説明

X線異物検出装置

【課題】合成画像上の被検査物の位置ずれを低減し、異物検出能力の低下を防止することができるX線異物検出装置を提供すること。
【解決手段】X線ラインセンサ51、52を双方が平行となる位置関係を保って支持するとともに、被検査物搬送方向に対して角度調整可能に構成された単一の回路基板と、回路基板の被検査物搬送方向に対する角度の調整操作を行う角度調整部材と、第1のX線画像データにおける被検査物Wの幅方向の波形である第1の波形と第2のX線画像データにおける被検査物Wの幅方向の波形である第2の波形とを取得し、第1の波形と第2の波形の差分に基づいて回路基板の角度調整方向を判定するとともに、第1の波形と第2の波形の横位置の差に基づいて回路基板の角度調整量を判定する角度調整判定部91と、角度調整判定部91による判定結果を表示する表示器5と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肉、魚、加工食品、医薬品等の被検査物中に混入した異物を検出するX線異物検出装置に関し、特に、複数本のX線ラインセンサからの画像を合成して異物を強調させた画像を得るエネルギーサブトラクション法を採用したX線異物検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、X線異物検出装置は、搬送路上を所定間隔で順次搬送されてくる各品種の被検査物(例えば、肉、魚、加工食品、医薬品など)にX線発生器からX線を照射し、この照射したX線の透過量から被検査物中に金属、ガラス、石、骨などの異物が混入しているか否かや被検査物の欠品などを検査するようになっている。
【0003】
従来、この種のX線異物検出装置では、管電圧の異なるX線源を用いてローエネルギーとハイエネルギーのX線画像ペアすなわちデュアルエネルギーX線画像を取得し、これら2つのX線画像を合成することで、被検査物の厚みによる影響を低減させ、被検査物をその中の異物とのコントラストを高めて異物を強調させた画像を得るエネルギーサブトラクション法を採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−91483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の技術では、搬送ベルトの周囲長の加工精度に応じて被検査物搬送方向が2つのX線ラインセンサに対して斜めになってしまう場合等において、第1のX線源とX線ラインセンサの組合せにより得た第1のX線画像データと、第2のX線源とX線ラインセンサの組合せにより取得した第2のX線画像データとの間で、被検査物の画像の位置がずれていると、2つのX線画像を合成した合成画像上で被検査物の境界部分に高コントラスト化による強調により不要なエッジ(濃淡の変化が顕著な部分)が発生してしまい、異物検出性能が低下してしまうという問題があった。被検査物の画像の位置ずれは、2つのX線ラインセンサのそれぞれを被検査物搬送方向に対して直交するように調整することで解消できるが、2つのX線ラインセンサを個別に調整する必要があるため、調整作業が困難であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、前述のような従来の問題を解決するためになされたもので、合成画像上の被検査物の位置ずれを低減し、異物検出能力の低下を防止することができるX線異物検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るX線異物検出装置は、被検査物を搬送面上で被検査物搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送面上を搬送される被検査物に互いに異なる強度のX線を照射する第1のX線源および第2のX線源と、前記搬送面を挟んで前記第1のX線源および前記第2のX線源と対向する位置に配置され、前記第1のX線源から照射され前記被検査物を透過するX線に応じた第1のX線画像データおよび前記第2のX線源から照射され前記被検査物を透過するX線に応じた第2のX線画像データをそれぞれ出力する第1のX線ラインセンサおよび第2のX線ラインセンサと、前記第1のX線画像データおよび第2のX線画像データを合成して前記被検査物に対応する1つの画像データとして出力する画像合成手段と、前記画像合成手段が出力する画像データに基づいて前記被検査物中の異物の有無を判定する判定手段と、を備えるX線異物検出装置であって、前記第1のX線ラインセンサおよび前記第2のX線ラインセンサを双方が平行となる位置関係を保って支持するとともに、前記被検査物搬送方向に対して角度調整可能に構成された単一の支持部材と、前記支持部材の前記被検査物搬送方向に対する角度の調整操作を行う角度調整部材と、前記第1のX線画像データにおける前記被検査物の幅方向の波形である第1の波形と前記第2のX線画像データにおける前記被検査物の幅方向の波形である第2の波形とを取得し、前記第1の波形と前記第2の波形の差分に基づいて前記支持部材の角度調整方向を判定するとともに、前記第1の波形と前記第2の波形の横位置の差に基づいて前記支持部材の角度調整量を判定する角度調整判定手段と、
