説明

X線検査装置

【課題】 X線検査手段近傍の搬送路カバーの下流側に選別装置を設置する必要を無くしてコンパクト化を図ることができ、かつ、前面側からのメンテナンス作業等も容易化することができるX線検査装置を提供する。
【解決手段】 コンベア10と、X線検査手段20と、検査領域より搬送方向下流側の所定搬送区間D2の搬送路10aを覆う開閉カバー32と、検査手段の検査結果に基づいて被検査物を選択的に搬送路外に排出する選別排出機構40と、排出された被検査物Wを収納する排出物収納ボックス50とを備えたX線検査装置において、開閉カバー32が開状態で所定搬送区間D2の搬送路10aの上面とその幅員方向前面側に開放する前面開放式であり、選別排出機構40が開閉カバー32の内方側に装備され、所定搬送区間D2の搬送路10aの幅員方向後方側に排出物収納ボックス50が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線検査装置、特にX線検査手段近傍の所定搬送区間に搬送路上を覆うカバーを設けてなるX線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のX線検査装置としては、搬送経路中の所定検査位置で被検査物にX線を照射して、そのときの透過X線量の分布から被検査物中における異物の存在を検出するX線異物検出装置が知られており、このX線異物検出装置においては、例えば、透過X線量の検出手段として複数のX線検出素子からなるX線ラインセンサを搬送路と略直交するように配置して所要の分解能での検査を可能にするとともに、X線の外部への漏洩を防止する工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、このようなX線検査装置を用いる検査システムにおいては、X線検査装置で異物等の不良検出信号が出力されると、搬送方向下流側に配置した選別装置を作動させ、異物を含む被検査物を搬送路の外部に排出するようにしたものが多い。
【0004】
その選別排出方式としては、一般的にフリッパー方式、プッシャー方式、ドロップアウト方式、エアージェット方式等が知られているが、被検査物の形状や搬送形態に応じた選別排出機構とすべく、例えば、コンベアベルトの幅(幅員)方向一方側に搬送方向に離間する長短のリンクアームを略平行に設けてそれらに排出板を支持させ、両リンクおよび排出板を含むリンク機構をエアシリンダで駆動することにより、排出板を両リンクの回動による公転成分の回動と両リンクの長さに差による自転成分の回動とを与えて、全体として円弧状の奇跡を描くように排出板をコンベアベルト上に出入りさせ、細長い被検査物の高速排出を行なうようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−318060号公報
【特許文献2】特開2005−60102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来のX線検査装置にあっては、作業の安全上あるいは作業者を配慮した規制等により、X線検査装置にそのX線検査手段の一定近傍内である所定搬送区間をカバーで覆うことが要求される場合が多い。
【0006】
かかる場合、カバーで覆われた所定搬送区間より更に下流側に選別装置が配置されるため、検査システムが設置面積の大きなものとなる。
【0007】
また、従来、搬送路上に一定の作業空間を確保する必要から、選別装置、少なくともその排出機構は、搬送路の幅方向一方側に配置されている。そのため、特に選別排出された被検査物が所定量に達するまでその排出物を収納する排出物収納ボックスが設けられる場合には、搬送路の両側が選別装置と排出物収納ボックスで塞がれてしまい、X線検査装置の大型化のみならずメンテナンス作業の作業性も悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題を解決すべくなされたもので、X線検査手段近傍の搬送路カバーの下流側に選別装置を設置する必要を無くして、コンパクト化を図ることができ、かつ、前面側からのメンテナンス作業等も容易化することができるX線検査装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、所定の搬送路に沿って被検査物を搬送するコンベアと、前記コンベアの所定検査領域で前記搬送路上の被検査物にX線を照射し、該被検査物のX線透過量に基づいて被検査物を検査するX線検査手段と、前記検査手段の近傍であって前記所定検査領域より搬送方向下流側の所定搬送区間の搬送路を覆う閉状態および前記所定搬送区間の搬送路上を開放する開状態をとり得る開閉カバーと、前記所定検査領域より搬送方向下流側の所定排出位置で前記検査手段の検査結果に基づいて作動し、前記検査結果が所定の結果であった被検査物を搬送路外に排出する選別排出機構と、前記選別排出機構で排出された被検査物を収納する排出物収納ボックスと、を備えたX線検査装置において、前記開閉カバーが前記開状態で前記所定搬送区間の搬送路上面と前記搬送路の幅員方向前面側を開放し、前記選別排出機構が前記開閉カバーの内方側に装備され、前記所定搬送区間の搬送路の幅員方向後方側に前記排出物収納ボックスが配置されたものである。
【0010】
