説明

α−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造法

エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールとを、触媒の存在下で、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、アンモニア、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドならびにアルコールおよび触媒を有する生成物混合物を維持しながら反応させ、エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミド、アルコールおよび触媒を含むエダクト流を圧力反応器中に供給し、生成物混合物のアルコールおよびアンモニアの含量を減少させ、
この場合アンモニアは、絶えず1バールを上廻るように維持される圧力で付加的なストリップ手段を用いずに留去されることにより、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するための連続的方法。連続的な方法は、特に有利に大工業的に使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを工業的規模で製造するための方法に関する。殊に、本発明は、請求項1の上位概念に記載された、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するための連続的方法に関する。
【0002】
α−ヒドロキシカルボン酸エステルは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを大工業的に合成する際の価値の高い中間体であり、以下、アルキル(メタ)アクリレートと呼ぶことにする。また、アルキル(メタ)アクリレートは、ポリマーおよび別の重合可能な化合物とのコポリマーの製造に主要な使用分野を獲得している。
【0003】
(メタ)アクリル酸エステルを製造するための常法に関する概要は、刊行物、例えばWeissermel, Arpe"Industrielle organische Chemie", VCH, Weinheim 1994, 第4版, 第305頁以降またはKirk Othmer"Encyclopedia of Chemical Technology", 第3版, 第15巻, 第357頁中に見出せる。
【0004】
メタクリル酸エステル、例えばメチルメタクリレートの合成を達成しようと努力する場合には、α−ヒドロキシカルボン酸エステルとして2−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル(=HIBSM)がその製造のための中心的な中間体である。
【0005】
アルコールとα−ヒドロキシカルボン酸アミドとの反応によるα−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造は、例示的にドイツ連邦共和国特許出願公開第2454497号明細書中に説明されている。この刊行物には、反応を促進させるために鉛化合物を使用することが記載されている。この場合には、連続的方法も述べられているが、しかし、生成物を高い効率で得るという工業的解決を提供するものではない。
【0006】
更に、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2528524号明細書には、α−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造法が記載されている。この場合には、特にランタン化合物を含む種々の触媒が使用されている。実際に、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2528524号明細書にも、記載された方法を連続的に実施することができるが、しかし、この刊行物には、この場合に起こる問題の満足な解決を提供することができないことが述べられている。
【0007】
上位概念に記載の方法は、欧州特許第0945423号明細書の記載から公知である。この欧州特許明細書には、生じるアンモニアをガスとして気相中に除去することにより、反応溶液中のアンモニア濃度を0.1質量%以下に維持する間に、α−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールとを触媒の存在下で液相中で互いに反応させる工程を含む、α−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造法が開示されている。
【0008】
アンモニアを反応溶液からガスとして気相中に除去するために、アンモニアは、反応溶液から留去される。このために、この反応溶液は、沸騰するまで加熱されおよび/またはストリップガス、即ち不活性ガスは、反応溶液を通って気泡を放出する。
【0009】
欧州特許第0945423号明細書中に開示された、相応するα−ヒドロキシカルボン酸アミドのアルコール分解によりα−ヒドロキシカルボン酸エステルを製出する方法の欠点は、以下に述べるように要約することができる:
i.欧州特許第0945423号明細書中に提示された変法に記載された、アンモニアの1回の留去は、殆んど効果的ではない。前記提案を実現させるために、極めて効果的な分離塔、ひいては特殊な技術的費用が要求された。
ii.付加的にかまたは専ら、不活性のストリップガスを使用する場合には、実際にアンモニア除去の有効性は、改善されるが、他の処理構成成分を負荷しなければならず、この処理構成成分の取り扱いは、付加的な費用がかかることを意味する。
iii.α−ヒドロキシカルボン酸アミドおよびメタノールをエダクトとして使用する場合には、欧州特許第0945423号明細書中で提示された条件下で生じるアンモニアおよび残分のメタノールは、互いに分離するのが極めて困難である。
【0010】
アンモニア除去のために殆んど常に必要とされる、不活性ガスの使用およびそれに関連した、他の物質流の付加的な取り扱い(ストリップガス/アンモニアの分離)は、提案された処理形式を経済的に比較的興味のないものにし、このことは、前記取り扱いがこれまで開示された方法の工業的反応に欠けていることにも反映されている。
【0011】
ところで、公知技術水準を考慮して、本発明の課題は、簡単で安価に実施することができる、α−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造法を提供することであった。
【0012】
本発明のもう1つの課題は、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを極めて選択的に得ることができる方法をもたらすことであった。
【0013】
更に、本発明の課題は、副生成物を形成させないかまたは微少量の副生成物を形成させるにすぎない、α−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造法を提供することであった。この場合、この生成物は、できるだけ高い収量で、および全体的に見て、僅かなエネルギー消費量で得ることができるはずである。
【0014】
前記課題ならびに明示的には記載されていないが、しかし、本明細書中で導入され討論された関係から直ちに導き出すことができるかまたは推定することができる他の課題は、請求項1の全ての特徴を有する方法によって解決される。本発明による方法の好ましい変法は、請求項1の従属請求項に保護されている。
【0015】
それに応じて、本発明の対象は、エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールとを、触媒の存在下で、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、アンモニア、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドならびにアルコールおよび触媒を有する生成物混合物を維持しながら反応させることによりα−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するための連続的方法であり;この場合この方法は、エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミド、アルコールおよび触媒を含むエダクト流を圧力反応器中に供給することを示し;
