説明

容器に液体を充填するための装置

【課題】容器への飲料の充填を簡単化でき、好ましくはシステムの全体の動作の簡略化も可能にする装置を提供する。
【解決手段】容器(10)に液体(特に飲料)を充填するための装置(1)であって、液体を容器(10)に充填するための充填装置(2)を備えており、その液体を充填装置(2)に供給する液体配管(4)を備えており、液体配管(4)の液体が第1の流れ方向(R1)に流れ、流量測定装置(6)が液体配管(4)に配置されており、その流量測定装置が、第1の流れ方向(R1)に流量測定装置(6)を通過する液体の量を割り出し、流量測定装置(6)が、第1の流れ方向(R1)とは反対の第2の流れ方向(R2)に流量測定装置(6)を通過する液体の量も割り出すように設計されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体(特に飲料)を瓶詰めするための装置に関する。この種の装置は、長きにわたって従来技術において知られている。多成分からなる飲料、例えばシロップと水媒体とで構成される飲料を瓶詰めするための装置に関して、本発明が具体的に説明される。しかし、本発明が、ミルク、ジュース、清涼飲料または油、更にはより粘性の高い媒体といった、飲料および他の液体を瓶詰めするための他の装置にも適用可能であることに注意すべきである。
【背景技術】
【0002】
この種における飲料の瓶詰め装置においては、通常、それぞれの成分の流量を割り出す幾つかの流量測定装置が使用される。かかる流量測定装置は、時折に障害の影響を受けやすく、量の測定時に誤りが生じると、瓶詰めされる飲料の望ましくない混合をただちに得ることになる。特に粒子が分散している液体の場合には、このような流量測定装置が確実に機能しないことがしばしばである。
【0003】
独国特許公開第102006045987号から、容器に液体製品を充填する方法ならびに充填システムが知られている。ここでは、製品の少なくとも2つの成分が混ぜ合わせられる。成分のうちの少なくとも1つは、注入量と体積の両方が制御される方式で、ここでは流量計を使用して供給される。
【0004】
欧州特許第1362825号は、容器を充填するための回転装置を記述している。ここでは、添加物の供給装置が、幾つかのパイプを有し、当該パイプを開閉するために、パイプに沿って配置されたパイプの開口を塞ぐ手段を備えている。米国特許第5829476号は、2つの流れを有する注入バルブを開示しており、一方の供給チャネルが他方の内側に配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、容器への飲料の充填を簡単化でき、好ましくはシステムの全体の動作の簡略化も可能にする装置と方法を提供するという目的に基づいている。更には、充填量の割り出しに必要な測定装置の数を減らすための可能性も、もたらされるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このことは、本発明によれば、独立請求項の主題によって達成される。好都合な実施形態および更なる発展が、従属請求項の主題である。
【0007】
容器に液体(特に飲料)を充填するための本発明の装置は、液体を容器に充填するための充填装置を備えている。更に、液体を充填装置に供給する液体配管が設けられ、その液体配管の液体が第1の流れ方向に流れ、流量測定装置が液体配管に配置され、第1の流れ方向に流量測定装置を通過する液体の量を割り出す。
【0008】
本発明によれば、流量測定装置が、第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向に流量測定装置を通過する液体の量も割り出すように設計されている。
【0009】
本発明によれば、通過する液体の量に応じた体積を割り出すだけでなく、流れの方向の区別も可能にする流量測定装置を設けることが提案される。このようにして、例えば第2の成分を供給するときに、これを流量測定装置の下流へと加えることができ、結果として、第1の液体成分の一時的な逆流が生じる。この逆流または逆流の量に基づいて、供給された第2の成分の量を割り出すことができる。しかしながら、第2の液体が必ずしも第2の成分でなくてもよいことに注意すべきである。即ち、本発明を、例えば清掃作業の際に洗浄媒体を装置に通すためにも適用できるであろうし、ここで流量測定装置が洗浄媒体の量を割り出すことも可能である。
【0010】
好都合な実施形態においては、装置が、充填される容器の充填レベルを割り出す充填状態測定装置を備えている。ここで、例えば、特には充填プロセスの最中に、充填される個々の容器の重量を測定するロードセルを設けることができる。しかし、充填状態測定装置は、充填レベルプローブであってもよく、或いは、容器へとすぐに流れる製品の量を割り出す他の流量測定装置であってよい。
【0011】
