説明

Saccharophagusdegradansによる全植物材料の分解の間におけるカルボヒドラーゼの発現

本発明は、細胞壁分解系、特に、セルロース、ヘミセルロースおよび他の炭水化物に結合する、および/またはそれらを解重合する酵素を含有する系に関する。こうした系は多くの用途を有する。一実施形態では、本発明は、植物材料を分解する酵素混合物を作製する方法を提供する。好ましくは、この分解は植物材料の化学的前処理をせずに起こる。この方法は、所与の植物材料の存在下でSaccharophagus degradansを増殖させ、次いでSaccharophagus degradans中に発現する酵素の発現を測定することを含む。所与の植物材料の存在下で増加した発現を受ける酵素は、組み合わせることにより、所与の植物材料を分解する酵素混合物を形成する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
Saccharophagus degradansの2−40株(本明細書では「S.degradans2−40」と呼称する)は、複合多糖類(CP)を分解する海洋細菌の新たに出現してきた一群を代表する。S.degradansは、アメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託されており、受入番号ATCC43961を保有している。S.degradans2−40は、チェサピーク湾(Chesapeake Bay)流域中の枯死段階の塩性湿地コードグラス(cord grass)Spartina alternifloraから単離された海洋性γ−プロテオバクテリアである。枯死段階の植物からの単離と合致して、S.degradans2−40株は、高等植物の細胞壁の共通成分であるセルロース、ペクチン、キシランおよびキチンを含め、多くの複合多糖類を分解することができる。S.degradans2−40株は、寒天、アガロース、ラミナリンなどの藻類の細胞壁成分、ならびにタンパク質、澱粉、プルランおよびアルギン酸を解重合することもできる。この多数の高分子を分解する以外に、S.degradans2−40株は、該多糖類の各々を唯一の炭素源として利用することができる。したがって、S.degradans2−40株は、不溶性複合多糖類(ICP)の微生物分解の優れたモデルであるばかりでなく、こうしたICPの完全代謝の典型として使用することもできる。ICPは、動植物における形態および構造のために使用される糖類重合体である。それらは、水に不溶であり、したがって分解し難い。
【0002】
S.degradans2−40株は、増殖のために少なくとも1%の海水塩を必要としており、10%もの高い塩濃度に耐えよう。それは、好気性で、一般に桿状であり、単極鞭毛によって運動性である、高度に多形性のグラム陰性細菌である。以前の研究によれば、2−40は、寒天、キチン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、β−グルカン、ラミナリン、ペクチン、プルラン、澱粉およびキシランを含め、少なくとも10種の異なる炭化水素高分子(CP)を分解できると判定された。それに加え、この細菌は真正チロシナーゼを合成することが示された。16S rDNAの分析によれば、2−40は、プロテオバクテリア門のγサブクラスの一員であり、Microbulbifer hydrolyticus、およびフナクイムシの共生生物であるセルロース分解性窒素固定細菌Teridinobacter sp.と関係のあることが示されている。
【0003】
アガラーゼ、キチナーゼおよびアルギナーゼ各系の特性が、全般的に決定された。ザイモグラム活性ゲルによって、以上の3系は多数のデポリメラーゼからなることが示され、多面的な証拠から、これらのデポリメラーゼの少なくとも幾つかは細胞表面に付着していることが示唆される。活性アッセイによれば、S.degradans酵素活性の大半は、CPでの対数増殖中に細胞分画と共にあるが、その後の増殖期では、活性の大部分が上清中に見出され、細胞付随活性は激減することが明らかになっている(Stotz 1994年)。CPでの増殖は、細胞形態の劇的変化も伴う。S.degradansのグルコース増殖培養物は、細胞のサイズおよび形状が相対的に均一であり、細胞表面が概ね滑らかで特徴がない。しかし、アガロース、アルギン酸またはキチンで増殖させると、S.degradans細胞は、表面の新規な構造および特徴を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基質としてセルロースを使用する酵素系を特定し、適切なベクターを用いて該タンパク質をコードする遺伝子を発現させ、アミノ酸産物(酵素および非酵素産物)を同定して単離し、これらの産物を、ならびにこれらの遺伝子を含有する微生物を、エタノール製造などの目的のために使用する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、植物材料を分解する酵素混合物を創製する方法を提供する。好ましくは、この分解は植物材料の化学的前処理をせずに起こる。この方法は、所与の植物材料の存在下でSaccharophagus degradansを増殖させ、次いでSaccharophagus degradans中に発現する酵素の発現を測定することを含む。所与の植物材料の存在下で増加した発現を受ける酵素は、組み合わせることにより、所与の植物材料を分解する酵素混合物を形成する。
【0006】
