説明

insituで縮合することができる化合物及びUV照射を遮断する作用剤を含む美容的処置方法

本発明は、皮膚の美容的処置のための方法であって、
-in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物又は化合物の群A、並びに
-官能基FAとの反応によって共有結合又は物理的(イオン性、水素)結合を形成することができる反応性官能基FCを含む、UV照射を遮断する遮断剤C
の皮膚への適用を含む方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、in situで縮合することができる化合物又は化合物の群及びUV照射を遮断する作用剤を含む、皮膚の美容的処置のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
280〜400nmの波長を有する光照射は、ヒト表皮の褐色化を可能にし、UV-B線として知られている280〜320nmの波長を有する光線は、日焼けの発生には有害となる可能性がある赤い皮膚のシミに関与している。UV-A線として知られている320〜400nmの波長を有する光線は、特に弾力性の低下及び皺の出現とともに、皮膚の不利益な変化をもたらすことができ、早期老化をもたらす。
【0003】
したがって、UV線は遮断されなければならず、現在、UV-A及びUV-B照射の遮断に関して活性である有機UV遮断剤を含む、ヒト表皮用の保護的化粧用組成物が存在している。
【0004】
顕著なレベルのUV-A及びUV-B照射に対する遮断有効性を達成するためには、比較的多量のUV遮断剤が使用されなければならないことが知られている。しかしながら、これらのUV遮断剤は、高含有量で製剤化される場合、以下の不利点を示す:製剤の不安定性及び官能的欠陥。さらに、光保護化粧用組成物は、特にそれらの低い耐水性のために、日焼け止め製品の使用条件下でそれらの遮断有効性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US5624663
【特許文献2】EP669323
【特許文献3】US2463264
【特許文献4】US5237071
【特許文献5】US5166355
【特許文献6】GB2303549
【特許文献7】DE19726184
【特許文献8】EP893119
【特許文献9】EP0832642
【特許文献10】EP1027883
【特許文献11】EP1300137
【特許文献12】DE10162844
【特許文献13】WO93/04665
【特許文献14】DE19855649
【特許文献15】EP0967200
【特許文献16】DE19746654
【特許文献17】DE19755649
【特許文献18】EP-A-1008586
【特許文献19】EP1133980
【特許文献20】EP133981
【特許文献21】WO04/006878
【特許文献22】WO05/058269
【特許文献23】WO06/032741
【特許文献24】US6225467
【特許文献25】WO2004/085412
【特許文献26】WO06/035000
【特許文献27】WO06/034982
【特許文献28】WO06/034991
【特許文献29】WO06/035007
【特許文献30】WO2006/034992
【特許文献31】WO2006/034985
【特許文献32】EP-A-0518773
【特許文献33】WO-A-92/06778
【特許文献34】FR2315991
【特許文献35】FR2416008
【特許文献36】US4077441
【特許文献37】US4850517
【特許文献38】EP1562562
【特許文献39】EP1151742
【特許文献40】FR2869796
【特許文献41】US5538793
【特許文献42】EP-A-1579849
【特許文献43】FR2466492
【特許文献44】WO97/35842
【特許文献45】EP903342
【特許文献46】WO97/25970
【特許文献47】FR2840806
【特許文献48】FR2651126
【特許文献49】EP-B-0425324
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「Symmetrical Triazine Derivatives」IP.COM Journal、IP.COM INC West Henrietta、NY、US (2004年9月20日)
【非特許文献2】Bangham、Standish及びWatkins、J. Mol. Biol.、13巻、238頁(1965年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、限定された含有量のUV遮断剤を使用して得られる良好なレベルの遮断有効性を有し、良好なレベルの水に対する持続性を示す、利用可能な光保護化粧用組成物を取得することが必要であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、本出願人の会社は、限定された含有量のUV遮断剤を使用して得られる良好なレベルの遮断有効性を有し、水に対して良好なレベルの持続性を示す、利用可能な光保護化粧用組成物を取得することが可能であることを示した。これは、皮膚の表層中に又は皮膚上で、皮膚上にUV遮断剤を捕捉する特性を付与する縮合物を形成することが可能であることを本出願人の会社が発見したためである。この「捕捉」層は、以下に記載される少なくとも1つの化合物又は化合物の群Aのin situでの縮合によって形成される。
【0009】
本発明による方法によって得られる有利な特性は特に、
-皮膚の表面におけるUV遮断剤の均一な分布を促進する特性、
-これらのUV遮断剤に十分な付着点を提供して、水中及び特に水溶性又は水分散性遮断剤中への浸漬時にその場にとどまる特性
である。
【0010】
皮膚上でのUV遮断剤の耐性を強化する効果に加えて、本出願人の会社は、本発明が遮断有効性の増強等の他の利点をもたらすことができることを発見した。
【0011】
この原理は、以下のように利用される:
1-有効量の、それ自身と反応することができるモノマーAを含む組成物の、皮膚への適用。したがって、モノマーAは、このそれ自身との反応が起こるのを可能にする反応性官能基を有する。これらの官能基は、「モノマー間反応官能基」と称される。モノマーAは、それがまた、「捕捉官能基」と称される反応性官能基も反応後に有するように選択される。
【0012】
2-特にそれを含む溶媒媒質の蒸発により得られる濃度の増加にさらされる場合の、例えば、縮合による、皮膚上でのそれ自身との(又は別のモノマーBとの)このモノマーAの反応。この反応は、皮膚上又は皮膚中に沈着層の形成をもたらす。この沈着層は、必ずしも連続的ではないが、多数の小さい連結されたドメインで構成されていてもよい。
【0013】
3-皮膚上で得られたモノマーAの縮合物への遮断剤の適用。遮断剤は、特に、捕捉官能基を介して反応し得るが、1種若しくはそれ以上の、「モノマー間反応官能基」と称される反応していない反応基によってもまた反応し得る。
【0014】
4-化学反応は、遮断剤と1種若しくはそれ以上の捕捉官能基との間の共有結合又は物理的(イオン性又は水素)結合の形成とともに起こる。これは、皮膚上の縮合物を修飾する効果を有する。この反応は特に、適用される1つ又は複数のUV遮断剤の遮断有効性を維持しながら、それどころかさらには強化しながら、縮合物を不溶性にし、それにより皮膚上でのその持続性(水、汗、皮脂等への耐性)をさらに増加させることができる。
【0015】
したがって、本発明の対象は、皮膚の美容的処置のための方法であって、
-in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物又は化合物の群A、並びに
-官能基FAとの反応によって共有結合又は物理的(イオン性、水素)結合を形成することができる反応性官能基FCを含む、UV照射を遮断する遮断剤C
の皮膚への適用を含む、方法である。
【0016】
これは、本出願人の会社が、これらの2種類の化合物の皮膚への適用により、局所的で迅速な長時間持続する遮断特性を付与することが可能であることを実証することができたためである。
【0017】
捕捉層は、化合物又は化合物の群Aの縮合によって、皮膚の表層においてin situで形成される。
【0018】
本発明の別の対象は、UV照射を遮断する作用剤Cを皮膚上で捕捉するための作用剤としての、in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物又は化合物の群Aの使用である。
【0019】
したがって、本発明の別の対象は、官能基FAとの反応によって共有結合又は物理的(イオン性又は水素)結合を形成することができる反応性官能基FCを含むUV照射を遮断する作用剤Cの、皮膚上での捕捉のための、in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物又は化合物の群Aの使用である。
【0020】
本発明の特定の一形態によれば、Aの縮合の結果として生じる物質は水に可溶性であってもよく、遮断剤Cは、Aの縮合の結果として生じる物質との前記作用剤Cの反応により前記物質の水への可溶性が減少するように選択することができる。
【0021】
したがって、本発明は、皮膚の美容的処置のための方法であって、
-in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物又は化合物の群A、並びに
-官能基FAとの反応によって共有結合又は物理的結合を形成することができる反応性官能基FCを含む、美容上興味深い化合物C
の皮膚への適用を含み、Aの縮合の結果として生じる物質が水に可溶性であり、Cが、Aの縮合の結果として生じる物質との前記化合物Cの反応により前記物質の水への可溶性が減少するように選択される、方法に関する。
【0022】
別の態様によれば、本発明は、縮合物を皮膚中で不溶性にするための方法であって、
-in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物又は化合物の群A、並びに
-官能基FAとの反応によって共有結合又は物理的結合を形成することができる反応性官能基FCを含む遮断剤C
の皮膚への適用を含み、Aの縮合の結果として生じる物質が水に可溶性であり、遮断剤Cが、Aの縮合の結果として生じる物質との前記化合物Cの反応により前記物質の水への可溶性が減少するように選択される、方法に関する。
【0023】
本発明の別の対象は、in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物又は化合物の群Aの縮合の結果として生じる物質の、皮膚上又は皮膚中での可溶性を低下させる(それどころかさらにはそれを不溶性にする)ための方法であって、前記物質が水に可溶性であり、前記方法が、官能基FAとの反応によって、共有結合性又は物理的、特にイオン性とすることができる化学結合を形成することができる反応性官能基FCを含む、美容上興味深い化合物Cの前記物質への適用を含み、遮断剤Cが、Aの縮合の結果として生じる物質との前記作用剤Cの反応により前記物質の水への可溶性が減少するように選択される、方法である。
【0024】
本発明の別の対象は、美容特性を示す不溶性縮合物を皮膚上で得るための方法であって、
-in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物又は化合物の群A、並びに
-官能基FAとの反応によって共有結合又は物理的結合を形成することができる反応性官能基FCを含む遮断剤C
の皮膚への適用を含み、
-Aの縮合の結果として生じる物質が水に可溶性であり、遮断剤Cが、Aの縮合の結果として生じる物質との前記遮断剤Cの反応により前記物質の水への可溶性が減少するように選択される、方法である。
【0025】
本発明はまた、in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物又は化合物の群Aの縮合の結果として生じる物質の可溶性を低下させる(それどころかさらにはそれを不溶性にする)ための、遮断剤Cの使用であって、前記物質が水に可溶性であり、遮断剤Cが、官能基FAとの反応によって共有結合又は物理的結合を形成することができる反応性官能基FCを含む、使用にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】皮膚上に事前に塗布されるAPTESの量が増加するのに比例して、SPFは増加する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の文脈において、「皮膚」という用語は、皮膚又は頭皮を示す。
