説明

X線診断装置

【課題】 画素値の高い領域と低い領域の両方が混在する画像データでも、微細情報をコ
ントラスト良好に表現できる医用画像が得られるX線診断装置の提供。
【解決手段】 被検体を透過したX線に基づく画像データを得ることのできるX線診断装
置において、前記画像データを演算処理して画像補償が施された画像データを出力する画
像補償処理手段16と、前記画像補償が施された画像データに対して画像処理を行うため
の画像処理手段11とを有し、前記画像補償処理手段16は、前記画像処理手段11の画
像処理に連係して前記補償処理を行うことを特徴とするX線診断装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線診断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、X線診断装置などで撮影もしくは透過される際に得られる画像デー
タについて、これをコントラストのついた診断情報として有効な表示にするために、さま
ざまな画像処理が施されている。例えばこれらの画像処理は近年のデジタル信号処理等の
技術が適用され、ウインド処理やガンマカーブ処理などがその有効な画像処理手段として
知られている。これらの画像処理技術は、その画像処理の対象が表示される画像全体のす
べての範囲に均一に適用される。
【0003】
しかしながら、表示画像のすべてに対して必ずしも画像処理を施す必要がある対象ばか
りではなく、たとえば被検体の撮像対象部位のうち、X線の透過が多く生じてX線吸収が
少ない部位はコントラストがつきにくい。しかしながら全体にコントラストをつけようと
すると逆に良好に表示されている部分にまで必要以上のコントラストがついてしまう。コ
ントラストが必要な部分にのみコントラストをつけるために、実在の補償フィルタを置く
手法もある。この補償フィルタは例えば鉛粘土などを用いて行われる。この鉛粘土をコン
トラストをつけたい被検体の撮像対象部位の下の部分に配置することで、X線の透過量を
物理的に調整して、コントラストをつけることができる。この場合、補償フィルタは人手
あるいは機械により被検体の撮像対象部位の下に設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−168614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来の技術によるコントラストをつけるための画像補償手段には
、以下のような問題点がある。
【0006】
前記のウインド処理やガンマカーブ処理などの画像処理は画像全体の範囲に均一に適応
され、画素値が高い領域と低い領域の両方を含んだ画像の場合、使用できる濃度領域には
限度がある。このため、コントラストを高くすると画素値の高い領域または低い領域のど
ちらか、あるいは両方のコントラストを低くせざるを得ず、適切なコントラストを得られ
ないので、この領域の微細情報が良好に表現できない。
【0007】
また、逆に全体的にコントラストを低くすると広い範囲が観察可能となるが、低コント
ラストのために観察しずらい画像となってしまう。また、補償フィルタを置く手法を適用
したとしても、被検体の撮像対象部位によっては位置特定等が困難であったり、あるいは
特に小腸内のガス等により被写体中に画素値の高い領域が部分的に発生しているとき等に
は、実在の補償フィルタでは十分に対応できなかった。
【0008】
本発明が解決する課題は、画素値の高い領域と低い領域の両方が混在する画像データで
も、微細情報をコントラスト良好に表現できる医用画像が得られるX線診断装置を提供す
ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明においては、被検体を透過したX線に基づく画像デー
タを得ることのできるX線診断装置において、前記画像データを演算処理して画像補償が
施された画像データを出力する画像補償処理手段と、前記画像補償が施された画像データ
に対して画像処理を行うための画像処理手段とを有し、前記画像補償処理手段は、前記画
像処理手段の画像処理に連係して前記補償処理を行うことを特徴とするX線診断装置をも
って解決手段とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画素値の高い領域と低い領域の両方が混在する画像データでも、微細
情報をコントラスト良好に表現できる医用画像が得られる画像処理装置を備えて構成した
X線診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態による画像補償フィルタの構成を説明するための概略図を示す。
