説明

X線異物検査装置

【課題】低コストで実現可能でありながらも、比較的大きなサイズの検査対象物について、小さな異物の検出が可能なX線異物検査装置を提供する。
【解決手段】全体検査においては、第1のX線検出手段4aは、X線の強度に応じた濃度値の画素を持ち検査対象物1の全体を含む全体透視画像を出力する。判断手段7は、全体透視画像を取得し、全体透視画像に基づいて検査対象物1中の異物の有無を判断するとともに、異物の有無が確定しなければ異物候補があると判断し再検査を開始させる。再検査においては、移動制御手段6は移動手段5を制御することで第2のX線検出手段4bを移動させる。第2のX線検出手段4bは、X線の強度に応じた濃度値の画素を持ち異物候補が含まれる検査対象物1の一部を拡大した拡大透視画像を出力する。判断手段7は、拡大透視画像を取得し、拡大透視画像に基づいて異物候補が異物か否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物にX線を照射することにより検査対象物の透視画像を取得し、当該透視画像を用いて検査対象物中の異物の有無を判断するX線異物検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のX線異物検査装置の一例として、図9に示すように、X線を放射するX線源3と、検査対象物1を透過したX線源3からのX線を検出するX線検出部が複数配列されてなるX線検出器4と、X線源3とX線検出器4との間に検査対象物1を搬送する搬送手段2とを備えたものが提案されている。このX線異物検査装置は、X線検出器4における各X線検出部で検出したX線の強度に応じた濃度値の画素を持つ透視画像を用いて、検査対象物1や検査対象物1中の異物により遮られたX線の強度の低下を検出することで検査対象物1に異物が混入しているか否かを検査する。
【0003】
ところで、X線異物検査装置は透視画像を用いて検査対象物1中の異物の有無を判断するので、透視画像の解像度が高いほど、より小さな異物を検出可能となる。しかしながら、一般的なX線異物検査装置は透視画像の解像度が低く、小さな異物を検出することは困難である。
【0004】
そこで、透視画像の解像度を向上させるために、図10に示すように、X線検出器4におけるX線検出部(素子)の配列方向を、搬送手段2による検査対象物1の搬送方向に直交する平面に対して角度θ(θ≠90度)だけ傾けて設定することにより、前記搬送方向に直交する面内でのX線検出部のピッチを実際のX線検出部のピッチのcosθ倍に縮小したX線異物検査装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
ただし、特許文献1に記載のX線異物検査装置においては、前記搬送方向に直交する面内でのX線検出器4の有効長さがX線検出器4の全長のcosθ倍に縮小されるので、比較的大きなサイズの検査対象物1については全体の透視画像を取得することはできない。検査対象物1中の異物の有無を検査するためには、検査対象物1の全体の透視画像を取得する必要があるので、特許文献1のX線異物検査装置では、比較的大きなサイズの検査対象物1については異物の有無を検査することができないことになる。
【0006】
これに対して、比較的大きなサイズの検査対象物1についても全体の透視画像を取得して異物の有無を検査できるように、X線検出部を多数列設した複数のセンサを、搬送手段2による検査対象物1の搬送方向と直交する面内で略一列に並設することで、これら複数のセンサを前記X線検出器4(検出部)としたX線異物検査装置が提案されている(たとえば特許文献2参照)。この構成では、複数のセンサにより検査対象物1の全体について高解像度の透視画像を取得することができるので、比較的大きなサイズの検査対象物1について、小さな異物の検出が可能となる。
【特許文献1】特開2004−301674号公報(第4−5頁、図1)
【特許文献2】特開2005−283147号公報(第4−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の発明では、検査対象物1のサイズが大きくなるほど多数のセンサが必要になり、X線検出器4にかかるコストが増加し、X線異物検査装置が高コストになるという問題がある。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、低コストで実現可能でありながらも、比較的大きなサイズの検査対象物について、小さな異物の検出が可能なX線異物検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明では、検査対象物を搬送する搬送手段と、検査対象物にX線を放射するX線源と、検査対象物を透過したX線源からのX線を検出するX線検出部が複数配列されてなり、検査対象物中の異物の有無を検査する全体検査時に、各X線検出部で検出したX線の強度に応じた濃度値の画素を持ち検査対象物の全体を含む全体透視画像を出力する第1のX線検出手段と、全体検査時に全体透視画像を取得し、当該全体透視画像における画素の濃度値および画素数の