このX線検査装置では、作業安全上要求されるX線検査手段の一定近傍内である所定搬送区間を覆う前面開放式の開閉カバーの内方側に選別排出機構が配置される一方、その開閉カバーの後方側に排出物収納ボックスが配置されることから、開閉カバーより搬送方向下流側に選別装置を設置する必要がなくなる。しかも、開閉カバーを開くと、所定搬送区間内の被検査物や選別排出機構を前面側からの作業空間に容易に露出させることができ、メンテナンス作業が容易となる。なお、ここで、搬送路の幅員方向における前面側とは、操作・表示パネル等が配置されて作業空間側となるX線検査装置の正面側である。
【0011】
本発明のX線検査装置においては、前記選別排出機構が前記開閉カバーに支持されているのが好ましい。
【0012】
この構成では、開閉カバーを開くと、それと同時に選別排出機構が所定搬送区間に対応する選別作業空間の外に移動されることから、開閉カバーの開放時には搬送路上を完全に開放することができ、そのとき搬送路上に載置されている被検査物を容易に取り扱うことができるのみならず、搬送路を構成する部材(例えば無端搬送ベルト)の交換や清掃作業等が非常に容易になる。また、選別装置を前面側に配置しないので、メンテナンス作業空間が広くなる。
【0013】
本発明のX線検査装置においては、また、前記排出物収納ボックスが、前記搬送路外に排出された被検査物を受け入れる受け入れ口を有するとともに、該受け入れ口の近傍に鉛直方向高さの異なる複数の位置で前記被検査物を検知する複数の排出センサを有し、該複数の排出センサにより前記排出物収納ボックスの満杯状態を検知可能にするのがよい。
【0014】
この場合、検知高さの異なる複数の排出センサによる被検査物の確実な排出検知が可能になるとともに、段階的な収容量検知で満杯前に満杯が近いことを検知したりすることが可能となる。
【0015】
なお、本発明においては、選別排出機構は必ずしも開閉カバーに支持される必要はなく、開閉カバーの内方側であれば、独立して前記所定搬送区間の搬送路上に設置できることはいうまでもない。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、作業安全上要求されるX線検査手段近傍の所定搬送区間を覆う前面開放式の開閉カバー内に選別排出機構を配置する一方、その開閉カバーの後方側に排出物収納ボックスを配置するので、開閉カバーの搬送方向下流側に選別装置を設置する必要を無くしてコンパクト化を図ることができ、かつ、前面側からのメンテナンス作業等も容易にすることができる。
【0017】
すなわち、請求項1に記載のように、開閉カバーが開状態で所定搬送区間の搬送路上面と搬送路幅員方向前面側を開放する開放式であり、選別排出機構が開閉カバーの内方側に配置され、所定搬送区間の搬送路幅員方向後方側に排出物収納ボックスが配置された構成とすれば、作業安全上要求されるX線検査手段の一定近傍の搬送区間を利用した開閉カバー内での選別作業ができ、後方側の排出物収納ボックスへの選別排出ができるので、開閉カバーより搬送方向下流側に選別装置を設置する必要をなくして検査システムの大型化を回避することができ、開閉カバー開放時に所定搬送区間内の被検査物や選別排出機構を前面側からの作業空間に容易に露出させることができるので、メンテナンス作業をも容易にすることができる。
【0018】
また、請求項2に記載のように、選別排出機構が開閉カバーの内面側に支持されるようにすれば、開閉カバーの開放時には搬送路上を完全に開放することができ、そのとき搬送路上に載置されている被検査物の取り扱いや搬送路を構成する部材の交換・清掃作業等を非常に容易にすることができる。
【0019】
さらに、請求項3に記載のように、排出物収納ボックスが搬送路外に排出された被検査物を受け入れる受け入れ口を有するとともに、その受け入れ口の近傍に鉛直方向高さの異なる複数の位置で被検査物を検知する複数の排出センサを有し、これら排出センサにより排出物収納ボックスの満杯状態を検知可能にするようにすれば、検知高さの異なる複数の排出センサにより被検査物の確実な排出検知を実行し、かつ、段階的な収容量検知により満杯前に満杯が近いことを検知することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
[第1の実施の形態]
図1〜図6は本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置を示す図である。
【0022】
まず、その構成について説明する。
【0023】
図1および図2にその全体構成を示すように、本実施形態のX線検査装置は、図1中左から右に移動する所定の搬送路10aが構成されるコンベア10と、X線遮蔽機能を有する筐体21内に公知のX線源およびX線検出器を有するX線検査手段20と、X線検査手段20の近傍の搬送路10a上を覆う一方でその搬送路10a上とその幅員方向のうち前面側(図1(a)の下側)とを開放させることができる前面開放式の第1および第2の開閉カバー31、32と、搬送路10a上であって第2の開閉カバー32の内方側に配設された選別排出機構40と、搬送路10aの幅員方向のうち後方側(図1(a)の上側)に配設された排出物収納ボックス50を具備している。なお、ここで、搬送路10aの幅員方向における前面側とは、装置正面側であり、この前面側において、X線検査手段20には、後述する前面開放式の開閉カバー22と、前記X線源の前方側に位置する前面開放式の開閉扉26と、その開閉扉26の下部に位置する起動/停止ボタン27と、開閉扉26の上部に位置する表示部29等がそれぞれ設けられている。