【0028】
本発明によれば、「UV照射を遮断する作用剤」という用語は、UV-A及び/又はUV-B照射の吸収及び/又は反射及び/又は散乱についてそれ自体が知られている機構を介して、この又はこれらの化合物が適用された表面(皮膚、毛髪)との前記照射の接触を防止する、又は少なくとも制限することができる任意の化合物又は化合物の任意の組合せを意味することが一般に意図される。言い換えると、これらの化合物は、UVを吸収する光保護有機遮断剤又はUVを散乱させる及び/若しくはUVを反射する無機物顔料、また並びにそれらの混合物であり得る。
【0029】
第1の特定の実施形態によれば、in situで縮合することができる化合物Aが使用される。この実施形態において、化合物Aは、少なくとも2つの反応性官能基、即ち、化合物Aがそれ自身と縮合することを可能にする官能基、及び少なくとも1つの「捕捉」反応性官能基FA又は縮合後に官能基FAの形成をもたらす1つの官能基を含まなければならない。
【0030】
第2の実施形態によれば、化合物の群Aが使用される。この実施形態は、互いに縮合することができる少なくとも2つの分子の使用を含む。この事例において、本発明によれば、化合物の群を構成する分子は、群Aの縮合を可能にする(数個の)官能基及び縮合後の捕捉反応性官能基FAの存在を可能にする(数個の)官能基を含まなければならない。
【0031】
特定の一実施形態によれば、官能基FAは、化合物の群Aの化合物のうちの1つのみにおいて存在する。
【0032】
別の実施形態において、反応性官能基は、化合物の群の少なくとも2つの化合物において存在する。
【0033】
言い換えると、分子A1及びA2で構成される化合物の群Aで、A2は捕捉官能基を含んでいなくてもよい。この事例において、A1は捕捉官能基を示すか、又はA1は縮合反応の終結時に出現するかのいずれかである。代替として、化合物A2が捕捉官能基を含むことができる。この事例において、化合物A1は、捕捉官能基を含むことはできない。
【0034】
例示のために、化合物の群Aの縮合は、以下のように表すことができる。
【0035】
2つの化合物:A1及びA2を含む化合物の群A
-第1の事例:A1が、捕捉官能基を含む(化合物FA-A1);A2は含まない
縮合生成物:
【0036】
【化1】

【0037】
-第2の事例:A1及びA2が(同一の又は異なる)捕捉官能基を含む
(化合物FA-A1及び化合物F'A-A1)
縮合生成物:
【0038】
【化2】

【0039】
この特に単純化された概略図の例は例示のためだけに提示され、本発明を限定すると解釈されるべきではないことが理解される。
【0040】
好ましい一実施形態によれば、本発明による方法は、
-in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物Aの皮膚への適用、並びに
-官能基FAとの反応によって共有結合又は物理的(イオン性、水素)結合を形成することができる反応性官能基FCを含む、UV照射を遮断する作用剤Cの適用
を含む。
【0041】
縮合及び捕捉官能基を、上記の化合物A又は化合物の群A(例えばA1+A2)を区別なく意味するAに関して以下に説明する。
【0042】
1つ又は複数の捕捉官能基は、遮断剤Cと反応することができるように、Aの縮合後に少なくとも一部遊離でなければならない。代替として、1つ又は複数の捕捉官能基は、化合物若しくは化合物の群Aにおいて存在しなくても、又は遊離形態でなくてもよいが、その縮合の終結時に出現し、又は遊離になる。これらは、例えば、皮膚上に天然に存在する酵素の作用の後で出現し得る第一級アミン官能基であってもよい。
【0043】
好ましくは、縮合後に遊離である捕捉官能基は、Fcapt/Aが0.1より大きく、好ましくは0.5より大きくなるような割合で存在しなければならない(Fcapt及びAは、縮合後に遊離である捕捉官能基の数及びAの分子の数による量をそれぞれ表す)。言い換えると、縮合後、Aの分子10個当たり少なくとも1個の遊離捕捉官能基、好ましくは少なくとも5個の遊離捕捉官能基が存在する。
【0044】
化合物又は化合物の群Aの捕捉官能基FAは、典型的には、アミン並びにヒドロキシル、チオール、硫酸及びリン酸官能基等の他の求核性官能基から選択される。好ましくは、FAはアミン、好ましくは、第一級アミンである。
【0045】
Aの縮合は、求核性実体の求電子性実体との反応から生じることができる。第1の代替形態によれば、縮合官能基は、典型的には、以下の方程式に従って、水分子の除去による結合の生起を可能にするものである:
R-OH+HO-R'→R-O-R'+H2O
【0046】
特定の一実施形態において、用いられる化合物はオルガノシランである。
【0047】
第2の代替形態によれば、縮合は、特に以下の方程式のうちの1つに従って、第2の実体からプロトンを引き抜くことによる実体の反応から生じ得る:
R-CH=CH2+H-R'→R-CH2-CH2-R'
及び
R-CH=NH+H-R'→R-CH2-NH-R'
【0048】
上記の方程式において、R及びR'は互いに独立して、任意の原子群を意味し、Aの縮合生成物は、少なくとも1個の遊離の官能基FAを含まなければならないことが理解される。
【0049】
好ましくは、縮合は、上記の第1の代替形態に従って行われる。
【0050】
特定の一実施形態において、化合物Aは、1分子当たり1〜3個のケイ素原子及び少なくとも2個のヒドロキシル基又は加水分解性基を含む有機ケイ素化合物である。化合物Aは、したがって、ケイ素原子を含むオルガノシラン及び2個又は3個のケイ素原子、好ましくは2個のケイ素原子を含むオルガノシロキサンから選択される。
【0051】
好ましい一実施形態によれば、化合物Aはオルガノシランである。化合物Aは特に、アルコキシシラン、好ましくは官能化されたアルコキシシランとすることができる。
【0052】
化合物の群Aは、有機ケイ素化合物及び化合物A2を含むこの群がin situで縮合することができるような、上記の有機ケイ素化合物(化合物A1)と少なくとも1種の他の化合物(化合物A2)との混合物とすることができる。
【0053】
好ましくは、化合物A(又は化合物の群Aの分子のうちの少なくとも1つ)は、式:
【0054】
【化3】

【0055】
(式中、
R4は、ハロゲン又はOR'基若しくはR'1基を表し、
R5は、ハロゲン又はOR'基若しくはR'2基を表し、
R6は、ハロゲン又はOR'''若しくはR'3基を表し、
R1、R2、R3、R'、R''、R'''、R'1、R'2及びR'3は、互いに独立して、酸基又はアミン基等の追加の化学基を任意選択で有する、直鎖状又は分岐状の及び飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、加えて、R1、R2、R'、R''及びR'''は水素を意味することが可能であり、
R4、R5及びR6基の少なくとも2つは、R'1、R'2及びR'3基と異なる)
に相当する。
【0056】
好ましくは、R1、R2、R'、R''及びR'''、R'1、R'2及びR'3は、C1〜C12アルキル基、C6〜C14アリール基、C1〜C8アルキル-C6〜C14アリール基、及びC6〜C14アリール-C1〜C8アルキル基を表し;R3は、好ましくは、C1〜C12アルキル、C6〜C14アリール、C1〜C8アルキル-C6〜C14アリール及びC6〜C14アリール-C1〜C8アルキル基である。
【0057】
本発明の組成物において好ましいオルガノシロキサンは、式:
【0058】
【化4】

【0059】
(式中、
R1、R2、R3、R5及びR6は、上記の通り定義され、
R'4は、ハロゲン(フッ素、臭素、塩素又はヨウ素)又はOR11基を表し、
R7は、ハロゲン又はOR10若しくはR''1基を表し、
R9は、ハロゲン又はOR8、R''2若しくはR3NR1R2基を表し、
R''1、R''2、R8、R10及びR11は、塩基性可溶化基等の追加の化学基を任意選択で有する、直鎖状又は分岐状の及び飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、
R11、R10及びR8は水素をさらに意味することが可能である)
によって表すことができる。
【0060】
好ましくは、R''1、R''2、R8又はR10及びR11は、C1〜C12アルキル基、C6〜C14アリール基、C1〜C8アルキル-C6〜C14アリール基及びC6〜C14アリール-C1〜C8アルキル基を表す。
【0061】
R6、R7及びR9基の少なくとも1つは、ハロゲン又はOR'''、OR10若しくはOR8基を意味する。
【0062】
好ましくは、ハロゲンは塩素である。
【0063】
特に好ましいクラスの有機ケイ素化合物は、式:
【0064】
【化5】

【0065】
(式中、同一の又は異なるR基は、メチル、エチル、プロピル及びブチル等のC1〜C6アルキル基から選択され、nは、1〜6の、好ましくは2〜4の整数である)の化合物で構成される。
【0066】
特に、化合物Aは、少なくとも1つの求核性の捕捉官能基を含むアルコキシシラン、特にこの本文の続きにおいてAPTESとして知られているγ-アミノプロピルトリエトキシシラン、又はその誘導体の1つである。
【0067】
本発明による方法において含むことができる化合物A2は、化合物の群Aが皮膚に適用される場合、例えば、上記に示されている化合物Aと同じ定義に相当し得る。化合物A2は、特に、Si-O-Si結合を形成する能力を有する分子から選ぶことができる。例示のために、メチルトリエトキシシラン(MTES)を挙げることができる。
【0068】
Aは、この縮合が起こらなければならない領域に到達した場合にのみ縮合が起こるように選ばれる。例えば、化合物Aは高度に反応性であってもよく、その縮合は皮膚の表面において起こってもよい。代替として、化合物Aが皮膚中に程度の差はあれ深く浸透したら、縮合が起こってもよい。
【0069】
化合物Aの又は化合物の群Aの縮合の結果として生じる物質の遊離捕捉官能基の少なくとも1つと反応することができる化学官能基FCとして、カルボニル、カルボン酸、スルホン酸、エステル、アミン及びヒドロキシル官能基を特に挙げることができる。
【0070】
本発明の特に好ましい形態によれば、皮膚上に形成される捕捉物質の耐性(摩擦作用、水、汗、皮脂等への耐性)を強化するために、本発明の方法において、上記で定義されている化合物A1とA2の混合物、特にγ-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)及びメチルトリエトキシシラン(MTES)で構成される混合物が使用される。A1対A2の重量比は、好ましくは、10/90から90/10まで、より好ましくは30/70から70/30まで様々である。
【0071】
遮断剤
本発明による遮断剤は、有機UV遮断剤、無機遮断剤又はそれらの混合物から選択される。
【0072】
有機UV遮断剤は、特に、ケイ皮酸誘導体;アントラニラート;サリチル酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体、カンファー誘導体;ヒドロキシフェニルベンゾフェノン誘導体;β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体、特に特許US5624663において言及されているもの;ベンゾイミダゾール誘導体;イミダゾリン;特許EP669323及びUS2463264において記載されているビス-ベンゾアゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;特許出願US5237071、US5166355、GB2303549、DE19726184及びEP893119において記載されているメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;特許出願EP0832642、EP1027883、EP1300137及びDE 10162844において記載されているベンゾオキサゾール誘導体;特に特許出願WO93/04665において記載されているもの等の遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン;特許出願DE19855649において記載されているもの等のα-アルキルスチレンベースのダイマー;特許出願EP0967200、DE19746654、DE19755649、EP-A-1008586、EP1133980及びEP133981において記載されているもの等の4,4-ジアリールブタジエン;特許出願WO04/006878、WO05/058269及びWO06/032741において記載されているもの等のメロシアニン誘導体;並びにそれらの混合物から選ばれる。