【図2】本発明の第1の実施の形態による画像補償フィルタの構成を説明するための概略図を示す。
【図3】本発明の第1の実施の形態による画像補償フィルタが適用されるX線診断装置を説明するための概略図を示す。
【図4】本発明の第2の実施の形態による画像補償フィルタの構成を説明するための概略図を示す。
【図5】本発明の第3の実施の形態による画像フィルタが適用されるX線診断装置を説明するための概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の第1の実施の形態による画像補償フィルタを説明するための概略図を
示す。
【0013】
この画像補償フィルタ16は、透過または撮影により得られた画像データに対して対数
変換処理を行うための対数変換部1と、この対数変換部1からの出力のうち微細情報を除
去するためのフィルタ2と、このフィルタ2から出力される微細情報が除かれた出力に所
定の演算処理を行う補償値演算部3と、この補償値演算部から出力される補償値を対数変
換部1の出力から減算するための減算手段4とから構成されている。
【0014】
図1中に示されるaは入力される画像データであり、bは所定の画像補償が行われた後
の補償済み画像データである。aより入力された画像データはまず元データ作成手段であ
る対数変換部1に入力される。この対数変換部1では、入力された画像データに対して対
数変換を行い、対数変換処理がされた画像データを作成する。この画像データはX線が透
過する被写体のX線吸収係数と厚さとの積に比例する。従って後の処理によって背景の画
素値が変化しても、この対数変換処理のなされた画像データが有する微細な凹凸情報は正
しい情報のままで変化しない。この対数変換がされた画像データを元データとして示す。
この元データに対して本願発明の第1の実施の形態による画像補償フィルタにより画像処
理が行われる。
【0015】
次に、この元データは概形情報抽出手段であるフィルタ2に入力される。対数変換部1
にて対数変換されて生成された元データに対し、大まかな濃度情報を抽出するために所定
のフィルタをかけた画像データを作成し、概形情報抽出データを生成する。この概形情報
抽出データには元データに含まれていた微細な凹凸情報が存在しないようにフィルタ2は
所定の特性に設定されている。
【0016】
次に、補償処理値演算手段である補償値演算部3にて概形情報抽出データが演算処理さ
れる。この補償値演算部3は、フィルタ2から出力された濃度抽出データを基に線形もし
くは非線形変換を行い、画像補償を行う対象範囲および補償量を演算して求める。この演
算結果により補償処理値データが作成され、このデータには画像補償処理の対象となる画
像データによる表示画像において、画像補償を行う必要のある部分を抽出して対象範囲デ
ータとして含み、その対象範囲データから補償量を表わすデータをも含んでいる。
【0017】
なお、この補償値演算部3は線形もしくは非線形変換によらずに、ルックアップテーブ
ル変換にても同様の変換処理が行える。ルックアップテーブル変換の場合は、入力された
概形情報抽出データの値に対応して予め記憶されている複数の変換情報が選択され出力さ
れる。この変換情報は概形情報抽出データに応じて複数の所定の変換情報の中から適宜選
択されても良く、あるいは変換情報の代りに複数の所定の演算式の中から適宜選択されて
適用されても良い。
【0018】
次に、対数変換部1にて作成された元データから補償処理値データを減算して補償済み
画像データを生成する。この減算処理は補償処理手段である減算手段4にて行われる。生
成された補償済み画像データはaに入力される画像データに比べて、診断に必要な微細な
凹凸情報を保持したままでダイナミックレンジのみが圧縮されている。このダイナミック
レンジの圧縮される部位は先の補償値演算部3にて抽出された画像上の部位のみであり、
この部分にのみダイナミックレンジが圧縮された画像補償処理が施されている。それ以外
の部分は何等画像処理はされておらず、したがって元の画像データによる良好なコントラ
ストの情報を保っている。
【0019】
なお、本画像処理は元の画像データのうち補償値演算部3にて抽出された画像上の部位
のみに限定されなくとも、元の画像データの全体に対して画像処理を行うことも可能であ
る。元の画像データに均一な値で画像処理を施すか、あるいは意図した画像処理が行われ
るように部位ごとに所定の重み付けがされた画像処理を施してもよい。
【0020】
図2は、本発明の第1の実施の形態による画像補償フィルタの信号の流れを説明するた
めの概略図を示す。
【0021】
