説明

UV照射保護組成物

本発明は、1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤、少なくとも1つの揮発性添加物、および少なくとも1つのUV照射散乱剤を含み、それによって、30より大きいSPFを提供する、実質的に水性の組成物を提供する。本発明はさらに、皮膚および/または髪への局所塗布のための液体化粧用組成物を提供する。また本発明はさらに、被験体の紅斑を予防する方法を提供し、この方法は実質的に水性の組成物をこの被験体の皮膚または髪に局所的に塗布する工程を含み、この組成物は、少なくとも1つの化粧品に効果的な有利な因子がカプセル化された層状粒子、実質的に水性の連続相、および1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物を含み、ここでこの組成物は高SPFの日焼け止め剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
太陽放射線への曝露は健康面の有害な結果を有し得、その有害な結果は時々曝露後数年まで現れない、ということが現在一般的に認識されている。もちろん、過度の曝露よりすぐに現れる「日焼け」はそれ自体が深刻な急性の健康問題であり得る。
【0002】
多くの製品は、太陽光線への曝露の間に皮膚が受ける太陽紫外線の量を減らすことが可能である。代表的な製品調合物は、ローション、クリーム、軟膏またはゲルであり、これらの調合物は紫外線透過に対する化学的バリアーおよび/または物理的バリアーを含む。これらは、紫外線の物理的影響および生化学的影響に対して皮膚を保護する能力においてかなり多様である。
【0003】
初期の日焼け止め調合物は、限られた日光曝露期間の日焼けに対して保護するために設計され、一方で皮膚の日焼けを許すのに十分な照射が透過されていた。しかしながら、現在の焦点は可能な限り多くの紫外線曝露を排除することであり、皮膚の日焼けは、審美性によりいくらかは好まれるとはいえ、太陽放射線への過度の曝露からくる組織の損傷の明らかな症状である、ということが認識されている。任意の量の保護されていない曝露は、潜在的に免疫システムの抑制を引き起こし得、ならびに皮膚癌および他の皮膚障害のような将来的な健康問題を導き得る、ということが現在発見されている。
【0004】
SPF(日焼け止め指数)評価システムは、任意の所定の屋外活動のために適切な日焼け止めを選択する際の消費者のガイダンスを提供するために展開されている。一般的に、SPFナンバーは、適切に塗布された日焼け止めが皮膚が明らかに赤くなることを予防する時間を保護されていない皮膚が赤くなることを引き起こす曝露時間で割った倍数におおよそ対応する。したがって、SPF8の日焼け止め調合剤が適切に塗布される場合、人は可視効果のない日光中に、通常の保護されていない場合の継続時間の8倍とどまることが可能であるべきである。もちろん、皮膚に対して可視効果を生ずる保護されていない曝露の継続時間は、皮膚細胞の違いにより個々人により変化する。現在人気があるのは高SPF「日焼け止め(sunblocker)」製品であり、30以上のSPF値を有する。
【0005】
市販の日焼け止め調合剤のほとんどは、活発な屋外活動に従事する人による使用にはあまり適切でない。なぜなら体からの発汗が塗布された調合物と相互作用する傾向があるからである。例えば、発汗または他の供給源からの水分(雨を含む)は、調合物の日焼け止めの活性成分および他のひりひりさせる構成要素が目の中に入ることを引き起こし得、ならびに不快感を引き起こし得る。特に、備品上に確実にグリップを必要とするテニスまたはゴルフのような活動において、塗布後につるつるして残り、あるいは発汗もしくは他の水分と混じる場合につるつるになる、塗布された日焼け止め調合剤を有することはまた、しばしば有害である。
【0006】
ウォータープルーフである太陽ケア調合物を有することは有利である。ウォータープルーフ調合物は、使用者が水泳のような活動に従事することを可能にし、一方で紫外線に対してなお保護される。疎水性物質が代表的にウォータープルーフ剤として供給され、この疎水性物質はエマルジョンに膜形成特性およびウォータープルーフ特性を与える。しかし、改善されたウォータープルーフ性能を示し、および調合物の使用者の皮膚上での調合物の移動を減少させる物理的特質を有する製品、ならびに限定的なグリップのすべる性能特質を提供する製品の必要性がまだある。
【0007】
水/汗が皮膚または髪上に存在する中で、UV照射の損傷の影響からの保護を与える日焼け止め活性剤の応用は、まだ満たされていない難しい領域である。代表的に、日焼け止め剤は、水中で容易に拡散しない油性の有機化学物質または無機疎水性酸化物からなる。このような組成物の湿った皮膚または汗をかいた皮膚への塗布は、洗い流されて、むらのある範囲を生じ、日焼け止め活性剤の十分な効果を減少させる。水溶性の日焼け止め調合物がこの必要性に向けて開発されている。しかし、水溶性のUV活性剤を含む日焼け止め調合物は代表的に追加のウォータープルーフ剤を必要とし、そのいくらかは水中に容易に拡散されない。さらに、他の不活性成分の日焼け止め調合物への追加はまた、日焼け止めの塗布の肌触りおよび日焼け止めの塗布の容易さに負の影響を与え得る。したがって、さらなる調合物への努力は、現在所望されているさらに高い日焼け止め指数を示す消費者に優しい処方物を提供するのに必要である。
【0008】
リポソーム技術が、有機性日焼け止め活性化合物を水性の調合物へ送達する手段として、ますます研究されている。例えば、Lauらの特許文献1は、有機可溶性物質を含むリポソームの形成方法を記載する。このLauの特許は、有機可溶性殺虫剤DEETのみを用いた技術を例示しているが、この技術は他の有機可溶性化合物(例えば、日焼け止め活性のあるUV吸収化合物)に同等に適応可能である、とこの特許は主張する。しかしながら、以下に記載のように、このLauの特許の方法は、高SPFの日焼け止め調合物の製造は可能でない。Jonesらの特許文献2は、日焼け止め剤を皮膚または髪に送達するのに有用と言われているリポソーム含有化粧用組成物を記載する。このJonesの特許は、皮膚および/または髪上の標的の場所に結合するための追加の手段(例えば、タンパク質、多糖、および糖タンパク質を結合させる工程)を含むリポソームの形成を記載する。Finelらの特許文献3は、抗フケ剤および日焼け止め剤を髪に送達するのに有用と言われているカチオン性のリポソーム分散物を記載する。最後に、Lutherらの特許文献4は、化合物が生体分子層中で自己組織化することを可能にさせる構造的要素を組み込むUV吸収特性を有する化合物を記載する。
【0009】
しかしながら、消費者が好む方法において、皮膚がすでにぬれているまたは湿っている場合に適宜に一工程で、皮膚上で長続きする高SPF太陽光保護化学物質を提供し、ならびに後に水分に接触した場合に洗い流されることに対し高い抵抗性がある、改善された日焼け止め調合物への必要性が残っている。さらに、UV照射からの保護が必要な場合に、より容易に表面(皮膚表面および皮膚以外の表面の両方)に塗布可能であるUV吸収物質の水性調合物への必要性がある。
【0010】
本明細書中で記載されるように、日焼け止め活性剤の層状カプセル化は、水との有機性日焼け止め混合物(前もって調合可能)の定量分析希釈物(quantifiable analytical dilution)を提供し、ならびに敏感な成分(例えば、抗酸化剤)のより容易な調合を提供し、皮膚および粘膜に対する有害影響を最小限にする。層状カプセル化の使用はまた、化粧用添加物(例えば、香料および知覚物(sensate))の長く続く放出を提供する。さらに、本明細書中で記載される層状組成物の使用は、所望でない油性の肌触りを生じ得る乳化剤の必要性を除き、製品の粘性を改善し、スプレー可能な高SPF製品の製造を可能にする。最後に、層状カプセル化は低粘性で、高SPF日焼け止め調合物の製造を提供する。
【特許文献1】米国特許第5,173,303号明細書
【特許文献2】米国特許第5,510,120号明細書
【特許文献3】米国特許第5,605,740号明細書
【特許文献4】米国特許第6,015,575号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の趣旨)
従って、上記に注記された利益は本発明の組成物および方法により提供される。
【0012】
このように、本発明は実質的に水性の組成物を提供し、この組成物は1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤、少なくとも1つの揮発性添加物、および少なくとも1つのUV照射散乱剤を含み、これによりこの組成物は30より大きいSPFを提供する。
【0013】
本発明はさらに、被験体に局所投与するための実質的に水性の組成物を提供し、この組成物は1つ以上のリポソームカプセル化日焼け止め活性化合物、1つ以上のUV照射散乱剤、および1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物を含む。
【0014】
本発明はさらに、高SPF日焼け止め組成物を提供し、この組成物は、1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物および1つ以上のUV照射散乱剤を含む水性分散物中に、1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性化合物を含む。
【0015】
本発明はまた、実質的にウォータープルーフで、高SPFの日焼け止め組成物を提供し、この組成物は、1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物、1つ以上のUV照射散乱剤および1つ以上の皮膚係留成分を含む水性分散物中に、1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性化合物を含み、ここでこの組成物は、乾燥皮膚上での静的SPFよりも大きいSPFを湿潤皮膚上で提供する。
【0016】
本発明はさらに、皮膚および/または髪への局所塗布のための液体化粧用組成物を提供し、この組成物は、少なくとも1つの化粧品に効果的な有利な因子(benefit agent)がカプセル化された層状粒子、実質的に水性の連続相、1つ以上のUV照射散乱剤および1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物を含み、ここでこの化粧用組成物は高SPF日焼け止め剤を提供する。
【0017】
本発明はさらに、被験体の紅斑を予防する方法を提供し、この方法は実質的に水性の組成物をこの被験体の皮膚または髪に局所的に塗布する工程を含み、この組成物は、少なくとも1つの化粧品に効果的な有利な因子がカプセル化された層状粒子、実質的に水性の連続相、および1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物を含み、ここでこの組成物は高SPFの日焼け止め剤を含む。
【0018】
本発明はまた、物体の光老化を予防する方法を提供し、この方法は物体の表面に実質的に水性の組成物を塗布する工程を含み、この組成物は実質的に水性の連続相中のUV吸収剤がカプセル化された粒子、1つ以上の揮発性添加物および1つ以上のUV照射散乱剤を含む。
【0019】
本発明はさらに、皮膚の光老化を予防する方法を提供し、この方法は後にUV照射に曝露される皮膚に本発明の組成物を塗布する工程を含む。
【0020】