本発明は、所与の植物材料の存在下でSaccharophagus degradans中で上方調節される酵素を、増加した発現速度で構成的に発現する、改変された細菌も提供する。この改変細菌は、非改変細菌より遥かに速い速度で所与の植物材料を分解することができる。
【0007】
本発明は、該細菌を用いて1種または複数の植物材料を分解し、その分解過程から生じたより単純な糖類を用いて、1種または複数の植物材料を含む水性混合物中にエタノールを産生することにより、エタノールを産生する方法も提供する。エタノールは、当技術分野で公知の任意の方法により産生される。一実施形態では、エタノールは、この細菌の分解産物から酵母細胞によって産生される。該細菌は、Saccharophagus degradans2−40株でもよいし、または所与の植物材料の存在に応答して、Saccharophagus degradans中で上方調節される酵素を発現する改変細菌でもよい。本発明の特定の実施形態では、細菌および1種または複数の植物材料の水性混合物は、少なくとも1%の塩および/または多くとも10%の塩を含む。本発明のこうした実施形態は、糖類をエタノールに変換するステップを省略することにより、糖を作るためにも使用される。
【0008】
本発明は、酵素混合物を用いて所与の植物材料を分解し、その分解過程から生じたより単純な糖類を用いて、エタノールを産生することにより、エタノールを産生する方法も提供する。エタノールは、当技術分野で公知の任意の方法により産生される。一実施形態では、エタノールは、この細菌の分解産物から酵母細胞によって産生される。該酵素混合物は、所与の植物材料の存在に応答して、Saccharophagus degradans2−40株中で上方調節される酵素の2種以上である。該酵素類は、当技術分野で公知の任意の方法により、Saccharophagus degradans2−40株から回収される。本発明の特定の実施形態では、タンパク質および1種または複数の植物材料の水性混合物は、少なくとも1%の塩および/または多くとも10%の塩を含む。他の特定の実施形態では、Saccharophagus degradans2−40株は、植物材料の第1の部分で約0.3〜約0.5のOD600になるまで増殖させる。他の特定の実施形態では、Saccharophagus degradans2−40株は、約5〜約10のOD600になるまで増殖させる。他の特定の実施形態では、Saccharophagus degradans2−40株は、10を超えるOD600になるまで増殖させる。本発明のこうした実施形態は、酵母を添加しないことにより、糖を作るためにも使用される。
【0009】
所与の植物材料の分解に使用される酵素混合物に関するより特定の実施形態では、本発明は、Cel5HおよびCel5Iを含んだ組成物を包含する。別の特定の実施形態では、本発明は、Cel5HおよびCel5Fを含んだ組成物を包含する。
【0010】
所与の植物材料の分解に使用される酵素混合物に関する代替的な実施形態では、本発明は、Cel5F、Cel5H、Cel5I、Cep94AおよびCep94Bを含んだ組成物を包含する。より特定の実施形態では、本発明は、Cel6A、Bgl3CおよびCel9Bを更に含んだ組成物を包含する。より特定の実施形態では、本発明は、Cel5A、Cel5B、Cel5C、Cel5D、Cel5E、Cel5G、Cel5J、Cel9A、Bgl1A、Bgl1B、Ced3AおよびCed3Bを更に含んだ組成物を包含する。追加の実施形態では、本発明の組成物は酵母を更に含む。
【0011】
所与の植物材料の分解に使用される酵素混合物に関する代替的な実施形態では、本発明は、Cel5E、Cel5I、Cel9A、Bgl1AおよびCed3Bを含んだ組成物を包含する。より特定の実施形態では、本発明は、Cel5B、Cep94AおよびCep94Bを更に含んだ組成物を包含する。追加の実施形態では、本発明の組成物は酵母を更に含む。
【0012】
所与の植物材料の分解に使用される酵素混合物に関する代替的な実施形態では、本発明は、Cel5F、Cel9A、Bgl1AおよびCed3Bを含んだ組成物を包含する。より特定の実施形態では、本発明は、Cel5B、Cel5E、Cel5I、Bgl1B、Bgl3C、Cep94AおよびCep94Bを更に含んだ組成物を包含する。追加の実施形態では、本発明の組成物は酵母を更に含む。
【0013】
所与の植物材料の分解に使用される酵素混合物に関する代替的な実施形態では、本発明は、Cel5I、Bgl1A、Bgl1B、Ced3BおよびCep94Bを含んだ組成物を包含する。より特定の実施形態では、本発明は、Cel5A、Cel5G、Cel9A、Bgl3CおよびCep94Aを更に含んだ組成物を包含する。追加の実施形態では、本発明の組成物は酵母を更に含む。
【0014】
所与の植物材料の分解に使用される酵素混合物に関する代替的な実施形態では、本発明は、Cel5E、Cel5F、Cel5H、Cel6AおよびCel9Bを含んだ組成物を包含する。より特定の実施形態では、本発明は、Cel5I、Bgl3CおよびCep94Aを更に含んだ組成物を包含する。他の特定の実施形態では、本発明は、Cel5C、Cel5DおよびCed3Aを更に含んだ組成物を包含する。追加の実施形態では、本発明の組成物は酵母を更に含む。
【0015】