好都合な実施形態において、装置は、充填装置に第2の液体を供給するための第2の液体配管を備えている。この実施形態において、本発明は、多成分飲料の製造に特に適している。他方で、この第2の液体配管は、例えば特定の清掃作業において充填装置の清掃のために充填装置へと洗浄剤を供給する洗浄配管であってもよい。
【0012】
更なる好都合な実施形態においては、第2の液体を、第1の液体に連通させることができる。好ましくは、第2の液体を、充填装置の出口の手前において第1の液体に連通させることができる。このやり方で、例えば、飲料の充填を停止させることができ、次いで第2の成分を混合領域に供給することができ、この第2の成分の量を逆流方向における流量測定装置によって割り出すことができる。
【0013】
更なる好都合な実施形態においては、第2の液体配管が第1の液体配管へと開いている。このやり方で、この開口の領域にて混合プロセスを実行でき、このやり方で、容器の特定の充填作業の開始時と終わりにおいて、いずれの場合も1つの特定の製品(例えば、フルーツ片などを含んでいない水)だけが使用されるように、システムを制御することができる。
【0014】
好都合には、第2の液体配管が、装置の動作の最中に第2の液体が流量測定装置を通過することがないように構成される。これは、第2の成分がフルーツ片などを伴う液体である場合に、特に重要である。この場合、第2の媒体の供給時に第2の媒体が流量測定装置を通過し得ないように、流量測定装置と第2の液体配管への開口との間の容量が充分に大きく確保される。そうでないと、測定に悪影響が及ぶ可能性があるからである。
【0015】
更なる好都合な実施形態においては、充填装置が、容器への少なくとも1つの液体の供給を制御するためのバルブ手段を含む。このバルブ手段は、すでに生成された混合物の容器への供給を制御するただ1つのバルブが設けられるように、好都合には、第2の液体配管の第1の液体配管への開口の下流に設けられる。
【0016】
更なる好都合な実施形態においては、装置が、第1の液体のためのリザーバを備える。これに加え、例えば環状チャネルなどの第2の液体のためのリザーバも設けることができる。
【0017】
更なる好都合な実施形態においては、制御可能なバルブが、第2の液体配管に設けられる。これは、第2の成分を、このバルブによって計量される方法で加えることができることを意味する。好都合には、このバルブが、流量測定装置からのデータにもとづいて制御される。即ち、例えば、このバルブを第2の成分を供給するために開くことができ、流量測定装置が(特には逆流方向の)液体の特定の量を測定するとすぐに、バルブを再び閉じることができる。好ましくは、この期間中は充填装置のバルブ手段が閉じられる。
【0018】
更に本発明は、第1の液体が充填装置によって容器に充填され、その液体は第1の液体配管に沿って充填装置に供給され、当該液体は第1の流れ方向に流れ、流量測定装置が、第1の流れ方向に流量測定装置を通過する液体の量を割り出す、容器に液体(特に飲料)を充填するための方法に関する。
【0019】
本発明によれば、液体が、少なくとも一時的に、液体配管を第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向に流れ、流量測定装置が、第2の流れ方向に流量測定装置を通過する液体の量を割り出す。
【0020】
このように、方法の観点からも、供給された第2の媒体または例えば洗浄媒体の量に関して判定を得ることができるため、特には第1の液体の量を両方の流れ方向について測定することが提案される。
【0021】
好ましい方法においては、第2の液体が容器に供給され、少なくとも一時的に、第1の液体と第2の液体との間での連通が存在する。好ましくは、第2の液体の供給の際に、液体を容器に送り込む主たるバルブは閉鎖される。このやり方で、第2の液体の供給によって、流量測定装置を通る第1の液体の逆流が生じ、したがって流量測定装置によって出力される値に基づいて、供給された第2の液体の量に関する判定を得ることができる。したがって、前記液体の連通は、好ましくは充填装置のバルブ手段に対して上流でもたらされる。
【0022】
このように、好ましい方法においては、容器に充填される第2の液体の量が、第2の流れ方向に流量測定装置を通過する第1の液体の流量に基づいて割り出される。
【0023】
更なる好ましい方法において、制御装置は、バルブが容器への第2の液体の供給を制御する測定信号に応じて、少なくとも1つのバルブを制御する。
【0024】
更なる好ましい方法においては、気体製品も容器に供給される。炭酸入りの液体の充填が所望される場合には、これが例えばCOであってよい。しかしながら、この気体の供給を、液体の充填に先立って実行してもよい。炭酸入りでない飲料を瓶詰めする場合には、例えば充填作業の前および/または後で窒素を供給することができる。