前記角度調整判定手段による判定結果を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成により、角度調整判定手段により判定されて表示手段に表示される角度調整方向および角度調整量に従って、第1のX線ラインセンサと第2のX線ラインセンサを支持する単一の支持部材の被検査物搬送方向に対する角度を、角度調整部材を操作して調整することにより、第1のX線ラインセンサと第2のX線ラインセンサの被検査物搬送方向に対する角度を同時にかつ容易に調整することができる。したがって、合成画像上の被検査物の位置ずれを低減し、異物検出能力の低下を防止することができる。
【0009】
また、本発明に係るX線異物検出装置は、前記支持部材の前記被検査物搬送方向と直交する直交方向の位置の調整操作を行う位置調整部材と、前記第1のX線画像データにおける前記被検査物の幅方向の波形である第1の波形と前記第2のX線画像データにおける前記被検査物の幅方向の波形である第2の波形とを取得し、前記第1の波形と前記第2の波形の横位置に基づいて前記支持部材の前記直交方向の位置調整方向および前記支持部材の前記直交方向の位置調整量を判定する位置調整判定手段と、を備え、前記表示手段が、前記位置調整判定手段による判定結果を表示することを特徴とする。
【0010】
この構成により、位置調整判定手段により判定されて表示手段に表示される位置調整方向および位置調整量に従って、第1のX線ラインセンサと第2のX線ラインセンサを支持する単一の支持部材の被検査物搬送方向と直交する方向の位置を、位置調整部材を操作して調整することにより、第1のX線ラインセンサと第2のX線ラインセンサの被検査物搬送方向と直交する方向の位置を同時にかつ容易に調整することができる。
【0011】
また、本発明に係るX線異物検出装置は、前記第1のX線ラインセンサが、X線を検出する第1の検出部と、前記第1の検出部を駆動する第1の駆動回路とを有するとともに、前記第2のX線ラインセンサが、X線を検出する第2の検出部と、前記第2の検出部を駆動する第2の駆動回路とを有し、前記支持部材が、前記第1の検出部、前記第1の駆動回路、前記第2の検出部および前記第2の駆動回路が実装されることで前記第1の検出部、前記第1の駆動回路、前記第2の検出部および前記第2の駆動回路を支持する単一の回路基板であることを特徴とする。
【0012】
この構成により、第1のX線ラインセンサおよび第2のX線ラインセンサの構成部材を、支持部材としての単一の回路基板に実装することにより、回路基板の実装工程で第1のX線ラインセンサと第2のX線ラインセンサの位置決めを同時に行うことができ、後工程での第1のX線ラインセンサと第2のX線ラインセンサの位置決め作業を省略することができる。
【0013】
また、本発明に係るX線異物検出装置は、前記第1のX線ラインセンサが、X線を検出する第1の検出部と、前記第1の検出部を駆動する第1の駆動回路と、前記第1の検出部および前記第1の駆動回路が実装される第1の回路基板と、から構成されるとともに、前記第2のX線ラインセンサが、X線を検出する第2の検出部と、前記第2の検出部を駆動する第2の駆動回路と、前記第2の検出部および前記第2の駆動回路が実装され前記第1の回路基板とは別部材の第2の回路基板と、から構成され、前記支持部材が、前記第1の回路基板および前記第2の回路基板を支持することを特徴とする。
【0014】
この構成により、第1のX線ラインセンサの第1の回路基板と第2のX線ラインセンサの第2の回路基板とを、単一の支持部材で支持することにより、第1の回路基板と第2の回路基板を支持部材に支持させる組み付け工程において、X線ラインセンサと第2のX線ラインセンサの位置決め作業を行うことができる。
【0015】
また、本発明に係るX線異物検出装置は、前記支持部材が、前記第1の検出部と前記第2の検出部とが近接する配置で、前記第1のX線ラインセンサおよび前記第2のX線ラインセンサを双方が平行となる位置関係を保って支持することを特徴とする。
【0016】
この構成により、第1のX線ラインセンサと第2のX線ラインセンサの被検査物搬送方向に対する角度のずれが僅かに残った場合であっても、第1の検出部と第2の検出部とが近接する配置とすることで、X線画像データ上の被検査物の位置のずれを低減することができる。
【0017】
また、本発明に係るX線異物検出装置は、前記角度調整部材を駆動する角度調整部材駆動手段と、前記位置調整部材を駆動する位置調整部材駆動手段と、前記角度調整判定手段が判定した角度調整方向および角度調整量と、前記位置調整判定手段が判定した位置調整方向および位置調整量に従って、前記角度調整部材駆動手段および前記位置調整部材駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
この構成により、角度調整判定手段が判定した角度調整方向および角度調整量と、位置調整判定手段が判定した位置調整方向および位置調整量に従って、駆動制御手段によって角度調整部材駆動手段および位置調整部材駆動手段が駆動制御されるので、第1のX線ラインセンサと第2のX線ラインセンサの被検査物搬送方向に対する角度、および第1のX線ラインセンサと第2のX線ラインセンサの被検査物搬送方向と直交する方向の位置を自動的に調整することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、合成画像上の被検査物の位置ずれを低減し、異物検出能力の低下を防止することができるX線異物検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態に係るX線異物検出装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