所与の植物材料の分解に使用される酵素混合物に関する代替的な実施形態では、本発明は、Xyn10a、Xyn10bおよびXyn11aを含んだ組成物を包含する。より特定の実施形態では、本発明は、Xyn10DおよびXyn11Bを更に含んだ組成物を包含する。追加の実施形態では、本発明の組成物は酵母を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】異なる基質でのS.degradansの増殖速度を示す棒グラフである。
【図2】0.1%の大麦β−グルカン、HEセルロースのいずれかで増殖させた、S.degradansからのタンパク質のコンゴーレッド染色SDSゲルを示す図である。
【図3】グルコース、コーン、アビセル(Avicel)および新聞用紙の存在下で培養した、S.degradansにおけるセルロース分解酵素の相対的な発現を示す棒グラフである。グラフの目盛から外れた棒は、その上の数字で示されている。
【図4】セルロースで増殖させたときのSaccharophagus degradans2−40株における、cel5A、cel5Hおよびcel5Iの経時的な誘導倍率を示す線グラフである。
【図5】セロデキストリン、セロビオース、セロトラオースおよびアビセルの存在下で増殖させたときのSaccharophagus degradans2−40株における、cel5Hの相対発現レベルを示す線グラフである。
【図6】キシラン存在下で培養したS.degradansにおける、ヘミセルロース分解酵素の誘導倍率を示す棒グラフである。
【図7】キシラン存在下で様々な時間培養したS.degradansにおける、ヘミセルロース分解酵素の誘導倍率を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
Saccharophagus degradans2−40は、分泌酵素および表面結合酵素を用いて、高等植物細胞壁中に見出される高分子の全てを分解できる海洋細菌である。この細菌は、化学的な前処理をせずに全植物材料を糖化する異常な能力を有する。例えば、この細菌は、唯一の炭素源として(同一濃度での発生時間、h)、グルコース(2.6)、アビセル(2.25)、オートスペルト(oat spelt)キシラン(1.6)、新聞用紙(>6)、コーン粉末全葉(>6)、およびPanicum vigatum粉末葉(>6)を利用できるため、相乗作用性のヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、および恐らくはリグニナーゼの産生が示されている。ゲノム配列の分析から、この細菌は、少なくとも12種のエンドグルカナーゼ、1種のセロビオヒドロラーゼ、2種のセロデキストリナーゼ、3種のセロビアーゼ、7種のキシラナーゼ、10種の「アラビナーゼ」、5種のマンナーゼおよび14種のペクチナーゼを産生することが予測される。ザイモグラムの分析および培養物のプロテオーム分析から、こうした酵素のサブセットが、前述の各基質での増殖中に誘導されることが明らかになった。特異酵素の誘導は、qRT−PCRで評価した。特異酵素の命名法は、2005年5月4日に出願され、その全体が本明細書に組み込まれる米国公開第2006/0105914号として公開された、米国出願第11/121154号に更に詳細に説明されている。
【0018】
S.degradansは、植物材料と、したがって植物材料で作られている生成物とを効果的に分解する。したがって、特定の植物材料に曝した際にS.degradans中に発現する酵素混合物の誘導によって、個々の酵素および酵素混合物は、S.degradansを曝した植物材料の分解に効果的であることが示される。このことは、所与の植物材料への曝露に応答してS.degradans中での高い発現を増加させる、または維持する2種以上の任意の酵素を使用して、その植物材料を分解する酵素混合物を形成し得ることを意味する。S.degradansが単純な糖類に効果的に分解する2種類の植物材料は、セルロースおよびヘミセルロースが豊富な植物材料である。こうした2種類の炭水化物を分解する酵素系について、より詳細に以下に説明する。
【0019】
セルロース
S.degradans2−40は、セルロースを単純な糖類に分解する多くの酵素を発現する。例えば、コーン葉の存在下で下記の表1に示すセルロース分解酵素が増加した。
【0020】
【表1】

【0021】
コーン葉の存在下でS.degradansにより発現が増加する酵素は、コーン葉を糖に消化するために恐らく必要である。したがって、20倍を超えて増加した酵素、即ちcel5F、cel5Hは、コーン葉の分解に有効である。更に、表1に示すセルロース分解酵素の全種または任意の少数種の混合物であって、表1に示す発現の増加または図3に示す相対的な発現に比例または反比例して組み合わせた混合物は、酵素混合物をコーン葉の分解に有効にするために使用される。対応する混合物が、表1に示す情報を用いてグルコース、新聞用紙またはアビセルについても作製される。更に、他の植物材料用の混合物も、その植物材料にS.degradansを曝露し、分解酵素のRNA、タンパク質または活性度の検出により、分解酵素の発現を検出することによって作製される。
【0022】
その上、化学的に純粋な形態の微結晶セルロースのアビセルに10時間曝した際のS.degradansにおいて、下記の表2に示すように以下の酵素が誘導された。
【0023】
【表2】

【0024】
cel5A、cel5G、cel9A、cel5B、ced3B、bgl1Aおよびcep94Bは、S.degradans2−40中に構成的に発現するようである。アビセルでの2時間の増殖後、cel9Aの発現が増加する。これに続いて、4時間でcel5Fの発現が増加し、10時間でcel5Hおよびcel5Iの発現が増加する。cel5Iは、アビセルでの24時間の培養でさえも過剰発現し続ける。
