説明

UTRAN無線アクセスネットワークにおける無線リソース管理方法、コアネットワークサービスノード、および無線アクセスネットワーク制御装置

本発明は、UTRAN無線アクセスネットワークにおける無線ネットワーク制御装置により割り当てられる無線リソースを管理する方法に関するものである。上記無線リソースは、コアネットワークによって送信される無線アクセスベアラサービス要求によって各々識別されるサービス要求の多数をサポートし、コアネットワークの対応するQoSパラメータをマッピングすることによりその値が規定されるRABパラメータの集合の形式で、要求されたQoSを記述するものである。上記制御装置は、様々なベアラサービス間でリソースを分配するために、および、上記各ベアラサービスに関連付けられた優先レベルに従って上記リソース割り当てを調整するために、備えられるものである。上記優先レベルは、RABパラメータである「Allocation Retention Priority」のサブパラメータである「priority level」によって規定され、その値は、一方では、コアネットワークのQoSパラメータである上記「Allocation Retention Priority」の値を考慮することにより決定され、他方では、サービスタイプに関連付けられたQoSパラメータの少なくとも1つの値を考慮して決定される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、広く通信分野に関するものであり、特に、パケットモードおよび回線モードにおいて、UMTSモバイル通信ネットワークにおけるアクセスネットワークのレベルで無線リソースを管理する方法に関するものである。
【0002】
つまり、本発明に係る方法は、3GPP標準規格の枠組みで標準化されたUMTS技術を用いたモバイルネットワーク向けのアプリケーションを対象とする。記載が過多にならないようにするため、使用する全ての頭文字語の定義から成る用語解説を、読み手が有効に参照できるよう、本願明細書の末尾に提供している。
【0003】
UMTS標準規格は新しいモバイルアクセスネットワークであるUTRANを明確化するものであり、UTRANによって、携帯電話事業者の加入者に対してIPに基づくサービス(電子メッセージ、ファイルのダウンロード、webまたはWAPサイトのコンサルテーション(consultation))または回線サービス(電話、テレビ電話)を提供することが可能となる。現時点では、UMTSは導入段階であり、英語で「releases(リリース)」と呼ばれる様々なバージョンが存在する。特にリリース99と呼ばれるバージョンについては、詳細に後述する。
【0004】
アーキテクチャに関して言及すれば、UMTSネットワークは、図1に示すように、コアネットワークCNと、UTRANと称される無線アクセスネットワークとの、2つのサブネットワークに分割できる。
【0005】
アクセスネットワークは、RNC制御装置によって割り当てられる無線リソースを用いることにより無線インタフェースを通して利用者端末UEに通信を提供する無線基地局NodeBを多数備える。ある構成要素がいくつかの下位層の構成要素を制御するような階層的構造は、GSM無線アクセスネットワークと同じである。RNC無線ネットワーク制御装置は、GSMの基地局コントローラ(BSC)の位置を保持している。しかし、情報転送に用いている無線技術は異なるものである。
【0006】
UMTSのコアネットワークCNは、電話に関する全てのサービスを含む回線システムCSと、パケット交換に関する全てのサービスを含むパケットシステムPSとの2つの別々のシステムを含んでいる。
【0007】
コアネットワーク層には、上記両システムに共通なデータベースであるHLRがある。HLRは、ネットワーク事業者の各加入者に関する情報(加入情報のみならず加入者の電話番号およびモバイルの識別子も含む)を格納している。HLRは、また、他の事項に加えて、加入者とサービスとに関する、サービスの質の情報を含んでいる。このサービスの質の情報に関しては、後に詳細に定義する。すなわち、上記データベースにより、ネットワーク内のモバイル加入者は管理される。
【0008】
また、コアネットワークは、MSC回線スイッチとSGSNパケットスイッチとを備える。コアネットワークのこれらサービスノードは、アクセスネットワーク内の通信リンクを管理する。これらのサービスノードは、HLRから送られて来る加入者プロファイルを格納しており、加入者により要求されたネットワークリソースを監視する。
【0009】
パケットシステム層では、SGSNは、他のサービスノードGGSNと接続されている。このGGSNは、パケット交換ネットワークの外側(例えば、インターネットなど)へのゲートウェイとして特に動作するものである。パケットシステムに関して言えば、UMTSのコアネットワークは、ゲートウェイであるGGSNサービスノードを介して外部と接続されている。このゲートウェイは、セキュリティを保証すると同時に、モバイル電話が外部ネットワーク、特に、インターネットとの通信を可能とするためのルーティング情報を含むものである。モバイル電話に情報を送信できるようにするため、GGSNは他のサービスノードであるSGSNを使用する。SGSNは、コアネットワーク層のモビリティー(mobilite)、認証、および、暗号化を管理するものである。これらのネットワーク構成要素はIPルータの機能を統合し、IP系ネットワークを構成する。
【0010】
回線システム層では、パケットシステムでの説明と同様に、MSCが他のサービスノードGMSCと関連している。GMSCは、RNCタイプやRNISタイプなどの定常(fixe)ネットワークへのゲートウェイとしての役目を果たすものである。
【0011】
リリース99では、全てのUMTSサービスは、次に示す4つの標準化されたトラフィッククラスによってサポートされている。すなわち、“Conversational”(会話)、“Streaming”(ストリーミング)、“Interactive”(インタラクティブ)、“Background”(バックグラウンド)である。
【0012】
“Conversational”および“Streaming”クラスは、音声あるいは映像などのリアルタイムストリームを主に転送するために備えられるものである。しかしながら、利用者がリアルタイム映像(または音声)を観る(または聴く)場合に使用されるタイプに相当する“Streaming”クラスは、データ転送の時間的制約が“Conversational”クラスよりも少ない。