エダクト流を圧力反応器中で1バール〜100バールの範囲内の圧力で互いに反応させ、
生成物混合物のアルコールおよびアンモニアの含量を減少させ、この場合アンモニアは、絶えず1バールを上廻るように維持される圧力で付加的なストリップ手段を用いずに留去されることによって特徴付けられる。
【0016】
本発明による手段により、特に次の利点を達成することができる:
意外なことに、本発明による反応の際に生じるアンモニアは、比較的僅かな費用で問題なしにアルコール、例えばメタノールと分離させることができ、この場合このメタノールは、α−ヒドロキシカルボン酸アミドのアルコール分解またはメタノリシスに使用される。これは、アルコールまたはメタノールおよびアンモニアが溶解された形で通常の条件下で分離するのが極めて困難であるとしても、可能である。
【0017】
分離の場合、アンモニアは、既に極めて純粋な形で生じ、したがって他の後処理なしに種々のプロセスで再使用されうる。また、アルコールは、該アルコールがプロセスに適した品質で存在し、例えば製造プロセス中に再循環可能であるように生じる。
【0018】
この場合、本発明の方法は、アンモニアを分離するための助剤の使用を回避し、なかんずくアンモニアのためのストリップ剤としての不活性ガスの使用は、不要である。それに応じて、本発明による方法の場合には、再びアンモニアと分離すべきであろうような大量の付加的な不活性のガス流は生じない。
【0019】
本発明による方法により、α−ヒドロキシカルボン酸エステルは、高い収量および純度で得られる。これは、殊にα−ヒドロキシカルボン酸アミドが極めて僅かな現状のアンモニア濃度を維持しながら液相でα−ヒドロキシカルボン酸エステルへのアルコール分解に掛けられる、欧州特許出願公開第0945423号明細書中に記載の方法と比較して有効である。意外なことに、圧力の使用により、簡単な蒸留/精留との組合せで不活性ガスでのストリッピングの付加的な手段を不用とすることができるだけでなく、よりいっそう高いアンモニア濃度を液相で許容することができ、この場合には、全体的によりいっそう高い選択性を断念する必要がないことを確認することができた。
【0020】
この場合、副生成物の形成は、極めて僅かである。更に、殊に高い選択性を考慮しながら高い変換率が達成される。
【0021】
更に、本発明の方法は、副生成物を形成する極めて僅かな傾向を有する。
【0022】
更に、本発明による方法は、安価に、殊に僅かなエネルギー需要で実施されることができる。この場合、α−ヒドロキシカルボン酸アミドのアルコール分解に使用される触媒は、長時間に亘って使用されることができ、この場合選択性または活性は、減少することがない。その限りにおいて、触媒は、高い可使時間を有する。
【0023】
最後に、本発明による方法は、特に有利に大工業的に実施されることができる。
【0024】
本発明による方法の場合、α−ヒドロキシカルボン酸エステルは、エダクトのα−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールとの反応によって触媒の存在下に製造される。
【0025】
通常、カルボン酸アミド基に対してα位に少なくとも1個のヒドロキシ基を有する全てのカルボン酸アミドは、本発明の反応に使用可能なα−ヒドロキシカルボン酸アミドに属する。
【0026】
また、カルボン酸アミドは、当業界内で一般に公知である。通常、これらの中には、式−CONR’R’’−〔式中、R’およびR’’は、互いに無関係に水素または1〜30個の炭素原子、殊に1〜20個、有利に1〜10個、殊に1〜5個の炭素原子を有する基を表わす〕で示される基を有する化合物が含まれる。カルボン酸アミドは、式−CONR’R’’−で示される1、2、3、4またはそれ以上の基を含むことができる。このためには、殊に式R(−CONR’R’’)n〔式中、基Rは、1〜30個の炭素原子、殊に1〜20個、有利に1〜10個、殊に1〜5個、特に有利に2〜3個の炭素原子を有する基を表わし、R’およびR’’は、前記の意味を有し、nは、1〜10、特に1〜4、特に有利に1または2の整数を表わす〕で示される化合物が属する。
【0027】
"1〜30個の炭素原子を有する基"の表現は、1〜30個の炭素原子を有する有機化合物の基を示す。この表現は、芳香族基およびヘテロ芳香族基と共に、脂肪族基およびヘテロ脂肪族基、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルキルチオ基およびアルケニル基を含む。この場合、記載された基は、分枝鎖状であってもよいし、非分枝鎖状であってもよい。
【0028】
本発明によれば、芳香族基は、特に6〜20個、殊に6〜12個のC原子を有する単核または多核の芳香族化合物を示す。
【0029】
ヘテロ芳香族基は、少なくとも1個のCH基がNによって置換されておりおよび/または少なくとも2個の隣接したCH基がS、NHまたはOによって置換されているアリール基を示す。
【0030】
本発明によれば、好ましい芳香族基またはヘテロ芳香族基は、場合によっては置換されていてもよい、ベンゼン、ナフタリン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルメタン、ジフェニルジメチルメタン、ビスフェノン、ジフェニルスルホン、チオフェン、フラン、ピロール、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、ピラゾール、1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,4−トリアゾール、2,5−ジフェニル−1,3,4−トリアゾール、1,2,5−トリフェニル−1,3,4−トリアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,3,4−テトラゾール、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[b]フラン、インドール、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾ[c]フラン、イソインドール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズイソキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、ピリジン、ビピリジン、ピラジン、ピラゾール、ピリミジン、ピリダジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,4,5−トリアジン、テトラジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン(Cinnolin)、1,8−ナフチリジン、1,5−ナフチリジン、1,6−ナフチリジン、1,7−ナフチリジン、フタラジン、ピリドピリミジン、プリン、プテリジンまたはキノリジン、4H−キノリジン、ジフェニルエーテル、アントラセン、ベンゾピロール、ベンゾオキサチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾピリジン、ベンゾピラジン、ベンゾピラジジン、ベンゾピリミジン、ベンゾトリアジン、インドリジン、ピリドピリジン、イミダゾピリミジン、ピラジノピリミジン、カルバゾール、アシリジン、フェナジン、ベンゾキノリン、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジジン、ベンゾプテリジン、フェナントロリンおよびフェナントレンに由来する。
【0031】
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチルプロピル基、第三ブチル基、ペンチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、ノニル基、1−デシル基、2−デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基およびエイコシル基は、好ましいアルキル基に属する。
