリン、アミリン類似体およびアゴニスト(プラムリンチドなど)、脂肪酸結合タンパク質(aP2)阻害剤(米国特許第6,984,645号;第6,919,323号;第6,670,380号;第6,649,622号;第6,548,529号に記載されている化合物など)、β−3アドレナリン作動性受容体アゴニスト(ソラベグロン、CL−316243、L−771047、FR−149175など)、ならびに他のインスリン感受性エンハンサー(レグリキサン、ONO−5816、MBX−102、CRE−1625、FK−614、CLX−0901、CRE−1633、NN−2344、BM−13125、BM−501050、HQL−975、CLX−0900、MBX−668、MBX−675、S−15261、GW−544、AZ−242、LY−510929、AR−H049020、GW−501516など)を含む。
【0093】
本発明の化合物と組み合わせた使用に適切な糖尿病性合併症の治療薬の例は、アルドースレダクターゼ阻害剤(エパルレスタット、イミレスタット、トルレスタット、ミナルレスタット、ポナルレスタット、ゾポルレスタット、フィダレスタット、アスコルビン酸ガモレナート、ADN−138、BAL−ARI8、ZD−5522、ADN−311、GP−1447、IDD−598、リサレスタット、ゼナレスタット、メトソルビニル、AL−1567、M−16209、TAT、AD−5467、AS−3201、NZ−314、SG−210、JTT−811、リンドルレスタット、ソルビニルなど)、終末糖化産物(AGE)形成の阻害剤(ピリドキサミン、OPB−9195、ALT−946、ALT−711、ピマゲジンなど)、AGE破壊剤(ALT−711など)、スロデキシド、5−ヒドロキシ−1−メチルヒダントイン、インスリン様増殖因子−I、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子類似体、上皮増殖因子、神経増殖因子、ウリジン、タンパク質キナーゼC阻害剤(ルボキシスタウリン、ミドスタウリンなど)、ナトリウムチャネルアンタゴニスト(メキシレチン、オキシカルバゼピンなど)、核内因子κB(NF−κB)阻害剤(デクスリポタムなど)、脂質ペルオキシダーゼ阻害剤(メシル酸チリラザドなど)、N−アセチル化−α−結合−酸−ジペプチダーゼ阻害剤(GPI−5232、GPI−5693など)、およびカルニチン誘導体(カルニチン、レバセカミン(levacecamine)、レボカルニチン、ST−261など)を含む。
【0094】
本発明の化合物と組み合わせた使用に適切な尿酸降下薬の例は、尿酸合成阻害剤(アロプリノール、オキシプリノールなど)、尿酸排泄促進薬(プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロンなど)および尿アルカリ化剤(炭酸水素ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウムなど)を含む。
【0095】
本発明の化合物と組み合わせた使用に適切な脂質低下/脂質調節薬の例は、ヒドロキシメチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ阻害剤(アシテメート、アトルバスタチン、ベルバスタチン、カルバスタチン、セリバスタチン、コレストロン、クリルバスタチン、ダルバスタチン、フルバスタチン、グレンバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ニスバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、リトナビル、ロスバスタチン、サキナビル、シンバスタチン、ビサスタチン、SC−45355、SQ−33600、CP−83101、BB−476、L−669262、S−2468、DMP−565、U−20685、BMS−180431、BMY−21950、米国特許第5,753,675号;第5,691,322号;第5,506,219号;第4,686,237号;第4,647,576号;第4,613,610号;第4,499,289号に記載されている化合物など)、フィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、ベザフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート、テオフィブラート、AHL−157など)、PPAR−αアゴニスト(GlaxoSmithKline 590735など)、PPAR−δアゴニスト(GlaxoSmithKline 501516など)、アシル補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤(アバシミベ、エフルシミベ、エルダシミベ、レシミビデ、NTE−122、MCC−147、PD−132301−2、C1−1011、DUP−129、U−73482、U−76807、TS−962、RP−70676、P−06139、CP−113818、RP−73163、FR−129169、FY−038、EAB−309、KY−455、LS−3115、FR−145237、T−2591、J−104127、R−755、FCE−27677、FCE−28654、YIC−C8−434、CI−976、RP−64477、F−1394、CS−505、CL−283546、YM−17E、447C88、YM−750、E−5324、KW−3033、HL−004など)、プロブコール、甲状腺ホルモン受容体アゴニスト(リオチロニン、レボチロキシン、KB−2611、GC−1など)、コレステロール吸収阻害剤(エゼチミベ、SCH48461など)、リポタンパク質関連ホスホリパーゼA2阻害剤(リラプラディブ、ダラプラディブなど)、ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質阻害剤(CP−346086、BMS−201038、米国特許第5,595,872号;第5,739,135号;第5,712,279号;第5,760,246号;第5,827,875号;第5,885,983号;第5,962,440号;第6,197,798号;第6,617,325号;第6,821,967号;第6,878,707号に記載されている化合物など)、低密度リポタンパク質受容体活性化剤(LY295427、MD−700など)、リポキシゲナーゼ阻害剤(WO97/12615、WO97/12613、WO96/38144に記載されている化合物など)、カルニチンパルミトイル−トランスフェラーゼ阻害剤(エトモキシルなど)、スクアレンシンターゼ阻害剤(YM−53601、TAK−475、SDZ−268−198、BMS−188494、A−87049、RPR−101821、ZD−9720、RPR−107393、ER−27856、米国特許第5,712,396号;第4,924,024号;第4,871,721号に記載されている化合物など)、ニコチン酸誘導体(アシピモックス、ニコチン酸、ニコチナミド、ニコモール、ニセリトロール、ニコランジルなど)、胆汁酸金属イオン封鎖剤(コレスチポール、コレスチラミン、コレスチラン、コレセベラム、GT−102−279など)、ナトリウム/胆汁酸共輸送体阻害剤(264W94、S−8921、SD−5613など)、およびコレステロールエステル輸送タンパク質阻害剤(トルセトラピブ、JTT−705、PNU−107368E、SC−795、CP−529414など)を含む。
【0096】
本発明の化合物と組み合わせた使用に適切な抗肥満薬の例は、セロトニン−ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(シブトラミン、ミルナシプラン、ミルタザピン、ベンラファキシン、デュロキセチン、デスベンラファキシンなど)、ノルエピネフリン−ドーパミン再取り込み阻害剤(ラダファキシン、ブプロピオン、アミネプチンなど)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリンなど)、選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(レボキセチン、アトモキセチンなど)、ノルエピネフリン放出刺激剤(ロリプラム、YM−992など)、食欲抑制剤(アンフェタミン、メタンフェタミン、デキストロアンフェタミン、フェンテルミン、ベンズフェタミン、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、ジエチルプロピオン、マジンドール、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェニルプロパノールアミンなど)、ドーパミンアゴニスト(ER−230、ドプレキシン、メシル酸ブロモクリプチンなど)、H−ヒスタミンアンタゴニスト(インペンタミン、チオペラミド、シプロキシファン、クロベンプロピット、GT−2331、GT−2394、A−331440など)、5−HT2c受容体アゴニスト(1−(m−クロロフェニル)ピペラジン(m−CPP)、ミルタザピン、APD−356(ロルカセリン)、SCA−136(バビカセリン)、ORG−12962、ORG−37684、ORG−36262、ORG−8484、Ro−60−175、Ro−60−0332、VER−3323、VER−5593、VER−5384、VER−8775、LY−448100、WAY−161503、WAY−470、WAY−163909、MK−212、BVT.933、YM−348、IL−639、IK−264、ATH−88651、ATHX−105など(例えば、「Nilsson BM,J.Med.Chem.2006,49:4023−4034」を参照のこと))、β−3アドレナリン作動性受容体アゴニスト(L−796568、CGP12177、BRL−28410、SR−58611A、ICI−198157、ZD−2079、BMS−194449、BRL−37344、CP−331679、CP−331648、CP−114271、L−750355、BMS−187413、SR−59062A、BMS−210285、LY−377604、SWR−0342SA、AZ−40140、SB−226552、D−7114、BRL−35135、FR−149175、BRL−26830A、CL−316243、AJ−9677、GW−427353、N−5984、GW−2696など)、コレシストキニンアゴニスト(SR−146131、SSR−125180、BP−3.200、A−71623、A−71378、FPL−15849、GI−248573、GW−7178、GI−181771、GW−7854、GW−5823など)、抗うつ薬/アセチルコリンエステラーゼ阻害剤併用(ベンラファキシン/リバスチグミン、セルトラリン/ガランタミンなど)、リパーゼ阻害剤(オーリスタット、ATL−962など)、抗てんかん剤(トピラメート、ゾニサミドなど)、レプチン、レプチン類似体およびレプチン受容体アゴニスト(LY−355101など)、ニューロペプチドY(NPY)受容体アンタゴニストおよび修飾因子(SR−120819−A、PD−160170、NGD−95−1、BIBP−3226、1229−U−91、CGP−71683、BIBO−3304、CP−671906−01、J−115814など)、毛様体神経栄養因子(アキソキンなど)、甲状腺ホルモン受容体−βアゴニスト(KB−141、GC−1、GC−24、GB98/284425など)、カンナビノイドCB1受容体アンタゴニスト(リモナバンなど)、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト(GlaxoSmithKline 856464、SNAP−7941、T−226296など)、および選択的ムスカリン受容体Mアンタゴニスト(テレンゼピン、ピレンゼピンなど)を含む。
