説明

Toll様受容体アゴニスト処方物およびその使用

本発明は、一般に、癌(好ましくは、固形腫瘍およびリンパ腫)の処置で用いるTLRアゴニスト(好ましくは、TLR7アゴニストまたはTLR8アゴニスト)の安定な処方物に関する。具体的には、本発明は、50mg/mlまでのシクロデキストリンを含むTLRアゴニストの安定な処方物に関する。本発明は、一般に、癌(好ましくは、固形腫瘍およびリンパ腫)の処置での使用、および他の使用(一定の皮膚容態または疾患(アトピー性皮膚炎など)の処置、感染症(好ましくは、ウイルス疾患)の処置が含まれる)、ならびに癌治療および感染症の処置での使用のために処方されたワクチン中のアジュバントとしての使用のためのベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを含む薬学的組成物の処方に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願
本願は、2008年8月1日に出願された米国仮特許出願61/137,694号への優先権を主張する。上記出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
2.発明の分野
本発明は、Toll様受容体(TLR)アゴニストの薬学的処方物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
3.発明の背景
Toll様受容体(TLR)は、そのin vivo活性化によって特異的サイトカイン、ケモカインおよび成長因子が関与する先天性免疫応答が開始されるI型膜貫通タンパク質のファミリーである。全てのTLRが一定の細胞内シグナル伝達分子(核性因子κβ(NF−kB)およびマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPキナーゼ)など)を活性化することができる一方で、放出されるサイトカインおよびケモカインの特異的集合物は各TLRに固有なようである。TLR7、8、および9は、免疫細胞(樹状細胞および単球など)のエンドソーム区画またはリソソーム区画中に存在するTLRのサブファミリーを含む。具体的には、TLR7は、形質細胞様樹状細胞によって発現され、且つより少ない程度で単球によって発現され、TLR8は、単球ならびに単球由来樹状細胞および骨髄性樹状細胞によって発現される。このサブファミリーは、微生物核酸(一本鎖RNAなど)の認識を媒介する。TLR7および/またはTLR8のアゴニストは、種々の炎症性サイトカイン(インターロイキン−6、インターロイキン−12、腫瘍壊死因子−α、およびインターフェロン−γが含まれる)の産生を刺激する。かかるアゴニストはまた、共刺激分子(CD40、CD80、およびCD86など)、主要組織適合性複合体分子、およびケモカイン受容体の発現の増加を促進する。I型インターフェロン(IFNαおよびIFNβ)はまた、TLR7/8アゴニストでの活性化の際に細胞によって産生される。
【0004】
プリンヌクレオチドであるアデノシンおよびグアノシンに類似する小さな低分子量(400ダルトン未満)の合成イミダゾキノリン化合物は、同定された最初のTLR7およびTLR8アゴニストであった。多数のこれらの化合物は、抗ウイルス性および抗癌性が証明されている。例えば、TLR7アゴニストであるイミキモド(ALDARA(商標))は、一定のヒトパピローマウイルス菌株に起因する皮膚病変の処置のための局所薬として米国食品医薬品局によって承認された。イミキモドはまた、原発性皮膚癌および皮膚腫瘍(基底細胞癌、ケラトアカントーマ、光線性角化症、およびボーエン病など)の処置に有用であり得る。TLR7/8アゴニストであるレシキモド(R−848)は、ヒト陰部ヘルペス処置のための局所薬として評価されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
4.発明の概要
本発明は、一般に、癌(好ましくは、固形腫瘍およびリンパ腫)の処置での使用、および他の使用(一定の皮膚容態または疾患(アトピー性皮膚炎など)の処置、感染症(好ましくは、ウイルス疾患)の処置が含まれる)、ならびに癌治療および感染症の処置での使用のために処方されたワクチン中のアジュバントとしての使用のためのベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを含む薬学的組成物の処方に関する。具体的には、本発明は、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト、好ましくはTLR7アゴニストまたはTLR8アゴニストの安定な処方物に関する。好ましい実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLR7アゴニストまたはTLR8アゴニストを癌の処置で使用し、癌は、卵巣癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、膀胱癌、肝細胞癌、およびリンパ腫からなる群から選択される。
【0006】
好ましくは、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.5mg/ml〜約50mg/ml、約1mg/ml〜約40mg/ml、または約2mg/ml〜約15mg/mlの濃度で処方する。ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.5mg/ml〜約10mg/ml、約0.5mg/ml〜約8mg/ml、約0.5mg/ml〜約6mg/ml、約0.5mg/ml〜約4mg/ml、または約0.5mg/ml〜約2mg/mlの濃度で処方する。ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.5mg/ml、約1mg/ml、約2mg/ml、約4mg/ml、約6mg/ml、約8mg/ml、約10mg/ml、約15mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約30mg/ml、約40mg/ml、または約50mg/mlの濃度で処方する。好ましくは、処方物は、約1〜30重量/体積%、5〜15重量/体積%、または5〜10重量/体積%(w/v)のシクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリン、および最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む。ある実施形態では、処方物は、1%、5%、10%、15%、20%、25%、または30%w/vのシクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリン、および最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む。特定の実施形態では、処方物は、少なくとも2mg/mlの濃度でベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを含む水溶液である。さらなる実施形態では、処方物は、15%w/vのシクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリン、最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む。好ましい実施形態では、処方物は、哺乳動物(好ましくはヒト)での注射に適切である。特定の実施形態では、注射は、皮下経路、筋肉内経路、または経皮経路による注射である。ある実施形態では、処方物は静脈内投与に適切である。
【0007】
ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物のpHは酸性(pH7未満を意味する)である。好ましくは、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物のpHは約pH5.0〜約pH7、好ましくは約pH5.5〜約pH6.5である。特定の好ましい実施形態では、pH6.5である。1つの実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物は、哺乳動物(好ましくは、ヒト)における注射に適切な固体、液体または凍結乾燥された処方物である。1つの実施形態では、処方物は無菌である。ある実施形態では、本発明の処方物は、約20〜25℃の範囲の温度で少なくとも1週間安定である。処方物は、約2〜8℃で少なくとも2週間安定である。
【0008】
本発明はまた、水溶液で再構成する場合に実質的に溶解するベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの凍結乾燥処方物を提供する。好ましくは、再構成された処方物は哺乳動物(好ましくは、ヒト)における注射に適切である。特定の実施形態では、注射は、皮下経路、筋肉内経路、または経皮経路による注射である。ある実施形態では、処方物は静脈内投与に適切である。
【0009】
ある好ましい実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物は、1つまたは複数の以下のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを含む:(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ビス(2−メトキシエチル)−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジエチル−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−N,N−ジプロピル−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−N−エチル−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−N−プロピル−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(ピロリジン−1−カルボニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(4−(メトキシカルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(4−(メチルカルバモイル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;およびその薬学的に許容可能な塩。特定の実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストは、(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミドおよびその薬学的に許容可能な塩である。
【0010】
本発明は、さらに、シクロデキストリンを含む本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物の被験体(好ましくは、ヒト被験体)への投与による癌の処置方法を提供する。好ましい実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、1つまたは複数のさらなる処置様式と組み合わせて投与し、この様式は、化学療法薬、サイトカイン、抗体、ホルモン療法、または放射線療法から選択される。1つの実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、固形腫瘍処置レジメンの一部として投与する。さらなる実施形態では、固形腫瘍は、卵巣癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、膀胱癌、肝細胞癌、またはリンパ腫から選択される癌の一形態である。1つの実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、リンパ腫処置レジメンの一部として投与する。1つの実施形態では、リンパ腫はホジキンリンパ腫である。別の実施形態では、リンパ腫は非ホジキンリンパ腫である。別の実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、癌処置のためのワクチンアジュバントとして使用する。癌処置方法のある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、注射または静脈内に投与する。特定の実施形態では、注射は、皮下経路、筋肉内経路、または経皮経路による注射である。特定の実施形態では、処方物を皮下注射によって投与する。
【0011】
本発明はまた、被験体(好ましくは、ヒト被験体)へのシクロデキストリンを含む本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物の投与によるアトピー性皮膚炎の処置方法を提供する。この実施形態によれば、投与経路は、好ましくは、皮下または局所である。
【0012】
本発明はまた、被験体(好ましくは、ヒト被験体)へのシクロデキストリンを含む本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物の投与による感染症の処置方法を提供する。好ましくは、感染症はウイルスに起因する。特定の実施形態では、ウイルスはC型肝炎ウイルス(HCVまたはHepC)である。
【0013】
癌または感染症の処置方法のある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.02〜10mg/kgまたは約0.04〜5mg/kg被験体体重の用量で被験体に投与する。ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.02mg/kg、約0.05mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、または約5mg/kgの用量で投与する。あるさらなる実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、1週間または2週間を基準として被験体に投与する。
【0014】
本発明はまた、癌または1つまたは複数のその症状の処置のための本発明の液体または凍結乾燥されたベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を充填した1つまたは複数の容器を含む薬学的パックまたはキットを提供する。好ましくは、処方物は、約1〜30%、5〜15%、または5〜10%w/vのシクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリン、および最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む。ある実施形態では、処方物は、2%、5%、10%、15%、20%、25%、または30%w/vのシクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリン、および最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む。特定の実施形態では、処方物は、β−シクロデキストリン、好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含むベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミドの水性処方物である。別の実施形態では、処方物は、β−シクロデキストリン、好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミドの凍結乾燥処方物である。好ましくは、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを少なくとも2mg/mlの濃度で処方し、処方物(水性であるか再構成された凍結乾燥形態であるかは無関係)は、哺乳動物(好ましくは、ヒト)における皮下注射に適切である。
【0015】
本発明はまた、被験体における癌、感染症、またはアトピー性皮膚炎の治療薬の製造におけるベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト、好ましくはTLR7アゴニストまたはTLR8アゴニストの処方物の使用を提供する。癌は、卵巣癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、膀胱癌、肝細胞癌、およびリンパ腫からなる群から選択される。
【0016】
1つの実施形態では、TLRアゴニストを、少なくとも2mg/mlの濃度で処方する。さらに、処方物は、注射による被験体(被験体は、好ましくはヒトである)への投与に適切であり、注射は、皮下注射、筋肉内注射、または経皮注射である。ある実施形態では、TLRアゴニストを、約0.02〜10mg/kgの用量、約0.04〜5mg/kgの用量で被験体に投与する。あるさらなる実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、1週間または2週間を基準として被験体に投与する。
【0017】
好ましい実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、1つまたは複数のさらなる処置様式と組み合わせて投与し、この様式は、化学療法薬、サイトカイン、抗体、ホルモン療法、または放射線療法から選択される。本発明はまた、ウイルス(ウイルスは肝炎ウイルスである)に起因する感染症の処置方法を提供する。
【0018】
上記説明は、以下の詳細な説明を理解することができ、且つ当該分野への寄与をより良好に認識することができるように、本発明のより重要な特徴をむしろ広く記載している。本発明の他の目的および特徴は、実施例と併せて考慮した以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
5.発明の詳細な説明
1つまたは複数の本発明の実施形態の詳細を、以下の付随する説明に記載する。本明細書中に記載の方法および材料と類似するか等価な任意の方法および材料を本発明の実施または試験で使用することができるにもかかわらず、好ましい方法および材料をここに記載する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、本説明から明らかであろう。本明細書中では、文脈上別のことを明確に示さない限り、単数形には複数形も含まれる。他で定義しない限り、本明細書中で使用した全ての技術用語および科学用語は、本発明に属する当業者によって一般的に理解されているのと同等の意味を有する。矛盾する場合、本明細書に従うであろう。