【0032】
場合によっては分枝鎖状アルキル基または非分枝鎖状アルキル基で置換されている、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびシクロオクチル基は、好ましいシクロアルキル基に属する。
【0033】
ビニル基、アリル基、2−メチル−2−プロペン基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−デセニル基および2−エイコセニル基は、好ましいアルケニル基に属する。
【0034】
少なくとも1個の炭素単位がO、Sまたは基NR8もしくはNR89によって置換されており、かつR8およびR9が互いに無関係に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基またはアリール基を意味するような前記の好ましいアルキル基およびシクロアルキル基は、好ましいヘテロ脂肪族基に属する。
【0035】
本発明によれば、特に有利には、カルボン酸アミドは、1〜20個の炭素原子、特に1〜12個、好ましくは1〜6個、殊に1〜4個の炭素原子を有する分枝鎖状または非分枝鎖状のアルキル基またはアルコキシ基および3〜20個の炭素原子、特に5〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基またはシクロアルキルオキシ基を有する。
【0036】
基Rは、置換基を有することができる。なかんずく、ハロゲン、殊に弗素、塩素、臭素ならびにアルコキシ基またはヒドロキシ基は、好ましい置換基に属する。
【0037】
α−ヒドロキシカルボン酸アミドは、本発明による方法で個別的にかまたは2つまたは3つまたはそれ以上の異なるα−ヒドロキシカルボン酸アミドの混合物として使用されることができる。α−ヒドロキシイソ酪酸アミドおよび/またはα−ヒドロキシイソプロピオン酸アミドは、特に好ましいα−ヒドロキシカルボン酸アミドに属する。
【0038】
更に、本発明による方法の変法において、ケトンまたはアルデヒドおよび青酸からのシアンヒドリン合成によって得ることができるα−ヒドロキシカルボン酸アミドを使用することは、特に重要である。この場合には、第1の工程でカルボニル化合物、例えばケトン、殊にアセトン、またはアルデヒド、例えばアセトアルデヒド、プロパナール、ブタナールは、青酸と反応され、それぞれシアンヒドリンに変わる。この場合、特に有利には、アセトンおよび/またはアセトアルデヒドは、典型的には微少量のアルカリ金属またはアミンを触媒として使用しながら反応される。こうして得られたシアンヒドリンは、もう1つの工程で水と反応され、α−ヒドロキシカルボン酸アミドに変わる。
【0039】
この反応は、典型的には触媒の存在下で実施される。このために適しているのは、殊に酸化マンガン触媒であり、例えばこれは、例えば欧州特許出願公開第0945429号明細書、欧州特許出願公開第0561614号明細書ならびに欧州特許出願公開第0545697号明細書中に記載されている。この場合、酸化マンガンは、二酸化マンガンの形で使用されることができ、これは、硫酸マンガンを過マンガン酸カリウムで処理することによって酸性条件下で得ることができる(Biochem. L., 50 第43頁(1951)およびJ. Chem. Soc., 1953, 第2189頁, 1953)かまたは硫酸マンガンを水溶液中で電解酸化することによって得ることができる。一般に、触媒は、しばしば適当な粒径を有する粉末または顆粒の形で使用される。更に、触媒は、担体上に施与されていてよい。この場合には、殊に所謂スラリー反応器または固定床反応器が使用されてもよく、これらの反応器は、流動床反応器(Rieselbett)として運転されてもよく、特に欧州特許出願公開第956898号明細書中に記載されている。更に、加水分解反応は、酵素によって促進されることができる。なかんずく、ニトリルヒドラターゼは、適当な酵素に属する。この反応は、例示的に"Screening, Characterization and Application of Cyanideresistant Nitrile Hydratase" Eng. Life. Sci. 2004, 4, No. 6中に記載されている。更に、加水分解反応は、酸、殊に硫酸によって促進されうる。これは、なかんずく特開平4−193845号公報中に記載されている。
【0040】
当業者に常用の全てのアルコールならびに圧力および温度の記載された条件下で、アルコール分解の範囲内でα−ヒドロキシカルボン酸アミドと反応する状態にあるアルコールの前駆体化合物は、本発明による方法で成果を収めて使用しうるアルコールに属する。好ましくは、α−ヒドロキシカルボン酸アミドの反応は、特に1〜10個の炭素原子、特に有利に1〜5個の炭素原子を含むアルコールとのアルコール分解によって行なわれる。好ましいアルコールは、なかんずくメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、殊にn−ブタノールおよび2−メチル−1−プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、ノナノールおよびデカノールである。特に好ましくは、アルコールとしてメタノールおよび/またはエタノールが使用され、この場合には、メタノールが特に好ましい。アルコールの前駆体の使用も原理的に可能である。即ち、例えばアルキルホルミエートが使用されてよい。殊に、メチルホルミエートまたはメタノールと一酸化炭素との混合物は、適している。
【0041】
α−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールとの反応は、本発明の範囲内で圧力反応器中で実施される。これは、原則的に反応中に過圧を維持することを可能にする反応室である。これに関連して、過圧は、大気圧より高い圧力、即ち殊に1バールより高い圧力であることを意味している。本発明の範囲内で、圧力は、1バールより大きく100バール以下の範囲内にあることができる。以下の記載から強制的に、圧力は、α−ヒドロキシカルボン酸アミドの本発明による反応/アルコール分解中ならびに生成物混合物からのアンモニアの分離/除去中、大気圧より高いかまたは1バールより大きい。殊に、これは、反応の際に生じるアンモニアが混合物から1バールを上廻る圧力下で留去されることを意味し、この場合には、補助手段、例えばアンモニアを蒸留により除去するためのストリップガスの使用は、全く不用である。
【0042】
生成物混合物は、本発明の範囲内でアンモニアの含量を減少させるだけでなく、未反応のアルコールの含量も減少させる。まさに、アルコール分解にメタノールが使用される場合には、なかんずく原理的に互いに分離するのが困難な成分のアンモニアとメタノールを有する生成物混合物が生じる。最も簡単な場合には、生成物混合物のアンモニアとアルコールの含量を減少させるために、前記の2つの成分は、直接に生成物混合物からなる物質混合物として除去される。更に、2つの物質は、後接続された分離操作、例えば精留に掛けられる。他面、本発明の範囲内で、2つの成分のアルコール(メタノール)とアンモニアとを生成物混合物のプロセスで分離し、その際に同時に2つの成分のアンモニアとアルコール(メタノール)をなお互いに分離することも可能である。
【0043】
本発明の好ましい変法において、生成物混合物からのアンモニア/アルコールの反応工程および除去は、空間的に互いに分離し、異なる装置中で実施することは、特に重要である。このために、例えば1つ以上の圧力反応器を設けることができ、該圧力反応器は、圧力蒸留塔と結合することができる。これは、蒸留塔/反応塔の外側に別々の範囲内で配置されている1個以上の反応器である。
【0044】
最も広い意味において、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するための連続的方法は、エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールとを、触媒の存在下で、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、アンモニア、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドならびにアルコールおよび触媒を有する生成物混合物を維持しながら反応させ;この場合この方法は、
