説明

化粧料

【課題】ベシクルを沈降させ、該ベシクルの二層分離性や保存安定性、保湿感に優れる化粧料を提供すること。
【解決手段】
次の成分(A)〜(C);
(A)リゾリン脂質
(B)リン脂質
(C)コレステロール及び/またはフィトステロール
を主構成成分とするベシクルを含有する化粧料であって、成分(A)と成分(B)の配合質量比A/Bが1.5以上で8以下、且つ、成分(A)と成分(C)の配合質量比A/Cが1.5以上で8以下であり、静置時には該ベシクルが沈降し、使用時に振とうすることにより該ベシクルが再分散することを特徴とする化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静置時にはベシクルが沈降し、使用時に振とうすることにより該ベシクルが再分散することを特徴とする化粧料に関し、さらに詳細には、リゾリン脂質、リン脂質、コレステロール及び/又はフィトステロールを主構成成分とするベシクルを含有する化粧料であって、該主構成成分は所定の比率で配合されており、静置時の該ベシクルの二層分離性が優れ、振とうして使用する際に該ベシクルが軟凝集した状態で再分散するため厚みのある使用感でマッサージ性や保湿感に優れ、さらにベシクルの保存安定性に優れる化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベシクルは両親媒性物質が形成する二分子膜構造を有した閉鎖小胞のことであるが、この特異的な構造ゆえに有効成分を内包することができ、ドラッグデリバリーシステム等へのキャリアとして注目されている。また、ベシクルは角層中での滞留性が高く、有効成分を効率的に作用させることができるため、皮膚外用剤として非常に有効なものとなっている。
【0003】
ベシクルを構成する両親媒性物質は、多数存在するが特に生体に由来したリン脂質からなるベシクルはリポソームと呼ばれ、生体への安全性の面からも多くの検討がなされている。例えば、フォスファチジルコリン純度が90%以上で、ヨウ素価0.1以下のリン脂質から構成され、粒子径が100〜500nmのリポソーム(例えば、特許文献1参照)などがある。また、ベシクルを構成する両親媒性物質として、合成界面活性剤を用いたベシクル組成物についても多くの検討がされている。
【0004】
一方、リゾリン脂質は親水性の界面活性剤であり、水中油型乳化組成物の乳化剤として用いた技術がある。例えば、油をリゾリン脂質で乳化し、電解質存在下でも保存安定性が良好である液状乳化化粧料に関する報告がある(例えば、特許文献2参照)。また、リゾリン脂質とリン脂質及び安定化剤としてフェノキシエタノールを用いたナノエマルションを配合した化粧料の報告もある(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
また、コレステロール及び/又はフィトステロール、リゾリン脂質および特定の油を含有することで、使用感に優れ、且つ保存安定性に優れたベシクル組成物が報告されている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
一方、化粧料の剤型の広がりの1つとして、使用前の静置時には二層で、使用時に軽く振とうして混ぜ合わせ、単一層として使用する二層化粧料がある。二層化粧料には、更に、二種の液体層からなるもの、液体層と粉体層からなるもの等色々なタイプのものがある。例えば、片方の層が乳化層で、もう一方が水層である二層化粧料も報告されている(例えば、特許文献5,6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−124378号公報
【特許文献2】WO2005/077322号公報
【特許文献3】特開2008−127327号公報
【特許文献4】WO2009/013864号公報
【特許文献5】特開2004−2283号公報
【特許文献6】特開2006−306842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このようにベシクルに関する技術および二層化粧料に関する技術は多数あるが、以下のような問題点があった。例えば、特許文献1の技術では、使用感には優れるものの経時において変臭や、製剤を安定にするpH領域が限られており、化粧料等の皮膚外用剤への応用には制約があった。特許文献2の技術では、リゾリン脂質を乳化剤として用いており、ベシクルの形成に関するものではなく、また、二層分離に関する言及はされていない。さらに、特許文献3の技術では、リゾリン脂質およびリン脂質によるナノエマルションを形成し、配合の割合によってはリポソームを形成するが、配合比率に制約があり、それらの保存安定性も十分ではなかった。また、特許文献4の技術においては、ベシクルを形成し、使用感および保存安定性が十分であるが、二層分離に関する言及はなかった。さらに、特許文献5および6の技術は、乳化層と水層の二層化粧料であり、使用感や使用時の再分散性および保存安定性に優れるが、ベシクルを含有したものではない。
【0009】