本発明はさらに、生理学的に受容可能な溶解可能なマトリックスを含むキットを提供し、このマトリックスは1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤および1つ以上のUV照射散乱剤を含み、このキットは、さらに本発明の組成物を形成するために水と少なくとも1つの揮発性添加物との組み合わせ中にこのマトリックスを溶解させるための指示書を備える。
【0021】
本発明はまた、多数のゾーンを含むキットを提供し、このゾーンのうちの1つは混合物を含み、この混合物は1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤および1つ以上のUV照射散乱剤を含み、そして他のゾーンは少なくとも1つの揮発性添加物を含み、これによりこのゾーンは互いに物理的に分離されている。
【0022】
本発明はさらに、不織疎水性材料を備えるキットを提供し、この材料は1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤および1つ以上のUV照射散乱剤を含み、このキットはさらに本発明の組成物を形成するために、水と少なくとも1つ以上の揮発性添加物との組み合わせ中にこの材料を接触させるための指示書を備える。
【0023】
本発明はさらに、不織親水性材料を備えるキットを提供し、この材料は1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤および1つ以上のUV照射散乱剤を含み、このキットはさらに本発明の組成物を形成するために、水と少なくとも1つ以上の揮発性添加物との組み合わせ中にこの材料を接触させるための指示書を備える。
【0024】
本発明のこれらの利点および他の利点は、以下の記載より当業者に明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(発明の詳細な説明)
明細書中に他の方法で定義されないならば、本明細書中で化学物質に与えられた名前は一般的に、受容されている化学名か、J.A.Wenningerら.,Eds.,CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary, Eighth Ed.,The Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association,Washington,D.C.,2000に列挙されるCTFA採用名のような、通商組織または取締機関に認可された名前かのどちらかである。
【0026】
本明細書中で使用される場合、用語「重量%」は、調合物の全重量に対する成分の重量の割合を意味する。
【0027】
(A.有利な因子のカプセル化)
本発明の組成物は、高粘性の調合物に限定されない高SPFの水性調合物を提供することにおいて特有である。本明細書中で使用される場合、用語「高SPF」は、少なくとも30と定められるSPFに言及し、より具体的には35まで、40まで、45まで、または50まで、またはそれより高く定められるSPFに言及する。本明細書中で開示される調合物は、先行技術の高SPFの水性調合物の技術では不可能な低粘性で生成され得、この先行技術は、有用な溶液を形成するために、代表的に大容量の日焼け止め活性剤および比較的大量の乳化剤を組み合わせる。これらの余分な因子の存在は最終的に、濃く、油性の肌触りの調合物である最終組成物を生じ、これは消費者にとって好ましくない。水性調合物は、その使用においてより融通がきき、特に日焼け止め組成物をスプレーやふんわりしたクリーム中に納めることを可能にする。本発明の組成物は、有機可溶性日焼け止め活性剤および化粧用添加物(明細書中で、選択的にまたは個別に「有利な因子」または「負荷物(burden)」として言及される)を、マイクロ粒子構造またはナノ粒子構造中に、特に層状ベースの構造(例えば、リポソーム)中に、カプセル化することにより上記の結果を達成し、この組成物は次に水性媒体中、主として水中に分散される。
【0028】
本発明の実施に好ましい粒子は、層状ベースの構造、特にリポソームが用いられ、そして上記有利な因子はこの粒子中に取り囲まれ得るか、吸着され得るか、または吸収され得る。
【0029】
活性な成分のカプセル化のための層状構造の作製方法は、当該分野で周知である(例えば、米国特許第5,173,303号、同第5,510,120号、同第5,605,740号、同第6,015,575号およびこれらに引用される文献を参照のこと。)。リポソームは、この目的のために公知な界面活性物質より調製され得る(例としては、JH Fendler,「Membrane Mimetic Chemistry」(Wiley−Interscience,New York,1982)およびJN Weinstein and JD Leserman,Pharmac,Ther.,1984 24 207−233より得られるものである)。これらの物質において、最も一般的に使用されているのは、天然供給源より得られるリン脂質(例えば、卵または大豆からのレシチン)およびL−α−ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)のような合成アナログである。好ましい実施形態において、大豆レシチンがリン脂質として使用される。ホスファチジルセリンのような荷電したリン脂質は、コロイド安定性を改善するためにリポソーム中にしばしば組み込まれる。
【0030】
リポソームの調製のための技術はまた、G.Gregoriadis,「Liposome Technology−−Vol 1」,(CRC Press,1984)およびPR Cullisら,「Liposomes−−from Biophysics to Therapeutics」,Chapter 5,(Ed.MJ Ostro,Marcel Dekker,New York,1987)に記載される。このような技術としては、リン脂質分散物の音波処理(超音波バス中で)および逆相エバポレーション、または圧力下での非常に細い管(例えば、ポリカーボネート膜より提供されるもの)を通っての「押し出し」が挙げられる。
【0031】
リポソームを生成する1つの方法は、米国特許第5,173,303号に記載されており、この特許は大豆レシチンベースのリポソームを生成する4工程のプロセスを記載する。このプロセスは:脱イオン水にピリチオン(pyrithione)のナトリウム塩を溶解し、周囲温度で撹拌させる工程;このサンプルがゆっくりポリトロン化(polytrone)される間に、ヒドロキシル化レシチンに溶解したナトリウムピリチオンをゆっくり加える工程;ポリトロン化の間に、負荷物をナトリウムピリジンチオン(pyridinethione)レシチン溶液に加え、混合する工程;さらに脱イオン水を加える工程;および最終的にピリジンチオン−レシチン−負荷物懸濁液をマイクロフルイダイザー(microfluidizer)を通して加工処理する(process)工程、を含む。
【0032】
リポソームカプセル化日焼け止め剤の使用は、濃縮された前処方物中で、高いレベルの負荷用量(例えば、たった7〜12.5%の大豆レシチンで、45〜60重量%まで)を可能にする。この前処方物は次に、代表的に低シヤーミキサーを用いて、水で希釈されて、生じる所望の最終処方物を与える。この希釈相は本明細書中に記載される他の化粧用活性剤(例えば、防腐剤、香料、冷凍保護剤(cryoprotectant)および膜形成剤)を含み得る。UV活性剤の1つの関係としての最終調合物は、リンNMRを用いて定量的に決定されるように、約1.1〜1.5の二分子層を有する別個の層状に包囲された負荷物を代表的に含む(Frohlich,M.;Brecht,V.;Peschka−Suss,R.Parameters influencing the determination of liposome lamellarity by 31P−NMR.Chemistry and Physics of Lipids,2001,109,103−112)。当業者によって認識されるように、最終調合物中に組み込まれる追加の油性/有機可溶性物質は、層状前処方濃縮物が形成される間に加えられ、一方で水溶性物質は、希釈のために用いられる水性連続相に加えられる。このような追加の物質の例は、以下に詳細に記載される。
【0033】
ある好ましい実施形態において、本発明の組成物は、リポソームを形成するための食品等級のレシチンを含み、このリポソームは天然の表面係留手段、具体的には皮膚および髪へ係留する能力を含む。他の実施形態において、本発明の組成物はさらに、追加の係留手段を含み得、この手段は組成物の表面結合特性、具体的には皮膚または髪への結合を増大させる。このような係留手段は米国特許第5,510,120号に記載される。より一般的には、皮膚への親和性、ならびに層状構造への親和性を有するがこの層状構造を壊さないまたは劣化させない任意の分子は、係留剤(anchoring agent)として有用である。皮膚との静電相互作用または疎水性相互作用のような相互作用を提供する、このような分子は有用である。他の実施形態において、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)などのキレート剤が使用され得る。さらなる実施形態において、係留手段は選択された標的の表面に対して特異的である。例えば、皮膚または髪に塗布される局所的な調合物の使用が可能であり得る係留剤は、皮膚および髪上の位置において他の標的位置での有機性表面と結合をもたらさないことを考慮する。結合のための手段は、標的位置に存在する微生物に特に結合する分子(例えば、この標的で表面との強い親和性を有する分子、例えば、特に結合性タンパク質、多糖、糖タンパク質、リン脂質、糖脂質(glycolipid)、リポタンパク質またはリポ多糖)であり得る。さらなる例としては、麦芽凝集体(WGA)およびコンカナバリンA(ConA)のような粒子の外表面に結合するレクチンを用いることが挙げられる。
【0034】
好ましい実施形態において、係留化メカニズムは、ピリチオンの多価金属塩を含み、これらはまた1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン;2−ピリジンチオール−1−オキシド;2−ピリジンチオン;2−メルカプトピリジン−N−オキシド;ピリジンチオン;およびピリジンチオン−N−オキシドとして公知である(米国特許第6,849,584号に記載される)。好ましいピリジンチオン塩としては、重金属(例えば、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウムおよびジルコニウムで、好ましくは亜鉛)から形成されたものが挙げられ、より好ましくは1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩が挙げられ、この亜鉛塩はまた本明細書中で「ピリジンチオン亜鉛」「ZPT」または「オミジン(omidine)亜鉛」と言及される。ナトリウムのような他のカチオンから形成される塩もまた適切であり得る。ピリジンチオン塩の製造および使用は代表的に、抗フケ剤および抗菌剤または抗微生物剤としての化粧用製品と組み合わせられる(米国特許第2,809,971号;同第3,236,733号;同第3,753,196号;同第3,761,418号;同第4,345,080号;同第4,323,683号;同第4,379,753号;および同第4,470,982号に記載される。)。本発明の実施において、任意の皮膚係留剤が約0.1%(wt/wt)までの量、好ましくは約0.01〜約0.075%(wt/wt)の範囲の量、最も好ましくは約0.025〜約0.05%(wt/wt)の範囲の量で存在し得る。
【0035】
(B.組成物の構成要素)
