説明

X線検査装置

【課題】検査対象物のX線透視方向を最適に変更することにより、検査対象物を良好に検査および観察することができるX線検査装置を提供する。
【解決手段】検査対象物が載置されるテーブルを有するベース部材と、検査対象物に対してX線を放射するX線発生点と、検査対象物を透過したX線を検出するX線画像検出手段と、ベース部材の前方両側に左右対称に配され、第1可動支点を介してベース部材を支持し、第1固定支点を介してフレームに固定される第1リンクバー部材と、ベース部材の後方両側に左右対称に配され、一端部で支持バー部材を介してX線画像検出手段を支持し、中間部で第2可動支点を介してベース部材を支持し、他端部で第2固定支点を介してフレームに固定される第2リンクバー部材と、テーブルの鉛直方向位置を調整する観察中心点調整手段と、ベース部材を揺動させる旋回駆動手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線を用いて検査対象物を透視することで、該検査対象物の欠陥等を検査するX線検査装置に関し、より詳細には、検査対象物の透視方向を最適に変更可能なX線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、技術の進歩に伴って、半導体に代表されるような高精細・高集積な部品が製造され、これらの部品が様々な分野の装置に用いられている。そして、このような高密度な部品の内部欠陥等を検査する場合には、X線を用いて検査対象物を透視することで、該検査対象物の内部および外部の欠陥等を検査することが可能なX線検査装置が使用されている。
【0003】
この種のX線検査装置は、X線発生手段のX線発生点を通過する中心線上に、検査対象物を載置する回転テーブルおよびX線画像検出器を配置する構造を備えている。そして、これらのX線検査装置では、検査対象物である半導体等の高密度化に伴って、これらの検査対象物内部を高倍率で、かつ、あらゆる角度から観察可能であることが求められていた。
【0004】
そこで、従来のX線検査装置では、このように検査対象物の透視方向を変更したい場合、X線発生源を中心にX線画像検出器を単独で旋回させる方法、あるいはX線発生源を中心にX線発生手段および回転テーブルを同時に揺動させる方法が採用されていた。このうちの後者の方法を採用したX線検査装置が、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−240734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されるX線検査装置では、試験台の傾斜による検査対象物のズレを防止する手段が必要となり、それに伴う部品点数の増加および製造コストの増大が懸念される、という問題があった。また、このような検査対象物の固定手段を試験台上に設けることにより、これらの部材が検査対象物の観察を妨げてしまう可能性があり、良好な検査を実行することができない、という問題があった。
【0007】
また、上記前者の方法を採用した従来のX線検査装置では、検査対象物の観察中心点をX線画像の中心に捉えたまま旋回させることができないため、良好な検査および観察を実行することができず、かつ、検査および観察を行う作業時間が増大してしまう、という問題があった。
【0008】
さらに、検査対象物の透視方向を変更する手段として、回転テーブルのX軸,Y軸,Z軸方向の移動やX線画像検出器の動作を各要素毎に単独で制御するコンピュータ・ソフトを用いて、サーボモータやステッピングモータ等の駆動を制御しているものが知られている。ところが、このように各要素毎の動作が別々に制御される構成では、検査対象物の透視方向を変更しながら所望の観察中心点を追跡するのが困難であり、かつ、このような追跡が可能なソフトを開発するには、多大な労力およびコストを要していた。また、このような構成では、斜視観察時にX線画像の拡大率を上げようとすると、所望の観察中心点がディスプレーから外れてしまう、という重大な問題が生じる危険性が高かった。
【0009】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、検査対象物のX線透視方向を最適に変更することにより、検査対象物を良好に検査および観察することができるX線検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、X線を用いて検査対象物を透視することで、該検査対象物を検査するX線検査装置において、前記検査対象物が載置されるテーブルを有するベース部材と、前記テーブル上に載置された検査対象物に対してX線を放射するX線発生点を有するX線発生手段と、前記X線発生点から放射され、前記検査対象物を透過したX線を検出するX線画像検出手段と、前記ベース部材の前方両側に左右対称の位置関係で配され、一端部に設けられた第1可動支点を介して前記ベース部材を回動自在に支持するとともに、他端部に設けられた第1固定支点を介してフレームに回動自在に固定される第1リンクバー部材と、前記ベース部材の後方両側に左右対称の位置関係で配され、一端部に設けられた支持バー部材を介して前記X線発生点と前記検査対象物の観察中心点との延長線上に配された前記X線画像検出手段を支持するとともに、中間部に設けられた第2可動支点を介して前記ベース部材を回動自在に支持し、他端部に設けられた第2固定支点を介して前記フレームに回動自在に固定される第2リンクバー部材と、前記観察中心点が前記第2可動支点と同一の鉛直方向位置に配されるように前記テーブルの鉛直方向位置を調整する鉛直方向位置調整手段と、前記第1リンクバー部材および前記第2リンクバー部材によって揺動可能に支持された前記ベース部材を揺動させる旋回駆動手段とを備え、前記X線発生点が、前記第2リンクバー部材のそれぞれの前記第2固定支点を結ぶ直線上に配され、前記第1可動支点および前記第2可動支点が、前記ベース部材および前記テーブルを水平状態に保つことができる位置で固定され、かつ、前記観察中心点および前記X線画像検出手段が、前記旋回駆動手段の作動によって前記X線発生点を中心に同期的に旋回されることにより、達成される。
【0011】
