説明

X線撮影装置、X線撮影方法およびX線画像表示方法

【課題】二つのX線検出器を用いて詳細かつ効率的な観察を可能とすること。
【解決手段】表示制御部81がX線検出器21aによる画像上での術者による矩形領域の指定を受け付け、検出器移動指示部101がその矩形領域の画面座標系における座標をX線検出器21bの物理座標系の座標に変換する。そして、検出器移動指示部101は矩形領域を撮影できるようにX線検出器21bの移動を検出器動作制御部34bに指示し、検出器動作制御部34bがX線検出器21bを移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被写体を透過したX線を検出する第一のX線検出器および第一のX線検出器より視野が小さい第二のX線検出器を備えたX線撮影装置のX線撮影技術に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体を透過したX線をX線検出器で検出して被写体を撮影するX線撮影装置には、二つのX線検出器を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。図9は、二つのX線検出器を備えたX線撮影装置を説明するための説明図である。同図に示すように、このX線撮影装置は、二つのX線検出器すなわちX線検出器21aおよび21bを備える。
【0003】
X線検出器21aは、FPD(Flat Panel Detector:平面検出器)であり、画素サイズは150−200μm、視野は20cm−40cmである。図10は、FPDの構成の一例を示す図である。同図に示すように、FPDは、X線を検出する検出素子21−1、検出素子21−1が検出したX線を電荷に変換する光電膜21−2、光電膜21−2によって変換された電荷を蓄積する電荷蓄積コンデンサ21−3、電荷蓄積コンデンサ21−3に蓄積された電荷をゲードドライバ22の信号に基づいて信号出力線21−5に読み出すTFT21−4が画素ごとにマトリックス上に配置されて構成される。
【0004】
FPDでは、TFT21−4を小さくすることができないため、画素サイズを小さくすることができない。したがって、FPDの画素サイズは50μmが限界である。ただし、画素サイズを50μmとすると、1辺40cmのFPDでは画素数が1600万にもなり、画像メモリや画像処理に過大のハードウェアが必要となる。このため、画素サイズを50μmとすることは現実的ではなく、画素サイズは150−200μmとなる。
【0005】
X線検出器21bは、X線検出器21aと比較して高精細(高解像度)だが視野が狭い検出器であり、画素サイズは20μm程度、視野は20−30mm程度である。図11は、かかる小視野高精細のX線検出器の構成の一例を示す図である。同図に示すように、このX線検出器は、CCD21−6上にシンチレータ21−7としてCsIを乗せ、容器21−8に格納して構成される。ここで、CCD21−6は、単結晶Si素材から作るので、1辺40cmのような大視野を実現することはできない。
【0006】
図9に示したX線撮影装置では、通常、X線検出器21aを使って撮影が行われるが、詳細観察が必要な病変などが発見されると、X線発生部1が発生するX線の視野内にX線検出器21bが挿入され、病変部の高精細撮影が実施される。
【0007】
X線検出器21bの画素サイズは20μm程度と非常に小さいので、X線検出器21bを用いて撮影された画像の拡大率はきるだけ小さくしたほうが良い。ここで、拡大率は、図12に示すように、X線焦点と関心部位との距離をd1とし、X線焦点とX線検出器との距離をd2とすると、d2/d1である。したがって、拡大率を小さくするためには、d2をできるだけ小さくすること、すなわちX線検出器21bをできるだけ被検体に密着させることが必要となる。このため、X線検出器21bは、図9に示すように、X線検出器21aよりX線発生部1に近い位置に置かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6285739号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
二つのX線検出器を備えたX線撮影装置では、X線検出器21aで撮影した画像の観察中に病変が見つかった場合に、術者がX線検出器21bを操作して病変部の撮影をできるだけ簡単に行えることが必要となる。しかしながら、X線検出器21bの視野が正確に病変部に合うようにX線検出器21bを操作することは簡単ではないという問題がある。また、X線検出器21bで撮影した病変部の画像とX線検出器21aで撮影した周辺画像を別々に観察するだけでは、病変部を正確に観察することができない場合もある。