【0024】
コンベア10は、例えば略水平の複数の平行ローラ11a、11b、12a、12bに無端搬送ベルト13を着脱可能に巻き掛けてその上走部(上面形成部分)に平坦な搬送路10aを形成したベルトコンベアであり、搬送路10aの両端に位置する平行ローラ11a、11bのうちいずれか一方側、例えばローラ11bをモータユニット14(図2参照)で駆動することにより無端搬送ベルト13を回動させるようになっている。また、コンベア10は、無端搬送ベルト13が回動するとき、その上走部に載置された被検査物W、例えば箱その他の容器に食品や医薬品等が収納されたものを、その品種に対応する搬送速度でX線検査手段20の筐体21内を通して搬送するようになっている。なお、無端搬送ベルト13の着脱を可能とするため、例えば平行ローラ11a、11bのうち平行ローラ11aの全体又は前端側を平行ローラ11aに接近させることができるように、そのローラ支持機構部分が可動となっている。
【0025】
X線検査手段20は、詳細を図示していないが、そのX線源として、例えば陰極フィラメントからの熱電子をその陰極と陽極の間の高電圧により陽極ターゲットに衝突させてX線を発生させるX線管を有しており、発生したX線を下方に向けて不図示のスリットにより搬送路10aの幅員方向に広がる扇形のビームに整形して照射するようになっている。また、X線検査手段20のX線検出器は、コンベア10の搬送路10a(上走部)より下方側で前記X線ビームの拡がり方向に延在するX線ラインセンサからなり、その延在方向に所定間隔となるよう配された複数のX線検出素子によって所定解像度でのX線検出を行なうことができる。したがって、コンベア10の作動により被検査物WがX線検査手段20の筐体21内を通過するとき、X線検査手段20は、コンベア10の所定検査領域D1でその搬送路10a上の被検査物WにX線を照射するとともにそのX線透過量に基づき被検査物WにおけるX線透過量(吸収量)の分布を検査することができる。
【0026】
また、X線検査手段20の筐体21の前面側には、下側ヒンジ部22a、22bを中心にして図2中に実線で示す開放側と仮想線で示す閉止位置との間で前後および上下方向に回動可能なX線遮蔽可能な開閉カバー22が設けられており、この開閉カバー22は開放時に下側ヒンジ部22a、22bを筐体21に着脱できるようになっている。
【0027】
さらに、コンベア搬送方向におけるX線検査手段20の筐体21の両側面部には、X線を遮蔽しつつ被検査物Wの通過を許容するため、図2に示すようにすだれ状に形成された例えば鉛入りゴム製のX線遮蔽シート部材25A、25Bと、筐体21の両側面から第1、第2の開閉カバー31、32に向かって斜下方に庇状に延びたサイドカバー部23a、23bとが設けられており、X線遮蔽シート部材25A、25Bは、図1(a)に示すように一対あるいは更にその内側に近接するよう少なくとも一対配置されている。それ以外の前記検査空間の周囲を形成する筐体21の各部位には、図示しないX線遮蔽部材が装備されており、X線検査手段20はコンベア10の所定検査領域D1において筐体21の外部にX線を実質上漏洩させない(例えば漏洩X線量1μSv/h以下)構造となっている。
【0028】
第1の開閉カバー31は、略水平状態においてコンベア10の所定検査領域D1より上流側の所定搬送区間D0の搬送路10aの上面を覆うように形成され、その後縁部を複数のヒンジ部材(蝶つがい)31a、31bによって機台フレーム1に上下及び前後方向に開閉可能に支持されている。また、第1の開閉カバー31の前面側には把手31cが装着されている。すなわち、第1の開閉カバー31は、把手部31cを操作することで搬送路10a上とその前面側(幅員方向一方側)を開放可能な前面開放式となっている。
【0029】
第2の開閉カバー32は、略水平状態においてコンベア10の所定検査領域D1より下流側の所定搬送区間D2の搬送路10aの上面を覆うように形成され、その後縁部を複数のヒンジ部材(蝶つがい)32a、32bによって排出物収納ボックス50(若しくは機台フレーム1でもよい)に上下及び前後方向に開閉可能に支持されている。また、第2の開閉カバー32の前面側には複数の閉止状態ロック機構32a、32bおよび把手32e、32fが装着されている。すなわち、第2の開閉カバー32は、把手部32e、32fを操作することで開放可能な前面開放式となっており、所定搬送区間D2の搬送路10aを覆う閉状態および所定搬送区間D2の搬送路10a上とその前面側を開放する開状態をとり得る開閉カバーとなっている。なお、閉止状態ロック機構32a、32bは、下端部を持上げてロック解除することができる公知のものである。
【0030】
前記第1の開閉カバー31および第2の開閉カバー32は、それぞれX線遮蔽シート部材25A、25Bの外側の搬送路10aをサイドカバー部23a、23bに続いて覆うのに十分な長さを有しており、その長さに対応する前記所定搬送区間D0、D2の長さは作業の安全上あるいは作業者を配慮した法的規制等により一定長さだけ要求される。
【0031】