また、上記目的は、前記第1可動支点および前記第2可動支点が、各部材の長手方向に沿って設けられた直動軸受を介して支持され、かつ、前記観察中心点が、前記ベース部材に連結された拡大率変更手段の作動によって、前記X線発生点との距離を変更可能であることにより、効果的に達成される。
【0012】
また、上記目的は、前記拡大率変更手段が、先端部が前記ベース部材の左右両側の少なくとも2点に固定された可撓性を有する線状部材と、該線状部材の各固定点の上方に配された滑車と、該滑車を介して接続される前記線状部材の基端が固定された捲回部と、該捲回部に回転動力を付与する捲回用モータとを備えてことにより、効果的に達成される。
【0013】
また、上記目的は、前記旋回駆動手段が、前記支持バー部材に連結された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸の先端部に取り付けられ、該駆動軸と一体に回転するスプロケットと、前記第2リンクバー部材の長手方向における前記X線発生点から前記スプロケットまでの距離を半径とするアーク状の曲面を有し、該曲面に前記スプロケットと噛合するチェーンが敷設された旋回用ガイド台とを備えていることにより、効果的に達成される。
【0014】
また、上記目的は、前記旋回駆動手段が、前記フレームに取り付けられた固定台と、該固定台に回動自在に支持された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸に連結され、該駆動軸と一体に回転するねじ軸と、該ねじ軸に螺合するナットと、該ナットに穿設された係合孔とを備え、かつ、前記ナットが、前記第2リンクバー部材に前記係合孔を介して摺動自在に取り付けられていることにより、効果的に達成される。
【0015】
また、上記目的は、前記旋回駆動手段が、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸に連結され、該駆動軸と一体に回転するウォームと、前記第2固定支点を介して回動自在に支持され、外周面に前記ウォームに噛合する外歯ギヤが形成されたセクタギヤと、前記第2リンクバー部材と前記セクタギヤとを回動自在に連結する連結ピンとを備えていることにより、効果的に達成される。
【0016】
また、上記目的は、前記旋回駆動手段が、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸の先端部に取り付けられされ、該駆動軸と一体に回転する歯車と、前記第2固定支点を介して回動自在に支持され、外周面に前記歯車に噛合する外歯ギヤが形成されたセクタギヤと、前記第2リンクバー部材と前記セクタギヤとを回動自在に連結する連結ピンとを備えていることにより、効果的に達成される。
【0017】
また、上記目的は、前記旋回駆動手段が、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸に連結され、該駆動軸と一体に回転するねじ軸と、該ねじ軸に螺合するナットと、該ナットを前記ねじ軸の軸方向に沿って摺動自在に支持するナットガイド部材と、前記ナットと前記第2リンクバー部材の一部とを連結する第3リンクバー部材とを備えていることにより、効果的に達成される。
【0018】
また、上記目的は、前記第2リンクバー部材が、前記第2固定支点の一端側が延設され、その延設された一端にバランサ部材を有し、かつ、前記旋回駆動手段が、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸と前記第2固定支点とを直接連結するとともに、前記第2固定支点を前記第2リンクバー部材に嵌合固定するモータ駆動軸直結手段とを備えていることにより、効果的に達成される。
【0019】
また、上記目的は、前記旋回駆動手段が、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸の先端部に取り付けられ、該駆動軸と一体に回転するカム板と、該カム板の外縁に接触するように第2リンクバー部材に回動自在に取り付けられたカムローラとを備えていることにより、効果的に達成される。
【0020】
また、上記目的は、前記旋回駆動手段が、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸の先端部に取り付けられ、該駆動軸と一体に回転する第1ローラと、該第1ローラに対して前記第1リンクバー部材および前記第2リンクバー部材を挟んで反対側に配され、前記フレームに回動自在に支持された第2ローラと、前記第1ローラおよび前記第2ローラに捲回されたベルトと、前記第1リンクバー部材を前記ベルトに連結する第1ベルト連結部と、前記第2リンクバー部材を前記ベルトに固定する第2ベルト連結部とを備えていることにより、効果的に達成される。
【0021】
さらに、上記目的は、前記旋回駆動手段が、前記旋回駆動手段は、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸の先端部に取り付けられ、該駆動軸と一体に回転する円板と、該円板の表面の一部と前記第2リンクバー部材の一部とを連結するクランクバー部材とを備えていることにより、効果的に達成される。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るX線検査装置によれば、ベース部材のテーブル上に載置された検査対象物のX線透視方向を変更する場合に、ベース部材が第1リンクバー部材および第2リンクバー部材によって回動自在に4点支持された4節リンク構造になっている。したがって、鉛直方向位置調整手段によって、検査対象物の観察中心点が第2リンクバー部材の第2可動支点と同一の鉛直方向位置に配されるようにテーブルの鉛直方向位置を調整すれば、X線発生源を中心にして観察中心点およびX線画像検出手段の検出中心点を同期的に旋回させることができる。すなわち、このような簡単な機械的構造により、観察角度(X線透視方向)を変更しても、観察中心点を常にX線画像の中心で捉えることができるとともに、一定の観察拡大率を維持することができる。この結果、観察中心点および検出中心点を同期的に移動させるための高価な制御ソフト等を開発・使用することなく、検査対象物を最適なX線透視方向で良好に観察することができる。
【0023】