組み合わせに基づいて検査対象物中の異物の有無を判断するとともに、異物の有無が確定しなければ異物候補があると判断して異物候補が異物か否かを検査する再検査を開始させる判断手段と、前記X線検出部が複数配列されてなり、再検査時に、各X線検出部で検出したX線の強度に応じた濃度値の画素を持ち少なくとも異物候補が含まれる検査対象物の一部を拡大した拡大透視画像を出力する第2のX線検出手段と、第2のX線検出手段を移動させる移動手段と、移動手段を制御することにより再検査時に拡大透視画像が得られるように第2のX線検出手段を移動させる移動制御手段とを備え、判断手段は、再検査時に拡大透視画像を取得し、当該拡大透視画像における画素の濃度値および画素数の組み合わせに基づいて異物候補が異物か否かを判断することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、全体検査で異物候補があると判断された場合の再検査においては、第2のX線検出手段を移動させることで異物候補を含む検査対象物の一部を拡大した拡大透視画像を第2のX線検出手段から取得して異物候補が異物か否かを検査するので、再検査では異物候補が異物か否かを確実に判断することができる。すなわち、全体検査において全体透視画像を用いて検査対象物の全体を検査しつつ、再検査においては高解像度の拡大透視画像を用いて小さな異物でも確実に検出することができる。しかも、この構成では、検査対象物のサイズが大きくなっても多数のX線検出手段が必要になることはないので、検査対象物のサイズが大きくなるほど多数のセンサが必要になる従来構成に比べてX線異物検査装置を低コストで実現できる。したがって、低コストで実現可能でありながらも、比較的大きなサイズの検査対象物について、小さな異物を検出することができるという利点がある。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記X線源と前記搬送手段との距離が一定であって、X線源からのX線がX線源から離れるほど広がっており、前記移動制御手段が、前記再検査時に、前記異物候補の大きさに合わせて前記第2のX線検出手段と前記X線源との間の距離を前記移動手段で調節することにより前記拡大透視画像の拡大率を調節することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、再検査時に、異物候補の大きさに合わせて第2のX線検出手段とX線源との間の距離を移動手段で調節することにより拡大透視画像の拡大率を調節するので、異物候補が小さいほど拡大透視画像の拡大率を向上させて拡大透視画像の解像度を向上させることができ、再検査における検査精度が向上する。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記判断手段が、異物のない正常な前記検査対象物の前記全体透視画像を標準画像として前記全体検査前に予め取得しており、全体検査時に前記第1のX線検出手段から取得した全体透視画像を取得画像として、取得画像と標準画像との差分をとることにより検査対象物の差分画像を生成し、当該差分画像について濃度値が所定値以上となる画素を異常画素とし、隣接する異常画素の濃度値および画素数の組み合わせに基づいて検査対象物中の異物の有無、あるいは前記異物候補があるかを判断することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、判断手段は、全体検査時に取得画像と標準画像との差分をとった差分画像を用いて検査対象物中の異物の有無、あるいは前記異物候補があるかを判断するので、異物のない正常な検査対象物の輪郭等を誤って異物あるいは異物候補と判断してしまうことを回避できる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、前記第1および第2の両X線検出手段は複数の前記X線検出部が2次元配列され前記X線源と対向配置された1つのX線検出器からなり、前記移動手段がX線検出器を移動させるように構成され、前記移動制御手段が、前記全体検査時には前記全体透視画像が得られる基準位置にX線検出器を移動手段で移動させ、前記再検査時には前記拡大透視画像が得られる拡大位置にX線検出器を移動手段で移動させており、1つの前記検査対象物について全体検査を行う期間に検査対象物がX線源とX線検出器との間に設定した所定の検査位置で停止するとともに、再検査を行う場合には再検査が終了するまで検査対象物が前記停止位置で引き続き停止するように前記搬送手段を制御する搬送制御手段を備えることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、第1および第2の両X線検出手段は1つのX線検出器からなるので、第1および第2の両X線検出手段を別々に備える場合に比べて構成が簡単になる。