説明

TRPV1関連障害の治療において有用な2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体

本発明は、一般式(I)を有し、


式中、RがH、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシもしくはハロゲンであり;Rが、H、(C1−4)アルキル(場合により、1以上のハロゲンで置換される。)、(C1−4)アルキルオキシ(場合により、1以上のハロゲンで置換される。)、ハロゲン、CFもしくはシアノから選択される1から3の置換基を表す、2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体もしくはこれらの医薬的に許容される塩;これらを含む医薬組成物、並びに前記2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体のTRPV1介在障害の治療における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体、これらを含む医薬組成物およびTRPV1関連障害の治療におけるこれら2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カチオンチャンネルの一過性受容体チャンネルファミリー(Transient Receptor Channel family)(TRPファミリー)に属する非選択的リガンド開閉型カチオンチャンネルであるバニロイド受容体(VR1もしくはTRPV1)は、皮膚、膀胱、気道および胃腸管を含む多くの組織を神経支配する小径知覚神経の末梢端に多く発現する。より具体的には、TRPV1受容体は、痛覚に一般に関連する求心路であるサブセットAδおよびC繊維に位置する(Mezey et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.97,3655−3660,2000)。このチャンネルの分子レベルでの特徴付けにより、これが、トウガラシの主要辛味構成要素であるバニロイドカプサイシンの標的であると同定された(Caterina et al.,Nature 389,816−824,1997)。実際、カプサイシンに対する感受性は、長年、侵害受容器活性のマーカーとして用いられている。これらの多様型侵害受容器は、化学的、機械的および熱的なものを含む、複数の侵害性刺激によって活性化される。TRPV1の機能的特性の研究はこの受容体が侵害性受容器に共通の多くの特性を共有することを示しており、この特性には、熱的刺激(>43℃)および化学物質(カプサイシン並びにエンドバニロイド、例えば、N−アラキドノイル−ドーパミン(NADA)およびリポキシゲナーゼ代謝物を含む。)による活性化に加えて、酸性化による感作および活性化が含まれる。さらに、炎症媒介物(ATPおよびブラジキニンを含む。)がインビトロでTRPV1を機能的に感作することが示されている。この証拠は、TRPV1が侵害性刺激の多様型検出において欠くことのできない役割を有し、炎症性疼痛応答の伝達に、および、潜在的には、末梢組織傷害の伝達にも寄与することを示唆する(Di Marzo et al.,Curr.Opin.Neurobiol.12,372−379,2002における総説)。
【0003】
疼痛刺激の検出におけるTRPV1の役割は遺伝子ノックアウトマウスにおけるデータからも推察される。TRPV1がないマウスが炎症性侵襲後に示す行動性熱的痛覚過敏(behavioural thermal hyperalgesia)の発生は弱まっている(Caterina et al.,Science 288,306−313,2000,Davis et al.,Nature 405,183−187,2000)。これらの動物からの小径知覚神経も熱的および酸刺激に対する応答の変化を示す。さらに、TRPV1の発現および/または機能的活性の変化が動物モデルにおける炎症および神経傷害の後に示されている(Amaya et al.,Brian Res.963,190−196,2003,Rashid et al.,J.Pharm.Exp.Ther.304,940−948,2003,Hong & Wiley,J.Biol.Chem.280,618−627,2005)。
【0004】
ヒトにおいては、カプサイシンへの皮内露出が、最初にニューロン興奮による灼熱痛の感覚を導き、次いで、機能的脱感作の結果と信じられる、長期間持続する無痛期間を導く(Bley,Exp.Opin Investig Drugs.13,1445−1456,2004における総説)。これは、TRPV1アゴニストの潜在的鎮痛性化合物としての開発につながった。しかしながら、これらの化合物には、初回適用時の疼痛および灼熱感覚を含む幾つかの問題がある。より最近では、カプサゼピン(Walker et al.,J.Pharm.Exp.Ther.304,56−62,2003)およびBCTC(Pomonis et al.,J.Phar.Exp.Ther.306,387−393,2004)を含むTRPV1アンタゴニストが炎症性および神経障害性疼痛の様々な前臨床動物モデルにおいて活性であることが示されている。
【0005】