また、この種のX線検出装置において高拡大率で観察する場合、装置製作上の誤差が観察角度を変更する上で大きな障害となり得るが、本発明に係るX線検査装置では、製作誤差による変位をX線画像表示上で確認しながら観察角度を変更することができるので、位置修正を極めて容易に行うことができる。
【0024】
さらに、本発明に係るX線検査装置では、ベース部材のテーブル上に載置された検査対象物は、ベース部材が旋回されても常に水平状態を保たれる構造になっている。これにより、検査対象物のズレを防止するための手段を設ける必要がないので、部品点数および組立工程の削減を図ることができ、より良好な観察を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照にしながら本発明の実施形態について説明する。
【0026】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部正面図であり、図2は、その要部側面図である。これらの図において、X線検査装置1は、検査対象物2が載置された回転テーブル3を有するベース部材4と、回転テーブル3上に載置された検査対象物2にX線を放射するX線発生点5aを有するX線発生手段5と、X線発生点5aから放射されて検査対象物2を透過したX線を検出するX線画像検出手段6とを、フレーム7内に備えている。
【0027】
ベース部材4は、少なくとも上面が開口になっている矩形筐体であり、その内部には、上述した回転テーブル3と、該回転テーブル3の下方に配されたY軸ステージ8と、該Y軸ステージ8の下方に配されたX軸ステージ9が配設されている。このX軸ステージ9およびY軸ステージ8は、それぞれの上面に配された部材をX軸方向(図1中の矢印X1−X2方向)およびY軸方向(図2中の矢印Y1−Y2方向)に移動させる直動アクチュエータなどで構成されている。回転テーブル3は、図示を省略しているが、その下部中心周りに回転可能な駆動手段(例えばウォームギヤ機構など)を備えている。この回転テーブル3とY軸ステージ8との間には、検査対象物2の厚さに応じて回転テーブル3の鉛直方向(図1中の矢印Z1−Z2方向)の位置を調整する鉛直方向位置調整手段10(例えばねじ機構、クサビ機構、カム機構などを用いた昇降手段)が配設されている。
【0028】
また、図2に示すように、ベース部材4の前方(図2左方)両側には、左右対称の位置関係で第1リンクバー部材11が配され、該第1リンクバー部材11は、一端部に設けられた第1可動支点(連結ピン)11aを介してベース部材4を回動自在に支持するとともに、他端部に設けられた第1固定支点(連結ピン)11bを介してフレーム7の一部に回動自在に固定されている。一方、ベース部材4の後方(図2右方)両側には、左右対称の位置関係で第2リンクバー部材12が配され、該第2リンクバー部材12は、一端部に設けられた支持バー部材13を介してX線発生点5aと検査対象物2の観察中心点2aとの延長線上に配されたX線画像検出手段6を支持するとともに、中間部に設けられた第2可動支点(連結ピン)12aを介してベース部材4を回動自在に支持し、かつ、他端部に設けられた第2固定支点(連結ピン)12bを介してフレーム7の一部に回動自在に固定されている。すなわち、ベース部材4の支持構造は、第1リンクバー部材11の第1可動支点11a、第1固定支点11b、および第2リンクバー部材12の第2可動支点12a、第2固定支点12bによって揺動可能に支持された4節リンク構造である。第1可動支点11aおよび第2可動支点12aは、ベース部材4および該ベース部材4内の回転テーブル3を水平状態に保つことができる位置で固定される。
【0029】
また、X線発生手段5のX線発生点5aは、図1に示すように、ベース部材4の両側に配された第2リンクバー部材12のそれぞれの第2固定支点12b,12bを結ぶ直線上に配されている。検査対象物2の観察中心点2aは、図2に示すように、ベース部材4の旋回角度が0°の場合、X線発生点5aの鉛直方向に位置し、かつ、この観察中心点2aが第2可動支点12aと同一の鉛直方向位置に配されるように、回転テーブル3の鉛直方向位置が鉛直方向位置調整手段10によって調整される。さらに、第2リンクバー部材12の一端部の間に支持バー部材13を介して取り付けられるX線画像検出手段6は、その検出中心点6aがX線発生点5aおよび観察中心点2aの延長線上になるように配される。
【0030】
このような構成からなるベース部材4およびX線画像検出手段6は、図3に示すように、第2リンクバー部材12の一端部に連結された旋回駆動手段14によって、X線発生点5aを中心に旋回される。この際、X線発生点5a、観察中心点2a、および検出中心点6aは常に同一直線上に位置するとともに、これら各点の間隔は常に一定に維持され、かつ、検査対象物2が載置される回転テーブル3は、常に水平状態を保たれている。
【0031】
旋回駆動手段14は、支持バー部材13に連結部材15を介して取り付けられた旋回用モータ16と、該旋回用モータ16の駆動軸16aに取り付けられ、該駆動軸16aと一体に回転するスプロケット16bと、第2リンクバー部材12の長手方向におけるX線発生点からスプロケット16bまでの距離を半径とするアーク状の曲面を有し、該曲面に前記歯車と噛合するチェーン17aが敷設された旋回用ガイド台17とを備えている。また、旋回用ガイド台17は、チェーン17aの下部に該チェーン17aの円弧軌道に対応可能なガイド17bを有し、該ガイド17bには、旋回用モータ16の下部に設けられた係合部16cが係合している。なお、ここでは、スプロケット16bとチェーン17aとの噛合によって、旋回用モータ16の動力伝達機構を構成しているが、これに限定されず、例えばスプロケット16bの代わりに歯車を駆動軸16aに取り付け、かつ、チェーン17aの代わりに上記歯車に噛合するギヤ歯をガイド台17の曲面に形成した動力伝達機構を用いても良い。
【0032】
また、本実施形態に係るX線検査装置1では、第1リンクバー部材11の第1可動支点11aおよび第2リンクバー部材12の第2可動支点12aは、各部材11,12の長手方向に沿って設けられた直動軸受18を介して支持され、ベース部材4に連結された拡大率変更手段19によってベース部材4を矢印Z3−Z4方向に移動することにより、X線発生点5aと観察中心点2aとの距離を変更するできるようになっている。