本発明の最終調合生成物は層状構造を構成し、この構造は一般的に、油溶性の有機性日焼け止め化合物を、実質的に水性の連続相中に含む。調合物が含み得る種々の構成要素の以下の説明は、主として水溶性の構成要素と主として油溶性の構成要素との両方を含む、ということが当業者により認識される。上記主として油溶性の構成要素は、最終調合物では上記層状構造内に含まれ、そして上記主として水溶性の追加の構成要素は、水性の連続相中に含まれる、ということが認識される。
【0036】
本発明の目的のために、「日焼け止め活性剤」または「日焼け止め活性」は、単一でまたは組み合わせとして、UV照射を吸収する能力に基づく活性日焼け止め成分としての使用が受容可能であるとみなされる、すべての物質を包含する。このような化合物は、一般的にUV−A活性剤、UV−B活性剤またはUV−A/UV−B活性剤として記載される。ヒトの使用が意図される調合物中に活性剤を含有するには、取締機関の認可が一般的に必要とされる。米国での日焼け止めとしての使用が認可されたか、現在認可されているこれらの活性剤としては、有機物質および無機物質が挙げられ、以下に限定されないが、パラアミノ安息香酸、アボベンゾン(avobenzone)、シノキセート、ジオキシベンゾン、ホモサラート、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン(octocrylene)、オクチルメトキシシンナメート、オクチルサリチレート、オキシベンゾン、パディメート(padimate)O、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、スルイソベンゾン、トロラミンサリチレート、二酸化チタン、酸化亜鉛、ジエタノールアミンメトキシシンナメート、ジガロイトリオレート(digalloy trioleate)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルアミノベンゾエート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、赤色ペトロラタムが挙げられる。米国ではまだ認可されていないが、米国外では調合物として売られている、追加の日焼け止め活性剤の例としては、エチルヘキシルトリアゾン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ベンジリデンマロネートポリシロキサン、テレフタリリデン(terephthalylidene)ジカンファースルホン酸、ジナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエート、ビスベンゾオキサゾイルフェニルエチルヘキシルイミノトリアジン、ドロメトリゾール(drometrizole)トリシロキサン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールおよびビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、4−メチルベンジリデンカンファーおよびイソペンチル4−メトキシシンナメートが挙げられる。
【0037】
しかし、認可された日焼け止め剤のリストは近年拡大しているので、当業者は、本発明が現在ヒトの使用に認可されている日焼け止め活性剤に限定されず、将来認可され得る日焼け止め活性剤にも容易に適用できる、ということを認識する。本明細書中に記載される組成物は、すべて有機溶解性分子を用いての使用に設計されており、この有機溶解性分子は水性組成物中への適応より利益が得られる。さらに、組成物はミクロ化可能な、水性分散可能な無機物、例えばチタン化合物および亜鉛化合物、具体的にはTiOおよびZnO、を含み得る。
【0038】
特定の実施形態において、日焼け止め活性剤としては、ホモサラート(商品名Uniderm Homsal(Universal Preserv−A−Chem)およびNeo Heliopan HMS(Symrise)として入手可能である);ベンゾフェノン−3(商品名Escalol 567(International Specialty Products)、Uvinul M−40(BASF)およびUvasorb MET/C (3V Inc.)として入手可能である);オクチサレート(octisalate)(商品名Neo Heliopan OS (Symrise)およびEscalol 587(International Specialty Products)として入手可能である);オクタクリレン(octacrylene)(商品名Uvinul N−539−T(BASF)およびNeo Heliopan 303(Symrise)として入手可能である);オクチノキシエート(octinoxate)(商品名Parsol MCX(DSM Nutritional Products,Inc.)およびUvinul MC 80(BASF)として入手可能である);アボベンゾン(商品名Parsol 1789(DSM Nutritional Products)およびUvinul BMBM(BASF)として入手可能である);エチルヘキシルトリアゾン(商品名Uvinul T 150(BASF)として入手可能である);ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(商品名Tinosorb S(Ciba Specialty Chemicals,Inc.)として入手可能である);メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(商品名Tinosorb M(Ciba Specialty Chemicals,Inc.)として入手可能である);およびテレフタリリデンジカンファースルホン酸(品名Mexoryl SX(L’Oreal)として販売されている)が挙げられる。本発明のある実施形態は、1つ以上の日焼け止め活性剤の混合物を含み得、この混合物は、上記に記載の日焼け止め活性剤の混合物を含む。
【0039】
調合物において、2つ以上の日焼け止め成分を組み合わせて使用することは、典型的であり、単独の活性構成要素を用いる場合であり得るのに対し、より高いレベルの紫外線吸収性を達成し、または紫外線波長のより幅広い範囲において有用な吸収性を提供する。いくつかの他の日焼け止め活性成分が他国で使用することが受容されており、また本発明の範囲内であると考えられる。
【0040】
本発明の組成物はまた、UV照射散乱および分散のような機構によって、最終溶液のSPFが増加する物質を含み得る。このような物質は、本明細書中で「UV照射散乱剤」として言及され、ならびにUV吸収活性またはUV非吸収活性を示す物質を含む。このようなUV照射散乱剤の例としては、ポリマー性物質(例えば、SunSpheresTM(Rohm and Haas;Philadelphia,PA)として公知な製品)が挙げられ、これは乳化重合により製造される中空のスチレン/アクリレートコポリマースフェアとして、製造者により記載される。このポリマー球は、表面(例えばヒトの皮膚)上に存在する日焼け止めの膜の至る所で投射されたUV照射を分散および/または散乱することにより、UVA領域およびUVB領域におけるSPF値を上げる、と言われる。このスフェアは、日焼け止め調合物中のUV−吸収日焼け止め活性剤への照射の方向を変えることにより、UV照射の皮膚への透過を少なくさせ、ここで、この照射は日焼け止め活性分子と反応し、そのエネルギーは熱として分散される、と理解される。本明細書中で使用される場合、用語「スフェア」および「散乱剤」は、化学化粧品または化学形状に限定されるのではなく、任意の因子を含む。この因子は、投射されるUV照射の経路を長くする効果を生じ、この照射が日焼け止め活性分子(すなわち、UV吸収活性剤)と接触する統計的見込みを増加させる。これらの物質はまた、UV吸収物質を含み得、この物質はまた、ZnO(例として、BASFより入手可能な製品Z−CoteTMが挙げられる)、TiO(例として、Uniqema(New Castle,DE,USA)より入手可能な製品SolaveilTMが挙げられる)、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(Ciba Specialty Chemicals,Inc.(Basel,Switzerland)より入手可能な「TinasorbTM M」)のような化合物、のように散乱特性を示す。UV照射散乱剤は、代表的に、調合物中に約10重量%までの量で、好ましくは約0.5重量%〜約7.0重量%の範囲で、具体的には3重量%〜約5重量%の好ましい範囲で、存在する。
【0041】
本明細書中で使用される場合、用語「揮発性添加物」は、調合物中の構成要素に言及し、この構成要素は保護される表面上に活性成分の膜を形成するのを促進し、ならびに塗布後その表面からすばやく蒸発する。このような揮発性有機溶媒としては、以下に限定されないが、C−C直鎖アルコールまたはC−C分枝鎖アルコール(例えば、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソプロパノール)、揮発性シリコーン化合物(例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラデカメチルシクロヘキサシロキサン)および揮発性アルデヒド、が挙げられる。これらのそれぞれの追加の例は、当業者に公知である。
【0042】
本発明の組成物は、実質的に水性であるため、上記揮発性添加物は組成物の50%を越えない量で存在する。上記揮発性添加物は代表的に、組成物の約20重量%までの量で、好ましくは約10重量%までの量で、そして最も好ましくは約1重量%〜約5重量%までの量で、存在する。本発明の組成物がヒトの皮膚に塗布される日焼け止め剤を含む場合、上記揮発性添加物は、理想的には化粧用組成物としての使用が認可されたものであるべきである。本発明に従うヒト用の日焼け止め組成物のための好ましい実施形態において、上記揮発性添加物はエタノールである。
【0043】
本明細書中で使用される場合、「日焼け後」調合物は、使用者が任意の時間、日光の下にいた後に塗布され得る調合物であって、その使用者が心地よい鎮静効果または癒し効果を提供する調合物として定義される。このような調合物としては、例えばバルバドスアロエ、ビタミンA、CおよびE、緑茶抽出物などが挙げられ得る。
【0044】
本発明の組成物はさらに、いわゆる日がいらない日焼け(sunless−tanning)組成物または自己日焼け(self−tannning)組成物、つまりヒトの皮膚に塗布された場合に、自然光または人工日光に皮膚を曝露して達成されるのと類似の外見を与えるような組成物を含み得る。日のいらない日焼け活性剤の例は、米国特許第6,482,397号、同第6,261,541号、および同第6,231,837号に記載されている。このような日がいらない日焼け組成物は、人工的な日焼けに有効量の自己日焼け剤に加えて、ヒトの皮膚への局所的な塗布に適合される、有効量の組成物着色剤および化粧品に受容可能なキャリアーを代表的に含む。
【0045】