しかも、搬送制御手段により、1つの検査対象物について全体検査を行う期間に所定の検査位置で検査対象物を停止させるとともに、再検査を行う場合には再検査が終了するまで検査対象物を停止位置で引き続き停止させるので、X線検出器の移動範囲を基準位置と拡大位置との間に収めることができ、移動手段および移動制御手段の簡略化につながる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、前記X線源と前記搬送手段との間においてX線源からのX線は前記検査対象物の搬送方向に並ぶ2本のファンビームとして搬送手段に照射しており、前記第1のX線検出手段が、複数の前記X線検出部が1次元配列され前記搬送方向の上流側のファンビームを検出し、前記第2のX線検出手段が、複数の前記X線検出部が1次元配列され前記搬送方向の下流側のファンビームを検出することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、検査対象物の搬送方向の上流側で全体検査を行い、検査対象物の搬送方向の下流側で再検査を行うので、搬送手段による検査対象物の搬送を一旦停止させることなく全体検査と再検査との両方を行うことができる。そのため、検査対象物を一旦停止させて検査対象物の検査を行う場合に比べて、検査対象物の検査に要する時間を短縮できる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかの発明において、前記移動制御手段が、前記再検査時に、前記拡大透視画像のうちの前記異物候補に対応する部位の中心が前記第2のX線検出手段の測定中心と重なるように第2のX線検出手段の位置を前記移動手段で調節することを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、再検査時に、拡大透視画像のうちの異物候補に対応する部位の中心が第2のX線検出手段の測定中心と重なるので、異物候補を透過したX線が第2のX線検出手段からはみ出すことを回避して、異物候補を透過したX線を全て第2のX線検出手段で受けることができる。これにより、再検査において拡大透視画像の拡大率を上げることができ、拡大透視画像の解像度がより向上することになる。
【0021】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかの発明において、前記判断手段が、前記全体検査において1つの前記検査対象物から前記異物候補が複数検出された場合に、前記全体透視画像における各異物候補の画素の濃度値と画素数とに基づいて異物である可能性の程度を示す不良指数を異物候補ごとに計算し、不良指数が最も高い異物候補を前記再検査の対象とし、再検査において前記異物候補が異物ではないと判断すると、前記検査対象物について別途検査を行うことにより異物の有無を判断することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、複数の異物候補のうち、異物である可能性の程度、つまり不良指数が最も高い異物候補を再検査の対象とするので、全ての異物候補について再検査を行う場合に比べて、1つの検査対象物の検査に要する時間を短縮できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、全体検査において全体透視画像を用いて検査対象物の全体を検査しつつ、再検査においては高解像度の拡大透視画像を用いて小さな異物でも確実に検出することができるので、比較的大きなサイズの検査対象物について、小さな異物を検出することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施形態1)
本実施形態のX線異物検査装置は、図1に示すように、検査対象物1を搬送する搬送手段2と、検査対象物1にX線を照射するX線源3と、検査対象物1を透過したX線源3からのX線を検出するX線検出器4と、X線検出器4を移動させる移動手段5と、移動手段5を制御してX線検出器4の位置を調節する移動制御手段6と、X線検出器4での検出結果を用いて検査対象物1中の異物の有無を判断する判断手段7とを備えている。
【0025】
ここで、搬送手段2は、検査対象物1をX線源3とX線検出器4との間を通して一方向(図1に矢印Aで示す方向)に搬送する。X線検出器4は、X線を検出する複数のX線検出部(図示せず)が配列されており、各X線検出部でそれぞれ検出したX線の強度に応じた出力を行う。判断手段7は、それぞれX線検出器4の各X線検出部で検出したX線の強度に対応する濃度値を持つ複数の画素からなる検査対象物1の透視画像を取得し、当該透視画像を用いて検査対象物1中の異物の有無を判断する。なお、X線検出部で検出したX線の強度が大きいほど対応する画素の濃度値は低くなる。
【0026】
ここにおいて、本実施形態のX線異物検査装置は、検査対象物1の全体を含む全体透視画像を用いて検査対象物1中の異物の有無を検査する全体検査を行う。ただし、この全体検査では、判断手段7は検査対象物1中の異物の有無を判断するだけでなく、異物の有無が確定しない場合には異物か否かが定かでない異物候補があると判断する。そして、異物候補があると判断した場合には、異物候補が異物か否かを検査する再検査を開始させる。再検査では、少なくとも異物候補が含まれる検査対象物1の一部を拡大した拡大透視画像を用いて異物候補が異物か否かを検査する。