【0033】
この拡大率変更手段19は、先端部がベース部材4の前後の左右両側に固定されたワイヤー、チェーン、ロープ、ベルトなどの可撓性を有する線状部材20と、該線状部材20の各固定点の上方に配されたプーリやスプロケットからなる滑車21と、該滑車21を介して接続される線状部材20の基端が固定された捲回部22と、該捲回部22に回転動力を付与する捲回用モータ23とを備えている。このような拡大率変更手段19の構成により、図2に示すようなベース部材4の旋回角度が0°である場合はもちろん、図3に示すようにベース部材4が揺動状態である場合であっても、観察中心点2aをX線検出画像の中心に捉えたまま、回転テーブル3の水平状態を維持して拡大率を変更することができる。
【0034】
なお、本実施形態では説明を簡略化するために図示を省略しているが、この他の構成要素として、X線を遮蔽するための筐体、X線発生手段5に電力を供給する電源、X線の出力を制御するX線制御部、各モータ16,23の駆動やX軸ステージ9,Y軸ステージ8,鉛直方向位置調整手段10などの各位置決め動作を制御する機構制御部、これら各機構を操作する操作パネル、X線画像検出手段6の出力に基づいてX線透過画像を表示する画像表示手段、などが備えられている。
【0035】
次に、以上のように構成された本実施形態に係るX線検査装置1の作用について説明する。
【0036】
まず、図2に示すように、旋回角度が0°の状態で、X軸ステージ9およびY軸ステージ8によって検査対象物2の観察中心点2aを位置決めし、かつ、該観察中心点2aが第2リンクバー部材の可動支点12aと同一の鉛直方向位置になるように、鉛直方向位置調整手段10によって回転テーブル3を鉛直方向(図2中の矢印Z1−Z2方向)に移動させる。
【0037】
そして、旋回駆動手段14の旋回用モータ16を駆動させ、この動力が第2リンクバー部材12に伝達されることにより、ベース部材4およびX線画像検出手段6が揺動され、観察中心点2aおよび検出中心点6aがX線発生点5aを中心にして旋回される。これにより、観察中心点2aをずらすことなく、検査対象物2のX線透視方向を所望の観察角度に変更することができる。
【0038】
また、観察拡大率を変更したい場合には、拡大率変更手段19を作動して、ベース部材4を第1リンクバー部材11および第2リンクバー部材12の長手方向(矢印Z3−Z4方向)に沿って移動させる。これにより、ベース部材4が揺動状態であるか否かに関係なく、観察中心点2aをX線検出画像の中心に捉えたまま拡大率を変更することが可能である。
【0039】
以上のように、本実施形態に係るX線検査装置1は、X線発生手段5のX線発生点5aと、検査対象物2の観察中心点2aと、X線画像検出手段6の検出中心点6aとを同一直線上に位置させ、この位置関係を維持しながら、X線発生点5aを中心にして、観察中心点2aおよび検出中心点6aを同期的に旋回させることができる機械的構造を有している。これにより、観察角度(X線透視方向)を変更しても、観察中心点2aを常にX線画像の中心で捉えることができるとともに、一定の観察拡大率を維持することができ、観察者(オペレータ)の操作労力の軽減を図ることができる。
【0040】
また、本実施形態に係るX線検査装置1では、ベース部材4の水平状態が維持されたまま、ベース部材4およびX線画像検出手段6が旋回されるので、回転テーブル3上に載置された検査対象物2の固定手段が不要であり、これにより、部品点数の削減および組み立て労力の軽減を図ることができる。
【0041】
さらに、本実施形態に係るX線検査装置1では、第2リンクバー部材12の支持構造は、他端側が回転軸となる第2固定支点12bによって支持されるだけではなく、一端側が旋回用ガイド台17によって支持されるようになっているので、より高い検出精度を維持することができる。したがって、本実施形態に係るX線検査装置1は、X線発生点5aと観察中心点2aとの距離が非常に近い(例えば10μm以下の)高精度な検査を行う場合などに有用である。
【0042】
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。なお、同図において、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1実施形態とは異なる部分についてのみ説明する。
【0043】
図4に示すように、本実施形態に係るX線検査装置1Aでは、第2リンクバー部材12に動力を伝達してベース部材4を揺動させる旋回駆動手段14Aの構成が、上述した第1実施形態の旋回駆動手段14とは異なる。すなわち、本実施形態に係る旋回駆動手段14Aは、フレーム7に取り付けられた固定台24と、該固定台24に回動自在に支持された旋回用モータ16Aと、該旋回用モータ16Aの駆動軸に連結され、該駆動軸と一体に回転するねじ軸25Aと、該ねじ軸25Aに螺合するナット26Aと、該ナット26Aに穿設された係合孔27とを備え、ナット26Aは、第2リンクバー部材12に係合孔27を介して摺動自在に取り付けられている。
【0044】
この旋回駆動手段14Aでは、旋回用モータ16Aの駆動に伴ってねじ軸25Aが回転し、この回転に応じてナット26Aがねじ軸25Aの軸方向(図4中の矢印A1−A2方向)に沿って移動する。そして、このナット26Aの移動に伴って、第2リンクバー部材12が第2固定支点12bを中心にして旋回され、検査対象物2の観察中心点2aおよびX線画像検出手段6の検出中心点6aが、X線発生手段5のX線発生点5aを中心にして同期的に旋回される。
【0045】
なお、ねじ軸25Aをボールねじ軸とし、かつ、ナット26Aをボールナットとしたボールねじ機構を用いることにより、これらの部材間における摺動摩擦が軽減され、より効果的な旋回運動を行うことができる。また、ここで説明した旋回用モータ16Aと、ねじ軸25Aとナット26Aとからなるねじ機構の代わりにシリンダ機構を用いて、所定の旋回角度毎に旋回させるようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0046】