【0013】
“Interactive”および“Background”クラスは、非リアルタイムサービスに対応し、ナビゲーション、電子メール、FTPアプリケーションなどの従来のインターネットアプリケーションの枠組み内で使用されるために提供されるものである。非リアルタイムであることから、これらのクラスは再転送およびエンコード方式によってより低いエラー率を提供している。
【0014】
本発明は、リソース、特に、アクセスネットワーク内における無線リソースの分配の管理に関する。このような管理には、サービス要求に関連付けられた、サービスの質(QoS)のパラメータを考慮することが必要とされる。
【0015】
UMTSベアラサービスのQoSパラメータは、ベアラサービスの利用者に対してUMTSネットワークにより提供されるサービスを記述する。QoSパラメータ一式から成るQoSプロファイルが、このサービスを記述する。すなわちこれらは、特にスループット、トラフィックのタイプ、優先度などのネットワーク上のデータストリームの主な特性を規定することができる標準化されたパラメータである。このデータはHLR内の加入者プロファイルに格納されており、様々な手段によってSGSNおよびMSCに転送される。
【0016】
パケットシステムの加入者のQoSプロファイルは、実際には、加入者によって要求される特定の値に関する許容上限に相当する。また、QoSプロファイルは事業者によって設定される初期プロファイルにも相当しうる。
【0017】
QoSプロファイルに記述される主なQoSパラメータは以下のとおりである。
【0018】
・“Allocation Retention Priority”(ARP):このQoSにより、UMTSベアラサービスの割り当ておよび保持に関して、いくつかの加入者間のトラフィックを優先付けることができる。このタイプのパラメータは、パケットシステムと回線システムとのそれぞれについて個別に記述される。
【0019】
・“Traffic Class”(トラフィッククラス):このQoSパラメータは、サービスタイプに関連付けられた優先度を表すものである。リリース99にみられるように、全てのサービスは4つのトラフィッククラスによりサポートされている。そこで、このQoSパラメータは、“Conversational”(リアルタイムな要求は非常に重要であるため、高優先レベルに相当)、“Streaming”、“Interactive”、“Background”(低優先)の値をとることができる。
【0020】
・“Traffic Handling Priority”(THP)(トラフィックハンドリング優先度):このQoSパラメータにより、“Interactive”トラフィッククラス向けの優先レベルを記述することができる。このパラメータは3つの値をとることができ、それにより、互いに関連する“Interactive”タイプのプロファイルを優先付けすることができる。
【0021】
上記のパラメータに加えて以下のパラメータについても記述するが、本発明の枠組みでは使用しないので、情報提供の目的として記載する。
【0022】
・“Transfer Delay”(転送遅延):このQoSパラメータは、パケットの最大転送遅延を提供する。このQoSパラメータはリアルタイムサービスでのみ使用される。
【0023】
・“Guaranteed bit rate”(保証されたビットレート):このQoSパラメータはパケット転送の保証されたスループットを表す。このQoSパラメータはリアルタイムサービスでのみ使用される。
【0024】
・“Maximum bit rate”(最大ビットレート):このQoSパラメータは最大スループットを表す。
【0025】
上記すべてのQoSパラメータは3GPPテレコミュニケーション標準規格の枠組み内で規定されているものである。しかし、これらの使用方法は標準化されていない。
【0026】
UMTSリリース99において、HLRのレベルで、標準規格は、パケットおよび回線サービス向けに加入者データの中に優先レベルを持たせる可能性を見越している。“Allocation Retention Priority”(ARP)が上記目的に使用されている。このパラメータは、パケットシステムでは登録されたPDPコンテキスト毎に、または、回線システムでは加入者毎に、コアネットワークのHLRレベルで通知される。
【0027】
ARPパラメータによって、加入者間での無線リソースの割り当て/保持の優先度を決めることができる。ARPパラメータは、MSC、SGSN、GGSNで使用されており、コアネットワークでは次の3つの値をとることができる。すなわち、優先度1、優先度2、そして優先度3である。優先度3が最も低い値である。
【0028】
ARPパラメータは、加入者からのサービス要求に対応する通信に優先レベルを関連付けるため、4つのサブパラメータの形式でUTRANのRNCに送信される。そして、このパラメータは、UTRANのRNCに送信するためにコアネットワーク層で次の4つのサブパラメータに変換される。すなわち、“Priority Level”(優先レベル)、“Pre-emption Capability”(プリエンプション能力)、“Pre−emption Vulnerability”(プリエンプションの受けやすさ)、“Queuing Allowed”(許容されるキューイング)である。これらの値は、コアネットワークのARPパラメータから得られる。これら4つのサブパラメータは3GPP標準規格のTS25.413においてより詳細に定義されている。
【0029】
UTRANは、コアネットワークCNから送信される優先パラメータを使用して、システムの様々な利用者間で全てのリソース(例えば、無線リソース、転送リソース、処理容量)を割り当てる能力がなければならない。
【0030】
PDPコンテキストのアクティベーション手続きを、図2を参照して記載する。モバイルMS端末は、SGSNおよびGGSNに格納されているPDPコンテキストを要求することができ、また、加入者が望むサービスを実行するためのコアネットワークにおけるリソースを確保することができる。PDPコンテキストのアクティベーションの間、要求されたPDPコンテキストおよび加入者の契約情報、特にARPパラメータで定義されるトラフィッククラスおよび加入者の優先度に関連付けられたサービスの質の情報をUTMSネットワークの様々なノードが受信する。