【0073】
追加の有機光保護剤の例としては、INCI名で以下に示すものを挙げることができる。
ケイ皮酸誘導体:
特にDSM Nutritional Productsによって商標名Parsol MCXで販売されているエチルヘキシルメトキシシンナメート、
イソプロピルメトキシシンナメート、
Symriseによって商標名Neo Heliopan E1000で販売されているイソアミルメトキシシンナメート、
DEA-メトキシシンナメート、
ジイソプロピルメチルシンナメート、
グリセリルエチルヘキサノエートジメトキシシンナメート。
ジベンゾイルメタン誘導体:
特にDSMによって商標名Parsol1789で販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタン、
イソプロピルジベンゾイルメタン。
パラ-アミノ安息香酸誘導体:
PABA、
エチルPABA、
エチルジヒドロキシプロピルPABA、
特にISPによってEscalol507の名称で販売されているエチルヘキシルジメチルPABA、
グリセリルPABA、
BASFによってUvinul P25の名称で販売されているPEG-25 PABA。
サリチル酸誘導体:
Rona/EM IndustriesによってEusolex HMSの名称で販売されているホモサレート、
SymriseによってNeo Heliopan OSの名称で販売されているエチルヘキシルサリチレート、
ScherによってDipsalの名称で販売されているジプロピレングリコールサリチレート、
SymriseによってNeo Heliopan TSの名称で販売されているTEAサリチレート。
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体:
特にBASFによって商標名Uvinul N539で販売されているオクトクリレン、
特にBASFによって商標名Uvinul N35で販売されているエトクリレン。
ヒドロキシフェニルベンゾフェノン誘導体:
BASFによって商標名Uvinul400で販売されているベンゾフェノン-1、
BASFによって商標名Uvinul D50で販売されているベンゾフェノン-2、
BASFによって商標名Uvinul M40で販売されているベンゾフェノン-3又はオキシベンゾン、
BASFによって商標名Uvinul MS40で販売されているベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
Norquayによって商標名Helisorb11で販売されているベンゾフェノン-6、
American Cyanamidによって商標名Spectra-Sorb UV-24で販売されているベンゾフェノン-8、
BASFによって商標名Uvinul DS-49で販売されているベンゾフェノン-9、
ベンゾフェノン-12、
BASF社によって商標名Uvinul A+で、又はオクチルメトキシシンナメートとの混合物の形態で商標名Uvinul A+Bで販売されているn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート。
ベンジリデンカンファー誘導体:
ChimexによってMexoryl SDの名称で製造されている3-ベンジリデンカンファー、
MerckによってEusolex6300の名称で販売されている4-メチルベンジリデンカンファー、
ChimexによってMexoryl SLの名称で製造されているベンジリデンカンファースルホン酸、
ChimexによってMexoryl SOの名称で製造されているカンファーベンザルコニウムメトサルフェート、
ChimexによってMexoryl SXの名称で製造されているテレフタリリデンジカンファースルホン酸、
ChimexによってMexoryl SWの名称で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
フェニルベンゾイミダゾール誘導体:
特にMerckによって商標名Eusolex232で販売されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
Symriseによって商標名Neo Heliopan APで販売されているフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
フェニルベンゾトリアゾール誘導体:
Rhodia ChimieによってSilatrizoleの名称で販売されているドロメトリゾールトリシロキサン、
Fairmount Chemicalによって商標名Mixxim BB/100で固体形態で販売されている、又はCiba Specialty Chemicalsによって商標名Tinosorb Mで微粉化された形態で水性分散液として販売されている、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール。
トリアジン誘導体:
Ciba Geigyによって商標名Tinosorb Sで販売されているビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
特にBASFによって商標名Uvinul T150で販売されているエチルヘキシルトリアゾン、
Sigma3Vによって商標名Uvasorb HEBで販売されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
特許US6225467、特許出願WO2004/085412(化合物6及び9を参照)又は文献「Symmetrical Triazine Derivatives」IP.COM Journal、IP.COM INC West Henrietta、NY、US (2004年9月20日)に記載されている対称トリアジン遮断剤、特に2,4,6-トリス(ビフェニル)-1,3,5-トリアジン(特に2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル-1,3,5-トリアジン)及び2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン(Beiersdorfの特許出願WO06/035000、WO06/034982、WO06/034991、WO06/035007、WO2006/034992及びWO2006/034985にも言及されている)。
アントラニル酸誘導体:
Symriseによって商標名Neo Heliopan MAで販売されているアントラニル酸メンチル。
イミダゾリン誘導体:
エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
ベンザルマロネート誘導体:
ベンザルマロネート官能基を含有するポリオルガノシロキサン、例えば、DSM Nutritional Productsによって商標名Parsol SLXで販売されているポリシリコーン-15。
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:
-1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
ベンゾオキサゾール誘導体:
Sigma3VによってUvasorb K2Aの名称で販売されている2,4-ビス[4-[5-(1,1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル]フェニルイミノ]-6-[(2-エチルヘキシル)イミノ]-1,3,5-トリアジン、
及びそれらの混合物。
【0074】
優先的な有機遮断剤は、以下から選択される:
エチルヘキシルメトキシシンナメート、
エチルヘキシルサリチレート、
ホモサレート、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
オクトクリレン、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
ベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
4-メチルベンジリデンカンファー、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、
ビス-エチルヘキシルオキシフェニルメトキシフェニルトリアジン
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン、
2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン、
ドロメトリゾールトリシロキサン
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
2,4-ビス[4-[5-(1,1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル]フェニルイミノ]-6-[(2-エチルヘキシル)イミノ]-1,3,5-トリアジン、
及びそれらの混合物。
【0075】
本発明によって使用される無機物UV遮断剤は、金属酸化物顔料である。より優先的には、本発明の無機物UV遮断剤は、500nm以下、より優先的には5nmから500nmの間、さらにより優先的には10nmから100nmの間、優先的には15から50nmの間の平均基本粒子径を有する金属酸化物顔料である。
【0076】
これらは特に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム及び酸化セリウム、又はそれらの混合物から選ぶことができる。
【0077】
そのような被覆又は非被覆金属酸化物顔料は、特に特許出願EP-A-0518773において記載されている。挙げることができる市販の顔料は、Kemira社、Tayca社、Merck社及びDegussa社によって販売されている製品を含む。
【0078】
金属酸化物顔料は、被覆されていてもよく又は被覆されていなくてもよい。
【0079】
被覆顔料は、アミノ酸、蜜ろう、脂肪酸、脂肪アルコール、アニオン界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄若しくはアルミニウム塩、ポリエチレンの金属アルコキシド(チタン又はアルミニウムの)、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物又はヘキサメタリン酸ナトリウム等の化合物による、化学的、電子的、メカノケミカル及び/又は機械的性質の1種若しくはそれ以上の表面処理を受けた顔料である。
【0080】
被覆顔料は、より詳細には、以下の被覆された酸化チタンである:
-シリカで被覆された酸化チタン、例えば、池田物産株式会社の製品Sunveil、
-シリカ及び酸化鉄で被覆された酸化チタン、例えば、池田物産株式会社の製品Sunveil F、
-シリカ及びアルミナで被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT500SA及びMicrotitanium Dioxide MT100SA、並びにTioxide社の製品Tioveil、
-アルミナで被覆された酸化チタン、例えば、石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(B)及びTipaque TTO-55(A)並びにKemira社の製品UVT14/4、
-アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン、例えば、テイカ社の製品Microtitanium Dioxide MT100T、MT100TX、MT100Z及びMT-01、Uniqema社の製品Solaveil CT-10W及びSolaveil CT100、Merck社の製品Eusolex T-AVO、
-シリカ、アルミナ及びアルギン酸で被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品MT-100AQ、
-アルミナ及びラウリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT100S、