本発明の組成物はさらに、自己日焼け剤を含み、この自己日焼け剤は一般的にヒトの皮膚への塗布が当該分野で受容されており、そして、塗布された場合、そこで着色された生成物を形成するためにアミノ酸と反応する。この反応は、皮膚に茶色の外見を与え、その外見は皮膚が十分に日焼けする時間中に日光に曝露することにより得られる色と類似である。適切な自己日焼け剤としては、以下に限定されないが、α−ヒドロキシアルデヒドおよびケトン、グリセルアルデヒドおよび関連のアルコールアルデヒド、種々のインドール、イミダゾールおよびそれらの誘導体、ならびに種々の認可された着色剤が挙げられる。自己日焼け剤として本明細書中で現在好ましいのは、α−ヒドロキシアルデヒドおよびケトンである。最も好ましくは、上記自己日焼け剤はジヒドロキシアセトン(「DHA」)である。他の適切な自己日焼け剤としては、以下に限定されないが、メチルグリオキサール、グリセロールアルデヒド、エリトルロース、アロキサン、2,3−ジヒドロキシスクシンジアルデヒド、2,3−ジメトキシスクシンジアルデヒド、2−アミノ−3−ヒドロキシスクシンジアルデヒドおよび2−ベンジルアミノ−3−ヒドロキシスクシンジアルデヒドが挙げられる。
【0046】
本発明の組成物はさらに、皮膚保護活性剤を含み得る。適切な例を(好ましい重量%の範囲と共に)挙げると、アラントイン(0.5〜2%);水酸化アルミニウムゲル(0.15〜5%);カラミン(1〜25%);ココアバター(50%より多い);タラ肝臓油(5〜14%);コロイド状オートミール;ジメチコン(1〜30%);グリセリン(20〜45%);硬質脂肪(hard fat)(50%より多い);カオリン(4〜20%);ラノリン(12.5〜50%);鉱油(50%より多い);ワセリン(30%より多い);炭酸水素ナトリウム;局所(topical)デンプン(10〜98%);白色鉱油(30%より多い);酢酸亜鉛(0.1〜2%);炭酸亜鉛(0.2〜2%);および酸化亜鉛(1〜25%)が挙げられる。
【0047】
本発明の組成物はさらに、昆虫駆除成分が含まれ得る。パーソナルケアのための最も幅広く使用される活性剤は、N,N−ジエチル−m−トルアミドであり、しばしば「DEET」と呼ばれ、少なくとも約95%DEETを含有する濃縮物の形状で入手可能である。他の合成化学駆除剤としては、ジメチルフタレート、エチルヘキサンジオール、インダロン(indalone)、ジ−n−プロピルイソシンコロネート(cinchoronate)、ビシクロヘプテン、ジカルボキシイミドおよびテトラヒドロフルアルデヒドが挙げられる。ある植物誘導物質もまた、昆虫駆除活性を有し、シトロネラソウ油およびシトロネラソウの他の供給源(レモングラス油を含む)、レモネン、ローズマリー油およびユーカリ油が挙げられる。日焼け止めエマルジョン中への組み込みのための昆虫駆除剤の選択は、しばしば駆除剤の香りによって影響される。使用される駆除剤の量は、薬剤の選択に依存する;DEETは高い濃度(例えば、約15%までかそれより多く)で有用であり、一方で植物誘導物質のいくつかは代表的により少ない量(例えば0.1%かそれより少なく)で使用される。
【0048】
本発明の組成物は幅広い範囲の追加の任意の構成要素を含み得、この構成要素は本明細書中で「化粧用構成要素」と言及されるが、薬学的に活性な薬剤として一般的に公知の構成要素も含み得る。The CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Seventh Edition, 1997 and the Eighth Edition,2000(この全体を本明細書中で参考として援用する)は、皮膚ケア組成物において一般に使用される非常にさまざまな化粧品成分および薬学的成分を記載しており、これらの成分は本発明の組成物における使用に適切である。この文献中に開示されるこれらの機能上のクラスの例としては、吸収剤、研磨剤、抗ケーク化剤(anticaking agent)、消泡剤、抗酸化剤、バインダー、生物学的添加物、緩衝剤(buffering agent)、充填剤、キレート剤、化学添加物、着色料、化粧用収斂剤、化粧用殺虫剤、変性剤、薬物収斂剤、外用鎮痛剤、膜形成剤、香料成分、湿潤剤、乳白剤(opacifying agent)、pH調整剤、可塑剤、防腐剤、推進剤、還元剤、皮膚漂白剤(skin bleaching agent)、皮膚調製剤(skin conditioning agent)(皮膚軟化剤、湿潤剤、雑多なものおよび閉塞的なもの)、皮膚保護剤、溶媒、気泡増強剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、懸濁剤(suspending agent)(非界面活性剤)、日焼け止め剤、紫外線吸収剤、SPF増強剤(booster)、ウォータープルーフ剤および粘性増強剤(viscosity increasing agent)(水性および非水性)が挙げられる。
【0049】
本発明の実施において、脱イオン化または逆浸透のようなプロセスによって精製された水の使用が一般的に好ましく、これにより水の供給中に固体の溶解により引き起こされ得るバッチからバッチへの(batch−to−batch)調合での不一致を改善する。エマルジョンまたは組成物中の水の量は、約15重量%〜95重量%の範囲、好ましくは約45〜75重量%の範囲、最も好ましくは約60重量%〜約75重量%の範囲であり得る。
【0050】
皮膚軟化剤は、皮膚をなめらかにし、やわらかくするように働く油質の物質または油性の物質であり、ならびに皮膚の粗さ、ひびわれ、または刺激も減少し得る。代表的な適切な皮膚軟化剤としては、50〜500センチポアズ(cps)の範囲の粘性を有する鉱油、ラノリン油、ココナッツ油、ココアバター、オリーブ油、アーモンド油、マカダミアナッツ油、アロエ抽出物(例えば、バルバドスアロエリポキノン(lipoquinone))、合成ホホバ油、天然ソノラホホバ油、ベニバナ油、コーン油、液状ラノリン、綿実油およびピーナッツ油が挙げられる。好ましくは、上記皮膚軟化剤は、商品名Myritol 331でHenkel KGaAより販売されている、ココア油のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドの混合物であるココグリセリド(cocoglyceride)、または商品名Cetiol OEでHenkel KGaAより入手可能なジカプリリルエーテル、または商品名Finsolv TNでFinetexより販売されているC12−C15アルキルベンゾエートである。1つ以上の皮膚軟化剤が約1重量%〜約10重量%の範囲の量、好ましくは、約5重量%の量で存在し得る。他の適切な皮膚軟化剤は、Dow Corning Corpより入手可能なシリコーン液であるDC200 Fluid350である。
【0051】
他の適切な皮膚軟化剤としては、スクアレン、ヒマシ油、ポリブテン、スイートアーモンド油、アボカド油、カロフィラム(calophyllum)油、リシン油、ビタミンEアセテート、オリーブ油、シリコーン油(例えば、ジメチロポリシロキサンおよびシクロメチコン)、リノレンアルコール、オレイルアルコール、シリアル胚の油(例えば小麦胚の油)、イソプロピルパルミテート、オクチルパルミテート、イソプロピルミリステート、ヘキサデシルステアレート、ブチルステアレート、デシルオレエート、アセチルグリセリド、C12−C15アルコールのオクタン酸エステルおよび安息香酸エステル、アルコールおよびポリアルコール(例えばグリコールおよびグリセリル)のオクタン酸エステルおよびデカン酸エステル、リシノール酸エステル(例えば、アジピン酸イソプロピルエステル)、ヘキシルラウレートおよびオクチルドデカノエート、ジカプリリルマレアート、硬化野菜油、フェニルトリメチコン、ホホバ油およびバルバドスアロエ抽出物が挙げられる。
【0052】
周囲温度で固体または半固体である他の適切な皮膚軟化剤が使用され得る。そのような固体または半固体の化粧用皮膚軟化剤としては、グリセリルジラウレート、硬化ラノリン、ヒドロキシル化ラノリン、アセチル化ラノリン、ワセリン、イソプロピルラノレート、ブチルミリステート、セチルミリステート、ミリスチルミリステート、ミリスチルラクテート、セチルアルコール、イソステアリルアルコールおよびイソセチルラノレートが挙げられる。1つ以上の皮膚軟化剤が必要に応じて調合物中に含まれ得る。
【0053】
湿潤剤は、その吸湿特性によって、水分保持を促進する潤い作用のある薬剤(moistening agent)である。適切な湿潤剤としては、グリセリン、ポリマー性グリコール(例えばポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール)、マンニトールおよびソルビトールが挙げられる。好ましくは、上記湿潤剤はSorbitol,70% USPまたはポリエチレングリコール400,NFである。1つ以上の湿潤剤が必要に応じて、調合物中に約1重量%〜約10重量%、好ましくは約5重量%の量で含まれ得る。
【0054】
ドライ感触修正剤(dry−feel modifier)は、エマルジョンに添加された場合、上記エマルジョンが乾燥する際に「ドライな感触」を与える薬剤である。ドライ感触修正剤としては、タルク、カオリン、チョーク、酸化亜鉛、シリコーン液、無機塩(例えば、硫酸バリウム、表面処理されたシリカ(surface treated silica)、沈殿されたシリカ(precipitated silica)、ヒュームドシリカ(例えば、Degussa Inc. New York,N.Y. U.S.Aより入手可能なAerosil)が挙げられる。他のドライ感触修正剤は、米国特許第6,488,916号に開示される型のエピクロロヒドリン架橋グリセリルデンプンである。
【0055】
追加の濃化剤(thickening agents)(例えばthe B. F. Goodrich Co.より入手可能な種々のCarbopol)を組み込むことは有利であり得る。特に好ましいのは、最終生成物の調合物中の層状構造を壊さない薬剤、例えば非イオン性濃化剤である。追加の濃化剤の選択は、当業者の技術の範囲内に十分ある。
【0056】
抗微生物防腐剤(antimicrobial preservative)は、日焼け止め組成物中の微生物を破壊する、または増殖を予防するもしくは抑制し、そして酸化からの保護を提供し得る物質または製剤である。防腐剤はしばしば、エマルジョンのような自己殺菌性(self−sterilizing)の水性ベースの製品を作製するのに使用される。これは、製品の製造の間および流通の間に、ならびに消費者による使用の間に、製品中で成長し得る微生物の発達を予防するためになされる。消費者はさらに、通常の使用の間に不注意に製品を汚し得る。代表的な防腐剤としては、パラ−ヒドロキシベンゾエートの低級アルキルエステル(パラベン)、特にメチルパラベン、プロピルパラベン、イソブチルパラベンおよびそれらの混合物、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールおよび安息香酸、ジアゾリジニル、尿素、クロルフェネシン、ヨードプロピニルカーバメートおよびブチルカーバメートが挙げられる。好ましい防腐剤は、Suttonより商品名Germaben IIとして入手可能である。1つ以上の抗微生物防腐剤は、必要に応じて約0.001〜約10重量%、好ましくは約0.05〜約1重量%の範囲の量で含まれ得る。
【0057】
「抗酸化剤」は、空気中の酸素の作用(酸化)による日焼け止め剤の劣化を防止するまたは遅らせるために、日焼け止め剤に添加される天然物質または合成物質である。これらはまた、皮膚組織中での酸化反応を減少させ得る。抗酸化剤は、酸敗の発生および非酵素性褐色化(nonenyzymatic browning)反応生成物に導き得る、酸化的劣化を予防する。代表的な適切な抗酸化剤としては、没食子酸プロピルエステル、没食子酸オクチルエステルおよび没食子酸ドデシルエステル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA、通常オルト異性体およびメタ異性体の混合物として購入される)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、緑茶抽出物、尿酸、システイン、ピルビレート、ノルジヒドログアイアレト酸(nordihydroguaiaretic acid)、ビタミンA、ビタミンEおよびビタミンCおよびこれらの誘導体、が挙げられる。1つ以上の抗酸化剤が必要に応じて、日焼け止め組成物中に、約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.01〜約0.5重量%の範囲の量で含まれ得る。