【0031】
加入者の優先度に相当する情報、つまり、加入者が登録するPDPコンテキストを定義するデータに含まれるARPパラメータは、加入者の場所が特定されたときにSGSNへ転送される。そして、この情報はPDPコンテキストが加入者によってアクティベーションされたときにGGSNへ転送され、そして上述した4つのサブパラメータの形式でRNCに転送される。
【0032】
PDPコンテキストをアクティベーションする手続きは、加入者が、加入しているサービスを実行するためにネットワーク上にデータを送信または受信したいときに発生するものであり、モバイル加入者の最初の操作段階において実行されるものである。その結果、加入者によって要求された外部ネットワークとの相互接続要求を実行するGGSNサービスノードに端末を知らしめることができる。PDPコンテキストをアクティベーションする手続きの後、対応するサービスの質のプロファイルがネットワーク上の様々なノード間で交換され、そして、UMTSネットワークと加入者が要求したサービスに対応する外部ネットワークとの間でデータ転送が開始される。
【0033】
第1ステップでは、所望のQoSを記述することにより、モバイルMS端末が、親であるSGSNからのPDPコンテキストのアクティベーションを要求する。SGSNは、加入者データおよび他のパラメータに従って、要求されたQoSを修正してもよい。
【0034】
第2、第3ステップでは、SGSNが、修正したQoSパラメータとともに上記要求をGGSNに中継する。そして、これはネゴシエートされたQoSに関する質問となる。そしてGGSNはQoSを再修正し、それをSGSNに返送する。
【0035】
第4、第5ステップでは、SGSNは、無線アクセスベアラサービスに対する要求の形式でネゴシエートされたQoSを記述することにより、要求された無線リソースをRNSが割り当てることを要求する。無線アクセスベアラサービスは、特にコアネットワークのARPパラメータから得られるトラフィッククラスおよび4つのサブパラメータを含むRABパラメータの組で構成される。RABパラメータは3GPP標準規格TS25.413のv4.0.0の9.2.1.3節に定義されている。
【0036】
RNCは、上記要求を考慮するとともに、RABパラメータを使って、サービス要求に対応するために必要な無線リソースを算出する。RNCは、要求されたリソースが使用可能であるかを検証し、使用可能でない場合は、すでに呼び出されているサービスのパラメータと新たな要求のパラメータとに基づいて、リソース不足を管理しなければならない。そしてRNCは、要求された無線アクセスベアラサービスを許容または拒否する。
【0037】
第6ステップでは、SGSNが、ネットワーク上で得られたサービスの質を送信することによりモバイル電話からの要求を受けつける。
【0038】
回線システムの層では、ビデオ電話タイプの発呼要求を例にあげる。第1ステップでは、モバイル電話がコアネットワークにサービス要求を送信する。要求されたQoSの特性は、ベアラネットワークの容量(ベアラ伝送能力)に関連するフィールドに含まれている。スループット、望ましい接続形式については後述する。第2ステップでは、要求はRNISタイプの定常(fixe)ネットワークに中継される。
【0039】
最後に、コアネットワークが、RABパラメータの形式でサービス要求を指定することにより、対応する無線リソース割り当て要求を送信する。RNCはこのサービス要求を持続するために必要なリソースの算出を実行する。RNCはこれらリソースが使用可能であるかを検証し、使用可能でなければ、すでに呼び出されているサービスのパラメータと新たな要求のパラメータとに基づいてリソース不足を管理しなければならない。そしてRNCは要求されたRABを許容または拒否する。
【0040】
考慮しなければならない重要な制約の一つとして、UTRANはCNによって送信される優先度パラメータを使用するシステムの様々な利用者間で全てのリソース(無線リソース、転送リソース、処理能力)を分配することができなければならない。これを達成するために、標準規格に規定されているプリエンプション手続きを実行することができる。これにより、要求されたQoSに返答するために使用可能なリソースがないときに、優先権を有しているとネットワーク事業者に見なされる利用者またはサービスがリソースを容易に獲得することができる。
【0041】
CNによって送信される優先度パラメータはRABパラメータの一部であり、以下のとおりである。すなわち、
− Traffic Class
− Traffic Handling Priority
− Alocation Retention Priority
である。
【0042】
Alocation Retention Priorityは、次の4つのサブパラメータから構成される。すなわち、
− Priority Level
− Pre−emption Capability
− Pre−emption Vulnerability
− Queuing Allowed
である。
【0043】
これらのパラメータにより、コアネットワークからのサービス要求に相当する各種無線アクセスベアラサービスのRAB間でリソースを割り当てるための優先レベルを規定することができる。さらに、新たなサービス要求の応答に必要なリソースが不十分である、または、使用可能でない場合には、標準規格に規定されているプリエンプション手続きがこの優先レベルに基づいて実行されてもよい。
【0044】
実際には、プリエンプション手続きは、優先度の高い要求に対する応答に十分なリソースを当てられるように、利用者にすでに割り当てたリソースを減少させることが可能なアルゴリズムを使用している。
【0045】
この点について、図3に、UTRANリソースCの様々な使用レベルを示す。これは、時間tの経過に応じたネットワークの様々な負荷のシナリオを示している。これら様々なシナリオにより、プリエンプション手続きを使用する場合を規定することができる。閾値Sは、過負荷であると考えられる領域を区切るものである。ここからわかることは、あるタイプのリソースに関しては、この閾値を超えることはない(物理的に全てのリソースが使用されており、そのような場合、追加可能なリソースが参照される)。逆に、他のタイプのリソース、非可算リソースに関しては、ある期間は閾値Sを超えてもよい。