-酸化鉄及びステアリン酸鉄で被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT100F、
-酸化亜鉛及びステアリン酸亜鉛で被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品BR351、
-シリカ及びアルミナで被覆され、シリコーン処理された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT600SAS、Microtitanium Dioxide MT500SAS又はMicrotitanium Dioxide MT100SAS、
-シリカ、アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆され、シリコーン処理された酸化チタン、例えば、チタン工業株式会社の製品STT-30-DS、
-シリカで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン、例えば、Kemira社の製品UV-Titan X195、
-アルミナで被覆され、シリコーン処理された酸化チタン、例えば、石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(S)又はKemira社の製品UV Titan M262、
-トリエタノールアミンで被覆された酸化チタン、例えば、チタン工業株式会社の製品STT-65-S、
-ステアリン酸で被覆された酸化チタン、例えば、石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(C)、
-ヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆された酸化チタン、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT150W。
-Degussa Silices社によって商標名T805で販売されているオクチルトリメチルシランで処理されたTiO2
-Cardre社によって商標名70250Cardre UF TiO2SI3で販売されているポリジメチルシロキサンで処理されたTiO2
-Color Techniques社によって商標名Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobicで販売されている、ポリジメチル水素シロキサンで処理されたアナターゼ/ルチルTiO2
【0081】
非被覆酸化チタン顔料は、例えば、テイカ株式会社によって商標名Microtitanium Dioxide MT500B又はMicrotitanium Dioxide MT600Bで、Degussa社によってP25の名称で、Wackherr社によってTransparent titanium oxide PWの名称で、三好化成株式会社によってUFTRの名称で、Tomen社によってITSの名称で、及びTioxide社によってTioveil AQの名称で販売されている。
【0082】
非被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、以下のものである:
-Sunsmart社によってZ-Coteの名称で販売されているもの;
-Elementis社によってNanoxの名称で販売されているもの;
-Nanophase Technologies社によってNanogard WCD2025の名称で販売されているもの。
【0083】
被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、以下のものである:
-Toshibi社によってZinc Oxide CS-5の名称で販売されているもの(ポリメチル水素シロキサンで被覆されたZnO);
-Nanophase Technologies社によってNanogard Zinc Oxide FNの名称で販売されているもの(Finsolv TN、C12〜C15アルキルベンゾエート中40%分散液として);
-大東化成株式会社によって「Daitopersion ZN-30」及び「Daitopersion ZN-50」の名称で販売されているもの(シリカ及びポリメチル水素シロキサンで被覆されたナノ亜鉛酸化物30%又は50%を含有する、シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン中分散液);
-Daikin社によって「NFD Ultrafine ZnO」の名称で販売されているもの(シクロペンタシロキサン中分散液としての、ペルフルオロアルキルホスフェート及びペルフルオロアルキルエチルをベースとするコポリマーで被覆されたZnO);
-信越化学工業株式会社によってSPD-Z1の名称で販売されているもの(シクロジメチルシロキサン中に分散された、シリコーングラフトアクリルポリマーで被覆されたZnO);
-ISP社によってEscalol Z100の名称で販売されているもの(エチルヘキシルメトキシシンナメート/PVP-ヘキサデセン/メチコーンコポリマー混合物中に分散された、アルミナ処理ZnO);
-富士色素株式会社によってFuji ZnO-SMS-10の名称で販売されているもの(シリカ及びポリメチルシルセスキオキサンで被覆されたZnO);
-Elementis社によってNanox Gel TNの名称で販売されているもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合物を含むC12〜C15アルキルベンゾエート中に55%の濃度で分散されたZnO)。
【0084】
非被覆酸化セリウム顔料は、Rhone-Poulenc社によってColloidal Cerium Oxideの名称で販売されている。
【0085】
非被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社によってNanogard WCD2002 (FE45B)、Nanogard Iron FE45BL AQ、Nanogard FE45R AQ及びNanogard WCD2006 (FE45R)の名称で、又はMitsubishi社によってTY-220の名称で販売されている。
【0086】
被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社によってNanogard WCD2008 (FE45B FN)、Nanogard WCD2009 (FE45B556)、Nanogard FE45BL345及びNanogard FE45BLの名称で、又はBASF社によってTransparent Iron Oxideの名称で販売されている。
【0087】
さらに、金属酸化物の混合物、特に二酸化チタンと二酸化セリウムとの混合物、例えば、池田物産株式会社によってSunveil Aの名称で販売されているシリカ被覆二酸化チタンとシリカ被覆二酸化セリウムとのシリカ被覆等重量混合物、並びに二酸化チタンと二酸化亜鉛とのアルミナ、シリカ及びシリコーン被覆混合物、例えば、Kemira社によって販売されている製品M261、又は二酸化チタンと二酸化亜鉛とのアルミナ、シリカ及びグリセロール被覆混合物、例えば、Kemira社によって販売されている製品M211を挙げることが可能である。
【0088】
本発明によれば、被覆又は非被覆酸化チタン顔料が特に好ましい。
【0089】
本発明の好ましい一形態において、遮断剤は、水溶性又は水分散性であり、一般に、1種若しくはそれ以上のアニオン性の、好ましくはスルホン酸又はカルボン酸の官能基を示す有機遮断剤から選ばれる。
【0090】
本明細書の続きにおいて、「水溶性又は水分散性UV遮断剤」は、組成物の水相中に分子状態で完全に溶解すること、又はそうでなければ組成物の水相中にコロイド形態で(例えば、ミセル形態で)溶解することができる、UV照射を遮断する任意の作用剤を意味すると理解される。
【0091】
想定されるUV遮断剤は、好ましくは、4-アミノ安息香酸(PABA)、フェルラ酸、ケイ皮酸、サリチル酸、ベンゾイミダゾール、ベンジリデンカンファー又はベンゾフェノン等の発色団を含む。
【0092】
例えば、以下を挙げることができる:
PABA、
グリセリルPABA、
PEG-25 PABA
TEAサリチレート
DEA-メトキシシンナメート、
BASFによって商標名「Uvinul MS40」で販売されているベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
ベンゾフェノン-12、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
ベンジリデンカンファースルホン酸
カンファーベンザルコニウムメトサルフェート、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
【0093】
より好ましくは、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム又はそれらの混合物
が使用される。
【0094】
好ましい一実施形態によれば、本発明の方法は、
-in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物Aの皮膚への適用、並びに
-官能基FAとの反応によってイオン性(特にカルボン酸又はスルホン酸)結合を形成することができる反応性官能基FCを含む水溶性又は水分散性UV遮断剤の適用
を含む。
【0095】
遮断剤は、一般に、組成物の総重量に関して0.1重量%〜15重量%までの範囲の、好ましくは0.2重量%〜10重量%までの、より優先的には1重量%〜6重量%までの割合で存在する。
【0096】
化合物A(又は化合物の群A)及び遮断剤Cは、皮膚上において付与することが望ましい1つ又は複数の特性に応じて選ばれる。
【0097】
本発明による方法は、特に、それが存在する媒質の蒸発によって得られる濃度の増加にそれがさらされる場合に、縮合することができる化合物又は化合物の群Aの皮膚への適用を含む。化合物又は化合物の群Aは、したがって、上記で言及されたように、この縮合を可能にするための反応性官能基を含む。
【0098】
この縮合は、皮膚上における沈着層の形成をもたらす。この沈着層は、必ずしも連続的ではないが、多数の連結されたドメインで構成されていてもよい。化合物Aは、その縮合の結果として生じる物質が、「捕捉官能基」と称される遊離反応性官能基を示すように選ばれる。
【0099】
遮断剤Cもまた皮膚に適用される。
【0100】
遮断剤Cは、縮合後に遊離である捕捉官能基FA及び遮断剤Cにおいて存在する官能基FCを介して、Aの縮合生成物と反応することができる。
【0101】
本発明による方法は、遮断剤Cの逐次的な適用を含む。
【0102】
本発明の一実施形態において、第1のステップにおいて、化合物A(又は化合物の群A)は、皮膚の領域に適用される。その後、1分から5時間の間、好ましくは1分から1時間の間、より好ましくはさらに2分から10分の間とすることができる、程度の差はあれ長時間の後、遮断剤Cは皮膚の同じ領域に適用される。
【0103】
この実施形態の状況において、化合物Aの(又は化合物の群Aの)縮合は、自然発生的に起こることができ、又は、遮断剤Cの適用前に誘発されていてもよい。次いで遮断剤Cは、縮合物における1つ又は複数の遊離捕捉官能基を介して縮合物と反応することができる。遮断剤Cはまた、捕捉官能基以外の1種若しくはそれ以上の反応性官能基と、特にAのそれ自身との反応に関与することができた可能性があるが反応しなかった反応性官能基とも反応することができる。
【0104】
したがって、化合物Aが捕捉官能基を保有しているオルガノシランである特定の事例において、遮断剤Cは、縮合物の捕捉官能基及び縮合していないシラノールと反応することができることが理解される。
【0105】
次いで化学反応が、遮断剤Cと1種若しくはそれ以上の反応性官能基との間の、より詳細には化合物Aの又は化合物の群Aの縮合物において存在する捕捉官能基FAとの共有結合又は物理的結合の形成を伴って起こる。これは、皮膚上の物質を修飾する効果を有し得る。この反応は特に、遮断剤Cによって付与される遮断特性を維持しながら、それどころかさらには強化しながら、縮合物を不溶性にすることができ、したがって、皮膚上及び/又は皮膚中でのその持続性(水、汗、皮脂等への耐性)をさらに増加させることができる。
【0106】