図2に示される画像補償フィルタ19は図1にて示した画像補償フィルタ16の構成と
同等であり、この画像補償フィルタ16の構成をより具体的に説明するための一つの例を
示している。
【0022】
まず、X線高電圧発生装置から出力されたX線が被写体を通り、検出器(イメージイン
テンシファイアとカメラや平面検出器等)で入射する線量に比例した画素値を持つ画像デ
ータが出力される。このような透視および撮影によって収集された、あるいはすでに収集
されている白黒の医用画像データに対して、ハードウェアあるいはソフトウェアもしくは
その両方によって構成された画像補償フィルタが提供されており、画像表示に必要な画像
フレーム毎に所定の画像補償処理を行う。
【0023】
まず、対数変換部1にて入力された画像データに対し、微細な凹凸情報を保持するため
の対数変換を行った元データ(イ)を作成する。この元データ(イ)はたとえば図示され
るような分布図を示し、もちろん表示される画像により様々に変動する。この分布図の縦
軸Lは画素値を示しており、横軸Sは画像上の座標位置を示している。この対数変換は、
もし入力された画像データがX線が透過する被写体の吸収係数と厚さとの積に比例するも
のであれば対数変換は行われない。
【0024】
次に、この元データ(イ)に対し、大まかな濃度情報を抽出するためにフィルタ2にて
抽出処理が行われる。例えば、元データ(イ)に対してローパスフィルタをかけた画像デ
ータを作成する。この画像データは濃淡抽出データ(ロ)であり、図示されるような分布
図を示す。元データ(イ)が保持していた微細な凹凸情報は削除されて大まかな濃淡値の
みが表わされている。これは後の処理のために微細な凹凸情報が存在しないようにされた
結果であり、例えばローパスフィルタ以外の同等な方法を用いることもできる。
【0025】
次に、この濃度抽出データ(ロ)に所定の演算処理を施す。この演算処理のための補償
値演算部3は、例えばルックアップテーブル変換のような、ある一定以上の画素値の領域
のみをその画素値に伴って下げる効果を発揮する非線形処理手が適用される。ここで画像
補償フィルタの処理対象範囲と補償量を決定する補償処理値データ(ハ)が作成される。
補償処理値データ(ハ)は図示される分布図を示し、この分布の横軸Sの位置で画像補償
される部位を特定し、縦軸Lの値が画像補償量を示している。もちろん、ルックアップテ
ーブル変換によらず、所定の演算式により変換を行っても良く、設計の意図により設定可
能である。
【0026】
この補償処理値データ(ハ)により画像補償フィルタによる画像処理が表示画像の必ず
しも全範囲ではなく、部分的に施すことが可能となる。また非線形変換の代わりに線形変
換を用いることも可能である。さらに線形もしくは非線形変換のデータや係数を適宜変更
することにより、画像補償フィルタの画像処理対象範囲と補償量を変更する効果や、ある
いは画素値の高い領域のみではなく低い領域に対してもダイナミックレンジを操作するこ
と等も可能となる。
【0027】
次に、減算手段にて補償処理値データ(ハ)を先の対数変換部1にて生成された元デー
タ(イ)から減算する。元データ(イ)から補償処理値データ(ハ)を減算することで補
償済画像データ(ニ)が生成される。図に示されるように、この補償済画像データ(ニ)
は画素値の下げ幅のデータが減算されることで、診断に必要な微細な画像情報は保ったま
まコントラストをつけたい部分のダイナミックレンジのみをデータ補償することができる
。この補償済画像データ(ニ)は逆対数変換部5にて再び画像データに戻されて出力され
る。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施の形態による画像補償フィルタを備えたX線診断装置を説
明するための概略構成図を示す。
【0029】
このX線診断装置の構成は、画像処理や動作制御を行うX線画像診断装置本体15と、
X線を発生して曝射するためのX線管6と、被検体7を透過したX線を検出して電気信号
として出力する検出器8と、この検出器8の出力を受けてアナログの電気信号からデジタ
ル化された画像データに変換するためのA/Dコンバータ9と、画像データを記憶するた
めの記憶装置10と、画像データに画像補償処理を行うための画像補償フィルタ16と、
画像全体に対して種々の画像処理を行うための画像プロセッサ11と、この画像プロセッ
サ11から出力される画像データを再びアナログの電気信号に変換するためのD/Aコン
バータ12と、このD/Aコンバータ12からの画像データを表示するための画像モニタ
13と、画像データを印刷して出力する画像プリンタ14とを備えている。