【0020】
本発明は、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの安定な処方物およびその使用方法を提供する。本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストは、好ましくはTLR7またはTLR8アゴニストであるか、TLR7およびTLR8の両方のアゴニスト活性を有する。本発明に従って処方することができるベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストは、2006年8月17日出願のPCT国際出願番号PCT/US2006/032098号に記載されている。好ましい実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストは、(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミドおよびその薬学的に許容可能な塩である。本発明の処方物は、本明細書中に記載のヒト疾患(癌および感染症など)の処置方法での使用に適切である。
【0021】
本発明のTLRアゴニスト
本発明に従って処方することができるベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストは、2007年3月1日にWO2007/024612号として公開された2006年8月17日出願のPCT国際出願番号PCT/US2006/032098号(その内容全体が本明細書中で参考として援用される)に記載されている。好ましい実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストは、(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミドおよびその薬学的に許容可能な塩である。
【0022】
好ましくは、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストは、式I:
【0023】
【化1】

(式中、
Yは、CFCF、CFCF、またはアリール環またはヘテロアリール環であり、アリール環およびヘテロアリール環は、アルケニル、アルキニル、Br、CN、OH、NR、C(=O)R、NRSO、(C〜Cアルキル)アミノ、ROC(=O)CH=CH−、SRおよびSOから独立して選択される1つまたは複数の基に置換され、アリール環およびヘテロアリール環は、F、Cl、CF、CFO−、HCFO−、アルキル、ヘテロアルキルおよびArO−から独立して選択される1つまたは複数の基に任意選択的にさらに置換され;
、RおよびRは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、アルキル、アルケニル、アルキニル、F、Cl、Br、I、CN、OR、NR、C(=O)R、C(=O)OR、OC(=O)R、C(=O)NR、(C〜Cアルキル)アミノ、CHOCHO−、ROC(=O)CH=CH−、NRSO、SR、およびSOから独立して選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換されるか、
およびRはこれらが結合する原子と共に飽和または部分飽和の炭素環を形成し、炭素環は、アルキル、アルケニル、アルキニル、F、Cl、Br、I、CN、OR、NR、C(=O)R、C(=O)OR、OC(=O)R、C(=O)NR、(C〜Cアルキル)アミノ、CHOCHO−、ROC(=O)CH=CH−、NRSO、SR、およびSOから独立して選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換され;
およびRは、H、OR、NR、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、アルキル、アルケニル、アルキニル、F、Cl、Br、I、CN、OR、NR、C(=O)R、C(=O)OR、OC(=O)R、C(=O)NR、(C〜Cアルキル)アミノ、CHOCHO−、ROC(=O)CH=CH−、NRSO、SR、およびSOから独立して選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換され;R5a、R5b、およびR5cは、独立して、H、F、Cl、Br、I、OMe、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、アルキル、アルケニル、アルキニル、F、Cl、Br、I、CN、OR、NR、C(=O)R、C(=O)OR、OC(=O)R、C(=O)NR、(C〜Cアルキル)アミノ、CHOCHO−、ROC(=O)CH=CH−、NRSO、SR、およびSOから独立して選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換されるか、
およびRはこれらが結合する原子と共に飽和または部分飽和の複素環を形成し、複素環は、アルキル、アルケニル、アルキニル、F、Cl、Br、I、CN、OR、NR、C(=O)R、C(=O)OR、OC(=O)R、C(=O)NR、(C〜Cアルキル)アミノ、CHOCHO−、ROC(=O)CH=CH−、NRSO、SR、およびSOから独立して選択される1つまたは複数の基に任意選択的に置換される)の化合物、ならびにその代謝産物、溶媒和物、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、プロドラッグである。
【0024】
ある実施形態では、R、RおよびRはそれぞれ水素である。
【0025】
ある実施形態では、R5a、R5bおよびR5cはそれぞれ水素である。
【0026】
式Iの化合物のある実施形態では、RはORである。ある実施形態では、Rはアルキル((1〜4C)アルキルなど)である。特定の実施形態では、Rはエチルである。
【0027】
式Iの化合物のある実施形態では、RはNRである。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、H、アルキル((1〜6C)アルキルなど)、またはヘテロアルキル((1〜4C)アルコキシ(2〜4C)アルキルなど)である。特定の実施形態では、RおよびRは、独立して、H、エチル、プロピル、またはCHCHOCHである。
【0028】
式Iの化合物のある実施形態では、Yはアリール(フェニルなど)である。ある実施形態では、アリールは、C(=O)R(パラ−RC(=O)フェニルなど)に置換される。一ある実施形態では、Rは、OR、NRまたはヘテロシクロアルキルである。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、Hまたはアルキル((1〜6C)アルキルなど)である。ある他の実施形態では、RおよびRはこれらが結合する窒素原子と共に4〜6員のアザシクロアルキル環(ピロリジニルなど)を形成する。特定の実施形態では、Yは、
【0029】
【化2】

である。
【0030】
式Iの化合物のある実施形態では、YはCFCFである。
【0031】
特定の実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストは、以下の化合物から選択される:
(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;
(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ビス(2−メトキシエチル)−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;
(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジエチル−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;
(1E,4E)−2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−N,N−ジプロピル−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;
(1E,4E)−2−アミノ−N−エチル−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;
(1E,4E)−2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−N−プロピル−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;
(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(ピロリジン−1−カルボニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;
(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(4−(メトキシカルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;
(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(4−(メチルカルバモイル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;
(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;および
その薬学的に許容可能な塩。
【0032】
5.1 処方物
本発明は、5.1項中に記載のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの安定な処方物を提供する。本発明の処方物は、好ましくは、5.3項に記載の薬学的使用に適切である。最も好ましくは、処方物は、被験体(好ましくは、ヒト被験体)への皮下投与に適切であるが、5.4項に記載の他の手段による投与に適切であり得る。
【0033】
本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。本明細書中で使用される用語「賦形剤」は、広義には、処方物の活性薬剤と組み合わせて使用した生物学的に不活性な物質をいう。賦形剤を、例えば、溶解補助剤、安定剤、希釈剤、不活性キャリア、防腐剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤、香味物質、または着色剤として使用することができる。好ましくは、処方物の1つまたは複数の有利な物理的性質(活性薬剤の安定性および/または溶解性の増加など)が得られるように少なくとも1つの賦形剤を選択する。本明細書中に記載のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストは、本発明の処方物の主要な活性薬剤である。しかし、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、本明細書中に記載の他の活性薬剤(例えば、他のTLRアゴニスト、抗癌剤または抗ウイルス薬)と共に処方することができる。
【0034】
「薬学的に許容可能な」賦形剤は、州規制当局または連邦規制当局によって動物での使用、好ましくはヒトでの使用が承認されているか、米国薬局方(Pharmacopia)、欧州薬局方(Pharmacopia)、または別の一般的に認識されている薬局方(pharmacopia)において動物での使用、好ましくはヒトでの使用について列挙されている賦形剤である。
【0035】
賦形剤の例には、一定の不活性タンパク質(アルブミンなど);親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);アミノ酸(アスパラギン酸(あるいは、アスパラギン酸塩ということができる)など)、グルタミン酸(あるいは、グルタミン酸塩ということができる)、リジン、アルギニン、グリシン、およびヒスチジン;脂肪酸およびリン脂質(スルホン酸アルキルおよびカプリル酸塩など);界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウムおよびポリソルベートなど);非イオン性界面活性剤(TWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)、またはポリエチレングリコール(PEG)など);炭水化物(グルコース、スクロース、マンノース、マルトース、トレハロース、およびデキストリン(シクロデキストリンが含まれる)など);ポリオール(マンニトールおよびソルビトールなど);キレート剤(EDTAなど);および塩形成対イオン(ナトリウムなど)が含まれる。
【0036】
本発明の処方物は、好ましくは、TLRアゴニストの水溶性を増大させるシクロデキストリンを含む。シクロデキストリンは、α−D−グルコピラノースの結晶性で非吸湿性の環状オリゴマーである。グルコピラノース単位に接続する結合のまわりの回転不足の結果として、シクロデキストリンは、円柱形ではなく、ドーナツ型である。この制限された回転により、シクロデキストリンは、分子内のグルコピラノース単位数に従ってそのサイズが変化する中心空洞を有する強固な構造を有する。3つの最も一般的なシクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリン(それぞれ、6個、7個、または8個のグルコピラノース単位からなる)である。シクロデキストリン分子内のヒドロキシル基の配置および分子の形状に起因して、空洞の内面は疎水性である一方で、外面は親水性である。一次ヒドロキシル基はドーナツ型をした分子の狭い方の(内部の)側面に存在する一方で、二次ヒドロキシル基はより広い(外側の)縁に存在する。この配置により、シクロデキストリンは、包接錯体の形成によって疎水性空洞内の広範な種々の疎水性小分子を収容することが可能である。
【0037】
本発明の処方物での使用に適切なシクロデキストリンは、当該分野で公知である。例えば、TRAPPSOL(商標)および他のシクロデキストリンはCTD,Inc.(High Springs,FL)で作製されており、CAPTISOL(登録商標)(スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン)は、市販の注射液(ABILIFY IM(商標)、GEODON、およびVFEND IVなど)中に存在する。好ましくは、CAPTISOL(登録商標)を本発明の処方物で使用する。
【0038】
ある実施形態では、処方物は、1〜30%、2〜12%、5〜15%、15〜20%、20〜25%、または25〜30%w/vのシクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリン、および最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む。他の実施形態では、処方物は、2%、4%、6%、8%、10%、12%、または15%w/vのシクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリン、および最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む。他の実施形態では、処方物は、20%、25%、または30%w/vのシクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリン、および最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む。特定の実施形態では、処方物は、5%、15%、25%、または30%のシクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリン、および最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む。
【0039】
シクロデキストリンは好ましい溶解補助剤であるにも関わらず、他の水溶解補助剤を使用することができる。他のかかる薬剤の例には、ポロクサマー、ポビドンK17、ポビドンK12、Tween80、エタノール、クレモフォール/エタノール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、およびプロピレングリコールが含まれる。好ましい実施形態では、本発明の処方物は、10%v/v未満のかかる薬剤を含む。ある実施形態では、油ベースの溶解補助剤(リピオドールおよびピーナッツ油など)を使用する。
【0040】
本発明の処方物はまた、薬学的に許容可能な塩、緩衝剤、または防腐剤を含むことができる。かかる塩の例には、以下の酸から調製した塩が含まれる:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ホウ酸、ギ酸、マロン酸、およびコハク酸など。かかる塩を、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩など)として調製することもできる。緩衝剤の例には、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、および2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)塩が含まれる。防腐剤の例には、抗酸化剤(ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、レチニルパルミタート、およびセレンなど);アミノ酸(システインおよびメチオニン);クエン酸およびクエン酸ナトリウム;合成防腐剤(チロメサールなど)、およびアルキルパラベン(例えば、メチルパラベンおよびプロピルパラベンが含まれる)が含まれる。他の防腐剤には、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール、クロロブタノール、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール、およびm−クレゾールが含まれる。
【0041】