a)エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミド、アルコールおよび触媒を含むエダクト流を圧力反応器中に供給し;
b)エダクト流を圧力反応器中で1バールを上廻り100バールまでの範囲内の圧力で互いに反応させ;
c)工程b)から生じる、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドおよび触媒を有する生成物混合物を圧力反応器から取り出し;および
d)生成物混合物のアルコールおよびアンモニアの含量を減少させ、この場合アンモニアは、絶えず1バールを上廻るように維持される圧力で留去することを示す。
【0045】
前記の記載により、
b1)エダクトを圧力反応器中で5バール〜70バールの範囲内の圧力で互いに反応させ、
b2)工程b1)から生じる生成物混合物を圧力反応内の圧力より低く、1バールより高い圧力に放圧し;
c1)工程b2)から生じる放圧された生成物混合物を蒸留塔内に供給し;
c2)蒸留塔内でアンモニアおよびアルコールを頭頂部を介して留去し、この場合蒸留塔内の圧力は、1バールを上廻り10バール以下の範囲に維持され;および
d1)工程c2)から生じる、アンモニアおよびアルコールの含量が減少された、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドおよび触媒を有する生成物混合物を前記塔から取り出すという特に好ましい変法が設けられる。
【0046】
この変法によれば、エダクトの反応およびアンモニア/アルコールの分離は、2個の異なる、空間的に互いに離隔された装置中で行なわれる。換言すれば、生成物混合物からアンモニア/アルコールを分離するための反応器/反応空間および分離装置は、互いに離隔されている。これは、エダクトの反応/変換およびアンモニア/アルコールの引続く分離のために、異なる圧力範囲を使用することができるという利点を有する。圧力塔内の分離工程での方法と該分離工程より高い圧力下での圧力反応器内の反応工程における方法との分離により、但し、この場合2つの工程は、過圧下、即ち1バールより高く実施されるものとし、簡単には予測することができない方法で、従来示されてきた利点以外に本発明による方法の第1の変法で、分離効果を再び著しく改善しかつアンモニア/アルコール混合物の分離効率を高めることに成功する。
【0047】
記載された品質の特徴は、圧力反応器内での反応を1回または数回、分離塔(圧力型蒸留塔)の塔底部でアンモニアおよびアルコールの含量が減少された生成物混合物を用いて繰り返すことにより、なおさらに改善することができ、この場合反応工程は、一列に接続されている多数の圧力反応器上で移動する。
【0048】
その限りにおいて、
e)工程d1)で取り出された生成物混合物を5〜70バールの範囲内の圧力に圧縮し;
f)このように工程e)で圧縮された混合物を反応のために他の圧力反応内に供給し、再び反応させ;および
g)前記に枚挙した工程b2)、c1)、c2)およびd1)を繰り返すことによって特徴付けられる変法は、特に好ましい。
【0049】
それに応じて、アンモニアおよびアルコールの含量が減少された混合物を第1の蒸留塔の塔底部の上方の棚板から取り出し、蒸留塔内より高い圧力に圧縮し、引続き第2の圧力反応内に供給し、そこから再度の反応後に高められた圧力および温度の作用下で2回反応された生成物混合物を維持しながら、この生成物混合物を再び第2の圧力反応器内の圧力より低く1バールより高い圧力に放圧し、その後に第2の圧力反応内への供給を生じる棚板の下方で、しかし、第1の蒸留塔の塔底部の上方で第1の蒸留塔内に返送し、そこで2回アンモニアおよびアルコールの含量が減少された混合物を維持しながらアンモニアおよびアルコールを再び頭頂部を介して留去することは特に重要である。
【0050】
この処理工程は、任意に繰り返すことができ、例えば3ないし4回の繰返しは、特に有利である。その限りにおいて、圧力反応内での反応、反応された混合物の放圧、第1の蒸留塔内への供給、第1の蒸留塔内でのアンモニアおよびアルコールの含量の減少、含量が減少された混合物の取出し、他の圧力反応内での含量が減少された混合物の圧縮および供給を数回繰り返すことによって特徴付けられる方法は、好ましく、この場合には、一列に接続された圧力反応器の数に応じて、n回アンモニアおよびアルコールの含量が減少された生成物混合物は、圧力型蒸留塔の棚板から得られる。この場合、nは、零より大きい正の整数であることができる。好ましくは、nは、2〜10の範囲内にある。
【0051】
好ましい変法には、前記した定義された工程e)〜g)を数回繰り返すことが設けられている。
【0052】
殊に特殊な変法は、反応および含量の減少を数回、一列に接続された圧力反応器の使用しながら数回アンモニアおよびアルコールの含量が減少された生成物混合物の維持下に実施することを含む。それに応じて、この変法は、工程e)〜g)をなお少なくとも2回繰返し、したがって反応を全体で少なくとも4個の順次に接続された圧力反応器中で実施することによって特徴付けられる。
【0053】
これに関連して、当業者にとって、それぞれの反応工程で十分な量のアルコールが存在することは、当然のことである。従って、生成物混合物は、特に単に部分的にアルコールの含量が減少される。他面、アルコールは、別個にそれぞれの反応に供給されてもよい。
【0054】
記載された変法にとって、塔内と反応器内での異なる温度範囲は、特に有利であることが判明した。
【0055】
前記の変法の記載によれば、工程c)に記載の反応は、工程d)に記載のアンモニアの蒸留より高い圧力で実施されてよい。特に、この圧力差は、少なくとも10バール、特に有利に少なくとも40バール、殊に有利に少なくとも50バールである。
【0056】
即ち、圧力型蒸留塔は、一般に有利に約50℃〜約160℃の範囲内の温度を有する。正確な温度は、典型的には沸騰系によって支配する圧力条件に依存して調節される。
【0057】
反応器内の温度は、有利に約120℃〜240℃の範囲内にある。この場合、反応器から反応器への温度が、例えば3〜15℃の範囲内のステップ、有利に4〜10℃、殊に有利に5℃のステップで減少することは、特に有利である。これによって、反応の選択性は、プラスの影響を及ぼされる。
【0058】
選択性を上昇させるためのもう1つの手段は、反応器から反応器への反応器体積を減少させることにあってもよい。変換率が上昇された際に反応器体積が減少されると、同様に改善された選択性が得られる。特に、反応器体積の減少率は、それぞれの大きさの反応器の体積に対して1%〜50%、特に有利に2%〜20%、殊に有利に5%〜10%の範囲内にあることができる。
【0059】
この場合、選択性を上昇させるための種々の手段は、特殊な利点を組み合わせることができる。即ち、当業者であれば、簡単に選択性は、圧力、温度および滞留時間を変動させることによって最適化することができる。
【0060】
特に有利には、反応は、例えば200〜220℃の範囲内の温度で行なうことができ、この場合滞留時間は、最適化することができる。アンモニアを反応混合物から分離することにより、反応は、数回繰り返すことができ、この場合には、これによって好ましい反応の実施、即ち高い選択性を僅かな費用で達成することができる。
【0061】
既に前記したように、圧力型蒸留塔から取り出すべき生成物混合物を塔の一定の位置で取り出すことは、有利である。この場合には、相対的に記載される場所として方向を定めるために、塔の塔底部(塔の棚板)との取出し位置の距離が使用される。特に有利には、本発明の範囲内で、工程c1)に記載の放圧された生成物混合物がそれぞれの再度の反応後に、早期の工程c1)の供給の供給位置に対して蒸留塔の塔底部によりいっそう隣接して圧力反応器中に供給されるような措置が執られる。
【0062】
この変法は、好ましくは、工程b)に記載の反応が20バール〜90バール、特に有利に40バール〜80バール、殊に有利に50バール〜70バールの範囲内の圧力で実施されることによって特徴付けられる。
【0063】
工程d)に記載のアンモニアの蒸留は、特に1.2バール〜10バール、特に有利に1.5バール〜3バールの範囲内の圧力で行なうことができる。