以上のように、本実施形態に係るX線検査装置1Aでは、X線発生点5aと、観察中心点2aと、検出中心点6aとを同一直線上に位置させながら、X線発生点5aを中心にして、観察中心点2aおよび検出中心点6aを同期的に旋回させることができるねじ機構を備えたことにより、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
[第3実施形態]
図5は、本発明の第3実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図であり、図6は、その変形例の概略構成を示す要部側面図である。なお、これらの図において、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1実施形態とは異なる部分についてのみ説明する。
【0048】
図5に示すように、本実施形態に係るX線検査装置1Bでは、第2リンクバー部材12に動力を伝達してベース部材4を揺動させる旋回駆動手段14Bの構成が、上述した第1実施形態の旋回駆動手段14とは異なる。すなわち、本実施形態に係る旋回駆動手段14Bは、フレーム7の一部に固定された旋回用モータ16Bと、該旋回用モータ16Bの駆動軸16aBに連結され、該駆動軸16aBと一体に回転するウォーム28と、第2固定支点12bBを介して回動自在に支持され、外周面にウォーム28に噛合する外歯ギヤが形成されたセクタギヤ29と、該セクタギヤ29と第2リンクバー部材12とを連結する連結ピン30とを備え、第2リンクバー部材12は、連結ピン30を介してセクタギヤ29に回動自在に支持されている。
【0049】
なお、ここでは、セクタギヤ29への動力伝達手段としてウォーム28が用いられているが、これに限定されず、例えば旋回用モータ16Bの駆動軸16aBの先端部に嵌合固定された歯車などを用いても良い。また、上述した第1実施形態と同様に、旋回用モータ16Bの駆動軸16aBの先端部にスプロケットを嵌合固定するとともに、セクタギヤの外周面に上記スプロケットに噛合するチェーンを敷設したものをセクタギヤ29への動力伝達手段として用いても良い。
【0050】
この旋回駆動手段14Bでは、旋回用モータ16Bの駆動に伴って、セクタギヤ29が第2固定支点12bBを中心にして揺動され、このセクタギヤ29の揺動に伴って、第2リンクバー部材12が第2固定支点12bBを中心にして矢印B1−B2方向に旋回される。そして、これにより、検査対象物2の観察中心点2aおよびX線画像検出手段6の検出中心点6aは、X線発生手段5のX線発生点5aを中心にして同期的に旋回される。
【0051】
以上のように、本実施形態に係るX線検査装置1Bでは、X線発生点5aと、観察中心点2aと、検出中心点6aとを同一直線上に位置させながら、X線発生点5aを中心にして、観察中心点2aおよび検出中心点6aを同期的に旋回させることができるウォームギヤ機構を備えたことにより、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
なお、本実施形態では、ウォーム28の軸方向が、セクタギヤ29を揺動自在に支持している第2固定支点12bBの軸方向に対して平行な位置関係で配されているが、図6の変形例に示すように、ウォーム28の軸方向が、第2固定支点12bBの軸方向に対して直交する位置関係で配されていても、同様の効果を得ることができる。
【0053】
[第4実施形態]
図7は、本発明の第4実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。なお、同図において、上述した第4実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1実施形態とは異なる部分についてのみ説明する。
【0054】
図7に示すように、本実施形態に係るX線検査装置1Cでは、第2リンクバー部材12に動力を伝達してベース部材4を揺動させる旋回駆動手段14Cの構成が、上述した第1実施形態の旋回駆動手段14とは異なる。すなわち、本実施形態に係る旋回駆動手段14Cは、フレーム7の一部に固定された旋回用モータ16Cと、該旋回用モータ16Cの駆動軸に連結され、該駆動軸と一体に回転するねじ軸25Cと、該ねじ軸25Cに螺合するナット26Cと、該ナット26Cをねじ軸25Cの軸方向に沿って摺動自在に支持するナットガイド部材31と、ナット26Cと第2リンクバー部材12の一部とを連結する第3リンクバー部材32とを備えている。
【0055】
この旋回駆動手段14Cでは、旋回用モータ16Cの駆動に伴ってねじ軸25Cが回転し、このねじ軸25Cの回転に応じてナット26Cがねじ軸25Cの軸方向(図7中の矢印C1−C2方向)に沿って移動する。そして、このナット26Cの直線運動が第3リンクバー部材32を介して第2リンクバー部材12に伝達され、第2リンクバー部材12が第2固定支点12bを中心にして旋回される。これにより、検査対象物2の観察中心点2aおよびX線画像検出手段6の検出中心点6aは、X線発生手段5のX線発生点5aを中心にして同期的に旋回される。
【0056】
なお、上述した第2実施形態と同様に、ねじ軸25Cをボールねじ軸とし、かつ、ナット26Cをボールナットとしたボールねじ機構を用いることにより、これらの部材間における摺動摩擦が軽減され、より効果的な旋回運動を行うことができる。また、ここで説明した旋回用モータ16Cと、ねじ軸25Cとナット26Cとからなるねじ機構の代わりにシリンダ機構を用いて、所定の旋回角度毎に旋回させるようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0057】
以上のように、本実施形態に係るX線検査装置1Cでは、X線発生点5aと、観察中心点2aと、検出中心点6aとを同一直線上に位置させながら、X線発生点5aを中心にして、観察中心点2aおよび検出中心点6aを同期的に旋回させることができるスライドリンク機構を備えたことにより、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】
[第5実施形態]
図8は、本発明の第5実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。なお、同図において、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1実施形態とは異なる部分についてのみ説明する。
【0059】