本発明は、本発明において行われる反応を加速させる又は抑制する方法、例えば、熱又は冷気、マイクロ波、pH剤又は触媒の使用とともに用いることができる。
【0107】
例えば、反応を調節するため又は反応をより速くするために、皮膚の表面から、遮断剤Cと化合物又は化合物の群Aとの間の反応に作用することもまた可能である。
【0108】
本発明による方法の代替形態によれば、最初に化合物Aが適用され、次いで、Aの縮合のための反応が起こるまで待ち時間がある。これは、迅速若しくは緩慢であってもよく、皮膚を乾燥することを伴っても若しくは伴わなくてもよく、又は、例えば熱源若しくは別のエネルギー源の使用による、活性化を伴っても若しくは伴わなくてもよい。この段階で、遮断剤Cを適用すること、又はすすぎ、次いで、遮断剤Cを適用することが可能である。遮断剤Cは、Aの縮合の結果として生じる物質と反応させたままにすることができる。AとCの間の反応を活性化することもまた可能である。AとCの間の反応後、すすぎが行われてもよく、又は行われなくてもよい。
【0109】
特定の一実施形態によれば、化合物Aは、縮合反応を可能にしない形態で又は条件下で適用される。化合物Aが浸透するまで待ち時間がある。次いで、アジュバント(例えば、pH剤)を添加すること又は条件を変更することのいずれかによって、例えば温度を変更することによって(特に、温度を増加させることによって)、反応を誘発する。縮合が開始したら、及び任意選択によりすすぎ段階の後に、遮断剤Cが上記の通り適用される。
【0110】
別の代替形態において、化合物A又は化合物の群Aが適用され、次いで、捕捉反応が起こり得ない条件下で遮断剤Cが適用される。縮合が起こる。縮合が開始したら、遮断剤Cの、Aの縮合物との反応が誘発される。
【0111】
特定の一実施形態において、化合物A及びCは、皮膚への適用の前に混合される(用時混合)。この混合は、適用前に又は皮膚への適用中に(処置しようとする皮膚の領域上での直接混合)行うことができる。
【0112】
化合物A(又は化合物の群A)及び遮断剤Cは、したがって、併用して適用することができる。この事例において、
-化合物A及び遮断剤Cが、Cの存在がAの縮合を防止しないように選ばれ、或いは
-化合物A及び遮断剤C及び/又は使用条件が、Aの縮合がCの反応より速くなるように選ばれ、或いは
-遮断剤Cは反応することができないが、化合物Aは縮合することができる。しばらくして、その後の作用によって又は自然に、例えばpH若しくは温度の変化によって又は光源の適用によって、遮断剤Cの反応が誘発される。
【0113】
特定の一実施形態において、Aの縮合の結果が皮膚に適用される。例えば、ポリAPTES薄膜を適用することができる。遮断剤Cが続いて適用される。
【0114】
別の実施形態において、最初に遮断剤Cが適用され、次いで、化合物Aが適用される。
【0115】
一般に、適した触媒、例えば、pH剤、塩、金属及び/又は酵素の使用によって、反応は加速させることができる。
【0116】
本発明の別の対象は、有効量の、皮膚上においてin situで縮合することができる化合物Aを含む化粧用組成物、及び有効量の、化合物Aの縮合の結果として生じる物質の1種若しくはそれ以上の遊離反応性官能基と反応するであろう遮断剤Cを含む化粧用組成物の、併用使用である。
【0117】
製剤形態
化合物A、又は化合物の群A、及び遮断剤Cは、生理学的に許容される媒質を含む組成物中に製剤化することができる。
【0118】
これらの組成物は、想定される適用において従来から使用されている任意の製剤形態に従って提供することができる。言うまでもなく、当業者は、想定される添加が化合物Aの(又は化合物の群Aの)及び遮断剤Cの有利な特性に全く又は実質的に悪影響を及ぼさないように、構成要素及び任意選択の追加の成分及び/若しくは活性剤、並びに/又はその量を注意深く選択する。
【0119】
特定の一実施形態において、本発明によって使用される組成物は、水性組成物である。
【0120】
皮膚の光保護のために用いられる遮断剤Cを含む組成物は、当業者に周知の技術に従って調製することができる。以下に記載の製剤形態及び活性剤を、化合物Aの製剤に使用することができることに留意するべきである。
【0121】
本発明によって用いられる組成物は、特に脂肪性物質、有機溶媒、イオン性若しくは非イオン性の、親水性若しくは親油性の増粘剤、軟化剤、湿潤剤、不透明剤、安定剤、皮膚軟化剤、シリコーン、消泡剤、香料、保存剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性イオン性若しくは両性界面活性剤、活性剤、充填剤、ポリマー、噴射剤、酸性化剤若しくは塩基性化剤又は化粧品中に及び/若しくは皮膚科学において通常使用される任意の他の成分から選択される標準的な化粧品補助剤を含むことができる。これらの化粧品補助剤は、Aを含む組成物中、遮断剤Cを含む組成物中、又は両方の組成物中に区別なく組み込むことができる。
【0122】
脂肪性物質は、油若しくは上記で定義した無極性ワックス以外のワックス又はそれらの混合物からなってもよい。油という用語は、室温で液体の化合物を意味する。ワックスという用語は、室温で固体又は実質的に固体であり、融点が一般に35℃より高い化合物を意味する。
【0123】
挙げることができる油は、鉱油(パラフィン);植物油(甘扁桃油、マカダミア油、ブラックカラント油又はホホバ油);合成油、例えば、ペルヒドロスクアレン、脂肪アルコール、脂肪アミド(例えば、Eldew SL-205の名称で味の素株式会社によって販売されているラウロイルサルコシンイソプロピル),脂肪酸又は脂肪エステル、例えば、商標名Finsolv TN又はWitconol TNでWitco社によって販売されているC12〜C15アルキルベンゾエート等、2-エチルフェニルベンゾエート、例えば、X-Tend226(登録商標)の名称でISP社によって販売されている市販の製品等、パルミチン酸オクチル、イソプロピルラノレート、Dub Disの名称でStearinerie Dubois社によって販売されているセバシン酸ジイソプロピル、トリグリセリド(カプリン酸/カプリル酸トリグリセリドを含む)、及びCetiol CCの名称でCognis社によって販売されている炭酸ジカプリリル、オキシエチレン化又はオキシプロピレン化脂肪エステル及びエーテル等;シリコーン油(シクロメチコーン及びポリジメチルシロキサン、又はPDMS)又はフッ素油、ポリアルキレン及びトリアルキルトリメリテート、例えば、トリデシルトリメリテート等を含む。
【0124】
挙げることができるワックス化合物は、カルナバワックス、蜜ろう、水素化ヒマシ油、ポリエチレンワックス及びポリメチレンワックス、例えば、Sasol社によってCirebelle303の名称で販売されているワックスを含む。
【0125】
有機溶媒としては、低級アルコール及びポリオールを挙げることができる。こうしたポリオールは、グリコール及びグリコールエーテル、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコールから選択することができる。
【0126】
挙げることができる親水性増粘剤は、カルボキシビニルポリマー、例えば、Carbopol(カルボマー)及びPemulen(アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートコポリマー)等;ポリアクリルアミド、例えば、Sepigel305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13-14イソパラフィン/Laureth7)又はSimulgel600(CTFA名:アクリルアミド/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)という名称でSEPPIC社によって販売されている架橋コポリマー等;任意選択により架橋及び/又は中和されている2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマー、例えば、Clariant社によって商標名Hostacerin AMPS(CTFA名:アンモニウムポリアクリロイルジメチルタウレート)で販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)又はSEPPIC社によって販売されているSimulgel800(CTFA名:ナトリウムポリアクリロイルジメチルタウレート/ポリソルベート80/オレイン酸ソルビタン)等;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のコポリマー及びヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー、例えば、SEPPIC社によって販売されているSimulgel NS及びSepinov EMT10;セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシエチルセルロース等;多糖及び特にキサンタンガム等のガム;水溶性又は水分散性のシリコーン誘導体、例えば、アクリルシリコーン、ポリエーテルシリコーン及びカチオン性シリコーン等、並びにそれらの混合物を含む。
【0127】
挙げることができる親油性増粘剤は、合成ポリマー、例えば、Intelimer IPA13-1及びIntelimer IPA13-6という名称でLandec社によって販売されているポリ(C10〜C30アルキルアクリレート)等、又は変性クレイ、例えば、ヘクトライト及びその誘導体等、例えば、Bentoneという名称で販売されている製品を含む。
【0128】
言うまでもなく、当業者ならば、想定される添加が本発明によって用いられる組成物に本来付随する有利な特性に全く又は実質的に悪影響を及ぼさないように、前記の任意選択の追加の化合物及び/又はその量を注意深く選択するであろう。
【0129】
本発明によって皮膚の光保護又はケアのために用いられる組成物、及び化合物A又は化合物の群Aを含む組成物は、当業者に周知の技術に従って調製することができる。これらは特に、クリーム、乳液又はクリーム-ゲル等の単純又は複合エマルジョン(O/W、W/O、O/W/O又はW/O/W)の形態;水性又は油性ゲルの形態;ローションの形態とすることができる。これらは、任意選択により、エアゾール形態でパッケージ化されてもよく、ムース又はスプレーの形態であってもよい。
【0130】
本発明によって用いられる組成物は、好ましくは、水中油型若しくは油中水型エマルジョンの形態、さらに又は水性ゲルの形態である。
【0131】
使用することができる乳化プロセスは、パドル若しくはプロペラ、ローター-ステーター又はHPH型のものである。
【0132】
また、HHP(50〜800バール)によって、わずか100nmとすることができる液滴径を有する安定分散液を得ることが可能である。
【0133】
エマルジョンは一般に、単独で又は混合物として使用される、両性、アニオン性、カチオン性又は非イオン性乳化剤から選択される少なくとも1種の乳化剤を含有する。乳化剤は、得ようとするエマルジョン(W/O又はO/W)に応じて適切に選択される。
【0134】
W/Oエマルジョンの調製に使用できる乳化性界面活性剤の例としては、ソルビタン、グリセロール又は糖のアルキルエステル又はエーテル;シリコーン界面活性剤、例えば、ジメチコーンコポリオール、例えば、Dow Corning社によってDC5225Cの名称で販売されているシクロメチコーンとジメチコーンコポリオールとの混合物、及びアルキルジメチコーンコポリオール、例えば、Dow Corning社によってDow Corning5200Formulation Aidの名称で販売されているラウリルメチコーンコポリオール;セチルジメチコーンコポリオール、例えば、Goldschmidt社によってAbil EM90Rの名称で販売されている製品、及びGoldschmidt社によってAbil WE O9の名称で販売されているセチルジメチコーンコポリオールとポリグリセリルイソステアレート(4mol)とラウリン酸ヘキシルとの混合物を挙げることができる。また、ポリオールアルキルエステルを含む群から有利に選択することができる1種若しくはそれ以上の補助乳化剤(co-emulsifier)をこれに添加することもできる。
【0135】
ポリオールアルキルエステルとしては、ポリエチレングリコールエステル、例えば、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、例えば、ICI社によってArlacel P135の名称で販売されている製品を特に挙げることができる。