【0097】
本発明の化合物と組み合わせた使用に適切な降圧薬および慢性心不全、アテローム性動脈硬化症または関連疾患の治療薬の例は、ビモクロモル、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリルなど)、ニュートラルエンドペプチダーゼ阻害剤(チオルファン、オマパトリラト、MDL−100240、ファシドトリル、サムパトリラト、GW−660511、ミキサンプリル、SA−7060、E−4030、SLV−306、エカドトリルなど)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(カンデサルタンシレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタンメドキソミル、テルミサルタン、バルサルタン、タソサルタン、エノールタソサルタンなど)、エンドセリン変換酵素阻害剤(CGS35066、CGS26303、CGS−31447、SM−19712など)、エンドセリン受容体アンタゴニスト(トラクリア、シタクスセンタン、アンブリセンタン、L−749805、TBC−3214、BMS−182874、BQ−610、TA−0201、SB−215355、PD−180988、BMS−193884、ダルセンタン、TBC−3711、ボセンタン、テゾセンタン、J−104132、YM−598、S−0139、SB−234551、RPR−118031A、ATZ−1993、RO−61−1790、ABT−546、エンラセンタン、BMS−207940など)、利尿剤(ヒドロクロロチアジド、ベンドロフルメチアジド、トリクロルメチアジド、インダパミド、メトラゾン、フロセミド、ブメタニド、トルセミド、クロルサリドン、メトラゾン、シクロペンチアジド、ヒドロフルメチアジド、トリパミド、メフルシド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、メチクロチアジド、アゾセミド、エタクリン酸、トラセミド、ピレタニド、メチクラン、カンレノ酸カリウム、スピロノラクトン、トリアムテレン、アミノフィリン、シクレタニン、LLU−α、PNU−80873A、イソソルビド、D−マンニトール、D−ソルビトール、フルクトース、グリセリン、アセタゾラミド、メタゾラミド、FR−179544、OPC−31260、リキシバプタン、コニバプタンなど)、カルシウムチャネルアンタゴニスト(アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ベラパミル、S−ベラパミル、アラニジピン、エフォニジピン、バルニジピン、ベニジピン、マニジピン、シルニジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、フェロジピン、プラニジピン、レルカニジピン、イスラジピン、エルゴジピン、アゼルニジピン、ラシジピン、バタニジピン、レミルジピン、ジルチアゼム、クレンチアゼム、ファスジル、ベプリジル、ガロパミルなど)、血管拡張性降圧薬(インダパミド、トドララジン、ヒドララジン、カドララジン、ブドララジンなど)、β遮断薬(アセブトロール、ビソプロロール、エスモロール、プロパノロール、アテノロール、ラベタロール、カルベジロール、メトプロロールなど)、交感神経抑制薬(アモスラロール、テラゾシン、ブナゾシン、プラゾシン、ドキサゾシン、プロプラノロール、アテノロール、メトプロロール、カルベジロール、ニプラジロール、セリプロロール、ネビボロール、ベタキソロール、ピンドロール、テルタトロール、ベバントロール、チモロール、カルテオロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ニプラジロール、ペンブトロール、アセブトロール、チリソロール、ナドロール、ウラピジル、インドラミンなど)、α−2−アドレナリン受容体アゴニスト(クロニジン、メチルドパ、CHF−1035、グアナベンズ酢酸塩、グアンファシン、モクソニジン、ロフェキシジン、タリペキソールなど)、中枢作用性降圧薬(レセルピンなど)、血小板凝集阻害剤(ワルファリン、ジクマロール、フェンプロクモン、アセノクマロール、アニシンジオン、フェニンジオン、キシメラガトランなど)、および抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン、ジピリダモール、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、サルポグレラート、ジラゼプ、トラピジル、ベラプロストなど)を含む。
【0098】
さらに、別の態様では、本発明は、式Iの化合物もしくは化合物の混合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの有効量、および組み合わせの相手として上記の治療薬の群から選択される少なくとも1つのメンバーを医薬的に許容される担体中に含む医薬組成物を提供する。
【0099】
本発明の治療薬は、疾患もしくは状態(高血糖など)の発症もしくは進行を予防もしくは遅延させるために予防的に投与され得、または長時間にわたって所望の効果(血清グルコースの所望のレベルなど)を達成するために治療的に投与されうる。
【0100】
本発明の化合物は、独立にまたは組み合わせの相手と共に、その医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの形態にて、または化合物および/もしくは組み合わせの相手が治療上の有効量にて適切な担体または賦形剤と混合されている医薬組成物の形態にてヒト患者、家畜、例えばネコまたはイヌなどの対象へ投与されうる。結果的に、式Iの化合物もしくは化合物の混合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグ、およびそれと共に組み合わせられる付加的な活性薬剤は、単一製剤、例えばカプセル剤もしくは錠剤にて、または同一もしくは異なっていてよい2つに分離した製剤、例えば、各薬剤の選択された用量数を含むキットの形態にて存在しうる。
【0101】
化合物の適切な投与量は、選択される投与経路および組成物の製剤、特に患者反応などの要因に従って変動するであろう。個々の患者が要求すれば、投与量は長期間にわたって増加または減少させてよい。患者は最初に低用量を与えられ得、次いで患者が耐えられる有効投与量まで用量を増加させうる。典型的には、成人用に有効な投与量は、経口経路によって投与される場合は1〜2000mg、好ましくは1〜200mgであってよく、静脈内経路によって投与される場合は0.1〜100mg、好ましくは1〜30mgであってよく、各場合において投与は1日当たり1〜4回である。本発明の化合物が別の治療薬と組み合わせて投与される場合、組み合わせの相手の有効な投与量は通常推奨用量の20%〜100%であってよい。
【0102】
投与量および投与間隔は、治療効果を維持するのに十分な活性化合物の血漿レベルを提供するように個々に調整されうる。好ましくは、治療上効果的な血清レベルは1日1回の投与によって達成されるであろうが、有効な1日複数回の投与スケジュールも本発明に含まれる。局所投与または選択的取り込みの場合、薬物の効果的な局所濃度は血漿濃度と関連していなくてもよい。当業者であれば、必要以上の実験をすることなく治療上効果的な局所投与量を最適化することができるであろう。
【0103】
本明細書内で引用される全出版物および特許出願は、参照することによって本明細書に援用されるが、これは個々の出版物または特許出願が参照することによって援用されることを具体的かつ個々に示すことによってなされる。本明細書で引用される任意の参考文献と本明細書の教示の間の任意の矛盾は、後者を支持することにより解決される。同様に、当該技術分野において認識されている単語または語句の定義と、本明細書内で提供されている単語または語句の定義の間の任意の矛盾は、後者を支持することにより解決される。前述の発明は、明確に理解する目的のために図面および実施例によって多少詳しく記載されているが、当業者であれば、本発明の教示を考慮して、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく特定の変化および修飾がそれになされうることを容易に理解できるであろう。本発明は、具体的な実施例によってより詳細に記載されるであろう。
【実施例】
【0104】
実施例
下記の実施例は、説明の目的のために提供され、いかなる方法によっても本発明を限定する意図はない。当業者であれば、さまざまな重要ではないパラメータに変化または修飾がなされ得、本質的に同一の結果を生じることを容易に認識するであろう。
【0105】
下記の実施例で示す化合物の名称は、ChemDraw Ultra version 10.0にて実行したCambridgeSoft社製のStruct=Nameアルゴリズムを用いて表示した構造から得た。特に示さない限り、下記の実施例にて合成された化合物の構造は、次の手順を用いて確認した:
【0106】
(1)エレクトロスプレーイオン化ガスクロマトグラフィー質量スペクトル(MS ESI)は、HP−5MSカラム(0.25μmコーティング;30m x0.25mm)付きのAgilent 6890ガスクロマトグラフを備えたAgilent 5973N質量分析計で得られた。イオン源は230℃に維持し、25〜500amuの範囲で3.09秒/スキャンでスペクトルをスキャンした。
【0107】
(2)高圧液体クロマトグラフィー質量スペクトル(LC−MS)は、4成分ポンプ(quaternary pump)、254nmに設定した可変波長検出器、XB−C18カラム(4.6x50mm、5μm)、およびエレクトロスプレーイオン化Finnigan LCQイオントラップ質量分析計を備えたFinnigan Surveyor HPLCを用いて得られた。イオン源内のイオン数に従う可変イオン時間を用いて、スペクトルを80〜2000amuの範囲でスキャンした。溶出液はB:アセトニトリルおよびD:水であった。流速1.0mL/分にて8分間かけて10%Bから90%へのグラジエント溶出を行い、最終的に90%Bで7分間保持する。全実施時間は15分である。
【0108】
(3)所定の1次元NMR分光法を、400MHzまたは300MHzのVarian Mercury−Plus分光計で実施した。試料をQingdao Tenglong Weibo Technology Co.,Ltd.から入手した重水素化溶媒中に溶解し、5mm ID NMRチューブへ移した。スペクトルは293Kで得た。Hスペクトルについて、化学シフトはppmスケールで記録し、DMSO−d6は2.49ppm、CDCNは1.93ppm、CDODは3.30ppm、CDClは5.32ppm、およびCDClは7.26ppmなど、適切な溶媒シグナルを基準とした。
【0109】
実施例1
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体(1D)の調製
【化6】

