説明

β−グルクロニダーゼ阻害剤

【課題】生活環境中においてアンモニアよりも尿臭への寄与の高い悪臭成分を明らかにし、その発生に関わる酵素を阻害することによって、尿に由来する悪臭の生成を持続的に抑制できる剤を提供する。
【解決手段】ユキノシタ、ダマスクバラ、ウワウルシ、ツルドクダミ、ヘナ(カラレス)、エゾムラサキツツジ、ボタン等、及びそれらの抽出物から選ばれる新規β-グルクロニダーゼ阻害剤、並びに当該-βグルクロニダーゼ阻害剤を含有する環境衛生製品及びサニタリー製品、並びにβ-グルクロニダーゼ阻害剤を使用した尿臭生成抑制用組成物及び尿臭の生成抑制方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β-グルクロニダーゼ阻害剤、及び尿臭生成抑制用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の衛生志向の高まりから、見た目の汚ればかりでなく汚れの存在を想起させる臭気についても除去することが強く望まれている。特に尿及び便に関しては存在を生活環境から切り離すことはできず、さらに、その臭気は排泄物そのものを強く想起させることから、ヒトに与える不快感は生活環境悪臭の中でもとりわけ大きい。トイレにおいては、便は水洗により容易に屋外に排出することができるが、尿に関しては少量が飛沫として便器の外に残り、その存在が目視で確認しづらいことから長期に渡ってその場に残り、悪臭の発生源となりやすい。また、下着やオムツ、生理用品などのサニタリー製品も、尿が付着した状態で生活環境中に一定期間存在する場面があり、尿を由来とした悪臭の発生源となりうる。
【0003】
従来、このような悪臭に対する一般的な防臭技術としては、悪臭成分を物理的又は化学的に吸着する消臭剤が用いられてきた。このような効果を有するものとして、植物抽出物としては特に緑茶エキスの効果が広く知られている。
【0004】
一方、通常、排尿直後の尿の臭気は非常に弱く、尿に由来する悪臭成分の大部分は微生物由来の代謝酵素の作用によって時間の経過に伴い生成してくるものと考えられている。このため、尿からの悪臭成分の生成を持続的に抑制できる技術の開発が望まれている。
【0005】
このような尿由来の悪臭成分としては、尿素からウレアーゼによって生じるアンモニアが挙げられ、その生成抑制技術として、ウレアーゼ活性阻害剤を用いたアンモニアの発生抑制技術が提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。
【0006】
しかしながら、アンモニアは悪臭成分としては閾値が高い(高濃度でないと臭いを感じない)ため、水洗式の普及により排泄物が即時的に屋外へ排出されるようになった現在においては、アンモニア臭が強く感じられる場面は非常に稀である。
【0007】
一方、β-グルクロニダーゼは、各種のアルコール類、フェノール類、アミン類等がグルクロン酸抱合された化合物(グルクロニド)を加水分解する酵素であり、細菌、真菌類、植物、動物など多くの生物に存在するものであり、例えばヒトの汗中にグルクロン酸抱合されて分泌されたステロイド化合物が、皮膚に生息する細菌の代謝を介して腺臭の生成に関与することは知られているが(特許文献5)、当該酵素と尿臭との関連については知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006-255290号公報
【特許文献2】特開2004-91338号公報
【特許文献3】特開平5-137774号公報
【特許文献4】特開2006-192127号公報
【特許文献5】特開2002-255776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って本発明の課題は、生活環境中においてアンモニアよりも尿臭への寄与の高い悪臭成分を明らかにし、その発生に関わる酵素を阻害することによって、尿に由来する悪臭の生成を持続的に抑制できる剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、尿より発生するフェノール系化合物及びインドール類が、尿臭への寄与の高い成分であること、これらの成分は、菌体由来のβ-グルクロニダーゼが尿に作用することによって顕著に増加することを見出した。また、現在の排泄物が即時的に屋外に排泄される生活環境においてアンモニア臭を強く感じることは稀であり、一般に消費者が感じている尿臭は、アンモニアとは別の、より閾値の低い上記のフェノール系化合物及びインドール類が悪臭成分であると考えられる。
【0011】