るX線異物検出装置の側面および内部構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るX線異物検出装置のX線ラインセンサを示す上面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るX線異物検出装置のX線ラインセンサを示す側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るX線異物検出装置のX線ラインセンサの他の例を示す上面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るX線異物検出装置のX線ラインセンサの傾斜状態を示す上面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るX線異物検出装置のX線ラインセンサの傾斜状態の他の例を示す上面図である。
【図8】(a)は、被検査物搬送方向から見た搬送面の断面図であり、(b)は、2つのX線ラインセンサから取得した第1の波形および第2の波形を示す図であり、(c)は、第1の波形と第2の波形の差分を示す図であり、(d)は、第1の波形および第2の波形が全体的に横方向に偏移した状態を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るX線異物検出装置のX線ラインセンサを示す上面図であり、X線ラインセンサの角度を自動調整する構成を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係るX線異物検出装置の側面および内部構成を示す図であり、X線ラインセンサの角度を自動調整する構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
まず構成について説明する。
【0023】
図1に示すように、X線異物検出装置1は、搬送部2と検出部3とを筐体4の内部に備え、表示器5を筐体4の前面上部に備えている。
【0024】
搬送部2は、被検査物Wを所定間隔をおいて順次搬送するものである。この搬送部2は、例えば筐体4内部で水平に配置されたベルトコンベアにより構成されている。搬送部2は、図1に示す駆動モータ6により予め設定された搬送速度で駆動され、搬入口7から搬入された被検査物Wを搬送方向である搬出口8側(図中X方向)に向けて、無端状のベルトの上側の搬送面としてのベルト面2a上を搬送させるようになっている。筐体4内部においてベルト面2a上を搬入口7から搬出口8まで貫通する空間は搬送路21を形成している。
【0025】
検出部3は、順次搬送される被検査物Wに対し、搬送路21の途中の検査空間22においてX線を照射するとともに被検査物Wを透過するX線を検出するものであり、搬送路21途中の検査空間22の上方に所定高さ離隔して配置されたX線発生器9と、搬送部2内にX線発生器9と対向して配置されたX線検出器10を備えている。
【0026】
X線発生源としてのX線発生器9は、金属製の箱体11の内部に設けられた円筒状のX線管30を図示しない絶縁油に浸漬した構成を有している。本実施の形態では、X線管30として、2つのX線管31、32を備え、X線管31、32の陰極からの電子ビームを陽極のターゲットに照射させてX線を生成している。X線管31、32は、その長手方向が被検査物Wの搬送方向(X方向)となるよう配置されている。X線管31、32により生成されたX線は、下方のX線検出器10に向けて、図示しないスリットにより略三角形状のスクリーン状となって搬送方向(X方向)を横切るように照射されるようになっている。
【0027】
ここで、X線管31、32が発生するX線の強度は、X線管31、32の陽極と陰極との間に流す電流(管電流)に比例して変化するとともに、発生するX線の波長がX線管31、32の陽極と陰極との間に印加する電圧(管電圧)に応じて短くなり透過力が強くなる。すなわち、X線管31、32から発生されるX線の線質は、X線管31、32の管電流および管電圧に応じて変化する。本実施の形態では、X線管31が発生するX線の強度とX線管31が発生するX線の強度を異ならせており、例えば、X線管31を高出力(高エネルギーの線質のX線を出力)、X線管32を低出力(低エネルギーの線質のX線を出力)としている。
【0028】
なお、X線管31、32が発生するX線の強度は、必ずしも一定値に固定されるものではなく、検出対象とする異物および被検査物Wの種類や搬送速度に応じて、X線管31、32の管電流または管電圧が調整されるようになっている。
【0029】
X線検出器10は、搬送される被検査物Wの搬送方向(X方向)の平面上で搬送方向と直交するY方向に複数の検出素子を直線状に並べたX線ラインセンサ50を備えている。本実施の形態では、X線ラインセンサ50として、2つのX線ラインセンサ51、52を被検査物Wの搬送方向に備え、X線ラインセンサ51は、高出力のX線管31から照射されて被検査物Wを透過した検出信号(濃度データの画像)を出力し、X線ラインセンサ52は、高出力のX線管32から照射されて被検査物Wを透過した検出信号(濃度データの画像)を出力するようになっている。
【0030】