ある実施形態では、本発明の処方物を、液体または固体(粉末、錠剤、丸薬またはカプセルなど)として調製することができる。液体処方物は油性または水性ビヒクルの懸濁液、溶液、または乳濁液などの形態をとることができ、処方剤(懸濁剤、安定剤および/または分散剤など)を含むことができる。1つの実施形態では、処方物は水溶液である。別の実施形態では、最終処方物を凍結乾燥する。他の実施形態では、処方物は、コロイド状薬物送達系を含む。かかる薬物送達系には、例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフィア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセルが含まれる。
【0042】
1つの実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物は、哺乳動物(好ましくは、ヒト)における注射に適切な液体または凍結乾燥された処方物である。1つの実施形態では、処方物は無菌である。別の実施形態では、処方物は、一定量の水性キャリアを使用した再構成の際の注射に適切な滅菌凍結乾燥処方物である。1つの実施形態では、液体または凍結乾燥された処方物を、下記の単位投薬形態として調製する。処方物は、防腐剤を添加してもしなくてもよい。
【0043】
ある実施形態では、処方物は、1つまたは複数のアジュバントをさらに含む。適切なアジュバントの例には、免疫応答の増強剤(微生物誘導体(例えば、細菌産物、毒素(コレラ毒素およびE.coli由来の易熱性毒素など)、脂質、リポタンパク質、核酸、ペプチドグリカン、炭水化物、ペプチド)、細胞、サイトカイン、(例えば、樹状細胞、IL−12、およびGM−CSF)、ホルモン、および小分子など)が含まれる。意図されるアジュバントには、油ベースのアジュバント(例えば、フロイントアジュバント)、CpGオリゴヌクレオチド、アルミニウム塩アジュバント、カルシウム塩アジュバント、乳濁液および界面活性剤ベースの処方物(例えば、MF59、ASO2、モンタニド、ISA−51、ISA−720、およびQA21)が含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
ある実施形態によれば、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.5〜約50mg/mlの濃度で処方する。いくつかの実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約1mg/ml〜約5mg/ml、約1mg/ml〜約10mg/ml、約1mg/ml〜約20mg/ml、または約1mg/ml〜約30mg/mlの濃度で処方する。他の実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.5mg/ml〜約1mg/ml、約0.5mg/ml〜約2mg/ml、または約0.5mg/ml〜約5mg/mlの濃度で処方する。ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、0.5mg/mlと10mg/mlとの間、0.5mg/mlと5mg/mlとの間、または1mg/mlと5mg/mlとの間の濃度で処方する。他の実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、10〜20mg/ml、20〜30mg/ml、または30〜50mg/mlの濃度で処方する。特定の実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約1mg/ml、約2mg/ml、約4mg/ml、約5mg/ml、約6mg/ml、約8mg/ml、約10mg/ml、約15mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約30mg/ml、または約40mg/mlの濃度で処方する。
【0045】
ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物のpHは酸性(pH7未満を意味する)である。好ましくは、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物のpHは約pH5.0〜約pH7、好ましくは約pH5.5〜約pH6.5である。1つの特定の好ましい実施形態では、pH6.5である。
【0046】
ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、または少なくとも9mg/mlの濃度でポリエチレングリコールまたはプロピレングリコール中に処方する。これらの実施形態の1つの態様によれば、ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコールは、10〜20%v/vで溶液中に存在する。これらの実施形態の別の態様によれば、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールの両方は、それぞれ7.5%、10%、または15%v/vで溶液中に存在する。
【0047】
ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.5mg/ml〜約50mg/mlの濃度でシクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリン、および最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン中に処方する。これらの実施形態の1つの態様によれば、シクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリンは約1〜30%w/vである。これらの実施形態の特定の態様では、シクロデキストリン、好ましくはβ−シクロデキストリンは、約1%w/v、約2%w/v、約5%w/v、約10%w/v、約15%w/v、約20%w/v、約25%w/v、または約30%w/vである。
【0048】
処方物が乳濁液である実施形態では、適切な乳化剤または乳化剤には、任意の薬学的に許容可能な乳化剤、好ましくは、卵黄またはダイズから抽出したリン脂質、合成ホスファチジルコリンまたは植物起源の精製ホスファチジルコリンが含まれる。水素化誘導体(水素化(卵)ホスファチジルコリンおよび水素化(ダイズ)ホスファチジルコリンなど)も使用することができる。乳化剤はまた、非イオン性界面活性剤(ポロクサマー(例えば、ポロクサマー188および407)、ポロキサミン、ポリオキシエチレンステアラート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはソルビタン脂肪酸エステルなど)であり得る。イオン性界面活性剤(コール酸およびデオキシコール酸またはその界面活性誘導体もしくは塩など)も使用することができる。乳化剤はまた、1つまたは複数の上記成分の混合物であり得る。乳濁液は、さらに、他の成分(緩衝液、安定剤および他の脂質など)を含むことができる。
【0049】
本発明の処方物を、任意選択的に、単位投薬形態として調製することができる。「単位投薬形態」は、意図する用途(すなわち、処置すべき被験体への単回投与)に適切な物理的に個別の単位をいう。各単位は、適切な薬学的に許容可能な賦形剤と共に処方した所定量の活性薬剤を含む。例えば、バイアルあたりの単位投薬量は、一定の体積(1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、15ml、または20mlなど)を含むことができ、特定の濃度の活性薬剤を有する。投薬単位は、単一の活性薬剤(すなわち、本明細書中に記載のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト、その誘導体およびアナログ)または併用療法で用いる他の活性薬剤との混合物を含むことができる。好ましい実施形態では、単位投薬形態は、約15mg/ml〜約40mg/mlのベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを含む。処方物は、任意選択的に、単位用量または複数回用量の容器(例えば、密封されたアンプルまたはバイアル)中に含まれ、凍結乾燥状態であり得る。即時調合注射液および懸濁液を、当該分野で認識されている方法に従って、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。単位投薬形態の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:錠剤;カプレット;カプセル(軟ゼラチンカプセルなど);カシェ;トローチ;ロゼンジ;分散液;座剤;軟膏;パップ剤(湿布剤);ペースト;粉末;包帯剤;クリーム;硬膏剤;溶液;パッチ;エアゾール(例えば、鼻内噴霧または吸入器);ゲル;患者への経口投与または粘膜投与に適切な液体投薬形態(懸濁液(例えば、水性または非水性液体懸濁液、水中油型乳濁液、または油中水型乳濁液)、溶液、およびエリキシルが含まれる);被験体への皮下投与に適切な液体投薬形態;および被験体への皮下投与に適切な液体投薬形態を得るために再構成することができる無菌固体(例えば、結晶または無定形固体)。
【0050】
徐放性調製物を調製することもできる。徐放性調製物は、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスを含み、このマトリックスは成型品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態である。かかるマトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリラート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸、L−グルタミン酸とγエチル−L−グルタマートとのコポリマー、非分解性エチレン−ビニルアセタート、分解性乳酸−グリコール酸コポリマー(LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成される注射用ミクロスフィア)など)、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が含まれる。エチレン−ビニルアセタートおよび乳酸−グリコール酸などのポリマーが100日間にわたって分子を放出することができる一方で、一定のヒドロゲルはより短い期間に分子を放出する。
【0051】
ある好ましい実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物は、1〜30%w/vのβ−シクロデキストリン、最も好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン、および1つまたは複数の以下のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約2mg/ml、約5mg/ml、約10mg/ml、または約15mg/mlの濃度で、哺乳動物(好ましくは、ヒト)への注射に適切な形態で含む:(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ビス(2−メトキシエチル)−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジエチル−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−N,N−ジプロピル−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−N−エチル−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−N−プロピル−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(ピロリジン−1−カルボニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(4−(メトキシカルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(4−(メチルカルバモイル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;およびその薬学的に許容可能な塩。
【0052】
本発明の組成物および処方物の作製方法ならびに組成物および処方物を含む成分に関するさらなる情報を、当該分野の標準的リファレンス(例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences,” Mack Publishing Co.,Easton,PAなど)に見出すことができる。
【0053】
5.1.1 安定性
本発明の処方物は、処方されたベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの化学的な安定性を提供する。本発明の文脈中の「安定性」および「安定な」は、所与の製造条件、調製条件、輸送条件、および貯蔵条件下での化学的分解に対するベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの耐性をいう。「安定な」本発明の処方物はまた、好ましくは、所与の製造条件、調製条件、輸送条件、および/または貯蔵条件下でのベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの標準的または基準の調製物の少なくとも80%、85%、90%、95%、98%、99%、または99.5%の生物学的活性を保持する。生物学的活性は、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストがTLRシグナル伝達、好ましくはTLR7および/またはTLR8シグナル伝達、および最も好ましくはTLR8シグナル伝達を活性化する能力をいう。この文脈では、生物学的活性を、任意の当該分野で認識されているTLRシグナル伝達の検出方法を使用して測定することができる。例えば、かかる方法には、TLR依存性細胞内シグナル伝達分子(核性因子κβ(NFkB)など)の検出アッセイが含まれる。かかるアッセイには、例えば、1つまたは複数のTLR遺伝子、好ましくはTLR7および/またはTLR8遺伝子を安定に発現する細胞内で行われるレポーター遺伝子アッセイが含まれる。他の方法には、TLRシグナル伝達が活性化された場合に免疫系のTLR含有細胞によって放出されるサイトカインの検出アッセイが含まれる。例えば、培養細胞上清中の腫瘍壊死因子α(TNFa)またはインターフェロンα(IFNa)の検出アッセイは当業者に公知であり、市販されている(例えば、R&D Systems,Minneapolis,MNを参照のこと)。
【0054】
「安定な」本発明の処方物はまた、好ましくは、所与の製造条件、調製条件、輸送条件、および/または貯蔵条件下でのベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの出発量または基準量の少なくとも90%、95%、98%、99%、または99.5%を保持する。ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト量を、任意の当該分野で認識されている方法を使用して決定することができる。例えば、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト濃度を、日常的方法(UV−Vis分光光度法および高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)など)を使用して決定することができる。
【0055】
ある実施形態では、本処方物は、約20〜30℃の範囲の温度で少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、または少なくとも7週間安定である。他の実施形態では、処方物は、約20〜30℃の範囲の温度で少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間、または少なくとも12ヶ月間安定である。1つの実施形態では、処方物は、20〜25℃で少なくとも2ヶ月間安定である。
【0056】
他の実施形態では、本処方物は、約2〜8℃の範囲の温度で少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、少なくとも14ヶ月間、少なくとも16ヶ月間、少なくとも18ヶ月間、少なくとも20ヶ月間、少なくとも22ヶ月間、または少なくとも24ヶ月間安定である。1つの実施形態では、処方物は、2〜8℃で少なくとも2ヶ月間である。
【0057】
他の実施形態では、本処方物は、約−20℃で少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、少なくとも14ヶ月間、少なくとも16ヶ月間、少なくとも18ヶ月間、少なくとも20ヶ月間、少なくとも22ヶ月間、または少なくとも24ヶ月間安定である。1つの実施形態では、処方物は、−20℃で少なくとも6〜12ヶ月間安定である。
【0058】
特定の実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物は、約20〜30℃、40mg/mlまでの濃度で少なくとも2週間、好ましくは少なくとも4週間、および最も好ましくは少なくとも8週間安定である。別の実施形態では、処方物は、約2〜8℃、40mg/mlまでの濃度で少なくとも4週間、好ましくは少なくとも8週間、および最も好ましくは少なくとも12週間安定である。別の実施形態では、処方物は、約−20℃、40mg/mlまでの濃度で少なくとも8週間、好ましくは少なくとも12週間、および最も好ましくは少なくとも16週間安定である。
【0059】
5.2 使用方法