そして本発明者らは、特定の植物抽出物が優れたβ-グルクロニダーゼ阻害効果を有すること、さらにこれらのβ-グルクロニダーゼ阻害剤によって不快な尿臭の発生を持続的に抑制することができ、尿が関連する製品に使用することにより、これら製品に対して尿臭生成抑制効果を付与できることを見出した。
【0012】
本発明は、ユキノシタ、ダマスクバラ、ウワウルシ、ツルドクダミ、ヘナ(カラレス)、エゾムラサキツツジ、ボタン、イタドリ、マレーゲール、ロサ・ケンティフォリア、カキ、セキシャク、ニュートラルヘナ、ベンケイソウ、アメリカヤマモミジ、ハマナス、ダッタンソバ、ソウズク、テンダイウヤク、ミツカトウ、モロコシ、レモンユーカリ、カシ(ミロバラン)、ガンビールノキ、トンキンニッケイ、ナガバギシギシ、フウロソウ、イヌカラマツ、ヤドリギ、エノキマメ、ギョリュウ、ハマスゲ、ユーカリ、レイシ、シロコヤマモモ、セイタカミロバラン、セイヨウグルミ、メマツヨイグサ、エンベリア、ハナミズキ、キンミズヒキ、マグワ(クワ)、チョウジノキ、ワレモコウ、スオウ、タイワンセンダン、及びそれらの抽出物から選ばれるβ-グルクロニダーゼ阻害剤を提供するものである。
【0013】
また本発明は、上記の新規なβ-グルクロニダーゼ阻害剤を有効成分とする尿臭生成抑制用組成物を提供するものである。更に、本発明は、上記のβ-グルクロニダーゼ阻害剤を、対象物に尿が付着する前又は尿が付着してから乾燥する前に適用する尿臭の生成抑制方法を提供するものである。
【0014】
また本発明は、上記のβ-グルクロニダーゼ阻害剤を含有することによって尿臭生成抑制効果が付与された環境衛生製品及びサニタリー製品を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤は、尿臭を特徴付ける悪臭成分の発生を持続的に抑制できることから、優れた防臭効果を有する洗浄剤、消臭剤等の環境衛生製品、及びオムツ、生理用品、犬、猫等のペット用排泄物シート等の動物の排泄物関連品等のサニタリー製品において有用である。また、本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤は、β-グルクロニダーゼの作用によって生じる尿臭以外の様々な課題を解決する手段、例えば、揮発性ステロイドに由来する体臭の生成抑制剤、膀胱癌又は大腸癌の発生を低減させる薬剤又は食品としても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】β-グルクロニダーゼによる尿臭強度の増加を示す官能評価結果である。
【図2】除菌尿、腐敗尿菌体及び腐敗尿上清のβ-グルクロニダーゼ活性の測定結果を示す図である。
【図3】除菌尿と腐敗尿の尿臭強度の官能評価結果を示す図である。
【図4】β-グルクロニダーゼ添加尿に対する植物抽出物の尿臭生成抑制効果を示す図である。
【図5】尿臭産生菌に対する植物抽出物のβ-グルクロニダーゼ阻害効果を示す図である。
【図6】尿臭産生菌添加尿に対する植物抽出物の尿臭生成抑制効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔β-グルクロニダーゼ阻害剤〕
β-グルクロニダーゼとは、各種のアルコール類、フェノール類、アミン類等がグルクロン酸抱合された化合物(グルクロニド)を加水分解する酵素をいい、細菌、真菌、植物、動物など多くの生物に存在する。体外に排出された尿の分解には微生物の関与が大きいため、本発明においては、細菌及び真菌由来のβ-グルクロニダーゼが重要である。具体的には、Escherichia coli、Lactobacillus brevis、Propionibacterium acnes、Clostridium perfringens、Staphylococcus haemolyticus、Streptococcus agalactiae、Streptococcus pyogenes、Haemophilus somunus、Shigela sonnei、Aspergillus niger等由来のβ-グルクロニダーゼが挙げられる。これらの微生物由来のβ-グルクロニダーゼは共通のドメインを有する酵素群に分類される。さらにはヒト血漿由来のβ-グルクロニダーゼも同様のタンパク質群に分類される。
【0018】
本発明において用いられるβ-グルクロニダーゼ阻害剤は、これを反応液中に0.0025重量%添加することによって、1.6 units/mLの大腸菌由来β-グルクロニダーゼType VII-Aの活性が80%以上抑制されたことが示されたものをいう。さらに、ヒト等の動物の尿、便、若しくは尿と便の混合物、好ましくは便器やトイレ床等のトイレ環境内やサニタリー製品等の対象物に付着した尿、便、若しくは尿と便の混合物、又はこれらが付着若しくは接触した履歴を有する便器やトイレ床等のトイレ環境内やサニタリー製品等の対象物から抽出したβ−グルクロニダーゼ活性菌、特に大腸菌由来のβ-グルクロニダーゼに対しても活性抑制効果が示されたものが好ましい。