【0010】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、術者が二つのX線検出器を用いて病変部などの詳細な観察を効率良く行うことを可能とするX線撮影装置、X線撮影方法およびX線画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、被写体を透過したX線を検出する第一のX線検出器および該第一のX線検出器より視野が小さい第二のX線検出器を用いてそれぞれ撮影された第一の画像および第二の画像を表示するX線撮影装置であって、前記第一の画像上で第二の画像の撮影領域の指定を受け付ける第二画像撮影領域指定受付手段と、前記第二画像撮影領域受付手段により受け付けられた第二の画像の撮影領域を撮影する位置に第二のX線検出器を移動する第二X線検出器移動手段と、前記第二X線検出器移動手段により移動された第二のX線検出器を用いて撮影された第二の画像を、第二画像撮影領域指定受付手段を介して前記第一の画像上で指定された前記撮影領域にオーバーラップして表示する画像表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、被検体を透過したX線を検出する第一のX線検出器および該第一のX線検出器より視野が小さい第二のX線検出器を用いてそれぞれ撮影された第一の画像および第二の画像を表示するX線撮影装置であって、前記第一の画像上で第二の画像の撮影領域の指定を受け付ける第二画像撮影領域指定受付手段と、前記第二画像撮影領域指定受付手段を介して前記第一の画像上で指定された前記撮影領域に前記第二の画像をオーバーラップして表示する画像表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、被写体を透過したX線を検出する第一のX線検出器および該第一のX線検出器より視野が小さい第二のX線検出器を用いてそれぞれ撮影された第一の画像および第二の画像を表示するX線撮影装置によるX線撮影方法であって、前記第一の画像上で第二の画像の撮影領域の指定を受け付ける第二画像撮影領域指定受付ステップと、前記第二画像撮影領域受付ステップにより受け付けられた第二の画像の撮影領域を撮影する位置に第二のX線検出器を移動する第二X線検出器移動ステップと、前記第二X線検出器移動ステップにより移動された第二のX線検出器を用いて撮影された第二の画像を、第二画像撮影領域指定受付ステップを介して前記第一の画像上で指定された前記撮影領域にオーバーラップして表示する画像表示ステップとを含み、前記第一の画像は、前記第一の検出器によるリアルタイム画像であり、前記第二の画像は、前記第二の検出器によるリアルタイム画像であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、被検体を透過したX線を検出する第一のX線検出器および該第一のX線検出器より視野が小さい第二のX線検出器を用いてそれぞれ撮影された第一の画像および第二の画像を表示するX線撮影装置によるX線画像表示方法であって、前記第一の画像上で第二の画像の撮影領域の指定を受け付ける第二画像撮影領域指定受付ステップと、前記第二画像撮影領域指定受付ステップを介して前記第一の画像上で指定された前記撮影領域に前記第二の画像をオーバーラップして表示する画像表示ステップとを含み、前記第一の画像は、前記第一の検出器によるリアルタイム画像であり、前記第二の画像は、前記第二の検出器によるリアルタイム画像であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、術者は、第一の画像上で第二の画像の撮影領域を簡単に指定することができる。
【0016】
本発明によれば、術者は、周辺の画像と対比しながら第二の画像観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施例に係るX線撮影装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示したX線撮影装置の構成のうちX線検出器21bを用いた撮影に関連する構成を示す図である。
【図3】モニタ82a上でのポインティングデバイス83を使用した撮影領域の指定を説明するための説明図である。