本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物は、癌または感染症の処置方法で有用である。好ましくは、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、癌処置のためのレジメンで1つまたは複数のさらなる処置様式と組み合わせて使用する。ある実施形態では、癌は、固形腫瘍である。1つの実施形態では、癌は、卵巣癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、膀胱癌、肝細胞癌、およびリンパ腫からなる群から選択される。特定の実施形態では、癌はリンパ腫である。1つの実施形態では、リンパ腫は非ホジキンリンパ腫である。本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物はまた、他の方法(一定の皮膚容態または疾患(アトピー性皮膚炎など)の処置方法、感染症(好ましくは、ウイルス疾患)の処置方法が含まれる)および癌治療または感染症(好ましくは、ウイルス疾患)の処置または防止のために処方されたワクチン中のアジュバントとしての使用に有用である。1つの実施形態では、感染症はウイルス疾患であり、ウイルスは肝炎ウイルス、好ましくはC型肝炎ウイルス(HCVまたはHepC)である。本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、単独で使用するか、5.3.1項に記載のように1つまたは複数の他の処置様式と組み合わせて使用することができる。
【0060】
5.2.1 併用療法
併用療法は、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物の投与に加えて、癌の防止または処置に役立つ1つまたは複数の様式の付属的使用を含む。かかる様式には、化学療法薬、免疫療法剤、抗血管新生薬、サイトカイン、ホルモン、抗体、ポリヌクレオチド、照射および光力学的治療薬が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、併用療法を使用して、癌の再発を防止するか、転移を阻害するか、癌または転移の成長および/または拡大を阻害することができる。本明細書中で使用する場合、「〜と組み合わせて」は、以下の項でより詳細に記載されている1つまたは複数のさらなる処置様式を含む処置レジメンの一部として本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を投与することを意味する。
【0061】
ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、1つまたは複数の他の様式の投与の前、同時、または後に投与する。1つの実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、1つまたは複数の他の様式と共に処方する。別の実施形態では、1つまたは複数の他の様式を、個別の薬学的組成物で投与する。この実施形態によれば、1つまたは複数の他の様式を、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの投与のために使用した投与経路と同一または異なる投与経路によって被験体に投与することができる。
【0062】
5.2.1.1 抗癌剤との組み合わせ
一定の実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを含む処方物を、1つまたは複数の抗癌剤、好ましくは化学療法薬と組み合わせて投与する。かかる化学療法薬には、以下の化合物群が含まれるが、これらに限定されない:細胞傷害性抗生物質、代謝拮抗物質、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、白金化合物、ヒ素化合物、DNAトポイソメラーゼインヒビター、タキサン、ヌクレオシドアナログ、植物アルカロイド、および毒素;ならびにその合成誘導体。以下は、これらの群内の特定の化合物の非限定的な例である。アルキル化剤には、ナイトロジェンマスタード(シクロホスファミド、イフォスファミド、トロホスファミド、およびクロラムブシルなど);ニトロソ尿素(カルムスチン(BCNU)およびロムスチン(CCNU)など);アルキルスルホナート(ブスルファンおよびトレオスルファンなど);およびトリアゼン(ダカルバジンなど)が含まれる。白金含有化合物には、シスプラチン、カルボプラチン、アロプラチン、およびオキサリプラチンが含まれる。植物アルカロイドには、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビンなど);およびタキソイド(パクリタキセルおよびドセタキセル(docetaxol)など)が含まれる。DNAトポイソメラーゼインヒビターには、エピポドフィリン(エトポシド、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトセシン、カンプトセシン、およびクリスナトールなど);およびマイトマイシン(マイトマイシンCなど)が含まれる。抗葉酸薬には、DHFRインヒビター(メトトレキサートおよびトリメトレキサートなど);IMPデヒドロゲナーゼインヒビター(ミコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリン、ヒドロキシ尿素およびEICARなど);およびリボヌクレオチド(ribonuclotide)レダクターゼインヒビター(デフェロキサミンなど)が含まれる。ピリミジンアナログには、ウラシルアナログ(5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、およびラルチトレキセド(ratitrexed)など);およびシトシンアナログ(シタラビン(araC)、シトシンアラビノシド、およびフルダラビンなど)が含まれる。プリンアナログには、メルカプトプリンおよびチオグアニンが含まれる。DNA代謝拮抗物質には、3−HP、2’−デオキシ−5−フルオロウリジン、5−HP、α−TGDR、アフィジコリングリシナート、ara−C、5−アザ−2’−デオキシシチジン、β−TGDR、シクロシチジン、グアナゾール、イノシングリコジアルデヒド、マセベシンII、およびピラゾロイミダゾールが含まれる。有糸分裂阻害剤には、アロコルヒチン、ハリコンドリンB、コルヒチン、コルヒチン誘導体、ドルスタチン10、メイタンシン、リゾキシン、チオコルヒチン、およびトリチルシステインが含まれる。
【0063】
本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物と共に使用する化学療法薬の他の例には、イソプレニル化インヒビター;ドーパミン作動性神経毒(1−メチル−4−フェニルピリジニウムイオンなど);細胞周期インヒビター(スタウロスポリンなど);アクチノマイシン(アクチノマイシンDおよびダクチノマイシンなど);ブレオマイシン(ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、およびペプロマイシンなど);アントラサイクリン(ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、イダルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、およびミトキサントロンなど);MDRインヒビター(ベラパミルなど);およびCa2+ATPアーゼインヒビター(タプシガルギンなど)が含まれる。
【0064】
1つまたは複数の化学療法薬(例えば、FLAG、CHOP)を含む組成物はまた、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物と組み合わせた使用が意図される。FLAGは、フルダラビン、シトシンアラビノシド(Ara−C)、およびG−CSFを含む。CHOPは、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、およびプレドニゾンを含む。上記リストは、それぞれ、例を示すが、本発明の制限を意図しない。
【0065】
1つの実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、1つまたは複数の以下と組み合わせて投与する:IFNα、IL−2、Dacarbazine(Bayer)、Temozolomide(Schering)、Tamoxifen(AZ)、Carmustine(BMS)、Melphalan(GSK)、Procarbazine(Sigma−Tau)、Vinblastine、カルボプラチン、シスプラチン、タキソール、シクロホスファミド、ドキソルビシン(doxorubin)、Rituxan(Genentech/Roche)、Herceptin(Genentech/Roche)、Gleevec、Iressa(AZ)、Avastin(Genentech/Roche)、またはTarceva(Genentech/Roche)。
【0066】
別の実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、1つまたは複数の以下と組み合わせて投与する:エンジイン(カリチアマイシンおよびエスペラミシンなど);デュオカルマイシン、メトトレキサート、ドキソルビシン、メルファラン、クロラムブシル、Ara−C、ビンデシン、マイトマイシンC、シスプラチナ、エトポシド、ブレオマイシン、および5−フルオロウラシル。
【0067】
本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物と組み合わせて使用することができる適切な毒素および化学療法薬は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第19版(Mack Publishing Co.1995)およびGoodman and Gilman’s the Pharmacological Basis of Therapeutics、第7版(MacMillan Publishing Co.1985)に記載されている。他の適切な毒素および/または化学療法薬は、当業者に公知である。
【0068】
本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物と組み合わせて使用することができる抗癌剤のさらなる例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシラート;ビセレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシラート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシラート;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;ドロモスタノロンプロピオナート;デュアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;エトポシドホスファート;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イフォスファミド;イルモホシン;インターロイキンII(組換えインターロイキンII(すなわち、rIL2)が含まれる)、インターフェロンα−2a;インターフェロンα−2b;インターフェロンα−n1;インターフェロンα−n3;インターフェロンβ−Ia;インターフェロンγ−Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;トレストロンアセタート;トリシリビンホスファート;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン。
【0069】
使用することができる他の抗癌剤には、以下が含まれるが、これらに限定されない:5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管形成インヒビター;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背方化形態形成タンパク質−1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシナート;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β−アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGFインヒビター;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビセレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトセシン誘導体;カナリア痘IL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来インヒビター;カルゼレシン;カゼインキナーゼインヒビター(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セクロレリックス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペントアントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール,9−;ジオキサマイシン;ジフェニル スピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;エトポシドホスファート;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩化フルオロダウノルビシン(fluorodaunorunicin hydrochloride);ホルフェニメックス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼインヒビター;ゲムシタビン;グルタチオンインヒビター;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様成長因子−1受容体インヒビター;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール,4−;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリンNトリアセタート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖ポリアミンアナログ;親油性ジサッカリドペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダニン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン(maitansine);マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシンインヒビター;マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIFインヒビター;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;不適正二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド;マイトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞成長因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロフィン;モノホスホリル脂質A+マイコバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子インヒビター;多発性腫瘍抑制因子1ベースの活性;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素モジュレーター;窒素酸化物抗酸化剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセルアナログ;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼインヒビター;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲンアクチベーターインヒビター;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソームインヒビター;プロテインAベースの免疫調節薬;タンパク質キナーゼCインヒビター;タンパク質キナーゼCインヒビター(微細藻類);タンパク質チロシンホスファターゼインヒビター;プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビター;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン抱合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター;rasインヒビター;ras−GAPインヒビター;レテリプチン(脱メチル化);レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメクス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣物;セムスチン;老化由来インヒビター1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達インヒビター;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプタート;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞インヒビター;幹細胞分裂インヒビター;スチピアミド;ストロメライシンインヒビター;スルフィノシン;超活性血管作用性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼインヒビター;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣物;サイマルファシン;サイモポイエチン受容体アゴニスト;サイモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンスズ;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳インヒビター;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼインヒビター;チロホスチン;UBCインヒビター;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマー。
【0070】
5.2.1.2 放射線療法との組み合わせ