【0046】
領域1は、正常領域ともいうが、リソースの使用になんら制限がない。実際のところ、リソースを割り当てる新たな要求に応答するための十分なリソースがあり、プリエンプション手続きを使用する必要はない。換言すれば、ネットワーク上で現在使用されているリソースCと、リソース割り当ての新たな要求を要求されたサービスの質で満たすのに必要なリソースRとの合計は、過負荷領域を区切る閾値Sより小さい。よって、ここで検証することは、C+R<Sである。
【0047】
領域2は、過負荷に近い領域であり、依然として使用可能なリソースは存在するが、これら使用可能なリソースだけでは新たなリソース割り当て要求に対する応答には不十分である。つまり、ネットワーク上のリソースCの使用レベルが過負荷領域を区切る閾値Sより低いが、新たなリソース割り当て要求を満足するために必要なリソースRが、要求されたサービスの質とともに、使用される全てのリソースの一部として見なされた場合、過負荷領域である領域3へ入るものが生じる。つまり、C+R>SかつC<Sである。
【0048】
このような状況においては、ネットワーク上でリソース割り当ての新たな要求に応答するためのいくつかの方策が前もって立てられる。
− 率直にかつ簡単に要求を拒否する。
− または、要求は受けつけるが、過負荷領域に入らないように、割り当てるリソースの量を要求された量よりも少なくする。
− もしくは、サービスの質に従って要求を受けつけ、要求に対して十分な応答をするために必要なリソースを補うために、プリエンプション手続きが引き起こされる。
【0049】
過負荷領域3では、リソースの使用レベルは、過負荷領域を区切る閾値と等しいか、またはそれよりも大きい。この状況では、C>=Sという関係を検証する。
【0050】
換言すると、この領域では、その瞬間に使用されているリソースのレベルに相当するネットワークの実際の負荷は、過負荷領域を区切る閾値よりも大きいかまたはそれと等しい。そして、ネットワークは過負荷または飽和状態である。この領域3においては、新たなRABの構築または、ネットワーク内にすでに受け入れられているRABのトラフィックにおける変化、あるいはRABのモビリティー(mobilite)に応答するためのRABの再構成要求といった、いかなる新たなリソース割り当て要求も、負荷レベルが過負荷閾値を下回るまで拒否される。
【0051】
このように、ある状況下では、UTRANリソースの一般的な使用レベルであっても、要求されたサービスの質を伴う新たなリソース割り当て要求に対する応答が問題になることが知られている。要求されたサービスの質に従った新たな要求に対する応答のために必要なリソースを正確に補う目的でプリエンプション手続きを引き起こすことは、優先権を有すると事業者に見なされた利用者がリソースを容易に利用するために必要不可欠である。
【0052】
上記の理由で、3GPP標準規格に準ずるUTRANにおけるリソースを優先的に割り当てるための手続きに対する照会は、極端に簡潔なもので、それにより基本的に規則の簡単な設定が行われる。その規則に従って、優先度の昇順に、低い優先度を有するRABをプリエンプトすることができる機構をUTRAN単独で実現する。しかしながら、他のRABとの関係でRABに優先レベルを割り当てる基準については、標準規格に記述されていない。それゆえ、UTRANレベルで無線リソースへのアクセスが優先順位付けされる方法は、プリエンプション手続きを使用する様々なケースと同様に、実現されていない。それは、UMTS事業者にとって非常に重要な概念を含んでいる。なぜならば、それらは、例えば、加入者の様々なクラスに対してアクセスネットワークの無線リソースを共有および割り当てるための戦略を定義する主要な役割を果たすからである。
【0053】
従って、本発明の目的は、無線アクセスネットワークレベルでサービスと加入者間の無線リソースを優先付けることによって、UMTSアクセスネットワークのリソースを共有および割り当てる戦略を最適化できるようにするため、CNから送られてくるサービス要求に相当する様々なRABの間で、UTRAN内で優先度の異なる多数のレベルを規定することである。
【0054】
本発明のもう一つの目的は、確立された優先順序を使って、UMTSアクセスネットワークレベルで無線リソースを優先的に占有するための手続きを使用する様々なケースを規定することである。
【0055】
それゆえ、本発明は、UMTSタイプのモバイル通信ネットワークにおける無線リソースを管理する方法に関するものである。上記無線リソースは、利用者端末によってUMTSネットワークのコアネットワークへ送信される多数のサービス要求をサポートするために、UTMSネットワークの無線アクセスネットワークの無線アクセス制御装置によって割り当てられるものである。上記サービスのそれぞれは、コアネットワークの構成要素の内部に記録されているサービスの質のパラメータの組によって指定されるものである。上記サービス要求のそれぞれは、対応する無線リソース割り当て要求をコアネットワークが上記無線ネットワーク制御装置に送信することにより処理され、上記無線リソース割り当て要求は、無線アクセスに対するベアラサービス要求を含み、当該ベアラサービス要求は、コアネットワークにおける対応するサービスの質のパラメータをマッピングすることによりその値が規定されるRABパラメータの集合の形式で、要求されたサービスの質を記述するものである。上記無線ネットワーク制御装置は、様々なサービス要求に対応する様々な無線アクセスベアラサービスの間でアクセスネットワークの無線リソースを分配するため、および、上記各ベアラサービスに関連付けられた優先レベルに従って上記ベアラサービスに対するリソース割り当てを調整する目的で上記リソースを優先的に割り当てるプリエンプション手続を行うために備えられるものであって、それにより、上記ベアラサービスの優先レベルに基づいて、上記ベアラサービスに対して要求されたサービスの質を満たすものである。上記優先レベルは、RABパラメータである「Alocation Retention Priority」のサブパラメータである「Priority Level」によって各ベアラサービスに対して規定され、上記優先レベルの値は、一方では、コアネットワークのサービスの質のパラメータである上記「Alocation Retention Priority」の値を考慮することにより決定され、他方では、サービスタイプに関連付けられた、サービスの質のパラメータの少なくとも1つの値を考慮することにより決定される。