一方、第2の開閉カバー32の内方に装備された選別排出機構40は、X線検査領域である所定検査領域D1より搬送方向下流側の所定排出位置Psにて、X線検査手段20の検査結果に基づいて作動するようになっており、X線検査結果が所定の結果、例えば異物混入によるNG判定(不良判定)であった場合には、被検査物Wを搬送路10aの外部へと後方側(図1(a)中の上側;搬送路の幅員方向後方側)に排出する。そして、この選別排出機構40で排出された被検査物Wが後方側に配置された排出物収納ボックス50内に投入されることになる。
【0032】
具体的には、選別排出機構40は、第2の開閉カバー32に支持されている。すなわち、図3および図4に示すように、選別排出機構40においては、複数の等長リンク(多少長さが違ってもよい)41F、41Rの一端側が第2の開閉カバー32の内面側に固定された一対のスタッド42a、42bに回動自在に支持される一方、それら等長リンク41F、41Rの他端側が、板金製(例えばステンレス鋼板製)のプッシャー43にスタッド42a、42bと等間隔に固定された一対のスタッド42c、42dに対して回動自在に結合されており、これにより等長リンク41F、41Rを一対の長リンクとし、スタッド42a、42b間の第2の開閉カバー32およびスタッド42c、42d間のプッシャー43を一対の短リンク(図4、図5に32k、43bで示す)とする平行リンク機構が構成されている。
【0033】
また、片方、例えば奥側の等長リンク41Rの基端側には操作レバー部41Raが一体に連結されており、この操作レバー部41Raの回動端側にはエアシリンダ44の操作ロッド部44aがピン44eを介してピン結合されている。エアシリンダ44のシリンダ基端部44bは第2の開閉カバー32の内面側に固定されたスタッド44bに回動可能に支持されており、エアシリンダ44の伸張・収縮に伴って等長リンク41F、41Rが前後(図3中の上下)方向に揺動し、プッシャー43が前後に移動する。また、操作レバー部41Raの長さL2(図5参照)は等長リンク41F、41Rの長さL1に対して所定のレバー比L2/L1(例えば1/3)に設定されており、エアシリンダ44の伸縮量に対しプッシャー43の移動量がそのレバー比に応じて拡大される構成となっている。
【0034】
さらに、もう片方、例えば前方側の等長リンク41Fの長手方向中間部には板金製(例えばステンレス鋼板製)の挟み込み防止板45が複数の締結ねじ部品46a、46b(図3(b)参照)により交換可能に締結固定されている。
【0035】
また、プッシャー43は、「コ」の字形断面に曲げ加工した板金部43aをスタッド42c、42dが固定された厚手の板金部43bに固着させたもので、軽量化と排出時の衝撃負荷に対する十分な剛性を確保したものである。各スタッド42a〜42dの先端部には雄ねじが形成されており、そこにナット等(符号なし)が装着されている。
【0036】
エアシリンダ44のシリンダ両端部には一対の圧空給排ポート44c、44dが設けられており、機台フレーム1の下部内方に設置された図示しない圧空供給源からの作動流体(圧空)が図示しない流路切換えバルブによって切換えられ、エアシリンダ44の操作ロッド部44aが図3に示す実線位置から仮想線で示す位置まで伸張し、逆に収縮するようになっている。
【0037】
なお、上述した圧空供給源や流路切換えバルブは図外の排出制御部によって制御され、この排出制御部は、例えばX線検査手段20内の制御部からの各被検査物Wについての検査結果信号および搬送タイミングに関わるセンサ情報やタイミング情報を受け取り、所要の排出タイミングでエアシリンダ44を作動させることで、不良発生時に異物混入したその不良の被検査物Wのみを排出物収納ボックス50に排出させるようになっている。このような選別排出の制御自体は公知であるので、ここではこれ以上詳述しない。
【0038】
さらに、図3(b)および図4に示すように、第2の開閉カバー32の内方には、スタッド42a、42b、等長リンク41F、41Rの基端側およびエアシリンダ44を下方側から覆い、被検査物Wの引っ掛かり等を防止するねじ着脱式の内面カバー32gが装着されている。
【0039】
排出物収納ボックス50は、図3(b)および図4に示すように、搬送路10a外に排出された被検査物Wを受け入れる受け入れ口51を有するとともに、図2に示すように、その受け入れ口51の近傍に鉛直方向高さの異なる複数の位置で被検査物Wを検知する例えば光学式の複数の排出センサ61、62を有している。そして、X線検出手段20の制御部および前記排出制御部はこれら複数の排出センサ61、62によってNG判定された被検査物Aの排出の有無と、排出物収納ボックス50の満杯状態の有無とをそれぞれ検知できるようになっている。
【0040】
具体的には、NG判定となって排出された被検査物Wがプッシャー43によって排出物収納ボックス50に排出されるとき、複数の排出センサ61、62によって被検査物Wがそれぞれ検知されることで、当該被検査物Wが排出物収納ボックス50内に確実に排出・投入されたことが確認され、複数の排出センサ61、62のいずれにも被検査物Wが検知されなければ選別排出動作の不良と判別されるようになっている。
【0041】