【図4】X線検出器移動機構31のうちのX線検出器21bの移動機構の一例を示す図である。
【図5】X線検出器21bによる画像のモニタ82a上での表示方法を説明するための説明図である。
【図6】X線検出器21bを用いて撮影した画像の拡大表示を説明するための説明図である。
【図7】オーバーラップさせる二つの画像それぞれの最適階調変換を説明するための説明図である。
【図8】本実施例に係るX線撮影装置による小視野高精細画像表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】二つのX線検出器を備えたX線撮影装置を説明するための説明図である。
【図10】FPDの構成の一例を示す図である。
【図11】小視野高精細のX線検出器の構成の一例を示す図である。
【図12】拡大率の定義を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るX線撮影装置、X線撮影方法およびX線画像表示方法の好適な実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
まず、本実施例に係るX線撮影装置の構成について説明する。図1は、本実施例に係るX線撮影装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このX線撮影装置は、X線発生部1と、X線検出部2と、機構部3と、高電圧発生部4と、Cアーム5と、天板6と、画像処理部7と、表示部8と、操作部9と、システム制御部10とを有する。
【0020】
X線発生部1は、天板6上の被検体に照射するX線を発生する装置であり、高電圧発生部4から供給される高電圧を用いてX線を発生するX線管11と、X線管11が発生したX線の一部を遮蔽することによって照射野を制御するX線絞り器12とを有する。
【0021】
X線検出部2は、被検体を透過したX線を検出して画像データを生成する装置であり、被検体を撮影する場合に通常用いられる平面検出器であるX線検出器21aと、X線検出器21aより小視野高精細で病変部などの詳細観察に用いられるX線検出器21bと、X線検出器21aから電荷を取り出すゲートドライバ22と、X線検出器21aにより検出された電荷を電圧に変換する電荷・電圧変換器23と、電荷・電圧変換器23により変換された電圧をデジタル値に変換するA/D変換器24とを有する。
【0022】
機構部3は、X線検出器21aおよび21b、Cアーム5ならびに天板6を移動する装置であり、X線検出器21aおよび21bを移動するX線検出器移動機構31と、Cアーム5を回転したり移動したりするCアーム回動・移動機構32と、天板6を移動する天板移動機構33と、システム制御部10の指示に基づいてX線検出器移動機構31、Cアーム回動・移動機構32および天板移動機構33を制御する機構制御部34とを有する。
【0023】
高電圧発生部4は、X線発生部1がX線の発生に必要とする高電圧を供給する装置であり、システム制御部10の指示に基づいて高電圧の発生を制御してX線の発生を制御するX線制御部41と、高電圧を発生する高電圧発生器42とを有する。
【0024】
Cアーム5は、X線発生部1ならびにX線検出器21aおよび21bを保持するアームであり、天板6は、被検体を乗せる板である。画像処理部7は、X線検出部2により生成された画像データを処理する処理部であり、再構成演算やサブトラクション演算などを行う画像演算回路71と、画像データを記憶する画像データ記憶回路72とを有する。
【0025】
表示部8は、画像データ記憶回路72に記憶された画像を表示する装置であり、モニタ82への表示を制御する表示制御部81と、画像を表示するモニタ82とを有する。操作部9は、術者による操作を受け付けるコンソールであり、システム制御部10は、術者の操作に基づいてX線診断装置全体を制御する装置である。
【0026】
次に、X線検出器21bを用いた撮影について説明する。図2は、図1に示したX線撮影装置の構成のうちX線検出器21bを用いた撮影に関連する構成を示す図である。なお、図2では、モニタ82がモニタ82aおよびモニタ82bから構成され、X線検出器21aを用いて撮影された被検体の画像がモニタ82aに表示されているものとする。
【0027】