【0019】
以下、上記のように定義されるβ-グルクロニダーゼ阻害剤のうち、本発明において見出された新規β-グルクロニダーゼ阻害剤を列記する。
【0020】
ユキノシタ、ダマスクバラ、ウワウルシ、ツルドクダミ、ヘナ(カラレス)、エゾムラサキツツジ、ボタン、イタドリ、マレーゲール、ロサ・ケンティフォリア、カキ、セキシャク、ニュートラルヘナ、ベンケイソウ、アメリカヤマモミジ、ハマナス、ダッタンソバ、ソウズク、テンダイウヤク、ミツカトウ、モロコシ、レモンユーカリ、カシ(ミロバラン)、ガンビールノキ、トンキンニッケイ、ナガバギシギシ、フウロソウ、イヌカラマツ、ヤドリギ、エノキマメ、ギョリュウ、ハマスゲ、ユーカリ、レイシ、シロコヤマモモ、セイタカミロバラン、セイヨウグルミ、メマツヨイグサ、エンベリア、ハナミズキ、キンミズヒキ、マグワ(クワ)、チョウジノキ、ワレモコウ、スオウ、タイワンセンダン、及びそれらの抽出物。
【0021】
上記の植物は、その植物の全草、葉、根、根茎、果実、種子及び花のうち1以上をそのまま、又は粉砕して用いることができる。抽出物とする場合は、上記植物若しくは菌類又はその粉砕物を、常温又は加温下にて溶媒抽出することにより得ることができる。抽出に際しては、ソックスレー抽出器等の抽出器具を用いることもできる。
【0022】
抽出に用いる溶剤としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ピリジン類などが挙げられ、これらを単独で又は混合物として用いることができる。また、二酸化炭素等の超臨界流体を用いることもできる。
【0023】
上記抽出溶剤の中でも、水、エタノール等のアルコール類、ブチレングリコール等の多価アルコール類から選ばれる溶剤、又はこれらの二種以上の混合溶剤が好ましく、さらに水とエタノールの混合溶剤を用いることが好ましい。水とエタノールの混合溶剤の体積比は(水:エタノール)、10:90〜90:10が好ましく、さらに60:40〜40:60が好ましい。
【0024】
得られた各種溶剤抽出液は、そのままで使用することもでき、その希釈液若しくは濃縮液として、又は濃縮若しくは凍結乾燥した後、粉末状又はペースト状として用いることもできる。また、液々分配等の技術により、上記抽出物から不活性な夾雑物を除去して用いることもでき、本発明においてはこのようなものを用いることが好ましい。これらは必要により公知の方法で脱臭、脱色等の処理を施してから用いてもよい。
【0025】
〔尿臭生成抑制用組成物,尿臭生成抑制方法、環境衛生製品,サニタリー製品〕
本発明において、以上のβ-グルクロニダーゼ阻害剤は、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて尿臭生成抑制用組成物中に含有させることができる。また本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤又は尿臭生成抑制用組成物を、家庭用及び施設用などの環境衛生製品又はサニタリー製品中に有効量含有させることにより、尿に由来する悪臭の生成に対し、高い抑制効果、防臭効果を有する製品とすることができる。また、β-グルクロニダーゼ阻害剤を、対象物(尿臭の発生を抑制しようとする物)に、尿が付着する前又は尿が付着してから付着した尿が乾燥する前に、好ましくは尿が付着してから1時間以内、さらに好ましくは10分以内に適用することにより、尿臭の生成を効果的に抑制することができる。
【0026】
上記尿とは、ヒト由来のものに限定されるものではなく、犬や猫を代表とするペット等の動物由来の尿であっても良い。また、上記の尿に由来する悪臭とは、尿単独から発生する悪臭に限定されるものではなく、例えばオムツ内などにおいて尿と便が混合された状態から発生する悪臭であってもよい。
【0027】
本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤によって制御可能な悪臭成分は、フェノール系化合物及びインドール類であり、具体的にはフェノール、p-クレゾール、4-ビニル-2-メトキシ-フェノール、4-ビニルフェノール、2-メトキシ-1,3-ベンゼンジオール、1,4-ベンゼンジオール、1,3-ベンゼンジオール、インドール等が挙げられるが、これに限定されず、尿にβ-グルクロニダーゼが作用することによって生じる揮発性成分であればよい。
【0028】
本発明の尿臭生成抑制用組成物におけるβ-グルクロニダーゼ阻害剤の含有量は、当該組成物と尿成分との接触混合時においてβ-グルクロニダーゼ阻害剤の濃度が0.0001〜5重量%となるようにするのが好ましく、さらには0.001〜1重量%、さらには0.005〜0.5重量%となるようにするのが好ましい。