なお、X線ラインセンサ51、52は、後述するように、X線を受けて光(蛍光)を発する図示しないシンチレータおよびこのシンチレータからの光を受光する受光素子からなる検出部51a、52a(図3参照)と、この検出部51a、52aを駆動する駆動回路51b、52b(図3参照)とを備えている。このようにX線ラインセンサ51、52が検出部51a、52aと駆動回路51b、52bとからなる場合、被検査物搬送方向に対して検出部51a、52aが傾斜していると、検出部51a、52aでそれぞれ検出したX線画像の間で被検査物Wの位置がずれてしまうため、本実施の形態のX線異物検出装置1は、詳細は後述するが、検出部51a、52aの角度と位置が容易に調整できるように構成されている。
【0031】
ここで、本実施の形態では、X線検出器10は、内蔵する図示しないA/D変換部によりX線ラインセンサ51、52の検出信号(輝度値データ)をデジタルデータに変換して濃度データとして出力するようになっているが、X線検出器10の外部にA/D変換部を備える構成としたり、A/D変換前の輝度値データのまま後段の総合制御部40に出力する等の構成としてもよく、デジタルデータである濃度データに変換することは必須要件ではない。
【0032】
X線ラインセンサ51、52を備えるX線検出器10からは、後述する総合制御部40(図2参照)での異物混入の有無の判定に必要なX線画像データを出力するようになっている。
【0033】
図2に示すように、搬送路21内の天井部21aには、搬送方向(X方向)に沿って複数箇所にX線遮蔽用の遮蔽カーテン16が吊り下げ配置されている。遮蔽カーテン16は、X線を遮蔽する鉛粉を混入したゴムシートをのれん状(上部が繋がっており下部が帯状に分割された状態)に加工したものから構成されており、検査空間22から搬送路21を介してX線が筐体4の外部に漏えいすることを防止するものである。
【0034】
遮蔽カーテン16は、本実施の形態では、搬入口7と検査空間22との間、および検査空間22と搬出口8との間にそれぞれ2枚ずつ設けられており、1つの遮蔽カーテン16が被検査物Wと接触して弾性変形して隙間が生じた場合でも、他の遮蔽カーテン16がX線を遮蔽するので漏えい基準量を超えることなくX線の漏えいを防止できるようになっている。
【0035】
なお、検査空間22の上面にはスリットが配置され、検査空間22の下面、側面は、X線の遮蔽のために筐体4等により略閉塞されている。搬送路21における遮蔽カーテン16、スリット、および筺体4等により囲まれた内側の空間が検査空間22を構成している。
【0036】
X線異物検出装置1は、X線検出器10から受け取った濃度データに基づく被検査物W中の異物の有無の判定を含む総合的な制御を行う総合制御部40を備えている。
【0037】
総合制御部40は、X線異物検出装置1の総合的な制御を行うものであり、X線ラインセンサ51、52からの濃度データを検出して所定のタイミングの濃度データをそれぞれ有効化するデータ検出部61、62と、データ検出部61、62からの濃度データをそれぞれ複数記憶する記憶部43と、X線ラインセンサ51、52からの濃度データの画像(以下、単に画像という)に対して合成処理、フィルタ処理等の画像処理を施す画像処理部44と、画像処理部44で画像処理が施された画像に対して被検査物Wと異物との判別を行って異物の混入の有無を判定する判定部48とを備えている。判定部48による判定結果は表示器5に表示されるようになっている。
【0038】
データ検出部60は、本実施の形態では2つのデータ検出部61、62からなり、X線ラインセンサ51、52からの濃度データに対して所定のタイミングで入力された濃度データ、すなわち、所定のデータ有効化入力タイミングの範囲のデータだけをそれぞれ有効化するようになっている。
【0039】
記憶部43は、X線ラインセンサ51、52から出力されたデータのうち、データ検出部61、62で有効化されたデータを一時的に記憶するものであり、画像を高速に記憶および読み出しが可能なメモリから構成されている。
【0040】
画像処理部44は、X線ラインセンサ51、52からの濃度データの画像に対して合成処理、フィルタ処理等の画像処理を施すようになっている。
【0041】
判定部48は、画像処理部44で画像処理が施された画像に対して、画像上の被検査物Wの中から異物を検出し、異物の混入の有無を判定するようになっている。
【0042】
また、X線異物検出装置1は、X線発生器9のX線出力、被検査物Wの搬送速度、X線検出器10の検査パラメータの設定操作、選択操作が行われる設定部49を備えており、この設定部49は、筐体4の前面上部の表示器5の隣に配置されている。
【0043】
図3、図4に示すように、本実施の形態では、X線ラインセンサ51は、X線を検出する検出部51aと、この検出部51aを駆動する駆動回路51bとを有するとともに、X線ラインセンサ52は、X線を検出する検出部52aと、この検出部52aを駆動する駆動回路52bとを有し、これら検出部51a、52a、駆動回路51b、52bは、単一の回路基板71上に実装されることで、この回路基板71に支持されている。また、X線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52は、双方が平行となる位置関係を保って回路基板71に支持されている。回路基板71には、検出部51aと検出部52aとが近接および隣接し、駆動回路51bと駆動回路52bとが離隔するよう各部材が配置されている。換言すると、回路基板71には、検出部51aと検出部52aとが向きあうように、これらが配置されている。このため、検出部51aと検出部52aとが近接する配置とすることで、回路基板71が被検査物搬送方向に対して僅かに傾斜した状態、すなわち、検出部51a、52aの延在方向が被検査物搬送方向と直交する方向と平行でない状態であっても、被検査物搬送方向と直交する方向における検出部51aと検出部52aの位置の差を低減することができる。