このためリポソームのような保湿効果に優れ、且つ保存安定性に優れたベシクルを形成し、さらに該ベシクルが沈降して二層に分離するような外観の審美性に優れる化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる実情において、本発明者は鋭意研究した結果、リゾリン脂質、リン脂質、コレステロール及び/又はフィトステロールを主構成成分として所定の比率で配合したベシクルを調製することで、ベシクルが沈降して二層に分離するような外観の審美性に優れ、静置時の二層分離性に優れ、また、振とうして使用する際に該ベシクルが軟凝集した状態で再分散するため厚みのある使用感でマッサージ性に優れ、さらに、ベシクルの再分散性や保存安定性、肌への保湿感に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。また、多価アルコールを含有させることで、ベシクルの保存安定性や肌への保湿感に優れるものである。
【0011】
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)リゾリン脂質
(B)リン脂質
(C)コレステロール及び/またはフィトステロール
を主構成成分とするベシクルを含有する化粧料であって、成分(A)と成分(B)の配合質量比A/Bが1.5以上で8以下、且つ、成分(A)と成分(C)の配合質量比A/Cが1.5以上で8以下であり、静置時には該ベシクルが沈降し、使用時に振とうすることにより該ベシクルが再分散することを特徴とする化粧料に関する。
【0012】
さらに、成分(D)として多価アルコールを配合したベシクルを含有することを特徴とする化粧料に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の化粧料は、ベシクルの二層分離性や保存安定性に優れ、さらに保湿感に優れる化粧料である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(A)のリゾリン脂質は、酵素改質リン脂質の1つで、ホスフォリパーゼにより2位のエステル結合が加水分解されたリン脂質である。リゾリン脂質は、2本鎖の脂肪酸を有するリン脂質とは異なる化学的性質を有する。成分(A)は、本発明においてベシクル構成成分として用いられるものであり、通常の化粧料に使用されるものであれば特に限定されないが、具体的に例示すれば、大豆リゾリン脂質、水素添加大豆リゾリン脂質、卵黄リゾリン脂質、水素添加卵黄リゾリン脂質等が挙げられ、これらのリゾリン脂質は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。本発明で用いられるリゾリン脂質は、リゾリン脂質のリゾ化率(全リン脂質中のリゾリン脂質の比率)が60%以上であり、且つリゾリン脂質中のホスファチジルコリンの純度(以下、「PC純度」とする)が20%以上のものが好ましい。具体的な商品としては、日光ケミカルズ株式会社より提供されるNIKKOLレシノールLL−20、日本精化社より提供されるLP70H、キューピー株式会社より提供される卵黄リゾレシチンLPC−1等が挙げられる。
【0015】
本発明における成分(A)の配合量は、特に限定されないが、0.75〜4.0質量%(以下、単位に「%」と略す)が好ましく、特に1.5〜2.0%がより好ましい。この範囲であれば、より保存安定性に優れるベシクルを形成し、且つ、二層分離性が高い化粧料を得ることができる。
【0016】
本発明に用いられる成分(B)のリン脂質は、ベシクル構成成分として用いられるものであり、これを配合することで肌への浸透感や保湿感が優れ、また成分(C)の結晶析出を抑制し、ベシクルの保存安定性を向上させることができる。リン脂質の例としては、例えば、ホスファチジルコリン(即ち、レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸などのグリセロリン脂質およびこれらの水素添加物が挙げられ、これらはそれぞれ一種又は二種以上混合して用いることができる。これらの成分は、大豆や卵黄などに高濃度で存在するため、大豆あるいは卵黄を精製したもの、またこれらの水素添加物が好適である。特に好ましいのは、水素添加大豆リン脂質である。具体的な商品としては日光ケミカルズ株式会社より提供されるNIKKOLレシノールS−10EZ、株式会社ワイエムシィより提供されるHSL 70、日清オイリオグループ株式会社より提供されるベイシスLS−60HR、キューピー株式会社より提供される卵黄レシチンPL−100P等が挙げられる。
【0017】
本発明における成分(B)の配合量は、特に限定されないが、0.25〜1.5%が好ましく、0.5〜1.3%がより好ましい。この範囲であればより保湿感の高い化粧料を得ることができる。
【0018】
本発明に用いられる成分(C)のコレステロール及び/又はフィトステロールは、ベシクル形成における二分子膜構造の安定性に寄与しており、これを配合することでベシクルの保存安定性を向上させることができる。コレステロールは一般的に天然物から精製されており、本発明ではいずれの天然物から精製されたコレステロールも利用することができる。フィトステロールは、一般的にフィトステロール(植物性ステロール)に分類されるものであれば使用でき、構成成分として、カンペステロール、シトステロール、スティグマスタノール等を含有するものが好ましく例示できる。かかる成分は、穀物の胚芽などを有機溶剤で抽出し、水溶性部分を除去することにより得ることができるが、既に市販されているものを購入して利用することができる。