さらに、複数の排出センサ61、62は、複数の排出センサ61、62のうち下方側の排出センサ62が排出物収納ボックス50内に貯留された被検査物Wを一定時間以上検知することで排出物収納ボックス50の満杯が近いことを検出し、複数の排出センサ61、62の双方が排出物収納ボックス50内に貯留された被検査物Wを一定時間以上検知することで排出物収納ボックス50内の満杯状態を検出することができるように配置されている。
【0042】
次に動作について説明する。
【0043】
上述した本実施形態のX線検査装置においては、予めの被検査物W毎の品種設定がなされ、検査対象の被検査物Wの品種を指定する入力がなされると、X線検査手段20内の制御部でコンベア10の搬送制御やX線検出器の検出情報に基づくX線画像の生成と異物混入の有無の判定処理等が所定の制御プログラムにより実行され、X線検査が行われる。
【0044】
例えば、図示しないメニュー画面上で被検査物Wの品種を指定する入力がなされると、まず、最初に設定済みの各設定パラメータが品種パラメータファイルから読み出され、検査の開始を指示する操作入力があると、コンベア10による被検査物Wの搬送が開始される。なお、X線検査手段20のX線源は、起動/停止スイッチ27により装置が起動された後、所定のタイミングで通電される一方、開閉カバー31、32のいずれかの開放又は起動/停止スイッチ27の停止スイッチとしての押下により通電を遮断される。
【0045】
次いで、被検査物Wの検査空間への進入が図示しない進入検知センサで検知されるか、搬送開始から一定時間が経過すると、例えば進入検知センサの検知状態の変化から被検査物Wの長さに相当する搬送区間と、搬送方向前後に隣り合う被検査物Wの間隔に相当する無搬送区間とがそれぞれ特定され、X線検出器の繰り返し走査を行なうサンプリング期間が決定される。
【0046】
次いで、搬送路10a上の被検査物WがX線検査手段20内を通過すると、例えばX線検出器の検出情報を基に、X線検査手段20の制御部内で画像処理が実行され、被検査物W毎のX線透過画像あるいはX線吸収画像がディジタル濃淡画像として作成されるとともに、そのX線画像を基にした異物有無の判別がなされ、そのX線画像及び判定結果が表示部29に表示される。
【0047】
いま、異物混入有りと判定された被検査物Wが発生したとすると、この被検査物WはX線検査手段20の筐体21内(所定検査領域D1)を通過して下流側に搬送され、所定の搬送区間D2に達する。
【0048】
このとき、X線検査手段20内の制御部からこの被検査物WについてのNG判定結果(所定の検査結果信号)および搬送タイミング情報を受け取っている排出制御部が、所要の排出タイミングでエアシリンダ44を作動させ、コンベア10の搬送路10a上において複数の被検査物Wが所定間隔で搬送されている状態において、プッシャー43により異物混入したその不良の被検査物Wのみを排出物収納ボックス50に排出させる。
【0049】
具体的には、まず、図6(a)に示すように、プッシャー43と挟み込み防止板45が被検査物Wの搬送幅領域である搬送路10aの外方に待機した状態で、NG判定された被検査物W(図6中のA、以下、被検査物Aともいう)がプッシャー43の所定の近傍領域に達すると、図3の実線位置にあった等長リンク41F、41Rおよびプッシャー43が同図中の仮想線位置側に移動するようにエアシリンダ44が伸張側に作動制御され、プッシャー43と挟み込み防止板45が、図6(a)の状態から図6(b)の状態へ移動し、プッシャー43がNG判定された被検査物Wに当接する。
【0050】
次いで、プッシャー43と挟み込み防止板45が、図6(b)の状態から更に図6(c)の状態へと移動して行き、NG判定された被検査物Aが搬送路10aの外部に出るよう後方に押し出される。このとき、プッシャー43のストローク及び移動速度は比較的高速であるので、NG判定された被検査物Aはプッシャー43によって比較的高速で排出物収納ボックス50側に投入される。なお、プッシャー43のストローク及び移動速度は、被検査物Wの搬送速度および搬送ピッチに応じて予め設定されるが、例えば被検査物Wが1分当たり150個搬送される場合、プッシャー43は、被検査物Wの間隔のばらつき等を考慮して150〜200ミリ秒程度で排出動作を行なうことになり、それを満足する速度が必要になる。
【0051】
次いで、プッシャー43と挟み込み防止板45が、図6(c)の状態から図6(d)の状態へと移行するように後退する。
【0052】
この状態においては、後続の良品の被検査物WのうちNG判定された被検査物Aの直後に位置する被検査物W(図6中のB、以下、被検査物Bともいう)がプッシャー43に接近してくるが、プッシャー43が排出動作を行なう際には、後続の被検査物Bの進路を遮るように挟み込み防止板45がプッシャー43に先んじて搬送路10a内に進入し、かつ、プッシャー43の排出動作完了時においてもプッシャー43の後端縁が挟み込み防止板45より前に出ることはない。したがって、後続の被検査物Bがプッシャー43に接近し過ぎたり、プッシャー43の排出動作完了時やその直後に後続の被検査物Bがプッシャー43の後端縁に引っ掛かったりすることがなく、高速作動する選別排出機構40に後続の被検査物Bが挟み込まれるといったことがない。
【0053】