疼痛伝達における役割に加えて、知覚神経の求心性および遠心性機能並びに非ニューロン細胞の機能の調節におけるTRPV1の役割の証拠も積み重ねられつつある。実際、狭い幅で高頻度での膀胱機能の変化、非排尿性膀胱収縮(non−voiding bladder contractions)および膀胱容量の増加がTRPV1 KOマウスにおいて観察されている(Birder et al.,Nat.Neurosci.5,856−860,2002)。これはニューロンTRPV1および尿路上皮細胞に発現したTRPV1を含み得る。したがって、TRPV1活性を調節する薬剤が、疼痛状態および炎症を含む他の疾患におけるだけではなく、一次知覚繊維の活動亢進が関与する状態(例えば、膀胱過活動および切迫性尿失禁)における有用性を有することを示唆する明瞭な証拠が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)アセトアミド誘導体は、国際特許出願WO 2004/100865およびWO 2006/033620(AstraZeneca AB)において、TRPV1受容体の阻害剤であり、TRPV1介在障害の治療、例えば、急性および慢性疼痛障害、急性および慢性神経障害性疼痛、急性および慢性炎症性疼痛、並びに呼吸器疾患の治療において有用であるものとして開示されている。TRPV1介在障害の治療において有用であるさらなる化合物の必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため、本発明は、
一般式I
【0008】
【化2】

(式中、
はH、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシもしくはハロゲンであり;
は、H、(C1−4)アルキル(場合により、1以上のハロゲンで置換される。)、(C1−4)アルキルオキシ(場合により、1以上のハロゲンで置換される。)、ハロゲン、CFもしくはシアノから選択される1から3の置換基を表す。)
を有する2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体もしくはこれらの医薬的に許容される塩
(但し、
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)−アセトアミド;
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−クロロフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−ブロモフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−メチルフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド;および
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−メトキシフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド、
を除く。)を提供する。
【0009】
前記排除された化合物は、S.C.Sharma(Indian J.Chem 4,33−36,1966)による局所麻酔剤としてのこれらの開示に関連する。
(発明の効果)
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
式Iの定義において用いられる(C1−4)アルキルという用語は、1から4個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐アルキル基、例えば、ブチル、イソブチル、三級ブチル、プロピル、イソプロピル、エチルおよびメチルを意味する。
【0011】
(C1−4)アルキルオキシという用語において、(C1−4)アルキルは上で定義される意味を有する。
【0012】
ハロゲンという用語は、F、Cl、BrもしくはIを意味する。好ましいハロゲンはClおよびFである。
【0013】
がHである式Iの2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体が好ましい。
【0014】
本発明の特に好ましい化合物は以下のものである。
【0015】
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,5−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(5−クロロ−4−メチル−2−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3−クロロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(4−t−ブチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3−メチル−4−クロロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3−メチル−4−フルオロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,5−ジクロロ−2−メトキシフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(2,4−ジクロロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(2,4−ジメチルフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;および
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド、
もしくはこれらの医薬的に許容される塩。
【0016】
本発明の2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体は有機化学の分野において周知の方法によって調製することができる。
【0017】
【化3】

【0018】