【0064】
α−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールとの反応がその際になかんずく生じるアンモニアの除去によって2個の空間的に互いに別個ではあるが結合された装置中で実施されるような記載された変法と共に、もう1つの変法においては、反応工程および除去工程を唯一の装置中で行なうことは、好ましい。この場合、圧力反応器および圧力型蒸留塔は、あたかも一致するかのように唯一の装置で実現されている。
【0065】
本発明の前記の特殊な実施態様によれば、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するための連続的方法は、エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールとを、触媒の存在下で、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、アンモニア、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドならびにアルコールおよび触媒を有する生成物混合物を維持しながら反応させ;この場合この方法は、
a’)エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミド、アルコールおよび触媒を含むエダクト流を圧力反応器中に供給し;
b’)エダクト流を圧力反応器中で1バール〜100バールの範囲内の圧力で互いに反応させ;
c’)生成物混合物のアルコールおよびアンモニアの含量を減少させ、この場合アンモニアは、絶えず1バールを上廻るように維持される圧力で付加的なストリップ手段を用いずに留去され;および
d’)工程c’)から生じる、アンモニアおよびアルコールの含量が減少された、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドおよび触媒を有する生成物混合物を前記塔から取り出すことを示す。
【0066】
特に反応器として使用される反応型蒸留塔中の先に記載された本発明による変法で維持すべき圧力範囲は、幅広い範囲に亘って変動可能である。この場合、本発明の好ましい実施態様は、工程a’)〜c’)を同時に反応型蒸留塔内で2バール〜50バール、有利に5バール〜40バールの範囲内の圧力で実施することを含む。
【0067】
特に好ましいのは、工程a’)〜c’)を同時に反応型蒸留塔内で10バール〜30バールの範囲内の圧力で実施することを示す方法である。
【0068】
本発明による方法の好ましい変法において、エダクトの反応は、圧力塔として設計された反応型蒸留塔内で実施され、生じるアンモニアは、反応中に連続的に塔の頭頂部を介して留去される。それによって、アンモニアを、圧力を減少させる必要なしに最も簡単に分離し、高い純度で回収することができるという驚異的な効果が達成される。更に、この場合、アンモニアを圧力下で塔の頭頂部を介して留去し、アルコールを塔底部を介してかまたは側方流により塔から除去するという変法は、特に重要である。即ち、反応型蒸留塔の相応して設計された分離効果により、アンモニアとアルコールとの直接的な分離が達成される。
【0069】
本発明による反応の反応温度は、幅広い範囲に亘り変動することができ、この場合反応速度は、温度が上昇するにつれて一般に高まる。上の温度限界は、一般に使用されるアルコールの沸点からもたらされる。特に、反応温度は、40〜300℃、特に有利に120〜240℃、殊に有利に180℃〜220℃の範囲内にある。
【0070】
本発明にとって、反応相中に存在するアルコール最大10質量%、特に最大5質量%、特に有利に最大1質量%がきそうにより反応系から除去されることは、有利である。この手段により、この反応は、特に安価に実施されることができる。この場合、反応系は、有利に、この反応系が絶えず1バールを上廻る圧力下で維持されることによって特徴付けられる。この場合、反応系は、殊に反応が行なわれる系の範囲およびアンモニアが生成物およびアルコールと分離される系の範囲、殊に蒸留塔を含むことができる。
【0071】
それに応じて、アンモニアとアルコールとの分離は、特に1バールを上廻る、特に有利に1.5バールを上廻る圧力で極めて高い効率で行なうことができる。この場合、滞留時間内に供給されたアルコールに対してアルコール最大10質量%がアンモニアと一緒に反応系から留去されることは、特に好ましい。
【0072】
特に、滞留時間は、30秒間〜2時間、特に有利に1分間〜30分間、殊に有利に2分間〜15分間であることができる。この記載は、特に反応器体積に対する前記記載に関連する。この場合、複数の反応器の場合には、圧力反応器の体積の総和が当てられ、この場合には、蒸留装置の体積が算入されることはない。反応型蒸留塔を使用する場合には、滞留時間は、相応して反応型蒸留塔の体積から明らかになる。
【0073】
本発明には、1つの変法により、それぞれ多工程の耐圧性の蒸留塔を使用することができ、この蒸留塔は、2つ以上の分離段を有する。本発明においては、棚段塔の場合の棚板の数またはパッキング塔(Packungskolonne)または充填体を有する塔の場合の理論的分離段の数は、分離段の数と呼称される。
【0074】
棚板を有する多工程の蒸留塔の例は、バブルキャップトレイ、シーブトレイ、トンネルトレイ、バルブトレイ、スリットトレイ、シーブスリットトレイ、シーブバブルキャップトレイ、ノズルトレイ、遠心分離トレイのようなトレイを含み、充填体を有する多工程の蒸留塔の例は、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、バールサドル(Berl-Saettel)、インタロックスサドル(Intalox Saettel)のような充填体を含み、パッキングを有する多工程の蒸留塔は、タイプMellapak(Sulzer)、Rombopak(Kuehni)、Montz-Pak(Montz)および触媒用ポケットを有するパッキング、例えばKata-Pakのようなパッキングを含む。
【0075】
棚板の範囲、充填体の範囲またはパッキングの範囲からの組合せを有する蒸留塔は、同様に使用されることができる。
【0076】
アンモニアの含量が減少された生成物混合物は、なかんずく獲得しようと努力されたα−ヒドロキシカルボン酸エステルを有する。更に、エステルの単離および精製のために、好ましい変法では、アンモニアの含量が減少された生成物混合物が蒸留塔の塔底部を介して取り出され、さらに第2の蒸留塔に供給され、そこでアンモニアならびにアルコールの含量が減少された混合物の維持下にアルコールが塔の頭頂部を介して留去され、好ましくは反応器中に返送される。
【0077】
次に、さらにアンモニアおよびアルコールの含量が減少された混合物からのα−ヒドロキシカルボン酸エステルの単離および取得のために、アンモニアおよびアルコールの含量が減少された混合物を他の蒸留塔の塔底部を介して取り出し、なお他の蒸留塔に供給し、そこでα−ヒドロキシカルボン酸エステルを頭頂部を介して留去し、こうして得られたアンモニア、アルコールおよびα−ヒドロキシカルボン酸エステルの含量が減少された混合物を、場合によっては他の精製工程後に反応器中に返送する方法は、好ましい。塔の頭頂部を介して取得されるα−ヒドロキシカルボン酸エステル生成物は、高純度であり、例えばアルキル(メタ)アクリレートを取得するために極めて有利に他の反応工程に供給されてよい。
【0078】
特に、蒸留装置は、図示されているように、反応器と呼ばれる少なくとも1つの範囲を有し、この場合この範囲には、少なくとも1つの触媒が設けられている。この反応器は、前記したように、特に蒸留塔内に存在することができる。
【0079】
本発明の範囲内で図示された方法は、エダクトの量比に対する幅広いスペクトルを許容しうることが判明した。即ち、アルコール分解は、比較的大きなアルコール過剰量で実施されてもよいし、α−ヒドロキシカルボン酸アミドに対して不足量で実施されてもよい。特に好ましいのは、エダクトの反応を1:3〜20:1の範囲内のアルコールとα−ヒドロキシカルボン酸アミドとの出発モル比で行なうような方法である。特に有利なのは、1:2〜15:1の比であり、なお好ましいのは、1:1〜10:1である。
【0080】