【0030】
X線管6にてX線が被検体7に曝射され、この曝射により被検体を透過したX線は検出
器8にて検出され電気信号に変換される。この変換された電気信号はA/Dコンバータ9
においてデジタル信号に変換された画像データになる。この画像データはX線画像診断装
置本体15に入力され、所定の画像処理が行われた後に画像モニタ13や画像プリンタ1
4などに出力されることで有用な診断画像情報となる。
【0031】
X線画像診断装置本体15の内部では、入力された画像データを記憶するための記憶装
置10が備わり、例えば一度に大量の画像データが取り込まれるような使用条件において
使用される。また、画像データの量にかかわらず全ての画像データを記憶させておき、後
に使用されるデータベースを作成することもできる。
【0032】
次に、画像データは画像補償フィルタ16に入力するか、あるいは画像プロセッサ11
に入力されるかの選択がなされる。この処理の選択は処理選択手段21にて行われており
、この選択の判断基準は図示しない外部からの任意入力によっても良く、あるいは所定の
選択基準の値を予め入力しておき、この値に従って処理の選択がなされても良い。
【0033】
画像補償フィルタ16に入力された画像データは前述の図1および図2を用いて説明し
たように所定の画像補償処理が施される。この画像補償処理により画像データは、たとえ
ば画像上でコントラストの不明瞭な部位のみに対してダイナミックレンジの圧縮が行われ
る。この画像補償処理が施された画像データは画像プロセッサ11に入力され、この処理
により得られた画像データを基にして例えば必要に応じた逆対数変換処理やほかの画像処
理が行われて、詳細な凹凸情報をもった良好なコントラストによる画像表示が可能となる
。また、処理選択手段21にて画像補償フィルタ16に入力しないと判断された画像デー
タも画像プロセッサ11に入力される。
【0034】
画像プロセッサ11は入力された画像補償済の画像データおよび画像補償処理のなされ
ない画像データのどちらが入力されても、所定の画像処理を施す。この画像処理は広く一
般に行われているものであり、たとえばガンマカーブ処理やウインド処理などが行われる
。これらの画像処理により表示される画面全体のコントラストや輝度などが所定値に設定
される。
【0035】
この画像処理の後にX線画像診断装置本体15の外部に接続された各種の表示あるいは
記録媒体に画像データが送られる。たとえば画像モニタ13に画像表示させるにはD/A
コンバータ12にて一旦デジタル信号化されていた画像データを再びアナログの画像信号
に戻す。その後に画像モニタ13に入力されることで所望する画像が表示できる。アナロ
グ信号として画像データを出力できるので、一般的なほとんどの画像モニタにて表示する
ことが可能であり、あるいはビデオ録画装置などに保存することもでき、汎用性が高まる

【0036】
また、デジタル信号のままで画像データを出力して、たとえば画像プリンタ14に入力
し画像を印刷出力することができる。また、画像プリンタ14に限定されずにほかのデジ
タル信号を記録可能な媒体あるいは装置に記憶することで、画像補償処理が施された良好
なコントラストを備えた画像データをより有効に活用することができる。デジタル信号と
することで、デジタル回線などを媒体とした画像通信なども可能となる。
【0037】
図4は、本発明の第2の実施の形態による画像補償フィルタの構成を説明するための概
略図を示す。
【0038】
この画像補償フィルタ18には、先述の画像補償フィルタ16に比べて、補償値演算部
3に指示入力部17が接続されている点で異なっている。この構成によれば、たとえば操
作者の任意により表示画像中の特定の場所を指定して、その部分にのみ画像補償フィルタ
18による画像処理を行うことができる。操作者は、例えば画像モニタに表示される画像
を目視しながら、指示入力部17に備わる図示しないトラックボールなどの入力手段を操
作することで、画像処理を施す部分や量を指定できる。
【0039】
図5は、本発明の第3の実施の形態によるX線診断装置および画像補償フィルタの構成
を説明するための概略図を示す。
【0040】
図5に示すX線診断装置は既に図3を参照して説明したX線診断装置および画像補償フ
ィルタの構成に比べて、指示入力手段20が備わる点で異なっている。この指示入力手段
20は画像プロセッサ11とフィルタ2と補償値演算部3に接続されている。指示入力手
段20は本発明の画像補償フィルタ16での画像補償処理以外に画像プロセッサ11での
画像処理に対する画像処理指示を入力することができる。
【0041】