【0025】
cel5Iおよびcel5Hは、セルロースの分解に特に重要であることも示された。S.degradans2−40をセルロースに曝したとき、cel5Iは500倍を超えて誘導され、cel5Hは100倍を超えて誘導される(図4)。その上、S.degradans2−40をセロビオース、セロトラオース、セロデキストリンなどのセロデキストリン類に曝したとき、cel5Hは500倍を超えて発現する(図5)。したがって、これらのタンパク質はいずれも、セルロースを単純な糖類に効率的に分解するために使用することができよう。
【0026】
更に、特定の植物材料に曝したときのS.degradans中で発現が増加する分解酵素は、操作・作製した細菌中で構成的および/または過剰に発現し、その特定の植物材料の分解に有効な細菌を作製し得る。例えば、コーン葉の存在下でS.degradans中に誘導されることが、表1に示されているタンパク質の混合物は、構成的に発現するように、ある細菌中に導入することができよう。こうしたタンパク質は、高速で発現するように導入することもできよう。次いで、操作・作製したこうした細菌は、植物材料、例えばコーン葉の分解に使用される。一実施形態では、操作・作製しようとする細菌はS.degradansである。別の実施形態では、操作・作製しようとする細菌はE.coliである。
【0027】
ヘミセルロース
S.degradans2−40は、ヘミセルロースを単純な糖類に分解する多くの酵素を発現する。ヘミセルロースは、糖単量体の短い分岐鎖として存在する。ヘミセルロースを構成する糖類には、キシロース、マンノース、ガラクトースおよび/またはアラビノースが含まれる。ヘミセルロースは、セルロースおよびペクチンと一連の架橋を形成することにより、剛直な細胞壁を形成する。セルロースと異なり、ヘミセルロースは、大体において非晶質であり、相対的に弱く、加水分解を受け易い。
【0028】
S.degradansは、ヘミセルロースをより単純な糖類に分解するために使用される、多くのヘミセルラーゼを産生する。図6に示すように、xyn10A、xyn10B、xyn10D、xyn11Aおよびxyn11Bの発現が、ヘミセルロースを含有するキシランで増殖させたS.degradans2−40中に誘発される。その上、図7に示すように、xyn10A、xyn10B、xyn10D、xyn11Aおよびxyn11Bの発現は、キシランでのS.degradans2−40の10時間の培養後に示された。しかし、2時間では、最大の発現増加がxyn11Aおよびxyn11Bに対して見られた一方、キシランでのS.degradans2−40の4時間の培養における発現の最大増加は、xyn10Aであった。
【0029】
したがって、Xyn10a、Xyn10b、Xyn10d、Xyn11aおよびXyn11bは全て、ヘミセルロースのより単純な糖類への分解に重要である。しかし、Xyn10a、Xyn10b、Xyn11aおよびXyn11bの重要性を特に強調すべきである。
【0030】
E.coliにおけるS.degradansタンパク質のクローニングおよび発現
クローニングおよび発現の基本系では、ベクターとしてpET 28B(Novagen)、クローニング株としてE.coli DH5α(invitrogen)、およびタンパク質発現株にはE.coli BL−21(DE3)ROSETTA(商標)細胞(Novagen)を使用する。この系は、ベクターが、クローニング株のDH5αに欠けているT7lacプロモーターで発現を制御するため、プラスミドのスクリーニングおよび増殖の間に低レベルの発現さえも排除するので、有毒なまたはそれ以外の困難な遺伝子のクローニングを可能にする。青白選別(blue/white screen)の後、プラスミドをDH5αから精製し、発現宿主中に入れて形質転換させる。ROSETTA(商標)株は、ベクターにコードされたタンパク質のIPTG誘発発現を可能にするT7lacプロモーターを有し、LonおよびOmpプロテアーゼを欠いている。
【0031】
遺伝子モデルのヌクレオチド配列をDOE JGIのS.degradansゲノムウェブサーバーから入手し、PRIMERQUEST(商標)設計ツール中に入力した。設計パラメーターは、最適Tが60℃、最適プライマーサイズが20nt、最適GC%=50であり、産物のサイズ範囲は、当該遺伝子の適度にできるだけ多くの部分をクローニングするために、各プライマーが各ORFの最初および最後の100ヌクレオチド以内で選択されるように、選定した。クローニングおよび発現ベクターのpET 28Bは、C末端の6×ヒスチジン融合部、ならびにタンパク質発現用の開始および終止コドンを与える。したがって、PCRプライマーに5’制限酵素認識部位を付加する際には、ベクターのフレームおよび挿入配列に慎重な注意が必要である。生成した「テイルドプライマー(tailed primers)」の長さは26〜30ntであり、それらの配列は、PDRAWソフトウェアパッケージを用いた「仮想クローニング」分析によって検証した。このプログラムは、DNAのベクター配列および挿入配列を標準的な制限酵素で切断し、一緒に連結することを可能にする。プライマー設計のエラーで導入される任意のフレームシフトを検出するために、生成する配列のアミノ酸への翻訳を調べた。これを検証した後、当該プライマーをInvitrogen(Frederick,Md.)から購入した。