【0044】
回路基板71は、被検査物搬送方向に対して角度調整可能に構成されている。具体的には、回路基板71は、略中央部に、後述するスライド部材78に軸支される回動支点73を備えており、この回動支点73を中心として回動することにより、被検査物搬送方向に対して角度調整可能となっている。回路基板71の角部の側面側には、回路基板71に当接してこの回路基板71の被検査物搬送方向に対する角度の調整を行う角度調整部材74が設けられ、回路基板71の反対側の角部の側面側には、回路基板71に当接してこの回路基板71を角度調整部材74の側に押圧する圧縮ばね75が設けられている。角度調整部材74は、マイクロメータと同様の機構からなっており、調整ハンドル74aが操作されると、角部の位置を図中左右方向に変位させることにより、回路基板71を回動支点73の周りに回動させて、回路基板71の被検査物搬送方向に対する角度を調整するようになっている。
【0045】
また、回路基板71は、被検査物搬送方向と直交する方向(図の左右方向)に対して位置調整可能に構成されている。具体的には、回路基板71の回動支点73を軸支するスライド部材78は、筺体4上を被検査物搬送方向と直交する方向にスライド可能に設けられており、このスライド部材78が変位することにより、回路基板71を被検査物搬送方向と直交する方向に位置調整可能となっている。回路基板71の被検査物搬送方向の中央の一方の側面側には、スライド部材78に当接してスライド部材78および回路基板71の被検査物搬送方向と直交する方向の位置の調整を行う位置調整部材76が設けられ、回路基板71の他方の側面側には、スライド部材78に当接してスライド部材78および回路基板71を位置調整部材76の側に押圧する圧縮ばね77が設けられている。位置調整部材76は、マイクロメータと同様の機構からなっており、調整ハンドル76aが操作されると、スライド部材78および回路基板71の被検査物搬送方向と直交する方向の位置を調整するようになっている。
【0046】
なお、図5に示すように、X線ラインセンサ51を、検出部51a、駆動回路51bおよびこれら検出部51a、駆動回路51bが実装される回路基板51cから構成するとともに、X線ラインセンサ52を、検出部52a、駆動回路52bおよびこれら検出部52a、駆動回路52bが実装される回路基板52cから構成し、これら回路基板51cおよび回路基板52cを、X線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52が双方が平行となる位置関係を保つよう単一の支持部材72により支持させてもよい。
【0047】
また、図2に示すように、本実施の形態では、総合制御部40は、回路基板71または支持部材72の調整角度および調整量を判定する角度調整判定部91と、回路基板71または支持部材72の被検査物搬送方向と直交する方向(直交方向)の調整方向および調整量を判定する位置調整判定手段92と、を備え、表示器5は、角度調整判定部91および位置調整判定部92の判定結果を表示するようになっている。
【0048】
角度調整判定部91は、X線ラインセンサ51から出力された第1のX線画像データにおける被検査物Wの幅方向の波形である第1の波形(図8(a)参照)と、X線ラインセンサ52から出力された第2のX線画像データにおける被検査物Wの幅方向の波形である第2の波形(図8(a)参照)とを取得し、第1の波形と第2の波形の差分に基づいて回路基板71または支持部材72の角度調整方向を判定するとともに、第1の波形と第2の波形の横位置の差に基づいて回路基板71または支持部材72の角度調整量を判定するようになっている。
【0049】
具体的には、図6または図7に示すように、被検査物搬送方向に対してX線ラインセンサ51、52が傾斜してしまった状態の場合、被検査物搬送方向の手前側から奥側を見ると、図8(a)に示すように、X線ラインセンサ51の位置がX線ラインセンサ52の位置より右側にずれることとなり、図8(b)に示すように、第1の波形より第2の波形が右側に離隔距離Dだけ離れた位置となる。この場合、第1の波形と第2の波形の差分画像においては、図8(c)に示すように、第1の波形および第2の波形の左端では第1の波形の値が第2の波形の値より大きいことによりエッジ100Lがプラス側に発生し、第1の波形および第2の波形の右端では第1の波形の値が第2の波形の値より小さいことによりエッジ100Rがマイナス側に発生する。角度調整判定部91は、第1の波形と第2の波形の差分データにおける2つのエッジ100R、100Lがそれぞれプラス側またはマイナス側の何れであるかにより回路基板71または支持部材72の調整方向を判定し、第1の波形と第2の波形の横方向の離隔距離Dから回路基板71または支持部材72の調整量を判定している。角度調整判定部91は、例えば、図8(c)のように、第1の波形および第2の波形の左端でプラス側のエッジ100Lが発生し、第1の波形および第2の波形の右端でマイナス側のエッジ100Rが発生しているときは、第1の波形が右側に移動しかつ第2の波形が左側に移動してこれらのエッジ100R、100Lが消滅するためには、図8(a)において、X線ラインセンサ51の位置を左側に移動し、かつ、X線ラインセンサ52の位置より右側に移動すればよいため、回路基板71または支持部材72の調整方向が反時計方向であると判定する。この場合、表示器5には、例えば"角度調整方向:反時計方向、角度調整量:0.3°"等と表示される。