【0058】
「キレート剤」は、金属イオンと、例えばヘテロ環構造とをキレートさせるまたは結合させるのに使用される物質であり、それにより上記イオンは化学結合によりそれぞれ関与する環に保持される。適切なキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTAジナトリウム、カルシウムジナトリウムエデト酸塩、EDTAトリナトリウム、アルブミン、トランスフェリン、デスフェロキサミン、デスフェラル(desferal)、デスフェロキサミンメシレート、EDTAテトラナトリウムおよびEDTAジカルシウム、またはこれらのうちのいずれかの組み合わせ、が挙げられる。
【0059】
「芳香剤」は、日焼け止め組成物に魅力的なここちよい芳香を与え得る芳香族物質である。代表的な芳香剤は、植物供給源(すなわち、バラのはなびら、クチナシの花、ジャスミンの花など)から抽出された芳香性物質を含み、これらは、精油を生成するために単独または任意の組合せで用いられ得る。あるいは、アルコール抽出物が芳香剤を混合するために調製され得る。しかし、天然物質から芳香剤を得る比較的高いコストに起因して、現代の傾向は、特に大容量製品において、合成により調製された芳香剤を用いることである。1つ以上の芳香剤が、必要に応じて、約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.01〜約0.5重量%の範囲の量で日焼け止め組成物中に含まれ得る。
【0060】
「pH改変剤」は、処方物のpHを、より酸性のpH値またはより塩基性のpH値に調節する化合物である。適切なpH改変剤の選択は、十分に当業者の通常の技能内にある。
【0061】
(C.処方物および梱包)
本発明の1つの実施形態では、リポソームが、皮膚のような表面への直接塗布のために水性分散物中に取り込まれ得る。本発明の特定の実施形態におけるリポソームの使用は、高SPF組成物のための新規かつ特有の処方オプションを提供する。皮膚に対するリポソームの親和性は、皮膚表面に沿う側方および経皮的な日焼け止め活性物の移動を最小にする。本発明のこの局面は、活性の損失なくして、上記組成物の乾燥皮膚への塗布後の皮膚のすすぎ、または予め湿った皮膚表面上への塗布さえ可能にする。さらに、本明細書中に示されるように、本発明の組成物は、水または湿気への曝露に際し、上記組成物のSPF活性を増加することを示す。
【0062】
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、ヒト皮膚への塗布のための種々の製品に処方され得、日焼け止め(sunscreenまたはsunblock)を提供する。層状カプセル化の使用は、高SPF製品の水性処方物を提供し、スプレーされるか、拭き取られるか、または水性の連続相が蒸発し皮膚の表面上にリポソームを残す塗布したままのタイプの処方物で塗布され得る処方物を可能にする。このような製品は、皮膚または毛髪コンディショナー製品のような、エアロゾルおよび非エアロゾルスプレー処方物およびローションまたはクリームを含む。好ましい実施形態では、本発明の日焼け止め組成物は、バルブが開かれるとき連続スプレーとして上記組成物を放出するバルブを含む加圧缶内に含まれる。
【0063】
層状カプセル化成分は、ポリマーマトリックスのような、生理学的に受容可能な溶解可能なマトリックス中に含められ得、これは、水および揮発性添加物中の分散に際して層状カプセル化成分を送達する。1つのこのような実施形態では、これらリポソームカプセル化成分は、粉末、乾燥フィルムとして存在し得るか、または織物のように織られた、または不織基質内に含められ得る。このような実施形態では、層状カプセル化成分および水および揮発性添加物成分は、貯蔵のために分離されたゾーンまたは区画に固体および液体成分を維持するキット中に含まれ得、そして次に、塗布の前に混合および再処方のために提供される。好ましい実施形態では、このキットは、破壊可能の障壁によって分離された個々のウェルまたは区画中に別個の成分を含むパケットを含み、この障壁は破壊され得、単一のゾーンまたは区画を形成し、単一の区画における再処方のために上記成分を組み合わせる。別個の好ましい実施形態では、本発明の組成物、特に、層状カプセル化日焼け止め活性成分はまた、不織疎水性または親水性材料に塗布され得、これは、水および揮発性添加物混合物での湿潤に際して上記材料を放出する。これら疎水性または親水性材料は、皮膚のような別の表面への後の塗布のために本発明の組成物を貯蔵するために用いられ得る。この実施形態では、層状カプセル化成分は、スプレー乾燥または凍結乾燥によるように乾燥され得、そしてそれからそれが水で容易に再懸濁される不織基質に塗布される。この基質材料からの上記層状カプセル化成分の放出は、この基質を、層状表面上の荷電に反発性である荷電を担うように設計することにより容易または促進され得る。この荷電は、製品塗布の間に皮膚表面へのリポソームの有効な送達のための必要性に適合するよう弱くまたは強く反発し得る。
【0064】
本発明の物品は、個々に、または主要物品によっては提供されない別個の利益、例えば、審美的、治療的、機能的、またはその他を提供するために適切なさらなる物品とともに梱包され得、それによってパーソナルケアキットを形成する。このパーソナルケアキットのさらなる物品は、好ましくは、少なくとも1つの層を含む水不溶性基質、および発泡界面活性剤を含む洗浄成分、またはこのさらなる物品の基質のその層上に配置されるか、またはその中に含漬される治療利益成分のいずれかを備える。
【0065】
本発明のさらなる物品はまた、治療または審美的利益に加え、またはその代わりに、機能的利益を供し得る。例えば、このさらなる物品は、シャワーまたは入浴経験の終わりに際し、皮膚または髪から水の除去を支援するための使用に適切な乾燥実施として有用であり得る。
【0066】
本発明の物品はまた、1つ以上のチャンバーまたはゾーンまたは区画を備え得る。このようなゾーンまたはチャンバーまたは区画は、囲われた領域を規定する種々の座での基質層の互いへの連結(例えば結合)から得られる。これらのゾーンまたは区画またはチャンバーは、例えば、種々の物品成分を互いから、例えば、調整剤(conditioning agent)から界面活性剤含有洗浄成分を分離するために有用である。治療または審美的または洗浄利益を提供する分離された物品成分は、チャンバーから種々の方法で放出され得、制限されないで、上記チャンバーの可溶化、乳化、機械的転移、穿孔、突き刺し(popping)、破裂、圧搾、または上記チャクバーの一部分を構成する基質層を剥がすことさえ含む。
【0067】
(D.方法)
本発明の組成物は、UV照射への低減された曝露から利益を得る材料の表面に塗布され得る組成物の作製を提供する。当業者は、本発明の組成物が、それらの広スペクトルのUV照射を効率的に吸収する能力、およびそれらが処方され得る容易さのために、ヒトまたはその他の動物に塗布されるとき多くの予防および処置の方法で有用であり、そして日光およびUV照射に曝露され、この曝露の結果を受ける任意の目的物への塗布のために有用であることを容易に認識する。例えば、上記組成物は、本明細書では、目的物に接触するUV照射によって引き起こされるこの目的物への損傷として規定される、目的物への「光老化」を防ぐ方法で用いられ得る。このような光老化の例は、退色、褐色化、裂け目などを含む。本発明の処方物は、UV照射に起因して表面分解を経験する日光に通常曝露される表面に塗布されるべき組成物中に取り込まれ得る。このような組成物は、制限されないで、水−および油−ベースの塗料、着色剤、色素、ゲル、ポリマーを基礎にしたシートおよび被覆、織物、および金属を含む。別個の好ましい実施形態では、本発明の被覆は、上記材料の製造プロセスの一部として表面に塗布され得るか、または高いUVインデックスが警告される日のような必要に応じて消費者によって塗布される「アフターマーケット」成分として提供され得る。
【0068】
さらに、ヒトおよびまたは動物の皮膚に塗布されるように処方されるとき、本発明の組成物は、皮膚の光老化を防ぐ方法、および紅斑を防ぐ方法において用いられ得る。
【0069】
本発明は、以下の実施例によりさらに説明され、これら実施例は、いかなる様式においても、添付された請求項によって規定されるような本発明を制限することは意図されない。
【実施例】
【0070】
(E.実施例)
実施例1〜5は、本発明によるリポソーム技術を用いて、水分散物中の、非常に高い負荷の単一日焼け止め活性成分または日焼け止め活性物の混合物の取り込みを示す。以下の手順は、実施例1〜5で提示されるリポソームカプセル化日焼け止め活性濃縮物を作製するために用いられた。
【0071】
油相混合物が、最初、日焼け止め活性化合物を500mlビーカー中に秤量することにより確立された。各日焼け止めは、100gの濃縮物の所望の総重量を基に、最終濃縮物において所望の日焼け止め活性物重量%を達成するための量で添加された。それ故、例えば、実施例1について、21.82gのホモサラート、9.1gのオクチサラート、6.36gのオキシベンゾンおよび3.64gのオクトクリレンが、上記ビーカーに添加された。この混合物に、2.5gのポリソルベート80、および0.05gのピリチオン亜鉛を添加した。この混合物を次いで80℃に、30分間またはこの溶液が透明であるまで加熱された。オーバーヘッド撹拌が連続的に行われた。この混合物から熱を除去し、そして60℃(+/−2℃)まで冷却させた。冷却されたとき、7.0gの大豆レシチンを、ベンジルアルコールまたはパラベンのような保存剤とともに、現在のFDA規制下の皮膚上に残されるべき処方物について適切な量で添加した。それ故、実施例1では、0.4gのメチルパラベンおよび0.2gのプロピルパラベンがこの時点で添加され、そして実施例2では、1gのベンジルアルコールが添加された。以下に注記されるように、最終の日焼け止め処方物の作製において、さらなる保存システムがまた用いられたが、リポソーム濃縮物の処方物の一部分としては添加されなかった。アボベンゾンが上記処方物中の日焼け止め活性物として含められたとき、それは秤量され、そしてこの時点で冷却された混合物に添加された。この混合物は、次いで、オーバーヘッド撹拌器を用いて15分間撹拌された。
【0072】
別個のビーカーで、水相が、油相と合わせられるとき最終濃縮物について100gの総重量を形成するように、所定量の脱イオン水を60℃(+/−2℃)まで加熱することにより確立された。次いで、油相をこの水相中に、オーバーヘッド撹拌しながら均一まで混合し、粗リポソーム懸濁物を形成した。この合わせた油相および水相の最終重量は100gで、冷却の間にさらなる脱イオン水で調節され、粗リポソーム懸濁物を形成した。この粗リポソーム懸濁物は、次いで、最終リポソーム濃縮物を形成するために米国特許第5,173,303号に記載される方法に従って処理された。
【0073】
(実施例1)
以下の処方物を、上記に記載の方法に従って調製し、オキシベンゾン−およびパラベン−含有処方を特徴とする日焼け止め活性物(44.6重量%の濃縮物)の混合物を含むリポソーム濃縮物を形成した。
【0074】
【化1】