X線検出器21bを用いた撮影では、表示制御部81が、モニタ82aに表示した被検体の画像に対して術者がポインティングデバイス83を使用して指定した撮影領域を受け付ける。図3は、モニタ82a上でのポインティングデバイス83を使用した撮影領域の指定を説明するための説明図である。同図に示すように、術者は、X線検出器21aによる画像84上でマウス等のポインティングデバイス83を使用して矩形85を移動することによって、X線検出器21bによる撮影領域を指定する。
【0028】
そして、表示制御部81が受け付けた撮影領域を撮影できる位置にX線検出器21bを移動するようにシステム制御部10が検出器動作制御部34bに指示する。具体的には、システム制御部10は検出器移動指示部101を有し、検出器移動指示部101が、モニタ82a上で指定された撮影領域の画面座標系における座標をX線検出器21bの物理座標系における座標に変換し、検出器動作制御部34bにX線検出器21bの移動を指示する。そして、検出器動作制御部34bが、X線検出器移動機構31を制御してX線検出器21bを移動する。なお、検出器動作制御部34bは、機構制御部34の一部である。
【0029】
図4は、X線検出器移動機構31のうちのX線検出器21bの移動機構の一例を示す図である。同図に示すように、この移動機構は、X線検出器21bをX線検出器21aに対してX方向にする移動するX方向駆動機構31aとY方向にする移動するY方向駆動機構31bとを備える。
【0030】
そして、モニタ82a上で術者によって指定された撮影領域を撮影できる位置にX線検出器21bが移動すると、表示制御部81が、X線検出器21bが検出したX線に基づいて生成された画像信号を受け取り、モニタ82a上で術者によって指定された撮影領域に表示する。
【0031】
図5は、X線検出器21bによる画像のモニタ82a上での表示方法を説明するための説明図である。同図に示すように、表示制御部81は、X線検出器21bによる画像86およびX線検出器21bの容器部分の画像を、X線検出器21aによる画像84上で術者によって指定された撮影領域にオーバーラップして表示する。
【0032】
このように、検出器移動指示部101が、モニタ82a上で指定された撮影領域の画面座標系における座標を物理座標系における座標に変換し、検出器動作制御部34bにX線検出器21bの移動を指示し、検出器動作制御部34bが、X線検出器移動機構31を制御してX線検出器21bを移動することによって、術者は病変部などを簡単な操作で高精細表示することができる。
【0033】
また、表示制御部81が、X線検出器21bによる画像86を、X線検出器21aによる画像84上で術者によって指定された撮影領域にオーバーラップして表示することによって、術者は、病変部などを周辺領域と比較しながら詳細に観察することができる。
【0034】
なお、ここでは、X線検出器21aによる画像84は、X線検出器21bが移動する直前の画像であるが、X線検出器21aによる画像84としてX線検出器21aによるリアルタイム画像を表示することもできる。また、X線検出器21bによる画像86としては、1ショット画像とすることもリアルタイム画像とすることもできる。
【0035】
また、図5では、X線検出器21bを用いて撮影した画像をそのまま表示する場合について説明したが、X線検出器21bはX線検出器21aと比較して高精細であることから、撮影した画像を拡大して表示することもできる。図6は、X線検出器21bを用いて撮影した画像の拡大表示を説明するための説明図である。同図に示すように、拡大表示では、術者から指示があると、表示制御部81は、X線検出器21bによる画像86(図5参照)の拡大画像87をX線検出器21aによる画像84にオーバーラップして表示する。このように、表示制御部81が、X線検出器21bによる画像を拡大して表示することによって、術者は病変部などの詳細を正確に観察することができる。
【0036】
また、X線検出器21bはX線検出器21aと感度が異なるため、図7に示すように、X線検出器21bを用いて得られる画像とX線検出器21aを用いて得られる画像では、画素値の頻度分布が異なる。このため、表示制御部81は、X線検出器21bによる画像の階調をX線検出器21aによる画像の階調とは異なる画素値に対応させ、それぞれの画像で最適階調となるように階調処理を行う。このように、表示制御部81が、X線検出器21bによる画像およびX線検出器21aによる画像のそれぞれで最適階調となる階調処理を行うことによって、両方の画像とも鮮明に表示することができる。
【0037】