以上のような検査がある程度継続して実行される間に複数の不良品が発生した場合には、排出物収納ボックス50内にNG排出された被検査物Wが貯留されるが、NG判定となって排出された被検査物Wがプッシャー43によって排出物収納ボックス50に排出されるとき、複数の排出センサ61、62の検知情報によって被検査物Wの排出が確実に検知されるとともに、高速作動する選別排出機構40での排出動作不良が無いことも併せて確認される。ここで、複数の排出センサ61、62から排出検知情報としてセンサ情報を取り込むタイミング(期間)は、エアシリンダ44の排出側への作動開始から被検査物Wが排出物収納ボックス50に収納されるまでに十分な時間として予め設定された所定の排出検知期間であり、この排出期間内に被検査物Wの排出が検知されないと排出動作不良と判定することになる。
【0054】
一方、前記排出検知期間外においては、排出センサ61、62の検知情報は排出物収納ボックス50内に貯留された被検査物Wの段階的な満杯検知を行なうための検知情報としてモニタされる。したがって、不良数が所定値を超えると、まず、複数の排出センサ61、62のうち下方側の排出センサ62が排出物収納ボックス50内に貯留された被検査物Wを一定時間以上検知した状態となって排出物収納ボックス50の満杯が近いことを示し、排出物収納ボックス50が満杯になると、複数の排出センサ61、62の双方が排出物収納ボックス50内に貯留された被検査物Wを一定時間以上検知した状態となって、排出物収納ボックス50内の満杯状態が段階的に検知される。そして、これらの検知情報に基づいて、X線検査装置は、例えば満杯検知までに自動停止される。また、排出物収納ボックス50が満杯に近付いてきたときには、その状態を報知するアラーム表示などがなされる。
【0055】
上述のように、本実施形態のX線検査装置においては、作業安全上要求されるX線検査手段20の一定近傍内である所定搬送区間D2を覆う前面開放式の第2の開閉カバー32の内方側に、選別排出機構40が配置される一方、その開閉カバー32の後方側に排出物収納ボックス50が配置されることから、従来のようにこの開閉カバーより搬送方向下流側に選別装置を設置する必要がなくなる。しかも、第2の開閉カバー32を開くと、所定搬送区間D2内の被検査物Wや選別排出機構40を前面側からの作業空間に容易に露出させることができることから、搬送停止時の被検査物Wの処理や選別排出機構40についてメンテナンス作業が装置前面側の作業空間において容易に可能となる。その結果、開閉カバー32の搬送方向下流側に選別装置を設置する必要を無くしてX線検査システムのコンパクト化を図ることができ、かつ、装置前面側からのメンテナンス作業等も容易にすることができる。
【0056】
また、第2の開閉カバー32を開くと、それと同時に選別排出機構40が所定搬送区間D2に対応する選別作業空間の外に移動されることから、第2の開閉カバー32の開放時には搬送路10a上を完全に開放することができ、そのとき搬送路10a上に載置されている被検査物Wを容易に取り扱うことができるのみならず、搬送路10aを構成する無端搬送ベルト13の交換や清掃作業等が非常に容易になる。また、選別装置を前面側に配置しないので、メンテナンス作業空間が広くなる。無端搬送ベルト13の交換や清掃等は開閉カバー22を開放させた状態および開閉カバー22を下側ヒンジ部22a、22bで筐体21から切り離した状態のいずれでも可能であるから、このようなメンテナンス作業は更に容易である。
【0057】
さらに、本実施形態のX線検査装置においては、排出物収納ボックス50内で、検知高さの異なる複数の排出センサ61、62によって被検査物Wの確実な排出検知を実行するとともに、複数の排出センサ61、62による高さ方向の段階的な収容量検知で満杯前に満杯が近いことを検知することが可能となる。
【0058】
[第2の実施の形態]
図7は本発明の第2の実施の形態に係るX線検査装置を示す図である。
【0059】
なお、以下に説明する実施の形態は、X線検出手段その他の基本的な構成とその動作が上述した第1の実施形態とほぼ同様のものであるので、そのような構成については図1〜6と同一の符号を付し、相違点についてのみ詳述する。
【0060】
図7に示すように、第2の開閉カバー32の内方にはフリッパーアーム71を有する選別排出機構70が設けられており、この選別排出機構70は排出物収納ボックス50の受け入れ口51近傍に若しくは機台フレーム1に支持されている。
【0061】
選別排出機構70のフリッパーアーム71は、排出物収納ボックス50の受け入れ口51を開放するとともに排出位置Psに達した被検査物Wを受け入れ口51に導入する排出位置と、受け入れ口51を閉止するとともに排出位置Psに達した被検査物Wがそのまま下流側に搬送されるのを許容する非排出位置とのうちいずれか一方に位置するように、駆動制御部72で回動制御される。この駆動制御部72は公知のものであり、詳細を図示しないが、この図示しないエアシリンダとその直線運動出力をフリッパーアームの回動に変換する機構部品を有している。
【0062】
また、選別排出機構70は、X線検査手段20の検査結果に基づいて作動するようになっており、X線検査結果が所定の結果、例えば異物混入によるNG判定(不良判定)であった場合に、NG判定された被検査物Wが排出位置Psに達する前にフリッパーアーム71を排出位置に回動させ、排出位置Psに達した被検査物Wを排出物収納ボックス50の受け入れ口51へとガイドして受け入れ口51に導入する。一方、X線検査結果がNG判定でなかった場合には、フリッパーアーム71を非排出位置に位置させて受け入れ口51を閉止させることで、排出位置Psに達した良品の被検査物Wがコンベア10によりそのまま下流側に搬送されるのを許容する。