(実施例2)
以下の処方物を上記に記載の方法に従って調製し、パラベン−フリーの処方で日焼け止め物(44.6重量%の濃縮物)の混合物を含むリポソーム濃縮物を形成した。
【0075】
【化2】

(実施例3)
以下の処方物を上記に記載の方法に従って調製し、オキシベンゼンを含まない日焼け止め活性物(38.2重量%の濃縮物)を含むリポソーム濃縮物を形成した。
【0076】
【化3】

(実施例4)
以下の処方物を上記に記載の方法に従って調製し、アボベンゾン以外の日焼け止め物を用いて、日焼け止め物(44.6重量%の濃縮物)を含むリポソーム濃縮物を形成した。
【0077】
【化4】

(実施例5)
以下の処方物を上記に記載の方法に従って調製し、パラベン含有処方中の単一の日焼け止め活性化合物(濃縮物の45重量%でオクトクリレン)を含むリポソーム濃縮物を形成した。
【0078】
【化5】

(実施例6−SPF試験)
インビボSPFの測定は、標準的に塗布された厚みのエンドユーザー適用をシミュレーションすることを意図する。米国食品医薬品局(FDA)は、「静的」(乾燥皮膚)SPF値(21 C.F.R.§352.73)および耐水性または高耐水性値(21 C.F.R.§352.76)を試験するためのプロトコールを設定している。本明細書中に記載されるすべてのSPF試験は、米国F.D.A.が認可した試験プロトコールに従って実施された。類似の試験プロトコールは、European Cosmetic Toiletry and Perfumery Association(「COLIPA」)のような、種々の外国のおよび地域の認証組織により採用されている。これらの方法によれば、生物学的終点(紅斑)が、UV吸収剤およびブロッカーの効果を測定するために用いられる。インビボ方法論においてFDAおよびCOLIPAの両方で塗布するための日焼け止めの推奨された量は、2mg/cm、または2μL/cmであり、なぜなら、大部分の日焼け止めは、ほとんど単一の比重を有しているからである。塗布の面積は、各被験体について測定され、そして次に対応する量の日焼け止めが、ピペット(容量)または損失による秤量を用いて測定される。インビボSPF試験は、各事例について少なくとも3の被験体に対して実施されたが、ヒト皮膚に対する日焼け止め組成物の性能を確立するために必要と見なされる数の回数までのみ繰り返された。
【0079】
上記の実施例1〜3に記載されたリポソーム濃縮物を含む日焼け止め処方物は、公知の方法に従って調製された。処方物中の日焼け止めの量は、リポソーム濃縮物中に存在する日焼け止め活性物のタイプ(単数または複数)に基づき決定された。これらリポソーム濃縮物は、先行技術乳化システムにおける45のSPFを生じることが期待され得る最終組成物中の日焼け止め活性物のレベルを提供するために水で希釈された。低せん断オーバーヘッド混合器が、リポソームを、最終処方物において、揮発性添加物および散乱剤と均一に分散するために用いられた。
【0080】
実施例中で用いられたSunsphereは、微粉化粉末またはナノ分散物のいずれかで製造業者(Rohm&Haas)によって供給される。低せん断力オーバー混合器(G.K.Heller Corp.Series S Motor Controllerを備えたG.K.Heller Corp.Heavy−Duty Laboratory Stirrer Type M0399015)を用いる製造業者から供給されるようなナノ分散物が用いられる。粉末は、上記リポソーム濃縮物の添加前に高せん断混合器での水中分散を必要とし、70%電力に設定されたGilfordホモゲナイザー(Gifford−Ward Eppenbach Homo−Mixer w/Staco Variable Transformer Model 3PN1010B)を用いて約15分間、次いで、リポソーム濃縮物と揮発性添加物の低せん断力混合が続いた。
【0081】
特定の日焼け止め処方物は、さらなる成分である低温保護添加物としてのプロピレングリコールおよびさらなる保存剤としてのクロルフェネシンを含み、これら両方は、SPFに寄与しないと理解されている。試験された処方物のすべての粘度は、水のままで薄く(<500cps)、これは、本発明の鍵となる特徴であり、かつ利点である。上記の実施例1および2のリポソーム濃縮物から作製された最終の日焼け止め処方物は、それらの処方物中に同じ量およびタイプの日焼け止め活性物を含んだ。これら最終日焼け止め処方物中の日焼け止めの量もまた、先行技術の乳化処方物COPPERTONE(登録商標)SPF45中に存在する日焼け止め活性物の量およびタイプと同一であった。この先行技術の製品はコントロールとして用いられ、そして同じヒト被験体に対するこれらのインビボ試験で実験リポソーム処方物と平行して試験され、そしてこれら試験で45のSPFを有すると算出された。実施例3のリポソーム濃縮物と形成された日焼け止め組成物には、用いられた日焼け止め活性物のタイプおよび量は、当業者の知識に基づき、インビボSPF45を送達するように算出された。試験された最終の日焼け止め処方物は以下の通りである:
【0082】
【表1−1】

【0083】
【表1−2】

【0084】
【表1−3】

(評価)
表2は、3つの異なる組成物についての静的SPF結果を示し、各々の組成物は、実施例1〜3のリポソーム濃縮物をそれぞれ、水で、このリポソーム濃縮物が最終日焼け止め組成物の54.945%w/w含まれるように希釈することによって調製された。
【0085】
【表2】