【0110】
実施例1A
(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−エトキシフェニル)メタノンの調製
【化7】

【0111】
N,N−ジメチルホルムアミド(9mL)を、5−ブロモ−2−クロロ安息香酸(1500g、6.41mol)および塩化オキサリル(975g、7.69mol)のジクロロメタン(2.8L)を含有する5Lの4−首フラスコ中懸濁液に室温にて加えた。ガスの激しい発生が止まると、反応物を10時間室温にて撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、黄色残渣を得た。残渣をジクロロメタン(1.2L)中に、内部温度計および水コンデンサを備えた5Lの4−首フラスコにおいて溶解した。撹拌混合物を−3℃に冷却し、フェネトール(799g、6.54mol)を加えた。塩化アルミニウム(III)(973g、6.54mol)を、固体滴下漏斗を用いて、1時間にわたって上記溶液に加え、その間内部温度を4℃以下に保持した。添加を完了した後、反応混合物を2時間5〜10℃で撹拌した。反応物を氷(10kg)に注いだ。混合物をさらに4℃で1時間撹拌し、水(3L)で希釈し、50Lの抽出漏斗に移し、ジクロロメタン(10Lの×2)で抽出した。合した有機層を、1NのHCl(7.5Lの×2)、水(10L)、1N水酸化ナトリウム(7.5Lの×2)、ブライン(10Lの×2)で洗浄し、硫酸ナトリウム(1000g)で乾燥し、濃縮した。残渣を、無水エタノール(3.5L)で再結晶して、標題化合物を白色固体として得た(1.450kg、収率67%、HPLC純度>99%)。H NMR(CDCl,400MHz):δ7.77(d,J=9Hz,2H),7.49〜7.53(m,1H),7.47(d,J=2.1Hz,1H),7.30(d,J=9Hz,1H),6.90(d,J=9Hz,2H),4.10(q,J=7.2Hz,2H),1.43(t,J=7.2Hz,3H)
【0112】
実施例1B
4−ブロモ−1−クロロ−2−(4−エトキシベンジル)ベンゼンの調製
【化8】

【0113】
実施例1A(1.440kg、4.26mol)の無水THF(7.2L)中撹拌溶液に、窒素雰囲気下で、ボロヒドリドナトリウム(161g、4.26mol)を、10〜15℃で加えた。30分撹拌した後、混合物を−5〜0℃に冷却し、塩化アルミニウム(III)(1136g、8.52mol)を、反応混合物に2時間にわたって注意深く加えた。添加後、反応混合物を0〜5℃で3時間撹拌した。反応混合物を15時間還流した(65〜70℃)。反応物を濃縮し、水(5kg)を窒素雰囲気下で3〜4時間にわたって加え、内部温度を40℃を超えないようにした。反応混合物を3時間0〜5℃で撹拌した。沈殿物をろ過し、水(1.5L)で洗浄した。ついで、粗生成物を7.2Lの無水エタノール中に50〜55℃で溶解した。溶液を、ゆっくりと25℃に3時間、10時間10〜15℃に、2時間0〜5℃に冷却した。スラリーをろ過し、固体を冷エタノール(500mL)で洗浄し、減圧下35℃で乾燥して、粗生成物を得た。この生成物を無水エタノール(5L)から1回以上再結晶し、減圧下35℃で乾燥して、所望の生成物を得た(1.310kg、収率94%;HPLC純度>99%)。H NMR(CDCl,400MHz):δ7.21〜7.29(m,3H),7.11(d,J=8.8Hz,2H,),6.85(d,J=8.8Hz,2H,),3.99〜4.07(m,4H),1.43(t,J=7.2Hz,3H)
【0114】
実施例1C
(2S,3R,4S,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオールの調製
【化9】