【0029】
(環境衛生製品)
環境衛生製品の例としては、洗浄剤、消臭剤、繊維用洗剤、拭き取りシート等が挙げられる。また、いくつかの使用方法を併用することも可能である。本発明の環境衛生製品は、トイレ床面、壁面、便器、汚物入れ、介護施設内、衣類、下着、寝具などの尿由来悪臭の発生しやすい箇所に適用することにより、尿臭の発生を制御することができる。
【0030】
本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤又は尿臭生成抑制用組成物をスプレー型消臭剤に使用する場合、β-グルクロニダーゼ阻害剤としての含有量は0.001〜10重量%となるようにするのが好ましく、さらには0.005〜5重量%、さらには0.01〜1重量%となるようにするのが好ましい。
【0031】
本発明の環境衛生製品に使用する尿臭生成抑制用組成物は、通常に用いられる各種成分、例えば油分、界面活性剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、殺菌剤、抗菌剤、防腐剤、増粘剤、色素類、香料等のほか、消臭基剤、保湿剤、柔軟剤、角質保護剤、薬効剤、酸化防止剤、溶剤、金属塩及び金属イオン類等の成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で、任意に配合して製剤化することができる。
【0032】
(サニタリー製品)
サニタリー製品の例としては、吸収性物品、例えば、軽失禁用品、使い捨て紙オムツ、尿取りパッド、生理用品、及び犬、猫等のペット用排泄物シート等の動物の排泄物関連品等等が挙げられる。本発明のサニタリー製品は、付着した尿より経時的に生じる尿由来悪臭の発生を制御することができる。
【0033】
吸収性物品に使用する場合、本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤又は尿臭生成抑制用組成物は、台紙又は吸収層、特に吸水ポリマーに含浸させることが好ましい。β-グルクロニダーゼ阻害剤としての含浸量は、適用面に対して0.005〜10g/m2とするのが好ましく、さらには0.05〜2g/m2とするのが好ましい。
【0034】
本発明のサニタリー製品に使用する尿臭生成抑制用組成物には、通常に用いられる各種成分、例えば油分、界面活性剤、帯電防止剤、酸化防止剤、pH調整剤、平滑剤、抗菌剤、防黴剤、防腐剤、色素類、香料等のほか、消臭基剤、薬効剤、溶剤、金属塩及び金属イオン類等の成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で、任意に配合することができる。
【0035】
(消臭基剤)
本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤、又はこれを含有する尿臭生成抑制用組成物を、環境衛生製品又はサニタリー製品に用いる場合、β-グルクロニダーゼ阻害作用を失わせない範囲で、一般に知られている消臭基剤を組み合せて用いる、又は含有させることができる。
【0036】
上記の消臭基剤の例としては、
酸化鉄、硫酸鉄、塩化鉄、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化銀、酸化銅等の金属化合物;
リン酸、クエン酸、コハク酸等の酸と、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)等の塩基との組み合わせからなるpH緩衝効果を有する酸ないしはその塩;
乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸等のカルボン酸類;
ウンデシレン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛、リシノール亜鉛などの脂肪酸金属類;
カテキン、ポリフェノール、緑茶抽出物、マッシュルームエキス、木酢液、竹酢液等の植物抽出物系の消臭剤;
鉄、銅などの金属クロロフィリンナトリウム,鉄、銅、コバルトなどの金属フタロシアニン,鉄、銅、コバルト等のテトラスルホン酸フタロシアニン,二酸化チタン、可視光応答型二酸化チタン(窒素ドープ型など)などの触媒型消臭剤;
α-、β-、又はγ-シクロデキストリン、そのメチル誘導体、ヒドロキシプロピル誘導体、グルコシル誘導体、マルトシル誘導体等のシクロデキストリン類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の悪臭の保留効果があるとされるアルキレングリコール類;