スキームIに示される、本発明の化合物に至る実例的な一般経路において、中間体(1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸2をベンゾイミダゾール、適切な脱プロトン化塩基、例えば、カリウムtert−ブトキシドから調製し、適切なニトリル、例えば、ブロモアセトニトリルを用いて適切な溶媒、例えば、エタノール中でアルキル化することができる(J.Das et al.Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 15(2),337−343,2005)。次に、このニトリル1を18%塩酸で所望の酸に加水分解することができ、これは当業者に周知である。この中間体の様々な塩形態、例えば、塩酸塩およびトリエチルアミン塩を形成することができる。式2のカルボン酸もしくはこの塩形態(例えば、塩酸塩もしくはトリエチルアミン)は、この活性化形態、即ち、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)での処理によるアシルアジド、塩化チオニルでの処理による塩化アシルもしくはO−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)での処理による活性化エステルへの変換、および式4の適切なアミンHN−Ar−Arでのさらなる処理により、式3のアミドに変換することができ(J.Am.Chem.Soc.,Vol.108,No.22,6950−6960,1986)、ここで、−Ar−Arは適切に置換された4−フェニルチアゾル−2−イルを表す。
【0019】
式4のアミンを酸2にカップリングさせる代わりの方法には、これらに限定されるものではないが、ペプチドカップリング試薬、例えば、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)もしくはブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)の使用が含まれる。適切な溶媒は、他の溶媒を用いることもできるが、非プロトン性極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)もしくはアセトニトリルである。塩基、例えば、三級アミン、例えば、トリエチルアミンを、ヘテロ芳香族塩基、例えば、ピリジンに加えて用いることができる。温度は、従来の加熱もしくはマイクロ波加熱のいずれかを用いて、0から100℃であり得、反応時間は1時間から30時間である。式3の標的化合物は様々な塩形態、例えば、塩酸塩およびトリフルオロ酢酸塩で存在することができる。
【0020】
式4によって表されるアミン中間体は当業者に公知の様々な方法を用いて調製することができ、この1つがスキームIIに概述される。式5のαブロモケトンは、チオ尿素で、J.Brienholt et al.,J.Heterocyclic Chemistry 38,569,2001によって概述される標準化学を用いてアミノチアゾール6に変換することができる。
【0021】
【化4】

【0022】
本発明の2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体の医薬的に許容される塩は、式Iの化合物の遊離塩基を鉱酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸および硫酸もしくは有機酸、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、シュウ酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸およびメタンスルホン酸で処理することによって得ることができる。
【0023】
本発明の化合物は、非溶媒和形態に加えて、医薬的に許容される溶媒、例えば、水、エタノール等との溶媒和形態で存在していてもよい。一般には、溶媒和形態は、本発明の目的上、非溶媒和形態と等価なものとみなされる。
【0024】
式Iの2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体およびこれらの塩の幾つかは少なくとも1つのキラリティーの中心を含有し、したがって、鏡像異性体およびジアステレオマーを含む立体異性体として存在することができる。本発明は前記立体異性体をこの範囲内に含み、式Iの化合物およびこれらの塩の個々のRおよびS鏡像異性体の各々は実質的にフリーであり、即ち、5%未満、好ましくは2%未満、特には1%未満の他方の鏡像異性体および、2種類の鏡像異性体の実質的に等しい量を含有するラセミ混合物を含む、このような鏡像異性体のあらゆる割合での混合物と会合する。非対称性合成もしくは、これにより純粋な立体異性体が得られる、キラル分離の方法、例えば、キラル誘導を用い、もしくは商業的に入手可能なキラル基質から出発する合成または、例えば、キラル媒体でのクロマトグラフィーを用い、もしくはキラル対イオンでの結晶化による立体異性体の分離は当分野において周知である。
【0025】
本発明は、一般式Iによる2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体もしくはこれらの医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される助剤および、場合により、他の治療薬と混合した状態で含む医薬組成物をさらに提供する。「許容される」という用語は、この組成物の他の成分と適合し、これらの受容者に対して有害ではないことを意味する。組成物には、例えば、すべてが投与用の単位投与形態にある、経口、舌下、皮下、静脈内、硬膜外、くも膜下腔内、筋肉内、経皮、肺、局所もしくは直腸投与等に適するもの等が含まれる。
【0026】
経口投与については、活性成分を個別の単位、例えば、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、溶液、懸濁液等として提示することができる。
【0027】
非経口投与については、本発明の医薬組成物を単位用量もしくは複数用量容器、例えば、予め決定された量の、例えば、密封されたバイアルおよびアンプル内の注射液として提示することができ、使用前の無菌液体坦体、例えば、水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することもできる。