【0056】
本発明のある実施形態によれば、サービスの質のパラメータは、対応するベアラサービスに対して優先レベルを規定する“priority level”サブパラメータに割り当てられる値を決めるために使用されるサービスタイプに関連し、“Traffic Class”パラメータを含むものである。
【0057】
他の実施形態によれば、サービスの質のパラメータは、対応するベアラサービスに対して優先レベルを規定する“priority level”サブパラメータに割り当てられる値を決めるために使用されるサービスタイプに関連し、互いに関連するinteractiveタイプのサービスを優先付けすることができる“Traffic Handling Priority”パラメータをさらに含むものである。
【0058】
ある特徴によれば、アクセスネットワークレベルでリソースを優先的に占有するための手続きは、無線アクセスに対する新たなベアラサービス要求を無線ネットワーク制御装置が少なくとも一つ受信する場合、使用可能な無線リソースがないか、または、新たな要求に関連付けられたサービスの質を満たすために必要な無線リソースが不十分である場合に、実行されるものである。
【0059】
別の特徴によれば、アクセスネットワークレベルでリソースを優先的に占有するための手続きは、上記ネットワークで既にアクティブな少なくとも一つのベアラサービスによってもたらされる上記ネットワーク上のトラフィックにおける変化に応答するための追加リソース要求を無線ネットワーク制御装置が少なくとも一つ受信する場合、使用可能な無線リソースがないか、または、新たな要求に関連付けられたサービスの質を満たすために必要な無線リソースが不十分である場合に、実行されるものである。
【0060】
好ましくは、ネットワーク内で既にアクティブである少なくとも2以上のベアラサービスがそれぞれ追加リソースの要求をしており、上記要求を満たすために必要なリソースは使用可能である場合、上記各ベアラサービスに関連付けられた優先レベルに基づいて、どの上記ベアラサービスに追加リソースが優先的に割り当てられるかを決定するために、リソースを割り当てるための優先順位付けステップが実行される。
【0061】
好ましくは、ネットワーク内で既にアクティブである少なくとも2以上のベアラサービスが、最適な方法で割り当てられているリソースを使用しない場合、上記ベアラサービスに割り当てられているリソースを、上記各ベアラサービスに関連付けられた優先レベルによって定まる順に減少させるために、優先順位付けステップが上記ベアラサービス間で実行されることである。
【0062】
例示であって限定されない目的で与えられる、後述する望ましい典型的な一実施形態における記載を読めば、本発明をより理解でき、他の詳細および利点がわかるであろう。後述の記載は以下の添付図面を参照する。
【0063】
図1は、UTMSネットワークのアーキテクチャを示しており、既に説明したとおりである。
【0064】
図2は、パケットシステムに対してPDPコンテキストをアクティベーションするための手続きを示しており、既に説明したとおりである。
【0065】
図3は、UTRANにおけるリソースの様々な使用レベルを示す概略図であり、既に説明したとおりである。
【0066】
従って、すでに説明したように、UTRANはシステムの様々な利用者間で全てのリソースを分配することができなければならない。これを達成するために、ネットワーク事業者に優先権があると見なされる無線アクセスベアラサービスあるいはRABに対するリソースを容易に利用する目的で、UTRAN無線ネットワーク制御装置のレベルでプリエンプション手続きを実行する必要がある。
【0067】
上記を達成するために、本発明では、UTRAN内のRABに対するリソースに優先付きでアクセスするのに用いられる、様々なRAB間で多数の優先レベルを規定し、リソース割り当てにおいてリソースが不十分である、または使用できない時に、他のRABよりも優先されるRABを選択可能とすることを提案する。
【0068】
これら様々な優先レベルの値は、リソース管理アルゴリズム、特に、リソースを優先的に占有する手続きを要求するアルゴリズムによって使用されるために備えられる。これにより、いくつかのRABが同じリソースを獲得するために競合したときに、無線アクセスネットワークのレベルで各RABに割り当てられるリソースの割り当てを決めることができる。発明に係る優先レベルの値は、RABからの要求を満たすために必要なリソースが使用できないかまたは、アクセスネットワークにおける負荷レベルを持ちこたえるという点で不十分であるときに、プリエンプション手続きによって使用される。それゆえ、要求したRABがアクセスネットワークレベルでリソースを優先的に占有するための権利を有しているかどうか、そしてこの場合、どのRABがプリエンプトされるリソースを有しているかを決定する目的で、プリエンプション手続きは、各RABに関連付けられた、本発明に係るこれらの優先レベルの値を使用するために設けられる。
【0069】
本発明に係る重要な特徴の一つに、アクセスネットワークレベルで無線リソースを割り当てるための様々なRABに関連付けられた様々な優先レベルは、コアネットワーク、特に、コアネットワークのSGSNおよび/またはMSCサービスノードからRNCに送信されるRABパラメータに基づいて事業者が構成できなければならない。様々なRABパラメータは、実際のところ、コアネットワークからアクセスネットワークへ送られてくるサービスの質のパラメータを用いてマッピングすることにより得られる。
【0070】
従って、RABパラメータには、以下のパラメータがある。すなわち、
− (1)“Traffic Class”
− (2)“Traffic Handling Priority”
− (3)“Alocation Retention Priority”
である。