【0025】
更なる好都合な方法においては、容器に第3の液体が供給され、第1の液体と第3の液体との間で少なくとも一時的に連通が存在する。
【0026】
好ましくは、第2の液体と第3の液体が、時間遅延方式にて充填装置へと供給される。この時間遅延させられた供給により、ただ1つの流量測定装置を、第2および第3の両方の液体の量を割り出すために使用することができる。
【0027】
更なる利点と実施の形態が、添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】飲料容器を充填するシステムの概略図を示している。
【図2】本発明の一態様のブロック図の形態の図を示している。
【図3】充填装置の断面図を示している。
【図4】本発明に係る充填装置の概略断面図を示している。
【図5】充填装置の斜視図を示している。
【図6】図5に示した充填装置の概略断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、容器の充填のためのシステム60の概略図を示している。このシステム60は、容器を矢印P1に沿って洗浄装置66または洗浄機の送り込みスターホイール64を介して供給する容器供給部62を備えている。
【0030】
参照番号68は、洗浄済みの容器を引き取り、転送スターホイール70および充填装置送り込みスターホイール72を介して飲料の瓶詰めのための装置1へと渡す洗浄装置66の送り出しスターホイールを指す。この装置1では、2成分の飲料が瓶詰めされる。参照符号A〜Gは、飲料の瓶詰めの際に実行される種々の方法のステップを示している。即ち、ステップAでは、容器が充填装置に押し付けられ、ステップBでは、容器の前充填が行われ、或いは例えば二酸化炭素などの気体媒体が容器に注がれる。ステップCでは、初期量のクリアな(clear)主製品(例えば、炭酸飲料など)が容器に注入される。ステップDでは、第2の製品を供給することができ、或いは第2の製品のプラグ(plug)を主製品に注入できる。領域Eでは、主製品の事後充填が行われる。参照符号Tは、飲料の容器への充填プロセスの終わりを示している。
【0031】
ステップFにおいては、瓶詰めされた飲料を沈殿させ或いは緩和させることができ、ステップGでは、容器が充填装置から取り去られる。
【0032】
参照番号78は、装置1の送り出しスターホイールを指し、参照番号80は、容器を蓋で閉じるための閉鎖装置を指し、参照番号82は、容器の蓋の供給装置を指している。参照番号84は、閉鎖装置の送り出しスターホイールを指し、参照番号86は、充填済みの容器を運び去るための取り出し装置を指している。
【0033】
参照番号76は、容器の充填が行われない、或いは容器が該当の充填ステーションに存在していない空き角度を示している。充填装置送り出しスターホイールと充填装置送り込みスターホイールとの間の当該空き角度において、追加の製品を計量し、主製品へと加えることが可能である。このようにして、この角度も充填プロセスに使用され、このやり方で、計量プロセスを必ずしも通常利用可能な角度範囲(A〜G)において実行しなくてもよいため、充填装置の全体的な性能を高めることができる。この計量プロセスは、更なる図を参照して、より詳しく説明される。したがって、方法という観点から、容器の充填後に時間的に遅れて、計量した量の更なる液体を第1の液体へと加えることが提案される。
【0034】
したがって、図1に示されている装置は、少なくとも2つ以上の異なる液体から飲料を混合するためにも使用される。これらの液体は、例えば、充填される容器の容積に対して所定の混合比にある水、シロップ、および/またはフレーバ剤であってよい。ここで、更には、種々の液体が、個々の充填バルブへの分配の地点に続く空間において、好都合に混合される。本発明の一態様の状況では、追加された媒体が、続く容器の充填プロセスにおいて好都合に自動的に排出されるよう、異なる媒体の混合を充填バルブの出口の近くで行うことが提案される。この手法によって、連続する充填の各々を、幾つかの異なるフレーバ剤を供給することにより変えることができる。更に、このやり方で、例えば果肉などの重大な製品を、バルブ装置またはバルブコーンから押し流すことができる。
【0035】
図2は、本発明に係る装置1のブロック図の形態の図を示す。参照番号24は、主製品のためのリザーバを指している。このリザーバ24から、製品が第1の液体配管4を介して充填装置2(ここでは全体的に参照番号2によって特定され、更に詳しくは示されていない。)へと流れる。参照番号6は、方向R1の液体の流れを測定するように構成された流量測定装置を指す。好ましくは、流量測定装置6が誘導流量計である。
【0036】
参照番号20は、容器10への液体の充填を制御するための充填バルブを示している。
【0037】