【0136】
挙げることができるグリセロール及び/又はソルビタンエステルは、例えば、イソステアリン酸ポリグリセリル、例えば、Goldschmidt社によってIsolan GI34の名称で販売されている製品、イソステアリン酸ソルビタン、例えば、ICI社によってArlacel987の名称で販売されている製品、イソステアリン酸ソルビタングリセリル、例えば、ICI社によってArlacel986の名称で販売されている製品、及びそれらの混合物を含む。
【0137】
O/Wエマルジョンについては、挙げることができる乳化剤の例は、非イオン性乳化剤、例えば、脂肪酸及びグリセロールのオキシアルキレン化(より詳細にはポリオキシエチレン化)エステル等;脂肪酸及びソルビタンのオキシアルキレン化エステル;脂肪酸のオキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)エステル、例えば、例えば、ICI社によってArlacel165という名称で販売されているPEG-100ステアレート/ステアリン酸グリセリル混合物;脂肪アルコールのオキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)エーテル;糖エステル、例えば、ステアリン酸スクロース;又は脂肪アルコール及び糖のエーテル、特にアルキルポリグルコシド(APG)、例えば、例えば、Henkel社によってそれぞれPlantaren2000及びPlantaren1200という名称で販売されているデシルグルコシド及びラウリルグルコシド等、例えば、Montanov68という名称でSEPPIC社によって、Tegocare CG90という名称でGoldschmidt社によって及びEmulgade KE3302という名称でHenkel社によって販売されている、任意選択によりセトステアリルアルコールとの混合物としてのセトステアリルグルコシド、並びにまた、例えば、Montanov202という名称でSEPPIC社によって販売されている、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール及びアラキジルグルコシドの混合物の形態のアラキジルグルコシドを含む。本発明の1つの特定の実施形態によれば、上記で定義したアルキルポリグルコシドと対応する脂肪アルコールとの混合物は、例えば文献WO-A-92/06778に記載されている自己乳化性組成物の形態であってもよい。
【0138】
本発明の組成物がエマルジョンである場合、このエマルジョンの水性相は、既知の方法(Bangham、Standish及びWatkins、J. Mol. Biol.、13巻、238頁(1965年)、FR2315991及びFR2416008)によって調製された非イオン性小胞分散液(vesicular dispersion)を含むことができる。
【0139】
本発明によって用いられる化粧用組成物は、例えば、液体から半液体の稠度の、顔及び/又は身体用のケア製品及び/又は日焼け防止製品として、例えば、乳液、程度の差はあるが濃厚なクリーム、クリーム-ゲル又はペーストとして使用することができる。これらは、任意選択により、エアゾール形態でパッケージ化されてもよく、ムース又はスプレーの形態であってもよい。
【0140】
本発明による蒸発性流体ローションの形態の本発明による組成物は、加圧装置によって微粒子の形態で皮膚又は頭皮に適用される。本発明による装置は当業者には周知であり、非エアゾールポンプ又は「アトマイザー」、噴射剤を含むエアゾール容器、さらに噴射剤として圧縮空気を用いるエアゾールポンプを含む。これらの装置は、特許US4077441及びUS4850517に記載されている(これらの特許は、本明細書の内容の構成部分を形成する)。
【0141】
本発明に従ってエアゾールの形態で用意される組成物は一般に、従来の噴射剤、例えば、ヒドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパン又はトリクロロフルオロメタンを含有する。噴射剤は好ましくは、組成物の総重量に対して、15重量%〜50重量%の範囲の量で存在する。
【0142】
本発明によって用いられる組成物はまた、追加の化粧用又は皮膚科学的活性剤を追加として含むことができる。
【0143】
活性剤としては、以下のものを挙げることができる:
-単独の又は混合物としての、ビタミン(A、C、E、K、PP等)及びそれらの誘導体又は前駆体;
-抗糖化剤;
-鎮静剤;
-NO-シンターゼ阻害剤;
-真皮又は表皮巨大分子の合成を刺激し、且つ/又はそれらの分解を防止する作用剤;
-線維芽細胞増殖を刺激する作用剤;
-ケラチノサイト増殖を刺激する作用剤;
-筋弛緩剤;
-テンショニング剤(tensioning agent);
-艶消剤;
-角質溶解剤;
-落屑剤(desquamating agent);
-モイスチャライザー、例えば、ポリオール、例えば、グリセロール、ブチレングリコール又はプロピレングリコール;
-抗炎症剤;
-細胞のエネルギー代謝に作用する作用剤;
-昆虫忌避剤;
-サブスタンスP又はCGRPアンタゴニスト;
-脱毛防止剤(hair-loss counteractant)及び/又は育毛剤;
-抗皺剤。
【0144】
言うまでもなく、当業者ならば、想定される添加が本発明による組成物に本来付随する有利な特性に全く又は実質的に悪影響を及ぼさないように、前記の任意選択の追加の化合物及び/又はその量を注意深く選択するであろう。
【0145】
当業者は、皮膚に対する望ましい効果に応じて前記活性剤を選択するであろう。
【0146】
組成物はまた、これらの活性剤の生物学的効果を補完すること又は即効性の視覚的アンチエイジング効果を提供することを目的とする、ソフトフォーカス効果を有する充填剤又は皮膚の自然な着色を促す作用剤等の少なくとも1種の成分をさらに含むことができる。
【0147】
脂性肌のケア及び/又はメークアップのために、当業者は、好ましくは、落屑剤、皮脂調整剤又は抗脂漏剤(anti-seborrhoeic agent)及びアストリンゼントから選択される少なくとも1種の活性剤を選択するであろう。
【0148】
本発明によって用いられる組成物はまた、これらの活性剤の生物学的効果を補完し、又は即効性の視覚効果を与えるための少なくとも1種の追加成分を含むことができ、特に、艶消剤、ソフトフォーカス充填剤、蛍光剤、皮膚の自然なピンクがかった着色を促すための作用剤、及び研磨(abrasive)充填剤又は剥離剤(exfoliant)に言及することができる。
【0149】
上述の化粧用及び/又は皮膚科学的活性剤がケラチン物質に与える効果を補完及び/又は最適化するために、本発明の組成物に他の追加成分を組み込むことが有利な場合がある。
【0150】
特に、これらの追加成分は、上述の活性剤の生物学的効果により中継される即効性の視覚効果を与えることができる。これらはまた、機械的作用(例えば、研磨充填剤)により、上述の生物活性剤の効果を増幅し得る。
【0151】
艶消剤
「艶消剤」という用語は、皮膚を視覚的により艶消し、より光沢を少なくすることを目的とする作用剤を意味する。
【0152】
艶消剤及び/又はそれを含有する組成物の艶消効果は、特に、ゴニオリフレクトメーターを用いて、鏡面反射と乱反射との比Rを測定することによって評価することができる。2以下のR値は一般に、艶消効果を示す。
【0153】
艶消剤は特に、米澱粉又はトウモロコシ澱粉(INCI名:Zea Mays(Corn)Starch、例えば、特にNational Starchによって商標名Farmal CS3650PlUS036500で販売されている製品)、カオリナイト、タルク、カボチャ種子エキス、セルロースマイクロビーズ、植物繊維、合成繊維、特に、ポリアミド繊維、発泡アクリルコポリマー微小球、ポリアミド粉末、シリカ粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、シリコーン樹脂粉末、アクリルポリマー粉末、ワックス粉末、ポリエチレン粉末、シリコーン樹脂で被覆されたエラストマー性架橋オルガノポリシロキサンの粉末、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、非晶質混合シリケート粉末、シリケート粒子、特に混合シリケート粒子、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0154】
艶消剤の例としては特に、以下のものを挙げることができる:
-米又はトウモロコシ澱粉、特に、National Starch社によってDry Flo(登録商標)の名称で販売されているアルミニウム澱粉オクテニルスクシネート;
-カオリナイト;
-シリカ;
-タルク;
-Indena社によってCurbilene(登録商標)の名称で販売されているカボチャ種子エキス;
-特許出願EP1562562に記載されているセルロースマイクロビーズ;
-繊維、例えば、絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、特に木材、植物又は藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維、変性セルロース繊維、ポリ-p-フェニレンテレフタミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、炭素繊維、Teflon(登録商標)繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、ポリマーの混合物から形成された繊維、吸収性合成繊維(resorbable synthetic fibre)、及びそれらの混合物(特許出願EP1151742に記載);
-発泡アクリルコポリマー微小球、例えば、Expancel551(登録商標)の名称でExpancel社によって販売されているもの;
-光学効果を有する充填剤(特に特許出願FR2869796に記載されているもの):
-ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末、例えば、平均粒径が10ミクロン及び屈折率が1.54の、Arkema製のOrgasol型のNylon12粒子、
-シリカ粉末、例えば、平均粒径が5ミクロン及び屈折率が1.45の、三好化成株式会社製のSilica beads SB150、
-ポリテトラフルオロエチレン粉末、例えば、平均粒径が8ミクロン及び屈折率が1.36の、Clariant製のPTFE Ceridust9205F、
-シリコーン樹脂粉末、例えば、平均粒径が4.5ミクロン及び屈折率が1.41の、GE Silicone製のシリコーン樹脂Tospearl145A、
-アクリルコポリマー粉末、特にポリメチル(メタ)アクリレートのアクリルコポリマー粉末、例えば、平均粒径が8ミクロン及び屈折率が1.49の、Nihon Junyoki製のPMMA粒子Jurymer MBI、又は松本油脂製薬株式会社製のMicropearl M100(登録商標)及びF80ED(登録商標)粒子、
-ワックス粉末、例えば、平均粒径が7ミクロン及び屈折率が1.54の、Micropowders製のパラフィンワックス粒子Microease114S、
-ポリエチレン粉末、特に少なくとも1種のエチレン/アクリル酸コポリマーを含むもの、特にエチレン/アクリル酸コポリマーからなるもの、例えば、Sumitomo製のFlobeads EA209粒子(平均粒径10ミクロン及び屈折率1.48)、
-シリコーン樹脂で、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆されたエラストマー性架橋オルガノポリシロキサン粉末(例えば、特許US5538793に記載)(このようなエラストマー粉末は、信越化学工業株式会社によってKSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104及びKSP-105の名称で販売されている)、並びに
-タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、例えば、Catalyst & Chemicals社によってCoverleaf(登録商標)AR-80の名称で販売されているもの、
-それらの混合物、
-特許出願FR2869796に記載されている、皮脂を吸収及び/又は吸着する化合物。特に、以下のものを挙げることができる:
-シリカ粉末、例えば、三好化成株式会社によってSilica Beads SB-700の名称で販売されている多孔質シリカ微小球、旭硝子株式会社によってSunsphere(登録商標)H51、Sunsphere(登録商標)H33及びSunsphere(登録商標)H53で販売されている製品、旭硝子株式会社によって販売されているSA Sunsphere(登録商標)H-33及びSA Sunsphere(登録商標)H-53の名称で販売されているポリジメチルシロキサン被覆非晶質シリカ微小球;
非晶質混合シリケート粉末、特に、アルミニウム及びマグネシウムの非晶質混合シリケート粉末、例えば、Sumitomo社によってNeusilin UFL2の名称で販売されている製品;
-ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末、例えば、Arkema社によって販売されているOrgasol(登録商標)4000、並びに
-アクリルポリマー粉末、特にポリメチルメタクリレート粉末(例えば、Wackherr社によって販売されているCovabead(登録商標)LH85)、ポリメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート粉末(例えば、Dow Corning社によって販売されているDow Corning5640Microsponge(登録商標)Skin Oil Adsorber又はGanz Chemical社によって販売されているGanzpearl(登録商標)GMP-0820)、ポリアリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート粉末(例えば、Amcol社によって販売されているPoly-Pore(登録商標)L200又はPoly-Pore(登録商標)E200)、エチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー粉末(例えば、Dow Corning社によって販売されているPolytrap(登録商標)6603);
-シリケート粒子、例えば、アルミナシリケート;
-混合シリケート粒子、例えば:
-マグネシウムアルミニウムシリケート粒子、例えば、サポナイト又はクニミネ工業株式会社によって商標名Sumecton(登録商標)で販売されている、硫酸ナトリウムを含む水和マグネシウムアルミニウムシリケート;
-ケイ酸マグネシウム、ヒドロキシエチルセルロース、ブラッククミンオイル、マローオイル及びリン脂質の複合体又はLucas Meyer製のMatipure(登録商標)、並びに
-それらの混合物。
【0155】
本発明に従って使用することができる好ましい艶消剤としては、カボチャ種子エキス、米又はトウモロコシ澱粉、カオリナイト、シリカ、タルク、ポリアミド粉末、ポリエチレン粉末、アクリルコポリマー粉末、発泡アクリルコポリマー微小球、シリコーン樹脂マイクロビーズ及び混合シリケート粒子並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0156】
ソフトフォーカス効果を有する充填剤
これらの充填剤は、その固有の物理的性質によって皺を修正すること及び隠すことができる任意の物質とすることができる。これらの充填剤は特に、テンショニング効果、被覆効果又はソフトフォーカス効果によって皺を修正することができる。
【0157】
充填剤の例として、以下の化合物を示すことができる:
-多孔質シリカ微小粒子、例えば、三好化成株式会社製のSilica Beads(登録商標)SB150及びSB700(平均粒径5μm)及び旭硝子株式会社製のシリーズSunspheres(登録商標)H、例えば、Sunspheres H33、H51(粒径はそれぞれ、3.5及び5μm);
中空半球形シリコーン樹脂粒子、例えば、特にEP-A-1579849に記載されている、竹本油脂株式会社製のNLK500(登録商標)、NLK506(登録商標)及びNLK510(登録商標);
-シリコーン樹脂粉末、例えば、GE Silicone製のシリコーン樹脂Tospearl(登録商標)145A(平均粒径4.5μm);
-アクリルコポリマー粉末、特にポリメチル(メタ)アクリレート粉末、例えば、Nihon Junyoki製のPMMA粒子Jurimer MBI(登録商標)(平均粒径8μm)、Wackherr社によってCovabead(登録商標)LH85の名称で販売されているPMMA中空球、及びExpancel(登録商標)の名称で販売されているビニリデン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチレン発泡微小球;
-ワックス粉末、例えば、MicroPowders製のパラフィンワックス粒子MicroEase(登録商標)114S(平均粒径7μm);
-ポリエチレン粉末、特に少なくとも1種のエチレン/アクリル酸コポリマーを含むもの、例えば、Sumitomo製のFlobeads(登録商標)EA209E粒子(平均粒径10μm);
-シリコーン樹脂で、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆された架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン粉末(信越化学工業株式会社によってKSP-100(登録商標)、KSP-101(登録商標)、KSP-102(登録商標)、KSP-103(登録商標)、KSP-104(登録商標)及びKSP-105(登録商標)の名称で);
-タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、例えば、Catalyst & Chemicals社によってCoverleaf AR-80(登録商標)の名称で販売されているもの;
-タルク、マイカ、カオリン、ラウリルグリシン、無水コハク酸オクテニルで架橋された澱粉粉末、窒化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン粉末、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム、二酸化セリウム及びガラス又はセラミックマイクロカプセル;
-親水性又は疎水性の、合成又は天然の、無機又は有機の繊維、例えば、絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、特に木材、植物又は藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維、変性セルロース繊維、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、ポリマーの混合物から形成された繊維、吸収性合成繊維、及びそれらの混合物(特許出願EP1151742に記載);
-球形エラストマー性架橋シリコーン、例えば、Dow Corning製のTrefil E-505C(登録商標)又はE-506C(登録商標);
-機械的作用によって皮膚のマクロレリーフを平坦化する研磨充填剤、例えば、研磨シリカ、例えば、Semanez製のAbrasif SP(登録商標)又はナッツ若しくはシェル粉末(例えば、Cosmetochem製のアプリコット又はクルミ粉末)。
【0158】
エイジングサインに効果を有する充填剤は特に、多孔質シリカ微小粒子、中空半球形シリコーン粒子、シリコーン樹脂粉末、アクリルコポリマー粉末、ポリエチレン粉末、シリコーン樹脂で被覆された架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン粉末、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウム、二酸化セリウム、ガラス又はセラミックマイクロカプセル、絹繊維又は綿繊維、及びそれらの混合物から選択される。
【0159】
充填剤は、ソフトフォーカス充填剤であってもよい。
【0160】
「ソフトフォーカス」充填剤という用語は、肌色の透明感及びぼんやりした効果をさらに与える充填剤を意味する。好ましくは、ソフトフォーカス充填剤は、15ミクロン以下の平均粒径を有する。これらの粒子は任意の形態であってよく、特に球形又は非球形であってもよい。これらの充填剤はより好ましくは非球形である。
【0161】
ソフトフォーカス充填剤は、シリカ及びケイ酸粉末、特にアルミナ粉末、ポリメチルメタクリレート(PMMA)タイプの粉末、タルク、シリカ/TiO2又はシリカ/酸化亜鉛複合物、ポリエチレン粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、スチレン/アクリルコポリマー粉末及びシリコーンエラストマー、並びにそれらの混合物から選択することができる。
【0162】
特に、数平均粒径3ミクロン以下のタルク、例えば、数平均粒径1.8ミクロンのタルク、特に日本タルク株式会社によって商標名Talc P3(登録商標)で販売されているもの、Nylon(登録商標)12粉末、特にAtochem社によってOrgasol2002Extra D Nat Cos(登録商標)の名称で販売されているもの、ミネラルワックスで1%〜2%表面処理されたシリカ粒子(INCI名:水和シリカ(及び)パラフィン)、例えば、Degussa社によって販売されているもの、非晶質シリカ微小球、例えば、旭硝子株式会社によってSunsphereの名称で販売されているもの(例えば、参照記号H-53(登録商標))、及びシリカマイクロビーズ、例えば、三好化成株式会社によってSB-700(登録商標)又はSB-150(登録商標)の名称で販売されているものを挙げることができ、これらの列挙は限定的なものではない。
【0163】
エイジングサインに効果があるこれらの充填剤の、本発明による組成物中の濃度は、組成物の総重量に対して、0.1重量%〜40重量%、又はさらには0.1重量%〜20重量%とすることができる。
【0164】
皮膚の自然なピンクがかった着色を促す作用剤
本発明によって使用される組成物はまた、皮膚の自然なピンクがかった着色を促すための作用剤を含んでもよい。特に、以下のものを挙げることができる:
-セルフタンニング剤、即ち、皮膚、特に顔への適用時に、日光への長期間曝露(自然の日焼け)又はUVランプ下で生じ得るのと程度の差はあるが同様な外観の日焼け効果を生じることができる作用剤;
-追加の着色剤、即ち、持続的で非被覆性の(即ち、皮膚を不透明化する傾向がない)着色を皮膚に与えることができ、水を用いても、又は溶媒を使用しても除去されず、摩擦にも界面活性剤を含有する水溶液による洗浄にも耐える、皮膚に対して特別な親和性を有する任意の化合物(したがって、このよう持続的な着色は、例えばメークアップ顔料によって提供される表面的で一時的な着色とは区別される);
及びそれらの混合物。
【0165】
特に挙げることができるセルフタンニング剤の例は、以下のものを含む:
ジヒドロキシアセトン(DHA)(皮膚の光保護(又は遮断剤)又はケアのための化合物Cへの補足として使用される)、
エリトルロース、及び
以下から形成される触媒系の組合せ:
マンガン及び/又は亜鉛の塩及び酸化物並びに
アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属炭酸水素塩。
【0166】
セルフタンニング剤は一般に、モノカルボニル又はポリカルボニル化合物、例えば、イサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセルアルデヒド、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、エリトルロース、ピラゾリン-4,5-ジオン誘導体(特許出願FR2466492及びWO97/35842に記載)、ジヒドロキシアセトン(DHA)及び4,4-ジヒドロキシピラゾリン-5-オン誘導体(特許出願EP903342に記載)から選択される。好ましくは、DHAが使用される。
【0167】
DHAは、遊離形態及び/又は、例えば、特に特許出願WO97/25970に記載されているリポソーム等の脂質小胞中に、カプセル化された形態で使用されてもよい。
【0168】
一般に、セルフタンニング剤は、組成物の総重量の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%の範囲の量で存在する。
【0169】
セルフタンニング剤によって生成される色の修正を可能にする他の染料も使用することができる。
【0170】
これらの染料は、合成又は天然の直接染料から選択することができる。