ミリスチン酸エステル類、パルミチン酸エステル類、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、クエン酸エステル類等の悪臭の保留効果があるとされるエステル油剤;
多孔メタクリル酸ポリマー、多孔アクリル酸ポリマー等のアクリル酸系ポリマー、多孔ジビニルベンゼンポリマー、多孔スチレン−ジビニルベンゼン−ビニルピリジンポリマー、多孔ジビニルベンゼン−ビニルピリジンポリマー等の芳香族系ポリマー、それらの共重合体等の合成の多孔質ポリマー;キチン、キトサン等の天然の多孔質ポリマー;
活性炭、シリカ、二酸化ケイ素(シリカゲル)、ケイ酸カルシウム、ハイシリカゼオライト(疎水性ゼオライト)、セピオライト、カンクリナイト、ゼオライト、水和酸化ジルコニウム等の無機多孔質物質;
銀担持ゼオライト、銀担持カンクリナイト、銀担持多孔スチレン−ジビニルベンゼン−ビニルピリジンポリマー等の金属担持多孔質
等が挙げられる。これらの消臭基剤は、単独で用いてもよく、さらに組み合わせて使うこともできる。
【0037】
(有機溶剤)
さらに、本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤、又は尿臭生成抑制用組成物を、環境衛生製品又はサニタリー製品に用いる場合、水溶性の有機溶剤を組み合わせて用いる、又は含有させることがより好ましい。
【0038】
上記の水溶性の有機溶剤の例としては、
エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブチルアルコール等のアルコール類;
エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、ヘキシレングリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、グリセリン、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール類;
エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル等のエーテル類
等が挙げられる。
【実施例】
【0039】
参考例1 β-グルクロニダーゼ添加による尿からの揮発性化合物の生成
(1) 測定サンプルの調製
γ線滅菌済み容器中に、採取後すぐに0.2μmのフィルター(ミリポア社製、マイレックスGV)にて除菌操作を行ったヒト尿サンプル(5人のヒト尿混合物)9.9mLを入れ、続いて250units/mLに調整した大腸菌由来β-グルクロニダーゼType VII-A(シグマ社より購入)水溶液0.1mLを添加混合し、25℃恒温槽に静置して22時間反応させた。酵素液の代わりに滅菌イオン交換水0.1mLを添加したものを初期尿サンプルとして同様に22時間恒温槽中に静置した。
反応終了後、反応液9mLに内部標準としてベンジルベンゾエート エタノール溶液を添加し、ジエチルエーテル10mLを用いて2回抽出を行った。抽出液は合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥を行った。乾燥後、固形物をろ別し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮して測定サンプルとした。
【0040】
(2) 揮発性化合物の測定
測定にはガスクロマトグラフ質量分析計を用いた。検出された揮発性化合物の生成量は内部標準に対するピークエリア比として算出した。この結果を表1に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
この結果より、β-グルクロニダーゼの作用により尿から種々のフェノール系化合物及びインドールが生成することが確認された。
【0043】
参考例2 β-グルクロニダーゼ添加による尿臭の発生
(1) 評価サンプルの調製
γ線滅菌済み容器中に、採取後すぐに0.2μmのフィルターにて除菌操作を行ったヒト尿サンプル(5人のヒト尿混合物)720μLを入れ、続いて16units/mLに調整したβ-グルクロニダーゼ水溶液 80μLを添加混合し、37℃恒温槽に静置して20時間反応させた。酵素液の代わりに滅菌イオン交換水80μLを添加したものを初期尿サンプルとし、同様に20時間恒温槽中に静置した。各サンプルについて、それぞれ等量を匂い紙先端に滴下し、これを評価サンプルとした。
【0044】
(2) 臭気官能評価
臭気官能評価は6名のパネラーによって、臭気の強度を0〜5の評価スコアによる6段階臭気強度表示法に基づいて行った。評価スコアは、「0」無臭、「1」やっと感知できるニオイ(検知閾値)、「2」尿臭であることわかるが弱いニオイ(認知閾値)、「3」楽に尿臭であると感じられるニオイ、「4」強い尿臭、「5」強烈な尿臭を示す。臭気強度の判定は0.5刻みで行い、評価の平均値を図1に示した。