上記(1)および(2)のRABパラメータはそれぞれ、コアネットワークから送信され、サービスタイプに関連付けられた、対応するQoSパラメータである“Traffic Class”および“Traffic Handling Priority”、および、加入者の優先レベルに関連付けられたRABパラメータを用いて直接マッピングすることにより得られる。
【0071】
上記(3)は、コアネットワークのQoSパラメータである“Alocation Retention Priority”から導き出される以下の4つのサブパラメータから構成される。すなわち、
− “Priority Level”
− “Pre-emption Capability”
− “Pre−emption Vulnerability”
− “Queuing Allowed”
である。
【0072】
つまり本発明は、コアネットワークからアクセスネットワークに向けたサービスの質のパラメータの新たなマッピングを前もって実行し、その結果として、ARPパラメータに統合される4つのRABサブパラメータを決定する際に、コアネットワークのARPパラメータの値だけでなく、サービスタイプに関連付けられたQoSパラメータの値をも考慮する。
【0073】
より正確には、リソース割り当てを管理するための、発明に係る優先レベルは、RABパラメータである“Alocation Retention Priority”の“Priority Level”パラメータによってRAB毎に決定される。その値は、コアネットワークの“Alocation Retention Priority”パラメータの値と、サービスタイプに関連付けられた少なくともひとつのQoSパラメータの値とを考慮して決定される。サービスタイプに関連付けられたQoSパラメータは、本発明に係る優先レベルを規定するための“Priority Level”サブパラメータに割り当てられる値を決めるために使用され、第1の実施形態においては、4つの値をとりうる“Traffic Class”パラメータを含む。第2の実施形態においては、使用されるQoSパラメータは、サービスタイプに関連付けられ、3つの値をとりうる“Traffic Handling Priority”パラメータをさらに含む。これにより、Interactiveタイプ(つまり、“Traffic Class”パラメータが値“Interactive”をとる)のサービスを優先付けまたは優先レベルにより順位付けすることができる。
【0074】
このように、QoSパラメータ“Traffic Class”およびコアネットワークのQoSパラメータ“Alocation Retention Priority”を使用することにより、様々なRAB間で“Priority Level”パラメータに対して最大で12の値、つまり、12段階の優先レベルを規定することができる。
【0075】
さらに、“Traffic Class”パラメータと、コアネットワークの“Alocation Retention Priority”パラメータと、“Traffic Handling Priority”パラメータを使用することにより、様々なRAB間で“Priority Level”パラメータに対して最大で18の値、つまり、18段階の優先レベルを規定することができる。
【0076】
各RABに関連付けられたサービス/加入者の組合せに対する優先レベルの、“Priority Level”パラメータを使用した第1の規定例を表1に示す。これは、アクセスネットワーク内のリソースの割り当て/保持を管理するために使用される。
【0077】
【表1】

【0078】
“Pre−emption Capability”に割り当てられる値Yは、関連付けられたRABが他のRABのリソースを優先的に占有することができることを示しており、値Nはその逆である。同様に“Pre−emption Vulnerability”に割り当てられる値Yは、関連するRABがリソースを他のRABによってプリエンプトされるかもしれないことを示しており、値Nはその逆である。
【0079】
上述の例から、次に示すように、“Priority Level”パラメータを使用したリソースの割り当て/保持のための様々なRAB間での優先順位の規定が得られる。“Priority Level”パラメータは、一方ではコアネットワークの“Alocation Retention Priority”パラメータの値をRAB毎に考慮して決定され、他方では“Traffic Class”パラメータの値を考慮して決定される。
【0080】
すなわち、
“Priority Level”=1であるRAB > “Priority Level”=2であるRAB > ・・・ > “Priority Level”=11であるRAB > “Priority Level”=12であるRAB、
というように決定される。 よって、本発明に係る優先レベルが5であるRABは、本発明に係る優先レベルが6〜12であるRABに割り当てられているリソースを優先的に占有できる。
【0081】
各RABに関連付けられたサービス/加入者の組合せに対する優先レベルの、“Priority Level”パラメータを使用した第2の規定例を表2に示す。これは、アクセスネットワーク内のリソースの割り当て/保持を管理するために使用される。各RABに対する“Priority Level”パラメータの値は、今回は、コアネットワークの“Alocation Retention Priority”パラメータの値と、“Traffic Class”QoSパラメータの値とに加えて、“Traffic Handling Priority”サービスタイプに関連付けられたQoSパラメータの値を考慮して決められる。この例は、このタイプのサービス(“Conversational”および“Streaming”)に対して、“Pre−emption Vulnerability”サブパラメータに割り当てられている値Nに示すように、リアルタイムサービスが自身のリソースをプリエンプトされないネットワーク構成に関する。
【0082】
【表2】

【0083】
ここでされた優先レベルは、いくつかのRABが同じリソースを獲得するために競合したときにリソースへのアクセスを優先順位づけするために、リソース管理アルゴリズムによって使用される。さらに、上記優先レベルは、割り当てるのに必要なリソースが不十分である、または、使用できない場合、どのRABのリソースをどのRABが優先的に占有するかを決めるために、プリエンプション手続を実行するアルゴリズムによって使用される。