【0019】
本発明における成分(C)の配合量は、特に限定されないが、0.25〜1.5%が好ましく、0.5〜1.3%がより好ましい。この範囲であればより保存安定性に優れるベシクルを形成し、且つ、保湿感が高い化粧料を得ることができる。
【0020】
本発明の化粧料におけるベシクルの成分(A)と成分(B)の配合質量比A/Bは1.5以上で8以下の範囲であり、1.5〜4であると、さらにベシクルの保存安定性や二層分離性が高いものとなる。また、本発明の化粧料におけるベシクルの成分(A)と成分(C)の配合質量比A/Cは1.5以上で8以下の範囲であり、1.5〜4であると、さらにベシクルの保存安定性や二層分離性が高いものとなる。
【0021】
本発明において、さらに成分(D)として多価アルコールを配合することで、保存安定性や使用感に優れたベシクルを形成することができる。このような多価アルコールとしては特に限定されないが、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトールなどが挙げられ、中でもジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールが特に好ましく例示される。本発明における成分(D)の配合量は、特に限定されないが、5〜25%が好ましく、特に10〜20%がより好ましい。
【0022】
本発明の化粧料は、上記成分以外に水を含有する。水は、成分(A)〜(C)の分散媒体として用いられるものであり、ベシクルを含有する化粧料として必須成分であり、その具体的な含有量は成分(A)〜(C)の含有量により適宜決められるが、概ね60〜80%である。
【0023】
本発明の化粧料は、電解質を配合した場合でも保存安定性が良好であり、且つ、二層分離性の向上も見られる。電解質は、保湿効果、消炎効果もしくは美白効果等の付与を目的として配合されるものであり、保湿効果のある電解質としては、尿素や、アミノ酸、乳酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸等の有機化合物と、それらのカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等の無機塩が挙げられる。また消炎効果のある電解質としては、グリチルリチン酸、パントテン酸等の有機化合物と、それらのカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩等が挙げられる。また美白効果のある電解質としては、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸アルキルエステル、アスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビン酸グルコシド等と、それらのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩等のアスコルビン酸類が挙げられる。さらには海洋深層水、温泉水等、これら電解質を含む天然由来の水溶液も挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの電解質のなかでも、美白効果のある水溶性アスコルビン酸誘導体や保湿効果のある乳酸塩、ピロリドンカルボン酸塩等が化粧料としての効果の点から好ましい例として挙げられる。
【0024】
本発明の化粧料に配合する電解質の配合量は、特に限定されないが、0.01〜1%が好ましい。この範囲であればより保存安定性に優れるベシクルを形成し、さらに二層分離性が高く、保湿効果や消炎効果、美白効果に優れる化粧料を得ることができる。
【0025】
本発明の化粧料の製造方法としては、種々の方法を用いることができるが、その一例としては、80℃で、成分(A)、成分(B)、成分(C)を成分(D)に溶解したものを、80℃で加熱溶解させた水に攪拌混合した後、徐々に40℃まで冷却することで得ることができる。
【0026】
本発明の化粧料には、上記成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に配合される任意成分、すなわち、アルコール類、粉体、水溶性高分子、皮膜形成剤、界面活性剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤等を配合することができる。
【0027】
本発明の化粧料の粘度は、25℃において4000mPa・s以下であることが好ましく、3000mPa・s以下であることがより好ましく、さらに1000mPa・s以下であることがより好ましい。この範囲であれば、ベシクルの二層分離性や再分散性に優れ、使用感も優れたものとなる。
【0028】
また、ベシクルの沈降速度は、化粧料としての使用を考慮すると、振とう後に静置して24時間以内にベシクルが沈降して二層分離するものが好ましく、より好ましくは12時間以内、さらに好ましくは6時間以内で二層分離するものが好ましい。