更に、α−ヒドロキシカルボン酸アミドとしてヒドロキシイソブチルアミドを使用し、アルコールとしてメタノールを使用することによって特徴付けられる方法は、好ましい。
【0081】
本発明による反応は、触媒の存在下で行なわれる。反応は、例えば塩基性触媒によって促進されることができる。この触媒は、均一な触媒ならびに不均一な触媒を含む。
【0082】
触媒としてランタノイド化合物は、本発明による方法を実施するために特に重要であり、この場合には、耐水性のランタノイド化合物が特に好ましい。本発明による方法における均一な触媒のこの種の使用は、新規であり、意外なことに有利な結果をもたらす。"耐水性"の表現は、触媒が水の存在下で触媒能を維持していることを意味する。それに応じて、本発明による反応は、水2質量%までの存在下で行なうことができ、この場合には、それによって触媒の触媒能が実質的に損なわれることはない。これに関連して、"実質的"の表現は、反応速度および/または選択性が水の不在下での反応に対して最大50%だけ減少することを意味する。
【0083】
ランタノイド化合物は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Td、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよび/またはLuの化合物を示す。有利には、ランタンを含むランタノイド化合物が使用される。
【0084】
特に、ランタノイド化合物は、25℃で少なくとも1g/l、有利に少なくとも10g/lの水中での溶解度を有する。
【0085】
好ましいランタノイド化合物は、特に酸化段階3で存在する塩である。
【0086】
特に好ましい耐水性ランタノイド化合物は、La(NO33および/またはLaCl3である。この化合物は、塩として反応混合物に添加されてもよいし、原位置で形成されてもよい。
【0087】
更に、アルカリ金属アルコラートおよびチタン、錫およびアルミニウムの有機金属化合物は、本発明で成果を収めて使用可能な均一の触媒に属する。特に、チタンアルコラートまたは錫アルコラート、例えばチタンテトライソプロピルオキシドまたは錫テトラブチルオキシドが使用される。
【0088】
特殊な変法は、チタンおよび/または錫、およびα−ヒドロキシカルボン酸アミドを含有する可溶性の金属錯体を触媒として使用することを含む。
【0089】
本発明による方法の別の特殊な変法には、触媒として金属トリフルオロメタンスルホネートを使用することが設けられている。この場合には、特に金属が周期律表の第1族、第2族、第3族、第4族、第11族、第12族、第13族および第14族中の元素からなる群から選択されている金属トリフルオロメタンスルホネートが使用される。この中で、好ましくは、金属が1つ以上のランタノイドに相当する金属トリフルオロメタンスルホネートが使用される。
【0090】
均一な触媒による触媒作用の好ましい変法と共に、場合によっては不均一な触媒を使用する方法も好ましい。なかんずく、酸化マグネシウム、酸化カルシウムならびに塩基性イオン交換体および類似物は、成果を収めて使用可能な不均一な触媒に属する。
【0091】
即ち、例えば、触媒がSb、Sc、V、La、Ce、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Si、Sn、PbおよびBiからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含有する不溶性の金属酸化物であるような方法が好ましい。
【0092】
他の選択可能な方法も好ましく、この場合触媒としては、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、In、BiおよびTeからなる群から選択された不溶性の金属が使用される。
【0093】
更に、本発明による方法の範囲内でアルコール分解の際に放出されるアンモニアは、例えば簡単にアルキル(メタ)アクリレートの製造のための全プロセスに返送されてよい。例えば、アンモニアは、メタノールと反応され、青酸に変わることができる。これは、例えば欧州特許出願公開第0941984号明細書中に記載されている。更に、青酸は、アンモニアおよびメタンからBMA法またはアンドルスソフ(Andrussow)法により得ることができ、この場合この方法は、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版, CD-ROM, 検索語"Inorganic Cyano Compounds"中に記載されている。同様に、アンモニアは、アンモ酸化、例えばアンモニア、酸素およびプロペンからのアクリルニトリルの大工業的合成に返送されてよい。アクリルニトリル合成は、K. WeisermehlおよびH. -J. ArpeのIndustrial Organic Chemixtry、第307頁以降に、検索語Sohio-Prozessに記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明による第1の変法の一般的な方法を進行させるための系統図。
【図2】本発明による第2の変法の一般的な方法を進行させるための系統図。
【0095】
図1に関連する本発明による第1の変法の一般的な方法の進行。
【0096】
特に好ましい実施態様によれば、アルコール分解、特にメタノリシスは、図1に示された、圧力型精留塔と多数の圧力反応器との組合せで行なうことができる。ヒドロキシイソカルボン酸アミド、例えばヒドロキシイソブチルアミドは、導管(1)を介して、導管(2)を介するメタノールおよび導管(3)を介するメタノール/触媒混合物と一緒に導管(4)によって圧力反応器(R−1)に供給される。前記反応条件下で反応器(R−1)中で反応混合物は、ヒドロキシイソカルボン酸エステルおよびアンモニア、未反応のヒドロキシイソカルボン酸アミドおよびメタノール、触媒ならびに副生成物の痕跡から形成される。この混合物は、反応器(R−1)からの流出後によりいっそう僅かな圧力段階に放圧され、導管(5)を介して圧力塔(K−1)中に導入される。
【0097】
この塔は、好ましくはパッキングを備えている。そこでアンモニアは、メタノールの一部分と一緒に反応混合物から分離され、頭頂部で留出物として取得される。
【0098】
よりいっそう高い沸点の成分、ヒドロキシイソカルボン酸エステル、副生成物および未反応のヒドロキシイソブチルアミドは、残留するメタノールと一緒に再び塔から取り出され、反応器の圧力で圧縮され、第2の圧力反応器(R−2)に供給される。
【0099】
反応は、有利に4個の順次に接続された圧力反応器(R−1〜R−4)中で行なわれる。塔底部を介して塔(K−1)から流出する生成物混合物は、ヒドロキシイソカルボン酸エステル、副生成物の痕跡およびヒドロキシイソブチルアミドからなる。この生成物混合物は、導管(9)によって蒸留塔(K−2)中に導入される。そこで、ヒドロキシイソカルボン酸エステルは、留出物として生じ、導管(10)を介して取り出される。ヒドロキシイソカルボン酸アミド/触媒混合物は、塔(K−2)から塔底部を介して流出し、一部分が導管(12)および(4)を介して第1の圧力反応器(R−1)中に返送される。部分流(11)は、薄膜蒸発器(D−1)に供給される。この薄膜蒸発器は、導管(13)を介するアミド、高沸点副生成物および触媒からなる混合物の取出しを可能にする。
【0100】
塔(K−1)中で留出物として取得されるアンモニア/メタノール混合物は、圧縮され、導管(14)を介して他の塔(K−3)に供給される。この塔は、頭頂部で純粋に生じるアンモニアをメタノールと分離し、このメタノールは、導管(15)および(4)を介して第1の圧力反応器(R−1)中に供給される。
【0101】
【表1】

【0102】
図2に関連する本発明による第2の変法の一般的な方法の進行。
【0103】
例えば、アルコール分解、特にメタノリシスは、図2に示された装置中で行なうことができる。ヒドロキシイソカルボン酸アミド、例えばヒドロキシイソブチルアミドは、導管(1)を介して、導管(2)を介するメタノールおよび導管(3)を介するメタノール/触媒混合物と一緒に反応型蒸留塔(K−1)に供給される。この塔は、圧力塔として形成されており、有利には、棚板を装備している。前記反応条件下で塔の棚板上で反応混合物は、ヒドロキシイソカルボン酸エステルおよびアンモニア、未反応のヒドロキシイソカルボン酸アミドおよびメタノール、触媒ならびに副生成物の痕跡から形成される。アンモニアは、留出物として生じ、導管(7)を介して取り出される。