【0032】
PCR反応物は、順方向および逆方向プライマーを10pMol、10mMのDNTPを1μl、100mMのMgClを1.5μlおよびPROOF PRO(登録商標)Pfuポリメラーゼ1μlを、鋳型としての2−40ゲノムDNA0.5μlと共に、反応液50μl中に含有していた。PCR条件には、テール付きプライマーおよびPfu DNAポリメラーゼに対する標準的パラメーターを用いた。PCR産物は、QIAGEN QIAquick PCR Cleanupキットで浄化し、0.8%アガロースゲル中で観察した。浄化およびサイズ確認の後、PCR産物およびpET 28Bを適当な制限酵素、普通はAscIおよびClaIで37℃で1〜4時間消化し、QIAquickキットを用いて浄化し、アガロースゲル中で可視化する。清浄な消化物は、T4 DNAリガーゼを用いて暗中、室温で少なくとも2時間連結する。次いで、連結反応物をエレクトロポレーションによりE.coli DH5αに入れて形質転換させる。形質転換体は、非選択培地中で37℃で1時間インキュベートした後、アンピシリンおよびX−galを含有するLB寒天上に播種する。pET 28BはAmp遺伝子を保持し、挿入部はlacZ ORF中にクローニングされるので、白色コロニーは挿入配列を含有する。白色コロニーを爪楊枝で採取し、新たなLB/Amp/X−galプレート上に点在させるが、点在コロニーのうち3個は、3mlの終夜ブロースに接種するために更に使用する。プラスミドは、終夜の生長後に白色のままであった点在コロニーに対応するブロースから調製する。次いで、これらのプラスミド調製物を適当な制限酵素で1回消化し、アガロース電気泳動により可視化して、サイズを確認する。
【0033】
次いで、該プラスミドをROSETTA(商標)株中に熱ショックで導入して形質転換する。形質転換体は、非選択的レスキュー用培地中で37℃で1時間インキュベートし、AmpおよびCmを含むLB寒天(ROSETTA(商標)培地)上に播種し、37℃で終夜インキュベートする。こうして選択したいずれのコロニーも、ベクターおよび挿入部を含有するはずである。これは、3個のコロニーをROSETTA(商標)培地プレート上に点在させ、対応する3mlの終夜ブロースに接種することにより、確認される。翌朝、そのブロースを用いて25mlブロースに接種し、0.6程度のOD600になるまで増殖させる(2〜3時間)。この時点で、1ml分量を培養物から取り出し、ペレット化し、1×SDS−PAGE処理バッファー1/10容中に再浮遊させる。この予備誘導試料は、後にウェスタンブロットで使用するために、−20℃で凍結する。次いで、残りのブロースを改変のために1mM IPTGに添加し、37℃で4時間インキュベートする。誘導ペレット試料を1時間の間隔で収集する。これの試料および予備誘導対照を、SDS−PAGEゲル中で移動させ、PVDF膜またはニトロセルロース上へエレクトロブロットする。次いで、その膜は、モノクローナルマウスα−HISTAG(登録商標)一次抗体の1/5000希釈液、その後HRPコンジュゲートヤギα−マウスIgG二次抗体を用いるウェスタンブロットとして処理する。バンドは、BioRadのOpti−4CN基質キットを用いた比色法で可視化する。誘導試料にはHisタグ付きバンドが存在するが、非誘導対照には存在しないことにより、発現の成功が確認され、毎時間時点のバンド間比較を用いることにより、後の規模拡大精製における誘導パラメーターが最適化される。
【0034】
組換えタンパク質の産生および精製
ROSETTA(商標)培地の500mlまたは1リットルブロース中で、発現株を0.6〜0.8のOD600まで増殖させる。この時点で非誘導試料を収集し、残りの培養物を、100mM IPTGの最終濃度1mMまで添加することにより誘導する。誘導は、37℃で4時間、または25℃で16時間実施される。培養物ペレットを回収し、保存および細胞溶解促進のために、−20℃で終夜凍結する。次いで、ペレットを氷上で10分間融解し、秤量済みファルコン(falcon)チューブへ移し、秤量する。次いで、その細胞を、湿潤ペレット重量1g当たり4mlの溶解バッファー(8M尿素、100mM NaHPO、25mM Tris、pH8.0)中で、25℃で1時間振とうする。溶解物を15000gで30分間遠心し、細胞屑をペレット化する。清澄溶解物(上清)を清浄なファルコンチューブ中にピペット導入し、清澄溶解物各4mlに対してQIAGEN 50% Nickel−NTA樹脂1mlを添加する。この混合物を室温で1時間静かに撹拌することにより、樹脂上のNi+2イオンと組換えタンパク質のHisタグとの結合を促進する。結合した後、スラリーを使い捨てミニカラム中に装填し、流出液(希薄化溶解物)を収集し、後の評価用に保存する。樹脂は、予めpH7.0に調節した溶解バッファーで2回洗浄する。こうした洗浄液各々の容量は、清澄溶解物の元の容量に等しい。2回のこの洗浄流出液も、ウェスタンブロットでの後の分析により、精製効率を評価するために保存する。
【0035】