シロップなどの第2の製品は、環状チャネル7から供給される第2の液体配管12を介して、液体配管4または充填装置2に供給することができる。
【0038】
充填プロセスの最中に、バルブ20を閉じることができ、その後に第2の液体を供給するためのバルブ16を開くことができる。これにより、結果として、主たる液体が液体配管4において押し戻され、流れの方向R2にて流量計の領域へと流れる。
【0039】
流量測定装置6は、方向R2の流れの測定にも適しているため、これらの測定に基づいて、どれだけの液体が配管12を介して供給されたのかを割り出すことができる。しかし、ここでは、配管12に存在する製品そのものが流量測定装置6を通って押されることがないように、この液体配管4の長さが好ましく寸法付けられている。
【0040】
参照番号26は、流量測定装置6の測定信号を受信し、例えばバルブ16を駆動し、更にはバルブ20も駆動する制御装置を指している。このやり方では、容器の自動充填を達成することができる。また、制御装置を遠方の位置に設置してもよく、その場合には、流量測定装置からの測定信号が制御装置へと伝送され、次いで遠方の制御装置がバルブを駆動する。
【0041】
既述のように、計量された製品(例えば、製品の一部分)を液体配管12を介して加えるとき、それらが押されて流量測定装置6を通過することがあってはならない。何故なら、測定の精度が損なわれるためである。したがって、主たる製品だけが流量測定装置6を通って押し戻されるように、流量計と実際の投入点との間の製品配管の容量を相応の寸法にしなければならない。
【0042】
ここで、第2の液体配管(第2の製品配管12)が、流量測定装置6の方向に主たる製品配管へと充填装置2のバルブ出口から遠ざかることも可能であり、或いは第1の液体配管4を形成することも可能である。このやり方で、クリアな液体を注入することができ、即ち第2の製品が主製品の2つの部分の間のプラグとして注入される。しかしながら、この場合には、主製品の後続部分が、第2の製品(即ち、第2の液体)をバルブから完全に押し流せるほど充分に大きいものであるように配慮することが有益である。
【0043】
このクリアな液体の注入は、バルブまたはバルブのバルブコーンの開放の際にすぐに計量した量のフルーツセルまたはフルーツ片を加えるときに、完璧な注入ジェットが生成されるという利点を有している。フルーツセルが開放時のバルブコーンに存在すると、それらが注入ジェットの速やかな形成を妨げて、製品が制御されずに周囲に跳ね飛ぶ可能性がある。
【0044】
図2は、配管12を介した第2の製品の半径方向の供給を示している。しかしながら、この計量された第2の製品の追加を、例えば接線方向などの他の方向に行うことも可能であり、或いは第1の配管4へと斜めに別の方法で行うことも可能である。このやり方で、主配管4における主製品および第2の製品の徹底した混合を改善することができ、その結果として、第2の製品の押し流しが簡単になる。
【0045】
参照番号14は、例えば環状チャネル9を介して更なる液体を供給するために使用できる第3の液体配管を指す。ここでは、更に、この製品の充填装置2またはバルブ20への供給を制御するバルブ18が設けられている。
【0046】
参照番号11は、例えば二酸化炭素などの気体媒体のためのチャネルを指す。リザーバ24内に気相を形成し、或いは主製品(その充填レベルが、ここでは参照符号Nで示されている。)に荷重を加えるために、このチャネル11は接続配管15を介してリザーバ24に接している。更なる接続配管17が、チャネル11を容器に接続している。このチャネル17は、容器の充填プロセスの際にCOをチャネル11へと送り返す気体戻りチャネルである。参照番号22は、ここでは気体戻りバルブおよび前充填バルブとして使用されるバルブを指している。
【0047】
参照番号21は、制御ユニット26を介して個々のバルブ20、16および18に連絡している(電気)制御線を示す。
【0048】
液体配管12を介して供給される第2の媒体は、好ましくは第1の液体配管4の製品よりも高い圧力で送り込まれる。このやり方で、一方では、液体配管4内の製品の押し戻しを達成でき、他方では、ガスが分散した2つの液体を、この方法で寄せ集めることができる。第1の液体配管4の液体よりも高い圧力は、第3の液体配管14の液体についても使用できる。
【0049】
投入領域または投入位置は、製品に応じて、任意のノズルの形態で実現可能であり、或いはディフューザとして実現可能であり、結果として、投入後の完全な混合が改善される。更に、対抗圧力充填の際にCO圧力のもとで計量されたシロップや追加の製品を加えることが可能であり、或いは、そのシロップを既に僅かに「炭酸入り」にした状態で加えることが可能であると考えられる。このやり方で、混合領域での乱流によって引き起こされうるCOの分離に対抗することができる。
【0050】