【0104】
高沸点成分、ヒドロキシイソカルボン酸エステル、副生成物および未反応のエダクトヒドロキシイソカルボン酸アミドおよびメタノールは、塔底部を介して塔から流出される。この混合物は、導管(6)を介して他の蒸留塔(K−2)中に導入される。この塔中でメタノールは、留出物して生じ、この留出物は、導管(9)および(5)を介して塔(K−1)中に返送されることができる。塔底部から取得される、ヒドロキシイソカルボン酸エステル、副生成物およびヒドロキシイソブチルアミドからなる混合物は、導管(8)を介して蒸留塔(K−3)中に導入される。そこでヒドロキシイソカルボン酸エステルは、導管(10)を介して留出物として取り出される。ヒドロキシイソカルボン酸アミド/触媒混合物は、塔から塔底部を介して流出し、一部分が導管(12)、(4)および(5)を介して塔(K−1)中に返送される。
【0105】
部分流(11)は、薄膜蒸発器(D−1)に供給される。この薄膜蒸発器は、導管(13)を介するアミド、高沸点副生成物および触媒からなる混合物の取出しを可能にする。
【0106】
【表2】

【0107】
次に、本発明を実施例につき詳説する。
【0108】
例1
エダクト計量供給部と連続的に運転される攪拌釜型反応器とからなる実験室用試験装置中で、48時間の試験時間に亘ってα−ヒドロキシイソブチルアミド0.8質量%および35g/hの触媒含量を有するメタノール/触媒混合物157g/hを供給した。反応を触媒としてのLa(NO33を使用しながら実施した。生じる反応混合物をガスクロマトグラフィーにより分析した。α−ヒドロキシイソブチルアミドに対するα−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステルとのモル選択率は、98.7%であり、この場合には、0.7質量%の生成物混合物中でのアンモニア濃度を生じた。
【0109】
実施例2〜7
第1表は、記載された試験装置中で14:1のMeOH:HIBAのエダクトのモル比で、異なる反応温度および滞留時間で実施された他の例を示す。
【0110】
【表3】

【0111】
第1表は、HIBSM(α−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル)に対する選択率が反応器内の反応混合物中のアンモニア濃度に依存するだけでなく、反応技術的パラメーター滞留時間および温度、ひいては正確な反応の実施にも依存することを明らかにする。
【0112】
例8
記載された実験室用試験装置中に48時間の試験時間に亘り、連続的に1.0質量%の触媒含量を有するメタノール/触媒混合物およびα−ヒドロキシイソブチルアミドを7:1のモル比で計量供給した。HIBSMおよびアンモニアに対する反応は、75バールの圧力および220℃の反応温度で5分間の滞留時間で行なわれた。この反応は、触媒としてのLa(NO33を使用しながら実施された。生じる反応混合物をガスクロマトグラフィーにより分析した。α−ヒドロキシイソブチルアミドに対するα−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステルとのモル選択率は、99%であり、この場合には、0.63質量%の生成物混合物中でのアンモニア濃度を生じた。
【0113】
実施例9〜12
記載された実験室用試験装置中に48時間の試験時間に亘り、連続的に0.9質量%の触媒含量を有するメタノール/触媒混合物およびα−ヒドロキシイソブチルアミドを10:1のモル比で計量供給した。HIBSMおよびアンモニアに対する反応は、75バールの圧力および200℃および220℃の反応温度で5分間または10分間の滞留時間で行なわれた。この反応は、触媒としてのLa(NO33を使用しながら実施された。生じる反応混合物をガスクロマトグラフィーにより分析した。α−ヒドロキシイソブチルアミドに対するα−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステルとのモル選択率および生成物混合物中でのアンモニア濃度は、第2表中に記載されている。
【0114】
【表4】

【符号の説明】
【0115】
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15 導管、 11 部分流、 D−1 薄膜蒸発器、 K−1 圧力塔(図1)、反応型蒸留塔(図2)、 K−2 蒸留塔、 K−3 他の塔(図1)、蒸留塔(図2)、 R−1 圧力反応器、 R−2 第2の圧力反応器、 R−3、R−4 圧力反応器、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールとを、触媒の存在下で、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、アンモニア、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドならびにアルコールおよび触媒を有する生成物混合物を維持しながら反応させることにより、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するための連続的方法において、
エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミド、アルコールおよび触媒を含むエダクト流を圧力反応器中に供給し;
エダクト流を圧力反応器中で1バール〜100バールの範囲内の圧力で互いに反応させ、
生成物混合物のアルコールおよびアンモニアの含量を減少させ、この場合アンモニアは、絶えず1バールを上廻るように維持される圧力で付加的なストリップ手段を用いずに留去されることを特徴とする、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するための連続的方法。
【請求項2】
a)エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミド、アルコールおよび触媒を含むエダクト流を圧力反応器中に供給し;
b)エダクト流を圧力反応器中で1バール〜100バールの範囲内の圧力で互いに反応させ;
c)工程b)から生じる、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドおよび触媒を有する生成物混合物を圧力反応器から取り出し;および
d)生成物混合物のアルコールおよびアンモニアの含量を減少させ、この場合アンモニアは、絶えず1バールを上廻るように維持される圧力で留去する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
b1)エダクトを圧力反応器中で5バール〜70バールの範囲内の圧力で互いに反応させ、
b2)工程b1)から生じる生成物混合物を圧力反応内の圧力より低く、1バールより高い圧力に放圧し;
c1)工程b2)から生じる放圧された生成物混合物を蒸留塔内に供給し;
c2)蒸留塔内でアンモニアおよびアルコールを頭頂部を介して留去し、この場合蒸留塔内の圧力は、1バールを上廻り10バール以下の範囲に維持され;および
d1)工程c2)から生じる、アンモニアおよびアルコールの含量が減少された、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドおよび触媒を有する生成物混合物を前記塔から取り出す、請求項2記載の方法。
【請求項4】
e)工程d1)で取り出された生成物混合物を5〜70バールの範囲内の圧力に圧縮し;
f)このように工程e)で圧縮された混合物を反応のために他の圧力反応内に供給し、再び反応させ;および
g)請求項2記載の工程b2)、c1)、c2)およびd1)を繰り返す、請求項3記載の方法。
【請求項5】
工程e)〜g)を数回繰り返す、請求項4記載の方法。
【請求項6】
工程e)〜g)をなお少なくとも2回繰り返し、したがって反応を全体で少なくとも4個の順次に接続された圧力反応器中で実施する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