この時点で、カラムは、C末端でHisタグにより固定化されている、相対的に精製された組換えタンパク質を含有する。これはリフォールディングにとって理想的状況であり、そこでカラムを4℃の部屋へ移動させ、尿素濃度が減少する一連の再生バッファーをカラム中に通過させる。再生バッファーは、25mM Tris pH7.4、500mM NaClおよび20%グリセロール中に変化量の尿素を含有する。このバッファーは、6M、4M、2Mおよび1Mの尿素を含有する原液として調製される。こうした原液の一定分量を容易に混合して、5Mおよび3Mの尿素濃度を得ることができ、こうして1M刻みで減少する一連の尿素濃度を得ることができる。6Mバッファー1容(元の溶解物容量)をカラム中に通過させ、次に5Mバッファー1容が続き、1Mバッファーまで継続するが、1Mバッファーは、尿素1Mでのカラムの平衡化を確実にするために、1回繰り返す。この時点で、リフォールディング済みタンパク質は、250mMイミダゾールを含有する1M尿素、25mM Tris pH7.4、500mM NaCl、20%グリセロールを用いて、元容量の1/10の8分画中に溶出される。イミダゾールは、ニッケルイオン−Hisタグ相互作用を破壊し、それによりタンパク質がカラムから放出される。
【0036】
希薄化溶解物、2回分の洗浄液、および溶出分画におけるHisタグ付きタンパク質の量を評価するために、ウェスタンブロットを使用する。希薄化溶解物および/または洗浄液中に多量の組換えタンパク質があるならば、このプロセスを繰り返し、より多くのタンパク質を「スカベンジ」することが可能である。対象タンパク質を含有する溶出分画は、プールした後、濃縮し、セントリコン(centricon)遠心限外ろ過装置(Millipore)を用いて保存バッファー(20mM Tris pH7.4、10mM NaCl、10%グリセロール)中に交換する。次いで、酵素調製物を一定分量ずつ小分けし、−80℃で凍結して活性アッセイでの使用に備える。
【実施例】
【0037】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を更に支持するが、それらを専ら表現するものではない。
【0038】
ザイモグラム手順
全ての活性ゲルは、適当なCP基質を分離用ゲル中に直接組み入れた、標準SDS−PAGEゲルとして調製した。ザイモグラムは、8%ポリアクリルアミド濃度と、最終濃度が0.1%(HEセルロース)、0.15%(大麦β−グルカン)またはO.2%(キシラン)となるように、dHOおよび/またはゲルバッファー溶液中に溶解した基質と共にキャスティングした。ゲルは、Laemmliの手順に従った不連続条件下で操作するが、例外として、2%SDSの最終濃度および100mMジチオスレイトール(DTT)を含有する試料バッファー中で、95℃で8分間処理する。電気泳動後、ゲルは、2.5%Triton X−100、2mM DTTおよび2.5mM CaClを含有する、20mM PIPESバッファーpH6.8の再生バッファー80ml中で、室温で1時間インキュベートする。カルシウムは、Lam16Aのtsp3sなどの潜在的カルシウム結合ドメインのリフォールディングを補助するために、含めた。
【0039】
1時間の平衡化後、ゲルを再生バッファーの新たな80ml分量中に入れ、静かに振とうしながら4℃で終夜維持した。翌朝、ゲルを20mM PIPES pH6.8の80ml中で、室温で1時間平衡化し、清浄な容器へ移し、最小量のPIPESバッファーで覆い、37℃で4時間インキュベートした。インキュベーションの後、ゲルを、dHO中0.25%コンゴーレッド(HEセルロース、β−グルカンおよびキシラン)または7%酢酸中0.01%トルイジンブルーのいずれかの溶液で30分間染色した。明確なバンドが染色バックグランドに対して見えるまで、ゲルを、コンゴーレッドに対しては1M NaClで、およびトルイジンブルーに対してはdHOで除染色した。
【0040】
(実施例1)遺伝子型決定法
S.degradansの増殖速度を様々な基質で培養した(図1)。基本培地は、(2.3%即席海洋水(Instant Ocean)、0.05%酵母エキス、0.05%NHCl、15mM Tris、pH6.8)で構成されていた。各炭素源の最終濃度は、グルコース、キシロース、セロビオース、アラビノース、キシラン、アビセルが0.2%、新聞用紙、アメリカクサキビおよびコーン葉が1.0%であった。S.degradansは、増殖する全ての植物材料で増殖した。
【0041】
様々な細胞壁高分子での増殖中にどのグルカナーゼが誘導されるかを見出すために、ザイモグラムを行なった(図2)。唯一の炭素源としてグルコースを含有する培地中で、0.3〜0.5のOD600まで細胞を増殖させ、回収し、表示した誘導剤を含有する同容量の培地へ移した。試料を表示した時間に取り出し、OD600に規格化した試料中のタンパク質を、分割用ゲル中に0.1%の大麦β−グルカンまたはHEセルロースのいずれかを含めた標準SDS−PAGEにより、分別した。ゲルをリフォールディングバッファー(20mM PIPES[ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)]バッファー[pH6.8]、2.5%Triton X−100、2mMジチオスレイトール、2.5mM CaCl)中で室温で1時間インキュベートした後、新たなリフォールディングバッファー中で4℃で終夜維持した。ゲルをPIPESバッファーに移し、37℃でインキュベートし、0.25%コンゴーレッド中で染色した。算出質量は、kDa単位で左側に示してある。異なるグルカナーゼが、使用した異なる植物材料または炭水化物源の存在下で発現した。
【0042】