この結果より、β-グルクロニダーゼの作用によって生じる揮発性成分は尿臭強度を顕著に増加させることが確認された。
【0045】
参考例3 腐敗尿中のβ-グルクロニダーゼ活性の測定
(1) サンプルの調製
腐敗尿は尿サンプル20mLを採取後、除菌操作を行わずにγ線滅菌済み容器に分注し、室温にて7日間保管したものを用いた。この腐敗尿1mLを10000rpmで5分間遠心分離し、菌体と上清に分離を行った。沈殿した菌体は0.5mLの生理食塩水中に懸濁させた。上清は0.2μmのフィルターを通して除菌を行った。
また、採取直後にフィルターを用いて除菌した尿15mLについても、同様に7日間室温にて保管した。
【0046】
(2) β-グルクロニダーゼ活性の測定
γ線滅菌済み容器中にて、2mM p-ニトロフェニル-β-D-グルクロニド(PNPG)水溶液250μL、0.5Mリン酸バッファー(pH6.8)100μL及びイオン交換水100μLを混合し、続いて上記尿サンプル(除菌尿、腐敗尿菌体懸濁液又は腐敗尿上清)を50μL加え、室温にてそれぞれ反応させた。
反応開始直後及び24時間反応後の上記反応液を0.2Mグリシン-水酸化ナトリウムバッファー(pH10.4)を用いて希釈し、波長400nmの吸光度を測定した。24時間反応後の吸光度から開始直後の吸光度を差し引いた値をβ-グルクロニダーゼ活性の指標とし、サンプルごとの比較を行った。活性測定の結果を図2に示した。
この結果より、腐敗尿中に増殖した菌体がβ-グルクロニダーゼ活性を有すること、さらに菌体を含まない上清もβ-グルクロニダーゼ活性を有することから、これら菌体の産生した酵素が菌体外にも分泌されていることが確認された。
【0047】
(3) 除菌尿及び腐敗尿の臭気官能評価
除菌尿及び腐敗尿は保管に用いた容器のままビン口での臭気評価に供した。
臭気官能評価は6名のパネラーが参考例2の(2)に示した6段階臭気強度表示法に基づいて行った。パネラーの評価の平均を図3に示した。
この結果より、尿中に増殖する菌体が尿臭強度を増加させることが確認された。
【0048】
実施例1 植物抽出物によるβ-グルクロニダーゼの活性阻害
(1) 植物抽出物溶液の調製
テンダイウヤク植物原体(乾燥品)40gを樹脂容器に入れ、50vol%エタノール400mLに1〜4週間浸漬し、成分を抽出した。得られた各種抽出液をろ過し(ワットマン、定性ろ紙)、エバポレーターにて濃縮した。得られた植物抽出物(固形物)を50vol%エタノールに溶解し、固形分濃度1w/v%に調整した。同様の方法にて、その他の植物についても抽出物溶液を調製した。
【0049】
(2) β-グルクロニダーゼの相対活性阻害率測定
γ線滅菌済み容器中にて2mM PNPG水溶液100μL、0.5Mリン酸バッファー(pH6.8)40μL、イオン交換水39.5μL、及び各種植物抽出物溶液0.5μLを混合し、続いて16units/mLに調整したβ-グルクロニダーゼ水溶液20μLを加えて37℃恒温槽中で2時間酵素反応を行った。供した植物抽出物の反応液中での固形分濃度は0.0025w/v%となる。
また、上記植物抽出物溶液の代わりに50vol%エタノールを加えたものをコントロールとし、各サンプル及びコントロールごとに酵素液の代わりにイオン交換水を加えたものをブランクとして、それぞれ同様に2時間反応を行った。
また比較として、β-グルクロニダーゼを競争的に阻害することが広く知られているD-グルカロ-1,4-ラクトンについても、1w/v%の50vol%エタノール溶液を調製し、同様に反応を行った。
上記反応液を0.2Mグリシン-水酸化ナトリウムバッファー(pH10.4)を用いて希釈し、波長400nmにおける吸光度を測定した。得られた測定値より、次式に従ってβ-グルクロニダーゼの相対活性阻害率を求め、表2に示した。
【0050】
【数1】

【0051】
【表2】

【0052】
この結果より、供した植物抽出物サンプルはβ-グルクロニダーゼ阻害活性を有することがわかる。β-グルクロニダーゼ阻害活性は、上記活性を80%以上抑制するものが好ましく、さらに90%以上抑制するものが好ましい。
【0053】
実施例2 植物抽出物溶液の色相測定(ガードナー色数)
植物抽出物溶液は、その性質上、着色成分を含むことが多いことから、「JIS K0071-3 化学製品の色試験方法 第2部 ガードナー色数」に記載の測定法に従い、上記植物抽出物溶液のガードナー色数を測定した。その結果を表3に示す。
【0054】
【表3】

【0055】
表3に示すように、植物抽出物サンプルのうち、テンダイウヤク、カシ(ミロバラン)のガードナー色数が小さく、単独使用時又は製品への配合上好ましい。