【0028】
例えば、標準参考文献Gennaro,A.R.et al.,Remington: The Science and Practice of Pharmacy(20th Edition,Lippincott Williams & Wilkins,2000、特には、Part 5: Pharmaceutical Manufacturingを参照)に記載されるように、このような医薬的に許容される助剤と混合することで、活性薬剤を固体投与単位、例えば、ピル、錠剤に圧縮し、またはカプセル、座剤もしくはパッチに加工することができる。医薬的に許容される液体により、活性薬剤を溶液、懸濁液、エマルジョンの形態にある流体組成物、例えば、注射調製品として、またはスプレー、例えば、鼻スプレーとして適用することができる。
【0029】
固体投与単位の製造には、従来の添加物、例えば、充填剤、着色剤、ポリマー結合剤等の使用が意図される。一般には、活性化合物の機能を妨害することのないあらゆる医薬的に許容される添加物を用いることができる。これと共に本発明の活性薬剤を固体組成物として投与することができる適切な坦体には、適切な量で用いられる、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体等もしくはこれらの混合物が含まれる。非経口投与には、医薬的に許容される分散剤および/または湿潤剤、例えば、プロピレングリコールもしくはブチレングリコールを含有する、水性懸濁液、等張生理食塩水および無菌注射溶液を用いることができる。
【0030】
本発明は、さらに、前述の医薬組成物を前記組成物に適する包装材料との組み合わせで含み、前記包装材料には前述の用途に組成物を用いるための取扱説明書が含まれる。
【0031】
本発明の2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体は、ヒト組換えVR1受容体が安定に発現しているチャイニーズハムスター卵巣細胞株を用いる機能的カルシウム流入アッセイ(functional calcium influx assay)による測定で、バニロイド受容体でアンタゴニスト特性を有することが見出された。このような組換え細胞株を構築する方法は当分野において周知である(Sambrook et al.,Molecular Cloning: a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,最新版)。
【0032】
したがって、本発明の化合物は、TRPV1介在障害の治療、例えば、急性および慢性疼痛障害、急性および慢性神経障害性疼痛、急性および慢性炎症性疼痛並びに呼吸器疾患の治療において有用である。本発明の化合物は、ヒトに、症状の緩和に十分な量で十分な時間投与することができる。例示的には、ヒトの投与量レベルは、体重kgあたり0.001から50mgの範囲、好ましくは、体重kgあたり0.01から20mgであり得る。
【0033】
本発明を以下の実施例によって説明する。
【実施例1】
【0034】
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(4−クロロ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド。
【0035】
A:(1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)アセトニトリル
乾燥N,N−ジメチル−ホルムアミド(500mL)中のベンゾイミダゾール(10g、0.085mol)の氷冷溶液にカリウムtert−ブトキシド(9.6g、0.085mol)を少しずつ添加した。この混合物を室温で1時間攪拌した後、ブロモアセトニトリル(6mL、0.086mol)を一度に添加して3時間攪拌した。次に、この混合物を固体二酸化炭素、次いで水で急冷させ、有機物を分離した。有機物を水(100mL×5)および食塩水(100mL×1)でさらに洗浄し、合わせて乾燥させ(NaSO)、濾過して蒸発乾燥させた。この残基を、ジクロロメタン:エタノール(1%から6%までのエタノール)で溶出するシリカゲルカラムを通過させ、黄色固体を得た(12g、89%)。H NMR(400MHz,CDCl)δppm 5.08(2H,s)、7.36−7.43(2H,m)、7.47(1H,d,J=7.4Hz)、7.85(1H,d,J=7.2Hz)、7.93(1H,s)。
【0036】
B:(1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸(塩酸塩)
(1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)アセトニトリル(35g、0.23mol)(実施例1A)を18%塩酸(500mL)に溶解し、加熱して5時間還流させた。次に、この溶液を減圧下でアセトニトリルを共溶媒として用いて蒸発乾燥させ、すべての溶媒を共沸的に除去した。アセトンを添加して固体(NHCl)を濾過し、アセトンで洗浄した。次いで濾液を冷たいまま24時間静置し、明褐色結晶を集めて乾燥させた(45g、100%)。H NMR(400MHz,CDOD)δppm 5.47(2H,s)、7.68−7.70(2H,m)、7.88−7.92(2H,m)、9.51(1H,s)。MS(ES)m/z 177.4[M+H]
【0037】