図8に示すように、本実施形態に係るX線検査装置1Dでは、第2リンクバー部材12に動力を伝達してベース部材4を揺動させる旋回駆動手段14Dの構成が、上述した第1実施形態の旋回駆動手段14とは異なる。すなわち、本実施形態では、第2リンクバー部材12Dは、第2固定支点12bDの一端側が延設され、その延設された一端にバランサ部材33を有し、かつ、旋回駆動手段14Dは、フレーム7に固定された旋回用モータ16Dを備え、該旋回用モータ16Dの駆動軸16aDは、第2固定支点12bDに直接連結されるとともに、該第2固定支点12bDは、第2リンクバー部材12Dに嵌合固定されている。
【0060】
この旋回駆動手段14Dでは、旋回用モータ16Dの駆動軸16aDの回転に連動して第2固定支点の連結ピン12bDが回転し、この回転力がそのまま直接的に第2リンクバー部材12Dに伝達される。これにより、第2リンクバー部材12Dが第2固定支点12bDを中心にして旋回され、検査対象物2の観察中心点2aおよびX線画像検出手段6の検出中心点6aは、X線発生手段5のX線発生点5aを中心にして同期的に旋回される。
【0061】
以上のように、本実施形態に係るX線検査装置1Dでは、X線発生点5aと、観察中心点2aと、検出中心点6aとを同一直線上に位置させながら、X線発生点5aを中心にして、観察中心点2aおよび検出中心点6aを同期的に旋回させることができるモータ駆動力直接伝達機構を備えたことにより、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
[第6実施形態]
図9は、本発明の第6実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。なお、同図において、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1実施形態とは異なる部分についてのみ説明する。
【0063】
図9に示すように、本実施形態に係るX線検査装置1Eでは、第2リンクバー部材12に動力を伝達してベース部材4を揺動させる旋回駆動手段14Eの構成が、上述した第1実施形態の旋回駆動手段14とは異なる。すなわち、本実施形態に係る旋回駆動手段14Eは、フレーム7の一部に固定された旋回用モータ16Eと、該旋回用モータ16Eの駆動軸16aEの先端に取り付けられ、該駆動軸16aEと一体に回転するカム板34と、該カム板34の外縁に接触するように第2リンクバー部材12に回動自在に取り付けられたカムローラ35とを備えている。
【0064】
この旋回駆動手段14Eでは、旋回用モータ16Eの駆動に伴ってカム板34が回転し、このカム板34の回転に連動して、第2リンクバー部材12が第2固定支点12bを中心にして旋回される。これにより、検査対象物2の観察中心点2aおよびX線画像検出手段6の検出中心点6aは、X線発生手段5のX線発生点5aを中心にして同期的に旋回される。
【0065】
以上のように、本実施形態に係るX線検査装置1Eでは、X線発生点5aと、観察中心点2aと、検出中心点6aとを同一直線上に位置させながら、X線発生点5aを中心にして、観察中心点2aおよび検出中心点6aを同期的に旋回させることができるカム機構を備えたことにより、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
[第7実施形態]
図10は、本発明の第7実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。なお、同図において、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1実施形態とは異なる部分についてのみ説明する。
【0067】
図10に示すように、本実施形態に係るX線検査装置1Fでは、第2リンクバー部材12に動力を伝達してベース部材4を揺動させる旋回駆動手段14Fの構成が、上述した第1実施形態の旋回駆動手段14とは異なる。すなわち、本実施形態に係る旋回駆動手段14Fは、フレーム7の一部に固定された旋回用モータ16Fと、該旋回用モータ16Fの駆動軸16aFの先端に取り付けられ、該駆動軸16aFと一体に回転する第1ローラ36と、該第1ローラ36に対して第1リンクバー部材11および第2リンクバー部材12を挟んで反対側に配され、フレーム7に回動自在に支持された第2ローラ37と、第1ローラ36および第2ローラ37に捲回されたベルト(またはチェーン)38と、第1リンクバー部材11をベルト38に連結する第1ベルト連結部39と、第2リンクバー部材12をベルト37に固定する第2ベルト連結部40とを備えている。
【0068】
この旋回駆動手段14Fでは、旋回用モータ16Fの駆動に伴って第1ローラ36が回転し、この第1ローラ36の回転運動がベルト38を介して第1リンクバー部材11および第2リンクバー部材12に伝達され、各リンクバー部材11,12は、それぞれの固定支点11b,12bを中心にして旋回される。これにより、検査対象物2の観察中心点2aおよびX線画像検出手段6の検出中心点6aは、X線発生手段5のX線発生点5aを中心にして同期的に旋回される。
【0069】
以上のように、本実施形態に係るX線検査装置1Fでは、X線発生点5aと、観察中心点2aと、検出中心点6aとを同一直線上に位置させながら、X線発生点5aを中心にして、観察中心点2aおよび検出中心点6aを同期的に旋回させることができる捲回ベルト機構を備えたことにより、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
[第8実施形態]
図11は、本発明の第8実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。なお、同図において、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは第1実施形態とは異なる部分についてのみ説明する。
【0071】
図11に示すように、本実施形態に係るX線検査装置1Gでは、第2リンクバー部材12に動力を伝達してベース部材4を揺動させる旋回駆動手段14Gの構成が、上述した第1実施形態の旋回駆動手段14とは異なる。すなわち、本実施形態に係る旋回駆動手段14Gは、フレーム7の一部に固定された旋回用モータ16Gと、該旋回用モータ16Gの駆動軸16aGの先端部に取り付けられ、該駆動軸16aGと一体に回転する円板41と、該円板41の表面の一部と第2リンクバー部材12の一部とを連結するクランクバー部材42とを備えている。