このデータは、ヒト試験から得られた静的SPF値が、予期されたSPF45に顕著に達しないことを示す。日焼け止め組成物のSPF値は、日焼け止め活性物を備える組成物に散乱剤を含めることにより増加され得る。
【0086】
表3は、脱イオン水で希釈され、そしてさらにSunspheresTMSPF増強剤を含む実施例2および3のリポソーム濃縮物から調製された日焼け止め処方物の静的SPF試験の結果を示す。これら組成物は、上記リポソーム濃縮物が最終処方物の54.945重量%を含み、そしてSunspheresTMが、製造業者によって推奨された最も高い量である最終処方物の5重量%を含むように処方された。
【0087】
【表3】

表3に示されるように、実施例2および3のリポソーム濃縮物から形成された日焼け止め処方物への散乱剤の添加は、予期されたように、両方の処方物のSPFを増加した。しかし、SPFの値は、SPF45の予期された値より有意により低いままであった。従って、さらなるインビトロ実験が、例えば、プランタレンのような不揮発性添加物の添加により、効き目に対するリポソームカプセル化日焼け止めのフィルム形成性質を調査するために実施された。これら実験は、リポソームカプセル化日焼け止めのみを含む日焼け止め処方物、またはリポソームおよび散乱剤を含む日焼け止め処方物についてSPFに対してほとんどまたはまったく影響を示さなかった。
【0088】
しかし、このリポソーム系に散乱剤と組み合わせて揮発性添加物の添加が、SPFにおいて予期せぬ促進を生成したことを驚くべきことに発見した。以下の表4および5は、リポソームおよびスフェアを含む組成物中のSD−40アルコール(エタノール)の添加から静的SPF値に対する予期せぬ促進を示す実験の結果を示す。異なる添加物の存在下の各処方についてのSPF結果が、比較目的のために提供される。
【0089】
【表4】

【0090】
【表5】

これらのデータは、(1)揮発性添加物の添加それ自体は、SPFに促進を提供しなかった;(2)散乱剤の添加はそれ自体でSPFを促進したが、処方物中の日焼け止めの量について算出される予期されたSPF値に回復しなかった;および(3)散乱剤プラス揮発性添加物を一緒に添加するとSPFにおける最も高い促進を提供した。
【0091】
実施例2のリポソーム濃縮物を基礎にした日焼け止め処方物は、次いで、高耐水性SPFを決定するための米国FDAプロトコールに従って試験された。以下の表6は、これら試験の結果を示す。上記からの静的SPFを、高耐水性SPFに対する比較のために以下に繰り返す。
【0092】
【表6】

これらの結果は、散乱剤または散乱剤プラス揮発性添加物のいずれかとの組合せでリポソームを含む処方が、リポソームカプセル化日焼け止めのみを含む日焼け止め処方物に対して水に曝された後、顕著により高SPF結果を生じることを示す。それ故、本発明の別の驚くべき利益は、SPFの値が、水への曝露後、水に曝露されなかった皮膚に対する静的測定に対して増加することである。この結果もまた、予期されなかった。
【0093】
(実施例7−指浸漬試験)
以下は、本発明の好ましい実施形態によって提供される利点を示し、ここで、上記リポソーム組成物は、皮膚係留剤を含む。上記の実施例では、ピリチオン亜鉛としてもまた知られる、オミジン亜鉛が係留剤として用いられる。米国特許第5,173,303号は、水相にピリチオンナトリウムを含む皮膚への塗布のためのリポソームを基礎にした組成物を記載している。本発明の実験では、ピリチオン亜鉛が油相中に取り込まれ、そしてSPF耐水性試験(高耐水性(VWR))において、80分間水に曝した後の高SPFを維持するその能力について試験された。代表的な日焼け止め処方物では、VWR試験でSPFを維持することは、上記処方物中に防水性ポリマーを取り込むことにより達成され、これは、皮膚に粘着性の不快な感じを残す傾向がある。本発明の実施形態の処方物におけるリポソームの存在は、最終処方物の皮膚係留の特定の尺度を、防水性ポリマーが必要でないように提供する。しかし、油相中のピリチオン亜鉛の添加が、本発明のこの特徴を増大することが発見された。さらに、リポソーム処方物中にピリチオン亜鉛のようなさらなる皮膚係留剤を含めることは、既に湿った皮膚に日焼け止め組成物を塗布し、そして皮膚上に残る日焼け止めを有し得るさらなる利益を提供する。
【0094】
本発明のこれらの利益の特徴を評価するために、実験プロトコールが設計され、乾燥および湿潤皮膚上の堆積を定量化した。ピリチオン亜鉛あり、またはなしのリポソーム系が試験された。以下のプロトコールが、乾燥または湿潤した指を適切な懸濁物中に浸漬されるとき、皮膚上でピリチオン亜鉛あり、またはなしでリポソーム保持を評価するために開発された。
【0095】
日焼け止め処方物の20mlのサンプルを、30mlのプラスチックカップ中の置いた。各指の浸漬を、このカップの底の中心点にある指の先端部で終わることを確認された。選択された指は、イソプロピルアルコール(IPA)で予備洗浄し、皮膚油を正規化し、そして次に10分間風乾した。湿潤および乾燥皮膚処方塗布は、乾燥皮膚試験では省略された、湿潤皮膚試験のために指が予備湿潤ステップに供されたことを除いて同一であった。
【0096】
予備湿潤には、指先端部試験領域(「浸漬領域」)は、30mlのプラスチックカップ中の20mlの水道水中に10秒間浸した。浸漬領域のみが湿るようになった。この浸漬領域を、次いで、20mlの日焼け止め処方物中に10秒間挿入した。過剰の処方物は、指先端部を、ペーパータオルに3回別個の領域に叩くように当てることにより除去された。飽和された指は、次いで、内側に20mlの水を含むプラスチックカップ内側で、カップとの接触によりこの処方物のいずれも取り除かれないようにこの手順の間にエッジに触れないことを確実にしながら、30回旋回された。浸漬領域は、次いで、100mLのIPA中に挿入され、そしてすべての日焼け止めが指からIPA中に除去されるまで混合された。指は、次いで、水中に挿入され、過剰のIPAを洗った。リポソーム/IPA溶液の3mlのサンプルを、次いで7mlのIPAに添加し、器具要求(Perkin Elmer Lambda 40 UV/VIS Spectrometer)を満足するように適切な吸光度まで希釈した。このリポソーム/IPA溶液は、次いで、日焼け止め活性物の量を示す290nm〜400nmの吸光度について走査することにより、アッセイされた。
【0097】
現在のプロトコールの状況下では、Beer−Lambertの法則が従われ、これは、吸光度と吸収性化学種の濃度との間の直線状関係を表す:
A=εbc
ここで、Aは吸光度、εはモル吸光度(L/mol・cm)、bはサンプルの経路長さ、すなわち、サンプルが含まれるキュベットの経路長さ(cm);およびcは溶液中の化合物の濃度(mol/L)である。それ故、経路長さおよび化学的組成物を一定に保持し、吸光度における増加は、溶液中に存在する吸収性種の増加した濃度に起因する。1つの波長310nmで観察し、皮膚上に残る吸収性種の量が、上記溶液中に浸漬した後定量化された。表7は、1つの被験体に対する、散乱剤および揮発性添加物およびピリチオン亜鉛とともに実施例2のリポソーム濃縮物から処方された日焼け止めを用いる試験の結果を示す。コントロール処方物は、試験処方物と同じであったが、ピリチオン亜鉛は欠いていた。
【0098】
【表7】