【0084】
特に、プリエンプション手続は、アクセス制御ステップ、つまり、RNCが新たなRAB要求を受信したときに、使用される。新たなRAB要求は、アクセスネットワークでの新たなRABの確立により生じるか、または、アクセスネットワーク内にすでに入っているRABに対するモビリティー(mobilite)手続により生じる。
【0085】
この場合、図3に示すように、システムの負荷レベルが領域2または3、つまり、使用可能なリソースが存在するが新たな要求に対して応答するのに不十分であるときか、または、使用できるリソースがないときに、新たなRABの優先レベルとシステム内でアクティブなRABの優先レベルとによって必要とされるリソースを補うために、リソース管理アルゴリズムによってプリエンプション手続が利用される。
【0086】
さらにプリエンプション手続は、要求を満たすネットワーク内のリソースが使用可能ではないか、または、不十分であるときに、追加のリソースを要求した結果として、ネットワーク内ですでにアクティブなRABのトラフィックの変化に応じたトラフィック制御の呼び出し中に使用されるために設けられる。これには個々の制御オペレーションが含まれる。プリエンプション手続によって、低優先レベルのRABに割り当てられているリソースが減少し、リソースの要求をした高優先レベルのRABにリソースが再割り当てされる。
【0087】
ネットワークの負荷レベルが領域1であって、そのためリソースに制約が無い場合であっても、上記ネットワークはすでにアクティブなRABの様々なスループットに対応できなければならない。その結果として、利用者に割り当てられているリソースが必要に応じて動的に調整されることとなる。よって、2またはそれ以上の利用者が同時に追加リソースの要求をした場合は、リソース管理アルゴリズムが各RABに関連付けられた優先レベルに基づいてリソース割り当てを優先順位付けするため、高優先レベルのRABが優先的に使用される。
【0088】
逆に、ネットワーク上にリソースの制約が無く、2またはそれ以上の利用者が最適に割り当てられたリソースを使用しない場合、関連する各RABに関連付けられた優先レベルがトラフィック制御の枠組み内で使用され、割り付けられたリソースが減少する。この場合、まず低優先レベルのRABがリソースを減らされ、次により高い優先度のRABがリソースを減らされ、最後に関連するRABの中で最も高優先レベルのRABがリソースを減らされる。
【0089】
領域2および3において、領域1と同様に、いくつかの利用者がリソースを最適に使用していない場合、関係する各RABに関連付けられた優先レベルはトラフィック制御の枠組みで使用され、割り当てられたリソースは減少する。この場合、割り当てられたリソースを減少させる順番は本発明によって規定される各RABの優先レベルによって規定される。
【0090】
最後に、プリエンプション手続はまた、グローバルなトラフィック制御の枠組み内で、システムの負荷の変化に応じた呼び出し中に実行されうる。特に、ネットワークの負荷レベルが領域3のとき、リソースの使用レベルをより安定した値に戻す必要がある。この場合、トラフィック制御の枠組みで実行されるプリエンプション手続はシステム内の負荷レベルを減少させることを目指す。これを達成するために、プリエンプション手続は、各RABに関連付けられた優先レベルを使用することによって、割り当てられたリソースを減少させることができる、アクティブなRAB間の順序を確立する。最も低い優先レベルのRABは最初にリソースを減らされ、次により高い優先レベルのものがリソースを減らされ、そして、もしネットワークの負荷が許容レベルに戻らなければ、最後に最も高い優先レベルのものがリソースを減らされる。
【0091】
〔用語解説〕
この用語解説では、本特許出願書類で使用される英文字の頭文字語を一覧で示す。
これらの頭文字語は3GPPテレコミュニケーション標準規格の枠組み内で定義されている。
3GPP 第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(Third-Generation Partnership Project(of ETSI))
ETSI 欧州電気通信標準化協会(European Telecommunications Standards Institute)
GSM グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(Global System for Mobile Communication)
UMTS ユニバーサル移動電話システム(Universal Mobile Telephone System)
IP インターネットプロトコル(Internet Protocol)
BTS 無線基地局装置(Base Transceiver Station)
BSC 基地局制御装置(Base Station Controller)
HLR ホームロケーションレジスタ(Home Location Register)
SGSN サービングGPRSサポートノード(Serving GPRS Support Node)
GGSN ゲートウェイGPRSサポートノード(Gateway GPRS Support Node)
UTRAN UMTSターミナル・地上無線接続網(UMTS Terrestrial Radio Access Network)
RNC 無線ネットワーク制御装置(Radio Network Controller)
QoS サービスの質(Quality of Service)
ARP 割り当て/保持優先度(Allocation Retention Priority)
PDP パケットデータプロトコル(Packet Data Protocol)
THP トラフィックハンドリング優先度(Traffic Handling Priority)
IMSI 国際移動加入者識別子(International Mobile Subscriber Identity)
RAB 無線アクセスベアラ(Radio Access Bearer)
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】UTMSネットワークのアーキテクチャを示す図である。