C:2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(4−クロロ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)中の(1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸(1g、5.68mmol)(実施例1B)の溶液に塩化チオニル(0.4mL、5.56mmol)を滴下により添加し、この反応混合物を室温で1時間攪拌した。次に、2−アミノ−4−(4−クロロフェニル)チアゾール(1.15g、5.46mmol)およびピリジン(4mL)を反応混合物に添加し、室温で17時間攪拌した。次いで、この反応混合物を真空中で濃縮し、ジクロロメタンを添加して分液ロートに移し、そこで有機物質を0.1M塩酸および10%水酸化アンモニウム溶液で洗浄した。有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して乾燥させ(MgSO)、濾過して真空中で濃縮した。この後、残基を、シリカを用い、ジクロロメタン中に0から10%のメタノールで溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製し、標題化合物を得た(93.7mg、4.5%)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 5.34(2H,s)、7.19−7.27(2H,m)、7.51(1H,d,J=8.5Hz)、7.59(1H,d,J=7.2Hz)、7.68(1H,d,J=7.1Hz)、7.71(1H,s)、7.93(2H,d,J=8.5Hz)、8.25(1H,s)、12.79(1H,s)。MS(ES)m/z:369.0[M+H]。
【実施例2】
【0038】
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,5−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド
A:4−(3,5−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミン
エタノール(2mL)中の2−ブロモ−1−(3,5−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−エタノン(200mg、0.746mmol)、チオ尿素(100mg、1.3mmol)をEmrysオプチマイザEXPマイクロ波(Emrys optimizer EXP microwave)において165℃に300秒間加熱した。揮発性溶媒を除去し、残基を水に溶解して水酸化ナトリウムでpH 7に調整した。この水性混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、蒸発乾燥させて油性残基を得た。次いで、これをさらに精製することなく次の工程において用いた。
【0039】
B:2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,5−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド
(1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸(50mg、0.28mmol)(実施例1B)をトルエンおよびN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。次に、トリエチルアミン(0.03mL、0.42mmol)、次いでジフェニルホスホリルアジド(DPPA)(0.07mL、0.36mmol)を添加し、室温で24時間攪拌した。次いで、4−(3,5−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミン(57mg、0.21mmol)(実施例2A)を一度に添加し、この混合物を室温で24時間攪拌した。混合物を蒸発乾燥させてDMSO(1mL)を添加した後、調製用LCMSによって精製して油性残基を得た(8.9mg、7%)。H NMR(400MHz,CDOD)δppm 3.81(3H,s)、5.34(2H,s)、7.29−7.36(3H,m)、7.42(1H,d,J=2.5Hz)、7.53(1H,d,J=7.2Hz)、7.72(1H,d,J=7.1Hz)、8.06(1H,d,J=2.6Hz)、8.25(1H,s)。MS(ES)m/z:434.3[M+H]。
【実施例3】
【0040】
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド
A:4−(3,4−ジフルオロフェニル)−チアゾル−2−イルアミン
実施例2Aにおける方法に従い、2−ブロモ−1−(3,5−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−エタノンの代わりに2−ブロモ−3,4−ジフルオロ−アセトフェノン(4.4g、0.018mol)を用いて調製。生成物は白色固体として単離された(3.7g、93%) H NMR(400MHz,CDCl)δppm 5.01(2H、brs)、6.67(1H,s)、7.15(1H,dd,J=8.4および18.5Hz)、7.47−7.50(1H,m)、7.57−7.62(1H,m)。MS(ES)m/z:213.3[M+H]。
【0041】
B:2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド
(1H−ベンゾイミダゾル−1−イル)酢酸(3.1g、0.017mol)(実施例1B)を酢酸エチルに溶解した。次に、トリエチルアミン(9mL、0.064mmol)、次いで4−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−チアゾル−2−イルアミン(実施例3A)(3.7g、0.017mol)を添加し、室温で1時間攪拌した。この後、酢酸エチル中の50% wt.無水プロピルホスホン酸溶液(PPA)(10.8mL、0.017mol)を滴下により添加し、混合物を室温で24時間攪拌した。次に、この混合物を酢酸エチルおよび炭酸ナトリウム溶液に分配し、炭酸ナトリウム(3×100mL)で洗浄した。有機物質を合わせて乾燥させ(MgSO)、濾過して蒸発乾燥させた。次いで、固体をメタノールと共に摩砕し、白色固体を得た(3.1g、48%)。H NMR(400MHz,CDOD)δppm 5.65(2H,s)、7.28(1H,dd,J=8.4および18.9Hz)、7.47(1H,s)、7.66−7.74(3H,m)、7.79−7.84(1H,m)、7.88−7.94(2H,m)、9.49(1H,s)。MS(ES)m/z:371.2[M+H]。