グルコースおよび細胞壁高分子での増殖中におけるセルロース分解酵素の発現が、決定された(図3)。S.degradansをグルコースで、0.3〜0.4のOD600まで培養し、回収し、表示した基質を含有する同容量の培地へ移した。10時間後に、RNA PROTECT(商標)細菌試薬(Qiagen)およびRNEASY(商標)ミニキット(Qiagen)を用いて、RNAを単離した。QIANTITECT(商標)逆転写キットを用いて、cDNAを合成した。各表示遺伝子、またはグアニル酸キナーゼおよびジヒドロ葉酸レダクターゼの対照遺伝子2種の120〜200bp断片を、SYBR Green(商標)マスターミックスキット(Roche)およびLIGHT CYCLER(商標)480(Roche)を用いて増幅した。その上に数字で示した棒は、縮尺1/10で提示してある。異なるセルロース分解酵素が、異なる植物材料または炭水化物源によって誘導された。
【0043】
(実施例2)キシランでのS.degradansの増殖に応答した、Xyn10A、Xyn10B、Xyn11AおよびXyn11Bの発現増加の測定
6種の標的遺伝子:xyn10A〜Dおよびxyn11A〜Bに対して、2種のハウスキーピング遺伝子:ジヒドロ葉酸レダクターゼおよびグアニル酸キナーゼと共に、プライマーを設計した。S.degradansをグルコース培地中で、OD600が0.370〜0.400になるまで培養した。0時間時点を取り、培養物を10時間の経時実験のためにキシラン培地へ移した。第2の培養物は、対照としてグルコースへ再び移した。試料は、キシラン、グルコース双方の培養物から0、2、4および10時間に採取した。
【0044】
各試料のRNAは、RNAprotect(商標)細菌試薬(Qiagen)およびRneasy MiniKitを用いて精製した。単離したmRNAは、QuantiTech(商標)逆転写酵素を用いて変換し、発現パターンは、LightCycler Pro(商標)pRT−PCRを用いて分析した。
【0045】
図6に示すように、xyn10A、xyn10B、xyn10D、xyn11Aおよびxyn11Bは全て、キシランに曝してから2、4および10時間後に、より大きいmRNA発現を示した。この増加は、xyn10A、xyn10B、xyn11Aおよびxyn11Bの場合に最大であった。図7に示すように、キシランでのS.degradansの培養2時間におけるmRNA発現の最高倍率誘導は、xyn11Aおよびxyn11Bの場合であった。xyn10Aは、4時間で最高の誘導を受けた。10時間では、xyn10A、xyn10B、xyn11Aおよびxyn11Bは全て、より高い倍率誘導を受けた。
【0046】
S.degradansが、キシランに曝した際にこれらのタンパク質の発現を増加させるため、また、既知のヘミセルラーゼ遺伝子に対して、これらのタンパク質が示す配列相同性のために、Xyn10A、Xyn10B、Xyn10D、Xyn11AおよびXyn11Bは、ヘミセルロースの分解に使用できる機能性ヘミセルラーゼである。
等価物および参照による組込み
当業者であれば、本明細書に記載の特定のポリペプチド、核酸、方法、アッセイおよび試薬に関する夥しい等価物を認識され、または単なる常套的実験を用いて該等価物を確かめることができよう。このような等価物は、本発明の範囲内にあると見なされ、以下の特許請求の範囲に包含される。
【0047】
本出願は、学術的な教科書、公表論文および特許出願、ならびに交付された米国および外国特許に対する夥しい引用を含む。こうした引用文献全ての完全な内容は、参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cel5HおよびCel5Iを含む組成物。
【請求項2】
Cel5HおよびCel5Fを含む組成物。
【請求項3】
Cel5F、Cel5H、Cel5I、Cep94AおよびCep94Bを含む組成物。
【請求項4】
Cel6A、Bgl3CおよびCel9Bを更に含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
Cel5A、Cel5B、Cel5C、Cel5D、Cel5E、Cel5G、Cel5J、Cel9A、Bgl1A、Bgl1B、Ced3AおよびCed3Bを更に含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
酵母を更に含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
Cel5E、Cel5I、Cel9A、Bgl1AおよびCed3Bを含む組成物。
【請求項8】
Cel5B、Cep94AおよびCep94Bを更に含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
酵母を更に含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
Cel5F、Cel9A、Bgl1AおよびCed3Bを含む組成物。
【請求項11】
Cel5B、Cel5E、Cel5I、Bgl1B、Bgl3C、Cep94AおよびCepp94Bを更に含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
酵母を更に含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
Cel5I、Bgl1A、Bgl1B、Ced3BおよびCep94Bを含む組成物。
【請求項14】
Cel5A、Cel5G、Cel9A、Bgl3CおよびCep94Aを含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
酵母を更に含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