【0072】
この旋回駆動手段14Gでは、旋回用モータ16Gの駆動に伴って円板41が回転し、この円板41の回転運動がクランクバー部材42を介して第2リンクバー部材12に伝達され、該第2リンクバー部材12が第2固定支点12bを中心にして旋回される。これにより、検査対象物2の観察中心点2aおよびX線画像検出手段6の検出中心点6aは、X線発生手段5のX線発生点5aを中心にして同期的に旋回される。
【0073】
以上のように、本実施形態に係るX線検査装置1Gでは、X線発生点5aと、観察中心点2aと、検出中心点6aとを同一直線上に位置させながら、X線発生点5aを中心にして、観察中心点2aおよび検出中心点6aを同期的に旋回させることができるクランク機構を備えたことにより、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
なお、第2〜第8実施形態で説明した旋回駆動手段14A〜14Gは、左右両方の第2リンクバー部材12,12に対して設けられていても良いが、左右いずれかの第2リンクバー部材12に対してのみ設けられていても、同様の効果を得ることができる。
【0075】
また、第2ないし第8実施形態では説明を簡略化するために省略したが、これらの実施形態に係るX線検査装置1A〜1Gにおいても、第1実施形態で説明したような拡大率変更手段19を設けて、拡大率を変更することは可能である。
【0076】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1実施形態に係るX線検査装置の要部概略構成を示す要部正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。
【図3】図2のX線検査装置の検査角度を変更した状態を示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係るX線検査装置の変形例の概略構成を示す要部側面図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。
【図9】本発明の第6実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。
【図10】本発明の第7実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。
【図11】本発明の第8実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示す要部側面図である。
【符号の説明】
【0078】
1,1A〜1G・・・X線検査装置
2・・・検査対象物
2a・・・観察中心点
3・・・回転テーブル
4・・・ベース部材
5・・・X線発生手段
5a・・・X線発生点
6・・・X線画像検出手段
6a・・・検出中心点
7・・・フレーム
8・・・Y軸ステージ
9・・・X軸ステージ
10・・・鉛直方向位置調整手段
11・・・第1リンクバー部材
11a・・・第1可動支点(連結ピン)
11b・・・第1固定支点(連結ピン)
12,12D・・・第2リンクバー部材
12a・・・第2可動支点(連結ピン)
12b,12bB,12bD・・・第2固定支点(連結ピン)
13・・・支持バー部材
14,14A〜14G・・・旋回駆動手段
15・・・連結部材
16,16A〜16G・・・旋回用モータ
16a,16aB,16aD〜16aG・・・駆動軸
16b・・・スプロケット
16c・・・係合部
17・・・旋回用ガイド台
17a・・・チェーン
17b・・・ガイド
18・・・直動軸受
19・・・拡大率変更手段
20・・・線状部材
21・・・滑車
22・・・捲回部
23・・・捲回用モータ
24・・・固定台
25A,25C・・・ねじ軸
26A,26C・・・ナット
27・・・係合孔
28・・・ウォーム
29・・・セクタギヤ
30・・・連結ピン
31・・・ナットガイド部材
32・・・第3リンクバー部材
33・・・バランサ部材
34・・・カム板
35・・・カムローラ
36・・・第1ローラ
37・・・第2ローラ
38・・・ベルト
39・・・第1ベルト連結部
40・・・第2ベルト連結部
41・・・円板
42・・・クランクバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を用いて検査対象物を透視することで、該検査対象物を検査するX線検査装置であって、
前記検査対象物が載置されるテーブルを有するベース部材と、
前記テーブル上に載置された検査対象物に対してX線を放射するX線発生点を有するX線発生手段と、
前記X線発生点から放射され、前記検査対象物を透過したX線を検出するX線画像検出手段と、
前記ベース部材の前方両側に左右対称の位置関係で配され、一端部に設けられた第1可動支点を介して前記ベース部材を回動自在に支持するとともに、他端部に設けられた第1固定支点を介してフレームに回動自在に固定される第1リンクバー部材と、
前記ベース部材の後方両側に左右対称の位置関係で配され、一端部に設けられた支持バー部材を介して前記X線発生点と前記検査対象物の観察中心点との延長線上に配された前記X線画像検出手段を支持するとともに、中間部に設けられた第2可動支点を介して前記ベース部材を回動自在に支持し、他端部に設けられた第2固定支点を介して前記フレームに回動自在に固定される第2リンクバー部材と、
前記観察中心点が前記第2可動支点と同一の鉛直方向位置に配されるように前記テーブルの鉛直方向位置を調整する鉛直方向位置調整手段と、
前記第1リンクバー部材および前記第2リンクバー部材によって揺動可能に支持された前記ベース部材を揺動させる旋回駆動手段とを備え、
前記X線発生点は、前記第2リンクバー部材のそれぞれの前記第2固定支点を結ぶ直線上に配され、
前記第1可動支点および前記第2可動支点は、前記ベース部材および前記テーブルを水平状態に保つことができる位置で固定され、かつ、