【0056】
実施例3 β-グルクロニダーゼ添加尿に対する植物抽出物による尿臭の発生抑制
(1) サンプルの調製
γ線滅菌済み容器中に、採取後すぐに0.2μmのフィルターにて除菌操作を行ったヒト尿サンプル(5人のヒト尿混合物)720μLと、1w/v% 各種植物抽出物溶液若しくは乾留分1w/v%に調製した緑茶エキス(白井松新薬社製、FS-1000)若しくは1w/v% D-グルカロ-1,4-ラクトン溶液の2又は8μLとを加え、続いて16units/mLに調整したβ-グルクロニダーゼ水溶液80μLを添加混合し、37℃恒温槽に静置して20時間反応させた。各種植物抽出物、緑茶エキス及びD-グルカロ-1,4-ラクトンの反応液中での濃度は、0.0025又は0.01重量%となる。
また、除菌尿サンプル720μLに、50vol%エタノール 2又は8μL、及び酵素液80μLを加えて混合したものをコントロールとし、除菌尿サンプル720μLに、50vol%エタノール 2又は8μL、及びイオン交換水80μLを加え混合したものをブランクとして、それぞれ同様に20時間反応させた。各サンプルについて、それぞれ等量を匂い紙先端に滴下し、これを評価サンプルとした。
【0057】
(2) 官能評価による尿臭抑制の確認
臭気官能評価は、6名のパネラーが参考例2の(2)に示した6段階臭気強度表示法に基づいて行った。パネラーの評価の平均を図4に示した。
この結果より、本発明において見出されたβ-グルクロニダーゼ阻害活性を有する植物抽出物は優れた尿臭生成抑制効果を有することが示された。
【0058】
実施例4 尿臭産生菌に対する植物抽出物によるβ-グルクロニダーゼの活性阻害
(1) 尿臭産生菌の採取・同定
4名のパネラーが3時間着用した大人用紙オムツから、肌に接触した表面材を回収した。また同4名のパネラーから採取した尿を等量混合し、これに回収した表面材を浸漬させた。このようにして調製した尿サンプルを大人用紙オムツに吸収させ、30℃恒温槽中で24時間保管することによって強い臭気が発生する状況とした。
このサンプルから常法により菌株(微生物コロニー)の分離を行い、これらを除菌尿中で培養したところ、特定の菌株について強い臭気の発生が確認された。以下の評価においては、これらの特定の菌株(尿臭産生菌)の中から16s rDNA部分塩基配列解析によって大腸菌に帰属された菌株を使用した。
【0059】
(2) 菌液の調製
上記の分離大腸菌を3mMのPNPGを含むミューラーヒントン培地で培養し、生理食塩水で数回洗浄することによって培地成分を除き、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩液(DPBS,Gibco製)によって濁度0.5となるように調製した。
【0060】
(3) β-グルクロニダーゼの相対活性阻害率測定
γ線滅菌済み容器中にて、2mM PNPG水溶液400μL、0.5Mリン酸バッファー(pH6.8)160μL、イオン交換水160μL、及び1w/v%テンダイウヤク抽出物溶液又は乾留分1w/v%に調製した緑茶エキス(白井松新薬社製、FS-1000)又は1w/v% D-グルカロ-1,4-ラクトン溶液の8μLを混合し、続いて上記の濁度0.5に調製した分離大腸菌菌液80μLを添加混合し、37℃恒温槽中で2時間反応を行った。テンダイウヤク抽出物、緑茶エキス及びD-グルカロ-1,4-ラクトンの反応液中での濃度は0.01w/v%となる。
また、テンダイウヤク抽出物溶液の代わりに50vol%エタノールを加えたものをコントロールとし、各サンプル及びコントロールごとに菌液の代わりにDPBSを加えたものをブランクとして、それぞれ同様に2時間反応を行った。上記反応液を10000rpmで2分遠心させ、その上清を0.2Mグリシン-水酸化ナトリウムバッファー(pH10.4)を用いて希釈し、波長400nmにおける吸光度を測定した。得られた測定値より、前記の数式に従ってβ-グルクロニダーゼの相対活性阻害率を求め、結果を図5に示した。
この結果より、テンダイウヤク抽出物は尿臭発生の現場から分離された尿臭産生菌に対しても優れたβ-グルクロニダーゼ阻害活性を有することが示された。
【0061】
実施例5 尿臭産生菌添加尿に対する植物抽出物による尿臭の発生抑制
(1) サンプルの調製
γ線滅菌済み容器中に、採取後すぐに0.2μmのフィルターにて除菌操作を行ったヒト尿サンプル(5人のヒト尿混合物)720μLと、1w/v% テンダイウヤク抽出物溶液又は乾留分1w/v%に調整した緑茶エキス(白井松新薬社製、FS-1000)又は1w/v% D-グルカロ-1,4-ラクトン溶液の8μLとを加え、続いて実施例4の(2)に示した濁度0.5に調製した分離大腸菌菌液80μLを添加混合し、37℃恒温槽中に静置して4時間反応させた。テンダイウヤク抽出物、緑茶エキス及びD-グルカロ-1,4-ラクトンの反応液中での濃度は0.01重量%となる。