【0115】
実施例1B(200g、0.614mol)の無水トルエン/THF(1.2L、2:1(v/v))中溶液に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M、295mL)を、−65℃で滴下した。反応物を−65℃で30分間撹拌した。ついで、混合物を、カニューレにより、(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(トリメチルシリルオキシ)−6−((トリメチルシリルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン)(373g、0.798mol)のトルエン(1.2Lの)中溶液に−65℃で加えた。混合物を−65℃で、出発物質が消費されるまで撹拌した(2時間)。反応物を塩酸(36〜38%、113mL、1.35mol)のメタノール(800mL)中溶液でクエンチし、室温にて一晩撹拌した。反応物を飽和炭酸水素ナトリウムでpH7.5に中和して、有機相を分離し、水相を酢酸エチル(2×3.0L)で抽出した。合した有機層をブライン(2×2.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を熱トルエン(600mL)中に溶解し、n−ヘキサン(2.0L)に激しく撹拌しながら注いだ。1時間撹拌した後、混合物をろ過し、ろ過ケークを減圧下で乾燥して、所望の生成物を白色固体として得た。この固体をさらに精製することなく次の工程に用いた。MSESI(m/z)439[M+1]
【0116】
実施例1D
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体の調製
【化10】

【0117】
実施例1C(282g、0.643mol)を、無水アセトニトリル/ジクロロメタン(3.4L、1:1(v/v))中に−45℃で溶解し、トリエチルシラン(299g、2.57mol)、ついで、三フッ化ホウ素エーテル(245mL、1.93mol)を加えた。添加後、混合物をさらに2時間−10℃で撹拌した。反応物を、飽和重炭酸でpH7.5に中和した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(2×3.0L)で抽出した。合した有機層をブライン(2×2.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、粗生成物を白色固体として得た(250g)。純度(HPLC):82.8%(UV)
【0118】
5Lの4−首フラスコに、上記粗生成物(203g、82%純度)、ついで、L−プロリン(114g、0.995mol)、エタノール(1.46L)および水(162mL)を加えた。混合物を30分間機械的に撹拌しながら加熱還流した。n−ヘキサン(200mL)を上記溶液に滴下した。添加を完了した後、反応物をゆっくりと室温に冷却し、ついで、さらに−5℃に冷却した。−5℃で3時間撹拌した後、混合物をろ過し、ろ過ケークを冷エタノール/水(90:10(v/v)、2×100mL)およびn−ヘキサン(2×500mL)で洗浄し、減圧下65℃で乾燥して、所望の生成物を白色固体として得た(186g)。この粗生成物(140g)の一部をエタノール/水(90:10(v/v)、700mL)中に75℃で機械的に撹拌しながら溶解した。溶液が透明になった後、ゆっくりと室温に冷却し、さらに5時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケークを冷エタノール(2×50mL)、n−ヘキサン(2×100mL)で洗浄し、減圧下65℃で乾燥して、所望の生成物を白色固体として得た(130g、収率66%)。純度(HPLC)99.5%(UV);H NMR(CDOD,400MHz):δ7.34〜7.25(m,3H),7.08(d,J=8.8Hz,2H),6.78(d,J=8.8Hz,2H),4.10(d,J=9.2Hz,1H),4.06〜3.95(m,6H),3.88〜3.85(m,1H),3.72〜3.68(m,1H),3.47〜3.37(m,5H),3.32〜3.20(m,3H),2.33〜2.26(m,2H),2.16〜2.08(m,2H),2.01〜1.95(m,4H),1.35(t,J=7.2Hz,3H);MSESI(m/z):409[M+1]
【0119】
実施例2
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオールの調製
【化11】

【0120】
実施例1D(23.0g、45.6mmol)の酢酸エチル(230mL)および水(230mL)中懸濁液を、80℃に、溶液が透明になるまで加熱した。溶液を分離漏斗にすぐに移した。酢酸エチル層を分離した。水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、所望の生成物を白色固体として得た(14g、収率95%)。純度(HPLC)、99.1%(UV);H NMR(CDOD,400MHz):δ7.34〜7.25(m,3H),7.08(d,J=8.8Hz,2H),6.78(d,J=8.8Hz,2H),4.10(d,J=9.2Hz,1H),4.06〜3.95(m,4H),3.88〜3.85(m,1H),3.69〜3.65(m,1H),3.47〜3.37(m,3H),3.27(m,1H),1.35(t,J=7.2Hz,3H);MSESI(m/z):409[M+1]
【0121】
実施例3
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−メトキシベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体(3B)の調製
【化12】

【0122】
実施例3A
(2S,3R,4S,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−メトキシベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオールの調製
【化13】

【0123】
n−BuLiの冷(−78℃)溶液(124mL、ヘキサン中2.5M、0.310mol)を、アルゴン雰囲気下で、4−ブロモ−1−クロロ−2−(4−メトキシベンジル)ベンゼン(80g、0.258mol)の乾燥THF/トルエン(1:2(v/v)、480mL)中の−78℃に冷却した溶液に、反応温度を−70℃以下に保持する速度で滴下した。添加後、混合物を40分間撹拌し、ついで、カニューレで、予め−78℃に冷却した(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(トリメチルシリルオキシ)−6−((トリメチルシリルオキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン(157g、0.335mol)のトルエン(480mL)中溶液に、内部温度を−70℃に保持する速度で加えた。混合物を−78℃で、出発物質が消費されるまで3時間撹拌し、ゆっくりと塩酸(36〜38%、47.3mL、0.567mol)のメタノール(320mL)中溶液で、内部温度を−45℃以下に保持しながらクエンチした。反応混合物をゆっくりと室温に加温し、一晩撹拌した。混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH7.5に中和した。有機層を分離し、水相を酢酸エチル(2×1.0L)で抽出した。合した有機層をブライン(2×1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を減圧下40℃で乾燥して、粗生成物を灰白色固体(111g)として得、さらに精製することなく次の工程に用いた。純度(HPLC)66%(UV);MSESI(m/z)425[M+1]
【0124】
実施例3B
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−メトキシベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体の調製
【化14】

【0125】
実施例3A(111g、0.262mol)の無水アセトニトリル/ジクロロメタン(1:1(v/v)、1.32L)中撹拌溶液に、リエチルシラン(122g、1.05mol)を−45℃で加え、ついで、三フッ化ホウ素エーテル(100mL、0.785mol)を加えた。混合物を−10℃で2時間撹拌した。反応物を、飽和重炭酸水溶液でpH7.5に中和した。揮発性物質を減圧下で除去し、酢酸エチルで抽出した(2×1.0L)。合した有機層をブライン(2×1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、粗生成物を白色固体として得た(110g)。純度(LC−MS)2.6分、76.5%(UV)
【0126】
5Lの4−首フラスコ中の、上記粗生成物(110g、純度76.5%)およびL−プロリン(64.2g、0.558mol)のエタノール(836mL)および水(44mL)中懸濁液を、30分間、機械的に撹拌しながら還流し、n−ヘキサン(1.2L)を滴下した。添加後、溶液をゆっくりと室温に冷却し、ついで、5℃に冷却した。3時間5℃で撹拌した後、混合物をろ過し、ろ過ケークをn−ヘキサン(2×300mL)で洗浄し、減圧下65℃で乾燥して、複合体を白色固体として得た(110g)。粗生成物を再び95%エタノール(330mL)で、実施例1と同様に再結晶して、所望の生成物を得た(75g、収率52.5%)。純度(HPLC)99.5%(UV);H NMR(CDOD,400MHz):δ7.34〜7.25(m,3H),7.08(d,J=8.4Hz,2H),6.79(d,J=8.4Hz,2H),4.10(d,J=9.6Hz,1H),4.05〜3.97(m,4H),3.88(d,J=11.2Hz,1H),3.76(s,3H),3.73〜3.69(m,1H),3.49〜3.37(m,5H),3.32〜3.21(m,3H),2.36〜2.27(m,2H),2.17〜2.08(m,2H),2.01〜1.95(m,4H);MSESI(m/z):395[M+1]
【0127】
実施例4
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−シクロプロピルベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体の調製
【化15】