【0050】
また、位置調整判定部92は、第1の波形および第2の波形とを取得し、第1の波形と第2の波形の横位置に基づいて、回路基板71または支持部材72の被検査物搬送方向と直交する直交方向の位置調整方向、および回路基板71または支持部材72の被検査物搬送方向と直交する直交方向の位置調整量を判定するようになっている。
【0051】
具体的には、位置調整判定部92は、回路基板71または支持部材72が被検査物搬送方向と直交する直交方向に中央位置から偏ってしまっている状態では、図8(d)に示すように、第1の波形と第2の波形が同じ位置で重なっていても、第1の波形と第2の波形の全体の位置が中央の適正位置から横方向に偏ってしまい好ましくないため、この第1の波形と第2の波形の全体の位置が中央の適正位置になるよう、適正位置との距離および変位方向に応じて、回路基板71または支持部材72の被検査物搬送方向と直交する直交方向の位置の調整方向および調整量を判定するようになっている。位置調整判定部92による判定結果は、表示器5に、例えば"位置調整方向:奥側、位置調整量:2mm"等と表示される。
【0052】
図9に示すように、角度調整部材74を駆動する角度調整部材駆動モータ81を調整ハンドル74aに連結するとともに、位置調整部材76を駆動する位置調整部材駆動モータ82を調整ハンドル76aに連結し、更に、図10に示すように、総合制御部40にこれら角度調整部材駆動モータ81および位置調整部材駆動モータ82を駆動制御する駆動制御部93を設けるように構成してもよい。
【0053】
図9の例では、駆動制御部93は、角度調整判定部91が判定した角度調整方向および角度調整量に従って角度調整部材駆動モータ81を駆動制御し、位置調整判定部92が判定した位置調整方向および位置調整量に従って位置調整部材駆動モータ82を駆動制御する。また、角度調整部材駆動モータ81および位置調整部材駆動モータ82は、パルス駆動するステッピングモータおよび図示しない減速機構等から構成される。このように構成することで、判定された角度調整方向、角度調整量、位置調整方向、位置調整量に従って、駆動制御部93が角度調整部材駆動モータ81および位置調整部材駆動モータ82を駆動制御し、角度と位置の調整作業を自動化することができる。
【0054】
以上のように、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、X線ラインセンサ51およびX線ラインセンサ52を双方が平行となる位置関係を保って支持するとともに、被検査物搬送方向に対して角度調整可能に構成された単一の回路基板71または支持部材72と、回路基板71または支持部材72の被検査物搬送方向に対する角度の調整操作を行う角度調整部材74と、第1のX線画像データにおける被検査物Wの幅方向の波形である第1の波形と第2のX線画像データにおける被検査物Wの幅方向の波形である第2の波形とを取得し、第1の波形と第2の波形の差分に基づいて回路基板71または支持部材72の角度調整方向を判定するとともに、第1の波形と第2の波形の横位置の差に基づいて回路基板71または支持部材72の角度調整量を判定する角度調整判定部91と、角度調整判定部91による判定結果を表示する表示器5と、を備えたことを特徴とする。
【0055】
この構成により、角度調整判定部91により判定されて表示器5に表示される角度調整方向および角度調整量に従って、X線ラインセンサ51、52を支持する単一の回路基板71または支持部材72の被検査物搬送方向に対する角度を、角度調整部材74を操作して調整することにより、X線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52の被検査物搬送方向に対する角度を同時にかつ容易に調整することができる。したがって、合成画像上の被検査物Wの位置ずれを低減し、異物検出能力の低下を防止することができる。
【0056】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、回路基板71または支持部材72の被検査物搬送方向と直交する直交方向の位置の調整操作を行う位置調整部材76と、第1のX線画像データにおける被検査物Wの幅方向の波形である第1の波形と第2のX線画像データにおける被検査物Wの幅方向の波形である第2の波形とを取得し、第1の波形と第2の波形の横位置に基づいて回路基板71または支持部材72の直交方向の位置調整方向および回路基板71または支持部材72の直交方向の位置調整量を判定する位置調整判定部92と、を備え、表示器5が、位置調整判定部92による判定結果を表示することを特徴とする。
【0057】
この構成により、位置調整判定部92により判定されて表示器5に表示される位置調整方向および位置調整量に従って、X線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52を支持する単一の回路基板71または支持部材72の被検査物搬送方向と直交する方向の位置を、位置調整部材76を操作して調整することにより、X線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52の被検査物搬送方向と直交する方向の位置を同時にかつ容易に調整することができる。