【0029】
本発明の化粧料の用途は、化粧水、乳液、美容液、マッサージ料、パック料等のスキンケア化粧料、化粧用下地化粧料等を例示することができる。またその使用法は、手や指で使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。
【実施例】
【0030】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0031】
実施例1〜28及び比較例1〜12:美容液
表1〜6に示す組成の美容液を下記製造方法にて調整した。二層分離性、保湿感、ベシクルの保存安定性について下記の方法により評価した。その結果も併せて表1〜6に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
【表4】

【0036】
【表5】

【0037】
【表6】

【0038】
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を80℃に加熱する。
B:成分(7)および(8)を80℃で加熱溶解する。
C:BにAを添加し、パドルミキサーにて混合攪拌しベシクルを形成する。
D:Cを40℃まで冷却後、美容液を得た。
【0039】
(評価方法:二層分離性)
実施例1〜28および比較例1〜12の美容液を容器に入れて振とうし、ベシクルを分散させた後、室温(25℃)にて1日静置し、外観を目視にて観察し、下記の(イ)3段階判定基準に従って判定した。
【0040】
(イ) 3段階判定基準
(評 価) : (判定)
二層に分離し二層の界面が明確であった : ◎
二層に分離するが二層の界面が不明確であった : ○
二層に分離しなかった : ×
【0041】
(評価方法:保湿感)
20〜40代女性の化粧品評価専門パネル20名に、実施例1〜28および比較例1〜12の美容液を使用してもらい、保湿感について下記評価基準に従って5段階評価し評点を付け、試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(評価基準)
評価結果 :評点
非常に良好 :5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
(判定基準)
評点の平均点 :評価
4.5以上 :◎
3.5以上4.5未満:○
1.5以上3.5未満:△
1.5未満 :×
【0042】
(評価方法:ベシクルの保存安定性)
ベシクルの保存安定性については、偏光顕微鏡にてマルテーゼクロス像の観察を行い評価した。具体的には、実施例1〜28および比較例1〜12の美容液の調製直後の状態を基準とし、40℃にて六ヶ月静置したものを観察し、確認されるマルテーゼクロス像の数量について下記(ロ)4段階判定基準を用いて判定した。
【0043】
(ロ)4段階判定基準
(判定):(評価)
◎ :マルテーゼクロス像の数量が80%以上確認できた
○ :マルテーゼクロス像の数量が60%以上80%未満確認できた
△ :マルテーゼクロス像の数量が30%以上60%未満確認できた
× :マルテーゼクロス像の数量が30%未満確認できた
【0044】
表1〜表5の結果から明らかなように、実施例1〜28は、静置時にはベシクルが沈降したものであり、ベシクルの二層分離性や保存安定性に優れ、べたつきがなく保湿感に優れる美容液であった。一方、成分(A)を含有しない比較例1はベシクルを形成しなかった。さらに、成分(B)を含有しない比較例2はベシクルを形成するが、二層にならず、ベシクルの保存安定性が悪いものであった。成分(C)を含有しない比較例3はベシクルを形成しなかった。つぎに、A/BやA/Cの配合質量比が1.5〜8の範囲外である比較例4〜7はいずれもベシクルを形成し、経時観察においても保存安定性は良好であったが、ベシクルが沈降せず二層にならなかった。さらには、A/BやA/Cの配合質量比が1.5〜8の範囲外である比較例8〜12はいずれもベシクルを形成するものの、ベシクルが沈降しないために二層にならず、保存安定性が劣り、経時観察においてコレステロールの結晶析出や沈殿が見られるものであった。
【0045】
[実施例29:化粧水]
(成分) (%)
1.水素添加卵黄リゾリン脂質 0.4
2.水素添加大豆リン脂質 0.1
3.コレステロール 0.1
4.ジプロピレングリコール 5.0
5.精製水 残 量
6.テアニン 2.0
7.グリセリン 5.0
8.エタノール 5.0
9.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
10.香料 0.01
(製法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(5)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクルを形成させ、40℃まで冷却する。
D:Cに成分(6)〜(10)を添加混合し、化粧水を得た。
【0046】
実施例29の化粧水は、ベシクルの保存安定性や二層分離性に優れ、振とう時にはベシクルが再分散し、べたつきがなく、保湿感に優れる化粧水であった。