【0128】
実施例4A
(2,2−ジブロモシクロプロピル)ベンゼンの調製
【化16】

1リットルの3−首フラスコにおいて、ブロモホルム(312g、1.23mol)を、120分にわたって、スチレン(100g、0.96mol)、ベンジルトリエチル塩化アンモニウム(7g、0.031mol)および粉末水酸化カリウム(80.6g、1.44mol)のジクロロメタン(480mL)中撹拌溶液に、40℃で加えた。混合物を25℃で20時間撹拌した。反応混合物を、シリカのショートプラグでろ過し、濾液を濃縮した。暗色残渣を80℃減圧下(約50Pa)で蒸留して、所望の生成物を淡黄色液体として得た(233g、収率88%、純度98%、HPLC(UV))。H NMR(CDCl,400MHz):δ7.38〜7.42(m,3H),7.29〜7.31(m,2H),2.98−〜3.03(m,1H),2.15−〜2.20(m,1H),2.04−〜2.08(m,1H)
【0129】
実施例4B
(5−ブロモ−2−クロロフェニル)(4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)フェニル)メタノンの調製
【化17】

【0130】
DMF(0.5mL)を、5−ブロモ−2−クロロ安息香酸(60g、0.255mol)および塩化オキサリル(38.7g、0.305mol)のジクロロメタン(240mL)中撹拌溶液に室温にて加えた。混合物を、室温にて20時間撹拌し、ついで、濃縮して、淡黄色油を得た。この油および実施例4A(63g、0.228mol)のジクロロメタン(300mL)中0℃に冷却した混合物に、三塩化アルミニウム(43.2g、0.324mol)を約1時間にわたって加えた。反応混合物を室温に加温し、3時間撹拌した。水(150mL)を加えて反応をクエンチした。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した(600mL)。合した有機相を、水(2×300mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、所望の生成物を黄色油として得(104g、収率92.9%)、これを直接次の工程に用いた。H NMR(CDCl,400MHz):δ7.70〜7.95(m,2H),7.45〜7.53(m,2H),7.19〜7.37(m,3H),2.98−〜3.03(m,1H),2.15−〜2.20(m,1H),2.04−〜2.08(m,1H)
【0131】
実施例4C
4−ブロモ−1−クロロ−2−(4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)ベンジル)ベンゼンの調製
【化18】

【0132】
トリフルオロメタンスルホン酸(0.5g、0.0033mol)を、水浴で30℃に冷却した実施例4B(104g、0.211mol)およびトリエチルシラン(66.8g、0.574mol)のトリフルオロ酢酸(300mL)中撹拌溶液にゆっくりと加えた。反応を還流した。0.5時間後、水浴を油浴に置き換えた。反応混合物を3時間加熱還流した。室温に冷却した後、反応混合物をさらに1時間撹拌した。固体をろ過し、ヘキサン(100mL)で洗浄し、減圧下30℃で乾燥して、所望の生成物を淡灰色固体として得た(86.4g、収率85%)。H NMR(CDCl,400MHz):δ7.28〜7.34(m,3H),7.18〜7.25(m,4H),4.08(s,1H),2.93−〜2.98(m,1H),2.13−〜2.17(m,1H),2.00−〜2.03(m,1H)
【0133】
実施例4D
4−ブロモ−1−クロロ−2−(4−シクロプロピルベンジル)ベンゼンの調製
【化19】

【0134】
亜鉛ダスト(4.8g、0.073mol)および塩化アンモニウム(5.3g、0.1mol)を、実施例4C(4.79g、0.01mol)のエタノール(20mL)中撹拌溶液に加えた。混合物を70℃に20時間加熱した。反応混合物をろ過し、固体を酢酸エチルで洗浄した(30mL)。濾液を濃縮して、淡黄色油を得た。残渣を酢酸エチル(30mL)中に溶解し、これを水(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、濃縮して、淡黄色油(3.0g)を得た。メタノール(50mL)およびヘキサン(5mL)中の油を、1時間加熱還流した。混合物を−30℃に冷却し、沈殿物をろ過し、固体を減圧下で乾燥して、所望の生成物を白色固体として得た(1.2g、収率32.5%、純度92.0%、LC−MS)。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.47−7.44(m,1H),7.24−7.21(m,2H),7.18(d,J=8.4Hz,2H),7.09(d,J=8.4Hz,2H),4.15(s,2H),1.99−1.92(m,1H),1.04−1.00(m,2H),0.78−0.74(m,2H)
【0135】
実施例4E
(3R,4S,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−シクロプロピルベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオールの調製
【化20】

【0136】
−78℃に冷却したn−BuLi溶液(2.5M、ヘキサン、163mL、0.408mol)を、アルゴン雰囲気下で、4−ブロモ−1−クロロ−2−((4−シクロプロピルフェニル)メチル)ベンゼン(100g、0.340mol)の無水THF/トルエン(1:2(v/v)、660mL)中溶液に、−78℃で、内部温度を−70℃に保持する速度で加えた。ついで、混合物を、添加後さらに40分間撹拌した。反応混合物を、カニューレで、(3R,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス−(トリメチルシリルオキシ)−6−((トリメチルシリルオキシ)メチル)−テトラヒドロピラン−2−オン(206g、0.442mol)のトルエン(660mL)中撹拌溶液に、−78℃で、内部温度を−70℃以下に保持する速度で加えた。ついで、反応混合物を−78℃で3時間、出発物質が消費されるまで撹拌し、ついで、反応温度が−45℃を超えないように、塩酸(36〜38%、62.3mL、0.747mol)のメタノール(440mL)中溶液でゆっくりとクエンチした。反応混合物を、徐々に室温にまで加温し、一晩撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH7.5に中和した。有機層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した(2×1.2L)。合した有機層をブライン(2×1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。ついで、残渣を熱トルエン(200mL)に溶解し、n−ヘキサン(2.0L)を撹拌しながら注いだ。混合物をさらに1時間撹拌し、ろ過した。固体を減圧下で乾燥して粗生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
【0137】
実施例4F
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−シクロプロピルベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体の調製
【化21】