気体戻りチャネル17は、CIP(定置洗浄)戻りチャネルとして使用することも可能である。ここで、例えば戻りの気体を使用するバルブブロックおよび/または前充填バルブの下流で、このチャネルからCIP戻り経路へと分かれる分岐を設けることも可能であろう。特に、より複雑な充填プロセスにおいては、バルブブロック(不図示)が種々の機能のための幾つかの気体用バルブを含み、それらを介して気体戻りチャネルがチャネルキャリア23内の幾つかの気体チャネルへと分割されるであろう。
【0051】
充填バルブに幾つかの投入点を有する場合には、充填装置を「多色充填」のためにも使用できると考えられ、異なる製品が1つの充填バルブから別の充填バルブへと注入され、或いは指令に応じた充填プロセスが実行され、或いは種々の製品が同じ製造シフトにおいて次々に充填され、1つの製品から別の製品への極めて迅速な切り換えを実行することができる。
【0052】
従来技術から公知のこの充填プロセスを制御するため、本発明による充填プロセスと同じやり方で使用できる本発明の装置は、SPSなどの充填装置制御装置(不図示)を含んでいる。
【0053】
図3は、本発明の一態様による充填装置2を示す。この充填装置またはこの充填バルブはバルブ手段20を備えており、バルブ手段20がバルブ本体またはバルブプランジャ38を有している。参照番号12は、第2の製品を供給するための第2の液体配管を指す。この第2の製品は、バルブ16を介して接続ライン44を通って混合チャンバ42へと送り込まれる。参照番号34は、バルブ20の出口を示しており、ここから液体を容器に送り込むことができる。参照番号54は、充填装置のハウジングを示す。例えばCOなどの戻りの気体を、気体戻りチャネル33を介して再び運び去ることができる。バルブ本体38を、バルブ本体38の長手方向Lに動かすことができ、このやり方で、出口34への製品の供給、したがって容器への製品の供給を制御することができる。
【0054】
この目的のため、バルブは、バルブの閉鎖状態においてハウジングの部位57に押し付けられてバルブを閉じるシール用ワッシャ52を有している。参照番号56は、対応するバルブコーンを示す。
【0055】
参照番号46は、主製品を供給するための充填装置内の供給チャネルを示している。チャネル46が閉じており、或いはバルブ領域に直接に隣接していることを、見て取ることができる。参照番号55は、注入されるべき製品を示している。
【0056】
図3に示した充填装置2は、シロップと混合され、特にはフルーツ繊維と組み合わせられた炭酸入りの液体の混合および瓶詰めに特に有用である。2つの液体を2つの別々の容器から共通の混合チャンバへと送り込むことは、従来技術から既に知られている。本実施形態では、通常は、繊維または固形の部分を有している液体を充填するための充填システムであって、充填バルブの出口の直前でシールされる充填システムが使用される。この特別の出口形状の場合には、充填プロセスの終了におけるシールの際に製品が存在せず、したがって気体バリアを省略できる。気体バリアは、表面張力を利用することによって、片側に開いている配管から液体が逃げ出さないようにする構成要素であるが、かかる気体バリアは、フルーツ繊維の割合がより大きくなると不適である。
【0057】
この保持およびスイッチオフのための実績のあるシステムは、本発明の場面においても利用される。しかしながら、上述のようにコーン56によって封止される充填バルブの出口34への、改善された送り、または流れに最適化された送りが設けられる。例えば配管44を介して加えられる任意の更なる媒体について、更なる送り配管が、1つの充填から別の充填へと種々の媒体の混合を再現できるように設計された共通の混合チャンバ42へとつながる。
【0058】
充填プロセスの所望の順序を保証するために、各々の送り配管が、ここではバルブ16などの遮断機構を備えている。供給される媒体の種々の投入量を、例えば流量測定装置(不図示)によるなど、公知の測定手段によって測定することができる。
【0059】
好都合には、媒体のうちの1つ、幾つかまたは全ての投入が、特定の体積流および流れの継続時間によって更にもたらされる。これの前提条件は、液体が出口34に可能な限り近い位置で寄せ集められ、適切な構成を有することである。
【0060】
図4は、フルーツ片または繊維を含有する第2の製品を含む液体の瓶詰めに特に適した本発明に係る装置の更なる図を示す。ここでは、実際の充填装置2の他に、その周囲も見て取ることができ、即ち、特には第1の供給配管4および第2の製品のための第2の供給配管12を見て取れる。この第2の供給配管12は、液体が液体配管4の液体よりも高い圧力のもとで充填装置2に到達するよう、ここではリザーバ24よりも高いレベルに配置されたリザーバ27から供給される。参照番号51は、例えば空気式の駆動部など、バルブ本体56を長手方向11に駆動するための駆動装置を指す。更に、参照番号58は、充填装置2のハウジングを示す。参照番号45は、バルブ16の構成要素であるベローを指しており、バルブ領域も液体によって囲まれてよい。対応するベロー59が充填装置2にも設けられており、送り配管4から来る主製品によって囲まれることができる。