【0027】
ここに、X線検出器4は、全体検査時に検査対象物1の全体を含む全体透視画像を出力する第1のX線検出手段4aと、再検査時に少なくとも異物候補が含まれる検査対象物1の一部を拡大した拡大透視画像を出力する第2のX線検出手段4bとの両方の機能を有している。移動制御手段6は、移動手段5を制御することで再検査時に拡大透視画像が得られるように第2のX線検出手段4bを移動させる。
【0028】
本実施形態の判断手段7は、全体検査を行う前に異物のない正常な検査対象物1の上記全体透視画像が標準画像として予め取得しており、全体検査時には、第1のX線検出手段4aの出力から取得した全体透視画像を取得画像として、取得画像と標準画像とを比較する画像処理を行う。具体的には、図2に示すように、取得画像と標準画像との差分をとることにより差分画像を得る。ここで得られる差分画像が、実際に検査中の検査対象物1と正常な検査対象物1との相違点であって、検査中の検査対象物1中に異物が存在する場合には、異物に応じた差分画像が得られることになる。なお、本実施形態のX線異物検査装置は、検査対象物1に比べてX線の透過率の低い異物の有無を検査するものであって、検査対象物1中に異物が存在する場合には、差分画像のうち異物に対応する部分の濃度値は周囲の濃度値よりも高くなる。
【0029】
ここにおいて、判断手段7は検査対象物1の差分画像について前記濃度値が所定値以上となる画素を異常画素とし、隣接する異常画素の平均濃度値と画素数との組み合わせに基づいて検査対象物1中の異物の有無を判断する。ただし、前記組み合わせから異物の有無が確定しない場合には上述したように異物候補があると判断する。具体的には、判断手段7は、隣接する異常画素の平均濃度値と画素数との組み合わせについて異常判定ゾーンZ1(図7参照)と正常判定ゾーンZ2(図7参照)とグレーゾーンZ0(図7参照)とを全体透視画像を取得する前に予め設定しており、前記組み合わせが異常判定ゾーンZ1に該当するときには異物があると判断し、前記組み合わせが正常判定ゾーンZ2に該当するときには異物がないと判断し、前記組み合わせがグレーゾーンZ0に該当するときには異物候補があると判断する。なお、異常判定ゾーンZ1、正常判定ゾーンZ2、グレーゾーンZ0の具体例については後述する。
【0030】
さらに、上述の全体検査において異物候補があると判断した場合には再検査を開始し、移動制御手段6が異物候補の位置に合わせて移動手段5で第2のX線検出手段4bの位置を調節するとともに、判断手段7は少なくとも異物候補が含まれる検査対象物1の一部について拡大した拡大透視画像を第2のX線検出手段4bから取得し、この拡大透視画像を用いて前記異物候補が異物か否かを判断する。
【0031】
再検査においては、判断手段7は拡大透視画像の隣接する異常画素の平均濃度値と画素数との組み合わせに基づいて異物候補が異物か否かを判断する。ただし、再検査時には、隣接する異常画素の平均濃度値と画素数との組み合わせに関してグレーゾーンZ0は設定されず、異物があると判断する異常判定ゾーンZ1と異物がないと判断する正常判定ゾーンZ2との2つの領域のみが設定される。したがって、再検査では、全体検査のように異物候補があると判断されることはなく検査対象物1中の異物の有無が最終的に判断される。
【0032】
以下に、上述したX線異物検査装置の各部のより詳しい構成について図3を参照して説明する。
【0033】
第1および第2の両X線検出手段4a,4bは1つのX線検出器4からなり、移動手段5はX線検出器4全体を移動させるように構成されている。搬送手段2としてはX線源3とX線検出器4との間を通るベルトコンベアを採用しており、検査対象物1は搬送手段2の上面側に載置された状態で、X線源3とX線検出器4との間を一方向(図3に矢印Aで示す方向)に搬送されることになる。X線源3は、搬送手段2の真上に配置されており、X線源3の真下に位置する検査対象物1に対してX線を照射する。ここに、X線検出器4は、X線源3からのX線が照射する搬送手段2の上面に沿う面内で複数のX線検出部が2次元配列されており、X線源3と対向配置される。
【0034】
ところで、移動制御手段6は、全体検査時にはX線検出器4を第1のX線検出手段4aとして動作させるように、全体透視画像が得られる基準位置にX線検出器4を移動手段5で移動させ、一方、再検査時にはX線検出器4を第2のX線検出手段4bとして動作させるように、拡大透視画像が得られる拡大位置にX線検出器4を移動手段5で移動させる。
【0035】
ここにおいて、移動手段5は、X線検出器4を上下方向、前後方向(搬送手段2による検査対象物1の搬送方向)、左右方向の3軸方向に移動可能に構成されている。ここで、本実施形態ではX線源3からのX線はX線源3から離れるほど広がるように発散しており、且つX線源3と搬送手段2との距離を一定としている。そのため、異物候補からX線検出器4までの距離を変化させればX線検出器4に投影される異物候補の像の拡大率が変化し、判断手段7で取得される透視画像の拡大率が変化する。これを利用して、再検査時におけるX線検出器4の位置(拡大位置)を調節することで、検査対象物1中の異物候補8の拡大透視画像の拡大率を調節する。