別の実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、癌処置のための放射線療法のレジメンと併せて投与する。本方法は、外照射療法、放射性同位体(I−125、パラジウム、イリジウム)の組織内移植、放射性同位体(ストロンチウム−89など)、胸部放射線療法、腹腔内P−32放射線療法、および/または全腹部および骨盤放射線療法を含むレジメンを含む。任意の適切な細胞傷害性放射性核種または治療同位体を、放射線療法のレジメンで使用することができる。ある実施形態では、同位体は、α線放射同位体(225Ac、224Ac、211At、212Bi、213Bi、212Pb、224Ra、または223Raなど)である。他の実施形態では、細胞傷害性放射性核種は、β線放射同位体(186Re、188Re、90Y、131I、67Cu、177Lu、153Sm、166Ho、または64Cuなど)である。いくつかの実施形態では、細胞傷害性放射性核種は、オージェ電子および低エネルギー電子を放出する同位体(125I、123Iまたは77Brなど)である。他の実施形態では、同位体は、198Auおよび32Pなどである。
【0071】
ある実施形態では、被験体への放射性核種の投与量は、約0.001mCi/kgと約10mCi/kgとの間である。いくつかの実施形態では、被験体への放射性核種の投与量は、約0.1mCi/kgと約1.0mCi/kgとの間である。他の実施形態では、被験体への放射性核種の投与量は、約0.005mCi/kgと0.1mCi/kgとの間である。
【0072】
5.2.1.3 治療抗体との組み合わせ
別の実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、1つまたは複数の免疫療法薬(抗体またはワクチンなど)と組み合わせて投与する。いくつかの実施形態では、抗体は、癌に対するin vivoでの治療および/または予防で使用する。いくつかの実施形態では、抗体を、感染症の処置および/または防止のために使用することができる。
【0073】
本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物と組み合わせて使用することができる治療および予防抗体の非限定的な例には、MDX−010(Medarex、NJ)(現在、クリニックにおける前立腺癌処置ためのヒト化抗CTLA−4抗体である);SYNAGIS(登録商標)(MedImmune、MD)(RSV感染処置のためのヒト化抗呼吸器合胞体ウイルス(RSV)モノクローナル抗体である);およびHERCEPTIN(登録商標)(Trastuzumab)(Genentech、CA)(転移性乳癌処置のためのヒト化抗HER2モノクローナル抗体である)が含まれる。他の例は、ヒト化抗CD18F(ab’)(Genentech);CDP860(ヒト化抗CD18F(ab’)である)(Celltech、UK);PRO542(CD4と融合した抗HIVgpl20抗体である)(Progenics/Genzyme Transgenics);Ostavir(ヒト抗B型肝炎ウイルス抗体である)(Protein Design Lab/Novartis);PROTOVIR(商標)(ヒト化抗CMVIgG1抗体である)(Protein Design Lab/Novartis);MAK−195(SEGARD)(マウス抗TNF−αF(ab’)である)(Knoll Pharma/BASF);IC14(抗CD14抗体である)(ICOS Pharm);ヒト化抗VEGFIgG1抗体(Genentech);OVAREX(商標)(マウス抗CA125抗体である)(Altarex);PANOREX(商標)(マウス抗17−IA細胞表面抗原IgG2a抗体である)(Glaxo Wellcome/Centocor);BEC2(マウス抗イディオタイプ(GD3エピトープ)IgG抗体である)(ImClone System);IMC−C225(キメラ抗EGFRIgG抗体である)(ImClone System);VITAXIN(商標)(ヒト化抗αVβ3インテグリン抗体である)(Applied Molecular Evolution/MedImmune);Campath 1H/LDP−03(ヒト化抗CD52IgG1抗体である)(Leukosite);Smart M195(ヒト化抗CD33IgG抗体である)(Protein Design Lab/Kanebo);RITUXAN(商標)(キメラ抗CD20IgG1抗体である)(IDEC Pharm/Genentech、Roche/Zettyaku);LYMPHOCIDE(商標)(ヒト化抗CD22IgG抗体である)(Immunomedics);Smart ID10(ヒト化抗HLA抗体である)(Protein Design Lab);ONCOLYM(商標)(Lym−1)(放射性標識したマウス抗HLA診断試薬抗体である)(Techniclone);ABX−IL8(ヒト抗IL8抗体である)(Abgenix);抗CD11a(ヒト化IgG1抗体である)(Genentech/Xoma);ICM3(ヒト化抗ICAM3抗体である)(ICOS Pharm);IDEC−114(霊長類化抗CD80抗体である)(IDEC Pharm/Mitsubishi);ZEVALIN(商標)(放射性標識したマウス抗CD20抗体である)(IDEC/Schering AG);IDEC−131(ヒト化抗CD40L抗体である)(IDEC/Eisai);IDEC−151(霊長類化抗CD4抗体である)(IDEC);IDEC−152(霊長類化抗CD23抗体である)(IDEC/Seikagaku);SMART抗CD3(ヒト化抗CD3IgGである)(Protein Design Lab);5G1.1(ヒト化抗補体因子5(C5)抗体である)(Alexion Pharm);D2E7(ヒト化抗TNF−α抗体である)(CAT/BASF);CDP870(ヒト化抗TNF−αFabフラグメントである)(Celltech);IDEC−151(霊長類化抗CD4IgG1抗体である)(IDEC Pharm/SmithKline Beecham);MDX−CD4(ヒト抗CD4IgG抗体である)(Medarex/Eisai/Genmab);CDP571(ヒト化抗TNF−αIgG4抗体である)(Celltech);LDP−02(ヒト化抗α4β7抗体である)(LeukoSite/Genentech);OrthoClone OKT4A(ヒト化抗CD4IgG抗体である)(Ortho Biotech);ANTOVA(商標)(ヒト化抗CD40LIgG抗体である)(Biogen);ANTEGREN(商標)(ヒト化抗VLA−4IgG抗体である)(Elan);MDX−33(ヒト抗CD64(FcγR)抗体である)(Medarex/Centeon);SCH55700(ヒト化抗IL−5IgG4抗体である)(Celltech/Schering);SB−240563およびSB−240683(それぞれ、ヒト化抗IL−5抗体およびIL−4抗体である)(SmithKline Beecham);rhuMab−E25(ヒト化抗IgEIgG1抗体である)(Genentech/Norvartis/Tanox Biosystems);ABX−CBL(マウス抗CD−147IgM抗体である)(Abgenix);BTI−322(ラット抗CD2IgG抗体である)(Medimmune/Bio Transplant);Orthoclone/OKT3(マウス抗CD3IgG2a抗体である)(ortho Biotech);SIMULECT(商標)(キメラ抗CD25IgG1抗体である)(Novartis Pharm);LDP−01(ヒト化抗β−インテグリンIgG抗体である)(LeukoSite);抗LFA−1(マウス抗CD18F(ab’)である)(Pasteur−Merieux/Immunotech);CAT−152(ヒト抗TGF−β抗体である)(Cambridge Ab Tech);およびCorsevin M(キメラ抗第VII因子抗体である)(Centocor)である。上記列挙の免疫反応性試薬および任意の他の免疫反応性試薬を、当業者に公知の任意のレジメン(免疫反応性試薬の供給者によって推奨されるレジメンが含まれる)に従って投与することができる。
【0074】
5.2.1.4 他の治療薬との組み合わせ
抗癌剤および治療抗体に加えて、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、他の治療薬(抗血管新生薬(例えば、固形腫瘍の処置方法ならびに転移の処置および防止方法における)および抗ホルモン剤(特に、乳癌および前立腺癌などのホルモン依存性癌の処置方法における)など)と組み合わせて投与することができる。
【0075】
1つの実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、1つまたは複数の抗血管新生薬と組み合わせて投与する。かかる薬剤には、アンギオスタチン、サリドマイド、クリングル5、エンドスタチン、Serpin(セリンプロテアーゼインヒビター)抗トロンビン、フィブロネクチンの29kDaのN末端および40kDaのC末端タンパク質分解性フラグメント、プロラクチンの16kDaのタンパク質分解性フラグメント、血小板因子4の7.8kDaのタンパク質分解性フラグメント、血小板因子4のフラグメントに対応する13アミノ酸ペプチド(Maioneら、1990、Cancer Res.51:2077−2083)、I型コラーゲンフラグメントに対応する14アミノ酸ペプチド(Tolmaら、1993、J.Cell Biol.122:497−511)、Thrombospondin Iフラグメントに対応する19アミノ酸ペプチド(Tolsmaら、1993、J.Cell Biol.122:497−511)、SPARCフラグメントに対応する20アミノ酸ペプチド(Sageら、1995,J.Cell.Biochem.57:1329−1334)、またはその任意のフラグメント、ファミリーメンバー、もしくはバリアント(その薬学的に許容可能な塩が含まれる)が含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
血管形成を阻害し、ラミニン、フィブロネクチン、プロコラーゲン、およびEGFのフラグメントに対応する他のペプチドも記載されている(例えば、Cao、1998、Prog Mol Subcell Biol.20:161−176を参照のこと)。RGDタンパク質(すなわち、ペプチドモチーフArg−Gly−Aspを保有する)に結合する一定のインテグリンを遮断するモノクローナル抗体および環状ペンタペプチドは、抗血管新生活性を有することが証明されている(Brooksら、1994、Science 264:569−571;Hammesら、1996、Nature Medicine 2:529−533)。さらに、受容体アンタゴニストによるウロキナーゼプラスミノゲンアクチベーター受容体の阻害により、血管形成、腫瘍の成長および転移が阻害される(Minら、1996、Cancer Res.56:2428−33;Crowleyら、1993、Proc Natl Acad Sci.90:5021−25)。
【0077】
別の実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、ホルモン処置様式と関連させて使用する。かかる処置様式には、ホルモンアンタゴニスト(例えば、フルタミド、ビカルタミド、タモキシフェン、ラロキシフェン、酢酸ロイプロリド(LUPRON)、LH−RHアンタゴニスト)、ホルモンの生合成およびプロセシングのインヒビター、およびステロイド(例えば、デキサメタゾン、レチノイド、デルトイド、ベタメタゾン、コルチゾール、コルチゾン、プレドニゾン、デヒドロテストステロン、糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、エストロゲン、テストステロン、プロゲスチン)、ビタミンA誘導体(例えば、オールトランスレチノイン酸(ATRA));ビタミンD3アナログ;抗ゲスターゲン(例えば、ミフェプリストン、オナプリストン)、および抗アンドロゲン(例えば、酢酸シプロテロン)の投与が含まれる。
【0078】
別の実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、ポリヌクレオチド化合物(アンチセンスポリヌクレオチドなど)、リボザイム、RNA干渉分子、および三重らせんポリヌクレオチドなどを使用する処置様式と関連させて使用する。
【0079】
5.2.1.5 免疫調節薬との組み合わせ
ある実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、免疫調節薬と組み合わせて投与する。いくつかの実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、免疫調節薬と共に処方する。「免疫調節薬」は、投与される被験体の免疫系を抑制するか、マスキングするか、増強する物質である。例示的な薬剤は、サイトカイン産生を抑制するか、自己抗原発現を下方制御または抑制するか、MHC抗原をマスキングする薬剤である。かかる薬剤の例には、2−アミノ−6−アリール−5置換ピリミジン(米国特許第4,665,077を参照のこと)、アザチオプリン(またはシクロホスファミド、アザチオプリンに対して副作用がある場合);ブロモクリプチン;グルタルアルデヒド(MHC抗原をマスキングする(米国特許第4,120,649号に記載));MHC抗原およびMHCフラグメントの抗イディオタイプ抗体;シクロスポリンA;ステロイド(糖質コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、およびデキサメタゾン)など);サイトカインまたはサイトカイン受容体アンタゴニスト(抗インターフェロン−γ、−β、または−α抗体が含まれる);抗腫瘍壊死因子−α抗体;抗腫瘍壊死因子−β抗体;抗インターロイキン−2抗体および抗IL−2受容体抗体;抗L3T4抗体;異種抗リンパ球グロブリン;pan−T抗体(好ましくは、抗CD3または抗CD4/CD4a抗体);LFA−3結合ドメインを含む可溶性ペプチド;ストレプトキナーゼ;TGF−β;ストレプトドルナーゼ;FK506;RS−61443;デオキシスペルグアリン;およびラパマイシンが含まれる。サイトカインの例には、リンホカイン、モノカイン、および伝統的なポリペプチドホルモンが含まれるが、これらに限定されない。サイトカインのうちで、成長ホルモン(ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンなど);副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;糖タンパク質ホルモン(濾胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体形成ホルモン(LH)など);肝臓成長因子;線維芽細胞成長因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子−α;ミューラー阻害物質;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子;インテグリン;トロンボポエチン(thrombopoiotin)(TPO);神経成長因子(NGF−αなど);血小板成長因子;トランスフォーミング成長因子(TGF)(TGF−αおよびTGF−αなど);インスリン様成長因子−Iおよび−II;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)(マクロファージ−CSF(M−CSF)など);顆粒球−マクロファージ−CgP(GM−CSP);および顆粒球−CSF(G−CSF);インターロイキン(IL)(IL−1、IL−1a、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−11(IL−1I)、IL−12、IL−15など);腫瘍壊死因子(TNF−αまたはTNF−βなど);および他のポリペプチド因子(LIFおよびキットリガンド(KL)が含まれる)が含まれる。本明細書中で使用する場合、用語「サイトカイン」には、天然供給源由来のタンパク質または天然配列のサイトカインの組換え細胞培養物および生物学的に活性な等価物由来のタンパク質が含まれる。
【0080】
ある実施形態では、本方法は、さらに、1つまたは複数の免疫調節薬、好ましくはサイトカインの被験体への投与を含む。好ましいサイトカインは、インターロイキン−1(IL−1)、IL−2、IL−3、IL−12、IL−15、IL−18、G−CSF、GM−CSF、トロンボポエチン、およびγインターフェロンからなる群から選択される。
【0081】
5.2.1.6 単球またはマクロファージの機能を増強させる化合物との組み合わせ
ある実施形態では、単球またはマクロファージの機能を増強させる(例えば、少なくとも約25%、50%、75%、85%、90%、9%、またはそれを超える)化合物を、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物と併せて使用することができる。かかる化合物は当該分野で公知であり、サイトカイン(インターロイキン(例えば、IL−12)およびインターフェロン(例えば、αまたはγインターフェロン)など)が含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
ある実施形態では、単球またはマクロファージの機能を増強させる化合物を、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストと共に処方し、したがって、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストと同時に投与する。
【0083】
他の実施形態では、単球またはマクロファージの機能を増強させる化合物をベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストとは別に投与し、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストと同時(相互に数時間以内)、同一の治療過程中、または連続的に投与することができる。かかる実施形態では、単球またはマクロファージの機能を増強させる化合物を、好ましくは、ヒト被験体に投与する。1つの実施形態では、ヒト被験体は、血中の白血球数、単球数、好中球数、リンパ球数、および/または好塩基球数がヒトの正常範囲内である。ヒト白血球(総数)の正常範囲は、約3.5〜10.5(10/L)である。ヒト血中の好中球の正常範囲は、約1.7〜7.0(10/L)、単球では約0.3〜0.9(10/L)、リンパ球では約0.9〜2.9(10/L)、好塩基球では約0〜0.3(10/L)、および好酸球では約0.05〜0.5(10/L)である。他の実施形態では、ヒト被験体の血中白血球数は、ヒトの正常範囲未満である(例えば、少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、または0.8(10/L)白血球)。