【0061】
充填プロセスにおいては、まず、該当のバルブを媒体の供給へと開き、残りのバルブを閉じることによって、充填すべき第1の媒体(例えば、主製品)が注入される。その後または同時に、充填バルブの出口が開かれ、或いはバルブ20が開かれる。所望の部分量に達すると、充填装置の出口34が再び閉じられる。しかし、バルブ20を開いたままで媒体を切り換えることを(図2参照)、それが如何なるオーバーラップもなく実行されるのであれば、行ってもよい。上述のように、続く媒体が先行の媒体を変位させ、したがって再現可能な混合比が達成される。
【0062】
好ましくは、各々の供給配管が、ここで別途の遮断機構または液体用のバルブを備えている。
【0063】
図5は、本発明による充填装置2ならびにその周囲の更なる図を示す。参照番号58は、やはりハウジングを指しており、参照番号51は、固定手段92によってハウジング58に取り付けられたバルブを駆動するためのバルブ駆動部を指している。参照番号34は、やはりバルブの出口を示している。ここでは、シャッターまたは絞り94、96が、2つの製品配管4および12に配置されている。製品は、矢印P3およびP4で示されるように供給される。参照番号16、18の各々は、それぞれの駆動部97、99によって作動させられるダイアフラムバルブを指している。
【0064】
図6は、図5に示した充填装置の断面図を示す。ここでも、方向Lに動かすことが可能で、弁座57に当接しうるバルブコーン56を見て取ることができる。主製品は、第1の供給配管4に沿って供給チャネル55を介して混合チャンバ42に供給される。この混合チャンバ42において、主製品を製品配管12から来る第2の製品と(好ましくはバルブ20を閉じた状態で)混合できる。ここでは、第2の製品のためのチャネル44が、周方向において主製品のためのチャネル55を完全に囲んでいる。
【0065】
参照番号59は、主製品のためのチャネル55の形成を可能にするベローを示している。このベローの内側を、バルブを駆動するための操作ロッドが案内される。参照番号49は、バルブコーン56の芯出し装置を指す。ここで、第2の製品(または第2の液体)のための第2のポート32が、主製品(または第1の液体)のための第1のポート34よりも低いレベルに配置されていることが見て取れる。また、容器に最初に主製品が注入され、終わり近くもやはり主製品が注入されることが常に確保されるように、チャネル44がバルブコーン56に隣接している。
【0066】
参照番号65は、通気穴を示しており、参照番号69は、非接続状態においてバルブコーン56を閉鎖位置へと移動させるための復帰ばねを示している。このように、図6に示した実施形態においては、上述のようにチャネル44が環状の形状であってチャネル55を囲んでいる。両方の供給配管4および12は、2つの製品の流れに関して最適化された供給のためにそれぞれ使用される拡大領域37を有している。
【0067】
図6に示した構成によって、チャネル44および55の交差を回避することができ、或いは2つの製品チャネルが互いの内側に位置する。ここで、混合チャンバ42が、バルブ本体56の直近に位置しており、好ましくは、供給配管或いは2つのポート32および34が、それぞれこの混合領域42の上方に設けられる。
【0068】
本件出願書類において開示された特徴の全ては、それらが単独または組み合わせにおいて従来技術に対して新規である限り、本発明に不可欠であるとして請求される。
【符号の説明】
【0069】
1 装置
2 充填装置
4 第1の液体配管
6 流量測定装置
7、9 環状チャネル
10 容器
11 チャネル
12 第2の液体配管
14 第3の液体配管
15、17 接続配管
16、18 バルブ
20 充填バルブ
21 制御線
22 バルブ
23 チャネルキャリア
24、27 リザーバ
26 制御装置
32 第1のポート
33 気体戻りチャネル
34 バルブ出口
37 拡大領域
38 バルブプランジャ
42 混合チャンバ
44 接続ライン
45、59 ベロー
46 供給チャネル
49 芯出し装置
51 バルブ駆動部
52 シール用ワッシャ
54 ハウジング
55 チャネル
56 バルブコーン
57 ハウジングの一部位、弁座
58 ハウジング
60 システム
62 容器供給部
64 送り込みスターホイール
65 通気穴
66 洗浄装置
68 送り出しスターホイール
69 復帰ばね
70 転送スターホイール
72 充填装置送り込みスターホイール
76 空き角度
78 送り出しスターホイール
80 閉鎖装置
82 容器の蓋の供給装置