【0063】
本実施形態においても、作業安全上要求されるX線検査手段20の一定近傍内である所定搬送区間D2を覆う前面開放式の第2の開閉カバー32の内方側に、選別排出機構70が配置される一方、その開閉カバー32の後方側に排出物収納ボックス50が配置されることから、第2の開閉カバー32より搬送方向下流側に選別装置を設置する必要がなくなる。しかも、第2の開閉カバー32を開くと、所定搬送区間D2内の被検査物Wや選別排出機構70を前面側からの作業空間に容易に露出させることができることから、搬送停止時の被検査物Wの処理や選別排出機構70についてメンテナンス作業が装置前面側の作業空間において容易に可能となる。その結果、開閉カバー32の搬送方向下流側に選別装置を設置する必要を無くしてX線検査システムのコンパクト化を図ることができ、かつ、装置前面側からのメンテナンス作業等も容易にすることができる。
【0064】
また、フリッパー方式の選別排出機構70を用いているので、多様な被検査物に対応できるとともに、信頼性が高い。
【0065】
[第3の実施の形態]
図8および図9は本発明の第3の実施の形態に係るX線検査装置を示す図である。
【0066】
図8に示すように、第2の開閉カバー32の内方にはエアージェット方式の選別排出機構80が装備されており、この選別排出機構80は支持板82およびヒンジ部材83を介して機台フレーム1に前後方向に移動可能に支持されている。
【0067】
選別排出機構80は、少なくとも1つのノズル、例えば複数のノズル81b、81cから搬送路10a上の所定排出位置Psに向かって後方側へと圧搾空気を噴出させることができるノズルユニット81aをその先端に装着したノズルパイプ81を有している。そして、このノズルパイプ81に、図9に示す圧空供給源95から図示しない噴出動作切換え弁および可撓性配管等を介して圧搾空気が選択的に供給される。
【0068】
エアージェット方式の選別排出機構自体は公知であるので、ここではその詳細構成には言及しないが、選別排出機構80は、検査手段20の検査結果に基づいて作動するようになっている。すなわち、X線検査結果が所定の結果、例えば異物混入によるNG判定(不良判定)であった場合には、NG判定された被検査物Wが排出位置Psに達すると、ノズルパイプ81に圧空供給源95からの圧搾空気が供給され、ノズル81b、81cから噴出したエアージェット(噴流空気)が搬送路10a上の所定排出位置Psに達した被検査物Wを排出物収納ボックス50の受け入れ口51に吹き飛ばすようになっている。一方、X線検査結果がNG判定でなかった場合には、ノズルパイプ81に圧空供給源95からの圧搾空気が供給されず、排出位置Psに達した良品の被検査物Wはコンベア10によりそのまま下流側に搬送される。
【0069】
また、排出物収納ボックス50は、上述の実施形態と同様に、搬送路10aの外部に排出された被検査物Wを受け入れる受け入れ口51を有するとともに、その受け入れ口51の近傍に鉛直方向高さの異なる複数の位置で被検査物Wを検知する例えば光学式の複数の排出センサ91を有しているが、これら排出センサ91はエアージェット方式の選別排出と被検査物の多様性を考慮して広範囲にわたって多数(3つ以上)設置されている。
【0070】
これらの排出センサ91は、互いに設置高さが異なることで広範囲での確実な排出検知を可能にするのみならず、第1の実施の形態の排出センサ61、62と同様に、少なくとも下方側の2つのセンサが排出物収納ボックス50の満杯状態の段階的に検知できるようになっている。
【0071】
本実施形態においても、作業安全上要求されるX線検査手段20の一定近傍内である所定搬送区間D2を覆う前面開放式の第2の開閉カバー32の内方側に、選別排出機構80が配置される一方、その開閉カバー32の後方側に排出物収納ボックス50が配置されることから、第2の開閉カバー32より搬送方向下流側に選別装置を設置する必要がなくなる。しかも、第2の開閉カバー32を開くと、所定搬送区間D2内の被検査物Wや選別排出機構80を前面側からの作業空間に容易に露出させることができることから、搬送停止時の被検査物Wの処理や選別排出機構80についてメンテナンス作業が装置前面側の作業空間において容易に可能となる。その結果、開閉カバー32の搬送方向下流側に選別装置を設置する必要を無くしてX線検査システムのコンパクト化を図ることができ、かつ、装置前面側からのメンテナンス作業等も容易にすることができる。
【0072】
また、エアージェット方式の選別排出機構80を用いているので、選別排出機構80のノズルパイプ81を図8に示すように前方側に倒すことのできる開放性の高い支持態様とすることができる。勿論、ノズルパイプ81のノズル81b、81cのようなものを第2の開閉カバー32の前方側内壁部分に任意の姿勢で支持させることも可能である。
【0073】