【0171】
これらの染料は、例えば、フルオラン型の赤色又はオレンジ色染料、例えば、特許出願FR2840806に記載されているものから選択することができる。例えば、以下の染料を挙げることができる:
-CTFA名:CI45380又はRed21として知られるテトラブロモフルオレセイン又はエオシン;
-CTFA名:CI45410又はRed27として知られるフロキシンB;
-CTFA名:CI45425又はOrange10として知られるジヨードフルオレセイン;
-CTFA名:CI45370又はOrange5として知られるジブロモフルオレセイン;
-CTFA名:CI45380(Na塩)又はRed22として知られるテトラブロモフルオレセインのナトリウム塩;
-CTFA名:CI45410(Na塩)又はRed28として知られるフロキシンBのナトリウム塩;
-CTFA名:CI45425(Na塩)又はOrange11として知られるジヨードフルオレセインのナトリウム塩;
-CTFA名:CI45430又はAcid Red51として知られるエリトロシン;
-CTFA名:CI45405又はAcid Red98として知られるフロキシン;
【0172】
これらの染料はまた、アントラキノン、カラメル、カルミン、カーボンブラック、アズレンブルー、メトキサレン、トリオキサレン、グアイアズレン、カマズレン、ローズベンガル、エオシン10B、シアノシン又はダフィニンから選択することができる。
【0173】
これらの染料はまた、インドール誘導体、例えば、特許FR2651126に記載されているモノヒドロキシインドール(即ち:4-、5-、6-又は7-ヒドロキシインドール)又は特許EP-B-0425324に記載されているジヒドロキシインドール(即ち:5,6-ジヒドロキシインドール、2-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、3-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール又は2,3-ジメチル-5,6-ジヒドロキシインドール)から選択することができる。
【0174】
研磨充填剤又は剥離剤
本発明によるリンスアウト(rinse-out)組成物中に使用することができる剥離剤として、言及することができる例は、鉱物、植物又は有機由来の剥離粒子又はスクラブ粒子を含む。したがって、例えば、ポリエチレンビーズ又は粉末、ナイロン粉末、ポリ塩化ビニル粉末、軽石粉末、杏仁又はクルミ殻由来の粉砕物、おがくず、ガラスビーズ、アルミナ及びそれらの混合物が使用されてもよい。また、Solabia製のExfogreen(登録商標)(竹エキス)、イチゴ痩果エキス(Greentech製のイチゴ痩果)、桃仁粉末又は杏仁粉末を挙げることができ、最後に、研磨効果を有する植物粉末の分野において、クランベリー種子粉末を挙げることができる。
【0175】
本発明による好ましい研磨充填剤又は剥離剤として、桃仁粉末、杏仁粉末、クランベリー種子粉末、イチゴ痩果のエキス又は竹エキスが挙げられる。
【0176】
本発明はまた、少なくとも、
-生理学的に許容される媒質中に、少なくとも1つの上述した化合物又は化合物の群Aを含む第1の組成物、
-生理学的に許容される媒質中に、少なくとも1つの上述した遮断剤Cを含む第2の組成物
を含む化粧用アセンブリ又はキットにも関する。
【0177】
したがって、本発明によるアセンブリは、2コンパートメントシステムで構成することができる。これはまた、第1の製剤形態(例えば、化合物又は化合物の群Aを含むクリーム)の第1の組成物及び第2の製剤形態の第2の組成物を含むアセンブリにも相当し得る。
【0178】
以下の実施例を、本発明の分野の非限定的な例示として示す。
【0179】
(実施例)
遊離のアミン官能基を有するアルコキシシランを含む製剤:
【0180】
【表1】

【0181】
UV遮断剤を含む組成物の実施例
【0182】
【表2】

【0183】
遮断及び水の性質に対する持続性の改善の実証
【0184】
アッセイの原理:
APTESの縮合した沈着層に適用されたUV遮断剤の溶液の遮断有効性及び水に対する持続性を、素肌上に沈着した溶液と比較して、様々な濃度で評価及び比較する。試験されるUV遮断剤は、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸及びテレフタリリデンジカンファースルホン酸である。
【0185】
試験は、フォトタイプI、II又はIIIの5人の志願者に対して行われた。水に対する持続性の測定のために3日間が必要であった場合、遮断有効性を決定することのみを標的とした試験を連続した2日間にわたって行った。第1日目に、遮断製剤を1cm2当たり2mgで素肌上又はAPTESの縮合した沈着層上に適用する。志願者を、その後紫外線照射に曝露させる。紅斑を読み取り、24h後にSPFを規定する。水に対する持続性の試験の事例において、同じ溶液又は溶液の対を、第2日目に適用する。志願者を2つの連続した水浴にそれぞれ20分浸漬させた後、UV照射に再び曝露させる。試験第3日目の間に、浴後のSPFを決定する。耐水性(WR)は、以下の通り定義する:
【0186】
【数1】

【0187】
試験される式1及び2は、周囲温度で2カ月後に安定であり、皮膚への適用後に非常に良好な官能品質を示す。
【0188】
式を、APTES溶液の、次いで、遮断溶液の連続する適用によって試験する。試験される様々な条件は以下の通りである:
【0189】
条件I及びIIを、SPF及び耐水性について試験した。
【0190】
条件I、II、III、IV、V及びVIを、SPFについて試験した。
I=>実施例2
II=>実施例2+実施例b(50/50)
III=>実施例2+実施例d(50/50)
IV=>実施例1
V=>実施例1+実施例a(50/50)
VI=>実施例1+実施例c(50/50)
【0191】
UV遮断剤の8%及び12%溶液のSPF値を測定し、この測定は、素肌上に又はAPTESにおいて程度の差はあれ濃縮した沈着層上に塗布した後に行う。
【0192】
APTES/UV遮断剤比は、皮膚上に沈着したAPTESとUV遮断剤(Mexoryl SX+Eusolex232)との間の重量の比に相当する。
【0193】
UV遮断剤の12%溶液の耐水性もまた、in vivoで、APTES有り及び無しで評価した。比較した耐水性データは以下の表にある。
【0194】
【表3】

【0195】
APTES層は、実施例2のUV遮断剤の耐水性(それにもかかわらず水溶性である)を顕著に増加させることを可能にする。
【0196】
12%と同様に、UV遮断剤の8%遮断溶液は、APTESの沈着層上に塗布されると、in vivoでより大きなSPFを示す。
【0197】
この試験において、APTESの用量効果が実証された:皮膚上に事前に塗布されるAPTESの量が増加するのに比例して、SPFは増加する(図1を参照されたい)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚の美容的処置のための方法であって、
in situで縮合すること及び縮合後に遊離である少なくとも1つの反応性官能基FAを示すことができる化合物又は化合物の群A、並びに
官能基FAとの反応によって共有結合又は物理的(イオン性、水素)結合を形成することができる反応性官能基FCを含む、UV照射を遮断する遮断剤C
の皮膚への適用を含む、方法。
【請求項2】
Aの縮合の結果として生じる物質が水に可溶性であり、前記遮断剤Cが、前記Aの縮合の結果として生じる物質との前記作用剤Cの反応により前記物質の水への可溶性が減少するように選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物Aが、1〜3個のケイ素原子及び少なくとも2個のヒドロキシル基又は加水分解性基を含む有機ケイ素化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記捕捉官能基が、アミン、好ましくは第一級アミンである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物Aが、式:
【化1】

(式中、
R4は、ハロゲン又はOR'基若しくはR'1基を表し、
R5は、ハロゲン又はOR'基若しくはR'2基を表し、
R6は、ハロゲン又はOR'''基若しくはR'3基を表し、
R1、R2、R3、R'、R''、R'''、R'1、R'2及びR'3は、互いに独立して、酸基又はアミン基等の追加の化学基を任意選択で有する、直鎖状又は分岐状の及び飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、加えて、R1、R2、R'、R''及びR'''は水素をさらに示すことが可能であり、
R4、R5及びR6基の少なくとも2つは、R'1、R'2及びR'3基と異なる)
に相当する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
Aが、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)又はその誘導体の1つである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記遮断剤Cが、ケイ皮酸誘導体;アントラニラート;サリチル酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体;カンファー誘導体;ヒドロキシフェニルベンゾフェノン誘導体;β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体;ベンゾイミダゾール誘導体;イミダゾリン;ビス-ベンゾアゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;ベンゾオキサゾール誘導体;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン;α-アルキルスチレンベースのダイマー;4,4-ジアリールブタジエン;メロシアニン誘導体;及びそれらの混合物から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記遮断剤Cが、被覆又は非被覆金属酸化物顔料から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記遮断剤Cが、水溶性又は水分散性UV遮断剤から、特に、1種若しくはそれ以上のアニオン性の官能基、好ましくはスルホン酸又はカルボン酸の官能基を示す有機遮断剤から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記遮断剤Cが、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム又はそれらの混合物
から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1のステップにおいて、前記化合物又は前記化合物の群Aの適用、
第2のステップにおいて、前記遮断剤Cの適用
を伴う、前記化合物の逐次的な適用を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記化合物A及びCが、皮膚への適用の前に混合され(用時混合)、前記混合を適用前に又は皮膚への適用中に(処置しようとする皮膚の領域上での直接混合)行うことが可能である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも、
生理学的に許容される媒質中に、請求項1から12のいずれか一項に規定される少なくとも1つの化合物又は化合物の群Aを含む第1の組成物;
生理学的に許容される媒質中に、請求項1から12のいずれか一項に規定される少なくとも1つの遮断剤Cを含む第2の組成物
を含む化粧用アセンブリ。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2013−514341(P2013−514341A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543878(P2012−543878)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052744
【国際公開番号】WO2011/073578
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】