84 送り出しスターホイール
86 取り出し装置
92 固定装置
94、96 絞り
97、99 駆動部
A〜G 方法の各ステップ
L 長手方向
N 充填レベル
P1 矢印
R1、R2 流れの方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を容器(10)へと充填するための充填装置(2)を備えており、その液体を前記充填装置(2)へと供給する液体配管(4)を備えており、前記液体配管(4)の液体が第1の流れ方向(R1)に流れ、流量測定装置(6)が前記液体配管(4)に配置されており、前記流量測定装置(6)が、前記第1の流れ方向(R1)に前記流量測定装置(6)を通過する液体の量を割り出す、容器に液体を充填するための装置(1)であって、
前記流量測定装置(6)が、前記第1の流れ方向(R1)とは反対の第2の流れ方向(R2)に前記流量測定装置(6)を通過する液体の量も割り出すように設計されていることを特徴とする、容器に液体を充填するための装置(1)。
【請求項2】
前記充填装置(2)に第2の液体を供給するための第2の液体配管(12)を有することを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記第2の液体を前記第1の液体に連通させることができることを特徴とする請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記第2の液体配管(12)が前記第1の液体配管へと開いていることを特徴とする請求項2に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記第2の液体配管(12)が、当該装置(1)の動作の最中に前記第2の液体が前記流量測定装置(6)を通過することがないように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記充填装置(2)が、少なくとも1つの液体の前記容器への供給を制御するためのバルブ手段(20)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
制御可能なバルブ(16)が前記第2の液体配管(12)に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項8】
充填装置(2)によって第1の液体が前記容器(10)に充填され、前記液体は第1の液体配管(4)を介して前記充填装置(2)に供給され、前記第1の液体は第1の流れ方向(R1)に流れ、流量測定装置(6)が、前記第1の流れ方向(R1)に前記流量測定装置(6)を通過する液体の量を割り出す、容器に液体を充填するための方法であって、
前記液体が、少なくとも一時的に、前記液体配管(4)を前記第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向(R2)に流れ、前記流量測定装置(6)が、前記第2の流れ方向(R2)に前記流量測定装置(6)を通過する液体の量を割り出すことを特徴とする、容器に液体を充填するための方法。
【請求項9】
前記第2の液体が前記容器へと供給され、少なくとも一時的に、前記第1の液体と前記第2の液体との間で連通が起こることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の流れ方向(R2)に前記流量測定装置(6)を通過する液体の流量から、前記容器(10)に充填される第2の液体の量が割り出されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
制御装置が、測定信号に従って少なくとも1つのバルブを制御し、該バルブが、前記容器への前記第2の液体の供給を左右することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
気体製品も前記容器に供給されることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記容器に第3の液体が供給され、前記第1の液体と前記第3の液体との間で少なくとも一時的に連通が起こることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の液体と前記第3の液体が、時間遅延方式にて充填装置(2)に供給されることを特徴とする請求項13に記載の方法。


【公開番号】特開2011−16590(P2011−16590A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−156002(P2010−156002)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(508120916)クロネス アーゲー (65)
【Fターム(参考)】