【0036】
具体的には、検査対象物1中の異物候補8の拡大透視画像の拡大率は、X線源3と、異物候補8と、X線検出器4との位置関係によって決まり、図4に示すようにX線源3と異物候補8との間の距離をX線検出器X4と異物候補8との間の距離をyとすれば、拡大率rはr={(x+y)/x}で表される。すなわち、X線検出器4をX線源3から遠ざけるほど、拡大率は向上し、より高解像度で再検査することができる。本実施形態では、全体検査において検出された異物候補8の大きさ(つまり隣接する異常画素の画素数)に基づいて、異物候補8の全体が含まれる範囲内で最大の拡大率の拡大透視画像が得られるように拡大率を決定し、この拡大率に基づいて再検査時のX線検出器4と検査対象物1との間の距離を決定する。
【0037】
したがって、移動制御手段6は、全体検査において異物候補8があると判断された場合に、移動手段5でX線検出器4を下降させることにより検査対象物1とX線検出器4との距離を広げ、判断手段7で拡大透視画像を取得可能とする。このとき、X線検出器4を前後左右に適宜移動させることにより、拡大透視画像のうちの異物候補8に対応する部位の中心(つまり、X線検出器4に投影される異物候補8の像の中心)を、X線検出器4の測定中心に位置させるようにX線検出器4の位置(拡大位置)を調節する。これにより、図5(a)のように異物候補8を通ったX線がX線検出器4からはみ出すことを回避でき、図5(b)のように異物候補8を通ったX線を全てX線検出器4で受けることができる。なお、ここでは、拡大透視画像のうちの異物候補8に対応する部位の前後方向の両端間の中心線と左右方向の両端間の中心線との交点をX線検出器4の測定中心に位置させるが、これに限らず、たとえば拡大透視画像のうちの異物候補8に対応する部位の重心を中心としてX線検出器4の測定中心に位置させるようにしてもよい。
【0038】
ところで、X線異物検査装置は、1つの検査対象物1について前記全体検査を行う期間にこの検査対象物1がX線源3とX線検出器4との間に設定された所定の検査位置で停止するように搬送手段2を制御する搬送制御手段9を備えている。これにより、搬送手段2は、検査対象物1の移動と停止とを繰り返しながら検査対象物1を間欠的に搬送することとなる。そして、搬送制御手段9は、再検査を行う場合には、再検査が終了するまで検査対象物1を前記検査位置で引き続き停止させる。すなわち、X線異物検査装置は、検査対象物1が検査位置で停止している期間内に全体検査を行い、また再検査を行う場合には前記期間内に再検査も行う。
【0039】
上述したX線異物検査装置は、たとえば電子機器等において部品の封止に用いられる合成樹脂製の封止材を検査対象物1とすることにより、検査対象物1中における金属片などの異物の有無を非破壊検査によって判断するために使用される。異物が混入していると判断された検査対象物1については、たとえば破棄などの措置がとられる。
【0040】
以下に、本実施形態のX線異物検査装置の動作例を示す。
【0041】
たとえば、差分画像における濃度値を0(白)〜1.0a(黒)と定義し、濃度値が0.5a以上の画素を異常画素10と定義すると、濃度値が1.0aの異常画素10を中心としてその周囲に濃度値が0.8aの異常画素10が4つと濃度値が0.6aの異常画素10が4つ存在する図6(a)の例の場合、隣接する異常画素10の画素数は9となり、隣接する異常画素10の平均濃度値は、{1.0a+(4×0.8a)+(4×0.6a)}/9から0.73aとなる。なお、図6では各画素の持つ濃度値は各画素内に示している。
【0042】
ここで、上述した異常判定ゾーンZ1と正常判定ゾーンZ2とグレーゾーンZ0とのそれぞれは、隣接する異常画素10の画素数と平均濃度値との両方に関連付けて定義されており、図7に示すように、異常画素10の画素数が5〜10の全範囲と、異常画素10の画素数が10を超え且つ平均濃度値が0.3a以下の範囲とをグレーゾーンZ0とする。一方、異常画素10の画素数が5を下回る範囲は平均濃度値の大小にかかわらず正常判定ゾーンZ2とし、異常画素10の画素数が10を超え且つ平均濃度値が0.3aを超える範囲は異常判定ゾーンZ1とする。
【0043】
すなわち、判断手段7は、全体検査において、異常画素10の画素数が5〜10の場合、あるいは異常画素10の画素数が10を超え且つ平均濃度値が0.3a以下の場合には異物候補8があると判断し、異常画素10の画素数が5に達しない場合には平均濃度値の大小にかかわらず異物がないと判断し、異常画素10の画素数が10を超え且つ平均濃度値が0.3aを超える場合には異物があると判断する。ここにおいて、画素数のみについてグレーゾーンZ0の範囲を設定することも考えられるが、ノイズ等の影響で濃度値の低い異常画素10が多数検出された場合に誤って異物があると判断してしまうことを避けるために、上述のように異常画素10の画素数および平均濃度値の組み合わせについてグレーゾーンZ0の範囲を設定することが望ましい。
【0044】