【0084】
5.2.2 標的癌
一定の好ましい実施形態では、本発明の方法によって処置される癌型は、卵巣癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、膀胱癌、肝細胞癌、またはリンパ腫である。本発明の方法によって処置することができる他の癌型には、ヒトの肉腫および癌腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌腫、膵臓癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺腫、髄様癌、気管支癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞性肺癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫);白血病(例えば、急性リンパ球性白血病および急性骨髄球性白血病(骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病および赤白血病));慢性白血病(慢性骨髄性(顆粒球性)白血病および慢性リンパ球性白血病);および真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および重鎖病が含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
5.2.3 感染症および薬剤
本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、被験体(好ましくは、ヒト被験体)における感染症の処置方法または防止方法で使用することができる。ある実施形態では、本方法は、ウイルス、細菌、真菌、原生動物、蠕虫、または寄生虫(その特定の菌株が含まれる)に起因する感染症の処置方法または防止方法である。
【0086】
ある実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、ヘルペスウイルス(HSV−1、HSV−2、VZV、EBV、CMV、HHV−6、HHV−8)、インフルエンザウイルス(FluA、B)、肝炎ウイルス(HepA、HepB、HepC、HepE)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1、HIV−2)、呼吸器合胞体ウイルス、麻疹ウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、SARSウイルス、パピローマウイルス、オルトポックスウイルス、またはウエストナイルウイルスに起因するウイルス疾患の処置方法で使用する。好ましい実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、肝炎、好ましくはC型肝炎(HCVともいう)の処置方法で使用する。
【0087】
ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、抗ウイルス薬と組み合わせて投与する。使用することができる抗ウイルス薬には、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、プロテアーゼインヒビター、および融合インヒビターが含まれるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、抗ウイルス薬は、アマンタジン、リン酸オセルタミビル、リマンタジン、およびザナミビルからなる群から選択される。1つの実施形態では、抗ウイルス薬は、デラビルジン、エファビレンツ、およびネビラピンからなる群から選択される非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビターである。1つの実施形態では、抗ウイルス薬は、アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノホビルDF、ザルシタビン、およびジドブジンからなる群から選択されるヌクレオシド逆転写酵素インヒビターである。1つの実施形態では、抗ウイルス薬は、アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル(fosamprenav)、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびサキナビルからなる群から選択されるプロテアーゼインヒビターである。1つの実施形態では、抗ウイルス薬は、エンフビルチドなどの融合インヒビターである。
【0088】
本発明の方法で用いる抗ウイルス薬のさらなる非限定的な例には、以下が含まれる:リファンピシン、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター(例えば、AZT、ddI、ddC、3TC、d4T)、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター(例えば、デラビルジン エファビレンツ、ネビラピン)、プロテアーゼインヒビター(例えば、アプレナビル、インジナビル、リトナビル、およびサキナビル)、イドクスウリジン、シドフォビル、アシクロビル、ガンシクロビル、ザナミビル、アマンタジン、およびパリビズマブ。抗ウイルス薬の他の例には、アセマンナン;アシクロビル;アシクロビルナトリウム;アデホビル;アロブジン;アルビルセプトスドトックス;塩酸アマンタジン(SYMMETREL(商標));アラノチン;アリルドン;メシル酸アテビルジン;アブリジン;シドフォビル;シパムフィリン;塩酸シタラビン;メシル酸デラビルジン;デスシクロビル;ジダノシン;ジソキサリル;エドクスジン;エンビラデン;エンビロキシム;ファムシクロビル;塩酸ファモチン;フィアシタビン;フィアルリジン;ホサリラート;ホスカルネットナトリウム;ホスホネットナトリウム;ガンシクロビル;ガンシクロビルナトリウム;イドクスウリジン;ケトキサール;ラミブジン;ロブカビル;塩酸メモチン;メチサゾン;ネビラピン;リン酸オセルタミビル(TAMIFLU(商標));ペンシクロビル;ピロダビル;リバビリン;塩酸リマンタジン(FLUMADINE(商標));メシル酸サキナビル;塩酸ソマンタジン;ソリブジン;スタトロン;スタブジン;塩酸チロロン;トリフルリジン;塩酸バラシクロビル;ビダラビン;リン酸ビダラビン;ビダラビンナトリウムホスファート;ビロキシム;ザルシタビン;ザナミビル(RELENZA(商標));ジドブジン;およびジンビロキシムが含まれるが、これらに限定されない。
【0089】
本発明に含まれるウイルスの他の例には、以下のウイルスが含まれるが、これらに限定されない:レトロウイルス科(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1など、HTLV−III、LAVまたはHTLV−III/LAV、またはHIV−IIIともいう);および他の分離株(HIV−LPなど);ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス;エンテロウイルス、ヒトコックサキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス);カリシウイルス科(例えば、胃腸炎を引き起こす菌株);トガウイルス科(例えば、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス);フラビウイルス科(例えば、デングウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス);コロナウイルス科(例えば、コロナウイルス);ラブドウイルス科(例えば、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス);フィロウイルス科(例えば、エボラ様ウイルス);パラミクソウイルス科(例えば、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス);オルトミクソウイルス科(例えば、インフルエンザウイルス);ブンガウイルス科(例えば、ハンターンウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルスおよびナイロウイルス);アレナウイルス科(出血熱ウイルス);レオウイルス科(例えば、レオウイルス、オルビウイルス、およびロタウイルス);ボルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス);パルボウイルス科(パルボウイルス);パポーバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス);アデノウイルス科(ほとんどのアデノウイルス);ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス(HSV)1および2)、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス;ポックスウイルス科(痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス);およびイリドウイルス科(例えば、アフリカブタ熱ウイルス);および未分類のウイルス(例えば、海綿状脳症の病原因子、デルタ型肝炎の病原体(B型肝炎ウイルスの欠損サテライトウイルスと考えられる))、非A型肝炎、非B型肝炎の病原体クラス1、内部伝播;クラス2、非経口伝播(すなわち、C型肝炎));ノーウォークウイルスおよび関連ウイルス、およびアストロウイルス。
【0090】
他の実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、細菌に起因する疾患の処置方法で使用する。本発明の方法に含まれる細菌の非限定的な例には、Mycobacteria、Streptococcus、Staphylococcus、Pseudomonas、Salmonella、Neisseria、およびListeriaが含まれる。意図する細菌の他の例には、グラム陽性細菌(例えば、Listeria、Bacillus(Bacillus anthracisなど)、Erysipelothrix種)、グラム陰性細菌(例えば、Bartonella、Brucella、Campylobacter、Enterobacter、Escherichia、Francisella、Hemophilus、Klebsiella、Morganella、Proteus、Providencia、Pseudomonas、Salmonella、Serratia、Shigella、Vibrio、およびYersinia種)、スピロヘータ細菌(例えば、Borrelia種(ライム病を引き起こすBorrelia burgdorferiが含まれる))、嫌気性菌(例えば、ActinomycesおよびClostridium種)、グラム陽性細菌およびグラム陰性細菌、Enterococcus種、Streptococcus種、Pneumococcus種、Staphylococcus種、Neisseria種が含まれるが、これらに限定されない。特定の伝染性細菌のさらなる非限定的な例には、Helicobacter pyloris、Borelia burgdorferi、Legionella pneumophilia、Mycobacteria avium、M.intracellulare、M.kansaii、M.gordonae、M.africanum、Staphylococcus aureus、Neisseria meningitidis、Haemophilus influenzae、Bacillus antracis、corynebacterium diphtheriae、Erysipelothrix rhusiopathiae、Clostridium perfringers、Clostridium tetani、Enterobacter aerogenes、Klebsiella pneumoniae、Pasturella multocida、Fusobacterium nucleatum、Streptobacillus moniliformis、Treponema pallidium、Treponema pertenue、Leptospira、Rickettsia、およびActinomyces israelliが含まれる。
【0091】
ある実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、抗菌薬と組み合わせて投与する。抗菌薬の非限定的な例には、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、抗体、核酸分子、有機分子、無機分子、および細菌感染を阻害および/または減少させるか、細菌の複製を阻害および/または減少させるか、細菌の他の細胞または被験体への拡大を阻害および/または減少させる小分子が含まれる。抗菌薬の具体例には、抗生物質(ペニシリン、セファロスポリン、イミペネム、アズトレオナム(axtreonam)、バンコマイシン、シクロセリン、バシトラシン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、スペクチノマイシン、トリメトプリム、ノルフロキサシン、リファンピン、ポリミキシン、アンホテリシンB、ナイスタチン、コトコナゾール(ketocanazole)、イソシアジド、メトロニダゾール、およびペンタミジンなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0092】
ある実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、抗真菌薬と組み合わせて投与する。抗真菌薬の具体例には、アゾール薬(例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール(NIZORAL(登録商標))、酢酸カスポフンギン(CANCIDAS(登録商標))、イミダゾール、トリアゾール(例えば、フルコナゾール(DIFLUCAN(登録商標)))、およびイトラコナゾール(SPORANOX(登録商標)))、ポリエン(例えば、ナイスタチン、アンホテリシンB(FUNGIZONE(登録商標))、アンホテリシンB脂質複合体(「ABLC」)(ABELCET(商標))、アンホテリシンBコロイド分散物(「ABCD」)(AMPHOTEC(登録商標))、リポソームアンホテリシンB(AMBISONE(登録商標)))、ヨウ化カリウム(KI)、ピリミジン(例えば、フルシトシン(ANCOBON(登録商標)))、およびボリコナゾール(VFEND(登録商標))が含まれるが、これらに限定されない。
【0093】
5.3 投与および投薬
本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、好ましくは注射、最も好ましくは皮下注射のために処方する。ある実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、皮内経路、経皮経路、皮下経路、または筋肉内経路による投与のために処方する。1つの実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、静脈内投与のために処方する。しかし、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、任意の適切な投与経路(例として、鼻(例えば、エアゾールによる)、口内投与(例えば、舌下投与)、局所投与(すなわち、皮膚および粘膜表面の両方(気道表面が含まれる))、髄腔内投与、関節内投与、胸膜内投与(intraplural)、脳内投与、動脈内投与、腹腔内投与、経口投与、リンパ管内投与、鼻腔内投与、直腸投与または膣投与、局所カテーテルによる灌流、または直接病巣内注射が含まれる)のために処方することができる。
【0094】
本発明の処方物は、意図する使用に有効な量のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを含む。また、特定の投薬量を、多数の他の要因(患者の年齢、性別、種、および容態が含まれる)に基づいて選択する。有効量を、in vitro試験系または動物モデルから導いた用量−応答曲線から推定することもできる。
【0095】
ある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの用量を、mg/kg体重の単位で測定する。他の実施形態では、用量を、mg/kg除脂肪体重(すなわち、体重−体脂肪含有量)の単位で測定する。他の実施形態では、用量を、mg/m体表面積の単位で測定する。他の実施形態では、用量を、患者への投与用量あたりのmg単位で測定する。用量の任意の測定を、本発明の組成物および方法と併せて使用することができ、投薬量単位を当該分野で標準的な手段によって変換することができる。
【0096】
本発明の方法で使用することができる投薬レジメンの例には、毎日、週3回(断続的)、毎週、または14日毎が含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、投薬レジメンには、毎月の投薬または6〜8週間毎の投薬が含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、被験体(好ましくは、ヒト被験体)における癌または感染症の処置に適切な処置様式と組み合わせて毎週または2週間に1回皮下注射によって投与する。適切な処置様式は、5.3項およびその小節に記載されている。
【0097】
ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの例示的な用量には、被験体1kgあたりmg量で含まれる。1つの実施形態では、用量は、約0.02〜10mg/kg体重または約0.04〜5mg/kg体重である。特定の実施形態では、用量は、約0.05mg/kg、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、または約10mg/kg被験体体重である。