【図2】パケットシステムに対してPDPコンテキストをアクティベーションするための手続きを示す図である。
【図3】UTRANにおけるリソースの様々な使用レベルを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
UTMSタイプのモバイル通信ネットワークにおける無線リソースを管理する無線リソース管理方法であって、
上記無線リソースは、利用者端末(UE)によってUMTSネットワークのコアネットワーク(CN)へ送信される多数のサービス要求をサポートするために、UTMSネットワークの無線アクセスネットワーク(UTRAN)の無線アクセス制御装置(RNC)によって割り当てられるものであり、
上記サービスのそれぞれは、コアネットワークの構成要素(HLR)の内部に記録されているサービスの質のパラメータの組によって指定されるものであり、
上記サービス要求のそれぞれは、対応する無線リソース割り当て要求をコアネットワークが上記無線ネットワーク制御装置(RNC)に送信することにより処理され、
上記無線リソース割り当て要求は、無線アクセスに対するベアラサービス要求を含み、当該ベアラサービス要求は、コアネットワークにおける対応するサービスの質のパラメータをマッピングすることによりその値が規定されるRABパラメータの集合の形式で、要求されたサービスの質を記述するものであり、
上記無線ネットワーク制御装置(RNC)は、様々なサービス要求に対応する様々な無線アクセスベアラサービスの間でアクセスネットワーク(UTRAN)の無線リソースを分配するため、および、上記各ベアラサービスに関連付けられた優先レベルに従って上記ベアラサービスに対するリソース割り当てを調整する目的で上記リソースを優先的に割り当てるプリエンプション手続を行うために備えられるものであって、それにより、上記ベアラサービスの優先レベルに基づいて、上記ベアラサービスに対して要求されたサービスの質を満たすものであり、
上記優先レベルは、RABパラメータである「Alocation Retention Priority」のサブパラメータである「Priority Level」によって各ベアラサービスに対して規定され、
上記優先レベルの値は、一方では、コアネットワークのサービスの質のパラメータである上記「Alocation Retention Priority」の値を考慮することにより決定され、他方では、サービスタイプに関連付けられた、サービスの質のパラメータの少なくとも1つの値を考慮することにより決定されることを特徴とする方法。
【請求項2】
対応するベアラサービスに対して優先レベルを規定するサブパラメータである「Priority Level」に割り当てられる値を決定するために使用され、サービスタイプに関連付けられた、サービスの質のパラメータは、「Traffic Class」パラメータを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
対応するベアラサービスに対して優先レベルを規定するサブパラメータである「Priority Level」に割り当てられる値を決定するために使用される、サービスタイプに関連付けられたサービスの質のパラメータは、互いに関連するInteractiveタイプのサービスを優先順位付けすることができる「Traffic Handling Priority」パラメータをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
無線アクセスに対する新たなベアラサービス要求の少なくとも1つを無線ネットワーク制御装置(RNC)が受信したときに、使用可能な無線リソースが無い場合、または、無線アクセスに対する新たなベアラサービス要求に関連付けられたサービスの質を満たすために必要な無線リソースが不十分である場合に、アクセスネットワークレベル(UTRAN)でリソースを優先的に割り当てるプリエンプション手続きが実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
上記ネットワーク内ですでにアクティブなベアラサービスの少なくとも1つによって引き起こされる、アクセスネットワーク上のトラフィックの変化に応答するために、リソースを追加する要求の少なくとも1つを無線ネットワーク制御装置(RNC)が受信したときに、使用可能な無線リソースが無い場合、または、無線アクセスに対する新たなベアラサービス要求に関連付けられたサービスの質を満たすために必要な無線リソースが不十分である場合に、アクセスネットワークレベル(UTRAN)でリソースを優先的に割り当てるプリエンプション手続きが実行されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
上記ネットワーク内ですでにアクティブなベアラサービスのうちの少なくとも2つがそれぞれリソースを追加する要求を行っており、かつ、上記要求を満たすために必要なリソースが使用可能である場合に、リソースを割り当てるための優先順位付けステップを実行することにより、上記各ベアラサービスに関連付けられた優先レベルに基づいて、いずれのベアラサービスに優先的に追加リソースを割り当てるかを決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
上記ネットワーク内ですでにアクティブなベアラサービスのうちの少なくとも2つが最適な様式で割り当てられたリソースを活用していない場合に、上記ベアラサービス間において優先順位付けステップを実行することにより、上記各ベアラサービスに関連付けられた優先レベルにより規定される順序で、上記ベアラサービスに割り当てられているリソースを減少させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−520131(P2007−520131A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550235(P2006−550235)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000130
【国際公開番号】WO2005/084061
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【Fターム(参考)】