図6(a)に示す例の場合、異常画素10の画素数が9、異常画素10の平均濃度値が0.73aであるからグレーゾーンZ0に該当し、判断手段7は全体検査において異物候補8があると判断する。したがって、判断手段7は再検査を開始させる。
【0045】
再検査時には、移動制御手段6は検査対象物1における異物候補8の位置に応じて移動手段5でX線検出器4を移動させ、少なくとも異物候補8が含まれる検査対象物1の一部について拡大した拡大透視画像を得られるようにする。判断手段7はX線検出器4から拡大透視画像を取得し、この拡大透視画像を用いて再検査を行う。再検査では、全体検査のように異物候補8があると判断されることはなく異物の有無が最終的に判断される。
【0046】
ところで、上記説明では1つの検査対象物1の1箇所にのみ異物候補8が検出される場合について説明したが、実際には1つの検査対象物1の複数箇所で異物候補8が検出される場合もある。後者の場合に、複数の異物候補8のそれぞれについて再検査を行い異物か否かを判断する構成としてもよいが、この構成では、再検査を異物候補8の個数分だけ繰り返し行う必要があるので、X線源3とX線検出器4との間の検査位置で検査対象物1を停止させる時間が長くなるという問題がある。そこで、本実施形態では以下の構成を採用することにより、複数の異物候補8が検出された場合に、検査位置で検査対象物1を停止させる時間を短縮している。
【0047】
判断手段7は、1つの検査対象物1から異物候補8が複数検出された場合、各異物候補8について異物である可能性の程度を示す不良指数を計算し、不良指数が最も高い異物候補8を再検査の対象とする。ここに、不良指数は各異物候補8における異常画素10の画素数および濃度値をパラメータとして所定の評価関数を用いて計算されるものであって、不良指数が高いほど異物である可能性が高い。ここでは一例として、各異物候補8における異常画素10の濃度値の総和をそれぞれの不良指数とする。
【0048】
図6(a)に示すように濃度値が1.0aの異常画素10を中心としてその周囲に濃度値が0.8aの異常画素10が4つと濃度値が0.6aの異常画素10が4つ存在する異物候補8と、図6(b)に示すように濃度値が1.0aの異常画素10とその周囲に濃度値が0.8aの異常画素10が4つと濃度値が0.7aの異常画素10が2つと濃度値が0.6aの異常画素10が3つと濃度値が0.5aの異常画素10が1つ存在する異物候補8とが検出された場合について不良指数を計算する例を示す。図6(a)の異物候補8については、不良指数が0.6a+0.8a+0.6a+0.8a+1.0a+0.8a+0.6a+0.8a+0.6a=6.6aとなり、一方、図6(b)の異物候補8については、不良指数が0.5a+0.6a+0.6a+0.7a+0.8a+0.8a+1.0a+0.8a+0.7a+0.8a+0.6a=7.9aとなる。
【0049】
したがって、判断手段7は不良指数が最も高い図6(a)の異物候補8についてのみ再検査を行い、図6(b)の異物候補8については再検査を行わない。そして、再検査の結果、異物候補8が異物であると判断された場合には、検査対象物1に異物が混入しているものと判断する。一方、異物候補8が異物ではないと判断された場合には、残りの異物候補8も異物ではないと推測する。すなわち、異物である可能性が最も高い異物候補8が異物でなければ、残りの異物候補8も異物ではないと推測できるから、この場合には残りの異物候補8について拡大透視画像を用いた再検査は行わない。この構成によれば、不良指数が最も高い異物候補8についてのみ再検査を行うので、全ての異物候補8について再検査を行う場合に比べて、検査位置で検査対象物1を停止させる時間を短縮できる。ただし、異物である可能性が最も高い異物候補8が異物ではないと判断された検査対象物1については、たとえば検査員が目視で全体透視画像を検査する別途検査を行い、検査対象物1中の異物の有無を改めて検査する。
【0050】
(実施形態2)
本実施形態のX線異物検査装置は、図8に示すように、X線源3からのX線を検査対象物1の搬送方向に並ぶ2本のファンビームとして搬送手段2に照射させている点、およびX線検出器4が、各ファンビームをそれぞれ受光する第1のX線検出手段4aと第2のX線検出手段4bとを別々に有する点が実施形態1のX線異物検査装置とは相違する。
【0051】
図8に例示するX線異物検査装置は、X線源3と搬送手段2との間において、検査対象物1の搬送方向に第1のスリットS1と第1のスリットS1よりも搬送方向の下流側に位置する第2のスリットS2とが並設され、第1および第2の各スリットS1,S2をそれぞれ通過させることによりX線源3からのX線を2本のファンビームとして照射させる配光手段11を備えている。第1および第2の両スリットS1,S2は、いずれも搬送手段2の上面に沿う面内において搬送手段2による検査対象物1の搬送方向に直交する方向に延長されている。なお、図8では、第1のスリットS1よりも第2のスリットS2を長く形成することにより、第2のスリットS2を通過したファンビームの開き角度θ2を、第1のスリットS1を通過したファンビームの開き角度θ1に比べて大きくしている。