【0138】
実施例4A(118g、0.270mol)の無水アセトニトリル/ジクロロメタン(1:1(v/v)、1.42L)中撹拌溶液に、トリエチルシラン(126g、1.08mol)を、−45℃で加え、ついで、三フッ化ホウ素エーテル(103mL、0.812mol)を加えた。混合物を−10℃で2時間撹拌し、ついで、飽和重炭酸水溶液でpH7.5に中和した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した(2×1.5L)。合した有機層をブライン(2×1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、粗生成物を白色固体として得た。5Lの4首フラスコ中の、上記の粗生成物(105g)およびL−プロリン(59.5g、0.517mol)のエタノール(798mL)および水(42mL)中懸濁液を、30分間、機械的に撹拌しながら還流した。n−ヘプタン(1.05L)を上記の熱溶液に滴下した。添加後、混合物をゆっくりと室温に冷却し、さらに5時間撹拌した。ついで、反応混合物をろ過し、ろ過ケークを、n−ヘプタン(2×300mL)で洗浄し、減圧下55℃で乾燥して、粗複合体を白色固体として得た。この試料を95%エタノール(354mL)中で撹拌し、75℃に、透明溶液が形成されるまで加熱し、これにn−ヘプタン(590mL)を滴下した。混合物をゆっくりと室温に冷却し、撹拌をさらに5時間続けた。反応混合物をろ過し、ろ過ケークをn−ヘプタン(2×200mL)で洗浄し、減圧下65℃で乾燥して、複合体を白色固体として得た(105g)。この固体を95%エタノールで、実施例1に記載の方法と同様に再結晶して、純粋な所望の生成物を得た。
【0139】
実施例5
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−シクロプロポキシエトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体(5F)の調製
【化22】

【0140】
実施例5A
2−シクロプロポキシエタノールの調製
【化23】

【0141】
Mg粉末(86.7g、3.6mol)およびヨウ素(触媒)の無水THF(0.7L)中懸濁液に、ゆっくりと、1,2−ジブロモエタン(460g、2.4mol)の無水THF(2L)中溶液を、内部温度を40−55℃に保持しながら加えた。添加後、2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジオキソラン(100g、0.56mol)の無水THF(750mL)中溶液を滴下した。反応混合物を、40〜55℃で16時間保持し、塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチした。混合物を塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、標題生成物(27g)を黄色油として得、これをさらに精製することなく直接用いた。
【0142】
実施例5B
2−シクロプロポキシエチル4−メチルベンゼンスルホネートの調製
【化24】

【0143】
水酸化ナトリウム(32g、0.8mol)の水(180mL)およびTHF(180mL)中撹拌溶液に、実施例5A(27g、0.26mol)を−5〜0℃で加えた。その後、p−トルエンスルホニルクロライド(52g、0.27mol)をTHF(360mL)中に滴下した。反応混合物を−5〜0℃に16時間保持した。ついで、反応混合物を室温にて30分間保持した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(2×1.0L)。合した有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、粗生成物を黄色油として得た(53.3g)。さらに精製することなく直接用いた。
【0144】
実施例5C
4−(5−ブロモ−2−クロロベンジル)フェノールの調製
【化25】

【0145】
実施例1B(747g、2.31mol)のジクロロメタン中撹拌溶液に、三臭化ホウ素(1.15kg、4.62mol)をゆっくりと−78℃で加えた。反応混合物を室温に加温した。TLCにより、反応の完了を確認し、反応を水でクエンチした。混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残渣を、石油エーテルで再結晶して、標題化合物を白色固体として得た(460g、収率68%)。H NMR(CDCl,400MHz):δ7.23〜7.29(m,3H),7.08(d,J=8.8Hz,2H),6.79(d,J=8.8Hz,2H),5.01(s,1H),4.00(s,2H)
【0146】
実施例5D
4−ブロモ−1−クロロ−2−(4−(2−シクロプロポキシエトキシ)ベンジル)ベンゼンの調製
【化26】

【0147】
実施例5C(56.7g、210mmol)およびCsCO(135g、420mmol)のDMF(350mL)中混合物を、室温にて0.5時間撹拌した。実施例5B(53.3g、210mmol)を加えた。反応混合物を室温にて一晩撹拌した。これを水(3L)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残渣を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル(10:1)で溶出)により精製して、標題化合物を流体として得た(51g、収率64%)。H NMR(CDCl,400MHz):δ7.22〜7.29(m,3H),7.08(d,J=8.8Hz,2H),6.88(d,J=8.8Hz,2H),4.10(t,J=4.8Hz,2H),3.86(t,J=4.8Hz,2H),3.38−3.32(m,1H),0.62−0.66(m,2H),0.49−0.52(m,2H)
【0148】
実施例5E
(2S,3R,4S,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−シクロプロポキシエトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオールの調製
【化27】

【0149】
実施例5D(213g)の無水THF/トルエン(1:2(v/v)、1.7L)中撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、n−BuLi(2.5Mヘキサン、245.9mL)を、−60±5℃で滴下した。混合物を30分間撹拌し、ついで、2,3,4,6−テトラ−O−トリメチルシリル−β−D−グルコラクトン(310.5g)のトルエン(1.6L)中撹拌溶液に、−60±5℃で移した。反応混合物を、−60±5℃で1時間撹拌し続け、ついで、飽和塩化アンモニウム(1.5L)でクエンチした。ついで、混合物を室温に加温し、1時間撹拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(3×500mL)。合した有機層をブライン(1L)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残渣をメタノール(450mL)中に溶解し、メタンスルホン酸(9.2mL)を0℃で加えた。溶液を室温に加温し、20時間撹拌した。これを炭酸水素ナトリウム(50g)の水(500mL)中溶液でクエンチし、ついで、さらに水(900mL)を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した(3×1.0L)。合した有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮し、さらに精製することなく次の工程に直接用いた。
【0150】
実施例5F
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−シクロプロポキシエトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体の調製
【化28】

【0151】
実施例5EのCHCl/CHCN(650mL:650mL)中撹拌溶液に、−5℃で、トリエチルシラン(28.2mL、563mmol)を、ついで、BF・EtO(52.3mL、418.9mmol)を加えた。反応物を16時間撹拌し、その間温度を室温にゆっくりと加温した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8.0にしてクエンチした。揮発性有機物を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(2.25L)および水(2.25L)間で分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、粗生成物(230g、純度82.3%)を得た。この生成物およびL−プロリン(113.7g)のEtOH/HO(15:1v/v、2.09L)中溶液を、80℃で1時間撹拌し、透明な溶液を得た。ヘキサン(3.0L)を、上記熱溶液に、50分にわたって滴下し、温度を約60℃に保持した。反応混合物を一晩室温にて撹拌した。固体をろ過し、EtOH/HO(15:1(v/v)、2×300mL)、ヘキサン(2×900mL)で洗浄し、減圧下45℃で10時間乾燥して、純粋な標題化合物を白色固体として得た(209g)。純度(HPLC)99.2%(UV).H NMR(CDOD,400MHz):δ7.25〜7.34(m,3H),7.11(d,J=8.8Hz,2H),6.84(d,J=8.8Hz,2H),4.03−4.11(m,5H),3.96−4.00(m,2H),3.83−3.90(m,3H),3.68−3.72(m,1H),3.36−3.46(m,6H),3.21−3.30(m,3H),2.26−2.34(m,2H),2.08−2.17(m,2H),1.94−2.02(m,4H),0.56−0.57(m,2H),0.52−0.53(m,2H)
【0152】
実施例6
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−シクロプロポキシエトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール
【化29】