さらに、検知高さの異なる複数の排出センサ91により、被検査物Wの確実な排出検知と、排出物収納ボックス50の満杯前に満杯が近いことを検知する段階的な収容量検知を行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上説明したように、本発明は、作業安全上要求されるX線検査手段近傍の所定搬送区間を覆う前面開放式の開閉カバー内に選別排出機構を配置する一方、その開閉カバーの後方側に排出物収納ボックスを配置することで、開閉カバーの搬送方向下流側に選別装置を設置する必要を無くして、コンパクト化を図ることができ、かつ、前面側からのメンテナンス作業等も容易にすることができるという効果を奏するものであり、X線検査装置、特にX線検査手段近傍の所定搬送区間に搬送路上を覆うカバーを設けてなるX線検査装置全般に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置の全体構成を示す図で、(a)はその平面図、(b)はその正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置の全体構成を示すその下流側から見た側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置の選別排出機構の構成を示す図で、(a)はその要部平面図、(b)はその正面断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置の選別排出機構の構成を示すその等長リンク支点部から下流側を見た側面断面である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置の選別排出機構の模式的構成説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るX線検査装置の選別排出機構の模式的動作説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るX線検査装置の全体構成を示すその平面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るX線検査装置の要部構成を示す図で、(a)はその平面図、(b)は一部破砕した開閉カバーを含むその正面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るX線検査装置の全体構成を示すその下流側から見た側面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 機台フレーム
10 コンベア
10a 搬送路
11a、11b、12a、12b 平行ローラ
13 無端搬送ベルト
14 モータユニット
20 X線検査手段
21 筐体
23a、23b サイドカバー部
25A、25B X線遮蔽シート部材
32 第2の開閉カバー(開閉カバー)
40、70、80 選別排出機構
43 プッシャー
45 挟み込み防止板
50 排出物収納ボックス
51 受け入れ口
61、62、91 複数の排出センサ
71 フリッパーアーム
72 駆動制御部
81 ノズルパイプ
81a ノズルユニット
D1 所定検査領域
D2 所定搬送区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の搬送路に沿って被検査物を搬送するコンベア(10)と、前記コンベアの所定検査領域で前記搬送路上の被検査物にX線を照射し、該被検査物のX線透過量に基づいて被検査物を検査するX線検査手段(20)と、前記検査手段の近傍であって前記所定検査領域より搬送方向下流側の所定搬送区間の搬送路を覆う閉状態および前記所定搬送区間の搬送路上を開放する開状態をとり得る開閉カバー(32)と、前記所定検査領域より搬送方向下流側の所定排出位置で前記検査手段の検査結果に基づいて作動し、前記検査結果が所定の結果であった被検査物を搬送路外に排出する選別排出機構(40)と、前記選別排出機構で排出された被検査物を収納する排出物収納ボックス(50)と、を備えたX線検査装置において、
前記開閉カバーが前記開状態で前記所定搬送区間の搬送路上面と前記搬送路の幅員方向前面側を開放し、
前記選別排出機構が前記開閉カバーの内方側に装備され、
前記所定搬送区間の搬送路の幅員方向後方側に前記排出物収納ボックスが配置されたことを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
前記選別排出機構が前記開閉カバーに支持されたことを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
【請求項3】
前記排出物収納ボックスが、前記搬送路外に排出された被検査物を受け入れる受け入れ口を有するとともに、該受け入れ口の近傍に鉛直方向高さの異なる複数の位置で前記被検査物を検知する複数の排出センサ(61,62;91)を有し、
該複数の排出センサにより前記排出物収納ボックスの満杯状態を検知可能にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−33403(P2007−33403A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221304(P2005−221304)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】