また、除菌尿サンプル720μLに50vol%エタノール 8μL及び菌液 80μLを加えて混合したものをコントロールとし、除菌尿サンプル720μLに50vol%エタノール 8μL及びDPBS 80μLを加え混合したものをブランクとして、それぞれ同様に4時間反応させた。
上記反応液を10000rpmで2分遠心させ、上清を0.2μmのフィルターを用いて除菌した。各サンプルについて、それぞれ等量を匂い紙先端に滴下し、これを評価サンプルとした。
【0062】
(2) 官能評価による尿臭抑制の確認
臭気官能評価は6名のパネラーが参考例2の(2)に示した6段階臭気強度表示法に基づいて行った。パネラーの評価の平均を図6に示した。
この結果より、テンダイウヤク抽出物は尿臭発生の現場から分離された尿臭産生菌に対しても、優れた尿臭生成抑制効果を有することが示された。
【0063】
実施例6 スプレー型消臭剤
表4に示す組成(重量%)の本発明に係るβ-グルクロニダーゼ阻害剤を配合した尿臭生成抑制用組成物を調製し、これをトリガースプレー容器に入れ、スプレー型消臭剤を調製した。
【0064】
【表4】

【0065】
実施例7 使い捨ておむつ
表5に示す組成(重量%)の本発明に係るβ-グルクロニダーゼ阻害剤を配合した尿臭生成抑制用組成物を調製し、これを用いて使い捨ておむつを調製した。具体的には、尿臭生成抑制用組成物を使い捨ておむつ用の台紙(坪量16g/m2)に坪量16g/m2スプレーし、乾燥後、その台紙を用いてフラップパルプ100重量部と吸水ポリマー(ポリアクリル酸架橋体)100重量部を均一に混合したものを包み、吸収体を得た。吸収体におけるフラップパルプ/吸水ポリマー混合体の坪量は300g/m2であった。得られた吸収体を用いて使い捨ておむつを調製した。また、このとき台紙にスプレーした尿臭生成抑制用組成物中のβ-グルクロニダーゼ阻害剤の量は、1.6g/m2となる。
【0066】
【表5】

【0067】
実施例8 尿取りパッド
表5に示す組成(重量%)の本発明に係るβ-グルクロニダーゼ阻害剤を配合した尿臭生成抑制用組成物を調製し、これを用いて尿取りパッドを調製した。具体的には、市販の尿取りパッド「花王製リリーフ尿取りパッド安心吸収」の吸水ポリマーのみを、本発明の尿臭生成抑制用組成物を添加混合して乾燥させた吸水ポリマーに変更したものを調製した。吸水ポリマーへの尿臭生成抑制用組成物の添加量は、吸水ポリマーに対して10重量%(乾燥前)とした。また、このときβ-グルクロニダーゼ阻害剤の添加量は吸水ポリマーに対して1重量%であり、尿取りパッドに対しては1.5g/m2相当である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユキノシタ、ダマスクバラ、ウワウルシ、ツルドクダミ、ヘナ(カラレス)、エゾムラサキツツジ、ボタン、イタドリ、マレーゲール、ロサ・ケンティフォリア、カキ、セキシャク、ニュートラルヘナ、ベンケイソウ、アメリカヤマモミジ、ハマナス、ダッタンソバ、ソウズク、テンダイウヤク、ミツカトウ、モロコシ、レモンユーカリ、カシ(ミロバラン)、ガンビールノキ、トンキンニッケイ、ナガバギシギシ、フウロソウ、イヌカラマツ、ヤドリギ、エノキマメ、ギョリュウ、ハマスゲ、ユーカリ、レイシ、シロコヤマモモ、セイタカミロバラン、セイヨウグルミ、メマツヨイグサ、エンベリア、ハナミズキ、キンミズヒキ、マグワ(クワ)、チョウジノキ、ワレモコウ、スオウ、タイワンセンダン、及びそれらの抽出物から選ばれるβ-グルクロニダーゼ阻害剤。
【請求項2】
請求項1に記載のβ-グルクロニダーゼ阻害剤を含有する環境衛生製品。
【請求項3】
請求項1に記載のβ-グルクロニダーゼ阻害剤を含有するサニタリー製品。
【請求項4】
請求項1に記載のβ-グルクロニダーゼ阻害剤を含有する尿臭生成抑制用組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のβ-グルクロニダーゼ阻害剤を、対象物に尿が付着する前又は尿が付着してから乾燥する前に適用する尿臭の生成抑制方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−220641(P2010−220641A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67944(P2009−67944)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】