工程c1)に記載の放圧された生成物混合物をそれぞれの再度の反応後に、早期の工程c1)の供給の供給位置に対して蒸留塔の塔底部によりいっそう隣接して圧力反応器中に供給する、請求項4から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
反応器から反応器への温度を減少させる、請求項4から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
温度の減少は、3〜15℃の範囲内にある、請求項8記載の方法。
【請求項10】
反応器から反応器への反応器体積を減少させる、請求項4から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
反応器体積の減少率は、それぞれの大きさの反応器の体積に対して2%〜20%の範囲内にある、請求項10記載の方法。
【請求項12】
工程c)に記載の反応をd)に記載のアンモニアの蒸留よりも高い圧力で実施する、請求項2から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
圧力差は、少なくとも40バールである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
工程d)に記載のアンモニアの蒸留を1.5バール〜3バールの範囲内の圧力で行なう、請求項2から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工程b)に記載のエダクトの反応を50〜70バールの範囲内の圧力で実施する、請求項2から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
a’)エダクトとしてα−ヒドロキシカルボン酸アミド、アルコールおよび触媒を含むエダクト流を圧力反応器中に供給し;
b’)エダクト流を圧力反応器中で1バール〜100バールの範囲内の圧力で互いに反応させ;
c’)生成物混合物のアルコールおよびアンモニアの含量を減少させ、この場合アンモニアは、絶えず1バールを上廻るように維持される圧力で付加的なストリップ手段を用いずに留去され;および
d’)工程c’)から生じる、アンモニアおよびアルコールの含量が減少された、α−ヒドロキシカルボン酸エステル、未反応のα−ヒドロキシカルボン酸アミドおよび触媒を有する生成物混合物を圧力反応器から取り出す、請求項1記載の方法。
【請求項17】
工程a’)〜c’)を同時に反応型蒸留塔中で5バール〜40バールの範囲内の圧力で実施する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
工程a’)〜c’)を同時に反応型蒸留塔中で10バール〜30バールの範囲内の圧力で実施する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
アンモニアを圧力下で塔の頭頂部を介して留去し、アルコールを塔底部を介して塔から除去するかまたは側方流により塔から除去する、請求項17または18記載の方法。
【請求項20】
エダクトの反応を1:3〜20:1の範囲内のアルコールとα−ヒドロキシカルボン酸アミドとの出発モル比で行なう、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
α−ヒドロキシイソ酪酸アミドおよび/またはα−ヒドロキシイソプロピオン酸アミドを使用する、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
α−ヒドロキシカルボン酸アミドとしてヒドロキシイソブチルアミドを使用し、アルコールとしてメタノールを使用する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
反応を120〜240℃の範囲内の温度で実施する、請求項1から22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
エダクトの反応の際の滞留時間は、1〜30分間の範囲内にある、請求項1から23までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
滞留時間は、2〜15分間の範囲内にある、請求項24記載の方法。
【請求項26】
滞留時間内で供給されるアルコールに対して最大10質量%をアンモニアと一緒に反応系から留去する、請求項1から25までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
反応を少なくとも1つのランタノイド化合物によって促進させる、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
反応を少なくとも1つの耐水性のランタノイド化合物によって促進させる、請求項27記載の方法。
【請求項29】
ランタノイド化合物は塩である、請求項27または28記載の方法。
【請求項30】
ランタノイド化合物を酸化段階IIIで使用する、請求項27から29までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
ランタノイド化合物は、少なくとも10g/lの水中での溶解度を示す、請求項27から30までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
ランタノイド化合物はランタンを含む、請求項27から31までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
ランタノイド化合物は、La(NO33および/またはLaCl3を含む、請求項32記載の方法。
【請求項34】
チタンおよび/または錫、およびα−ヒドロキシカルボン酸アミドを含有する可溶性の金属錯体を触媒として使用する、請求項1から33までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
金属トリフルオロメタンスルホネートを触媒として使用する、請求項1から34までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
金属が周期律表の第1族、第2族、第3族、第4族、第11族、第12族、第13族および第14族中の元素からなる群から選択されている金属トリフルオロメタンスルホネートを使用する、請求項35記載の方法。
【請求項37】
金属が1つ以上のランタノイドである金属トリフルオロメタンスルホネートを使用する、請求項36記載の方法。
【請求項38】
触媒は、Sb、Sc、V、La、Ce、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Si、Sn、PbおよびBiからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含有する不溶性の金属酸化物である、請求項1から37までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
触媒として、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、In、BiおよびTeからなる群から選択された不溶性の金属を使用する、請求項1から38までのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−537471(P2009−537471A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510374(P2009−510374)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052951
【国際公開番号】WO2007/131829
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(390009128)エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (293)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Roehm GmbH
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,Germany
【Fターム(参考)】