前記観察中心点および前記X線画像検出手段は、前記旋回駆動手段の作動によって前記X線発生点を中心に同期的に旋回されることを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
前記第1リンクバー部材の前記第1可動支点および前記第2リンクバー部材の前記第2可動支点は、各部材の長手方向に沿って設けられた直動軸受を介して支持され、かつ、
前記観察中心点は、前記ベース部材に連結された拡大率変更手段の作動によって、前記X線発生点との距離を変更可能である請求項1に記載のX線検査装置。
【請求項3】
前記拡大率変更手段は、先端部が前記ベース部材の左右両側の少なくとも2点に固定された可撓性を有する線状部材と、該線状部材の各固定点の上方に配された滑車と、該滑車を介して接続される前記線状部材の基端が固定された捲回部と、該捲回部に回転動力を付与する捲回用モータとを備えている請求項2に記載のX線検査装置。
【請求項4】
前記旋回駆動手段は、前記支持バー部材に連結された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸の先端部に取り付けられ、該駆動軸と一体に回転するスプロケットと、前記第2リンクバー部材の長手方向における前記X線発生点から前記スプロケットまでの距離を半径とするアーク状の曲面を有し、該曲面に前記スプロケットと噛合するチェーンが敷設された旋回用ガイド台とを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項5】
前記旋回駆動手段は、前記フレームに取り付けられた固定台と、該固定台に回動自在に支持された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸に連結され、該駆動軸と一体に回転するねじ軸と、該ねじ軸に螺合するナットと、該ナットに穿設された係合孔とを備え、かつ、
前記ナットは、前記第2リンクバー部材に前記係合孔を介して摺動自在に取り付けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項6】
前記旋回駆動手段は、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸に連結され、該駆動軸と一体に回転するウォームと、前記第2固定支点を介して回動自在に支持され、外周面に前記ウォームに噛合する外歯ギヤが形成されたセクタギヤと、前記第2リンクバー部材と前記セクタギヤとを回動自在に連結する連結ピンとを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項7】
前記旋回駆動手段は、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸の先端部に取り付けられされ、該駆動軸と一体に回転する歯車と、前記第2固定支点を介して回動自在に支持され、外周面に前記歯車に噛合する外歯ギヤが形成されたセクタギヤと、前記第2リンクバー部材と前記セクタギヤとを回動自在に連結する連結ピンとを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項8】
前記旋回駆動手段は、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸に連結され、該駆動軸と一体に回転するねじ軸と、該ねじ軸に螺合するナットと、該ナットを前記ねじ軸の軸方向に沿って摺動自在に支持するナットガイド部材と、前記ナットと前記第2リンクバー部材の一部とを連結する第3リンクバー部材とを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項9】
前記第2リンクバー部材は、前記第2固定支点の一端側が延設され、その延設された一端にバランサ部材を有し、かつ、
前記旋回駆動手段は、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸と前記第2固定支点とを直接連結するとともに、前記第2固定支点を前記第2リンクバー部材に嵌合固定するモータ駆動軸直結手段とを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項10】
前記旋回駆動手段は、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸の先端部に取り付けられ、該駆動軸と一体に回転するカム板と、該カム板の外縁に接触するように第2リンクバー部材に回動自在に取り付けられたカムローラとを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項11】
前記旋回駆動手段は、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸の先端部に取り付けられ、該駆動軸と一体に回転する第1ローラと、該第1ローラに対して前記第1リンクバー部材および前記第2リンクバー部材を挟んで反対側に配され、前記フレームに回動自在に支持された第2ローラと、前記第1ローラおよび前記第2ローラに捲回されたベルトと、前記第1リンクバー部材を前記ベルトに連結する第1ベルト連結部と、前記第2リンクバー部材を前記ベルトに固定する第2ベルト連結部とを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項12】
前記旋回駆動手段は、前記旋回駆動手段は、前記フレームに固定された旋回用モータと、該旋回用モータの駆動軸の先端部に取り付けられ、該駆動軸と一体に回転する円板と、該円板の表面の一部と前記第2リンクバー部材の一部とを連結するクランクバー部材とを備えている請求項1ないし3のいずれかに記載のX線検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−121961(P2009−121961A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296587(P2007−296587)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(500577932)株式会社庄内クリエート工業 (8)
【出願人】(000151601)株式会社東研 (18)
【Fターム(参考)】