【実施例4】
【0042】
インビトロ活性の測定
TRPV1受容体での化合物の機能的活性を、Ca2+感受性蛍光染料およびヒトTRPV1(VR1)を安定に発現するCHO細胞株を用いる、Molecular Devices Flexstation IIベースのCa2+流入アッセイを用いて測定した。
【0043】
試験化合物はDMSO中の原液として調製し、活性について(100μMから100pMの範囲の)数log単位にわたって試験した。IC50測定については、必要に応じて、化合物をアッセイバッファでさらに希釈した。
【0044】
組換えヒトVR1をCMVプロモーターの制御の下で安定に発現するCHO−K1細胞を、アッセイの24時間前に、黒色透明底96ウェルプレートアッセイプレート(Costar)内に播種した(30,000細胞/ウェル)。細胞を、37℃/5% COで、標準成長培地(10% fetalclone II血清および0.4mg/ml G418(すべてInvitrogen)を補足したダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagles medium)(PYRIDOXINEを含むDMEM/NUT.MIX.F−12 GLUTAMAX−1(1:1))中に維持した。アッセイに先立ち、細胞をアッセイバッファ(10mM グルコース、2mM CaCl、1mM MgClおよび0.5mM プロベニシド(Probenicid)を補足した150μl Hepes緩衝生理食塩水 pH7.4)で1回洗浄した。この後、細胞を、暗所で、アッセイバッファ中に調製した100μl 5μM Fluo−3AM(Calbiochem)と共に、37℃/5% COで1時間温置した。細胞をバッファでさらに2回洗浄することによって過剰の染料を除去した後、試験化合物の適切な濃度もしくはバッファのみと予備温置(10分、RT)を行った。VR1応答を、Flexstation IIにおいて、アゴニスト(カプサイシン)のEC80濃度での添加の後に評価し、Ca2+流入を蛍光放射(488nm/525nm)の測定によって評価した。基線蛍光応答は、カプサイシンの添加に先立ち、約20秒間(1.28秒間隔で16回の読み取り)測定した。カプサイシン添加後の蛍光放射の増加をさらに40秒間(1.28秒間隔で31回の読み取り)測定した。応答を最大−最小蛍光として記録した。細胞内[Ca2+]におけるTRPV1介在増加のアンタゴニスト誘導阻害を、アンタゴニストが存在しない状態(即ち、バッファ単独で予備温置)でカプサイシンを添加した同じプレート上のウェルに対して評価した。上述のインビトロアッセイにおいて測定される典型的なIC50値は3μM以下である。本発明の幾つかの実施形態については、IC50は100nM未満であることが見出された。
【実施例5】
【0045】
抗侵害受容のホルマリン試験
試験化合物の抗侵害受容効果をマウスにおけるホルマリン足試験(formalin paw test)で測定した。このモデルは損傷組織によって生成される連続的な侵害性刺激に対する行動性応答を評価する。マウスの一方の後足へのホルマリン希釈溶液の注射は、幾つかの種において侵害性行動の2つの別個の相を生じる(Dubuisson and Dennis,Pain,4(2),161−174,1977)。第1期間はホルマリン注射の直後に始まり、4から5分間持続する。この早期相に無行動の10から15分の期間が続き、この後に侵害性行動の第2相が生じる。この相はさらに20から30分間継続する。マウスにおいて、注射された足を舐めるか、もしくは囓るのに費やした時間を記録することが行動評価の最も一般的な方法である。
【0046】
オスICRマウス(22から30g;投薬あたりn=6から10)を、実験当日に、薬物投与に先立って透明なPerspex観察箱にこれらを1匹ずつ1時間入れることによってこれらの試験環境に慣らした。無菌生理食塩水中に0.3%のホルマリン溶液を新鮮な溶液として毎日調製した。水中5%のsolutolに溶解した試験化合物を10ml.kg−1で静脈内(i.v.)投与し、この5分後にホルマリン溶液20μlを一方の後足の背部表面に皮下注射した。この後、各々の動物が示す侵害性行動の回数を自動化システムを用いて測定した。侵害性行動はホルマリン注射後の2つの期間中に測定した;0から5分(相1)および20から30分(相2)。ED50値を、各々の化合物、舐め行動の2つの相の各々について、非線形回帰フィットS字状用量−応答曲線(XIfit、IDDBs)を用いて算出した。
【0047】
ホルマリン試験の相IIにおける典型的なED50は50μmol/Kg以下である。本発明の幾つかの2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体については、ED50が15μmol/Kg未満であることが見出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

(式中、
はH、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシもしくはハロゲンであり;
は、H、(C1−4)アルキル(場合により、1以上のハロゲンで置換される。)、(C1−4)アルキルオキシ(場合により、1以上のハロゲンで置換される。)、ハロゲン、CFもしくはシアノから選択される1から3の置換基を表す。)