【0047】
[実施例30:美容液]
(成分) (%)
1.水素添加大豆リゾリン脂質 4.0
2.水素添加卵黄リン脂質 1.0
3.コレステロール 1.0
4.ジプロピレングリコール 15.0
5.精製水 30.0
6.グリセリン 3.0
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.香料 0.05
10.乳酸ナトリウム 2.0
11.ピロリドンカルボン酸ナトリウム 2.0
12.塩化ナトリウム 0.1
13.アスコルビン酸2−グルコシド 0.1
14.キサンタンガム 0.05
15.精製水 残 量
(製法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(5)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクルを形成させ、40℃まで冷却する。
D:Cをマイクロフルイダイザーで分散する。
E:Dに(6)〜(15)を添加し、美容液を得た。
【0048】
実施例30の美容液は、ベシクルの保存安定性や二層分離性に優れ、振とう時にはベシクルが再分散し、べたつきがなく、保湿感に優れる美容液であった。
【0049】
[実施例31:美容液]
(成分) (%)
1.水素添加大豆リゾリン脂質 2.4
2.大豆リン脂質 0.3
3.フィトステロール 0.3
4.ジプロピレングリコール 20.0
5.精製水 47.0
6.ジメチルポリシロキサン 30.0
(製法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(5)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクルを形成させ、40℃まで冷却する。
D:Cに(6)を添加し、美容液を得た。
【0050】
実施例31の美容液は、最下層にベシクルが沈降し、最上層にシリコン層が存在する三層美容液であり、ベシクルの保存安定性に優れ、振とう時にはベシクルが再分散し、べたつきがなく、保湿感に優れる美容液であった。
【0051】
[実施例32:化粧水]
(成分) (%)
1.水素添加大豆リゾリン脂質 1.0
2.水素添加大豆リン脂質 0.5
3.コレステロール 0.5
4.ジプロピレングリコール 5.0
5.精製水 残 量
6.テアニン 2.0
7.エタノール 5.0
8.メチルパラベン 0.1
9.カラギーナン 0.1
10.香料 0.01
(製法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(5)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクル組成物を形成させ、40℃まで冷却する。
D:Cに成分(6)〜(10)を添加混合し、化粧水を得た。
【0052】
実施例32の化粧水は、ベシクルの保存安定性や二層分離性に優れ、振とう時にはベシクルが再分散し、べたつきがなく、保湿感に優れる化粧水であった。
【0053】
[実施例33:化粧水]
(成分) (%)
1.水素添加大豆リゾリン脂質 2.0
2.水素添加大豆リン脂質 1.2
3.コレステロール 0.5
4.ジプロピレングリコール 15.0
5.精製水 残 量
6.テアニン 2.0
7.エタノール 5.0
8.メチルパラベン 0.1
9.香料 0.01
10.1,2−ペンタンジオール 2.0
11.グリコシルトレハロース水溶液 2.0
12.グリセリン 8.0
(注3)TORNARE (林原生物化学研究所社製)
(製法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(5)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクル組成物を形成させ、40℃まで冷却する。
D:Cに成分(6)〜(12)を添加混合し、化粧水を得た。
【0054】
実施例33の化粧水は、ベシクルの保存安定性や二層分離性に優れ、振とう時にはベシクルが再分散し、べたつきがなく、保湿感に優れる化粧水であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C);
(A)リゾリン脂質
(B)リン脂質
(C)コレステロール及び/またはフィトステロール
を主構成成分とするベシクルを含有する化粧料であって、成分(A)と成分(B)の配合質量比A/Bが1.5以上で8以下、且つ、成分(A)と成分(C)の配合質量比A/Cが1.5以上で8以下であり、静置時には該ベシクルが沈降し、使用時に振とうすることにより該ベシクルが再分散することを特徴とする化粧料。
【請求項2】
さらに成分(D)として多価アルコールを配合したベシクルを含有することを特徴とする請求項1記載の化粧料。

【公開番号】特開2012−158591(P2012−158591A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−4613(P2012−4613)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】