画像補償フィルタ16は、別に画像プロセッサ11において行われるウインド処理やガ
ンマカーブ処理といった画像処理に応じて、それらの画像処理に連係した画像補償処理を
行うことも可能である。これらウインド処理でのウインド値やガンマカーブ処理のガンマ
カーブデータ等の画像処理データを元に、画像補償フィルタを構成するフィルタ2や補償
値演算部3での画像データの処理方法を決定することも可能である。
【0042】
例えば、指示入力手段20の指示により画像プロセッサ11にてガンマカーブを変更す
ると、このガンマカーブやこれから求めた設定値を元に画像補償フィルタ16での変換処
理が対応して変更されることで、この変更後のガンマカーブに最適の画像補償フィルタ1
6による画像処理が行われる。同様に、ウインド値を変更すると、ウインド値を元にした
計算によりデジタル補償フィルタの変換処理が変わり、変更後のウインド値に適した画像
補償フィルタ16での処理が行われる。
【0043】
なお、画像プロセッサ11での画像処理に対応するのみではなく、たとえば透視または
撮影収集時の条件などに対応して画像補償フィルタ16の画像補償処理を変更しても良い
。この場合、検査名やイメージインテンシファイアのサイズや拡大率等に応じて、フィル
タ2や補償値演算部3での画像データ処理方法あるいは設定値を切り替えることで、それ
ぞれのX線診断装置の動作条件や状態に木目細かく対応した良好な画像補償処理を行うこ
とができる。
【0044】
以上説明した本発明の第1、第2および第3の実施の形態は、ソフトウェアにより構成
することが可能であり、もちろんそれらのソフトウェアによる制御方法に限定されること
はなく、たとえばハードウェアによる信号処理回路を用いても十分に実施することが可能
である。
【0045】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたもので
あって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施の形
態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む
趣旨である。
【符号の説明】
【0046】
1…対数変換部
2…フィルタ
3…補償値演算部
4…減算手段
5…逆ログ変換手段
6…X線管
7…被検体
8…検出器
9…A/D変換器
10…外部記憶装置
13…画像モニタ
14…画像プリンタ
16…画像補償フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を透過したX線に基づく画像データを得ることのできるX線診断装置において、
前記画像データを演算処理して画像補償が施された画像データを出力する画像補償処理
手段と、
前記画像補償が施された画像データに対して画像処理を行うための画像処理手段とを有
し、
前記画像補償処理手段は、前記画像処理手段の画像処理に連係して前記補償処理を行う
ことを特徴とするX線診断装置。
【請求項2】
前記画像補償処理手段は、前記画像データに対して対数変換処理を行う対数変換部と、前
記対数変換処理がされた画像データを演算処理して概形情報を抽出する概形情報抽出手段
と、前記抽出された概形情報を演算処理して画像補償の補償処理値を得る補償処理値演算
手段と、前記補償処理値を前記対数変換された画像データから減算して画像補償が施され
た画像データを出力する補償処理手段とを有することを特徴とする請求項1記載のX線診
断装置。
【請求項3】
前記画像補償処理手段及び前記画像処理手段に接続され、前記画像処理手段の画像処理に
対する画像処理指示が入力される指示入力手段をさらに有し、
前記画像補償処理手段は、前記指示入力手段の画像処理指示による前記画像処理手段の画
像処理に連係して前記補償処理を行うことを特徴とする請求項1または2のいずれか一項
に記載のX線診断装置。
【請求項4】
前記画像処理手段における前記画像処理は、ウインド処理またはガンマカーブ処理である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−69319(P2010−69319A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286945(P2009−286945)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【分割の表示】特願平11−284485の分割
【原出願日】平成11年10月5日(1999.10.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】