【0098】
癌または感染症の処置方法のある実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.02〜10mg/kg被験体体重または約0.04〜5mg/kg被験体体重の用量で被験体に投与する。特定の実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.05mg/kg、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、または約10mg/kg被験体体重の用量で投与する。あるさらなる実施形態では、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、週1回または2週間に1回を基本として被験体に投与する。特定の実施形態では、1日量は、少なくとも0.05mg、0.50mg、1.0mg、5.0mg、10mg、15mg、20mg、30mg、または少なくとも50mgである。
【0099】
皮内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、皮下投与、硬膜外投与、または静脈内投与の推奨投薬量は、約0.02〜10mg/kg体重/日の範囲である。局所投与に適切な用量は、投与面積に応じて約0.001ミリグラム〜約50ミリグラムの範囲である。当業者は、一般に、維持レジメンと比較して最初の処置のための投薬量はより高く、そして/または投与頻度は高いと認識するであろう。
【0100】
5.3.1 癌治療のための例示的処置レジメン
特定の実施形態では、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、被験体(好ましくは、ヒト被験体)における癌処置のための既存の治療レジメンと組み合わせて使用する。この実施形態によれば、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を、癌処置に適切な抗癌剤の前、後、または同時に投与することができる。好ましくは、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物の投与を、癌の型、被験体の病歴および容態、ならびに選択した特定の抗癌剤に応じて、抗癌剤の投薬量およびタイミングに合わせる。
【0101】
1つの実施形態では、レジメンは、乳癌処置のための5−フルオロウラシル、シスプラチン、ドセタキセル、ドキソルビシン、HERCEPTIN(登録商標)、ゲムシタビン、IL−2、パクリタキセル、および/またはVP−16(エトポシド)を含む。別の実施形態では、レジメンは、前立腺癌処置のためのパクリタキセル、ドセタキセル、ミトキサントロン、および/またはアンドロゲン受容体アンタゴニスト(例えば、フルタミド)を含む。別の実施形態では、レジメンは、白血病処置のためのフルダラビン、シトシンアラビノシド、ゲムツズマブ(MYLOTARG)、ダウノルビシン、メトトレキサート、ビンクリスチン、6−メルカプトプリン、イダルビシン、ミトキサントロン、エトポシド、アスパラギナーゼ、プレドニゾン、および/またはシクロホスファミドを含む。1つの実施形態では、レジメンは、骨髄腫処置のためのデキサメタゾンを含む。1つの実施形態では、レジメンは、黒色腫処置のためのダカルバジンを含む。1つの実施形態では、レジメンは、結腸直腸癌処置のためのイリノテカンを含む。1つの実施形態では、レジメンは、肺癌処置のためのパクリタキセル、ドセタキセル、エトポシド、および/またはシスプラチンを含む。1つの実施形態では、レジメンは、非ホジキンリンパ腫処置のためのシクロホスファミド、CHOP、エトポシド、ブレオマイシン、ミトキサントロン、および/またはシスプラチンを含む。1つの実施形態では、レジメンは、胃癌処置のためのシスプラチンを含む。1つの実施形態では、レジメンは、膵臓癌処置のためのゲムシタビンを含む。
【0102】
抗癌剤を使用した処置の持続時間は、使用した特定の治療薬に従って変化し得る。ある実施形態では、投与は不連続である(すなわち、1日量を数回の投与に分割する)。ある実施形態によれば、処置方法は、少なくとも1サイクル、好ましくは1サイクル超を含み、その間に治療薬を1回または連続して投与する。1サイクルに適切な期間を、当業者に日常的な方法、ならびに総サイクル数、およびサイクルの間隔に従って決定することができる。
【0103】
特定の実施形態では、レジメンは、100〜1000mg/m/サイクルの範囲の用量のゲムシタビンを含む。別の実施形態では、レジメンは、200〜4000mg/m/サイクルの範囲の用量のダカルバジンを含む。好ましい実施形態では、ダカルバジンの用量は、700〜1000mg/m/サイクルの範囲である。別の実施形態では、レジメンは、25〜50mg/m/サイクルの範囲の用量のフルダラビンを含む。別の実施形態では、レジメンは、200〜2000mg/m/サイクルの範囲の用量のシトシンアラビノシド(Ara−C)を含む。別の実施形態では、レジメンは、1.5〜7.5mg/kg/サイクルの範囲の用量のドセタキセルを含む。別の実施形態では、レジメンは、5〜15mg/kg/サイクルの範囲の用量のパクリタキセルを含む。別の実施形態では、レジメンは、5〜20mg/kg/サイクルの範囲の用量のシスプラチンを含む。別の実施形態では、レジメンは、5〜20mg/kg/サイクルの範囲の用量の5−フルオロウラシルを含む。別の実施形態では、レジメンは、2〜8mg/kg/サイクルの範囲の用量のドキソルビシンを含む。別の実施形態では、レジメンは、40〜160mg/kg/サイクルの範囲の用量のエピポドフィロトキシンを含む。別の実施形態では、レジメンは、50〜200mg/kg/サイクルの範囲の用量のシクロホスファミドを含む。別の実施形態では、レジメンは、50〜75、75〜100、100〜125、または125〜150mg/m/サイクルの範囲の用量のイリノテカンを含む。別の実施形態では、レジメンは、3.7〜5.4、5.5〜7.4、7.5〜11、または11〜18.5mg/m/サイクルの範囲の用量のビンブラスチンを含む。別の実施形態では、レジメンは、0.7〜1.4、または1.5〜2mg/m/サイクルの範囲の用量のビンクリスチンを含む。さらに別の実施形態では、レジメンは、3.3〜5、5〜10、10〜100、または100〜1000mg/m/サイクルの範囲の用量のメトトレキサートを含む。
【0104】
1つの実施形態では、レジメンは、低用量の化学療法薬の使用を含む。本実施例によれば、本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物での被験体の最初の処置により、その後の抗癌剤での攻撃誘発に対する腫瘍の感受性が増大する。したがって、抗癌剤を、抗癌剤を単独で投与する場合の許容可能な投薬量の範囲内の低い方付近であるかそれ未満の用量で被験体に投与することができる。1つの実施形態では、レジメンは、6〜60mg/m/日以下のドセタキセルのその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、10〜135mg/m/日以下でのパクリタキセルのその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、2.5〜25mg/m/日以下でのフルダラビンのその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、0.5〜1.5g/m/日以下でのシトシンアラビノシド(Ara−C)のその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、10〜100mg/m/サイクルでのゲムシタビンのその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、5〜10、10〜20、20〜40、または40〜75mg/m/サイクルの範囲の用量のシスプラチン(例えば、PLATINOLまたはPLATINOL−AQ(Bristol Myers))のその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、7.5〜75mg/m/サイクルの範囲のシスプラチンのその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、2〜4、4〜8、8〜16、16〜35、または35〜75mg/m/サイクルの範囲の用量のカルボプラチン(例えば、PARAPLATIN(Bristol Myers))のその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、6〜10、10〜30、または30〜60mg/m/サイクルの範囲の用量のドセタキセル(例えば、TAXOTERE(Rhone Poulenc Rorer))のその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、10〜20、20〜40、40〜70、または70〜135mg/kg/サイクルの範囲の用量のパクリタキセル(例えば、TAXOL(Bristol Myers Squibb))のその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、0.5〜5mg/kg/サイクルの範囲の用量の5−フルオロウラシルのその後の投与を含む。別の実施形態では、レジメンは、2〜4、4〜8、8〜15、15〜30、または30〜60mg/kg/サイクルの範囲の用量のドキソルビシン(例えば、ADRIAMYCIN(Pharmacia & Upjohn)、DOXIL(Alza)、RUBEX(Bristol Myers Squibb))のその後の投与を含む。
【0105】
上記投与計画を例示のみを目的として提供し、本発明を制限すると見なすべきではない。
【0106】
5.4 キット
本発明は、液体または凍結乾燥された本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト処方物を充填した1つまたは複数の容器を含む薬学的パックまたはキットを提供する。1つの実施形態では、処方物は、β−シクロデキストリン、好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含むベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミドの水性処方物である。1つの実施形態では、処方物は凍結乾燥されている。好ましい実施形態では、液体または凍結乾燥された処方物は無菌である。1つの実施形態では、キットは、1つまたは複数の容器中に液体または凍結乾燥された本発明の処方物および癌または感染症の処置に有用な1つまたは複数の他の予防薬または治療薬を含む。1つまたは複数の他の予防薬または治療薬は、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストとして同一容器中に存在し得るか、1つまたは複数の他の容器中に存在し得る。好ましくは、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、約0.5mg/ml〜約50mg/ml、約1mg/ml〜約40mg/ml、または約2mg/ml〜約15mg/mlの濃度で処方し、処方物は、注射、好ましくは皮下注射に適切である。好ましくは、キットは、単位投薬形態のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを含む。最も好ましくは、単位投薬形態は、処置されるべき被験体の体重1kgあたり約0.02〜10mgまたは約0.04〜5mgの単位用量を提供するのに適切な形態である。
【0107】
ある実施形態では、キットは、さらに、癌または感染症の処置で使用する説明書(例えば、本発明の液体処方物を単独で使用するか、別の予防薬または治療薬と組み合わせて使用する)ならびに副作用および1つまたは複数の投与経路についての投薬量情報を含む。任意選択的に、医薬品または生物学的製剤の製造、使用、または販売を規制する行政機関によって指示された形態の通知書がかかる容器に付随し、この通知書は、ヒトへの投与のための製造、使用、または販売の政府機関による承認を反映する。
【0108】
本明細書中で引用した全ての刊行物および特許書類は、それぞれのかかる刊行物または書類が具体的且つ個別に参考として援用されることを示すかのように本明細書中で参考として援用される。刊行物および特許書類の引用は、いかなる先行技術との関連性も認めておらず、先行技術の内容や日付に関していかなる承認もしていない。
【0109】
本発明は、以下の実施例を参照することによってさらに定義され、実施例は、本発明の範囲を制限することを意味しない。本発明の目的および意図から逸脱することなく、材料および方法の両方に対する多数の修正形態を実施することができることが当業者に明らかであろう。
【実施例】
【0110】
5.5 実施例
以下は、安定な水性および凍結乾燥された本発明のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの処方物の具体例である。これらの実施形態で使用される特定のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストは、(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミドである。本明細書中に記載のように、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを、40〜50mg/mlまでの濃度でβ−シクロデキストリン、好ましくはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを使用して処方することができる。具体的には、本実施例は、15%または25%w/vのいずれかのスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを使用したベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの処方物を記載する。これらの処方物は、室温および通常の冷蔵温度で安定である。水性処方物はまた、皮下注射による投与に適切である。水性処方物を凍結乾燥させることもできる。例示的な凍結乾燥手順を以下に記載する。15%スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン処方物は、凍結乾燥生成物の再構成後の皮下注射による投与に好ましい。
【0111】
5.5.1 水性処方物
40mg/mLのベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト溶液を、下記の通りに調製する。簡潔に述べれば、必要量のアゴニストを、25%または15%w/vスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンのいずれかを含む10mMクエン酸塩(pH2.8〜3.2)に溶解し、30分間撹拌する。溶解後、溶液のpHをpH6.5に調整し、溶液をさらに15分間撹拌し、0.2ミクロンのポリエーテルスルホンフィルターで濾過した。この処方物は皮下注射に適切である。
【0112】
【表1】

ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの水性処方物の詳細な手順
最終体積の処方物の25%w/v溶液に必要なスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを秤量する。
【0113】
最終体積の処方物の0.19%w/v溶液に必要なクエン酸を秤量する。
【0114】
最終体積の処方物の40mg/mL溶液に必要なVTX−378を秤量する。
【0115】
75%バッチ体積に等しい濾過滅菌水(0.2μm)をバッチ製造用容器に移す。クエン酸およびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンをバッチ製造用容器に添加し、クエン酸およびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンが完全に溶解するまで成分を中速で撹拌する。
【0116】
ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを上記溶液に添加し、さらに15分間撹拌する。
【0117】
6N塩酸を使用して処方物をpH2.8〜3.0に調整し、中速で30分間撹拌して媒質にベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを確実に溶解させる。
【0118】
6N水酸化ナトリウムを使用して処方物をpH6.3〜6.7に調整し、中速で15分間撹拌する。このpH範囲で処方物に濁りが認められるであろう。
【0119】
水を使用して処方物の体積をバッチの最終体積に調整し、中速で10分間撹拌する。pH6.3〜6.7であることを確認する。
【0120】
全バッチを容器(0.1N水酸化ナトリウム、0.2μm濾水、および濾過した70%エタノールの順序で事前にリンスする)に濾過し、クリーンベンチにおいて滅菌0.2μmポリエーテルスルホンフィルターで乾燥させる。
【0121】
必要に応じて、クリーンベンチにおいて滅菌使い捨てピペットを使用して、濾過した処方物のアリコートを適切なガラス製容器(0.1N水酸化ナトリウム、0.2μm濾水、および濾過した70%エタノールの順序で事前にリンスし、乾燥させる)に移す。
【0122】
処方物を2〜8℃で保存することを推奨する。
【0123】
5.5.2 凍結乾燥処方物
40mg/mLの上記処方物を、以下の凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥させる。
【0124】
保存負荷温度=−50℃
凍結:−50℃で120分間保持する。減圧してチャンバーを密封する。
【0125】
冷却管および減圧:冷却管温度(減圧が可能な冷却管の温度)=−50℃;加熱開始圧力(初乾が継続される圧力)=400mTorr
初乾:100mTorrの減圧下にて0℃に120分間均一に上昇させる。;100mTorrの減圧下にて10℃に80分間均一に上昇させる。100mTorrの減圧下にて10℃で1920分間保持する。
【0126】
上記のように調製した凍結乾燥処方物は、以下の表に示すように、室温(約23℃)および2〜8℃の両方で少なくとも2ヶ月間安定であった。表示の時点でサンプルを貯蔵庫から取り出し、0.8mlの水でそれぞれ再構成し、ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストのpH、重量オスモル濃度、および濃度をHPLCによって評価した。