【0052】
第1のX線検出手段4aは、第1のスリットS1の長手方向に複数のX線検出部が1次元配列されており、前記搬送方向の上流側の第1のスリットS1を通過したX線を検出する。一方、第2のX線検出手段4bは、第2のスリットS2の長手方向に複数のX線検出部が1次元配列されており、前記搬送方向の下流側の第2のスリットS2を通過したX線を検出する。第1および第2の各X線検出手段4a,4bにおいてはX線検出部が1次元配列されているものの、搬送手段2により検査対象物1が搬送手段2の上面に沿う面内でX線検出部の配列方向に直交する方向に搬送されているので検査対象物1の前記搬送方向に沿う全長について走査することができ、判断手段7においては、第1および第2の各X線検出手段4a,4bの出力から検査対象物1の透視画像を得ることができる。なお、本実施形態では第1のX線検出手段4aと第2のX線検出手段4bとは同様の構造を採用しており、同数のX線検出部が同ピッチで配列されている。
【0053】
ところで、第1のX線検出手段4aと第2のX線検出手段4bとでは投影される検査対象物1の像の拡大率は別々に設定される。すなわち、第1のX線検出手段4aには検査対象物1の全体像が投影されるように第1のX線検出手段4aと検査対象物1との距離が設定され、第2のX線検出手段4bには検査対象物1のうちの異物候補8の像が投影されるように第2のX線検出手段4bと検査対象物1との距離が設定される。ここで、本実施形態の判断手段7は、全体検査時に第1のX線検出手段4aの出力から全体透視画像を取得する第1判断部7aと、再検査時に第2のX線検出手段4bの出力から拡大透視画像を取得する第2判断部7bとを有している。
【0054】
また、 X線検出器4を移動させる移動手段5は第2のX線検出手段4bについてのみ設けられている。この移動手段5は、第2のX線検出手段4bを上下方向、左右方向の2軸方向に移動可能に構成されている。ここに、第2のX線検出手段4bをX線源3から遠ざけるほど、拡大透視画像の拡大率は向上し、より高解像度で再検査することができる。本実施形態では、全体検査において検出された異物候補8の大きさ(つまり、隣接する異常画素10の画素数)に基づいて、異物候補8の全体が含まれる範囲内で最大の拡大率の拡大透視画像が得られるように拡大率を決定し、この拡大率に基づいて第2のX線検出手段4bと検査対象物1との間の距離を決定する。
【0055】
さらに、移動制御手段6は、再検査時に第2のX線検出手段4bを移動手段5で左右方向に適宜移動させることにより、拡大透視画像のうちの異物候補8に対応する部位の中心(つまり、第2のX線検出手段4bに投影される異物候補8の像の中心)を、第2のX線検出手段4bの測定中心に位置させるように第2のX線検出手段4bの位置を調節する。これにより、異物候補8を通ったX線が第2のX線検出手段4bからはみ出すことを回避でき、異物候補を通ったX線を全て第2のX線検出手段4bで受けることができる。
【0056】
上述した構成によれば、X線異物検査装置は、検査対象物1の搬送方向の上流側に設けた第1のX線検出手段4aの出力から得られる検査対象物1の全体の透視画像(全体透視画像)を用いて全体検査を行い、この全体検査で異物候補8があると判断された場合には、検査対象物1の搬送方向の下流側に設けた第2のX線検出手段4bの出力から得られる異物候補8を拡大した透視画像(拡大透視画像)を用いて再検査を行うので、搬送手段2を停止させることなく一定の速度で検査対象物1を搬送させることができ、検査対象物1の検査に要する時間を短縮できる。また、検査対象物1を間欠的に搬送するように搬送手段2を制御するための搬送制御手段9は本実施形態では省略することができるので、構成の簡略化にもつながる。
【0057】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態1の概略ブロック図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の概略構成図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】同上の動作説明図である。
【図6】同上の異物候補の透視画像を示す説明図である。
【図7】同上で用いる異常判定ゾーンと正常判定ゾーンとグレーゾーンとを示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態2の概略構成図である。
【図9】従来例を示す概略構成図である。
【図10】他の従来例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0059】
1 検査対象物
2 搬送手段
3 X線源
4 X線検出器
4a 第1のX線検出手段
4b 第2のX線検出手段
5 移動手段
6 移動制御手段
7 判断手段
8 異物候補
9 搬送制御手段