次に、本実施例に係るX線撮影装置による小視野高精細画像表示処理の処理手順について説明する。図8は、本実施例に係るX線撮影装置による小視野高精細画像表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0038】
同図に示すように、この小視野高精細画像表示処理では、表示制御部81が、X線検出器21aを用いて撮影された画像をモニタ82aに表示し、X線検出器21bを用いて撮影される矩形領域の指定を術者から受け付ける(ステップS1)。
【0039】
そして、検出器移動指示部101が、術者によって指定された矩形領域の画面座標系における座標をX線検出器21bの物理座標系の座標に変換し(ステップS2)、矩形領域を撮影できるように検出器動作制御部34bにX線検出器21bの移動を指示する(ステップS3)。
【0040】
そして、検出器動作制御部34bが、X線検出器21bを移動し(ステップS4)、X線検出器21bが術者によって指定された矩形領域を撮影する位置に移動すると、X線検出器21bを用いた撮影を開始する。
【0041】
そして、表示制御部81が、X線検出器21bで検出されたX線に基づく画素値をX線検出器21bの感度に関して最適になるように階調変換し(ステップS5)、X線検出器21aによる画像上で術者によって指定された矩形領域にX線検出器21bを用いて撮影した画像を表示する(ステップS6)。
【0042】
上述してきたように、本実施例では、表示制御部81がX線検出器21aによる画像上での術者による矩形領域の指定を受け付け、検出器移動指示部101がその矩形領域の画面座標系における座標をX線検出器21bの物理座標系の座標に変換する。そして、検出器移動指示部101は矩形領域を撮影できるようにX線検出器21bの移動を検出器動作制御部34bに指示し、検出器動作制御部34bがX線検出器21bを移動する。したがって、術者は簡単な操作で病変部などの高精細画像をモニタ82aに表示させることができる。
【0043】
また、本実施例では、表示制御部81が、X線検出器21aを用いて撮影された画像上で術者によって指定された矩形領域にX線検出器21bを用いて撮影された画像をオーバーラップして表示することとしたので、術者は病変部などの詳細を周辺の画像と対比しながら観察することができる。
【0044】
また、本実施例では、表示制御部81が、X線検出器21bを用いて撮影した画像を術者からの指示に基づいて拡大して表示することとしたので、術者は病変部などをより詳細に観察することができる。
【0045】
また、本実施例では、表示制御部81が、X線検出器21bで検出されたX線に基づく画素値をX線検出器21bの感度に関して最適になるように階調変換することとしたので、X線検出器21aおよび21bの感度が異なる場合にも、それぞれのX線検出器による画像を鮮明に表示することができる。
【0046】
なお、本実施例では、X線検出器21bがX線検出器21aと比較して高精細である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、X線検出器21bがX線検出器21aと比較してX線の検出範囲が大きく異なるなど、X線検出器21aとX線検出器21bの特徴が異なる場合に同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明は、X線を用いて患者などを撮影する場合に有用であり、特に、特徴が異なる二つのX線検出器を操作して観察する場合に適している。
【符号の説明】
【0048】
1 X線発生部
2 X線検出部
3 機構部
4 高電圧発生部
5 Cアーム
6 天板
7 画像処理部
8 表示部
9 操作部
10 システム制御部
11 X線管
12 X線絞り器
21a,21b X線検出器
21−1 検出素子
21−2 光電膜
21−3 電荷蓄積コンデンサ
21−4 TFT
21−5 信号出力線
21−6 CCD
21−7 シンチレータ
21−8 容器
22 ゲートドライバ
23 電荷・電圧変換器
24 A/D変換器
31 X線検出器移動機構
31a X方向駆動機構
31b Y方向駆動機構
32 Cアーム回動・移動機構
33 天板移動機構
34 機構制御部
34a,34b 検出器動作制御部
41 X線制御部
42 高電圧発生器
71 画像演算回路
72 画像データ記憶回路
81 表示制御部
82、82a、82b モニタ
83 ポインティングデバイス
84 X線検出器21aによる画像
85 矩形
86 X線検出器21bによる画像
87 拡大画像