表7に示されるように、ピリチオン亜鉛を含む本発明のリポソーム処方物は、ピリチオン亜鉛なしのリポソーム処方物より大きな皮膚親和性を示す。これは、予め湿潤化された皮膚または乾燥皮膚上の堆積について当てはまる。皮膚に対してリポソーム単独が有する自然の親和性は、湿潤または乾燥皮膚への塗布後すすがれる量の減少によって示されるように、油相中の皮膚係留剤の存在によって高められることが示される。63%の促進が、乾燥皮膚に塗布されたリポソーム含有日焼け止め活性物の保持について、そして予め湿潤化された皮膚への塗布に対して186%の促進が観察された。
【0099】
本発明の特定の現在好ましい実施形態が本明細書中に記載されているけれども、本発明が関係する当業者にとって、これら記載される実施形態の変更物および改変物が、本発明の思想および範囲から逸脱することなくなされ得ることは明らかである。従って、本発明は、添付の請求項および法律の適用可能な規則により要求される程度までのみ制限されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤、少なくとも1つの揮発性添加物、および少なくとも1つのUV照射散乱剤を含み、それによって、30より大きいSPFを提供する、実質的に水性の組成物。
【請求項2】
前記層状カプセル化日焼け止め活性剤が、リポソームカプセル化日焼け止め活性剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記リポソームが、食品等級の大豆レシチンから形成される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記揮発性添加物が、C−C直鎖または分枝鎖アルコール、揮発性シリコーンアルコール、C−C揮発性アルデヒドまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記C−C直鎖または分枝鎖アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、およびイソプロパノールからなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記揮発性添加物が、エタノールである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記揮発性添加物が、10重量%より少ない量で前記組成物中に存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記揮発性添加物が、約1重量%と約5重量%との間の量で前記組成物中に存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記UV照射散乱剤が、ポリマースフェア、ZnO、TiO、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリマースフェアが、スチレン/アクリレートコポリマーを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記日焼け止め活性剤化合物が、パラアミノ安息香酸、アボベンゾン、シノキセート、ジオキシベンゾン、ホモサラート、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、オクチルサリチレート、オキシベンゾン、パディメートO、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、スルイソベンゾン、トロラミンサリチレート、二酸化チタン、酸化亜鉛、ジエタノールアミンメトキシシンナメート、ジガロイトリオレート、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルアミノベンゾエート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、赤色ペトロラタム、4−メチルベンジリデンカンファー、およびイソペンチル4−メトキシシンナメート、エチルヘキシルトリアゾン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ベンジリデンマロネートポリシロキサン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ジナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエート、ビスベンゾオキサゾイルフェニルエチルヘキシルイミノトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
1つ以上のリポソームカプセル化日焼け止め活性化合物、1つ以上のUV照射散乱剤、および1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物を含む、被験体への局所投与のための実質的に水性の組成物。
【請求項13】
前記揮発性添加物が、C−C直鎖または分枝鎖アルコール、揮発性シリコーンアルコール、C−C揮発性アルデヒドまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記揮発性添加物が、エタノールである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記揮発性有機ビヒクルが、10重量%より少ない量で前記組成物中に存在する、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記日焼け止め活性剤化合物が、パラアミノ安息香酸、アボベンゾン、シノキセート、ジオキシベンゾン、ホモサラート、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、オクチルサリチレート、オキシベンゾン、パディメートO、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、スルイソベンゾン、トロラミンサリチレート、二酸化チタン、酸化亜鉛、ジエタノールアミンメトキシシンナメート、ジガロイトリオレート、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルアミノベンゾエート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、赤色ペトロラタム、4−メチルベンジリデンカンファー、およびイソペンチル4−メトキシシンナメート、エチルヘキシルトリアゾン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ベンジリデンマロネートポリシロキサン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ジナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエート、ビスベンゾオキサゾイルフェニルエチルヘキシルイミノトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
さらなる化粧品成分をさらに含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項18】
前記化粧品成分が、自己日焼け剤、昆虫駆除成分、皮膚保護活性剤、吸収剤、研磨剤、抗ケーク化剤、消泡剤、抗酸化剤、バインダー、生物学的添加物、緩衝剤、充填剤、キレート剤、化学添加物、着色剤、化粧用収斂剤、化粧用殺虫剤、変性剤、薬物収斂剤、外用鎮痛剤、膜形成剤、香料成分、湿潤剤、乳白剤、pH調整剤、可塑剤、防腐剤、推進剤、還元剤、皮膚漂白剤、皮膚調製剤、皮膚保護剤、溶媒、気泡増強剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、非界面活性懸濁剤、ウォータープルーフ剤および粘性増強剤の1つ以上を含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
ピリジンチオン亜鉛をさらに含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項20】
1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物および1つ以上のUV照射散乱剤を含む水性分散物中に、1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性化合物を含む、高SPF日焼け止め組成物。
【請求項21】
前記層状カプセル化日焼け止め活性剤が、リポソームカプセル化焼け止め活性剤である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記リポソームが、大豆レシチンから形成される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記揮発性添加物が、C−C直鎖または分枝鎖アルコール、揮発性シリコーンアルコール、C−C揮発性アルデヒドまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
前記揮発性添加物が、エタノールである、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記揮発性添加物が、10重量%より少ない量で前記組成物中に存在する、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記揮発性添加物が、約1重量%と約5重量%との間の量で前記組成物中に存在する、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
前記日焼け止め活性剤化合物が、パラアミノ安息香酸、アボベンゾン、シノキセート、ジオキシベンゾン、ホモサラート、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、オクチルメトキシシンナメート、オクチルサリチレート、オキシベンゾン、パディメートO、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、スルイソベンゾン、トロラミンサリチレート、二酸化チタン、酸化亜鉛、ジエタノールアミンメトキシシンナメート、ジガロイトリオレート、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルアミノベンゾエート、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、赤色ペトロラタム、4−メチルベンジリデンカンファー、およびイソペンチル4−メトキシシンナメート、エチルヘキシルトリアゾン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ベンジリデンマロネートポリシロキサン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ジナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエート、ビスベンゾオキサゾイルフェニルエチルヘキシルイミノトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項28】
前記UV照射散乱剤が、UV非吸収性ポリマー材料である、請求項20に記載の組成物。
【請求項29】
前記ポリマー材料が、スチレン/アクリレートコポリマーを含む、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記ポリマー材料が、スフェアを含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
さらなる化粧品成分をさらに含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項32】
前記化粧品成分が、自己日焼け剤、昆虫駆除成分、皮膚保護活性剤、吸収剤、研磨剤、抗ケーク化剤、消泡剤、抗酸化剤、バインダー、生物学的添加物、緩衝剤、充填剤、キレート剤、化学添加物、着色剤、化粧用収斂剤、化粧用殺虫剤、変性剤、薬物収斂剤、外用鎮痛剤、膜形成剤、香料成分、湿潤剤、乳白剤、pH調整剤、可塑剤、防腐剤、推進剤、還元剤、皮膚漂白剤、皮膚調製剤、皮膚保護剤、溶媒、気泡増強剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、非界面活性懸濁剤、ウォータープルーフ剤および粘性増強剤の1つ以上を含む、請求項31に記載の組成物
【請求項33】
1つ以上のさらなる皮膚係留成分をさらに含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項34】
前記1つ以上の皮膚係留成分が、結合性タンパク質、多糖、糖タンパク質、リン脂質、糖脂質、リポタンパク質、リポ多糖、レシチンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記皮膚係留成分が、ピリジンチオン亜鉛を含む、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
実質的に防水性の、高SPF日焼け止め組成物であって、1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物を含む水性懸濁物中の1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性化合物、1つ以上のUV照射散乱剤、および1つ以上の皮膚係留成分を含み、こここで、乾燥皮膚上の静的SPFより大きい湿潤皮膚に対するSPFを提供する、組成物。
【請求項37】
前記1つ以上の皮膚係留成分が、結合性タンパク質、多糖、糖タンパク質、リン脂質、糖脂質、リポタンパク質、リポ多糖、レシチンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項36に記載の組成物。

【請求項38】
前記皮膚係留成分が、ピリジンチオン亜鉛を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
皮膚および/または毛髪への局所塗布のための液体化粧品組成物であって、少なくとも1つの化粧品に効果的な有利な因子をカプセル化する層状粒子、実質的に水性の連続相、1つ以上のUV照射散乱剤、および1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物を含み、高SPF日焼け止めを提供する、組成物。
【請求項40】
被験体において紅斑を防ぐ方法であって、該被験体の皮膚または毛髪に、少なくとも1つの化粧品に効果的な有利な因子をカプセル化する粒子、実質的に水性の連続相、および1つ以上の化粧品に受容可能な揮発性添加物を含む実質的に水性の組成物を局所的に塗布する工程を包含し、ここで、該組成物が高SPF日焼け止めを含む、方法。
【請求項41】
前記組成物が、1つ以上のさらなる皮膚係留成分をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記1つ以上の皮膚係留成分が、結合性タンパク質、多糖、糖タンパク質、リン脂質、糖脂質、リポタンパク質、リポ多糖、レクチンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記皮膚係留成分が、ピリジンチオン亜鉛を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記組成物が、UV照射への曝露前に塗布される、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
目的物の光老化を防ぐ方法であって、該目的物の表面に、実質的に水性の連続相中のUV吸収剤をカプセル化する粒子、1つ以上の揮発性添加物、および1つ以上のUV照射散乱剤を含む、実質的に水性の組成物を塗布する工程を包含する、方法。
【請求項46】
皮膚の光老化を防ぐ方法であって、後にUV照射に曝露される皮膚に、請求項1に記載の組成物を塗布する工程を包含する、方法。
【請求項47】
1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤、および1つ以上のUV照射散乱剤を含む生理学的に受容可能な溶解可能なマトリックスを備え、さらに、請求項1に記載の組成物を形成するように、水および少なくとも1つの揮発性添加物と組み合わせて該マトリックスを溶解するための指示書を備える、キット。
【請求項48】
前記日焼け止め活性剤、およびUV照射散乱剤が、粉末および乾燥フィルムからなる群から選択される形態で存在する、請求項47に記載のキット。
【請求項49】
前記マトリックスが、織られた、または不織織物基質である、請求項47に記載のキット。
【請求項50】
複数のゾーンを備え、該ゾーンの1つが1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤および1つ以上のUV照射散乱剤を含む混合物を含み、そして該ゾーンの別の1つが少なくとも1つの揮発性添加物を含み、それによって該ゾーンが互いから物理的に分離されている、キット。
【請求項51】
破壊可能な障壁によって分離された複数のゾーンを備え、該障壁が連続ゾーンを形成するように破壊され得、連続相に成分を合わせる、請求項50に記載のキット。
【請求項52】
1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤および1つ以上のUV照射散乱剤を含む不織疎水性材料を備え、そして、請求項1に記載の組成物を形成するように、水および少なくとも1つの揮発性添加物と組み合わせて該材料と接触するための指示書を備える、キット。
【請求項53】
1つ以上の層状カプセル化日焼け止め活性剤および1つ以上のUV照射散乱剤を含む不織親水性材料を備え、そして、請求項1に記載の組成物を形成するように、水および少なくとも1つの揮発性添加物と組み合わせて該材料と接触するための指示書を備える、キット。

【公表番号】特表2009−521453(P2009−521453A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547469(P2008−547469)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/048528
【国際公開番号】WO2007/075747
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(398029706)シェーリング−プラウ ヘルスケア プロダクツ,インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】