A 搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物を搬送する搬送手段と、検査対象物にX線を放射するX線源と、検査対象物を透過したX線源からのX線を検出するX線検出部が複数配列されてなり、検査対象物中の異物の有無を検査する全体検査時に、各X線検出部で検出したX線の強度に応じた濃度値の画素を持ち検査対象物の全体を含む全体透視画像を出力する第1のX線検出手段と、全体検査時に全体透視画像を取得し、当該全体透視画像における画素の濃度値および画素数の組み合わせに基づいて検査対象物中の異物の有無を判断するとともに、異物の有無が確定しなければ異物候補があると判断して異物候補が異物か否かを検査する再検査を開始させる判断手段と、前記X線検出部が複数配列されてなり、再検査時に、各X線検出部で検出したX線の強度に応じた濃度値の画素を持ち少なくとも異物候補が含まれる検査対象物の一部を拡大した拡大透視画像を出力する第2のX線検出手段と、第2のX線検出手段を移動させる移動手段と、移動手段を制御することにより再検査時に拡大透視画像が得られるように第2のX線検出手段を移動させる移動制御手段とを備え、判断手段は、再検査時に拡大透視画像を取得し、当該拡大透視画像における画素の濃度値および画素数の組み合わせに基づいて異物候補が異物か否かを判断することを特徴とするX線異物検査装置。
【請求項2】
前記X線源と前記搬送手段との距離は一定であって、X線源からのX線はX線源から離れるほど広がっており、前記移動制御手段は、前記再検査時に、前記異物候補の大きさに合わせて前記第2のX線検出手段と前記X線源との間の距離を前記移動手段で調節することにより前記拡大透視画像の拡大率を調節することを特徴とする請求項1記載のX線異物検査装置。
【請求項3】
前記判断手段は、異物のない正常な前記検査対象物の前記全体透視画像を標準画像として前記全体検査前に予め取得しており、全体検査時に前記第1のX線検出手段から取得した全体透視画像を取得画像として、取得画像と標準画像との差分をとることにより検査対象物の差分画像を生成し、当該差分画像について濃度値が所定値以上となる画素を異常画素とし、隣接する異常画素の濃度値および画素数の組み合わせに基づいて検査対象物中の異物の有無、あるいは前記異物候補があるかを判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線異物検査装置。
【請求項4】
前記第1および第2の両X線検出手段は複数の前記X線検出部が2次元配列され前記X線源と対向配置された1つのX線検出器からなり、前記移動手段はX線検出器を移動させるように構成され、前記移動制御手段は、前記全体検査時には前記全体透視画像が得られる基準位置にX線検出器を移動手段で移動させ、前記再検査時には前記拡大透視画像が得られる拡大位置にX線検出器を移動手段で移動させており、1つの前記検査対象物について全体検査を行う期間に検査対象物がX線源とX線検出器との間に設定した所定の検査位置で停止するとともに、再検査を行う場合には再検査が終了するまで検査対象物が前記停止位置で引き続き停止するように前記搬送手段を制御する搬送制御手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のX線異物検査装置。
【請求項5】
前記X線源と前記搬送手段との間においてX線源からのX線は前記検査対象物の搬送方向に並ぶ2本のファンビームとして搬送手段に照射しており、前記第1のX線検出手段は、複数の前記X線検出部が1次元配列され前記搬送方向の上流側のファンビームを検出し、前記第2のX線検出手段は、複数の前記X線検出部が1次元配列され前記搬送方向の下流側のファンビームを検出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のX線異物検査装置。
【請求項6】
前記移動制御手段は、前記再検査時に、前記拡大透視画像のうちの前記異物候補に対応する部位の中心が前記第2のX線検出手段の測定中心と重なるように第2のX線検出手段の位置を前記移動手段で調節することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のX線異物検査装置。
【請求項7】
前記判断手段は、前記全体検査において1つの前記検査対象物から前記異物候補が複数検出された場合に、前記全体透視画像における各異物候補の画素の濃度値と画素数とに基づいて異物である可能性の程度を示す不良指数を異物候補ごとに計算し、不良指数が最も高い異物候補を前記再検査の対象とし、再検査において前記異物候補が異物ではないと判断すると、前記検査対象物について別途検査を行うことにより異物の有無を判断することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のX線異物検査装置。


【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−157821(P2008−157821A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348546(P2006−348546)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】