Cel5E、Cel5F、Cel5H、Cel6AおよびCel9Bを含む組成物。
【請求項17】
Cel5I、Bgl3CおよびCep94Aを更に含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
Cel5C、Cel5DおよびCed3Aを更に含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
酵母を更に含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
Xyn10a、Xyn10bおよびXyn11aを含む組成物。
【請求項21】
Xyn10DおよびXyn11Bを更に含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
Saccharophagus degradans2−40株、1種または複数の植物材料、および酵母を水性混合物中に提供し、それによりエタノールを生成することを含む、エタノールを製造する方法。
【請求項23】
前記水性混合物が少なくとも1%の塩を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記水性混合物が多くとも10%の塩を更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
Saccharophagus degradans2−40株、および1種または複数の植物材料を水性混合物中に提供し、それにより糖を生成することを含む、糖を製造するための方法。
【請求項26】
前記水性混合物が少なくとも1%の塩を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記水性混合物が多くとも10%の塩を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
植物材料からエタノールを製造する方法であって、該方法は:
a.Saccharophagus degradans2−40株を提供するステップ、
b.該植物材料の第1の部分において該Saccharophagus degradans2−40株を増殖させるステップ、
c.Saccharophagus degradans2−40株からタンパク質を回収するステップ、ならびに
d.該タンパク質を該植物材料の第2の部分および酵母と水性混合物中で混合するステップ
を含み、それによりエタノールを生成する、方法。
【請求項29】
前記水性混合物が少なくとも1%の塩を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記水性混合物が多くとも10%の塩を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記Saccharophagus degradans2−40株を、前記植物材料の第1の部分において約0.3〜約0.5のOD600に達するまで増殖させる、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記Saccharophagus degradans2−40株を、前記植物材料の第1の部分において約5〜約10のOD600に達するまで増殖させる、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
植物材料から糖を製造する方法であって、該方法は:
a.Saccharophagus degradans2−40株を提供するステップ、
b.該植物材料の第1の部分において該Saccharophagus degradans2−40株を増殖させるステップ、
c.Saccharophagus degradans2−40株からタンパク質を回収するステップ、および
d.該タンパク質を該植物の第2の部分と水性混合物中で混合するステップ
を含み、それにより糖を生成する、方法。
【請求項34】
前記水性混合物が少なくとも1%の塩を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記水性混合物が多くとも10%の塩を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記Saccharophagus degradans2−40株を、約0.3〜約0.5のOD600に達するまで増殖させる、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記Saccharophagus degradans2−40株を、前記植物材料の第1の部分において約5〜約10のOD600に達するまで増殖させる、請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−525815(P2010−525815A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506308(P2010−506308)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/005559
【国際公開番号】WO2008/136997
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509303349)ユニバーシティー オブ メリーランド (2)
【Fターム(参考)】