【0058】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、X線ラインセンサ51が、X線を検出する検出部51aと、検出部51aを駆動する駆動回路51bとを有するとともに、X線ラインセンサ52が、X線を検出する検出部52aと、検出部52aを駆動する駆動回路52bとを有し、回路基板71が、検出部51a、52a、駆動回路51b、52bが実装されることで検出部51a、52a、駆動回路51b、52bを支持することを特徴とする。
【0059】
この構成により、X線ラインセンサ51およびX線ラインセンサ52の構成部材を、支持部材としての単一の回路基板71に実装することにより、回路基板71の実装工程でX線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52の位置決めを同時に行うことができ、後工程でのX線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52の位置決め作業を省略することができる。
【0060】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、X線ラインセンサ51が、X線を検出する検出部51aと、検出部51aを駆動する駆動回路51bと、検出部51aおよび駆動回路51bが実装される回路基板51cと、から構成されるとともに、X線ラインセンサ52が、X線を検出する検出部52aと、検出部52aを駆動する駆動回路52bと、検出部52aおよび駆動回路52bが実装され回路基板51cとは別部材の回路基板52cと、から構成され、支持部材72が、回路基板51cおよび回路基板52cを支持することを特徴とする。
【0061】
この構成により、X線ラインセンサ51の回路基板51cとX線ラインセンサ52の回路基板52cとを、単一の支持部材72で支持することにより、回路基板51cと回路基板52cを支持部材72に支持させる組み付け工程において、X線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52の位置決め作業を行うことができる。
【0062】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、回路基板71または支持部材72が、検出部51aと検出部52aとが近接する配置で、X線ラインセンサ51およびX線ラインセンサ52を双方が平行となる位置関係を保って支持することを特徴とする。
【0063】
この構成により、X線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52の被検査物搬送方向に対する角度のずれが僅かに残った場合であっても、検出部51aと検出部52aとが近接する配置とすることで、X線画像データ上の被検査物Wの位置のずれを低減することができる。
【0064】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、角度調整部材74を駆動する角度調整部材駆動モータ81と、位置調整部材76を駆動する位置調整部材駆動モータ82と、角度調整判定部91が判定した角度調整方向および角度調整量と、位置調整判定部92が判定した位置調整方向および位置調整量に従って、角度調整部材駆動モータ81および位置調整部材駆動モータ82を駆動制御する駆動制御部93と、を備えたことを特徴とする。
【0065】
この構成により、角度調整判定部91が判定した角度調整方向および角度調整量と、位置調整判定部92が判定した位置調整方向および位置調整量に従って、駆動制御部93によって角度調整部材駆動モータ81および位置調整部材駆動モータ82が駆動制御されるので、X線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52の被検査物搬送方向に対する角度、およびX線ラインセンサ51とX線ラインセンサ52の被検査物搬送方向と直交する方向の位置を自動的に調整することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明に係るX線異物検出装置は、合成画像上の被検査物の位置ずれを低減し、異物検出能力の低下を防止することができるという効果を有し、複数本のX線ラインセンサからの画像を合成して異物を強調させた画像を得るエネルギーサブトラクション法を採用したX線異物検出装置として有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 X線異物検出装置
2 搬送部(搬送手段)
2a ベルト面(搬送面)
3 検出部
4 筐体
5 表示器(表示手段)
6 駆動モータ
7 搬入口
8 搬出口
9 X線発生器
10 X線検出器
11 箱体
16 遮蔽カーテン
21 搬送路
21a 天井部
22 検査空間
30 X線管
31 X線管(第1のX線源)
32 X線管(第2のX線源)
40 総合制御部
43 記憶部
44 画像処理部(画像合成手段)
48 判定部(判定手段)
49 設定部
51 X線ラインセンサ(第1のX線ラインセンサ)
51a 検出部(第1の検出部)
51b 駆動回路(第1の駆動回路)
51c 回路基板(第1の回路基板)
52 X線ラインセンサ(第2のX線ラインセンサ)
52a 検出部(第2の検出部)
52b 駆動回路(第2の駆動回路)
52c 回路基板(第2の回路基板)
61、62 データ検出部
71 回路基板(支持部材)
72 支持部材
73 回動支点