【0153】
実施例5F(40g、純度99.8%)の水(400mL)中溶液を撹拌し、60℃で1時間加熱した。酢酸エチル(1.0L)を60℃で1時間にわたって滴下した。混合物をさらに1時間撹拌した。冷却した後、有機層を分離し、水(3×)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、標題化合物をガラス質固体として得た(24.0g、純度99.8%)。H NMR(CDOD,400MHz):δ7.25−7.34(m,3H),7.11(d,J=8.8Hz,2H),6.84(d,J=8.8Hz,2H),4.03−4.11(m,5H),3.83−3.90(m,3H),3.68−3.72(m,1H),3.36〜3.46(m,4H),3.21−3.30(m,3H),0.56−0.57(m,2H),0.52−0.53(m,2H)
【0154】
実施例7
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−シクロプロポキシエトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体(実施例5F)の結晶性複合体を、CuKα1放射線を用いる粉末X線回折により解析した。回折パターンを図2に示し、表1に要約する(2θで30°までのピークのみ記載した)。複合体の融点を、示唆走査熱量測定(DSC)により、151±1℃と測定した(開始温度として評価した;50℃から200℃まで10℃/分で加熱した)。DSCスペクトルを図3に示す。
【化30】

【0155】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中:
下付きのnは1または2であり;
AおよびBで示される環は、各々独立して、ベンゼン、ナフタレン、ピラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インドール、インダゾール、トリアゾロピリジン、トリアゾロピリミジン、プリン、キノリン、イソキノリン、シノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,5−ナフチリジン、1,6−ナフチリジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフランおよびベンゾチアゾールからなる群から選択される、芳香環またはヘテロ芳香環または縮合環系であり;
、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−Cアルキルオキシ、C−C10シクロアルキルオキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される基であり、ここに、アルキルおよびシクロアルキル基または部分は、フッ素によりモノ−またはポリ置換されていてもよく、あるいは1つまたはそれ以上のR、RおよびRは存在しなくてもよく;
およびRが、2つの隣接するC原子に結合している場合、RおよびRは、一緒に結合して、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレンまたはブタジエニレンブリッジを形成してもよく、これらは、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−CアルコキシおよびC−Cアルキルから選択される同じまたは別個の置換基により一または二置換されていてもよく、ここに、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよく;
、RおよびRは、各々独立して、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−CアルキルオキシおよびC−C10シクロアルキルオキシからなる群から選択される基であり、アルキルおよびシクロアルキル基または部分は、フッ素によりモノ−またはポリ置換されていてもよく、あるいは、1個またはそれ以上のR、RおよびRは存在しなくてもよく、
およびRが、2つの隣接するC原子に結合している場合、RおよびRは、一緒に結合して、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレンまたはブタジエニレンブリッジを形成してもよく、これらは、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−CアルコキシおよびC−Cアルキルからなる群から選択される同じまたは別個の置換基により一または二置換されていてもよく、ここに、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよく;
およびRの1つは−V−W−X−Yであってもよく、ここに
Vは、酸素;硫黄;SO;SO;および単結合からなる群から選択される基であり;
Wは、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、C−Cアルキニレン、C−C10シクロアルキレン、C−C10シクロアルケニレンおよび(C−C10シクロアルキレン)(C−Cアルキレン)からなる群から選択される基であり、ここに、C−C10シクロアルキレン部分はVに結合し、C−Cアルキレン部分はXに結合し、
ここに、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレンおよびシクロアルケニレン基または部分は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−C10シクロアルケニルおよびC−C10シクロアルケニルオキシからなる群から独立して選択される基により一または二置換されていてもよく、シクロアルキレンおよびシクロアルケニレン基または部分においては、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよく;
Xは、単結合;酸素;硫黄;NR、SO;およびSOからなる群から選択される基であり;
Yは、水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、(C−C10シクロアルキル)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルケニル)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルキル)C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキリデンメチル、(C−C10シクロアルケニル)C−Cアルケニル、(C−Cアルキルオキシ)C−Cアルキル、(C−Cアルケニルオキシ)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルキルオキシ)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルケニルオキシ)C−Cアルキル、(アミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキルアミノ)C−Cアルキル、ジ−(C−Cアルキルアミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキル)カルボニル(C−C)アルキル、(C−Cアルケニル)カルボニル(C−C)アルキル、(C−Cアルキニル)カルボニル(C−C)アルキル、(アリールカルボニル)C−Cアルキル、(ヘテロアリールカルボニル)C−Cアルキル、(C−Cアルキルスルホニル)C−Cアルキル、(C−Cアルケニルスルホニル)C−Cアルキル、(C−Cアルキニルスルホニル)C−Cアルキル、(アリールスルホニル)C−Cアルキル、(ヘテロアリールスルホニル)C−Cアルキル、(C−Cアルキル)アミノカルボニル(C−C)アルキル、(C−Cアルケニル)アミノカルボニル(C−C)アルキル、(C−Cアルキニル)アミノカルボニル(C−C)アルキル、(アリールアミノカルボニル)C−Cアルキル、(ヘテロアリールアミノカルボニル)C−Cアルキル、(C−Cアルキル)カルボニル、(C−Cアルケニル)カルボニル、(C−Cアルキニル)カルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、(C−Cアルキル)スルホニル、(C−Cアルケニル)スルホニル、(C−Cアルキニル)スルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、C−Cアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、(C−Cアルキル)アミノカルボニル、(C−Cアルケニル)アミノカルボニル、(C−Cアルキニル)アミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールアミノカルボニル、(C−Cアルキルスルフィニル)C−Cアルキル、(アリールスルフィニル)C−Cアルキル、(ヘテロアリールスルフィニル)C−Cアルキルからなる群から選択される基であり;
ここに、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルおよびシクロアルケニル基または部分は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルケニルオキシ、およびNRからなる群から選択される同じまたは別個の置換基により一または二置換されていてもよく、シクロアルキルおよびシクロアルケニル基または部分においては、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよく、ここに、該置換により形成されるヘテロサイクルは、ヘテロアリール以外であり;
Zは、酸素;硫黄;SO;SO;1,1−シクロプロピレン;カルボニル;およびメチレンからなる群から選択される基であり、これらはハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CシクロアルキルおよびC−Cシクロアルキルオキシから独立して選択される1〜2個の置換基により置換されていてもよく;
は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキルおよび(C−Cアルキル)カルボニルからなる群から独立して選択される基であり、ここに、アルキルおよびシクロアルキル基または部分は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく;
は、各々独立して、H、C−Cアルキルおよび(C−Cアルキル)カルボニルからなる群から選択される基であり、ここに、アルキル基または部分は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく;
は、各々独立して、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、CHR、SO、C(O)ORおよびC(O)NRからなる群から選択され、ここに、アルキルおよびシクロアルキル基は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく;
およびRは、各々独立して、HまたはC−Cアルキルであり、ここに、アルキル基は、部分的または完全にフッ素化されていてもよい]
で示される複合体またはその医薬上許容される塩の製造方法であって:
(a) 式II:
【化2】