【0127】
【表2】

ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの凍結乾燥処方物の詳細な手順
最終体積の処方物の15%w/v溶液に必要な目標量のスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを秤量する。
【0128】
最終体積の処方物の0.19%w/v溶液に必要な目標量のクエン酸を秤量する。
【0129】
最終体積の処方物の40mg/mL溶液に必要な目標量のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを秤量する。
【0130】
75%バッチ体積に等しい濾過滅菌水(0.2μm)をバッチ製造用容器に移す。クエン酸およびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンをバッチ製造用容器に添加し、クエン酸およびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンが完全に溶解するまで成分を中速で撹拌する。
【0131】
ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを上記溶液に添加し、さらに30分間撹拌する。
【0132】
およそ0.5mL/分での6N塩酸の滴下によって処方物をpH2.8〜3.0に調整し、0.5mLの各添加の終了時に溶液を1分間撹拌する。滴下の間、pHを継続的にモニタリングする。一旦所望のpHになると、溶液を中速で30分間撹拌し続けて媒質中にベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストを確実に溶解させる。
【0133】
およそ0.5mL/分での6N水酸化ナトリウムの滴下によって処方物をpH6.3〜6.7に調整し、0.5mLの各添加の終了時に溶液を2分間撹拌する。滴下の間、pHを継続的にモニタリングする。標的pHに到達させ、且つ溶液を、pH6.7を超えさせないようにする。一旦所望のpHになると、中速で15分間撹拌し続ける。このpH範囲では処方物に濁りが認められるであろう。
【0134】
上記の各6N塩酸および6N水酸化ナトリウムの段階的添加あたりの体積(0.5mL)は、バッチサイズ1Lに基づく。これらの体積を、最終バッチサイズに比例して調整すべきである(例えば、バッチ体積10Lについては、各酸/塩基の体積は5mLである)。
【0135】
水を使用して処方物の体積をバッチの最終体積に調整し、中速で10分間撹拌する。pHが6.3〜6.7であるであることをチェックし、必要に応じて6N水酸化ナトリウムまたは6N塩酸を使用してこの範囲内にpHを調整する。
【0136】
クリーンベンチにおいて滅菌0.2μmポリエーテルスルホンフィルターによって全バッチを容器(0.1N水酸化ナトリウム、0.2μm濾水、および濾過した70%エタノールの順序で事前にリンスし、乾燥させる)に濾過する。
【0137】
クリーンベンチにおいて滅菌使い捨てピペットを使用して、1.2mLアリコートの濾過処方物を3mL血清バイアル(0.1N水酸化ナトリウム、0.2μm濾水、および濾過した70%エタノールの順序で事前にリンスし、乾燥させる)に移す。
【0138】
ストッパーの突起物の間の空間を通してバイアルの内外にガスが流れるようにバイアルの上にゆるく配置した灰色のブチルストッパーを有する凍結乾燥機の棚に充填したバイアルを移す。添付書類1に示す凍結乾燥サイクルを使用する。高純度窒素を使用してチャンバー内の圧力を調整する。
【0139】
凍結乾燥の完了時、真空状態を乾燥高純度窒素に開放する。バイアル上のストッパーを取り出し、アルミニウムクリンプシールでバイアルをシールする。
【0140】
処方物を2〜8℃で保存することを推奨する。
【0141】
5.5.3 包接錯体処方物対共溶媒処方物の安定性
ベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト溶液を包接錯体処方物または共溶媒処方物のいずれかとして調製し、表示温度での表示時間の保存後のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの残存濃度による測定によって短期間安定性について評価した。
【0142】
包接錯体処方物
5mg/mLベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト溶液を、25%w/vCAPTISOLを含む10mMクエン酸塩(pH6.5)中に調製した。簡潔に述べれば、必要量のCAPTISOLおよびクエン酸を、約75%のバッチサイズに等しい体積に溶解した。目標量のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストをこの溶液に添加し、30分間撹拌した。6N HClを使用してサンプルを約pH3.0に調整し、30分間撹拌した。6N NaOHを使用して約pH6.5に調整し、さらに15分間撹拌した。水を使用して処方物の体積をバッチサイズの100%にした。次いで、処方物を、0.2μmポリエーテルスルホンフィルターで濾過し、滅菌容器に無菌的に濾過した(235μL/容器)。処方物の全調製工程を、室温で行った。
【0143】
共溶媒処方物
5mg/mLベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト溶液を、10%プロピレングリコール、10%ポリエチレングリコール400(PEG400)、および10mMクエン酸塩(pH6.5)を含む溶媒系中で調製した。簡潔に述べれば、必要量のクエン酸を、約50%のバッチサイズに等しい体積に溶解した。必要量のプロピレングリコールおよびPEG400を添加し、撹拌して混合した。目標量のベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストをこの溶媒に添加し、30分間撹拌した。6N HClを使用してサンプルを約pH3.0に調整し、30分間撹拌した。6N NaOHを使用して約pH6.5に調整し、さらに15分間撹拌した。水を使用して処方物の体積をバッチサイズの100%にした。次いで、処方物を、0.2μmポリエーテルスルホンフィルターで濾過し、滅菌容器(235μL/容器)に無菌的に濾過した。処方物の全調製工程を、室温で行った。
【0144】
安定性の評価
包接錯体処方物を充填した容器を、室温(RT)または2〜8℃のいずれかで保存した。共溶媒処方物を充填した容器を、室温、2〜8℃、または40℃で保存した。サンプルを、特定の時点で貯蔵庫から取り出し、標準的方法によるHPLCによってベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニスト濃度を評価した。
【0145】
結果
表3は、特定の時点での貯蔵温度の関数としてのサンプルの安定性におけるベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストのアッセイ濃度を示す。表に示すように、包接錯体処方物は、室温でさえも貯蔵19日目までベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストのいかなる有意な喪失も認められなかった。対照的に、室温での貯蔵14日後に共溶媒処方物において有意なベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの喪失が認められた(約29%喪失)。共溶媒処方物中でのベンゾ[b]アゼピンTLRアゴニストの分解は、40℃でより明白であった。40℃および室温で貯蔵した共溶媒処方物サンプルが7日後および14日後にそれぞれ不溶性物質を含んでいたことに留意すべきである。安定性研究に基づいて、CAPTISOLを使用して調製した包接錯体処方物は、共溶媒処方物と比較してより高い安定性を示す。
【0146】
【表3】

本発明をその詳細な説明と併せて記載しているが、上記説明は本発明の例示を意図し、本発明の範囲の制限を意図しない。本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される。他の態様、利点、および修正形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。添付の特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲を逸脱することなく形態および詳細の種々の変化を得ることができると当業者に理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Toll様受容体(TLR)アゴニストの固体または液体処方物であって、該固体または液体処方物は、シクロデキストリンを含み、該アゴニストは、TLR7、TLR8、またはその両方のアゴニストであるベンゾ[b]アゼピン化合物である、固体または液体処方物。
【請求項2】
前記TLRアゴニストが、(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ビス(2−メトキシエチル)−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジエチル−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−N,N−ジプロピル−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−N−エチル−8−(ペルフルオロエチル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−2−アミノ−8−(ペルフルオロエチル)−N−プロピル−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(ピロリジン−1−カルボニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(4−(メトキシカルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−エチル2−アミノ−8−(4−(メチルカルバモイル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキシラート;(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド;およびその薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される、請求項1に記載の処方物。
【請求項3】
前記TLRアゴニストが(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項2に記載の処方物。
【請求項4】
前記処方物のpHが酸性である、請求項1から3のいずれか1項に記載の処方物。
【請求項5】
前記pHが約pH6.5である、請求項4に記載の処方物。
【請求項6】
前記処方物が無菌である、請求項1から5のいずれか1項に記載の処方物。
【請求項7】
前記処方物が固体処方物である、請求項1から3のいずれか1項に記載の処方物。
【請求項8】
前記処方物が凍結乾燥処方物である、請求項1から3のいずれか1項に記載の処方物。
【請求項9】
前記シクロデキストリンがβ−シクロデキストリンである、請求項1から8のいずれか1項に記載の処方物。
【請求項10】
前記β−シクロデキストリンがスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンである、請求項9に記載の処方物。
【請求項11】
前記処方物が約1〜30重量/体積%の前記β−シクロデキストリンを含む、請求項10に記載の処方物。
【請求項12】
前記処方物が約5〜15重量/体積%の前記β−シクロデキストリンを含む、請求項11に記載の処方物。
【請求項13】
前記TLRアゴニストを約0.5mg/ml〜約50mg/mlの濃度で処方する、請求項12に記載の処方物。
【請求項14】
前記アゴニストを約1mg/ml〜約40mg/mlの濃度で処方する、請求項13に記載の処方物。
【請求項15】
前記アゴニストを約2mg/ml〜約15mg/mlの濃度で処方する、請求項14に記載の処方物。
【請求項16】
前記処方物が約20〜25℃で少なくとも1週間安定である、請求項1から15のいずれか1項に記載の処方物。
【請求項17】
前記処方物が約2〜8℃で少なくとも2週間安定である、請求項1から15のいずれか1項に記載の処方物。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の処方物を被験体に投与する工程を含む、被験体における癌、感染症、またはアトピー性皮膚炎の処置方法。
【請求項19】
前記TLRアゴニストが(1E,4E)−2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボキサミド、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記TLRアゴニストを少なくとも2mg/mlの濃度で処方する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記処方物は注射による前記被験体への投与に適切である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記投与が皮下注射、筋肉内注射、または経皮注射である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記被験体がヒトである、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記癌が、卵巣癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、膀胱癌、肝細胞癌、およびリンパ腫からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記TLRアゴニストを約0.02〜10mg/kgの用量で前記被験体に投与する、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記TLRアゴニストを約0.04〜5mg/kgの用量で前記被験体に投与する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記TLRアゴニストを1週間間隔または2週間間隔で前記被験体に投与する、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記TLRアゴニスト処方物を1つまたは複数の他の処置様式と組み合わせて投与する、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記1つまたは複数の他の処置様式が、化学療法薬、サイトカイン、抗体、ホルモン療法、または放射線療法から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記感染症がウイルスに起因する、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記ウイルスが肝炎ウイルスである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
請求項1から17のいずれか1項に記載の液体または凍結乾燥したTLRアゴニスト処方物を充填した1つまたは複数の容器を含む、薬学的パックまたはキット。
【請求項33】
前記TLRアゴニストを少なくとも2mg/mlの濃度で処方し、ヒト被験体への皮下注射による投与に適切である、請求項32に記載の薬学的パックまたはキット。
【請求項34】
被験体における癌、感染症、またはアトピー性皮膚炎の治療薬の製造における請求項1から17のいずれか1項に記載の処方物の使用。
【請求項35】
前記TLRアゴニストを少なくとも2mg/mlの濃度で処方する、請求項34に記載の使用。
【請求項36】
前記処方物が注射による前記被験体への投与に適切である、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
前記投与が皮下注射、筋肉内注射、または経皮注射による投与である、請求項36に記載の使用。
【請求項38】
前記被験体がヒトである、請求項34に記載の使用。
【請求項39】
前記癌が、卵巣癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌、膀胱癌、肝細胞癌、およびリンパ腫からなる群から選択される、請求項34に記載の使用。
【請求項40】
前記TLRアゴニストを約0.02〜10mg/kgの用量で前記被験体に投与する、請求項34に記載の使用。
【請求項41】
前記TLRアゴニストを約0.04〜5mg/kgの用量で前記被験体に投与する、請求項34に記載の使用。
【請求項42】
前記TLRアゴニストを1週間間隔または2週間間隔で前記被験体に投与する、請求項34に記載の使用。
【請求項43】
前記TLRアゴニスト処方物を1つまたは複数の他の処置様式と組み合わせて投与する、請求項34に記載の使用。
【請求項44】
前記1つまたは複数の他の処置様式が、化学療法薬、サイトカイン、抗体、ホルモン療法、または放射線療法からなる群から選択される、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
前記感染症がウイルスに起因する、請求項34に記載の使用。
【請求項46】
前記ウイルスが肝炎ウイルスである、請求項45に記載の使用。

【公表番号】特表2011−529916(P2011−529916A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521358(P2011−521358)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/052422
【国際公開番号】WO2010/014913
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511027770)ベンティアールエックス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】