101 検出器移動指示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を透過したX線を検出する第一のX線検出器および該第一のX線検出器より視野が小さい第二のX線検出器を用いてそれぞれ撮影された第一の画像および第二の画像を表示するX線撮影装置であって、
前記第一の画像上で第二の画像の撮影領域の指定を受け付ける第二画像撮影領域指定受付手段と、
前記第二画像撮影領域受付手段により受け付けられた第二の画像の撮影領域を撮影する位置に第二のX線検出器を移動する第二X線検出器移動手段と、
前記第二X線検出器移動手段により移動された第二のX線検出器を用いて撮影された第二の画像を、第二画像撮影領域指定受付手段を介して前記第一の画像上で指定された前記撮影領域にオーバーラップして表示する画像表示手段と
を備えたことを特徴とするX線撮影装置。
【請求項2】
前記画像表示手段は、第一のX線検出器と第二のX線検出器の感度が異なる場合に、第二の画像に対して第二のX線検出器の感度に基づいて第一の画像の階調変換とは異なる階調変換を行って表示することを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
【請求項3】
第二のX線検出器は、第一のX線検出器より解像度が高いことを特徴とする請求項1または2に記載のX線撮影装置。
【請求項4】
被検体を透過したX線を検出する第一のX線検出器および該第一のX線検出器より視野が小さい第二のX線検出器を用いてそれぞれ撮影された第一の画像および第二の画像を表示するX線撮影装置であって、
前記第一の画像上で第二の画像の撮影領域の指定を受け付ける第二画像撮影領域指定受付手段と、
前記第二画像撮影領域指定受付手段を介して前記第一の画像上で指定された前記撮影領域に前記第二の画像をオーバーラップして表示する画像表示手段と
を備えたことを特徴とするX線撮影装置。
【請求項5】
前記第一の画像は、前記第一の検出器によるリアルタイム画像であり、
前記第二の画像は、前記第二の検出器によるリアルタイム画像であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線撮影装置。
【請求項6】
被写体を透過したX線を検出する第一のX線検出器および該第一のX線検出器より視野が小さい第二のX線検出器を用いてそれぞれ撮影された第一の画像および第二の画像を表示するX線撮影装置によるX線撮影方法であって、
前記第一の画像上で第二の画像の撮影領域の指定を受け付ける第二画像撮影領域指定受付ステップと、
前記第二画像撮影領域受付ステップにより受け付けられた第二の画像の撮影領域を撮影する位置に第二のX線検出器を移動する第二X線検出器移動ステップと、
前記第二X線検出器移動ステップにより移動された第二のX線検出器を用いて撮影された第二の画像を、第二画像撮影領域指定受付ステップを介して前記第一の画像上で指定された前記撮影領域にオーバーラップして表示する画像表示ステップと
を含み、
前記第一の画像は、前記第一の検出器によるリアルタイム画像であり、
前記第二の画像は、前記第二の検出器によるリアルタイム画像である
ことを特徴とするX線撮影方法。
【請求項7】
被検体を透過したX線を検出する第一のX線検出器および該第一のX線検出器より視野が小さい第二のX線検出器を用いてそれぞれ撮影された第一の画像および第二の画像を表示するX線撮影装置によるX線画像表示方法であって、
前記第一の画像上で第二の画像の撮影領域の指定を受け付ける第二画像撮影領域指定受付ステップと、
前記第二画像撮影領域指定受付ステップを介して前記第一の画像上で指定された前記撮影領域に前記第二の画像をオーバーラップして表示する画像表示ステップと
を含み、
前記第一の画像は、前記第一の検出器によるリアルタイム画像であり、
前記第二の画像は、前記第二の検出器によるリアルタイム画像である
ことを特徴とするX線画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−223629(P2012−223629A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−182464(P2012−182464)
【出願日】平成24年8月21日(2012.8.21)
【分割の表示】特願2007−77432(P2007−77432)の分割
【原出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】