で示される化合物を、還元剤と、活性化基の存在下で反応させて、式III:
【化3】

で示される化合物を形成すること;および
(b)式IIIで示される化合物を、アミノ酸と接触させて、式Iで示される複合体を形成すること;
を含み、ここに、工程(a)および(b)は、式IIIで示される化合物を精製することなく行われ、工程(a)および(b)は、途中の保護または脱保護工程を行うことなく連続して行われる、方法。
【請求項2】
単一の反応容器にて行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
式Iで示される複合体が結晶性固体として単離される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
AおよびBで示される環が各々ベンゼン環である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
が−V−W−X−Yであり、Wが、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、C−Cアルキニレン、C−C10シクロアルキレンおよび(C−C10シクロアルキレン)(C−Cアルキレン)からなる群から選択され、ここに、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレンおよびシクロアルケニレン基または部分が、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−C10シクロアルケニルおよびC−C10シクロアルケニルオキシからなる群から独立して選択される置換基により一または二置換されていてもよく、シクロアルキレンおよびシクロアルケニレン基または部分においては、1個または2個のメチレン基が、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよい、請求項1記載の方法。
【請求項6】
Wが、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、C−CアルキニレンおよびC−C10シクロアルキレンからなる群から選択され、ここに、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレンおよびシクロアルケニレン基または部分が、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−C10シクロアルケニルおよびC−C10シクロアルケニルオキシからなる群から独立して選択される置換基により一または二置換されていてもよく、シクロアルキレンおよびシクロアルケニレン基または部分においては、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよい、請求項5記載の方法。
【請求項7】
が−V−W−X−Yであり、Xが、酸素、硫黄、単結合およびNRからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
Xが酸素および単結合からなる群から選択される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
が−V−W−X−Yであり、Yが、水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、(C−C10シクロアルキル)C−Cアルキル、(C−Cアルキルオキシ)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルキルオキシ)C−Cアルキル、(アミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキルアミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキル)カルボニル、(C−Cアルケニル)カルボニル、(C−Cアルキニル)カルボニル、(C−Cアルキル)スルホニル、(C−Cアルケニル)スルホニル、または(C−Cアルキニル)スルホニルからなる群から選択され、ここに、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基または部分が、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−CアルコキシおよびC−Cシクロアルキルからなる群から独立して選択される置換基により一または二置換されていてもよく、シクロアルキル基または部分において、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよい、請求項1記載の方法。
【請求項10】
Yが、水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキルおよび(C−Cアルキルオキシ)C−Cアルキルからなる群から選択される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
が−V−W−X−Yであり、Zが、酸素、硫黄、またはメチレンからなる群から選択され、これらが、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−CシクロアルキルおよびC−Cシクロアルキルオキシからなる群から独立して選択される1個〜2個の置換基により置換されていてもよい、請求項2記載の方法。
【請求項12】
Zがメチレンである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
、RおよびRが、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−Cアルキルオキシおよびシアノからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項14】
、RおよびRが、各々独立して、水素、ハロおよびC−Cアルキルからなる群から選択される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
が、水素、ハロおよびC−Cアルキルからなる群から選択され、RおよびRが、各々水素である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
が−V−W−X−Yであり、RおよびRが、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−Cアルキルオキシおよびシアノからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項17】
およびRが、各々独立して、水素、ハロおよびC−Cアルキルからなる群から選択される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
およびRが各々水素である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
還元剤がアルキルシリルヒドリドであり、活性化剤がルイス酸である、請求項1記載の方法。
【請求項20】
還元剤がトリエチルシランであり、ルイス酸がBF・EtOである、請求項19記載の方法。
【請求項21】
工程(a)が、アセトニトリルおよびジクロロメタンからなる群から選択されるものを含む溶媒または溶媒混合物中で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項22】
工程(b)が、エタノール、水およびヘキサンからなる群から選択されるものを含む溶媒または溶媒混合物中で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項23】
工程(a)が、アセトニトリルおよびジクロロメタンからなる群から選択されるものを含む溶媒または溶媒混合物中で行われ、工程(b)が、エタノール、水およびヘキサンからなる群から選択されるものを含む溶媒または溶媒混合物中で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項24】
式Iで示される複合体が、式IA:
【化4】

[式中:
は、水素、ハロおよびC−Cアルキルからなる群から選択される基であり;
Vは、酸素および単結合からなる群から選択される基であり;
Wは、C−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、C−Cアルキニレン、C−C10シクロアルキレン、および(C−C10シクロアルキレン)(C−Cアルキレン)からなる群から選択される基であり;
Xは、酸素、単結合、およびNRからなる群から選択される基であり;
Yは、水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、(C−C10シクロアルキル)C−Cアルキル、(C−Cアルキルオキシ)C−Cアルキル、(C−C10シクロアルキルオキシ)C−Cアルキル、(アミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキルアミノ)C−Cアルキル、(C−Cアルキル)カルボニル、(C−Cアルケニル)カルボニル、(C−Cアルキニル)カルボニル、(C−Cアルキル)スルホニル、(C−Cアルケニル)スルホニル、および(C−Cアルキニル)スルホニルからなる群から選択される基であり、
ここに、W、XおよびYのアルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基または部分は、部分的または完全にフッ素化されていてもよく、塩素、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、およびC−Cシクロアルキルから選択される同じまたは別個の置換基により一または二置換されていてもよく、クロアルキル基または部分において、1個または2個のメチレン基は、O、S、CO、SO、SOまたはNRにより独立して置換されていてもよく、1個または2個のメチン基はNにより置換されていてもよい]
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項25】
式Iで示される複合体が:
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(3−(4−(2−(アリルオキシ)エトキシ)ベンジル)−4−クロロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−(プロプ−2−イニルオキシ)エトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(1−(プロプ−2−イニルオキシ)プロパン−2−イルオキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(4−ヒドロキシブト−2−イニルオキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(4−メトキシブト−2−イニルオキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−(シクロペンチルオキシ)エトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(3−シクロプロピルプロピ−2−イニルオキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−(ジフルオロメトキシ)エチル)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−シクロプロポキシエトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−(シクロヘキシ−2−エニルオキシ)エトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;および
(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−((E)−3−シクロプロピルアリルオキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオールからなる群から選択される化合物のアミノ酸複合体である、請求項1記載の方法。
【請求項26】
アミノ酸が、プロリンおよびフェニルアラニンからなる群から選択される、請求項1〜25いずれか1項記載の方法。
【請求項27】
アミノ酸がプロリンであり、下付きのnが2である、請求項26記載の方法。
【請求項28】
式Iで示される複合体が同位体標識化されている、請求項1〜25いずれか1項記載の方法。
【請求項29】
CuKα1放射線を用いて得られた、4.08、17.19および21.12°2θ(±0.05°2θ)でのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−シクロプロポキシエトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体の結晶形態。
【請求項30】
4.08、6.04、17.19、19.86および21.12°2θ(±0.05°2θ)でのピークを含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項29記載の結晶形態。
【請求項31】
4.08、6.04、14.23、16.45、17.19、17.89、19.86、20.61および21.12°2θ(±0.05°2θ)を含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項29記載の結晶形態。
【請求項32】
4.08、6.04、7.50、9.88、12.31、14.23、16.45、17.19、17.89、18.47、18.97、19.86、20.61および21.12°2θ(±0.05°2θ)を含む、粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、請求項29記載の結晶形態。
【請求項33】
10℃/分の割合で50℃から200℃に加熱しながら示差走査熱量測定により測定した、約151℃±1℃の融点により特徴付けられる、(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(4−クロロ−3−(4−(2−シクロプロポキシエトキシ)ベンジル)フェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール,ビス(L−プロリン)複合体の結晶形態。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−500803(P2012−500803A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524023(P2011−524023)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/054585
【国際公開番号】WO2010/022313
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(509275172)セラコス・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】THERACOS, INC.
【Fターム(参考)】