74 角度調整部材
74a、76a 調整ハンドル
75、77 圧縮ばね
76 位置調整部材
91 角度調整判定部(角度調整判定手段)
92 位置調整判定部(位置調整判定手段)
93 駆動制御部(駆動制御手段)
W 被検査物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物を搬送面上で被検査物搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送面上を搬送される被検査物に互いに異なる強度のX線を照射する第1のX線源および第2のX線源と、
前記搬送面を挟んで前記第1のX線源および前記第2のX線源と対向する位置に配置され、前記第1のX線源から照射され前記被検査物を透過するX線に応じた第1のX線画像データおよび前記第2のX線源から照射され前記被検査物を透過するX線に応じた第2のX線画像データをそれぞれ出力する第1のX線ラインセンサおよび第2のX線ラインセンサと、
前記第1のX線画像データおよび第2のX線画像データを合成して前記被検査物に対応する1つの画像データとして出力する画像合成手段と、
前記画像合成手段が出力する画像データに基づいて前記被検査物中の異物の有無を判定する判定手段と、を備えるX線異物検出装置であって、
前記第1のX線ラインセンサおよび前記第2のX線ラインセンサを双方が平行となる位置関係を保って支持するとともに、前記被検査物搬送方向に対して角度調整可能に構成された単一の支持部材と、
前記支持部材の前記被検査物搬送方向に対する角度の調整操作を行う角度調整部材と、
前記第1のX線画像データにおける前記被検査物の幅方向の波形である第1の波形と前記第2のX線画像データにおける前記被検査物の幅方向の波形である第2の波形とを取得し、前記第1の波形と前記第2の波形の差分に基づいて前記支持部材の角度調整方向を判定するとともに、前記第1の波形と前記第2の波形の横位置の差に基づいて前記支持部材の角度調整量を判定する角度調整判定手段と、
前記角度調整判定手段による判定結果を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とするX線異物検出装置。
【請求項2】
前記支持部材の前記被検査物搬送方向と直交する直交方向の位置の調整操作を行う位置調整部材と、
前記第1のX線画像データにおける前記被検査物の幅方向の波形である第1の波形と前記第2のX線画像データにおける前記被検査物の幅方向の波形である第2の波形とを取得し、前記第1の波形と前記第2の波形の横位置に基づいて前記支持部材の前記直交方向の位置調整方向および前記支持部材の前記直交方向の位置調整量を判定する位置調整判定手段と、を備え、
前記表示手段が、前記位置調整判定手段による判定結果を表示することを特徴とする請求項1に記載のX線異物検出装置。
【請求項3】
前記第1のX線ラインセンサが、X線を検出する第1の検出部と、前記第1の検出部を駆動する第1の駆動回路とを有するとともに、前記第2のX線ラインセンサが、X線を検出する第2の検出部と、前記第2の検出部を駆動する第2の駆動回路とを有し、
前記支持部材が、前記第1の検出部、前記第1の駆動回路、前記第2の検出部および前記第2の駆動回路が実装されることで前記第1の検出部、前記第1の駆動回路、前記第2の検出部および前記第2の駆動回路を支持する単一の回路基板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線異物検出装置。
【請求項4】
前記第1のX線ラインセンサが、X線を検出する第1の検出部と、前記第1の検出部を駆動する第1の駆動回路と、前記第1の検出部および前記第1の駆動回路が実装される第1の回路基板と、から構成されるとともに、前記第2のX線ラインセンサが、X線を検出する第2の検出部と、前記第2の検出部を駆動する第2の駆動回路と、前記第2の検出部および前記第2の駆動回路が実装され前記第1の回路基板とは別部材の第2の回路基板と、から構成され、
前記支持部材が、前記第1の回路基板および前記第2の回路基板を支持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線異物検出装置。
【請求項5】
前記支持部材が、前記第1の検出部と前記第2の検出部とが近接する配置で、前記第1のX線ラインセンサおよび前記第2のX線ラインセンサを双方が平行となる位置関係を保って支持することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のX線異物検出装置。
【請求項6】
前記角度調整部材を駆動する角度調整部材駆動手段と、
前記位置調整部材を駆動する位置調整部材駆動手段と、
前記角度調整判定手段が判定した角度調整方向および角度調整量と、前記位置調整判定手段が判定した位置調整方向および位置調整量に従って、前記角度調整部材駆動手段および前記位置調整部材駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のX線異物検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−194101(P2012−194101A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59129(P2011−59129)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】