を有する2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体もしくはこれらの医薬的に許容される塩、但し、
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)−アセトアミド;
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−クロロフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−ブロモフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−メチルフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド;および
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−メトキシフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド、
を除く。
【請求項2】
がHである、請求項1の2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項3】
が(C1−4)アルキル、CF、メトキシ、クロロおよびフルオロから選択される1から3の置換基を表す、請求項1もしくは2の2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項4】
以下から選択される、請求項1の2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,5−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,4−ジフルオロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(5−クロロ−4−メチル−2−メトキシ−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3−クロロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(4−t−ブチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3−メチル−4−クロロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3−フルオロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3−メチル−4−フルオロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(3,5−ジクロロ−2−メトキシフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(2,4−ジクロロフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(2,4−ジメチルフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド;および
2−ベンゾイミダゾル−1−イル−N−[4−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−チアゾル−2−イル]−アセトアミド、
もしくはこれらの医薬的に許容される塩。
【請求項5】
治療において用いるための、請求項1から4のいずれか一項の2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項の2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体を医薬的に許容される助剤と混合された状態で含む医薬組成物。
【請求項7】
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)−アセトアミド;
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−クロロフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−ブロモフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド;
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−メチルフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド;および
2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−[4−(4−メトキシフェニル)チアゾル−2−イル]−アセトアミド、
を含む、式Iの2−(ベンゾイミダゾル−1−イル)−N−(4−フェニルチアゾル−2−イル)アセトアミド誘導体の、TRPV1介在障害を治療するための医薬の調製への使用。
【請求項8】
医薬が慢性疼痛障害、急性および慢性神経障害性疼痛、急性および慢性炎症性疼痛並びに呼吸器疾患を治療するためのものである、請求項7の使用。

【公表番号】特表2009−514928(P2009−514928A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539416(P2008−539416)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068109
【国際公開番号】WO2007/054474
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】