TNF−αアンタゴニスト多重標的結合性タンパク質
本開示は、TNF−αアンタゴニストドメインと、IL6、RANKL、IL7、IL17A/F、TWEAK、CSF2、IGF1、IGF2もしくはBLyS/APRILなどの異種標的に対してアンタゴニスト作用を有するかまたはIL10などの異種標的に対してアゴニスト作用を有する別の結合ドメインとから構成される多重標的融合タンパク質を提供する。また、この多重特異性融合タンパク質は、これらの結合ドメインを分離し、二量体化を可能にする介在ドメインも含むことができる。また、本開示は、これらの多重特異性融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、これらの融合タンパク質の組成物、ならびにこれらの多重特異性融合タンパク質および組成物を使用する方法も提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ末端からカルボキシ末端までに、以下の構造のうちの1つを有する多重特異性融合タンパク質:
(a)BD−ID−ED、
(b)ED−ID−BD、または
(c)ED1−ID−ED2
[式中、
EDは、TNFアンタゴニストであり、ED1とED2とは、異なる結合ドメインまたは外部ドメインであり、ED1またはED2は、TNFアンタゴニストであり、
IDは、介在ドメインであり、かつ
BDは、IL6アンタゴニスト、RANKLアンタゴニスト、IL7アンタゴニスト、IL17A/Fアンタゴニスト、TWEAKアンタゴニスト、CSF2アンタゴニスト、IGFアンタゴニスト、BLyS/APRILアンタゴニストまたはIL10アゴニストである]。
【請求項2】
BDが、免疫グロブリン可変結合ドメインである、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項3】
ED1およびED2が、受容体リガンド結合外部ドメインである、請求項1または2に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項4】
介在ドメインが、以下の構造を有する、請求項1から3のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質:
−L1−CH2CH3−
[式中、
L1は、免疫グロブリンヒンジリンカーであって、場合により、IgG1ヒンジが異なるアミノ酸で置換されている第1システインを有し、
−CH2CH3−は、IgG1のFcドメインのCH2CH3領域であり、場合により、変異させて、FcRnへの結合性は保持されるが、FcγRI−IIIへの結合性が除かれている]。
【請求項5】
前記BDが、第1のリンカーによって前記介在ドメインに接続しており、前記EDが、第2のリンカーによって前記介在ドメインに接続しており、ここで、前記第1のリンカーおよび前記第2のリンカーは、同じであってもまたは異なっていてもよい、請求項1から4のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項6】
前記第1のリンカーおよび前記第2のリンカーが、配列番号497〜604および配列番号791〜796からなる群から選択され、場合により、前記第1リンカーが、配列番号576であり、前記第2リンカーが配列番号791である、請求項5に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項7】
配列番号607〜670および配列番号798〜804のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から6のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項8】
1つまたは複数の請求項1から7のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む組成物。
【請求項9】
前記多重特異性融合タンパク質が、前記組成物に二量体または多量体として存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載の多重特異性融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項11】
発現制御配列に作動可能に連結している、請求項10に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項12】
請求項11に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項13】
炎症性障害、自己免疫障害または過剰増殖障害を有する被験体を治療するための方法であって、治療有効量の前記請求項のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質またはその組成物を投与する工程を含む方法。
【請求項14】
前記障害が、関節リウマチ、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クローン病(Chron’s disease)、潰瘍性大腸炎、重度の難治性喘息、TNFRSF1A関連周期性症候群(TRAPS)、子宮内膜症、全身性エリテマトーデスまたはアルツハイマー病である、請求項13に記載の方法。
【請求項1】
アミノ末端からカルボキシ末端までに、以下の構造のうちの1つを有する多重特異性融合タンパク質:
(a)BD−ID−ED、
(b)ED−ID−BD、または
(c)ED1−ID−ED2
[式中、
EDは、TNFアンタゴニストであり、ED1とED2とは、異なる結合ドメインまたは外部ドメインであり、ED1またはED2は、TNFアンタゴニストであり、
IDは、介在ドメインであり、かつ
BDは、IL6アンタゴニスト、RANKLアンタゴニスト、IL7アンタゴニスト、IL17A/Fアンタゴニスト、TWEAKアンタゴニスト、CSF2アンタゴニスト、IGFアンタゴニスト、BLyS/APRILアンタゴニストまたはIL10アゴニストである]。
【請求項2】
BDが、免疫グロブリン可変結合ドメインである、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項3】
ED1およびED2が、受容体リガンド結合外部ドメインである、請求項1または2に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項4】
介在ドメインが、以下の構造を有する、請求項1から3のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質:
−L1−CH2CH3−
[式中、
L1は、免疫グロブリンヒンジリンカーであって、場合により、IgG1ヒンジが異なるアミノ酸で置換されている第1システインを有し、
−CH2CH3−は、IgG1のFcドメインのCH2CH3領域であり、場合により、変異させて、FcRnへの結合性は保持されるが、FcγRI−IIIへの結合性が除かれている]。
【請求項5】
前記BDが、第1のリンカーによって前記介在ドメインに接続しており、前記EDが、第2のリンカーによって前記介在ドメインに接続しており、ここで、前記第1のリンカーおよび前記第2のリンカーは、同じであってもまたは異なっていてもよい、請求項1から4のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項6】
前記第1のリンカーおよび前記第2のリンカーが、配列番号497〜604および配列番号791〜796からなる群から選択され、場合により、前記第1リンカーが、配列番号576であり、前記第2リンカーが配列番号791である、請求項5に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項7】
配列番号607〜670および配列番号798〜804のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から6のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項8】
1つまたは複数の請求項1から7のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む組成物。
【請求項9】
前記多重特異性融合タンパク質が、前記組成物に二量体または多量体として存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載の多重特異性融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項11】
発現制御配列に作動可能に連結している、請求項10に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項12】
請求項11に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項13】
炎症性障害、自己免疫障害または過剰増殖障害を有する被験体を治療するための方法であって、治療有効量の前記請求項のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質またはその組成物を投与する工程を含む方法。
【請求項14】
前記障害が、関節リウマチ、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クローン病(Chron’s disease)、潰瘍性大腸炎、重度の難治性喘息、TNFRSF1A関連周期性症候群(TRAPS)、子宮内膜症、全身性エリテマトーデスまたはアルツハイマー病である、請求項13に記載の方法。
【図2】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−526792(P2011−526792A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516886(P2011−516886)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/049603
【国際公開番号】WO2010/003108
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(511001758)エマージェント プロダクト デベロップメント シアトル, エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/049603
【国際公開番号】WO2010/003108
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(511001758)エマージェント プロダクト デベロップメント シアトル, エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】
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